衆議院

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第7号 平成29年2月27日(月曜日)

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平成二十九年二月二十七日(月曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十九年二月二十七日

    午後四時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十九年度一般会計予算

 平成二十九年度特別会計予算

 平成二十九年度政府関係機関予算

 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)


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    午後四時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) この際、御紹介申し上げます。

 ただいまシヒュフリート・ブラッケ・ベルギー王国下院議長御一行が外交官傍聴席にお見えになっておりますので、諸君とともに心から歓迎申し上げます。

    〔起立、拍手〕

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員林義郎君は、去る三日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 林義郎君に対する弔詞は、議長において去る十七日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに税制問題等に関する調査特別委員長 国際平和協力等に関する特別委員長の要職につき また再度国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等林義郎君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

笹川博義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十九年度一般会計予算

 平成二十九年度特別会計予算

 平成二十九年度政府関係機関予算

議長(大島理森君) 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長浜田靖一君。

    ―――――――――――――

 平成二十九年度一般会計予算及び同報告書

 平成二十九年度特別会計予算及び同報告書

 平成二十九年度政府関係機関予算及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔浜田靖一君登壇〕

浜田靖一君 ただいま議題となりました平成二十九年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、予算三案の概要について申し上げます。

 平成二十九年度一般会計予算の規模は九十七兆四千五百四十七億円であり、前年度当初予算に対して〇・八%の増加となっております。

 歳出のうち、国債費を除いた基礎的財政収支対象経費の規模は七十三兆九千二百六十二億円であり、前年度当初予算に対して一・一%の増加となっております。

 歳入のうち、公債金は三十四兆三千六百九十八億円で、公債依存度は三五・三%となっております。

 特別会計予算については、十三の特別会計があり、会計間の取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は百九十六兆八千二百三十一億円となっております。

 政府関係機関予算については、沖縄振興開発金融公庫など四機関の予算を計上しております。

 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は十五兆千二百八十二億円で、前年度当初計画に対して一二・二%の増加となっております。

 この予算三案は、去る一月二十日本委員会に付託され、同月二十五日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、二月一日から質疑に入り、基本的質疑、一般的質疑、集中審議、沖縄県と愛知県における現地視察及び地方公聴会、中央公聴会、分科会を行うなど、慎重に審査を重ね、本日締めくくり質疑を行いました。

 審査においては、経済・財政・金融政策、働き方改革、日米首脳会談の成果、南スーダン共和国におけるPKO活動に関する問題、テロ等準備罪の新設をめぐる議論、文部科学省職員及び元職員による再就職等規制違反行為、教育費の負担軽減策、国有財産の売却問題など、国政の各般にわたって熱心に質疑が行われました。その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。

 かくして、本日、質疑を終局いたしましたところ、民進党・無所属クラブ及び日本共産党から、それぞれ、平成二十九年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨の説明がありました。

 次いで、予算三案及び両動議について討論、採決を行いました結果、両動議はいずれも否決され、平成二十九年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。井坂信彦君。

    〔井坂信彦君登壇〕

井坂信彦君 神戸から参りました井坂信彦です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の平成二十九年度予算三案について、反対の立場から討論いたします。(拍手)

 まず冒頭、本日の予算委員会において予算案の採決が強行されたことに強く抗議をいたします。

 このたびの予算審議では、平成二十九年度予算及び安倍政権の政策だけではなく、政権運営のあり方についてもさまざまな問題点が噴出しました。

 まずは、天下りの問題です。

 文部科学省において、人事課が退職予定者の個人情報や法人からの求人情報をOBに提供し、OBが就職のあっせんをしていたという、組織的かつ極めて悪質な天下りが発覚しました。

 当初はボランティアで就職あっせんをしていたと語ったOBが、保険会社顧問の職を得て、何と月二回の勤務で一千万円もの破格の待遇を受けていたことも明らかになりました。

 監督責任者である事務次官も違法が発覚しましたが、政府はこれを免職せず、退職という形を許し、五千万円を超える退職金を支払うという、極めて甘い対応をとりました。

 天下りの最大の問題は、役所と天下り先の企業、団体との癒着、官と民との癒着です。

 私立大学の補助金を配る高等教育局長が、全国第二位の補助金を受け取っている大学に天下る。違法な企業を取り締まる消費者庁の課長補佐が、退職直前に調査を担当していた企業に天下る。

 そもそも、公務員が退職直前の五年間に利害関係のあった企業へ再就職することは法律で禁じられていたのですが、第一次安倍政権で、利害関係企業への再就職が解禁され、合法化されました。現役公務員による就職活動やあっせんさえなければどこにでも再就職オーケーという抜け道だらけの制度にしたことで、補助金配付先や規制取り締まり先など、利害関係先への再就職が横行しています。

 安倍総理が解禁してしまった利害関係先への再就職をもう一度禁止する必要があるのではないでしょうか。また、今回抜け穴として使われたOBによるあっせんも禁止する必要があるのではないでしょうか。逃げ得を許さないためにも、刑事罰も検討する必要があります。

 予算委員会では、我が党からこれらの提案をいたしましたが、安倍総理はまず徹底的に調査してからと答えるのみで、再発防止策について前向きな答弁はありませんでした。その調査も、我が党の指摘によって再調査せざるを得なくなるような、ずさんなアンケートでした。

 予算審議では、天下りを受け入れている七十八の公益法人等に、平成二十九年度予算の中から二千百八十三億円もの大金が支払われることが明らかになっています。天下りと引きかえに余分な補助金が配られていないか、この解明なくして予算を通すことはできません。

 次に、共謀罪の問題です。

 テロ等準備罪とは名ばかりで、対象犯罪はテロ以外の方が多くなる見込みです。包括的な共謀罪がなければ防げないテロの事例を、政府は一つも説明できていません。国際組織犯罪防止条約が要求していないテロ対策は今回の法改正に含まれないと大臣も答弁していますから、そもそもテロ対策を主目的とした法律ではありません。

 条約に批准するためであれば、包括的な共謀罪を整備することが必須かどうかは、専門家の間でも意見の分かれるところです。

 メールやSNSのグループも共謀罪の対象になり得るとする大臣の答弁から、捜査機関によるネット監視という新たな懸念も生じています。

 金田法務大臣は、答弁を二転三転させ、基本的な事項を説明できないだけでなく、予算委員会での審議を封じるとともに、法案提出後も、内容はわからないので役人に聞けといった文書をマスコミに配付しました。

 不見識な大臣のもとで共謀罪が検討されていることも恐ろしいことですが、法務省も、七千五百億円もの予算を所管しています。

 我々は既に金田大臣に辞任を求めており、このような大臣のもとで編成された予算を認めよというのは無理があります。

 さらに、南スーダンPKOの問題です。

 陸上自衛隊が現地の活動状況を記録した昨年七月の日報の情報公開請求に対して、防衛省は、破棄されたとして、不開示とする決定をしました。

 統合幕僚監部で、日報は廃棄されて不存在とお墨つきを与えたメンバーの中に、日報の電子データが残っていることを知っていて隠蔽した人物がまじっている可能性がありますが、稲田大臣は調査する必要がないと強弁しています。

 その後、日報の電子データが残っていたという事実も、大臣に一カ月もの間報告されませんでした。稲田大臣は防衛省を掌握できておらず、文民統制、シビリアンコントロールができているのか疑問です。

 当初公開されなかった日報には、自衛隊宿営地の近くで戦闘が起こったと記されていました。それに対して、稲田大臣は、戦闘と言うと憲法九条に違反するから戦闘とは言わないという問題答弁をするなど、防衛大臣の資質に欠けることは明らかであり、稲田大臣は即刻辞任すべきです。

 加えて、大阪府豊中市において、安倍総理夫人が名誉校長を務め、総理も考え方が共鳴していると答弁していた学校法人に対し、国有地が格安で売却されたのではないかとの問題が持ち上がりました。

 もともと九億五千万円の国有地だったのに、一億三千二百万円の産廃処理費用を渡し、さらに奥深くから産廃が出てきたと言われるままに八億円値引きし、国に入ってくるお金は差し引きわずか二百万円と、ただ同然で国有財産を譲ったことになります。

 地中深くの産廃を掘り出して処分するために八億円の費用がかかるので、その作業を学校法人に任せるかわりに国は土地代を八億円値引きしたといいますが、国は、八億円分の産廃が埋まっているかどうか一切調査をしていません。

 学校法人が八億円分の産廃処理を行ったかどうか、国は一切確認をしておらず、業者の証言では、土砂は一部しか搬出せず、一部は校庭に埋め戻したとされています。

 わずか一億三千四百万円すら分割払いを頼んできた学校法人が、八億円もの産廃処理を自費で行えるわけがなく、国は、学校法人が八億円分の産廃処理をしないことをわかった上で国有地を八億円も値引きして売却したことが強く疑われます。

 来年度に支払われる契約となっている土地売却の分割納付金も予算書に含まれておらず、この一点をもってしても、予算書の修正が必要です。

 認可プロセスも極めて不自然。極めつけは、交渉記録がまたしても廃棄により不存在という、相変わらずの隠蔽体質。

 この状況で予算委員会を打ち切り、事件を幕引きしようという政府・与党のやり方は、国民を愚弄するものと言えます。

 平成二十九年度予算の一般会計総額は過去最大規模になっています。その財源は、名目二・五%、実質一・五%と、極めて甘い経済成長見通しに基づく税収。二十八年度予算について、経済成長率の見通しを甘く設定し、税収を過大に見積もった結果、一・七兆円も税収を下方修正せざるを得なくなり、リーマン・ショック以来七年ぶりの赤字国債追加発行を招いた反省はないのでしょうか。

 その甘い見通しに基づいた経済財政の中長期試算においてすら、二〇二〇年度の基礎的財政収支赤字は三兆円近くも悪化し、財政健全化はさらに遠のきました。

 民進党は、人への投資を経済政策の柱に置き、国民一人一人の能力を最大限伸ばし、それを発揮できる環境を整えるため、不要不急の事業や必要性の疑われる事業が散見される政府提出予算を適正化し、人への投資や地域活性化に最大限重点配分を行う組み替え動議を提出いたしました。

 さらに、配偶者控除等の見直し、金融所得課税引き上げなどの所得税の抜本改革、消費税引き上げの一%分などを財源に教育の無償化など、人への投資を大胆に進め、日本型ベーシックインカム構想で中間層を復活させる法案も既に国会に提出しています。

 政府・与党においては、我々の対案を真摯に検討していただくよう、よろしくお願いをいたします。

 最後に、議場の皆様にお訴えをしたいことがあります。

 国会はこのままで本当によいのでしょうか。議院内閣制の日本において、与党が政府の原案に賛成するのはわかります。しかし、政府に見過ごせない事態が起きたとき、与党、野党の前に、立法府としてやるべきことがあるのではないでしょうか。

 天下り先法人への補助金を一円も見直さずに予算を通してよいのでしょうか。与野党の先輩たちが過去三回も慎重に審議を重ねた共謀罪を、テロ対策に看板をかけかえて簡単に通してよいのでしょうか。南スーダンの日報につき、隠蔽の有無をうやむやにしたままでよいのでしょうか。多くの国民が怒っている国有地の不当値下げを、ろくに調査もせず幕引きをしてよいのでしょうか。

 提案も大事ですが、おかしいことはおかしいと、与野党を超えて、立法府として、政府をしっかりコントロールできる国会をつくり上げていこうではありませんか。

 以上、議場の全ての皆様にお訴えをしまして、私の反対討論とさせていただきます。

 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 葉梨康弘君。

    〔葉梨康弘君登壇〕

葉梨康弘君 自由民主党の葉梨康弘です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました平成二十九年度一般会計予算案外二案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 政権交代以降、安倍内閣は、経済再生と財政健全化を両立させつつ、アベノミクス三本の矢の取り組みにより、極めて短い期間で、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。

 幾つかの数値を政権発足前と比較してみましょう。

 まず、名目GDPは、約四十七兆円増と、九・五%の伸びを示しました。次に、有効求人倍率は〇・八二倍から一・四三倍へと大幅に改善、失業率も四・一%から三・一%に縮小しました。これらの結果、国の税収は約十五兆円増加し、財政健全化に大きく寄与しています。

 もとより、国際的な不確実要因が指摘されるなど、足元の経済状況には注視が必要です。しかし、だからこそ、最大の景気対策である予算案の早期成立を図ることにより、アベノミクスを力強く前に進め、デフレからの脱却を確実にしていくことが必要です。

 以下、平成二十九年度予算三案に賛成する主な理由を申し述べます。

 賛成する第一の理由は、この予算が、国民の安心と未来への希望を確かなものとするため、必要な施策を盛り込んでいる点です。

 まず、社会保障については、将来への持続性を確保するための医療・介護制度改革を推進する一方、一億総活躍社会の実現や国民が安心できる社会保障の充実のため、保育士や介護人材の処遇の改善について必要な手当てを行っています。

 次に、我が国の未来そのものである子供たちが経済的な理由により進学を断念することがないよう、無利子奨学金の拡充や平成三十年度に創設予定の給付型奨学金の先行実施など、画期的な施策を盛り込んでいます。

 また、昨今の災害の増加や公共施設の老朽化に対処するため、社会資本の整備を防災・減災、老朽化対策などに重点化、効率化し、国民の安全、安心を確保するとともに、日本の成長力を高める分野に必要な投資を行っています。

 さらに、厳しさを増す安全保障環境に対処するため、南西地域の島嶼部における防衛体制の強化など、中期防衛力整備計画に沿った着実な防衛力の整備を図るとともに、国際テロ情勢に対応するための諸対策にも予算を重点化しています。

 加えて、東日本大震災からの復興、地球儀を俯瞰する外交の積極展開、観光立国の推進、強い農林水産業の創造などの重要課題にしっかりと対応した予算となっています。

 賛成する第二の理由は、今まで申し述べた必要な施策を講じつつ、財政再建との両立を図っている点です。

 経済・財政再生計画の枠組みの下、歳出改革に取り組み、二年連続で社会保障費増加の目安を達成したことなどにより、一般歳出の伸びを五千三百億円程度に抑え、新規国債発行額も五年連続で縮減しています。

 一般会計のプライマリーバランスの赤字幅も、政権発足前に比べ約十四兆円改善し、平成二十七年度の赤字半減目標を既に達成、平成三十二年度の黒字化目標に一歩ずつ前進しているものと評価できます。

 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。

 本予算案は、浜田委員長の公平公正な議事運営のもと、予算委員会での充実した審議が行われました。そして、その過程において、幾つかの点に関し、内閣の説明責任が問われる場面がありました。

 私は、いずれの場面においても、内閣は十分な説明責任を果たしてきたと考えます。

 以下、具体的に申し上げます。

 まず、文部科学省における不適切な再就職事案が問題となりました。

 組織的な天下りあっせんは、情実的な予算執行を招きかねず、根絶すべきです。与党議員も質疑において内閣に対し厳正な調査を求め、松野文科、山本行革の両大臣も徹底調査を約束しました。

 今後の予算執行も、特にOB関連団体に対し、一層の透明性を持って行われることが必要と考えますが、これはあくまで執行段階での問題です。調査が未了であることをもって、予算案の成立をおくらせる理由にならないことは明らかです。

 次に、現在内閣が検討中のテロ等準備罪に関する国会審議のあり方が問題となりました。

 金田法務大臣が、国会審議のあり方を示唆するとも受けとめられかねない文書を発出し、撤回、謝罪を行ったことは、私も遺憾なことと思います。

 その上で、金田大臣からは、テロ対策等に関し、現行法令では対処できない法の穴が存在すること、国連組織犯罪防止条約締結のための国内担保法整備が国際的協力関係構築のために必要なこと、人権侵害の懸念があり得ない法案を検討中であることなど、誠実な説明がありました。

 今後は、法務委員会における充実した議論を期待します。

 また、防衛省における、南スーダン派遣部隊作成の日報破棄事案が問題となりました。

 当該日報の破棄は、規則にのっとったもので、隠蔽でも何でもありません。むしろ、文書破棄を理由とした不開示決定の報告を受け、保管義務のある部署以外にも探索を指示した稲田防衛大臣の英断は、今後の開かれた防衛省への改革を期待させるものです。

 委員会では、当該日報が戦闘の用語を用いていたことを捉え、南スーダンの状況が議論されました。稲田大臣からは、日報の用語にかかわらず、法律用語である戦闘行為とは異なるとの答弁があり、明快な概念整理ができたと考えます。

 さらに、大阪府豊中市における国有財産の売却事案が取り上げられました。

 財務省等からは、もともと池であった当該土地について、大量の廃棄物が地中にあることがわかり、この廃棄物を、通常想定できる適切な方法により除却する費用を差し引いて、買い主である学校法人に売却したとの説明がありました。

 この土地は既に私有財産です。仮に廃棄物の除却が不十分、不適切であった場合に予想される各種被害への対応、今後追加的な廃棄物除却が必要となったときの費用負担等は、全て当該法人が負うこととなり、国には法律上の瑕疵は認められません。

 いずれにせよ、この事案については、今後、会計検査院などによる調査が行われると承知しており、徹底調査が行われることになります。ただ、本件について財政法違反となる事由は認められず、予算案の成立をおくらせる理由とはなりがたいと思われます。

 以上、予算審議の過程で提起された幾つかの点について申し述べました。

 一部政党の方が言われるような隠蔽とか隠蔽体質は、私たちの自公政権ではあり得ません。私たちは、必要な調査をしっかり行い、国民に開かれた政治をつくります。内閣も、それに応えてきました。一部政党の主張は、まさに印象操作以外の何物でもありません。

 国会議員は、建設的な議論をしていかなければなりません。

 この予算の成立を心待ちにしている、保育士の皆さん、お母様方、介護に携わる皆さん、お年寄りの方々、進学への志を持つ子供たち、そして多くの国民がいます。

 平成二十九年度予算案を早期に成立させ、国会がこのような声にしっかりと応えていくことこそが、国民の安心と未来への希望を形づくるものと確信いたします。

 何とぞ、政府予算三案につき、議員各位の御賛同を賜ることを強くお願いし、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 藤野保史君。

    〔藤野保史君登壇〕

藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度一般会計予算外二案に対して、反対の討論を行います。(拍手)

 反対理由の第一は、本予算案が、アベノミクスの行き詰まりのしわ寄せを国民に押しつけ、暮らしを痛めつけるものになっている点です。

 安倍総理は、全国津々浦々で好循環が生まれていますと言いますが、厚労省の毎月勤労統計によると、パートを含めた全労働者の平均賃金は、安倍政権発足後、実質で年十九万円も減っています。また、総務省の家計調査によると、二人以上世帯の実質家計消費支出は、十六カ月連続で対前年度比マイナスを続けています。日本経済の六割を占める個人消費が冷え込むもとで、好循環など生まれていないことは明らかです。

 アベノミクスの行き詰まりは、賃金や消費という指標だけでなく、税収や財政面でも隠せなくなっています。

 一六年度第三次補正予算では、税収が当初見込みより一・七兆円も落ち込み、その穴埋めなどで一・九兆円もの国債の追加発行を余儀なくされました。

 政府は、一七年度、所得税収も消費税収も、前年度当初より減ると見込んでいます。これは政府自身が、この道を進めば国民の所得も消費も減ってしまうと認めたことにほかなりません。

 しかも、安倍政権のもとで、財政は健全化するどころか、日銀の異常な金融緩和でつくり出された超低金利に支えられるという、財政のゆがみは一層ひどくなっています。この点からも、これ以上この路線に固執することは許されません。

 今、日本各地で貧困と格差が広がっています。とりわけ子供の貧困は、先進国の中で最も深刻です。今政治に求められるのは、一刻も早くこの貧困と格差を正すことです。

 ところが、本予算案は、社会保障費の自然増分を千四百億円抑制することを初め、社会保障の各分野で国民に負担増と給付減を強いています。中小企業対策費も農林水産関連予算も、昨年より減っています。これでは、貧困と格差はますます深刻化してしまいます。

 政府は、返済不要な給付制奨学金を導入するとしていますが、対象者が極めて限られており、しかも、その財源の一部は、大学院生の奨学金返還免除の縮小など、今ある制度の改悪によるものです。

 安倍政権のもとで、文教予算は三年連続マイナスとなっていますが、減らされた予算の枠内でのやりくりでは、他の若者にしわ寄せが行くだけです。今こそ、先進国で最低レベルの文教予算の抜本的拡充に踏み出すべきです。

 政府は、働き方改革を今国会の目玉にしていますが、安倍総理が議長を務める働き方改革実現会議は、残業時間の上限を年七百二十時間とする案を出しています。これは、残業時間の上限を年三百六十時間と定めた厚労大臣告示の二倍もの残業を野放しにするものであり、到底容認できません。

 反対理由の第二は、日米同盟第一の立場で、世界でも異常な、米国追随の姿勢を鮮明にしている点です。

 安倍総理は、予算審議のさなか、トランプ大統領との首脳会談を行いました。会談では、日米同盟の強化が強調され、日本は同盟における、より大きな役割及び責任を果たす、このことが合意されました。これは、新ガイドラインと安保法制、戦争法に基づいて、地球規模での、米軍と自衛隊の軍事協力、海外で戦争する国づくりを推進しようとするものです。

 こうした安倍政権の姿勢は、本予算案に如実にあらわれています。

 一般会計の軍事費総額は、五兆一千二百五十一億円となり、当初予算として、三年連続で過去最高を更新しています。日米地位協定の負担原則に反する駐留関係経費である思いやり予算、SACO関連経費、米軍再編経費の合計も三千九百八十五億円で過去最高です。

 大学などを軍事研究に動員するための予算は、対前年度比で十八倍に激増しています。日米の兵器の共同開発に日本の研究や技術を動員するなど、到底許されません。

 首脳会談で発表された日米共同声明は、米軍新基地建設について辺野古が唯一の解決策としていますが、沖縄県民が繰り返し選挙で示した民意を踏みにじり、新基地建設を強行することは断じて許されません。辺野古沖での海上工事を直ちに中止し、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去を強く求めます。

 反対理由の第三は、不要不急の大型公共事業を優先し、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するものとなっていることです。

 本予算案は、三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾など、大型公共事業を優先しています。来年度の財政投融資計画は、リニア中央新幹線に総額三兆円の貸し付けを行うとしています。政府は、この三兆円の償還確実性などについてまともに検討しないまま、技術面でも、安全面でも、環境面でも問題が指摘されているリニア中央新幹線に巨額の公費をつぎ込もうとしています。こんな無責任なやり方は到底認められません。

 昨年末、東京電力福島第一原発事故の賠償、除染等にかかる費用が二十一・五兆円に上ることが明らかになりました。この巨額の費用について、東電を初めとする原発利益共同体の企業に応分の負担を求めることもしないまま、電気料金等の形で国民にツケを回すことは断じて認められません。

 政府は、昨年末、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を決定しましたが、いつ、どこで、誰が、どういう理由で廃炉を決めたのか、いまだに明らかになっておりません。

 しかも、政府は、「もんじゅ」にかわる新しい高速実証炉の開発に乗り出そうとしています。しかし、数十年の歳月と一兆円を超える資金を投入した「もんじゅ」がなぜ失敗したのかについて真剣な反省も総括もなく、世界でも実用化のめどが立っていない高速実証炉の開発に突き進めば、「もんじゅ」と同じ失敗を繰り返すことになるのは明らかです。

 東京電力福島第一原発事故から間もなく六年となります。福島ではいまだに八万人を超える方々がふるさとに帰れないままです。原発と人間社会は共存できません。原発再稼働と核燃料サイクルを断念する政治決断を下すことを強く求めます。

 今求められるのは、貧困と格差を正す立場で予算を抜本的に組み替えることです。格差拡大に追い打ちをかける消費税増税路線を転換し、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革を行う。軍事費や不要不急の大型開発にメスを入れ、社会保障、教育、子育てなど、貧困と格差の是正につながる予算を抜本的に拡充することを強く求めます。

 文科省を初めとする天下り問題や、大阪森友学園をめぐる疑惑はますます深まっており、資料提出、関係者の国会招致等で真相を徹底究明することはまさに国会の責務であります。

 テロ対策の名で国民を欺き、国民の思想や内心まで取り締まろうという共謀罪は、物言えぬ監視社会をつくるものであり、現代版治安維持法にほかなりません。予算審議中に金田法務大臣が国会提出後に議論すべきだなどとする文書を配付したことは、三権分立を否定する暴挙です。共謀罪法案の国会提出断念を強く求めます。

 さらに、稲田防衛大臣が南スーダンで起こっている事態を戦闘ではなく衝突だと強弁し続けていることは、憲法九条違反の実態を覆い隠そうとするものであり、断じて許せません。内戦状態が続く南スーダンから自衛隊を直ちに撤退させることを強く求めるものです。

 憲法を無視する安倍政権の暴走は、安保法制、戦争法の強行以降特に激しくなっています。憲法を踏みにじる政治をこれ以上続けさせるわけにはいきません。日本の政治に立憲主義を取り戻し、憲法が暮らしにも、職場にも、政治の場にも生きる社会をつくる、そのために全力を尽くす決意を表明して、反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 伊藤渉君。

    〔伊藤渉君登壇〕

伊藤渉君 公明党の伊藤渉です。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十九年度予算三案に対し、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 自民党と公明党の連立政権による第二次安倍内閣が発足して四年、安定した政治基盤のもと、これまでの的確な政策対応により、所得と雇用環境は改善し、確実に経済の好循環が生まれ始めています。

 例えば雇用面では、この四年間で就業者が百七十万人増加し、正規雇用者も平成二十七年から二年連続で増加をし、合計七十七万人ふえています。国民生活にとって最も大事な雇用に大きな成果があらわれています。

 景気全体としても、一部に改善のおくれも見られますが、緩やかな回復基調が続いています。

 今後、さらに、成長と分配の好循環の流れを一層確実なものとし、教育環境の整備、社会保障の安定と充実、働き方改革、一億総活躍社会の実現など、諸課題に果敢に取り組むことが重要です。

 本予算案は、こうした課題に適切に対処する施策が盛り込まれており、一日も早い成立と迅速な執行が求められます。

 以下、公明党の主張が随所に盛り込まれている平成二十九年度予算案について、賛成する主な理由を申し上げます。

 第一に、教育を重視する姿勢を明確に示し、未来への投資を大きく前進させる予算となる点です。

 まず、公明党がかねてより一貫して提案をしてきた返済不要の給付型奨学金創設のための予算が盛り込まれています。経済的な理由で進学を断念する子供をなくすという公明党の強い思いにより実現したものと確信をいたします。

 さらに、無利子奨学金についても貸与人数が拡大をされます。低所得世帯の学生に対する成績基準を事実上撤廃するとともに、基準を満たしても予算不足で借りられなかった残存適格者も解消をされます。

 あわせて、発達障害などのある児童生徒に対して、個々の状況に応じた適切な支援を行うための通級指導や、外国籍の子供への日本語教育などを担う教職員を確保するための予算も盛り込まれており、誰もが質の高い教育を受けられる環境整備が加速をされます。

 第二に、横断的課題である働き方改革と生産性向上を大きく推し進める予算となっている点です。

 長時間労働は、働く方の健康を損ねるだけでなく、育児、介護と仕事の両立や、女性の活躍を妨げる大きな要因の一つでもあります。これを是正し、多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につなげていく取り組みが急務です。

 本予算案では、勤務間インターバルを自発的に導入する中小企業を支援するための予算が計上されています。日本の雇用の七割は、中小企業、小規模事業者が支えています。ここがよくならないと、日本経済はよくなりません。今後、企業の積極的な導入が着実に進むものと期待され、高く評価をいたします。

 また、非正規労働者の正社員転換や待遇改善を強力に促進するため、キャリアアップ助成金が大幅に拡充されるなど、同一労働同一賃金の実現に向けた取り組みが促進をされます。

 そのほかにも、テレワークの普及を図るための予算や、労働生産性向上に資する人材育成の充実を後押しするための予算など、働く人の立場に立った働き方改革の実現につながる施策が数多く盛り込まれております。

 第三に、少子高齢化の流れに歯どめをかけ、誰もが活躍できる一億総活躍社会、そして安心につながる社会保障を実現するための予算となっている点です。

 働くことを希望する女性が安心して子供を産み育てる社会を構築するために、保育士の確保と保育の受け皿の整備が不可欠です。

 保育士の賃金引き上げと、技能、経験に応じた処遇改善を強く求めた公明党の主張を踏まえ、平成二十九年度から保育士等の給与を約二%引き上げるための予算が確保されております。加えて、中堅、若手向けの役職を新設することにより、技能や経験に応じて賃金をそれぞれ四万円、五千円とさらに上乗せすることとしており、保育士確保に極めて重要な施策であると考えます。

 新制度に移行していない幼稚園においても、同様な処遇改善を可能とする私学助成をサポートするための予算が計上されていることも大切なポイントです。

 また、介護士の確保も緊急課題です。介護士の給与についても月額一万円程度ふやせるよう、介護報酬を加算するための予算が盛り込まれ、介護人材の確保に向けた着実な前進となり、評価をしております。

 一方、年金を受給する資格を得るのに必要な加入期間を二十五年から十年に短縮する改正年金機能強化法の成立を受け、その裏づけとなる予算も盛り込まれております。無年金者対策は公明党が粘り強く訴えてきたものであり、新たに約六十四万人が年金を受け取れるようになるだけでなく、将来にわたって無年金者を減らす画期的で大きな意義があると期待をするものであります。

 その上で、本予算は経済再生と財政健全化の両立を実現する予算ともなっています。

 一般歳出の伸びは五千三百億円の増にとどまり、二年連続して経済・財政再生計画の目安を達成するとともに、社会保障の持続可能性を確保するために、社会保障費の伸びも五千億円増と目安に沿って抑制されております。また、新規国債発行額は二十八年度当初予算を六百二十二億円下回り、七年連続で減額をするなど、平成三十二年度の財政健全化目標に向け不断の努力が払われております。

 以上、賛成する主な理由を申し述べました。

 一億総活躍社会の実現、大胆な働き方改革の実行、そして経済の好循環を確かなものにするためには、本予算案の早期成立、早期執行が不可欠です。

 アベノミクスの効果をいまだ十分に実感できていない地方や中小・小規模事業者、そして家計等へとその効果を波及させるため、政府においては、下請取引の適正化や働き方改革実現会議を通じての労使双方との対話を継続して実施をしていただきたいと思います。

 公明党は、経済成長の成果を適切に分配していく好循環の流れを一層加速させ、国民の皆様に希望が行き渡るよう、一つ一つの政策を具体化していくために全力で取り組んでいくことをお約束し、私の賛成討論といたします。

 御清聴大変にありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 伊東信久君。

    〔伊東信久君登壇〕

伊東信久君 日本維新の会の伊東信久です。

 私は、我が党を代表して、平成二十九年度予算案に反対の立場から討論をいたします。(拍手)

 我が党は、税金を使う議員や公務員のための政治ではなく、税金を払う国民のための政治を目指しており、身を切る改革を最優先の政治課題としてまいりました。その立場からいえば、国民生活が苦しい中で、公務員総人件費がまた上がっている今回の予算案には賛成できません。

 平成二十五年度末に、復興財源を確保するための議員歳費の二割削減と公務員給与の削減が終わりました。これによって、平成二十六年度予算案での公務員人件費は二千七百億円増加しました。その後、平成二十七年度予算から二十九年度予算案まで公務員総人件費は三年連続でふえ続け、累計で一千億円の増加となります。

 この四年間でいえば、公務員人件費は三千七百億円ふえたことになります。これだけあれば、高校の授業料の完全無償化を実現できます。私立も含め、所得制限もなしにです。このように、公務員は優遇される一方、平成二十五年から二十五年間にわたって国民には復興所得税が課せられており、その税収総額は年間で約三千億円となります。

 復興所得税を払い続ける国民の給与がなかなか上がらず、所得格差が教育格差につながり、子供の貧困が問題になっている中で、公務員の人件費が上がり続けている現状に国民の理解は得られません。財政運営のあり方からいっても、政府債務が一千兆円を超え、税収が減少する中、公務員の給与を上げ続けるべきでしょうか。

 昭和五十七年度には、財政状況が非常に厳しいという理由で人事院勧告の実施が見送られています。財政的にはるかに厳しい現在、なぜ理由を明示せず勧告をそのまま実施するのか、理解に苦しみます。人事院勧告の基礎となる官民給与比較の実態調査の見直しについても、政府は前向きの姿勢を見せてはいません。

 その上、文部科学省では、組織的で違法、不当な天下りが発覚しました。

 現行の国家公務員法での天下り規制は、大阪府、大阪市の職員基本条例や我が党の議員立法で定めた規制に比べて極めて緩いものでありますが、その甘いルールさえ全く守られていない実態が明らかになりました。

 来年度予算案で、国立大学運営費交付金は一兆円、私学助成金は四千億円です。これらの一部が違法、不当な天下りで再就職した者への給与になっているのは重大な問題です。文科省の予算で、こうした支出のうち人件費等の経常費への支出は徹底的に見直して削減すべきです。

 文部科学省は、違法な再就職等が指摘された法人への支出は、客観的な指標等により適切に支出されているので問題ないとの認識を示しました。しかし、国立大学運営費交付金は、人件費、物件費を含めて使途を特定せず、渡しきりで措置されるものです。その金額は、平成十六年度の法人化の際に、法人化前の配分実績をもとに決められ、その後は前年度をベースに決められており、既得権の性格が強いものです。そして、私立大学等経常費補助金の基準額は、教職員給与費に応じてふえていきます。

 国立大学、私立大学ともに天下りを含めた人件費がふえれば、その分、国からの支出がふえる可能性が大きい制度です。もちろん、天下り受け入れによる交付決定のゆがみもあり得ます。

 大阪府の私立高校授業料無償化の制度設計では、私学助成金の配分ルールを生徒の人数割りを原則にする形で明確化し、各学校に生徒募集への努力を求めています。国から大学への交付金、補助金も、学生数と客観的な研究成果による配分のみを原則にする等、徹底した効率化が必要です。

 文科省に限らず、同様の問題は全府省庁について考えられます。全ての独立行政法人への財政支出二兆八千億円についても、徹底して見直すべきです。

 その上、今般、財務省の近畿財務局による国有地処分で、地下廃棄物の撤去費用の見積もりを、第三者の不動産鑑定士等ではなく国交省の大阪航空局に行わせるという問題が発覚しました。国民の財産の処分方法が極めて不透明です。随意契約による処分となった理由もわかりません。他の事案も含めて厳しく検証するとともに、国有財産の処分に関する適正化、効率化を徹底させるべきです。

 来年度予算案における各府省庁の個々の事業のほとんどは、国民生活に必要なものと考えます。しかし、役所の縦割りで見た予算ではなく、いわゆる横串を刺して予算とその執行の実態を見ると、公務員人件費は上がり続け、法律無視で天下りが横行し、その天下り法人には人件費に応じて予算がつけられ、国有財産の処分のあり方も不透明です。

 税金を払う国民のための政治を目指す我が党としては、来年度予算案は、費用対効果という面でも、国民の行政への信頼という面でも、到底賛成などできるものではありません。

 以上の理由から、我が党は平成二十九年度予算案に反対します。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 平成二十九年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十九

  可とする者(白票)       三百三十

  否とする者(青票)       百三十九

議長(大島理森君) 右の結果、平成二十九年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

平成二十九年度一般会計予算外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君

青山  周平君   赤枝  恒雄君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君

秋元   司君   秋本  真利君   浅尾 慶一郎君   麻生  太郎君

穴見  陽一君   甘利   明君   安藤   裕君   井野  俊郎君

井上  信治君   井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君

伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君

池田  道孝君   池田  佳隆君   石川  昭政君   石崎   徹君

石田  真敏君   石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君

稲田  朋美君   今枝 宗一郎君   今津   寛君   今村  雅弘君

岩田  和親君   岩屋   毅君   うえの賢一郎君   江崎  鐵磨君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  利明君

小倉  將信君   小此木 八郎君   小里  泰弘君   小田原  潔君

小野寺 五典君   小渕  優子君   尾身  朝子君   越智  隆雄君

大岡  敏孝君   大串  正樹君   大隈  和英君   大塚  高司君

大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君

大見   正君   岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君

加藤  鮎子君   加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君

勝沼  栄明君   勝俣  孝明君   門   博文君   門山  宏哲君

金子  一義君   金子 万寿夫君   金子 めぐみ君   金子  恭之君

金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君   神山  佐市君

亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君   河井  克行君

河村  建夫君   神田  憲次君   菅家  一郎君   木内   均君

木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君   木村  弥生君

城内   実君   黄川田 仁志君   岸   信夫君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   工藤  彰三君

熊田  裕通君   小泉 進次郎君   小島  敏文君   小林  鷹之君

小林  史明君   小松   裕君   古賀   篤君   後藤  茂之君

後藤田 正純君   河野  太郎君   高村  正彦君   國場 幸之助君

今野  智博君   左藤   章君   佐々木  紀君   佐田 玄一郎君

佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   齋藤   健君   斎藤  洋明君

坂井   学君   坂本  哲志君   櫻田  義孝君   笹川  博義君

塩崎  恭久君   塩谷   立君   柴山  昌彦君   島田  佳和君

下村  博文君   白須賀 貴樹君   新谷  正義君   新藤  義孝君

菅   義偉君   菅原  一秀君   助田  重義君   鈴木  馨祐君

鈴木  俊一君   鈴木  淳司君   鈴木  貴子君   鈴木  憲和君

鈴木  隼人君   瀬戸  隆一君   関   芳弘君   園田  博之君

薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君   田中  和徳君   田中  英之君

田中  良生君   田野瀬 太道君   田畑   毅君   田畑  裕明君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

高木  宏壽君   高鳥  修一君   高橋 ひなこ君   竹下   亘君

竹本  直一君   武井  俊輔君   武田  良太君   武部   新君

武村  展英君   橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君

谷川  とむ君   谷川  弥一君   津島   淳君   辻   清人君

土屋  品子君   土屋  正忠君   寺田   稔君   とかしきなおみ君

土井   亨君   冨樫  博之君   渡海 紀三朗君   冨岡   勉君

豊田 真由子君   中川  俊直君   中川  郁子君   中谷   元君

中谷  真一君   中根  一幸君   中村  裕之君   中山  展宏君

中山  泰秀君   永岡  桂子君   長尾   敬君   長坂  康正君

長島  忠美君   二階  俊博君   丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君

西川  公也君   西村  明宏君   西村  康稔君   西銘 恒三郎君

額賀 福志郎君   根本   匠君   根本  幸典君   野田  聖子君

野田   毅君   野中   厚君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君

橋本   岳君   橋本  英教君   馳    浩君   鳩山  二郎君

浜田  靖一君   林   幹雄君   原田  憲治君   原田  義昭君

比嘉 奈津美君   平井 たくや君   平口   洋君   平沢  勝栄君

ふくだ 峰之君   福井   照君   福田  達夫君   福山   守君

藤井 比早之君   藤丸   敏君   藤原   崇君   船田   元君

古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君   古屋  圭司君

星野  剛士君   細田  健一君   細田  博之君   堀井   学君

堀内  詔子君   前川   恵君   前田  一男君   牧島 かれん君

牧原  秀樹君   松島 みどり君   松野  博一君   松本   純君

松本  剛明君   松本  文明君   松本  洋平君   三ッ林 裕巳君

三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君   御法川 信英君   宮内  秀樹君

宮川  典子君   宮腰  光寛君   宮崎  政久君   宮澤  博行君

宮路  拓馬君   宮下  一郎君   武藤  容治君   務台  俊介君

宗清  皇一君   村井  英樹君   村上 誠一郎君   望月  義夫君

茂木  敏充君   盛山  正仁君   森   英介君   森山   裕君

八木  哲也君   保岡  興治君   簗   和生君   山際 大志郎君

山口  俊一君   山口  泰明君   山口   壯君   山下  貴司君

山田  賢司君   山田  美樹君   山本  公一君   山本  幸三君

山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君   吉川  貴盛君

吉野  正芳君   義家  弘介君   和田  義明君   若狭   勝君

若宮  健嗣君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君   赤羽  一嘉君

井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君   石井  啓一君

石田  祝稔君   稲津   久君   上田   勇君   浮島  智子君

漆原  良夫君   江田  康幸君   大口  善徳君   太田  昭宏君

岡本  三成君   北側  一雄君   國重   徹君   輿水  恵一君

佐藤  茂樹君   佐藤  英道君   斉藤  鉄夫君   高木 美智代君

高木  陽介君   竹内   譲君   角田  秀穂君   遠山  清彦君

富田  茂之君   中川  康洋君   中野  洋昌君   浜地  雅一君

濱村   進君   樋口  尚也君   古屋  範子君   真山  祐一君

桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君   亀井  静香君   小泉  龍司君

長崎 幸太郎君   武藤  貴也君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君   赤松  広隆君

荒井   聰君   井坂  信彦君   井出  庸生君   石関  貴史君

泉   健太君   今井  雅人君   江田  憲司君   枝野  幸男君

小川  淳也君   小熊  慎司君   緒方 林太郎君   大串  博志君

大島   敦君   大西  健介君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥野 総一郎君

落合  貴之君   柿沢  未途君   金子  恵美君   神山  洋介君

菅   直人君   木内  孝胤君   吉良  州司君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   岸本  周平君   北神  圭朗君   黒岩  宇洋君

玄葉 光一郎君   小宮山 泰子君   小山  展弘君   後藤  祐一君

郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君

坂本 祐之輔君   重徳  和彦君   階    猛君   篠原   豪君

篠原   孝君   鈴木  克昌君   鈴木  義弘君   田島  一成君

田嶋   要君   高井  崇志君   高木  義明君   武正  公一君

玉木 雄一郎君   津村  啓介君   辻元  清美君   寺田   学君

中川  正春君   中島  克仁君   中根  康浩君   長島  昭久君

長妻   昭君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   初鹿  明博君

伴野   豊君   平野  博文君   福島  伸享君   福田  昭夫君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細野  豪志君   馬淵  澄夫君

前原  誠司君   牧   義夫君   升田 世喜男君   松木けんこう君

松田  直久君   松野  頼久君   松原   仁君   水戸  将史君

宮崎  岳志君   村岡  敏英君   本村 賢太郎君   山尾 志桜里君

山井  和則君   柚木  道義君   横路  孝弘君   横山  博幸君

笠   浩史君   鷲尾 英一郎君   渡辺   周君   赤嶺  政賢君

池内 さおり君   梅村 さえこ君   大平  喜信君   笠井   亮君

穀田  恵二君   斉藤  和子君   志位  和夫君   清水  忠史君

塩川  鉄也君   島津  幸広君   田村  貴昭君   高橋 千鶴子君

畑野  君枝君   畠山  和也君   藤野  保史君   堀内  照文君

真島  省三君   宮本  岳志君   宮本   徹君   本村  伸子君

足立  康史君   井上  英孝君   伊東  信久君   浦野  靖人君

遠藤   敬君   小沢  鋭仁君   河野  正美君   木下  智彦君

椎木   保君   下地  幹郎君   谷畑   孝君   馬場  伸幸君

松浪  健太君   丸山  穂高君   吉田  豊史君   小沢  一郎君

玉城 デニー君   照屋  寛徳君   吉川   元君   上西 小百合君

川端  達夫君   仲里  利信君   野間   健君

     ――――◇―――――

笹川博義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長竹内譲君。

    ―――――――――――――

 地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔竹内譲君登壇〕

竹内譲君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案は、個人住民税の配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税、自動車税及び軽自動車税の特例措置の見直し、居住用超高層建築物に係る新たな固定資産税の税額算定方法等の導入並びに県費負担教職員の給与負担に係る改正に伴う道府県から指定都市への個人住民税の税源移譲等を行うとともに、税負担軽減措置等の整理合理化等所要の措置を講ずるほか、航空機燃料譲与税の譲与割合を引き上げる特例措置の延長を行おうとするものであります。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、平成二十九年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、交付税特別会計借入金の各年度の償還額を見直すとともに、地方交付税の単位費用等の改正、道府県から指定都市への個人住民税の税源移譲に対応した基準財政収入額の算定方法の特例の導入及び東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保等を行おうとするものであります。

 両案は、去る二月十六日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、同日両案について高市総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、二十一日及び二十三日に質疑を行いました。本日、質疑を終局し、討論を行い、採決いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、委員会において、持続可能な地方税財政基盤の確立及び東日本大震災への対応に関する件について決議を行いました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。逢坂誠二君。

    〔逢坂誠二君登壇〕

逢坂誠二君 逢坂誠二でございます。

 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部改正法律案、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、両案とも反対の立場から討論を行います。(拍手)

 安倍総理が推進するアベノミクスは、完全に行き詰まりを見せているのではないでしょうか。

 日銀が国債を大量に買い入れること、マイナス金利の継続、国民の貴重な年金原資での株の購入など、まさに異次元の手法で突き進むアベノミクスですが、その経済効果は全国津々浦々には及んでおりません。

 安倍総理は、都合のよい経済指標を例に挙げて、経済が好転していることをまくし立てますが、地元に帰って、地域経済の調子がよいと公言することのできる与党議員は何人いるのでしょうか。

 アベノミクスは、完全に失速した上、その出口を見出せない状況です。こうしたことが地方財政の実態にも如実にあらわれています。

 まず、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、反対理由を申し上げます。

 本法案では、経済見通しが、名目二・五%、実質一・五%という極めて甘い経済成長を前提にして交付税原資が見積もられていること、そこが大きな問題であります。

 既に今年度、当初の甘い経済見通しがあだとなり、税収見積もりが大きく下回った結果、国税五税の収入の下振れを地方が臨時財政対策債、いわゆる赤字地方債で負担することとなりました。つまり、アベノミクスが効果を発揮していないと指摘せざるを得ないのです。

 来年度も、甘い見通しに基づく税収見積もりで、地方交付税額が予算どおり確保できるのか、極めて不透明なままであり、今年度の苦い轍を繰り返しかねません。

 次に、自治の基本は、自分たちの地域にかかわる問題に関し、自分たちみずからが問題意識を持ち、自分たちみずからが考え、自分たちみずからが課題解決をしていくことであり、自主性や自立性がとても重要なものであります。

 中央政府が何から何まで自治体の活動に枠を設け、自治体があたかも国の下請機関であるかのように、何かをさせしめるのが自治ではありません。

 他者から見て、多少歩みの十分ではない取り組みであっても、自分たちで解決する力が育まれるよう、長い目線で下支えをするのが中央政府の一つの役割です。こうしたことを安倍総理は理解しているのでしょうか。

 安倍総理が鳴り物入りで開始をした地方創生の取り組みは、自治の基盤を真に強化するものになっているのでしょうか。国の意に沿う計画を立てることでお金がもらえるという、自治体が国に隷属する結果になっているのではないでしょうか。これでは自治の基盤を強化することはできません。

 自治体から反対の声はない、資金手当てができることで自治体は喜んでいる、そうお感じになる方もいるでしょうが、自治体が喜ぶことだけをやれば自治の基盤が強化されるものではありません。民主主義を支える自治に対する深い見識が必要です。安倍総理は、結果を急ぐ余り、自治の本質を見失っていると指摘せざるを得ません。

 こうした中、トップランナー方式の拡大にも懸念があります。

 トップランナー方式は、民間委託などを実施している自治体の経費水準を地方交付税の算定に反映するもので、今回、青少年教育施設管理と公立大学運営が新たに追加されました。今後、自治体の窓口業務も検討対象とされています。

 しかし、公務員そのものが直接携わることこそが公共サービスの質を決めている部分が多々ありますし、自治体窓口は単なる受付ではありません。自治体の窓口業務は、住民との大きな接点であり、自治体の仕事の本質が見える極めて大切な場なのであります。その認識がないままに、交付税算定を盾にとり、中央集権的にトップランナー方式で過度な行革を誘導することは、自治体の自立性を大きく毀損させることになります。

 次に、地方税法等の一部改正案について申し上げます。

 配偶者特別控除における配偶者の所得制限を百五十万円、地方税においては百五十五万円に引き上げることで、いわゆる百三万円の壁を乗り越えるとしています。しかし、これは百五十万円という新たな壁をつくったにすぎず、働き方に中立、あるいは、所得控除から税額控除という方向に全く逆行するものであります。控除が受けられる上限をふやしただけでは、社会保険料負担が発生し、手取りが減るという百三十万円の壁が依然として残り、今回の改正では、就労拡大の根本的な解決にはつながりません。

 私たち民進党は、格差を縮小し、社会のつながりを回復させるとともに、経済成長実現の観点から、所得控除から税額控除へ、税額控除から給付つき税額控除への流れを推し進める法案を提出いたしました。

 また、所得税から引き切れない税額について、現金給付ではなく社会保険料の支払いに充てることによって、無年金者や生活保護世帯を減らし、社会保障制度再編の起爆剤としていく日本型ベーシックインカム構想の実現へとつなげていくことを提案しています。これこそが、未来への責任を担う税のあり方であると考えます。

 次に、ふるさと納税について申し上げます。

 ふるさと納税は、本来、ふるさとへの恩返しや地域への応援として、地方団体への寄附を税制上支援するものです。しかし、寄附金を集めるために高額な返礼品を贈るなどの過熱化が指摘され、総務省も換金性の高い返礼品を自粛するよう自治体に求めました。

 高市総務大臣は、あらゆる課題を一度洗い出し、有識者の方々や地方などの意見も参考にしながら、どのように改善できるのかということは検討すると発言されています。

 ふるさと納税に関しては、高額な返礼品のことだけが注目されがちですが、控除のあり方を含め、制度全体について見直しを検討する必要があることを指摘させていただきます。

 最後に、公文書管理について申し上げます。

 今国会でも、南スーダンPKOの日々報告が廃棄されたとして、あたかも隠蔽まがいのことが発覚しました。また、安倍総理夫人が関与していた学校法人に対する格安の国有地払い下げ問題に関しその交渉記録が既に廃棄されるという、まさに疑惑隠しのようなことが平然と行われています。これらはいずれも合法だと政府は釈明していますが、全く不見識きわまりない蛮行と指摘せざるを得ません。

 権力の諸活動を的確に記録し、後世に確実に伝え残すことは、民主主義の基本です。しかし、日本では、その考えや仕組みがまだまだ不十分な状態であります。

 そこで、現行公文書管理法の点検と見直しが必須であります。

 また、現在、新しい公文書館のあり方が検討されていますが、これはチャンスであります。公文書館の施設内容だけではなく、日本の公文書のあり方をさらに深く検討する大きなチャンスであります。

 日本の公文書管理のあり方を改めて見直すことを最後に提案し、討論とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございます。(拍手)

議長(大島理森君) 足立康史君。

    〔足立康史君登壇〕

足立康史君 日本維新の会の足立康史です。

 私は、党を代表して、ただいま議題となりました二法案について、賛成の立場から討論します。(拍手)

 私たち日本維新の会は、東京一極集中の是正を党の綱領に掲げる地域分権政党です。まずは東西二極をつくり、次いで二極から多極へと地方の自立した発展を実現する、そうした分権型の国づくりを目指してまいります。

 こうした立場からいえば、安倍政権の掲げる地方創生は、残念ながら十分な成果を上げたとは言えません。二〇二〇年に地方と東京圏との転出入の均衡を図るという目標を掲げながら、東京圏への転入超過は毎年十二万人近くに及ぶなど、依然として高水準であります。

 税制についても、地域再生法に基づく地方拠点強化税制が関西、中部の都心部を対象外とするなど、東京一極集中の現実を踏まえたものになっていません。

 東京一極集中は、富や人材の集中のみならず、待機児童を初め、社会問題の東京一極集中を招いています。日本維新の会は、地方の自立した発展とともに、東京都民の生活を守るためにも、国と地方の統治機構改革、地方交付税の廃止と消費税の地方税化等を提案してまいります。

 こうした維新の大改革から見れば、今回の政府案はびほう策にすぎませんが、地方で踏ん張っているそれぞれの地域、自治体から見れば、びほう策はびほう策でも、よくできたびほう策であると一定の評価も可能であります。地方が必要とする一般財源を確保し、臨財債の発行についても一定の抑制策を講じているからであります。

 こうした理由から、我が党は、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案に賛成であると申し上げ、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 梅村さえこ君。

    〔梅村さえこ君登壇〕

梅村さえこ君 私は、日本共産党を代表して、地方税法改正案並びに地方交付税法等改正案に対する反対討論を行います。(拍手)

 安倍総理は、全国津々浦々で経済の好循環が生まれていると言いますが、国民はそんな実感は全くありません。安倍内閣の四年間で、大企業や大資産家の利益は大きくふえる一方、労働者の実質賃金は年額十九万円も減り、家計消費は十六カ月連続でマイナスです。全国津々浦々に広がっているのは、地域経済の疲弊、社会保障の破壊による格差と貧困の拡大ではありませんか。

 ところが、安倍内閣の地方創生は、医療、介護、子育てなどの社会保障や生活に不可欠なインフラ、行政サービスを大幅に削減して切り出して、これを市場に委ね、また、地方行革の名による人件費の抑制に突き進んでいます。

 経済・財政再生計画改革工程表が迫る改革は、国民の命と最低限の生活を保障するナショナルミニマムの放棄につながるもので、改革工程表は直ちに撤回すべきです。

 重大なことは、安倍内閣がこの改革に地方交付税を利用していることです。

 その一つが、トップランナー方式の拡大です。これは、民間委託など業務改革を進めた自治体の取り組みを基準財政需要額の算定に反映し、必要額の削減を迫るものです。

 算定する対象を、昨年導入した十六業務に加え、青少年教育施設管理、公立大学運営の二業務を拡大します。これにより、二〇一八年度までの三年間で千三百八十億円もの算定額が減少することが明らかになっているではありませんか。住民サービスの低下や、人件費の抑制を招くものでしかありません。

 地方交付税の法定率を引き上げ、地方財政に対する国の責任こそ、果たすべきだと考えます。

 また、人口の増減率などを指標に、成果が上がっている自治体に交付税の配分を移していくやり方も問題です。町村などの小規模自治体の財源は、一層削減されることになります。地方交付税を自治体の競争をあおるために利用することは、断じて許されません。

 こうした中で、ことしも、保育園に落ちた、入れないの悲鳴が大きく上がっています。保育所に入れない子供の数が前年を上回る事態となっているからであります。

 先週の金曜日、国会内で、保護者や保育士ら約二百人が集まる集会が行われました。私も参加をいたしました。

 八園申し込んでも入れない、認可、認証など、どこも預け先が見つからず、四月からの復帰のめどが立たないという保護者の皆さんが、泣き出す我が子におっぱいを上げながら、そして離乳食を上げながら切実に訴えられました。また、保育士さんからも、勤続二十年でも手取り十五万円などの切実な声が続きました。百八十万人を超える署名も提出されました。

 こうした声を受けとめ、地方財政を確保し、質、量ともに安心し、子供が通える認可保育園を大幅に増設できるようにすることが、国と自治体の責任ではないでしょうか。

 また、自治体職員の長時間過密労働も極めて深刻です。

 年間千時間を超す超勤の実態が各地であり、労災認定だけでも、この十五年間で百九十二人もが過労死に追い込まれています。

 ある県の土木事務所では、法を遵守しなければならない公務職場にもかかわらず、労働基準監督署が是正勧告を起こす事態にもなっています。長時間残業の理由として、圧倒的多くが、今の人員では対応できないと答えています。

 正規職員を原則にした人員の増員こそ、解決の道です。

 最後に、地域の再生のために重要なことは、地方自治体が憲法と地方自治法に基づいて住民の福祉の増進を進めていくことが求められていることを強調し、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

笹川博義君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 所得税法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長御法川信英君。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔御法川信英君登壇〕

御法川信英君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、日本経済の成長力の底上げのため、就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築、経済の好循環の促進、酒類間の税負担の公平性の回復、国際的な租税回避への効果的な対応などの観点から、国税に関し、所要の改正を行うものであります。

 本案は、去る二月十六日当委員会に付託され、翌十七日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、二十一日から質疑に入り、二十四日には安倍内閣総理大臣に対する質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。本日、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。木内孝胤君。

    〔木内孝胤君登壇〕

木内孝胤君 民進党・無所属クラブの木内孝胤です。

 民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の所得税法等の一部を改正する等の法律案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 経済は、それぞれの立場で受けとめ方は異なってきます。円安を背景に、株価や企業収益は好調な一方で、二〇一四年四月の消費税増税以降、個人消費の低迷が続き、家計は痛み、中間層は疲弊しています。家計消費支出は三年連続マイナス、実質賃金は安倍政権になってから五ポイント程度も下がっています。先週の月例経済報告でも個人消費を下方修正したばかりです。もう少し謙虚に、全国の商店街や中小企業、家計を預かる人たちの声に耳を傾けていただくと、景気はいかに厳しいかということを実感できると思います。

 安倍総理は、こうした現実には目を背け、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれているなどと自己満足に浸っています。基本的な経済指標の一つ、実質GDPも、四年間の平均で一・三%です。一・六%成長だった前政権時を下回っています。

 また、今年度の税収は、当初見込みよりも一・七兆円も下振れし、新たな特例国債を発行して穴埋めせざるを得なくなりました。年度途中に赤字国債を追加発行するのは実に七年ぶり、リーマン・ショック以来の事態です。麻生財務大臣は円高が原因で法人税が減少したと説明しましたが、税収減は法人税だけではなく、所得税も消費税も減りました。このことは、実質賃金の低下や消費も低迷したままであることと符合します。

 税収減は財政健全化にも大きな影響を及ぼし、先月発表の基礎的財政収支は、経済再生ケースであっても、二〇二〇年度の赤字額が八・三兆円となりました。昨年七月の試算から二・八兆円も悪化しています。経済再生、財政再建のいずれについても万策尽きたと言わざるを得ません。

 経済を底上げし、成長軌道に乗せるためには、低迷している潜在成長率を引き上げるような規制改革、構造改革が重要な課題です。安倍総理は、TPPが構造改革の柱だとしてきましたが、既に頓挫しています。コーポレートガバナンス改革などのかけ声は、資本市場からも一旦は期待されましたが、出てきた結果は、日本を代表する東芝の不正会計でした。しかも、特設注意市場銘柄、いわば執行猶予中に七千億円を超える追加の減損をやられたという失態です。

 九年間で東芝から自民党へ二億七千百万円もの寄附をしているからなのか、カネボウ、西武鉄道、ライブドアなどの上場廃止と比較すると極めて甘い対応です。政官業の癒着構造が市場の規律をゆがめている残念な事例です。

 デービッド・アトキンソン氏の著書「新・所得倍増論」の試算によれば、日本の一人当たりのGDPは、世界の先進国二十八カ国中、びりから二番目の二十七位です。しかし、日本の底力はびりから二番目ということはあり得ません。

 文部科学省の天下りの問題、森友学園の国有地の不正な払い下げ疑惑や、その疑惑に対して事実の解明や説明責任を果たそうとしない政治の姿勢、東芝の不正会計、全てが政官業の癒着構造の結果と言えます。

 生産性が低い原因は、弱い経営力に加えて男女間給与格差があります。

 日本の男女間給与格差は、二十歳代は男性一〇〇に対して女性が八〇程度、それが、四十五歳から六十四歳になると、一〇〇に対して四五程度に大きく低下します。英国、米国は、二十歳代は男性一〇〇に対して女性九〇、四十五歳―六十四歳でも一〇〇に対して七〇程度です。女性の働きやすい環境を整え、四五という女性の給料の低い水準をいかに引き上げるかが課題です。

 こうして女性の働き方を変え、給与水準を上げる最大の好機が、今回の税制改正の目玉、配偶者控除、配偶者特別控除の見直しでした。

 しかしながら、今回の配偶者控除の見直しは、当初の理念を放棄し、意味のない改正案となってしまいました。すなわち、百六万円、百三十万円の社会保障の壁の問題は放置し、百五十万円という新しい貧困の壁をつくっただけです。女性の社会進出を阻む問題や、専業主婦と働く女性の分断、男女間給与格差の問題の改善にはつながっていません。

 また、税収中立のために所得制限を設け、新たな社会の分断を生んでいます。みんなで負担してみんなで受益する、ただし負担の高低はそれぞれの能力に応じるという制度設計をすべきです。

 本法案には、静かに、そしてこそくに、電磁的記録の証拠収集手続の整備が盛り込まれています。これは、いわゆるサイバー監視法案の内容を国税犯則調査に取り込もうとするものです。共謀罪の立証のために、国税犯則調査で収集した証拠が利用され得る。通信の秘密やプライバシー権など、憲法上の基本的人権が脅かされ、一億総監視社会を招きかねません。

 加えて、今回、安倍政権は、国税犯則調査手続が規定されている国税犯則取締法自体を廃止して、通常の税務調査を定める国税通則法と一本化しようとしています。通常の税務調査と犯則調査の境界を曖昧にする意図だとすれば、極めてこそくな手法と言わざるを得ず、この部分は法案から直ちに削除すべきであります。

 また、複雑で重い自動車関連諸税については、見直されないどころか、グリーン税制が縮小される方向が打ち出されました。

 自動車産業は非常に裾野が広いことから影響が大きい上に、地方では自動車は生活の足となっています。そうしたところで負担をふやすことは、景気や消費の足を引っ張る結果となります。経済再生といいながら税制でブレーキをかけており、ちぐはぐと言わざるを得ません。

 世界的に所得の再分配機能が低下し、格差拡大の是正と中間層の復活が課題であり、日本も同様です。

 私たち民進党は、格差拡大や社会の分断化を食いとめ、誰も置き去りにしない、全ての人に居場所と出番があって、全ての人を包摂する自由で公正な社会の実現を目指しています。そのために、実質的に全ての人への基礎的な所得保障につながる所得税改革を行うべきと考え、法案も既に提出をしています。これにより、無年金者、生活保護世帯を減らし、社会保障制度再編の起爆剤にする、これが民進党の日本版ベーシックインカム構想です。

 その第一弾として、まずは従来の所得控除を税額控除に変えます。

 具体的には、基礎控除を税額控除に変え、配偶者控除、扶養控除は廃止、縮小、統合し、新たに世帯控除を創設します。これにより、百三万円の壁は極めて低くなり、税制はライフスタイルにほぼ中立になります。

 次の段階としては、給付つき税額控除の導入です。

 具体的には、就労により得た所得に応じ減税額をふやすことで就労を促進する就労税額控除を給与所得控除に再編成して導入します。

議長(大島理森君) 木内君、そろそろにしなさい。

木内孝胤君(続) 勤労意欲の低下を防ぎつつ、低所得者の手取りをふやします。しかも、現金給付ではなく社会保険料の支払いに充てることで、年金保険料の未納問題の解決、ひいては将来的に生活保護に陥る方々をなくしていくことにもつなげます。

 このように、民進党は、格差拡大や社会の分断化等、社会の大きな変化に対応し、全ての人を包摂する社会という目指すべき自由で公正な社会像を実現するための税制改革を提案しています。これに対し、家計が痛み……

議長(大島理森君) 時間が来ております。

木内孝胤君(続) 疲弊する中間層に目を背けたアベノミクスは、時代に合わせた大きな絵が描けていません。

 政府・与党にかわって、我が党こそが日本版ベーシックインカム構想を軸に据えた税制の抜本改革を実現することをお約束申し上げ、私の反対討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 宮本徹君。

    〔宮本徹君登壇〕

宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等改正法案に断固反対の討論を行います。(拍手)

 本法案の審議では、森友学園への国有地払い下げ問題に質疑が集中いたしました。

 もともとこの土地は、地域住民の要望に応えて、豊中市が防災公園用地として取得を希望していました。しかし、お金の面で取得できませんでした。また、近隣の学校法人も、報道では五億八千万円で取得を希望しましたが、国がその価格では低過ぎるとして折り合わず、取得がかないませんでした。

 ところが、この土地を森友学園が一億三千四百万円、時価の八六%引きという破格の安さで取得をしたのです。この経過だけでも極めて不可解ではありませんか。

 この値引きの根拠は妥当なのか。質疑を通じて、政府の説明の根拠は既に崩れております。

 航空局は、学校用地であることを勘案して瑕疵のないものとするためにといって、五千百九十平米、くいの下九・九メートル、ほかは三・八メートルの埋蔵物の撤去、処分費用を見積もったといいます。しかし、これほどの埋蔵物を取り除かなければ学校用地として認められないのか。文部科学省は、学校をつくる上でいかなる法令でも義務づけられていないことを認めました。

 実際、森友学園の籠池理事長自身、インタビューで、運動場の下は取り出さなくていいんですから、さわっていないんだから、そこにお金がかかることはありませんとはっきり述べております。森友学園に格安で取得させるために過大な値引きを行ったのは明らかではありませんか。

 加えて、値引き額の算定方法も、土地代金の支払いの方法も、過去に例を見ない方法です。しかも、これらの方法は、先に取得を希望していた豊中市や近隣の学校法人には一切提示されていません。余りにも奇々怪々ではありませんか。

 いかなる力がこのような値引きスキームをつくり上げていったのか、真相を究明しなければなりません。

 ところが、驚いたことに、財務省は国有地の売却に関する交渉記録等を廃棄したといいます。会計検査院の検査を待たず廃棄するなどもってのほか。真相を闇に葬るための隠蔽工作と指摘されても仕方がないではありませんか。

 菅官房長官は、二十四日の記者会見で、基本的には決裁文書は三十年間保存しているわけであり、そこにほとんどの部分は書かれているんじゃないかと述べられました。であるならば、本件にかかわる決裁文書全体を墨塗りすることなく提出することを強く求めるものであります。

 同僚議員の皆さん、国有地は国民の税金で買った国民の財産であります。一体いかなる力が働き、格安の払い下げが実現されたのか、政治家の関与はどうだったのか。真相の究明は、与野党問わず、国会の責務なのではないでしょうか。関係者を国会に招致して、徹底して真相を究明し、国民の負託に応えていこうではありませんか。

 次に、本法案に反対する理由を述べます。

 反対の最大の理由は、大企業と富裕層を優遇するゆがみに手をつけず、温存しているところにあります。

 研究開発減税の高水準型と増加型は、今年度末が適用期限でありました。ところが、本法案では、高水準型は延長し、増加型は総額型に組み込み、研究開発減税の規模六千億円を維持する中身となっております。減税額の約九割は大企業向けです。

 その一方で、予算案では、社会保障の自然増を一千四百億円もカットし、国民に医療、介護のさらなる負担増を求めています。給付型奨学金は規模が小さく、政府が検討しているように財源の一部を大学院生の奨学金返還免除制度の縮小などに求めれば、新たな矛盾を生み出します。

 内部留保を積み増す大企業に減税するよりも、教育に投資してこそ未来は開けるのではありませんか。社会保障を支え、暮らしを応援してこそ、真の経済の好循環は生まれるのではないでしょうか。

 研究開発減税の高水準型の減税総額の九割以上を上位十社で毎年占めております。総務省行政評価局も、国民への説明責任が果たせていないと指摘してまいりました。

 にもかかわらず、なぜ延長になったのか。この制度の恒久化を求める製薬業界から、自民党に年間九千万円もの献金が行われております。このお金が法人税額最大四割引という優遇を続けさせる力になったのではありませんか。お金の力で税制をゆがめるなど、断じて許されません。

 アベノミクスが行き詰まる中、税収は落ち込み、赤字国債の追加発行に追い込まれました。今暮らしを支える財源を真剣に確保することは、政治の責任であります。

 五億円以上の金融資産を持つ超富裕層の資産は、この四年間で四十四兆円から七十五兆円に急増しております。大企業の内部留保は三百六十八兆円、過去最大です。

 我が党は、大企業と富裕層を優遇する税制のゆがみを正し、担税力がある者に負担を求める改革を強く求めるものであります。

 本法案の審議のさなか、二〇一六年分のエンゲル係数が発表となりました。二十九年ぶりの高水準です。円安による物価高、消費税増税、社会保障改悪等による将来不安が、食料品の高騰、消費の抑制、エンゲル係数の上昇をもたらしております。消費税増税路線は撤回するしかありません。

 最後に、総理は、米国製の兵器の購入について、米国の経済や雇用にも貢献するものと答弁されました。軍事費がふえるのではないか、国民の中で懸念が広がっております。世論調査でも、七四%が防衛費の増額に反対です。民意を受けとめ、軍事費ファーストから暮らしファーストへ税金の使い方を転換することを求め……

議長(大島理森君) 時間が来ております。

宮本徹君(続) 反対討論とします。(拍手)

議長(大島理森君) 丸山穂高君。

    〔丸山穂高君登壇〕

丸山穂高君 日本維新の会の丸山穂高です。

 私は、我が党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論いたします。(拍手)

 まず、所得税についてです。

 配偶者控除にかわる夫婦控除の導入は、結局、かけ声倒れに終わりました。いわゆる税制の壁をなくしていくためにも、抜本的な改正が必要不可欠であり、今回のような百三万円の壁を百五十万円に変えたとしても、間に百三十万円の社会保障の壁があるなど、小手先の改革だけではますます税が複雑さを増すばかりです。

 働きたい女性も、家庭で育児や家事に専念したい女性も、平等な扱いを受けつつ、真に少子化対策となる制度、夫婦控除への切りかえやN分のN乗方式の実現が急務です。

 法人税では、海外での法人税制の変化がよりダイナミックに進むことが予想される中、さらに大胆な法人税率の引き下げが必要です。特定の企業に適用され続けて既得権化している上に経済効果も示されない租税特別措置は全て廃止し、この財源とすべきです。

 税制改革は、本来、民間の活力を最大限発揮できるような内容であるべきにもかかわらず、今回提出された法案は、先ほどの所得税にしても、法人税にしても、事業承継税制にしても、残念ながら不十分な改正内容と言わざるを得ません。これらの理由から、我が党は本法案に反対します。

 重ねて、委員会質疑でも数多く取り上げられた森友学園の問題については、政府側の情報公開がまだまだ不十分と言わざるを得ません。さらなる公開を求めながら、引き続き不正な圧力がなかったかの検証が必要不可欠です。

 同時に、委員会でも述べたように、各マスコミや朝鮮学校などにおいても同様に公の土地を格安で取得したり借りたりしている可能性がある点について、同様に参考人招致での検証が必要です。

 本日の予算委で、安倍総理より、森友へ大臣表彰したのは民主党政権時代の文科大臣ではなかったのかとの話もありました。野党側の指摘どおり、一円でも国民の財産を無駄にしないためにも、森友の問題を徹底的にやると同時に、その他も含めた売却問題全体を確認して、同じ並びで、おかしなことがあればおかしいと言っていくのが筋ではないでしょうか。

 逆に、与党側から見れば、安倍総理の言う戦後レジームの脱却を今こそ真に目指していくためにも、森友を皮切りに、先ほど述べたマスコミや朝鮮学校、果ては政党本部まで、疑われている同様案件を白日のもとにさらし、戦後残り続けるうみを徹底的に出していこうではありませんか。

 事の本質をあぶり出しながら国益を追求していく、維新の会は、タブーなく、国民がおかしいと感じていることを指摘し、改善を求めていくことをお約束して、私の反対討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    金田 勝年君

       外務大臣    岸田 文雄君

       文部科学大臣  松野 博一君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       農林水産大臣  山本 有二君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国土交通大臣  石井 啓一君

       環境大臣    山本 公一君

       防衛大臣    稲田 朋美君

       国務大臣    石原 伸晃君

       国務大臣    今村 雅弘君

       国務大臣    加藤 勝信君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    鶴保 庸介君

       国務大臣    松本  純君

       国務大臣    丸川 珠代君

       国務大臣    山本 幸三君


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