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   消費者契約法の一部を改正する法律案要綱


第一 目的
この法律の目的に、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすること及び消費者の被害の救済を図るため適格消費者団体が損害賠償等団体訴訟を追行することができることとすることを加えること。(第一条関係)
第二 定義
この法律において「適格消費者団体」とは、第四の一の1の登録を受けた消費者団体をいうものとすること。(第二条第四項関係)
第三 差止請求権及び損害賠償等団体訴訟の追行
 一 差止請求権
1 適格消費者団体は、事業者、受託者等又は事業者の代理人若しくは受託者等の代理人(以下「事業者等」と総称する。)が、消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者に対して第四条第一項から第三項までに規定する行為又は詐欺等行為(人を詐欺し、又は人を強迫する行為をいう。以下同じ。)を現に行い又は行うおそれがあるときは、その事業者等に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができるものとすること。(第十二条第一項及び第二項関係)
2 適格消費者団体は、事業者又はその代理人が、消費者契約を締結するに際し、消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項若しくは民法第九十条の規定により無効とされる消費者契約の条項を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは、その事業者又はその代理人に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができるものとすること。(第十二条第三項及び第四項関係
3 適格消費者団体は、事業者又はその代理人が、消費者契約を締結するに際し、消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項若しくは民法第九十条の規定により無効とされる消費者契約の条項を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行うことを推薦し又は提案する行為を現に行い又は行うおそれがある者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができるものとすること。(第十二条第五項関係)
 二 損害賠償等団体訴訟の追行
 適格消費者団体は、共同の利益を有する多数の消費者の被害の救済を図るため、裁判所の許可を得て、自己の名をもって、損害賠償等団体訴訟(消費者が消費者契約に関して事業者等に対して有する損害賠償請求権その他の金銭債権(製造物責任法第三条に規定する損害賠償の請求権を含む。)について、当該消費者を代表して一括してその給付を求める訴えであって、当該消費者の意思に基づくことなく提起されるものをいう。以下同じ。)を追行することができるものとすること。(第十三条関係)
第四 適格消費者団体
 一 適格消費者団体の登録等
  1 適格消費者団体の登録
 差止請求関係業務(差止請求権を消費者の利益のために行使する業務並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報の収集並びに消費者の被害の防止及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)又は損害賠償等団体訴訟関係業務(消費者の利益のために損害賠償等団体訴訟を追行し、これに係る確定判決等(確定判決及びこれと同一の効力を有するものをいう。以下同じ。)に基づいて支払われた金銭及びその金銭に付される利息を配当する業務並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報の収集並びに消費者の被害の防止及び救済に資する損害賠償等団体訴訟の追行及び配当等の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、内閣総理大臣の登録を受けなければならないものとすること。(第十四条関係)
  2 登録の申請
(一) 1の登録を受けようとする者は、名称及び住所等の所定の事項を記載した登録申請書を、定款又は寄附行為、業務規程等の添付書類とともに、内閣総理大臣に提出しなければならないものとすること。(第十五条第一項及び第二項関係)
(二) (一)の業務規程には、差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の実施の方法、差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持の方法等が定められていなければならないものとすること。この場合において、業務規程に定める差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の実施の方法には、役員又は職員が差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る相手方である事業者等と特別の利害関係を有する場合の措置その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならないものとすること。(第十五条第三項関係)
  3 登録の実施等
(一) 内閣総理大臣は、2の規定による登録の申請があったときは、4の(一)の規定により登録を拒否する場合を除き、当該適格消費者団体の名称等を適格消費者団体登録簿に登録するとともに、遅滞なく、その旨を2の規定による登録の申請をした者に通知しなければならないものとすること。(第十六条第一項及び第二項関係)
(二) 内閣総理大臣は、適格消費者団体登録簿を公衆の縦覧に供しなければならないものとすること。(第十六条第三項関係)
(三) 適格消費者団体は、適格消費者団体である旨を、差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務を行う事務所において見やすいように掲示しなければならないものとすること。(第十六条第四項関係)
(四) 適格消費者団体でない者は、その名称中に適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字を用いること等をしてはならないものとすること。(第十六条第五項関係)
  4 登録の拒否
(一) 内閣総理大臣は、2の規定による登録の申請をした者が次のいずれかに該当するとき又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならないものとすること。(第十七条第一項関係)
(1) 法人でない者
(2) 営利を目的とする法人
(3) 消費生活に関する情報の収集及び提供並びに消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的としない法人
(4) 定款若しくは寄附行為又は業務規程が法令に適合しない法人
(5) その業務を行う役員(理事、業務を執行する無限責任社員その他内閣府令で定める者をいう。以下(5)において同じ。)の構成が○1その業務を行う役員の数のうちに占める特定の事業者の関係者の数の割合が三分の一を超えている法人又は○2その業務を行う役員の数のうちに占める同一の業種に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えている法人。この場合において、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的とする法人は、○1又は○2の事業者に該当しないものとみなすこと。
(6) 消費者の利益の擁護に関する法令等に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
(7) 三の5の規定により登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
(8) 暴力団員等がその事業活動を支配する法人
(9) 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある法人
(10) 政治団体(政治資金規正法第三条第一項に規定する政治団体をいう。)
(11) 役員のうちに、成年被後見人等、破産者で復権を得ないもの、禁錮以上の刑に処せられ、若しくは消費者の利益の擁護に関する法令等に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、若しくはその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者等又は暴力団員等に該当する者のある法人
(12) 差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務を遂行するために必要と認められる政令で定める基準に適合する財産的基礎又は人的構成を有しない法人
(二) 内閣総理大臣は、(一)の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、文書によりその理由を付して通知しなければならないものとすること。(第十七条第二項関係)
  5 登録に関する意見聴取
 内閣総理大臣は、2の規定による登録の申請をした者について暴力団員等がその事業活動を支配する法人等に該当する疑いがあると認めるときは、警察庁長官の意見を聴くものとすること。(第十八条関係)
  6 登録の更新
 1の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うものとすること。(第十九条関係)
  7 変更の届出
(一) 適格消費者団体は、2の(一)の登録申請書に記載した事項に変更があったときは、その日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならないものとすること。(第二十条第一項関係)
(二) 適格消費者団体は、業務規程を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならないものとすること。(第二十条第二項関係)
  8 承継
適格消費者団体がその差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の全部を譲渡し、又は適格消費者団体について合併があったときは、その差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の全部を譲り受けた法人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、当該適格消費者団体の地位を承継するものとすること。ただし、その差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の全部を譲り受けた法人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人が4の(一)の(2)から(12)までのいずれかに該当するときは、この限りでないものとすること。(第二十一条関係)
  9 解散の届出等
  適格消費者団体が合併により消滅したとき、所定の事由により解散したとき又は差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならないものとするとともに、1の登録は、その効力を失うものとすること。(第二十二条関係)
  10 登録の抹消
    内閣総理大臣は、6若しくは9の規定により登録がその効力を失ったとき又は三の5の規定により登録を取り消したときは、当該適格消費者団体の登録を抹消しなければならないものとすること。(第二十三条関係)
二 差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務等
  1 差止請求権の行使、損害賠償等団体訴訟関係業務に関する注意義務等
(一) 適格消費者団体は、当該適格消費者団体又は第三者の不正な利益を図ることを目的として、差止請求権を行使してはならないものとすること。(第二十四条第一項関係)
(二) 適格消費者団体は、善良な管理者の注意をもって、損害賠償等団体訴訟関係業務を行わなければならないものとすること。(第二十四条第二項関係)
(三) 適格消費者団体は、事案の性質に応じて他の適格消費者団体と共同して差止請求権を行使し、又は損害賠償等団体訴訟を追行するほか、差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務について相互に連携を図りながら協力するように努めなければならないものとすること。(第二十四条第三項関係)
(四) 適格消費者団体は、次に掲げる場合その他差止請求又は損害賠償等団体訴訟に関し所定の手続に係る行為がされた場合には、遅滞なく、その旨を他の適格消費者団体に通知するとともに、その旨及びその内容その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に報告しなければならないものとすること。この場合において、当該適格消費者団体が、当該通知及び報告に代えて、すべての適格消費者団体及び内閣総理大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置であって内閣府令で定めるものを講じたときは、当該通知及び報告をしたものとみなすものとすること。(第二十四条第四項関係)
(1) 第五の一の規定による差止請求をしたとき。
(2) 差止請求に係る訴え若しくは損害賠償等団体訴訟の提起等、判決の言渡し等又は上訴の提起等があったとき。
(3) 差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る判決等が確定したとき、裁判上の和解が成立したとき、その他訴訟等が終了したとき。
(4) 差止請求に係る裁判外の和解が成立したときその他差止請求に関する事業者等との間の協議が調ったとき、又はこれが調わなかったとき。
(5) 差止請求に関し、請求の放棄、和解、上訴の取下げその他所定の手続に係る行為であって、それにより確定判決等が存することとなるものをしようとするとき。
(五) 内閣総理大臣は、(四)の規定による報告を受けたときは、すべての適格消費者団体及び内閣総理大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置その他の所定の方法により、他の適格消費者団体に当該報告の日時及び概要等を伝達するものとすること。(第二十四条第五項関係)
  2 消費者の被害に関する情報の取扱い
 適格消費者団体は、差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関し、消費者から収集した消費者の被害に関する情報をその相手方その他の第三者が当該被害に係る消費者を識別することができる方法で利用するに当たっては、あらかじめ、当該消費者の同意を得なければならないものとすること。(第二十五条関係)
  3 秘密保持義務
 適格消費者団体の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。(第二十六条関係)
  4 氏名等の明示
 適格消費者団体の差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務に従事する者は、当該業務を行うに当たり、相手方の請求があったときは、当該適格消費者団体の名称、自己の氏名及び役職等を、その相手方に明らかにしなければならないものとすること。(第二十七条関係)
  5 判決等に関する情報の提供
 適格消費者団体は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、消費者に対し、差止請求に係る判決若しくは裁判外の和解の内容又は損害賠償等団体訴訟に係る判決の内容その他必要な情報を提供するよう努めなければならないものとすること。(第二十八条関係)
  6 財産上の利益の受領の禁止等
(一) 適格消費者団体は、次に掲げる場合を除き、その差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る相手方から、その差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関し、寄附金、賛助金その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産上の利益を受けてはならないものとすること。(第二十九条第一項関係)
(1) 差止請求に係る判決又は民事訴訟法第七十三条第一項の決定により訴訟費用を負担することとされた相手方から当該訴訟費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
(2) 差止請求に係る判決に基づいて民事執行法第百七十二条第一項の規定により命じられた金銭の支払として財産上の利益を受けるとき。
(3) 差止請求に係る判決に基づく強制執行の執行費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
(4) 差止請求に係る相手方の債務の履行を確保するために約定された違約金の支払として財産上の利益を受けるとき。
(5) 損害賠償等団体訴訟に係る判決に基づく金銭の支払として財産上の利益を受けるとき。
(6) 損害賠償等団体訴訟に係る判決又は民事訴訟法第七十三条第一項の決定により訴訟費用を負担することとされた相手方から当該訴訟費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
(7) 損害賠償等団体訴訟に係る判決に基づく強制執行の執行費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
(二) 適格消費者団体の役員又は職員は、当該適格消費者団体の差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る相手方から、その差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関し、寄附金、賛助金その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産上の利益を受けてはならないものとすること。(第二十九条第二項関係)
(三) 適格消費者団体又はその役員若しくは職員は、当該適格消費者団体の差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る相手方から、その差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関し、寄附金、賛助金その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産上の利益を第三者に受けさせてはならないものとすること。(第二十九条第三項関係)
(四) (一)から(三)までに規定する差止請求又は損害賠償等団体訴訟に係る相手方からその差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関して受け又は受けさせてはならない財産上の利益には、その相手方がその差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行に関してした不法行為によって生じた損害の賠償として受け又は受けさせる財産上の利益は含まれないこと。(第二十九条第四項関係)
(五) 適格消費者団体は、(一)の(1)から(4)まで、(6)及び(7)に規定する財産上の利益を受けたときは、これに相当する金額を積み立て、これを差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務に要する費用に充てなければならないものとすること。(第二十九条第五項関係)
(六) 適格消費者団体は、その定款等において、差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務を廃止し、又は一の1の登録の失効若しくは取消しにより差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務を終了した場合において、積立金に残余があるときは、その残余に相当する金額を、他の適格消費者団体があるときは当該他の適格消費者団体に、これがないときは独立行政法人国民生活センターに帰属させる旨を定めておかなければならないものとすること。(第二十九条第六項関係)
  7 区分経理
    適格消費者団体は、所要の区分経理を行わなければならないものとすること。(第三十条関係)
三 監督
  1 帳簿書類の作成及び保存
 適格消費者団体は、その業務及び経理に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならないものとすること。(第三十一条関係)
  2 財務諸表等の作成、備置き、閲覧等及び提出等
(一) 適格消費者団体は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成しなければならないものとすること。(第三十二条第一項関係)
(二) 適格消費者団体の事務所には、財務諸表等、寄附金に関する事項等を記載した書類その他所定の書類を備え置かなければならないものとするとともに、適格消費者団体は、毎事業年度終了後三月以内に、所定の書類を内閣総理大臣に提出しなければならないものとすること。(第三十二条第二項及び第五項関係)
(三) 何人も、適格消費者団体の業務時間内は、いつでも、(二)の事務所に備え置く書類の閲覧若しくは謄写又は謄本若しくは抄本の交付等の請求をすることができるものとするとともに、当該請求があったときは、正当な理由がある場合を除き、これを拒むことができないものとすること。(第三十二条第三項及び第四項関係)
  3 報告及び立入検査
内閣総理大臣は、この法律の実施に必要な限度において、適格消費者団体に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、適格消費者団体の事務所に立ち入り、業務の状況等を検査させ、若しくは関係者に質問させることができるものとすること。(第三十三条関係)
  4 改善命令
 内閣総理大臣は、適格消費者団体が一の4の(一)の(4)、(5)又は(8)から(12)までのいずれかに該当するに至ったと認めるとき又は適格消費者団体若しくはその役員若しくは職員が差止請求関係業務若しくは損害賠償等団体訴訟関係業務の遂行に関しこの法律の規定に違反したと認めるときは、当該適格消費者団体に対し、人的体制の改善、違反の停止、業務規程の変更その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。(第三十四条関係)
  5 登録の取消し等
 内閣総理大臣は、適格消費者団体について、次のいずれかに掲げる事由があるときは、一の1の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができるものとすること。(第三十五条関係)
(一) 偽りその他不正の手段により一の1の登録(一の6の更新を含む。)を受けたとき。
(二) 一の4の(一)の(1)から(3)まで、(6)又は(8)から(11)までのいずれかに該当するに至ったとき。
(三) 4の命令に違反したとき。
(四) 当該適格消費者団体の役員又は職員が二の6の(二)又は(三)の規定に違反したとき。
四 補則
  1 規律
 適格消費者団体は、これを特定の政党のために利用してはならないものとすること。(第三十六条関係)
  2 官公庁等への協力依頼
 内閣総理大臣は、この法律の実施のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができるものとすること。(第三十七条関係)
  3 内閣総理大臣への意見
 警察庁長官は、適格消費者団体について、暴力団員等がその事業活動を支配する法人等に該当する事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、内閣総理大臣が当該適格消費者団体に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、内閣総理大臣に対し、その旨の意見を述べることができるものとすること。(第三十八条関係)
  4 判決等に関する情報の公表
(一) 内閣総理大臣は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、適格消費者団体から二の1の(四)の規定による報告を受けたときは、インターネットの利用その他適切な方法により、速やかに、差止請求に係る判決又は裁判外の和解の概要、損害賠償等団体訴訟に係る判決の概要、当該適格消費者団体の名称及び当該事業者等の氏名又は名称等を公表するものとすること。(第三十九条第一項関係)
(二) (一)に規定する事項のほか、内閣総理大臣は、差止請求関係業務及び損害賠償等団体訴訟関係業務に関する情報を広く国民に提供するため、インターネットの利用その他適切な方法により、適格消費者団体の名称及び住所並びに差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務を行う事務所の所在地その他必要な情報を公表することができるものとすること。(第三十九条第二項関係)
(三) 内閣総理大臣は、独立行政法人国民生活センターに、(一)及び(二)の情報の公表に関する業務を行わせることができるものとすること。(第三十九条第三項関係)
  5 資金の確保及び情報の提供
(一) 国及び地方公共団体は、適格消費者団体が差止請求関係業務又は損害賠償等団体訴訟関係業務の実施に必要な資金の確保に努めるものとすること。(第四十条第一項関係)
(二) 独立行政法人国民生活センター及び地方公共団体は、適格消費者団体の求めに応じ、当該適格消費者団体が差止請求権を行使し、又は損害賠償等団体訴訟を追行するために必要な限度において、当該適格消費者団体に対し、消費生活相談に関する所定の情報を提供することができるものとすること。(第四十条第二項関係)
(三) (二)の規定により情報の提供を受けた適格消費者団体は、当該情報を当該差止請求権の行使又は損害賠償等団体訴訟の追行の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならないものとすること。(第四十条第三項関係)
第五 差止請求に係る訴訟手続等の特例
 一 書面による事前の請求
1 適格消費者団体は、差止請求に係る訴えを提起しようとするときは、その訴えの被告となるべき事業者等に対し、あらかじめ、請求の要旨及び紛争の要点その他の所定の事項を記載した書面により差止請求をし、かつ、その到達した時から一週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができないものとすること。ただし、当該事業者等がその差止請求を拒んだときは、この限りでないものとすること。(第四十一条第一項関係)
2 1の規定は、差止請求に係る仮処分命令の申立てについて準用するものとすること。(第四十一条第三項関係)
 二 訴訟の目的の価額
 差止請求に係る訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなすものとすること。(第四十二条関係)
 三 間接強制の支払額の算定
 差止請求権について民事執行法第百七十二条第一項に規定する方法により強制執行を行う場合において、同項又は同条第二項の規定により債務者が債権者に支払うべき金銭の額を定めるに当たっては、執行裁判所は、債務不履行により消費者が受けるべき不利益を特に考慮しなければならないものとすること。(第四十三条関係)
第六 損害賠償等団体訴訟に係る訴訟手続の特例等
 一 損害賠償等団体訴訟に係る訴訟手続の特例
  1 訴訟の提起の方式等
(一) 適格消費者団体が損害賠償等団体訴訟を提起する場合には、訴状には、民事訴訟法第百三十三条第二項各号に掲げる事項のほか、当該適格消費者団体が当該損害賠償等団体訴訟において代表しようとする消費者の範囲を記載するものとすること。(第四十四条第一項関係)
(二) 第五の二の規定は、損害賠償等団体訴訟について準用するものとすること。(第四十四条第二項関係)
  2 訴訟の追行の許可
(一) 裁判所は、適格消費者団体が損害賠償等団体訴訟を提起した場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、決定で、当該適格消費者団体が当該損害賠償等団体訴訟を追行することを許可することができるものとすること。(第四十五条第一項関係)
(1) 当該損害賠償等団体訴訟に係る訴訟の目的が、共同の利益を有する多数の消費者の有する権利に係るものであるとき。
(2) 損害賠償等団体訴訟によれば当該損害賠償等団体訴訟に係る消費者の権利が適切に実現されると認められるとき。
(3) 当該適格消費者団体が当該損害賠償等団体訴訟において代表しようとする消費者を適切に代表すると認められるとき。
(二) 裁判所は、(一)の規定による許可の決定をする場合においては、決定で、次に掲げる事項を定めなければならないものとすること。(第四十五条第二項関係)
(1) 総員(適格消費者団体が損害賠償等団体訴訟において代表すべき消費者をいう。以下同じ。)の範囲
(2) 総員の範囲に属する者が除外の申出をすることができる期間
(三) 裁判所は、(一)の規定による許可又は不許可の決定をする場合には、当事者を審尋しなければならないものとすること。(第四十五条第三項関係)
(四) 裁判所は、(一)の規定による許可又は不許可の決定をするに当たっては、職権で、必要な調査をすることができるものとすること。(第四十五条第四項関係)
(五) (一)の規定による許可又は不許可の決定に対しては、即時抗告をすることができるものとすること。(第四十五条第五項関係)
(六) 裁判所は、(一)の規定による許可の決定が確定したときは、直ちに、次に掲げる事項等を公告しなければならないものとすること。(第四十五条第六項関係)
(1) 許可の決定の主文
(2) 許可の決定に係る適格消費者団体の名称及び住所並びに代表者の氏名
(3) 許可の決定に係る損害賠償等団体訴訟の被告の氏名又は名称及び住所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名
(4) 許可の決定に係る損害賠償等団体訴訟の請求の趣旨及び原因の要旨
(5) 総員の範囲
(6) 総員の範囲に属する者は3の(一)の除外の申出をすることができる旨
(7) (二)の(2)の除外の申出をすることができる期間(以下「除外申出期間」という。)
(8) 許可の決定に係る損害賠償等団体訴訟についての確定判決等は、総員の範囲に属する者であって3の(一)の除外の申出をしなかったものに対してその効力を有する旨
(七) (六)の規定による公告は、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法その他不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として最高裁判所規則で定める方法でしなければならないものとすること。(第四十五条第七項関係)
  3 除外の申出
(一) 総員の範囲に属する者は、除外申出期間内に、裁判所に対して、総員からの除外の申出を書面によりすることができるものとすること。(第四十六条第一項関係)
(二) 総員の範囲に属する者が、除外申出期間が満了する前に損害賠償等団体訴訟に係る訴訟の目的である権利について訴えを提起したとき(除外申出期間が満了する前に当該訴えを取り下げた場合を除く。)は、除外申出期間が満了する日に、(一)の除外の申出をしたものとみなすこと。(第四十六条第二項関係)
(三) (一)の除外の申出をした者は、総員から除外されるものとすること。(第四十六条第三項関係)
(四) 裁判所は、(一)の除外の申出があったときは、当事者にその旨を通知しなければならないものとすること。(第四十六条第四項関係)
  4 口頭弁論期日
 損害賠償等団体訴訟の口頭弁論は、2の(六)の規定による公告があった日から二週間を経過した後でなければ開始することができないものとすること。(第四十七条関係)
  5 総員の範囲の変更
(一) 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、決定により、総員の範囲を変更することができるものとすること。(第四十八条第一項関係)
(二) 2の(三)から(七)までの規定は、(一)の規定による変更の決定について準用するものとすること。(第四十八条第二項関係)
  6 訴訟の追行の許可の取消し
(一) 裁判所は、適格消費者団体が総員を適切に代表していないときその他重要な事由があるときは、申立てにより又は職権で、決定により、2の(一)の規定による許可の決定を取り消すことができるものとすること。(第四十九条第一項関係)
(二) 2の(三)から(七)までの規定は、(一)の規定による取消しの決定について準用するものとすること。(第四十九条第二項関係)
  7 訴訟手続の中断及び受継
(一) 一の損害賠償等団体訴訟について、6の(一)の規定による取消しの決定その他の事由により、当該損害賠償等団体訴訟を追行するすべての適格消費者団体が当該損害賠償等団体訴訟を追行することができなくなったときは、その訴訟手続は中断するものとすること。(第五十条第一項関係)
(二) 他の適格消費者団体は、裁判所の許可を得て、(一)の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができるものとすること。(第五十条第二項関係)
(三) (一)の規定により中断した訴訟手続について(二)の規定による受継がされなかったときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができるものとすること。(第五十条第三項関係)
(四) 2((二)の(1)を除く。)の規定は、(二)の許可の決定について準用するものとすること。(第五十条第四項関係)
  8 職権証拠調べ
 損害賠償等団体訴訟においては、裁判所は、本案について必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができるものとすること。(第五十一条関係)
  9 相当な損害額の認定
 損害賠償等団体訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができるものとすること。(第五十二条関係)
  10 訴えの取下げ等
(一) 適格消費者団体は、裁判所の許可を得なければ、損害賠償等団体訴訟に係る訴えの取下げ、裁判上の和解又は請求の放棄をすることができないものとすること。(第五十三条第一項関係)
(二) 裁判所は、(一)の許可の決定をするに当たっては、総員の範囲に属する者に対し、意見を述べる機会を与えなければならないものとすること。(第五十三条第二項関係)
(三) 2の(四)から(七)までの規定は、(一)の許可の決定について準用するものとすること。(第五十三条第三項関係)
  11 確定判決の効力が及ぶ者の範囲等
(一) 損害賠償等団体訴訟の確定判決は、総員の範囲に属する者に対してその効力を有するものとすること。(第五十四条第一項関係)
(二) 損害賠償等団体訴訟についての判決の主文においては、総員の範囲を掲げなければならないものとすること。(第五十四条第二項関係)
二 配当等
  1 通則
   (一) 管轄
 配当等手続(損害賠償等団体訴訟において確定した損害賠償請求権その他の金銭債権の管理及び配当に係る手続をいう。以下同じ。)に係る事件は、第一審裁判所の管轄に専属するものとすること。(第五十五条関係)
   (二) 裁判所による監督
(1) 配当等手続に係る事件は、裁判所の監督に属するものとすること。(第五十六条第一項関係)
(2) 裁判所は、職権で、配当等手続に係る事件に関して必要な調査をすることができるものとすること。(第五十六条第二項関係)
   (三) 指定等
(1) 適格消費者団体について、当該適格消費者団体の追行に係る損害賠償等団体訴訟において確定した損害賠償請求権その他の金銭債権の管理又は配当を適切に行っていないときその他重要な事由があるときは、裁判所は、当該適格消費者団体の有する当該損害賠償等団体訴訟に係る確定判決等に基づく地位を承継すべき適格消費者団体として他の適格消費者団体を指定するものとすること。(第五十七条第一項関係)
(2) (1)の規定による指定がされたときは、(1)の地位は、その指定の時においてその指定を受けた適格消費者団体が承継するものとすること。(第五十七条第二項関係)
(3) 裁判所は、(1)又は(4)の規定による指定を受けた適格消費者団体(以下(3)及び(4)において「指定適格消費者団体」という。)がその承継した地位に係る損害賠償請求権その他の金銭債権の管理又は配当を適切に行っていないときその他重要な事由があるときは、当該指定適格消費者団体に係る指定を取り消さなければならないものとすること。(第五十七条第三項関係)
(4) 裁判所は、(3)の規定により指定適格消費者団体に係る指定を取り消したときは、当該指定適格消費者団体の承継していた地位を承継すべき適格消費者団体として他の適格消費者団体を指定するものとすること。(第五十七条第四項関係)
(5) (4)の規定による新たな指定がされたときは、(4)の地位は、その新たな指定の時においてその新たな指定を受けた適格消費者団体が承継するものとすること。(第五十七条第五項関係)
(6) 裁判所は、(1)又は(4)の規定による指定をしたときは、その旨及びその指定の日を公告しなければならないものとすること。(第五十七条第六項関係)
(7) (6)の規定による公告は、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法その他不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として最高裁判所規則で定める方法でしなければならないものとすること。(第五十七条第七項関係)
   (四) 事件に関する文書等の閲覧等
(1) 利害関係人は、裁判所書記官に対し、二の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件の閲覧を請求することができるものとすること。(第五十八条第一項関係)
(2) 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができるものとすること。(第五十八条第二項関係)
(3) (2)の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープに関しては、適用しないものとすること。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならないものとすること。(第五十八条第三項関係)
(五) 報酬等
(1) 適格消費者団体は、裁判所の許可を得て、損害賠償等団体訴訟に係る確定判決等に基づいて支払われた金銭及びその金銭に付される利息のうちから、配当等手続のため必要な費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができるものとすること。(第五十九条第一項関係)
(2) (1)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができるものとすること。(第五十九条第二項関係)
   (六) 民事訴訟法の準用
 配当等手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用するものとすること。(第六十条関係)
   (七) 最高裁判所規則
 二に定めるもののほか、配当等手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定めるものとすること。(第六十一条関係)
  2 配当
  (一) 配当計画の提出等
(1) 適格消費者団体は、配当を行おうとするときは、裁判所の定める期間内に、配当計画を作成し、これを裁判所に提出しなければならないものとすること。(第六十二条第一項関係)
(2) 裁判所は、特別の事情があるときは、申立てにより又は職権で、(1)の期間を伸長することができるものとすること。(第六十二条第二項関係)
   (二) 配当計画の記載事項
 配当計画には、次に掲げる事項等を記載しなければならないものとすること。(第六十三条関係)
(1) 配当に加えるべき総員の範囲
(2) 確定判決等に基づいて支払われた金銭及びその金銭に付される利息の総額
(3) 確定判決等に基づいて支払われた金銭及びその金銭に付される利息のうち配当に充てることができる金額
(4) 配当の基準及びその方法
(5) 権利の届出をすべき期間及びその方法
(6) 権利の確認の方法
(7) 権利に関する紛争の処理に関し必要な事項
   (三) 配当計画認可の決定等
(1) 裁判所は、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、配当計画認可の決定をしなければならないものとすること。(第六十四条第一項関係)
○1 配当計画が法令及び最高裁判所規則の規定に適合するものであること。
○2 配当計画の内容が確定判決等に基づいていること。
○3 配当計画の内容が公正かつ衡平であること。
(2) 配当計画認可の決定に対しては、不服を申し立てることができないものとすること。(第六十四条第二項関係)
   (四) 配当計画の公告
(1) 裁判所は、配当計画認可の決定があったときは、次に掲げる事項等を公告しなければならないものとすること。(第六十五条第一項関係)
○1 配当計画認可の決定の主文
○2 配当計画認可の決定に係る適格消費者団体の名称及び住所並びに代表者の氏名
○3 配当計画
○4 損害賠償等団体訴訟に係る確定判決等の要旨
(2) 1の(三)の(7)の規定は、(1)の規定による公告について準用するものとすること。(第六十五条第二項関係)
   (五) 配当計画の実施等
(1) 配当計画認可の決定があったときは、適格消費者団体は、速やかに、配当計画を実施しなければならないものとすること。(第六十六条第一項関係)
(2) 適格消費者団体は、裁判所の定めるところにより、配当計画の実施状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならないものとすること。(第六十六条第二項関係)
   (六) 配当計画の変更
(1) 配当計画認可の決定があった後配当計画に定める事項を変更する必要が生じたときは、裁判所は、配当終了前に限り、申立てにより又は職権で、決定により、配当計画を変更することができるものとすること。(第六十七条第一項関係)
(2) 1の(三)の(7)の規定は、(1)の規定による変更の決定があった場合について準用するものとすること。(第六十七条第二項関係)
   (七) 残余の金銭の処理
 適格消費者団体は、配当が終了した場合において、(二)の(3)の金額に相当する金銭に残余があるときは、これを独立行政法人国民生活センターに交付しなければならないものとすること。(第六十八条関係)
   (八) 配当終了の場合の報告義務等
(1) 適格消費者団体は、配当が終了した場合には、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならないものとすること。(第六十九条第一項関係)
(2) 裁判所は、(1)の報告があったときは、その旨を公告しなければならないものとすること。(第六十九条第二項関係)
(3) 1の(三)の(7)の規定は、(2)の規定による公告について準用するものとすること。(第六十九条第三項関係)
第七 罰則
所要の罰則を設けること。(第七十一条から第七十八条まで関係)
第八 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行するものとすること。(附則第一項関係)
二 検討
政府は、この法律の施行後五年を目途として、消費者の被害の状況、消費者の利益の擁護を図るための諸施策の実施の状況その他社会経済情勢の変化を勘案しつつ、この法律による改正後の消費者契約法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。(附則第二項関係)

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