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法律第二十三号(昭二七・三・三一)

  ◎国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律

 (目的)

第一条 この法律は、国際的に供給が不足する物資等の需給を調整することにより、国民経済の健全な発展を図るとともに、国際経済の円滑な運行に寄与することを目的とする。

 (需給調整)

第二条 主務大臣は、左に掲げる物資の需給を調整するため特に必要があるときは、経済安定本部総裁が定める方策に基き、その物資の割当若しくは配給に関し必要な命令をし、又はその使用、譲渡若しくは譲受若しくは引渡の制限若しくは禁止を命ずることができる。但し、その割当又は配給に関し必要な命令をすることができる物資は、別表に掲げるものに限るものとする。

 一 国際的に供給が不足するため条約、協定その他の国際的取極により、割当、使用の制限又は禁止その他の需給の調整のためにする措置がなされている物資

 二 国民経済の運行を確保するためその輸入が特に必要な物資であつて、国際的に供給が不足するためその輸出国において輸出の制限を行つているもの

 三 国内において供給が特に不足する物資であつて、その需給の調整を行わないときは、国民経済の正常な運行に著しい支障を生じ、公共の利益を害するおそれがあるもの

2 主務大臣は、前項各号に掲げる物資の需給を調整するため特に必要がある場合において、同項の規定による命令又は処分をもつてしては、なお国民経済の正常な運行に著しい支障を生じ、公共の利益を害するおそれがあると認められるときは、経済安定本部総裁の同意を得て、その物資を所有する者に対し、譲渡の時期、価格、相手方その他必要な事項を指定して物資の譲渡を命ずることができる。

3 前項の規定により主務大臣が指定する価格は、時価を基準とする適正なものでなければならない。

4 政府は、政令で定めるところにより、第二項の規定による命令により生じた損失を補償する。

5 第二項の規定による命令をする場合における担保権の処理その他必要な事項は、政令で定める。

6 第一項の規定若しくは同項の規定に基く主務大臣の命令又は第二項の規定による処分に不服がある者は、経済安定本部総裁に対し、不服の申立をすることができる。

7 経済安定本部総裁は、前項の不服の申立があつたときは、その申立をした者に対し、相当な期間を置いて予告をした上、公開による聴聞をした後、文書をもつて決定をし、その写を不服の申立をした者に送付しなければならない。

8 不服の申立、予告、聴聞及び決定の手続について必要な事項は、政令で定める。

 (物資需給調整審議会)

第三条 経済安定本部に、物資需給調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。

第四条 審議会は、経済安定本部総裁の諮問に応じ、経済安定本部総裁が第二条第一項各号に掲げる物資の需給の調整に関し定める方策に関して審議し、その結果を経済安定本部総裁に報告する。

2 審議会は、特に必要があるときは、前項に規定する事項に関して、経済安定本部総裁に建議することができる。

第五条 審議会は、会長一人及び委員十五人以内で組織する。

2 会長は、経済安定本部総務長官をもつて充てる。

3 委員は、学識経験がある者のうちから、経済安定本部総裁が任命する。

4 委員は、非常勤とする。

5 前各項に定めるものの外、審議会の事務をつかさどる機関並びに審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 (報告及び検査)

第六条 主務大臣は、第二条の規定の適用に関して、左に掲げる事項につき、関係者から報告を取ることができる。この場合において、報告がなされず、又は報告が虚偽と認められるときは、主務大臣は、その職員に事務所、営業所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。

 一 物資の割当又は配給

 二 物資の生産、使用、譲渡若しくは譲受又は引渡

 三 物資の在庫又は生産設備の状況

2 前項の規定により、立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。

3 第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (権限の委任)

第七条 この法律又はこの法律に基く命令の規定により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、都道府県知事に行わせることができる。

 (罰則)

第八条 第二条第一項又は第二項の規定による命令に違反した者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。

第九条 第六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第八条第一項又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。但し、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため、当該業務に対し相当の注意及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人又は人については、この限りでない。

   附 則

1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。

2 この法律は、昭和二十八年四月一日に、その効力を失う。但し、その時までにした行為に対する罰則の適用については、この法律は、その時以後も、なおその効力を有する。

3 臨時物資需給調整法(昭和二十一年法律第三十二号)に基いてした命令のうち左に掲げるものについては、同法は、同法附則第二項の規定にかかわらず、昭和二十七年六月三十日まで、なおその効力を有する。

石油製品配給規則(昭和二十四年総理庁令、大蔵省令、法務庁令、文部省令、厚生省令、農林省令、商工省令、運輸省令、逓信省令、労働省令、建設省令第一号)消防用指定生産資材及び石油製品の割当の権限の一部の委任に関する総理府令(昭和二十四年総理府令第十六号)

砂糖需給調整規則(昭和二十四年農林省令第四十二号)

農林水産用石油製品割当規則(昭和二十四年農林省令第百十四号)

通商産業大臣の権限の一部を都道府県知事に委任する省令(昭和二十四年通商産業省令第五十六号)

自動車用石油製品割当規則(昭和二十六年運輸省令第百六号)

運輸大臣の権限の一部を都道府県知事に委任する省令(昭和二十四年運輸省令第六十八号)

船舶用石油製品割当規則(昭和二十四年運輸省令第七十一号)

建設用石油製品割当規則(昭和二十四年建設省令第二十九号)

くす使用制限規則(昭和二十五年農林省令第八十二号)

指定消費者用石油製品配給規則(昭和二十五年通商産業省令第六十号)

外国自動車譲受規則(昭和二十六年通商産業省令、運輸省令第一号)

4 前項の規定により臨時物資需給調整法がなおその効力を有する間にした行為に対する罰則の適用については、同法は、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。

5 経済安定本部設置法(昭和二十四年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第十五号中「臨時物資需給調整法(昭和二十一年法律第三十二号)第一条第一項に基く命令」を「国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律(昭和二十七年法律第二十三号)第二条第六項」に改める。

  第十五条第一項の表中物資需給調整審議会の項を次のように改める。

物資需給調整審議会

国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の規定により、総裁に対し、必要な報告及び建議をすること。

6 経済調査庁法(昭和二十三年法律第二百六号)の一部を次のように改正する。

  別表第八号の次に次の一号を加える。

  九 国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律

7 食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

第八条ノ二第一項中「農林大臣ハ」の下に「経済安定本部総裁ガ定ムル方策ニ基キ」を加える。

8 昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和二十二年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条第七号を次のように改める。

  七 削除

9 輸出品取締法(昭和二十三年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第十五条を次のように改める。

第十五条 削除

10 事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

  第六条第一項第六号及び第七号を次のように改める。

  六及び七 削除

別 表

一 ニツケル及びニツケル含有物(故及びくずを含む。)

  二 コバルト及びコバルト含有物(故及びくずを含む。)

  三 タングステン及びタングステン含有物(故及びくずを含む。)

  四 モリブデン及びモリブデン含有物(故及びくずを含む。)

  五 白金及び白金含有物(故及びくずを含む。)

(内閣総理・大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・建設大臣・経済安定本部総裁署名) 

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