衆議院

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第27号 平成29年5月23日(火曜日)

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平成二十九年五月二十三日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十一号

  平成二十九年五月二十三日

    午後一時開議

 第一 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

 第六 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第七 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第二 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

 日程第六 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後三時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

笹川博義君 日程第一は延期されることを望みます。

議長(大島理森君) 笹川博義君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一は延期することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第二 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第二、地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長竹内譲君。

    ―――――――――――――

 地方自治法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔竹内譲君登壇〕

竹内譲君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地方公共団体等における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図るため、地方制度調査会の答申にのっとり、地方公共団体の財務に関する事務等の適正な管理及び執行を確保するための方針の策定等、監査制度の充実強化、地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等を行うとともに、地方独立行政法人の業務への市町村の申請等関係事務の処理業務の追加等の措置を講ずるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。

 本案は、去る五月十日本委員会に付託され、翌十一日高市総務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。十六日から質疑に入り、同日午後には地方公共団体の窓口業務改革に関し板橋区役所を視察しました。翌十七日、参考人からの意見聴取を行った後、民進党・無所属クラブより提出された修正案について趣旨の説明を聴取しました。

 去る十八日、原案及び修正案について質疑を行い、これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対して附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

議長(大島理森君) 日程第三、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案、日程第四、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案、日程第五、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環境委員長平将明君。

    ―――――――――――――

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔平将明君登壇〕

平将明君 ただいま議題となりました三案件につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案は、廃棄物の適正な処理を推進するため、廃棄物処理業の許可を取り消された者等に対する対策の強化、特定の産業廃棄物を多量に生ずる事業者への電子マニフェストの使用の義務づけ、有害使用済み機器の適正な保管等の義務づけ、一体的な経営を行う親子会社による産業廃棄物処理の特例などの措置を講じようとするものであります。

 次に、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案は、特定有害廃棄物等の国際的な取引等をめぐる状況及び我が国の再生利用等に関する技術の向上等を踏まえ、特定有害廃棄物等の輸出入等に係る規制をその実態に即したものとするため、特定有害廃棄物等の範囲の見直し、輸出先国における環境汚染防止措置についての環境大臣による確認事項の明確化、特定有害廃棄物等の輸入に係る認定制度の創設による輸入承認手続の免除などの措置を講じようとするものであります。

 次に、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件は、東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故に由来する放射性物質による環境の汚染が人の健康または生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することに資する観点から、地域における除染等の措置等や中間貯蔵、指定廃棄物の処理等の取り組みの推進を図るため、環境省に、地方支分部局として、福島地方環境事務所を設置することについて、国会の承認を求めようとするものであります。

 以上の各案件は、去る五月二日本委員会に付託され、九日山本環境大臣から提案理由の説明を聴取した後、十二日から質疑に入り、十九日に質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論を行い、採決の結果、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件は、賛成多数をもって承認すべきものと決した次第でございます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第五につき採決いたします。

 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第六 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第六、中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長浮島智子君。

    ―――――――――――――

 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔浮島智子君登壇〕

浮島智子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、中小企業の経営の改善発達を促進するため、中小企業の資金繰りを支える信用補完制度について所要の措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、大規模な経済危機、災害等により著しい信用の収縮が全国的に生じる場合に備えて、新たなセーフティーネットとして危機関連保証を創設すること、

 第二に、小規模事業者や創業者に対する支援を拡充すること、

 第三に、中小企業に対する経営支援強化のため、信用保証協会と金融機関が連携を図る旨を規定すること

等であります。

 本案は、去る五月十一日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、十二日世耕経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、十七日質疑に入り、同日参考人から意見を聴取し、十九日質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論、採決を行った結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第七 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第七、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長鈴木淳司君。

    ―――――――――――――

 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鈴木淳司君登壇〕

鈴木淳司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年における犯罪の国際化及び組織化の状況に鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結に伴い、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画の罪の新設、証人等買収罪の新設及び犯罪収益の前提犯罪の拡大等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る四月六日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、十四日金田法務大臣から提案理由の説明を聴取し、十九日から質疑に入り、同日安倍内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、二十五日には参考人から意見を聴取しました。

 五月十二日には、本案に対し、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本維新の会の共同提案により、対象犯罪が親告罪であるものに係るテロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画の罪が親告罪である旨を明記すること、同罪に係る事件についての被疑者の取り調べその他の捜査の適正の確保に関する配慮義務規定を追加すること、同罪に係る事件についての取り調べの録音、録画等に関する制度のあり方及び全地球測位システムに係る方法を用いた捜査を行うための制度のあり方についての検討規定を追加すること等を内容とする修正案が提出され、提出者から趣旨の説明を聴取いたしました。

 その後、十六日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を重ねました。十九日、質疑を終局し、採決した結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。逢坂誠二君。

    〔逢坂誠二君登壇〕

逢坂誠二君 私は、民進党の逢坂誠二でございます。

 民進党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました共謀罪法案及び同法案修正案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 今回の法務委員会の運びは極めて異常でありました。

 共謀罪法案の審議の直前、自民党内の仲間割れだったのでしょうか、与党筆頭理事が、理事懇談会の最中に突然机をたたいて席を立ち、辞任を口にするという驚くべき事態が発生しました。

 それ以降、委員長の職権の乱発が始まります。委員会の開催を職権で決めるのは日常茶飯事。委員会法案審議の全ての期間における政府参考人の登録も職権。私は、こんな強権的な委員会運営を体験したことはありません。その上、質疑三十時間で強行採決。これも異常なことでありました。

 このような荒れた状況の中で、共謀罪法案は充実した審議が行われたとは言えません。何のチェックもせずに、法案を右から左に通すことが国会の役割ではありません。今の与党を見ていると、立法府としてのチェック機能を果たさず、単なるベルトコンベヤーの役割しか果たしていないと言わざるを得ません。

 共謀罪法案をめぐり金田大臣は、答弁のできない大臣として一躍有名人になりました。大臣の背後からマスク姿の官僚が常に答弁資料を差し出す姿は、二人羽織、さらには三人羽織とやゆされる、実にお粗末な答弁でした。

 政府は、法律案の閣議決定前から、共謀罪法案をテロ等準備罪と呼び、従前の共謀罪法案とは全く別物、一般の方々は対象にならないなど、極めてよこしまなイメージ戦略を開始しました。

 金田法務大臣は、成案を得てから答弁するというせりふを繰り返しましたが、質問の意図を的確に理解しないまま、官僚が作成する答弁資料の棒読みを繰り返し、答弁が迷走、共謀罪に対する疑念を一層深めてしまったのであります。これほど充実感のない法案審議は記憶にはありません。

 ここに来て、この法案を採決できない、さらに大きなことが発生しました。世界の人権状況を調査する国連の特別報告者が、この共謀罪法案に関し、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性があるという懸念を示す書簡を十八日付で安倍総理宛てに送付したのです。

 この書簡の中で、組織的犯罪集団や計画、それに準備行為、これらの定義が曖昧なことが問題視される上、処罰対象となる二百七十七の犯罪の中には、テロや組織犯罪とは関係のないものも広く含まれ、法が恣意的に適用される危険があると指摘しています。また、法案の成立を急いでいるため、十分に公の議論がされておらずに、人権に有害な影響を及ぼすとも指摘しています。これらは、法務委員会で指摘された懸念事項とも合致する極めて重要な指摘であります。

 金田法務大臣は、共謀罪の立法事実に関し、頭の中にはたくさんあると明言しましたが、いまだにその事実が公表されず、十九日の法務委員会では、国連のTOC条約の締結だけが唯一の立法事実と認めざるを得ない状況となっています。しかし、その国連から逆に、そのための国内法整備に対して根本的な疑問が突きつけられたのであります。そこで、この立法作業は中断し、再検討すべきであります。

 ところが、この書簡に対し、菅官房長官は昨日の会見で、不適切なものであり、強く抗議を行っていると述べ、特別報告者という立場は独立した個人の資格で、国連の立場を反映するものではないと強調しました。

 しかし、これは的外れで、その場しのぎの会見と言わざるを得ません。十八日に日本政府が行った抗議によりますと、特別報告者を、国連の立場から懸念を表明したことを認めています。国内、国外でのこのようなダブルスタンダードはやめるべきであります。

 また、昨年十一月二十五日、岸信夫外務副大臣が、国連北朝鮮人権状況特別報告者の表敬を受けております。その際、岸副大臣が、特別報告者としての初の訪日を歓迎するとともに、人権の専門家として豊富な経験を有する同報告者の活動に日本として全面的に協力する旨を述べているのです。

 政府に都合のよい特別報告者は歓迎し、都合の悪い特別報告者はその存在までも否定するかの姿勢、これは政府の御都合主義とも言えるものであり、こうした政府の姿勢こそが批判されるべきものであります。

 しかも、この書簡は、菅官房長官が指摘するような一方的な内容ではありません。

 書簡では、共謀罪法案について、早まった判断をするつもりはありませんと前置きをした上で、人権理事会から与えられた権限のもと、私は担当事件の全てについて事実を解明する職責を有しておりますとし、日本政府に対し、この書簡に対する見解を求めているのです。

 つまり、この書簡は、共謀罪法案に関して、国連が一方的に断定するものではなく、特別報告者が抱く懸念について、この書簡を皮切りにして日本政府とやりとりをしたいというのがその真意だと思われます。それを一刀両断に批判し、切り捨てる菅官房長官の会見は、極めて不適切なものであります。

 私は、書簡の中の次のくだりを読んで、改めて我々の主張の正当性を確認すると同時に、日本政府に突きつけられた国連からの厳しい指摘にショックを受けております。

 要請があれば、国際法秩序と適合するように、日本の現在審議中の法案及びその他の既存の法律を改善するために、日本政府を支援するための専門知識と助言を提供することを謹んでお受けいたします、こう述べているわけであります。

 つまり、共謀罪法案は、国際法秩序に適合していないと指摘されたも同然であると同時に、国連特別報告者としては、日本政府の法律立案能力が十分ではないとの認識を示したのであります。法治国家日本として、極めて不名誉な指摘を受けてしまいました。

 国連特別報告者からのこうした極めて重要な書簡を的外れな批判で葬り去るのではなく、ここで法案審議を中断し、指摘された事項について真摯な姿勢で検討し、法案提出を再考することこそが、今、政府に求められているのです。

 こうした点からも、この時点での共謀罪法案の採決はすべきではないことを強く主張させていただきます。

 以上が、政府提出法案、修正案及び採決に反対する主な理由です。

 また、この法案に賛成しようとする皆さんに改めてお考えをいただきたいのであります。

 国連の特別報告者が、共謀罪法案は人権への悪影響が懸念され、国際法秩序に合致しないことを指摘しています。共謀罪法案は、悪法、欠陥法なのであります。それにあえて賛成するのであれば、後世に賛同者として確実に御自身の名前を残し、歴史の厳しい洗礼を受ける覚悟で賛同していただきたいと思います。それが立法府の一員としてのせめてもの矜持だと思います。また、その覚悟が持てないなら、確実に反対を表明されるべきであります。

 問題点がいまだ尽きていない法律案を我が院で可決することは、将来に禍根を残すことを指摘し、私の反対討論を終了させていただきます。

 御清聴ありがとうございます。(拍手)

議長(大島理森君) 平口洋君。

    〔平口洋君登壇〕

平口洋君 自由民主党の平口洋です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるテロ等準備罪処罰法案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 冒頭、現地時間二十二日夜、英国マンチェスターのコンサート会場における爆発で、少なくとも十九人の方々がお亡くなりになったと報道されている事件につきまして、亡くなられた方々に対し、衷心より哀悼の誠をささげます。また、けがをされた方々には、心からお見舞いを申し上げます。

 英国の警察は、テロの可能性もあるとして捜査をしていると報道されています。政府におかれましては、早急に情報収集を行うなど適切な対応をお願いしたいと思います。

 御承知のとおり、テロは世界各地で発生し、日本人も犠牲になる中、三年後である二〇二〇年に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会の安全な開催は、開催国の極めて重大な責務であります。テロを含む組織犯罪を未然に防止し、これと闘うための国際協力を促進するための国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約の締結は急務であります。

 法務委員会では、野党の議員や一部の参考人から、現行法のまま何らの法整備をしなくてもTOC条約を締結することは可能であるなどという見解が示されました。しかし、TOC条約を締結するために、重大な犯罪の合意罪または参加罪のいずれか一方の犯罪化が必要であることは、TOC条約第五条の記載ぶりからはもちろん、本年四月に発出された国連薬物犯罪事務所からの口上書からも明らかであります。

 テロ等準備罪は、かつて政府が提出した組織的な犯罪の共謀罪における国会審議等において示されていた不安や懸念を踏まえて立案したものです。

 まず、対象となる団体を明文で組織的犯罪集団に限定しました。また、対象犯罪についても、長期四年以上の懲役、禁錮を定める罪のうち、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるものをリスト化しました。さらに、犯罪の計画行為だけでは処罰されず、実行準備行為があって初めて処罰の対象となることを明確にしました。

 これにより、テロ等準備罪については、一般の方々が処罰の対象にならないことが一層明確になり、かつての不安や懸念は十分に払拭されました。このことは、刑事法の専門家である井田参考人が、テロ等準備罪の成立には、主体の限定に加えて、計画行為プラス実行準備行為という三重の限定がかけられたもので、訴追、立証のハードルはかなり高いものであると述べられたことからも裏づけられたものと言えます。

 しかし、法務委員会においては、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象になるのではないかとの懸念が示されました。これに対しては、政府が繰り返し丁寧に答弁し、組織的犯罪集団とかかわりのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は、テロ等準備罪の捜査の対象にならないことも明らかになりました。

 さらに、法務委員会では、三十六時間を超える審議時間を費やして、TOC条約締結の必要性、本法案の目的、かつての組織的な犯罪の共謀罪とテロ等準備罪との違い、組織的犯罪集団、計画行為、実行準備行為という各要件、対象犯罪の絞り込み方法、テロ等準備罪の捜査のあり方などについて、一つ一つ丁寧に質疑がなされました。

 野党の要望に応える形で、内閣総理大臣、外務大臣、国家公安委員会委員長出席のもとでの質疑を行ったほか、有識者を招いた参考人質疑も二度にわたり行われ、非常に充実した審議が行われました。

 また、自民、公明、維新の三党共同で修正をしたことで、より充実し、より幅広く国民から支持される内容となったものと確信しております。

 なお、五月十八日、国連人権理事会のプライバシーの権利特別報告者は、日本政府に対する公開書簡を発出し、本法案について、プライバシーの権利や表現の自由を損なうおそれがあるとの懸念を表明したと承知しております。

 しかし、同書簡は、日本政府が直接説明する機会がないまま一方的に発出されたものです。また、その内容を見ても、本法案の内容を正しく理解した上で作成しているとは思えません。

 既に政府は、特別報告者に対し、一方的に発出された当該書簡に対し強い抗議を行ったと承知しておりますが、さらに適切かつ詳細に反論していただきたいと思います。

 また、そもそもプライバシーの権利特別報告者は、独立した個人の資格で調査、報告を行うもので、国連の立場を反映するものではありません。国連は、累次の決議等により表明されているとおり、未締結国に対し本条約の早期締結と実施を求めるものであることを改めて指摘したいと思います。

 以上を踏まえて、本法案への御賛同を心よりお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 藤野保史君。

    〔藤野保史君登壇〕

藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、組織犯罪処罰法改正案、いわゆる共謀罪法案について、断固反対の討論を行います。(拍手)

 まず、十九日の法務委員会での強行採決に満身の怒りをもって抗議します。

 自由と民主主義がかかった重大法案であるにもかかわらず、本法案の審議は全く尽くされていません。法務大臣がまともに答弁できず、国民の約八割が説明が不十分だという法案を数の力でごり押しすることは、国民の代表機関である国会の役割をみずから否定するものであり、断じて認められません。

 法案に反対する理由の第一は、本法案が、具体的に危険な行為があって初めて処罰するという近代刑事法の大原則を覆し、日本国憲法が保障する思想、良心の自由、表現の自由などを侵害する違憲立法そのものだということです。

 五月十八日、国連人権理事会が任命した国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・カナタッチ氏から、本法案がプライバシー権や表現の自由への過度の制限になると強く懸念する書簡が安倍総理に届けられました。

 菅官房長官は、この指摘は全く当たらない、強く抗議するなどと述べましたが、共謀罪が必要な理由として国際条約の締結や国際社会との連携をあれほど強調しておきながら、当の国際社会、国連から問題を指摘されるや、全く当たらないなどと切り捨てるその姿勢は御都合主義そのものであり、到底許されるものではありません。

 国連特別報告者はこう指摘しています。これだけ拙速に深刻な欠陥のある法案を押し通すことを正当化することは絶対にできません、今こそ日本政府は、立ちどまって内省を深め、世界基準の民主主義国家としての道に歩を進めるべきときです。

 安倍政権は、この指摘を重く受けとめ、国連と協議を行うべきであり、採決強行をするなど絶対に許されません。

 第二に、本法案について政府は、テロ対策のため、一般人は対象にならないなどと説明してきましたが、今やその説明はぼろぼろです。

 国際組織犯罪防止条約を締結するための国連立法ガイド作成の中心人物であるニコス・パッサス米ノースイースタン大学教授は、条約の目的はテロ対策ではないと断言しています。同条約の作成過程では、日本政府初めG8のほとんどの国が、テロリズムは本条約の対象とすべきでないと主張していました。当事者の証言からも条約作成の経過からも、本条約がテロ防止条約でないことは明らかです。

 日本は既に、テロ防止のための十三本の国際条約を締結し、六十六の重大犯罪について、未遂より前の段階で処罰できる国内法を整備しています。日本弁護士連合会が指摘するとおり、同条約の締結に共謀罪の新設は不要です。

 政府は、組織的犯罪集団や実行準備行為を要件としているから内心を処罰するものではないと主張していますが、いずれも判断するのは警察です。

 実行準備行為について、花見と下見は外形上区別できないではないかと聞くと、金田大臣は、ビールと双眼鏡など、外形上区別できると強弁しました。しかし、それでは区別にならないではないかと聞くと、今度は、計画に基づくかどうかで判断すると言い出しました。

 外形上判断できると説明してきたのに、結局は、計画、すなわち内心でしか区別できないことをみずから認めたものにほかなりません。内容も答弁もぼろぼろの本法案は直ちに廃案にすべきです。

 第三に、本法案は、物言えぬ監視社会をつくり出す現代版治安維持法であり、安保法制、戦争法、特定秘密保護法、盗聴法などと一体となって、日本を戦争する国に変質させるものです。

 質疑の中で、岐阜県大垣署の市民監視事件や堀越事件など、警察による監視活動の実態が明らかになりました。警察は、裁判でみずからの活動の違法性が認定されても謝罪も反省もせず、適正な職務執行だったと開き直っています。ここに共謀罪が新設されたらどうなるのか。警察が今以上に大手を振って一般市民の監視に乗り出すことは火を見るよりも明らかです。

 今、戦争法、原発再稼働、TPP、沖縄の米軍新基地建設など、安倍政権の暴走に対して物言う市民が声を上げ、野党と市民の共同が広がり、新しい日本の民主主義が動き始めています。

 安倍総理による九条改憲発言は、本法案が戦争する国づくりの一環であることを改めて浮き彫りにし、広範な市民が怒りの声を上げています。共謀罪は、日本の民主主義の発展を恐れ、物言う市民を萎縮させようとするものです。しかし、この新しい民主主義の流れを押しとどめることは絶対にできません。

 法務委員会に続いて、この本会議場でも共謀罪法案の採決を強行するならば、虚構の多数で暴走する安倍政権への怒りがさらに沸き上がり、安倍政権打倒のうねりとなって広がることになるでしょう。

 私たち日本共産党は、法案採決に断固反対するとともに、多くの市民とかたく連帯して、必ず本法案を廃案に追い込む、この決意を表明して、反対討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 吉田宣弘君。

    〔吉田宣弘君登壇〕

吉田宣弘君 公明党の吉田宣弘です。

 私は、ただいま議題となりました組織的犯罪処罰法改正案、いわゆるテロ等準備罪処罰法案並びに自由民主党、公明党及び日本維新の会の共同提出による修正案について、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 冒頭、二十三日に英国マンチェスターで発生した爆発事件に関し、仮にこれがテロであった場合、このような卑劣なテロ行為は断じて許すことができず、断固として非難します。また、お亡くなりになられた方々及びその御遺族の方々に心からの哀悼の意を表し、負傷者の方々の一日も早い回復を祈念いたします。

 国際社会においても我が国においても断じてテロを起こさせてはならないとの決意を表明し、英国の国民の皆様に思いをいたしながら、以下、本法案に賛成する主な理由を申し述べます。

 まず、テロ等準備罪の国内法整備はTOC条約締結に不可欠であるからです。

 テロリストは国境を越えて活動します。テロなどの国際的に重大な組織犯罪の発生を未然に防ぐためには、緊密な国際協力が不可欠です。この国際協力を飛躍的に強化させることができる条約が国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約です。本法律案が成立し、TOC条約を締結できれば、捜査当局同士の直接のやりとりによる捜査共助の迅速化、日常的な情報交換の促進、さらには本条約に基づく逃亡犯罪人引き渡しの請求をすることが可能になります。

 この点、TOC条約締結には、特段の国内法整備は不要であるとの意見があります。しかし、この条約を所管する国連薬物犯罪事務所、UNODCの立法ガイドは、明確かつ具体的に国内法の整備のあり方を記載しておりますし、法務委員会の審議において明らかにされたUNODCの口上書からも、重大な犯罪の合意罪、すなわちテロ等準備罪の創設が不可欠であることが確認できたところです。

 そもそも、TOC条約は、留保を付さずに締結するものとして国会に提示をされ、その承認について社民党を除く各党が賛成をしています。国内法整備が不要であるとの意見は全く理解に苦しむところでございます。

 また、FATF勧告を充足する環境整備を行うことも重要です。

 FATFは、マネーロンダリング、テロ資金の国際基準づくりを行うための多国間の枠組みです。FATFでは、日本に対しTOC条約の締結の履行が勧告されています。不履行の場合には、我が国の国際社会における信用低下のみならず、海外金融機関との取引拒絶や契約解除など国内の金融活動に支障が生じるおそれがあります。TOC条約を締結し、FATF勧告の履行状況を改善させることで、国際金融取引における信用維持に向けた日本の取り組みを国際社会に示すことができ、今述べたようなおそれを回避することができます。

 次に、テロ等準備法案は、国民の不安や懸念を払拭するのに十分な処罰範囲の限定と明確化が図られていることを申し述べます。

 一点目は、構成要件が厳格に規定されている点です。

 まず、犯罪主体を、重大な犯罪の実行を結合の目的とする組織的犯罪集団に法文で明確に限定しています。そして、行為は、具体的、現実的な計画と、それに基づく準備行為を必要としています。この三重の限定により、組織的犯罪集団とのかかわりのない一般の方々が処罰されることはなく、従前政府が提出した共謀罪に対し示された、内心の自由を害するのではないかとの懸念も払拭されております。

 二点目は、本法案は、我が党の意見も踏まえ、対象犯罪を、六百七十六から、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される二百七十七の罪に限定されている点です。

 TOC条約は、処罰範囲を組織的犯罪集団が関与するものに限定することを許していますが、このオプションを最大限活用し、対象犯罪の限定が達成されています。

 この点、本法案の対象犯罪につき、例えば、保安林窃盗罪が規定されていることを捉えて、キノコ狩りで処罰されるといった議論がありました。しかし、保安林窃盗罪に関して、組織的に重機を駆使し、山砂を違法採取して四千万以上の違法収益を上げた事案が実際に摘発されています。このような現実的な事例があるにもかかわらず、わざわざキノコ狩りという不適切な事例を用い国民の不安をあおる、まさに印象操作のための議論であると言わざるを得ません。

 次に、本法案の運用面に関し申し述べます。

 法案審議の中で、一般の方々が捜査の対象になるのではないかとの懸念が示されました。しかし、捜査は、任意捜査、強制捜査を問わず、犯罪主体が、組織的犯罪集団に限定されている以上、これとかかわりのない一般の方々に犯罪の嫌疑が発生する余地はなく、捜査の対象になることは考えられません。

 また、本法案の成立により一億総監視社会になるとか、LINEもできない共謀罪などといった批判、主張がありました。しかし、テロ等準備罪は通信傍受法の対象犯罪ではなく、LINEやメールが本罪の嫌疑を理由に傍受されることはありません。また、本法案は、手続法ではなく実体法の改正であって、テロ等準備罪の新設は現在の捜査のあり方に何ら影響を与えるものでもありません。しかも、捜査機関が一億人を常時監視するのにどれほどのコストとマンパワーが必要になるのか。余りに非現実的な主張であります。

 法的根拠に基づかないレッテル張りによって国民の不安をあおり、その自由な言論活動を萎縮させる暴挙を行っているのは一体誰なのか。一部の野党諸君には猛省を促すものであります。

 一方、実体法たる本法案に関して、手続面たる捜査の適正についても多くの時間が費やされた審議の経緯を踏まえ、自由民主党、公明党、日本維新の会による修正案により、本法案の本則に捜査の適正確保への配慮規定が追加されたことは高く評価されるべきです。

 なお、本法案を治安維持法と同視するような荒唐無稽な主張もありました。しかし、治安維持法は、国体を変革することを目的とした結社を処罰し、その執行において拷問や司法手続を経ない拘束までもが行われた悪法です。本法案とその内容が根本的に異なります。しかも、治安維持法の問題は、旧憲法下での制度、戦時体制が前提となっています。成熟した民主主義と司法手続、マスコミ等により監視が行き届いている現在、治安維持法と同様の問題が生じる可能性は皆無です。不見識きわまりない主張であると断じざるを得ません。

 このように、一部の野党から、本質から外れた、国民の不安をいたずらにあおる主張が繰り返し述べられたことはまことに残念ではありますが、本法案は、既に三十時間以上の審議に加え、十人もの参考人から意見の聴取を行い、本法案の必要性、構成要件の明確化、捜査の適正など充実した審議が行われました。速やかに議決され、国民からテロ等の重大犯罪による脅威を取り除くべきです。

 最後に、我が国は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会や、二〇一九年ラグビーワールドカップを目前に控えています。日本がテロの標的になる可能性を否定できない国際情勢の中で、国際標準として百八十七の国・地域が締結しているTOC条約を早期に締結し、テロを含む組織犯罪から国民と来日する外国の方々を守るための法整備を行うことは、国家として当然の責務です。

 国境を越えて行われるテロ等に対し、日本が法の抜け穴になってはなりません。また、本法案は、高齢者などの財産を侵害してきたオレオレ詐欺など特殊詐欺犯罪の未然防止にも役立ちます。

 公明党は、与党の一員として、断じて国民を守り抜くとのかたい決意のもと、政策立案に全力を尽くすことをお誓い申し上げ、賛成討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 松浪健太君。

    〔松浪健太君登壇〕

松浪健太君 日本維新の会の松浪健太です。

 私は、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案及び修正案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 我が党は、本法案の立法措置の必要性については当初から認める一方、政府案のままでは、人権保障の点でも犯罪抑止の点でも課題があったと考えます。仮に法案を車に例えますと、いわば、ブレーキのききが悪く、エンジンはチューンナップの必要性がある状態でありました。

 まず、人権保障について。

 テロ等準備罪は、具体的な法益侵害がなくとも、その計画と準備行為を処罰するものです。したがって、取り調べ等では物証よりも自白が重視される可能性が高くなります。

 このため、我が党は、取り調べの過程を録音、録画する、いわゆる取り調べの可視化をテロ等準備罪について実施すべきと主張しました。組織犯罪と関係のない一般の方々が万一取り調べられても、それがしっかり録音、録画されることになっていれば、警察や検察はこの犯罪への対応には特に慎重にならざるを得ません。

 そこで、我が党は、修正案を作成し、与党との協議に臨みました。

 今回の修正案では、可視化について三つの担保が確保されました。

 第一に、本則では、「取調べその他の捜査を行うに当たっては、その適正の確保に十分に配慮し」、これが明記をされました。可視化を含め、取り調べの適正化を図ることを本則に定めました。

 第二に、附則で、刑訴法の可視化に関する検討には、特にテロ等準備罪について可及的速やかに検討すべきことが明記をされました。

 第三に、附帯決議において、テロ等準備罪については、取り調べ等の録音、録画をできる限り行うよう努めることとしました。

 以上の修正で、政府案による法執行が暴走しないよう、一定のブレーキを設けることができたものと考えます。

 政府は、この修正の趣旨を十分に踏まえ、本法施行後、テロ等準備罪の取り調べでは、実質上、可視化が義務づけされたと捉えるべきであります。

 次に、犯罪抑止に関する問題点です。

 テロを含む組織犯罪への対策として、ほかの先進国と比べて日本の捜査方法に制約が大きいことも課題であります。

 特に、先般の最高裁判決で令状なしのGPS捜査が違法と判断されたことへの対応は喫緊の課題です。最高裁も、GPS捜査を行うならば立法措置が望ましいと指摘をしています。修正案では、この判決を踏まえ、本法の施行後可及的速やかに、GPS捜査に関する制度の検討等を行うこととしております。

 最後に、対象犯罪が親告罪である場合には、準備罪についても親告罪であることを明記する修正を行っております。この点、特に著作権法について、コミケの二次創作等に対する萎縮効果も指摘をされておりましたが、準備罪も告訴が必要な点では、著作権法と同様であることが確認をされました。これも、国民の安心感につながる修正であります。

 以上の修正により、本法が、テロ等の組織犯罪からも、政府による違法、不当な捜査、取り調べからも、国民を守る方向で改善されたものと考えます。

 今後も、本法案の運用や見直しに当たり、日本国民を犯罪の被害からも政府の人権侵害からも守るべく、真剣に努力していくことをお約束して、賛成討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百五十九

  可とする者(白票)      三百三十八

  否とする者(青票)       百二十一

議長(大島理森君) 右の結果、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君

青山  周平君   赤枝  恒雄君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君

秋元   司君   秋本  真利君   浅尾 慶一郎君   麻生  太郎君

穴見  陽一君   甘利   明君   安藤   裕君   井上  信治君

井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君   伊藤 信太郎君

伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君   池田  道孝君

池田  佳隆君   石川  昭政君   石崎   徹君   石田  真敏君

石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君   稲田  朋美君

今枝 宗一郎君   今津   寛君   今村  雅弘君   岩田  和親君

岩屋   毅君   うえの賢一郎君   江崎  鐵磨君   江渡  聡徳君

江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  利明君   小倉  將信君

小此木 八郎君   小里  泰弘君   小田原  潔君   小野寺 五典君

小渕  優子君   尾身  朝子君   越智  隆雄君   大岡  敏孝君

大串  正樹君   大隈  和英君   大塚  高司君   大西  英男君

大西  宏幸君   大野 敬太郎君   大見   正君   岡下  昌平君

奥野  信亮君   鬼木   誠君   加藤  鮎子君   加藤  勝信君

加藤  寛治君   梶山  弘志君   勝沼  栄明君   勝俣  孝明君

門   博文君   門山  宏哲君   金子  一義君   金子 万寿夫君

金子 めぐみ君   金子  恭之君   金田  勝年君   上川  陽子君

神谷   昇君   神山  佐市君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   河井  克行君   河村  建夫君   神田  憲次君

菅家  一郎君   木内   均君   木原  誠二君   木原   稔君

木村  太郎君   木村  弥生君   城内   実君   黄川田 仁志君

岸   信夫君   岸田  文雄君   北川  知克君   北村  茂男君

北村  誠吾君   工藤  彰三君   熊田  裕通君   小泉 進次郎君

小島  敏文君   小林  鷹之君   小林  史明君   小松   裕君

古賀   篤君   後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君

高村  正彦君   國場 幸之助君   今野  智博君   左藤   章君

佐々木  紀君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君

齋藤   健君   斎藤  洋明君   坂井   学君   坂本  哲志君

櫻田  義孝君   笹川  博義君   塩谷   立君   柴山  昌彦君

島田  佳和君   下村  博文君   白須賀 貴樹君   新谷  正義君

新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君   助田  重義君

鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君   鈴木  淳司君   鈴木  貴子君

鈴木  憲和君   鈴木  隼人君   瀬戸  隆一君   関   芳弘君

園田  博之君   田所  嘉徳君   田中  和徳君   田中  英之君

田中  良生君   田野瀬 太道君   田畑   毅君   田畑  裕明君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

高木  宏壽君   高鳥  修一君   高橋 ひなこ君   竹下   亘君

竹本  直一君   武井  俊輔君   武田  良太君   武部   新君

武村  展英君   橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君

谷川  とむ君   谷川  弥一君   津島   淳君   辻   清人君

土屋  品子君   土屋  正忠君   寺田   稔君   とかしきなおみ君

土井   亨君   冨樫  博之君   渡海 紀三朗君   冨岡   勉君

豊田 真由子君   中川  郁子君   中谷   元君   中谷  真一君

中根  一幸君   中村  裕之君   中山  展宏君   中山  泰秀君

永岡  桂子君   長尾   敬君   長坂  康正君   長島  忠美君

二階  俊博君   丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君   西川  公也君

西村  明宏君   西銘 恒三郎君   額賀 福志郎君   根本   匠君

根本  幸典君   野田  聖子君   野田   毅君   野中   厚君

葉梨  康弘君   萩生田 光一君   橋本   岳君   橋本  英教君

馳    浩君   鳩山  二郎君   浜田  靖一君   林   幹雄君

原田  憲治君   原田  義昭君   比嘉 奈津美君   平井 たくや君

平口   洋君   平沢  勝栄君   ふくだ 峰之君   福井   照君

福田  達夫君   福山   守君   藤井 比早之君   藤丸   敏君

藤原   崇君   船田   元君   古川   康君   古川  禎久君

古田  圭一君   古屋  圭司君   星野  剛士君   細田  健一君

細田  博之君   堀井   学君   堀内  詔子君   前川   恵君

前田  一男君   牧島 かれん君   牧原  秀樹君   松島 みどり君

松野  博一君   松本   純君   松本  剛明君   松本  文明君

松本  洋平君   三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君

御法川 信英君   宮内  秀樹君   宮川  典子君   宮腰  光寛君

宮崎  政久君   宮澤  博行君   宮路  拓馬君   宮下  一郎君

武藤  容治君   務台  俊介君   宗清  皇一君   村井  英樹君

村上 誠一郎君   望月  義夫君   茂木  敏充君   森   英介君

森山   裕君   八木  哲也君   保岡  興治君   簗   和生君

山際 大志郎君   山口  俊一君   山口  泰明君   山口   壯君

山下  貴司君   山田  賢司君   山田  美樹君   山本  公一君

山本  幸三君   山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君

吉川  貴盛君   吉野  正芳君   義家  弘介君   和田  義明君

若狭   勝君   若宮  健嗣君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君

赤羽  一嘉君   井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君

石井  啓一君   石田  祝稔君   稲津   久君   上田   勇君

浮島  智子君   漆原  良夫君   江田  康幸君   大口  善徳君

太田  昭宏君   岡本  三成君   北側  一雄君   國重   徹君

輿水  恵一君   佐藤  茂樹君   佐藤  英道君   斉藤  鉄夫君

高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君   角田  秀穂君

遠山  清彦君   富田  茂之君   中川  康洋君   中野  洋昌君

浜地  雅一君   濱村   進君   樋口  尚也君   真山  祐一君

桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君   足立  康史君   井上  英孝君

伊東  信久君   浦野  靖人君   遠藤   敬君   小沢  鋭仁君

河野  正美君   木下  智彦君   椎木   保君   下地  幹郎君

谷畑   孝君   馬場  伸幸君   松浪  健太君   丸山  穂高君

吉田  豊史君   亀井  静香君   小泉  龍司君   長崎 幸太郎君

長島  昭久君   武藤  貴也君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君   赤松  広隆君

荒井   聰君   井坂  信彦君   井出  庸生君   石関  貴史君

泉   健太君   今井  雅人君   江田  憲司君   枝野  幸男君

小川  淳也君   小熊  慎司君   緒方 林太郎君   大串  博志君

大島   敦君   大西  健介君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥野 総一郎君

落合  貴之君   柿沢  未途君   金子  恵美君   神山  洋介君

菅   直人君   木内  孝胤君   吉良  州司君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   岸本  周平君   北神  圭朗君   黒岩  宇洋君

玄葉 光一郎君   小宮山 泰子君   小山  展弘君   後藤  祐一君

郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君

坂本 祐之輔君   重徳  和彦君   階    猛君   篠原   豪君

篠原   孝君   鈴木  克昌君   鈴木  義弘君   田島  一成君

田嶋   要君   高井  崇志君   高木  義明君   武正  公一君

玉木 雄一郎君   津村  啓介君   辻元  清美君   寺田   学君

中川  正春君   中島  克仁君   中根  康浩君   長妻   昭君

西村 智奈美君   野田  佳彦君   初鹿  明博君   原口  一博君

伴野   豊君   平野  博文君   福島  伸享君   福田  昭夫君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細野  豪志君   馬淵  澄夫君

前原  誠司君   牧   義夫君   升田 世喜男君   松木けんこう君

松田  直久君   松野  頼久君   松原   仁君   水戸  将史君

宮崎  岳志君   村岡  敏英君   本村 賢太郎君   山尾 志桜里君

山井  和則君   柚木  道義君   横路  孝弘君   横山  博幸君

笠   浩史君   鷲尾 英一郎君   渡辺   周君   赤嶺  政賢君

池内 さおり君   梅村 さえこ君   大平  喜信君   笠井   亮君

穀田  恵二君   斉藤  和子君   志位  和夫君   清水  忠史君

塩川  鉄也君   島津  幸広君   田村  貴昭君   高橋 千鶴子君

畑野  君枝君   畠山  和也君   藤野  保史君   堀内  照文君

真島  省三君   宮本  岳志君   宮本   徹君   本村  伸子君

上西 小百合君   川端  達夫君   中村 喜四郎君   仲里  利信君

野間   健君

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    金田 勝年君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       環境大臣    山本 公一君


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