衆議院

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第4号 平成28年10月4日(火曜日)

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平成二十八年十月四日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十八年十月四日

    午後五時 本会議

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本日の会議に付した案件

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)

 平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)

 平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後七時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

笹川博義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)

 平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)

 平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)

議長(大島理森君) 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長浜田靖一君。

    ―――――――――――――

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)及び同報告書

 平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)及び同報告書

 平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔浜田靖一君登壇〕

浜田靖一君 ただいま議題となりました平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、補正予算三案の概要について申し上げます。

 一般会計補正予算については、歳出において、未来への投資を実現する経済対策を実施するために必要な経費を計上する一方、既定経費の減額を行うこととしております。

 また、歳入において、前年度剰余金の受け入れや公債金の増額を行うこととしております。

 これらの結果、平成二十八年度一般会計予算の総額は、歳入歳出ともに第一次補正後予算から三兆二千八百六十九億円増加し、百兆八十七億円となります。

 特別会計予算については、財政投融資特別会計、東日本大震災復興特別会計など八特別会計において、所要の補正を行うこととしております。

 政府関係機関予算については、沖縄振興開発金融公庫及び株式会社日本政策金融公庫において、所要の補正を行うこととしております。

 なお、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫等、十三機関に対し、総額三兆六千二十二億円の追加を行うこととしております。

 この補正予算三案は、去る九月二十六日本委員会に付託され、二十九日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、翌三十日から質疑に入り、基本的質疑、集中審議を行い、慎重に審査を重ね、本日締めくくり質疑を行いました。

 審査においては、今回の補正予算に対する評価、安倍内閣の経済財政政策、年金積立金の運用、輸入米の売買同時契約方式の問題点、南スーダン共和国へのPKO要員派遣問題、憲法改正問題などについて、熱心に質疑が行われました。質疑の詳細は、会議録により御承知願いたいと存じます。

 本日、質疑を終局し、討論、採決を行いました結果、平成二十八年度補正予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。小山展弘君。

    〔小山展弘君登壇〕

小山展弘君 民進党・無所属クラブの小山展弘です。

 民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十八年度第二次補正予算に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 審議を通じて、安倍政権のさまざまな問題点が明らかになっております。

 まず、政府・与党が今国会で成立を強行しようとしている年金改革法案は、賃金が下がった場合には、物価が上がっても年金がカットされることが明らかになりました。我が党の井坂議員の試算によれば、十年間で五%もの大幅な減額になる可能性があり、それにもかかわらず、法改正による年金額への影響も示されない、極めて無責任な年金カット法案であります。

 また、安倍政権が検討している要介護一、二の生活援助サービスの全額自己負担化は、介護離職をふやし、女性活躍推進に逆行することは明白であります。一体、何が介護離職ゼロを目指すでしょうか。

 加えて、安倍政権が今国会で成立を目指す残業代ゼロ法案は、安倍政権の働き方改革のお題目とは真逆の、長時間労働を助長する労働基準法の改悪そのものであり、言行不一致は甚だしい。

 安倍総理、あなたがやっていることは、国民生活の破壊以外の何物でもありません。今後、アベノミクスを生活破壊ノミクスとでも名前を変えたらいかがでしょうか。

 また、審議を通じて、閣僚の資質の問題も浮き彫りになっております。

 かつて、日本の核保有を国家戦略として検討すべきだなどと述べた稲田朋美大臣は、発言を撤回することもなく、曖昧な答弁に終始するばかり。その上、防衛政策に関する基本的な質問に正面から答弁することができず、防衛大臣としての基本的な資質に欠けております。

 自民党のあしき体質である政治と金の問題も、相変わらずなくなりません。

 さきの通常国会でUR都市機構に絡む口きき疑惑が浮上し、説明責任を果たさないまま逃げ続けた甘利大臣。それに加え、今国会の審議では、山本幸三地方創生担当大臣の口きき疑惑まで明らかになりました。

 SBS米価格偽装問題は、TPPの影響試算の前提が変わるような大問題であるにもかかわらず、衆議院補正予算採決前にはまともな資料は出てきませんでした。

 これでは、安倍政権は隠蔽体質、説明責任を果たしていない、そう言われても仕方ないのではないでしょうか。

 加えて、TPP特別委員会の理事であった福井照議員がTPPを強行採決で実現すると述べたことは、与党のおごりと言わざるを得ません。

 ちなみに、安倍総理、安倍総理は二〇一二年の総選挙で、TPP断固反対を掲げたではありませんか。それが強行採決とは、国民を愚弄するにもほどがあります。米国の大統領選挙の動向を見きわめもせずに拙速にTPP承認を求めることは、明白に公約違反であり、国益に反するものであります。

 東京オリンピックについては、当初七千三百億円程度だったはずの費用が、いつの間にか三兆円にまで膨らむ可能性が明らかになっております。東京都が払えない部分については国の負担がふえる可能性があるのに、まともな説明はありません。

 経済についても、安倍政権は誠実に説明しようとはしませんでした。

 日本銀行は、金融政策決定会合で、総括的検証と称し、二年で前年比二%の物価上昇目標を放棄しました。これは、アベノミクスなるものの大変更ではないでしょうか。

 そもそも、第一の矢である異次元の金融緩和により、デフレマインドがインフレマインドに変わり、持っているとお金の価値が下がるので、企業は投資をする、消費者は消費をする、そのことで企業収益が上がり、賃金は上昇していくと総理は説明しておりましたよね。

 しかし、現実に起きているのは、悪い物価上昇、実質賃金の低下による消費の低迷であります。

 また、安倍総理は倒産件数が減ったと胸を張っていますが、自主廃業件数は過去最高の水準にあります。

 ことしの六月、私の地元の商工会の総会の際に、自主廃業を決めた方から言われたことがあります。廃業に至ったことは、自分の経営努力がなかったと言われればそうかもしれない、しかし、こんな厳しい経済環境で、景気がいいなどと言っている安倍さんに会ったら、現場を見に来いと言ってやりたい、こうお話しになっておりました。これが、日本経済を支えてきた、地方経済を担ってきた中小企業の経営者の皆さんの悲痛な叫びであり、ちなみにこの人は自民党の熱心な支持者でありました、アベノミクスなるものの実態であります。

 安倍総理、総理は、この悲痛な声をどう受けとめますか。

 幾ら統計の算出根拠を変えたり都合のいい数字ばかり並べても、決して実体経済はよくなってはおりません。

 安倍総理は、こびりついたデフレマインドの払拭は簡単なことではないとして、道半ばだと繰り返しますが、もはやデフレではないのなら、とっくに、消費、投資、企業収益、賃金の全てが上向き、経済は軌道に乗っているはずであります。

 安倍総理、一体いつまで道半ばなんでしょうか。アベノミクスなるものが道半ばなのではなく、根本的に間違っているんじゃないんですか。

 第三の矢とする成長戦略も、中身の乏しい期待外れのものばかりです。アベノミクスなるものの失敗を認めず、経済は好調であると強弁し、一方で、世界経済にリスクがあるとして責任を転嫁するに至っては、もはや喜劇としか言いようがありません。

 都合の悪いことはどこまで人のせいにするんでしょうか。予算委員会の答弁でもたびたび見られましたが、安倍総理の答弁は責任転嫁と自己正当化のオンパレードで、まことに見苦しい。

 そして、残念ながら、今回の補正予算に盛り込まれた経済対策は中身も筋悪です。目立つのは旧来型の大規模な公共事業ばかり。総理は、以前、地方の活性化には時間がかかるから、一時的に大規模財政出動が必要と説明していました。安倍政権の誕生から既に四年。一時的であるはずの大規模財政出動がまだ必要というのは、アベノミクスなるものが破綻していることの何よりの証左であります。

 我々民進党は、今後とも、野党第一党の使命として、安倍政権をしっかりとチェックしてまいります。

 そして、日本経済を真に再生するには、国民の生活の安定による個人消費の回復とともに、今まで以上に、個人の能力発揮を促す環境を整える必要があります。これまでも、給付型奨学金の創設、保育士、介護士の給与引き上げなど、人への投資に関する数々の具体策を提案してまいりました。

 今後もこうした提案を重ね、将来、自民党にかわって政権を担い、国民の皆様が安心して暮らせる環境、安心して働くことができる環境を守り、創造していくことをお約束申し上げ、私の討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 宮下一郎君。

    〔宮下一郎君登壇〕

宮下一郎君 自由民主党の宮下一郎です。

 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表し、ただいま議題となっております平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)及び平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に対しまして、賛成の討論を行います。(拍手)

 政権交代後、三本の矢の政策を進めることにより、経済の好循環は着実に回り始め、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができました。また、雇用・所得環境も大きく改善するなど、確実に成果が生まれていますが、アベノミクスはいまだ道半ばであります。

 こうした現状認識に立ち、本年八月、未来への投資を実現する経済対策が閣議決定されましたが、これを踏まえ、デフレから完全に脱却し、しっかり成長していく道筋をつけるために、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を実行に移すものがこの補正予算であります。

 以下、この補正予算政府案に賛成する主な理由を申し述べます。

 第一に、一億総活躍社会の実現の加速に向けて、直ちに実施する必要がある効果的な施策が盛り込まれています。例えば、子育ての環境整備として、待機児童ゼロに向けた保育所等の整備の前倒しや、保育士の人材確保措置の拡充等を図ることとしております。

 第二に、観光振興や攻めの農林水産業に向けた二十一世紀型のインフラを整備することとしており、中長期的に成長していく基盤を構築するものとなっています。例えば、外国人観光客四千万人時代に向けて、大型クルーズ船の受け入れ環境改善や羽田空港の機能強化等により、外国人観光客の受け入れ能力の向上を図るとともに、農地の大区画化や水田の畑地化等により、農林水産業の競争力強化等を図るものとなっております。

 第三に、英国のEU離脱決定に伴う不安定性、不確実性や新興国経済の動向といったリスクに備え、国内の中小企業、小規模事業者に対する資金繰りや経営力強化、生産性向上に向けた支援の拡充を図るとともに、地方創生推進交付金の創設等、地域の元気を引き出す地方創生の本格展開に向けた取り組みを推進するものとなっています。

 第四に、熊本地震の被災地の復旧復興への取り組みを一層充実していくとともに、東日本大震災からの復興の加速化を図る施策を計上しております。また、地震、豪雨、豪雪、自然災害に強い強靱な国づくりを進め、防災対策を推進するとともに、良好な治安の維持や厳しい安全保障環境への対応を図り、国民の安全、安心を確保するよう取り組むこととしています。

 以上、本補正予算政府案に賛成する理由を申し述べました。

 議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げ、私の賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

議長(大島理森君) 高橋千鶴子君。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、第二次補正予算案に反対する討論を行います。(拍手)

 初めに、百二十名もの犠牲者、二千四百名以上の重軽傷者を出した熊本地震から間もなく半年になろうとしています。この夏は、一連の台風が列島を襲い、甚大な被害をもたらしました。一日も早い生活となりわいの再建へ、補正による予算措置は当然のことです。

 台風十号に見舞われた岩手県は、支援金対象外の半壊、床上浸水にも独自支給を決めました。被災自治体の独自支援策を応援すること、被災者生活再建支援金を最大三百万円から五百万円へと引き上げ、対象を一部損壊以上に拡大するべきです。

 日本の食料基地と言える北海道の甚大な被害、東日本大震災からの復興途上の災害でもあり、大震災時と同等の農林水産業、中小企業支援を求めます。

 ここ十数年は、国内も世界的にもかつてない災害が連続する中、予報と避難指示の確実な連携、現実的な避難計画、住宅とインフラ施設の耐震化、常襲地帯の優先的改修など、総合的な防災対策が急がれると考えます。

 本予算案は、事業費規模二十八兆一千億円の経済対策に基づき、三兆三千億円を計上しています。アベノミクスで経済の好循環が生まれていると言いながら、なぜ政権発足以降最大規模となる経済対策なのでしょうか。

 今、日本経済は、一昨年四月の消費税増税による個人消費の落ち込みと底打ちが、米英加など主要国に比べてもずっと長引いています。本来なら、賃上げや社会保障の充実など、国民の懐を直接助ける予算を組むのが政治の道です。

 ところが、本予算案は、国民生活にとって切実な課題はほとんどないか先送りさせる一方、リニア新幹線、港湾、道路建設などの新規大型開発を新たな借金で賄うものが中心となっています。これでは、消費が落ち込んでいる国民の暮らしの立て直しに役立たないばかりか、自然環境の破壊が進み、財政再建も困難になるなどの新たな弊害をもたらしかねません。

 以下、具体的反対理由を述べます。

 第一に、補正予算案の一億総活躍社会、働き方改革とうたう予算案の大部分は、低所得者向け臨時福祉給付金三千六百八十五億円です。年六千円を、消費税増税までの二年半分一括支給するものですが、たった一回、一万五千円をもらっても、消費税が一〇%になれば、一人二万七千円の負担増になるのです。予算額の大きさに比べ極めて効果は薄く、そもそもなぜこの予算が働き方改革の枠なのか、意味がわかりません。

 低所得者ほど負担の重い逆進性が強まる消費税増税は、延期ではなく、きっぱりやめるべきです。

 日本共産党は、税金の集め方、使い方、働き方を変える三つのチェンジを提案しています。

 待ったなしの保育士の処遇改善は、補正予算案では見送られ、概算要求でもわずか二%の賃上げを事項要求にとどめました。

 介護人材については来年度から月一万円増を目指すとしていますが、介護報酬の引き下げはそのままです。介護離職ゼロを言いながら、病院からも施設からも追い出し、家族に押しつける介護保険改悪は絶対やめるべきです。

 また、大企業のリストラを後押しする労働移動支援助成金の再編強化の雇用対策は、容認できません。とりわけ力のある企業には、各種助成金で誘導するよりも、ルールを決めればよいことであります。

 第二に、JR東海のリニア中央新幹線の開業前倒しや、大型のクルーズ船が寄港できる港湾整備と首都圏の道路建設など、新規大型開発事業へ大盤振る舞いの内容となっています。しかも、財源は、建設国債を二兆七千五百億円も新規に増発し、加えて、リニア新幹線建設のために財政投融資で一兆一千五百億円もの財投債発行など、国の借金を莫大にふやすものです。

 日本銀行が国債を買い支えるゼロ金利維持のもとでの新たな借金増加は、我が国の将来の財政と金融を再建困難な状況へ追い込むことになりかねません。

 第三に、軍事費は、安保法制が施行されたもとで、日米一体で軍事体制を強化し、東アジアの緊張を高めるものです。しかも、P1哨戒機やF15戦闘機を初めその多くは、次年度以降の歳出化経費の前倒しであります。経済対策に名をかりた軍事費の先取りであり、到底許されません。

 最後に、今国会冒頭、輸入米のSBS価格偽装問題が発覚しました。TPPで輸入米がふえても、同量の国内産米を買い入れるため、市場に影響はないとしてきた大前提が崩れたのです。しかも、採決する今になっても、農水省の調査結果は提出されておりません。まして、概要版の和訳で提出された協定書は、十八カ所も誤りが発覚しました。そもそも、このような状態で審議に付すという資格すらないと思います。改めて、TPP批准は絶対にするべきではありません。

 以上で討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 井上英孝君。

    〔井上英孝君登壇〕

井上英孝君 日本維新の会の井上英孝です。

 私は、我が党を代表して、平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)外二案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 五月末の伊勢志摩サミットでの議論も踏まえ、経済対策として編成されたものでありましたが、今現在、国内の消費、投資が低迷しており、世界経済の見通しも不透明の状況であります。

 特に、消費は、二年前の四月の消費税増税以降、低迷が続いております。雇用は改善をしているものの、これが消費の伸びにつながっておりません。設備投資も輸出も、四月から六月はマイナス成長であります。昨日発表された日銀短観でも、景況感は二期連続横ばいで、景気の足踏み状態が鮮明となっている現状を考えると、この時期の景気対策には合理性があると考えます。

 今回の補正予算案では、インフラ整備や一億総活躍社会の実現に向けた施策を盛り込んでおります。特に、総額四・五兆円のうち、インフラ投資と災害対策の合計額が三・四兆円となり、全体の四分の三を占めております。インフラ整備につきましては、既得権へのばらまきにならない、そして、将来世代への負担がいたずらにふえないように、事業についてチェックするとともに、その効果を厳しく精査されるべきであります。

 今回の補正予算案で二兆七千億円の建設国債が発行されることは、財政規律の観点から疑問の余地はございますが、その一方で、東京一極集中による地方経済の衰退は放置できません。このため、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しにするための、財政投融資で低利融資を行うことに関しましては、賛成であります。

 本事業は、世界にも例のないスーパーメガリージョンの形成を可能にするもので、JR東海が企業経営の観点から精査した事業となります。低金利状況での融資は将来世代への負担も比較的小さくなり、何より、東京、大阪のみでなく、多極分散型国家実現の大きな一歩になると考えます。

 東日本大震災を初めとした震災からの復興も道半ばであります。熊本地震におきましては、特に被害の甚大だった益城町では、いまだに極めて劣悪な住環境で過ごしている方々が多数おられます。国内景気が回復しない中でもあり、災害復旧予算については、まだまだ十分ではないと考えます。

 我が党は、政府の財政運営については、全面的に賛成するものではありません。政府は、今後、納税者の視点に立ち、身を切る改革を初めとした徹底的な行財政改革による歳出削減を行うべきであると考えます。

 我々は、議員の身を切る改革、公務員人件費の削減、そして教育無償化など、既に十一本の法案を参議院に提出させていただいております。特に、教育無償化につきましては、国家公務員の人件費二割を削減するだけでも一兆円の財源というのが確保でき、未来への投資として、幼稚園、保育園から大学までの教育無償化の実現が大きく前進するはずであります。

 こうした行財政改革とデフレ脱却というのがない限り、消費税増税はするべきではないというふうに申し上げておきます。

 繰り返しになりますが、我々は、現下の経済状況での景気対策、リニア前倒し、熊本を初めとした復興のための予算は必要であると考えます。

 我々が指摘した問題点につきまして、今後、誠実な対応を強く要望し、我が党は、平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)外二案に賛成をいたします。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 三案を一括して採決いたします。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

笹川博義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長竹内譲君。

    ―――――――――――――

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔竹内譲君登壇〕

竹内譲君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地方財政の状況等に鑑み、平成二十八年熊本地震による災害及び東日本大震災に係る復興事業等の実施のための特別の財政需要に対応するため、平成二十八年度分の地方交付税の総額に六百七十五億円を加算する措置を講ずるものであります。

 本案は、本日、本委員会に付託され、高市総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後七時四十分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    金田 勝年君

       外務大臣    岸田 文雄君

       文部科学大臣  松野 博一君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       農林水産大臣  山本 有二君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国土交通大臣  石井 啓一君

       環境大臣    山本 公一君

       防衛大臣    稲田 朋美君

       国務大臣    石原 伸晃君

       国務大臣    今村 雅弘君

       国務大臣    加藤 勝信君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    鶴保 庸介君

       国務大臣    松本  純君

       国務大臣    丸川 珠代君

       国務大臣    山本 幸三君


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