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法律第七十号(昭五九・八・一〇)

  ◎塩専売法

 塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)の全部を改正する。

目次

 第一章 総則(第一条―第四条)

 第二章 製造(第五条―第十七条)

 第三章 輸入(第十八条)

 第四章 販売(第十九条―第三十七条)

 第五章 塩専売事業の実施のための日本たばこ産業株式会社法の特例(第三十八条―第六十一条)

 第六章 雑則(第六十二条―第六十四条)

 第七章 罰則(第六十五条―第七十条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、塩の需給及び価格の安定を確保するとともに、あわせて国内塩産業の基盤を強化し、もつて国民生活の安定に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「塩」とは、塩化ナトリウムの含有量が百分の四十以上の固形物をいう。ただし、チリ硝石、カイニツト、シルビニツトその他大蔵省令で定める鉱物を除く。

2 この法律において塩の「再製」とは、自己の用に供する場合を除き、塩の利用価値を高めるため塩を溶解しその溶解した物に操作を加えて、再び塩を製造することをいう。

3 この法律において塩の「加工」とは、自己の用に供する場合を除き、塩の利用価値を高めるため塩を焼き、洗い、砕き、圧搾する等溶解以外の方法により塩の形状を変え、又は塩の不純物を除去し、若しくは塩を変質させることをいう。

 (専売権)

第三条 塩の一手買取り、輸入、再製、加工及び販売の権能は、国に専属する。

 (専売権の実施)

第四条 前条の規定により国に専属する権能及びこれに伴う必要な事項は、この法律の定めるところにより、日本たばこ産業株式会社法(昭和五十九年法律第六十九号)に基づいて設立される日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)に行わせる。

   第二章 製造

 (製造者の指定等)

第五条 会社又は会社の指定を受けた者でなければ、塩の製造(再製を除く。以下同じ。)をしてはならない。ただし、試験のため塩を製造する者その他の大蔵省令で定める者は、この限りでない。

2 前項ただし書の規定により塩を製造しようとする者は、大蔵省令で定めるところにより、会社に届け出なければならない。

3 会社は、第一項の指定について決定しようとするときは、大蔵大臣の承認を受けなければならない。

 (指定の申請)

第六条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を会社に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所

 二 製造の方法

 三 製造場の規模及び位置

 四 製造場の設備の構造

 五 製造着手の予定年月日

 六 現に他の事業を営んでいる場合には、その種類

 七 その他大蔵省令で定める事項

2 前項の申請書には、事業計画書及び事業収支見積書を添付しなければならない。

 (指定の基準)

第七条 会社は、次の各号の一に該当するときは、第五条第一項の指定をしないことができる。

 一 申請者が次のイからヘまでのいずれかに該当するとき。

  イ この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

  ロ 第十五条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

  ハ 第十九条第一項に規定する販売人

  ニ 申請に係る塩の製造の事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有すると認められない者

  ホ 法人であつて、その代表者のうちにイからハまでのいずれかに該当する者があるもの

  へ 未成年者(営業に関し成年者と同一の能力を有する者を除く。以下同じ。)又は禁治産者であつて、その法定代理人がイからハまでのいずれかに該当するもの

 二 申請に係る製造場の位置若しくは設備又は製造の方法が不適当であると認められるとき。

 三 申請に係る事業の塩の製造の原価が妥当でないと認められるとき。

 四 需給調整上塩の製造数量を制限する必要があるとき。

 (製造方法の変更等)

第八条 第五条第一項の指定を受けて塩を製造する者(以下「製造者」という。)は、第六条第一項第二号に規定する製造の方法又は同項第三号に規定する製造場の規模若しくは位置を変更しようとするときは、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。製造場を設置し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

2 前条第一号ニ及び第二号から第四号までの規定は、前項の承認(製造場の廃止に係る承認を除く。)について準用する。

3 第五条第三項の規定は、第一項の承認(重要な事項に係る承認として大蔵省令で定めるものに限る。)について準用する。

 (買入れ)

第九条 会社は、需給の状況を勘案して、必要な塩の買入れの数量を決定し、製造者の製造場ごとに割り当てて買い入れるものとする。

2 会社は、大蔵大臣の認可を受けて前項の買入れの価格を定め、あらかじめ、公告する。

 (会社への売渡し等)

第十条 製造者は、正当な理由がある場合を除き、前条第一項の規定により会社が割り当てた数量に相当する塩を同条第二項に規定する買入れの価格により会社に売り渡さなければならない。

2 会社は、前項の規定により会社に売り渡される塩について、製造者に対し、期日及び場所を指定して引渡しを求めることができる。

3 製造者は、その製造した塩を大蔵省令で定める数量を超えて自ら消費してはならない。

 (製造の引継ぎ)

第十一条 製造者について相続があつたときは、相続人はその地位を承継する。この場合において、当該相続人は、遅滞なく、その旨を会社に届け出なければならない。

2 前項のほか、製造者の塩の製造を引き継ごうとする者は、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。この場合において、当該承認を受けた者は、製造者とみなす。

3 第七条第一号の規定は、前項の承認について準用する。

 (住所等の変更)

第十二条 製造者は、第六条第一項第一号又は第四号から第七号までに掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を会社に届け出なければならない。

 (製造の廃止及び休止)

第十三条 製造者は、塩の製造を廃止しようとするときは、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。

2 製造者は、その製造場における塩の製造を引き続き十日を超えて休止しようとするときは、理由を付して会社に届け出なければならない。

 (帳簿及び報告)

第十四条 製造者は、大蔵省令で定めるところにより、帳簿を作成し、業務に関する報告を会社に提出しなければならない。

2 会社は、この法律の施行に必要な限度において、第五条第二項の規定により会社に届け出て塩を製造する者から、その製造した塩に関する報告を提出させることができる。

 (指定の取消し)

第十五条 会社は、製造者が次の各号の一に該当するときは、製造者の指定を取り消すことができる。

 一 この法律の規定に違反したとき。

 二 第七条第一号ハに掲げる者に該当することとなつたとき。

 三 正当な理由がないのに、第十条第二項の規定により指定された期日及び場所において塩の引渡しを行わなかつたとき。

 四 正当な理由がないのに、一年を超えて引き続きその製造を休止したとき。

 五 この法律の規定による届出、報告又は帳簿に虚偽の記載があつたとき。

 六 第六十二条第一項の規定による立入検査に応じなかつたとき。

 七 法人であつて、その代表者のうちに第一号又は第二号に該当する者があるとき。

 八 未成年者又は禁治産者であつて、その法定代理人が第一号又は第二号に該当する者であるとき。

2 会社は、前項の規定により製造者の指定の取消しをしようとするときは、あらかじめ、本人にその旨を通知し、当該製造者又はその代理人に意見を述べ、証拠を提出する機会を与えなければならない。

3 第五条第三項の規定は、第一項の指定の取消しについて準用する。

 (廃業後の処置)

第十六条 製造者がその指定を取り消され、又はその製造を廃止した場合において塩を所有するときは、その塩については、その者を引き続き製造者とみなす。

 (再製及び加工)

第十七条 会社又は会社の委託を受けた者でなければ、塩を再製し、又は加工してはならない。ただし、塩を薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項第一号に規定する医薬品に該当する塩その他用途又は性状が特殊な塩であつて大蔵省令で定めるものに再製し、又は加工する者は、この限りでない。

2 前項ただし書の規定により塩を再製し、又は加工しようとする者は、大蔵省令で定めるところにより、会社に届け出なければならない。

3 会社は、この法律の施行に必要な限度において、前項の規定により会社に届け出て塩を再製し、又は加工する者から、その再製し、又は加工した塩に関する報告を提出させることができる。

   第三章 輸入

 (輸入)

第十八条 会社又は会社の委託を受けた者でなければ、塩(旅行者が自己の用に供するため携帯して輸入する塩であつて大蔵省令で定めるものを除く。)を輸入してはならない。ただし、前条第一項ただし書に規定する用途又は性状が特殊な塩に準ずる塩として大蔵省令で定めるものを輸入する者は、この限りでない。

2 前項ただし書の規定により塩を輸入しようとする者は、大蔵省令で定めるところにより、会社に届け出なければならない。

   第四章 販売

 (販売人の指定等)

第十九条 会社は、その指定した塩の元売人又は小売人(以下「販売人」という。)に塩を販売させることができる。

2 会社又は販売人でなければ、塩を販売してはならない。ただし、第十七条第一項ただし書の規定により再製し、又は加工した塩及び前条第一項ただし書の規定により輸入した塩については、この限りでない。

3 元売人は、会社又は他の元売人から塩を買い受け、他の元売人又は小売人に販売するものとする。ただし、大蔵省令で定める数量を超えるときは、直接消費者に販売することができる。

4 小売人は、元売人から塩を買い受け、消費者に販売するものとする。

 (販売の特例)

第二十条 製造者は、前条第二項本文の規定にかかわらず、会社の承認を受けて、その製造した塩を輸出のため買い受けようとする者に販売し、又はその製造した塩で次の各号に該当するものを元売人に販売することができる。

 一 塩化ナトリウムの含有量が百分の九十九・五以上の塩

 二 第二十七条第一項に規定する化学製品の製造又は漁獲物の塩蔵の用に供される塩

 三 添加物を混入した塩

 四 その他大蔵省令で定める規格を有する塩

2 前項の承認を受けようとする者は、その者が販売しようとする同項に規定する塩につき、その規格、数量、販売先その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を会社に提出しなければならない。

3 第一項の承認を受けた製造者は、前項に規定する規格、数量又は販売先を変更しようとするときは、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。

4 会社は、塩の需給の安定に悪影響を及ぼす場合又は流通秩序に混乱を生ずるおそれがある場合を除いては、第一項及び前項の承認をしなければならない。

5 会社は、第一項の承認を受けた者が当該承認に係る事項に違反したときは、当該承認を取り消すことができる。

 (指定の申請)

第二十一条 販売人になろうとする者は、元売人又は小売人の別を定め、次に掲げる事項を記載した申請書を会社に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名及び住所

 二 営業所及び貯蔵所の位置

 三 貯蔵所の設備の構造

 四 販売品種

 五 一年の販売予定数量

 六 販売に充てることができる資金の総額

 七 現に他の事業を営んでいる場合には、その種類

 八 その他大蔵省令で定める事項

 (指定の基準)

第二十二条 会社は、次の各号の一に該当するときは、販売人の指定をしないことができる。

 一 申請者が次のイからトまでのいずれかに該当するとき。

  イ この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

  ロ 第三十五条第一項の規定により販売人の指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

  ハ 塩の製造、再製若しくは加工を行う者、会社の委託を受けて塩の輸入を行う者又は塩を直接の原料とする製品の製造者

  ニ 元売人と小売人とを兼ねようとする者

  ホ 破産者で復権を得ていないものその他その経営の基礎が著しく薄弱であると認められる者

  へ 法人であつて、その代表者のうちにイからホまでのいずれかに該当する者があるもの

  ト 未成年者又は禁治産者であつて、その法定代理人がイからホまでのいずれかに該当するもの

 二 営業所又は貯蔵所の設備が塩の販売を行うのに不適当と認められるとき。

 三 塩の販売予定数量が大蔵省令で定める標準に達せず、その他著しく不適当と認められるとき。

 (指定の期間等)

第二十三条 販売人の指定は、五年以内の期間を定めて行う。

2 会社は、販売人の指定をした場合には、指定書を交付する。

3 会社は、第一項の期間が満了した場合において、引き続き指定することが適当であると認めるときは、第二十一条の申請をまたないで、その販売人を引き続き指定することができる。

 (営業所の移転等)

第二十四条 販売人は、第二十一条第二号に規定する営業所又は貯蔵所の位置を変更しようとするときは、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。営業所若しくは貯蔵所を設置し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

2 第二十二条第二号及び第三号の規定は、前項の承認(営業所又は貯蔵所の廃止に係る承認を除く。)について準用する。

 (販売の引継ぎ)

第二十五条 販売人について相続があつたときは、相続人はその地位を承継する。この場合において、当該相続人は、遅滞なく、その旨を会社に届け出なければならない。

2 前項のほか、塩の販売を引き継ごうとする者は、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。この場合において、当該承認を受けた者は、販売人とみなす。

3 第二十二条第一号の規定は、前項の承認について準用する。

 (会社の売渡価格)

第二十六条 会社は、大蔵大臣の認可を受けて、会社の塩の売渡しの価格(以下「売渡価格」という。)を定め、公告する。

 (特別価格)

第二十七条 会社は、当分の間、かせいソーダ、ソーダ灰その他の政令で指定する化学製品の製造又は鯨、にしんその他の政令で指定する漁獲物の塩蔵の用に供する者に塩を売り渡す場合においては、前条の規定にかかわらず、売渡価格より低い価格(以下「特別価格」という。)でこれを売り渡すことができる。

2 会社は、特別価格を定めようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

3 第一項の用に供するため特別価格で買い受けた塩について、その用途を変更して当該買受けに係る用以外の用に供しようとするとき、又はこれを他人に譲り渡そうとするときは、大蔵省令で定めるところにより、会社の承認を受けなければならない。

4 特別価格で塩を買い受けた者は、次の各号の一に該当する場合においては、当該各号に定める金額に相当する金額を会社に対して支払わなければならない。

 一 特別価格で買い受けた塩を第一項の用以外の用に供した場合又はこれを同項の用以外の用に供するため他人に譲り渡した場合 当該特別価格と売渡価格との差額に同項の用以外の用に供し、又は同項の用以外の用に供するため他人に譲り渡した数量を乗じて得た金額

 二 第一項の化学製品の製造の用に供するため特別価格で買い受けた塩を同項の漁獲物の塩蔵の用に供した場合又はこれを同項の漁獲物の塩蔵の用に供するため他人に譲り渡した場合 同項の化学製品の製造の用に供する者に売り渡す場合の特別価格と同項の漁獲物の塩蔵の用に供する者に売り渡す場合の特別価格との差額に当該漁獲物の塩蔵の用に供し、又は当該漁獲物の塩蔵の用に供するため他人に譲り渡した数量を乗じて得た金額

 三 特別価格で買い受けた塩について、当該買受けに係る用に充てた数量が売渡数量に対し、正当な理由がないのに、不足した場合 当該特別価格と売渡価格との差額に当該不足した数量を乗じて得た金額

5 特別価格以外の価格で買い受けた塩が、あらかじめ会社の承認を受けて第一項の用に供されたときは、会社は、その用に供した者に対し、大蔵省令で定めるところにより、特別価格と売渡価格との差額に相当する金額を支払うことができる。

6 会社は、第一項の規定により特別価格で塩を買い受けた者に対し、この法律の施行に必要な限度において、その買い受けた塩に関する帳簿の作成又は報告の提出を求めることができる。特別価格で売り渡された塩を第三項の承認を受けた者から第一項の用に供するため譲り受けた者及び特別価格以外の価格で買い受けた塩を前項の承認を受けて第一項の用に供する者についても、同様とする。

 (代金の延納)

第二十八条 会社は、会社から塩を買い受ける者に対し、その代金を一時に支払うことが困難であると認められる場合で、かつ、確実な担保を徴したとき以外は、延納を認めてはならない。

 (販売上限価格)

第二十九条 会社は、大蔵大臣の認可を受けて、塩の元売人及び小売人の区分に応じて、それぞれの販売する塩(第十九条第二項ただし書に規定する塩及び第二十条第一項の規定により販売人に販売される塩を除く。)の上限価格(以下「販売上限価格」という。)を定め、公告する。

 (直接販売)

第三十条 会社は、元売人以外の者に塩を売り渡す場合においては、第二十六条の規定にかかわらず、大蔵省令で定めるところにより、前条に規定する元売人又は小売人の販売上限価格の範囲内でこれを売り渡すことができる。

 (販売人の買受けの制限)

第三十一条 元売人は会社及び他の元売人以外の者から、小売人は会社及び元売人以外の者から販売のために塩(第十九条第二項ただし書に規定する塩を除く。)を譲り受けてはならない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。

 一 元売人又は小売人が、廃業その他の理由により営業を継続することのできなくなつた他の小売人から譲り受けるとき。

 二 競落により取得するとき。

 三 元売人が、製造者からその製造した塩で第二十条第一項の承認のあつたものを買い受けるとき。

 (指示等)

第三十二条 会社は、販売人に対し、営業所及び貯蔵所の設備、引取方法、備えて置くべき塩の種類及び数量、塩の販売及び保存の方法並びに塩を販売する場合における販売先、用途、数量及び時期について、指示することができる。

2 第十四条第一項の規定は、販売人について準用する。

 (差益及び差損)

第三十三条 会社は、売渡価格又は販売上限価格を改定した場合においては、大蔵省令で定めるところにより、現に販売人の所有する塩から生ずる差益又は差損の全部又は一部について、販売人と精算することができる。

2 会社は、売渡価格又は販売上限価格を改定した場合においては、販売人にその所有する塩の品種別数量の報告をさせることができる。

 (住所等の変更)

第三十四条 販売人は、第二十一条第一号、第三号、第四号、第七号又は第八号に掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を会社に届け出なければならない。

2 販売人は、その営業を廃止しようとするときは、その旨を会社に届け出なければならない。

 (指定の取消し及び販売の停止)

第三十五条 会社は、販売人が次の各号の一に該当するときは、販売人の指定を取り消すことができる。

 一 この法律の規定に違反したとき。

 二 第二十二条第一号ハからホまでに掲げる者に該当することとなつたとき。

 三 第三十二条第一項の規定による会社の指示に従わないとき。

 四 正当な理由がないのに、三月を超えて引き続きその営業を休止したとき。

 五 この法律の規定による届出、報告又は帳簿に虚偽の記載があつたとき。

 六 第六十二条第一項の規定による立入検査に応じなかつたとき。

 七 元売人が、正当な理由がないのに、支払期日を過ぎてなお塩の買受代金を完納しないとき。

 八 法人であつて、その代表者のうちに第一号又は第二号に該当する者があるとき。

 九 未成年者又は禁治産者であつて、その法定代理人が第一号又は第二号に該当する者であるとき。

2 会社は、販売人が前項第一号又は第三号の規定に該当する場合においては、指定の取消しに代え、一月以内の期間を定めて、塩の販売の停止を命ずることができる。法人が販売人である場合にはその代表者が、未成年者又は禁治産者が販売人である場合にはその法定代理人が、同項第一号の規定に該当するときも、同様とする。

3 第十五条第二項の規定は、第一項の指定の取消し及び前項の販売の停止について準用する。

 (廃業後の処置)

第三十六条 販売人がその指定を取り消され、又はその営業を廃止した場合において塩を所有するときは、その塩については、その者を引き続き販売人とみなす。

2 前項の規定により販売人とみなされる者については、第三十二条第二項の規定は、適用しない。

 (輸出前の譲渡等)

第三十七条 会社又は製造者から輸出のため塩(第十九条第二項ただし書に規定するものを除く。以下この条において同じ。)を買い受けた者は、会社の承認がなければ、その買い受けた塩を輸出前に譲り渡し、又は自ら消費してはならない。

2 会社は、この法律の施行に必要な限度において、会社又は製造者から輸出のため塩を買い受けた者から、その買い受けた塩に関する報告を提出させることができる。

   第五章 塩専売事業の実施のための日本たばこ産業株式会社法の特例

 (塩専売事業に関する業務)

第三十八条 会社は、日本たばこ産業株式会社法(以下「会社法」という。)第五条第一項に規定する事業のほか、第四条の規定により塩の専売に係る事業(以下「塩専売事業」という。)を行う。

2 前項に規定する塩専売事業に係る業務は、次に掲げるものとする。

 一 塩の製造、再製及び加工を行うこと。

 二 塩を買い入れること。

 三 塩を販売すること。

 四 塩の輸出及び輸入を行うこと。

 五 塩の生産者及び販売者の指導及び助成に関すること。

 六 前各号に掲げるもののほか、この法律に定められた事項を実施すること。

 七 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

3 会社は、大蔵大臣の認可を受けて、前項各号の業務に直接関連し、かつ、業務の運営に必要な事業に投資することができる。

 (業務方法書)

第三十九条 会社は、前条に規定する業務の開始の際、塩専売事業に係る業務方法書を作成し、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、大蔵省令で定める。

 (塩事業責任者等)

第四十条 大蔵大臣は、会社の推薦を受けて、代表取締役のうちから塩専売事業の責任者(以下「塩事業責任者」という。)を、取締役のうちから塩専売事業の担当者(以下「塩事業担当取締役」という。)を指名する。

2 塩事業責任者は、塩専売事業の実施に関し、その業務を総理する。

3 この法律の規定による会社の処分その他塩専売事業に関する重要な業務に係る事項として大蔵省令で定めるものは、塩事業責任者が決定するものとし、取締役会は、これらの事項について、議決することができない。

4 塩事業担当取締役の職務及び権限に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (塩専売事業の監査)

第四十一条 大蔵大臣は、必要があると認めるときは、監査役を指名して、会社の塩専売事業に係る特定の事項を監査させ、当該監査の結果を報告させることができる。

2 監査役は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、大蔵大臣に意見を提出することができる。

 (塩事業責任者等の解任等)

第四十二条 大蔵大臣は、塩事業責任者又は塩事業担当取締役が次の各号の一に該当するときは、第四十条第一項の規定による指名を取り消し、又は会社に対し、これらの代表取締役若しくは取締役の解職若しくは解任を命ずることができる。

 一 心身の故障のため塩専売事業に係る職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 塩専売事業に係る職務上の義務違反があるとき。

 (塩専売事業運営委員会)

第四十三条 会社に、塩専売事業運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、塩専売事業の運営に係る次の事項を議決する。会社の株主総会及び取締役会は、これらの事項について、議決することができない。

 一 事業計画、予算及び資金計画

 二 弁済期限が一年を超える資金の借入れ

 三 重要財産の譲渡及び担保への提供

 四 業務方法書

3 取締役会が商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十一条第一項各号に掲げる書類を承認するには、同項第一号から第三号までに掲げる書類のうち塩専売事業に係るものについて、委員会の承認があることを要する。

4 委員会は、会社の塩専売事業の運営に関し、塩事業責任者に意見を述べることができる。

 (委員会の組織)

第四十四条 委員会は、次の七人の委員で組織する。

 一 塩事業責任者

 二 塩事業担当取締役のうち塩事業責任者が指名する者 一人

 三 塩専売事業に関し、優れた経験と識見を有する者 五人

2 委員会に委員長一人を置き、委員の互選により選任する。

3 委員長は、委員会の会務を総理する。

4 委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合にその職務を代理する者を定めておかなければならない。

 (委員の任命等)

第四十五条 前条第一項第三号に掲げる委員(以下この条及び次条において「任命委員」という。)は、大蔵大臣が任命する。

2 任命委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の任命委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 任命委員は、再任されることができる。

 (委員の解任)

第四十六条 大蔵大臣は、任命委員が次の各号の一に該当するとき、その他委員たるに適しないと認めるときは、その任命委員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

 (政令への委任)

第四十七条 この法律に規定するもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 (秘密保持の義務等)

第四十八条 会社の塩専売事業に係る業務に従事する取締役、監査役若しくは職員若しくは委員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 会社の塩専売事業に係る業務に従事する取締役、監査役若しくは職員又は委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (塩専売事業運営基本金)

第四十九条 会社は、この法律による塩専売事業に関して塩専売事業運営基本金(以下「基本金」という。)を設け、附則第四条第四項の規定により政府から拠出があつたものとされた財産の価額に相当する金額のうち政令で定めるところにより算出された金額をこれに充てるものとする。

2 基本金は、政令で定めるところにより、大蔵大臣の承認を受けた場合を除くほか、取り崩してはならない。

 (塩専売事業勘定)

第五十条 会社は、塩専売事業に係る経理については、その他の経理と区分し、別に塩専売事業勘定を設けて整理しなければならない。

2 塩専売事業勘定とその他の勘定の間においては、大蔵省令で定める場合を除き、資金の相互流用をすることができない。

 (事業計画等)

第五十一条 会社は、毎営業年度の開始前に、その営業年度の塩専売事業に係る事業計画、予算及び資金計画を定め、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 会社法第九条に規定する事業計画には、塩専売事業に係る事業計画を含まないものとする。

 (貸借対照表等)

第五十二条 会社は、会社法第十条に規定する場合において、別に塩専売事業に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を作成し、監査役の意見を添えて大蔵大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

 (塩専売価格安定準備金)

第五十三条 会社は、附則第四条第四項の規定により政府から拠出があつたものとされた財産の価額に相当する金額から第四十九条第一項に規定する基本金に充てられる金額を控除して得た金額を塩専売価格安定準備金(以下「準備金」という。)として整理しなければならない。

2 会社は、毎営業年度、塩専売事業勘定において利益を生じたときは、前営業年度から繰り越した塩専売事業勘定における損失を埋め、なお残余があるときは、大蔵省令で定めるところにより、準備金として積み立てなければならない。

3 前二項の規定により積み立てた準備金は、毎営業年度の塩専売事業勘定において生じた損失を埋めるときのほか、取り崩してはならない。ただし、特別の理由がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

4 会社は、毎営業年度、塩専売事業勘定において損失を生じたときは、準備金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、塩専売事業勘定に係る繰越欠損金として整理しなければならない。

5 会社が、第二項の規定により準備金として積み立てた金額は、その積立てをした営業年度の法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定による所得の金額の計算上、損金の額に算入するものとし、第三項の規定により取り崩した準備金の金額に相当する金額は、その取崩しをした営業年度の法人税法の規定による所得の金額の計算上、益金の額に算入するものとする。

6 前各項に定めるもののほか、準備金に係る経理に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (借入金の認可等)

第五十四条 会社は、塩専売事業に必要な費用に充てるため弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

2 会社の塩専売事業に係る借入金(次条の規定により政府が債務保証をしたものを除く。)の総額は、塩専売事業勘定に係る純資産に相当する額として大蔵省令で定める額を超えてはならない。

3 会社は、塩専売事業に必要な費用に充てるための社債を募集してはならない。

 (債務保証)

第五十五条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の塩専売事業に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第一項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について、保証契約をすることができる。

 (余裕金の運用)

第五十六条 会社は、塩専売事業に係る業務上の余裕金については、次の方法によるほか、運用してはならない。

 一 国債その他大蔵大臣の指定する有価証券の保有

 二 銀行その他大蔵大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金

 三 信託会社又は信託業務を行う銀行への金銭信託

 (財産の処分)

第五十七条 会社が解散した場合又は塩専売事業が廃止された場合における塩専売事業に係る財産については、会社は、別に法律で定めるところにより、国に納付するものとする。

 (大蔵省令への委任)

第五十八条 この法律及びこれに基づく政令に規定するもののほか、会社の塩専売事業に係る財務及び会計に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (監督)

第五十九条 塩専売事業の実施に関する大蔵大臣の会社に対する監督については、会社法第十二条及び第十三条の規定を準用する。この場合において、同法第十二条及び第十三条第一項中「たばこ事業法」とあるのは、「塩専売法」と読み替えるものとする。

 (取消命令等)

第六十条 大蔵大臣は、この法律に基づく指定、承認その他の会社の処分等(以下「会社の処分等」という。)が法令に違反し又は不当であると認めるときは、会社に対し、会社の処分等の取消し、変更その他必要な命令をすることができる。

 (他の法令の準用)

第六十一条 この法律に基づく会社の行為に関しては、請願法(昭和二十二年法律第十三号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、会社を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。

   第六章 雑則

 (立入検査)

第六十二条 会社は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、製造者、会社から塩の再製、加工若しくは輸入の委託を受けた者、販売人、特別価格で塩を買い受けた者若しくはその塩を所有し、若しくは使用する者、第二十七条第五項の規定による支払を受け、若しくは受けようとする者又は輸出のため会社若しくは製造者から塩を買い受けた者の事務所、営業所、貯蔵所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、塩、機械、帳簿又は書類を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により会社が立入検査をさせることができる職員は、大蔵省令で定めるところにより、あらかじめ、大蔵大臣が指定する。

3 会社は、第一項の規定による立入検査を行おうとするときは、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の承認を受けなければならない。

4 第一項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

5 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (不服申立て)

第六十三条 この法律に基づく会社の処分等に不服がある者は、大蔵大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 (政令への委任)

第六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。

   第七章 罰則

第六十五条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一 第五条第一項の規定に違反して、塩を製造した者

 二 第十八条第一項の規定に違反して、塩を輸入した者

 三 第十九条第二項の規定に違反して、塩を販売した者

 四 第三十一条の規定に違反して、塩を譲り受けた販売人

 五 第三十七条第一項の規定に違反して、塩を譲り渡し、又は自ら消費した者

2 前項の犯罪に係る塩は、没収する。ただし、その塩が犯人以外の者の所有に係り、かつ、その者が、次の各号の一に該当する場合は、この限りでない。

 一 前項の犯罪が行われることをあらかじめ知らないでその犯罪が行われた時から引き続きその塩を所有していると認められるとき。

 二 前号に規定する犯罪が行われた後、その情を知らないでその塩を取得したと認められるとき。

3 第一項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。

第六十六条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第五条第二項、第十七条第二項又は第十八条第二項の規定による届出をしないで塩を製造し、再製し、若しくは加工し、又は輸入した者

 二 第八条第一項の規定による承認を受けないで、製造の方法、製造場の規模若しくは位置を変更し、又は製造場を設置し、若しくは廃止した者

 三 第十条第一項の規定に違反して、会社に対して塩の売渡しを拒んだ者

 四 第十条第三項の規定に違反して、その製造した塩を自ら消費した者

 五 第十三条第一項の規定による承認を受けないで、塩の製造を廃止した者

 六 第十七条第一項の規定に違反して、塩を再製し、又は加工した者

 七 第二十七条第三項の規定による承認を受けないで、特別価格で買い受けた塩を当該買受けに係る用以外の用に供し、又は他人に譲り渡した者

 八 第二十九条に規定する販売上限価格を超えて塩を販売した販売人

第六十七条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第十四条第一項(第三十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第二十七条第六項の規定による帳簿を作成せず、若しくは虚偽の記載をした者

 二 第十四条第一項(第三十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二項、第十七条第三項、第二十七条第六項、第三十三条第二項又は第三十七条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 三 第二十四条第一項の規定による承認を受けないで、営業所若しくは貯蔵所の位置を変更し、又は営業所若しくは貯蔵所を設置し、若しくは廃止した者

 四 第四十八条第一項の規定に違反して、秘密を漏らした者

 五 第五十九条において準用する会社法第十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした会社の取締役、監査役、職員又は委員

第六十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十五条第一項、第六十六条又は前条(同条第四号及び第五号を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

第六十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、監査役又は委員は、百万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により大蔵大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第五十九条において準用する会社法第十二条第二項又は第六十条の規定による大蔵大臣の命令に違反したとき。

第七十条 第十一条第一項、第十二条、第十三条第二項、第二十五条第一項又は第三十四条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。ただし、第五章並びに附則第四条、第五条及び第三十四条の規定は、公布の日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、国内塩産業の自立化の目途が得られた段階で、この法律について検討を加え、必要に応じ所要の措置を講ずるものとする。

 (塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法の廃止)

第三条 塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法(昭和四十六年法律第四十七号)は、廃止する。

 (拠出等)

第四条 日本専売公社(以下「公社」という。)は、会社の設立に際し、会社に対し、公社の財産のうち塩専売事業に係るものとしてあらかじめ大蔵大臣の認可を受けたものを拠出するものとする。

2 前項の規定により拠出する財産の価額の決定の方法その他財産の拠出に関し必要な事項は、政令で定める。

3 第一項の場合においては、日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第四十三条の十九の規定は、適用しない。

4 第一項の規定により公社が会社に拠出した財産は、政府から会社に対し拠出されたものとする。

5 第一項の規定により公社が行う財産の拠出に伴い会社が受ける登記又は登録については、登録免許税を課さない。

6 会社の第一項の規定により公社が行う拠出に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税若しくは土地の取得に対して課する特別土地保有税又は自動車取得税を課することができない。

7 会社の取得した第一項の規定により公社が行う拠出に係る土地で会社が引き続き保有する土地のうち、公社が昭和四十四年一月一日(沖縄県の区域内に所在する土地については、昭和四十七年四月一日)前に取得したものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

8 会社の取得した第一項の規定により公社が行う拠出に係る土地で会社が引き続き保有する土地(公社が昭和五十七年四月一日以後に取得したものに限る。)のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、公社が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

9 会社の取得した第一項の規定により公社が行う拠出に係る土地で会社が引き続き保有する土地(公社が昭和四十四年一月一日(沖縄県の区域内に所在する土地については、昭和四十七年四月一日)から昭和五十七年三月三十一日までの間に取得したものに限る。)のうち、地方税法第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化調整区域内に所在し、かつ、公社が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

 (事業計画等に関する経過措置)

第五条 会社の成立の日の属する営業年度の塩専売事業に係る事業計画、予算及び資金計画については、第五十一条第一項中「毎営業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。

 (製造の許可を受けた者に関する経過措置)

第六条 この法律の施行の際現に改正前の塩専売法(以下「旧法」という。)第四条の規定により公社の許可(かん水の製造に係るものを除く。)を受けている者(以下「旧法の製造者」という。)は、次項に規定する者を除き、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に改正後の塩専売法(以下「新法」という。)第五条第一項の規定により会社の指定を受けた者(以下「新法の製造者」という。)とみなす。

2 旧法の製造者で新法第五条第一項ただし書の規定に該当するものは、施行日に同条第二項の規定により会社に届出をした者とみなす。

 (製造の許可の申請に関する経過措置)

第七条 施行日前に旧法第六条第一項の規定により公社に対しされた許可の申請(かん水の製造に係るものを除く。次項において同じ。)は、次項に規定するものを除き、施行日に新法第六条第一項の規定により会社に対しされた指定の申請とみなす。

2 施行日前に新法第五条第一項ただし書の規定に該当する者が、旧法第六条第一項の規定により公社に対してした許可の申請は、施行日に新法第五条第二項の規定により会社に対してした届出とみなす。

 (製造者の指定の基準に関する経過措置)

第八条 施行日前に旧法第七章の規定により処罰(旧法第五十五条において準用する国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)に基づいてされる通告処分を含む。)をされた者又は旧法第十八条第一項各号又は第二項のいずれかに該当して同条第一項の規定により製造の許可を取り消された者は、当該処罰又は取消しのあつた日に新法第七章の規定により処罰をされ、又は新法第十五条第一項の規定により製造者の指定を取り消された者とみなして、新法第七条(新法第十一条第三項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。

 (許可等の申請に関する経過措置)

第九条 施行日前に旧法又は附則第三条の規定による廃止前の塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法(以下「旧臨時措置法」という。)の規定により公社に対しされた許可等の申請で次の表の上欄に掲げるものは、それぞれ施行日にこの法律の規定により会社に対しされた同表の下欄に掲げる承認等の申請とみなす。

旧法第六条第三項及び第十二条第一項の規定による許可の申請(かん水の製造に係るもの及び新法第五条第一項ただし書の規定に該当する者がしたものを除く。)

新法第八条第一項の規定による承認の申請

旧法第八条第二項の規定による許可の申請(かん水の製造の引継ぎに係るもの及び新法第五条第一項ただし書の規定に該当する者がしたものを除く。)

新法第十一条第二項の規定による承認の申請

旧臨時措置法第十条第三項の規定による許可の申請

新法第二十条第二項又は第三項の規定による承認の申請

旧法第二十四条第一項の規定による指定の申請

新法第二十一条の規定による指定の申請

旧法第二十四条第三項の規定による許可の申請

新法第二十四条第一項の規定による承認の申請

旧法第二十七条第二項の規定による許可の申請

新法第二十五条第二項の規定による承認の申請

旧法第四十一条第二項の規定による許可の申請

新法第三十七条第一項の規定による承認の申請

 (買入価格等に関する経過措置)

第十条 この法律の施行の際現に旧法第五条第二項及び第二十八条第一項の規定により公社が定めて公告している収納の価格及び売渡価格は、それぞれこの法律の施行の際に新法第九条第二項及び第二十六条の規定により会社が大蔵大臣の認可を受けて定め、公告した買入れの価格及び売渡価格とみなす。

 (製造者の指定の取消しに関する経過措置)

第十一条 施行日前に旧法第十八条第一項各号又は第二項のいずれかに該当するに至つた旧法の製造者で附則第六条第一項の規定により新法の製造者とみなされるものに対して、この法律の施行の際公社が旧法第十八条第一項の規定による処分を行つていない場合においては、当該新法の製造者とみなされる者を新法第十五条第一項各号のいずれかに該当した者とみなして、同項の規定を適用する。

 (再製の委託等に関する経過措置)

第十二条 この法律の施行の際現に旧法第二十一条第一項又は第二十二条の規定により公社が行つている委託は、それぞれ施行日に新法第十七条第一項又は第十八条第一項の規定により会社が行つた委託とみなす。

2 この法律の施行の際現に旧法第二十一条第二項の規定により公社の許可を受けている者及び同項の規定により許可の申請をしている者は、施行日に新法第十七条第二項の規定により会社に対し届出をした者とみなす。

 (販売人の指定に関する経過措置)

第十三条 この法律の施行の際現に旧法第二十三条第一項の規定により公社の指定を受けている者(以下「旧法の販売人」という。)は、施行日に新法第十九条第一項の規定により会社の指定を受けた者(以下「新法の販売人」という。)とみなす。この場合において、当該新法の販売人とみなされる者に係る新法第二十三条第一項に規定する指定の期間は、旧法第二十六条第一項の規定により定められた指定の期間の満了の日までとする。

 (販売の特例に関する経過措置)

第十四条 この法律の施行の際現に旧臨時措置法第十条第一項の規定により公社が旧法の製造者に対し行つている許可は、施行日に新法第二十条第一項の規定により会社が行つた承認とみなす。

 (販売人の指定の基準に関する経過措置)

第十五条 施行日前に旧法第七章の規定により処罰(旧法第五十五条において準用する国税犯則取締法に基づいてされる通告処分を含む。)をされた者又は旧法第三十九条第一項各号又は第三項のいずれかに該当して同条第一項の規定により販売人の指定を取り消された者は、当該処罰又は取消しのあつた日に新法第七章の規定により処罰をされ、又は新法第三十五条第一項の規定により販売人の指定を取り消された者とみなして、新法第二十二条(新法第二十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。

 (特別価格で売り渡された塩に関する経過措置)

第十六条 施行日前に旧法第二十九条第一項の規定により公社から塩の売渡しを受けた者及び同条第四項の規定による公社の許可を受けて当該売渡しを受けた者から当該塩を譲り受けた者並びに同条第五項の規定により公社の承認を受けた者については、同条及び旧法第四十五条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、旧法第二十九条第二項及び第四項から第六項まで並びに第四十五条第一項中「公社」とあるのは、「会社」とする。

 (延納の許可に関する経過措置)

第十七条 この法律の施行の際現に旧法第三十一条第一項の規定により公社が許可している延納又は施行日前に同項の規定により公社に対しされた延納の許可の申請は、それぞれ施行日に新法第二十八条の規定により会社が認めた延納又は会社に対する延納の申出とみなす。

 (販売上限価格に関する経過措置)

第十八条 この法律の施行の際現に旧法附則第二十三項の規定により公社が販売価格を制限している場合においては、その制限された販売価格は、この法律の施行の際に新法第二十九条の規定により会社が大蔵大臣の認可を受けて定めた販売上限価格とみなす。

 (販売人に対する指示等に関する経過措置)

第十九条 この法律の施行の際現に旧法第三十六条第一項の規定により公社が旧法の販売人に対して行つている指示は、施行日に新法第三十二条第一項の規定により会社が行つた指示とみなす。

 (販売人の指定の取消しに関する経過措置)

第二十条 施行日前に旧法第三十九条第一項各号又は第三項のいずれかに該当するに至つた旧法の販売人で附則第十三条の規定により新法の販売人とみなされる者に対して、この法律の施行の際公社が旧法第三十九条第一項又は第二項の規定による処分を行つていない場合においては、当該新法の販売人とみなされる者を新法第三十五条第一項各号のいずれかに該当した者とみなして、同項の規定を適用する。

 (販売の差止めに関する経過措置)

第二十一条 施行日前に旧法第三十九条第二項の規定により施行日以後の日を終期とする期間を定めて塩の販売を差し止められた販売人は、施行日に新法第三十五条第二項の規定により当該期間の満了の日までの期間を定めて販売の停止を命じられた者とみなす。

 (廃業後の塩の処分に関する経過措置)

第二十二条 施行日前に旧法第四十条の規定により公社が同条に規定する者に対して行つた指示は、施行日に新法第三十二条第一項の規定により会社が行つた販売方法の指示とみなす。

2 旧法第四十条に規定する塩であつて、この法律の施行の際同条の規定による処分がされていないものは、新法第三十六条第一項に規定する販売人とみなされる者が所有する塩とみなす。

 (輸出前の譲渡等の許可に関する経過措置)

第二十三条 この法律の施行の際現に旧法第四十一条第二項の規定により公社が行つている許可は、施行日に新法第三十七条第一項の規定により会社が行つた承認とみなす。

 (提出すべき報告等に関する経過措置)

第二十四条 この法律の施行の際旧法第八条第一項、第十三条第二項(旧法第三十六条第三項において準用する場合を含む。)、第二十七条第一項、第三十七条第二項又は第四十一条第三項の規定による報告若しくは届出をしていない者については、これらの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定中「公社」とあるのは、「会社」とする。

 (公社の売り渡した塩に関する経過措置)

第二十五条 施行日前に公社の売り渡した塩は、附則第十六条の規定により旧法第二十九条がなおその効力を有するものとして適用される場合を除き、新法の規定により会社が売り渡したものとみなす。

 (塩の納付に関する経過措置)

第二十六条 この法律の施行の際現に製造した塩を有する旧法の製造者(旧法第二十条の規定により旧法の製造者とみなされる者を含む。)及び旧法第四十二条第二項の規定により公社に納付を命じられた塩を有する者については、旧法第五条、第十四条、第十五条、第四十二条及び第四十五条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定中「公社」とあるのは、「会社」とする。

 (再鑑定の申立て等に関する経過措置)

第二十七条 施行日前に旧法第十五条第一項の規定により公社が行つた鑑定に不服があるときの再鑑定の申立て及びその取消しの訴えの提起については、なお従前の例により会社に対し行うものとする。

2 施行日前に旧法第十五条第二項の規定により公社に対しされた再鑑定の申立てについては、なお従前の例により会社が再鑑定する。

 (災害補償に関する経過措置)

第二十八条 施行日前に旧法第十六条に規定する災害により塩又はかん水に損害を受けた旧法の製造者に対して、この法律の施行の際公社が同条の規定による補償金を交付していない場合は、なお従前の例により会社が補償金を交付することができる。

 (不服申立てに関する経過措置)

第二十九条 施行日前に旧法若しくは旧臨時措置法の規定により公社が行つた処分(以下この条及び次条において「旧法等の処分」という。)についての行政不服審査法による不服申立て(旧法において不服申立てができないこととされた処分に係るものを除く。次項において同じ。)であつて、この法律の施行の際公社の総裁が裁決又は決定をしていないものは、施行日に大蔵大臣が受け継ぐ。

2 この法律の施行の際旧法等の処分についてすることができる行政不服審査法による不服申立ては、大蔵大臣に対しするものとする。

 (訴訟に関する経過措置)

第三十条 旧法等の処分又は旧法等の処分についての行政不服審査法による不服申立てに対し公社の総裁がした裁決若しくは決定(次項において「旧法等の処分等」という。)に係る行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)による訴訟であつて、この法律の施行の際現に係属しているものは、施行日に会社が受け継ぐ。

2 この法律の施行の際旧法等の処分等について提起することができる行政事件訴訟法による訴訟は、会社を相手方として提起するものとする。

 (罰則に関する経過措置)

第三十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (国税犯則取締法の準用に関する経過措置)

第三十二条 この法律の施行前における旧法の違反事件並びに施行後における附則第十六条、第二十四条及び第二十六条においてなおその効力を有するものとされる旧法の違反事件について、旧法第五十五条第一項の規定は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。

2 前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧法第五十五条第一項の規定により準用される国税犯則取締法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (旧臨時措置法の廃止に伴う経過措置)

第三十三条 旧臨時措置法附則第三項の規定は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。

 (政令への委任)

第三十四条 附則第四条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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