衆議院

メインへスキップ





   カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案要綱


第一 趣旨
  この法律は、昭和四十三年に九州地方を中心に発生したカネミ油症事件をめぐる損害賠償請求訴訟に係る判決の仮執行の宣言に基づき国が支払った仮払金の返還に係る債権の債務者が当該事件による被害の発生から現在までの間に置かれてきた状況及び当該債権の債務者の多くが高齢者となっていることを踏まえ、当該債権の債務者について収入及び資産に係る基準を定めて早期に当該債権の免除を行うことができるようにすることの緊要性にかんがみ、当該債権について、国の債権の管理等に関する法律の特例を定めるものとすること。
第二 国の債権の管理等に関する法律の特例
一 歳入徴収官等は、国の債権の管理等に関する法律第三十二条第一項の規定にかかわらず、カネミ油症事件関係仮払金返還債権について、当該債権の債務者が二及び三に定める収入及び資産に係る基準に該当する場合には、当該債権並びにこれに係る延滞金及び利息を免除することができるものとすること。
二 収入に係る基準は、農林水産省令で定めるところにより、カネミ油症事件関係仮払金返還債権の債務者が属する世帯の構成員(当該債権の債務者及びその者と生計を一にする親族をいう。以下「世帯構成員」という。)の収入の総額から租税その他の公課の額を控除した額として算定した額が、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める額未満であることとすること。
@ 世帯構成員の数が四人である場合 千万円
A 世帯構成員の数が四人を超える場合 千万円に世帯構成員の数が四人を超える一人ごとに百万円を加算した額
B 世帯構成員の数が四人に満たない場合 千万円から世帯構成員の数が四人に満たない一人ごとに百万円を控除した額
三 資産に係る基準は、世帯構成員が有する資産について、次のいずれにも該当することとすること。
@ 世帯構成員の居住の用に供する土地及び建物の価額を基礎として第一の趣旨を十分に踏まえて農林水産省令で定めるところにより算定した金額が、当該土地及び建物が世帯構成員の生活の基礎となるものであること、二の収入に係る基準等を考慮して農林水産省令で定める額未満であること。
A @の土地及び建物以外の固定資産及び流動資産の価額を基礎として第一の趣旨を十分に踏まえて農林水産省令で定めるところにより算定した金額が、二の@からBまでに掲げる場合の区分に応じそれぞれ二の@からBまでに定める額未満であること。
四 その他一による免除の手続等について必要な規定を置くものとすること。
第三 債務者の置かれている状況への配慮
 第二の一の適用に当たっては、カネミ油症事件関係仮払金返還債権の債務者の置かれている状況に配慮するものとすること。
第四 非課税
 租税その他の公課は、第二の一による免除を受けた場合における経済的利益を標準として、課することができないものとすること。
第五 施行期日
  この法律は、公布の日から施行するものとすること。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.