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   花きの振興に関する法律案要綱


第一 目的
 この法律は、花き産業が、農地や農業の担い手の確保を図る上で重要な地位を占めているとともに、その国際競争力の強化が緊要な課題となっていること及び花きに関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透し、国民の心豊かな生活の実現に重要な役割を担っていることに鑑み、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、農林水産大臣による基本方針の策定について定めるとともに、花きの生産者の経営の安定、花きの加工及び流通の高度化、花きの輸出の促進、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用等の措置を講じ、もって花き産業の健全な発展及び心豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とすること。     
                                        (第一条関係)
第二 定義
一 この法律において「花き」とは、観賞の用に供される植物をいうこと。
二 この法律において「花き産業」とは、花きの生産、流通、販売又は新品種の育成の事業をいうこと。
                                        (第二条関係)
第三 基本方針
一 農林水産大臣は、花き産業及び花きの文化の振興に関する基本方針(以下単に「基本方針」という。)を定めるものとすること。
二 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとすること。
 1 花き産業及び花きの文化の振興の意義及び基本的な方向に関する事項
 2 花きの需要の長期見通しに即した生産量その他の花き産業の振興の目標に関する事項
 3 花き産業の振興のための施策に関する事項
 4 花きの文化の振興のための施策に関する事項
 5 花きの需要の増進のための施策に関する事項
三 農林水産大臣は、基本方針を定めるに当たって花きの需給事情を把握するため必要があると認めるときは、都道府県知事、花き産業を行う者が組織する団体(以下「花き団体」という。)その他の関係者に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができること。
四 農林水産大臣は、花きの需給事情、農業事情その他の事情の変動により必要があるときは、基本方針を変更するものとすること。
五 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならないこと。
六 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないこと。                                 (第三条関係)
第四 振興計画 
 一 都道府県は、基本方針に即し、当該都道府県における花き産業及び花きの文化の振興に関する計画(以下「振興計画」という。)を定めるよう努めなければならないこと。
 二 都道府県は、振興計画を定めるに当たって花きの需給事情を把握するため必要があると認めるときは、花き団体その他の関係者に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができること。
 三 都道府県は、振興計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないこと。                                   (第四条関係)
第五 連携の強化
 国は、国、地方公共団体、事業者、大学等の研究機関等が相互に連携を図りながら協力することにより、花き産業及び花きの文化の振興の効果的な推進が図られることに鑑み、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとすること。                        (第五条関係)
第六 生産者の経営の安定
  国及び地方公共団体は、花きの生産者の経営の安定を図るため、エネルギーの使用の合理化その他の花きの生産基盤の整備、知的財産の適切な保護及び活用、災害による損失、使用するエネルギーの価格の急激な高騰等が発生した場合における合理的な補その他必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。                              
                                         (第六条関係)
第七 生産性及び品質の向上の促進
 国及び地方公共団体は、花きの栽培の生産性及び花きの品質の向上(以下「生産性及び品質の向上」という。)を促進するため、花き産業を行う者による生産性及び品質の向上のための取組への支援その他必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。                    (第七条関係)
第八 加工及び流通の高度化
 国及び地方公共団体は、花きの加工及び流通の高度化を図るため、花きの加工に関する技術開発、卸売市場等流通関係施設の整備及び流通経路の合理化への支援その他必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。                                    (第八条関係)
第九 鮮度の保持の重要性への留意
  国及び地方公共団体は、第七及び第八の施策を講ずるに当たっては、花きの流通に当たりその鮮度をできる限り保持することの重要性に特に留意するものとすること。            (第九条関係)
第十 輸出の促進
 国及び地方公共団体は、海外市場の開拓等が国内で生産された花きの需要の増進に資することに鑑み、花きの輸出の促進に必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。         (第十条関係)
第十一 研究開発事業計画の認定等
一 研究開発事業(花きの新品種の育成及び増殖技術の高度化に関する研究開発を行う事業であって、我が国の花き産業の国際競争力の強化に特に資するものをいう。以下同じ。)を行おうとする者(研究開発事業を行う法人を設立しようとする者を含む。)は、研究開発事業に関する計画(以下「研究開発事業計画」という。)を作成し、これを農林水産大臣に提出して、その研究開発事業計画が適当である旨の認定を受けることができるものとすること。
二 農林水産大臣は、研究開発事業計画の目標、内容及び実施期間等が、基本方針に照らし適切なものであること等の要件に適合するものであるときは、その認定をするものとすること。
三 認定を受けた研究開発事業計画の変更及び認定(変更の認定を含む。)を受けた研究開発事業計画(以下「認定研究開発事業計画」という。)の認定の取消しについて規定すること。
                                 (第十一条及び第十二条関係)
第十二 種苗法の特例
 一 農林水産大臣は、認定研究開発事業計画に従って行われる研究開発事業の成果に係る出願品種に関する品種登録出願について、その出願者が一定の要件を満たす者であるときは、出願料を軽減し、又は免除することができるものとすること。
 二 農林水産大臣は、認定研究開発事業計画に従って行われる研究開発事業の成果に係る登録品種について、その登録者が一定の要件を満たす者であるときは、第一年から第六年までの各年分の登録料を軽減し、又は免除することができるものとすること。                (第十三条関係)
第十三 報告の徴収及び罰則
 認定研究開発事業計画の実施状況に係る報告徴収及び報告義務違反に対する罰則について必要な規定を設けること。                          (第十四条及び第二十一条関係)
第十四 研究開発の推進等
 国及び地方公共団体は、花きの新品種の育成及び増殖技術の高度化に関する研究開発、生産性及び品質の向上に関する研究開発、花きの品質を保持しつつ流通させるために必要な資材の開発その他花き産業の振興のために必要な研究開発(以下単に「研究開発」という。)の推進及びその成果の普及並びに研究開発を行う者への支援に努めるものとすること。                   (第十五条関係)
第十五 花きの文化の振興
一 国及び地方公共団体は、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用に努めるとともに、社会福祉施設その他花きの人を癒す効用が十分に発揮できる施設における花きの活用の促進に努めるものとすること。
二 国及び地方公共団体は、児童、生徒等に対する花きを活用した教育及び地域における花きを活用した取組の推進を図るため必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。
三 一及び二に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、花きの文化の振興を図るため、日常生活における花きの活用の促進、花きに関する伝統の継承、花きの新たな文化の創出等に対する支援、花きに関する知識等の普及その他必要な施策を講ずるよう努めるものとすること。     (第十六条関係)
第十六 博覧会の開催等
  国及び地方公共団体は、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、花きの博覧会、展覧会、展示会、品評会その他これらに類するものの開催若しくは開催への支援又はこれらへの参加への支援に努めるものとすること。                                 (第十七条関係)
第十七 顕彰
  国及び地方公共団体は、花き産業及び花きの文化の振興に寄与した者の顕彰に努めるものとすること。
                                        (第十八条関係)
第十八 国の援助
  国は、地方公共団体が振興計画に定められた施策を実施しようとするときは、当該施策が円滑に実施されるよう、必要な情報の提供、助言、財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすること。                                               
                                        (第十九条関係)  
第十九 花き活用推進会議
  政府は、関係行政機関(文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省その他の関係行政機関をいう。)相互の調整を行うことにより、花きの活用の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、花き活用推進会議を設けるものとすること。                   (第二十条関係)
第二十 施行期日
  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。                                       
                                          (附則関係)

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