衆議院

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第16号 平成29年4月4日(火曜日)

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平成二十九年四月四日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第九号

  平成二十九年四月四日

    午後一時開議

 第一 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政治資金適正化委員会委員の指名

 情報監視審査会会長の情報監視審査会平成二十八年年次報告書についての発言

 日程第一 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 政治資金適正化委員会委員の指名

議長(大島理森君) 政治資金適正化委員会委員の指名を行います。

笹川博義君 政治資金適正化委員会委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、政治資金適正化委員会委員に

      伊藤 鉄男君    淺井 万富君

      日出 雄平君    大竹 邦実君

   及び 岩井 奉信君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

 情報監視審査会会長の情報監視審査会平成二十八年年次報告書についての発言

議長(大島理森君) 情報監視審査会会長から、去る三月二十九日、議長に提出された情報監視審査会平成二十八年年次報告書について発言を求められております。これを許します。情報監視審査会会長額賀福志郎君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔額賀福志郎君登壇〕

額賀福志郎君 情報監視審査会は、去る三月二十九日に、衆議院情報監視審査会規程第二十二条第一項の規定により、平成二十八年年次報告書を作成し、大島議長に提出をいたしました。

 その報告書の概要を御報告申し上げます。

 今般、二期目であります本報告書の作成に当たっては、昨年と同様の考え方として、国民からの信頼を得ることができるように、公表できることは公表するとの姿勢を徹底することといたしております。審査会における調査及び審査の過程の透明性を確保することが、ひいては政府における特定秘密保護制度の適正な運用につながっていくものと考えております。

 それでは、順次、本報告書の概要につきまして説明をいたします。

 本報告書の対象期間は、平成二十八年二月一日から本年一月三十一日までとしております。

 まず、調査及び審査の結果としての政府に対する当審査会の意見についてであります。

 委員間で協議をし、制度の実施状況に関し、問題点や政府において改善すべき点として認識が共有できたものを六項目に整理し、政府の早急な改善を求めることとしております。

 その主な内容は、

 一、行政文書が不存在の特定秘密が多数あることが明らかになったことから、特定秘密保護法の逐条解説に基づき、情報の出現前に特定秘密としてあらかじめ指定することにつきましては、厳格に審査する等限定的とするとともに、より適切な規定を定め、例外的な取り扱いであることを明記すること、また、情報が職員の知識の中だけに存在する特定秘密の指定は、暫定的な処置としてやむを得ない場合を除き行わないこと、

 二、作成から三十年を超える特定秘密が記録された行政文書を特定秘密として指定し、保有する際は、内閣府独立公文書管理監が審査を行うことや厳格な手続を課す措置を検討すること、また、特定秘密が記録された文書を廃棄及び廃棄予定とする場合は、その件数及び文書等の名称、廃棄する合理的な理由を記した資料を当審査会に提出すること、

 三、各行政機関が実施する指定理由に係る定期点検等によって是正された事項を当審査会に報告を行うこと

などであります。

 なお、前回の平成二十七年年次報告書における政府に対する意見については、いまだ指摘事項に対し十分な措置が講じられていない事項があることから、政府に対し引き続き適切な対応を求めるものであります。

 一方で、先ほど述べたとおり、当審査会の調査により、行政文書が不存在の特定秘密が多数あることが明らかになり、特定秘密の指定の解除等を含む改善措置が行われたものがありました。

 あるいは、各委員からの指摘等により適性評価の運用改善が図られたもの、及び特定秘密指定書の記載の改善が図られたものなど、政府において既に改善措置が講じられたものが報告書に詳述してあります。これらは審査会の調査活動が着実な成果を上げていることを示しているものであります。

 次いで、今後調査すべき課題として、「今後の調査方針及び課題」をまとめております。

 その主なものとして、特定秘密を含む不開示情報の提出、提示を求める案件として、外務省等に関する調査を行うこと、及び、引き続き取り組む課題として、特定秘密文書の廃棄等に関する調査を行うことなどについて記載しております。

 次に、本報告書の対象期間における当審査会の経過についてであります。

 政府から、昨二十八年四月に国会報告を受け、まず、五月に当時の岩城国務大臣から国会報告について説明聴取をいたしました。その後、調査における第一巡として、内閣情報調査室及び内閣府独立公文書管理監から、特定秘密保護制度の運用や管理の適正確保のための検証、監察等について説明を聴取するとともに、平成二十七年末までに四百四十三件の特定秘密を指定している十一の行政機関から、特定秘密ごとにその内容や指定のあり方について説明を聴取し、これらについて質疑を行いました。

 その後、第二巡として、対象省庁と質問項目を絞り込み、説明を聴取し、質疑を行うという手順で議論を深めていったのであります。

 当審査会で議論した主な内容につきましては、国民に対する情報開示に努める観点から、委員からの発言のみならず政府答弁についてもその要旨を記載したところであります。

 さらに、昨年十一月には、特定秘密の提示を求めることが当審査会として適当であると判断した警察庁及び経済産業省から特定秘密の提示を受け、説明聴取、質疑を行いました。

 今後も、制度運用の常時監視の観点から、必要があれば特定秘密の提出、提示を求め、調査を進めることとし、議員各位の御理解と御協力を得て、国民の期待に応えるよう活動していく所存であります。

 以上、御報告を申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第一、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環境委員長平将明君。

    ―――――――――――――

 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔平将明君登壇〕

平将明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、遺伝子組み換え生物等の使用等により生ずる影響であって、生物の多様性を損なうもの等が生じた場合における生物の多様性に係る損害の回復を図るための措置について定めようとするものであります。

 本案は、去る三月二十四日本委員会に付託され、二十八日山本環境大臣から提案理由の説明を受け、三十一日に質疑を行い、質疑終局後、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第二、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長西銘恒三郎君。

    ―――――――――――――

 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔西銘恒三郎君登壇〕

西銘恒三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年の海上運送事業を取り巻く社会経済情勢の変化に対応し、我が国の安定的な海上輸送の確保を一層推進するための措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、トン数標準税制の適用対象である準日本船舶の認定範囲を拡大すること、

 第二に、国土交通大臣は、基本方針に基づき事業者等が作成した先進船舶導入等計画の認定を行い、国は、それに必要な資金の確保に努めること、

 第三に、海上労働証書について検査項目を追加し、その有効期間を延長するとともに、液化天然ガス等燃料船及び極海を航行する船舶に乗り組む船員に必要な資格を新設すること

などであります。

 本案は、去る三月七日本委員会に付託され、八日石井国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、三十一日、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第三、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、日程第四、裁判所法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長鈴木淳司君。

    ―――――――――――――

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び同報告書

 裁判所法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鈴木淳司君登壇〕

鈴木淳司君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を五十人増加し、判事補の員数を二十三人減少するとともに、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十五人減少しようとするものであります。

 次に、裁判所法の一部を改正する法律案は、近年の法曹養成制度をめぐる状況の変化に鑑み、法曹となる人材の確保の推進等を図るため、司法修習生に対し、修習給付金を支給する制度の創設等を行おうとするものであります。

 両案は、去る三月十七日本委員会に付託され、二十一日、金田法務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、二十四日参考人から意見を聴取しました。三十一日、質疑を終局し、討論、採決の結果、裁判所職員定員法改正案は賛成多数をもって、また、裁判所法改正案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、裁判所職員定員法改正案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第三につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第四につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣今村雅弘君。

    〔国務大臣今村雅弘君登壇〕

国務大臣(今村雅弘君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、平成二十九年度予算や税制改正大綱に盛り込まれた措置の実施に必要な法律上の手当てを含め、福島の復興及び再生を一層推進するため、提出するものであります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、帰還困難区域をその区域に含む市町村長は、福島県知事と協議の上、特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができることとしております。

 また、その認定を受けたときは、土地改良事業等の国による事業代行や被災事業者の事業再開に必要な設備投資に係る課税の特例等を活用することができることとしております。

 さらに、認定された計画に従って、環境大臣が、土壌の除染の措置や廃棄物の処理等を国の負担により行うことができることとしております。

 第二に、公益社団法人福島相双復興推進機構の要請に応じ、国の職員を、その身分を保有したまま当該機構に派遣し、その業務に従事させることができることとしております。また、派遣に必要な国家公務員共済組合法の特例等について定めております。

 第三に、福島イノベーション・コースト構想に係る取り組みを推進する区域及びその区域において推進しようとする取り組みの内容を重点推進計画の記載事項に追加し、当該重点推進計画が内閣総理大臣の認定を受けたときは、中小企業者が行う研究開発に係る特許料等の減免等の特例措置を講ずるものとしております。

 第四に、風評被害の払拭等に向け、福島で生産された商品の販売等の不振の実態を明らかにするための調査や当該調査に基づく指導助言等の措置を講ずるものとしております。

 その他所要の改正を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。亀岡偉民君。

    〔亀岡偉民君登壇〕

亀岡偉民君 自由民主党の亀岡偉民です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 最初に、お礼を申し上げます。

 我が福島は、東日本大震災とともに原発事故による多大なる被害を受けて今日まで参りました。その間、ここにいる多くの国会議員の皆様方、国民の皆様、さらには世界じゅうの方々より、多大なる支援と援助を受けてまいりました。改めて、被災地の国会議員として心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 当時は、原発事故の起こった福島第一原子力発電所から三十キロメートル圏内は避難という状況の中で、津波被害の地区の救助活動、捜索活動をする人員が足りませんでした。そのような中、落選中の仲間たちが駆けつけてくれ、地元消防団とともに救助捜索活動をしてくれたことは、大きな勇気とともに、強いあすへの希望へとつながりました。

 さて、本題に入ります。

 東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生してから、六年の月日がたちました。当時、我が党は野党の立場でありましたが、責任政党として、大局観に立って復旧復興のためのさまざまな政策提言を行い、可能な限りの対策を講じてきました。

 発災から一年九カ月後に政権復帰をした我が党は、被災者の方々に寄り添う現場主義の視点と課題解決のために決断する政治主導のもとで、六次にわたる復興加速化の提言を行い、その実現を政府に強く求めてまいりました。

 本法案は、昨年八月の与党の復興加速化のための六次提言を踏まえて、昨年十二月に閣議決定をされた原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針に基づくものであり、必要な法律上の手当てを行うものです。本法案は、制度の面から福島の復興を強力に推進するものと考えております。

 かかる前提のもと、以下、法案の内容について質問いたします。

 初めに、帰還困難区域の復興拠点整備について伺います。

 福島においては、三月末で帰還困難区域を除いた避難指示区域の除染が完了し、避難指示解除準備区域、居住制限区域の避難指示も、このたび、飯舘村、川俣町、浪江町、富岡町で解除されました。

 一方で、帰還困難区域は、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されております。しかしながら、帰還困難区域内の一部での放射線量の低下、帰還を希望される住民の思いを背景とする地元の皆様からの要望を踏まえ、帰還困難区域の復興再生に早期に取り組むことが必要だと考えております。

 今村大臣に、帰還困難区域の復興を一日も早く実現させるため、どのように復興拠点整備を進めるのか、その基本的な考え方についてお伺いいたします。

 次に、官民合同チームの体制強化について伺います。

 官民合同チームは、避難地域十二市町村における商工業、農林水産業等の事業、なりわいの再生に向けて、個別訪問結果等を踏まえ、新たな支援策を展開しています。まさに、官民合同チームの成果が上がり、新たなる希望の声も多く聞かれており、地元の皆様はさらなる体制の強化を求めております。

 今村復興大臣に、官民合同チームの体制強化に向けたこの法改正の目的及び必要性についてお伺いします。

 第三に、福島イノベーション・コースト構想の推進の法定化について伺います。

 県立医大は、ふくしま国際医療科学センターとして、先端臨床研究センターなど、新たな最新技術革新のセンターができ上がり、福島イノベーション・コースト構想の中核をなすべき計画が進み始めています。

 平成二十六年六月の研究会報告書に基づき、廃炉研究やロボット、農林水産業等の各プロジェクトの具体化が進行中であります。南相馬市のロボットテストフィールドは、世界じゅうからのロボット研究者の技術披露の場であり、世界一のロボット情報の集積地になる可能性を秘めております。

 また、安心、安全に向けた廃炉技術研究は新たなロボット技術を生み出す機会にもなり、さらに、医療、介護ロボット開発のメッカになっていく可能性を秘めています。

 また、営農再開に向けた新たなる可能性を目指した農林水産業等の各プロジェクトなども含めて、総合的に本構想を具体化して、新たな産業基盤の構築に最重点的に取り組むことが必要です。

 今村大臣に、復興イノベーション・コースト構想のこれまでの取り組みの評価、法改正のポイント及び構想の推進に向けた今後の取り組みについて伺うとともに、この福島イノベーション・コースト構想にかける総合的な取り組みの思いを世耕大臣にお伺いします。

 第四に、風評払拭への対応について伺います。

 事故後六年を経てもなお、福島県産の農林水産品については、全国平均価格との差が震災前より拡大した品目がある等の風評被害が残っており、これがいじめにもつながっております。

 このため、福島県産農林水産物等の風評払拭に向けた取り組みについて、さらなる強化を図っていくことが重要であると考えております。

 今村大臣に、今回の法案について、風評の払拭に向けた対策に関する規定を盛り込んだ強い思いを伺います。

 最後に、この改正を生かしていくべきすばらしい決定がなされました。福島でのオリンピックの開催です。

 森会長初め、遠藤会長代行、丸川大臣と多くの関係者の皆様の努力により、野球とソフトボールの福島県開催が決まりました。我が福島にとり、これ以上の風評被害の払拭事業はないでしょう。

 原発事故の福島からオリンピックの福島へと大きく転換させていくためにも、この改正と両輪になるオリンピックへ取り組む決意を丸川大臣にお伺いし、帰還困難区域の復興再建が福島の早期創生につながるこの法案の早期成立を訴えて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣今村雅弘君登壇〕

国務大臣(今村雅弘君) 帰還困難区域における復興拠点整備についてのお尋ねがありました。

 帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、放射線量を初め多くの課題があることも踏まえ、可能なところから着実かつ段階的に、政府一丸となって、帰還困難区域の一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととしております。

 本法案は、可能なところから着実かつ段階的に帰還困難区域の復興に取り組むものとして、まず、特定復興再生拠点区域を定めて、復興再生を推進することとしております。

 具体的には、改正法の成立の後、帰還困難区域を有する市町村のお考えをよくお聞きしながら、新たな制度のもとで、特定復興再生拠点となる区域を設定し、特定復興再生拠点区域復興再生計画に基づいて、除染、解体事業についてもインフラ整備等と一体的に実施し、生活環境や働く場を整え、おおむね五年を目途に避難指示を解除し、特定復興再生拠点への住民の帰還を促進していく考えであります。

 福島相双復興官民合同チームの体制強化に向けた法改正の目的及び必要性についてのお尋ねがありました。

 被災十二市町村における産業、なりわいの再生は極めて重要な政策課題であり、事業者支援の中心的役割を担う官民合同チームが継続的に支援を行っていくことは重要です。

 他方、官民合同チームの中核である福島相双復興推進機構においては、国職員の持つ知見や人脈を活用した持続的な業務遂行の確保、官民合同チーム内における意思決定プロセスの統合や情報基盤の統一が課題となっています。

 このため、これらの課題を解決するべく、福島相双復興推進機構に国職員を派遣できるよう福島特措法を改正し、腰を据えて支援を行うための体制の強化を図ってまいります。

 福島イノベーション・コースト構想のこれまでの取り組みの評価、法改正のポイント及び構想の推進に向けた今後の取り組みについてのお尋ねがありました。

 平成二十六年六月に構想が取りまとめられた後、廃炉、ロボットを中心とした拠点整備や研究開発などの各種プロジェクトが着実に推進しているものと評価をしております。

 今後は、これまでの取り組みを一層推進することに加えて、関係省庁や地元が互いに緊密に連携し、拠点を核とした産業集積や周辺環境の整備を進めることが重要です。

 今般の法改正により、構想に係る取り組みについては、研究開発の促進やその成果の実用化に向けた法律上の特例措置を受けることが可能となり、取り組みが一層加速されます。

 また、関係省庁、福島県、市町村、事業者等が連携を強化することを法的に位置づけ、原子力災害からの福島復興再生協議会のもとに、構想に関する分科会を創設する予定としております。さらに、構想の実現に向けた多岐にわたる課題を政府全般で解決するため、夏を目途に閣僚会議を創設いたします。

 今後とも、関係機関と連携を緊密にし、福島イノベーション・コースト構想の実現に向けて取り組んでまいります。

 風評の払拭に向けた対策に関する規定についてのお尋ねがありました。

 福島県産農林水産物については、放射性物質検査を行い、安全性が十分確認されたものが市場に流通しております。

 しかし、震災から六年が経過した今なお、風評被害が残っている状況であり、福島県の強い要望を受け、風評の払拭に向けた対策に関する規定を盛り込みました。

 具体的には、福島で生産された農林水産物の流通、販売等の実態調査を行い、その調査に基づき、販売等を行う者に対し指導助言等の措置を講ずることとしております。

 今後とも、産業、なりわいの再生の大前提となる風評払拭に向け、政府一丸となって、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 亀岡議員にお答えをいたします。

 福島イノベーション・コースト構想についてお尋ねがありました。

 この構想は、浜通り地域に新たな産業の柱を創出することを目指す極めて重要な取り組みです。これまで、廃炉やロボット等の重点分野において、拠点の整備や研究開発などのプロジェクトの実現に取り組んでまいりました。

 今後は、これらの拠点を核とした産業集積の実現や周辺環境の整備、地元企業と域外企業の連携によるビジネスの創出等を進めていくことが重要であります。

 経済産業省としても、福島復興再生特別措置法の改正により実現される新たな枠組みのもと、復興庁を初めとする関係省庁と緊密に連携をしながら、福島イノベーション・コースト構想を強力に推進し、浜通り地域における新たな産業基盤の構築を進めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣丸川珠代君登壇〕

国務大臣(丸川珠代君) 福島での野球とソフトボールの開催決定に関してお尋ねがございました。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会においては、世界じゅうからアスリートや観客が日本に集まり、海外メディアに広く報道され、世界の注目が集まることになります。このまたとない機会を最大限に生かし、復興をなし遂げつつある被災地の姿を世界に向けて発信することは、政府のオリパラ基本方針にもあるとおり、この大会の大きな目的の一つです。

 今回の福島での野球・ソフトボール競技の開催決定は、このような観点からまことに意義深いものであり、ここに至るまでの地元の皆様も含めた関係者の御尽力に改めて敬意を表したいと存じます。

 私といたしましては、大会組織委員会、東京都及び福島県とも緊密に連携をして、この福島での競技開催がアスリートにとっても観客の皆様にとっても地元にとってもすばらしいものとなるように取り組むとともに、被災地を駆け抜ける聖火リレー、被災地での大会イベントの開催やホストタウンを通じた事前キャンプの実施、とりわけ被災地の子供たちに大会の感動を味わっていただけるようにという思いを持って、基本方針に沿った取り組みを着実に進めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 細野豪志君。

    〔細野豪志君登壇〕

細野豪志君 民進党の細野豪志です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 東京電力福島第一原発事故から六年が経過いたしました。東日本大震災の被災地はどこも復興の途上にありますが、原発事故の影響を受ける福島県は、帰還困難区域を抱えるなど、より困難な状況が続いています。本特措法は、そうした福島が置かれている状況に対し、政府が責任を持って対応することを目的に制定されたものです。

 ことしの三月十一日、私は、福島県で行われた追悼式典に出席いたしました。東京から福島の会場にサテライト放送で流れてきた安倍総理の式辞には、率直に申し上げて強い違和感を覚えました。昨年まで式辞の中にあった原発事故という言葉が消えていたからです。あの事故がなければ、現在の福島の厳しい状況はありませんでした。また、本特措法自体、必要ありません。式典の後、内堀福島県知事が違和感を口にされていたのは、福島県民の声を代弁したものと捉えるべきであります。

 総理の式辞からは、大変残念ながら、被災地に対する気持ちも感じることができませんでした。確認してみたところ、十段落で構成された式辞の中で、九つの段落については、昨年と全く同じか、前後の言葉を入れかえただけで文面は同じでありました。唯一異なる文面となっている段落の中で、原発事故という言葉が消えておりました。総理がこの福島復興特措法の質疑をしている本会議に御出席をいただけないということも含めて、大変残念であります。

 総理がこのような認識では、どんな法案を通そうとも、文字どおり、仏つくって魂入れずとなりかねません。安倍総理と閣僚の皆さんに、もう一度、原発事故を起こした国の責任を自覚していただきたい、強く思います。

 原発事故の後、国は周辺十一市町村の約八万一千人に避難指示を出しました。あれから六年が経過し、福島県民の努力と関係者の取り組みによって除染やインフラ復旧が進み、この春には新たに四町村、三万二千人について避難指示が解除されました。

 しかし、復興庁などが避難者の意向を聞いたところ、帰還を希望する住民は一割から二割にとどまり、戻らないとした人が半数を超えています。また、既に避難指示が解除された区域でも、実際に戻った住民の割合は平均で一三・五%にとどまります。人口減少と高齢化が極端に進んだコミュニティーをどのように再生するか、既に大きな課題となっています。

 昨年十二月二十日に閣議決定された原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針において、帰還困難区域に特定復興拠点を設定し、五年後をめどに避難指示を解除するという非常に重要な方針が示されました。

 事故から六年が経過し、帰還困難区域の中でも放射線量が下がった地域が出てきています。特定の地区を復興拠点に認定し、除染やインフラ再建に取り組むというアプローチについては賛同いたします。しかし、帰還を望む住民の数は減少しており、復興拠点がコミュニティーとして機能するためには、外から移り住む人が出てくる必要があります。全面買い取り方式によって新市街地を整備するなど政府が関与するとしても、持続可能なコミュニティーをつくるには相当の困難が予想されます。

 こうした困難を乗り越え、どのような復興拠点をつくるつもりなのか、復興大臣の答弁を求めます。また、それぞれの自治体に幾つの拠点をつくるつもりなのかについても、あわせてお答えをいただきたい。

 二〇一一年十二月、放射線量が年間五十ミリシーベルトを超えた大熊町、双葉町、浪江町など七市町村が、将来にわたって居住を制限することが原則とした帰還困難区域に指定されました。当時、閣僚の間では、帰還困難区域という厳しい名称を使うことについて大議論がありました。

 ふるさとを追われた方々にはまことに申しわけないことではありましたが、あえて厳しい表現を使うことで、そうした方々に新たな生活を選択していただきたいと考えました。帰還が困難であることを明確にすることによって、東京電力は、この地域に住んでいた二万人以上の避難住民に対し、戻れないことを前提に損害賠償を支払うことになりました。

 昨年十二月二十日の基本方針では、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組む決意が示されています。安倍総理御自身も同様の決意を述べておられます。

 あえて申し上げます。本当に帰還困難区域の全てを復興再生することができるのでしょうか。仮に耳ざわりのいいことだけを言って実現できないということになってしまえば、福島の皆さんをもう一度裏切ることになってしまいます。私はそのことを懸念します。

 実際、特定復興拠点以外の帰還困難区域については、今回の法改正の対象とはなっておりません。五年後をめどに国の避難指示が解除される特定復興拠点の面積は、帰還困難区域の中のわずか五%にとどまる見込みであります。復興拠点を整備するだけでも相当の困難が予想される中で、それ以外の地域については避難を解除するめどは全く立っていないのが現状であります。

 六年が経過し、被災者の皆さんと国民に対して帰還困難区域の将来像を示す責任は政府にあると考えますが、復興大臣、いかがでしょうか。

 昨年十二月二十日に閣議決定された基本方針では、除染についても重要な方針転換が行われました。すなわち、特定復興拠点は除染とインフラ整備を一体的に行い、費用は東京電力に求償せずに国が負担するというものです。

 これまで、除染については、一旦復興予算から費用を出していましたが、汚染者負担の原則に基づき、原発事故の当事者である東電に費用を請求する形で実施されてきました。しかし、政府は、東京電力が帰還困難区域の住民に多額の賠償を実施していることを主な理由として、特定復興拠点の除染については政府が負担することとしています。

 これでは、第一原発の廃炉や賠償で東電の負担が予想以上に膨らんだ末の、事実上の東電救済ではないかとの疑念が消えません。新たな国民負担が生じることについて、復興大臣はどのように説明されるのでしょうか。また、今後行われる可能性のある帰還困難区域の特定復興拠点以外の除染について、東電に求償する可能性はあるのでしょうか。また、帰還困難区域全体で、総額どの程度の除染費用がかかるのか、国民に説明をしていただきたいと思います。

 もう一つ見過ごせないことがあります。汚染者負担の原則の例外を認めることが、今後の環境政策に重大な影響を及ぼす可能性があることです。

 東京電力福島第一原発事故は、我が国の歴史上、極めて深刻な公害事案でもありました。こうした事案において、どのような論理で汚染者負担の原則の例外を認めるのでしょうか。また、東電以外の企業のモラルハザードをもたらす懸念はないのでしょうか。環境大臣に明確に御答弁いただきたいと思います。

 福島では、二〇一二年から全ての米の放射能検査が行われています。二〇一四年度、千九十六万袋の米の中からは、一袋も出荷基準値を超える放射性セシウムは検出されませんでした。それにもかかわらず、福島県産の米に対して全農が支払う概算金は、史上最安値、一俵七千円台をつけました。

 明るい兆しもあります。昨年の福島県産の桃の輸出量は三十・六トンとなり、原発事故前の二〇一〇年を上回りました。事故直後だった二〇一一年の秋、福島駅では山形県産の桃が売られていたんです。あそこから、本当に関係者の皆さんの努力で、よくここまで回復したと思います。関係者の皆さんの努力に心より敬意を表したいと思います。桃だけではありません。サクランボ、ブドウ、リンゴ、ブルーベリーなど、福島は果物の宝庫です。

 こうした特産となっている果物や、キュウリなどの野菜は、福島県産のシェアが高く、代替がきかないために価格が戻ってきています。しかし、米や魚介類のように代替がきくものについては、福島県産という理由で、依然として低い価格での取引が行われています。

 法案では、販売等の実態調査を行い、その調査結果に基づく指導や助言を行うこととされていますが、民民の取引を基本とする市場取引に対して、どのような指導助言をするのでしょうか。復興大臣にお伺いします。

 むしろ、風評被害を払拭するためには、第一原発の廃炉を加速することと、県内各所に除染廃棄物が山積みになっている状況を一日も早く終わらせることです。

 また、東京電力福島第二原発の廃炉の方針を明確にすることで、全国に先駆けて福島において脱原発を実現することも重要です。政府として、第二原発の廃炉方針を示すべきだと考えますが、経産大臣、いかがでしょうか。

 最後に、子供のいじめ防止について伺います。

 原発事故後、浜通りに新設されたふたば未来学園高校の演劇部の公演が、先日、東京で行われました。高校生が実体験を演じた「数直線」という演劇に、私を含め多くの観客が涙しました。

 劇中、福島県外の避難先でのいじめの話が出てきます。三・一一のときに小学生だった彼らの多くは、避難先でのいじめを受けています。深刻な事態にもっと早く気がつくべきでした。

 いじめは子供社会だけで起こるわけではありません。彼らの将来を考えたとき、原発事故を原因としたいじめは社会全体で根絶していかなければなりません。どのような方法でいじめを根絶するのか、復興大臣に質問をします。

 ふたば未来学園の高校生を見ていると、福島は必ず復興するという希望を胸に抱くことができます。ただ、忘れてはならないのは、この六年間、彼らが葛藤の中で生きてきたという現実です。

 演劇部の高校生の中では、原発事故を扱うかどうか論争があったそうです。つらい経験を演じるくらいなら演劇部をやめたいという高校生もいたとのことでした。しかし、彼らは、原発事故の体験を伝えることをみずからの宿命と捉えて、今も演劇を続けています。

 宿命を福島の若者だけに負わせることは許されません。あってはならない事故を起こしてしまった政府、国権の最高機関たる国会には、被害を直視し、福島の復興をなし遂げる宿命があると私は考えます。本院に議席を持つ我々一人一人がその宿命を全うすべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣今村雅弘君登壇〕

国務大臣(今村雅弘君) 帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備についてのお尋ねがありました。

 本法案では、着実かつ段階的に帰還困難区域の復興に取り組むものとして、特定復興再生拠点区域を定めて、除染やインフラ整備等を集中的に進め、生活環境や働く場を整え、避難指示解除を行い、復興再生を推進することとしております。

 特定復興再生拠点は、地元の実情に応じてさまざまな形があり得るものと考えております。御指摘のとおり、帰還される住民の方々のみならず、新たに立地する事業所や新たにお住まいになる方を加えた新しいまちづくりを行い、持続可能なコミュニティーを形成していく復興拠点もあるものと認識しております。

 特定復興再生拠点の数につきましては、改正法の成立の後、市町村が計画を検討していくことから、現時点でお示しすることは困難でありますが、どのような拠点づくりをすれば着実かつ効率的に整備が進み、住民の帰還や事業所の立地が進むのかという観点から柔軟に調整をしてまいります。

 帰還困難区域の将来像についてのお尋ねがありました。

 本法案は、可能なところから着実かつ段階的に帰還困難区域の復興に取り組むものとして、特定復興再生拠点区域を定めて、復興再生を推進するということを具体化しているものであります。

 他方、帰還困難区域全体の将来像については、放射線量を初め多くの課題があり、帰還困難区域を有する市町村の置かれている状況もさまざまであることから、今後の検討課題であるというふうに認識をしております。

 例えば、特定復興再生拠点の外にお住まいの方で、少しでもふるさとに近いところに住みたいという方のための公営住宅を特定復興再生拠点に用意したり、特定復興再生拠点の外であっても墓地等の地域住民にとって重要な施設への立ち入りを維持するといった取り組みを行うなど、市町村の実情に合った対応があろうかと考えております。

 いずれにしても、まずは特定復興再生拠点の整備に一日も早く着手することが重要であると考えております。

 次に、特定復興再生拠点の除染費用についてのお尋ねがありました。

 帰還困難区域は、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されており、こうした政府方針を前提に東京電力は賠償の支払いを実施しております。

 今回、帰還困難区域においては、こうした従来の方針から前に踏み出して、新たに住民の居住を目指す復興拠点を整備することといたしました。この整備は、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであるため、国の負担のもとで行うこととしております。

 改正法案は、帰還困難区域における復興拠点の復興再生を推進することを具体化したものであります。そのため、復興拠点外の取り組みやその費用負担については、今後の検討課題であると認識をしております。

 また、除染費用は、農地、宅地などの土地利用、土地建物の状態、放射線量、労務単価等によって大きく変動するものであることから、除染を行う範囲や時期等が定まらない限り、帰還困難区域全体での除染費用の算定は困難であります。

 また、風評の払拭に向けた販売等の実態調査に関する指導助言の内容についてのお尋ねがありました。

 福島県産米の全量全袋検査において、平成二十七年産米に引き続き平成二十八年産米も基準値超過ゼロを達成するなど、福島県産農林水産物は安全性が十分確認されたものが販売されているにもかかわらず、震災から六年が経過した今なお、風評被害が残っております。

 こうした状況を踏まえ、流通、販売等の実態調査を行うこととしておりますが、御指摘の指導助言の内容については、調査の内容やその結果等を踏まえて判断する必要があると考えております。

 なお、これまでも関係業界全体に対し、福島県産農林水産物の取り扱いについて要請を行っているところであり、風評の払拭に向けた効果的な指導助言方法を検討してまいりたいと考えております。

 原子力災害により避難している子供への避難先でのいじめについてのお尋ねがありました。

 原子力災害により避難している子供が避難先でいじめに遭うという事態が発生したことは、極めて残念なことであります。

 文部科学省と連携して、被災した児童生徒の心のケアや教職員に対する研修、保護者等への助言、援助などを行うスクールカウンセラー等の派遣を行っているところです。

 また、教育現場のみならず社会全般に放射線についての誤った理解がいまだに存在している状況があります。

 これまでも、関係省庁と連携し、放射線に関するリスクコミュニケーションに取り組んできたところでありますが、今後さらに、一般向けのわかりやすい資料を作成すること等により、官民挙げて、放射線に関する正しい理解の促進と情報発信の強化に努めていきたいと考えています。

 復興庁としましては、引き続き、関係省庁と連携してしっかり取り組んでまいります。

 福島の復興再生については、安倍内閣の最重要課題の一つであります。引き続き、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣山本公一君登壇〕

国務大臣(山本公一君) 汚染者負担の原則についてお尋ねがございました。

 東京電力福島第一原子力発電所事故に関連する費用を社会的にどう負担していくかにつき、復興拠点整備は、それまでの方針から国として前に踏み出し、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであること、除染とインフラ整備を一体的かつ効率的に実施するものであることといったさまざまな事情を勘案した上で、除染特措法ではなく福島復興再生特措法に基づいて実施することとし、国費で実施するとの方針になったものであります。汚染者負担の原則に矛盾するものではないと考えております。

 なお、今回の方針が汚染者負担の原則に矛盾するものではない以上、御指摘の懸念は当たらないものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 細野議員にお答えをいたします。

 福島第二原発の扱いについてお尋ねがありました。

 福島第二原発につきましては、福島県の皆様の心情を察すると、これまでに新規制基準への適合性審査を申請している他の原発と同列に扱うことは難しいと認識をしております。

 その上で、まずは東京電力が、地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 真山祐一君。

    〔真山祐一君登壇〕

真山祐一君 公明党の真山祐一です。

 公明党を代表し、ただいま議題となりました福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)

 東日本大震災より六年。犠牲となられた皆様の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族並びに被災された全ての皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

 発災当時、私は公明党の職員として福島県に在住しており、以来、福島の復興に携わってまいりました。

 残念ながら、当時の民主党政権の対応は常に後手に回り、被災者の思いからかけ離れ、原発事故の最前線を担う原子力災害現地対策本部長が同政権下の震災対応一年九カ月で十人が交代するような惨状でした。国に対する県民の信頼は完全に失墜しました。

 自公政権となり、公明党が一貫して担当している福島担当の復興副大臣及び原子力災害現地対策本部長兼任の経済産業副大臣は、毎週被災地に足を運び続け、廃炉・汚染水対策、被災者支援、インフラ復旧、なりわいの再生等、まさに福島復興の最前線に飛び込み、被災地との信頼関係を修復していきました。

 国による避難指示は、平成二十六年四月一日、田村市都路地区を皮切りに、本年四月一日をもって、二市四町三村で帰還困難区域を除く地域が解除されました。

 解除に際しては、被災地との徹底的な協議が必要であることは言うまでもなく、信頼関係が必要不可欠です。

 例えば、平成二十六年に解除された楢葉町では、国、県、町等による円卓会議や町議会の全員協議会、行政区長会議のほか、二十回にわたる住民懇談会、さらには一軒一軒の個別訪問を行い、被災者の皆様の御不安や御意見に丁寧に応えながら進められました。このプロセスは、公明党が掲げる人間の復興を目指し、被災者に寄り添い続けることに徹してきたからこそ実現できたものと確信いたします。

 とはいえ、避難指示解除は本格的な復興へのスタートラインであり、被災者の生活再建のためには、国はこれまで以上に被災者に寄り添い続けていかなくてはなりません。

 まず初めに、福島復興にかける復興大臣の御決意を伺います。

 本法律案は、帰還困難区域の明確な方針を掲げ、なりわい再生のための福島相双復興官民合同チームや福島イノベーション・コースト構想の法定化、また、風評被害払拭への国の対応を定めるなど、国が被災者に寄り添い続ける覚悟を示すものと高く評価いたしております。

 以下、本法律案について質問いたします。

 双葉郡の将来像を描くためには帰還困難区域の方針決定が不可欠で、昨年八月、自民党、公明党による第六次提言に、「たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意をここに示す。」と記し、政府に対応を迫りました。

 本法律案では、帰還困難区域の一部を特定復興再生拠点区域に設定し、除染及び帰還環境整備を一体的に行った上で、おおむね五年以内に解除するとしています。

 しかし、帰還困難区域は各自治体によって状況がさまざまであり、市町村の意向を十分に踏まえなければなりません。また、指定されなかった区域も、将来的には解除に向けて帰還環境整備を行う必要があります。

 帰還困難区域の今後の基本的な方針について、復興大臣に伺います。

 被災事業者支援のため、国や県の職員、民間コンサルタント等による福島相双復興官民合同チームが、平成二十七年に高木陽介経済産業副大臣の提案で結成されました。被災事業者に対し、みずからが出向いて相談を受けるというこの取り組みは、霞が関の文化を変えたと言われています。

 今回、公益社団法人福島相双復興推進機構を法律に位置づけることによって体制強化を図るとともに、長期的な支援が可能となります。

 今回の改正の意義について、経済産業大臣の御所見を伺います。

 また、同チームの営農再開グループの体制も強化し、営農再開を目指す全ての生産者に個別支援をすべきと考えますが、農林水産大臣の御所見を伺います。

 福島イノベーション・コースト構想は、当時、経済産業副大臣であった赤羽一嘉衆議院議員が中心となり、一番御苦労された地域が一番幸せになる権利があるとの信念に基づき、世界が瞠目する浜通り地域の再生を目指し、被災地が夢と希望を持って復興に立ち向かえるよう、廃炉を支えるロボット産業や、水素、再生可能エネルギーなどの先端産業の研究開発機関、企業の集積、風評被害に負けない先進的な農林水産業の推進等を柱として本構想を取りまとめられました。

 公明党は、本構想を国の責任で実現することや、官民需要創出、人材育成、地元企業の参画支援等を要望し、また、現在整備中の福島ロボットテストフィールドを世界最高水準のロボット産業の中核施設とするため、規制緩和やロボットの認証、認定制度の創設等も訴えてきました。同施設を活用した二〇二〇年ワールドロボットサミットの開催も後押ししてきました。

 福島復興の夢と希望の柱である福島イノベーション・コースト構想の実現に向けた経済産業大臣の御決意を伺います。

 直近の風評被害の消費者意識実態調査では、福島県産品をためらう人の割合は一五%と調査以来最も低いものの、依然として風評は根強く残っております。

 一方、流通段階における風評被害が指摘されており、本法律案では、福島県産主要農林水産物に関する販売等の実態調査を行うこととしています。調査を通し、福島県産を理由にした買いたたきは許さないという強いメッセージを明確に伝え、厳格な基準、検査体制のもと、基準値超えの農林水産品が出回る状況にないことを知らしめる必要があります。

 本調査を行うに当たり、農林水産大臣の御決意を伺います。

 また、福島県産品の安心、安全は、厳格な検査体制に支えられています。米の全量全袋検査等の検査体制は国の責任のもと継続すべきと考えますが、農林水産大臣の御所見を伺います。

 原発避難児童いじめ、特に、教職員等の大人にも放射線や福島からの避難が正しく理解されていない実態は看過できません。

 公明党は、日本原子力研究開発機構や国立環境研究所が参画し、放射線学習が可能な福島県環境創造センターを活用した教員等の研修を推進しています。避難児童いじめの実態調査とともに、正しい理解を深める取り組みを推進しなければなりません。そして、何よりも避難児童に対する心のケアが必要です。

 また、避難生活が長期化していることから、被災者一人一人に対する生活再建のフェーズに合わせた丁寧な心のケアが必要です。公明党は、被災者への心のケアを長期的に行い、調査研究や情報の共有、人材育成を一体的に取り組める体制の整備を要望しています。

 避難児童へのいじめ対策及び心のケア体制の強化について、復興大臣の見解を伺います。

 二〇二〇年東京オリンピック、野球・ソフトボール競技の福島開催決定に喜びが広がっています。

 戦後復興の象徴でもあった一九六四年の東京オリンピックの聖火トーチは、現在福島県に工場を持つ企業が制作しました。くしくも二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの聖火は、復興五輪として福島復興の光を放つことになります。

 公明党も、ともにその日を目指し、誰一人として置き去りにしないとのかたい信念で福島の復興に寄り添い続けることをお誓い申し上げ、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣今村雅弘君登壇〕

国務大臣(今村雅弘君) 福島復興にかける決意についてのお尋ねがありました。

 福島では、道路や宅地等のインフラ復旧は進展しつつあるものの、福島第一原発の廃炉や除染土の処理等の時間のかかる課題もあり、しっかりと中長期にわたる取り組みを進めてまいります。

 避難指示の解除が進む中、教育、医療、介護、買い物環境などの生活環境の整備と、農林水産業を初めとする産業やなりわいの再生は極めて重要であり、一日も早いふるさと再生と帰還実現のために喫緊の課題と認識しております。

 東日本大震災から六年となりますが、農林水産業や観光業を中心に風評被害は今なお残っています。風評の払拭についてはスピード感を持って取り組んでいく必要があります。

 また、帰還困難区域についても、まずは特定復興再生拠点区域を定めて、除染やインフラ整備等を集中的に実施し、避難指示を解除し、復興再生の足がかりを築いていきます。

 福島の復興再生に向け、引き続き国が前面に立って全力で取り組んでいく決意であります。

 帰還困難区域の今後の基本的な方針についてのお尋ねがありました。

 帰還困難区域については、御指摘のとおり、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、放射線量を初め多くの課題があることも踏まえ、可能なところから着実かつ段階的に、政府一丸となって、帰還困難区域の一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととしております。

 本法案では、着実かつ段階的に帰還困難区域の復興に取り組むものとして、特定復興再生拠点区域を定めて、除染やインフラ整備等を集中的に進めることとしておりますが、区域を定める際には、法令にのっとった上で、地元のお考えをよくお聞きしながら柔軟に調整してまいります。

 また、法案では、市町村が帰還困難区域への将来的な住民の帰還の促進に関する中長期的な構想を策定したときは、例えば特定復興再生拠点の外であっても墓地等の地域住民にとって重要な施設への立ち入りを維持するなど、構想に基づいて市町村が行う取り組みを国が支援することとしております。

 避難児童へのいじめ対策及び心のケア体制の強化についてのお尋ねがありました。

 避難している児童生徒がいじめに遭うという事案が発生したことは極めて残念なことです。

 教育現場のみならず社会全般に放射能についての誤った理解がいまだに存在している状況があります。

 御指摘の福島県環境創造センターは、放射線に関する正確な情報や復興への取り組みを伝える施設であり、同センターで放射線に関する科学的な知識を学ぶことは大変有意義であると考えます。

 復興庁としては、これまでも関係省庁と連携し、放射線に関するリスクコミュニケーションに取り組んできたところでありますが、今後さらに、一般向けのわかりやすい資料を作成すること等により、官民挙げて、放射線に関する正しい理解の促進と情報発信の強化に努めていきたいと考えています。

 避難児童生徒へのいじめ対策については、文部科学省と連携して、避難した児童生徒の心のケアや教職員に対する研修、保護者等への助言、援助などを行うスクールカウンセラー等の派遣を行っているところであります。

 また、心のケアについては、子供のみならず大人に対しても、避難生活の長期化や新たな住まいへの移転等に伴うさまざまな不安を抱える被災者の方々に対し、丁寧に行っていくことが重要と認識しております。

 このため、被災者への相談支援、ケアがより適切に行われるよう、被災者の心のケア支援事業による専門的な心のケアの充実改善、各種の生活相談と専門的な心のケアとの連携強化などについて、厚生労働省を初めとする関係省庁や福島県と連携しながら検討を進め、可能なものは二十九年度から実施してまいります。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 真山議員にお答えをいたします。

 福島相双復興官民合同チームの体制強化の意義についてお尋ねがありました。

 官民合同チームは、平成二十七年八月の創設以来、これまでに約四千六百の被災事業者を個別に訪問し、そのうち約二千九百事業者を再訪問するなど、事業、なりわいの再建に向けた支援を実施してきました。

 今後は、福島県の被災十二市町村の復興再生のため、営農再開や十二市町村外の事業者の呼び込みといった課題にも取り組んでいくことが重要となります。

 こうした課題への対応として、今般の福島特措法の改正案では、チームの中核である福島相双復興推進機構に国職員を派遣できるようにしております。

 これにより、国職員の知見、人脈の継続的な活用やチーム内における意思決定プロセスの統合が可能となり、事業、なりわいの再建支援に、国、県、民間が一体となって、腰を据えて取り組むための体制が整備されるものと考えております。

 福島イノベーション・コースト構想についてお尋ねがありました。

 この構想は、浜通り地域に新たな産業の柱を創出することを目指す極めて重要な取り組みです。経済産業省は、これまで、廃炉研究やロボットの開発、実証を中心とする重点分野の拠点整備や研究開発などの各種プロジェクトの実現に着実に取り組んでまいりました。

 今後は、これまでの取り組みに加えて、これらの拠点を核とした産業集積の実現や周辺環境の整備、地元企業と域外企業の連携による技術開発やビジネスの創出といった多岐にわたる政策課題を解決していくことが必要です。

 このため、今般、福島復興再生特別措置法の改正案において、福島イノベーション・コースト構想を同法に位置づけるとともに、関係閣僚級による会議体を創設するなど、関係省庁が主体的に参画し、構想の具体化に協力して取り組む枠組みを構築することとしております。

 経済産業省としても、この新たな枠組みのもと、復興庁を初めとする関係省庁と緊密に連携しつつ、福島イノベーション・コースト構想を強力に推進し、浜通り地域に新たな産業基盤の構築を進めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣山本有二君登壇〕

国務大臣(山本有二君) 真山議員の御質問にお答え申し上げます。

 営農再開グループの取り組みについてのお尋ねがありました。

 農林水産省は、福島県において速やかに営農再開ができますように、福島相双復興官民合同チームの営農再開グループに参加し、集落座談会における営農再開支援策の説明、地域農業の将来像の策定、将来像の実現に向けた農業者の取り組みを支援してきたところでございます。

 こうした中、営農再開をさらに加速化するため、今月から営農再開グループの体制を強化し、昨年に国と県が行った農業者の個別訪問の対象を拡大して、要望の調査と支援策の説明等を行うこととしております。

 また、平成二十八年度第二次補正予算で、被災十二市町村で営農再開する農業者に対して、必要な機械、施設や家畜の導入等の支援を措置しております。

 これらの取り組みや支援を通じて、福島県の営農再開に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、福島県産品に関する流通実態調査についてのお尋ねがございました。

 放射性物質による汚染の有無またはその状況が正しく認識されていないことに起因して、福島県産農産物等の販売等の不振が生じております。

 このため、平成二十九年度予算において、新たに福島県産農産物等流通実態調査事業を措置し、米、牛肉、桃等の主要品目につきまして、流通、販売の実態調査、販売等の不振の要因分析、積極的な販売等の優良事例の把握を行うこととしております。

 この調査結果を踏まえ、当該商品の販売等を行う者に対しまして指導助言等の措置を講ずるとともに、優良事例の普及に取り組んでまいります。

 米の全量全袋検査についてのお尋ねがございました。

 福島県産の米の安全、安心の確保のため、国は、食品の基準値を超える米が流通しないよう、カリウム施肥による放射性セシウムの吸収抑制対策を支援した上で、福島県は自主的に、平成二十四年産米から全量全袋検査を実施してこられました。

 この全量全袋検査につきましては、平成二十三年に国費により造成されました基金等により経費が賄われてまいりました。この基金が平成二十八年度で枯渇することから、県からの要請を踏まえ、平成二十九年度予算におきまして、必要な予算を措置したところでございます。

 今後、全量全袋検査につきましては、平成二十七年産以降、基準値超過が発生していないことや、検査の継続そのものが、むしろ福島県産米に潜在的な危険があるという誤った印象を消費者に与えかねないことなども踏まえ、風評払拭に向けて、県とよく相談しながら検討してまいります。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 高橋千鶴子君。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問します。(拍手)

 三十一日と四月一日で、浪江町、飯舘村、富岡町の一部と川俣町山木屋地区の避難が解除されました。残るは、福島第一原発の立地町である双葉、大熊両町と近隣五市町村の帰還困難区域で、避難区域の面積は三分の一、県土の二・七%に縮小されました。最大で十六万人、先月まで約七万九千人が避難生活を続けてきましたが、今回解除された四町村でも、帰還は一割未満にすぎません。

 安倍総理は、政府主催の追悼式典で、原発事故という言葉を一切使いませんでした。内堀雅雄福島県知事が違和感があると指摘したのは当然です。菅官房長官は、避難解除が進んでいることなどに触れていたと弁明しましたが、解除さえすれば復興は進んでいるとお考えですか。菅官房長官に伺います。

 福島法は、地震、津波被害に加え、原発事故という三重苦に見舞われた福島県の復興を図るため、既存の法律や制度の枠を超えた特別の立法が必要であるとして、地元の強い要望も受け、二〇一二年三月に成立しました。

 まず、福島法には、「原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任」と明記されています。原発事故とその後の長い被害について、国と東電の責任が改めて問われています。

 三月十七日、前橋地裁は、国と東電は事故を防ぐことが可能で、国が規制権限を行使しなかったことは著しく合理性を欠き、違法であると断じました。国は控訴しましたが、原発事故に対する責任はないという立場なのですか。

 福島法の基本理念は、「住民一人一人が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにする」とうたっています。実態はどうでしょうか。

 今村復興大臣、三月十二日のNHK討論番組で、ふるさとを捨てるというのは簡単だがと発言されたのは、断じて許されません。

 事故前には、田畑をつくり、山菜をとって、ふるさとの恵みで暮らしてきた、帰っても、田畑には汚染土を詰めた袋が山積みだ、どうやって暮らしていけばよいのか、この声がおわかりですか。私がお会いしてきた多くの避難者の方々の誰もが福島を思い、ふるさとにもう帰らなくてよいという声を聞いたことはありません。たとえ帰らないと決めた人も同じです。発言を撤回し、謝罪すべきです。

 三月末で、災害救助法に基づく応急仮設住宅の無償提供が打ち切られました。いわゆる自主避難者の住宅確保はどのようになっているのか、伺います。

 いじめを受けているのは子供たちだけではありません。大人たちも、避難先を転々とする中で、どれほどの言葉や扱いを受けてきたか。また、子供のためにと決意したお母さんたちも、経済的困難から避難生活を続けられなくなり、しかし、帰っても周囲の目に耐えられず、再び避難先に戻った方もいます。

 子ども・被災者支援法第二条、基本理念には、被災者一人一人が他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択をみずからの意思によって行うことができると定めています。前橋地裁判決が、避難指示が解除されたからといって、帰還しないことが不合理とは言えない、そう述べたことも重要です。

 住宅支援の打ち切りが帰還の強制になってはなりません。答弁を求めます。

 避難指示が解除されると、帰還するしないにかかわらず、一年後に精神的損害に対する賠償が打ち切られます。コミュニティーを含めもとの生活に戻れず、商売が成り立たないなど、帰還しても避難を続けても、新たな困難によって被害は続いており、賠償は継続するべきです。

 また、原子力賠償紛争審査会中間指針には、避難区域の営業損害について、事故前と同等の営業活動を営むことが可能になる日まで賠償を続けることが合理的だとあります。この趣旨を生かして、営業損害の賠償も行うべきと考えますが、お答えください。

 本法案の最大の中心は、帰還困難区域の中に特定復興再生拠点区域を定め、五年後をめどに帰還できるようにするというものです。

 まず、復興拠点整備のための除染などの費用について、国の負担とするとしたのはなぜですか。除染特措法で、東京電力の負担のもとに実施するとした汚染者負担の原則に反するのではありませんか。

 安心して暮らせるためには、除染の徹底が不可欠です。そもそも帰還困難区域とは、年間積算線量が五十ミリシーベルトを超え、将来にわたって居住を制限することを原則とした地域です。これから五年も待って、年二十ミリシーベルトを下回ればよいという考えですか。周りは手つかずのまま、わずかな拠点地域のみが整備されても、一体どれだけの住民が戻れるでしょうか。もとの居住エリア全域の除染を明確にすべきです。

 そもそも、想定していなかった帰還困難区域の除染や公共事業の予算をどのように確保するのですか。復興庁もあと四年で廃止ではなく、責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。

 法案には、福島・国際研究産業都市、いわゆるイノベーション・コースト構想の推進を位置づけました。県が、廃炉、ロボット、農林水産業などの国際的な共同研究開発を進める区域を重点推進区域として定め、整備された拠点に研究者や観光客の集客を行うとしています。イノベーション・コースト構想の財政規模、国と県の負担は、それぞれどのようになりますか。

 本構想が、住民の暮らしと生業の再生、地元事業者の再建と雇用の創出にどのように寄与するのか伺います。

 最後に、福島県民は、事故収束、廃炉作業にかかわる事故の危険と絶えず隣り合わせの生活を余儀なくされています。まして、福島第二原発の再稼働の可能性を残しながら復興再生などあり得ません。全基廃炉は県議会でも繰り返し決議され、県民の意思は明確です。事業者任せではなく、原子力政策を推進してきた国みずからの責任で決断するべきです。

 以上述べて、私の質問とします。(拍手)

    〔国務大臣菅義偉君登壇〕

国務大臣(菅義偉君) 避難指示解除と復興についてのお尋ねがございました。

 先月の記者会見で私が申し上げたのは、追悼式典は当然に原発事故の被災者も含めたものであり、総理の式辞でも福島復興に触れていたということであります。解除さえすれば復興が進んでいるという趣旨ではありません。

 むしろ、避難指示の解除は、復興のゴールではなく新たなスタートです。解除後も、政府一丸となって、産業、なりわいの再建や雇用の場の確保などを進め、被災地の復興に取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 高橋議員にお答えいたします。

 前橋地裁における判決と原発事故に対する責任についてお尋ねがありました。

 先日の前橋地裁における判決については、裁判所の事実認定及び判断に規制権限の行使に関する見解を含め、国の見解と異なる点がありましたので、規制当局を含め政府部内で検討した結果、三月三十日に控訴をしたところであります。

 東電による福島第一原発の事故に係る事故処理や賠償の対応については、事故の当事者である東電が最後まで責任を持って行うという大原則のもと、国も、原子力災害からの復興について前面に立ってその役割を果たしていくとの立場に立って対応しているところであります。

 賠償についてお尋ねがありました。

 避難に伴う精神損害の賠償については、避難指示解除の時期にかかわらず、一定の金額を支払うこととしております。また、コミュニティーやなりわいの再建に向けて、政策支援もしっかりと行ってまいります。

 商工業等の営業損害賠償について、損害がある限り賠償するという方針に変わりはありません。やむを得ない特段の事情により損害の継続を余儀なくされ、事故との相当因果関係が認められる損害が一括賠償額を超過した場合には、個別の事情を確認の上、適切に対応することとしております。

 今後とも、東京電力に対して、被害者の方々の個別の状況を丁寧に把握して、公平かつ適切な賠償を行うよう、しっかりと指導してまいります。

 福島イノベーション・コースト構想についてお尋ねがありました。

 福島県浜通り地域に新たな産業の柱を創出する福島イノベーション・コースト構想の予算については、ロボットテストフィールドや産学官共同利用施設等の拠点整備、浜通り地域において内外の企業が連携して実施する研究開発支援など、平成二十九年度復興特会予算で合計約百億円を計上しているところです。これらの予算については全額国が措置をしており、今後とも、この構想を着実に推進してまいります。

 今後、復興庁等関係省庁と緊密に連携しつつ、拠点の整備のみならず、拠点を核とした産業集積の実現や周辺の環境整備、浜通り地域に進出してきた企業と地元企業とのマッチングにより、地元事業者の再建などを含め、浜通り地域における新たな産業基盤の構築を進めてまいります。

 福島第二原発の扱いについてお尋ねがありました。

 福島第二原発については、福島県の皆様の心情を察すると、これまでに新規制基準への適合性審査を申請している他の原発と同列に扱うことは難しいと認識をしております。

 その上で、まずは東京電力が、地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣今村雅弘君登壇〕

国務大臣(今村雅弘君) 先日の討論番組における私の発言についてお尋ねがありました。

 人が減り、住まなくなっていけば、ふるさとは簡単に廃れてしまいます。そうならないよう、ふるさとを復興再生するために、ぜひとも頑張っていこうではありませんかということを述べたものであります。

 そのために、個々の事情等があることはよく承知していますが、住民の方々には可能な限りふるさとに戻っていただきたいと考えており、このことは、避難指示の対象となった各自治体の首長さんたちも皆同じ思いであると認識をしております。

 政府といたしましても、そのための生活環境等の整備について、地元自治体と連携しながら、引き続き全力で進めてまいります。

 福島の自主避難者への住宅確保についてのお尋ねがありました。

 このたびの応急仮設住宅の供与の取り扱いについては、福島県が復興公営住宅の整備や住居の確保の市町村ごとの状況を踏まえて判断し、災害救助法に基づいて内閣府に協議がなされ、決定されたものであります。

 県においては、自主避難者に対する民間賃貸住宅の家賃補助、公営住宅の確保等に取り組むとともに、避難者向けの相談拠点を設置するなど、避難者に対する支援事業を実施してきております。

 復興庁としましても、住宅確保に関して、雇用促進住宅での受け入れを関係団体に協力要請し、住宅の一部提供が行われることとなったほか、国土交通省とも連携しながら、公営住宅への入居円滑化の支援を行ってきたところであります。

 県の意向調査の結果によりますと、大部分の避難者の方々は、県の支援措置等を踏まえて、四月以降の住まいの確保がなされていると承知をしております。

 応急仮設住宅の終了についてのお尋ねがありました。

 福島県においては、応急仮設住宅の供与終了後に避難を継続される方に対しても、先ほど御答弁いたしました民間賃貸住宅の家賃補助や避難者向けの相談拠点の設置などの支援事業を実施してきております。

 また、住まいの確保が未確定の方に対しては、県において引き続き個別訪問を行い、被災者一人一人の事情を伺いながら、丁寧に生活再建に向け支援を行っていくと伺っております。

 復興庁としましても、引き続き、いずれの地域であれ、避難者がそれぞれの御事情に応じて安心して自立した生活ができるよう、県が全国に設置している相談拠点への支援を行うなど、福島県と連携しつつ、必要な支援を行ってまいります。

 特定復興再生拠点の除染費用についてのお尋ねがありました。

 帰還困難区域は、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されており、こうした政府方針を前提に東京電力は賠償の支払いを実施しております。

 今回、帰還困難区域においては、こうした従来の方針から前に踏み出して、新たに住民の居住を目指す復興拠点を整備することといたしました。この整備は、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであるため、国の負担のもとで行うこととしております。

 また、復興拠点整備の一環として行う除染事業は、新たなまちづくりを進める事業の一部であることから、除染特措法ではなく、本法案に基づいて、国の負担のもとで実施すると整理しております。よって、汚染者負担の原則に矛盾するものではないと承知しております。

 特定復興拠点区域における放射線量についてのお尋ねがありました。

 改正法案では、特定復興再生拠点については、除染により避難指示解除が可能となる程度に放射線量が低下すること、これに加えて、住民の帰還や事業活動によって土地が利活用がされる見通しがあること、計画的かつ効率的な整備が可能な規模であること等を鑑み、区域を設定することといたしております。

 なお、避難指示解除を行うに当たりましては、従来どおり、地元との十分な協議を行う考えでおります。

 帰還困難区域全域の除染についてのお尋ねがありました。

 本法案は、可能なところから着実かつ段階的に帰還困難区域の復興に取り組むものとして、まずは特定復興再生拠点区域を定めて、除染やインフラ整備等を集中的に進め、避難指示解除を行い、復興再生を推進するということを具体化しているものであります。

 他方、特定復興再生拠点外を含めた帰還困難区域全体の取り扱いについては、放射線量を初め多くの課題があり、帰還困難区域を有する市町村の置かれている状況もさまざまであることから、今後の検討課題であると認識をいたしております。

 帰還困難区域の復興拠点に係る予算の確保などについてお尋ねがありました。

 復興期間の後期五年である復興・創生期間においては、被災三県の試算をもとに、今後生じ得る課題に要する費用等も考慮した上で、事業費を六・五兆円と見込み、その財源を確保したところです。

 帰還困難区域の復興拠点整備に当たっては、毎年度の予算編成において、この財源を活用して適切に計上していきたいと考えております。

 また、復興庁の設置期間は平成三十二年度末とされておりますが、福島の原子力災害被災地域の復興再生には中長期的対応が必要であり、復興・創生期間後も継続して国が前面に立って取り組む必要があると考えております。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    金田 勝年君

       農林水産大臣  山本 有二君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国土交通大臣  石井 啓一君

       環境大臣    山本 公一君

       国務大臣    今村 雅弘君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    丸川 珠代君

 出席副大臣

       復興副大臣   橘 慶一郎君


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