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法律第百八号(平一五・七・一六)

  ◎民事訴訟法等の一部を改正する法律

 (民事訴訟法の一部改正)

第一条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  目次中

第二節 期日及び期間(第九十三条―第九十七条)

 
 

第三節 送達(第九十八条―第百十三条)

 
 

第四節 裁判(第百十四条―第百二十三条)

 
 

第五節 訴訟手続の中断及び中止(第百二十四条―第百三十二条)

 を

 第二節 専門委員(第九十二条の二―第九十二条の七)

 
 

 第三節 期日及び期間(第九十三条―第九十七条)

 
 

 第四節 送達(第九十八条―第百十三条)

 
 

 第五節 裁判(第百十四条―第百二十三条)

 
 

 第六節 訴訟手続の中断及び中止(第百二十四条―第百三十二条)

 
 

第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等(第百三十二条の二―第百三十二条の九)

 に、「第二章 口頭弁論及びその準備」を

第二章 計画審理(第百四十七条の二・第百四十七条の三)

 
 

第三章 口頭弁論及びその準備

 に、「第三章 証拠」を「第四章 証拠」に、「第四章 判決」を「第五章 判決」に、「第五章 裁判によらない訴訟の完結」を「第六章 裁判によらない訴訟の完結」に、「第六章 大規模訴訟に関する特則(第二百六十八条・第二百六十九条)」を「第七章 大規模訴訟等に関する特則(第二百六十八条―第二百六十九条の二)」に、「第七章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則」を「第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則」に、「第三百十条」を「第三百十条の二」に改める。

  第六条の見出し中「訴え」を「訴え等」に改め、同条中「に関する訴え」の下に「(以下「特許権等に関する訴え」という。)」を加え、「より」を「よれば」に、「有する場合には」を「有すべき場合には、その訴えは」に、「にも、その訴えを提起することができる」を「の管轄に専属する」に改め、同条第一号中「(東京地方裁判所を除く。)」を削り、同条第二号中「(大阪地方裁判所を除く。)」を削り、同条に次の二項を加える。

 2 特許権等に関する訴えについて、前二条の規定により前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。

 3 第一項第二号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。

  第六条の次に次の一条を加える。

  (意匠権等に関する訴えの管轄)

 第六条の二 意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第四条又は第五条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。

  一 前条第一項第一号に掲げる裁判所(東京 東京地方裁判所

   地方裁判所を除く。)

  二 前条第一項第二号に掲げる裁判所(大阪 大阪地方裁判所

   地方裁判所を除く。)

  第七条中「前三条」を「第四条から前条まで(第六条第三項を除く。)」に改める。

  第十三条の見出し中「適用除外」を「適用除外等」に改め、同条中「から第七条まで」を「、第六条第二項、第六条の二、第七条」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 特許権等に関する訴えについて、第七条又は前二条の規定によれば第六条第一項各号に定める裁判所が管轄権を有すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第七条又は前二条の規定により、その裁判所は、管轄権を有する。

  第二十条に次の一項を加える。

 2 特許権等に関する訴えに係る訴訟について、第十七条又は前条第一項の規定によれば第六条第一項各号に定める裁判所に移送すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第十七条又は前条第一項の規定を適用する。

  第二十条の次に次の一条を加える。

  (特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)

 第二十条の二 第六条第一項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を第四条、第五条若しくは第十一条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は第十九条第一項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。

 2 東京高等裁判所は、第六条第三項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。

  第九十二条第一項第二号中「(平成五年法律第四十七号)」を削り、「をいう。」の下に「第百三十二条の二第一項第三号及び第二項において同じ。」を加える。

  第一編第五章中第五節を第六節とし、第二節から第四節までを一節ずつ繰り下げ、第一節の次に次の一節を加える。

     第二節 専門委員

  (専門委員の関与)

 第九十二条の二 裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。

 2 裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。

 3 裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。

  (音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)

 第九十二条の三 裁判所は、前条各項の規定により専門委員を手続に関与させる場合において、専門委員が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、同条各項の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が専門委員との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、専門委員に同条各項の説明又は発問をさせることができる。

  (専門委員の関与の決定の取消し)

 第九十二条の四 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、専門委員を手続に関与させる決定を取り消すことができる。ただし、当事者双方の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。

  (専門委員の指定及び任免等)

 第九十二条の五 専門委員の員数は、各事件について一人以上とする。

 2 第九十二条の二の規定により手続に関与させる専門委員は、当事者の意見を聴いて、裁判所が各事件について指定する。

 3 専門委員は、非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

 4 専門委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

  (専門委員の除斥及び忌避)

 第九十二条の六 第二十三条から第二十五条まで(同条第二項を除く。)の規定は、専門委員について準用する。

 2 専門委員について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その専門委員は、その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件の手続に関与することができない。

  (受命裁判官等の権限)

 第九十二条の七 受命裁判官又は受託裁判官が第九十二条の二各項の手続を行う場合には、同条から第九十二条の四まで及び第九十二条の五第二項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第九十二条の二第二項の手続を行う場合には、専門委員を手続に関与させる決定、その決定の取消し及び専門委員の指定は、受訴裁判所がする。

  第一編に次の一章を加える。

    第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等

  (訴えの提起前における照会)

 第百三十二条の二 訴えを提起しようとする者が訴えの被告となるべき者に対し訴えの提起を予告する通知を書面でした場合(以下この章において当該通知を「予告通知」という。)には、その予告通知をした者(以下この章において「予告通知者」という。)は、その予告通知を受けた者に対し、その予告通知をした日から四月以内に限り、訴えの提起前に、訴えを提起した場合の主張又は立証を準備するために必要であることが明らかな事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会をすることができる。ただし、その照会が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

  一 第百六十三条各号のいずれかに該当する照会

  二 相手方又は第三者の私生活についての秘密に関する事項についての照会であって、これに回答することにより、その相手方又は第三者が社会生活を営むのに支障を生ずるおそれがあるもの

  三 相手方又は第三者の営業秘密に関する事項についての照会

 2 前項第二号に規定する第三者の私生活についての秘密又は同項第三号に規定する第三者の営業秘密に関する事項についての照会については、相手方がこれに回答することをその第三者が承諾した場合には、これらの規定は、適用しない。

 3 予告通知の書面には、提起しようとする訴えに係る請求の要旨及び紛争の要点を記載しなければならない。

 4 第一項の照会は、既にした予告通知と重複する予告通知に基づいては、することができない。

 第百三十二条の三 予告通知を受けた者(以下この章において「被予告通知者」という。)は、予告通知者に対し、その予告通知の書面に記載された前条第三項の請求の要旨及び紛争の要点に対する答弁の要旨を記載した書面でその予告通知に対する返答をしたときは、予告通知者に対し、その予告通知がされた日から四月以内に限り、訴えの提起前に、訴えを提起された場合の主張又は立証を準備するために必要であることが明らかな事項について、相当の期間を定めて、書面で回答するよう、書面で照会をすることができる。この場合においては、同条第一項ただし書及び同条第二項の規定を準用する。

 2 前項の照会は、既にされた予告通知と重複する予告通知に対する返答に基づいては、することができない。

  (訴えの提起前における証拠収集の処分)

 第百三十二条の四 裁判所は、予告通知者又は前条第一項の返答をした被予告通知者の申立てにより、当該予告通知に係る訴えが提起された場合の立証に必要であることが明らかな証拠となるべきものについて、申立人がこれを自ら収集することが困難であると認められるときは、その予告通知又は返答の相手方(以下この章において単に「相手方」という。)の意見を聴いて、訴えの提起前に、その収集に係る次に掲げる処分をすることができる。ただし、その収集に要すべき時間又は嘱託を受けるべき者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、相当でないと認めるときは、この限りでない。

  一 文書(第二百三十一条に規定する物件を含む。以下この章において同じ。)の所持者にその文書の送付を嘱託すること。

  二 必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体(次条第一項第二号において「官公署等」という。)に嘱託すること。

  三 専門的な知識経験を有する者にその専門的な知識経験に基づく意見の陳述を嘱託すること。

  四 執行官に対し、物の形状、占有関係その他の現況について調査を命ずること。

 2 前項の処分の申立ては、予告通知がされた日から四月の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間の経過後にその申立てをすることについて相手方の同意があるときは、この限りでない。

 3 第一項の処分の申立ては、既にした予告通知と重複する予告通知又はこれに対する返答に基づいては、することができない。

 4 裁判所は、第一項の処分をした後において、同項ただし書に規定する事情により相当でないと認められるに至ったときは、その処分を取り消すことができる。

  (証拠収集の処分の管轄裁判所等)

 第百三十二条の五 次の各号に掲げる処分の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する地方裁判所にしなければならない。

  一 前条第一項第一号の処分の申立て 申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は文書を所持する者の居所

  二 前条第一項第二号の処分の申立て 申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は調査の嘱託を受けるべき官公署等の所在地

  三 前条第一項第三号の処分の申立て 申立人若しくは相手方の普通裁判籍の所在地又は特定の物につき意見の陳述の嘱託がされるべき場合における当該特定の物の所在地

  四 前条第一項第四号の処分の申立て 調査に係る物の所在地

 2 第十六条第一項、第二十一条及び第二十二条の規定は、前条第一項の処分の申立てに係る事件について準用する。

  (証拠収集の処分の手続等)

 第百三十二条の六 裁判所は、第百三十二条の四第一項第一号から第三号までの処分をする場合には、嘱託を受けた者が文書の送付、調査結果の報告又は意見の陳述をすべき期間を定めなければならない。

 2 第百三十二条の四第一項第二号の嘱託若しくは同項第四号の命令に係る調査結果の報告又は同項第三号の嘱託に係る意見の陳述は、書面でしなければならない。

 3 裁判所は、第百三十二条の四第一項の処分に基づいて文書の送付、調査結果の報告又は意見の陳述がされたときは、申立人及び相手方にその旨を通知しなければならない。

 4 裁判所は、次条の定める手続による申立人及び相手方の利用に供するため、前項に規定する通知を発した日から一月間、送付に係る文書又は調査結果の報告若しくは意見の陳述に係る書面を保管しなければならない。

 5 第百八十条第一項の規定は第百三十二条の四第一項の処分について、第百八十四条第一項の規定は第百三十二条の四第一項第一号から第三号までの処分について、第二百十三条の規定は同号の処分について準用する。

  (事件の記録の閲覧等)

 第百三十二条の七 申立人及び相手方は、裁判所書記官に対し、第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

 2 第九十一条第四項及び第五項の規定は、前項の記録について準用する。この場合において、同条第四項中「前項」とあるのは「第百三十二条の七第一項」と、「当事者又は利害関係を疎明した第三者」とあるのは「申立人又は相手方」と読み替えるものとする。

  (不服申立ての不許)

 第百三十二条の八 第百三十二条の四第一項の処分の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

  (証拠収集の処分に係る裁判に関する費用の負担)

 第百三十二条の九 第百三十二条の四第一項の処分の申立てについての裁判に関する費用は、申立人の負担とする。

  第百四十五条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 前項の訴訟が係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、前項の確認の請求が同条第一項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。

  第百四十六条第一項ただし書を次のように改める。

   ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

  一 反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。

  二 反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。

  第百四十六条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 本訴の係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第一号の規定は、適用しない。

  第百四十七条中「第百四十五条第二項」を「第百四十五条第三項」に改める。

  第二百七十五条の次に次の一条を加える。

  (和解に代わる決定)

 第二百七十五条の二 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第三項の期間の経過時から五年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。

 2 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

 3 第一項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申し立てることができる。

 4 前項の期間内に異議の申立てがあったときは、第一項の決定は、その効力を失う。

 5 第三項の期間内に異議の申立てがないときは、第一項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

  第二編中第七章を第八章とする。

  第二編第六章の章名中「大規模訴訟」を「大規模訴訟等」に改める。

  第二百六十八条の見出し中「受命裁判官」を「大規模訴訟に係る事件における受命裁判官」に改める。

  第二百六十九条の見出し中「合議体」を「大規模訴訟に係る事件における合議体」に改める。

  第二編第六章中第二百六十九条の次に次の一条を加える。

  (特許権等に関する訴えに係る事件における合議体の構成)

 第二百六十九条の二 第六条第一項各号に定める裁判所においては、特許権等に関する訴えに係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る事件については、この限りでない。

 2 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

  第二編中第六章を第七章とし、第五章を第六章とし、第四章を第五章とする。

  第二百十五条の見出し中「方式」を「方式等」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 裁判所は、鑑定人に意見を述べさせた場合において、当該意見の内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、鑑定人に更に意見を述べさせることができる。

  第二百十五条の次に次の三条を加える。

  (鑑定人質問)

 第二百十五条の二 裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合には、鑑定人が意見の陳述をした後に、鑑定人に対し質問をすることができる。

 2 前項の質問は、裁判長、その鑑定の申出をした当事者、他の当事者の順序でする。

 3 裁判長は、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、前項の順序を変更することができる。

 4 当事者が前項の規定による変更について異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。

  (映像等の送受信による通話の方法による陳述)

 第二百十五条の三 裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、鑑定人が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、隔地者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、意見を述べさせることができる。

  (受命裁判官等の権限)

 第二百十五条の四 受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第二百十五条の二第四項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。

  第二百十六条を次のように改める。

  (証人尋問の規定の準用)

 第二百十六条 第百九十一条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第百九十七条から第百九十九条までの規定は鑑定人が鑑定を拒む場合について、第二百一条第一項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、第百九十二条及び第百九十三条の規定は鑑定人が正当な理由なく出頭しない場合、鑑定人が宣誓を拒む場合及び鑑定拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に鑑定人が正当な理由なく鑑定を拒む場合について準用する。

  第二編中第三章を第四章とする。

  第百五十六条の次に次の一条を加える。

  (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間)

 第百五十六条の二 第百四十七条の三第一項の審理の計画に従った訴訟手続の進行上必要があると認めるときは、裁判長は、当事者の意見を聴いて、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間を定めることができる。

  第百五十七条の見出しを「(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)」に改め、同条の次に次の一条を加える。

  (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)

 第百五十七条の二 第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間が定められている場合において、当事者がその期間の経過後に提出した攻撃又は防御の方法については、これにより審理の計画に従った訴訟手続の進行に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。ただし、その当事者がその期間内に当該攻撃又は防御の方法を提出することができなかったことについて相当の理由があることを疎明したときは、この限りでない。

  第百七十条中第五項を削り、第六項を第五項とする。

  第百七十一条第二項中「(前条第二項を除く。)」を削り、「職務」の下に「(前条第二項に規定する裁判を除く。)」を加え、同項ただし書中「同条第六項」を「同条第五項」に改め、「異議についての裁判」の下に「及び同項において準用する第百五十七条の二の規定による却下についての裁判」を加え、同条第三項中「鑑定の嘱託」の下に「、文書(第二百三十一条に規定する物件を含む。)を提出してする書証の申出」を加える。

  第二編中第二章を第三章とし、第一章の次に次の一章を加える。

    第二章 計画審理

  (訴訟手続の計画的進行)

 第百四十七条の二 裁判所及び当事者は、適正かつ迅速な審理の実現のため、訴訟手続の計画的な進行を図らなければならない。

  (審理の計画)

 第百四十七条の三 裁判所は、審理すべき事項が多数であり又は錯そうしているなど事件が複雑であることその他の事情によりその適正かつ迅速な審理を行うため必要があると認められるときは、当事者双方と協議をし、その結果を踏まえて審理の計画を定めなければならない。

 2 前項の審理の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 争点及び証拠の整理を行う期間

  二 証人及び当事者本人の尋問を行う期間

  三 口頭弁論の終結及び判決の言渡しの予定時期

 3 第一項の審理の計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間その他の訴訟手続の計画的な進行上必要な事項を定めることができる。

 4 裁判所は、審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方と協議をし、その結果を踏まえて第一項の審理の計画を変更することができる。

  第二百九十七条中「第六章」を「第七章」に改める。

  第二百九十九条に次の一項を加える。

 2 前項の第一審裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。

  第三編第一章中第三百十条の次に次の一条を加える。

  (特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)

 第三百十条の二 第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。

  第三百十二条第二項第三号中「したこと」の下に「(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)」を加える。

  第三百六十八条第一項中「三十万円」を「六十万円」に改める。

 (特許法の一部改正)

第二条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  第百五十一条中「同法第二百四条」の下に「及び第二百十五条の三」を加える。

  第百八十二条の次に次の一条を加える。

  (合議体の構成)

 第百八十二条の二 第百七十八条第一項の訴えに係る事件については、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。

 (実用新案法の一部改正)

第三条 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第四十七条第二項中「並びに第百八十二条(裁判の正本の送付)」を「、第百八十二条(裁判の正本の送付)並びに第百八十二条の二(合議体の構成)」に改める。

 (民事保全法の一部改正)

第四条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  第十二条中第五項を第六項とし、第二項から第四項までを一項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の一項を加える。

 2 本案の訴えが民事訴訟法第六条第一項に規定する特許権等に関する訴えである場合には、保全命令事件は、前項の規定にかかわらず、本案の管轄裁判所が管轄する。ただし、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が同条第一項各号に定める裁判所であるときは、その裁判所もこれを管轄する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条の規定は、特許法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第四十七号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 この法律による改正後の民事訴訟法の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の民事訴訟法の規定により生じた効力を妨げない。

 (特許権等に関する訴え及び意匠権等に関する訴えに係る訴訟の管轄等に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現に係属している特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(第四項において「特許権等に関する訴え」という。)及び意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えに係る訴訟の管轄及び移送については、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に係属している事件については、第一条の規定による改正後の民事訴訟法第二百六十九条の二及び第三百十条の二並びに第二条の規定による改正後の特許法第百八十二条の二(第三条の規定による改正後の実用新案法第四十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

3 特許法等の一部を改正する法律附則第二条第九項の規定によりなお従前の例によることとされる同法第一条の規定による改正前の特許法第百七十八条第一項の訴えであって特許異議の申立てについての取消決定又は特許異議申立書の却下の決定に対するものに係る事件については、前項に定める場合を除き、第二条の規定による改正後の特許法第百八十二条の二の規定を適用する。

4 この法律の施行前にした申立てに係る保全命令事件であって本案の訴えが特許権等に関する訴えであるものの管轄については、なお従前の例による。

 (少額訴訟に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前に少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述があった事件については、第一条の規定による改正後の民事訴訟法第三百六十八条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (実用新案法に関する経過措置)

第五条 この法律の施行の日が特許法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における実用新案法第四十七条第二項の規定の適用については、同項中「第百八十二条」とあるのは「第百八十二条の二」と、「及び裁判の正本の送付」とあるのは「、裁判の正本の送付及び合議体の構成」とする。

2 前項の場合には、この法律の施行の際現に係属している事件については、同項において読み替えて適用する実用新案法第四十七条第二項において準用する第二条の規定による改正後の特許法第百八十二条の二の規定は、適用しない。

 (司法書士法の一部改正)

第六条 司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第六号ハ中「第二編第三章第七節」を「第二編第四章第七節」に改める。

 (市町村の合併の特例に関する法律の一部改正)

第七条 市町村の合併の特例に関する法律(昭和四十年法律第六号)の一部を次のように改正する。

  第四条の二第三十一項及び第十九条第二項中「第二編第三章第二節」を「第二編第四章第二節」に改める。

 (執行官法の一部改正)

第八条 執行官法(昭和四十一年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。

  第八条第一項第一号の次に次の一号を加える。

  一の二 民事訴訟法第百三十二条の四第一項第四号の処分による物の形状、占有関係その他の現況の調査

  第八条第二項第一号中「送達を行なう」を「送達又は前項第一号の二の現況の調査を行う」に改め、「よつて送達」の下に「又は同号の現況の調査」を加える。

 (民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律の一部改正)

第九条 民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律(昭和四十五年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。

  第六条第二項中「第一編第五章第三節」を「第一編第五章第四節」に改める。

 (民事訴訟費用等に関する法律の一部改正)

第十条 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

  第二十条第一項中「鑑定」の下に「若しくは専門的な知識経験に基づく意見の陳述」を加え、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 民事訴訟法第百三十二条の四第一項第一号の規定により文書(同法第二百三十一条に規定する物件を含む。)の送付を嘱託したときは、請求により、当該文書の写しの作成に必要な費用を支給する。

  第二十六条中「第二十条第一項」の下に「若しくは第二項」を加える。

  別表第一の一七の項イ中「処分に対する異議の申立て」の下に「、訴えの提起前における証拠収集の処分の申立て」を加える。

(総務・法務・経済産業・内閣総理大臣署名) 

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