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法律第三十四号(平一〇・三・三一)

  ◎土地の再評価に関する法律(衆法)

 (目的)

第一条 この法律は、法人が所有している事業用土地の再評価に関し必要な事項を定めることにより、金融の円滑に資するとともに、企業経営の健全性の向上に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「事業用土地」とは、この法律の施行地内にある土地で、販売を目的として所有するもの以外のものをいう。

2 この法律において「再評価」とは、事業用土地について時価による評価を行い、当該事業用土地の帳簿価額を改定することをいう。

3 この法律において「再評価額」とは、再評価により事業用土地の帳簿価額が改定される場合における当該改定後の帳簿価額をいう。

 (土地の再評価)

第三条 次に掲げる法人で事業用土地を所有するものは、商法(明治三十二年法律第四十八号)第三十四条第二号(他の法律において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定にかかわらず、その事業用土地について再評価を行うことができる。

 一 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)第二条に規定する株式会社(同条の規定を他の法律において準用することにより会計監査人の監査を受けなければならないこととされている法人を含む。)

 二 信用金庫及び信用金庫連合会

 三 労働金庫及び労働金庫連合会

 四 信用協同組合及び中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会

 五 農林中央金庫

 六 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会

 七 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合及び同法第八十七条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合連合会

 八 水産業協同組合法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合及び同法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会

2 法人は、前項の規定により再評価を行う場合には、その所有するすべての事業用土地について再評価を行わなければならない。

3 法人は、第一項の規定により再評価を行った場合には、当該再評価の方法について貸借対照表に注記しなければならない。

4 第一項の規定による再評価の方法に関し必要な事項は、政令で定める。

 (信託財産の取扱い)

第四条 信託財産である事業用土地については、受益者が当該事業用土地を所有するものとみなして、この法律の規定を適用する。

 (再評価の時期)

第五条 第三条第一項の規定による再評価は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から施行日以後二年を経過する日までの期間(次条において「再評価実施期間」という。)内のいずれか一の決算期において行うことができる。

 (合併の場合における再評価)

第六条 法人が再評価実施期間内に合併をした場合において、当該合併に係る被合併法人(合併により消滅した法人をいう。以下同じ。)が第三条第一項の規定による再評価を行っていないときは、当該合併に係る合併法人(合併により設立した法人又は合併後存続する法人をいう。以下同じ。)で同項各号に掲げる法人であるものは、当該合併の日から施行日以後二年を経過する日までの期間内のいずれか一の決算期において、当該合併により取得した事業用土地について、同項の規定による再評価を行うことができる。

 (再評価差額金)

第七条 第三条第一項の規定により再評価を行った法人は、当該再評価を行った事業用土地の再評価額から当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額を控除した金額を再評価差額金として、政令で定めるところにより、貸借対照表に計上しなければならない。

 (再評価差額金の取崩し)

第八条 法人が第三条第一項の規定による再評価を行った事業用土地を売却等により処分した場合には、当該法人は、当該事業用土地に係る再評価差額金を取り崩さなければならない。

2 法人が第三条第一項の規定による再評価を行った事業用土地について商法第三十四条第二号の規定により帳簿価額の減額をした場合には、当該法人は、当該事業用土地に係る再評価差額金について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める金額を取り崩さなければならない。

 一 当該事業用土地が第三条第一項の規定による再評価によりその帳簿価額を増額したものであり、かつ、商法第三十四条第二号の規定による減額をした当該事業用土地の帳簿価額が再評価の直前における当該事業用土地の帳簿価額以上である場合 当該事業用土地に係る再評価差額金のうちその減額した金額に相当する金額

 二 当該事業用土地が第三条第一項の規定による再評価によりその帳簿価額を増額したものであり、かつ、商法第三十四条第二号の規定による減額をした当該事業用土地の帳簿価額が再評価の直前における当該事業用土地の帳簿価額に満たない場合 当該事業用土地に係る再評価差額金の全額

 三 当該事業用土地が第三条第一項の規定による再評価によりその帳簿価額を減額したものである場合 当該事業用土地に係る再評価差額金の全額

3 再評価差額金は、前二項の規定による場合を除くほか、取り崩すことができない。

 (合併の場合の再評価差額金の承継)

第九条 再評価差額金を貸借対照表に計上している法人が合併により消滅した場合には、当該合併に係る合併法人は、当該合併の直前における当該合併に係る被合併法人の再評価差額金の額に相当する金額を第七条に規定する再評価差額金として貸借対照表に計上し、又は当該合併法人の再評価差額金に組み入れなければならない。

2 前項の規定により被合併法人から再評価差額金を承継した合併法人についての第三条第三項、前条第一項及び第二項並びに次条の規定の適用については、第三条第三項中「場合」とあるのは「場合(第九条第一項の規定により被合併法人から再評価差額金を承継した場合を含む。)」と、前条第一項及び第二項並びに次条中「行った事業用土地」とあるのは「行った事業用土地(第九条第一項の被合併法人が第三条第一項の規定により再評価を行った事業用土地を含む。)」とする。

 (差額の注記)

第十条 法人が第三条第一項の規定により再評価を行った事業用土地の再評価後の決算期における時価の合計額が、当該事業用土地の再評価後の帳簿価額の合計額を下回った場合においては、当該時価の合計額と当該再評価後の帳簿価額の合計額との差額を貸借対照表に注記しなければならない。

 (帳簿書類の保存等)

第十一条 第三条第一項の規定により再評価を行った法人は、当該再評価を行った事業用土地ごとに再評価前の帳簿価額及び再評価額を帳簿書類に記録し、これを当該事業用土地に係る再評価差額金の取崩し後七年を経過する日まで保存しなければならない。

2 第九条第一項の規定により被合併法人から再評価差額金を承継した合併法人は、被合併法人の前項の規定による記録及び帳簿書類の保存の義務を承継する。

 (政令への委任)

第十二条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 この法律は、平成十年三月三十一日から施行する。

(法務・大蔵・農林水産・労働・内閣総理大臣署名) 

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