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法律第二十四号(平二五・五・三一)

  ◎森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律

 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(平成二十年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「が気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書第三条の規定に基づく約束の履行に果たす役割」を「による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化」に、「かんがみ、平成二十四年度」を「鑑み、平成三十二年度」に、「が作成する」を「による」に、「に基づく間伐等」を「の作成及び都道府県知事による特定増殖事業計画の認定並びにこれらの計画の実施」に改める。

 第八条第一項中「実施主体」の下に「及び認定特定増殖事業者」を、「当該特定間伐等」の下に「及び特定増殖事業」を加え、同条第二項中「実施主体」の下に「又は認定特定増殖事業者」を、「特定間伐等促進計画」の下に「又は認定特定増殖事業計画」を加え、同条に次の一項を加える。

3 前二項に定めるもののほか、独立行政法人森林総合研究所並びに関係都道府県又は関係都道府県若しくは関係都道府県及び関係都道府県以外の地方公共団体が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)であって特定母樹を所有するものは、特定母樹の増殖の促進を図るため、認定特定増殖事業者に対し、特定母樹を育成するための種穂の提供その他の必要な支援を行うよう努めなければならない。

 第八条を第十四条とし、第七条を第八条とし、同条の次に次の五条を加える。

 (特定増殖事業計画の認定)

第九条 基本方針(特定間伐等及び特定母樹の増殖の実施の促進に関する基本方針に限る。以下この項及び第三項第一号において同じ。)に定められた第四条第二項第七号に掲げる事項に基づいて特定増殖事業を実施しようとする者は、その実施しようとする特定増殖事業に関する計画(以下「特定増殖事業計画」という。)を作成し、これを当該基本方針を定めた都道府県知事(以下「特定都道府県知事」という。)に提出して、その認定を受けることができる。

2 特定増殖事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 特定増殖事業の目標

 二 増殖する特定母樹の種類、特定母樹を繁殖する方法、特定母樹を植栽する土地の所在地及び面積並びに植栽する特定母樹の本数、配置及び管理に関する事項

 三 地域森林計画の対象となっている民有林(森林法第五条第一項に規定する民有林をいい、同法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林及び同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内の森林を除く。第四項において同じ。)において特定母樹を植栽する土地の上にある立木を伐採しようとする場合にあっては、伐採する森林の所在場所、伐採面積、伐採齢その他農林水産省令で定める事項

 四 特定母樹から採取する種穂の配布(配布のためにする苗木の育成を含む。)に関する事項

 五 特定増殖事業の実施時期

 六 特定増殖事業の実施に必要な資金の額及びその調達方法

3 特定都道府県知事は、第一項の認定の申請があった場合において、その特定増殖事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 一 当該特定増殖事業計画が基本方針に照らし適切なものであること。

 二 前項第二号から第六号までに掲げる事項が当該特定増殖事業計画に係る特定増殖事業を確実に実施するために適切なものであること。

 三 申請者が特定増殖事業を適確に遂行するに足りる技術的能力その他の能力を有し、かつ、林業種苗法第十条第三項第一号又は第二号のいずれにも該当しないこと。

4 特定都道府県知事は、第二項第三号に掲げる事項を含む特定増殖事業計画について第一項の認定をしようとするときは、第二項第二号及び第三号に掲げる事項について、当該特定増殖事業計画(同号に掲げる事項に係る部分に限る。)において伐採することとされている民有林の所在地の属する市町村の長の意見を聴かなければならない。

5 特定都道府県知事は、前項の規定により市町村の長の意見を聴いた場合において第一項の認定をしたときは、当該市町村の長に当該認定をした旨の通知をしなければならない。

 (特定増殖事業計画の変更等)

第十条 前条第一項の認定を受けた者(以下「認定特定増殖事業者」という。)は、当該認定に係る特定増殖事業計画を変更しようとするときは、特定都道府県知事の認定を受けなければならない。

2 特定都道府県知事は、認定特定増殖事業者が当該認定に係る特定増殖事業計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定特定増殖事業計画」という。)に従って特定増殖事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

3 特定都道府県知事は、認定特定増殖事業計画が前条第三項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定特定増殖事業者に対して、当該認定特定増殖事業計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができる。

4 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の認定について準用する。

 (林業・木材産業改善資金の償還期間等の特例)

第十一条 林業・木材産業改善資金助成法(昭和五十一年法律第四十二号)第二条第一項に規定する林業・木材産業改善資金であって、認定特定増殖事業者が認定特定増殖事業計画に従って特定増殖事業を実施するのに必要なものの償還期間(据置期間を含む。)は、同法第五条第一項の規定にかかわらず、十二年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

2 前項に規定する資金の据置期間は、林業・木材産業改善資金助成法第五条第二項の規定にかかわらず、五年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

 (生産事業者の登録等の特例)

第十二条 特定増殖事業を実施しようとする者がその特定増殖事業計画について第九条第一項の認定を受けたときは、当該認定特定増殖事業計画に記載された特定増殖事業であって、林業種苗法第十条第一項の登録を受けなければならないものについては、同項の規定により登録を受けたものとみなして、同法第十二条第一項及び第二項並びに第十三条から第十六条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、同法第十三条第一項中「その住所地を管轄する都道府県知事」とあるのは「特定都道府県知事(森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(平成二十年法律第三十二号)第九条第一項に規定する特定都道府県知事をいう。以下同じ。)」と、同条第二項及び第三項並びに同法第十四条第二項中「その住所地を管轄する都道府県知事」とあるのは「特定都道府県知事」と、同法第十三条第三項中「及び同項第五号」とあるのは「並びに同項第五号及び第六号」と、同法第十五条第一項第三号中「第十条第三項第一号又は第三号」とあるのは「第十条第三項第一号」とする。

2 特定増殖事業を実施しようとする者がその特定増殖事業計画について第九条第一項の認定を受けたとき、又は認定特定増殖事業者がその認定特定増殖事業計画について第十条第一項の認定を受けたときは、これらの認定に係る認定特定増殖事業計画に記載された特定増殖事業であって、林業種苗法第十三条第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による届出及び書替交付の申請をし、又は同条第三項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による届出をしなければならないものについては、同条第一項の規定により届出及び書替交付の申請をし、又は同条第三項の規定により届出をしたものとみなす。ただし、これらの者が同法第十条第一項の規定により特定都道府県知事以外の都道府県知事の登録を受けている者であるときは、この限りでない。

 (伐採の届出の特例)

第十三条 第八条の規定は、認定特定増殖事業者が認定特定増殖事業計画(第九条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)に従って行う立木の伐採について準用する。

 第六条を第七条とする。

 第五条第一項中「第八条第一項」を「第十四条第一項」に改め、同条を第六条とし、第四条を第五条とする。

 第三条第一項中「即するとともに、森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画に適合して」を「即して」に改め、「関する基本方針」の下に「又は当該区域内における特定間伐等及び特定母樹の増殖の実施の促進に関する基本方針」を加え、「という」を「と総称する」に改め、同条第二項各号列記以外の部分に次のただし書を加える。

  ただし、特定間伐等の実施の促進に関する基本方針においては、第一号から第四号までに掲げる事項を定めれば足りる。

 第三条第二項に次の四号を加える。

 五 特定母樹の増殖の実施の促進の目標

 六 特に優良な種苗を生産する体制の整備に関する事項

 七 特定増殖事業の実施方法に関する事項

 八 特定増殖事業の実施の促進のための方策に関する事項

 第三条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 基本方針に定める前項第一号から第四号までに掲げる事項は、森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画(第九条第二項第三号において単に「地域森林計画」という。)に適合するものでなければならない。

 第三条を第四条とする。

 第二条第一項中「森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四条第一項の規定によりたてられた全国森林計画に適合して、森林(同法第二条第一項に規定する森林をいう。以下同じ。)の間伐又は造林で平成二十四年度までの間に行われるもの(以下「特定間伐等」という。)」を「特定間伐等及び特定母樹の増殖」に改め、同条第二項第一号中「特定間伐等」の下に「及び特定母樹の増殖」を加え、同項第四号中「前三号」を「前各号」に改め、「特定間伐等」の下に「及び特定母樹の増殖」を加え、同号を同項第六号とし、同項第三号の次に次の二号を加える。

 四 特に優良な種苗を生産する体制の整備に関する基本的な事項

 五 特定増殖事業の実施に関する基本的な事項

 第二条第三項中「地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第八条第一項に規定する京都議定書目標達成計画」を「地球温暖化の防止を図るための施策に関する国の計画」に改め、同条中第六項を第七項とし、第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

4 基本指針に定める第二項第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(特定間伐等に係る部分に限る。)は、森林法第四条第一項の規定によりたてられた全国森林計画に適合するものでなければならない。

 第二条を第三条とし、第一条の次に次の一条を加える。

 (定義)

第二条 この法律において「特定間伐等」とは、森林(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。以下同じ。)の間伐又は造林で平成三十二年度までの間に行われるものであって、種穂(林業種苗法(昭和四十五年法律第八十九号)第三条第一項に規定する種穂をいう。以下同じ。)の採取の用に供する樹木の増殖以外のものをいう。

2 この法律において「特定母樹の増殖」とは、特に優良な種苗(林業種苗法第二条第一項に規定する種苗をいう。以下同じ。)を生産するための種穂の採取に適する樹木であって、成長に係る特性の特に優れたものとして農林水産大臣が指定するもの(以下「特定母樹」という。)の増殖で平成三十二年度までの間に行われるものをいう。

3 この法律において「特定増殖事業」とは、特定母樹の増殖に関する事業であって、次に掲げるものをいう。

 一 生産事業(林業種苗法第二条第二項に規定する生産事業をいう。以下同じ。)を行い、又は行おうとする生産事業者団体等(同項に規定する生産事業者の組織する団体その他政令で定める者をいう。以下同じ。)が、特定母樹の増殖を行い、その増殖した特定母樹から採取する種穂を主として当該生産事業者団体等の構成員その他政令で定める者に配布するために実施する事業

 二 生産事業を行い、又は行おうとする者が、特定母樹の増殖を行い、その増殖した特定母樹から採取する種穂を主として生産事業者団体等に配布するために実施する事業

 三 生産事業を行い、又は行おうとする者が、特定母樹の増殖を行い、その増殖した特定母樹から採取する種穂から配布の目的をもって苗木を育成するために実施する事業

 本則に次の二条を加える。

 (報告の徴収)

第十五条 特定都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、認定特定増殖事業者に対し、認定特定増殖事業計画の実施状況について報告を求めることができる。

 (罰則)

第十六条 前条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

(総務・農林水産臨時代理・環境・内閣総理大臣署名) 

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