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法律第百四十三号(昭和二二・一一・三〇)

◎非戦災者特別税法

非戦災者特別税法目次

 第一章 総則

 第二章 課税標準及び税率

  第一節 非戦災家屋税

  第二節 非戦災者税

 第三章 申告及び納付

 第四章 更正及び決定

 第五章 審査、訴願及び訴訟

 第六章 雑則

 第七章 罰則

非戦災者特別税法

第一章 総則

第一条 この法律により非戦災者特別税を課する。

非戦災者特別税は、非戦災家屋税及び非戦災者税とする。

第二条 この法律において非戦災家屋とは、昭和二十年八月十六日午前零時(以下調査時期という。)においてこの法律の施行地に在つた家屋をいう。

この法律において非戦災者とは、左に掲げる者をいう。

一 昭和二十二年七月一日午前零時(以下課税時期という。)において、この法律の施行地に独立の世帯を構えていた世帯主のうち、その世帯の構成員の戦時災害(戦争の際における戦闘行為又はこれに起因して生ずる災害をいう。以下同じ。)に因りこの法律の施行地に在つた家屋又は動産(現金及び有価証券以外の動産をいう。以下同じ。)につき受けた損害額の合計額が一定の金額を超えない世帯の世帯主

二 課税時期において、この法律の施行地に資産又は事業を有していた法人のうち、戦時災害に因りこの法律の施行地に在つた家屋又は動産につき受けた損害額の合計額が一定の金額を超えない法人

前項第一号又は第二号に規定する一定の金額は、同項第一号の世帯の構成員又は同項第二号の法人が調査時期においてこの法律の施行地で所有していた家屋又は動産の価格と同項第一号又は第二号の損害額との合計額に十分の三の割合を乗じて算出した金額とする。

戦時災害を受けた日以後課税時期までに、戦時災害に因り損害を受けた世帯の構成員について相続の開始があつた場合又は戦時災害に因り損害を受けた法人が合併に因り消滅した場合においては、第二項第一号又は第二号の損害額の計算については、被相続人又は合併に因り消滅した法人が受けた損害額(相続人が二人以上ある場合においては、相続した財産の価額の割合に応じて按分した損害額)は、これを相続人又は合併後存続する法人若しくは合併に因り設立された法人が受けた損害額とみなす。

調査時期後課税時期までに世帯の構成員について相続の開始があつた場合又は法人が合併に因り消滅した場合においては、第三項の家屋又は動産の価額の計算については、被相続人又は合併に因り消滅した法人が調査時期においてこの法律の施行地に所有していた家屋又は動産の価額(相続人が二人以上ある場合においては、相続した財産の価額に応じて按分した価額)は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併に因り設立された法人が調査時期において所有していた家屋又は動産の価額とみなす。

法人でない団体で代表者又は管理人の定のあるものについては、この法律中法人に関する規定を準用する。

前項の規定を適用する場合において、非戦災家屋税又は非戦災者税の徴収に関する事項は、命令でこれを定める。

この法律において家屋とは、住家、店舗、工場、倉庫その他の建物をいう。

第三条 調査時期において非戦災家屋を所有していた者は、非戦災家屋税を納める義務がある。

第四条 課税時期においてこの法律の施行地に在つた家屋を課税時期において使用していた非戦災者たる世帯主及び非戦災者たる法人は、非戦災者税を納める義務がある。但し、調査時期後あらたに設立された法人でこの法律の施行地に本店又は主たる事務所を有するもの及びこの法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人で調査時期後あら

たにこの法律の施行地において家屋を使用することとなつたものは、この限りでない。

調査時期において存した事業を課税時期までに承継した法人には、前項但書の規定は、これを適用しない。

第五条 非戦災家屋税及び非戦災者税は、左に掲げる国の国籍を有する者(日本の国籍を有する者を除く。)及び左に掲げる国の法令に基き設立された法人には、これを課さない。

オーストラリヤ、ベルギー王国、ボリヴィア国、ブラジル国、カナダ、チリ国、中華民国、コロンビア国、コスタ、リカ国、キュバ国、チェッコスロヴァキア国、デンマーク国、ドミニカ共和国、エクアドル国、エヂプト国、エティオピア国、フランス国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、ギリシァ国、グァテマラ国、ハイティ国、ホンデュラス国、アイスランド国、インド、イラン国、イラーク国、レバノン、リベリア国、ルクセンブルグ大公国、メキシコ国、オランダ王国、ニュートルキア、ジランド、ニカラグァ国、ノールウェー王国、パナマ国、パラグァイ国、ペルー国、フィリッピン連邦、ポーランド国、サルヴアドル国、サウデイ・アラビア国、シリア、トルコ国、南アフリカ連邦、ソヴィエト社会主義共和国連邦、アメリカ合衆国、ウルグァイ国、ヴェネズエラ国、ユーゴースラヴィア国

第六条 調査時期において非戦災家屋を所有していた個人について調査時期後この法律の施行前に相続の開始があつた場合においては、この法律の適用については、当該相続人又は相続財団(相続人があることが明かでない場合において法人とせられた相続財産をいう。以下同じ。)が調査時期において当該家屋を所有していたものとみなす。

調査時期において非戦災家屋を所有していた法人が調査時期後この法律の施行前に合併に因り消滅した場合においては、この法律の適用については、合併後存続する法人又は合併に因り設立された法人が調査時期において当該家屋を所有していたものとみなす。

調査時期において非戦災家屋を所有していた法人の事業の全部又は一部につき、この法律の施行前に承継があつた場合においては、この法律の適用については、当該承継に因り非戦災家屋(調査時期において国、都道府県、市町村その他命令で定める公共団体の所有していた非戦災家屋を除く。)を取得した者が調査時期において当該家屋を所有していたものとみなす。

戦時補償特別措置法第六十条第一項の規定により国、地方公共団体又は同法第一条第一項に規定する特定機関が調査時期において所有していた非戦災家屋の譲渡を受けた者は、この法律の適用については、これを調査時期において当該家屋を所有していた者とみなす。

課税時期においてこの法律の施行地に在つた家屋を使用していた非戦災者たる世帯主について、課税時期後この法律の施行前に相続の開始があつた場合においては、この法律の適用については、当該相続人又は相続財団は、課税時期に当該家屋を使用していた非戦災者たる世帯主とみなす。

課税時期においてこの法律の施行地に在つた家屋を使用していた非戦災者たる法人が課税時期後この法律の施行前に合併に因り消滅した場合においては、この法律の適用については、合併後在続する法人又は合併に因り設立された法人は、課税時期において当該家屋を使用していた非戦災者たる法人とみなす。

第七条 非戦災家屋税は、左に掲げる非戦災家屋については、これを課さない。

一 調査時期において国、都道府県、市町村その他命令で定める公共団体の所有していた家屋及び皇室財産であつた家屋

二 調査時期において旧家屋税法第三条の規定により家屋税を課せられなかつた家屋、但し、前条第四項の規定の適用がある場合において、譲渡を受けた家屋が第十七条第一項若しくは第三項又は第十八条の規定による申告書の提出の時において旧家屋税法第三条各号の規定に該当しないものであるときにおける当該家屋を除く。

三 調査時期後この法律施行前に無償で国、都道府県、市町村又は第一号若しくは第二項第一号に規定する公共団体に譲渡された家屋

四 昭和十六年十二月七日において第五条に規定する者の株式又は出資の払込済金額の合計額が株式又は出資の払込済金額の総額の三分の一以上に相当する法人が所有していた家屋

非戦災者税は、左に掲げる者には、これを課さない。

一 国、都道府県、特別区、市町村その他命令で定める公共団体

二 調査時期後この法律の施行地外から引き揚げた者(軍人又は軍属であつた者で調査時期においてこの法律の施行地外で戸主又は家族と同居していたもの以外のものを除く。)が世帯の生計を主として維持していた場合における当該世帯の世帯主

三 課税時期において賃貸価格が百円に満たない家屋のみを使用していた世帯でこの法律施行前六年以内に戦時災害に因り当該世帯の生計を主として維持していた者が死亡したものの世帯主

四 課税時期において主として仕送りにより生活していた学生、生徒及びこれらに準ずる者

五 前項第四号に規定する法人

第二章 課税標準及び税率

第一節 非戦災家屋税

第八条 非戦災家屋税の課税標準は、第三条の規定に該当する者が調査時期において所有していた非戦災家屋について、その時において旧家屋税法第五条に規定する家屋台帳に登録されていた当該家屋の賃貸価格とする。

前項に規定する非戦災家屋の全部又は一部についてその賃貸価格が調査時期において旧家屋税法第五条に規定する家屋台帳に登録されていなかつた場合、調査時期前に損壊した家屋につき調査時期において当該損壊に係る賃貸価格の修正がなされていなかつた場合又は第六条第四項の規定の適用がある場合における非戦災家屋税の課税標準は、調査時期の現況により(第六条第四項の規定の適用がある場合においては、当該譲渡のあつた時の現況により)、当該家屋につき、家屋台帳法第十三条の例に準じて定める賃貸価格とする。

第九条 前条の規定による賃貸価格が三十円に満たない非戦災家屋については、非戦災家屋税は、これを課さない。

第十条 非戦災家屋税の税率は、百分の三百とする。

第二節 非戦災者税

第十一条 非戦災者税の課税標準は、課税時期において、納税義務がある世帯主のその時において属していた世帯又は納税義務がある法人の使用に供せられていた家屋について、その時において家屋台帳法第五条に規定する家屋台帳に登録されていた当該家屋の賃貸価格とする。

第八条第二項の規定は、前項に規定する家屋が課税時期において家屋台帳法により賃貸価格を定むべきものである場合において、当該家屋の全部又は一部についてその賃貸価格がその時において同法第五条に規定する家屋台帳に登録されていなかつたとき又は課税時期前に損壊した家屋につき課税時期において当該損壊に係る賃貸価格の修正がなされていなかつたときにおける非戦災者税の課税標準について、これを準用する。この場合においては、第八条第二項中「調査時期」とあるのは、「課税時期」と読み替えるものとする。

第一項に規定する家屋が、課税時期において家屋台帳法により賃貸価格を定めないものであるときは、政府は、当該家屋につき、その時の現況により、同法第十三条の例に準じて非戦災者税の課税標準となすべき賃貸価格を定める。

第十二条 前条の場合において、一個の家屋が二以上の世帯又は法人の使用に供せられていたときは、非戦災者税の課税標準は、左に掲げる金額の合計額による。

一 前条の規定による当該家屋の賃貸価格に課税時期において各使用者の専ら使用していた部分の床面積(家屋台帳法の例により計算する床面積をいう。以下同じ。)の当該家屋の床面積に対する割合を乗じて算出した金額

二 前条の規定による当該家屋の賃貸価格に当該家屋の共通使用部分の床面積(当該家屋の床面積のうち通常共通して使用すべき部分の床面積をいう。)の当該家屋の床面積に対する割合を乗じて算出した金額に課税時期において各使用者の専ら使用していた部分の床面積の当該家屋の専用部分の床面積(当該家屋の床面積のうち共通使用部分の床面積を除いた床面積をいう。)に対する割合を乗じて算出した金額

前項の場合において、同項の規定によることが不適当であるときは、課税時期における家屋の賃貸価格に課税時期において各使用者の専ら使用していた部分の評定賃貸料に相当する金額の当該家屋のうち通常専ら使用すべき部分の評定賃貸料の総額に対する割合を乗じて計算した金額又は課税時期において各使用者の専ら使用していた部分の床面積及び評定賃貸料を勘案して計算した金額によることができる。

前項の評定賃貸料は、各使用者の専ら使用していた部分のうち、標準となるべき部分の課税時期における賃貸料に比準して評定した賃貸料をいう。

第一項又は第二項の規定により課税標準を計算する場合においては、一個の家屋については、同一の方法によらなければならない。

第一項及び前項の一個の家屋の範囲については、家屋台帳法の例による。

第十三条 調査時期において存した事業を課税時期までに承継した法人が左の各号に該当する場合においては、当該法人の納付すべき非戦災者税の課税標準は、課税時期において当該法人の使用に供せられていた家屋の賃貸価格に当該各号に定める割合を乗じて計算した金額による。

一 当該法人が調査時期において存した法人と調査時期後設立された法人との合併に因り設立された法人又は当該合併後存続する法人である場合においては、調査時期において存した法人が合併の直前に有していた資産の価額の当該法人が合併の直後に有していた資産総額に対する割合

二 当該法人が調査時期後設立された法人である場合において調査時期において存した個人の事業を課税時期までに承継したときは、調査時期において存した個人が承継の直前に有していた当該事業に属する資産の価額の当該法人が承継の直後に有していた資産総額に対する割合

調査時期において存した二以上の法人の合併に因り課税時期までに設立された法人は、前項第一号の規定の適用については、これを調査時期において存した法人とみなす。

第十四条 左に掲げる家屋の賃貸価格(前三条の規定による賃貸価格をいう。以下同じ。)は、非戦災者税の課税標準に、これを算入しない。

一 課税時期において国宝保存法又は史蹟名勝天然記念物保存法により国宝又は史蹟若しくは名勝として指定されていた家屋

二 課税時期において学校教育法による私立の幼稚園、小学校及び中学校、同法第九十八条の規定により従前の規定により存続する私立の中等学校、専門学校、高等学校及び大学並びに大蔵大臣の指定するその他の私立の学校において直接に保育又は教育の用に供せられていた家屋

三 課税時期において宗教法人令による宗教法人の神社、寺院又は教会の用に供せられていた家屋

四 課税時期において民法第三十四条の規定により設立された法人その他営利を目的としない法人において事務所の用に供し又は直接公益の用に供していた家屋で大蔵大臣の指定するもの

五 課税時期において水利組合、水利組合連合、北海道土功組合が公用又は公共の用に供していた家屋

六 課税時期において耕地整理組合及び耕地整理組合連合会並びにこれらに準ずべき団体の事務所の用に供せられていた家屋

七 課税時期において社会事業法による社会事業、生活保護法による保護施設、少年教護法による少年教護院及び司法保護事業法による司法保護事業の用に供せられていた家屋

八 課税時期において公益の用に供していた私立図書館で大蔵大臣の指定するものにおいて直接にその用に供せられていた家屋

九 一時の使用に供する家屋

第十五条 賃貸価格が三十円に満たない家屋が世帯の使用に供せられていた場合においては、当該家屋に係る非戦災者税は、これを課さない。

第十六条 非戦災者税の税率は、百分の三百とする。

第三章 申告及び納付

第十七条 非戦災家屋税の納税義務者は、昭和二十三年一月三十一日までに、第八条第一項に規定する家屋について、その所在、家屋番号、種類及び床面積並びに課税標準及び税額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

非戦災者税の納税義務者は、前項に規定する期限までに、第十一条第一項に規定する家屋について、その所在、家屋番号、種類及び床面積並びに課税標準、税額及び納税義務者と家屋の所有者とが異なるときは家屋の所有者の住所及び氏名又は名称を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

第六条第四項に規定する者がこの法律の施行後当該非戦災家屋の譲渡を受けた場合において、その者が当該家屋につき非戦災家屋税の納税義務があるときは、その者は、当該譲渡を受けた日の属する月の翌月末日までに、当該家屋につき、第一項の規定に準じて、同項に掲げる事項を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

第十八条 政府は、通信、交通その他の状況により都道府県の全部又は一部にわたり已むを得ない事由があると認めるときは、地域及び期日を指定し、前条に規定する申告書の提出期限を延長することができる。

政府は、通信、交通その他の事由により已むを得ない事由があると認めるときは、納税義務者の申請により、前条に規定する申告書の提出期限を延長することができる。

前項の規定の適用を受けようとする者は、その理由を記載した申請書を政府に提出しなければならない。

第十九条 前二条の規定による申告書の提出後その申告に係る課税標準又は税額について、脱漏があることを発見したときは、直ちに政府に申し出てその申告書を修正しなければならない。

前項の規定は、第二十九条第一項乃至第三項の規定による課税標準又は税額の更正又は決定があつた者が更正又は決定に係る課税標準又は税額について脱漏があることを発見した場合における課税標準又は税額の修正について、これを準用する。

第二十条 第十七条又は第十八条の規定による申告書に記載された税額の非戦災家屋税又は非戦災者税は、第十七条又は第十八条の規定による申告書の提出期限までに、これを納付しなければならない。

第十七条又は第十八条の規定による申告書の提出期限後第十七条又は第十八条の規定による申告書の提出があつた場合において、その申告書に記載された税額の非戦災家屋税又は非戦災者税は、その申告書提出の日に、これを納付しなければならない。

前条第一項の規定による申告書の修正又は同条第二項の規定による課税標準若しくは税額の修正があつた場合において、その修正に因り増加する税額の非戦災家屋税又は非戦災者税は、その申告書の修正の日又は課税標準若しくは税額の修正の日に、これを納付しなければならない。

第二十一条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者が前条の定めるところにより非戦災家屋税又は非戦災者税を完納しなかつたときは、政府は、国税徴収法第九条の規定により、これを督促する。

第二十二条 第六条第一項又は第五項に規定する場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、同条第一項又は第五項の規定により他の相続人の納付すべき非戦災家屋税又は非戦災者税について、連帯納付の責に任ずる。

第二十三条 調査時期後贈与、遺贈又は寄附行為に因る家屋の所有権の移転があつたときは、受贈者、受遺者又は寄附行為に因り設立された財団法人は、その受けた利益の限度において、贈与者、遺贈者の相続人若しくは相続財団又は寄附行為が納付すべき当該家屋に係る非戦災家屋税について、連帯納付の責に任ずる。

前項に規定する非戦災家屋税には、第四十条の規定により加算する税額及び第四十一条の規定により追徴する税額は、これを算入しない。但し、第二十六条第一項の規定による延納税額(第二十条第二項若しくは第三項の規定により納付すべき税額又は第三十一条に規定する追徴税額に対し、第四十条の規定による税額の加算をなし、これを延納する場合においては、延納税額のうち当該加算税額に相当する部分を除く。)に加算する税額は、この限りでない。

第二十四条 法人が解散した場合において、非戦災家屋税又は非戦災者税を納付しないで残余財産を分配したときは、その非戦災家屋税又は非戦災者税については、清算人及び残余財産の分配を受けた者は、連帯納付の責に任ずる。但し、残余財産の分配を受けた者は、その受けた利益の限度において、連帯納付の責に任ずる。

第二十五条 課税時期において非戦災者税の納税義務者たる世帯主と世帯を同じくしていた者(第六条第五項の規定の適用がある場合においては、課税時期において当該被相続人たる世帯主と世帯を同じくしていた者)は、当該納税義務者の納付すべき非戦災者税(同項の規定の適用がある場合においては、同項の規定により当該相続人の納付すべき非戦災者税)について、連帯納付の責に任ずる。

第二十六条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者は、その納付すべき非戦災家屋税又は非戦災者税を一時に納付することを困難とする事由があるときは、命令の定めるところにより、その納付を困難とする金額を限度として、六箇月以内(已むを得ない事由がある場合においては、担保を提供して一年以内)の延納を申請することができる。

第二十一条の規定は、延納の許可を受けた者が延納の期間内に非戦災家屋税又は非戦災者税を完納しなかつた場合について、これを準用する。

第二十七条 非戦災家屋税の納税義務者が調査時期に所有していた非戦災家屋を売却し、当該売却代金が金融緊急措置令施行規則に規定する第二封鎖預金等(預金又は貯金に限る。以下第二封鎖預金等という。)となつた場合においては、当該家屋に係る非戦災家屋税のうち、当該売却代金中第二封鎖預金等となつた金額が占める割合に応じて按分した金額につき、当該非戦災家屋税の当該第二封鎖預金等による納付を申請することができる。

前項の規定を適用する場合において、非戦災家屋税の納付に関する事項は、命令でこれを定める。

第二十八条 政府は、前二条の規定により延納又は第二封鎖預金等による納付の申請があつた場合において、必要があると認めるときは、税金の納付を猶予することができる。

第四章 更正及び決定

第二十九条 第十七条若しくは第十八条の規定による申告書が提出された場合又は第十九条第一項の規定による申告書の修正があつた場合若しくは同条第二項の規定による課税標準若しくは税額の修正があつた場合において、申告又は修正に係る課税標準又は税額が政府において調査した課税標準又は税額と異なるときは、政府は、その調査により、その課税標準又は税額を更正する。

政府は、非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務があると認められる者が第十七条又は第十八条の規定による申告書を提出しなかつた場合においては、政府の調査により、その課税標準及び税額を決定する。

政府は、前二項の規定による課税標準又は税額の更正又は決定後、その更正し又は決定した課税標準又は税額について脱漏があることを発見したときは、政府の調査により、その課税標準又は税額を更正することができる。

前三項の規定による課税標準又は税額の更正又は決定は、この法律施行後五年間に限り、これを行うことができる。

第三十条 政府は、前条の規定により課税標準又は税額を更正し又は決定したときは、これを納税義務者に通知する。

この法律の施行地に住所及び居所又は事業所を有しない者が第四十七条に規定する納税管理人の申告をしていないときは、前項の通知に代えて公告をすることができる。この場合において、公告の初日から七日を経過したときは、その通知があつたものとみなす。

第三十一条 政府は、第二十九条の規定により課税標準又は税額を更正し又は決定した場合においては、前条の通知をなした日から一箇月後を納期限として、その追徴税額(その不足税額又はその決定による税額をいう。以下同じ。)を徴収する。但し、納税義務者が第四十七条に規定する納税管理人の申告をなさないで、この法律の施行地に住所及び居所又は事業所を有しないこととなる場合においては、直ちに追徴税額を徴収する。

第五章 審査、訴願及び訴訟

第三十二条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者は、第三十条第一項の規定により政府の通知した非戦災家屋税若しくは非戦災者税の課税標準若しくは税額又は第四十二条の規定により政府の通知した税額に対して異議があるときは、通知を受けた日から一箇月以内に不服の事由を具し、政府に審査の請求をなすことができる。

前項の請求があつた場合においても、政府は、税金の徴収を猶予しない。但し、政府において已むを得ない事由があると認めたときは、税金の徴収を猶予することができる。

第三十三条 政府は、前条第一項の請求があつたときは、これを決定し、納税義務者に通知しなければならない。

第三十四条 前条の決定に対し不服がある者は、訴願をなし又は裁判所に出訴することができる。

第二十九条第一項乃至第三項の規定による更正若しくは決定又は第四十一条第一項の規定による追徴税額に関する訴願又は訴訟は、審査の決定を経た後でなければ、これをなすことができない。

第六章 雑則

第三十五条 政府は、左に掲げる場合においては、命令の定めるところにより、非戦災家屋税を軽減又は免除することができる。

一 調査時期後災害に因り非戦災家屋税を課すべき家屋が滅失又は損壊したとき

二 納税義務者が災害その他の事由に因り著しく資力を喪失して納税困難と認められるとき

三 非戦災家屋税を課すべき家屋が連合国最高司令官の要求に基きその要求に係る用に供するため国に借り上げられたとき

四 非戦災家屋税を課すべき家屋が連合国に対する賠償に充てられたとき

五 非戦災家屋税を課すべき家屋で連合国最高司令官の要求に基き国の管理に属していたものにつき命令で定める事由が生じたとき

第三十六条 政府は、左に掲げる場合においては、命令の定めるところにより、非戦災者税を軽減又は免除することができる。

一 調査時期後災害に因り納税義務者(納税義務者が世帯主である場合においては、課税時期における納税義務者以外の世帯の構成員を含む。)の所有し、且つ、使用して

いた家屋又は動産が滅失又は損壊したとき

二 納税義務者が災害その他の事由に因り著しく資力を喪失して納税困難と認められるとき

三 納税義務者(納税義務者が世帯主である場合においては、課税時期における納税義務者以外の世帯の構成員を含む。)の所有し、且つ、使用していた機械、器具その他の物(家屋を除く。)が連合国に対する賠償に充てられたとき

四 機械、器具その他の物(家屋を除く。)で連合国最高司令官の要求に基き国の管理に属していたものにつき命令で定める事由が生じたとき

第三十七条 政府は、前二条の規定による軽減又は免除に関する処分の確定するまで、非戦災家屋税又は非戦災者税の徴収を猶予することができる。

政府は、第三十五条第四号若しくは第五号又は前条第三号若しくは第四号の規定に該当することとなると認められる場合においては、納税義務者の申請により、非戦災家屋税又は非戦災者税の徴収を猶予することができる。

第三十八条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者の提出した申告書又は課税標準若しくは税額の更正、決定若しくは修正に関する書類を閲覧しようとする者は、命令の定めるところにより、政府にその閲覧を請求することができる。

第三十九条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務があると認められる者が申告書を提出しなかつた事実又は課税標準若しくは税額に脱漏があると認められる事実を政府に報告した者がある場合において、政府がその報告に因り課税標準又は税額を決定し又は更正したときは、政府は、命令の定めるところにより、その報告者に対し、課税標準又は税額の決定又は更正に因り徴収することができた税額の百分の十以下に相当する金額を報償金として交付することができる。但し、報償金の金額は、十万円を超えることができない。

前項の規定は、その報告をなした者が官吏又は待遇官吏であるときは、これを適用しない。その報告が官吏若しくは待遇官吏の知り得た事実、公務員(官吏及び待遇官吏を除く。)の職務上知り得た事実又は不法の行為に因り知り得た事実に基くものである場合も、また同様とする。

第四十条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者は、第二十条第二項若しくは第三項の規定により納付すべき税額又は第二十六条の規定による延納税額については、命令の定める期間に応じ、当該税額百円につき一日五銭の割合を乗じて計算した金額に相当する税額を加算して納付しなければならない。

第二十一条の規定は、前項の場合について、これを準用する。

第一項の規定は、政府が第三十一条の規定による追徴税額を徴収する場合について、これを準用する。

政府において已むを得ない事由があると認めるときは、第一項の加算税を免除することができる。

第四十一条 第二十条第二項若しくは第三項の規定により非戦災家屋税若しくは非戦災者税の納付があつた場合又は第三十一条の規定による追徴税額を徴収することとなつた場合においては、第十七条若しくは第十八条の申告期限内に申告書の提出がなかつたこと、第十九条第一項の規定による申告書の修正があつた場合において前の申告若しくは修正に係る課税標準若しくは税額について脱漏があつたこと、又は非戦災家屋税若しくは非戦災者税の納税義務者の申告若しくは修正した課税標準若しくは税額が政府の調査した課税標準若しくは税額と異なることについて已むを得ない事由があると認められる場合を除く外、政府は、命令で定める期間に応じ、当該税額に一箇月を経過するごとに百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する税額の非戦災家屋税又は非戦災者税を追徴する。但し、その金額は、当該税額に百分の五十を乗じて計算した金額を超えることができない。

前項の規定により追徴する税額については、第二十六条の規定は、これを適用しない。

第四十二条 政府は、前条の規定により追徴する税額を決定したときは、これを納税義者に通知する。

第三十条第二項の規定は、前項の場合について、これを準用する。

第四十三条 戦時補償特別措置法第一条第一項に規定する特定機関がその調査時期において所有していた非戦災家屋につき非戦災家屋税の納税義務がある場合において、この法律施行後当該家屋について同法第六十条第一頂の規定による譲渡があつたときは、当該特定機関は、当該家屋に係る非戦災家屋税に相当する金額の全部若しくは一部の還付又は当該家屋に係る非戦災家屋税の軽減若しくは免除を申請することができる。

前項の規定により還付又は軽減若しくは免除すべき税額の計算に関する事項は、命令でこれを定める。

第四十四条 第二十七条の規定の適用を受けて納付した非戦災家屋税について過誤納があつた場合の還付に関する事項は、命令でこれを定める。

第四十五条 収税官吏は、非戦災家屋税若しくは非戦災者税に関する調査又は非戦災家屋税若しくは非戦災者税の徴収について必要があるときは、納税義務者、納税義務があると認められる者その他利害関係があると認められる者に質問し又はその者の家屋、帳簿書類その他の物件を検査することができる。

第四十六条 非戦災家屋税は、非戦災家屋税を課すべき家屋の所在地を、非戦災者税は、非戦災者税の納税義務者の所在地(この法律の施行地に住所がないときは居所地)又は本店若しくは主たる事務所の所在地を、その納税地とする。

この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない非戦災者税の納税義務者たる法人は、納税地を定めて政府に申告しなければならない。その申告がないときは、政府は、その納税地を指定する。

第四十七条 非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者たる個人が納税地に現住しないときは、この法律による申告書の提出、納税その他非戦災家屋税又は非戦災者税に関する一切の事項を処理させるため、納税地に居住する者のうちから納税管理人を定めて政府に申告しなければならない。非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者たる個人がこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときも、また同様とする。

前項の規定は、非戦災家屋税又は非戦災者税の納税義務者たる法人が納税地に事業所を有しないとき又は納税地に事業所を有しないこととなるときに、これを準用する。

第四十八条 左の各号に掲げる者は、第十七条又は第十八条に規定する申告書の提出期限までに、その旨を政府に申告しなければならない。

一 調査時期において非戦災家屋を所有していた個人又は法人で第七条第一項第三号又は第四号の規定に該当する家屋を所有していたもの

二 課税時期においてこの法律の施行地に独立の世帯を構えていた世帯主で第二条第二項第一号の規定に該当しないもの

三 第七条第二項第二号乃至第四号の規定に該当する世帯主

四 課税時期においてこの法律の施行地に資産又は事業を有していた法人で第二条第二項第二号の規定に該当しないもの

五 第七条第二項第五号の規定に該当する法人

第四十九条 都道府県、市町村その他の公共団体は、非戦災家屋税及び非戦災者税の附加税を課することができない。

第五十条 個人の納付すべき非戦災家屋税又は非戦災者税は、所得税法第九条第一項第七号に規定する譲渡所得及び同項第九号に規定する事業等所得並びに地方税法により営業税を課せられる場合の純益の計算上、これを譲渡に関する経費又は必要な経費に算入しない。

第五十一条 法人の納付すべき非戦災家屋税又は非戦災者税は、法人税法による各事業年度の普通所得、地方税法により営業税を課せられる場合の各事業年度の純益又は特別法人税法による各事業年度の剰余金の計算上、これを損金に算入しない。

法人が非戦災家屋税又は非戦災者税を納付した事業年度において法人の資産(商品、原料品、半製品その他これらに類するものを除く。)の評価換又は譲渡に因る益金、債務の消滅に因る益金又は資本の減少に因る益金を計上したときは、当該益金については、その合計金額が非戦災家屋税又は非戦災者税の税額に相当する金額に達するまでの金額は、法人税法による各事業年度の普通所得、地方税法により営業税を課せられる場合の各事業年度の純益又は特別法人税法による各事業年度の剰余金の計算上、これを益金に算入しない。

法人が前項の規定の適用を受けた資産について、償却又は評価換をなし、これに因る損金を計上した場合においては、当該資産の価額のうち、同項の評価換に因り増加した価額に対する償却又は評価換に因る損金額は、法人税法による各事業年度の普通所得、地方税法により営業税を課せられる場合の各事業年度の純益又は特別法人税法による各事業年度の剰余金の計算上、これを損金に算入しない。

第七章 罰則

第五十二条 詐偽その他不正の行為により非戦災家屋税又は非戦災者税を免れた者は、これを三年以下の懲役又はその免れた税金の三倍以下に相当する罰金若しくは科料に処する。

前項の罪を犯した者には、情状に因り懲役及び罰金を併科することができる。

第一項の場合においては、政府は、直ちにその課税標準又は税額を更正又は決定し、その税金を徴収する。

第五十三条 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

一 第四十五条の規定による家屋、帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ又は忌避した者

二 前号の帳簿書類で虚偽の記載をなしたものを呈示した者

三 第四十五条の規定による収税官吏の質問に対し答弁をなさない者

四 前号の質問に対し虚偽の答弁をなした者

第五十四条 非戦災家屋税又は非戦災者税に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知り得た秘密を漏らし又は窃用したときは、これを二年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。

第五十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第五十二条第一項又は第五十三条の違反行為をなしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

第五十六条 他人の非戦災家屋税又は非戦災者税について、政府に対し、第三十九条第一項に規定する事実に関する虚偽の報告をなした者は、これを三年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

第五十七条 第五十二条第一項の罪を犯した者には、刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、これを適用しない。但し、懲役刑に処するときは、この限りでない。

附 則

この法律は、昭和二十二年十二月一日から、これを施行する。

(大蔵・内閣総理大臣署名)

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