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    児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案要綱


第一 「児童ポルノ」の名称の改正及び定義の明確化
 一 「児童ポルノ」の名称の改正(題名、第二条第三項等関係)
   本法が風俗犯に関する法律ではなく、あくまでも児童に対する性的搾取及び性的虐待に係る行為等の処罰に関する法律であることを明確にするため、その対象である「児童ポルノ」の名称を「児童性行為等姿態描写物」に改めること。
 二 児童性行為等姿態描写物(児童ポルノ)の定義の明確化(第二条第三項第二号及び第三号関係)
   児童性行為等姿態描写物の定義を明確にするため、第二号を「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは殊更に児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」との客観的な要件に改めるとともに、第三号を削除すること。
第二 児童性行為等姿態描写物(児童ポルノ)等取得罪の新設等
 一 児童性行為等姿態描写物(児童ポルノ)等取得罪の新設(新第七条第一項及び第十条関係)
  1 みだりに、児童性行為等姿態描写物を有償で又は反復して取得した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処するものとすること。みだりに、これに係る電磁的記録等を有償で又は反復して取得した者も、同様とすること。
  2 1に係る国民の国外犯は、これを処罰するものとすること。
 二 児童性行為等姿態描写物(児童ポルノ)製造罪の処罰範囲の拡大(新第七条第四項関係)
   提供目的以外の児童性行為等姿態描写物の製造の罪について、意図的に児童に一定の姿態をとらせて製造した場合に限らず、盗撮等の場合にも処罰範囲を拡大すること。
 三 適用上の注意規定の明確化(第三条関係)
   一及び二の改正にかんがみ、この法律の適用に当たっては、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない旨を明確にすること。
第三 罰則の法定刑の引上げ
 一 児童買春関係(第四条から第六条まで関係)
   児童買春罪の法定刑を七年以下の懲役又は五百万円以下の罰金(現行は五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)とする等、法定刑を引き上げること。
 二 児童性行為等姿態描写物(児童ポルノ)関係(新第七条第二項から第七項まで関係)
   児童性行為等姿態描写物等提供罪等の法定刑を五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金(現行は三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)に、児童性行為等姿態描写物等の不特定又は多数の者に対する提供等の罪等の法定刑を七年以下の懲役若しくは七百万円以下の罰金又はその併科(現行は五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はその併科)に引き上げること。
 三 児童買春等目的人身売買等(第八条関係)
   児童買春等目的人身売買罪の法定刑を一年以上十五年以下の懲役(現行は一年以上十年以下の懲役)にする等、法定刑を引き上げること。
第四 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する制度の充実及び強化
 一 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体及び責任の明確化(第十五条関係)
   心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体として、厚生労働省、都道府県、児童相談所、福祉事務所及び市町村を例示し、措置を講ずる主体及び責任を明確化すること。
 二 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等(第十六条の二関係)
  1 社会保障審議会は、児童買春の相手方となったこと、児童性行為等姿態描写物に描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとすること。
  2 社会保障審議会の厚生労働大臣等に対する意見の具申及び厚生労働大臣等が講ずる措置に関する規定を置くこと。
第五 施行期日等
 一 施行期日(附則第一条関係)
   この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。
 二 その他
   その他所要の規定の整備を行うこと。

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