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北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案要綱


第一 目的の見直し                                (第一条関係)
一 目的に、北方領土が「我が国固有の領土」であることを明記するものとすること。
二 特別の措置を講ずべき施策として、「交流等事業の推進」を規定するものとすること。
第二 定義の見直し                                (第二条関係)
一 北方地域元居住者の定義の見直し
「昭和二十年八月十五日において北方地域に生活の本拠を有していた者の子で同日後北方地域において出生したもの」を、北方地域に生活の本拠を有していた者の子(二世)としてではなく、北方地域元居住者(一世)として位置づけるものとすること。
二 交流等事業の定義の追加
この法律において「交流等事業」とは、次に掲げる事業で政令で定めるものをいうものとすること。
  1 日本国民と継続的にかつ現に北方地域に居住するロシア連邦国民との間の相互理解の増進を図り、北方領土問題の解決に寄与することを目的として行われるこれらの者の旅券及び査証を用いない相互訪問の事業
  2 北方地域元居住者及びその家族である日本国民の北方地域への墓参のための訪問の事業
  3 2のほか、北方地域元居住者及びその家族である日本国民の北方地域への最大限に簡易化された手続による訪問の事業
第三 国の責務
国は、北海道並びに北方領土隣接地域の市及び町をはじめとする地方公共団体並びに民間の団体との密接な連携を図りながら、北方領土問題等の解決の促進を図るため必要な施策を積極的に推進し、我が国固有の領土である北方領土の早期返還を実現するため最大限の努力をするものとすること。
                                       (第二条の二関係)
第四 基本方針の見直し等                             (第三条関係)
 一 基本方針に定める事項として、「交流等事業の実施に関する事項」を加えるものとすること。
 二 主務大臣は、必要に応じて、基本方針の見直しを行い、必要な変更を加えなければならないものとすること。
第五 北方領土返還運動の推進等                          (第四条関係)
一 国民世論の啓発を図るために必要な施策として、「北方領土返還運動の推進のための環境の整備」を明記するものとすること。
 二 国は、国民が北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における北方領土問題その他北方地域に関する諸問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じた知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとすること。
第六 交流等事業の推進                            (第四条の二関係)
一 国は、北方領土問題が解決されるまでの間、交流等事業の積極的な推進に努めるものとすること。
二 国は、北方領土隣接地域が交流等事業の推進の拠点として重要な役割を果たしていることに留意しつつ、交流等事業の円滑な推進のため必要な財政上の配慮をするものとすること。
三 国は、北方領土問題が未解決であることに起因して自ら渡航手段を確保することができない等の北方地域元居住者及びその家族である日本国民の置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土問題が解決されるまでの間、第二の二の2及び3の訪問が支障なく行われるようにするため、特別の配慮をするものとすること。
第七 北方地域元居住者に係る北方領土返還運動の後継者の育成
  国は、北方領土返還運動の有力な担い手として重要な役割を果たしている北方地域元居住者の高齢化が進展している現状にかんがみ、北方地域元居住者(北方地域元居住者に含まれる孫の子を含む。)が北方領土返還運動の有力な担い手として引き続き重要な役割を果たすことができるよう、北方領土返還運動の後継者の育成を図るために必要な措置を講ずるものとすること。         (第五条の二関係)
第八 振興計画に定める事項の追加
  振興計画に定める事項に、「観光の開発に関する事項」を追加するものとすること。 (第六条関係)
第九 特別の助成の見直し                    (第七条から第七条の五まで関係)
 一 対象事業に、一般廃棄物の処理施設、消防施設及び水道の整備に関する事業を追加するものとすること。
 二 特定事業に係る国の負担割合の算定について、廃止された「新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律」の規定の例によることとすることを改め、その内容を法律に規定するとともに、特定事業に係る国の負担割合の算定に用いる標準負担額を、北方領土隣接地域の市又は町の標準財政規模の百分の二(現行百分の十)に相当する額に改めるものとすること。
第十 北方地域の領海における漁業者の操業の円滑な実施の確保
  国は、北方領土問題が未解決であることに起因して北方地域の領海において操業する我が国漁業者が置かれている特殊な事情にかんがみ、当該海域における我が国漁業者の操業の円滑な実施を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。                (第九条の二関係)
第十一 北方領土隣接地域振興等基金の対象事業の見直し
  北方領土隣接地域振興等基金の対象事業として、技能研修に係る事業に加え、知識の習得に係る事業を加えるものとすること。                             (第十条関係)
第十二 交流等事業に係る主務大臣
  交流等事業の実施に関する事項についての主務大臣は、内閣総理大臣及び外務大臣とするものとすること。                                     (第十二条関係)
第十三 その他
 一 施行期日
  この法律は、平成二十二年四月一日から施行するものとすること。      (附則第一条関係)
 二 北方領土問題対策協会の交流等事業に係る業務の明確化等
独立行政法人北方領土問題対策協会の業務に交流等事業(第二の二の1に掲げるものに限る。)の実施が含まれることを明確化するとともに、所要の規定の整備を行うものとすること。
(附則第四条関係)
 三 その他所要の経過措置を定めるものとすること。         (附則第二条及び第三条関係)

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