衆議院

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第15号 平成29年3月31日(金曜日)

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平成二十九年三月三十一日(金曜日)

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  平成二十九年三月三十一日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

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 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。防衛大臣稲田朋美君。

    〔国務大臣稲田朋美君登壇〕

国務大臣(稲田朋美君) 防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、自衛官定数の変更、陸上自衛隊及び航空自衛隊の組織の改編並びに日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定及び日本国の自衛隊とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国政府との間の協定に係る物品または役務の提供に関する規定の整備等の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。

 まず、防衛省設置法の一部改正について御説明いたします。

 これは、防衛省の所掌事務をより効果的に遂行し得る体制を整備するため、陸上自衛隊の自衛官の定数を七人削減し、海上自衛隊の自衛官の定数を一人削減し、航空自衛隊の自衛官の定数を二人増加し、共同の部隊に所属する陸上自衛官、海上自衛官及び航空自衛官の定数を六人増加するものであります。なお、自衛官の定数の総計二十四万七千百五十四人に変更はありません。

 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。

 第一に、統合運用のもと、陸上自衛隊の作戦基本部隊や各種部隊等の迅速、柔軟な全国的運用を可能とするための陸上総隊の新編、陸上自衛隊における教育訓練研究機能を充実強化するための教育訓練研究本部の新設及び航空自衛隊の南西航空混成団の南西航空方面隊への改編に伴う規定の整備を行うこととしております。

 第二に、予備自衛官または即応予備自衛官の職務に対する理解と協力を確保するため、使用者の求めに応じた自衛隊からの当該使用者に対する情報の提供に関する規定の整備を行うこととしております。

 第三に、オーストラリア及び英国との各物品役務相互提供協定に係る物品または役務の提供に関する規定の整備を行うこととしております。

 第四に、陸上自衛隊の使用する船舶に係る船舶安全法等の適用除外に関する規定の整備を行うこととしております。

 第五に、自衛隊において不用となった装備品等の開発途上地域の政府に対する譲渡に係る財政法の特例に関する規定の整備を行うことといたしております。

 最後に、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部改正について御説明いたします。

 これは、大規模な災害に対処する外国軍隊に対する物品または役務の提供の対象として、英国の軍隊を追加することに伴う規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

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 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。青柳陽一郎君。

    〔青柳陽一郎君登壇〕

青柳陽一郎君 民進党の青柳陽一郎でございます。

 私は、ただいま議題となりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問させていただくとともに、今般の防衛省・自衛隊をめぐるさまざまな問題について、政府、とりわけ稲田防衛大臣の姿勢を厳しく問いたいと思います。(拍手)

 二〇〇六年、防衛庁省昇格関連法が臨時国会で成立し、翌年一月九日に防衛省が発足しました。それから十年、防衛省は今、危機的状況にあるのではないでしょうか。

 その当時の国会審議において、自民党の石破元防衛庁長官は文民統制に関し、問われるのはまさしく誰がどのように機能させるのか、機能させる側が問われている、さらに、問われているのは、ユーザーである国民の代表たる文民、政治家にとって、この組織は使いやすい組織なのか使いにくい組織なのかどうかということだと説かれています。

 今まさに問われていることは、稲田大臣のシビリアンコントロールを機能させる能力の欠如であり、防衛省の組織のあり方そのものであります。

 このような状況で、重要な法改正である今回の防衛省設置法及び自衛隊法を審議できるのか、それよりも先に、防衛大臣のシビリアンコントロールの回復、防衛省・自衛隊のガバナンスの回復が先ではないか、国民の代表たる我々国会議員が問われていると思います。

 南スーダンPKOについて、去る三月十日、安倍総理は南スーダンPKOからの自衛隊部隊の撤収を発表しました。五年以上の長きにわたり、厳しい環境のもとで国際貢献のとうとい任務を懸命に果たしてこられた多くの自衛隊員の皆さんに対し最大限の敬意を払うとともに、現在派遣されている隊員が最後の一人まで無事に帰国されることを心から願うものであります。

 我が党は、この南スーダンPKOについて、二月二十一日に、自衛隊施設部隊を撤収させるべきとの見解を政府に先んじて表明いたしました。

 派遣決定当初のマンデートが変更され、本来想定されている任務では対応が困難なこと、現地の厳しい治安情勢が流動化していると考えられること、そして、シビリアンコントロールが十分に機能していない状態での任務継続には重大なリスクがあること。我々は、政治の責任として、自衛隊員の命を守るために部隊を撤収させるべきと申し上げてまいりました。

 その意味で、今回の政府の撤収の判断自体は評価します。しかし、総理が説明した、施設整備に一定の区切り、国内の安定に向けた政治プロセスの進展などという理由は、正直な説明とは思えません。

 私ども民進党は、五原則とは別に、新たに閣議で定められた、いわば六原則目、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難と認められる場合に該当しているため撤収を決めたと考えますが、大臣の見解を求めます。

 そして、重要なことは、この南スーダンPKOの日報をめぐり数々の問題が発生していることであります。現地部隊が厳しい環境下で任務を遂行し、日々の状況、今後の活動計画等について詳細に記しているのがこの日報であります。現地部隊の貴重な生の情報です。

 この日報に対する情報公開請求を一顧だにせず、その日報が防衛省内に保存されていたにもかかわらず、これを存在しないとして不開示決定を行ったことは、とにかく事実を隠そうとする政権の隠蔽体質のあらわれであると言わざるを得ません。

 不開示決定を行い、その後指摘を受けて再調査を命じた後、日報がやはりあったとわかってから、一カ月にわたり大臣に報告すら上がってこなかったのは、まさにシビリアンコントロールが機能していない何よりの証左ではないでしょうか。

 大臣は、私に報告がなかったなどと答弁していますが、大臣御自身の組織に対する統率力、危機管理能力にさまざまなところから大きな疑問符がつけられていることを、そろそろお気づきになるべきです。

 こうした指摘について、稲田大臣の受けとめをお伺いしたいと思います。

 そして、問題はこれにとどまりません。統合幕僚監部だけでなく、陸上自衛隊内にも日報が存在していたことが明らかになった際、陸自が日報を保管していたことを公表するため、その資料を準備していたにもかかわらず、統幕の意向でこれを廃棄した、いわゆる背広組の意向を受けたその廃棄作業でも、確実にこれを確認する作業まで行われたなど、信じがたいことが次々に報道によって明らかになっているありさまであります。

 事実だとすれば、これは組織的な隠蔽であり、ゆゆしき事態だと断じざるを得ません。安全保障にかかわる議員の一人として、まことに残念でなりません。

 義憤に駆られた関係者からこうした情報が外に出て報道されていくという状況そのものが実に深刻です。リークや責任のなすり合いのオンパレードで、組織そのものが、シビリアンコントロールも大臣の統制も機能していない状況に陥っている。真面目に職務に当たっている隊員や職員のためにも、防衛省・自衛隊の抜本的な組織改革、意識改革が急務です。

 防衛大臣は、防衛省・自衛隊のこうした現状をどう評価し、具体的にどのように改革していくのか、真摯にお答えいただきたいと思います。

 また、日報問題について、政府・与党に対し、一言抗議申し上げます。

 安全保障委員会理事会において真相解明を求める我が党の後藤筆頭理事に対する不誠実な対応であります。政府・与党は、防衛省に対する信頼回復のために、誠実な対応を行うよう強く求めます。

 特別防衛監察の実施は必要ですが、過去の事例では、調査に短くても数カ月かかり、我々国民はそれを待つわけにはまいりません。まずは、統幕幹部、陸幕長等の幹部職員だけでも、大臣御自身で聞き取った結果を直ちに公表し、国民に対して責任を持って説明すべきと考えます。

 特別防衛監察の実施中は何も答えられないというのは、逃げの答弁以外の何物でもありません。稲田防衛大臣に、直ちに調査の中間報告を求めます。この中間報告について早急に、きちんと対応すると約束してください。具体的な時期を明言していただきたく、答弁を求めます。

 今回の一連の不祥事を顧みれば、防衛省・自衛隊にも大きな問題があると言わざるを得ません。防衛省・自衛隊の隠蔽体質が、残念ながら確実に存在していることが明らかになりました。

 防衛省・自衛隊は、いま一度襟を正し、組織のうみを出し尽くす抜本的な改革の断行が必要ではないでしょうか。

 大臣の資質やシビリアンコントロールの喪失、防衛省のガバナンスの問題が何も解決されないまま、今回、淡々と防衛省設置法等改正案を出してくる姿勢そのものが、全く本質を見ていないということではないでしょうか。

 法案の必要性を認めないとは言いませんが、国会の場にみずからの組織改編を定める法案を出すのであれば、まずは、問われているみずからの改革の決意を示すのが先ではないでしょうか。改めて苦言を呈し、大臣の見解を伺います。

 防衛省設置法改正案について、今回の法案と、参議院で議論が続いている日豪、日英ACSAがそれぞれ定められることにより、イギリス軍及びオーストラリア軍にも弾薬の提供が可能となるのか、改めて確認をさせていただきます。

 もし、この弾薬提供が可能ということであれば、先方からそうしたニーズが具体的に示されたのか、答弁を求めます。

 さらに、イギリス軍やオーストラリア軍と自衛隊が訓練を行う際、物品、役務の提供を行うことを想定していると思いますが、豪英両軍と自衛隊の訓練とは具体的にどのようなケースを想定されているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

 陸上総隊の新編についても伺います。

 今回の法案では、陸上自衛隊部隊の一体的運用を図る必要がある場合に、各方面隊を陸上総隊司令官の指揮下に置くことができるとしています。

 航空自衛隊、海上自衛隊には、それぞれ航空総隊、自衛艦隊が置かれていますが、陸上自衛隊にはこうした組織はありませんでした。一体的運用を重視するよりも、旧ソ連の侵攻に備えるために五方面隊をすき間なく配備することを重視していたからであるとか、旧陸軍が強大な権力を持って暴走した経緯を踏まえて、指揮権限の一体化は組織の肥大化を招くとして行わなかったという理由もこれまで指摘されてまいりました。

 その上で、今回の法案では、従来の体制を変更し、陸上総隊を新たに設けるとしていますが、その背景と必要性は何なのか、お答えいただきたいと思います。

 最後に、あえて申し述べます。

 我が国、特に我が国周辺の安全保障環境が厳しさを増していることは論をまちません。外交政策とは別に、幅広い視野から国民の生命財産、領土、領海、領空をしっかり守っていくためにどのような政策をとっていくのか、骨太な議論をすべきときであります。

 しかし、それにもかかわらず、稲田大臣に国は守れるのか、統率力はあるのか、防衛大臣は危機管理が仕事なのに、国会の場でみずからが危機をつくっている、防衛大臣と防衛省幹部との関係もうまくいっているのか疑問がある、こうした厳しい文言は、私が言っているのではなくて、全て最近の新聞各紙の見出しや記事から拾ったものであり、とても残念な状況であります。

 改善すべき隠蔽体質があるなら私のもとで改善していくと稲田大臣が国会で答弁しても、御自身の言葉は躍っても、部下の皆さんはもはや踊ることはありません。

 大臣が一刻も早く身を引かれることこそが防衛省・自衛隊改革の最初の一歩だと申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣稲田朋美君登壇〕

国務大臣(稲田朋美君) 青柳議員にお答えいたします。

 南スーダンの自衛隊施設部隊の活動を終了させる理由についてお尋ねがありました。

 今般、自衛隊の施設部隊の活動を終了させるのは、現在、国連の地域保護部隊の展開が開始されつつあり、また、南スーダン政府は、民族融和を進めるためにも国民対話の開始を発表するなど、国内の安定に向けた取り組みが進展を見せており、また、国連施設の整備は四月末に、道路整備も五月末までに完了する見込みであることから、施設部隊の活動は五月末を目途に一定の区切りが立てられると考えたためです。

 したがって、お尋ねのように、要員の安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難と認めたために、施設部隊の活動を終了させると判断したものではありません。

 次に、日報をめぐる防衛大臣のシビリアンコントロールについてお尋ねがありました。

 日報の情報公開への対応については、私が、改めて捜索し、発見すれば公表するよう指示したものですが、発見された事実自体については速やかに私に報告すべきものであり、関係部署に対して厳しく指導、注意したところです。

 いずれにせよ、本件は、私の指示によって情報公開に至ったものであり、シビリアンコントロールが機能していないといった指摘は全く当たりません。

 次に、日報問題を受けた防衛省・自衛隊の改革の必要性についてお尋ねがありました。

 今般の日報に関する問題については、私の責任のもと、大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示し、既に監察が開始されています。

 防衛監察本部は、元検事長を長とし、現役の検事も勤務しており、防衛省の他の機関から独立した立場で厳格な調査を行うことを任務としています。独立性の高い立場から徹底した調査を行うことが重要と考えており、調査の上、防衛省・自衛隊に改めるべき体質があれば、私の責任で改善していきたいと考えております。

 次に、日報問題に関する調査の中間報告についてお尋ねがありました。

 国民に対して責任を持って説明を行うことは、国民からの防衛省・自衛隊への信頼という観点からも当然であり、極めて重要と認識しています。

 その上で、一部の幹部職員の聞き取り結果のみを御説明することは、特別防衛監察による事実の全容の把握が困難となるおそれがあることから、厳正かつ公正な監察を行うという観点からも問題があると考えています。

 また、具体的な報告時期を決めることや、調査の過程でその断片的な内容等を対外的に明らかにすることは、防衛監察本部の監察そのものに支障を来すおそれもあると考えています。

 いずれにせよ、できるだけ早く監察結果を報告するように指示をしておりますが、正確かつ公平な調査の実施の観点も重要であることから、それらの点も踏まえ、今後、報告のあり方について検討してまいります。

 次に、防衛省・自衛隊の改革と防衛省設置法等の一部を改正する法律案についてお尋ねがありました。

 先ほど答弁したとおり、日報の情報公開請求への対応については、私の指示により再度文書の捜索が行われ、文書発見後に公表されたものであり、また、報告のおくれについても、私から関係部署に対して厳しく指導、注意しております。

 また、先般の報道を受け、私の責任のもとで既に特別防衛監察が開始されており、監察の結果、防衛省・自衛隊に改めるべき体質があれば、私の責任で改善していきたいと累次申し上げてきたところです。

 その上で、厳しい安全保障環境のもと、我が国の防衛に万全を期していくことは不可欠であり、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るための措置を規定する防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、御審議をお願いしているものでございます。

 豪州国防軍及び英国軍への弾薬の提供と共同訓練についてお尋ねがありました。

 本法案等により、豪州国防軍及び英国軍に対して提供可能となり、日豪、日英ACSAの適用対象となる物品には弾薬も含まれます。

 豪州及び英国との議論においては、弾薬も含めて幅広い内容での後方支援が想定され得ることを説明し、ACSAの適用対象となることを確認しております。

 また、豪州国防軍及び英国軍との間で、戦術技量を高めることなどを目的とした共同訓練を推進していくことは、大変重要であると考えております。これまでも、例えば昨年八月から十月にかけて、豪州のダーウィン周辺海域での豪海軍主催多国間共同訓練に海上自衛隊の護衛艦、哨戒機を参加させ対水上戦訓練等を実施し、また、十月から十一月にかけて、英空軍戦闘機タイフーンが訪日して航空自衛隊戦闘機部隊との共同訓練を実施するなど、着実に共同訓練の実績を積み重ねているところです。

 最後に、陸上総隊の新設についてお尋ねがありました。

 現在の陸上自衛隊の体制は、全国を五つの区域に分けた上で、それぞれの区域の警備を担当する方面隊が陸自部隊の運用を担うこととしています。

 他方、近年、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、弾道ミサイル攻撃、島嶼部に対する攻撃、大規模災害など、陸海空の自衛隊が統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態が拡大しています。この観点から、陸上自衛隊においても、複数の事態が同時に発生した場合を含め、これらの事態に円滑に対応するため、全国の部隊を運用できる体制が必要となっており、陸上自衛隊の複数の方面隊を指揮することが可能な陸上総隊を新編することといたしました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十八分散会

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 出席国務大臣

       防衛大臣   稲田 朋美君

 出席副大臣

       防衛副大臣  若宮 健嗣君


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