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法律第四十四号(平五・五・一二)

  ◎協同組織金融機関の優先出資に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 優先出資の発行(第三条―第十六条)

 第三章 優先出資者の権利等(第十七条―第二十一条)

 第四章 優先出資の譲渡等(第二十二条―第二十七条)

 第五章 優先出資証券(第二十八条―第三十条)

 第六章 優先出資者総会(第三十一条―第三十五条)

 第七章 雑則(第三十六条―第四十七条)

 第八章 罰則(第四十八条―第五十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、協同組織金融機関について、自己資本の充実に資するため、普通出資を補完するものとして優先出資を発行できる制度を設けるとともに、優先出資者の権利の保護について定めることにより、協同組織金融機関の経営の健全性の確保を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「協同組織金融機関」とは、次に掲げる者をいう。

 一 農林中央金庫

 二 商工組合中央金庫

 三 全国を地区とする中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号(信用協同組合連合会)の事業を行う協同組合連合会

 四 全国を地区とする信用金庫連合会

 五 全国を地区とする労働金庫連合会

2 この法律において「連合会」とは、前項第三号から第五号までに掲げる者をいう。

3 この法律において「根拠法」とは、次に掲げる法律をいう。

 一 農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)

 二 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)

 三 中小企業等協同組合法

 四 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)

 五 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)

 六 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)

4 この法律において「普通出資者」とは、農林中央金庫法第五条第一項(出資者)及び商工組合中央金庫法第七条第一項(出資者)に規定する出資者並びに連合会の会員をいう。

5 この法律において「普通出資」とは、普通出資者が根拠法に基づいて払込みを行った出資をいう。

6 この法律において「普通出資者総会」とは、根拠法に基づいて招集される協同組織金融機関の総会又は総代会をいう。

7 この法律において「理事」とは、農林中央金庫及び商工組合中央金庫の理事長(農林中央金庫法第十条第二項(副理事長)又は商工組合中央金庫法第二十五条第二項若しくは第三項(副理事長及び理事)の規定によりその職務を代理し、又はその職務を行う副理事長又は理事を含む。)並びに連合会の理事をいう。

8 この法律において「法定準備金」とは、根拠法に基づき協同組織金融機関が積み立てた準備金をいう。

   第二章 優先出資の発行

 (優先出資の発行)

第三条 協同組織金融機関は、この法律の定めるところにより、優先出資を発行することができる。

2 優先出資の総口数は、普通出資の総口数の二分の一を超えてはならない。

3 優先出資の額面金額は、均一で、かつ、普通出資の一口の金額と同一でなければならない。

 (定款記載事項)

第四条 協同組織金融機関は、優先出資を発行しようとするときは、その口数及び内容について次に掲げる事項を定款で定めなければならない。

 一 優先出資の総口数の最高限度

 二 優先的配当(普通出資者に対する剰余金の配当に先立って優先出資者に対して行うべき剰余金の配当をいう。以下同じ。)の額の額面金額に対する率

 三 優先出資者が優先的配当のほかに剰余金の配当を受けることができるときは、その旨及び優先出資者が受けることができるこれらの剰余金の配当の額の額面金額に対する率の最高限度

 四 優先出資者に対する剰余金の配当の額が優先的配当の額を下回った場合にその下回った額が翌事業年度の優先的配当の額に加算されないときは、その旨

 五 優先出資者に対する残余財産の分配の内容

2 協同組織金融機関は、内容の異なる数種の優先出資を発行する場合には、その種類ごとに前項各号に掲げる事項を定めなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、第一項第二号の率及び同項第三号の最高限度については、それぞれその上限を定めれば足りるものとする。この場合においては、同項第一号に掲げる事項については、その上限の異なるごとに定めなければならない。

4 第一項第二号の率及び同項第三号の最高限度(前項前段の規定により上限を定めたときは、その上限)については、主務大臣が定める率を超えてはならない。

 (発行事項の決定)

第五条 協同組織金融機関は、優先出資を発行しようとするときは、その都度、発行しようとする優先出資について次に掲げる事項を定めて、主務大臣の認可を受けなければならない。

 一 優先出資の内容及び口数

 二 優先出資の発行価額及び払込期日

 三 優先出資の発行価額のうち資本に組み入れない額

 四 優先出資者以外の者に対して特に有利な発行価額をもって優先出資を発行しようとするときは、その旨並びにその者に対して発行しようとする優先出資の口数及び発行価額

 五 優先出資の募集の方法

2 優先出資の発行価額は、額面金額を下回ってはならない。

3 協同組織金融機関は、優先出資者以外の者に対して特に有利な発行価額をもって優先出資を発行しようとする場合には、第六章に定めるところにより、優先出資者総会を招集し、その者に対して発行することのできる優先出資の内容、口数及び最低発行価額について、その承認を受けなければならない。この場合においては、理事は、優先出資者総会において、優先出資者以外の者に対して特に有利な発行価額をもって優先出資を発行する理由を開示しなければならない。

4 前項の場合における議案の要領は、優先出資者総会の招集通知に記載しなければならない。

5 第三項の優先出資者総会の承認は、その決議がなされた日以後最初に発行する優先出資で、同日から六月以内に払込期日が到来するものについてのみ効力を有する。

 (優先出資引受権)

第六条 協同組織金融機関は、優先出資の発行に際して、優先出資者に優先出資を引き受けることができる権利(以下「優先出資引受権」という。)を与えることができる。

2 協同組織金融機関は、前項の優先出資引受権を与えようとするときは、次に掲げる事項を定めて、主務大臣の認可を受けなければならない。

 一 優先出資引受権の目的たる優先出資の内容、口数及び発行価額

 二 優先出資引受権を譲渡することができるときは、その旨

 三 優先出資者の請求があるときに限り優先出資引受権を表示する証書(以下「優先出資引受権証書」という。)を発行するときは、その旨及びその請求をすることができる期間

3 優先出資引受権を有する優先出資者は、その有する優先出資の口数に応じて、優先出資の割当てを受ける権利を有する。ただし、優先出資一口に満たない端数については、この限りでない。

4 優先出資引受権を譲渡するには、優先出資引受権証書を交付しなければならない。

5 商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十条ノ四第二項(新株引受権の割当期日等)並びに第二百八十条ノ五第一項、第三項及び第四項(新株引受権の通知及び失権)の規定は優先出資引受権について、同法第二百八十条ノ六ノ二(新株引受権証書の発行及び方式)、第二百八十条ノ六ノ三第二項(新株引受権証書の即時取得等)及び第二百八十条ノ六ノ四(新株引受権証書発行の場合の申込み)の規定は優先出資引受権証書についてそれぞれ準用する。この場合において、同法第二百八十条ノ四第二項中「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「第二百二十四条ノ三第一項」とあるのは「協同組織金融機関の優先出資に関する法律(以下優先出資法ト称ス)第二十五条二於テ準用スル第二百二十四条ノ三第一項」と、同法第二百八十条ノ五第一項中「額面無額面ノ別、種類及数」とあるのは「内容及口数」と、「第二百八十条ノ二第一項第六号及第七号」とあるのは「優先出資法第六条第二項第二号及第三号」と、同法第二百八十条ノ六ノ二第一項中「第二百八十条ノ二第一項第六号」とあるのは「優先出資法第六条第二項第二号」と、「同項第七号」とあるのは「同項第三号」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「理事」と、「前条」とあるのは「優先出資法第九条第二項」と、「額面無額面ノ別、種類及数」とあるのは「内容及口数」と、同法第二百八十条ノ六ノ四第一項中「第百七十五条第一項及第三項」とあるのは「優先出資法第九条第一項」と読み替えるものとする。

 (発行条件の均等)

第七条 優先出資の発行価額その他の発行の条件は、発行ごとに、均等に定めなければならない。

2 前項の規定は、優先出資引受権の目的たる優先出資及び第五条第三項の承認のあった優先出資については、適用しない。

 (優先出資発行事項の公示)

第八条 協同組織金融機関は、払込期日の二週間前までに、発行しようとする優先出資の内容、口数、発行価額、払込期日及び募集の方法を公告し、又は普通出資者及び優先出資者に通知しなければならない。

 (優先出資の申込み)

第九条 優先出資の申込みをしようとする者は、優先出資申込証に引き受けようとする優先出資の口数及び引受価額並びに住所を記載し、これに署名し又は記名押印しなければならない。

2 理事は、次に掲げる事項を記載した優先出資申込証を作成しなければならない。

 一 協同組織金融機関の名称

 二 普通出資の一口の金額及び総口数

 三 第四条第一項から第三項までの規定により定款で定めた優先出資の総口数の最高限度

 四 発行済優先出資の種類及び種類ごとの口数

 五 資本の額

 六 発行しようとする優先出資の額面金額、内容及び口数

 七 発行しようとする優先出資の発行価額及び払込期日

 八 前号の発行価額のうち資本に組み入れない額

 九 第十五条の規定により優先出資の消却が行われることがある旨

 十 払込みを取り扱う金融機関

 十一 名義書換代理人又は登録機関を置いた場合は、その名称及び住所並びに営業所

3 理事は、優先出資申込証の交付に際して、前項第十号に掲げる金融機関の払込みの取扱いの場所を記載した書面を交付しなければならない。ただし、優先出資申込証にこれを記載したときは、この限りでない。

4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条ただし書(心 裡留保の無効)の規定は、優先出資の申込みには、適用しない。

 (優先出資の割当て)

第十条 優先出資の申込みをした者は、理事の割り当てた優先出資の口数について優先出資の引受人となる。

2 商法第二百一条(仮設人又は他人名義で株式を引き受けた者の責任)の規定は、優先出資の引受人について準用する。

 (優先出資の払込み)

第十一条 優先出資の引受人は、払込期日に、第九条第三項の書面又は優先出資申込証に記載された払込みの取扱いの場所において、それぞれの優先出資の発行価額の全額の払込みを行わなければならない。

2 優先出資の引受人は、払込みについて相殺をもって協同組織金融機関に対抗することができない。

3 第九条第三項の規定及び第一項の規定は、優先出資引受権証書によって申し込む場合について準用する。

 (優先出資者となる時期)

第十二条 払込みを行った優先出資の引受人は、払込期日の翌日から優先出資者となる。

2 優先出資の引受人が払込期日までに払込みを行わないときは、その権利を失う。

3 前項の規定は、優先出資の引受人に対する損害賠償の請求を妨げない。

 (優先出資の共有)

第十三条 共同して優先出資を引き受けた者は、連帯して払込みを行わなければならない。

2 商法第二百三条第二項及び第三項(株式の共有の場合の権利行使者等)の規定は、優先出資の共有について準用する。

 (優先出資の発行についての商法の準用)

第十四条 商法第百七十八条(払込取扱機関の変更)、第百八十九条(払込取扱機関の証明)、第百九十条(権利株の譲渡)、第二百八十条ノ十(株式発行の差止め)、第二百八十条ノ十一(不公正な価額で株式を引き受けた者の責任)、第二百八十条ノ十二(新株引受けの無効又は取消しの制限)、第二百八十条ノ十三(取締役の引受担保責任)及び第二百八十条ノ十五から第二百八十条ノ十八まで(新株発行無効の訴え)の規定は、優先出資の発行について準用する。この場合において、同法第百七十八条中「前条第一項ノ払込ヲ取扱フ銀行若ハ信託会社」とあるのは「優先出資法第九条第二項第十号ニ掲グル金融機関」と、「裁判所ノ許可」とあるのは「主務大臣ノ認可」と、同法第百八十九条中「銀行又ハ信託会社」とあるのは「金融機関」と、「発起人又ハ取締役」とあるのは「理事」と、同法第二百八十条ノ十中「株主」とあるのは「普通出資者又ハ優先出資者」と、同法第二百八十条ノ十一第一項中「取締役」とあるのは「理事」と、同条第二項中「前項」とあるのは「普通出資者又ハ優先出資者ノ為ス前項」と、同法第二百八十条ノ十三中「取締役」とあるのは「理事」と、同法第二百八十条ノ十五第二項中「株主、取締役」とあるのは「普通出資者、優先出資者、理事」と、同法第二百八十条ノ十七第二項中「株券及端株券」とあるのは「優先出資証券」と、「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と読み替えるものとする。

 (優先出資の消却)

第十五条 協同組織金融機関は、次に掲げる場合には、普通出資者総会の議決を経て、資本の額を変更することなく、優先出資の消却を行うことができる。

 一 第十九条第一項の剰余金の配当の限度額からその事業年度の優先的配当の額を控除して得た額の全部又は一部をもって消却を行う場合

 二 普通出資の増加によって得た資金をもって消却を行う場合

2 協同組織金融機関は、優先出資の消却を行おうとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

3 額面金額を超える額を払戻しの対価として第一項第二号の優先出資の消却を行う場合には、消却後の普通出資の総額と優先出資の額面金額に消却後の発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額は、資本の額を超えてはならない。

4 第一項の議決は、協同組織金融機関の定款の変更の議決の例による。

5 商法第二百十五条第一項及び第二項(株式併合の手続)の規定は、優先出資の消却について準用する。この場合において、同条第一項中「株券及端株券」とあるのは「優先出資証券」と、「旨並ニ前条第二項ノ規定ニ依ル定アルトキハ其ノ内容ヲ」とあるのは「旨ヲ」と、「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と読み替えるものとする。

 (優先出資の分割)

第十六条 協同組織金融機関は、普通出資者総会の議決を経て、優先出資の分割を行うことができる。

2 協同組織金融機関は、優先出資の分割を行おうとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

3 普通出資の総額と優先出資の額面金額に分割後の発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額は、資本の額を超えてはならない。

4 第一項の議決は、協同組織金融機関の定款の変更の議決の例による。

5 商法第二百十九条第一項から第三項まで(株式分割により株券の提出を必要としない場合における分割期日等)の規定は優先出資の分割により優先出資証券の提出を必要としない場合について、同法第二百十五条第一項及び第二項並びに第二百十六条(株式併合の手続)の規定は優先出資の分割により優先出資証券の提出を必要とする場合について、同法第二百十七条第一項本文、第二項及び第三項(一株に満たない端数の処置)の規定は優先出資の分割により一口に満たない端数を生じる場合についてそれぞれ準用する。この場合において、同法第二百十九条第一項中「株券及端株券」とあるのは「優先出資証券」と、「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「第二百二十四条ノ三第一項」とあるのは「優先出資法第二十五条ニ於テ準用スル第二百二十四条ノ三第一項」と、同条第二項中「前条第一項」とあるのは「優先出資法第十六条第一項」と、同条第三項中「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「額面無額面ノ別、種類及数」とあるのは「種類及口数」と、同法第二百十五条第一項中「株券及端株券」とあるのは「優先出資証券」と、「旨並ニ前条第二項ノ規定ニ依ル定アルトキハ其ノ内容ヲ」とあるのは「旨ヲ」と、「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、同法第二百十六条第一項中「旧株券又は旧端株券」とあるのは「旧優先出資証券」と、「新株券又ハ新端株券」とあるのは「新優先出資証券」と、同法第二百十七条第一項本文中「一株」とあるのは「優先出資一口」と、同条第三項中「株券又ハ端株券」とあるのは「優先出資証券」と読み替えるものとする。

   第三章 優先出資者の権利等

 (普通出資者総会における議決権等)

第十七条 優先出資者は、優先出資について、普通出資者総会における議決権その他の根拠法による普通出資者の権利を有しない。

 (優先出資者の責任)

第十八条 優先出資者の責任は、その有する優先出資の引受価額を限度とする。

 (優先出資者に対する剰余金の配当)

第十九条 優先出資者に対する剰余金の配当は、事業年度終了の日における純資産の額(貸借対照表上の資産の額から負債の額を控除して得た額をいう。)から次に掲げる金額を控除して得た額を限度として行うことができる。

 一 資本の額

 二 資本準備金及び法定準備金の合計額

 三 根拠法に基づいて当該事業年度において積み立てなければならない法定準備金の最低額

2 普通出資者に対する剰余金の配当は、根拠法の規定にかかわらず、優先出資者に対する優先的配当を行った後でなければ、行ってはならない。

3 優先出資者に対する剰余金の配当の額が優先的配当の額を下回ったときは、定款に別段の定めがある場合を除き、その下回った額は、翌事業年度の優先的配当の額に加算されるものとする。

4 前項の規定による加算がある場合には、第十五条第一項及びこの条の規定の適用については、その加算して得た額の剰余金の配当を翌事業年度の優先的配当とする。この場合においては、第四条第一項第二号及び第三号の率の計算については、その加算した額は、剰余金の配当に含まれないものとする。

5 協同組織金融機関は、優先出資者に対する剰余金の配当の額を優先的配当の額を下回る額とする剰余金の処分を行おうとするときは、第六章に定めるところにより、優先出資者総会を招集し、その承認を受けなければならない。ただし、優先出資者に対する剰余金の配当の合計額が第一項の剰余金の配当の限度額に等しいときは、この限りでない。

6 前項本文の場合においては、理事は、優先出資者総会において、同項本文の剰余金の処分を行う理由を開示しなければならない。

7 第五項本文の場合における議案の要領は、優先出資者総会の招集通知に記載しなければならない。

8 協同組織金融機関は、連続する二以上の事業年度の確定した決算において第一項の剰余金の配当の限度額が優先的配当の合計額を下回ることとなった場合には、決算確定後遅滞なく、第六章に定めるところにより優先出資者総会を招集し、その業務及び財産の状況を報告しなければならない。

9 前項の報告があった場合において、優先出資者は、発行済優先出資の総口数の十分の一以上を有する優先出資者の同意を得て、協同組織金融機関の業務の運営又は財産の管理が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当である旨を主務大臣に対して申し出ることができる。

10 主務大臣は、前項の申出があった場合において、その申出に理由があると認めるときは、根拠法に基づき必要な措置を採るものとする。

11 協同組織金融機関は、定款で定めるところにより、優先出資者に優先的配当のほかに、剰余金の配当を行うことができる。

12 第五項又は前項の剰余金の配当は、優先出資の種類ごとにその口数に応じてしなければならない。

 (優先出資者に対する残余財産の分配)

第二十条 優先出資者に対する残余財産の分配は、優先出資の額面金額(解散の日の直前の事業年度において、前条第三項の規定により翌事業年度の優先的配当の額に加算されるべき額があるときは、額面金額とその加算されるべき額との合計額)について、普通出資者に対する残余財産の分配に先立って行うものとする。

2 協同組織金融機関は、定款で定めるところにより、優先出資者に前項の規定による残余財産の分配のほかに、優先出資の種類ごとにその口数に応じて、残余財産の分配を行うことができる。

 (優先出費者その他の権利)

第二十一条 優先出資者は、いつでも、優先出資を発行した協同組織金融機関の理事に対し、定款、普通出資者の名簿、貸借対照表その他の事務所に備え置かれた政令で定める書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合においては、理事は、正当な理由がないのに拒んではならない。

2 次の各号に掲げる規定は、連合会の優先出資者の当該各号に定める訴え又は請求について準用する。

 一 商法第百四条第一項及び第三項、第百五条、第百六条並びに第百八条から第百十一条まで(会社の合併無効の訴え)並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ八(債務の負担部分の決定) 合併の無効の訴え

 二 商法第二百五十二条(株主総会の決議の不存在又は無効確認の訴え) 普通出資者総会の決議の不存在又は無効確認の訴え

 三 商法第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役に対する訴え)(同法第二百八十条第一項(監査役への準用)において準用する場合を含む。) 理事及び監事の責任を追求する訴え

 四 商法第二百七十二条(株主の差止請求権) 理事の行為に対する差止請求

 五 商法第三百八十条(株式会社の資本減少の無効の訴え) 資本減少の無効の訴え

   第四章 優先出資の譲渡等

 (優先出資の譲渡)

第二十二条 優先出資は、譲渡することができる。

2 協同組織金融機関は、優先出資の譲渡を制限してはならない。

3 優先出資証券の発行前にした優先出資の譲渡は、協同組織金融機関に対して効力を生じない。

4 優先出資を譲渡するには、優先出資証券を交付しなければならない。

5 優先出資証券を占有している者は、適法に所持している者と推定する。

 (優先出資の移転の対抗要件)

第二十三条 優先出資の譲渡その他の移転は、取得者の名称及び住所を優先出資者名簿に記載しなければ、協同組織金融機関に対抗することができない。

2 協同組織金融機関は、定款をもって名義書換代理人を置く旨を定めることができる。この場合において、名義書換代理人が取得者の名称及び住所を優先出資者名簿の複本に記載したときは、前項の名義書換えがあったものとみなす。

3 協同組織金融機関は、優先出資証券を登録するため、定款をもって登録機関を置く旨を定めることができる。

 (優先出資者名簿の記載事項)

第二十四条 協同組織金融機関は、優先出資者名簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 優先出資者の名称及び住所

 二 優先出資者の有する優先出資の種類及び口数

 三 優先出資者の有する優先出資につき優先出資証券を発行したときは、その優先出資証券の番号

 四 優先出資の取得の年月日

 (優先出資者名簿についての商法の準用)

第二十五条 商法第二百二十四条から第二百二十四条ノ三まで(株主名簿)並びに第二百六十三条第一項及び第二項(株主名簿の公示)の規定は、優先出資者名簿について準用する。この場合において、同法第二百二十四条第三項中「株式申込人、株式引受人、」とあるのは「優先出資ノ申込ヲ為シタル者若ハ引受人」と、同法第二百六十三条第一項中「取締役」とあるのは「理事」と、「定款ヲ本店及支店ニ、株主名簿、端株原簿及社債原簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「株主名簿若ハ社債原簿若ハ其ノ複本又ハ端株原簿」とあるのは「優先出資者名簿若ハ其ノ複本」と、同条第二項中「株主」とあるのは「普通出資者及優先出資者」と読み替えるものとする。

 (優先出資に対する質権の設定)

第二十六条 優先出資を質権の目的とするには、優先出資証券を交付しなければならない。

2 商法第二百七条第二項(株式の質入れの対抗要件)、第二百八条(質権の効力)及び第二百九条(株式の登録質)の規定は、優先出資を質権の目的とする場合について準用する。この場合において、同法第二百八条中「消却、併合、分割、転換又ハ買取」とあるのは「消却又ハ分割」と、同法第二百九条第一項中「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「利益若ハ利息ノ配当」とあるのは「剰余金ノ配当」と、同条第三項中「株券及端株券」とあるのは「優先出資証券」と読み替えるものとする。

 (自己の優先出資の取得等)

第二十七条 協同組識金融機関は、次に掲げる場合を除くほか、自己の優先出資を取得し、又は質権の目的として発行済優先出資の総口数の二十分の一を超える口数の自己の優先出資を受けることはできない。

 一 優先出資の消却のためにするとき。

 二 協同組識金融機関の権利の実行に当たりその目的を達するために必要なときその他政令で定めるやむを得ない事情があるとき。

2 協同組識金融機関は、前項第一号の場合には遅滞なく優先出資の失効の手続を採り、同項第二号の場合には相当の時期に優先出資又は質権の処分をしなければならない。

3 協同組識金融機関が、株式会社の発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を有する場合又は有限会社の資本の百分の五十を超える出資口数を有する場合には、その株式会社又は有限会社(以下「子会社」という。)は、次に掲げる場合を除くほか、当該協同組識金融機関の優先出資を取得することができない。

 一 合併又は他の会社の営業の全部の譲受けによるとき。

 二 子会社の権利の実行に当たりその目的を達するために必要なとき。

4 子会社は、前項各号の場合には、相当の時期に、同項の協同組識金融機関の優先出資を処分しなければならない。株式会社又は有限会社が子会社となったことを知った際に、当該協同組識金融機関の優先出資を有するときも、同様とする。

5 商法第二百十一条ノ二第三項(会社の孫会社の取扱い)の規定は、前二項、第三十二条第三項及び第五十四条第二項の子会社について準用する。この場合において、同法第二百十一条ノ二第三項中「親会社」とあるのは、「協同組識金融機関」と読み替えるものとする。

   第五章 優先出資証券

 (優先出資証券の発行)

第二十八条 協同組織金融機関は、優先出資の払込期日後、遅滞なく、優先出資証券を発行しなければならない。

2 優先出資証券は、優先出資の払込期日後でなければ、発行してはならない。

3 前項の規定に違反して発行した優先出資証券は、無効とする。ただし、優先出資証券を発行した者に対する損害賠償の請求を妨げない。

 (優先出資証券の記載事項)

第二十九条 優先出資証券には、次に掲げる事項並びにその番号、発行の年月日、優先出資の口数及び優先出資者の名称を記載し、理事が署名し又は記名押印しなければならない。

 一 協同組織金融機関の名称

 二 協同組織金融機関成立の年月日

 三 優先出資の額面金額

 四 優先出資の内容

 (優先出資証券についての商法の準用)

第三十条 商法第二百二十六条ノ二(株券の不発行及び寄託)、第二百二十九条(株券の即時取得)及び第二百三十条(除権判決による再発行)の規定は、優先出資証券について準用する。この場合において、同法第二百二十六条ノ二第二項中「株主名簿」とあるのは、「優先出資者名簿」と読み替えるものとする。

   第六章 優先出資者総会

 (優先出資者総会の招集事由)

第三十一条 協同組織金融機関は、第五条第三項並びに第十九条第五項及び第八項に定める場合のほか、次に掲げる行為で全部又は一部の種類の優先出資者に損害を及ぼすものを行おうとする場合には、当該優先出資者による優先出資者総会を招集し、その承認を受けなければならない。ただし、定款の定めるところに従って第二号に掲げる行為を行おうとするときは、この限りでない。

 一 定款に定められた当該優先出資の内容の変更

 二 優先出資引受権の付与、優先出資の分割若しくは優先出資の消却又は連合会の合併による出資の割当てについて、優先出資の種類ごとに異なる取扱いを行うこと。

 三 前号の取扱いについて定款で定めるときは、その取扱いについての定款の変更

 (優先出資者総会における議決権)

第三十二条 優先出資者は、優先出資者総会において、優先出資一口について一個の議決権を有する。

2 協同組織金融機関は、その有する自己の優先出資について、前項の議決権を有しない。

3 協同組織金融機関又はその子会社が、合算して、他の株式会社の発行済株式の総数の四分の一を超える株式を有する場合又は他の有限会社の資本の四分の一を超える出資口数を有する場合には、その株式会社又は有限会社は、当該協同組織金融機関の優先出資について、第一項の議決権を有しない。

 (優先出資者総会の決議方法)

第三十三条 優先出資者総会の決議は、発行済優先出資の総口数の過半数の優先出資を有する者が出席し、その議決権の三分の二以上の多数により行う。

2 前条第二項又は第三項の規定により優先出資者総会における議決権を有しない者の有する優先出資の口数は、前項の発行済優先出資の総口数に算入しない。

 (優先出資者総会の招集)

第三十四条 優先出資者総会は、第三項に定める場合を除くほか、定款で定めるところにより招集しなければならない。

2 優先出資者総会の招集事由があるにもかかわらず、優先出資者総会が招集されないときは、六月前から引き続き当該発行済優先出資の総口数の百分の三以上の優先出資を有する者は、会議の目的たる事項を記載した書面を理事に提出して、優先出資者総会の招集を請求することができる。

3 前項の請求があった後遅滞なく優先出資者総会の招集の手続が行われないときは、その請求をした優先出資者は、主務大臣の認可を受けて、その招集を行うことができる。その請求があった日から六週間内の日を会日とする優先出資者総会の招集の通知が発せられないときも、同様とする。

 (優先出資者総会についての商法の準用)

第三十五条 商法第二百三十二条(招集通知)、第二百三十三条(招集地)、第二百三十七条ノ三(取締役及び監査役の説明義務)、第二百三十七条ノ四(総会の議長)、第二百三十九条第二項から第六項まで(株主の代理人)、第二百三十九条ノ二(議決権の不統一行使)、第二百四十三条(延期又は続行の決議)、第二百四十四条第一項から第三項まで(総会の議事録)、第二百四十七条から第二百五十二条まで(総会の決議の取消し又は不存在若しくは無効確認の訴え)及び第二百六十三条第二項(株主の閲覧等)の規定は、優先出資者総会について準用する。この場合において、同法第二百三十七条ノ三中「取締役」とあるのは「理事」と、同法第二百三十九条第五項中「取締役」とあるのは「理事」と、同法第六項中「株主」とあるのは「普通出資者又ハ優先出資者」と、同法第二百四十四条第二項及び第三項中「取締役」とあるのは「理事」と、同法第二百四十七条第一項中「株主、取締役」とあるのは「普通出資者、優先出資者、理事」と、「株主ガ」とあるのは、「優先出資者ガ」と、同法第二百四十九条第一項中「株主」とあるのは「普通出資者又ハ優先出資者」と、「取締役」とあるのは「理事」と、同法第二百六十三条第二項中「株主」とあるのは「普通出資者、優先出資者」と、「前項二掲グル書類」とあるのは「優先出資者総会ノ議事録」と読み替えるものとする。

   第七章 雑則

 (理事の責任)

第三十六条 理事がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は優先出資に関する定款の規定に違反したときは、その理事は、協同組織金融機関に対して連帯して損害賠償の責に任ずる。

2 商法第二百六十六条第二項及び第三項(取締役の責任)の規定は連合会の前項の理事の責任について、同条第五項の規定は協同組織金融機関の前項の理事の責任についてそれぞれ準用する。この場合において、同項中「総株主」とあるのは、「総普通出資者及総優先出資者」と読み替えるものとする。

 (資本及び資本準備金)

第三十七条 優先出資を発行する協同組織金融機関の資本は、第十五条第一項、次項、第四項ただし書及び第三十九条第二項に規定する場合を除くほか、その普通出資の総額及び優先出資について払い込まれた発行価額の総額の合計額とする。

2 優先出資の発行価額のうち額面金額を超える額は、発行価額の二分の一の範囲内において、資本に組み入れないことができる。

3 優先出資の発行価額のうち資本に組み入れない額は、資本準備金として積み立てなければならない。

4 資本準備金は、損失のてん補に充てる場合を除くほか、使用してはならない。ただし、主務大臣の認可を受けて、その全部又は一部を資本に組み入れる場合は、この限りでない。

5 法定準備金をもって損失のてん補に充ててもなお不足する場合でなければ、資本準備金をもってこれに充てることはできない。

 (協同組織金融機関の資本の額等)

第三十八条 優先出資は、根拠法にいう出資ではない。

2 前項の規定にかかわらず、優先出資を発行している協同組織金融機関の次の各号に掲げる法律の規定の適用については、この法律による資本の額をもって、当該協同組織金融機関の当該各号に定めるものとする。

 一 農林中央金庫法第四条(資本金の最低限度等)、第十七条第一項(債券の発行限度)及び第二十三条第二項(準備金の積立限度) 資本金、払込資本金及び資本金の額

 二 商工組合中央金庫法第三十一条(債券の発行限度) 払込資本金

 三 協同組合による金融事業に関する法律第二条(出資の金額) 出資の総額、出資の額及び出資金

 四 信用金庫法第五条(出資の総額の最低限度)、第五十四条の二第一項(債券の発行限度)及び第五十六条第一項(法定準備金) 出資の総額

 五 労働金庫法第七条(出資の総額の最低限度)及び第六十条第一項(法定準備金) 出資の総額

 (優先出資に係る資本減少)

第三十九条 優先出資を発行している協同組織金融機関(商工組合中央金庫を除く。)が、根拠法の規定に基づき普通出資一口の金額の減少の議決をしたときは、優先出資の額面金額も、同額に減少する。

2 前項の場合には、資本の額は、従前の資本の額から普通出資の総額の減少額と優先出資の額面金額の減少額に発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額を控除して得た額に減少する。

3 優先出資を発行している協同組織金融機関は、前二項に定める場合のほか、資本の減少を行うことはできない。

 (優先出資に関する登記)

第四十条 協同組織金融機関は、優先出資を発行するときは、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を登記しなければならない。これらの事項に変更を生じたときも、同様とする。

 一 第四条第一項から第三項までの規定により定款で定めた優先出資の総口数の最高限度

 二 発行済優先出資の総口数並びに種類及び種類ごとの口数

 三 優先出資発行後の資本の額から普通出資の総額を控除して得た額

 四 名義書換代理人又は登録機関を置いたときは、その名称及び住所並びに営業所

2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

 (商工組合中央金庫の発行する優先出資についての特例)

第四十一条 商工組合中央金庫は、第五条第一項の発行事項(第六条第二項の優先出資引受権に関する事項を含む。)を定めようとする場合には、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が百分の六を超えないように、その発行しようとする優先出資(優先出資引受権の目的たる優先出資を含む。以下この項において同じ。)の内容、口数及び発行価額を定めなければならない。

 一 発行済優先出資及びその発行しようとする優先出資の種類ごとに、優先的配当の額(第十九条第三項の規定により加算されるべき額があるときはその額を控除して得た額とし、優先出資者が優先的配当のほかに剰余金の配当を受けることができるときはこれらの剰余金の配当の額の最高限度とする。次項及び第三項において同じ。)に口数を乗じて得た額の合計額

 二 発行済優先出資について払い込まれた発行価額の総額(優先出資の消却によって払い戻された額があるときは、その額を控除して得た額とする。次項及び第三項において同じ。)とその発行しようとする優先出資の発行価額の総額の合計額

2 商工組合中央金庫は、第十五条第一項の優先出資の消却を行おうとする場合には、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が百分の六を超えないように、消却する優先出資の内容、口数及び払い戻される額を定めなければならない。

 一 消却後の発行済優先出資の種類ごとに、優先的配当の額に口数を乗じて得た額の合計額

 二 発行済優先出資について払い込まれた発行価額の総額から当該消却によって払い戻される額を控除して得た額

3 商工組合中央金庫は、第十六条第一項の優先出資の分割を行おうとする場合には、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が百分の六を超えないように、分割する優先出資の内容及び口数を定めなければならない。

 一 分割後の発行済優先出資の種類ごとに、優先的配当の額に口数を乗じて得た額の合計額

 二 発行済優先出資について払い込まれた発行価額の総額

4 商工組合中央金庫の発行する優先出資については、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第一条(政府出資に対する配当の原則)の規定は、適用しない。

5 商工組合中央金庫が優先出資を発行しようとするときは、優先出資の発行による資本の額の増加について、商工組合中央金庫法第六条第二項(資本金の増加の手続)の規定の例により、普通出資者総会の議決を経、かつ、主務大臣の認可を受けなければならない。

 (届出事項)

第四十二条 協同組織金融機関は、この法律の規定による主務大臣の認可を受けた事項を実行したときは、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

 (認可の条件)

第四十三条 主務大臣は、この法律の規定による認可に条件を付し、及びこれを変更することができる。

 (認可の失効)

第四十四条 協同組織金融機関がこの法律の規定による認可を受けた日から六月以内に当該認可を受けた事項を実行しなかったときは、当該認可は、効力を失う。

 (主務大臣)

第四十五条 この法律における主務大臣は、優先出資を発行する協同組織金融機関の根拠法に基づく主務大臣とする。

 (政令への委任)

第四十六条 この法律に定めるもののほか、優先出資者に対する剰余金の配当の支払の場所、この法律の規定による認可の手続その他この法律を実施するために必要な事項は、政令で定める。

 (経過措置)

第四十七条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第八章 罰則

 (罰則)

第四十八条 協同組織金融機関の役員又は支配人、参事その他事業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人(以下「役員等」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 何人の名義をもってするかを問わず、協同組織金融機関の計算において不正にその優先出資を取得し、又は質権の目的としてその優先出資を受けたとき。

 二 第十九条の規定又は第四条の規定に基づいて定められた定款の規定に違反して剰余金の配当を行ったとき。

 三 優先出資を発行している協同組織金融機関の事業の範囲外において、投機取引のために当該協同組織金融機関の財産を処分したとき。

第四十九条 役員等又は優先出資の募集の委託を受けた者が、優先出資の募集に当たり、重要な事項について不実の記載のある優先出資申込証、目論見書、優先出資の募集の広告その他優先出資の募集に関する文書を行使したときは、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 優先出資の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって、重要な事項について不実の記載のあるものを行使したときも、前項と同様とする。

第五十条 役員等が、優先出資の払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。預合いに応じた者も、同様とする。

第五十一条 理事が、第三条第二項の限度又は第四条第一項第一号の定款に定められた最高限度を超えて優先出資を発行したときは、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

第五十二条 優先出資の払込みの責任を免れる目的をもって他人又は仮設人の名義を用いて優先出資を引き受けた者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第五十三条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第四十九条、第五十条及び前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。

2 前項の規定により法人でない団体を処罰する場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第五十四条 協同組織金融機関の役員、支配人、参事、名義書換代理人又は清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

 一 この法律(この法律において準用する商法を含む。次号において同じ。)に定める公告若しくは通知を怠り、又は不正の公告若しくは通知を行ったとき。

 二 この法律の規定に違反して正当な理由がないのに書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。

 三 第五条第一項、第六条第二項、第十五条第二項、第十六条第二項、第三十七条第四項ただし書若しくは第四十一条第五項の規定又は第十四条において準用する商法第百七十八条の規定により、主務大臣の認可を受けるべき場合に、その認可を受けなかったとき。

 四 第九条第二項の規定又は第六条第五項において準用する商法第二百八十条ノ六ノ二の規定に違反して優先出資申込証若しくは優先出資引受権証書を作成せず、又はこれらに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記戴を行ったとき。

 五 第九条第三項(第十一条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して書面を交付せず、これに記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載を行ったとき。

 六 第二十条の規定に違反して協同組織金融機関の残余財産を分配したとき。

 七 正当な事由がないのに優先出資証券の名義書換えをしないとき。

 八 優先出資者名簿又は優先出資者総会の議事録に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載を行ったとき。

 九 第二十五条において準用する商法第二百六十三条第一項又は第三十五条において準用する同法第二百三十九条第五項若しくは第二百四十四条第三項の規定に違反して書類を備え置かなかったとき。

 十 第二十七条第二項の規定に違反して優先出資失効の手続又は優先出資若しくは質権の処分を怠ったとき。

 十一 優先出資証券に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載を行ったとき。

 十二 第二十八条第二項の規定に違反して優先出資証券を発行したとき。

 十三 第三十条において準用する商法第二百二十六条ノ二第二項の規定に違反して優先出資者名簿に記載を行わず、かつ、優先出資証券を寄託しないとき。

 十四 第五条第三項、第十九条第五項若しくは第八項若しくは第三十一条の規定に違反して優先出資者総会を招集せず、又は定款に定めた地以外の地において、若しくは第三十五条において準用する商法第二百三十三条の規定に違反して優先出資者総会を招集したとき。

 十五 優先出資者総会に対し不実の申述をし、又は事実を隠ぺいしたとき。

 十六 正当な事由がないのに優先出資者総会において優先出資者の求めた事項について説明を行わなかったとき。

 十七 第三十七条第三項から第五項までの規定に違反して資本準備金を積み立てず、又はこれを使用したとき。

 十八 第四十条の登記を怠ったとき。

2 理事が優先出資の引受けによる権利を譲渡したとき、又は子会社の取締役が第二十七条第三項若しくは第四項の規定に違反して優先出資を取得し、若しくは優先出資の処分を怠ったときも、前項と同様とする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (商工組合中央金庫法の一部改正)

第二条 商工組合中央金庫法の一部を次のように改正する。

  第四十九条第一項中「(旧銀行等の債券発行等に関する法律(昭和二十五年法律第四十号)第十七条第一項ノ規定ニ依リ国ガ引受ケタル優先出資額ヲ除ク以下同ジ)」を削る。

 (証券取引法の一部改正)

第三条 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第五号中「出資証券」の下に「(次号に掲げるものを除く。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。

  五の二 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号。以下「優先出資法」という。)に規定する優先出資証券(以下「優先出資証券」という。)又は優先出資引受権を表示する証書

  第四条第三項中「株主名簿に記載されている株主」を「株主名簿(優先出資法に規定する優先出資者名簿を含む。)に記載されている株主(優先出資法に規定する優先出資者を含む。)」に改め、同条第六項中「準用する」を「準用し、及びこれらの規定を第二十七条において準用する」に改める。

  第百六十三条第一項中「又は第六号」を「、第五号の二又は第六号」に改め、「である会社」を削り、「当該上場会社等の第二条第一項第四号」を「当該上場会社等の同項第四号、第五号の二」に改める。

  第百六十四条第二項中「株主が」を「株主(出資者を含む。以下この項において同じ。)が」に改める。

  第百六十六条第一項第二号中「有する株主」の下に「又は優先出資法に規定する普通出資者のうちこれに類する権利を有するものとして大蔵省令で定める者」を、「当該株主」の下に「又は普通出資者」を加え、同条第二項第一号イ中「株式」の下に「(優先出資法に規定する優先出資を含む。ハにおいて同じ。)」を加え、同号ニ中「利益」を「利益若しくは剰余金」に、「一株当たり」を「一株若しくは一口当たり」に改め、同号へ中「営業」の下に「又は事業」を加え、同条第五項第一号中「新株引受権」の下に「(優先出資法に規定する優先出資引受権を含む。以下この号において同じ。)」を加え、「当該新株の引受権」を「当該新株引受権」に、「株券」を「株券(優先出資証券を含む。)」に改める。

  第百九十三条の二第二項中「若しくは監査法人」を「又は監査法人」に、「前項の規定」を「同項の規定」に、「若しくは第三十四条の十一第一項」を「又は第三十四条の十一第一項」に、「営業」を「営業、事業」に、「且つ」を「かつ」に改める。

 (証券取引法の一部改正に伴う経過措置)

第四条 前条の規定による改正後の証券取引法第百六十六条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に生じた同条第一項に規定する重要事実(同条第二項第一号に規定する上場会社等の業務執行を決定する機関がした同号に掲げる事項を行わない旨の決定にあっては当該事項を行うことについての当該機関の決定が施行日以後に行われた場合に係るものに限るものとし、同項第三号に掲げる事実にあっては施行日以後に同条第四項の公表がされた同条第二項第三号に規定する直近の予想値又は前事業年度の実績値に比較して生じたものに限る。)を知った者又はこれらの事実の伝達を受けた者の同条の売買等について適用し、施行日前に生じた前条の規定による改正前の証券取引法第百六十六条第一項の規定する重要事実(同条第二項第一号に規定する上場会社等の業務執行を決定する機関がした同号に掲げる事項を行わない旨の決定にあっては当該事項を行うことについての当該機関の決定が施行日前に行われ、かつ、当該事項を行わない旨の決定が施行日以後に行われた場合に係るものを含むものとし、同項第三号に掲げる事実にあっては施行日前に同条第四項の公表がされた同条第二項第三号に規定する直近の予想値又は前事業年度の実績値に比較して施行日以後に生じたものを含む。)を知った者又はこれらの事実の伝達を受けた者の同条の売買等については、なお従前の例による。

 (証券投資信託法の一部改正)

第五条 証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)の一部を次のように改正する。

  第十七条の二第一項中「大蔵省令で定めるもの」の下に「(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号。次項において「優先出資法」という。)に基づく優先出資者の権利でこれらに類するものとして大蔵省令で定めるものを含む。)」を加え、「行なう」を「行う」に改め、同条第二項中「株式」の下に「(優先出資法に規定する優先出資を含む。)」を、「第二百三十九条第四項」の下に「(優先出資法第三十五条において準用する場合を含む。)」を加える。

 (有価証券取引税法の一部改正)

第六条 有価証券取引税法(昭和二十八年法律第百二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第四号中「出資証券」の下に「(次号に掲げるものを除く。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。

  四の二 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)に規定する優先出資証券(第三項において「優先出資証券」という。)

  第二条第三項中「株券の」を「この法律の適用については、株券の」に、「、この法律の適用については、株券」を「株券と、優先出資証券の発行がない優先出資、優先出資の引受けによる権利及び優先出資を引き受けることができる権利は優先出資証券」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第七条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条の十第三項第二号中「その他法人の出資者の持分」の下に「(第五号に掲げるものを除く。)」を加え、同項に次の一号を加える。

  五 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)に規定する優先出資(優先出資の引受けによる権利及び優先出資を引き受けることができる権利を含む。)

  第三十七条の十第四項第一号中「株式」の下に「若しくは優先出資」を加える。

 (所得税法の一部改正)

第八条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項中「含む」の下に「。以下この項及び次項において同じ」を加え、「こえる」を「超える」に改め、同条第二項中「掲げる金額」を「定める金額」に改め、「出資を含むものとし、」を削り、同項第一号中「利益」の下に「又は剰余金」を加え、「こえる」を「超える」に改める。

  第二百二十四条の三第二項第二号中「その他法人の出資者の持分」の下に「(第四号に掲げるものを除く。)」を加え、同項に次の一号を加える。

  四 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)に規定する優先出資(優先出資の引受けによる権利及び優先出資を引き受けることができる権利を含む。)

 (法人税法の一部改正)

第九条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第一項中「含む」の下に「。以下この項及び次項において同じ」を加え、「こえる」を「超える」に改め、同条第二項中「掲げる金額」を「定める金額」に改め、「出資を含むものとし、」を削り、同項第一号中「利益」の下に「又は剰余金」を加え、「こえる」を「超える」に改める。

 (印紙税法の一部改正)

第十条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第四号の非課税物件欄1中「出資証券」の下に「(協同組識金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)に規定する優先出資証券を除く。)」を加える。

(大蔵・農林水産・通商産業・労働・内閣総理大臣署名) 

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