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法律第二百八十七号(昭二七・七・三一)

  ◎労働基準法の一部を改正する法律

 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。

 第十八条第二項を次のように改める。

  使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない。

第十八条第二項の次に次の五項を加える。

  使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。

  使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して命令で定める利率による利子を下るときは、その命令で定める利率による利子をつけたものとみなす。

  使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。

  使用者が前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる。

  前項の規定により貯蓄金の管理を中止すべきことを命ぜられた使用者は、遅滞なく、その管理に係る貯蓄金を労働者に返還しなければならない。

第二十四条第一項但書を次のように改める。

  但し、法令若しくは労働協約に別段の定がある場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定がある場合若しくは当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 第三十三条第一項中「前条又は第四十条の労働時間を延長する」を「前条若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させる」に改める。

 第三十三条第二項中「労働時間の延長」を「労働時間の延長又は休日の労働」に改め、「その延長時間」を「その時間」に改める。

 第三十九条第三項本文を次のように改める。

  使用者は、前二項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。

 第三十九条第三項の次に次の一項を加える。

  使用者は、第一項又は第二項の規定による有給休暇の期間については、就業規則その他で定めるところにより、平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払わなければならない。但し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間について、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条に定める標準報酬日額に相当する金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。

 第五十四条第一項に次の但書を加える。

  但し、仮設の建設物又は設備で命令で定める危険又は衛生上有害でないものについては、この限りでない。

 第五十六条第一項但書を削る。

 第六十条第三項中「(第五十六条第一項但書に規定する満十四歳以上を含む。)」を削る。

 第六十一条に次の但書を加える。

  但し、財産目録、貸借対照表又は損益計算書の作成その他決算のために必要な計算、書類の作成等の業務に従事させる場合には、一週間について六時間の制限にかかわらず、二週間について十二時間を超えない範囲内で時間外労働をさせることができる。

 第六十二条第四項中「労働時間を延長する場合」を「労働時間を延長し若しくは休日に労働させる場合」に改め、「電話の事業」の下に「若しくは中央労働基準審議会の議を経て命令で定める女子の健康及び福祉に有害でない業務」を加える。

 第七十条第二項中「危険有害業務の就業制限に関する規定」の下に「並びに第六十四条の坑内労働の禁止に関する規定(満十六歳以上の男子に係るものに限る。)」を加える。

 第七十六条第一項の次に次の二項を加える。

  使用者は、前項の規定により休業補償を行つている労働者と同一の事業場における同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの各区分による期間(以下四半期という。)ごとの一箇月一人当り平均額(常時百人未満の労働者を使用する事業場については、労働省において作成する毎月勤労統計における当該事業場の属する産業に係る毎月きまつて支給する給与の四半期の労働者一人当りの一箇月平均額。以下平均給与額という。)が、当該労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた日の属する四半期における平均給与額の百分の百二十をこえ、又は百分の八十を下るに至つた場合においては、使用者は、その上昇し又は低下した比率に応じて、その上昇し又は低下するに至つた四半期の次の次の四半期において、前項の規定により当該労働者に対して行つている休業補償の額を改訂し、その改訂をした四半期に属する最初の月から改訂された額により休業補償を行わなければならない。改訂後の休業補償の額の改訂についてもこれに準ずる。

  前項の規定により難い場合における改訂の方法その他同項の規定による改訂について必要な事項は、命令で定める。

 第十二章中第百六条の前に次の一条を加える。

 (国の援助義務)

第百五条の二 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、この法律の目的を達成するために、労働者及び使用者に対して資料の提供その他必要な援助をしなければならない。

 第百十四条中「第三十九条第三項の規定による平均賃金」を「第三十九条第四項の規定による賃金」に改める。

 第百二十条第一号中「第十五条第一項若しくは第三項、」の次に「第十八条第七項、」を加え、同条第二号を削り、同条第三号を第二号とし、以下順次一号ずつ繰り上げる。

附 則

1 この法律は、昭和二十七年九月一日から施行する。

2 この法律の施行の際使用者が改正前の労働基準法第十八条第二項の規定による認可を受けて、労働者の貯蓄金を管理している場合においては、この法律の施行後は、改正後の同項の規定による届出があつたものとみなす。

3 改正後の労働基準法第三十九条第四項の規定により使用者が就業規則その他に定をし、又は書面による協定をするまでは、同項の規定にかかわらず、有給休暇の期間についての賃金の支払については、なお、従前の例による。

4 改正後の労働基準法第七十六条第二項及び第三項の規定は、この法律施行の際同条第一項の規定による休業補償を受けている労働者についても適用あるものとし、且つ、その労働者につき左の各号の一に該当する事由があるときは、使用者は、左の各号の区分によつて当該各号に定める比率に応じて休業補償を改訂し、昭和二十八年一月から、改訂された額により休業補償を行わなければならない。

 一 常時百人以上の労働者を使用する事業場において昭和二十二年九月一日から昭和二十六年三月三十一日までの間に業務上負傷し、又は疾病にかかつた者については、昭和二十七年一月から三月までの平均給与額が、その負傷し又は疾病にかかつた日の属する会計年度において当該労働者と同一の事業場の同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われた通常の賃金の一箇月一人当り平均額(以下本項において会計年度における平均給与額という。)の百分の百二十をこえる場合は、その比率

 二 常時百人以上の労働者を使用する事業場において昭和二十二年九月一日から昭和二十六年三月三十一日までの間において業務上負傷し、又は疾病にかかつた者で前号の場合に該当しないものについては、昭和二十七年七月から九月までの平均給与額が、会計年度における平均給与額の百分の百二十をこえる場合は、その比率

 三 常時百人以上の労働者を使用する事業場において昭和二十六年四月以後において業務上負傷し、又は疾病にかかつた者については、昭和二十七年七月から九月までの平均給与額が、当該労働者の負傷し、又は疾病にかかつた日の属する四半期の平均給与額の百分の百二十をこえる場合は、その比率

 四 常時百人未満の労働者を使用する事業場において業務上負傷し、又は疾病にかかつた者が、前各号に該当する場合においては、命令で定める比率

 五 日々雇い入れられる者については、命令で定める比率

5 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

  第十二条第三項の次に次の一項を加える。

  第一項第二号の規定による災害補償については、政府は、労働基準法第七十六条第二項又は第三項に該当する事由がある場合には、同条第二項及び第三項の例により、その休業補償費の額を改訂して支給する。

6 改正後の労働者災害補償保険法第十二条第四項の規定は、この法律施行の際同条第一項第二号の規定による休業補償費を受けている労働者についても適用あるものとし、且つ、その労働者につき、この附則第四項各号の一に該当する事由があるときは、政府は、同項の例により、その休業補償費の額を改訂して支給する。

7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。

(労働・内閣総理大臣署名) 

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