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   労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱


第一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正
一 題名の改正
  題名を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改めるものとすること。
二 目的の改正
  目的規定に、派遣労働者の保護等に関する措置を講ずることを明示するものとすること。
(第一条関係)
三 均等な待遇の確保
  労働者派遣をし、又は労働者派遣の役務の提供を受ける場合においては、労働者の就業形態にかかわらず、就業の実態に応じ、均等な待遇の確保が図られるべきものとすること。  (第三条の二関係)
四 物の製造の業務への労働者派遣の禁止
 何人も、物の製造の業務(物の溶融、鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係る業務をいう。以下同じ。)であって、次の@からBまでのいずれかに該当する業務以外のものについて、労働者派遣事業を行ってはならないものとすること。 
@ その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務
A 派遣先に雇用される労働者が労働基準法第六十五条第一項及び第二項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第二条第一号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
B 派遣先に雇用される労働者が育児・介護休業法第二条第二号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
                                  (第四条第一項第四号関係)
五 常時雇用する労働者でない者に係る労働者派遣の禁止
 一般派遣元事業主は、次に掲げる業務について労働者派遣をする場合を除き、常時雇用する労働者でない者を業として行う労働者派遣の対象としてはならないものとすること。
@ 次の(1)又は(2)に該当する業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務
(1) その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務
(2) その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
A 派遣先に雇用される労働者が労働基準法第六十五条第一項及び第二項の規定により休業し、並びに育児・介護休業法第二条第一号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
B 派遣先に雇用される労働者が育児・介護休業法第二条第二号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
  (第四条の二第一項関係)
六 二月以内の期間の定めのある雇用契約の禁止
1 派遣労働者に係る雇用契約は、期間の定めのないもの又は二月を超える期間の定めのあるものでなければならないものとすること。
2 派遣労働者に係る雇用契約であって、二月以内の期間の定めのあるものは、二月に一日を加えた期間の定めのあるものとみなすものとすること。
(第二十九条の二関係)
七 専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われる労働者派遣事業に対する規制の徹底等
1 派遣元事業主は、第七条第一項第一号の厚生労働省令で定める場合を除き、各事業年度(その期間が一年を超える場合には当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間、事業年度が設けられていない場合には各年)において、労働者派遣の役務について厚生労働省令で定めるところにより計算した量に関し、一の派遣先に対して提供する労働者派遣の役務に係る量がすべての派遣先に対して提供する労働者派遣の役務に係る量の五分の四を超えないようにしなければならないものとすること。                             (第二十四条の五第一項関係)
2 第七条第一項第一号に規定する特定の者及び1の一の派遣先に該当するかどうかについては、同一の法人集団(一の法人及び当該法人の子法人(法人がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該法人がその経営を支配している法人として厚生労働省令で定めるものをいう。)の集団をいう。)に属する法人は、一の法人とみなして、同号の規定及び1を適用するものとすること。
(第七条第二項及び第二十四条の五第二項関係)
 3 厚生労働大臣は、一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新の申請があった場合において、申請  者が1に違反していると認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしてはならないものとすること。
(第十条第三項関係)
八 派遣先等の責任の強化
1 労働者派遣契約の遵守等
イ 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、次に掲げる行為その他の労働者派遣契約の定めに反する行為をしてはならないものとすること。
@ 労働者派遣契約において当該労働者派遣契約に定められた派遣就業をする日(以下「就業日」という。)以外の日に派遣就業をさせることができる旨が定められていないにもかかわらず、就業日以外の日に派遣就業をさせること。
A 労働者派遣契約において就業日以外の日に派遣就業をさせることができる旨が定められている場合に、当該派遣就業をさせることができる日以外の日に派遣就業をさせること。
B 労働者派遣契約において当該労働者派遣契約に定められた派遣就業の開始の時刻から終了の時刻までの時間(以下「就業時間」という。)を延長することができる旨が定められていないにもかかわらず、就業時間を延長すること。
C 労働者派遣契約において就業時間を延長することができる旨が定められている場合に、当該延長することができる時間数を超えて就業時間を延長すること。
(第三十九条第一項関係)
ロ 派遣元事業主は、第四十二条第三項の規定による派遣先からの通知を受けたときは、当該通知を受けた事項に係る派遣労働者に、派遣就業をした日並びに派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間について確認を求めなければならないものとすること。
(第四十二条第四項関係)
2 年次有給休暇の取得を理由とする不利益取扱いの禁止
派遣先は、年次有給休暇を取得した派遣労働者に対して、不利益な取扱いをしてはならないものとすること。                            (第四十四条第一項関係)
3 育児休業を理由とする不利益取扱い等の禁止
イ 派遣先は、次に掲げることを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないものとすること。
@ 派遣労働者が育児休業の申出をし、若しくは育児休業をしたこと、介護休業の申出をし、若しくは介護休業をしたこと、子の看護休暇の申出をし、若しくは子の看護休暇を取得したこと又は介護休暇の申出をし、若しくは介護休暇を取得したこと。
A 派遣労働者が所定外労働の制限の請求をし、若しくは所定労働時間を超えて労働しなかったこと、時間外労働の制限の請求をし、若しくは制限時間を超えて労働しなかったこと、深夜業の制限の請求をし、若しくは深夜において労働しなかったこと又は所定労働時間の短縮措置等の申出をし、若しくは所定労働時間の短縮措置等の適用を受けたこと。
(第四十七条の二の二関係)
ロ 派遣先は、十一1Cの事項の通知を受けた場合には、当該事項に係る派遣労働者に所定労働時間を超えて派遣就業をさせてはならない。              (第四十条の七第一項関係)
ハ 派遣先は、十一1Dの事項の通知を受けた場合には、当該事項に係る派遣労働者の就業時間を育児・介護休業法第十七条第一項の制限時間を超えて延長してはならないものとすること。
(第四十条の七第二項関係)
ニ 派遣先は、十一1Eの事項の通知を受けた場合には、当該事項に係る派遣労働者に午後十時から午前五時までの間において派遣就業をさせてはならないものとすること。
(第四十条の七第三項関係)
4 未払賃金に関する責任
 派遣先(派遣先であった者を含む。以下4及び5において同じ。)及びその地位を相続、合併又は分割により承継した者は、当該派遣先の指揮命令の下に労働させた派遣労働者に関し、当該労働者派遣に係る派遣元事業主(派遣元事業主であった者を含む。以下4及び5において同じ。)が賃金(当該派遣先の指揮命令の下での労働に係るものに限る。以下4において同じ。)を支払期日の経過後なお支払っていないときは、当該派遣元事業主と連帯して、当該賃金を支払う責任を負うものとすること。ただし、当該賃金について、賃金の支払の確保等に関する法律第七条の規定により立替払が行われるべき場合には、その価額の限度において、当該派遣先及びその地位を相続、合併又は分割により承継した者は、当該賃金の支払の責めを免れるものとすること。      (第四十条の八関係)
5 健康保険の保険料等に関する責任
 派遣先及びその地位を相続、合併又は分割により承継した者は、当該派遣先の指揮命令の下に労働させた派遣労働者に関し、派遣元事業主が法令に違反して次に掲げる保険料等(当該派遣先の指揮命令の下に労働させた期間に係るものに限る。以下5において同じ。)を納付しないときは、当該派遣元事業主と連帯して、当該保険料等及びこれに係る延滞金を納付する責任を負うものとすること。
@ 健康保険法の規定により事業主として負担する健康保険の保険料
A 厚生年金保険法の規定により事業主として負担する厚生年金保険の保険料
B 厚生年金保険法の規定により厚生年金基金の加入員を使用する事業主として負担する掛金(徴収金を含む。十Eにおいて同じ。)のうち、免除保険料率に係る部分として厚生労働省令で定めるところにより計算した額
C 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定により事業主として負担する労働保険料
(第四十条の九関係)
6 派遣労働者に対する安全衛生教育
 派遣先は、派遣労働者を受け入れたときは、当該派遣労働者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならないものとすること。     (第四十条の十関係)
7 定期健康診断等の代行
 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対して派遣元事業主が労働安全衛生法第六十六条第一項の規定に違反して健康診断を行っていない場合において、当該派遣労働者から当該派遣先が行う健康診断を受けることを希望する旨の申出があったときは、当該健康診断を受けさせなければならないものとすること。この場合において、当該派遣先は、当該派遣元事業主に対し、当該派遣労働者に対する健康診断に要した費用を請求することができるものとすること。
(第四十条の十一関係)
8 労働者災害補償保険の保険給付の請求に係る便宜の供与
 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者等が業務上の事由又は通勤による負傷、疾病、障がい又は死亡に関して労働者災害補償保険法に基づく保険給付を請求する場合においてその請求を円滑に行うことができるようにするため、必要な便宜を供与しなければならないものとすること。
(第四十条の十二関係)
9 性別を理由とする差別の禁止
イ 派遣先は、派遣労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)及び教育訓練について、派遣労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならないものとすること。
ロ イは、派遣先が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性派遣労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではないものとすること。
(第四十七条の二関係)
10 派遣元事業主に対する個人情報提供の要求の制限
 派遣先は、第三十五条第一項各号に掲げる事項を除き、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者の個人情報であって当該派遣労働者の業務遂行能力に関しないものを提供することを、派遣元事業主に対し求めてはならないものとすること。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでないものとすること。                (第四十条の十三関係)
 11 団体交渉の応諾
派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒んではならないものとすること。             (第四十七条の二の三関係)
12 派遣労働者の雇用
イ 労働者派遣の役務の提供を受ける者が次に掲げる行為をした場合には、当該労働者派遣に係る派遣労働者は、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、自己の雇用主とみなす旨を通告することができるものとすること。
@ 第四条第三項の規定に違反して派遣労働者を港湾運送業務、建設業務、警備業務、物の製造の業務等に従事させること。
A 情を知って、第四条の二第一項の規定に違反して常時雇用する労働者でない者を労働者派遣の対象とする一般派遣元事業主から当該常時雇用する労働者でない者に係る労働者派遣の役務の提供を受けること。
B 情を知って、許可を受けないで一般労働者派遣事業を行う者又は偽りその他不正の行為により許可若しくは許可の有効期間の更新を受けた者から労働者派遣の役務の提供を受けること。
C 情を知って、届出書を提出しないで特定労働者派遣事業を行う者から労働者派遣の役務の提供を受けること。
D 労働者派遣の期間制限の通知を受けたにもかかわらず、労働者派遣の期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること。
E @からDまでに掲げる行為に準ずる行為であって、派遣労働者の利益を著しく害する行為として厚生労働省令で定めるもの
ロ イによる通告があった場合には、当該通告をした派遣労働者と当該通告に係る労働者派遣をする事業主との間の雇用契約は、当該通告が当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に到達したときに、当該労働者派遣をする事業主から当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、移転したものとみなすものとすること。この場合において、当該通告がイDに掲げる行為を理由とするものであるときは、当該派遣労働者は、当該雇用契約を期間の定めのないものに変更することができるものとすること。
ハ 労働者派遣の役務の提供を受ける者は、当該労働者派遣に係る派遣労働者からイ@からEまでに掲げる行為を理由として自己の雇用主とみなす旨の通告を受けたときは、直ちに、当該通告を受領した旨を当該派遣労働者に通知しなければならないものとすること。この場合において、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者は、自己の行為がイ@からEまでに該当しないと思料するときは、その旨を併せて通知しなければならないものとすること。
ニ 労働者派遣の役務の提供を受ける者は、イによる通告を受けたときは、直ちに、その旨を当該労働者派遣をする事業主に通知しなければならないものとすること。
(第四十条の六関係)
九 罰則の強化
1 違法な労働者派遣事業を行った法人に対する罰則の強化
法人の代表者又は法人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して、@からBまでの違法行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対してそれぞれ@からBまでの罰金刑を科するものとすること。
@ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での労働者派遣 二十万円以上三億円以下の罰金刑
A 港湾運送業務、建設業務、警備業務、物の製造の業務等への労働者派遣、一般派遣元事業主による常時雇用する労働者でない者に係る労働者派遣、一般派遣元事業主による名義貸し、無許可での一般労働者派遣、一般労働者派遣の許可に係る不正行為、事業停止命令違反及び特定派遣元事業主による事業廃止命令違反 一億円以下の罰金刑
B 無届での特定労働者派遣、特定派遣元事業主による名義貸し及び業務改善命令違反 三千万円以下の罰金刑
(第六十二条関係)
2 罰則の新設
イ 情を知って、第四条第一項の規定に違反して労働者派遣事業を行う者から、港湾運送業務、建設業務、警備業務、物の製造の業務等について、労働者派遣の役務の提供を受けた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。      (第五十九条第一号の二関係)
ロ 第四条の二第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。                         (第五十九条第一号の三関係)
ハ 情を知って、第四条の二第一項の規定に違反して常時雇用する労働者でない者を労働者派遣の対象とする一般派遣元事業主から当該常時雇用する労働者でない者に係る労働者派遣の役務の提供を受けた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。
(第五十九条第一号の四関係)
ニ 情を知って、許可を受けないで一般労働者派遣事業を行う者又は偽りその他不正の行為により許可若しくは許可の有効期間の更新を受けた者から労働者派遣の役務の提供を受けた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。     (第五十九条第三号の二関係)
ホ 情を知って、届出書を提出しないで特定労働者派遣事業を行う者から労働者派遣の役務の提供を受けた者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するものとすること。
(第六十条第一号の二関係)
ヘ 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、イからホまでの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、それぞれの罰金刑を科するものとすること。               (第六十二条関係)
十 派遣労働者に対する通知事項の拡大
派遣元事業主が労働者派遣をしようとするときに第三十四条第一項の規定により派遣労働者に対してあらかじめ通知しなければならない事項に、次の事項を加えるものとすること。
@ 当該派遣労働者の賃金に関する事項
A 当該労働者派遣に係る派遣労働者一人当たりの労働者派遣に関する料金の額に関する事項
B 当該労働者派遣に係る派遣労働者一人当たりの労働者派遣に関する料金の額に占める当該派遣労働者の賃金の額の割合
C 健康保険法による健康保険の適用に関する事項並びにその適用がある場合には当該派遣労働者及び当該派遣元事業主の負担に係る保険料に関する事項
D 労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険の適用に関する事項及びその適用がある場合には当該派遣元事業主の負担に係る保険料に関する事項
E 厚生年金保険法による厚生年金の適用に関する事項並びにその適用がある場合には当該派遣労働者及び当該派遣元事業主の負担に係る保険料及び掛金に関する事項
F 雇用保険法による雇用保険の適用に関する事項並びにその適用がある場合には当該派遣労働者及び当該派遣元事業主の負担に係る保険料に関する事項
(第三十四条第一項関係)
十一 派遣先に対する通知事項の拡大
1 派遣元事業主が労働者派遣をするときに第三十五条第一項の規定により派遣先に対して通知しなければならない事項に、次の事項を加えるものとすること。
@ 当該労働者派遣に係る派遣労働者の賃金に関する事項
A 当該労働者派遣に係る派遣労働者が健康保険組合の組合員である場合には、当該派遣元事業主の負担に係る保険料に関する事項
B 当該労働者派遣に係る派遣労働者に労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険の適用がある場合には、当該派遣元事業主の負担に係る保険料に関する事項
C 当該労働者派遣に係る派遣労働者について育児・介護休業法の規定により所定労働時間を超えて労働させてはならない場合には、その旨
D 当該労働者派遣に係る派遣労働者について育児・介護休業法の規定により育児・介護休業法第十七条第一項の制限時間を超えて労働時間を延長してはならない場合には、その旨
E 当該労働者派遣に係る派遣労働者について育児・介護休業法の規定により午後十時から午前五時までの間において労働させてはならない場合には、その旨
F 当該労働者派遣の期間中に当該派遣元事業主において実施する予定の派遣労働者に対する教育訓練の時期及び内容
2 派遣元事業主は、第三十五条第一項の規定により派遣先に通知した事項に変更があったときは、その旨及び当該変更があった事項を当該派遣先に通知しなければならないものとすること。
(第三十五条関係)
十二 労働組合等に対する通知
 派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けるときは、当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならないものとすること。
@ 派遣労働者が従事する業務の内容、派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称、派遣就業の場所、労働者派遣の期間及び派遣就業をする日、派遣就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間並びにこれらの内容の差異に応じた派遣労働者の人数
A 派遣元事業主の氏名又は名称
B 当該労働者派遣に関する料金の額
C 当該労働者派遣に係る派遣労働者の賃金に関する事項
D 当該労働者派遣に係る派遣労働者に対する健康保険法による健康保険、労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険、厚生年金保険法による厚生年金及び雇用保険法による雇用保険の適用に関する事項
E その他厚生労働省令で定める事項
(第三十九条の二関係)
十三 事業運営の状況に関する情報の公開
 派遣元事業主は、派遣労働者になろうとする者及び労働者派遣の役務の提供を受けようとする者が派遣元事業主を適切に選択することができるよう、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る次に掲げる事項を公開しなければならないものとすること。
@ 派遣労働者の数
A 労働者派遣の役務の提供を受けた者の数
B 労働者派遣をすることを約した契約の件数及び労働者派遣の期間別の内訳
C 派遣労働者の賃金に関する事項
D 派遣労働者一人当たりの労働者派遣に関する料金の額に関する事項
E 派遣労働者一人当たりの労働者派遣に関する料金の額に占める派遣労働者の賃金の額の割合
F 派遣労働者に対して行った教育訓練の実績
G その他厚生労働省令で定める事項
(第二十三条の二関係)
十四 紹介予定派遣に係る労働者派遣契約の内容
  労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあっては、労働者派遣契約の締結に際し、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項を定めなければならないものとすること。                (第二十六条第一項第九号関係)
十五 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の開始の欠格事由の追加
次に掲げる者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の開始の欠格事由として追加するものとすること。
  @ 特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、当該命令の日から起算して五年を経過しない者
A 一般労働者派遣事業の許可を取り消された者又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられた者が法人である場合(欠格事由に該当したことによる取消し又は廃止の命令の場合については、当該法人が第六条第一号又は第二号に規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。Cにおいて同じ。)であった者で、当該取消し又は命令の日から起算して五年を経過しないもの
B 一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る行政手続法の規定による聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業の廃止の届出又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
C Bの期間内に一般労働者派遣事業の廃止の届出又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者が法人である場合において、Bの通知の日前六十日以内に当該法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であった者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
D 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(E及びFにおいて「暴力団員等」という。)
E 暴力団員等がその事業活動を支配する者
F 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者
(第六条関係)
第二 職業安定法の一部改正
法人の代表者又は法人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して、@からBまでの違法行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対してそれぞれ@からBまでの罰金刑を科するものとすること。
@ 暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段による労働者供給及び公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での労働者供給 二十万円以上三億円以下の罰金刑
A 労働者供給事業の許可に係る不正行為、事業停止命令違反及び無許可での労働者供給 一億円以下の罰金刑
B 業務改善命令違反、虚偽広告等による労働者供給及び労働条件が法令に違反する工場事業場等のための労働者供給 三千万円以下の罰金刑
(第六十七条関係)
第三 雇用保険法の一部改正
派遣労働者及び短時間労働者を、雇用保険の適用対象者とするものとすること。
(第四条第一項及び第六条第一号の二関係)
第四 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正
  シルバー人材センターについて、届出により、有料の職業紹介事業を行うことができるものとすること。
(第四十二条第二項及び第三項関係)
第五 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、次に掲げる事項は、それぞれ次に定める日から施行するものとすること。
@ 第四 平成二十二年四月一日
A 第一の八3イ@の一部・A及びロ並びに十一1C 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律(平成二十一年法律第   号)の施行の日 
B 第一の四及び五(これらに係る罰則等を含む。) 公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日
二 経過措置
この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。
 三 検討
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。   
(附則関係)
四 その他
その他所要の規定を整備するものとすること。

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