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法律第三十八号(平二九・五・二四)

  ◎外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律

 外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)の一部を次のように改正する。

 第二十六条の見出しを「(定義)」に改め、同条第一項中「対内直接投資等」の下に「又は第三項に規定する特定取得」を加え、同条第二項第一号中「第三号」の下に「並びに次項」を加え、同条に次の一項を加える。

3 特定取得とは、上場会社等以外の会社の株式又は持分の第一項各号に掲げるものからの譲受けによる取得をいう。

 第二十七条第十三項中「前各項」の下に「及び第二十九条」を加える。

 第二十八条及び第二十九条を次のように改める。

 (特定取得の届出及び変更勧告等)

第二十八条 外国投資家は、特定取得(相続、遺贈、法人の合併その他の事情を勘案して政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)のうち第三項の規定による審査が必要となる特定取得に該当するおそれがあるものとして政令で定めるものを行おうとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該特定取得について、事業目的、金額、実行の時期その他の政令で定める事項を財務大臣及び事業所管大臣に届け出なければならない。

2 特定取得について前項の規定による届出をした外国投資家は、財務大臣及び事業所管大臣が当該届出を受理した日から起算して三十日を経過する日までは、当該届出に係る特定取得を行つてはならない。ただし、財務大臣及び事業所管大臣は、その期間の満了前に当該届出に係る特定取得がその事業目的その他からみて次項の規定による審査が必要となる特定取得に該当しないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

3 財務大臣及び事業所管大臣は、第一項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る特定取得が国の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい特定取得(我が国が加盟する特定取得に関する多数国間の条約その他の国際約束で政令で定めるもの(以下この項において「条約等」という。)の加盟国の外国投資家が行う特定取得で特定取得に関する制限の除去について当該条約等に基づく義務がないもの及び当該条約等の加盟国以外の国の外国投資家が行う特定取得でその国が当該条約等の加盟国であるものとした場合に当該義務がないこととなるものに限る。次項及び第五項並びに次条第一項及び第二項において「国の安全に係る特定取得」という。)に該当しないかどうかを審査する必要があると認めるときは、当該届出に係る特定取得を行つてはならない期間を、当該届出を受理した日から起算して四月間に限り、延長することができる。

4 財務大臣及び事業所管大臣は、前項の規定により特定取得を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、当該延長された期間の満了前に第一項の規定による届出に係る特定取得が国の安全に係る特定取得に該当しないと認めるときは、当該延長された期間を短縮することができる。

5 財務大臣及び事業所管大臣は、第三項の規定により特定取得を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、第一項の規定による届出に係る特定取得が国の安全に係る特定取得に該当すると認めるときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴いて、当該特定取得の届出をしたものに対し、政令で定めるところにより、当該特定取得に係る内容の変更又は中止を勧告することができる。ただし、当該変更又は中止を勧告することができる期間は、当該届出を受理した日から起算して第三項又は次項の規定により延長された期間の満了する日までとする。

6 前項の規定により関税・外国為替等審議会の意見を聴く場合において、関税・外国為替等審議会が当該事案の性質に鑑み、第三項に規定する四月の期間内に意見を述べることが困難である旨を申し出た場合には、同項に規定する特定取得を行つてはならない期間は、同項の規定にかかわらず、五月とする。

7 前条第七項から第十二項までの規定は、第五項の規定による勧告があつた場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

8 外国投資家以外の者(法人その他の団体を含む。)が外国投資家のために当該外国投資家の名義によらないで行う特定取得に相当するものについては、当該外国投資家以外の者を外国投資家とみなして、前各項及び次条の規定を適用する。

 (措置命令)

第二十九条 財務大臣及び事業所管大臣は、次に掲げる場合において、当該対内直接投資等又は特定取得が第二十七条第三項第一号に掲げる対内直接投資等(国の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものに限る。以下この条において「国の安全に係る対内直接投資等」という。)又は国の安全に係る特定取得に該当すると認めるときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴いて、当該対内直接投資等又は特定取得を行つた外国投資家に対し、政令で定めるところにより、当該対内直接投資等又は特定取得により取得した株式又は持分の全部又は一部の処分その他必要な措置を命ずることができる。

 一 第二十七条第一項又は前条第一項の規定による届出をしなければならない外国投資家が、当該届出をせずに対内直接投資等又は特定取得を行つた場合

 二 第二十七条第一項又は前条第一項の規定による届出をした外国投資家が、禁止期間の満了前に、当該届出に係る対内直接投資等又は特定取得を行つた場合

2 財務大臣及び事業所管大臣は、第二十七条第一項又は前条第一項の規定による届出をした外国投資家が、当該届出に関し虚偽の届出をした場合において、当該届出に係る対内直接投資等又は特定取得が国の安全に係る対内直接投資等又は国の安全に係る特定取得に該当すると認めるときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴いて、当該対内直接投資等又は特定取得を行つた外国投資家に対し、政令で定めるところにより、必要な措置を命ずることができる。

3 財務大臣及び事業所管大臣は、第二十七条第一項又は前条第一項の規定による届出をした外国投資家が、第二十七条第七項(前条第七項において準用する場合を含む。)の規定により応諾する旨の通知をした対内直接投資等若しくは特定取得に係る内容の変更の勧告に従わず、又は第二十七条第十項(前条第七項において準用する場合を含む。)の規定による対内直接投資等若しくは特定取得に係る内容の変更の命令に違反した場合(対内直接投資等にあつては、当該対内直接投資等が国の安全に係る対内直接投資等に該当すると認める場合に限る。)には、当該対内直接投資等又は特定取得を行つた外国投資家に対し、政令で定めるところにより、当該対内直接投資等又は特定取得により取得した株式又は持分(第二十七条第五項若しくは前条第五項の規定により当該対内直接投資等若しくは特定取得に係る株式の数若しくは金額若しくは持分の口数若しくは金額の変更を勧告した場合における当該変更に係る部分又は第二十七条第十項(前条第七項において準用する場合を含む。)の規定により当該対内直接投資等若しくは特定取得に係る株式の数若しくは金額若しくは持分の口数若しくは金額の変更を命じた場合における当該変更に係る部分に限る。)の全部又は一部の処分その他必要な措置を命ずることができる。

4 財務大臣及び事業所管大臣は、第二十七条第一項又は前条第一項の規定による届出をした外国投資家が、第二十七条第七項(前条第七項において準用する場合を含む。)の規定により応諾する旨の通知をした対内直接投資等若しくは特定取得の中止の勧告に従わず、又は第二十七条第十項(前条第七項において準用する場合を含む。)の規定による対内直接投資等若しくは特定取得の中止の命令に違反した場合(対内直接投資等にあつては、当該対内直接投資等が国の安全に係る対内直接投資等に該当すると認める場合に限る。)には、当該対内直接投資等又は特定取得を行つた外国投資家に対し、政令で定めるところにより、当該対内直接投資等又は特定取得により取得した株式又は持分の全部又は一部の処分その他必要な措置を命ずることができる。

5 第一項第二号の「禁止期間」とは、第二十七条第二項本文に規定する期間(同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第二項ただし書若しくは第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮された期間)又は前条第二項本文に規定する期間(同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第二項ただし書若しくは第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮された期間)をいう。

 第五十三条第二項中「一年」の下に「(第十条第一項に規定する対応措置(第四十八条第三項又は前条に係るものに限る。)に違反した者にあつては、三年)」を加え、同条に次の二項を加える。

3 第一項又は前項の規定による禁止をする場合において、経済産業大臣は、違反者(第一項に規定する第四十八条第一項の規定による許可を受けないで同項に規定する貨物の輸出をした者又は前項に規定する貨物の輸出若しくは輸入に関し、この法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反した者をいう。次項において同じ。)が個人である場合にあつては、その者に対して、当該禁止に係る期間と同一の期間を定めて、当該禁止に係る範囲の業務を営む法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。)の当該業務を担当する役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。次項において同じ。)となることを禁止することができる。

4 第一項又は第二項の規定による禁止をする場合において、経済産業大臣は、違反者に係る次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が当該禁止の理由となつた事実及び当該事実に関してその者が有していた責任の程度を考慮して当該禁止の実効性を確保するためにその者による当該禁止に係る業務を制限することが相当と認められる者として経済産業省令で定める者に該当するときは、その者に対して、当該禁止に係る期間と同一の期間を定めて、当該禁止に係る範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止することができる。

 一 当該違反者が法人である場合 その役員及び当該禁止に係る処分の日前六十日以内においてその役員であつた者並びにその営業所の業務を統括する者その他の政令で定める使用人(以下この号及び次号において単に「使用人」という。)及び当該禁止の日前六十日以内においてその使用人であつた者

 二 当該違反者が個人である場合 その使用人及び当該禁止に係る処分の日前六十日以内においてその使用人であつた者

 第五十五条の七中「。第六十八条第一項において同じ」を削る。

 第六十八条第一項中「外国為替業務を行う者その他」を削り、「又は行為を業として行う者」を「、行為若しくは支払等を行つた者又はその関係者」に改め、同条第二項中「呈示しなければ」を「提示しなければ」に改める。

 第六十九条の三第二項中「対内直接投資等」の下に「、特定取得」を加える。

 第六十九条の六第一項中「七百万円」を「二千万円」に改め、同条第二項中「千万円」を「三千万円」に改める。

 第六十九条の七第一項中「五百万円」を「千万円」に改める。

 第七十条第一項第二十二号中「第二十七条第一項」の下に「又は第二十八条第一項」を、「対内直接投資等」の下に「又は特定取得」を加え、「同条第十三項」を「第二十七条第十三項又は第二十八条第八項」に改め、同項第二十三号中「第二十七条第二項」の下に「又は第二十八条第二項」を加え、「同項に規定する期間(同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮された期間)」を「第二十九条第五項に規定する禁止期間」に改め、「対内直接投資等」の下に「又は特定取得」を加え、「同条第十三項」を「第二十七条第十三項又は第二十八条第八項」に改め、同項第二十四号中「第二十七条第八項」の下に「(第二十八条第七項において準用する場合を含む。)」を、「対内直接投資等」の下に「又は特定取得」を加え、「同条第十三項」を「第二十七条第十三項又は第二十八条第八項」に改め、同項第二十五号中「第二十七条第十項」の下に「(第二十八条第七項において準用する場合を含む。)」を、「対内直接投資等」の下に「又は特定取得」を加え、「同条第十三項」を「第二十七条第十三項又は第二十八条第八項」に改め、同項中第三十三号を第三十六号とし、第三十二号を第三十三号とし、同号の次に次の二号を加える。

 三十四 第五十三条第三項又は第四項の規定による命令に違反した者

 三十五 第六十七条第一項の規定により付した第二十五条第一項若しくは第四項又は第四十八条第一項の許可の条件に違反した者

 第七十条第一項中第三十一号を第三十二号とし、第二十六号から第三十号までを一号ずつ繰り下げ、第二十五号の次に次の一号を加える。

 二十六 第二十九条第一項から第四項までの規定による命令に違反した者(第二十七条第十三項又は第二十八条第八項の規定により外国投資家とみなされる者を含む。)

 第七十二条第一項中「並びに」を「、第二十八条第八項並びに」に、「第六十九条の六から前条まで(第七十条の二を除く。)」を「次の各号に掲げる規定」に、「又は人に」を「に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に」に改め、同項に次の各号を加える。

 一 第六十九条の六第二項 十億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が十億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑

 二 第六十九条の六第一項 七億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が七億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑

 三 第六十九条の七 五億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が五億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑

 四 第七十条の二 三億円以下の罰金刑

 五 第七十条又は前二条 各本条の罰金刑

 第七十二条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項中「並びに」を「、第二十八条第八項並びに」に改め、同項を同条第三項とする。

 第七十三条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の外国為替及び外国貿易法(次項及び附則第四条において「新法」という。)第二十八条第一項及び第二項の規定は、この法律の施行の日(次項において「施行日」という。)から起算して三十日を経過した日以後に行う同条第一項に規定する特定取得について適用する。

2 新法第五十三条第三項又は第四項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、施行日以後にされた貨物の輸出又は輸入に関しての外国為替及び外国貿易法第五十三条第一項又は新法第五十三条第二項の規定による禁止について適用し、施行日前にされた貨物の輸出又は輸入に関しての外国為替及び外国貿易法第五十三条第一項又はこの法律による改正前の外国為替及び外国貿易法第五十三条第二項の規定による禁止については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (財務省設置法の一部改正)

第五条 財務省設置法(平成十一年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第五十三号中「及び外国投資家」を「並びに外国投資家」に改め、「いう。)」の下に「及び同法第二十六条第三項に規定する特定取得(同号において「特定取得」という。)」を加える。

  第八条第一項第二号中「対内直接投資等」の下に「、特定取得」を加える。

(総務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境・内閣総理大臣署名)

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