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法律第六十号(昭二三・六・二八)

◎郵便振替貯金法

郵便振替貯金法目次

 第一章 総則

 第二章 加入

 第三章 払込、振替及び払出

  第一節 通則

  第二節 払込

  第三節 振替

  第四節 払出

  第五節 特殊受払

 第四章 脱退及び除名

 第五章 特殊郵便振替貯金

  第一節 公金に関する郵便振替貯金

  第二節 債券に関する郵便振替貯金

  第三節 在外加入者の郵便振替貯金

 附則

郵便振替貯金法

第一章 総則

第一条(この法律の目的) この法律は、郵便振替貯金を簡易で確実な送金及び債権債務の決済の手段としてあまねく公平に利用させることによつて、国民の円滑な経済活動に資することを目的とする。

第二条(郵便振替貯金の国営及び逓信大臣の職責) 郵便振替貯金は、国の行う事業であつて、逓信大臣が、これを管理する。

  逓信大臣は、この法律の目的を達成するため、左の職責を有する。

 一 郵便振替貯金に関する条約及び法律に従い、省令を発すること。

 二 法律に触れない範囲において、郵便振替貯金の取扱をする郵便局を指定し、郵便局における郵便振替貯金事務の窓口取扱時間を定めること。

 三 法律に触れない範囲において、口座所管庁を設置し、又は廃止すること。

 四 郵便振替貯金の業務に従事する者をその職務につき指揮監督すること。

 五 法律に触れない範囲において、郵便振替貯金の業務に従事する者の能率の向上を図るため必要な厚生、保健その他の施設をし、且つ、郵便振替貯金の業務に従事する者の訓練を行うこと。

 六 郵便振替貯金事業を行うため、財政及び会計に関する法令の定めるところに従い、必要な契約をすること。

 七 前各号に掲げるものを除いて、郵便振替貯金に関し逓信大臣の職責として法令の定める事項を掌理すること。

第三条(逓信大臣の職権の委任) 逓信大臣は、この法律に定める職権で細目の事項に関するものを、条件を定めて、逓信局長又は郵便局長に委任することができる。

第四条(郵便振替貯金の業務に従事する官吏) 郵便振替貯金の業務に従事する官吏の身分、給与及び服務に関する事項は、別に法律でこれを定める。

第五条(印紙税の免除) 郵便振替貯金に関する書類には、印紙税を課さない。

第六条(郵便振替貯金に関する条約) 郵便振替貯金に関し条約に別段の定のある場合には、その規定による。

第七条(業務の態様) 郵便振替貯金においては、加入者のために口座を設けて、左の取扱をする。

 一 加入者又は加入者でない者の払い込む金額を口座に受け入れること。

 二 加入者の口座から加入者の指定する他の口座へ貯金の振替をすること。

 三 加入者の口座の貯金を払い出して、その加入者又はその他の者に払出金を払い渡すこと。

第八条(口座の名称) 口座は、加入者の氏名(法人の場合にはその名称。以下本条において同じ。)を以てその名称とする。

  加入者の商号、屋号その他氏名以外の名称は、逓信官署の承認を受けなければ、これを口座の名称として使用することができない。

  前項の名称は、当該口座につき一に限る。

  第二項の承認を受けたときは、加入者は、その料金として五円を納付しなければならない。

第九条(印章) 加入者又は代理署名人は、郵便振替貯金に関する手続をする場合には、逓信官署に届け出た印章を押さなければならない。

  前項の場合において、加入者の指定した参加署名人があるときは、参加署名人も、逓信官署に届け出た印章をともに押さなければならない。

  第二項の印章は、各々当該口座につき一に限る。

第十条(代理署名人) 加入者の指定する代理署名人は、加入者に代つて、振替及び払出を請求することができる。

  代理署名人は、一人に限る。

第十一条(参加署名人) 参加署名人は、一人に限る。

第十二条(法人でない団体の代表者) 法人でない団体の郵便振替貯金においては、その団体の代表者一人を定めなければならない。

  前項の郵便振替貯金に関する権利義務については、その代表者を加入者とみなす。

第十三条(郵便振替貯金に関する加入者の権利の譲渡) 郵便振替貯金に関する加入者の権利は、逓信大臣の承認を受けて、これを譲り渡すことができる。

  前項の規定による譲渡があつたときは、譲受人は、譲渡人が当該口座に関し逓信官署に対して負う義務を承継する。

  第一項の承認があつたときは、口座所管庁において、その料金として二十円を当該口座の貯金から控除して徴収する。

第十四条(証明) 逓信官署は、加入者、代理署名人、参加署名人、払出金若しくは貯金残額の受取人又は払込金の還付を受けるべき者の真偽を調査するため必要な証明を求めることができる。

第十五条(正当の振替等) この法律又はこの法律に基く省令に規定する手続を経て、貯金を振り替え、貯金を払い出し、払出金若しくは貯金残額を払い渡し、又は払込金を還付したときは、正当の振替、払出、払渡又は還付をしたものとみなす。

第十六条(免責) 逓信官署は、左の場合において、郵便振替貯金の取扱の遅延があつたときは、これに因り生じた損害を賠償しない。

 一 払込、振替又は払出に関する書類の送達が遅延したとき。

 二 払込、振替又は払出に関する書類が不完全であつたとき。

 三 払出金、貯金残額又は払込金を払い渡し、又は還付すべき郵便局において現金に余裕のないため又は不可抗力に因つて払い渡し、又は還付することができなかつたとき。

第十七条(利子) 郵便振替貯金には、月の初日から末日までの各日の口座の現在高(一日のうち二以上の現在高のあるときは、その最後の現在高。以下本条において同じ。)のうち最低のものの円位以上の額につき、年二分二厘八毛の利率により利子を付ける。但し、口座の現在高のない日のある月及び口座の現在高が十万円を超える場合におけるその超過額については、利子を付けない。

  前項の規定により付けた利子は、毎年三月末日を以てこれを口座の現在高に組み入れる。但し、第五十五条又は第五十六条第二項の規定により口座を閉鎖する場合には、その際これを口座の現在高に組み入れる。

第十八条(払込、振替及び払出の料金) 払込、振替及び払出の料金は、左の通りとする。

 一 払込

通常払込

払込金額五百円以下の場合

一円五十銭

同    五百円を超える場合

三円

電信払込

払込金額百円以下の場合

十円

同    三百円以下の場合

二十円

同    千円以下の場合

三十円

同    三千円以下の場合

四十円

同    五千円以下の場合

四十五円

同    一万円以下の場合

五十円

同    一万円を超える場合

一万円を超える一万円又はその端数ごとに十円を五十円に加えた額

二 振替

通常振替

一円

電信振替

同一口座所管庁に属する口座間の振替の場合

五円

異なる口座所管庁に属する口座間の振替の場合

十円

 三 払出

通常現金払及び小切手払

払出金額五十円以下の場合

二円

同    五百円以下の場合

四円

同    千円以下の場合

六円

同    一万円以下の場合

八円

同    一万円を超える場合

一万円を超える五千円又はその端数ごとに二円を八円に加えた額

電信現金払

払出金額百円以下の場合

十五円

同    三百円以下の場合

二十五円

同    千円以下の場合

三十五円

同    三千円以下の場合

四十五円

同    五千円以下の場合

五十円

同    一万円以下の場合

五十五円

  電信払込、電信振替又は電信現金払に関する通知を至急電報でする場合における電信払込、電信振替又は電信現金払の料金は、前項に規定する料金の倍額とする。

  小切手払に関する照会を電信でする場合における小切手払の料金は、第一項に規定する料金の額(至急電報でする場合には同項に規定する料金の倍額)と電信に関する料金を基準として省令の定める金額との合計額とする。

第十九条(払込及び払出の料金の免除及び低減) 加入者が自己の口座に払込をし、自己を受取人に指定して通常現金払の請求をし、又は自己指図で振り出した小切手による小切手払の請求をする場合には、前条の料金を免除する。但し、自己の口座に電信払込をする場合には、十円を、自己指図で振り出した小切手による小切手払に関する照会を電信でする場合には、前条第三項に規定する小切手払の料金から同条第一項に規定する小切手払の料金を控除した金額をその加入者から徴収する。

  前項の場合において、当該加入者が払出金に関する受取人の権利を譲り渡したときは、前条に規定する払出の料金をその加入者から徴収する。

  手形交換所の所在地に在る口座所官庁に属する口座を有する加入者が、銀行を受取人に指定して振り出した小切手で、当該手形交換所において交換決済されるものによる払出の料金は、前条の規定にかかわらず、二円とする。

  加入者たる銀行が逓信大臣の指定する銀行において有する当座預金の口座に払出金を預入するため省令の定める簡易な取扱による通常現金払を請求する場合における払出の料金は、前条の規定にかかわらず、通常振替の料金と同額とする。

  電信現金払の料金及び小切手払に関する照会を電信でする場合における小切手払の料金は、口座の現在高の不足その他の事由に因り当該請求に係る貯金の払出がされなかつた場合には、前条の規定にかかわらず、電信に関する料金を基準として省令の定める金額とする。

第二十条(料金徴収方法) 払込の料金は、払込の際、払込人からこれを徴収し、振替及び払出の料金は、口座から貯金を払い出す際、当該口座の貯金から控除してこれを徴収する。但し、前条第五項に規定する払出の料金は、口座所管庁において、第三十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の規定による照会を受けた際、当該加入者の口座の貯金から控除してこれを徴収する。

  払込の料金をその払込金を受け入れる口座の加入者が負担する旨を表示した払込書によりする通常払込の料金は、当該口座の貯金から控除してこれを徴収する。

  払込、振替及び払出の料金以外の郵便振替貯金に関する料金又は代金は、加入者から徴収する場合には加入者の口座の貯金から控除してこれを徴収することができる。

  代金引換の取扱において郵便物の差出人の指定に従い逓信官署において引換金を当該差出人の口座に払い込んだ場合における払込の料金は、当該口座の貯金から控除してこれを徴収する。

第二十一条(料金の環付) 郵便振替貯金に関する既納の料金は、左のものに限り、これを納付した者の請求に因り還付する。

 一 過納又は誤納の料金

 二 電信払込、電信振替又は電信現金払の取扱において、郵便振替貯金に関する業務に従事する者の過失に因つて通常払込、通常振替又は通常現金払の取扱をするのと同様の結果を生じた場合における電信払込、電信振替又は電信現金払の料金と通常払込、通常振替又は通常現金払の料金との差額

 三 前号に掲げるものを除いて、郵便振替貯金に関する業務に従事する者の過失に因つて請求に係る取扱をしなかつた場合におけるその取扱の料金

  前項の請求は、その料金を納付した時から一年を経過したときは、これをすることができない。

第二十二条(利用の制限及び業務の停止) 逓信大臣は、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な業務の遂行を確保するため必要があるときは、口座所管庁又は郵便局を指定し、且つ、期間を定めて、郵便振替貯金の利用を制限し、又は業務の一部を停止することができる。

第二十三条(非常取扱) 逓信大臣は、天災その他非常の災害があつた場合において、その災害を受けた加入者又は受取人の緊急な需要を充たすため必要があるときは、省令の定めるところにより、郵便局を指定し、且つ、期間を定めて、郵便振替貯金に関し、料金を免除し、又は便宜の取扱をすることができる。

第二章 加入

第二十四条(口座の開設) 逓信大臣は、郵便振替貯金の加入の申込があつた場合においてこれを承諾したときは、口座を開設する。

  前項の申込をした者は、口座の開設があつたときは、その料金として二十円を納付しなければならない。

第二十五条(加入の制限) 前条第一項の申込をした者が第五十六条第一項第一号又は第二号の事由に因り除名された者であるときは、逓信大臣は、口座を開設しないことができる。

第三章 払込、振替及び払出

 第一節 通則

第二十六条(払込、振替及び払出の種類) この法律に特別の定めあるものの外、払込は、通常払込及び電信払込とし、振替は、通常振替及び電信振替とし、払出は、通常現金払、電信現金払及び小切手払とする。

第二十七条(払込、振替及び払出に使用する書類) 払込は、払込書を以て、振替の請求は、払出書を以て、払出の請求は、払出書又は小切手を以てこれをしなければならない。

  払込書、払出書及び小切手には逓信大臣の発行する用紙を使用しなければならない。但し、払込書の用紙及び省令の定める払出書の用紙は、省令の定める様式に従い、これを私製することができる。

  払込書の用紙は、これを無償で払込人に交付する。但し、第二十条第二項に規定する払込書の用紙は、これを払込人に交付しない。

  第二項の用紙で払込書の用紙以外のものは、五十枚つづり一冊につき一円で、これを加入者に売り渡す。

第二十八条(通信文) 払込又は振替若しくは払出の請求をするときは、払込書又は払出書に通信文を記載することができる。

  電信払込、電信振替若しくは電信現金払又は第三十一条第一項の規定による通知を電信でする通常払込若しくは通常振替をする場合における前項の通信文の通知については、電信に関する料金を基準として省令の定める料金を納付しなければならない。

第二十九条(現在高を超える振替等の禁止) 加入者は、口座の現在高を超えて、振替若しくは払出を請求し、又は小切手を振り出すことができない。

第三十条(受払通知) 口座に払込金若しくは振替金を受け入れ、又は口座から貯金を払い出したときは、口座所管庁において、その受払高及び口座の現在高をその加入者に通知する。

第三十一条(特殊取扱) 逓信官署は、省令の定めるところにより、払込、振替若しくは払出に関する書類の送達又は払込若しくは振替に関する通知を特別に速やかに到達させる方法により取扱をする。

  前項の取扱については、郵便又は電信に関する料金を基準として省令の定める料金を納付しなければならない。

 第二節 払込

第三十二条(払込) 払込は、払込金を郵便局に差し出してこれをする。

  払込金を受領したときは、郵便局において、通常払込にあつては、払込書を郵便で口座所管庁に送付し、電信払込にあつては、払込の事実を電信で口座所管庁に通知する。

第三十三条(小切手を以てする払込) 小切手は、省令の定めるところにより、小切手金額で、これを通常払込の払込金に充てることができる。但し、当該小切手を呈示期間(支出官の振り出した小切手については会計法第二十八条第一項に規定する一年の期間)内に呈示した場合において支払拒絶があつたときは、その払込は、初からなかつたものとみなす。

  前項本文の規定による払込に係る郵便振替貯金については、当該小切手が決済された後でなければ、口座の現在高がその小切手による払込の金額を下るような振替又は払出の取扱をしない。

第三十四条(証書を以てする払込) 第三十八条第一項、第二項、第五十五条及び第五十六条第二項の払出証書並びに郵便為替証書は、その表示する金額でこれを通常払込の払込金に充てることができる。但し、当該証書による払出金、貯金残額又は為替金が払渡の停止その他の事由に困つて払い渡すことができないものであつたときは、その払込は、初からなかつたものとみなす。

  前項本文の規定による払込に係る郵便振替貯金については、同項但書に規定する事由がなくなつた後でなければ、口座の現在高がその証書による払込の金額を下るような振替又は払出の取扱をしない。

第三十五条(払込の取消) 払込の取消の申出は、払込人が、払込をした口座の属する口座所管庁又は郵便局に対しこれをする。

  前項の申出があつたときは、郵便局において、払込人の指定に従い郵便又は電信で、その旨を同項の口座所管庁に通知する。

  前項の規定による取扱については、第三十一条第二項の規定を準用する。

  第一項の申出又は第二項の通知を受けたときは、口座所管庁において、払込金を払込人の指定する郵便局を経て払込人に還付する。但し、払込金を既に口座に受け入れた後であるときは、払込金を還付することなくその旨を払込人に通知するに止める。

  前項の郵便局は、省令の定めるところにより、払込人の請求があるときは、これを変更することができる。

  前項の規定による取扱については、払込人は、その料金として一円を納付しなければならない。

 第三節 振替

第三十六条(振替) 通常振替においては、加入者の請求に因り、口座所管庁において、当該加入者の口座から貯金を払い出して、これを加入者の指定する他の口座に受け入れる。

  電信振替においては、加入者の請求に因り、省令の定める郵便局において、その請求に係る事項を電信で、口座所管庁に通知し、口座所管庁において、当該加入者の口座から貯金を払い出して、これを加入者の指定する他の口座に受け入れる。

  前二項の場合において、貯金を払い出す口座の属する口座所管庁と貯金を受け入れる口座の属する口座所管庁とが異なるときは、口座所管庁相互間における必要な通知は、通常振替にあつては郵便で、電信振替にあつては電信でこれをする。

第三十七條(振替の請求の取消) 振替の請求の取消の申出は、振替を請求した加入者が、その口座の属する口座所管庁又は郵便局に対しこれをする。

  前項の申出があつたときは、郵便局において、その申出をした者の指定に従い郵便又は電信で、その旨をその申出をした者の口座の属する口座所管庁に通知する。

  前二項の場合において、貯金を払い出す口座の属する口座所管庁と貯金を受け入れる口座の属する口座所管庁とが異なるときは、口座所管庁相互間における必要な通知は、第一項の申出をした者の指定に従い郵便又は電信で、これをする。

  前二項の規定による取扱については、第三十一条第二項の規定を準用する。

  第一項の申出又は第二項の通知を受けた場合において、まだ貯金を払い出していないときは、払い出さず、既に貯金を払い出した後であるときは、口座所管庁において、振替金をその口座にもどし入れる。但し、振替金を既に他の口座に受け入れた後であるときは、その旨を第一項の申出をした者に通知するに止める。

 第四節 払出

第三十八条(払出) 通常現金払においては、加入者の請求に因り、口座所管庁において、当該加入者の口座から貯金を払い出してその払出金額を表示する払出証書を発行し、当該加入者の指定する郵便局において、その払出証書と引き換えにこれに表示された金額の現金を当該加入者の指定する受取人に払い渡す。

  電信現金払においては、加入者の請求に因り、省令の定める郵便局において、その請求に係る事項を電信で口座所管庁に通知し、口座所管庁において、当該加入者の口座から貯金を払い出してその旨を電信で省令の定める郵便局に通知し、その郵便局において、その払出金額を表示する払出証書を発行し、当該加入者の指定する郵便局(当該加入者の指定のないときは、払出証書を発行する郵便局の指定する郵便局)において、払出証書と引き換えにこれに表示された金額の現金を当該加入者の指定する受取人に払い渡す。

  小切手払においては、加入者が省令の定めるところにより、逓信官署にあてて振り出した小切手の呈示があつた場合において、当該加入者の指定する郵便局又は逓信大臣の指定する郵便局において、小切手金額の支払に充てる貯金の有無をその小切手を振り出した加入者の口座の属する口座所管庁に照会し、その貯金があるときは、口座所管庁において、当該加入者の口座から貯金を払い出し、その旨をその郵便局に通知し、その郵便局において、小切手と引き換えに小切手金額の現金を払い渡す。

  前三項の規定は、払出金を手形交換所における交換決済により払い渡すことを妨げない。

第三十九条(払出金額の制限) 通常現金払又は電信現金払における払出の請求の金額は、加入者が自己を受取人に指定してする通常現金払の請求又は第十九条第四項に規定する通常現金払の請求をする場合を除いて、払出書一枚につき一万円を超えてはならない。但し、加入者の請求がある場合において、逓信大臣が特に必要と認めて通常現金払の制限額を引き上げたときは、この限りでない。

第四十条(払出金の払渡の停止) 通常現金払の払出金の払渡の停止の申出は、払出を請求した加入者が、その口座の属する口座所管庁又は郵便局に対しこれをする。

  前項の申出があつたときは、郵便局において、その申出をした者の指定に従い郵便又は電信で、その旨をその申出をした者の口座の属する口座所管庁に通知する。

  前二項の場合において、口座所管庁は、必要な事項を第一項の申出をした者の指定に従い郵便又は電信で、その払出金を払い渡すべき郵便局に通知する。

  前項の場合において、まだ払出金を払い渡していないときは、払い渡さず、既に払出金を払い渡した後であるときは、その旨を第一項の申出をした者に通知するに止める。

  第二項及び第三項に規定する取扱については、第三十一条第二項の規定を準用する。

  払出金の払渡の停止の解除については、第一項乃至第三項及び第三十一条第二項の規定を準用する。

第四十一条(払出の請求の取消) 通常現金払の払出の請求の取消については、前条第一項乃至第三項及び第三十一条第二項の規定を準用する。

  前項の場合において、まだ貯金を払い出していないときは、払い出さず、既に貯金を払い出した後であつて、まだ払出金を払い渡していないときは、払出金を口座にもどし入れ、払出金を払い渡した後であるときは、その旨を払出の請求の取消を申し出た者に通知するに止める。

第四十二条(払出証書の留置) 払出証書は、電信現金払の請求の際加入者が請求したときは、これを当該加入者の指定する郵便局に留め置き、受取人の出頭をまつてその者に交付する。

第四十三条(払出金のもどし入れ) 受取人の所在不明その他の事由に因り払出金を払い渡すことができないとき、又は前条の場合において受取人が当該証書の発行の日から七日以内に出頭しないときは、口座所管庁において、その払出金を口座にもどし入れる。

第四十四条(返れい受払) 逓信官署は、払出を請求した加入者の請求があるときは、当該加入者が他人を受取人に指定して払出を請求した場合における払出証書で当該受取人から交付されたものによつて、当該加入者に払出金を払い渡し、又はその口座に払出金をもどし入れる。

第四十五条(払出金に関する権利の譲渡) 払出金に関する受取人の権利は、銀行以外の者にこれを譲り渡すことができない。

  払出金に関する受取人の権利の銀行への譲渡は、当該払出証書を銀行に引き渡さなければ、これを以て逓信官署その他の第三者に対抗することができない。

  前項の譲渡には、民法第四百六十七条及び第四百六十八条の規定を適用しない。

第四十六条(払渡郵便局の変更) 第三十八条第一項乃至第三項の規定により払出金を払い渡すべき郵便局は、省令の定めるところにより、払出を請求した加入者又は受取人の請求があるときは、これを変更することができる。

  前項の規定による取扱については、加入者又は受取人は、その料金として一円を納付しなければならない。

第四十七条(便宜払) 銀行に払出金を払い渡す場合において、銀行の請求があるときは、第三十八条第一項乃至第三項の規定により払出金を払い渡すべき郵便局以外の郵便局において、払出金を払い渡すことができる。

  前項の規定により払出金を払い渡すことのできる郵便局は、銀行の申出に因り、逓信官署において承認した郵便局に限る。

  第一項の規定により払出金を払い渡した場合において、その払出金が払渡の停止その他の事由に因り払い渡すことができないものであつたときは、逓信官署は、その払い渡した金額を返還させる。

第四十八条(払出証書の有効期間) 払出証書の有効期間は、その発行の日から二箇月とする。

  逓信大臣は、必要と認めるときは、離島その他交通不便の地域につき、前項の有効期間を延長することができる。

  郵便局において払出金の払渡を遅延したため経過した日数は、これを第一項の有効期間に算入しない。

第四十九条(払出証書の再交付) 逓信官署は、左の場合において、払出を請求した加入者又は受取人の請求があるときは、払出証書を再交付する。

 一 払出証書が亡失されたとき。

 二 払出証書が汚染され、又はき損されたため記載事項がわからなくなつたとき。

 三 払出証書の有効期間が経過したとき。

  加入者又は受取人は、前項の規定による再交付を受けるときは、その料金として証書一枚につき一円を納付しなければならない。

  料金として証書一枚につき一円を納付しなければならない。

第五十条(払出金等に関する権利の消滅) 払出証書の有効期間の経過後三年間、払出証書の再交付又は払出の請求の取消がないときは、その払出証書に表示された金額に関する加入者及び受取人の権利は消滅する。

 第五節 特殊受払

第五十一条(保険料及び掛金の払出) 郵便振替貯金の加入者たる簡易生命保険又は郵便年金の契約者が当該保険契約又は年金契約に係る保険料又は掛金をその口座の貯金を以て支払うべき旨を口座所管庁に申し出たときは、口座所管庁において、簡易保険局からの保険料又は掛金の払込の催告に応じて、保険料又は掛金の額に相当する金額をその口座の貯金から払い出す。この場合には、その払い出した金額は、逓信大臣の定めるところにより、これを通信事業特別会計から簡易生命保険及び郵便年金特別会計に移し換える。

  前項の規定による払出の料金は、通常振替の料金と同額とする。

第五十二条(貸付金及び弁済金の受払) 簡易生命保険法又は郵便年金法の規定による貸付金の交付のため簡易保険局の請求があるときは、口座所管庁において、簡易保険局の指定する加入者の口座に貸付金の額に相当する金額を受け入れる。この場合には、その受け入れた金額は、逓信大臣の定めるところにより、これを簡易生命保険及び郵便年金特別会計から通信事業特別会計に移し換える。

  簡易保険局を加入者とする口座に簡易生命保険法又は郵便年金法の規定による貸付金の弁済のための払込があつた場合において、簡易保険局の請求があるときは、口座所管庁において、当該口座の貯金から弁済金の額に相当する金額を払い出す。この場合には、その払い出した金額は、逓信大臣の定めるところにより、これを通信事業特別会計から簡易生命保険及び郵便年金特別会計に移し換える。

  第一項の規定による受入の料金及び前項の規定による払出の料金は、通常振替の料金と同額とし、簡易保険局において、これを納付する。

第五十三条(恩給及び年金の給与金の受入) 恩給若しくは年金の受給者に対する恩給金庫の貸付金の弁済のため又は受給者の恩給金庫への預金の預入のため恩給金庫の請求があるときは、逓信官署において当該受給者の恩給又は年金の給与金を払い渡すべきときに、口座所管庁において、恩給金庫を加入者とする口座に給与金の額に相当する金額を受け入れる。この場合には、その受け入れた金額は、逓信大臣の定めるところにより、これを一般会計から通信事業特別会計に移し換える。

第四章 脱退及び除名

第五十四条(脱退の申出) 加入者は、郵便振替貯金を脱退しようとするときは、口座所管庁にその旨を申し出なければならない。

  加入者は、前項の規定により申し出た後は、振替若しくは払出を請求し、又は小切手を振り出すことができない。

第五十五条(口座の閉鎖) 加入者から脱退の申出があつたときは、口座所管庁において、当該口座を閉鎖して、脱退を申し出た者の指定に従い、貯金残額を他の口座に振り替え、又はその者を貯金残額の受取人として貯金残額を表示する払出証書を発行し、その者の指定する郵便局において、その払出証書と引き換えにこれに表示された金額の現金を払い渡す。

第五十六条(除名) 逓信大臣は、左の場合には、加入者を除名することができる。

 一 加入者が現在高を超えて、振替若しくは払出を請求し、又は小切手を振り出したとき。

 二 加入者が料金の納付を怠り、又は不法に料金を免かれるような行為をしたとき。

 三 三年間当該口座への払込及び当該口座からの払出がなかつたとき。

  前項の規定による除名があつたときは、口座所管庁において、当該口座を閉鎖して、除名された加入者を貯金残額の受取人として貯金残額を表示する払出証書を発行し、口座所管庁の指定する郵便局において、その払出証書と引き換えにこれに表示された金額の現金を払い渡す。

第五十七条(準用規定) 第五十五条及び前条第二項に規定する貯金残額については、第四十五条乃至第四十七条の規定を準用する。この場合において、第四十六条第一項及び第四十七条第一項中「第三十八条第一項乃至第三項」とあるのは、これを「第五十五条又は第五十六条第二項」と読み替えるものとする。

第五章 特殊郵便振替貯金

 第一節 公金に関する郵便振替貯金

第五十八条(公金に関する郵便振替貯金) 逓信官署は、公金に関する郵便振替貯金として、地方公共団体を加入者とし、当該加入者が払い込み、又は振替を請求する場合を除いては、地方税、分担金、使用料その他当該地方公共団体の徴収金の納付のための払込金又は振替金のみを当該口座に受け入れるための取扱をする。

  地方公共団体は公金に関する郵便振替貯金の取扱を受けるには、逓信大臣の認可を受けなければならない。

第五十九条(小切手又は証書を以てする払込) 公金に関する郵便振替貯金の口座には、当該地方公共団体において予め逓信大臣に届け出なければ、第三十三条又は第三十四条の規定による払込をすることができない。

第六十条(払込及び振替) 公金に関する郵便振替貯金の口座への払込は、当該口座の加入者又は市町村若しくはその組合がする場合を除いては、第二十七条第一項の規定にかかわらず、徴税令書、賦課令書、納額告知書又は納付書を以てこれをしなければならない。この場合には、徴税令書、賦課令書、納額告知書及び納付書は、第三十二条第二項の規定の適用については、これを払込書とみなす。

  公金に関する郵便振替貯金の口座への振替を請求する場合には、当該口座の加入者又は市町村若しくはその組合が請求するときを除いては、払出書に前項に規定する書類を添付しなければならない。

  公金に関する郵便振替貯金においては、当該口座の加入者が払い込み、又は振替を請求する場合を除いては、電信払込及び電信振替の取扱をしない。

  公金に関する郵便振替貯金においては、当該口座の加入者がする場合を除いては、払込の取消及び振替の請求の取消をすることができない。

第六十一条(即時払) 公金に関する郵便振替貯金においては、即時払の取扱をする。

  即時払においては、加入者の請求に因り、その加入者が予め受領証書の様式及び印章を届け出た郵便局において、その届け出た様式に適合し、且つ、届け出た印章を押した受領証書と引き換えにこれに表示された金額の現金を払い渡し、口座所管庁において、その受領証書の送付を受けて、払い渡した金額を当該加入者の口座の貯金から払い出す。

第六十二条(取扱料金) 公金に関する郵便振替貯金の口座に当該口座の加入者並びに市町村及びその組合以外の者が払い込む場合における払込の料金は、第十八条第一項の規定にかかわらず、一円五十銭、即時払の料金は、二円とする。

  前項の料金及び公金に関する郵便振替貯金の口座に当該口座の加入者並びに市町村及びその組合以外の者が振替を請求する場合における振替の料金は、当該地方公共団体の口座の貯金から控除してこれを徴収する。

 第二節 債券に関する郵便振替貯金

第六十三条(債券に関する郵便振替貯金) 逓信官署は、債券に関する郵便振替貯金として、特別の法律により設立された金融機関を加入者とし、当該加入者が払い込み、又は振替を請求する場合を除いては、逓信官署が省令の定めるところにより取り扱う国債又は当該加入者の発行する債券の募集又は売出に係る保証金、応募払込金、売渡代金その他の収入金のみを当該口座に受け入れるための取扱をする。

  金融機関は、債券に関する郵便振替貯金の取扱を受けるには、逓信大臣の認可を受けなければならない。

第六十四条(国債の買上代金の支払等) 郵便局において、省令の定めるところにより、当該加入者のため、国債を買い上げ、債券の元利金を支払い、又は保証金を還付したときは、口座所管庁において、その買上代金若しくは債券の元利金の支払又は保証金の還付に要した金額を当該加入者の口座の貯金から払い出す。

第六十五条(取扱料金) 債券に関する郵便振替貯金に関する料金は、左の金額の範囲内において、逓信大臣がこれを定める。

 一 第六十三条第一項に規定する収入金の受入

国債に係る場合

国債の額面金額の千分の三乃至千分の八に相当する金額

国債以外の債券に係る場合

債券の額面金額の千分の四乃至千分の三十に相当する金額

 二 前条の規定による払出

国債を買い上げた場合

国債の額面金額の千分の二乃至千分の十に相当する金額

債券の元利金を支払つた場合

支払金額の千分の四十に相当する金額

  第六十三条第一項の規定による受入の料金は、当該収入金を受け入れる口座の貯金から控除してこれを徴収する。

 第三節 在外加入者の郵便振替貯金

第六十六条(払込及び払出) 外国に居住する加入者は、自己の口座以外の口座に払い込むことができず、又、外国に居住する他人を受取人に指定して払出を請求することができない。

第六十七条(払込の方法) 外国に居住する加入者は、払込をするには、第三十二条第一項の規定にかかわらず、払込金を口座所管庁に送付しなければならない。

第六十八条(払出金及び貯金残額の払渡) 外国に居住する加入者が自己を受取人に指定してする通常現金払の払出金の払渡及び外国に居住する者に対する貯金残額の払渡は、第三十八条第一項、第五十五条及び第五十六条第二項の規定にかかわらず、口座所管庁において、払出金又は貯金残額を郵便為替でその者に送付してこれをする。

  前項の郵便為替の料金は、加入者の口座の貯金から控除してこれを徴収する。

第六十九条(払込金等の送付) 外国に居住する加入者は、払込金又は郵便振替貯金に関する料金若しくは代金で加入者の口座の貯金から控除して徴収しないもの及び省令の定める書類の送付に要する郵便に関する料金を口座所管庁に送付するには、郵便為替によらなければならない。

第七十条(郵便料金の徴収) 口座所管庁から外国に居住する加入者に送付する書類(前条に規定する書類を除く。)の郵便に関する料金は、加入者の口座の貯金から控除してこれを徴収する。

附 則

第七十一条 この法律は、公布の日から起算し、二十日を経過した日から、これを施行する。但し、小切手払に関する規定は、昭和二十三年十月一日から、これを施行する。

第七十二条 郵便貯金法の一部を次のように改正する。

  附則第三項を削る。

第七十三条 明治三十八年法律第二十三号郵便貯金法の規定に基いて開設された振替計算のためにする郵便貯金の口座でこの法律施行の際現に存するものは、この法律の規定により開設された郵便振替貯金の口座とみなす。

  前項に規定する振替計算のためにする郵便貯金の口座につき払い込まれた基本預金は、この法律施行の日を以て、これを当該口座の貯金の現在高に組み入れる。

第七十四条 この法律施行前にした振替計算のためにする郵便貯金の口座への払込の料金の徴収については、この法律施行後でも、なお従前の例による。

第七十五条 明治三十八年法律第二十三号郵便貯金法の規定に基く局待払については、この法律施行後でも、昭和二十三年九月三十日まで、なお従前の例による。

第七十六条 通信事業特別会計法の一部を次のように改正する。

  第一条第二項中「及び郵便貯金」を「、郵便貯金及び郵便振替貯金」に改める。

第七十七条 預金部預金法の一部を次のように改正する。

  第二条中「郵便貯金」の下に「又ハ郵便振替貯金」を加える。

第七十八条 所得税法の一部を次のように改正する。

  第六条第四号中「郵便貯金の利子」の下に「、郵便振替貯金の利子」を加える。

(内閣総理・大蔵・逓信大臣署名)

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