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   日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案要綱


第一 公正な国民投票運動等の実施のための措置
一 政党等による国民投票運動等のための広告の制限
1 政党等による国民投票運動等のための広告放送の制限
政党等は、第百六条第二項の届出をした日の翌日から国民投票の期日までの間においては、同条の規定による場合を除くほか、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動等(国民投票運動又は憲法改正案に対する賛成若しくは反対の意見の表明をいう。以下同じ。)のための広告放送をすることができないこと。                           (第百六条の二関係)
2 政党等によるインターネット等を利用する方法による有料広告の禁止
イ 政党等は、第百六条第二項の届出をした日の翌日から国民投票の期日までの間においては、国民投票運動等のための広告を、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させることができないこと。               (第百三条の三第一項関係)
ロ 政党等は、第百六条第二項の届出をした日の翌日から国民投票の期日までの間においては、イの広告以外の広告であって、当該広告に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面にインターネット等を利用する方法により頒布される国民投票運動等のために使用する文書図画を表示させることができる機能を有するものを、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させることができないこと。       (第百三条の三第二項関係)
二 国民投票運動等に関する収支の透明化及び支出金額の制限
1 国民投票運動等に関する収支の透明化
国民投票運動等に関する支出の金額が千万円を超える団体(以下「特定国民投票運動団体」という。)について、国民投票広報協議会への届出及び収支報告書の提出を義務付けるとともに、これらをインターネットの利用その他の適切な方法により公表する措置を講ずること。
(第百七条の二から第百七条の十二まで等関係)
2 国民投票運動等に関する支出金額の制限
国民投票運動等に関する支出の金額は、一の特定国民投票運動団体について、五億円を超えることができないこと。                          (第百七条の十四関係)
3 「国民投票運動等に関する寄附」に関する規制
イ 「国民投票運動等に関する寄附」に係る量的規制
何人も、特定国民投票運動団体に対する「国民投票運動等に関する寄附」は、五億円を超えて行うことができないものとすること。                 (第百七条の十五関係)
ロ 外国人からの「国民投票運動等に関する寄附」の受領禁止
特定国民投票運動団体は、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織(外国人及び外国法人が発行済株式の総数の過半数を保有している日本の株式会社であって、証券取引所に五年以上継続して上場しているものを除く。以下「外国人等」という。)から、「国民投票運動等に関する寄附」を受けてはならないものとすること。
(第百七条の十六関係)
ハ 他人名義又は匿名による「国民投票運動等に関する寄附」の制限
何人も、特定国民投票運動団体に対して、他人名義又は匿名により、「国民投票運動等に関する寄附」をしてはならないものとすること。              (第百七条の十七関係)
ニ 「国民投票運動等に関する寄附」以外の寄附の国民投票運動等への使用禁止
特定国民投票運動団体は、「国民投票運動等に関する寄附」以外の寄附を国民投票運動等に使用してはならないものとすること。また、その団体が過去三年間の国民投票(国会が憲法改正を発議した日前三年間にその期日がある他の国民投票をいう。)に係る特定国民投票運動団体であるときは、当該特定国民投票運動団体である間に外国人等から受けた寄附についても、同様とすること。
(第百七条の十八関係)
ホ 少額寄附の特例
一件当たり十万円未満の「国民投票運動等に関する寄附」については、イ及びハ(匿名寄附の禁止に係る部分に限る。)は、適用しないものとすること。また、一件当たり十万円未満の寄附であって、特定国民投票運動団体が当該寄附をしようとする者に対し当該寄附を国民投票運動等に使用する可能性がある旨を表示し、又は文書で通知したものは、「国民投票運動等に関する寄附」とみなして、この法律の規定を適用すること。              (第百七条の十九関係)
三 インターネット等を利用した国民投票運動等の適正化
1 インターネット等を利用する方法により文書図画を頒布する者の表示義務
イ 特定国民投票運動団体は、インターネット等を利用する方法により国民投票運動等のために使用する文書図画を頒布するときは、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に当該特定国民投票運動団体の名称及び主たる事務所の所在地、電子メールアドレス等その他国民投票広報協議会が定める事項が正しく表示されるようにしなければならないこと。
(第百三条の二第一項関係)
ロ 特定国民投票運動団体以外の者は、インターネット等を利用する方法により国民投票運動等のために使用する文書図画を頒布するときは、その者の電子メールアドレス等が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならないこと。                         (第百三条の二第二項関係)
2 国民投票運動等に関するインターネット等の適正な利用
イ 国民投票運動等に関しインターネット等を利用する者は、虚偽の事実を記載する等表現の自由を濫用して国民投票の公正を害することがないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないこと。                           (第百三条の四関係)
ロ 国民投票広報協議会は、国民投票運動等に関するインターネット等の適正な利用のための指針を作成するものとすること。                  (第十四条第一項第六号関係)
四 国民投票の当日における国民投票運動の禁止
何人も、国民投票の当日、国民投票運動をすることができないこと。     (第百条の二関係)
第二 憲法改正案の広報の充実強化及び投票環境の整備等
一 憲法改正案の広報に係る財政上の措置等
憲法改正案の広報については、これが憲法改正案に関する国民の理解と関心を深めるとともに、正確な情報に基づく多様な意見を踏まえた国民の議論及び投票人の賛成又は反対の判断の基礎となるものであることに鑑み、国民が国民投票公報の配布、国民投票広報協議会による放送及び新聞広告、説明会の開催並びにウェブサイトの開設等の多様な手段を通じた憲法改正案に関する広報に接する機会を十分に得られることとなるよう、必要な財政上の措置その他の措置が講ぜられなければならないこと。
(第十四条第四項関係)
二 投票環境の整備並びに投票の意義及び重要性の周知
総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票が憲法改正案について広く国民の意思を問うものであることに鑑み、投票人の投票しやすい環境の整備に努めるとともに、国民投票に際し、投票人の投票の意義及び重要性を投票人に周知させなければならないこと。                               (第十九条第一項関係)
三 多様な意見に接する機会についての配慮
国民投票の実施に当たっては、あまねく全国において、かつ、それぞれの地域における様々な場において、憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見が公正かつ平等に紹介されること等を通じて、国民が憲法改正案に関する多様な意見に接する機会を得られることとなるよう配慮されるものとすること。
(第九条の二関係)
第三 選挙運動期間と国民投票運動の一定の期間が重なることを回避するための措置
一 衆議院議員の任期満了による総選挙又は参議院議員の通常選挙との重複の回避
国会が憲法改正を発議した日から起算して百八十日以内の期間が、衆議院議員の任期満了の日前四十二日に当たる日から当該任期満了の日後四十四日に当たる日までの間(以下一において「衆議院議員任期満了総選挙関連期間」という。)又は参議院議員の任期満了の日前四十七日に当たる日から当該任期満了の日後四十四日に当たる日までの間(以下一において「参議院議員通常選挙関連期間」という。)にかかる場合においては、第二条第一項の規定にかかわらず、国民投票は、国会が憲法改正を発議した日から起算して六十日以後二百四十日以内の期間(衆議院議員任期満了総選挙関連期間及び参議院議員通常選挙関連期間を除く。)において、国会の議決した期日に行うこと。   (第二条第二項関係)
二 衆議院の解散による衆議院議員の総選挙との重複の回避
1 国民投票の期日の延期
国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日前十五日に当たる日までの間に衆議院が解散されたときは、国民投票の期日は、第二条第四項の規定により告示された期日後四十二日に当たる日に延期するものとすること。この場合においては、中央選挙管理会は、直ちにその旨を告示しなければならないこと。                              (第二条第五項関係)
2 衆議院の解散による衆議院議員の総選挙を行うべき期間の特例
国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間に衆議院が解散されたときは、公職選挙法第三十一条第三項の規定にかかわらず、衆議院の解散による衆議院議員の総選挙は、解散の日から三十四日以後四十日以内に行うこと。        (公職選挙法第三十一条第四項関係)
第四 罰則
所要の罰則を設けること。  (第百二十二条から第百二十二条の十まで及び第百二十五条の二関係)
第五 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行すること。   (附則第一条関係)
二 その他
その他所要の規定を整備すること。

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