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法律第百三十四号(平二六・一一・二八)

  ◎原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律

 (原子力損害の賠償に関する法律の一部改正)

第一条 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。

  目次中「・第九条」を「−第九条の二」に改める。

  第二条第一項第五号中「次項及び次条第二項において」を「以下」に改める。

  第三条第二項中「原子力事業者間に」の下に「書面による」を加える。

  第四条の次に次の一条を加える。

  (被害者に重大な過失がある場合における損害賠償の額の算定)

 第四条の二 第三条の場合において、被害者に重大な過失があつたときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

  第五条第一項中「その損害が第三者の故意により生じたものであるとき」を「他にその損害の発生の原因について責めに任ずべき自然人があるとき(当該損害が当該自然人の故意により生じたものである場合に限る。)」に改め、同条第二項中「関し」の下に「書面による」を加える。

  第三章第二節中第九条の次に次の一条を加える。

  (責任保険契約の解除の制限)

 第九条の二 保険者は、責任保険契約を解除しようとするときは、あらかじめ、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。

 2 文部科学大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、その旨を当該責任保険契約の被保険者に通知しなければならない。

 3 責任保険契約の解除は、文部科学大臣が当該解除に係る第一項の規定による届出を受理した日から起算して九十日の後に、将来に向かつてその効力を生ずる。

 4 核燃料物質等の運搬に係る責任保険契約については、保険者は、当該核燃料物質等の運搬の開始後その終了までの間においては、これを解除することができない。

 5 前二項の規定に反する特約で被保険者に不利なものは、無効とする。

  附則第四条第二項中「その損害が第三者の故意により生じたものであるとき」を「他にその損害の発生の原因について責めに任ずべき自然人があるとき(当該損害が当該自然人の故意により生じたものである場合に限る。)」に、「当該第三者」を「当該自然人」に改める。

 (原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部改正)

第二条 原子力損害賠償補償契約に関する法律(昭和三十六年法律第百四十八号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第四号中「第十七条第二項」を「第十八条第二項」に改める。

  第十八条を第十九条とする。

  第十七条第二項中「核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物」を「核燃料物質等」に改め、同条を第十八条とし、第十六条を第十七条とし、第十五条の次に次の一条を加える。

  (補償契約の解除の制限)

 第十六条 核燃料物質等(賠償法第二条第一項第五号に規定する核燃料物質等をいう。以下この条及び第十八条第二項において同じ。)の運搬に係る補償契約については、政府は、第十四条第一項及び前条第一項の規定にかかわらず、当該核燃料物質等の運搬の開始後その終了までの間においては、これを解除することができない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、原子力損害の補完的な補償に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に行われている核燃料物質等(第一条の規定による改正前の原子力損害の賠償に関する法律(次項において「旧賠償法」という。)第二条第一項第五号に規定する核燃料物質等をいう。)の運搬については、第一条の規定による改正後の原子力損害の賠償に関する法律(以下「新賠償法」という。)第三条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 新賠償法第四条の二の規定は、この法律の施行前に原子力損害(旧賠償法第二条第二項に規定する原子力損害をいう。次項において同じ。)の発生の原因となった事実が生じた場合における損害賠償の額の算定については、適用しない。

3 この法律の施行前に原子力損害の発生の原因となった事実が生じた場合における求償権については、新賠償法第五条及び附則第四条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 新賠償法第九条の二の規定は、この法律の施行前に締結された原子力損害賠償責任保険契約については、適用しない。

(文部科学・内閣総理大臣署名)

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