衆議院

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第5号 平成28年10月18日(火曜日)

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平成二十八年十月十八日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十八年十月十八日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件

 裁判官訴追委員及び同予備員辞職の件

 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙

 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙

 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙

 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙

 国土審議会委員の選挙

 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員加藤紘一君は、去る九月九日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 加藤紘一君に対する弔詞は、議長において去る七日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに国際連合平和協力に関する特別委員長 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員長の要職につき また再度国務大臣の重任にあたられた正三位旭日大綬章 加藤紘一君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件

 裁判官訴追委員及び同予備員辞職の件

議長(大島理森君) お諮りいたします。

 裁判官弾劾裁判所裁判員棚橋泰文君及び原田義昭君から裁判員を、また、裁判官訴追委員森英介君、三ッ矢憲生君及び松野頼久君から訴追委員を、裁判官訴追委員の予備員大串博志君から予備員を、辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙

 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙

 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙

 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙

 国土審議会委員の選挙

 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙

議長(大島理森君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員並びに裁判官訴追委員及び同予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、検察官適格審査会委員及び同予備委員、日本ユネスコ国内委員会委員、国土審議会委員及び国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙を行います。

笹川博義君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に

      平沢 勝栄君 及び 望月 義夫君

を指名いたします。

 また、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に神山佐市君を指名いたします。

 なお、その職務を行う順序は第一順位といたします。

 次に、裁判官訴追委員に

      保岡 興治君    左藤  章君

   及び 牧  義夫君

を指名いたします。

 また、裁判官訴追委員の予備員に

      田所 嘉徳君 及び 本村賢太郎君

を指名いたします。

 なお、予備員の職務を行う順序は、田所嘉徳君を第一順位とし、本村賢太郎君を第四順位といたします。

 次に、検察官適格審査会委員に古川禎久君を指名いたします。

 また、宮路拓馬君を坂本哲志君の予備委員に指名いたします。

 なお、予備委員門山宏哲君は古川禎久君の予備委員といたします。

 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に

      青山 周平君 及び 大西 英男君

を指名いたします。

 次に、国土審議会委員に林幹雄君を指名いたします。

 次に、国土開発幹線自動車道建設会議委員に

      細田 博之君    茂木 敏充君

   及び 竹下  亘君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明させていただきます。

 世界経済の不透明感が増す中、新たな危機に陥ることを回避するため、あらゆる政策を講ずることが必要となっております。これを踏まえ、本法律案は、国税に関し、消費税率引き上げの実施時期の変更及びこれに関連する税制上の措置につきまして、所要の改正を行うものであります。

 以下、その大要を御説明申し上げます。

 第一に、消費税率引き上げの実施時期を平成三十一年十月一日に変更するとともに、消費税の軽減税率制度及び適格請求書等保存方式等の導入時期を二年半延期することとしております。

 第二に、住宅ローン減税制度等の適用期限を二年半延長するとともに、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用期間を変更する等の改正を行うことといたしております。

 第三に、地方法人税率引き上げの実施時期を二年半延期することとしております。

 以上、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。土井亨君。

    〔土井亨君登壇〕

土井亨君 自由民主党の土井亨でございます。

 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)

 アベノミクスを推進してデフレからの脱却を果たし、経済を再生させると同時に、財政の健全化を実現することも重要な政策課題となっております。このため、社会保障と税の一体改革のもと、平成二十六年四月に消費税率を五%から八%に引き上げるとともに、これにより得た財源で社会保障の充実、安定化を図ってきたところであります。

 このように、安倍政権においては、経済の再生と財政健全化を車の両輪とし、これらを実現するための取り組みを推進してまいりました。

 今般、消費税率一〇%への引き上げ時期を二年半延期する法案が提出されましたが、これは、世界経済がさまざまなリスクに直面しており、各国が協調してあらゆる政策を総動員することが求められている中で、経済の再生と財政の健全化を確実に進めるための決断と認識をいたしております。

 改めて、提出された法案で消費税率一〇%への引き上げを延期する理由を財務大臣にお伺いいたします。

 社会保障と税の一体改革を着実に進め、社会保障の充実、安定化を早期に実現することが必要であります。このため、赤字国債に頼ることなく、しっかりと財源を確保した上で、優先順位をつけながら社会保障の充実を行うことが重要であります。

 そこで、二十九年度予算編成に向けて、社会保障の充実にどのように取り組んでいくのか、財務大臣にお伺いをいたします。

 社会保障と税の一体改革を進め、国民から信頼される社会保障制度を確立することは、国民の将来不安を払拭し、消費マインドにも好影響を与えるものと考えます。これに加えて、財政への信認を確保するためには、平成三十一年十月に消費税率を一〇%に引き上げ、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化の目標を実現する必要があります。

 そこで、財務大臣に財政健全化目標の実現に向けた御決意をお伺いいたします。

 提出された法案においては、軽減税率制度など、消費税率引き上げに関連する施策の実施時期の変更なども盛り込まれております。軽減税率制度は、税制抜本改革法に基づく低所得者対策として導入されるものですが、これによって、社会保障と税の一体改革や、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成が損なわれることがあってはなりません。

 このため、政府としても、軽減税率制度の導入に当たっては、安定的な恒久財源を確保していくという明確な姿勢を示すことが重要と考えますが、財務大臣の御見解をお伺いいたします。

 軽減税率制度の導入に当たりましては、事業者の方々にレジの変更を初めとする準備をしていただく必要があります。このため、既にレジ導入補助金などの支援策が講じられております。

 今般の消費税率一〇%への引き上げの延期に伴い、軽減税率制度の導入時期も二年半延期されることとなり、準備期間に若干の余裕が生まれたところではありますが、しかし、事業者の方々に万全の準備を進めていただくため、必要な支援を行っていくことが必要だと考えております。

 そこで、軽減税率の円滑な導入に向けた政府の取り組み方針について、財務大臣にお伺いをいたします。

 本法案を成立させ、引き続き経済の再生と財政健全化の実現のために全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 消費税率引き上げの延期の理由についてのお尋ね等、五問頂戴しました。

 新興国経済の陰りなど、世界経済がさまざまなリスクに直面し、日本経済も個人消費に力強さを欠いた状況にあります。

 このような中、経済再生、デフレ不況からの脱却に向けた取り組みに万全を期すため、構造改革の加速など、総合的かつ大胆な経済対策を講ずることとあわせ、消費税率一〇%への引き上げ時期を二年半延期することといたしております。

 いずれにせよ、社会保障の充実、安定化、財政健全化の観点からは、消費税率一〇%への引き上げが不可欠と考えております。政府としては、経済財政運営に万全を期し、平成三十一年十月の確実な引き上げに向けて力を尽くしてまいりたく考えております。

 次に、平成二十九年度における社会保障の充実についてのお尋ねがあっております。

 社会保障の充実につきましては、給付と負担のバランスを考えれば、消費税率一〇%への引き上げを延期する以上、全てを行うことはできませんが、赤字公債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは行いません。

 その中で、待機児童ゼロに向けた保育の受け皿五十万人分の確保については、来年度までの達成に向け、約束どおり実施をいたしたく考えております。

 また、年金の受給資格の短縮については、平成二十九年度中に確実に実施できるよう、所要の法案を今国会に提出させていただいております。

 さらに、保育士、介護職員などの処遇改善など、一億総活躍プランに関する取り組みにつきましては、アベノミクスの成果の活用も含め、財源を確保して優先的に実施してまいります。

 その他の取り組みについても、優先順位をつけながら、今後の予算編成過程の中で最大限努力をしてまいります。

 次に、財政健全化目標の実現についてのお尋ねがあっております。

 日本の財政は、毎年度の予算の三分の一以上、三十兆円以上を借金に頼り、社会保障関係費も予算全体の三分の一を占め、毎年度増加をしているなど、大変厳しい状況にありますのは御存じのとおりです。

 社会保障制度を次世代に引き渡すとともに、国に対する信認を確保するため、財政健全化は避けて通ることができません。

 二〇二〇年度にプライマリーバランス黒字化を実現するという財政健全化目標は堅持します。その実現に向け、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、未来への投資を実現する経済対策を初めとする強い経済の実現を目指した取り組みを進めてまいります。

 あわせて、歳出歳入両面からの財政健全化の取り組みが必要であります。そのため、二〇一九年十月に消費税率を一〇%に確実に引き上げるとともに、引き続き、経済・財政再生計画の枠組みのもと、改革工程表に基づき、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化などの歳出改革を継続してまいります。

 今後とも、経済再生を進めながら、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けて、しっかりと財政健全化に取り組んでまいります。

 次に、消費税軽減税率制度の財源確保についてのお尋ねがありました。

 軽減税率制度の財源確保につきましては、与党及び政府の税制改正大綱において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保することとされ、これを踏まえて、平成二十八年度税制改正法において、歳入及び歳出における法制上の措置を講ずると明記したところであります。

 政府としては、こうした方針のもと、与党とも御相談をさせていただきつつ、歳入歳出両面にわたって検討を行い、安定的な恒久財源の確保にしっかりと取り組んでまいります。

 最後に、軽減税率制度の円滑な導入に向けた取り組み方針についてのお尋ねもあっております。

 政府として、軽減税率制度の円滑な導入に向けて取り組むことは重要だと考えております。法律においても、事業者の準備状況等を検証しつつ、必要な対応を行うことといたしております。

 具体的には、既に本年四月にQアンドAを公表しておりますほか、説明会の開催により周知、広報を図っておるところです。また、中小企業者向けにはレジの導入等への支援も行っております。

 引き続き、事業者の準備状況を把握しつつ、万全の対応を進めてまいりたいと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 木内孝胤君。

    〔木内孝胤君登壇〕

木内孝胤君 民進党・無所属クラブの木内孝胤です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)

 二年前、安倍総理は、増税を再び延期することはない、ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします、平成二十九年四月の引き上げについては、景気判断条項をつけることなく確実に実施いたします、三年間、三本の矢をさらに前に進めることにより必ずやその経済状況をつくり出すことができるとまで言い切り、誰も反対していなかった消費税延期を争点だと言って、強引に衆議院を解散しました。

 さて、あれから二年、あれだけの大見えを切りながら、消費税増税の延期を余儀なくされたということは、端的に言えば、アベノミクスがうまく機能しなかったということではないでしょうか。私は、アベノミクスは失敗だとか成功だとか、事を単純化して思考停止にならないように論じたいと思います。

 安倍政権成立後の異次元の金融緩和と機動的な財政は、一定の効果を上げ、企業収益の改善、有効求人倍率や失業率の改善という成果に結びついたと率直に評価をしています。

 評価をするべきところは評価をした上で、失策をきちんと指摘したいと思います。

 デフレ脱却が道半ばの中で消費税を二年半前に引き上げたことは、アクセルを踏み続けるべきときにブレーキを踏んだ失敗と言えます。そして、個人消費への悪影響は一過性という甘い見通しで十分な逆進性対策を講じなかったこと、産業の新陳代謝を促し潜在成長率が高まるような政策、規制改革のおくれなど、成長戦略の成果がなかったことが評価をしていない部分です。

 企業収益の改善も喜ぶべきことですが、内部留保が九十兆円積み上がるだけで、経済の好循環ともいうべき実質賃金の上昇や設備投資に回っていないのが実態です。したがって、結果だけを素直に見ると、アベノミクスは家計から大企業へ資産を移転させただけと総括できます。

 安倍総理や関係大臣がいい数字だけに目を向けて経済は好循環だと説明するのとは裏腹に、国民が景気を実感できないでいる理由は簡単です。個人消費と実質賃金が低迷しているからです。この現実を直視しないで、増税の延期理由を世界経済のリスクのためにと一言で片づけていることが誤った政策につながっていると思いますが、麻生財務大臣の御見解を伺います。

 アベノミクスの一番の課題は、個人消費が弱いということは明らかです。家計を温めるという最大の課題に取り組むべきときに、安倍政権は、厚生年金を年間十四万円カットする法案により、個人消費をさらに冷え込ませようとしています。

 年金カット法案の年金減少額の試算を依頼すると、前提条件を変えての回答がありました。同じ前提条件での情報開示をお願いすると同時に、情報公開が不十分なことが不安をあおっています。

 介護報酬のカットもそうです。介護離職者ゼロという政策を高々と掲げながら、介護報酬のカットの政策を進めています。これまた家計と個人消費を軽視した政策と断じざるを得ません。

 塩崎厚生労働大臣に、年金カットの試算、個人消費への影響の御答弁を求めます。

 安倍政権は、二〇一五年度五百一兆円の名目GDPを、二〇二〇年には六百兆円と目標を掲げています。年率三・七%成長というのはどのように実現するつもりなのですか。個人消費六十兆円の押し上げの具体策を教えてください。

 財政再建の数値目標について伺います。

 二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化の目標も荒唐無稽だと思います。

 伊勢志摩サミットで消費税増税延期を宣言した際、安倍総理は、財政再建に関して、長期債務残高対名目GDP比を安定的に推移させると説明しました。

 この際、デフレ脱却に向けたコミットメントを強く見せるためにも、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化という目標を撤回し、長期債務残高対名目GDP比に変える方が、期待成長率を押し上げ、個人消費や設備投資の拡大につながるのではないでしょうか。石原経済財政担当大臣の御答弁をお願いいたします。

 アベノミクスの頼みの株価について伺います。

 外国人投資家が日本株の売り越しを続けて、株価下落につながっています。資本市場は、財政投融資の復活、官民ファンドへの回帰など官僚統制型の計画経済に後戻りしていることや規制改革のおくれに失望しています。

 コーポレートガバナンスの強化というかけ声はよかったのですが、電機メーカーの不正会計への甘い対応、先日も、呉服メーカーをめぐって善管注意義務、コーポレートガバナンスコード違反が疑われるような取引が進められています。

 現政権は、民間活力を阻害する方向に後戻りしています。潜在成長率〇・三%という数字がそれを物語っています。潜在成長率〇・三%という現実、資本市場の動向について、石原経済再生担当大臣の御答弁をお願いいたします。

 公正な経済という観点から質問いたします。

 稲田防衛大臣の二百六十枚の白紙の領収書を、高市総務大臣は問題ないと答弁しました。高市総務大臣はこの答弁を撤回していただけませんか。

 今後は、飲食店で白紙領収書に勝手に金額を書き込むことでも税務上の経費として処理して差し支えないのか、麻生財務大臣に伺います。

 景気判断条項を今回も設けない理由は何ですか。世界経済はリスクを増していると説明しているのに、三年後に消費税を確実に上げられる状況をつくり出すとまた大見えを切るのか、財務大臣及び経済財政担当大臣に伺います。

 次に、消費税の逆進性対策について伺います。

 多くの有識者から、軽減税率は高所得者優遇である、対象品目の線引きが難しく、利権発生の温床になりかねない、中小企業、小規模事業者に大きな負担を与えるなど、逆進性対策にはふさわしくないとの指摘がなされています。有効な逆進性対策は最低生活費に係る消費税を払い戻す給付つき税額控除であるということも、多くの有識者が指摘するところです。逆進性対策を軽視すると、個人消費の低迷という同じ失策につながります。

 政府は、給付つき税額控除について、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感につながらないという問題、所得や資産の把握が難しいといった問題等があると批判しています。

 消費税そのものの負担が直接軽減されるものではないという点では、現行の簡素な給付措置も同じですが、痛税感の緩和につながっていないと考えているのですか。

 所得の把握については、マイナンバー制度が導入され、正確性が高まりつつあると考えますが、不十分と考えているのですか。所得税減税に当たり、資産の把握まで行ったことはないし、行う必然性も考えがたいのですが、政府として今後、給付つき税額控除と同様の所得税減税を行う際には、資産の把握が必要であると考えているのですか。財務大臣に答弁を求めます。

 小池百合子新都知事の登場で、豊洲移転、五輪関連施設の見直しで注目が集まっています。税金の使い方が余りにもずさんで、都民のみならず、国民も怒っています。

 新国立競技場も大きな問題になりましたが、NHKの新社屋計画三千四百億円が目にとまり、その金額の根拠を問いただしたところ、いきなり千七百億円に見直されました。NHKのバランスシート上の五千億円を超える資金、経営努力や受信料の徴収率七六%の向上により、受信料を一〇%程度は十分に引き下げが可能だと思います。

 高市総務大臣は昨年の予算委員会ではゼロ回答でしたが、籾井NHK会長に、苦しい家計を助けるために受信料を下げるように指示していただけないか、御答弁をお願いいたします。

 日曜日に、米山隆一新潟県知事が誕生しました。新潟県民の民意をあらわした正々堂々の勝利と歓迎をしています。

 少し関連して、原発事故にかかわる賠償支援と除染処理のために交付国債が発行されています。本来であれば、円高、原油安で電力料金の引き下げが可能ですが、円高、原油安のメリットは交付国債の償還原資に回されています。

 賠償金と除染費用の総額、交付国債の残高、今後の残高の増加見通し、償還が完了する時期の見通しを麻生財務大臣に伺います。

 民進党は、身を切る改革、行政改革の徹底は必須であると考えます。

 二〇二〇年国勢調査に基づいた議員定数十削減はスタートにすぎず、さらなる削減が必要です。行革をさらに進めていくためには、行政事業レビューの法定化はもちろんのこと、公開プロセスにかける対象事業を拡大していく必要があると考えます。

 また、特別会計改革として、外国為替特別会計、国債整理基金特別会計、労働保険特別会計などを財源とするお考えはありませんか。NTT、日本たばこの株式六兆円、これを財源にはできませんか。へそくり的なあらゆる国有資産を売却して、個人消費を押し上げるための財源に総動員させるお考えはありませんか。麻生財務大臣に伺います。

 最後に、民進党は、野党第一党として、今後とも国民目線で安倍政権を厳しくチェックするとともに、建設的な提案を重ね、自民党にかわり政権を担い得る政党を目指すことを国民の皆様方にお約束し、私の質問とさせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 木内先生から六問頂戴をいたしております。

 消費税率引き上げ延期の判断についてのお尋ねがありました。

 現下の日本経済は、雇用・所得環境が大きく改善するなど、確実に経済再生に向けた成果があらわれております。

 他方、個人消費は力強さを欠く状況にあるほか、世界経済は、新興国経済の陰りなど、需要の低迷、成長の減速リスクが懸念されておりますのは御存じのとおりです。

 今般の消費税率引き上げ延期は、こうした状況を十分に踏まえ、経済再生、デフレ不況からの脱却に向けた取り組みに万全を期すため、構造改革の加速など、総合的かつ大胆な経済対策を講じることとあわせて判断をしたものであります。

 したがって、現実を直視しないとの御指摘は当たらないと考えております。

 白紙領収書に関する税務上の処理についてのお尋ねがありました。

 領収書の要件につきましては、法人税法及び所得税法上、特段の定めはありませんが、適正な申告を確保する観点から、領収書を含めた帳簿の保存義務が設けられております。

 仮に、御質問のような、白紙に金額を書き込んだ領収書があり、その内容に疑義が生じた場合は、他の帳簿書類を含め、帳簿書類全体として、金銭の支払いといった事実関係の適正性が総合的に判断されるものと承知をいたしております。

 なお、御指摘の高市総務大臣の答弁につきましては、政府としても、本日、一定の前提のもとに述べたものであり、誤りであり訂正すべきものとは考えていない旨、答弁書を決定いたしております。

 消費税率引き上げの景気判断条項についてのお尋ねもあっております。

 消費税率の一〇%への引き上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために極めて必要なものであり、二〇一九年十月には引き上げを実施いたします。

 政府としては、二〇二〇年度にプライマリーバランス黒字化を実現するという財政健全化目標も堅持いたします。

 その実現に向け、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、民需主導の経済の好循環を確実なものとすることを通じて、二〇一九年十月の消費税率の一〇%への引き上げが可能な環境を確実に整えるべく、経済財政運営に万全を期してまいります。

 このため、今般の法律には、御指摘の景気判断条項は盛り込んでおりません。

 簡素な給付措置や所得、資産の把握についてのお尋ねがありました。

 御指摘のように、簡素な給付措置は、給付つき税額控除と同様に、消費者にとりまして、買い物の都度、消費税負担に係る痛税感の緩和を実感できるものではありませんが、税制抜本改革法に基づき、消費税率引き上げによる影響を緩和するための暫定的及び臨時的な措置として実施しているものであります。

 また、所得把握の問題につきましては、マイナンバー制度の導入によって、導入以前よりも正確な所得把握が可能となっておりますが、他方で、例えば、導入から間もないことに加えまして、課税最低限以下の所得の方々についても、そもそも申告義務がないことから、その所得を把握できないなどの点も考慮する必要があると考えております。

 なお、御指摘の、給付つき税額控除と同様の所得減税を含む税制一般において、資産の多寡を要件の一つとするか否かについては、当該制度の趣旨、目的や仕組み次第であろうと考えております。

 福島第一原子力発電所事故に係る交付国債などについてのお尋ねがありました。

 福島第一原子力発電所事故の賠償、除染、中間貯蔵施設費用につきましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に九兆円の交付国債を交付することにより、東京電力の資金繰りを支援いたしております。

 現時点での東京電力における賠償や除染等の費用の支払い総額は、約六兆三千億円となっております。また、現金化されていない交付公債の残高は二兆七千億円となっております。

 したがって、賠償等の費用は増加してきてはおりますが、直ちに支障が生じるわけではなく、今後、必要に応じ、賠償等の費用の見きわめを行うこととなろうと存じます。

 なお、交付公債の償還費用の回収については、期限が設けられているものではありませんが、原子力事業者の負担金を主な原資として着実に回収されることとなっております。

 最後に、行政改革等についてのお尋ねがありました。

 まず、行政事業レビューにつきましては、法定化はしていないものの、行政改革推進本部のもと、外部有識者によるチェック対象の重点化や、新たに基金シートを毎年公表するといった見直しが行われており、財務省としても、予算編成にしっかりと反映してまいりたいと考えております。

 次に、特別会計改革について御指摘がありましたが、外国為替資金特別会計につきましては、その保有する外貨資産を財源として活用することは、外貨から円貨への転換が必要となります。ドル売り・円買いということですが、ドル売り・円買い介入として金融為替市場に不測の影響を及ぼすおそれがあり、適切ではないと考えております。

 国債整理基金特別会計につきましては、その剰余金を財源として活用することは、余剰金の大宗が国債入札の偶発的な未達に備えているものであることから、適切ではないと考えております。

 労働保険特別会計については、その積立金を財源として活用することは、積立金の原資が労働者や雇用者が負担する保険料でありますことから、保険給付以外の財源として活用することは適切ではないと考えております。

 最後に、政府保有株式の売却につきましては、御指摘のNTT株式につきましては、電話サービスを全国あまねく適切に提供する、ユニバーサルサービスですが、責務を有する等の公共的役割を踏まえ、政府保有を維持する必要があろうと考えております。

 JT株式の政府保有は、国産葉たばこの全量買い取りを実質的に担保するなどの意義を有するものであり、その売却につきましては、現時点では慎重な検討が必要であろうと考えております。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 木内議員から私には、NHKの受信料の引き下げについてお尋ねがありました。

 NHKの受信料については、放送法第七十条において、国会が、日本放送協会の収支予算を承認することによって定めることとされており、その水準については、まずはNHKにおいて、国民・視聴者への説明責任をしっかり果たしていただきたいと考えています。

 その上で、私から籾井会長に対し、本年六月二十八日の平成二十七年度NHK決算提出の際に、公共放送としての業務のあり方なども踏まえ、受信料の還元のあり方について議論してほしい旨申し上げました。

 NHKのあり方については、業務、受信料、ガバナンスの三位一体で改革を進めていくことが必要であり、総務省としても、有識者による検討会の場で、NHKを含む関係者の意見をお聞きした上で、具体的な方策を検討してまいります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 木内孝胤議員にお答えを申し上げます。

 年金額の試算及び年金額、介護報酬の個人消費への影響についてお尋ねがございました。

 今回の年金改革法案は、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぐことにより、将来世代の給付水準の確保を図り、世代間の公平性の確保等に資するものでございます。

 御指摘の年間十四万円カットの根拠は不明ですが、政府としては既に試算を行っております。

 また、年金額改定ルールの見直しは、現在の低年金の高齢世代の方にも十分配慮をし、最大年六万円の年金生活者支援給付金の施行後の平成三十三年四月から実施することとしています。

 さらに、今回の改正は、世代間の分かち合いの考え方に基づき、現役世代が将来受け取る年金の水準を確保するためのものであり、また、安倍政権では、デフレ脱却、賃金上昇を含む経済再生に全力で取り組むとしており、これが個人消費に悪影響を与えるという御指摘は当たらないと考えております。

 介護報酬については、平成二十七年四月の改定において、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われる、めり張りのある改定を行いました。これは、介護職員の処遇改善や高齢者の保険料の上昇の抑制に資するものであり、御指摘は当たらないものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 木内議員にお答えいたします。

 まず、名目GDP六百兆円の実現についてお尋ねがございました。

 政権交代後、アベノミクス三本の矢の政策によりまして、デフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは三十三兆円増加し、国、地方合わせた税収は二十一兆円増加するなど、経済の好循環が生まれております。

 政府は、当面の需要喚起だけではなく、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につなげるため、八月二日に未来への投資を実現する経済対策を閣議決定し、先日、それを具体化する補正予算を成立させていただいたところでございます。本対策には、国民全体の所得の底上げを図るための施策についても盛り込まれており、これらの施策は消費の底上げにもつながると期待をしているところでございます。

 加えて、本格的な人口減少社会において経済成長を実現するためには、生産性の飛躍的な向上が必要でございます。鍵となるのは、第四次産業革命を初めとする技術革新の成果を社会に取り入れることでございます。このため、成長戦略の新司令塔である未来投資会議を創設いたしました。スピードアップとパワーアップを図る体制で構造改革の総ざらいを行い、イノベーションの社会実装を強力に進めてまいります。

 こうしたあらゆる施策を総動員することで、中長期的に、実質GDP成長率二%程度、名目GDP成長率三%程度を上回る経済成長を実現し、二〇二〇年度ごろに六百兆円経済を達成することを目指します。

 財政健全化についてお尋ねがございました。

 財政健全化については、経済再生なくして財政健全化なしとの方針のもと、二〇二〇年度までに国、地方を合わせたプライマリーバランスを黒字化し、その後、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指しております。

 経済・財政再生計画の枠組みのもと、安倍内閣のこれまでの歳出改革の取り組みをさらに強化するとともに、経済のパイを大きくし、経済再生と財政健全化を両立させてまいります。

 このため、先ほども申し上げたとおり、未来への投資を実現する経済対策を具体化する補正予算を成立させていただいたところでもあり、これらによりまして、個人消費や設備投資など、内需をしっかりと拡大してまいりたいと考えております。

 潜在成長率の御指摘と構造改革の推進についてお尋ねがございました。

 これまで安倍内閣は、数々の構造改革を断行し、成長戦略を進めてまいりました。

 本格的な人口減少社会において経済成長を実現するためには、生産性の飛躍的な向上が必要でございます。この鍵は、第四次産業革命を初めとする技術革新の成果を生産現場や実際の生活等に取り入れることでございます。このため、成長戦略の新司令塔である未来投資会議を創設いたしました。

 今後は、スピードアップとパワーアップを図る体制で構造改革の総ざらいを行い、イノベーションの社会実装を強力に進めてまいります。

 未来投資会議の第一回では、建設現場の生産性を二〇二五年までに二〇%向上させるよう、総理から関係閣僚に具体的な指示をいただいたところでもございます。私自身、建設現場の視察を行い、新技術の活用による生産性革命で人手不足を克服し、若者、女性の活躍につながる可能性を大いに感じたところでもございます。

 今後も、そうした取り組みや第四次産業革命の強力な進展により、国民生活を豊かにし、また企業の生産性を向上させるため、必要な構造改革をちゅうちょなく断行してまいります。

 消費税引き上げの景気判断条項についてのお尋ねがございました。

 先ほども申し上げましたが、政府としては、経済再生なくして財政健全化なしとの方針のもと、経済のパイを大きくし、経済再生と財政健全化の両立をさせてまいります。

 未来への投資を実現する経済対策の着実な実行を初め、アベノミクスを一層加速化させることを通じまして、二〇一九年十月の消費税率引き上げが可能な環境を整えるべく、経済財政運営に万全を期してまいります。このため、今般の法案には景気判断条項を盛り込んでいないものと承知をしているところでございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 宮本徹君。

    〔宮本徹君登壇〕

宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、消費税増税延期法案について質問します。(拍手)

 国民の多くが増税中止を求める中、安倍政権は二度目の増税先送りへと追い込まれました。安倍政権は、消費税を八%に引き上げる際、消費税増税の影響はワンショットだと言いました。しかし、現実には、実質賃金の低下、年金の目減りをもたらし、GDPの個人消費は二年連続のマイナス。消費増税は長期にわたって個人消費を落ち込ませる要因となっています。

 大臣、消費税増税路線の破綻を素直に認めるべきではありませんか。

 総理が所信表明で、経済の好循環が生まれていますと言い切ったことに驚きました。家計調査の消費支出は、うるう月効果を除けば十二カ月連続マイナスです。個人消費が低迷して経済が好循環するはずがないではありませんか。

 好循環の根拠として、GDPの個人消費がことしの一―三月と四―六月と二期連続プラスに転じたと言います。しかし、名目で見れば、四―六月の個人消費はマイナスです。実質がマイナスのときは名目が大事だと言い、名目がマイナスのときは実質で実績を強調する、こういう御都合主義はやめるべきではありませんか。

 麻生大臣、消費税増税頼みの財源論の行き詰まりは明らかです。破綻した消費税増税路線にしがみつくのはやめ、消費税増税は二年半の延期実施ではなく、きっぱり断念をして、そして、消費税に頼らない道を決断すべきではないでしょうか。

 格差と貧困が広がる中、社会保障、子育て支援、若者支援を拡充することは緊急の課題です。私たちは、税金の使い方の転換とあわせ、不公平な三つの税逃れを正すことで財源をつくることを提案します。

 第一に、大企業の負担は、中堅・中小企業並みの負担を求めるべきです。

 受取配当益金不算入制度など、主に大企業が利用する税制により、大企業の実際の法人税負担率は中堅・中小企業を大きく下回る不公平が生じている、こういう認識はお持ちでしょうか。大企業優遇税制は思い切って見直すべきです。

 研究開発減税のうち、増加型と高水準型は今年度末で適用期限を迎えます。増加型と高水準型による減税額は、二〇一四年度で合計一千九十億円です。期限どおり終わりにすれば、子育て支援や社会保障の財源とすることができます。

 ところが、経団連と経産省は、減税額の維持、恒久的措置化を求めています。これは、期限の定めのある政策税制は、原則、期限到来時に廃止するという政府税調の基準を踏みにじるものではありませんか。

 高水準型は減税総額の九〇%以上を上位十社が占めており、一部の企業への偏重は明らかです。二〇一二年度に研究開発減税が縮小になった際の経産省の委託調査でも、企業の研究開発投資にはほとんど影響しなかったことがはっきりしております。

 増加型、高水準型は期限どおりに廃止し、総額型などへの形を変えての恒久減税化はやめるべきであります。

 安倍政権は、法人税率の引き下げを進めてきました。しかし、実質賃金は大幅に低下、設備投資も伸び悩み、大企業の内部留保をさらにうずたかく積み上げるだけだったのではありませんか。法人税減税は中止すべきです。

 第二に、所得税の負担率が所得一億円を超えると下がるという不公平を正し、富裕層に力に応じた税負担を求めるべきです。

 富裕層の株式配当や売却益への課税は、欧米主要国は三〇から四〇%ですが、日本は所得税一五%、住民税五%です。これが不公平の最大の原因です。富裕層の株式売却益や配当については、欧米並みの三〇%へ引き上げるべきです。

 今月、経済同友会も、株式譲渡益や配当所得の税率引き上げを提言いたしました。大企業の経営者がみずから課税してほしいと言っています。遠慮なく、来年度から引き上げるべきではありませんか。

 配偶者控除の対象拡大が検討されております。

 控除の見直しに当たっては、基礎控除や低所得者の給与所得控除の拡大など、所得再分配の観点で整合性のとれた見直しにすべきであります。

 第三に、タックスヘイブンの税逃れを正すことです。

 パナマ文書のデータをデンマーク政府が課税逃れを調査するため購入したと報道されました。日本政府はパナマ文書にかかわるデータを入手したのでしょうか。パナマ文書に基づく税務調査の到達点をお示しいただきたいと思います。

 タックスヘイブンとされる地域への日本からの投資は、公表分だけで百兆円前後に上るにもかかわらず、タックスヘイブン対策税制の対象となった所得は〇・四兆円にすぎません。トリガー税率の撤廃、日本からの出資が五〇%超などの適用要件の見直しなど、抜本的に取り組むべきであります。そして、税逃れのツールとなっている外国子会社配当益金不算入制度も見直すべきであります。

 国内で富を築いた富裕層が相続税、贈与税のない国へ移住するケースがふえています。相続人、被相続人とも、五年以上海外に住めば、国外財産は相続税の対象になりません。五年という期間を見直すべきという提案に、麻生大臣は検討を約束されました。来年度から実現すべきではないでしょうか。

 こうした税逃れも正さず、消費税の一〇%増税で穴埋めするなど、断じて許されません。ましてや、租税特別措置の延長の一方で、社会保障の自然増の一千四百億円のカット、介護保険などの給付減、負担増というのは、削るものが間違っているのではありませんか。

 先週、経団連は、主要政党の政策評価を発表し、企業献金を呼びかけました。この間の法人税率引き下げなどを評価する一方で、消費税率の確実な引き上げ、社会保障制度改革、大胆な規制緩和など、国民の痛みを伴う改革を求めています。企業献金と引きかえに、経団連の要求を丸のみするのでしょうか。

 政治が国民よりも財界に顔を向けていては、経済も財政も国民の暮らしも行き詰まるだけであります。大企業優遇の政治姿勢を根本的に改めることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 宮本先生から十問いただいております。

 消費税率引き上げについてのお尋ねがありました。

 安倍内閣において、平成二十六年四月に消費税率を八%に引き上げましたが、三本の矢等の政策により、有効求人倍率は二十四年ぶりの高水準となり、また、三年連続して賃上げが行われるなど、雇用・所得環境は大きく改善をしており、消費増税路線が破綻しているとの御指摘は当たらないと考えております。

 また、消費税率の一〇%への引き上げは、国民の安心を支えます社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために極めて必要な問題であり、断念することはあり得ません。

 政府としては、経済財政運営に万全を期し、平成三十一年十月の確実な引き上げに向けて力を尽くしてまいりたいと考えております。

 大企業の法人税負担率についてのお尋ねがありました。

 安倍政権のもとで、平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、課税ベースの拡大により、財源をしっかりと確保しつつ税率を引き下げたものでありますが、課税ベースの拡大に当たりましては、外形標準課税について中小企業を引き続き対象外とするなど、中小企業には十分な配慮を行っておると考えております。

 なお、御指摘の受取配当金の益金不算入制度は、子会社の段階との法人税の二重課税を避けるため、諸外国においては一般的に導入されている制度であります。こうした制度の影響を捉えて、大企業の法人税の負担割合を低いと単純に結論づけることは、妥当ではないと考えております。

 研究開発税制についてのお尋ねもありました。

 研究開発税制などの租特につきましては、特定の政策目的を実現するために有効な政策手段となり得る一方で、税負担のゆがみを生じさせる面があることから、政府税調の提言のとおり、真に必要なものに限定していくことが必要と考えております。

 研究開発税制につきましても、今年度末に期限が到来いたします増加型や高水準型のほか、総額型も含めた制度全般にわたり、研究開発投資に向けた有効なインセンティブとなっているかといった観点からもしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 次に、法人実効税率の引き下げについてのお尋ねがありました。

 企業の内部留保につきましては、三百七十兆円を超えるまで積み上がりました。現預金もふえておるのが現状であります。経済界がマインドを変え、投資拡大等に取り組んでいくことが何より重要な局面になってきていると考えております。

 平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、単なる税率の引き下げだけではなくて、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、企業の収益力拡大に向けた前向きな投資等を促すためのものであります。したがって、これを見直すということを考えてはおりません。

 株式譲渡益や配当に対する課税についてのお尋ねがあっております。

 金融所得に係る分離課税の税率に関しましては、平成二十六年度から、一〇%の軽減税率を廃止し、二〇%の本則税率としたところです。これによりまして、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られ、所得再配分機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えております。

 今後の税率の水準につきましては、こうした改正の効果も見きわめるとともに、景気情勢や市場の動向、税制や社会保障制度によります所得再分配の状況等々、税制全体のあり方の中での金融所得の課税の位置づけなどを勘案して検討する必要があるものと考えております。

 所得税の控除の見直しについてもお尋ねがありました。

 所得再分配機能の回復を図る観点から、近年の税制改正におきましては、ただいま申し上げた金融所得課税の見直しに加え、所得税の最高税率を四〇%から四五%に引き上げ、給与所得控除が頭打ちとなる収入を一千五百万円から一千万円まで引き下げるといった取り組みを行ってきたところであります。

 まずは、こうした見直しが与える影響を注視しつつ、政府税制調査会における議論を踏まえ、所得税の各種控除のあり方について検討を行ってまいりたいと考えております。

 いわゆるパナマ文書についてのお尋ねがありました。

 国税当局におきましては、一般論として申し上げれば、引き続き、租税条約等に基づく情報交換や国外送金等調書などの資料情報を積極的に活用するほか、今後は、金融口座情報の自動的交換により外国当局から得られる預金等の情報も活用し、より有効な資料情報の収集、分析を行うこととしていますが、御指摘のパナマ文書など個別資料の入手の有無については言及しないことといたしておりますことを御承知おき願いたいと存じます。

 いずれにしても、国税当局におきましては、あらゆる機会を通じて情報収集を行い、その上で、課税上問題のある取引が認められれば税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めているものと承知をいたしておるところであります。

 国際的租税回避への対応についてのお尋ねがありました。

 外国子会社合算制度、いわゆるタックスヘイブン対策税制につきましては、平成二十八年度与党税制改正大綱を踏まえ、租税回避の防止という本税制の趣旨、日本の産業競争力や経済への影響、適正な執行の確保などに留意しつつ、トリガー税率も含めまして、総合的な検討を行っているところであります。

 その際、外国子会社配当益金不算入制度によって、資産や事業を形式的に外国子会社へと移転し、得られた所得を配当として日本に戻すことで課税を逃れる行為が助長され得る点についても留意しつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。

 海外財産に対する相続税等の課税範囲につきましては、平成二十五年度改正において見直しを行ったところでありますが、引き続き、意図的な課税逃れが発生していないかといった課税の実態や諸外国の実例等も踏まえ、検討していきたいと考えております。

 税逃れへの対応と消費税、社会保障の取り扱いについてのお尋ねもあっております。

 政府としては、適正、公平な課税の実現に向けて、国際的な租税回避等をめぐる近年の動きを踏まえつつ、制度、執行の両面から不断に取り組んでいるところであります。

 消費税の一〇%への引き上げは、高齢化の進展を背景に社会保障費の伸びが引き続き見込まれる中、国民の安心を支えます社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために不可欠なものと考えております。

 また、持続可能な社会保障制度を構築する上では、社会保障分野の歳出改革も避けて通れない課題と考えます。負担の公平性の確保や公的保険給付の適正化など、社会保障の効率化や制度改革に不断に取り組むことが必要と考えており、こうした取り組みが間違っているとの御指摘は当たらないと考えております。

 最後に、企業献金と税制の関係についてのお尋ねがありました。

 安倍内閣の経済政策が、政治献金によって影響を受けているということはありません。

 このことは、税制についても同様であり、例えば、平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、大企業を優遇するためのものではなく、企業に対して、収益力拡大に向けた前向きな投資や、継続的、積極的な賃金引き上げが可能な体質への転換を促す観点から、法人税の構造改革を行ったものであります。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 宮本議員にお答えいたします。

 経済の好循環と個人消費についてお尋ねがございました。

 アベノミクス三本の矢の政策によりまして、過去最高水準の企業収益は雇用の拡大、賃金の上昇につながっており、経済の好循環は確実に生まれております。

 御指摘の家計調査は一世帯当たりの消費支出を示すものですが、核家族化や少子化などによる世帯人員の減少により、一世帯当たりの消費支出が伸び悩む一方、世帯数は増加しております。このため、経済全体を示すGDP統計の個人消費を見ますと、実質では、本年一―三、四―六、二四半期連続でプラス、名目でも、ならして見ますとおおむね横ばいでございます。総じて見れば、個人消費は底がたい動きと言えるのではないでしょうか。

 個人消費を拡大していくためには、賃上げを今春の三巡目にとどまらず、四巡目、五巡目と続け、最低賃金の引き上げとあわせて持続的な所得の向上を図ることで、将来の展望を明るいものとすることが重要と考えております。

 また、持続的な賃金上昇には生産性の向上が不可欠であり、多様で柔軟な働き方を可能とする働き方改革に取り組みますとともに、成長戦略を実行してまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 吉田豊史君。

    〔吉田豊史君登壇〕

吉田豊史君 日本維新の会、吉田豊史、富山県富山市出身、初登壇です。

 私は、国士無双、日本一の政治家を目指し、努力いたしてまいります。諸先輩方の御指導をいただきますよう、心からお願い申し上げます。(拍手)

 ただいま議題となりました税制抜本改革法改正案について、党を代表して質問いたします。

 今回の改正案は、消費税率の一〇%への引き上げが再度延期されたことによって提出されたものです。

 我が党は、消費税率の引き上げのためには、国会議員の身を切る改革、公務員人件費削減等の徹底行革、そして景気回復が必要と主張しております。こうした改革はいまだに進んでおらず、ことしになっても内外の経済状況は予断を許さないことから、消費増税の凍結を訴えております。

 一方、今回の改正案では、消費税率の一〇%引き上げの時期を平成三十一年十月と明記しております。

 そして、もともと税制抜本改革法の附則に盛り込まれていた景気条項は、二年前の消費増税延期のときに削除されました。

 財務大臣にお伺いいたします。

 前回の消費増税延期は、消費税引き上げで景気が腰折れしては国民生活に負担が大きいという理由で決定されました。今回の延期は、景気条項が削除された後になされたものですが、理由としては、内需を腰折れさせかねないということが挙げられております。これは、前回と同じ理由による決定ではないでしょうか。

 政府は、今後も、景気や内需の腰折れを理由とした消費増税延期を行う場合があるのでしょうか。それならば、どのような場合に延期するのかを景気条項として明記し、消費税率引き上げの時期は示さない法案とすべきではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 平成二十四年に消費税率の一〇%への引き上げを決定した際、民主党政権下で決められた社会保障・税一体改革大綱には、議員定数削減や公務員総人件費削減などみずから身を切る改革を実施した上で、税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきだと明記されました。この大綱をもとに、民主党、自民党、公明党の三党合意で税制抜本改革法が成立しました。政府と三党は、その後、大綱で示した国民との約束を守ったのでしょうか。

 まず、議員定数の削減は、ことしようやく決まりましたが、衆議院で定数を十減らすのみで、その際に我が党が要求した国会改革も実現しておりません。

 議員歳費と公務員人件費について、復興財源のための議員歳費と公務員給与の削減は二年余りで終了する一方、国民への復興所得課税は平成四十九年まで続きます。平成二十七年、二十八年には公務員給与を引き上げる給与法案が成立し、ことしの人事院勧告では三年連続の公務員給与引き上げとなっています。

 以上を踏まえ、財務大臣にお伺いいたします。

 社会保障と税の一体改革大綱に定めた議員定数削減や公務員総人件費削減は、まだまだ不十分ではないでしょうか。御認識をお伺いいたします。

 先月の参議院本会議で、我が党の片山虎之助共同代表が、四年間の延期で社会保障費と消費税とのつながりは薄くなるばかりで、自公民三党で合意した社会保障と税の一体改革プランは事実上破綻したのではないかと総理に質問いたしました。総理は、これに対し、三党合意においても、消費税率引き上げの実施は時の政権が判断するとされているので、破綻していないと答弁されました。しかし、消費増税延期が続く中での社会保障の恒久財源について、総理から新たな具体的答弁はありませんでした。

 財務大臣にお伺いいたします。

 社会保障と税の一体改革の考え方を見直し、社会保障の恒久財源を消費税以外に求めることを真剣に検討すべきではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。

 最後に、我が党は、どの党よりも先駆けて、消費税増税凍結を訴えてまいりました。本法案で消費増税を延期すること自体に反対はいたしておりませんが、中身についてはしっかりとした議論が必要と考えております。充実した議論を通して、最後には、有言実行の国民目線に立って、是々非々での判断をさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 吉田議員から三問頂戴をいたしております。

 消費税率引き上げの時期等についてのお尋ねがあっております。

 消費税率の一〇%への引き上げは、国民の安心を支えます社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために必要なものであり、二〇一九年十月には引き上げを実施いたします。

 政府としては、二〇二〇年度にプライマリーバランス黒字化を実現するという財政健全化目標も堅持いたします。

 その実現に向け、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、民需主導の経済の好循環を確実なものにすることを通じて、二〇一九年十月の消費税率一〇%への引き上げが可能な環境を確実に整えるべく、経済財政運営に万全を期してまいりたいと考えております。

 このため、御指摘のような、景気条項を設けることや引き上げ時期を明記しないといった対応を行う必要はないと考えております。

 議員定数削減や公務員総人件費についてのお尋ねがありました。

 国家公務員の総人件費につきましては、厳しい財政事情に鑑み、抑制に努めていくことが重要であります。

 政府といたしましては、職員構成の高齢化等に伴います構造的な人件費の増加を抑制するため、一昨年の給与法改正に盛り込んだ給与制度の総合的見直しにおきまして、初任給を据え置く一方、高齢者を四%引き下げることにより、俸給表水準を約二%引き下げることといたしております。また、簡素で効率的な行政組織、体制を確立することで、総人件費の抑制に努めていく考えでもあります。

 なお、国会議員の定数のあり方につきましては、民主主義の根幹にかかわることでもありますので、各党各会派でしっかりと御議論いただくべきものであろうと考えております。

 最後に、社会保障の財源についてのお尋ねがあっております。

 社会保障と税の一体改革は、社会保障の充実と安定化を図ることで、社会保障の持続可能性の確保と財政健全化を同時に達成しようといたしております。

 そのための財源としては、消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、特定の人に負担が集中しないといった特徴を有しており、国民が広く受益をする社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源としてふさわしいものと考えております。

 なお、社会保障と税の一体改革におけます社会保障の充実につきましては、消費税財源に加えて、社会保障改革プログラム法に基づきます重点化、効率化による財源も充てることといたしており、こうした取り組みに努めてまいりたいと考えております。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

    〔議長退席、副議長着席〕

     ――――◇―――――

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

副議長(川端達夫君) この際、内閣提出、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣高市早苗君。

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 本法律案は、世界経済の不透明感が増す中で、新たな危機に陥ることを回避するためにあらゆる政策を講ずることが必要となっていることを踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるものであります。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 その一は、地方消費税率引き上げ時期の変更等の改正であります。

 地方消費税の税率引き上げの施行日の変更及び消費税に係る地方交付税の率の変更等を行うこととしております。

 その二は、地方法人課税の偏在是正措置の実施時期の変更等の改正であります。

 法人住民税法人税割の税率の引き下げ時期及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止時期の変更等を行うこととしております。

 その三は、車体課税の見直しの実施時期の変更等の改正であります。

 自動車取得税の廃止時期並びに自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入時期の変更等を行うこととしております。

 その他、個人住民税の住宅借入金等特別税額控除の適用期限の延長を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

副議長(川端達夫君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。黄川田徹君。

    〔黄川田徹君登壇〕

黄川田徹君 民進党の黄川田徹であります。

 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 まずもって、冒頭、消費税の引き上げ再延期の原因について伺います。

 安倍総理は二年前、消費税の再延期はないと断言していたにもかかわらず、再延期を決めました。総理は、世界経済のリスクを理由とした新しい判断であると居直っておりますが、再延期の原因は、アベノミクスが行き詰まり、実質賃金は低下、消費は低迷し、格差が拡大するなど、国民生活が厳しさを増したことにあることは明らかなのではないですか。このことについての所見を石原経済財政担当大臣に伺います。

 次に、消費税率の引き上げと低所得者対策について伺います。

 本法案により導入が延期されるとはいえ、政府が導入を進める軽減税率制度は約一兆円の財源を必要とし、社会保障の安定とそして充実のための地方財源の確保が大きな課題となることは明らかであります。

 政府は、安定的で恒久的な財源を確保すると改正税制大綱に明記し、国税収入は一年かけて財源を探すとしておりますが、住民サービスに直結する地方財政には特に安定財源確保の要請が強く働きます。よって、もはや猶予はありません。麻生財務大臣には、この場で財源を明示するよう求めます。

 さらに、地方自治と地域活性化に関する基本的認識について伺います。

 安倍政権では、地方創生の名のもとに、まち・ひと・しごと総合戦略を策定し、東京一極集中を是正し、活力ある日本社会の維持を目指すとしています。しかしながら、地域活性化の手法としての現状の地方創生総合戦略には大きな懸念を持たざるを得ません。

 国が定めた総合戦略を勘案して地方創生総合戦略を地方につくらせる国主導のやり方は、国の目標をもとに当てはめる中央集権的な手法となっております。このような手法では、地方発の自主的な取り組みが十分に発揮されません。中央省庁が握っている財源と権限を大胆に移すという地方分権とは、似て非なる取り組みと私は言わざるを得ません。

 そして現在も、東京一極集中の流れはとまっていません。住民基本台帳人口移動報告の平成二十七年結果では、東京圏の転入超過数は約十一万九千人であり、東京圏の転入超過は二十年連続となっております。

 政府が一極集中是正策として鳴り物入りで打ち出した中央省庁の地方移転についても、四十二道府県から六十九の機関を誘致したというのにもかかわらず、文化庁、総務省、消費者庁で移転が具体化する方向になっただけ。しかも、総務省は統計局の一部を和歌山県に移し、消費者庁は徳島県に一部拠点を設ける程度でしかありません。

 中央省庁の権限や財源は現状のまま、単に一部の役所の場所を移すということしかできない現政権には、権限や財源も移す真の地方分権などできるはずもありません。現状を見る限り、安倍政権の地方創生は、アベノミクス同様にかけ声倒れに終わるのではないか、こう思っております。

 地方創生施策の現状をどのように捉え、地方創生が進まない根本原因と改善策、さらには、地方分権への道筋をどのように考えているのか、山本地方創生担当大臣に明快な答弁をいただきたい、こう思います。

 次に、本法律案について幾つかお伺いいたします。

 まず一点目であります。消費税、地方消費税率引き上げ再延期により失われる財源についてであります。

 消費税、地方消費税率の引き上げによる増収分は、子ども・子育て支援や医療、介護の充実に向けた施策の実施等の社会保障の拡充や安定化などに充てるとされておりました。税率引き上げの再延期により、これらの施策は、税率引き上げまでその財源を失うことになります。

 政府は、税率の引き上げを再延期しても、保育の受け皿五十万人分の確保など、可能な限りの社会保障の充実を実施するとしておりますが、その費用については、国の責任において安定財源を確保できるのでしょうか。

 消費税、地方消費税率の引き上げ分は、地方交付税原資分も含めると、その約三割が地方の社会保障財源であります。地方が必要な住民サービスを十分かつ安定的に提供し、地方財政の運営に支障を来さないよう、地方交付税原資分も含め、必要な財政措置を確実に講ずるべきと考えます。

 仮にも、財源が不足し、地方に負担を転嫁するような制度改正を行うことがあってはならないと考えますが、高市総務大臣の所見を伺いたいと思います。

 二点目であります。税源の偏在是正措置について伺います。

 地方消費税は、地方法人課税などと比べると、地域間の税収の偏在が比較的小さい税でありますが、そうはいっても、一人当たりの税収で最大二倍の格差が存在しております。さらに、交付税の不交付団体には、社会保障給付支出の増加額を上回る地方消費税の増収が生じる一方、交付団体には、地方交付税の振りかえである臨時財政対策債の減少等により相殺される結果、不交付団体と交付団体の間の財政力格差がさらに拡大するといった課題が生じております。

 今後、増加する社会保障関係費の財源を確保するため、消費税、地方消費税率をさらに引き上げる場合、国と地方の配分をどう考えておるのでしょうか。

 偏在の是正を重視すれば、引き上げ分の全てを国の消費税とし、そのうちの一部を地方交付税とする考え方も出てきますが、他方で、地方の独自財源を重視するという地方分権の観点からは、地方消費税率の引き上げが望ましいことになります。

 この偏在是正と地方の独自財源確保のバランスを今後どう図っていくのか、高市総務大臣の所見を求める次第であります。

 三点目であります。車体課税の見直しに係る措置についてであります。

 自動車税は都道府県の基幹税でありますが、車体課税に係る地方税収は、平成二十一年度の自動車取得税へのエコカー減税の導入等により大幅に減少しています。消費税、地方消費税引き上げ時に自動車取得税を廃止し、自動車税、軽自動車税に環境性能割を導入する際には、地方財政に影響を及ぼすことがないよう、必要があれば平成三十一年度の税制改正で見直すことになっております。しかしながら、地方財政の安定化の観点からは、事前に具体的な代替財源の確保を前提として行うべきと考えます。

 そこで、現在予定している代替財源はあるのか、なければ、早急に確保するべきではないのか、高市総務大臣の所見を伺いたいと思います。

 結びであります。

 東日本大震災の発災から五年と七カ月余りが経過いたしました。大震災は、地震、津波、原発事故、そして風評被害をもたらし、復旧復興にはさまざまな困難を伴っています。岩手にあっては、八月末の台風十号の豪雨被害が追い打ちをかけています。集中復興期間の五年間では完遂せず、道半ばの自治体はまだまだあります。特にも、福島は次の五年間が正念場であります。

 一方、熊本大震災の発生から半年余りとなりました。

 避難先で体調を崩すなどして震災関連死に認定された方は五十五人と直接死を上回り、犠牲者は計百十人となっています。また、応急仮設住宅が約四千戸完成し、今月中には県内の全ての避難所は解消される見込みであります。しかしながら、仮設からの退去はいつになるのか。住みなれたもとの場所での住宅再建は望めるのか。資金不足で見通しの立たない人も少なくないのではないでしょうか。容易でない実態が熊本でもあるのではないかと感じております。

 まさに、これからが本当の復興への戦いになってきます。復興期間の長さが被災者の人生を大きく変えていく、その姿を私は目の前で見ております。復興の時間の流れに翻弄される被災者をつくらないためにも、災害の風化をとめていかなければなりません。

 私は、大規模災害の復旧復興には与党も野党もないと常に問うてまいりました。被災地の現場と現状を酌み取る力のない、ごく一部の閣僚の振る舞いには落胆し、そして憤りを覚えるわけであります。

 また、政府は、去る十月十一日に、地球温暖化対策の新たな国際枠組みであるパリ協定の批准案を閣議決定し、国会に提出いたしました。参議院先議の法案となっておりますが、国際社会の動きからは大きく出おくれたのではないでしょうか。正式メンバーの締約国とは認められないのではないでしょうか。COP22の開催前に全ての手続を終えることは難しく、発言力も低下するのではないでしょうか。

 気候変動による大災害の発生は明らかになってきていると私は思っております。

 政治は、仮想の現実から目を覚ます必要があります。人口減少、それに伴う税と社会保障の一体改革、財政再建、そして大規模災害対策、地球温暖化対策などには正面からしっかりと向き合わなければならないと思います。

 最後に、ライバルがいない世界は本当に閉塞感を強く感じるわけであります。我が民進党は、代表もかわりました、政権を担い得る政党として成長していかなきゃなりません。しっかりと頑張ることを国民の皆さんに約束し、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 黄川田議員にお答え申し上げます。

 消費税の引き上げ再延期についてお尋ねがございました。

 アベノミクスについては、雇用・所得環境が大きく改善する中で、実質賃金は本年二月以降七カ月連続で増加し、個人消費も総じて見れば底がたい動きとなっているなど、確実な成果を生んでいると思っております。

 二〇一七年四月に予定されていた消費税率の一〇%への引き上げについては、中国などの新興国経済の減速など、世界経済がさまざまなリスクに直面しているというG7共通認識のもと、あらゆる政策を総動員し、経済再生、デフレ脱却に向けた取り組みに万全を期すべきであることから、二年半延期するとしたものでございます。

 政府としては、二〇一九年十月の消費税率の一〇%引き上げに向けて、アベノミクスを一層加速させ、経済財政運営に万全を期してまいります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 消費税軽減税率制度の財源確保についてのお尋ねがあっております。

 軽減税率制度の財源確保につきましては、平成二十八年度の税制改正法におきまして、歳入及び歳出における法制上の措置を講ずることにより、安定的な恒久財源を確保すると明記したところであります。

 その検討に当たりましては、経済社会の動向を見きわめつつ、十分に議論を行っていくことが適当であろうと考えておることから、今般の法案におきましては、軽減税率制度を導入する前年度の平成三十年度末を期限として検討を進めることといたしております。

 今後、与党とも相談をいたしつつ、歳入歳出両面にわたって検討することとなりますが、国、地方あわせて、必要な安定財源をしっかり確保してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣山本幸三君登壇〕

国務大臣(山本幸三君) 地方創生の現状と改善策、地方分権への道筋についてお尋ねがありました。

 地方創生は、少子高齢化に歯どめをかけ、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来にわたって成長力を確保することを目指しております。

 昨年度までにほぼ全ての地方公共団体が自主性、主体性を発揮して総合戦略を策定しており、これからは本格的な事業展開に取り組む段階に入っております。

 東京圏への人口の過度の集中の原因については、大企業や会社の本社機能が集中し、就職に有利であることなどが東京圏に人を引きつけているためと考えられますが、地方から東京圏への人口流出に歯どめをかけ、東京一極集中を是正することは、人口減少を克服し、地方創生をなし遂げるために重要と考えております。

 そのため、地方における若い世代に対して魅力ある雇用の創出に対する交付金による支援、企業の本社機能移転税制の創設、政府関係機関の移転、生涯活躍のまちの実現、地元就職時の奨学金の返還免除など、地方への新しい人の流れをつくるための多岐にわたる施策を推進してきたところであります。また、新たな取り組みとして、地方創生インターンシップ事業等も進めているところです。

 地方創生では、自助の精神が重要であり、国としては、意欲と熱意のある地方公共団体に対し、財政支援だけではなく、人的支援、情報支援の観点からも強力に応援してまいります。

 地方分権改革の推進は、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生において極めて重要なテーマです。

 このため、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指し、平成二十六年から、地方に対する権限移譲や規制緩和に関する提案募集方式を導入し、地方版ハローワークの創設等を実現いたしました。

 今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、地方分権改革に取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 黄川田議員から私には、まず、消費税、地方消費税率引き上げを延期した際の社会保障の充実施策に係る財源についてお尋ねがございました。

 子育てや介護など、社会保障に果たす地方自治体の役割は極めて大きいことから、所要の財源を確保することが重要でございます。

 このため、総務省としましては、消費税、地方消費税率の引き上げ延期に対応した社会保障の充実施策や、保育士、介護職員の処遇改善など一億総活躍プランに関する施策の実施に関し、地方負担分も含めた安定財源を確保すること、及び地方に負担を転嫁するような制度改正等を行わないことについて、関係府省に要請をいたしております。

 財政負担のあり方も含め、具体的には今後予算編成過程で検討されることとなりますが、いずれにしましても、社会保障施策の取り扱いに係る地方財政への影響については、年末に向けての地方財政対策の中で、歳出歳入の両面において、地方自治体の財政運営に支障が生じることのないよう対応をしてまいります。

 次に、税源の偏在是正措置と地方税源の確保についてお尋ねがございました。

 平成二十四年に、民主、自民、公明の三党合意を経て成立した税制抜本改革法においては、消費税の引き上げ分について、社会保障の役割に応じて、国、地方間で配分することとされております。消費税率八%段階において、一・七%分の地方消費税収を確保いたしました。

 また、税制抜本改革法の規定の趣旨を踏まえた地方法人課税の偏在是正措置も、平成二十八年度地方税法等改正法において措置をいたしましたが、消費税率引き上げ時期の変更に伴い、今回提出をしている法案において、その施行を二年半延期するとしております。

 総務省としましては、消費税率一〇%への引き上げにあわせ、地方法人課税の偏在是正措置を着実に実行しつつ、地方税財源の充実確保を図るとともに、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組んでまいります。

 次に、車体課税の見直しと代替財源の確保についてお尋ねがございました。

 消費税率一〇%への引き上げ時の車体課税の見直しは、与党税制改正大綱において、他に確保した安定的な財源とあわせて、地方財政へは影響を及ぼさないとされていることを踏まえ、制度設計したものです。

 具体的には、自動車取得税を廃止する一方、環境性能割の導入による税収のほか、平成二十七年度から実施した軽四輪等の税率引き上げの増収分などを含め、必要な地方財源はおおむね確保いたしました。

 今回の法案においては、消費税率の引き上げ時期の変更に合わせ、車体課税の見直しを二年半延期するとともに、環境性能割の税率区分について、その導入前に見直しを行う規定を設けております。

 いずれにしましても、地方財政へ影響を及ぼさないよう、今後とも適切な税収規模の確保に努めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 輿水恵一君。

    〔輿水恵一君登壇〕

輿水恵一君 公明党の輿水恵一でございます。

 私は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して質問をさせていただきます。(拍手)

 私たちは、日本が世界に誇る社会保障の充実、安定化と財政健全化の同時達成を目指し、社会保障と税の一体改革を進めてまいりました。しかし、今回、世界経済が直面するリスクを関係諸国が一体となって回避するために、医療や介護などを支える消費税率の一〇%への引き上げが平成三十一年十月まで再延期されることとなりました。

 一方で、二〇一二年には約一千五百万人だった七十五歳以上の高齢者数は、二〇一五年には約一千七百万人、そして二〇二五年には約二千二百万人と推計されており、このように急激に進行する高齢化への対策は確実に進めなければなりません。さらに、日本は、本格的な人口減少の時代に突入し、二〇一五年の人口減少幅が約二十七万人と過去最大となりました。

 このような状況の中で、政府は、我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障の実現を目的とするニッポン一億総活躍プランを打ち出しました。この中には、新たに約五十万人分以上の介護の受け皿を整備することなども盛り込まれております。

 まさに、高齢化対策も少子化対策も待ったなしであります。そして、これら社会保障分野についての多くは地方公共団体からサービスが提供されており、地方財政計画に基づく適切な執行のためには安定的な財源の確保が必要であります。

 そこで、今回の消費税率の引き上げの延期による地方財政への影響はどの程度になると見込まれるのか、地方税収に加え、地方交付税の原資分への影響も含めて、お示しください。また、国民生活に直結した実務を担っている地方公共団体の財政運営に支障を来すことがないように、この影響にどのように対処しようとしているのか、総務大臣のお考えをお聞かせください。

 車体課税について伺います。

 平成二十九年の四月より自動車取得税を廃止するとともに、自動車税及び軽自動車税に環境性能割を導入する等の車体課税の見直しを進めることとなっておりました。この見直しは、環境性能の高い自動車への買いかえを促進し、日本経済の押し上げを図るとともに、自動車の環境負荷の低減が期待されます。

 一方、税制抜本改革法において、「国及び地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から、見直しを行う。」とされています。

 そこで、今回の車体課税の見直しについて、消費税率の延期に合わせて、施行を二年半延期することとした理由についてお聞かせください。また、今回予定されていた環境性能割の税率区分に関する今後の取り扱いについての考えもあわせてお聞かせください。

 社会保障制度を初め、福祉、学校教育、消防、道路や河川等の社会基盤の整備など、国民生活に密接に関連する行政は、その多くが地方公共団体の手で実施されております。これらを安定的な財源のもとで実施することを考えると、平成三十一年十月の消費税一〇%への引き上げは、確実に実行されなければなりません。

 そのためには、GDPや雇用の約七割を占める地域経済圏の活性化による日本経済の底上げが必要であります。ここで、地域資源や地域の特色に着目した、農林水産業の六次産業化や魅力ある観光産業の開発など、産学金官の連携による地域経済の創造や、地方への移住促進や小さな拠点、生涯活躍のまちづくりなど、将来にわたって活気ある地域づくりを着実に推進することが求められております。

 そこで、消費税一〇%への引き上げを平成三十一年十月に確実に実現するために、地方を所管する総務省が先頭に立って、ローカル・アベノミクスを推進し、地域経済の好循環の確立を通じて我が国の経済を力強いものにしていく必要があると考えますが、総務大臣の地域経済の活性化へのお考えをお聞かせください。

 今回の消費税率の引き上げ延期による当面の課題は、平成二十九年度の地方財政収支への対処であると思います。特に、平成二十九年度地方財政収支の仮試算では、二十八年度まで見込んでいた前年度決算税収の増及び当該年度税収の補正増に伴う繰越金が見込まれないなど、大変に厳しい状況となっております。

 一方で、深刻な人口減少問題とともに、東京一極集中の加速により、地方は、若者離れ、高齢化が進み、大都市との格差が広がっています。今こそ、将来にわたって活力ある地域づくりを目指し、本格的な事業展開に取り組む段階に入ってきた地方創生の芽を開花させなければなりません。

 そこで、平成二十九年度の地財対策において、地域生活や地域経済の持続可能な発展を支えるための、必要な一般財源総額の確保に向けての総務大臣の御決意をお聞かせください。

 公明党は、地域の隅々まで希望が行き渡る国を目指して、全国三千名の地方議員と国会議員が一体となって、地域に根を張り、現場の声を大切に、一生懸命に働き抜いてまいりました。いよいよここからが勝負であります。活気ある温かな地域づくりを目指して、地方公共団体の安定的な福祉サービスの継続とともに、地域の新たなる繁栄と発展の道を全力で開いていくことをお誓いし、質問とさせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 輿水議員から私には、まず、引き上げ延期による地方税収等への影響と地方団体の財政運営についてお尋ねがございました。

 地方財源への影響は、地方消費税と地方交付税法定率分を合わせますと、平年度でおよそ一・七兆円の減収と見込んでいます。引き上げ延期により、予定していた地方消費税収等の歳入が得られなくなりますが、毎年度の地方財政対策において地方の一般財源総額をしっかり確保することで、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供しつつ安定的な財政運営を行うことができるよう、今後とも努めてまいります。

 次に、車体課税の見直しの延期及び環境性能割の導入時における税率区分の取り扱いについてお尋ねがありました。

 自動車取得税の廃止と環境性能割の導入は、与党税制改正大綱において、消費税率一〇%時の措置であることが明記されています。

 これを踏まえ、今回の法案においては、消費税率引き上げ時期の変更に合わせ、車体課税の見直し時期を二年半延期することとしています。

 また、環境性能割の税率区分は、さきの通常国会で成立した地方税法等改正法において、環境性能の向上を促進する重要性や地方の安定的な財源確保などの観点から、二年ごとの見直しが規定されています。

 今回の法案においては、環境性能割の導入を二年半延期することに伴い、この趣旨を踏まえ、導入前に税率区分を見直すこととしています。

 次に、ローカル・アベノミクスの推進についてお尋ねがありました。

 地域経済は全体として緩やかな回復基調が続いているものの、世界経済の需要の低迷や内需の腰折れが懸念されることから、ローカル・アベノミクスを加速し、地域経済の好循環のさらなる拡大を後押ししていくことが重要です。

 具体的には、第二次補正予算に新たに盛り込んだ、地方への人と情報の大きな流れを創出するチャレンジ・ふるさとワークや、マイキープラットフォームを活用した地域経済応援ポイントなどの施策を進めていきます。

 また、ローカル一万プロジェクトやふるさとテレワークなどの推進に引き続き力を入れるなど、あらゆる政策を動員して、ローカル・アベノミクスを強力に推進してまいります。

 最後に、地方の一般財源総額の確保についてお尋ねがありました。

 平成二十三年度地方財政対策以来、前年度決算税収の増及び当該年度税収の補正増に伴う交付税の増分を翌年度への繰越金として活用することにより、出口ベースの交付税総額の確保と臨時財政対策債の発行抑制を図ってまいりました。

 しかしながら、平成二十九年度においては、現時点でこのような繰越金が見込めず、地方団体に交付される出口ベースの地方交付税が〇・七兆円の減、臨時財政対策債が〇・九兆円の増という大変厳しい状況です。

 年末の地方財政対策に向けては、地方団体が一億総活躍社会の実現や地方創生の推進などに取り組むため、必要な地方の一般財源総額をしっかり確保するとともに、特に、地方交付税総額が適切に確保されるよう、最大限の努力を重ねてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 梅村さえこ君。

    〔梅村さえこ君登壇〕

梅村さえこ君 私は、日本共産党を代表して質問いたします。(拍手)

 本法案は、消費税の一〇%増税を再延期して、二〇一九年十月からの増税実施のために、地方税等の措置を行うものです。日本共産党は、消費税一〇%増税は延期ではなく、きっぱり断念し、消費税に頼らない道をとるべきであると主張してまいりました。

 まず、増税の延期について伺います。

 八%増税で、地域経済や個人消費の落ち込みを一層深刻にしたことが再延期の最大の理由ではありませんか。

 地域の地場産業や商店街を支えているのが中小零細業者、農家の皆さんです。八%増税で、国民が財布のひもをぎゅっと締めているため、中小零細業者の皆さんの売り上げが落ち込んでいます。八%増税後、消費税の新規発生滞納額は約六割も増加をし、払えない、店を畳むしかないの悲鳴が広がっているではありませんか。こうした実態を財務大臣はどう認識しているのでしょうか。お答えください。

 また、貧困と格差の広がりの中で、貧困世帯への影響についてです。

 年収二百万円以下の給与所得者が一千万人を超え、貯蓄ゼロ世帯が全世帯の三割にも上り、国民年金の平均受給額は月約五万四千円です。このもとで、厚生労働省の国民生活基礎調査では、八%増税後、生活が苦しいが六割にもなっているではありませんか。総務省の調査では、母子世帯の家計は現在でも月九百四十四円の赤字となっています。

 貧困世帯への増税の影響について、厚生労働大臣の御認識を伺いたいと思います。

 次に、消費税増税と地方財政について伺います。

 政府は、偏在性の少ない安定的な地方税財政を構築するなどとして、消費税増税と地方消費税率の引き上げを進めてきました。消費税を増税しなければ地方財政は大変になるといいますが、自治体でいえば、地方消費税の引き上げによって地方税収がふえても、その分、地方交付税は減ることになるのではありませんか。

 政府は消費税を地方財政の軸にしようとしてきました。そして、東京都と地方の財政格差を埋めるとして、法人住民税を地方法人税として国税に取り上げ、地方交付税で地方に配るとしてきました。消費税増税で自治体の財政格差を広げておきながら、これを是正するとして地方の自主財源を取り上げるやり方は本末転倒ではありませんか。

 結局、消費税に頼ることがこうした矛盾を地方でもつくり、拡大する原因だと考えます。総務大臣の答弁を求めます。

 そもそも地方財政の確立は、消費税増税に頼るのではなく、内需の拡大と累進税制の強化で行うべきです。社会保障費を初め地方が必要とする財源を十分に確保するために、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げるべきです。地方交付税の持つ財源保障機能と財政調整機能を発揮させた地方財政への道を強く求めたいと思います。

 さらに、消費税増税が住民サービスや地方自治体の運営にどのような影響を及ぼしているかについて伺います。

 まず、学校給食の問題です。

 ある自治体では、八%増税の際、保護者に対して、消費税の引き上げ率相当の給食費の値上げはやむを得ないのか、それとも給食費は据え置いて弁当持参の日を設けるのかとの選択をアンケートで迫りました。また、安い具材にするために給食メニューの変更を余儀なくされるなど、現場から悲鳴が寄せられています。

 消費税増税が保護者、子供、自治体をこんなにも苦しめていることを御存じでしょうか。実態調査をすべきではありませんか。

 次に、自治体病院の問題です。

 消費税は、病院が医療機器や薬品、診療材料を購入する際には消費税が課税されますが、そもそも診療報酬が低く抑えられているため、いわゆる損税となって病院経営に重くのしかかっています。

 全国自治体病院開設者協議会の政府への要望書では、特に自治体病院は職員数を抑制せざるを得ず、外部委託が多くなっており、損税負担が大きいと指摘をしております。

 消費税の一〇%増税でさらに損税負担が重くなれば、病院経営に深刻な影響が及び、医療提供体制の維持は困難になるのではありませんか。自治体病院の役割をどう認識しておられますか。一〇%増税で自治体病院が守れるというのですか。答弁を求めたいと思います。

 最後に、熊本地震や東日本大震災などからの復旧復興と消費税についてです。

 熊本地震から六カ月、十七万棟を超える住家被害の約八割が一部損壊と認定され、公的支援がない事態です。被害認定の線引きが支援の切り捨てとなってはなりません。国として、一部損壊の実態を調べ、支援策を講ずるべきではありませんか。

 また、住宅再建には大きな資金が必要となります。熊本でも東日本大震災でも、やっと住宅再建というときに大きくのしかかってくるのが消費税の増税です。

 被災者の生活となりわいの再建にとって、消費税一〇%増税は大きな妨げになるのは明らかです。答弁を求めます。

 消費税は逆進性が強く、赤ちゃんから高齢者まで全ての国民にかかり、病気になっても、失業しても、災害に遭っても免除のない、弱い者いじめの税金です。消費税一〇%中止を求める国会請願署名は、一千万筆近くも国会に提出されています。この国民の声をしっかりと受けとめるべきです。

 消費税一〇%増税は、延期ではなく、きっぱりと断念すべきことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 梅村議員から私には、まず、地方財政と地方消費税率の引き上げについてお尋ねがございました。

 現在の地方財政は、アベノミクスの取り組みのもとに税収が回復基調にあり、財源不足額は減少傾向にございますが、平成二十八年度においてもなお五・六兆円もの巨額の財源不足が生じています。

 地方の財源不足については、国と地方が折半して補填することを基本として、このうち地方負担分は特例債である臨時財政対策債の発行により対応しています。

 地方財政の健全化の観点からは、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要です。そのため、歳入歳出両面において最大限の努力が必要であり、歳入面においては、地方消費税収も含めて、地方税収の確保を図っていくことが必要であると考えております。

 次に、消費税増税と地方法人課税の偏在是正措置についてお尋ねがありました。

 地方消費税は、地域間の偏在性が少なく、税収の安定性も高いことから、社会保障制度を支える地方団体の財源としてふさわしいものであり、その税率の引き上げは必要なものと認識しております。

 その一方で、地方消費税率の引き上げによる増収分は、交付団体においては地方交付税及び臨時財政対策債の減となって相殺されますが、不交付団体では財源超過額の増となり、地方団体間の財政力格差の拡大につながることとなります。

 このため、消費税率一〇%段階において、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の一部を国税化し、その税収を全額、地方の固有財源である、また共有財源である地方交付税の原資とするなどの措置を講じることとしております。

 この措置は、あくまで地方消費税の税率引き上げによって地方の税財源を拡大する中で行うものであり、地方消費税率の引き上げとあわせて、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に資するものと考えております。

 次に、消費税増税による学校給食への影響について、実態を調査すべきではないかとのお尋ねがございました。

 学校給食に要する経費については、給食施設整備費や人件費は学校の設置者が負担し、残りの食材費を保護者が負担する仕組みであると承知しております。

 この保護者負担分については、御家庭の経済状況が厳しい要保護及び準要保護の児童生徒に対して援助が実施されていると承知しています。

 お尋ねの、学校給食に関する実態調査につきましては、制度を所管している文部科学省ともよく相談しながら検討すべき課題であると考えています。

 最後に、自治体病院の役割及び仕入れに係る消費税負担についてお尋ねがございました。

 公立病院は、民間病院の立地が困難である僻地における医療や、救急、周産期、小児、高度医療などの不採算、特殊部門に係る医療を提供する重要な役割を担っているものと認識しています。

 社会保険診療については、消費税は非課税とされており、仕入れに要した消費税負担分は診療報酬改定により対応されてまいりました。

 しかしながら、特に高額な設備投資を行っている医療機関にとっては負担が大きいとの御指摘があり、全国自治体病院開設者協議会からも改善を求める意見が出されていることは承知しています。

 こうした御意見を踏まえ、平成二十八年度税制改正大綱においては、税制上の措置について、医療保険制度における手当てのあり方の検討等とあわせて、平成二十九年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得ることとされています。

 総務省としましても、公立病院を所管する立場から、こうした動きを注視しつつ、対応を検討してまいります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 消費税の引き上げや滞納についてのお尋ねがあっております。

 安倍内閣におきまして、平成二十六年四月に消費税率を八%に引き上げましたが、三本の矢の政策等々により、有効求人倍率は二十四年ぶりに高水準となっております。また、三年連続で賃上げが行われるなど、雇用・所得対策は大きく改善をしておると考えております。

 したがって、八%増税が地域経済等のいわゆる消費の落ち込みを深刻にしたことが延期の理由との御指摘は全く当たらないと考えております。

 なお、消費税の新規発生滞納額が増加しているとの御指摘ですが、滞納が発生をしております要因につきましては、個々の納税者の営業や資金繰りの状況などさまざまな事情がありますので、確たることは申し上げられないと考えております。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 梅村さえこ議員にお答えを申し上げます。

 貧困世帯への増税の影響についてお尋ねを頂戴いたしました。

 消費税率の引き上げによる増収分は全額、所得の低い方々への支援を含む、社会保障の充実、安定化に充てることとしており、所得の再分配にも資するものであると思います。

 引き上げに際しましては、増収分を活用した社会保障の充実として、国民健康保険料等の軽減の拡充や高額療養費制度の自己負担限度額の引き下げなど、低所得者対策の強化を実施しているところでございます。(拍手)

    〔国務大臣松本純君登壇〕

国務大臣(松本純君) 一部損壊の住家被害の実態把握及びその支援策についてお尋ねがありました。

 内閣府では、被害認定を迅速かつ的確に実施できるよう、被害認定基準運用指針を定めており、屋根、壁、柱などの主要な部分の被害が住家全体に占める損害割合によって判定を行うこととしております。

 被害認定においては、当初一部損壊と判定された場合でも、被災者の依頼に応じ、再調査を実施しております。その結果、一部損壊と判定されても、敷地に被害があり、解体せざるを得ない場合には、被災者生活再建支援制度上、全壊と同様に最大三百万円の支援が行われます。また、独立行政法人住宅金融支援機構の災害復興住宅融資等の支援措置を活用することもできます。

 なお、被害認定調査の実態については、これまでも地方自治体からの問い合わせやアンケート調査等を通じて把握に努めているところでございます。

 今後とも、一部損壊と判定された方々を含め、地方公共団体向けのアンケート調査などにより、被害認定調査の運用実態をしっかりと把握してまいります。

 引き続き、関係省庁や地方公共団体等と連携しながら、適切に対応してまいります。

 次に、消費税増税についてお尋ねがありました。

 消費税率の一〇%への引き上げは、社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために必要なものであり、その増収分は全額、社会保障の充実、安定化に充てることとしているものと認識しております。

 また、政府としては、被災者生活再建支援制度などを活用し、被災者の方々の自立した生活や住宅の再建に資する支援をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、被災地の状況、要望等を踏まえつつ、復興の着実な推進に向けて適切に配慮してまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 椎木保君。

    〔椎木保君登壇〕

椎木保君 日本維新の会の椎木保です。

 私は、ただいま議題となりました地方税に係る税制抜本改革法改正案について、党を代表して質問いたします。(拍手)

 今回の改正案は、八月の閣議決定で消費税率の引き上げ時期が変更されたことに伴って提出されたものです。

 消費税増税延期の理由を、安倍総理は、G7伊勢志摩サミット後の六月一日の記者会見で述べておられます。世界経済が大きなリスクに直面しているために政策総動員が必要な中で、消費税率の引き上げは内需を腰折れさせかねないとのことでした。

 これによって、国、地方の消費税率の八%から一〇%への引き上げが延期され、地方消費税率については、現在の一・七%から二・二%への引き上げが延期されたことになります。

 我が党は、今回の消費税増税延期については賛成の立場です。ことしになってからも景気は好転しておらず、議員の身を切る改革や公務員人件費削減等の行政改革も進んでいないからです。

 一方で、国と地方の財政に関する一般論としては、地方の安定財源であるべき地方消費税のあり方が内閣の一存で全て決められる現行の仕組みも見直しが必要と考えています。

 財務大臣にお伺いいたします。

 消費税は内外の経済変動の影響を受けにくいので、地方の安定財源として地方税化して、消費税率の決定についても自治体が関与できる仕組みとすべきではないでしょうか。御認識をお伺いいたします。

 今回の消費税率引き上げ延期につき、全国知事会は、税率引き上げまでの間、子ども・子育て支援、医療、介護の充実等の社会保障の充実、安定の財源が失われることに懸念を示しています。そして、当該施策の実施費用については国の責任で確保し、地方に負担を転嫁しないよう、ことし七月に提言しています。

 我が党は、社会保障政策は自治体の権限と責任で行うべきと主張しておりますが、消費税の地方税化等の抜本的な税源移譲がその前提であると考えております。

 そこで、総務大臣にお伺いいたします。

 今回、地方消費税率の一・七%から二・二%への引き上げが延期されると、地方にはどのような影響が生じると御認識でしょうか。社会保障充実等の主たる項目ごとに、自治体財政や各種施策のスケジュールへの影響について、概要をお示しください。

 関連して、財務大臣にお伺いいたします。

 国、地方の消費税率一〇%への引き上げ時に実施するとしていた社会保障充実策につき、税率引き上げまでの間に実施する費用について、国と地方の負担のあり方はどのようにする予定か、御認識をお答えください。

 最後に、地方法人課税についてお伺いいたします。

 現行の法人住民税と法人事業税は、税収が不安定な上、自治体ごとに税収格差も大きい税です。そこで、平成二十六年度改正で、地方法人税を創設し、地方交付税の原資としました。消費税率の一〇%への引き上げ時には、この地方交付税原資化をさらに進める予定だったのが、今回の改正案で延期されることになっています。

 総務大臣にお伺いいたします。

 地方法人税による再分配の強化は、税収の安定化や税収格差の抜本的な是正につながるのでしょうか。他の先進国は、我が国ほどには地方税収を法人所得課税に頼っておりません。自治体の財源確保は、変動の大きい法人課税に頼らないようにして、消費税の地方税化を進める等、地方税収の構造を変えていくべきではないでしょうか。御所見をお伺いします。

 以上、財務、総務両大臣に対し御見解、御所見を求め、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 消費税の地方税化についてのお尋ねがあっております。

 消費税は、社会保障と税の一体改革において、引き上げ分の税収については、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方にそれぞれ配分することとされております。御存じのとおりです。

 この消費税を地方税化するのであれば、社会保障につきましても地方に大きな責任を担っていただく必要が必然的に生じることになります。大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねませんから、極めて慎重な検討が必要であろうと考えております。

 なお、消費税率の決定に自治体が関与できる仕組みとすべきとの御提案につきましては、地方消費税の所管は総務大臣になりますが、社会保障と税の一体改革については、地方団体の御意見も踏まえて検討されたものと承知をいたしております。

 また、御提案が、自治体ごとに異なる税率の設定を可能にするとの御趣旨ですが、自治体の行政区域を越えた取引が一般に行われておりますので、簡素で適正、公平な課税の仕組みをつくるということは極めて困難なことになろうと考えております。

 社会保障充実策の国と地方の負担のあり方についてのお尋ねがありました。

 社会保障と税の一体改革における社会保障の充実につきましては、国と地方の消費税増収分と社会保障改革プログラム法に基づきます重点化、効率化による財源を充てることとしており、これまでもそれに沿って対応してきておるところです。

 消費税率一〇%への引き上げを延期している間の社会保障の充実につきましては、給付と負担のバランスを考えれば、全てを行うことはできません。赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことも行うつもりはありません。優先順位をつけながら、今後の予算編成過程の中で最大限努力することといたしております。

 消費税率一〇%引き上げまでの間の社会保障の充実に係る国と地方の負担につきましては、優先順位についての具体的な検討などを踏まえながら、各種の充実策の国と地方の負担割合に応じ、今後の予算編成過程の中で検討してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 椎木議員から私には、まず、消費税率引き上げ延期の地方への影響についてお尋ねがございました。

 地方財源への影響は、地方消費税と地方交付税法定率分を合わせ、平年度でおよそ一・七兆円の減収と見込んでいます。

 社会保障の充実施策につきましては、待機児童ゼロ、介護離職ゼロを目指した保育、介護の受け皿整備は予定どおりに進める、さらに、保育士、介護職員の処遇改善など、一億総活躍プランに関する施策は、財源を確保しながら優先して実施するということが総理から答弁されています。

 社会保障施策の取り扱いや実施スケジュールも含めた地方財政への影響については、年末の地方財政対策において、地方自治体の財政運営に支障が生じることのないように対応をしてまいります。

 次に、消費税の地方税化など、地方税収の構造についてお尋ねがございました。

 税制抜本改革法では、消費税の引き上げ分について、社会保障の役割に応じて、国、地方間で配分することとされています。

 消費税を地方税化した場合につきましては、先ほど麻生財務大臣からも答弁がございましたけれども、結果として、社会保障について大きな地域間格差を生じさせることになりかねず、やはり極めて慎重な検討が必要だと考えております。

 今後も、地方分権推進の観点から、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めることが重要であると考えております。(拍手)

副議長(川端達夫君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(川端達夫君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       国務大臣    石原 伸晃君

       国務大臣    松本  純君

       国務大臣    山本 幸三君

 出席副大臣

       総務副大臣   原田 憲治君

       財務副大臣   木原  稔君


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