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法律第百七号(昭三一・五・二一)

  ◎消防団員等公務災害補償責任共済基金法

目次

 第一章 総則(第一条)

 第二章 基金(第二条―第五条)

 第三章 役員(第六条―第八条)

 第四章 業務(第九条―第十四条)

 第五章 会計(第十五条―第十八条)

 第六章 監督(第十九条―第二十一条)

 第七章 補則(第二十二条・第二十三条)

 第八章 罰則(第二十四条)

 附則

   第一章 総則

 (この法律の趣旨)

第一条 この法律は、消防組織法(昭和二十二年法律第二百二十六号)第十五条の四の規定による非常勤消防団員に係る損害補償及び消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第三十六条の二の規定による消防作業に従事した者に係る損害補償(以下「消防団員等公務災害補償」という。)に関する市(特別区の存する区域については、都。以下同じ。)町村の支払責任の共済制度として、消防団員等公務災害補償責任共済基金(以下「基金」という。)を設立し、もつて消防団員等公務災害補償を的確に実施することを目的とする。

   第二章 基金

 (人格)

第二条 基金は、法人とする。

 (事務所)

第三条 基金は、主たる事務所を東京都に置く。

2 基金は、内閣総理大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (定款)

第四条 基金は、定款をもつて、次の事項を規定しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 資産に関する事項

 五 役員に関する事項

 六 業務及びその執行に関する事項

 七 市町村との消防団員等公務災害補償責任共済契約の締結に関する事項

 八 市町村の掛金に関する事項

 九 会計に関する事項

 十 公告の方法

2 定款は、内閣総理大臣の認可を受けて変更することができる。

 (登記)

第五条 基金は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

   第三章 役員

 (役員)

第六条 基金に、役員として理事長一人、常務理事一人、理事十人以内及び監事三人を置く。

 (役員の職務及び権限)

第七条 理事長は、基金を代表し、その業務を総理する。

2 常務理事は、定款で定めるところにより、基金を代表し、理事長を補佐して基金の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。

3 理事は、定款で定めるところにより、基金を代表し、理事長を補佐して基金の重要な業務を掌理する。

4 監事は、基金の業務を監査する。

5 理事長、常務理事又は理事は、監事と兼ねることができない。

6 常務理事は、他の職業に従事することができない。

 (役員の選任及び任期)

第八条 理事長は、理事の互選によつて定める。

2 理事は、市長を代表する者、市議会の議長を代表する者、町村長を代表する者、町村議会の議長を代表する者、消防団員を代表する者及び学識経験者について、内閣総理大臣が任命する。

3 前項の場合において、市長を代表する者、市議会の議長を代表する者、町村長を代表する者、町村議会の議長を代表する者及び消防団員を代表する者の任命については、それぞれの全国的連合組織の推薦によるものとする。

4 常務理事は、学識経験者のうちから任命された理事につき、理事長が任命する。

5 監事は、市長を代表する者、町村長を代表する者及び消防団員を代表する者について、内閣総理大臣が任命する。第三項の規定は、この場合について準用する。

6 役員が欠員となつたときは、内閣総理大臣は、遅滞なく補欠の役員を任命しなければならない。

7 役員の任期は、三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

8 役員は、再任されることができる。

   第四章 業務

 (消防団員等公務災害補償責任共済契約の締結)

第九条 市町村は、消防団員等公務災害補償の実施のため、基金との間に、定款で定めるところにより、消防団員等公務災害補償責任共済契約を締結するものとする。

 (基金の支払)

第十条 基金は、政令で定めるところにより、消防団員等公務災害補償を行う市町村に対して、その請求に基き、当該非常勤消防団員又は消防作業に従事した者に係る療養補償、休業補償、障害補償、遺族補償、葬祭補償又は打切補償に要する経費について政令で定めるところにより算定した額を支払わなければならない。ただし、次条の規定による掛金を支払わない市町村に対しては、この限りでない。

 (市町村の掛金)

第十一条 市町村は、政令で定めるところにより、基金の業務に要する経費に充てるため、人口、非常勤消防団員の数等を基準として政令で定める額を、掛金として、基金に対して支払わなければならない。

 (国の補助)

第十二条 国は、消防団員等公務災害補償の的確な実施を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、予算の範囲内で、基金に対して、その業務に要する経費の一部を補助することができる。

 (基金の権限)

第十三条 基金は、市町村が行う消防団員等公務災害補償に必要な経費を当該市町村に対して支払う場合において必要があると認めるときは、当該市町村の市町村長に対して説明を求め、報告をさせ、若しくは当該消防団員等公務災害補償に係る帳簿書類の提出を求め、又は職員をして市町村長の保管する当該帳簿書類若しくは当該非常勤消防団員若しくは消防作業に従事した者の診療を担当した者の診療録その他の帳簿書類を実地に調査させることができる。基金が消防団員等公務災害補償に必要な経費を市町村に支払つた後において、その支払額に錯誤があると認めるに至つたときも、また、同様とする。

2 前項の場合において、基金の職員が実地に調査するときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 (基金の返還要求)

第十四条 基金は、消防団員等公務災害補償を行う市町村に対して第十条の規定によりその経費を支払つた後において、その支払額について錯誤があつたことが判明したときは、当該市町村に対して、その錯誤に係る額の返還を求めることができる。

   第五章 会計

 (事業年度)

第十五条 基金の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。

 (事業計画書)

第十六条 基金は、事業年度ごとに、事業計画書を作成して、内閣総理大臣に提出し、その承認を受けなければならない。事業計画書に総理府令で定める重要な変更を加えようとするときも、また、同様とする。

 (報告及び公告)

第十七条 基金は、毎事業年度末に、財産目録及び事業状況報告書を作成し、これに事業計画書の区分に従つて作成した当該事業年度の決算報告書を添附し、監事の意見をつけて、事業年度経過後三月以内に、これを内閣総理大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 基金は、前項の規定による内閣総理大臣の承認を受けたときは、その財産目録、事業状況報告書及び決算報告書を公告しなければならない。

 (総理府令への委任)

第十八条 前三条に規定するもののほか、基金の会計及び資産の運用その他財務に関し必要な事項は、総理府令で定める。

   第六章 監督

 (報告及び検査)

第十九条 内閣総理大臣は、基金の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、基金に対して、業務若しくは財産の状況に関して報告をさせ、又は部下の職員をして業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 内閣総理大臣は、基金が従たる事務所を設けた場合における当該事務所に対する前項の権限を当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に委任することができる。

3 前二項の規定により職員が検査を行う場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4 第一項又は第二項の検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (定款の変更命令等)

第二十条 内閣総理大臣は、基金の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、定款の変更その他監督上必要な命令をすることができる。

2 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。ただし、定款の変更については、この限りでない。

 (役員の解任)

第二十一条 内閣総理大臣は、基金の役員が法令若しくは定款又は前条の規定による命令に違反したときは、これを解任することができる。

   第七章 補則

 (登録税の非課税)

第二十二条 基金が第五条第一項の規定によつてする登記及び基金がその事務所の用に供する建物又は土地の権利の取得又は所有権の保存のためにする登記には、登録税を課さない。

 (政令への委任)

第二十三条 この法律に特別の定があるもののほか、市町村の廃置分合又は境界変更があつた場合における措置その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   第八章 罰則

 (罰則)

第二十四条 第十九条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条の規定による当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。

2 基金の代表者又は代理人、使用人その他の従事者が基金の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、基金に対しても同項の刑を科する。

3 この法律又はこの法律に基く政令の規定に違反して登記することを怠つた基金の役員は、二万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。ただし、附則第二条から第四条までの規定は、公布の日から施行する。

 (基金の設立)

第二条 内閣総理大臣は、第八条第二項、第三項及び第五項の規定の例により、基金の理事又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事となるべき者は、第八条第一項の規定の例により、理事長となるべき者を互選する。

3 第一項の規定により指名された理事若しくは監事となるべき者又は前項の規定により互選された理事長となるべき者は、基金の設立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事若しくは監事に任命され、又は理事長に互選されたものとする。

第三条 内閣総理大臣は、設立委員を命じて、基金の設立に関する事務を処理させる。

第四条 設立委員は、第四条の規定の例により定款を作成して内閣総理大臣の認可を受け、第十六条の規定の例により最初の事業年度の事業計画書を作成して内閣総理大臣の承認を受けなければならない。

2 前項の規定による内閣総理大臣の認可又は承認があつたときは、設立委員は、遅滞なく、その事務を附則第二条第二項の規定により互選された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

第五条 附則第二条第二項の規定により互選された理事長となるべき者は、前条の事務の引継を受けたときは、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

2 前項の現定によつてする登記には、登録税を課さない。

第六条 基金は、設立の登記をすることによつて成立する。

 (消防団員等公務災害補償責任共済契約の経過措置)

第七条 市町村は、この法律(附則第一条ただし書に係る部分を除く。以下同じ。)の施行後一月以内に、基金との間に、定款で定めるところにより、消防団員等公務災害補償責任共済契約を締結するものとし、当該契約の締結後一月以内に、基金に対して、第十一条の規定による掛金を支払わなければならない。

 (従前の消防団員等公務災害補償の経過措置)

第八条 この法律の施行の日前又はこの法律の施行の日から前条の規定により消防団員等公務災害補償責任共済契約が締結されるまでの間に発生した事故により死亡し、負傷し、疾病にかかり、若しくは廃疾となつた者又はそれらの者の遺族若しくは被扶養者に係る消防団員等公務災害補償については、なお、従前の例による。

 (事業年度の経過措置)

第九条 基金の最初の事業年度は、第十五条の規定にかかわらず、その設立の日に始まり、昭和三十二年三月三十一日に終るものとする。

 (基金に対する便宜の供与)

第十条 内閣総理大臣は、当分の間、基金の業務の遂行のため必要があると認めるときは、国家消防本部の職員をして基金の業務に従事させ、又は国家消防本部の使用する施設(土地を含む。)を無償で基金の利用に供することができる。

 (所得税法の一部改正)

第十一条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十二号中「町村職員恩給組合連合会」の下に「、消防団員等公務災害補償責任共済基金」を加える。

 (法人税法の一部改正)

第十二条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条第四号中「町村職員恩給組合連合会」の下に「、消防団員等公務災害補償責任共済基金」を加える。

 (消防組織法の一部改正)

第十三条 消防組織法の一部を次のように改正する。

  第四条第十三号を同条第十四号とし、同条第十二号の次に次の一号を加える。

 十三 消防団員等公務災害補償責任共済基金法(昭和三十一年法律第百七号)に基く内閣総理大臣の権限の行使の補佐に関する事項

  第十五条の四中「その消防吏員(消防吏員を置かない市町村にあつては財政その他の事情の類似する他の市町村の消防吏員)の例に準じ、」を「政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、」に改める。

 (消防法の一部改正)

第十四条 消防法の一部を次のように改正する。

  第三十六条の二中「市町村は、」の下に「政令で定める基準に従い」を加え、「療養その他の給付を行うものとする。」を「その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第十五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第四号中「町村職員恩給組合連合会」の下に「、消防団員等公務災害補償責任共済基金」を加える。

(内閣総理・大蔵大臣署名) 

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