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法律第三百一号(昭二七・八・七)

  ◎国際電信電話株式会社法

 (目的)

第一条 国際電信電話株式会社は、国際公衆電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。

 (事業)

第二条 国際電信電話株式会社(以下「会社」という。)は、国際公衆電気通信事業を営む外、郵政大臣の認可を受けて、これに附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。

 (事務所)

第三条 会社は、本店を東京都に置く。

2 会社は、必要な地に支店又は出張所を置くことができる。

 (株式)

第四条 会社の株式は、記名式とし、政府、地方公共団体、日本国民又は日本国法人であつて社員、株主若しくは業務を執行する役員の半数以上、資本若しくは出資の半額以上若しくは議決権の過半数が外国人若しくは外国法人に属さないものに限り、所有することができる。

2 会社は、新株を発行しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。

 (商号の使用制限)

第五条 会社でない者は、その商号中に国際電信電話株式会社という文字を用いてはならない。

 (社債発行限度の特例)

第六条 会社は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十七条の規定による制限をこえて社債を募集することができる。但し、資本及び準備金の総額又は最終の貸借対照表により会社に現存する純財産額のいずれか少い額の三倍をこえてはならない。

 (一般担保)

第七条 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (外貨債務の保証)

第八条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の外貨で支払わなければならない債務について、保証契約をすることができる。

 (監督)

第九条 会社は、郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。

第十条 会社は、社債を募集し、又は弁済期限が一年をこえる資金を借り入れようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。

第十一条 取締役及び監査役の選任及び解任、定款の変更、利益金の処分、合併並びに解散の決議は、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

第十二条 会社は、毎営業年度の事業計画を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

第十三条 会社は、無線設備及びこれに準ずる重要な電気通信設備を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。

第十四条 郵政大臣は、第十条、第十一条(利益金の処分、合併及び解散の決議に係る部分に限る。)及び前二条の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。

第十五条 郵政大臣は、会社に対し、公共の福祉を確保するため、その業務に関し必要な命令をすることができる。

2 郵政大臣は、この法律を施行するため必要な限度において、会社からその業務に関する報告を徴することができる。

 (罰則)

第十六条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした会社の取締役又は監査役は、十万円以下の罰金に処する。

一 この法律により郵政大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。

二 第二条に規定する業務以外の業務を行つたとき。

三 第六条但書の規定に違反して、社債を募集したとき。

四 前条第一項の規定による命令に違反したとき。

五 前条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

第十七条 第五条の規定に違反した者は、五万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。

附 則

 (施行期日)

1 この法律の施行期日は、政令で定める。但し、その期日は、昭和二十八年三月三十一日後であつてはならない。

 (設立委員)

2 郵政大臣は、設立委員を命じて、会社の設立に関する事務を処理させる。

 (公社の現物出資等)

3 日本電信電話公社(以下「公社」という。)は、会社の設立に際し、会社に対し、現物出資をすることができる。

4 公社は、日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)第六十八条の規定にかかわらず、会社の設立に際し、国会の議決を経ないで、同条に規定する設備を会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡することができる。但し、あらかじめ郵政大臣の認可を受けることを要する。

5 公社又は設立委員は、公社が会社の設立に際し会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡する財産の範囲について協議することができず、又は協議がととのわないときは、郵政大臣の決定を申請することができる。

6 前項の郵政大臣の決定があつたときは、同項に規定する財産の範囲について、公社と設立委員との間に協議がととのつたものとみなす。

7 公社は、第五項の郵政大臣の決定に従い日本電信電話公社法第六十八条に規定する設備を会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡するときは、第四項但書の認可を受けることを要しない。

 (定款)

8 設立委員は、定款を作成して、郵政大臣の認可を受けなければならない。

 (公社の出資財産等の価格)

9 設立委員は、前項の規定により作成する定款に、公社が会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡する財産の価格を記載しようとするときは、電気通信設備評価審議会の決定を受けなければならない。

10 電気通信設備評価審議会は、公社が会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡する財産について前項の決定をするときは、その財産に係る事業により得た収益を、適正な収益率と認められる率により還元して得られる価格を基準とし、その財産の時価を参しやくしなければならない。

 (株主の募集)

11 設立委員は、第八項の認可を受けたときは、遅滞なく、会社の設立に際し発行する株式の総数のうち、第三項の規定による公社の出資に対して割り当てるべき株式を控除した残余の株式につき、株主を募集しなければならない。

12 株式申込証には、定款の認可の年月日を記載しなければならない。

13 設立委員は、株主の募集を終つたときは、株式申込証を郵政大臣に提出し、その検査を受けなければならない。

 (払込)

14 設立委員は、前項の検査を受けた後、遅滞なく、各株につきその発行価額の全額の払込をさせなければならない。

 (創立総会)

15 前項の払込があつたときは、設立委員は、遅滞なく、創立総会を招集しなければならない。

 (事務の引渡)

16 創立総会が終結したときは、設立委員は、その事務を会社の取締役に引き渡さなければならない。

 (適用除外)

17 商法第百六十七条、第百八十一条及び第百八十五条の規定は、会社の設立については、適用しない。

 (登録税の特例)

18 会社が設立の登記を受けるときは、登録税の額は、登録税法(明治二十九年法律第二十七号)第六条第一項第三号の規定にかかわらず、公社の出資の額の千分の一・五と公社以外の者の出資の額の千分の六の合計額とする。

19 会社がその設立に際し不動産に関する権利の取得の登記を受けるときは、公社が出資し、又は譲渡した不動産についての登録税の額は、登録税法第二条第一項第三号の規定にかかわらず、千分の四とする。

 (公社に割り当てられた株式の処置)

20 公社は、会社の設立後遅滞なく、第三項の規定による出資に対し割り当てられた株式を政府に譲渡しなければならない。

21 政府は、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、前項の規定により譲り受けた株式を処分しなければならない。

22 政府は、第二十項の規定により譲り受けた株式の対価を、当該株式の処分に応じて公社に支払うことができる。

 (無線局の免許人の地位の承継)

23 公社が会社に対し出資し、又は譲渡した財産に係る無線局の免許人の地位は、出資の場合にあつては会社の成立の日、譲渡の場合にあつてはその譲渡の日において、会社が承継する。

 (電気通信設備評価審議会)

24 第九項の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するため、郵政省に電気通信設備評価審議会(以下「審議会」という。)を置く。

25 審議会は、委員長及び委員七人をもつて組織する。

26 委員長は、郵政大臣をもつて充てる。

27 委員は、左に掲げる者につき郵政大臣が任命する。

一 大蔵省の職員   一人

二 郵政省の職員   一人

三 公社の役員    一人

四 会社の設立委員  一人

五 学識経験のある者 三人

28 委員は非常勤とする。

29 委員長は、会務を総理する。

30 審議会は、委員長及び四人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

31 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

32 第九項、第十項及び前八項に定めるものの外、審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、郵政省令で定める。

 (他の法律の改正)

33 電信法(明治三十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。

第一条ノ二に次の但書を加える。

但シ主務大臣ハ日本国外国間ニ於ケル電信及び電話ニ関スルモノハ国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得

第二十四条及び第三十一条第一項中「日本電信電話公社」の下に「又ハ国際電信電話株式会社」を加える。

34 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。

別表乙号第八号を次のように改める。

八 国際電信電話株式会社

35 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

第二十条第一項中「又は日本放送協会」を「、日本放送協会又は国際電信電話株式会社」に改める。

36 郵便為替法(昭和二十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。

第十六条第一項但書及び第十八条中「日本電信電話公社」の下に「又は国際電信電話株式会社」を加える。

37 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

第二条中「日本電信電話公社」の下に「又は国際電信電話株式会社」を加える。

38 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

第四条第二項中「日本電信電話公社」の下に「又は国際電信電話株式会社」を加える。

39 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。

第三条第十五号の二中「日本電信電話公社」の下に「又は国際電信電話株式会社」を加える。

(内閣総理・法務・大蔵・郵政大臣署名) 

 

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