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法律第二百五十八号(昭二八・九・一)

  ◎町村合併促進法

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、町村が町村合併によりその組織及び運営を合理的且つ能率的にし、住民の福祉を増進するように規模の適正化を図ることを積極的に促進し、もつて町村における地方自治の本旨の充分な実現に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「町村合併」とは、二以上の町村の区域の全部若しくは一部をもつて町村を置き、又は町村の区域の全部若しくは一部を他の町村に編入することで町村の数の減少を伴うものをいう。

2 この法律において「合併町村」とは、町村合併により設置され、又は他の町村の区域の全部若しくは一部を編入した町村で第六条第一項に規定する新町村建設計画の実施に当るものをいう。

3 この法律において「合併関係町村」とは、町村合併によりその区域の全部又は一部が合併町村の区域の一部となる町村をいう。

 (町村の規模)

第三条 町村は、おおむね八千人以上の住民を有するのを標準とし、地勢、人口密度、経済事情その他の事情に照らし、行政能率を最も高くし、住民の福祉を増進するようにその規模をできる限り増大し、これによつてその適正化を図るように相互に協力しなければならない。

2 都道府県知事は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第八条の二第一項の規定により町村合併に関する計画を定めようとするときは、町村の規模については、前項の趣旨に従わなければならない。

 (町村合併促進審議会)

第四条 都道府県は、町村合併を促進するため、地方自治法第百三十八条の四第三項の規定により、条例で町村合併促進審議会を置くことができる。

2 町村合併促進審議会の委員は、条例の定めるところにより、当該都道府県の議会が推薦する議員、当該都道府県の区域内の町村の議会の連合組織が推薦する町村の議会の議長、当該都道府県の区域内の町村の長の連合組織が推薦する町村長、当該都道府県の教育委員会が推薦する当該教育委員会の委員、当該都道府県の区域内の市の議会の連合組織が推薦する市の議会の議長、当該都道府県の区域内の市の町の連合組織が推薦する市長、当該都道府県の職員及び学識経験を有する者のうちから都道府県知事が任命する。

3 町村合併促進審議会は、都道府県知事の諮問に応じて、町村合併に関する計画の策定について調査審議する。

4 町村合併促進審議会は、都道府県知事の求めに応じて、町村合併の促進について啓発、宣伝、勧奨及びあつせんを行うことができる。

 (町村合併促進協議会)

第五条 町村合併をしようとする町村は、町村合併を促進するために必要な調査を行い、第六条第一項に規定する新町村建設計画の策定その他町村合併に関する協議を行うため、地方自治法第二百五十二条の二第一項の規定により、町村合併促進協議会を置くことができる。

2 町村合併促進協議会の会長及び委員は、規約の定めるところにより、関係町村の議会の議長及び議員、長並びにその他の職員をもつて充てる。

3 町村合併促進協議会には、地方自治法第二百五十二条の三第二項の規定にかかわらず、規約の定めるところにより、公共的団体等の役員及び職員並びに学識経験を有する者を非常勤の委員として加えることができる。

 (新町村建設計画の策定)

第六条 町村は、町村合併をしようとするときは、協議により、町村合併に伴い必要な町村の建設に関する計画(以下「新町村建設計画」という。)を定めなければならない。

2 関係町村は、新町村建設計画を定めようとするときは、あらかじめ都道府県知事の意見を聴かなければならない。

3 新町村建設計画は、おおむね左に掲げる事項について定めるものとする。

 一 新町村建設の基本方針

 二 町村役場、支所又は出張所の統合整備に関する事項

 三 小学校、中学校その他の教育文化施設の統合整備に関する事項

 四 自治体警察に関する事項

 五 消防施設の統合整備に関する事項

 六 病院、診療所、隔離病舎その他の衛生施設の統合整備に関する事項

 七 授産施設、保育所その他の厚生施設の統合整備に関する事項

 八 道路、橋、トンネルその他の土木施設の整備に関する事項

 九 水道事業、自動車運送事業その他の公営企業に関する事項

 十 基本財産の造成に関する事項

 十一 第二号から前号までに掲げるものの外、町村合併の目的を実現するために必要な合併町村の永久の利益となるべき建設事業に関する事項

 十二 町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度間の年度別財政計画

4 合併関係町村は、新町村建設計画を定めたときは、直ちにこれを都道府県知事に提出しなければならない。

5 都道府県知事は、新町村建設計画を受理したときは、直ちにその意見を附してこれを内閣総理大臣に提出しなければならない。

6 第一項の協議については、当該町村の議会の議決を経なければならない。

第七条 新町村建設計画を定めるに当つては、合併町村の住民が相互に融和し、進んで合併町村の建設に協力する基本の態勢を整えるように配慮しなければならない。

2 新町村建設計画は、合併町村の住民のすべてについて、ひとしく福祉を増進させるとともに負担を分任させるように定められなければならず、また、合併関係町村の施設、事業その他住民の享受する利便について合併関係町村の相互の間の均衡を失するものがある場合においては、すみやかに是正するように定められなければならない。

 (新町村建設計画の変更)

第八条 町村合併前において新町村建設計画を変更するには、合併関係町村の協議によらなければならない。第六条第二項及び第四項から第六項までの規定は、この場合において準用する。

2 町村合併後において新町村建設計画を変更するには、合併町村の議会の議決によらなければならない。第六条第二項、第四項及び第五項の規定は、この場合において準用する。

   第二章 他の法律の特例

 (議員の任期、定数に関する特例)

第九条 町村合併の際合併関係町村の議会の議員で当該合併町村の議会の議員の被選挙権を有することとなるものは、合併関係町村の協議により、左の各号に掲げる期限に限り、引き続き合併町村の議会の議員として在任することができる。この場合において町村合併の際に当該合併町村の議会の議員である者の数が地方自治法第九十一条の規定による定数をこえるときは、同条の規定にかかわらず、当該数をもつて当該合併町村の議会の議員の定数とし、議員に欠員が生じ、又は議員がすべてなくなつたときは、これに応じて、その定数は、同条の規定による定数に至るまで減少するものとする。

 一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後一箇年をこえない範囲で当該協議で定める期間

 二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の議会の議員の残任期間に相当する期間

2 合併町村においては、地方自治法第九十一条第一項の規定にかかわらず、合併関係町村の協議により、左の各号に掲げる期間に限り、同項に規定する定数の二倍に相当する数をこえない範囲でその議会の議員の定数を増加することができる。但し、議員がすべてなくなつたときは、その定数は、同項の規定による定数に復帰するものとする。

 一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後最初に行われる選挙により選出される議会の議員の任期に相当する期間

 二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の議会の議員の残任期間に相当する期間

3 前項の規定は、第一項の協議が成立した場合には適用しない。

4 第一項又は第二項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経るものとし、その協議が成立したときは、合併関係町村は、直ちにその内容を告示しなければならない。

 (市町村の境界変更に関する特例)

第十条 地方自治法第八条の二第二項の規定により、都道府県知事が関係町村に対し、町村合併に関する同条第一項の計画について意見を求めたときは、当該町村の長は、直ちにその旨を告示し、且つ、公衆の見やすい方法により公表しなければならない。

2 前項の告示があつたときは、当該町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、当該町村の区域内の町、字その他政令で定める基準に基く地域に属するその総数の五分の三以上の者の連署をもつて、その代表者(以下「代表者」という。)によつて町村長に対し当該地域に係る市町村の境界変更に関する意見を提出することができる。

3 前項の意見の提出があつたときは、町村長は、直ちにその要旨を公表しなければならない。

4 町村長は、第二項の意見を受理した日から六十日以内に、その意見に当該町村の意見を附して都道府県知事に提出するとともに、あわせてその旨を代表者に通知しなければならない。

5 前項の期間内に同項の通知がないときは、代表者は、第二項の意見を都道府県知事に提出することができる。

6 地方自治法第七十四条第四項の規定は、第二項の議会の議員及び長の選挙権を有する者につき準用する。

第十一条 地方自治法第八条の二第一項の規定による町村合併に関する都道府県知事の勧告が前条第二項の意見を採用している場合において、当該地域に係る市町村の境界変更に関し当該町村の議会が当該勧告と異なる議決をしたときは、町村長は、直ちにその要旨を告示し、且つ、公衆の見やすい方法により公表しなければならない。

2 前項の告示があつたときは、代表者は、政令の定めるところにより、当該町村の選挙管理委員会に対し、告示のあつた日から三十日以内に、当該地域に係る市町村の境界変更に関し、これを当該地域内の選拳人の投票に付することを請求することができる。

3 選挙管理委員会は、前項の請求があつたときは、政令の定めるところにより、請求のあつた日から三十日以内に同項の投票に付さなければならない。

4 前項の投票において、選挙人の五分の四以上の賛成があつたときは、当該投票は、当該地域に係る市町村の境界変更に関する当該町村の議会の議決に代る効力を有する。

5 選挙管理委員会は、第三項の投票の結果が判明したときは、直ちにこれを告示するとともに、都道府県知事に届け出なければならない。その結果が確定したときも、また、同様とする。

6 第四項の規定により市町村の境界変更に関する議会の議決に代る効力を有する投票の結果が確定したときは、当該地域に係る市町村の境界変更に関し地方自治法第七条第一項の規定による当該町村の申請があつたものとみなす。

7 政令で特別の定をするものを除く外、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)中普通地方公共団体の選挙に関する規定及び地方自治法第二百五十五条の二の規定は、第三項の規定による投票につき準用する。

 (警察法の特例)

第十二条 合併関係町村のうちに町村合併の際警察法(昭和二十二年法律第百九十六号)の規定により警察を維持していたものと維持していなかつたものとがある場合において、合併町村が同法の規定により警察を維持すべきものであるときは、同法第四十条第一項の規定にかかわらず、合併関係町村の協議により、町村合併後三箇年以内の期間に限り、当該合併町村の警察の管轄区域を、当該合併町村の区域のうち従前警察を維持していた合併関係町村の警察の管轄区域に限ることができる。

2 前項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経なければならない。

3 合併関係町村は、第一項の協議が成立したときは、直ちにその内容を告示しなければならない。

4 警察法第四十条の三第六項及び第七項の規定は、第一項の協議が成立した場合につき準用する。

5 第一項の規定によりその管轄区域が限定されている警察に関する警察法の適用については、同法第五十五条中「当該市町村の区域」とあるのは「当該町村警察の管轄区域」と、第五十五条二第二項中「その市町村の区域外」とあるのは「その町村警察の管轄区域外」と、第五十九条中「市町村の区域内」とあるのは「町村警察の管轄区域内」と、「その区域外」とあるのは「その町村警察の管轄区域外」と、第六十四条第三項中「市町村の区域外」とあるのは「町村警察の管轄区域外」と読み替えるものとする。

 (地方財政法の特例)

第十三条 合併町村が行う第六条第三項第二号から第十一号までに掲げる事業で当該合併町村の永久の利益となるべきものについては、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度に限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条第一項の規定にかかわらず、地方債をもつてその財源とすることができる。

 (地方税法の特例)

第十四条 合併町村は、合併関係町村の相互の間に地方税の賦課に関し著しい不均衡があり、その全区域にわたつて均一の課税をすることが著しく困難と認められる特別の事情がある場合においては、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く三箇年度に限り、その不均衡の程度を限度として、不均一の課税をすることができる。

 (地方財政平衡交付金法の特例)

第十五条 国が地方財政平衡交付金法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより毎年度交付する地方財政平衡交付金の額は、合併町村については、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度に限り、同法及びこれに基く命令の定めるところにより、合併関係町村が当該年度の四月一日においてなお町村合併前の区域をもつて存続した場合に算定される額の合算額を下らないように算定した額とする。

 (国有財産特別措置法の特例)

第十六条 国は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第三条第一項各号に掲げる場合の外、合併町村が新町村建設計画の実施上当該合併町村の永久の利益となるべき施設の用に供する場合においては、同法に規定する普通財産を当該合併町村に対し、譲渡し、又は貸し付けることができる。

2 前項の規定による譲渡又は貸付に関しては、同項に規定する場合を国有財産特別措置法第三条第一項の各号に掲げる場合に該当するものとみなして同法の規定を適用する。

 (国有林野整備臨時措置法の特例等)

第十七条 国は、新町村建設計画による基本財産の造成上必要があると認められる場合においては、町村合併後五箇年間に限り、合併町村の区域に係る国有林野(国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条に規定する国有林野をいう。以下同じ。)を、国土の保安上及び国有林野の経営上必要なものを除く外、当該合併町村に対し、国有林野整備臨時措置法(昭和二十六年法律第二百四十七号)の例により、売り払い、又はその所有する林野と交換することができる。この場合において売払代金の支払は、売払後五箇年間はすえ置き、その後十五箇年の年賦償還とするものとする。

2 合併町村は、前項の規定により売払を受けた林野の経営については、あらかじめ国の承認を受けて定めた施業計画によらなければならない。

3 合併町村は、第一項の規定により売払を受けた林野の立木の伐採若しくは売払又は当該林野の売払をするには、あらかじめ国の承認を受けなければならない。

4 合併町村は、第一項の規定により売払又は交換を受けた林野の管理については、なるべくその住民の生業に資するように配慮しなければならない。

 (国民健康保険法の特例)

第十八条 合併町村は、合併関係町村のうちに町村合併の際国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)の規定による国民健康保険を行つていたものと行つていなかつたものとがある場合においては、同法第八条ノ十三第一項及び第八条ノ十五第一項本文の規定にかかわらず、合併関係町村の協議による規約の定めるところにより、町村合併後五箇年以内の期間に限り、当該合併町村の区域のうち国民健康保険を行つていた合併関係町村に属していた区域内の世帯主及びその世帯に属する者を引き続き被保険者として、同法の規定による国民健康保険を行うことができる。

2 前項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経なければならない。

3 第一項の規約を定めるについては、都道府県知事の認可を受けなければならない。

4 合併関係町村は、第一項の規約を定めたときは、直ちにこれを告示しなければならない。

5 国民健康保険法の適用については、第一項の規約は同法第八条ノ十三第一項の規定により合併町村が制定する条例とみなす。

6 合併関係町村の関係区域をその地区に包含する普通国民健康保険組合がある場合において第一項の規定により合併町村が国民健康保険を行うこととなるときは、合併町村が同項の規定により国民健康保険を行う間、当該普通国民健康保険組合は、国民健康保険法第二条ノ二第一項並びに同法第五十四条第一項及び第二項の規定にかかわらず、従前の地区において国民健康保険を行うことができる。

 (水産業協同組合法の特例)

第十九条 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十八条第二項の規定により組合員たる資格を有する漁民を特定の種類の漁業を営む者又はこれに従事する者に限つている漁業協同組合の地区の全部が町村合併により同一町村の区域に包含されることとなる場合においては、当該漁業協同組合は、同条の規定にかかわらず、引き続き組合員たる資格に関する当該制限を存置することができる。

2 水産業協同組合法第七条の規定の適用については、前項の規定により組合員の資格に関する制限を存置する漁業協同組合は、同法第十八条第二項の規定により組合員の資格を限つている漁業協同組合とみなす。

 (農地法の特例)

第二十条 町村合併に伴う町村の区域の変動により小作地又は小作採草放牧地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第六条第五項の規定により小作地又は小作採草放牧地とみなされるものを含む。以下同じ。)がこれを所有する者の住所のある町村(同条第三項又は第四項に該当するときはこれらの規定により住所があるとみなされる町村以下同じ。)の区域(小作採草放牧地にあつては、これに隣接する市町村の区域を含む。以下同じ。)の外にあることとなるときは、その者は、当該小作地又は小作採草放牧地のうち同条第一項第二号に規定する面積からそれぞれその住所のある町村の区域内において所有する小作地又は小作採草放牧地(同条第二項の規定によりその者が所有するものとみなされる小作地又は小作採草放牧地を含む。)の面積を差し引いた面積をこえないものを、同条第一項第一号の規定にかかわらず、なお所有することができる。

   第三章 町村合併及び新町村建設計画の実施

 (町村合併に対する協力)

第二十一条 町村は、町村合併を適正且つ円滑に行うために、都道府県知事、都道府県の議会、都道府県の区域内の町村の議会又は長の連合組織その他の関係のある機関及び学識経験を有する者等に対し、技術的な助言、勧告その他の必要な援助を求めることができる。

2 町村合併が行われようとするときは、関係町村の関係機関は、町村合併を適正且つ円滑に行うために、その意義及び目的を住民に周知させるように努めるとともに、当該町村の区域内の公共的団体等に対し協力を求めるようにしなければならない。

3 関係町村の区域内の公共的団体等は、前項の協力を求められたときは、誠実にこれに対処しなければならない。

 (事務の処理)

第二十二条 合併関係町村は、町村合併に際しては、その町村税、使用料等で滞納に係るものを整理し、未払の債務を弁済し、その他誠実に事務を処理して置かなければならない。

 (財産及び営造物の管理引継等)

第二十三条 合併関係町村は、町村合併に際しては、その基本財産その他の財産及び営造物をすべて合併町村に引き継ぎその維持発展に資することができるように誠実に管理しなければならない。

2 町村合併により合併関係町村の区域の一部が合併町村の区域に属することとなる場合においては、当該一部の区域内に存し、もつぱらその区域内の住民の使用に供されている当該合併関係町村の財産及び営造物は、当該合併町村に引き継ぐものとし、その他の関係のある財産及び営造物は、その区域内の住民による使用状況、取得についての寄与の程度等に応じ、その住民の利益を考慮して合理的にその所属を定めるようにしなければならない。

3 旧来の慣行により合併関係町村の住民中特に財産又は営造物を使用する権利を有する者がある場合においては、町村合併により当該財産又は営造物を取得する合併町村は、その旧慣を尊重しなければならない。

4 合併関係町村の相互の間にその有する基本財産の所有について著しい不均衡があり、これを統合して合併町村に属させることが適当でないと認められる特別の事情がある場合においては、地方自治法第七条第四項の規定による財産処分に関する協議により、合併町村のうち合併関係町村に属していた区域に係る部分が当該財産の全部又は一部を有するものとすることができる。この場合においては、合併町村の当該部分は、同法第二百九十四条第一項の財産区とする。

 (職員の身分取扱)

第二十四条 合併関係町村は、その協議により、町村合併の際現にその職に在る合併関係町村の一般職の職員が引き続き合併町村の職員としての身分を保有するように措置しなければならない。

2 合併町村は、職員の任免、給与その他の身分取扱に関しては、職員のすべてに通じて公正に処理しなければならない。

3 合併町村は、その職員が町村合併後一箇年以内に退職を申し出た場合においては、その者に対する退職手当の支給について、特に優遇するように取り扱わなければならない。

 (公共的団体等の統合整備)

第二十五条 合併関係町村の区域内の公共的団体等は、町村合併に際しては、合併町村の一体性のすみやかな確立に資するため、その統合整備を図るように努めなければならない。

2 合併町村の長は、その区域内の公共的団体等に対し、町村合併の目的を達成するため必要があると認めるときは、すみやかに統合整備を図るように勧告することができる。

 (新町村建設計画の実施)

第二十六条 町村合併が行われたときは、合併町村は、新町村建設計画の実施を通じて、町村の一体性の確保とその向上発展に努めなければならない。

2 合併町村の関係機関及びその区域内の公共的団体等は、相互に協力して新町村建設計画のすみやかな実現に努めなければならない。

3 合併町村の住民は、相互に融和し、一の地方公共団体の住民たるの自覚をもつて、進んでその負担を分任して合併町村の建設に当らなければならない。

   第四章 町村合併及び新町村建設計画の実施の促進

 (町村合併促進のための補助金)

第二十七条 国は、町村合併の実施を促進するため、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、町村及び都道府県に対して補助金を交付することができる。

 (新町村建設計画の実施に関するあつせん)

第二十八条 内閣総理大臣は、第六条第五項(第八条において準用する場合を含む。)の規定により都道府県知事から新町村建設計画及びその意見の提出があつたときは、直ちにこれを関係各省大臣に通知しなければならない。

2 前項の場合において新町村建設計画の実施を促進するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、新町村建設計画の一部の変更その他新町村建設計画の実施に関する事項についてあつせんを行うことができる。

 (新町村建設計画の実施の促進のため国の行う措置)

第二十九条 国は、新町村建設計画の実施を促進するため、法令及び予算の範囲内において、新町村建設計画に掲げる左の事項に係る財政上の援助について、事情の許す限り、合併町村のために優先的な取扱をするものとする。

 一 小学校又は中学校の校舎の新築又は改修その他教育文化施設の整備

 二 消防自動車の購入その他消防施設の整備

 三 病院、診療所、隔離病舎、水道施設その他の衛生施設の整備

 四 授産施設、保育所その他の厚生施設の整備

 五 道路、橋又はトンネルの新設その他土木施設の整備

 六 前各号に掲げるものの外、合併町村の永久の利益となるべき建設事業

2 国は、新町村建設計画の実施を促進するため、法令及び予算の範囲内において、左に掲げる事業の実施について、事情の許す限り、合併町村のために優先的な措置を講ずるものとする。

 一 道路の建設、河川の改修、漁港の修築その他の土木事業

 二 前号に掲げるものの外、国の行う事業で政令で定めるもの

3 国は、新町村建設計画の実施を促進するため、法令及び予算の範囲内において、左に掲げる措置について、合併町村のために特に配慮するものとする。

 一 国有財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条に規定する国有財産をいう。)の貸付、交換、売払及び譲与並びにこれに対する私権の設定

 二 国有林野法に定める部分林の設定

 三 新町村建設計画に掲げる事業に要する経費の財源とするための地方債を起すことの許可

 四 前各号に掲げるものの外、各省大臣その他の国の行政機関の行う処分で政令で定めるもの

4 国は、前項第二号の規定に従つて設定した部分林の造林について、予算の範囲内において、合併町村に対して補助金を交付することができる。

 (都道府県の行う措置)

第三十条 都道府県は、町村合併及び新町村建設計画の実施を促進するため、第二十七条及び前条に準じて必要な措置を講じなければならない。

2 都道府県知事は、毎年度の当初において、前年度中の町村合併及び新町村建設計画の実施の状況をとりまとめて公表するとともに、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。

 (公共企業体の協力)

第三十一条 日本国有鉄道、日本電信電話公社その他の公共企業体は、合併町村に係るその業務の運営に関し、町村合併の目的の実現に資するため、管轄区域の変更等必要な措置をすみやかに講ずるようにしなければならない。

 (内閣総理大臣の助言、勧告その他の措置)

第三十二条 内閣総理大臣は、この法律の目的を実現するために、町村及び都道府県に対して助言又は勧告をし、情報又は資料を提供し、その他適切な措置を講じなければならない。

 (町村合併に関する内閣総理大臣の処分)

第三十三条 町村合併に関する地方自治法第七条第一項の申請があつた場合において、都道府県知事が当該申請の日から六箇月以内に同項の規定による処分を行わないときは、関係町村は、議会の議決を経て当該期間の経過後六箇月以内に内閣総理大臣に対し審査の請求をすることができる。

2 前項の規定による請求があつたときは、自治庁長官は、当該都道府県知事について当該事件に関する事情を聴取するとともに、参与の意見を聴いた後その意見を附して、これを内閣総理大臣に上申するものとする。

3 内閣総理大臣は、審査の結果当該都道府県知事が処分を行わないことが町村合併による町村の規模の適正化の趣旨に反すると認めるときは、地方自治法第七条第一項の規定にかかわらず、自ら当該申請に係る町村の廃置分合又は境界変更の処分を行うことができる。

4 前項の規定による処分をしたときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を告示するとともに、これを国の関係行政機関の長に通知しなければならない。

5 第三項の規定による処分は、前項の規定による告示によりその効力を生ずる。

6 地方自治法の適用については、第三項の規定による処分は、同法第七条第一項の規定による処分とみなす。

7 前六項の規定は、この法律の適用又は準用を受けない市町村の廃置分合で町村の数の減少を伴うものについても適用があるものとする。

   第五章 雑則

 (この法律施行前の申請に係る町村合併についての適用関係)

第三十四条 この法律施行前五箇年以内に行われた町村合併により、又はこの法律施行前になされた地方自治法第七条第一項若しくは第三項の申請に基きこの法律施行後に行われた町村合併により設置され、又は他の町村の区域の全部若しくは一部を編入した町村が、あらかじめ都道府県知事の意見を聴きその議会の議決を経て第六条第三項第一号から第十一号までに掲げる事項及び当該町村合併の行われた日から起算して五箇年を経過した日の属する年度までの年度別財政計画を明らかにした当該町村の建設に関する計画を定めた場合には、当該町村については当該計画を新町村建設計画とみなして第二条、第六条第四項及び第五項、第八条、第十三条、第十五条から第十七条まで、第二十五条第二項、第二十六条、第二十八条、第二十九条、第三十条(第二十七条に係る部分を除く。)、第三十一条並びに第三十二条の規定を適用する。この場合においては、第六条第四項中「合併関係町村」とあるのは「合併町村」と、第十三条及び第十五条中町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度」とあるのは「町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度のうち新町村建設計画を定めた日の属する年度以後の年度」とそれぞれ読み替えるものとする。

 (合併町村等が市となつた場合の適用関係)

第三十五条 この法律の規定は、町村合併により設置され、又は他の町村の区域の全部若しくは一部を編入した町村が市となつた場合においても、なお、当該市に関して適用する。但し、当該市につき第十五条の規定を適用して算定される地方財政平衡交付金の額が同条の規定を適用しないで算定される地方財政平衡交付金の額に満たないときは、同条の規定は適用しない。

 (市の区域を含む場合についての準用)

第三十六条 市及び町村の区域の全部若しくは一部をもつて町村を置き、又は市及び町村の区域の全部若しくは一部を他の町村に編入することで町村の数の減少を伴うものについては、これを町村合併とみなしてこの法律の規定を準用する。

 (市が設置され又は市に編入する場合についての準用)

第三十七条 左の各号に掲げるもので町村の数の減少を伴うものについては、これを町村合併とみなしてこの法律の規定(第三条及び第九条の規定を除く。)を準用する。

 一 二以上の町村の区域の全部又は一部をもつて市を置くこと。

 二 市の区域の一部及び町村の区域の全部又は一部をもつて市を置くこと。

 三 町村の区域の全部又は一部を人口五万未満の市に編入すること。

 四 市の区域の一部及び町村の区域の全部又は一部を人口五万未満の市に編入すること。

 五 都道府県知事が町村合併促進審議会の意見を聴き地方自治法第八条の二第一項の規定によりする勧告に基き、町村の区域の全部又は一部を人口五万以上十万未満の市に編入すること。

 六 都道府県知事が町村合併促進審議会の意見を聴き地方自治法第八条の二第一項の規定によりする勧告に基き、市の区域の一部及び町村の区域の全部又は一部を人口五万以上十万未満の市に編入すること。

2 第三十五条但書の規定は、前項の場合において準用する。

3 地方自治法第二百五十四条の規定は、第一項の人口について準用する。

 (公職選挙法の読替)

第三十八条 公職選拳法の適用については、同法第四条第三項中「地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)」とあるのは「地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)及び町村合併促進法(昭和二十八年法律第二百五十八号)」と読み替えるものとする。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して一箇月を経過した日から施行する。

2 この法律は、施行の日から起算して三箇年を経過した時にその効力を失う。但し、その時までに行われた町村合併については、その時以後も、なお、その効力を有する。

(内閣総理大臣署名) 

 

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