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法律第七十号(昭二七・四・一)

  ◎捕獲審検所の検定の再審査に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 捕獲審検再審査委員会(第三条―第十条)

 第三章 再審査(第十一条―第十七条)

 第四章 罰則(第十八条)

 附則

   第一章 総則

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、日本国が、日本国との平和条約第十七条(a)に規定する義務を履行するため、連合国の要請があつた場合において、旧捕獲審検令(明治二十七年勅令第百四十九号)に基く捕獲審検所又は高等捕獲審検所(以下「捕獲審検所」と総称する。)の検定であつて連合国人の所有権に関係のある事件に関するものを国際法に従つて再審査することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「連合国」とは、日本国との平和条約第二十五条に規定する連合国をいう。

2 この法律において「連合国人」とは、左の各号に掲げるものをいう。

 一 連合国の国籍を有する者

 二 連合国の法令に基いて設立された法人その他の団体

 三 前号に掲げるものを除く外、営利を目的とする法人その他の団体で前各号若しくは本号に掲げるものがその株式若しくは持分(当該法人その他の団体の役員が前各号又は本号に掲げるものの計算において有する株式又は持分を除く。)の全部を有するもの又は営利を目的としない法人その他の団体で前各号若しくは本号に掲げるものが支配するもの

   第二章 捕獲審検再審査委員会

 (委員会の設置)

第三条 運輸省に、外局として捕獲審検再審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、連合国の要請があつた場合において、当該連合国の連合国人の所有権に関係のある事件に関する捕獲審検所のした捕獲の検定(以下単に「検定」という。)の再審査を行う機関とする。

 (組織)

第四条 委員会は、委員長及び委員六名をもつて組織する。

2 委員長及び委員は、関係行政機関の職員及び国際法に関し広い知識を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

3 委員長及び委員は、非常勤とする。

 (委員の任期)

第五条 委員長又は委員で国際法に関し広い知識を有する者のうちから任命された者(以下「学識委員」という。)の任期は、二年とする。但し、補欠の学識委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 学識委員は、再任されることができる。

 (委員の罷免)

第六条 内閣総理大臣は、学識委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合、学識委員に職務上の義務違反があると認める場合その他学識委員が委員たるに適しないと認める場合には、委員会の議決を得て、これを罷免することができる。

 (委員長)

第七条 委員長は、委員会の事務を総理し、委員会を代表する。

2 委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に故障のある場合に委員長を代理する者を定めておかなければならない。

 (職権行使の独立性)

第八条 委員長及び委員は、独立してその職権を行う。

 (議決方法)

第九条 委員会は、委員長及び三人以上の委員が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 委員会の議事は、出席者の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長の決するところによる。

 (事務局)

第十条 委員会に、その事務を整理するため事務局を置く。

2 事務局に、事務局長その他の所要の職員を置く。

   第三章 再審査

 (再審査の開始)

第十一条 日本政府が検定の再審査についての連合国の要請を受理したときは、委員会は、遅滞なく、検定の再審査を開始しなければならない。

 (意見の聴取等)

第十二条 委員会は、検定の再審査のため必要があると認めるときは、左の各号に掲げる事項を行うことができる。

 一 参考人に対し、出頭を求めて、その意見又は報告を徴すること。

 二 鑑定人に対し、出頭を求めて、鑑定をさせること。

 三 検定に係る事件に関係のある書類その他の資料の所有者又は占有者に対し、当該資料の提出を求めること。

 (検定の再審査)

第十三条 委員会は、国際法に従い、検定の再審査の審理を行い、検定が国際法に違反すると認めるときは検定の取消の決定をし、検定が国際法に違反しないと認めるときは検定の容認の決定をしなければならない。

 (決定書)

第十四条 前条の決定は、決定書の作成によつて行う。

2 決定書には、決定の理由を記載しなければならない。

3 決定書には、委員長及び当該会議に出席した委員が署名押印しなければならない。

4 決定書には、少数意見を附記することができる。

第十五条 委員会は、第十三条の決定をしたときは、遅滞なく、前条の決定書を告示しなければならない。

 (所有権の回復)

第十六条 委員会が、検定の取消の決定をしたときは、旧捕獲審検令第二十八条の規定に基き検定によつて国の所有物となつた物件のうち当該決定に係るものの所有権は、検定があつた時にさかのぼつて、その時に当該物件を所有していた者に回復される。

 (連合国財産補償法の規定の読替)

第十七条 前条の規定により所有権の回復があつた物件について戦争の結果生じた損害に対する補償についての連合国財産補償法(昭和二十六年法律第二百六十四号)の適用については、同法第十五条第一項中「その国と日本国との間の平和条約の効力発生後十八月以内」とあるのは、「捕獲審検所の検定の再審査に関する法律第十六条の規定により所有権の回復があつた物件についての戦争の結果生じた損害に対する補償については、同法第十五条の決定書の告示の日から十八月以内」と読み替える。

   第四章 罰則

第十八条 左の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。

 一 第十二条第一号の規定による委員会の要求があつた場合において、出頭して、その意見を陳述せず、若しくは報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 二 第十二条第二号の規定による委員会の要求があつた場合において、出頭して、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者

 三 第十二条第三号の規定による委員会の要求があつた場合において、同号の資料の提出をしない者

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。

 (存続期間)

2 この法律(第十七条の規定を除く。)は、この法律施行後三年を経過した日にその効力を失う。但し、その日において、その日までに行われた連合国の要請に係る検定の再審査であつて、第十五条の決定書の告示が行われていないものがある場合には、その決定書の告示が行われる日までなお効力を有するものとする。

 (他の法律の改正)

3 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第一節 船員労働委員会(第五十七条)」を「第一節 船員労働委員会及び捕獲審検再審査委員会(第五十七条・第五十七条の二)」に改める。

  第三条第十一号の次に次の一号を加える。

  十二 捕獲審検所の検定の再審査

  第五十六条中

船員労働委員会

船員労働委員会

捕獲審検再審査委員会

に改める。

  第三章中「第一節 船員労働委員会」を「第一節 船員労働委員会及び捕獲審検再審査委員会」に改める。

  第五十七条の次に次の一条を加える。

  (捕獲審検再審査委員会)

 第五十七条の二 捕獲審検再審査委員会の組織、所掌事務及び権限は、捕獲審検所の検定の再審査に関する法律(昭和二十七年法律第七十号)の定めるところによる。

4 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

  別表第一運輸省の項の委員会の欄中

船員労働委員会

船員労働委員会

捕獲審検再審査委員会

に改める。

(内閣総理・外務・運輸大臣署名) 

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