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   ギャンブル等依存症対策基本法案要綱


第一 総則
 一 目的
   この法律は、ギャンブル等依存症がギャンブル等依存症である者等及びその家族の日常生活又は社会生活に支障を生じさせるものであり、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、ギャンブル等依存症対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、ギャンブル等依存症対策の基本となる事項を定めること等により、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の健全な生活の確保を図るとともに、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とすること。(第一条関係)
 二 定義
   この法律において「ギャンブル等依存症」とは、ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。七において同じ。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいうこと。(第二条関係)
 三 基本理念
   ギャンブル等依存症対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならないこと。(第三条関係)
   @ ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた防止及び回復のための対策を適切に講ずるとともに、ギャンブル等依存症である者等及びその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援すること。
   A ギャンブル等依存症対策を講ずるに当たっては、ギャンブル等依存症が、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題に密接に関連することに鑑み、ギャンブル等依存症に関連して生ずるこれらの問題の根本的な解決に資するため、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。
 四 アルコール、薬物等に対する依存に関する施策との有機的な連携への配慮
   ギャンブル等依存症対策を講ずるに当たっては、アルコール、薬物等に対する依存に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。(第四条関係)
 五 国の責務
   国は、三の基本理念にのっとり、ギャンブル等依存症対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。(第五条関係)
 六 地方公共団体の責務
   地方公共団体は、三の基本理念にのっとり、ギャンブル等依存症対策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すること。(第六条関係)
 七 関係事業者の責務
   ギャンブル等の実施に係る事業のうちギャンブル等依存症の発症、進行及び再発に影響を及ぼす事業を行う者(第三の二及び第四の四の2において「関係事業者」という。)は、国及び地方公共団体が実施するギャンブル等依存症対策に協力するとともに、その事業活動を行うに当たって、ギャンブル等依存症の予防等(発症、進行及び再発の防止をいう。以下同じ。)に配慮するよう努めなければならないこと。(第七条関係)
 八 国民の責務
   国民は、ギャンブル等依存症問題(ギャンブル等依存症及びこれに関連して生ずる多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題をいう。以下同じ。)に関する関心と理解を深め、ギャンブル等依存症の予防等に必要な注意を払うよう努めなければならないこと。(第八条関係)
 九 ギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者の責務
   医療、保健、福祉、教育、法務、矯正その他のギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者は、国及び地方公共団体が実施するギャンブル等依存症対策に協力し、ギャンブル等依存症の予防等及び回復に寄与するよう努めなければならないこと。(第九条関係)
 十 ギャンブル等依存症問題啓発週間
   国民の間に広くギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるため、ギャンブル等依存症問題啓発週間(五月十四日から同月二十日まで)を設けること。(第十条関係)
 十一 法制上の措置等
   政府は、ギャンブル等依存症対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないこと。(第十一条関係)
第二 ギャンブル等依存症対策推進基本計画等
 一 ギャンブル等依存症対策推進基本計画
  1 政府は、ギャンブル等依存症対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、ギャンブル等依存症対策の推進に関する基本的な計画(以下「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」という。)を策定しなければならないこと。(第十二条第一項関係)
  2 ギャンブル等依存症対策推進基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとすること。(第十二条第二項関係)
  3 内閣総理大臣は、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならないこと。(第十二条第三項関係)
  4 政府は、ギャンブル等依存症対策推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないこと。(第十二条第四項関係)
  5 政府は、適時に、2により定める目標の達成状況を調査し、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないこと。(第十二条第五項関係)
  6 政府は、ギャンブル等依存症に関する状況の変化を勘案し、並びに第三の十の調査の結果及びギャンブル等依存症対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも三年ごとに、ギャンブル等依存症対策推進基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならないこと。(第十二条第六項関係)
 二 都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画
  1 都道府県は、ギャンブル等依存症対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県の実情に即したギャンブル等依存症対策の推進に関する計画(以下二において「都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画」という。)を策定するよう努めなければならないこと。(第十三条第一項関係)
  2 都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画は、医療計画、都道府県健康増進計画、都道府県アルコール健康障害対策推進計画その他の法令の規定による計画であってギャンブル等依存症対策に関連する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならないこと。(第十三条第二項関係)
  3 都道府県は、当該都道府県におけるギャンブル等依存症に関する状況の変化を勘案し、並びに第三の十の調査の結果及び当該都道府県におけるギャンブル等依存症対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも三年ごとに、都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更するよう努めなければならないこと。(第十三条第三項関係)
第三 基本的施策
 一 教育の振興等
   国及び地方公共団体は、国民がギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深め、ギャンブル等依存症の予防等に必要な注意を払うことができるよう、家庭、学校、職場、地域その他の様々な場におけるギャンブル等依存症問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じたギャンブル等依存症問題に関する知識の普及のために必要な施策を講ずるものとすること。(第十四条関係)
 二 ギャンブル等依存症の予防等に資する事業の実施
   国及び地方公共団体は、広告及び宣伝、入場の管理その他の関係事業者が行う事業の実施の方法について、関係事業者の自主的な取組を尊重しつつ、ギャンブル等依存症の予防等が図られるものとなるようにするために必要な施策を講ずるものとすること。(第十五条関係)
 三 医療提供体制の整備
   国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症である者等がその居住する地域にかかわらず等しくその状態に応じた適切な医療を受けることができるよう、ギャンブル等依存症に係る専門的な医療の提供等を行う医療機関の整備その他の医療提供体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとすること。(第十六条関係)
 四 相談支援等
   国及び地方公共団体は、精神保健福祉センター、保健所、消費生活センター及び日本司法支援センターにおける相談支援の体制の整備その他のギャンブル等依存症である者等及びその家族に対するギャンブル等依存症問題に関する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとすること。(第十七条関係)
 五 社会復帰の支援
   国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症である者等の円滑な社会復帰に資するよう、就労の支援その他の支援を推進するために必要な施策を講ずるものとすること。(第十八条関係)
 六 民間団体の活動に対する支援
   国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症である者等が互いに支え合ってその予防等及び回復を図るための活動その他の民間団体が行うギャンブル等依存症対策に関する自発的な活動を支援するために必要な施策を講ずるものとすること。(第十九条関係)
 七 連携協力体制の整備
   国及び地方公共団体は、一から六までの施策の効果的な実施を図るため、三の医療機関その他の医療機関、精神保健福祉センター、保健所、消費生活センター、日本司法支援センターその他の関係機関、民間団体等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとすること。(第二十条関係)
 八 人材の確保等
   国及び地方公共団体は、医療、保健、福祉、教育、法務、矯正その他のギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者について、ギャンブル等依存症問題に関し十分な知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上のために必要な施策を講ずるものとすること。(第二十一条関係)
 九 調査研究の推進等
   国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症の予防等、診断及び治療の方法に関する研究その他のギャンブル等依存症問題に関する調査研究の推進並びにその成果の普及のために必要な施策を講ずるものとすること。(第二十二条関係)
 十 実態調査
   政府は、三年ごとに、ギャンブル等依存症問題の実態を明らかにするため必要な調査を行い、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないこと。(第二十三条関係)
第四 ギャンブル等依存症対策推進本部
 一 設置
   ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、ギャンブル等依存症対策推進本部(以下「本部」という。)を置くこと。(第二十四条関係)
 二 所掌事務
  1 本部は、次に掲げる事務をつかさどること。(第二十五条第一項関係)
   @ ギャンブル等依存症対策推進基本計画の案の作成及び実施の推進に関すること。
   A 関係行政機関がギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づいて実施する施策の総合調整及び実施状況の評価に関すること。
   B @及びAに掲げるもののほか、ギャンブル等依存症対策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。
  2 本部は、次に掲げる場合には、あらかじめ、ギャンブル等依存症対策推進関係者会議の意見を聴かなければならないこと。(第二十五条第二項関係)
   @ ギャンブル等依存症対策推進基本計画の案を作成しようとするとき。
   A 1のAの評価について、その結果の取りまとめを行おうとするとき。
 三 組織等
  1 本部は、ギャンブル等依存症対策推進本部長、ギャンブル等依存症対策推進副本部長及びギャンブル等依存症対策推進本部員をもって組織すること。(第二十六条関係)
  2 本部の長は、ギャンブル等依存症対策推進本部長とし、内閣官房長官をもって充てること。(第二十七条第一項関係)
 四 ギャンブル等依存症対策推進関係者会議
  1 本部に、二の2の事項を処理するため、ギャンブル等依存症対策推進関係者会議(2において「関係者会議」という。)を置くこと。(第三十二条関係)
  2 関係者会議の委員は、二十人以内で、ギャンブル等依存症である者等及びその家族を代表する者、関係事業者並びにギャンブル等依存症問題に関し専門的知識を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命すること。(第三十三条第一項及び第二項関係)
第五 施行期日等
 一 施行期日
   この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。(附則第一項関係)
 二 検討
  1 本部については、この法律の施行後五年を目途として総合的な検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。(附則第二項関係)
  2 1に定める事項のほか、この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとすること。(附則第三項関係)
 三 その他
   その他所要の規定を設けること。

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