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   債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案要綱


第一 特定金銭債権の範囲の拡大(第二条第一項関係)
  次の一から十八までの債権を特定金銭債権に加えるものとすること。
 一 金融機関等が有し、又は有していた社債(私募によるものに限る。)(第三号の二及び第三号の三関係)
 二 金融機関等が有し、又は有していた特定社債(私募によるものに限る。)(第三号の四及び第三号の五関係)
 三 金融機関等であって手形の割引を業として行うものが、その業として手形の割引をしたことに基づいて取得する金銭債権(第三号の六関係)
 四 合同会社が有する流動化資産である金銭債権並びに流動化資産の管理及び処分により生ずる金銭債権(第十二号及び第十四号関係)
 五 投資法人が有する金銭債権(業として取得したものに限る。)(第十四号の二関係)
 六 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が投資法人の有する資産であるもの(第十四号の三関係)
 七 投資法人が業として取得した資産又は投資法人が信託の受益権を取得した場合において当該信託の受託者が有する資産(以下「投資法人等が取得した資産」という。)の管理及び処分により生ずる金銭債権(投資法人若しくは信託の受託者が有するもの又は投資法人等が取得した資産を借り受けてこれを管理する者が有するものに限る。)(第十四号の四関係)
 八 投資事業有限責任組合が有する金銭債権(業として買い取ったものに限る。)(第十四号の五関係)
 九 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が投資事業有限責任組合の有する資産であるもの(第十四号の六関係)
 十 投資事業有限責任組合が業として取得した資産又は投資事業有限責任組合が信託の受益権を取得した場合において当該信託の受託者が有する資産(以下「投資事業有限責任組合等が取得した資産」という。)の管理及び処分により生ずる金銭債権(投資事業有限責任組合若しくは信託の受託者が有するもの又は投資事業有限責任組合等が取得した資産を借り受けてこれを管理する者が有するものに限る。)(第十四号の七関係)
 十一 金融機関等であって、商業、工業、サービス業その他の事業を行う者(以下「事業者」という。)から金銭債権を買い取ることを業として行うものが、その業として買い取った金銭債権(第十五号関係)
 十二 金融機関等であって、事業者が有する一定の範囲に属する不特定の金銭債権について、当該事業者の申込みを受けて当該金銭債権に係る債務を保証し又は当該債務を引き受けることを業として行うものが、その業として保証し又は引き受けたことに基づいて取得する金銭債権(第十五号の二関係)
 十三 金融機関等であって、事業者が有する一定の範囲に属する不特定の金銭債権について、当該事業者との間で当該金銭債権に係る債務が履行されないことによって受ける損害をてん補する保険契約を締結することを業として行うものが、その業として締結した保険契約に基づき当該事業者に保険金を支払ったことにより当該金銭債権に係る債務者に対して取得する金銭債権(第十五号の三関係)
 十四 金融機関等であって、金融機関等の有する貸付債権について、当該貸付債権の債務者との間で当該貸付債権に係る債務が履行されないことによって受ける損害をてん補する保険契約を締結することを業として行うものが、その業として締結した保険契約(当該貸付債権の債権者を被保険者として締結するものに限る。)に基づき当該貸付債権の債権者に保険金を支払ったことにより当該貸付債権の債務者に対して取得する金銭債権(第十五号の四関係)
 十五 破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定(以下「手続開始決定」という。)を受けた者に対する金銭債権(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続開始前の原因に基づいて生じたもの(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続開始後の利息の請求権並びに不履行による損害賠償及び違約金の請求権を含む。)に限る。)(第十七号の二関係)
 十六 次に掲げる要件のいずれにも該当する事業者が有し、又は譲渡した金銭債権(第十七号の三及び第十七号の四関係)
  1 当該事業者が、窮境に陥った事業の再生を図るため、事業の再生に関する計画(以下「事業再生計画」という。)の案を作成していること。
  2 当該事業者が、事業再生計画により自己の権利が変更されるべき債権者(以下「対象債権者」という。)に対し、当該事業再生計画の案の内容を書面により通知していること。
  3 2の通知に先立ち、当該事業者が、当該事業者の事業の再生に関し弁護士若しくは弁護士法人を代理人として選任していること又は当該事業者により若しくは当該事業者の同意を得て当該事業再生計画の案について意見を述べるために選任された弁護士若しくは弁護士法人から当該事業者が過大な債務を負っており若しくは支払不能となるおそれがある旨及び当該事業再生計画の案が法令に違反しておらず、かつ、不合理でない旨の意見が記載された書面を受け取っていること。
  4 当該事業者が、当該事業再生計画の案について、対象債権者の債権の元本の総額の二分の一を超える債権を有する対象債権者から書面で同意を得ていること。
  5 当該事業再生計画の案について対象債権者全員の同意が得られないことが明らかであること、当該事業再生計画に基づいて対象債権者に対して負担する債務の履行を終えていること、当該事業再生計画に基づいて対象債権者に対して負担する債務が履行できないことが明らかであること等の事由のいずれにも該当しないこと。
 十七 次に掲げる要件のいずれにも該当する事業者が有し、又は譲渡した金銭債権(第十七号の五及び第十七号の六関係)
  1 当該事業者が、知れている債権者に対し、清算(当該事業者が事業を継続し、又は当該事業を事業の譲渡、合併、会社分割若しくは会社の設立その他の方法により他の者が継続することを前提としないものに限る。以下同じ。)を開始した旨を書面により通知していること。
  2 1の通知に先立ち、当該事業者が、当該事業者の清算に関し弁護士又は弁護士法人を代理人として選任していること。
  3 当該事業に係る清算が結了していること、1の通知をした後に当該事業の継続を決定していること等の事由のいずれにも該当しないこと。
 十八 信用保証協会その他政令で定める者が第二条第一項第一号から第十九号までに掲げる金銭債権を担保する保証契約に基づく債権に係る債務に関して取得する事前求償権(第二十一号関係)
第二 政令に委任する範囲の見直し(第二条第一項第二十二号関係)
  特定金銭債権として、第二条第一項第一号から第二十一号までに掲げる金銭債権と同様の性質を有するものであってその管理及び回収を債権回収会社に行わせることが国民経済の健全な発展に特に資するもの又は第二条第一項第一号から第二十一号までに掲げる金銭債権に密接に関連するものを政令で規定することができるものとすること。
第三 許可の基準の見直し(第五条第八号関係)
  法務大臣は、債権管理回収業の許可申請者が債権管理回収業を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有しない株式会社であるときは、許可してはならないものとすること。
第四 業務の範囲の明確化(第十二条第二号関係)
  法務大臣の承認を受けずに債権回収会社が営むことができる業務に、金銭債権の管理又は回収に関する業務であって、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律第二十条第一項(同法第二十三条において準用する場合を含む。)の契約による委託に基づき実施するものを加えるものとすること。
第五 手続開始決定を受けた者に対する金銭債権に係る業務に関する規制(第十八条第十項関係)
  債権回収会社は、第一の十五に掲げる金銭債権について管理又は回収の業務を行おうとするときは、当分の間、あらかじめ、当該金銭債権の管理又は回収の業務を行うことについて、第一の十五の手続開始決定を受けた者であってその代理人として弁護士又は弁護士法人が選任されているもの並びに破産管財人その他の当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続における当該手続開始決定を受けた者の財産の管理及び処分をする権利を有する者が裁判所に選任されている場合にあってはその者の書面による同意を得なければならないものとすること。
第六 債権回収会社が組織する団体に関する規定の新設
 一 債権回収会社が組織する団体(第十九条の二関係)
   債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために債権回収会社が組織する団体(以下「団体」という。)は、債権回収会社及びその業務に従事する者がその業務に関して遵守すべき基準の作成の支援その他債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために必要な活動を行うとともに、その活動の状況を公表するものとすること。
 二 法務大臣の援助(第十九条の三関係)
   法務大臣は、債権回収会社の業務の運営の実情を踏まえつつ、団体に対し、その活動に関して、必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとすること。
 三 団体による報告(第十九条の四関係)
   団体は、債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、その旨を法務大臣に報告することができるものとすること。
第七 許可の取消し等に係る事由の見直し(第二十四条第一項第三号関係)
  法務大臣は、債権回収会社が法令に違反し、又はこの法律(この法律に基づく命令を含む。)に基づく処分に違反したときは、営業の許可を取り消し、又は業務の停止を命ずることができるものとすること。
第八 その他
 一 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。(附則第一条関係)
 二 この法律の施行に関し必要な経過措置等を定めるものとすること。(附則第二条から第四条まで関係)
 三 この法律による改正後の債権管理回収業に関する特別措置法の規定については、この法律の施行後五年以内にその実施状況等を勘案しつつ検討が加えられるものとし、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとすること。(附則第五条関係)
 四 その他所要の規定を整備するものとすること。

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