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法律第四十四号(平二九・六・二)

  ◎民法の一部を改正する法律

 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第二節 行為能力(第四条−第二十一条)

 
 

第三節 住所(第二十二条−第二十四条)

 
 

第四節 不在者の財産の管理及び失踪(そう)の宣告(第二十五条−第三十二条)

 
 

第五節 同時死亡の推定(第三十二条の二)

第二節 意思能力(第三条の二)

 
 

第三節 行為能力(第四条−第二十一条)

 
 

第四節 住所(第二十二条−第二十四条)

 
 

第五節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告(第二十五条−第三十二条)

 
 

第六節 同時死亡の推定(第三十二条の二)

に、「第百七十四条の二」を「第百七十四条」に、「第四百二十二条」を「第四百二十二条の二」に、「第二款 債権者代位権及び詐害行為取消権(第四百二十三条−第四百二十六条)」を

第二款 債権者代位権(第四百二十三条−第四百二十三条の七)

 
 

第三款 詐害行為取消権

 
 

第一目 詐害行為取消権の要件(第四百二十四条−第四百二十四条の五)

 
 

第二目 詐害行為取消権の行使の方法等(第四百二十四条の六−第四百二十四条の九)

 
 

第三目 詐害行為取消権の行使の効果(第四百二十五条−第四百二十五条の四)

 
 

第四目 詐害行為取消権の期間の制限(第四百二十六条)

に、

第三款 連帯債務(第四百三十二条−第四百四十五条)

 
 

第四款 保証債務

 
 

第一目 総則(第四百四十六条−第四百六十五条)

 
 

第二目 貸金等根保証契約(第四百六十五条の二−第四百六十五条の五)

第三款 連帯債権(第四百三十二条−第四百三十五条の二)

 
 

第四款 連帯債務(第四百三十六条−第四百四十五条)

 
 

第五款 保証債務

 
 

第一目 総則(第四百四十六条−第四百六十五条)

 
 

第二目 個人根保証契約(第四百六十五条の二−第四百六十五条の五)

 
 

第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則(第四百六十五条の六−第四百六十五条の十)

に、「第四百七十三条」を「第四百六十九条」に、「第五節 債権の消滅」を

第五節 債務の引受け

 
 

 第一款 併存的債務引受(第四百七十条・第四百七十一条)

 
 

 第二款 免責的債務引受(第四百七十二条−第四百七十二条の四)

 
 

第六節 債権の消滅

に、「第四百七十四条」を「第四百七十三条」に、「第五百十二条」を「第五百十二条の二」に、「 第五款 混同(第五百二十条)」を

 第五款 混同(第五百二十条)

 
 

第七節 有価証券

 
 

 第一款 指図証券(第五百二十条の二−第五百二十条の十二)

 
 

 第二款 記名式所持人払証券(第五百二十条の十三−第五百二十条の十八)

 
 

 第三款 その他の記名証券(第五百二十条の十九)

 
 

 第四款 無記名証券(第五百二十条の二十)

に、「第三款 契約の解除(第五百四十条−第五百四十八条)」を

第三款 契約上の地位の移転(第五百三十九条の二)

 
 

第四款 契約の解除(第五百四十条−第五百四十八条)

 
 

第五款 定型約款(第五百四十八条の二−第五百四十八条の四)

に、「第三款 賃貸借の終了(第六百十七条−第六百二十二条)」を

第三款 賃貸借の終了(第六百十六条の二−第六百二十二条)

 
 

第四款 敷金(第六百二十二条の二)

に、「第七百二十四条」を「第七百二十四条の二」に改める。

 第一編第二章第五節を同章第六節とする。

 第一編第二章第四節の節名中「失踪(そう)」を「失踪」に改め、同節を同章第五節とし、同章第三節を同章第四節とする。

 第十三条第一項に次の一号を加える。

 十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。

 第二十条第一項中「(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)」を削る。

 第一編第二章中第二節を第三節とし、第一節の次に次の一節を加える。

    第二節 意思能力

第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

 第八十六条第三項を削る。

 第九十条中「事項を目的とする」を削る。

 第九十三条ただし書中「表意者の真意」を「その意思表示が表意者の真意ではないこと」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 第九十五条を次のように改める。

 (錯誤)

第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤

 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。

3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。

 一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。

 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

 第九十六条第二項中「知っていた」を「知り、又は知ることができた」に改め、同条第三項中「善意の」を「善意でかつ過失がない」に改める。

 第九十七条の見出しを「(意思表示の効力発生時期等)」に改め、同条第一項中「隔地者に対する」を削り、同条第二項中「隔地者に対する」を削り、「死亡し」の下に「、意思能力を喪失し」を加え、「を喪失した」を「の制限を受けた」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。

 第九十八条の二中「未成年者又は」を「意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは」に改め、同条ただし書中「その法定代理人」を「次に掲げる者」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 相手方の法定代理人

 二 意思能力を回復し、又は行為能力者となった相手方

 第百一条第一項中「意思表示」を「代理人が相手方に対してした意思表示」に改め、「不存在」の下に「、錯誤」を加え、同条第二項中「場合において、」及び「本人の指図に従って」を削り、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

 第百二条を次のように改める。

 (代理人の行為能力)

第百二条 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。

 第百五条を削る。

 第百六条中「前条第一項」を「本人に対してその選任及び監督について」に改め、同条を第百五条とする。

 第百七条第二項中「対して」の下に「、その権限の範囲内において」を加え、同条を第百六条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (代理権の濫用)

第百七条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。

 第百八条の見出しを「(自己契約及び双方代理等)」に改め、同条中「法律行為については」を「法律行為について」に、「となり」を「として」に、「となることはできない」を「としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

 第百九条の見出しを「(代理権授与の表示による表見代理等)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

 第百十条中「前条本文」を「前条第一項本文」に改める。

 第百十二条を次のように改める。

 (代理権消滅後の表見代理等)

第百十二条 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

2 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

 第百十七条第一項中「証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは」を「証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。

 二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。

 三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

 第百二十条第一項中「制限行為能力者」の下に「(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)」を加え、同条第二項中「詐欺」を「錯誤、詐欺」に改める。

 第百二十一条ただし書を削り、同条の次に次の一条を加える。

 (原状回復の義務)

第百二十一条の二 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。

2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

3 第一項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。

 第百二十二条ただし書を削る。

 第百二十四条第一項中「追認」を「取り消すことができる行為の追認」に、「消滅した」を「消滅し、かつ、取消権を有することを知った」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。

 一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。

 二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。

 第百二十四条第三項を削る。

 第百二十五条中「前条の規定により」を削る。

 第百三十条の見出しを「(条件の成就の妨害等)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

 第百四十五条中「当事者」の下に「(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)」を加える。

 第百四十七条から第百五十七条までを次のように改める。

 (裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

 一 裁判上の請求

 二 支払督促

 三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停

 四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

 (強制執行等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十八条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

 一 強制執行

 二 担保権の実行

 三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売

 四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続

2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。

 (仮差押え等による時効の完成猶予)

第百四十九条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 一 仮差押え

 二 仮処分

 (催告による時効の完成猶予)

第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。

 (協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)

第百五十一条 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。

 一 その合意があった時から一年を経過した時

 二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時

 三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時

2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。

3 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。

4 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

5 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。

 (承認による時効の更新)

第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

 (時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲)

第百五十三条 第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

2 第百四十九条から第百五十一条までの規定による時効の完成猶予は、完成猶予の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

3 前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

第百五十四条 第百四十八条第一項各号又は第百四十九条各号に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、第百四十八条又は第百四十九条の規定による時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。

第百五十五条から第百五十七条まで 削除

 第百五十八条の見出し、第百五十九条の見出し及び第百六十条の見出し中「停止」を「完成猶予」に改める。

 第百六十一条の見出し中「停止」を「完成猶予」に改め、同条中「時効を中断する」を「第百四十七条第一項各号又は第百四十八条第一項各号に掲げる事由に係る手続を行う」に、「二週間」を「三箇月」に改める。

 第百六十六条の見出しを「(債権等の消滅時効)」に改め、同条第一項を次のように改める。

  債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

 第百六十六条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項ただし書中「中断する」を「更新する」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

 第百六十七条を次のように改める。

 (人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)

第百六十七条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。

 第百六十八条第一項を次のように改める。

  定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

 一 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。

 二 前号に規定する各債権を行使することができる時から二十年間行使しないとき。

 第百六十八条第二項中「中断」を「更新」に改める。

 第百六十九条を次のように改める。

 (判決で確定した権利の消滅時効)

第百六十九条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。

2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

 第百七十条の前の見出しを削り、同条から第百七十四条までを次のように改める。

第百七十条から第百七十四条まで 削除

 第百七十四条の二を削る。

 第二百八十四条第二項中「中断」を「更新」に改め、同条第三項中「停止の原因」を「完成猶予の事由」に改める。

 第二百九十一条中「第百六十七条第二項」を「第百六十六条第二項」に改める。

 第二百九十二条中「中断又は停止」を「完成猶予又は更新」に改める。

 第三百十六条中「賃貸人は、」の下に「第六百二十二条の二第一項に規定する」を加える。

 第三百五十九条中「(昭和五十四年法律第四号)」を削る。

 第三百六十三条を次のように改める。

第三百六十三条 削除

 第三百六十四条の見出し中「指名債権」を「債権」に改め、同条中「指名債権を質権の目的としたとき」を「債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)」に改め、「第三債務者に」の下に「その」を加える。

 第三百六十五条を次のように改める。

第三百六十五条 削除

 第三百七十条ただし書中「第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消す」を「債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をする」に改める。

 第三百九十八条の二第三項中「債権又は」を「債権、」に改め、「請求権」の下に「又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)」を加える。

 第三百九十八条の三第二項中「手形上又は」を「手形上若しくは」に改め、「請求権」の下に「又は電子記録債権」を加える。

 第三百九十八条の七第三項中「又は債務者」を削り、「ときは、その当事者は、第五百十八条」を「場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項」に改め、同項に後段として次のように加える。

  元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。

 第三百九十八条の七中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第四百七十二条の四第一項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。

 第四百条中「するまで、」の下に「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる」を加える。

 第四百四条中「年五分とする」を「その利息が生じた最初の時点における法定利率による」に改め、同条に次の四項を加える。

2 法定利率は、年三パーセントとする。

3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の六年前の年の一月から前々年の十二月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

 第四百十条第一項中「、初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがある」を「不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものである」に改め、同条第二項を削る。

 第四百十二条第二項中「債務者は、」の下に「その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又は」を、「知った時」の下に「のいずれか早い時」を加え、同条の次に次の一条を加える。

 (履行不能)

第四百十二条の二 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。

2 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第四百十五条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。

 第四百十三条を次のように改める。

 (受領遅滞)

第四百十三条 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その債務の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、履行の提供をした時からその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。

2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、債権者の負担とする。

 第四百十三条の次に次の一条を加える。

 (履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由)

第四百十三条の二 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。

2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。

 第四百十四条第一項中「その強制履行」を「民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制」に改め、同条第二項及び第三項を削り、同条第四項中「前三項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とする。

 第四百十五条を次のように改める。

 (債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

 一 債務の履行が不能であるとき。

 二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

 三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 第四百十六条第二項中「予見し、又は予見することができた」を「予見すべきであった」に改める。

 第四百十七条の次に次の一条を加える。

 (中間利息の控除)

第四百十七条の二 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。

2 将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。

 第四百十八条中「不履行」の下に「又はこれによる損害の発生若しくは拡大」を加える。

 第四百十九条第一項中「額は、」の下に「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における」を加える。

 第四百二十条第一項後段を削る。

 第三編第一章第二節第一款中第四百二十二条の次に次の一条を加える。

 (代償請求権)

第四百二十二条の二 債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。

 第三編第一章第二節第二款の款名を次のように改める。

     第二款 債権者代位権

 第四百二十三条の見出しを「(債権者代位権の要件)」に改め、同条第一項中「保全するため」の下に「必要があるときは」を、「に属する権利」の下に「(以下「被代位権利」という。)」を加え、同項ただし書中「権利」の下に「及び差押えを禁じられた権利」を加え、同条第二項中「裁判上の代位によらなければ、前項の権利」を「被代位権利」に改め、同条に次の一項を加える。

3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。

 第四百二十三条の次に次の六条、款名及び目名を加える。

 (代位行使の範囲)

第四百二十三条の二 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。

 (債権者への支払又は引渡し)

第四百二十三条の三 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。この場合において、相手方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これによって消滅する。

 (相手方の抗弁)

第四百二十三条の四 債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。

 (債務者の取立てその他の処分の権限等)

第四百二十三条の五 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。

 (被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知)

第四百二十三条の六 債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。

 (登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)

第四百二十三条の七 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる。この場合においては、前三条の規定を準用する。

     第三款 詐害行為取消権

      第一目 詐害行為取消権の要件

 第四百二十四条の見出しを「(詐害行為取消請求)」に改め、同条第一項中「法律行為」を「行為」に改め、同項ただし書中「又は転得者がその行為又は転得」を「(以下この款において「受益者」という。)がその行為」に、「害すべき事実」を「害すること」に改め、同条第二項中「法律行為」を「行為」に改め、同条に次の二項を加える。

3 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。

4 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。

 第四百二十四条の次に次の四条、一目及び目名を加える。

 (相当の対価を得てした財産の処分行為の特則)

第四百二十四条の二 債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。

 一 その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。

 二 債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。

 三 受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。

 (特定の債権者に対する担保の供与等の特則)

第四百二十四条の三 債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為について、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。

 一 その行為が、債務者が支払不能(債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。次項第一号において同じ。)の時に行われたものであること。

 二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。

2 前項に規定する行為が、債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務に属しないものである場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、債権者は、同項の規定にかかわらず、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。

 一 その行為が、債務者が支払不能になる前三十日以内に行われたものであること。

 二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。

 (過大な代物弁済等の特則)

第四百二十四条の四 債務者がした債務の消滅に関する行為であって、受益者の受けた給付の価額がその行為によって消滅した債務の額より過大であるものについて、第四百二十四条に規定する要件に該当するときは、債権者は、前条第一項の規定にかかわらず、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分については、詐害行為取消請求をすることができる。

 (転得者に対する詐害行為取消請求)

第四百二十四条の五 債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、受益者に移転した財産を転得した者があるときは、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場合に限り、その転得者に対しても、詐害行為取消請求をすることができる。

 一 その転得者が受益者から転得した者である場合 その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。

 二 その転得者が他の転得者から転得した者である場合 その転得者及びその前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。

      第二目 詐害行為取消権の行使の方法等

 (財産の返還又は価額の償還の請求)

第四百二十四条の六 債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。

2 債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。

 (被告及び訴訟告知)

第四百二十四条の七 詐害行為取消請求に係る訴えについては、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者を被告とする。

 一 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え 受益者

 二 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴え その詐害行為取消請求の相手方である転得者

2 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。

 (詐害行為の取消しの範囲)

第四百二十四条の八 債権者は、詐害行為取消請求をする場合において、債務者がした行為の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、その行為の取消しを請求することができる。

2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。

 (債権者への支払又は引渡し)

第四百二十四条の九 債権者は、第四百二十四条の六第一項前段又は第二項前段の規定により受益者又は転得者に対して財産の返還を請求する場合において、その返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは、受益者に対してその支払又は引渡しを、転得者に対してその引渡しを、自己に対してすることを求めることができる。この場合において、受益者又は転得者は、債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。

2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により受益者又は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。

      第三目 詐害行為取消権の行使の効果

 第四百二十五条を次のように改める。

 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲)

第四百二十五条 詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。

 第四百二十五条の次に次の三条及び目名を加える。

 (債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利)

第四百二十五条の二 債務者がした財産の処分に関する行為(債務の消滅に関する行為を除く。)が取り消されたときは、受益者は、債務者に対し、その財産を取得するためにした反対給付の返還を請求することができる。債務者がその反対給付の返還をすることが困難であるときは、受益者は、その価額の償還を請求することができる。

 (受益者の債権の回復)

第四百二十五条の三 債務者がした債務の消滅に関する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。)において、受益者が債務者から受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、受益者の債務者に対する債権は、これによって原状に復する。

 (詐害行為取消請求を受けた転得者の権利)

第四百二十五条の四 債務者がした行為が転得者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたときは、その転得者は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、その転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。

 一 第四百二十五条の二に規定する行為が取り消された場合 その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば同条の規定により生ずべき受益者の債務者に対する反対給付の返還請求権又はその価額の償還請求権

 二 前条に規定する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。) その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば前条の規定により回復すべき受益者の債務者に対する債権

      第四目 詐害行為取消権の期間の制限

 第四百二十六条を次のように改める。

第四百二十六条 詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができない。行為の時から十年を経過したときも、同様とする。

 第四百二十八条を次のように改める。

 (不可分債権)

第四百二十八条 次款(連帯債権)の規定(第四百三十三条及び第四百三十五条の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。

 第四百二十九条の見出しを「(不可分債権者の一人との間の更改又は免除)」に改め、同条第一項中「分与される」を「分与されるべき」に改め、同条第二項を削る。

 第四百三十条を次のように改める。

 (不可分債務)

第四百三十条 第四款(連帯債務)の規定(第四百四十条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。

 第四百四十六条第三項中「(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)」を削る。

 第四百四十八条の見出しを「(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。

 第四百五十七条第一項中「中断」を「完成猶予及び更新」に改め、同条第二項中「の債権による相殺」を「が主張することができる抗弁」に改め、同条に次の一項を加える。

3 主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

 第四百五十八条を次のように改める。

 (連帯保証人について生じた事由の効力)

第四百五十八条 第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。

 第四百五十八条の次に次の二条を加える。

 (主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)

第四百五十八条の二 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

 (主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務)

第四百五十八条の三 主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。

2 前項の期間内に同項の通知をしなかったときは、債権者は、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時から同項の通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く。)に係る保証債務の履行を請求することができない。

3 前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない。

 第四百五十九条第一項中「過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は」及び「をし、」を削り、「消滅させるべき行為」を「消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)」に、「対して」を「対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権)

第四百五十九条の二 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

2 前項の規定による求償は、主たる債務の弁済期以後の法定利息及びその弁済期以後に債務の消滅行為をしたとしても避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

3 第一項の求償権は、主たる債務の弁済期以後でなければ、これを行使することができない。

 第四百六十条第三号を次のように改める。

 三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。

 第四百六十一条第一項中「前二条」を「前条」に改める。

 第四百六十二条第一項を次のように改める。

  第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。

 第四百六十二条に次の一項を加える。

3 第四百五十九条の二第三項の規定は、前二項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。

 第四百六十三条を次のように改める。

 (通知を怠った保証人の求償の制限等)

第四百六十三条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

2 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。

3 保証人が債務の消滅行為をした後に主たる債務者が債務の消滅行為をした場合においては、保証人が主たる債務者の意思に反して保証をしたときのほか、保証人が債務の消滅行為をしたことを主たる債務者に通知することを怠ったため、主たる債務者が善意で債務の消滅行為をしたときも、主たる債務者は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。

 第三編第一章第三節第四款第二目の目名を次のように改める。

      第二目 個人根保証契約

 第四百六十五条の二の見出しを「(個人根保証契約の保証人の責任等)」に改め、同条第一項中「その債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」を「保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」に、「すべて」を「全て」に改め、同条第二項及び第三項中「貸金等根保証契約」を「個人根保証契約」に改める。

 第四百六十五条の三の見出しを「(個人貸金等根保証契約の元本確定期日)」に改め、同条第一項中「貸金等根保証契約に」を「個人根保証契約であってその主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(以下「個人貸金等根保証契約」という。)に」に、「貸金等根保証契約の」を「個人貸金等根保証契約の」に改め、同条第二項から第四項までの規定中「貸金等根保証契約」を「個人貸金等根保証契約」に改める。

 第四百六十五条の四の見出しを「(個人根保証契約の元本の確定事由)」に改め、同条中「貸金等根保証契約」を「個人根保証契約」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。

 第四百六十五条の四第一号中「主たる債務者又は」を削り、ただし書を削り、同条第二号中「主たる債務者又は」を削り、同条に次の一項を加える。

2 前項に規定する場合のほか、個人貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、次に掲げる場合にも確定する。ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。

 一 債権者が、主たる債務者の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。

 二 主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。

 第四百六十五条の五を次のように改める。

 (保証人が法人である根保証契約の求償権)

第四百六十五条の五 保証人が法人である根保証契約において、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。

2 保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。

3 前二項の規定は、求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に求償権に係る債務が含まれる根保証契約の保証人が法人である場合には、適用しない。

 第三編第一章第三節第四款に次の一目を加える。

      第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則

 (公正証書の作成と保証の効力)

第四百六十五条の六 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。

2 前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。

 一 保証人になろうとする者が、次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を公証人に口授すること。

  イ 保証契約(ロに掲げるものを除く。) 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、その債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。

  ロ 根保証契約 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、根保証契約における極度額、元本確定期日の定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度において元本確定期日又は第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。

 二 公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。

 三 保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

 四 公証人が、その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

3 前二項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。

 (保証に係る公正証書の方式の特則)

第四百六十五条の七 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、同条第二項第一号イ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、同号の口授に代えなければならない。この場合における同項第二号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。

2 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第二項第二号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により保証人になろうとする者に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。

3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

 (公正証書の作成と求償権についての保証の効力)

第四百六十五条の八 第四百六十五条の六第一項及び第二項並びに前条の規定は、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約について準用する。主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。

2 前項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。

 (公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外)

第四百六十五条の九 前三条の規定は、保証人になろうとする者が次に掲げる者である保証契約については、適用しない。

 一 主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者

 二 主たる債務者が法人である場合の次に掲げる者

  イ 主たる債務者の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除く。以下この号において同じ。)の過半数を有する者

  ロ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者

  ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社及び当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者

  ニ 株式会社以外の法人が主たる債務者である場合におけるイ、ロ又はハに掲げる者に準ずる者

 三 主たる債務者(法人であるものを除く。以下この号において同じ。)と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者

 (契約締結時の情報の提供義務)

第四百六十五条の十 主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。

 一 財産及び収支の状況

 二 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況

 三 主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容

2 主たる債務者が前項各号に掲げる事項に関して情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者がその事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを債権者が知り又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。

3 前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。

 第三編第一章第三節第四款を同節第五款とする。

 第四百四十一条を削る。

 第四百四十条中「第四百三十四条から前条まで」を「第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

 第四百四十条を第四百四十一条とし、第四百三十九条を削り、第四百三十八条を第四百四十条とし、第四百三十七条を削る。

 第四百三十六条第一項中「すべて」を「全て」に改め、同条第二項中「についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用する」を「の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒む」に改め、同条を第四百三十九条とする。

 第四百三十五条中「すべて」を「全て」に改め、同条を第四百三十八条とし、第四百三十四条を削り、第四百三十三条を第四百三十七条とする。

 第四百三十二条の見出しを「(連帯債務者に対する履行の請求)」に改め、同条中「数人が連帯債務」を「債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務」に、「すべて」を「全て」に改め、同条を第四百三十六条とする。

 第四百四十二条第一項中「連帯債務者は」の下に「、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず」を加え、「各自の負担部分について」を「その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の」に改める。

 第四百四十三条第一項中「連帯債務者の一人が債権者から履行の請求を受けた」を「他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得る」に、「過失のある」を「その」に改め、同条第二項中「連帯債務者の一人が」を削り、「共同の免責を得た」の下に「連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得た」を加え、「弁済をし、その他有償の行為をもって免責を得た」を「弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をした」に、「その免責を得た」を「当該他の」に、「自己の弁済その他免責のためにした」を「その免責を得るための」に改める。

 第四百四十四条ただし書を削り、同条に次の二項を加える。

2 前項に規定する場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、等しい割合で分割して負担する。

3 前二項の規定にかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。

 第四百四十五条を次のように改める。

 (連帯債務者の一人との間の免除等と求償権)

第四百四十五条 連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる。

 第三編第一章第三節中第三款を第四款とし、第二款の次に次の一款を加える。

     第三款 連帯債権

 (連帯債権者による履行の請求等)

第四百三十二条 債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。

 (連帯債権者の一人との間の更改又は免除)

第四百三十三条 連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない。

 (連帯債権者の一人との間の相殺)

第四百三十四条 債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる。

 (連帯債権者の一人との間の混同)

第四百三十五条 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。

 (相対的効力の原則)

第四百三十五条の二 第四百三十二条から前条までに規定する場合を除き、連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。ただし、他の連帯債権者の一人及び債務者が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。

 第四百六十六条第二項を次のように改める。

2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

 第四百六十六条に次の二項を加える。

3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。

4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。

 第四百六十六条の次に次の見出し及び五条を加える。

 (譲渡制限の意思表示がされた債権に係る債務者の供託)

第四百六十六条の二 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債務の履行地が債権者の現在の住所により定まる場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。次条において同じ。)の供託所に供託することができる。

2 前項の規定により供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人及び譲受人に供託の通知をしなければならない。

3 第一項の規定により供託をした金銭は、譲受人に限り、還付を請求することができる。

第四百六十六条の三 前条第一項に規定する場合において、譲渡人について破産手続開始の決定があったときは、譲受人(同項の債権の全額を譲り受けた者であって、その債権の譲渡を債務者その他の第三者に対抗することができるものに限る。)は、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかったときであっても、債務者にその債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託させることができる。この場合においては、同条第二項及び第三項の規定を準用する。

 (譲渡制限の意思表示がされた債権の差押え)

第四百六十六条の四 第四百六十六条第三項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

2 前項の規定にかかわらず、譲受人その他の第三者が譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合において、その債権者が同項の債権に対する強制執行をしたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって差押債権者に対抗することができる。

 (預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力)

第四百六十六条の五 預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権(以下「預貯金債権」という。)について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第四百六十六条第二項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。

2 前項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた預貯金債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

 (将来債権の譲渡性)

第四百六十六条の六 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。

2 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。

3 前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定による通知をし、又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。

 第四百六十七条の見出し中「指名債権」を「債権」に改め、同条第一項中「指名債権の譲渡」を「債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)」に改める。

 第四百六十八条及び第四百六十九条を次のように改める。

 (債権の譲渡における債務者の抗弁)

第四百六十八条 債務者は、対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

2 第四百六十六条第四項の場合における前項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合における同項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。

 (債権の譲渡における相殺権)

第四百六十九条 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる。

2 債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、その債権が次に掲げるものであるときは、前項と同様とする。ただし、債務者が対抗要件具備時より後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

 一 対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権

 二 前号に掲げるもののほか、譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権

3 第四百六十六条第四項の場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合におけるこれらの規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。

 第四百七十条から第四百七十三条までを削る。

 第四百七十四条第一項ただし書を削り、同条第二項中「利害関係を有しない」を「弁済をするについて正当な利益を有する者でない」に改め、同項に次のただし書を加える。

  ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。

 第四百七十四条に次の二項を加える。

3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。

4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。

 第三編第一章第五節第一款第一目中第四百七十四条の前に次の一条を加える。

 (弁済)

第四百七十三条 債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。

 第四百七十五条の前の見出しを削り、同条に見出しとして「(弁済として引き渡した物の取戻し)」を付する。

 第四百七十六条を削る。

 第四百七十七条中「前二条」を「前条」に改め、同条を第四百七十六条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (預金又は貯金の口座に対する払込みによる弁済)

第四百七十七条 債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる。

 第四百七十八条の見出しを「(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)」に改め、同条中「債権の準占有者」を「受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するもの」に改める。

 第四百七十九条の見出しを「(受領権者以外の者に対する弁済)」に改め、同条中「弁済を受領する権限を有しない者」を「受領権者以外の者」に改める。

 第四百八十条を次のように改める。

第四百八十条 削除

 第四百八十一条の見出しを「(差押えを受けた債権の第三債務者の弁済)」に改め、同条第一項中「支払の差止めを受けた」を「差押えを受けた債権の」に改める。

 第四百八十二条中「債務者が、債権者の承諾を得て、その」を「弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の」に改め、「給付を」の下に「することにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付を」を加える。

 第四百八十三条中「である」の下に「場合において、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができない」を加える。

 第四百八十四条の見出しを「(弁済の場所及び時間)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる。

 第四百八十六条中「した者は」を「する者は、弁済と引換えに」に、「受領した」を「受領する」に改める。

 第四百八十八条の見出しを「(同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当)」に改め、同条第一項中「すべて」を「全て」に改め、「とき」の下に「(次条第一項に規定する場合を除く。)」を加え、同条に次の一項を加える。

4 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第一項又は第二項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。

 一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。

 二 全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。

 三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。

 四 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。

 第四百八十九条を次のように改める。

 (元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当)

第四百八十九条 債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合(債務者が数個の債務を負担する場合にあっては、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担するときに限る。)において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。

2 前条の規定は、前項の場合において、費用、利息又は元本のいずれかの全てを消滅させるのに足りない給付をしたときについて準用する。

 第四百九十一条を削る。

 第四百九十条中「前二条」を「前三条」に改め、同条を第四百九十一条とし、第四百八十九条の次に次の一条を加える。

 (合意による弁済の充当)

第四百九十条 前二条の規定にかかわらず、弁済をする者と弁済を受領する者との間に弁済の充当の順序に関する合意があるときは、その順序に従い、その弁済を充当する。

 第四百九十二条中「の不履行」を「を履行しないこと」に改め、「一切の」を削る。

 第四百九十四条を次のように改める。

 (供託)

第四百九十四条 弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。

 一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。

 二 債権者が弁済を受領することができないとき。

2 弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。

 第四百九十七条を次のように改める。

 (供託に適しない物等)

第四百九十七条 弁済者は、次に掲げる場合には、裁判所の許可を得て、弁済の目的物を競売に付し、その代金を供託することができる。

 一 その物が供託に適しないとき。

 二 その物について滅失、損傷その他の事由による価格の低落のおそれがあるとき。

 三 その物の保存について過分の費用を要するとき。

 四 前三号に掲げる場合のほか、その物を供託することが困難な事情があるとき。

 第四百九十八条の見出しを「(供託物の還付請求等)」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  弁済の目的物又は前条の代金が供託された場合には、債権者は、供託物の還付を請求することができる。

 第四百九十九条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(弁済による代位の要件)」を付し、同条第一項中「、その弁済と同時に債権者の承諾を得て」及び「ことができる」を削り、同条第二項を削る。

 第五百条を次のように改める。

第五百条 第四百六十七条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する。

 第五百一条中「、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において」を削り、後段及び各号を削り、同条に次の二項を加える。

2 前項の規定による権利の行使は、債権者に代位した者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償をすることができる範囲内(保証人の一人が他の保証人に対して債権者に代位する場合には、自己の権利に基づいて当該他の保証人に対して求償をすることができる範囲内)に限り、することができる。

3 第一項の場合には、前項の規定によるほか、次に掲げるところによる。

 一 第三取得者(債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、保証人及び物上保証人に対して債権者に代位しない。

 二 第三取得者の一人は、各財産の価格に応じて、他の第三取得者に対して債権者に代位する。

 三 前号の規定は、物上保証人の一人が他の物上保証人に対して債権者に代位する場合について準用する。

 四 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。

 五 第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、第三取得者とみなして第一号及び第二号の規定を適用し、物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、物上保証人とみなして第一号、第三号及び前号の規定を適用する。

 第五百二条第一項中「代位者は」の下に「、債権者の同意を得て」を、「行使する」の下に「ことができる」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

2 前項の場合であっても、債権者は、単独でその権利を行使することができる。

3 前二項の場合に債権者が行使する権利は、その債権の担保の目的となっている財産の売却代金その他の当該権利の行使によって得られる金銭について、代位者が行使する権利に優先する。

 第五百四条中「第五百条の規定により代位をすることができる者」を「弁済をするについて正当な利益を有する者(以下この項において「代位権者」という。)」に、「その代位をすることができる者は、その」を「その代位権者は、代位をするに当たって担保の」に、「できなくなった」を「できなくなる」に改め、同条に後段として次のように加える。

  その代位権者が物上保証人である場合において、その代位権者から担保の目的となっている財産を譲り受けた第三者及びその特定承継人についても、同様とする。

 第五百四条に次の一項を加える。

2 前項の規定は、債権者が担保を喪失し、又は減少させたことについて取引上の社会通念に照らして合理的な理由があると認められるときは、適用しない。

 第五百五条第二項を次のように改める。

2 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

 第五百九条を次のように改める。

 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)

第五百九条 次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。

 一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務

 二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)

 第五百十一条の見出し中「支払の差止め」を「差押え」に改め、同条中「支払の差止めを受けた」を「差押えを受けた債権の」に、「その」を「差押え」に、「ができない」を「はできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

 第五百十二条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(相殺の充当)」を付し、同条を次のように改める。

第五百十二条 債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と、債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について、債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する。

2 前項の場合において、相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって、当事者が別段の合意をしなかったときは、次に掲げるところによる。

 一 債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は、第四百八十八条第四項第二号から第四号までの規定を準用する。

 二 債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは、第四百八十九条の規定を準用する。この場合において、同条第二項中「前条」とあるのは、「前条第四項第二号から第四号まで」と読み替えるものとする。

3 第一項の場合において、相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅させるのに足りないときは、前項の規定を準用する。

 第三編第一章第五節第二款中第五百十二条の次に次の一条を加える。

第五百十二条の二 債権者が債務者に対して有する債権に、一個の債権の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺については、前条の規定を準用する。債権者が債務者に対して負担する債務に、一個の債務の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺についても、同様とする。

 第五百十三条第一項中「債務の要素を変更する」を「従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる」に、「その」を「従前の」に改め、同項に次の各号を加える。

 一 従前の給付の内容について重要な変更をするもの

 二 従前の債務者が第三者と交替するもの

 三 従前の債権者が第三者と交替するもの

 第五百十三条第二項を削る。

 第五百十四条ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。

  この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。

 第五百十四条に次の一項を加える。

2 債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。

 第五百十五条の前の見出しを削り、同条に見出しとして「(債権者の交替による更改)」を付し、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。

 第五百十六条及び第五百十七条を次のように改める。

第五百十六条及び第五百十七条 削除

 第五百十八条中「更改の当事者」を「債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。

 第三編第一章中第五節を第六節とし、第四節の次に次の一節を加える。

    第五節 債務の引受け

     第一款 併存的債務引受

 (併存的債務引受の要件及び効果)

第四百七十条 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。

2 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

3 併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。

4 前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。

 (併存的債務引受における引受人の抗弁等)

第四百七十一条 引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。

2 債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、これらの権利の行使によって債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

     第二款 免責的債務引受

 (免責的債務引受の要件及び効果)

第四百七十二条 免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。

2 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。

3 免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。

 (免責的債務引受における引受人の抗弁等)

第四百七十二条の二 引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。

2 債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、免責的債務引受がなければこれらの権利の行使によって債務者がその債務を免れることができた限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

 (免責的債務引受における引受人の求償権)

第四百七十二条の三 免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。

 (免責的債務引受による担保の移転)

第四百七十二条の四 債権者は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。

2 前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。

3 前二項の規定は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。

4 前項の場合において、同項において準用する第一項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。

5 前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

 第三編第一章に次の一節を加える。

    第七節 有価証券

     第一款 指図証券

 (指図証券の譲渡)

第五百二十条の二 指図証券の譲渡は、その証券に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、その効力を生じない。

 (指図証券の裏書の方式)

第五百二十条の三 指図証券の譲渡については、その指図証券の性質に応じ、手形法(昭和七年法律第二十号)中裏書の方式に関する規定を準用する。

 (指図証券の所持人の権利の推定)

第五百二十条の四 指図証券の所持人が裏書の連続によりその権利を証明するときは、その所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。

 (指図証券の善意取得)

第五百二十条の五 何らかの事由により指図証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。

 (指図証券の譲渡における債務者の抗弁の制限)

第五百二十条の六 指図証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。

 (指図証券の質入れ)

第五百二十条の七 第五百二十条の二から前条までの規定は、指図証券を目的とする質権の設定について準用する。

 (指図証券の弁済の場所)

第五百二十条の八 指図証券の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。

 (指図証券の提示と履行遅滞)

第五百二十条の九 指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。

 (指図証券の債務者の調査の権利等)

第五百二十条の十 指図証券の債務者は、その証券の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。

 (指図証券の喪失)

第五百二十条の十一 指図証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。

 (指図証券喪失の場合の権利行使方法)

第五百二十条の十二 金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする指図証券の所持人がその指図証券を喪失した場合において、非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、その債務者に、その債務の目的物を供託させ、又は相当の担保を供してその指図証券の趣旨に従い履行をさせることができる。

     第二款 記名式所持人払証券

 (記名式所持人払証券の譲渡)

第五百二十条の十三 記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。

 (記名式所持人払証券の所持人の権利の推定)

第五百二十条の十四 記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。

 (記名式所持人払証券の善意取得)

第五百二十条の十五 何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。

 (記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限)

第五百二十条の十六 記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。

 (記名式所持人払証券の質入れ)

第五百二十条の十七 第五百二十条の十三から前条までの規定は、記名式所持人払証券を目的とする質権の設定について準用する。

 (指図証券の規定の準用)

第五百二十条の十八 第五百二十条の八から第五百二十条の十二までの規定は、記名式所持人払証券について準用する。

     第三款 その他の記名証券

第五百二十条の十九 債権者を指名する記載がされている証券であって指図証券及び記名式所持人払証券以外のものは、債権の譲渡又はこれを目的とする質権の設定に関する方式に従い、かつ、その効力をもってのみ、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。

2 第五百二十条の十一及び第五百二十条の十二の規定は、前項の証券について準用する。

     第四款 無記名証券

第五百二十条の二十 第二款(記名式所持人払証券)の規定は、無記名証券について準用する。

 第五百二十五条を削る。

 第五百二十四条中「隔地者に対して」を削り、同条に次のただし書を加える。

  ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。

 第五百二十四条に次の二項を加える。

2 対話者に対してした前項の申込みは、同項の規定にかかわらず、その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。

3 対話者に対してした第一項の申込みに対して対話が継続している間に申込者が承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。ただし、申込者が対話の終了後もその申込みが効力を失わない旨を表示したときは、この限りでない。

 第五百二十四条を第五百二十五条とし、第五百二十三条を第五百二十四条とし、第五百二十二条を削る。

 第五百二十一条第一項中「契約の」を削り、同項に次のただし書を加える。

  ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。

 第五百二十一条を第五百二十三条とし、第三編第二章第一節第一款中同条の前に次の二条を加える。

 (契約の締結及び内容の自由)

第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。

2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。

 (契約の成立と方式)

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

 第五百二十六条及び第五百二十七条を次のように改める。

 (申込者の死亡等)

第五百二十六条 申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。

 (承諾の通知を必要としない場合における契約の成立時期)

第五百二十七条 申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。

 第五百二十九条中「この款において」を削り、「その行為をした者」の下に「がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者」を加え、同条の次に次の二条を加える。

 (指定した行為をする期間の定めのある懸賞広告)

第五百二十九条の二 懸賞広告者は、その指定した行為をする期間を定めてした広告を撤回することができない。ただし、その広告において撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。

2 前項の広告は、その期間内に指定した行為を完了する者がないときは、その効力を失う。

 (指定した行為をする期間の定めのない懸賞広告)

第五百二十九条の三 懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、その指定した行為をする期間を定めないでした広告を撤回することができる。ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。

 第五百三十条を次のように改める。

 (懸賞広告の撤回の方法)

第五百三十条 前の広告と同一の方法による広告の撤回は、これを知らない者に対しても、その効力を有する。

2 広告の撤回は、前の広告と異なる方法によっても、することができる。ただし、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。

 第五百三十三条中「その債務の履行」の下に「(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)」を加える。

 第五百三十四条及び第五百三十五条を次のように改める。

第五百三十四条及び第五百三十五条 削除

 第五百三十六条第一項中「前二条に規定する場合を除き、」を削り、「債務者」を「債権者」に、「を受ける権利を有しない」を「の履行を拒むことができる」に改め、同条第二項中「債務者」を「債権者」に、「を受ける権利を失わない」を「の履行を拒むことができない」に改め、「において」の下に「、債務者は」を加える。

 第五百三十七条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。

 第五百三十八条に次の一項を加える。

2 前条の規定により第三者の権利が発生した後に、債務者がその第三者に対する債務を履行しない場合には、同条第一項の契約の相手方は、その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。

 第五百四十一条の見出しを「(催告による解除)」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

 第五百四十二条及び第五百四十三条を次のように改める。

 (催告によらない解除)

第五百四十二条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。

 一 債務の全部の履行が不能であるとき。

 二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

 三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

 四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。

 五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

2 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。

 一 債務の一部の履行が不能であるとき。

 二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

 (債権者の責めに帰すべき事由による場合)

第五百四十三条 債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。

 第五百四十五条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 第一項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない。

 第五百四十八条の見出し中「行為等」を「故意による目的物の損傷等」に改め、同条第一項中「自己の行為」を「故意」に改め、同項に次のただし書を加える。

  ただし、解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかったときは、この限りでない。

 第五百四十八条第二項を削る。

 第三編第二章第一節中第三款を第四款とし、第二款の次に次の一款を加える。

     第三款 契約上の地位の移転

第五百三十九条の二 契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移転する。

 第三編第二章第一節に次の一款を加える。

     第五款 定型約款

 (定型約款の合意)

第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。

 一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。

 二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。

2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。

 (定型約款の内容の表示)

第五百四十八条の三 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。

2 定型約款準備者が定型取引合意の前において前項の請求を拒んだときは、前条の規定は、適用しない。ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。

 (定型約款の変更)

第五百四十八条の四 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。

 一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。

 二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。

2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。

3 第一項第二号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。

4 第五百四十八条の二第二項の規定は、第一項の規定による定型約款の変更については、適用しない。

 第五百四十九条中「自己の」を「ある」に改める。

 第五百五十条の見出し中「撤回」を「解除」に改め、同条中「撤回する」を「解除をする」に改める。

 第五百五十一条の見出しを「(贈与者の引渡義務等)」に改め、同条第一項を次のように改める。

  贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。

 第五百五十七条第一項中「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して」を「買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して」に改め、同項に次のただし書を加える。

  ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。

 第五百五十七条第二項中「第五百四十五条第三項」を「第五百四十五条第四項」に改める。

 第五百六十条から第五百六十二条までを次のように改める。

 (権利移転の対抗要件に係る売主の義務)

第五百六十条 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。

 (他人の権利の売買における売主の義務)

第五百六十一条 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

 (買主の追完請求権)

第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。

2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。

 第五百六十三条の前の見出しを削り、同条から第五百六十七条までを次のように改める。

 (買主の代金減額請求権)

第五百六十三条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。

 一 履行の追完が不能であるとき。

 二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

 三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。

 四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。

3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。

 (買主の損害賠償請求及び解除権の行使)

第五百六十四条 前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。

 (移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)

第五百六十五条 前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。

 (目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

 (目的物の滅失等についての危険の移転)

第五百六十七条 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。

2 売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。

 第五百六十八条の見出しを「(競売における担保責任等)」に改め、同条第一項中「強制競売」を「民事執行法その他の法律の規定に基づく競売(以下この条において単に「競売」という。)」に、「第五百六十一条から前条まで」を「第五百四十一条及び第五百四十二条の規定並びに第五百六十三条(第五百六十五条において準用する場合を含む。)」に改め、同条に次の一項を加える。

4 前三項の規定は、競売の目的物の種類又は品質に関する不適合については、適用しない。

 第五百七十条及び第五百七十一条を次のように改める。

 (抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求)

第五百七十条 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権、質権又は抵当権が存していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、買主は、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。

第五百七十一条 削除

 第五百七十二条中「第五百六十条から前条までの規定による」を「第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における」に改める。

 第五百七十六条の見出し中「失う」を「取得することができない等の」に改め、同条中「ために」を「ことその他の事由により、」に、「又は一部を」を「若しくは一部を取得することができず、又は」に、「限度」を「程度」に改める。

 第五百七十七条中「不動産について」の下に「契約の内容に適合しない」を加える。

 第五百七十九条中「支払った代金」の下に「(別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額。第五百八十三条第一項において同じ。)」を加える。

 第五百八十一条第一項中「対しても、その効力を生ずる」を「対抗することができる」に改め、同条第二項中「登記をした」を「前項の登記がされた後に第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた」に改める。

 第五百八十七条の次に次の一条を加える。

 (書面でする消費貸借等)

第五百八十七条の二 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。

3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。

4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

 第五百八十八条中「消費貸借によらないで」を削る。

 第五百八十九条及び第五百九十条を次のように改める。

 (利息)

第五百八十九条 貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。

2 前項の特約があるときは、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる。

 (貸主の引渡義務等)

第五百九十条 第五百五十一条の規定は、前条第一項の特約のない消費貸借について準用する。

2 前条第一項の特約の有無にかかわらず、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。

 第五百九十一条第二項中「借主は」の下に「、返還の時期の定めの有無にかかわらず」を加え、同条に次の一項を加える。

3 当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたことによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。

 第五百九十三条中「一方が」の下に「ある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について」を加え、「した後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取る」を「して契約が終了したときに返還をすることを約する」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)

第五百九十三条の二 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。

 第五百九十六条の見出しを「(貸主の引渡義務等)」に改める。

 第五百九十七条から第五百九十九条までを次のように改める。

 (期間満了等による使用貸借の終了)

第五百九十七条 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。

2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。

3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

 (使用貸借の解除)

第五百九十八条 貸主は、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。

2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。

3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる。

 (借主による収去等)

第五百九十九条 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。ただし、借用物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。

2 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。

3 借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 第六百条に次の一項を加える。

2 前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 第六百一条中「支払うこと」の下に「及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還すること」を加える。

 第六百二条中「処分につき行為能力の制限を受けた者又は」を削り、同条に後段として次のように加える。

  契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、当該各号に定める期間とする。

 第六百四条中「二十年」を「五十年」に改める。

 第六百五条中「その後」を削り、「に対しても、その効力を生ずる」を「その他の第三者に対抗することができる」に改め、同条の次に次の三条を加える。

 (不動産の賃貸人たる地位の移転)

第六百五条の二 前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。

2 前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。

3 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。

4 第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。

 (合意による不動産の賃貸人たる地位の移転)

第六百五条の三 不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができる。この場合においては、前条第三項及び第四項の規定を準用する。

 (不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)

第六百五条の四 不動産の賃借人は、第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。

 一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の請求

 二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求

 第六百六条の見出しを「(賃貸人による修繕等)」に改め、同条第一項に次のただし書を加える。

  ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

 第六百七条の次に次の一条を加える。

 (賃借人による修繕)

第六百七条の二 賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。

 一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。

 二 急迫の事情があるとき。

 第六百九条中「収益を目的」を「耕作又は牧畜を目的」に改め、ただし書を削る。

 第六百十一条の見出しを「(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)」に改め、同条第一項を次のように改める。

  賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。

 第六百十一条第二項中「前項の」を「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった」に改める。

 第六百十三条第一項中「に対して直接に」を「と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する」に改め、同条に次の一項を加える。

3 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない。ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない。

 第六百十六条の見出しを「(賃借人による使用及び収益)」に改め、同条中「、第五百九十七条第一項及び第五百九十八条」を削る。

 第三編第二章第七節第三款中第六百十七条の前に次の一条を加える。

 (賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了)

第六百十六条の二 賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。

 第六百十九条第二項ただし書中「ただし、」の下に「第六百二十二条の二第一項に規定する」を加える。

 第六百二十条中「おいて、当事者の一方に過失があったときは、その者に対する」を「おいては、」に改める。

 第六百二十一条及び第六百二十二条を次のように改める。

 (賃借人の原状回復義務)

第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 (使用貸借の規定の準用)

第六百二十二条 第五百九十七条第一項、第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百条の規定は、賃貸借について準用する。

 第三編第二章第七節に次の一款を加える。

     第四款 敷金

第六百二十二条の二 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

 一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。

 二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。

2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

 第六百二十四条の次に次の一条を加える。

 (履行の割合に応じた報酬)

第六百二十四条の二 労働者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

 一 使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき。

 二 雇用が履行の中途で終了したとき。

 第六百二十六条第一項中「雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべき」を「その終期が不確定である」に改め、ただし書を削り、同条第二項中「ときは、三箇月前に」を「者は、それが使用者であるときは三箇月前、労働者であるときは二週間前に、」に改める。

 第六百二十七条第二項中「には、」の下に「使用者からの」を加える。

 第六百三十四条の前の見出しを削り、同条から第六百三十六条までを次のように改める。

 (注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)

第六百三十四条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

 一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。

 二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

第六百三十五条 削除

 (請負人の担保責任の制限)

第六百三十六条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

 第六百三十七条の前の見出しを削り、同条から第六百四十条までを次のように改める。

 (目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

第六百三十七条 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。

第六百三十八条から第六百四十条まで 削除

 第六百四十二条第一項後段を削り、同項に次のただし書を加える。

  ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後は、この限りでない。

 第六百四十二条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 前項に規定する場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。

 第六百四十四条の次に次の一条を加える。

 (復受任者の選任等)

第六百四十四条の二 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。

2 代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う。

 第六百四十八条第三項を次のように改める。

3 受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

 一 委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。

 二 委任が履行の中途で終了したとき。

 第六百四十八条の次に次の一条を加える。

 (成果等に対する報酬)

第六百四十八条の二 委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。

2 第六百三十四条の規定は、委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合について準用する。

 第六百五十一条第二項を次のように改める。

2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

 一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。

 二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。

 第六百五十七条中「相手方のために保管をすることを約してある物を受け取る」を「ある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾する」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (寄託物受取り前の寄託者による寄託の解除等)

第六百五十七条の二 寄託者は、受寄者が寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、受寄者は、その契約の解除によって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。

2 無報酬の受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による寄託については、この限りでない。

3 受寄者(無報酬で寄託を受けた場合にあっては、書面による寄託の受寄者に限る。)は、寄託物を受け取るべき時期を経過したにもかかわらず、寄託者が寄託物を引き渡さない場合において、相当の期間を定めてその引渡しの催告をし、その期間内に引渡しがないときは、契約の解除をすることができる。

 第六百五十八条第一項中「使用し、又は第三者にこれを保管させる」を「使用する」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 受寄者は、寄託者の承諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、寄託物を第三者に保管させることができない。

 第六百五十八条に次の一項を加える。

3 再受寄者は、寄託者に対して、その権限の範囲内において、受寄者と同一の権利を有し、義務を負う。

 第六百五十九条の見出しを「(無報酬の受寄者の注意義務)」に改め、同条中「で寄託を受けた者」を「の受寄者」に改める。

 第六百六十条の見出しを「(受寄者の通知義務等)」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、寄託者が既にこれを知っているときは、この限りでない。

 第六百六十条に次の二項を加える。

2 第三者が寄託物について権利を主張する場合であっても、受寄者は、寄託者の指図がない限り、寄託者に対しその寄託物を返還しなければならない。ただし、受寄者が前項の通知をした場合又は同項ただし書の規定によりその通知を要しない場合において、その寄託物をその第三者に引き渡すべき旨を命ずる確定判決(確定判決と同一の効力を有するものを含む。)があったときであって、その第三者にその寄託物を引き渡したときは、この限りでない。

3 受寄者は、前項の規定により寄託者に対して寄託物を返還しなければならない場合には、寄託者にその寄託物を引き渡したことによって第三者に損害が生じたときであっても、その賠償の責任を負わない。

 第六百六十二条の見出しを「(寄託者による返還請求等)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項に規定する場合において、受寄者は、寄託者がその時期の前に返還を請求したことによって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。

 第六百六十四条の次に次の一条を加える。

 (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)

第六百六十四条の二 寄託物の一部滅失又は損傷によって生じた損害の賠償及び受寄者が支出した費用の償還は、寄託者が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。

2 前項の損害賠償の請求権については、寄託者が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 第六百六十五条中「第六百五十条まで(同条第三項を除く。)」を「第六百四十八条まで、第六百四十九条並びに第六百五十条第一項及び第二項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (混合寄託)

第六百六十五条の二 複数の者が寄託した物の種類及び品質が同一である場合には、受寄者は、各寄託者の承諾を得たときに限り、これらを混合して保管することができる。

2 前項の規定に基づき受寄者が複数の寄託者からの寄託物を混合して保管したときは、寄託者は、その寄託した物と同じ数量の物の返還を請求することができる。

3 前項に規定する場合において、寄託物の一部が滅失したときは、寄託者は、混合して保管されている総寄託物に対するその寄託した物の割合に応じた数量の物の返還を請求することができる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。

 第六百六十六条を次のように改める。

 (消費寄託)

第六百六十六条 受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合には、受寄者は、寄託された物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還しなければならない。

2 第五百九十条及び第五百九十二条の規定は、前項に規定する場合について準用する。

3 第五百九十一条第二項及び第三項の規定は、預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合について準用する。

 第六百六十七条の次に次の二条を加える。

 (他の組合員の債務不履行)

第六百六十七条の二 第五百三十三条及び第五百三十六条の規定は、組合契約については、適用しない。

2 組合員は、他の組合員が組合契約に基づく債務の履行をしないことを理由として、組合契約を解除することができない。

 (組合員の一人についての意思表示の無効等)

第六百六十七条の三 組合員の一人について意思表示の無効又は取消しの原因があっても、他の組合員の間においては、組合契約は、その効力を妨げられない。

 第六百七十条の見出し中「業務の」の下に「決定及び」を加え、同条第一項中「の執行」を削り、「で決する」を「をもって決定し、各組合員がこれを執行する」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 組合の業務の決定及び執行は、組合契約の定めるところにより、一人又は数人の組合員又は第三者に委任することができる。

 第六百七十条第三項中「前二項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

3 前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。

4 前項の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。

 第六百七十条の次に次の一条を加える。

 (組合の代理)

第六百七十条の二 各組合員は、組合の業務を執行する場合において、組合員の過半数の同意を得たときは、他の組合員を代理することができる。

2 前項の規定にかかわらず、業務執行者があるときは、業務執行者のみが組合員を代理することができる。この場合において、業務執行者が数人あるときは、各業務執行者は、業務執行者の過半数の同意を得たときに限り、組合員を代理することができる。

3 前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者は、組合の常務を行うときは、単独で組合員を代理することができる。

 第六百七十一条中「業務を」の下に「決定し、又は」を加える。

 第六百七十二条第一項中「組合契約で」を「組合契約の定めるところにより」に改め、「業務の」の下に「決定及び」を加える。

 第六百七十三条中「を執行する」を「の決定及び執行をする」に改める。

 第六百七十五条の見出しを「(組合の債権者の権利の行使)」に改め、同条中「その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合で」を「組合財産について」に改め、同条に次の一項を加える。

2 組合の債権者は、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合又は等しい割合でその権利を行使することができる。ただし、組合の債権者がその債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていたときは、その割合による。

 第六百七十六条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

2 組合員は、組合財産である債権について、その持分についての権利を単独で行使することができない。

 第六百七十七条を次のように改める。

 (組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止)

第六百七十七条 組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。

 第六百七十七条の次に次の一条を加える。

 (組合員の加入)

第六百七十七条の二 組合員は、その全員の同意によって、又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。

2 前項の規定により組合の成立後に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務については、これを弁済する責任を負わない。

 第六百八十条の次に次の一条を加える。

 (脱退した組合員の責任等)

第六百八十条の二 脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。

2 脱退した組合員は、前項に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。

 第六百八十二条中「その目的である事業の成功又はその成功の不能」を「次に掲げる事由」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 組合の目的である事業の成功又はその成功の不能

 二 組合契約で定めた存続期間の満了

 三 組合契約で定めた解散の事由の発生

 四 総組合員の同意

 第六百八十五条第二項中「総組合員」を「組合員」に改める。

 第六百八十六条を次のように改める。

 (清算人の業務の決定及び執行の方法)

第六百八十六条 第六百七十条第三項から第五項まで並びに第六百七十条の二第二項及び第三項の規定は、清算人について準用する。

 第六百八十七条中「組合契約で」を「組合契約の定めるところにより」に改める。

 第七百二十二条の見出し中「方法」の下に「、中間利息の控除」を加え、同条第一項中「第四百十七条」の下に「及び第四百十七条の二」を加える。

 第七百二十四条を次のように改める。

 (不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

 二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

 第三編第五章中第七百二十四条の次に次の一条を加える。

 (人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条の二 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

 第千十二条第二項中「第六百四十四条」の下に「、第六百四十五条」を加える。

 第千十六条第二項を削る。

 第千十八条第二項中「第三項」の下に「並びに第六百四十八条の二」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第三十七条の規定 公布の日

 二 附則第三十三条第三項の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

 三 附則第二十一条第二項及び第三項の規定 公布の日から起算して二年九月を超えない範囲内において政令で定める日

 (意思能力に関する経過措置)

第二条 この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)第三条の二の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた意思表示については、適用しない。

 (行為能力に関する経過措置)

第三条 施行日前に制限行為能力者(新法第十三条第一項第十号に規定する制限行為能力者をいう。以下この条において同じ。)が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、同項及び新法第百二条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (無記名債権に関する経過措置)

第四条 施行日前に生じたこの法律による改正前の民法(以下「旧法」という。)第八十六条第三項に規定する無記名債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。

 (公序良俗に関する経過措置)

第五条 施行日前にされた法律行為については、新法第九十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (意思表示に関する経過措置)

第六条 施行日前にされた意思表示については、新法第九十三条、第九十五条、第九十六条第二項及び第三項並びに第九十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 施行日前に通知が発せられた意思表示については、新法第九十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (代理に関する経過措置)

第七条 施行日前に代理権の発生原因が生じた場合(代理権授与の表示がされた場合を含む。)におけるその代理については、附則第三条に規定するもののほか、なお従前の例による。

2 施行日前に無権代理人が代理人として行為をした場合におけるその無権代理人の責任については、新法第百十七条(新法第百十八条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (無効及び取消しに関する経過措置)

第八条 施行日前に無効な行為に基づく債務の履行として給付がされた場合におけるその給付を受けた者の原状回復の義務については、新法第百二十一条の二(新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 施行日前に取り消すことができる行為がされた場合におけるその行為の追認(法定追認を含む。)については、新法第百二十二条、第百二十四条及び第百二十五条(これらの規定を新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (条件に関する経過措置)

第九条 新法第百三十条第二項の規定は、施行日前にされた法律行為については、適用しない。

 (時効に関する経過措置)

第十条 施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。以下同じ。)におけるその債権の消滅時効の援用については、新法第百四十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 施行日前に旧法第百四十七条に規定する時効の中断の事由又は旧法第百五十八条から第百六十一条までに規定する時効の停止の事由が生じた場合におけるこれらの事由の効力については、なお従前の例による。

3 新法第百五十一条の規定は、施行日前に権利についての協議を行う旨の合意が書面でされた場合(その合意の内容を記録した電磁的記録(新法第百五十一条第四項に規定する電磁的記録をいう。附則第三十三条第二項において同じ。)によってされた場合を含む。)におけるその合意については、適用しない。

4 施行日前に債権が生じた場合におけるその債権の消滅時効の期間については、なお従前の例による。

 (債権を目的とする質権の対抗要件に関する経過措置)

第十一条 施行日前に設定契約が締結された債権を目的とする質権の対抗要件については、新法第三百六十四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (指図債権に関する経過措置)

第十二条 施行日前に生じた旧法第三百六十五条に規定する指図債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。

 (根抵当権に関する経過措置)

第十三条 施行日前に設定契約が締結された根抵当権の被担保債権の範囲については、新法第三百九十八条の二第三項及び第三百九十八条の三第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 新法第三百九十八条の七第三項の規定は、施行日前に締結された債務の引受けに関する契約については、適用しない。

3 施行日前に締結された更改の契約に係る根抵当権の移転については、新法第三百九十八条の七第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (債権の目的に関する経過措置)

第十四条 施行日前に債権が生じた場合におけるその債務者の注意義務については、新法第四百条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第十五条 施行日前に利息が生じた場合におけるその利息を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 新法第四百四条第四項の規定により法定利率に初めて変動があるまでの各期における同項の規定の適用については、同項中「この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)」とあるのは「民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第▼▼▼号)の施行後最初の期」と、「直近変動期における法定利率」とあるのは「年三パーセント」とする。

第十六条 施行日前に債権が生じた場合における選択債権の不能による特定については、新法第四百十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (債務不履行の責任等に関する経過措置)

第十七条 施行日前に債務が生じた場合(施行日以後に債務が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。附則第二十五条第一項において同じ。)におけるその債務不履行の責任等については、新法第四百十二条第二項、第四百十二条の二から第四百十三条の二まで、第四百十五条、第四百十六条第二項、第四百十八条及び第四百二十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 新法第四百十七条の二(新法第七百二十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に生じた将来において取得すべき利益又は負担すべき費用についての損害賠償請求権については、適用しない。

3 施行日前に債務者が遅滞の責任を負った場合における遅延損害金を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百十九条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 施行日前にされた旧法第四百二十条第一項に規定する損害賠償の額の予定に係る合意及び旧法第四百二十一条に規定する金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨の予定に係る合意については、なお従前の例による。

 (債権者代位権に関する経過措置)

第十八条 施行日前に旧法第四百二十三条第一項に規定する債務者に属する権利が生じた場合におけるその権利に係る債権者代位権については、なお従前の例による。

2 新法第四百二十三条の七の規定は、施行日前に生じた同条に規定する譲渡人が第三者に対して有する権利については、適用しない。

 (詐害行為取消権に関する経過措置)

第十九条 施行日前に旧法第四百二十四条第一項に規定する債務者が債権者を害することを知ってした法律行為がされた場合におけるその行為に係る詐害行為取消権については、なお従前の例による。

 (不可分債権、不可分債務、連帯債権及び連帯債務に関する経過措置)

第二十条 施行日前に生じた旧法第四百二十八条に規定する不可分債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。

2 施行日前に生じた旧法第四百三十条に規定する不可分債務及び旧法第四百三十二条に規定する連帯債務(これらの原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。

3 新法第四百三十二条から第四百三十五条の二までの規定は、施行日前に生じた新法第四百三十二条に規定する債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、適用しない。

 (保証債務に関する経過措置)

第二十一条 施行日前に締結された保証契約に係る保証債務については、なお従前の例による。

2 保証人になろうとする者は、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第一項(新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の公正証書の作成を嘱託することができる。

3 公証人は、前項の規定による公正証書の作成の嘱託があった場合には、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第二項及び第四百六十五条の七(これらの規定を新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の規定の例により、その作成をすることができる。

 (債権の譲渡に関する経過措置)

第二十二条 施行日前に債権の譲渡の原因である法律行為がされた場合におけるその債権の譲渡については、新法第四百六十六条から第四百六十九条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (債務の引受けに関する経過措置)

第二十三条 新法第四百七十条から第四百七十二条の四までの規定は、施行日前に締結された債務の引受けに関する契約については、適用しない。

 (記名式所持人払債権に関する経過措置)

第二十四条 施行日前に生じた旧法第四百七十一条に規定する記名式所持人払債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。

 (弁済に関する経過措置)

第二十五条 施行日前に債務が生じた場合におけるその債務の弁済については、次項に規定するもののほか、なお従前の例による。

2 施行日前に弁済がされた場合におけるその弁済の充当については、新法第四百八十八条から第四百九十一条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (相殺に関する経過措置)

第二十六条 施行日前にされた旧法第五百五条第二項に規定する意思表示については、なお従前の例による。

2 施行日前に債権が生じた場合におけるその債権を受働債権とする相殺については、新法第五百九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 施行日前の原因に基づいて債権が生じた場合におけるその債権を自働債権とする相殺(差押えを受けた債権を受働債権とするものに限る。)については、新法第五百十一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 施行日前に相殺の意思表示がされた場合におけるその相殺の充当については、新法第五百十二条及び第五百十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (更改に関する経過措置)

第二十七条 施行日前に旧法第五百十三条に規定する更改の契約が締結された更改については、なお従前の例による。

 (有価証券に関する経過措置)

第二十八条 新法第五百二十条の二から第五百二十条の二十までの規定は、施行日前に発行された証券については、適用しない。

 (契約の成立に関する経過措置)

第二十九条 施行日前に契約の申込みがされた場合におけるその申込み及びこれに対する承諾については、なお従前の例による。

2 施行日前に通知が発せられた契約の申込みについては、新法第五百二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 施行日前にされた懸賞広告については、新法第五百二十九条から第五百三十条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (契約の効力に関する経過措置)

第三十条 施行日前に締結された契約に係る同時履行の抗弁及び危険負担については、なお従前の例による。

2 新法第五百三十七条第二項及び第五百三十八条第二項の規定は、施行日前に締結された第三者のためにする契約については、適用しない。

 (契約上の地位の移転に関する経過措置)

第三十一条 新法第五百三十九条の二の規定は、施行日前にされた契約上の地位を譲渡する旨の合意については、適用しない。

 (契約の解除に関する経過措置)

第三十二条 施行日前に契約が締結された場合におけるその契約の解除については、新法第五百四十一条から第五百四十三条まで、第五百四十五条第三項及び第五百四十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (定型約款に関する経過措置)

第三十三条 新法第五百四十八条の二から第五百四十八条の四までの規定は、施行日前に締結された定型取引(新法第五百四十八条の二第一項に規定する定型取引をいう。)に係る契約についても、適用する。ただし、旧法の規定によって生じた効力を妨げない。

2 前項の規定は、同項に規定する契約の当事者の一方(契約又は法律の規定により解除権を現に行使することができる者を除く。)により反対の意思の表示が書面でされた場合(その内容を記録した電磁的記録によってされた場合を含む。)には、適用しない。

3 前項に規定する反対の意思の表示は、施行日前にしなければならない。

 (贈与等に関する経過措置)

第三十四条 施行日前に贈与、売買、消費貸借(旧法第五百八十九条に規定する消費貸借の予約を含む。)、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託又は組合の各契約が締結された場合におけるこれらの契約及びこれらの契約に付随する買戻しその他の特約については、なお従前の例による。

2 前項の規定にかかわらず、新法第六百四条第二項の規定は、施行日前に賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその契約の更新に係る合意がされるときにも適用する。

3 第一項の規定にかかわらず、新法第六百五条の四の規定は、施行日前に不動産の賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその不動産の占有を第三者が妨害し、又はその不動産を第三者が占有しているときにも適用する。

 (不法行為等に関する経過措置)

第三十五条 旧法第七百二十四条後段(旧法第九百三十四条第三項(旧法第九百三十六条第三項、第九百四十七条第三項、第九百五十条第二項及び第九百五十七条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する期間がこの法律の施行の際既に経過していた場合におけるその期間の制限については、なお従前の例による。

2 新法第七百二十四条の二の規定は、不法行為による損害賠償請求権の旧法第七百二十四条前段に規定する時効がこの法律の施行の際既に完成していた場合については、適用しない。

 (遺言執行者の復任権及び報酬に関する経過措置)

第三十六条 施行日前に遺言執行者となった者の旧法第千十六条第二項において準用する旧法第百五条に規定する責任については、なお従前の例による。

2 施行日前に遺言執行者となった者の報酬については、新法第千十八条第二項において準用する新法第六百四十八条第三項及び第六百四十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(法務・内閣総理大臣署名)

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