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法律第八十九号(平一六・六・九)

  ◎国際捜査共助法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律

 (国際捜査共助法の一部改正)

第一条 国際捜査共助法(昭和五十五年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    国際捜査共助等に関する法律

  題名の次に次の目次及び章名を付する。

 目次

  第一章 総則(第一条―第四条)

  第二章 証拠の収集等(第五条―第十八条)

  第三章 国内受刑者に係る受刑者証人移送(第十九条―第二十二条)

  第四章 外国受刑者の拘禁(第二十三条―第二十六条)

  附則

    第一章 総則

  第一条第一号中「証拠を提供すること」を「証拠の提供(受刑者証人移送を含む。)をすること」に改め、同条に次の一号を加える。

  四 受刑者証人移送 条約により刑事手続における証人尋問に証人として出頭させることを可能とするために移送すべきものとされている場合において、刑の執行として拘禁されている者を国際的に移送することをいう。

  第二条第二号中「共助犯罪」を「条約に別段の定めがある場合を除き、共助犯罪」に改め、同条第三号を削り、同条第四号中「については」の下に「、条約に別段の定めがある場合を除き」を加え、同号を同条第三号とする。

  第三条ただし書中「緊急その他特別の事情がある場合において、」を「条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき、又は緊急その他特別の事情がある場合において」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理及び要請国に対する証拠の送付を行う場合においては、法務大臣は、外務大臣に対し、共助に関する事務の実施に関し、必要な協力を求めることができる。

  第四条中「第二条第三号」を「次の各号のいずれか」に改め、同条に次の各号を加える。

  一 要請が条約に基づいて行われたものである場合において、その方式が条約に適合しないと認めるとき。

  二 要請が条約に基づかないで行われたものである場合において、日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。

  第五条の前に次の章名を付する。

    第二章 証拠の収集等

  第五条第一項中「第二条各号(前条の規定による送付を受けた場合にあつては、第二条第一号、第二号又は第四号)」を「受刑者証人移送以外の共助の要請について、第二条各号(第三条第一項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合にあつては、第二条各号又は前条各号)」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 法務大臣は、第一項に規定する措置その他の共助に関する措置を採るため必要があると認めるときは、関係人の所在その他必要な事項について調査を行うことができる。

  第八条第三項中「前二項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

 3 検察官又は司法警察員は、前二項の規定により収集すべき証拠が業務書類等(業務を遂行する過程において作成され、又は保管される書類その他の物をいう。以下この項において同じ。)である場合において、当該業務書類等の作成又は保管の状況に関する事項の証明に係る共助の要請があるときは、作成者、保管者その他の当該業務書類等の作成又は保管の状況に係る業務上の知識を有すると認める者に対し、当該要請に係る事項についての証明書の提出を求めることができる。

 4 検察官又は司法警察員は、前項の規定により証明書の提出を求めるに当たつては、その提出を求める者に対し、虚偽の証明書を提出したときは刑罰が科されることがある旨を告知しなければならない。

  第九条を次のように改める。

  (罰則)

 第九条 前条第三項の規定による証明書の提出を求められた者が、虚偽の証明書を提出したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、その者の当該行為が刑法(明治四十年法律第四十五号)の罪に触れるときは、これを適用しない。

  第十七条中第七項を第八項とし、第三項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第二項中「及び第四号」を削り、同項の次に次の一項を加える。

 3 国家公安委員会は、第一項に規定する措置を採るため必要があると認めるときは、警察庁の職員に関係人の所在その他必要な事項について調査させることができる。

  第十七条を第十八条とする。

  第十六条中「この法律」を「この章」に改め、同条を第十七条とする。

  第十五条第一項中「法務大臣は、」の下に「要請が第四条第一号に該当するものと認めて共助をしないこととするとき、」を加え、「第十三条第五項」を「第十四条第五項」に改め、同条を第十六条とし、第十一条から第十四条までを一条ずつ繰り下げる。

  第十条中「第二条第四号」を「第二条第三号」に改め、同条に次のただし書を加える。

   ただし、条約に別段の定めがある場合には、この限りでない。

  第十条を第十一条とし、同条の前に次の一条を加える。

  (証人尋問の請求)

 第十条 検察官は、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判官に証人尋問を請求することができる。

  一 共助の要請が証人尋問に係るものであるとき。

  二 関係人が第八条第一項の規定による出頭又は取調べに対する供述を拒んだとき。

  三 第八条第三項の規定による証明書の提出を求められた者がこれを拒んだとき。

  本則に次の二章を加える。

    第三章 国内受刑者に係る受刑者証人移送

  (受刑者証人移送の決定等)

 第十九条 法務大臣は、要請国から、条約に基づき、国内受刑者(日本国において懲役刑若しくは禁錮刑又は国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第二条第二号に定める共助刑の執行として拘禁されている者をいう。以下同じ。)に係る受刑者証人移送の要請があつた場合において、第二条第一号若しくは第二号又は次の各号(第三条第一項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合にあつては、第二条第一号若しくは第二号、第四条第一号又は次の各号)のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、国内受刑者を移送する期間を定めて、当該受刑者証人移送の決定をするものとする。

  一 国内受刑者の書面による同意がないとき。

  二 国内受刑者が二十歳に満たないとき。

  三 国内受刑者を移送する期間として要請された期間が三十日を超えるとき。

  四 国内受刑者の犯した罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき。

 2 第十四条第五項及び第六項並びに第十六条第一項の規定は、国内受刑者に係る受刑者証人移送の要請があつた場合について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

 3 法務大臣は、第一項の決定をしたときは、国内受刑者が在監する監獄の長に対し、当該決定に係る引渡しを命ずるとともに、当該国内受刑者にその旨を通知しなければならない。

  (引渡しに関する措置)

 第二十条 法務大臣は、前条第三項の規定による命令をしたときは、外務大臣に受領許可証を送付しなければならない。

 2 外務大臣は、前項の規定による受領許可証の送付を受けたときは、直ちに、これを要請国に送付しなければならない。

 3 前二項の規定にかかわらず、第三条第一項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合においては、要請国への受領許可証の送付は、法務大臣が行うものとする。

 4 前条第三項の規定による命令を受けた監獄の長は、要請国の官憲から受領許可証を示して国内受刑者の引渡しを求められたときは、国内受刑者を引き渡さなければならない。

 5 前項の規定により国内受刑者の引渡しを受けた要請国の官憲は、速やかに、国内受刑者を要請国内に護送するものとする。

  (国内受刑者の移送期間の取扱い)

 第二十一条 国内受刑者が受刑者証人移送として移送されていた期間(身体の拘束を受けていなかつた期間を除く。)は、刑の執行を受けた期間とみなす。

  (監獄法の特則)

 第二十二条 第二十条第四項の規定により国内受刑者を要請国の官憲に引き渡す場合には、監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第二十八条第二項及び第五十五条の規定は、適用しない。

 2 監獄法第五十六条及び第五十七条の規定は、第二十条第四項の規定により要請国の官憲に引き渡した国内受刑者の遺留物について準用する。

    第四章 外国受刑者の拘禁

  (外国受刑者の拘禁)

 第二十三条 検察官は、外国受刑者(外国において懲役刑若しくは禁錮刑又はこれらに相当する刑の執行として拘禁されている者をいう。以下同じ。)であつて日本国の刑事手続において証人として尋問する旨の決定があつたものについて、受刑者証人移送として当該外国の官憲から当該外国受刑者の引渡しを受けたときは、あらかじめ発する受入移送拘禁状により、当該外国受刑者を拘禁しなければならない。

 2 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第六条第一項から第三項まで及び第七条並びに刑事訴訟法第七十一条、第七十三条第三項、第七十四条及び第百二十六条の規定は、前項の受入移送拘禁状により外国受刑者を拘禁する場合について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (外国の官憲への引渡し)

 第二十四条 受刑者証人移送として外国の官憲から引渡しを受けた外国受刑者については、その引渡しを受けた日から三十日以内に、これを当該外国の官憲に引き渡さなければならない。ただし、天災その他やむを得ない事由によりこの期間内に外国受刑者を当該外国の官憲に引き渡すことができない場合には、この限りでない。

 2 検察官は、前項の規定により外国受刑者を当該外国の官憲に引き渡す場合において必要があるときは、前条第一項の受入移送拘禁状により、検察事務官、警察官、海上保安官又は海上保安官補に当該外国受刑者の護送をさせることができる。この場合においては、刑事訴訟法第七十四条の規定を準用する。

  (外国受刑者の拘禁の停止)

 第二十五条 検察官は、病気その他やむを得ない事由がある場合に限り、受入移送拘禁状により拘禁されている外国受刑者を医師その他適当と認められる者に委託し、又は外国受刑者の住居を制限して、拘禁の停止をすることができる。

 2 検察官は、必要と認めるときは、いつでも、拘禁の停止を取り消すことができる。

 3 逃亡犯罪人引渡法第二十二条第三項から第五項までの規定は、前項の規定により外国受刑者の拘禁の停止を取り消した場合について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

  (逃走罪等の特則)

 第二十六条 第二十三条第一項の規定により拘禁された外国受刑者については、裁判の執行により拘禁された未決の者とみなして、刑法第九十七条若しくは第九十八条又は第百二条(第九十七条又は第九十八条の未遂罪に係る部分に限る。)の規定を適用する。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第二条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第五十九条第一項第八号を削り、同条第二項中「同項第八号又は」を削る。

  第六十一条ただし書中「緊急その他特別の事情がある場合において、」を「条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき、又は緊急その他特別の事情がある場合において」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合においては、法務大臣は、外務大臣に対し、共助に関する事務の実施に関し、必要な協力を求めることができる。

  第七十三条中「国際捜査共助法」を「国際捜査共助等に関する法律」に、「及び第七条第一項」を「及び第三項並びに第七条第一項」に、「第三条、第八条第二項」を「第八条第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第一条中国際捜査共助法に第三章及び第四章を加える改正規定並びに附則第三条及び第五条の規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律は、この法律の施行前に犯された犯罪に係る外国からの共助の要請及び国際刑事警察機構からの協力の要請についても、適用する。

 (監獄法の一部改正)

第三条 監獄法(明治四十一年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条第一項第四号及び第九条中「又ハ拘禁状」を「、拘禁状又ハ受入移送拘禁状」に改める。

 (検察官の取り調べた者等に対する旅費、日当、宿泊料等支給法の一部改正)

第四条 検察官の取り調べた者等に対する旅費、日当、宿泊料等支給法(昭和二十四年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

  第一項中「国際捜査共助法」を「国際捜査共助等に関する法律」に、「第三項」を「第五項」に改める。

 (刑事補償法の一部改正)

第五条 刑事補償法(昭和二十五年法律第一号)の一部を次のように改正する。

  本則に次の一条を加える。

  (国内受刑者に係る受刑者証人移送をした場合における補償)

 第二十八条 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第十九条の国内受刑者に係る受刑者証人移送をした場合において、当該国内受刑者が受刑者証人移送として移送されていた期間における身体の拘束は、日本国による刑の執行とみなす。

(法務・外務・内閣総理大臣臨時代理署名) 

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