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官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案要綱


第一 刑法の一部改正
一 談合罪の構成要件の改正
  談合罪の構成要件から「公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的」を削除し、公の競売又は入札
 で契約を締結するためのものに関し談合した者を処罰対象とするものとすること。
(第九十六条の三第二項関係) 
二 公務員談合関与罪の創設
   公の競売又は入札で契約を締結するためのものの職務を行う公務員が、その職務上の地位を利用して、談合に関与したときは、二年以下の懲役に処するものとすること。  (第九十六条の三第三項関係) 
第二 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部改正
 一 特定法人の範囲の拡大
   公正取引委員会の改善措置要求の対象となる特定法人に、特別の法律により設立された法人のうち、国又は地方公共団体が法律により、常時、発行済株式の総数又は総株主の議決権の三分の一以上に当たる株式の保有を義務付けられている株式会社を追加するものとすること。(第二条第二項第二号関係)
二 入札談合等関与行為の範囲の拡大
   入札談合等関与行為に該当する行為として、契約の締結に関し権限等を有する職員が入札談合等が行われる明白なおそれがあることを知りながら当該入札談合等を防止するための措置を講じないことを追加するものとすること。                         (第二条第五項関係)
 三 職員に対する損害賠償請求の要件緩和
 入札談合等関与行為を行った職員で国等に損害を与えたものに対する損害賠償請求の要件を「故意又は重過失」から「故意又は過失」に改めるものとすること。         (第四条第四項関係)
 四 損害額についての裁判所の公正取引委員会への求意見の追加
   入札談合等関与行為を行った職員に対する損害賠償に関する訴えが提起されたときは、裁判所は、遅滞なく、公正取引委員会に対し、当該職員の入札談合等関与行為によって生じた損害の額について、意見を求めなければならないものとすること。                   (第五条関係)
五 公正取引委員会の会計検査院への通知義務の追加
   公正取引委員会は、入札談合等関与行為があり、又はあったと認めるときは、その旨を会計検査院に通知しなければならないものとすること。                    (第八条関係)
第三 地方自治法の一部改正
   地方公共団体に損害を与えた予算執行職員が当該損害の賠償責任を負う要件を「故意又は重過失」から「故意又は過失」に改めるものとすること。         (第二百四十三条の二第一項関係)
第四 会計検査院法の一部改正
 一 懲戒処分の要求の要件緩和
   国の会計事務を処理する職員が著しく国に損害を与えたことにより、会計検査院が本属長官その他監督の責任に当たる者に対し懲戒の処分を要求することができる要件を「故意又は重過失」から「故意又は過失」に改めるものとすること。                  (第三十一条第一項関係)
 二 会計検査院の公正取引委員会への通知義務の追加
   会計検査院は、検査の結果国の契約に関し、独占禁止法第三条又は第八条第一項第一号に違反する行為があると疑うに足りる事実があると認めたときは、その事実を公正取引委員会に通知しなければならないものとすること。                        (第三十三条第二項関係)
第五 予算執行職員等の責任に関する法律の一部改正
   国に損害を与えた予算執行職員が当該損害の弁償責任を負う要件を「故意又は重過失」から「故意又は過失」に改めるものとすること。        (第三条第二項、第四条第一項及び第三項関係)
第六 施行期日等
 一 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第一は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行するものとすること。                                                   
(附則第一条関係)
 二 政府は、この法律の施行後一年以内に、この法律による改正後の刑法及び入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の施行の状況、特殊法人の民営化に伴いその経営組織が株式会社に変更されたもの(以下「民営化会社」という。)が行う競売又は入札で契約を締結するためのものに係る談合等(以下「談合等」という。)の発生に関する状況、談合等の実態等を勘案し、民営化会社の役員又は職員が談合等に関与する行為の防止その他の談合等の防止のための制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。              (附則第七条関係)
三 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。 (附則第二条ないし第六条関係)

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