衆議院

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第10号 平成28年11月10日(木曜日)

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平成二十八年十一月十日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第九号

  平成二十八年十一月十日

    午後一時開議

 第一 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(第百九十回国会、内閣提出)

 第二 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会、内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 農林水産大臣山本有二君不信任決議案(山井和則君外五名提出)

 日程第一 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(第百九十回国会、内閣提出)

 日程第二 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会、内閣提出)


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    午後三時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

笹川博義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 山井和則君外五名提出、農林水産大臣山本有二君不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。

    ―――――――――――――

 農林水産大臣山本有二君不信任決議案(山井和則君外五名提出)

議長(大島理森君) 農林水産大臣山本有二君不信任決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。福島伸享君。

    ―――――――――――――

 農林水産大臣山本有二君不信任決議案

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔福島伸享君登壇〕

福島伸享君 水戸浪士を経て国会に上がってまいりました、民進党の福島伸享です。

 私は、民進党・無所属クラブ、日本共産党、自由党、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました農林水産大臣山本有二君不信任決議案について、提案の理由を説明いたします。(拍手)

 まず、案文を朗読いたします。

  本院は、農林水産大臣山本有二君を信任せず。

   右決議する。

    〔拍手〕

 以下、その理由を説明申し上げる前に、本日、本会議において、環太平洋パートナーシップ協定、TPP及びその関係法整備法案の審議日程を強硬に立てたことについて申し述べます。

 思い返してみれば、TPP協定の審議は、呪われているとしか言いようのないものでありました。

 TPP交渉を担当してきた甘利前担当大臣は、都市再生機構、URの開発事業にかかわる現金授受問題の発覚を受けて辞任、その後、やんごとなき事情によって国会での説明の場から立ち去られてしまいました。

 晴れの舞台の署名式に甘利大臣にかわって和服をお召しになって参加した高鳥内閣府副大臣は、おいしいブルーチーズを食べたなどと物見遊山気分をブログで明らかにして、世間の失笑を買いました。

 ナンバーツーの鶴岡前首席交渉官は、駐英大使に栄転し、遠くロンドンで優雅なゴルフ三昧の王侯貴族のような生活をしていることをフィナンシャル・タイムズで世界じゅうに紹介されましたが、やはり国会の場での説明から逃げ続けています。

 通常国会の審議では、政府は、TPPの交渉経過などについて、真っ黒、黒塗りの資料、通称ノリ弁しか示さず、余りの情報隠しぶりへの国民の怒りを買う中で、当時TPP特別委員会の委員長だった西川公也さんと同姓同名の衆議院議員西川公也なる人物が書いた「TPPの真実 壮大な協定をまとめあげた男たち」という本のゲラが発見され、そこには次のように書かれていたのであります。

 交渉経過については、私は詳しくは知らないという立場を守り続けたのです。TPP交渉は保秘義務があり、情報は極めて限られていました。自分だけが知っていると言えば、党内からもねたまれ、立ち行かなくなります。情報はほんの一部だけ知った人は内容を話しますが、知り過ぎたら怖くて話せないものです。私から漏れた情報は一切ありません。

 事実であれば、極めてディープな情報がこの本に書き連ねられていたのです。

 ぜひとも西川公也衆議院議員というこの方に国会で証言をしていただきたかったのですが、通常国会でのTPPの審議は、国民の間にTPP協定は何だか怪しいぞという印象を残しただけで、開かれることがなくなってしまいました。

 臨時国会に入っても、審議に入る前から、TPP特別委員会の理事の福井照衆議院議員が、先ほど出てきた、西川公也先生の思いを強行採決という形で実現するように頑張らせていただく、このように発言して、引責辞任することから始まりました。

 安倍総理は、審議の中で、自民党は、結党以来、強行採決など考えたことがないと発言しましたが、初めから真面目に議論などするつもりはなく、強行採決することを決めていたのではないですか。総理の国会での発言は、歴史的な大うそなんじゃないですか。

 その後は、強行に次ぐ強行の委員会運営が行われ、とうとう先週四日には、与野党とも一致して一刻も早い批准を目指していたパリ協定の採決に向けた本会議の開催を協議している最中に、議長にも議運委員長にも知らせずに、一方的に委員会を開催して採決をするという憲政史上に汚点を残す暴挙の末、強行採決をしたのであります。

 国会は、政府や官邸の下請機関ではありません。国権の最高機関として、真摯な議論を行い、国民の皆さんに論点を明らかにして世論を喚起し、民意を受けた国の進むべき道を決める場ではなかったんですか。(発言する者あり)審議したいと言っているんですよ。

 アメリカ大統領選挙までにTPP協定を通したいということだと報道されていますが、まさにこれから議論が佳境に入るというところで審議を打ち切ることは、一体どこの国の国民のための国会なのか、全く理解できません。

 TPP協定は、食の安全、医療制度、知的財産、環境など、TPP特別委員会において議論を深める点がまだまだいっぱい残っています。委員会の審議では……(発言する者あり)していますよ。こうした論点に対する同僚委員の質問に対して、担当大臣はまともに答弁できず、何度も立ち往生したではないですか。役所が書いた的外れな答弁を丸読みするだけで、およそ大臣の責任を持ってTPP協定の我が国や国民への影響を真面目に考えているとは思えません。いや、その能力すらあるか怪しい姿が国民の目の前に明らかになったのではないでしょうか。

 こうした審議を見て、国民の皆さんは、TPP協定のことを知れば知るほど簡単には賛成できないなという思いになって、さらに知れば知るほど反対という声がふえていることは、世論調査の数字でも示されています。だからこそ、十月末に共同通信が行った世論調査では、合わせて七六・八%の人が、TPP協定を成立させる必要がないと、今国会にこだわらず慎重に審議すべきだと答えているのです。このような声を無視していいんでしょうか。

 そして、きのうのアメリカ大統領選挙でのトランプ候補の勝利。トランプ候補は、選挙キャンペーン中に、就任初日にTPPから撤退するということを明言しています。上下両院で過半数を占めた共和党のマコネル上院院内総務も、きのう、いわばレームダック期間と言われる次の大統領就任までの引き継ぎ期間中にTPP協定案を議会に提出しないことは確かだと明言をしております。

 TPP協定に米国が批准しないことはもはや明白です。TPPが発効しないことはどう見ても確実なんです。それなのに、本日とどめの強行採決をするというのは、正気の沙汰なのでありましょうか。TPPを諦めて次の道を探すことを始めるときではないですか。

 日本以外の他の交渉参加国で、批准に向けた手続を完了した国はありません。みんな米国の動向を見きわめているんです。それなのに、よりによってTPPからの撤退を明言するトランプ氏が大統領選挙に当選した翌日に、強行採決の末に我が国はTPP協定に突き進んでいく。これは、悪い冗談でなければ、究極的に間抜けなことで、世界じゅうに恥をさらしているとしか言いようがありません。

 安倍総理は、これまで国会で、日本が先に批准することで、機運を醸成していく役割を日本は果たしていくべきだとか、日本がリーダーシップを持ってアメリカにむしろ影響力を与えていくとか、大言壮語をしておりましたが、結局何の影響力も与えませんでしたね。

 安倍総理は来週十七日にニューヨークでトランプ次期大統領と初の会談を行うということですが、就任初日にTPPから撤退すると言っているトランプ氏に、一体TPPについて何を言うというのですか。

 株価や為替が乱高下し、韓国も含めた東アジアの国際環境が極めて不安定化、流動化する中にあって、今国民が期待するのは、きょうTPP協定を強行採決することではなく、新しい米国大統領の誕生後、我が国がどのような安全保障政策や経済政策をとっていくべきなのかという骨太で本質的な議論ではないんですか。直ちに予算委員会を開催して、このような国民の期待に応える議論を国会で行うことを強く求めさせていただきます。

 そして、きょうTPP協定の採決に賛成で応じようとしている与党とユ党の皆さん、本当にTPP協定の条文の中身を自分で読んで、調べて、考えたことがありますか。うそをつかない、ぶれない、TPP断固反対というポスターを張りめぐらせて当選してきた皆さん、与党だからといって、ただ党の方針に従って、このような国の恥となるようなTPP協定の採決に黙って起立をする、そんなことが皆さんの政治家としての役割なんですか。採決マシンになるために人生をなげうって厳しい苦しい選挙を戦ってきた、そうなんですか。

 ふるさとのことを頼むと握手をしてきた、それぞれの地元の人たちの手のぬくもりを覚えているなら、今この瞬間も木枯らしに吹かれながら田畑を耕し、美しい田園風景を守り続けている、その人たちを思い浮かべるなら、みずからの信念に従って行動すべきなのではないですか。

 さて、この臨時国会の審議が強行に次ぐ強行に終始し、国民の皆さんが期待するような議論に深められなかった一番の責任は、山本有二農林水産大臣にあります。

 山本農林水産大臣は、十月十八日の夜に開かれた佐藤勉衆議院議院運営委員長のパーティーで、強行採決するかどうかはこの佐藤勉さんが決める、だから私ははせ参じたと発言しました。多くの聴衆の前で、全国に向けて放送されるテレビカメラの前でこのような発言を堂々と述べるのは、破廉恥のきわみであります。立法府の権威を守るために日々奮闘していらっしゃる佐藤議院運営委員長にとっても、その権威をおとしめる、迷惑きわまりない発言だったのではないでしょうか。

 さきに述べた福井照TPP特別委員会理事の発言は立法府の立場での発言ですが、行政府である内閣の一員の大臣が国権の最高機関である国会の運営に口を挟むこの発言は、まさに言語道断。立憲主義を根幹から揺るがす、前代未聞のより悪質な発言であることは、福井理事の比ではありません。山本大臣と同じ土佐出身の福井理事は辞任をされましたが、この一言をとってみても、みずから職を辞そうとしないその神経は、非常識のきわみであります。

 山本農林水産大臣は、この発言について、先月二十七日の国会質疑で、国会のことは国会がお決めになるという趣旨で申し上げたと釈明し、発言を撤回しました。しかし、これは詭弁にもならない自分勝手な言いわけです。もう発言の内容は全国にテレビで流れています。あの発言がそのような趣旨で発言したとするならば、山本大臣の日本語の能力に疑問をつけざるを得ず、そもそも大臣としての資質がないと断ぜざるを得ないのではないでしょうか。

 しかも、山本農林水産大臣の問題発言は、これにとどまることはありませんでした。強行採決発言について特別委員会で陳謝を余儀なくされたにもかかわらず、そのわずか二週間後、その舌の根も乾かぬうちに、先日、某自民党議員の政治資金パーティーで、この間冗談を言ったら首になりそうになったと高らかに言い放ったのであります。

 冗談だったとは何たる言いぐさでありましょうか。国会では不用意な発言であるとか軽率だったと謝っておられましたが、それが口先だけの上辺の発言であることがはっきりと明らかになりました。冗談とは、全く国会をばかにした発言です。

 昔、反省だけなら猿でもできるというテレビコマーシャルがありました。十一月四日の委員会で再びこの発言について謝罪と撤回をしたものの、山本大臣のおわびが口先だけにすぎず、謝罪や反省の気持ちなど全くないのは明らかであります。謝罪をもって、任命権者の総理や与党幹部が言うように続投を許すという、そのような信頼関係を取り戻すのは、もはや不可能であります。

 このように、山本農林水産大臣は、今回、二度にわたる問題発言を繰り返し、国民と国会の信頼を失いました。

 しかしながら、そもそも山本大臣は農林水産行政を預かる大臣としての器にふさわしい資質と能力を持ち合わせているのかどうかについても、残念ながら大いに疑問と言わざるを得ません。

 今臨時国会でのTPP協定の審議が始まる前、主食用に輸入する米の値段が偽装されているのではないかという問題が報道により明らかとなりました。国家貿易として輸入され、政府が公表している輸入米の売り渡し価格が、実際には、商社から卸売業者へリベートが流れていて、二割、三割安いのではないか、こういう問題であります。

 TPP協定が発効すれば、やがて七万八千四百トンもの主食用の米が新たに米国と豪州から輸入されることになりますが、これは、政府は、輸入米も国産米も値段が変わらないから、輸入する米と同じ量の国産米を備蓄用として買い上げれば何の影響もないと繰り返し説明してきました。ところが、輸入米は国産米より二割、三割安いということになれば、競合する国産米の価格低下は避けられません。我が国の主食用の米の生産に大きな影響を与えることになります。

 TPP特別委員会の参考人質疑では、農業経済学者から、三千億円以上の生産額の減少もあり得るという試算が示されたのであります。これは、政府が試算したTPPの農林水産物全体への影響額千三百から二千百億円を米だけではるかに上回るものですから、TPP対策予算そのものの妥当性、正当性も再検討しなければならない問題です。また、TPPが国会決議を守っているのかどうかという、審議の根幹にもかかわる問題となってまいります。

 この問題に対して、当初、山本農水大臣は、九月十六日の記者会見で、これまで国内産米の市場価格に変動はないと言ってきたことと異なることが最大の問題と思っていると、この輸入米の価格偽装の問題の本質をしっかりと認識していることを認めた上で、調査をすることを約束しました。

 にもかかわらず、この問題が農林水産省のガット・ウルグアイ・ラウンド以降の水田農業政策の正当性そのものを揺るがしかねない大きな問題であると官僚たちからストップをかけられたのか、あるいはTPP協定を初めからまともな議論を避けて強行採決しようともくろんでいた官邸からブレーキがかけられたのか、だんだん真面目に調査する姿勢が後退していき、米の価格に影響はなく、問題はないという結論ありきの報告書を公表したのです。

 TPP特別委員会や我が党の調査チームでは、具体的に誰に対してどのような調査を行ったのか、調査対象からどのような回答を得たのか、そういうことを何度聞いても、具体的な調査対象からの回答の内容どころか、調査の方法すら明らかにしません。とうとう委員会では、山本大臣は、役所がつくった答弁をただひたすら読み上げるだけの朗読マシンとなってしまい、しかも、その読み上げる答弁書は質問とは関係のない箇所を読み上げるという、お粗末きわまりない姿をさらしました。

 調査票すら示さない調査を、政府として調査を行ったなどということは、民主的な先進国ではあり得ない話です。こうするうちに、テレビや新聞では、農林水産省の調査結果は自分たちが回答した結果と全く違うという告発のニュースが連日出され、農林水産省の調査結果を信じる者はほとんどいなくなってしまったのであります。

 このような状況にもかかわらず、山本大臣は一切再調査に応じようとせず、特別委員会の理事会にも必要な資料の提出すらしません。もはや、輸入米の価格偽装問題は、輸入米価格偽装問題の調査偽装問題へと変質してしまい、農林水産行政への信頼は地に落ちてしまったのです。

 食糧法第一条には、主要な食糧である米穀が主食としての役割を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占めていることに鑑み、米の生産者から消費者までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置を総合的に講ずることにより、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的とするという規定がありますが、農林水産大臣はまさに、国民の食を守り、それを生産する農業の発展を図るという職責を全く果たす気がないと断ぜざるを得ません。

 残念ながら、話はこれだけでは終わりません。終わらないんです。

 さきに申し上げた、強行発言は冗談だったと発言したその場で、山本農林水産大臣は、JAの方々が大勢いるようなので、あすでも○○先生の紹介で農水省に来ていただければ、何かいいことがあるかもしれませんよとも発言しました。絶対に看過できない発言です。自民党議員の紹介で農林水産省に行けば、一体どのようないいことがあるんですか。ぜひとも私たちにも教えてください。

 本来、法令に従って中立的に執行されるべき行政機関の長が、与党の一議員の口ききで何らかの取り計らいがなされるなんということが、絶対にあってはならないんです。自民党には、まだこのような利権誘導政治の亡霊がうようよしているんですか。

 その場で大臣の発言を聞いていたある方は、余りにもJAをばかにした発言だ、片や農協改革なんて格好をつけて、現場を無視した改革ごっこを気取りながら、与党に従えば利益を上げますよ、従わなければ締め上げるぞと脅す、こんな人が農水大臣なんて許せないと、怒りの声を私に電話してきました。

 山本大臣、あなたにとって農林水産行政は、権力を使って票をとるための道具でしかないんですか。余りにも数の力におごり高ぶり過ぎているのではないですか。

 ことしは、米のできぐあいがいま一つだったり、天候不順で野菜の収穫が減ったり、収穫間際の作物をイノシシに荒らされたり、私の地元の多くの農業に携わる皆さんが気の休まる思いなく頑張っていらっしゃいます。そんな皆さんは、山本大臣の国会での対応を見て、心の底から怒りの声を上げています。

 与党の皆さん、このような大臣を、同じ与党の議員だからといって、そのまま農林水産大臣という大事な職につけて本当にいいんですか。与党の矜持が問われているんですよ。いいんですか。

 私の出身は、維新の先駆けと言われる水戸藩ですが、山本農林水産大臣の地元である高知県も、坂本竜馬に代表されるように、これまで多くの維新の偉業にかかわった偉人を輩出してきました。高知県民の気風は、いごっそうと言われるように、頑固で妥協をよしとはせず、生真面目で権威におもねらず、一本気であることとされております。

 山本大臣は、昨年、TPP協定大筋合意後の十一月十五日に、JA土佐くろしおのJAまつりで、TPP交渉大筋合意に撤回を求める署名に応じていたと報道されております。この国会における山本農林水産大臣の働きぶりは、もしかしたら体を張ってTPPをとめようとされたのではないかとも考えます。

 しかし、これから始まる強行採決で、もうその役割は必要ないんですよ。農林水産行政という重要な役割を担う者としての自覚も責任感もなく、農林水産行政を通じて日本のふるさとを守っていくという信念も感じられず、軽々しい問題発言を繰り返してはその反省もできず、国民と国会を混乱に陥れたその姿は、高知県民の美風であるいごっそうから全くかけ離れたものと言わざるを得ません。

 本来、大臣御本人、みずからがおやめになるのがいごっそうとしての美徳、生き方であるし、それを我々が黙って見送るのが武士の情けであると思いますが、御本人が、往生際悪く、みっともない姿で大臣の座に居座り続けている以上、国権の最高機関としての国会の権威を守るために、このような人物を即刻に罷免すべきことを申し述べ、提案理由といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。赤澤亮正君。

    〔赤澤亮正君登壇〕

赤澤亮正君 自由民主党・無所属の会の赤澤亮正です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました山本農林水産大臣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行います。(拍手)

 とはいえ、山本大臣には心から深く深く反省してもらわなければなりません。

 厳しい審議日程を念頭に置きつつ、野党の諸君の御理解もいただきながらTPP特別委員会の審議を丁寧に進める中で、山本大臣から一連の問題となる発言がなされました。これらの発言は誤解を招く軽率なものであり、配慮に欠ける不適切なものであるという趣旨の御指摘については、確かにそのとおりと認めざるを得ません。山本大臣の猛省を求めるものであります。

 一方で、山本大臣は、既に今回の件について大いに反省をし、TPP特別委員会において一連の発言を撤回の上、深く謝罪しておられます。

 また、山本大臣は、就任以来、農林水産業の成長産業化に向けて、農林水産業関係者が夢と希望を持てる新時代の創造に全力で取り組み、強い使命感と強力なリーダーシップで我が国の農林水産行政を牽引してきました。

 本年八月以降の台風による大規模な農林水産業の被害についても、山本大臣は先頭に立ち、被災された方々に寄り添いながら、迅速かつ丁寧に対応をしてきたところです。

 国政に停滞は許されません。今、我々に求められているのは、農林水産行政に熱い情熱を持って取り組んでいる山本大臣に、今般の件で国民の皆様に多大な御迷惑をかけた分、深い反省の上に立って、しっかりと仕事でお返しするよう強く促すことであると考えます。山本大臣御自身も、今後一層職務に精励する決意であると承知をしております。

 山本大臣の一連の発言については与党としても到底支持できないものですが、しかしながら、ただいま審議中のTPP協定の早期発効は目下の我が国の最重要課題の一つであり、協定の承認と関連法案の成立は、日本経済全体の活性化を図る上で極めて大切であります。

 この協定は、アジア太平洋において自由、公正で開かれた巨大市場を創出するという極めて大きな経済的意義に加え、関係国間の緊密な連携が地域の平和と安定に大きく寄与するという戦略的価値をもあわせ持っております。

 山本大臣は、そのTPP特別委員会での審議においても、SBS米問題への対応を初め、野党の諸君の質問や要求にできる限り真摯かつ誠実に対応し、充実した審議の実現に尽力してこられました。

 繰り返しますが、TPP協定の早期発効は我が国の経済活性化を図るために必要不可欠であり、一日も早い協定の承認と関連法案の成立が望まれます。そのことこそが、折しも米国で日本時間の昨日勝利宣言を行い、安倍総理と同様、経済再生、強い経済を目指すドナルド・トランプ次期米国大統領に対し、我々の祝意とあわせて、我が国からの三つの強いメッセージを送ることになると確信いたします。

 一つ目は、国際的な貿易交流の拡大が日米両国、ひいては世界経済の発展に資するというメッセージであり、二つ目は、アジア太平洋地域の発展と平和を日米両国でリードしていくというメッセージであります。加えて、我が国はTPP協定の再交渉に応じる考えはないという三つ目のメッセージも届けたいと思います。

 私たち自由民主党・無所属の会は、これからも、TPPを通して強い日本経済を実現するため、国民の理解のもと、国を挙げて最高の準備に取り組む決意であります。

 終わりに、我が国の農林水産業の発展に誠心誠意努力を重ねてきた山本農林水産大臣の不信任決議案には断固反対であると再度申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 村岡敏英君。

    〔村岡敏英君登壇〕

村岡敏英君 民進党、秋田県出身の村岡敏英でございます。

 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題になりました山本有二農林水産大臣不信任決議案に賛成の立場で討論いたします。(拍手)

 さて、アメリカでは、昨日、トランプ氏が次期大統領に就任することになりました。そのトランプ氏ですが、来年一月二十日の就任初日にTPPの枠組みからの離脱を表明すると、この十月に発言しております。さらに、マコネル米上院院内総務は、九日の会見で、TPP法案の年内採決はまずないと言明しています。なぜ今、国会で採決を急ぐのでしょうか。

 さらに、この離脱をするというのが、たとえ、話に応じたとしたら、むしろアメリカの再交渉を後押しすることになるのではないですか。今、我が国が急いで国会承認をすることに何の意味があるのでしょうか。国民の納得は得られません。

 このたびのTPPの交渉結果の審議では、まずは、国会決議が守られていない、さらに、情報開示の請求で出てきた交渉内容の文書はまっくろくろすけ。本来なら、このような審議ができない状況の中で、我々は、TPPが重要だということで真摯に審議に応じてまいりました。

 その最中で、今回、山本大臣の発言、大変残念であります。私が大臣であれば、農家の苦しみや悲しみを一身に受け、悩み考えながら、しっかりと発言一つ一つを覚悟を持って言わなければなりません。

 山本大臣の失言は、農家の方々、暮らしや生活がかかっています、到底看過することができません。大臣は農家の皆さんの気持ちをわかっているのでしょうか。稲刈りのときに、あぜ道に米が少し落ちたのを手で拾いながら、米を大事にしている農家の皆さんの気持ちを考えてください。

 また、TPP審議中に、TPPの影響試算の前提を覆すことになるであろうSBS米の調整金の問題が入ってきました。この調整金は、自由貿易を守るために、外国からの米を、農家の方は涙をのんで耐えてきたわけです。そのSBS米が調整金によって価格が下げられているという疑いがあるとすれば、しっかりと調査するのが農林省、農林大臣の役割じゃないでしょうか。

 しかしながら、価格の調査はしていない。その上、十万トン、TPPが発効すれば七万八千トン、十七万八千トンもの米が外国から入ってくるのに、影響がない。先ほど言ったように、一粒の米でも大事にしている農家の気持ちを完全に踏みにじっているとしか言いようがありません。

 そして、SBS米は主食用の米になります。しかし、備蓄して、安全だと言われた国内の農家がつくった米は餌用になるんです。農家の人たちは悲しいんですよ。悔しいんですよ。その気持ちをわかった上で、しっかりとした調査をするべきではありませんか。

 そんなTPP協定の国会での審議の真っただ中での大臣の発言、強行採決するかどうかは佐藤委員長が決める。これは強行採決ありきで、国会軽視も甚だしく、また、これに続き、この間は冗談を言って首になりそうになりましてとの発言はさらなる衝撃的なものでした。

 私の発言で皆様に御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げますと言っておられたようですが、大臣の発言は、農家はもとより、国民が怒りを持っており、到底看過することはできません。総理や官房長官、国対委員長など身内に対しては謝っていますが、国民に真摯におわびする気持ちが本当にありますか。その気持ちは伝わってきません。結局、本音の発言が出たのではないかと農家の人は思っております。

 これでは、国民も我々国会議員も、大臣を信頼することができないのです。失言が二回も出るようであれば、大臣の委員会での答弁も、しっかりやっていたのか、これは信じることができません。

 さらに、JAの方々が大勢いらっしゃるようですが、あすでも農林省に来ていただければ何かよいことがあるかもしれませんという発言は、農林水産大臣はJAに対して監督責任を持っている省庁のトップです、利益誘導を示唆するかのような発言をすることは、農林水産大臣としてあるまじき行為と言わざるを得ません。

 この場であえて申し上げたいのは、政府の緩み切った体質であります。国会審議なんか時間をこなせばいい、数があるからそれでいい、世論なんかそのうち忘れるだろうと思っていないでしょうか。だから、緩みで失言が次々出てくるのではないでしょうか。

 先日の衆議院補欠選挙の後、自民党の二階幹事長は、期待に応えるために、謙虚な姿勢を忘れず、しっかり対応していきたいとおっしゃっておりました。しかしながら、その言葉は届いていないようです。

 国民の皆さん、TPP断固反対、ぶれないとは、自民党の皆さんのポスターです。

 共同通信社の中で考えても、審議を尽くしていないという人がほとんどであります。

 今まで結党以来、強行採決を考えたことはないということですけれども、まさに強行採決を行ってしまいました。この暴挙は許せません。国会日程ありきで、TPPの特別委員会の強行採決は、我々は認めることはできません。

 TPPをめぐる議論はまだまだ深まっていません。強行採決は認められません。食の安全の問題、ISDSの条項等、新しい論点も次々と出てきています。審議は尽くされていません。我々は、委員会での強行採決は認めていません。審議のやり直しを求めます。ましてや、本会議での採決には到底応じることはできません。

 さらに、農業政策においては、国の政策がころころと変わる猫の目政策と言われるように、先日、財務省の財政制度審議会において、飼料米への転作で交付金が膨らむので野菜に転作すべきと促されたと指摘しています。

 私は、国会の中で何回も聞きました。飼料米政策は岩盤政策なのか、せめて十年という単位でやらなければ、また猫の目農政と言われると質問しました。米政策の重要な柱だと言っておきながら、これは続けることは困難のような示唆なんでしょうか。またもや、農家の人たちの怒りを買ってしまいます。大臣は、TPP特別委員会でこのように申しました。

 山本大臣、大臣は就任当初の記者会見で、私は、高知県という大変風光明媚な、山と川と海、まさに農林水産業のメッカの土地でございます、そういうところで選挙区を置いて、また生まれ育って現在に至っておりますので、肌感覚で農山漁村というものを日常として接してきております、そういう私の存在の中から何かお役に立てる、農林水産業という行政の中でお役に立てることがあればいいというように念じておりますとおっしゃられておりました。

 だからこそ、農家の方が怒っているんです。TPPの審議の中で、強行採決の発言をしたり、訂正したのをまた冗談という、このことをしっかりと認識していただきたい。

 この大変な農業の状況です。六十七歳以上の平均年齢、二百万人を切る中、食料は、消費者と農家と、両方大事な、国の食料の安全保障です。この農業を進めていく上には信頼が必要です。農家の方々も改革は覚悟いたしております。しかし、信頼ある大臣がやらなければなりません。

 大臣の出身地である高知、土佐出身の、先ほども出ましたが、明治維新の志士、坂本竜馬の言葉、これは司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」で出てきますが、人間、不人気では何もできませんな、いかに正義を行おうと、ことごとく悪意にとられ、ついにはみずから事を捨てざるを得なくなりますとあります。信頼が大事なんです。やはり信頼がある大臣が必要なんです。

 大臣、みずから身を処されることを本当はお願いしたい、このように思っております。しかしながら、みずから判断しないとすれば、山本農林水産大臣不信任決議案への賛成討論をやらせていただきました。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 斉藤和子君。

    〔斉藤和子君登壇〕

斉藤和子君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました山本有二農林水産大臣に対する不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)

 第一に、山本有二農林水産大臣の二度にわたる国会審議を愚弄する暴言は断じて許されません。

 山本大臣は、十月十八日、佐藤勉議院運営委員長のパーティーで、私は内心思っております、強行採決するかどうかはこの佐藤勉さんが決めるであろう、ですから、私ははせ参じたわけでございますと発言しました。これは、政府が国会に露骨に介入し、しかも強行採決をけしかけるものであり、国民の厳しい批判を浴びたのであります。

 ところが、山本大臣は、不適切な発言で御迷惑をおかけし申しわけないと述べた直後の十一月一日、田所議員のパーティーで、この間冗談を言ったら首になりそうになりましてなどと発言したのであります。強行採決発言を冗談というなら、国会で陳謝したことも冗談だというのでしょうか。

 山本大臣はみずからの発言の重大性も全く認識しておらず、反省もしていないことは明らかです。野党四党が辞任を要求したのは当然です。

 第二に、利益誘導発言です。

 山本大臣は、十一月一日の田所議員のパーティーで、JAの方々が大勢いらっしゃるみたいでございますので、あすでも田所先生の御紹介で農林省に来ていただければ、何かいいことがあるかもしれませんと発言しました。利益誘導そのものであり、大臣としての資格も資質もないことは誰の目にも明らかです。

 その一方で、農家の願いには全く聞く耳を持たず、踏みつけにする態度をとってきました。それは、九月に発覚した輸入米価格偽装問題での対応に端的にあらわれています。

 山本大臣はTPP特別委員会で、輸入米は国産米価を押し下げていないと答弁を繰り返しました。しかし、実際には、輸入米は国産米より二割も安く取引されていることが明らかになり、輸入米と国産米は同じような価格だから影響はないとしてきた政府の主張は根底から破綻しました。

 ところが、山本大臣は野党が何度も求めた調査を行いませんでした。大臣の責任は、農家や国民の納得が得られるよう事実を明らかにすることであって、事実を隠したり、ごまかしたりすることではありません。

 多くの農家が、安い米価のもとで、減反や飼料米への転換を余儀なくされながらも、歯を食いしばって米をつくり続けているんです。だまされたという農家の怒りの声が大臣には聞こえないのでしょうか。農家に対してこれほど不誠実な大臣が農林水産大臣の職にあることに憤りを感じざるを得ません。直ちに辞任すべきです。

 第三に、山本大臣が、国会決議に違反し、公約に反して、農林水産業に甚大な打撃を与えるTPP協定を推進していることです。

 二〇一三年の国会決議は、日本にとって重要な米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖などの五つの農産物について、除外または再協議とするとしています。ところが、政府でさえ、重要五品目で無傷のものはないと答弁したではありませんか。

 さらに、日本だけに課せられた七年後の再協議規定で、さらに厳しい譲歩が強いられることは明白であります。明らかに国会決議違反です。

 それだけではありません。山本大臣は、二〇一二年の総選挙ではTPP断固反対を掲げて当選しました。ちょうど一年前の十一月、JA土佐くろしお主催の祭りで、TPPの合意は撤回し、協定への調印、批准は行わないことという請願に署名したのであります。TPP大筋合意の直後に、合意は撤回、批准は行わないと表明しながら、TPP批准に突き進む。こんなにも農家や国民を欺く姿勢はありません。

 最後に、このような山本大臣を任命し、かばい続け、TPP協定を強行しようとしている安倍首相、自民、公明両党の責任は重大です。

 十一月四日、TPP特別委員会の塩谷委員長は、同日の本会議の開催が議院運営委員会で協議されているさなかに、職権で一方的に委員会を開催し、民進党、日本共産党の質疑権を奪い、TPP協定と関連法案の強行採決に及びました。

 これは、国会のルールも無視した前代未聞の暴挙であります。我が党が要求したように、委員会に差し戻し、審議続行するのが当然であります。

 今や、TPP参加のどの国でも、TPPに反対する市民の声が渦巻いています。それは、TPPが投資家や多国籍企業の利益を優先して、国民の権利と国の主権を危うくし、食の安全を脅かし、雇用を奪うからであります。日本の農林水産業を破壊し、豊かな自然と地域社会を荒廃させることも明らかです。

 アメリカでは、TPPに断固反対だという大統領が誕生しました。

議長(大島理森君) 斉藤君、時間が来ておりますよ。

斉藤和子君(続) 今からでも遅くはありません。日本でも、全国津々浦々に怒りの声が渦巻いています。この声に耳を傾け、TPP協定及び関連法案の採決はやめるべきです。

 以上、賛成討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百四十八

  可とする者(白票)       百二十五

  否とする者(青票)      三百二十三

議長(大島理森君) 右の結果、農林水産大臣山本有二君不信任決議案は否決されました。(拍手)

    ―――――――――――――

山井和則君外五名提出農林水産大臣山本有二君不信任決議案を可とする議員の氏名

安住   淳君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君   赤松  広隆君

荒井   聰君   井坂  信彦君   井出  庸生君   石関  貴史君

泉   健太君   今井  雅人君   江田  憲司君   枝野  幸男君

小川  淳也君   小熊  慎司君   緒方 林太郎君   大串  博志君

大島   敦君   大西  健介君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥野 総一郎君

落合  貴之君   柿沢  未途君   金子  恵美君   神山  洋介君

菅   直人君   木内  孝胤君   吉良  州司君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   岸本  周平君   北神  圭朗君   黒岩  宇洋君

玄葉 光一郎君   小宮山 泰子君   小山  展弘君   後藤  祐一君

郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君

坂本 祐之輔君   重徳  和彦君   階    猛君   篠原   豪君

篠原   孝君   鈴木  克昌君   鈴木  義弘君   田島  一成君

田嶋   要君   高井  崇志君   高木  義明君   武正  公一君

玉木 雄一郎君   津村  啓介君   辻元  清美君   寺田   学君

中川  正春君   中島  克仁君   中根  康浩君   長島  昭久君

長妻   昭君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   初鹿  明博君

原口  一博君   伴野   豊君   平野  博文君   福島  伸享君

福田  昭夫君   古川  元久君   古本 伸一郎君   細野  豪志君

馬淵  澄夫君   前原  誠司君   牧   義夫君   升田 世喜男君

松木けんこう君   松田  直久君   松野  頼久君   松原   仁君

水戸  将史君   宮崎  岳志君   村岡  敏英君   本村 賢太郎君

山尾 志桜里君   山井  和則君   柚木  道義君   横路  孝弘君

横山  博幸君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君   渡辺   周君

赤嶺  政賢君   池内 さおり君   梅村 さえこ君   大平  喜信君

笠井   亮君   穀田  恵二君   斉藤  和子君   志位  和夫君

清水  忠史君   塩川  鉄也君   島津  幸広君   田村  貴昭君

高橋 千鶴子君   畑野  君枝君   畠山  和也君   藤野  保史君

堀内  照文君   真島  省三君   宮本  岳志君   宮本   徹君

本村  伸子君   小沢  一郎君   玉城 デニー君   照屋  寛徳君

吉川   元君   上西 小百合君   川端  達夫君   仲里  利信君

野間   健君

否とする議員の氏名

あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君

青山  周平君   赤枝  恒雄君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君

秋元   司君   秋本  真利君   浅尾 慶一郎君   麻生  太郎君

穴見  陽一君   甘利   明君   安藤   裕君   井野  俊郎君

井上  信治君   井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君

伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君

池田  道孝君   池田  佳隆君   石川  昭政君   石崎   徹君

石田  真敏君   石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君

稲田  朋美君   今枝 宗一郎君   今津   寛君   今村  雅弘君

岩田  和親君   岩屋   毅君   うえの賢一郎君   江崎  鐵磨君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  利明君

小倉  將信君   小此木 八郎君   小里  泰弘君   小田原  潔君

小野寺 五典君   小渕  優子君   尾身  朝子君   越智  隆雄君

大岡  敏孝君   大串  正樹君   大隈  和英君   大塚  高司君

大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君

大見   正君   岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君

加藤  鮎子君   加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君

勝沼  栄明君   勝俣  孝明君   門   博文君   門山  宏哲君

金子  一義君   金子 万寿夫君   金子 めぐみ君   金子  恭之君

金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君   神山  佐市君

亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   河井  克行君   河村  建夫君

神田  憲次君   菅家  一郎君   木内   均君   木原  誠二君

木原   稔君   木村  太郎君   木村  弥生君   城内   実君

黄川田 仁志君   岸   信夫君   岸田  文雄君   北川  知克君

北村  茂男君   北村  誠吾君   工藤  彰三君   熊田  裕通君

小泉 進次郎君   小島  敏文君   小林  鷹之君   小林  史明君

小松   裕君   古賀   篤君   後藤  茂之君   後藤田 正純君

河野  太郎君   高村  正彦君   國場 幸之助君   今野  智博君

左藤   章君   佐々木  紀君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君

佐藤 ゆかり君   齋藤   健君   坂井   学君   坂本  哲志君

櫻田  義孝君   笹川  博義君   塩谷   立君   柴山  昌彦君

島田  佳和君   下村  博文君   白須賀 貴樹君   新谷  正義君

新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君   助田  重義君

鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君   鈴木  淳司君   鈴木  貴子君

鈴木  憲和君   鈴木  隼人君   瀬戸  隆一君   関   芳弘君

園田  博之君   薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君   田中  和徳君

田中  英之君   田中  良生君   田野瀬 太道君   田畑   毅君

田畑  裕明君   田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君

高木   毅君   高木  宏壽君   高鳥  修一君   高橋 ひなこ君

竹下   亘君   竹本  直一君   武井  俊輔君   武田  良太君

武部   新君   武村  展英君   橘  慶一郎君   棚橋  泰文君

谷   公一君   谷川  とむ君   谷川  弥一君   津島   淳君

辻   清人君   土屋  品子君   土屋  正忠君   寺田   稔君

とかしきなおみ君   土井   亨君   冨樫  博之君   渡海 紀三朗君

冨岡   勉君   豊田 真由子君   中川  俊直君   中川  郁子君

中谷   元君   中谷  真一君   中根  一幸君   中村  裕之君

中山  展宏君   中山  泰秀君   永岡  桂子君   長尾   敬君

長坂  康正君   長島  忠美君   二階  俊博君   丹羽  秀樹君

丹羽  雄哉君   西川  公也君   西村  明宏君   西村  康稔君

西銘 恒三郎君   額賀 福志郎君   根本   匠君   根本  幸典君

野田  聖子君   野田   毅君   野中   厚君   葉梨  康弘君

萩生田 光一君   橋本  英教君   馳    浩君   鳩山  二郎君

浜田  靖一君   林   幹雄君   原田  憲治君   原田  義昭君

比嘉 奈津美君   平井 たくや君   平口   洋君   平沢  勝栄君

ふくだ 峰之君   福井   照君   福田  達夫君   福山   守君

藤井 比早之君   藤丸   敏君   藤原   崇君   船田   元君

古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君   古屋  圭司君

星野  剛士君   細田  博之君   堀井   学君   堀内  詔子君

前川   恵君   前田  一男君   牧島 かれん君   牧原  秀樹君

松島 みどり君   松野  博一君   松本   純君   松本  剛明君

松本  文明君   松本  洋平君   三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君

三原  朝彦君   御法川 信英君   宮内  秀樹君   宮川  典子君

宮腰  光寛君   宮崎  政久君   宮澤  博行君   宮路  拓馬君

宮下  一郎君   武藤  容治君   務台  俊介君   宗清  皇一君

村井  英樹君   村上 誠一郎君   望月  義夫君   茂木  敏充君

盛山  正仁君   森   英介君   森山   裕君   八木  哲也君

保岡  興治君   簗   和生君   山際 大志郎君   山口  俊一君

山口  泰明君   山口   壯君   山下  貴司君   山田  賢司君

山田  美樹君   山本  公一君   山本  幸三君   山本   拓君

山本ともひろ君   山本  有二君   吉川  貴盛君   吉野  正芳君

義家  弘介君   和田  義明君   若狭   勝君   若宮  健嗣君

渡辺  孝一君   渡辺  博道君   赤羽  一嘉君   井上  義久君

伊佐  進一君   伊藤   渉君   石田  祝稔君   稲津   久君

上田   勇君   浮島  智子君   漆原  良夫君   江田  康幸君

大口  善徳君   太田  昭宏君   岡本  三成君   北側  一雄君

國重   徹君   輿水  恵一君   佐藤  茂樹君   佐藤  英道君

斉藤  鉄夫君   高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君

角田  秀穂君   遠山  清彦君   富田  茂之君   中川  康洋君

中野  洋昌君   浜地  雅一君   濱村   進君   樋口  尚也君

古屋  範子君   真山  祐一君   桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君

小泉  龍司君   長崎 幸太郎君   武藤  貴也君

     ――――◇―――――

 日程第一 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(第百九十回国会、内閣提出)

 日程第二 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会、内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第一、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件、日程第二、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員長塩谷立君。

    ―――――――――――――

 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔塩谷立君登壇〕

塩谷立君 ただいま議題となりました両案件につきまして、本委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、環太平洋パートナーシップ協定は、本年二月四日にニュージーランドのオークランドにおいて、我が国及び米国を含む環太平洋地域の十二カ国の間で署名されたものであり、物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、知的財産、電子商取引、国有企業、環境等幅広い分野で二十一世紀型の新たなルールを構築するための法的枠組みについて定めるものであります。

 次に、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案は、同協定を締結し、これを実施するため、関税暫定措置法、著作権法、独占禁止法、畜産物価格安定法等必要な関係法律の規定の整備を総合的かつ一体的に行うものであります。

 両案件は、第百九十回国会の四月五日に本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、翌六日に本委員会において岸田外務大臣及び石原国務大臣からそれぞれ提案理由の説明を聴取した後、七日から質疑に入り、総括質疑及び一般質疑をそれぞれ三日間行い、今国会まで継続審査に付されたものであります。

 今国会におきましては、十月十四日に質疑に入り、両大臣及び山本農林水産大臣等に対する質疑や、安倍内閣総理大臣の出席を求めての五日間の総括的集中質疑のほか、農業、食の安全等及び知財、ISDS等のテーマごとに参考人質疑を行い、また、北海道及び宮崎県においていわゆる地方公聴会を行うなど、慎重に審査を重ね、去る十一月四日、締めくくり総括質疑を行い、質疑を終局いたしました。引き続き、討論を行った後、順次採決いたしましたところ、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件は承認すべきものと議決し、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両件につき討論の通告があります。順次これを許します。升田世喜男君。

    〔升田世喜男君登壇〕

升田世喜男君 民進党の升田世喜男です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました環太平洋パートナーシップ協定及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、反対の立場から討論をいたします。(拍手)

 この場に総理はおりませんが、総理がいるつもりでお話をさせていただきます。(発言する者あり)済みません。総理、そっちなんですか。

 安倍総理、昨日、恐らくあなたの予想と違う、ドナルド・トランプ氏が、第四十五代アメリカ大統領に当選されました。トランプ氏は、TPPに関して、就任初日に離脱を宣言すると表明し、明確に反対をしております。加えて、国内世論も、六五%以上の国民が審議不十分の声を上げているのです。

 にもかかわらず、昨日の次の日のきょう、本会議において採決を行うことは、日本の外交は大丈夫か、これは冗談か、ジョークか、世界の笑い物になると思います。

 総理、やめましょうよ。総理、ここは頭を冷やして、一旦立ちどまるべきではないですか。新しい大統領、アメリカの動向を見きわめながらTPPへの対応をされることが、常識中の常識ではないでしょうか。

 総理、冷静になっていただきたいと思います。このような政治状況の中でTPPを急げと言っている人は、もはや国民の中では誰もいないのであります。

 二〇一二年の総選挙において、当時野党の自民党は、TPP断固反対、うそつかない、ぶれない、自民党、このポスターを全国に張り出して戦ったことは、よもや忘れてはいないでしょうね。これも、これも、これも冗談で済ませるんですか。冗談ではありません。

 総理、これ以上、農家の不安、不満、これにアクセルを踏むのはやめてください。TPP反対の新しいアメリカ大統領が誕生したきのうのきょうなんです。諸先輩先生方、皆さん、ここは重大な局面ではないですか。与野党を超えて、きょうの採決はやめようではありませんか。

 さらに、批准の見通しが全く立たないTPPの案件を一カ月もかけて参議院で審議を展開させるのは、税金の無駄遣いではありませんか。断じて本日の採決を認めるわけにはいきません。全国の農家に思いをはせて、魂を込めて、まいねことはまいねと申し上げさせていただきます。

 これまで、予算委員会並びにTPP特別委員会での議論が行われてまいりましたが、TPP協定は、我が国の産業や国民生活に大きな影響を及ぼすと予想され、多くの国民から不安や疑念の声が上げられているにもかかわらず、政府は丁寧な説明を行わず、日付と表題以外は全て黒塗りの交渉経緯のメモを示しました。秘密保持の義務があるから情報は出せない、それを定めた書簡も秘密だから見せられないと政府は説明してまいりました。

 もちろん、外交上のやりとりについては、秘密にしなければならないことがあることは一定程度わかります。しかし、秘密にしなければならないとする書簡自体を秘密にするのは、過度な秘密主義ではないでしょうか。そのような詭弁を繰り返す政府の姿は、国民の不安を払拭するために説明を尽くすという総理の姿勢からは、全くかけ離れたものと言わざるを得ません。

 しかも、九月になって、これまでの政府の説明を根底から覆しかねない重大な事実が発覚いたしました。SBS米の価格偽装問題であります。

 これまで政府は、SBS方式で輸入された米の価格は、国産米の価格水準を見据えて形成されているので、国産米とほぼ同様の水準で流通していると説明をしてきました。また、今回のTPP協定において新たに設けられる米の輸入特別枠については、これに相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れることから、国産主食用米の生産量や農家所得に影響は見込みがたいと説明をしてまいりました。

 しかし、今回、調整金の存在により、SBS米の実質的な取引価格が異なっていることが発覚し、これまで政府がしてきたこれらの説明が全く意味をなさず、うつろで実態から遠くかけ離れた説明であることが露呈したのであります。すなわち、協定及び法案審議の前提として政府が公表した経済効果分析と、これに対する対策である関連政策大綱の両方とも、根拠となる土台そのものがもはや崩れてしまっていることは明白となりました。(発言する者あり)農家はもっと苦しんでいるから、汗など拭きません。

 このように、TPPに関する安倍政権の説明と対策は、まさにうそと隠蔽で塗り固められたものであって、我々民進党としては、到底納得できるものではありません。

 そもそも民進党は、輸出、投資を拡大して国富を増幅し、我が国の生活者、消費者に恩恵をもたらすため、高いレベルでの経済連携を実現することが重要と考えています。アジア太平洋貿易圏、FTAAPを初め経済連携については、否定する立場ではありません。

 また、農業の国内生産力を高めることは、これに従事する農業者のみならず、新鮮かつ安全な食べ物を求める全国の生活者、消費者にとって大きなメリットにつながるものです。さらに、農山漁村の人口が維持されることによって、国土や自然環境が保たれ、地域経済や文化の発展が期待されるなど、多面的な効果が期待されることも忘れてはなりません。

 よって、個別の経済連携協定の是非を判断するに当たっては、これらの要素を総合的に勘案し、新たにどのようなメリットが得られ、また守られるべきものがしっかり守られているのか、その中身を十分に見きわめることが必須であるということは言うまでもありません。その意味において、今回のTPP協定の内容は極めて不十分であると言わざるを得ません。

 例えば自動車分野については、米国向けに輸出される乗用車は、十四年間もの長期間にわたって現行の関税率が維持され、その後に関税は段階的に削減されますが、撤廃までには二十五年もの年月がかかります。さらに、トラックに至っては、二十九年間も関税が維持されるなど、関税削減や撤廃に至るまで期間が極めて長いことが特徴であります。

議長(大島理森君) 升田君、升田君、時間が来ておりますから、そろそろ終わるようにしなさい。

升田世喜男君(続) TPP交渉参加に当たっては、安倍政権は、自動車分野のみならず、早々に日米二国間協議について先行させ、その結果、これら長期間において関税を維持することを、条件をのまされることとなりました。農業分野の交渉を開始する前に、米国にこのような約束をさせられてしまったことは、戦略上のミスであり、我が国の国益を損なっていると言わざるを得ません。

 また、農業分野のうち、例えば米については、現行の関税率は維持されるものの、現行のミニマムアクセス枠に加えて新たに無税で導入される特別枠が七・八万トン設定されることになりました。

 米を初め農産物重要五品目にて、多くの関税撤廃、削減や関税割り当ての設定がされるなど、守らなければならない分野で相当な譲歩を余儀なくされており、これは、平成二十五年の衆参農林水産委員会決議に違反していることは明確ではないでしょうか。

議長(大島理森君) 申し合わせの時間が過ぎました。結論を急ぎなさい。

升田世喜男君(続) すなわち、今回のTPP協定の中身は、我が国として攻めるべき分野を攻め切れず、守らなければいけない分野が守られていないのであります。

議長(大島理森君) 早く終わりにしてください。

升田世喜男君(続) 明らかなのは、このTPP協定で我が国にどのような利益があるのか全く不明なままで、衆参農林水産委員会が重要五項目を守るべきとした国会決議が……

議長(大島理森君) 時間を守りなさい。

升田世喜男君(続) 再度申し上げます。

 安倍総理、ここは一旦立ちどまるのが当たり前の形です。よって、安倍内閣によるこのようないいかげんなTPP協定について、私たち民進党は到底賛成することはできません。ここに反対である旨を申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 西村康稔君。

    〔西村康稔君登壇〕

西村康稔君 私は、自由民主党の西村康稔です。

 自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりましたTPP協定及びTPP協定関係法律の整備に関する法律案につきまして、賛成の立場から討論させていただきます。(拍手)

 現在、世界じゅうで、保護主義、孤立主義的な動きが広がりつつあります。大変な危機感を覚えるものであります。

 戦後、我が国は、自由貿易のもとで目覚ましい経済成長を遂げてきました。自由で公正な、開かれた経済の枠組みをつくり、先頭に立って保護主義の蔓延を食いとめることは、我が国の大きな使命であります。

 その核となるのが、TPP協定です。TPP協定は、関税の削減、撤廃だけでなく、投資、サービスの自由化を進め、さらには、知的財産の保護、電子商取引、労働、環境など、二十一世紀の新しいルールをつくり上げ、アジア太平洋地域に開かれた巨大経済圏を構築します。

 TPP協定には、今後人口減少が見込まれる我が国が、成長著しいアジア太平洋地域の活力を取り込むという経済的意義だけではなく、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する国・地域と経済関係を強化し、地域の安定を維持するという戦略的な意義もあります。

 TPP協定では、日本以外の参加十一カ国における工業製品の九九・九%の関税は撤廃され、特に、米国向けの自動車部品は八二・七%の関税が即時撤廃され、競合する韓国よりも条件がよくなることは大きな成果であります。また、今治タオルなどの関税も撤廃され、地方の中小企業にとっても輸出拡大のチャンスが広がります。

 さらに、通関手続の迅速化、投資や知的財産の保護のルールによって、我が国の企業のリスクは大幅に軽減されます。そして、原産地規則や電子商取引のルールとあわせて、域内に最適なサプライチェーンを構築し、地方の中小企業にとっても販路拡大が実現していきます。

 農家の皆さんにとっても、各国の関税は撤廃され、輸出の可能性が広がります。例えば、日本から米国向けの牛肉の輸出については、昨年の実績約二百トンに対し、初年度十五倍から、やがて三十倍強に相当する六千二百五十トンもの無税枠を獲得しつつ、最終的に関税は撤廃されます。

 日本酒についても、全ての国の関税が撤廃されるとともに、米国内において四合瓶などの流通も認められる方向となり、また、神戸ビーフ、下関ふくなど、地域ブランドを地理的表示という制度で保護する仕組みが規定されました。これらにより、地域の名産品の輸出拡大につながります。

 さらに、ベトナムやマレーシア等で公共事業の入札などが国際的にオープンになり、また、金融機関についても出店規制が緩和されるなど、日本企業のビジネスチャンスが広がります。

 また、消費者にとっては、域内のさまざまな商品を安く、安心して入手できるようになる、こうしたメリットもあります。

 以上、TPPの我が国経済に与えるメリットについては枚挙にいとまがありません。まさに、アベノミクスの重要な推進力であり、GDP六百兆円実現に向けて大きく前進させるものであります。

 他方、農業については、今なお各地から不安の声が聞こえてきます。委員会質疑の中で、安倍総理は、まだまだ不安を持っておられる方々がたくさんいらっしゃるのは事実でありまして、十分にその不安を解消し得ていないことは私も総理大臣として申しわけないとはっきりとおっしゃられました。農家の方々に寄り添う気持ち、これは私も同じであります。

 TPP交渉では、多くの国が関税撤廃をしている中、我が国は、農林水産物の約二割について関税撤廃の例外を確保するとともに、重要五品目を中心に、国家貿易制度の堅持や関税削減までの長い期間の確保、さらにはセーフガード等の有効な措置もしっかりと獲得いたしました。国会決議を守り、ぎりぎりのところで踏ん張った結果だと思います。

 それでもなお残る、農業や水産業の方々の不安を真摯に受けとめ、例えば、牛・豚マルキンについて補填割合を九割へ引き上げるなど充実を図り、また、規模拡大に取り組みにくい中山間地域についても、所得向上支援対策など、しっかりと対策を講じていきます。

 安倍総理は、不安を解消していくべく汗を流していきたいと述べられました。継続して万全の措置を講じていくことを期待したいと思います。

 また、国民皆保険や食の安全が脅かされるのではないかと懸念する声も聞かれました。しかしながら、我が国の公的医療保険や食の安全について制度変更を求める内容は一切含まれておりません。さらに、食の安全については、安倍総理から取り組み体制の一元化、強化という方向性が示され、引き続き食の安全に万全を期していく強い決意が示されました。国民の皆さんに安心していただけるよう、関係省庁の縦割りを排し、一層の取り組みの強化を求めたいと思います。

 TPP特別委員会では、三度にわたる各分野の専門家の参考人質疑や地方公聴会での質疑を含め、約七十時間もの議論を通じて、協定や対策の内容が共有されてきたと思います。

 政府においては、これまでも、三百回にわたる説明会を開催し、四千ページ以上もの資料を公表していますが、今後とも、緊張感を持ち、謙虚な姿勢で、そして丁寧に説明していくという姿勢を持ち続けていただきたいと思います。

 さて、TPPのサプライチェーンに入ろうと、幾つかの国々が意欲を示しております。結果として、将来、投資や知財の保護など、高いレベルのルールが広がっていくことになります。

 さらに、日・EU経済連携協定やRCEPなど、米国が参加していない枠組みの交渉も刺激し、加速する契機になります。逆に今度は、これに取り残されまいとする機運を米国の中に高めることも期待されます。

 そして、何より、我が国の国会でTPP協定が承認されれば、再交渉はしないという我が国の強い意思が明確に示されることになるのです。

 ほかの十カ国の国々も、日本のリーダーシップに期待をしています。ベトナムやマレーシアなどは、自国内の多くの国営企業の改革や公共入札の国際化など、TPP協定の高いレベルの厳しい取り組みを約束しました。苦しいけれども、貿易や投資をふやそうと必死に取り組もうとしているのです。日本は、こうした新興国の姿勢や期待に応えるためにも、率先してTPP協定を承認すべきなのです。

 以上のことから、今こそ、TPP協定を承認し、整備法案を成立させるべきだと考えます。そして、以上申し述べたTPPの重要性を、トランプ次期大統領も含め、米国に改めてしっかりと伝え、確認、共有することが急務であります。ちなみに、米国産牛肉は、TPPが発効しなければ、日豪FTAがスタートしたオーストラリア産の牛肉より関税が高いままで、競争力を失い続けるのです。

 以上、我が国が主導してTPP協定の早期発効を実現させることがぜひとも必要なのです。

 TPP交渉では、甘利前担当大臣が先頭に立って大変な御努力を尽くされました。米国のフロマン通商代表と夜を徹して交渉を行うなど、まさに甘利前大臣の御尽力のたまものだと思います。

 私も、副大臣として、甘利大臣を補佐する役割を担わせていただきました。

 安倍総理の強力なリーダーシップのもと、日本政府が総力を挙げて合意をなし遂げたことを指摘させていただき、TPP協定とその関連法案について、賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

議長(大島理森君) 畠山和也君。

    〔畠山和也君登壇〕

畠山和也君 私は、日本共産党を代表して、環太平洋パートナーシップ協定及び関連十一法案に断固反対の討論を行います。(拍手)

 何よりまず、TPP特別委員会における質疑打ち切りと採決強行に厳しく抗議するものです。我が党は、結党以来、強行採決をしようと考えたことはないと述べた安倍首相の目の前で、国会ルールを踏みにじり、慎重審議を求める国民多数の声に背く暴挙が行われたのです。

 そもそも、山本農水大臣の二度にわたる暴言は、国会と国民を愚弄するものです。辞職は当然です。にもかかわらず、政府・与党から事態の打開についてゼロ回答とはとんでもありません。

 その上、米国では、TPP離脱を明確に口にしたトランプ氏が次期大統領に選ばれました。TPPによって雇用が奪われることへの米国民の怒りと不安が反映したものです。米国のみならず、日本でも各国でも反対や批判の声が広がる中で強硬に採決へ突き進むとは、まさに愚の骨頂ではありませんか。

 国民への説明責任は果たされていません。国会で問題点を明らかにするべく責任を投げ捨てる、自民、公明による強引な運営に対して、満身の怒りを込めて抗議するものです。

 委員会質疑を通じて、TPP協定の重大な問題点が明らかになりました。

 第一に、TPP協定の原則は関税撤廃であり、国会決議に真っ向から反するということです。

 決議は、農産物の重要五項目を除外または再協議とし、十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないことを求めていました。しかし、TPP協定には除外も再協議もなく、重要五項目のうち三割で関税が撤廃され、残り七割でも、関税率の引き下げなどにより、無傷な品目は一つもないと政府は認めました。乳製品や林産物、水産物の中に十年を超える段階的な関税撤廃品目があることも認めました。

 政府がかち取ったというセーフガードなどの例外も、発効七年後の再協議規定で撤廃に向けた協議が約束させられています。小委員会や作業部会などで協議の対象となることを政府も否定しなかったではありませんか。

 決議では、交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告することも求めています。しかし、交渉経過は黒塗り文書でやり過ごし、審議を通じても、交渉の中身については言えないとの一点張りで、国会にも国民にも限られた情報しかもたらされていません。

 さらに、SBS輸入米での価格偽装疑惑によって、政府試算の前提は覆りました。再調査も再試算さえもしない政府の姿勢に、米農家の怒りや不信が広がっています。

 これがTPP協定の紛れもない結果であり、国会決議違反であることは明白ではありませんか。

 第二は、TPP協定が、食の安全を初め国民の暮らしと命、健康を脅かすことです。

 TPP発効で、輸入食品や遺伝子組み換え食品の急増は明らかです。輸入食品の九割以上が無検査のまま流通し、残留農薬基準違反でも消費されている驚くべき実態がある現状で、政府は、食の安全を守れる保証を示せなかったではありませんか。

 日米二国間の交換文書で将来の保険制度の協議を約束し、国民皆保険制度が崩される危険があります。米国の製薬企業が薬価決定に影響を及ぼし、薬価が高どまりする懸念は否定できません。助け合いの精神で始まった共済事業が、民間保険との競争のもとで制度の見直しが議題になる可能性も政府は認めました。極めて重大です。

 第三に、TPPの効果は、日本の企業の圧倒的多数を占める中小企業には、恩恵が及ぶどころか、取引先の多国籍企業による海外展開につき合わされ、国内の産業空洞化が一層ひどくなることです。

 政府は、技術力などを持った中小企業がいながらにして海外へ展開することの後押しになると言いますが、現在、海外展開している中小企業はわずか〇・九%にすぎず、九割は海外展開の必要性さえも感じていません。

 また、安い農林水産物の輸入によって、農林漁業を基幹産業とする地域では、食品加工や流通、運送などの中小企業に打撃が及ぶことは、火を見るより明らかではありませんか。

 第四は、多国籍企業や投資家が損害を受けたとして、投資先の国を訴えることができるISDS条項が盛り込まれていることです。

 質疑で明らかになったように、米国政府が訴えられても敗訴した事例は一つもないなど、米国とその多国籍企業に有利な仕組みとなっているのが実態です。最低賃金の引き上げや原発ゼロ政策などに対してまで訴えが起こされているのが世界の現実です。濫訴の歯どめとなる保証は全くないばかりか、各国の経済主権が侵害されることは明白であり、断じて認められません。

 加えて重要なことは、政府自身が生きた協定と述べてきたように、各種小委員会や規制の整合、TPP委員会などの仕組みによって、発効直後からTPP協定そのものが変えられていくということです。

 政府は、国内の制度は変更を迫られないとか、国益に反する再交渉はしないなどと述べてきましたが、何の保証にもなりません。TPPの本質は、あらゆる関税と非関税障壁の撤廃にあるからです。

 その上、政府調達、公共事業、環境や労働にかかわる論点は審議さえもされていません。国民の暮らしと命にかかわる問題について十分な審議をせず質疑を打ち切るというのでは、国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えません。

 最後に、国民の暮らしや命よりも多国籍企業の利益のために日本の経済主権、食料主権を脅かすTPP協定は断じて認められません。

 今、世界では、行き過ぎた貿易至上主義に対する反対の声が沸き起こっています。

議長(大島理森君) 畠山君、時間が来ております。

畠山和也君(続) 各国の経済主権を尊重しながら、民主的で秩序ある経済の発展を目指す平等互恵の貿易と投資のルールづくりこそ、世界の流れです。日本が進むべき道は、TPPではありません。

 日本共産党は、引き続き、TPP協定の全容と問題点を明らかにするとともに、国民の世論と運動とかたく結んで批准を阻止する決意であることを表明して、反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 稲津久君。

    〔稲津久君登壇〕

稲津久君 私は、公明党を代表して、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案について、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 賛成する理由の第一は、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPが、中長期的、戦略的に大変重要な意義を有している点です。

 今後、人口が減少していく日本において、将来にわたる持続的な経済成長を実現するためには、海外の需要を取り込むことが極めて重要です。

 TPP参加国のGDPは、世界全体の約四割、人口は八億人に上り、協定が発効すれば、巨大な自由貿易圏が誕生し、日本の中長期的な経済成長の基盤となります。また、TPPは、アジア太平洋地域において、二十一世紀にふさわしい新たな貿易・投資ルールを構築するという戦略的な意義があるほか、経済的な関係を深めることにより、地域の平和と安定にもつながります。

 第二に、TPPは、日本にとって大きなメリットが期待できる点です。

 世界銀行の試算によれば、日本のGDPを十三・一兆円押し上げる経済効果が期待されます。国民一人当たりでは約十万円強であり、米国の約二倍にも相当します。TPPは、大企業のみならず、むしろこれまで輸出に挑戦していなかった中堅・中小企業こそ大きなチャンスがもたらされます。

 日本以外の参加十一カ国において工業製品の九九・九%の関税が撤廃され、日本を初めTPP参加十二カ国のどこで製造しても関税の優遇が受けられます。また、投資や知的財産を保護するルールの明確化や電子商取引の促進、通関手続の迅速化、簡素化など、海外展開に係るリスクが大幅に軽減されます。

 こうしたTPPのメリットを最大限に活用するため、政府は、新輸出大国コンソーシアムにより、中堅・中小企業の海外展開を後押しすることとしています。

 さらに、消費者という立場に立てば、今まで関税のかかっていたものを安く買うことができ、選択肢がふえることで、消費生活をより豊かにしていくことができ、家計の負担軽減にもつながります。

 第三に、農業の重要品目など、当初懸念された分野が守られた点です。

 厳しい交渉の結果、他の参加国がほぼ一〇〇%の品目の関税を撤廃する中、日本は九五%にとどまり、農林水産物は約二割が関税撤廃の例外となっています。特に、重要五品目では、米の国家貿易制度や豚肉の差額関税制度など基本的な制度が維持され、セーフガードの創設や長期の関税削減期間が確保されました。関税が撤廃されたものも、品目の中身をしっかりと精査した上で、品目全体に影響が出ないよう措置されています。

 さらに、生産者が安心と希望を持って農林水産業に取り組めるよう、公明党の提言も踏まえ、総合的なTPP関連政策大綱が策定されました。こうしたことから、国会決議の趣旨は守られたと評価をいたします。

 また、TPP交渉の当初より、食の安全や公的医療保険など幅広い分野において、国民からさまざまな懸念が聞かれていました。これについては、国会での審議を通じ、食の安全や国民皆保険制度が脅かされるようなルールは一切ないこと等、安倍総理を初め政府より明確な答弁を得ることができました。

 さらに、関連法案において著作権法の非親告罪化の対象を限定し、二次創作が不当に萎縮しないよう配慮されたほか、牛や豚の経営安定対策を法制化するなど、国民の不安に応えた内容となっております。

 なお、昨日、米国で大統領選挙が行われ、新大統領が決まりました。我が国としては、その結果にかかわらず、各国のTPP協定の早期発効を促すためのリーダーシップを発揮することが重要です。

 既に、米国を含むTPP参加十二カ国の首脳は、昨年十一月にTPPの早期発効を目指すことを確認しています。今、我が国としては、世界の中で、自由、民主主義、法の支配のもと、新たな自由貿易経済圏域を構築し、国益を最大化することが求められています。よって、今国会において着実に国内手続を完了すべきと考えます。

 以上、賛成する主な理由を述べました。政府におかれては、引き続き、国民に対する丁寧な説明と、農林水産業を初めとする国内対策の的確な実施を強く要請し、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 丸山穂高君。

    〔丸山穂高君登壇〕

丸山穂高君 日本維新の会の丸山穂高です。

 私は、党を代表して、ただいま議題となりましたTPP協定及びTPP協定の関連法案について、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 山本農水大臣のいわゆる失言問題については、特に二回目のパーティーの席で、あした農水省に来たらええことあるでと利益誘導をほのめかしたような発言は、まさに古い自民党体質そのものであり、その発言の軽率さは許されるものではありません。

 しかし、その後の委員会でも撤回と謝罪を行っており、一度目の折に委員会で、私、丸山より苦言を申し上げたにもかかわらず、残念ながら二度も同じことを繰り返されましたが、しかし、政策的な間違いがあったわけではなく、金銭的な疑惑でもないことから、不信任にまでは当たらないと考えております。よって、我が党は、本会議には出席しますが、やめさせる、やめさせないの茶番劇にはおつき合いはいたしません。

 政府・与党は緊張感を持って、逆に野党側は、その言葉尻をとって足を引っ張る行動や、委員会室でプラカードを掲げたり、税金の無駄遣いの欠席戦術などのパフォーマンスに終始せず、真に国益にかなう議論をしようではありませんか。

 我が国がTPP関係国との協議を開始したのは、民主党政権のときでした。そして、現在、民進党はTPP協定に反対の姿勢をとっています。一方、野党時代の自民党はTPP交渉参加反対を掲げておりましたが、現在の自公政権は交渉への参加を表明し、現在、こうして承認への賛成を求めています。

 これに対し、我が党は、結党以来、TPP協定に一貫して賛成してまいりました。本協定は、我が国の経済成長のためにも安全保障のためにも欠かせない、重要な協定だと考えるからです。

 日本国内で少子高齢化と人口減少が進む中、我が国の経済にとって、成長著しいアジア太平洋地域の活力を取り込んでいくことが必要不可欠です。TPP協定は、輸入農産物への関税撤廃による国内消費者へのメリットが大きい上に、国内の中小企業や農家の海外進出を後押しするものです。

 TPP協定に対して、タイ、フィリピン、台湾、韓国等、現在の参加国以外の国や地域も関心を示しています。WTOを通じた交渉が停滞している現状では、自由貿易体制の維持発展のためには、こうした多国間協定の推進が不可欠です。

 現在、アメリカの国内ではオバマ大統領が任期中のTPP協定承認を目指しておりますが、次期大統領であるトランプ氏はTPP反対を掲げており、議会の両院ともTPPには慎重な姿勢です。

 ヨーロッパでも、イギリスのEU離脱賛成が国民投票で多数を占めました。自由貿易体制を批判する声が強まり、世界じゅうが内向きになっているときだからこそ、世界経済の成長に向けて日本が責任ある態度を示すべきであります。

 歴史のさなかにおいて、我が国はどういう未来を目指していくのか、日本の国益はどこにあるのか。筋を通していかなければなりません。

 アメリカとは、東アジアで最重要の同盟国として、共通の価値観を持つアジアの経済大国として、安全保障にしても経済にしても、これまで以上に腰を落ちつけて対処すべきであり、TPPについて米国が批准する可能性がないので日本も様子を見ようなどと言っていては、足元を見られるだけです。大統領がかわりそうだからといって、その腹のうちも見えないときに右往左往すべきものではありません。

 TPPは、外交、安全保障上も我が国にとって重要です。日米両国だけでなく、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する国々が新しい経済ルールをつくることは、アジア太平洋地域の安定につながるものでございます。

 一方で、現在のTPP協定とその対策については、まだまだ改善すべき点もあります。

 今後、農業の国際競争力をつけるために、農地所有のあり方を再検討し、農業の各分野で新規参入を進めるなど、徹底した農業改革を進めるべきです。中小企業が海外展開等においてTPP協定のメリットを生かせるようにするため、政府はその支援策を早急に具体化すべきです。また、国民の食の安全に対する不安を払拭するため、加工食品の原料等が明確となるルールを策定して、食品表示の規制を消費者に一層わかりやすいものとすべきです。

 以上、徹底した農業改革、中小企業支援策の具体化、食品表示規制の厳格化の三点が必要なことは引き続き主張いたしますが、その上で、これまで申し述べた理由から、我が党は、TPP協定の承認と関連法案に賛成いたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。(退場する者あり)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       外務大臣    岸田 文雄君

       農林水産大臣  山本 有二君

       国務大臣    石原 伸晃君


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