衆議院

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第5号 平成29年11月20日(月曜日)

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平成二十九年十一月二十日(月曜日)

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 議事日程 第四号

  平成二十九年十一月二十日

    午後一時開議

 一 国務大臣の演説に対する質疑

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本日の会議に付した案件

 国務大臣の演説に対する質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

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 国務大臣の演説に対する質疑

議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。枝野幸男君。

    〔枝野幸男君登壇〕

枝野幸男君 立憲民主党代表の枝野幸男です。(拍手)

 立憲民主党は、十月三日に結党した、二カ月にも満たない新しい政党です。このままでは選択肢がない、私たちの声に耳を傾ける受け皿をつくってほしい、そんな多くの声をいただき、背中を押されてつくった政党です。

 特定の価値観を上から押しつけるトップダウン型の政治ではなく、国民の皆さんの草の根からの声に支えられたボトムアップ型の政治へ。日本の民主主義を、右でも左でもなく、前へ。真っ当な政治を取り戻したい。私は、そう決意し、立憲民主党を立ち上げました。

 さきの総選挙は、結党から一週間で公示され、二十日後の二十二日が投票日でした。にもかかわらず、比例区では一千万を超える票をいただきました。短期間でこんなにも多くの皆さんに御期待をいただけるとは、正直思っていませんでした。私自身も含めて、この国の政治が国民の皆さんからいかに遠く離れていたのか、そのことにいかに多くの皆さんがいら立ちを感じておられたのか、御期待をいただけばいただくほど痛切に感じる選挙戦でした。

 立憲民主党は、国民の皆さんにお約束したとおり、数合わせの権力ゲームと受け取られかねない、永田町の内側を向いた政治ではなく、筋を通し、国民の皆さんとともに歩む真っ当な政治を一歩ずつ進めていきます。

 立憲民主党が目指す社会。それは、多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会です。誰か人のためにと思ってすることが、めぐりめぐって自分に返ってくる。情けは人のためならずということわざがあるように、私たちの社会は、そんな寛容で相互に支え合う社会であったはずです。

 ところが、バブル崩壊以降、自由競争、規制緩和、自己責任、こうした言葉が、政治の側からも含めて、繰り返し語られるようになりました。結果として、行き過ぎた競争が過酷な労働環境につながり、過労自殺やスキーツアーバスの事故など、悲惨な事態を招いています。格差の拡大と自己責任に名をかりたエゴイズムが、社会を分断して、ヘイトスピーチという深刻な問題まで生んでいます。

 競争だけでは、社会は回らず、経済も発展しません。公正で公平なルールがあり、そのルールが守られている中で競争する。だからこそ、社会は安定し、発展します。誰がその公平公正なルールをつくり、守らせるのか。まさに政治の役割です。

 誰にでも、自分の力だけではどうにもならないことが必ずあります。今は勝ち組で、自分の力だけで生きていると思っている人でも、いつ不慮の病気や事故に見舞われるかわかりません。政治は、そのときのためにあります。自己責任を過度に強調してあおるとしたら、それは政治の責任放棄です。

 立憲民主党は、本来の政治を取り戻します。

 豊かさを社会全体で公正に分かち合い、将来の不安を小さくしていくことでこそ、社会の活力を生み出します。一人一人の違いを互いに認め合うことでそれぞれの持ち味が発揮される、そんな社会を築き上げます。こうした社会をつくることで多くの人が幸せを実感できる。私は、そう信じています。

 バブル崩壊以降、長期にわたる経済の閉塞状況の原因は、国民の所得を削り、中間層を激減させたことによる個人消費の低迷にあります。

 消費性向は、所得が高いほど低い。経済のイロハのイです。中間層が減って、その分貧困層がふえれば、購買力がないために消費は減少します。高所得者がわずかばかりふえ、さらに豊かになっても、限界消費性向が低いために、消費の大きな拡大にはつながりません。

 消費性向の高い、所得の低い人から所得の底上げを図る。そのことで消費を喚起できます。苦しい中で頑張っている人を支えるという社会政策的観点だけではありません。消費不況を脱出し、経済と社会を活性化させるために、私たちは、分厚い中間層を取り戻すという草の根からの経済再生を進めてまいります。

 待機児童の問題が深刻です。介護サービスも不足しています。背景には、低賃金による保育士や介護職員の人手不足があります。

 賃金も含めて、価格は需要と供給のバランスで決まるのが真っ当な資本主義です。需要に対して供給が大幅に不足している保育士や介護職員などの賃金は、大幅に引き上がるのが当然です。

 私たちは、限られた公的な予算、財源を、こうした分野の人件費に最優先で回すことを強く求めます。

 低賃金だった介護職員や保育士の給料が上がれば、それが消費に回って、内需拡大にもつながります。出生率の上昇も、結果的に消費を拡大させます。老後の安心が高まれば、老後のための蓄えが消費へ回る可能性が出てきます。景気対策としても有効なのです。

 災害復旧や老朽化設備の補修など、公共事業の中にも急ぐべきものが確かにあります。しかし、優先順位の低い公共事業については、それを我慢してでも、介護職員や保育士など、低賃金であるために人手不足の公的サービス分野、この分野での賃金引き上げを急ぐべきであります。

 幼児教育の無償化は、社会全体で子供の育ちを支援するという観点から、私たちも賛成です。

 大切なのは、全ての子供がひとしく対象であるということであります。親の年収や施設の種類で限定や差異をつけるべきではありません。

 所信表明でおっしゃった、全ての子供たちというのは、限定や差異なく無償化するとしか受け取れませんが、総理に確認をいたします。

 待機児童問題が解消されないままに無償化を進めれば、保育所に入れない人が無償化の恩恵も受けられないという二重の不利益をこうむることになります。

 待機児童問題の解決こそが先行すべきであり、そのためにも保育士の賃金引き上げを急ぐべきです。

 所信表明では、二〇二〇年までに三十二万人分の受け皿整備を進めるとしています。しかし、本当にこれで待機児童問題が解消するとは思えません。また、具体的にどのような手段で受け皿整備を進めるのでしょうか。総理の見解をお尋ねします。

 今五十三歳の私が大学生のころにも、奨学金を借りていた同級生はいました。しかし、それは一部に限られていました。多くの人たちが奨学金を借りずに大学に進学できた。そんな時代が、わずか三十年ほど前にありました。

 意欲と能力のある子供にしっかりとした学ぶ機会をつくることで、未来を担う人材が育ちます。

 高等教育の無償化に関して、いわゆる出世払い方式の奨学金を導入しようとしているとの報道があります。しかし、出世払いにしても、借金であることには変わりありません。大学の授業料や入学金は大幅に上昇しており、借り入れを要する奨学金の額そのものが大きくなっています。無償化の対象を恣意的に選別するとの動きも伝えられています。

 本当に、恣意的な選別なく、真の無償化が進むのか。その具体策について、総理にお尋ねをいたします。

 格差が拡大をしている背景には、労働法制の行き過ぎた緩和があります。

 いつ首になるかわからない非正規などで、年収二百万円以下の方が一千百万人います。その結果、結婚して、家庭を持って、子供を産み育てて、そんな夢すら持てない若者が少なからず生まれています。これでは、社会の活力が生まれるはずもなく、消費低迷や人口減少に歯どめがかかるとも思えません。

 加えて、この国にはサービス残業というおかしな言葉があります。残業代を支払わなければ、明白な違法行為、違法残業です。

 働き方改革を言うならば、まずは今の労働法制を厳しく守らせることが前提です。サービス残業という違法行為をやめさせ、過労死や過労自殺を根絶させるべきです。

 違法残業がまかり通っている中で、残業代を払わない方向での法改正、いわゆる残業代ゼロ法案を進めるのは、全く方向が逆です。

 働いたらその分だけきちっと給料がもらえる、真っ当な仕組みをつくりましょう。希望すれば正社員で働けるという、三十年前には当たり前だった真っ当な社会を、私たちは粘り強く求めていきます。

 正社員として働ける方向へ、かつての民主党政権は労働契約法を改正しました。期間従業員などが同じ会社で通算五年を超えて働いた場合、無期雇用に転換できるという五年ルールの導入です。

 ところが、この適用を受けないよう、社内ルールを変更した大手企業の存在が明らかになりました。制度の趣旨を骨抜きにするようなルール変更に対して、政府は厳しく指導すべきと考えますが、総理の見解をお尋ねします。

 社会の下支えと底上げには、地方の活力を取り戻すことが不可欠です。

 それぞれの持ち味を生かし、地方の活力を引き出す上で、地方の自由度がより高い一括交付金を復活させるべきと考えます。総理の見解を求めます。

 また、地方の活性化には、農業政策が重要です。

 政府は、米に対する所得補償金を平成三十年から廃止すると決めました。稲作農家からは不安の声が上がっています。

 私たちは、地域社会と食料安全保障、そして水や緑などを守っている農業の多面的機能を重視し、農業者戸別所得補償制度の法制化、恒久化を目指しています。この制度に対する総理の見解を求めます。

 人口が減少する社会において、社会の活力を維持するには、一人一人の個性を生かし、持ち味を発揮する多様性こそが重要です。多様性は、一人一人の人権の問題であると同時に、社会の活力の源です。

 そのためにも、夫婦別姓を選択できるよう法改正を急ぐべきと考えますが、総理の見解をお聞かせください。

 民間の調査によれば、日本におけるLGBT当事者は、十三人に一人。こうした皆さんの人生を守り、全ての人がその性的指向や性自認によって差別されることのない社会をつくるため、私たちは、LGBT差別解消法の制定を目指します。

 この問題は、政治家一人一人に対し、あなたは本当に多様性の力を信じる立場にいるのかという問いを突きつけます。総理の見解を求めます。

 また、障害を持った人も安心して暮らすことができ、ともに生きる社会に向けた象徴的な案件として、手話言語法の制定を急ぐべきだと考えますが、総理の認識をお聞かせください。

 日本銀行が掲げたインフレ目標は、五年近くがたっても、いまだに到達できていません。輸出数量も、当初の見込みとは異なり、ふえていません。

 ゼロ金利のもとではマネタリーベースをふやしても物価は上昇しない、このことが明らかになっていると考えますが、総理の見解を伺います。

 政府は、カジノを成長戦略と位置づけているようですが、本気でしょうか。

 カジノ解禁は、ギャンブル依存症を拡大させます。依存症は、当事者や家族にとってだけでなく、膨大な社会的コストを生じさせ、経済にもマイナスです。総理の見解を伺います。

 やるべきことは、ギャンブル依存症を防止し、依存症からの脱却を支援することです。私たちは、ギャンブル依存症対策基本法案を準備しています。これについての総理の見解もお尋ねします。

 議場の議員の皆さん、皆さんは、どういう根拠で立法権という権力を預かることになったのか、考えたことがあるでしょうか。安倍総理を初め内閣を構成する国務大臣の皆さんは、どういう根拠で行政権を預かっているのでしょうか。

 選挙で勝ったからとだけ考えているならば、それは間違いです。

 憲法というルールが選挙などの手続を定め、そのルールに基づいて選ばれているからこそ、立法権や行政権をお預かりしています。預かっている権力の範囲も、根拠となっている憲法というルールで制約されます。

 いかなる権力も憲法によって制約される、この立憲主義という考え方は、右も左も関係ない、近代社会であれば当たり前の大前提です。

 立憲民主党は、主義主張、政策以前の問題として、立憲主義という真っ当な政治の根本を取り戻していくために、全力を挙げて闘います。

 いわゆる安保法制、集団的自衛権は、立憲主義の観点から、決して許されません。

 集団的自衛権の行使は憲法違反だ。日本が攻められたときは、個別的自衛権で日本を守る。しかし、日本が攻められていないのに、外国のお手伝いでは戦争はしない。誰が言ったのでもありません。歴代自民党政権みずからが決めてきた解釈です。それを、論理的整合性も全くない中でひっくり返したのです。

 自分たちを縛っているルールを権力みずからが破るのでは、権力としての正当性がありません。こんな立憲主義違反が堂々とまかり通ったら、それは十八世紀です。

 立憲主義に反した状況を放置しておいて、真っ当な憲法議論ができるわけがありません。まずは今ある憲法をちゃんと守ってから言え。それが真っ当な順序であります。

 ましてや、安保法制を前提としながら自衛隊を憲法に明記したら、立憲主義違反を事後的、なし崩し的に追認することになり、到底認められません。

 また、今のまま自衛隊を明記すれば、地球の裏側まで行って戦争ができることになり、これは、自衛隊という名の軍隊を認めることにほかなりません。専守防衛から大きく逸脱し、日本国憲法の平和主義は換骨奪胎されます。

 立憲民主党は、九条改悪の問題点を、国民の皆さんに力強く、そして粘り強く訴えていきます。

 私たちは、立憲主義に基づき、権力を適切に拘束する方向での憲法議論は積極的に進めます。今、議論が必要なのは、解散権の制約や、臨時国会召集義務に関する期限の設定、知る権利の拡大などであります。

 立憲民主党は、専守防衛に徹する自衛隊や個別的自衛権の行使について、合憲であるとの立場です。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法強化によって、主権を守り、専守防衛を軸とする現実的な安全保障政策を推進すべきと考えます。両案に対する総理の見解を伺います。

 日米安全保障条約は日本と東アジアの平和と安定に不可欠であり、日米同盟は健全に強化、発展させるべきです。

 もっとも、健全な同盟関係であるならば、言うべきことをしっかりと伝えることが重要です。

 過日の首脳会談において、パリ協定の離脱について、トランプ大統領から何らかの説明はあったのでしょうか。また、総理の側から離脱を思いとどまるよう説得はしたのでしょうか。お尋ねします。

 沖縄では、また米兵の飲酒死亡事故が生じました。

 沖縄の米軍基地問題については、日米同盟の健全な発展という観点からも、沖縄の民意に寄り添った対応が必要です。立憲民主党は、これまでの経緯と状況をゼロベースで検証してまいります。

 日中関係について、過日の首脳会談でさまざまな意見交換がなされたことは率直に評価します。一方で、中国に対しては、尖閣諸島周辺での公船の活動や南シナ海での力による現状変更など、厳しく対応していく必要もあります。

 これに関連し、日中での防衛当局間による海空連絡メカニズムの進捗状況について、総理の説明を求めます。また、東シナ海での日中資源共同開発に関する合意の履行状況とその見通しについてもお尋ねします。

 北朝鮮の拉致問題、核・ミサイル開発問題については、引き続き毅然とした対応を求めます。

 その上で、現在、韓国には、短期滞在者を含めて六万人近い日本人がいます。万一の事態となった場合、これら邦人の避難と保護は、日本政府に課せられた重大な責務です。

 韓国や米国との間で、どれだけの協議がなされているのでしょうか。日本政府として、どの程度の検討がなされているのでしょうか。全てを明らかにはできないと承知していますが、できる範囲での説明を求めます。

 民主主義は、国民の皆さんが主体となる政治です。強いリーダーが自分の考えを国民に押しつける、そんなものではありません。選挙で勝ったから、国会で数があるから、何でも好き勝手にやっていいというものでもありません。

 民主主義は、単純な多数決とイコールではないのです。みんなで相談して、みんなで決める。全ての国民が集まることはできないから、代表である議員を選んで議論し、話し合った結果として、どうしても決められないときに多数決がある。これが真っ当な民主主義です。

 立憲民主党は、そんな真っ当な民主主義を取り戻します。

 森友、加計問題を取り上げるまでもなく、真っ当な民主主義のためには、適切な公文書管理と徹底した情報公開が不可欠です。

 立憲民主党は、公務員個人が作成、管理する文書も対象に加えるなど公文書管理法改正案と、開示情報の拡大など情報公開法改正案を速やかに国会に提出します。

 公文書管理法と情報公開法に関する総理の見解をお尋ねします。

 国会では、与野党での質問時間の配分について、自民党から身勝手な主張がなされています。かつての野党時代の主張と完全に矛盾する上に、議院内閣制と国会の役割についての無理解に基づくものとしか言いようがないものです。

 与党の質問時間割合を拡大しようという提案は、政府・与党一体の事前審査プロセスなどが機能不全の状態にあるからだと受けとめざるを得ません。今の自民党は、国会提出前の事前審査プロセスなどで野党議員と同じ程度にしか関与できていない、影響力を行使できていない、こういうことなのでしょうか。政府側から見た総理の認識をお尋ねします。

 二〇一一年三月十一日。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の際、私は内閣官房長官の職にありました。一日も早い復興と原発ゼロの実現に向けて、被災者、被害者の皆さんに対し、大きな責任を負っています。

 また、熊本地震や各地での豪雨災害を初め、相次ぐ自然災害への対応に、あのときの教訓を生かして全力を尽くしてまいります。

 復興に関連して、特に重要なのはソフト面での支援です。ハード面での損害や復興のプロセスは目に見えます。しかし、家族やふるさと、地域でのつながりなどを失った心の傷は目に見えません。

 所信表明では、心の復興を支援する旨述べられましたが、その具体策についてお尋ねします。

 自民党は、依存度を可能な限り低減させますとする一方、原発をベースロード電源と位置づけています。ベースロード電源として活用すれば、依存度を低減させるといっても限界があります。

 一体、いつになったら原発稼働をやめるつもりなのか、それともやめるつもりがないのか、総理の明確な答弁を求めます。

 また、原発再稼働を進めますとしていますが、国の責任ある避難計画が策定されていない中での再稼働は、文字どおり無責任です。総理の認識を伺います。

 立憲民主党は、国が避難計画に責任を持つ原子力災害特別措置法改正案と、一日も早い原発ゼロに向け工程表を示した原発ゼロ基本法案を策定し、次期通常国会までに提出します。

 原発ゼロは、今やリアリズム。具体的なプロセスこそが問われる段階です。

 こうした法整備に総理は賛同いただけますか。お答えください。

 現代は古いイデオロギーの時代ではありません。右でも左でもなく、上からの権威主義的な政治に対して、草の根からの、国民の声に基づく民主主義をもう一度立て直す。上からか、草の根からか、これが二十一世紀の新しい対立軸です。

 立憲民主党は、草の根から社会を支えて押し上げる、二十一世紀の新しいビジョンを国民の皆さんと一緒につくっていきます。それは、私や立憲民主党がつくるものではありません。国民の皆さんと、みんなでつくり上げるものであります。

 皆さんが背中を押して、国民の声がつくった政党、それが立憲民主党です。

 二〇一七年十月二十二日、この日から日本の民主主義は変わり始めた、そう言ってもらえるような歩みを私たちは進めていきたいと決意をしています。枝野、立てと背中を押していただいた皆さん、私たちがその道をそれることがないよう、厳しい目で監視を続けてください。

 日本の未来を切り開くのは、政治家でも政党でもありません。この国の未来を思う全ての皆さん、そう、あなたです。一握りの人がつくる政治から、みんなでつくる真っ当な民主主義へ。国民の皆さん、そんな未来のために、ぜひ私たちと一緒に歩みを進めていきましょう。

 私には、あなたの力が必要です。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 枝野幸男議員にお答えをいたします。

 幼児教育の無償化や待機児童問題についてのお尋ねがありました。

 幼児教育の無償化については、先般の総選挙でもお約束したとおり、二〇二〇年度までに、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところであります。

 待機児童問題については、本年六月に策定した子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受け皿整備を進め、待機児童を解消することとしています。本プランを踏まえ、保育の受け皿整備のための予算をしっかり確保してまいります。

 また、幼稚園や学校の空き教室の活用、地方自治体における具体的な取り組みや情報の住民の方々への積極的な提供など、地方自治体の取り組みをきめ細かく支援してまいります。

 高等教育の無償化についてお尋ねがありました。

 どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば、専修学校、大学にも進学できる日本にしてまいります。真に必要な子供たちには、高等教育を無償化します。

 そのために、授業料の減免措置の拡充と、給付型奨学金の支給額の大幅増加を検討しています。

 無期転換ルールについてのお尋ねがありました。

 まず、無期転換ルールを避ける目的で雇いどめをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げます。

 このため、無期転換ルールの適切な適用のため、都道府県労働局に特別相談窓口を設置するなど、企業への周知や啓蒙、指導にしっかりと取り組んでまいります。

 御指摘の企業における事例については、現在厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応をとってまいります。

 自由度の高い交付金についてお尋ねがありました。

 民主党政権時代の地域自主戦略交付金については、手続の煩雑さや、さまざまな問題点が指摘されていたことから、平成二十五年度に廃止し、地方からの意見を踏まえ、より大きな政策目的にまとめて、真に必要な事業に充てることができる、自由度の高いものといたしました。

 今後も、地方の意見を踏まえた不断の検討を行い、真に地方にとって効果が高く、使い勝手のよい施策の仕組みづくりを推進してまいります。

 農業者戸別所得補償制度についてのお尋ねがありました。

 旧戸別所得補償制度については、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものであったことから、担い手への農地の集積ペースをおくらせる面があったと考えています。

 さらに、十分な国境措置がある米について交付金を交付することは、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解が得がたいなどの課題がありました。

 このため、安倍内閣においては、旧戸別所得補償制度については平成二十九年産までの時限措置とした上で、その間、強い農業の実現に向け、農地集積バンクによる農地集積や、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興による農地のフル活用を図るなど、前向きな政策を強化してまいりました。

 引き続き、農業を成長産業とし、農家の所得を向上させるための施策を力強く推進してまいります。

 社会の多様性についてお尋ねがありました。

 夫婦の別氏の問題は家族のあり方と深くかかわるものであり、国民の間にさまざまな意見があることから、慎重な対応が必要と考えております。

 性的指向や性自認については、その正しい理解を促進し、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めてまいります。

 共生社会を目指す上で、障害者の自立と社会参加の支援が重要であることは言うまでもありません。今後とも、障害者施策の充実に取り組んでまいります。

 なお、御党の御提案については、国会において御議論をいただければと思います。

 日本銀行の金融政策についてお尋ねがありました。

 政権交代後、大胆な金融政策を含む三本の矢の政策により、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができました。また、そうした中で、行き過ぎた円高も是正されました。さらに、日本銀行による大胆な金融緩和は、デフレマインドの払拭につながっているものと考えています。

 こうした中、仕事や投資は国内に戻り始め、中小企業の倒産は三割減少し、輸出数量も、二〇一六年後半から海外経済が緩やかに回復する中で持ち直しを続け、企業収益は過去最高水準となっています。

 国民生活にとって最も大切な雇用についても、大きく改善しています。就業者数は百八十五万人増加し、有効求人倍率は史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて一倍を超えています。

 いわゆるゼロ金利の状態における金融緩和と物価の関係性についての御指摘がありましたが、金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきであると考えております。物価が二%程度に達する時期について、日本銀行の展望レポートでは二〇一九年ごろになる可能性が高いとされており、今後とも、日本銀行が物価安定目標の達成に向けて大胆な金融緩和を着実に推進していくことを期待しています。

 引き続き、政府、日本銀行は緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員して、デフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。

 ギャンブルによる依存症等についてのお尋ねがありました。

 政府では、ギャンブル等依存症が、当事者や家族の問題のみならず、社会問題を生じさせていることに鑑み、本年八月にギャンブル等依存症対策の強化策を取りまとめたところであります。

 未成年者等のアクセス制限、射幸性の抑制、医療面の対応、教育啓発等の対策を政府一体となってしっかりと実施してまいりたいと思います。

 なお、御提案については、国会において御議論をいただければと思います。

 現実的な安全保障政策の推進についてお尋ねがありました。

 政府の最も重要な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、我が国の領土、領海、領空を守り抜くことであります。

 その責務を果たすため、厳しい安全保障の現実に真正面から向き合い、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする平和安全法制を整備しました。政府としては、ベストなものと考えています。

 同時に、いわゆるグレーゾーン事態への対応については、海上警備行動等の発令手続の迅速化や関係機関の連携の強化など、必要な取り組みを一層強化しているところであり、現時点では、領域警備法といった新たな法整備が必要とは考えていません。

 また、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、約二十年前に制定された周辺事態法を改正し、平和安全法制の一環として、内容の充実強化を図った重要影響事態法を既に整備しています。

 専守防衛は我が国防衛の基本方針であり、今後とも堅持していくことは当然であります。

 安全保障政策は現実への対応です。政府としては、今後とも、厳しい安全保障環境を直視し、困難な課題に真正面から取り組んでまいります。

 米国のパリ協定離脱に関してお尋ねがありました。

 先般のトランプ大統領の訪日では、パリ協定についてのやりとりはありませんでした。他方、五月のG7タオルミーナ・サミットでは、米国がパリ協定にとどまるよう他のG7首脳とともに働きかけを行いました。

 米国はイノベーションを通じた先進的な環境技術の導入等を行っており、引き続き、米国に対し気候変動問題への取り組みの必要性を働きかけ、ともに協力していく方法を探求していきたいと考えています。

 日中間の海空連絡メカニズム及び東シナ海資源開発に関するお尋ねがありました。

 ベトナムのAPEC首脳会議の際に行った習近平主席との日中首脳会談で、東シナ海における防衛当局間の海空連絡メカニズムを早期に運用開始するため、協議を加速化していくことで一致しました。東シナ海の資源開発についても、二〇〇八年合意を堅持し、同合意の実施の具体的進展を得るよう、引き続きともに努力していくことで一致いたしました。

 これを踏まえ、引き続き、海空連絡メカニズムの早期運用開始及び東シナ海資源開発に関する二〇〇八年合意の早期実施に向け、精力的に働きかけを行ってまいります。

 朝鮮半島からの邦人退避と保護に関する検討状況についてお尋ねがありました。

 政府としては、さまざまな状況を想定し、必要な準備、検討を行ってきています。韓国とは、在韓邦人の安全確保について平素から緊密に連携しており、米国とは、日米防衛協力のための指針も踏まえ協力を進めてきていますが、具体的な内容は、事柄の性質上及び相手国との関係もあり、差し控えさせていただきたいと思います。

 公文書管理法及び情報公開法のあり方についてのお尋ねがありました。

 公文書管理については、まずは、現行法の中において、行政文書の作成、保存に関する基準の明確化、文書の正確性の確保等を内容とするガイドラインの改正を年内に行うこととしており、その後も、公文書管理の質を高めるための不断の取り組みを進めてまいります。

 こうした取り組みは、国民に対する行政の説明責任を果たしていく上でも重要であり、公文書管理の質を高めるこれらの取り組みを通じて、情報公開の一層の充実に努めてまいります。

 国会における質問時間についてのお尋ねがありました。

 与党においては、政調各部会において、日々、熱のこもった政策論議が活発に行われております。なお、御党初め野党各党の政調の活動状況については寡聞にして存じ上げませんが、各種の調査チームが日々立ち上がり、各省庁が連日全力で対応させていただいているものと承知しております。

 一般論として、数万を超える得票を有権者の皆様からいただいて国会議員となった以上、与党、野党にかかわらず、こうした政党内部の活動だけでなく、国会の中において国会議員としての責務、責任を果たすべきであり、それが有権者の負託に応えることであるとの指摘もあります。

 いずれにせよ、質問時間の配分自体については、まさに国会で国会がお決めになることであり、内閣総理大臣の立場である私から答弁をすることは差し控えさせていただきます。

 心の復興についてのお尋ねがありました。

 被災地の復興を進めていく上で、人と人とのつながりをつくり、被災者が生きがいを持って暮らしていただけるよう、心の復興を支援することは極めて重要であります。

 これまでも政府は、被災地の自治体やNPO等と連携し、被災者に対して、災害公営住宅等への移転後のコミュニティー形成の支援、福祉関係者による見守り体制の強化、地域住民との交流の機会の創出を通じたつながりづくりなど、心の復興に力を入れてまいりました。これらの事業を通じ、コミュニティーの活性化、高齢者の孤立の解消、参加された方の居場所づくりなどの効果が出ていると考えております。

 今後も、これらの活動がさらに地域に根づいていくよう、自治体との連携を進めながら、被災者の心の復興を力強く支援してまいります。

 原発の利用や避難計画についてのお尋ねがありました。

 徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが安倍内閣の一貫した方針であります。同時に、資源に乏しい我が国にとって、電気料金のコスト、気候変動問題への影響、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは、責任あるエネルギー政策とは言えません。

 避難計画は、地域住民の安全、安心の観点から、その策定を着実に進めていくことが重要です。国としても前面に立って、避難先や避難手段の確保など、きめ細かく関与しながら、関係自治体と一体となって計画策定に取り組んでいます。今後とも、自治体とともに、避難計画を継続的に充実強化してまいります。

 その上で、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の方針であります。

 なお、御提案については、具体的な内容が現時点では全くわかりませんが、法案が提出された後、国会で御議論いただくべきものと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 岸田文雄君。

    〔岸田文雄君登壇〕

岸田文雄君 私は、自由民主党を代表して、安倍内閣総理大臣の所信表明演説に対し質問をいたします。(拍手)

 先月施行された第四十八回衆議院議員総選挙において、自由民主党は、二百八十四の議席を与えていただきました。この国民からお預かりした議席を最大限に生かし、国民の声を国政に反映させていかなければなりません。

 しかしながら、今回の選挙の勝利は敵失、すなわち野党の混乱の結果であるという指摘があります。もちろん、こうした混乱を引き起こした側に大きな問題があるのですが、我々も決して今回の選挙の結果におごることなく、丁寧に、謙虚に政治を進めていかなければなりません。

 さきの通常国会は、今年度予算を初め、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の制定や組織犯罪処罰法の改正など大きな成果を上げる一方、さまざまな混乱の中で、政策そのものに関する議論が深まらなかったという側面もありました。

 森友学園や加計学園に関する問題については、通常国会での議論に加え、閉会中審査も通じて、総理や関係閣僚から丁寧な説明がなされたものと認識しておりますが、国民の間に疑問の声がある以上は、引き続き誠意を持って丁寧な説明をしていくことが、建設的な国会運営のみならず、国政全般を円滑に進めていくためにも極めて重要であると考えます。総理のお考えをお伺いいたします。

 一方、一部の国家戦略特区に絡む問題が指摘されたことによって、特区制度に向けた議論が萎縮し、規制改革全体の進捗に悪影響を及ぼすことがあってはなりません。規制改革自体は引き続き力強く前へ進めていくこと、そして、公文書管理の適正化等を通じて行政の透明性を高めていくことを強く求めます。

 また、今回の選挙における敵失、すなわち野党側の混乱についても触れておかなければなりません。

 今回の総選挙の大きな特徴は、解散から公示までのわずか二週間の間に、野党の枠組みが目まぐるしく変容していったことにあります。

 それまで同じ政党にいた者同士が、排除するとか、されるなどと言いながら、二つ、三つと分裂し、そうかと思えば、互いに選挙で戦っている最中に、選挙後にまた合流するといった話まで出る始末でありました。

 公約らしきものは示されたものの、それが、いつ、誰が、どのような手続で決定したかさえもわからず、選挙中に公然と自党の公約に反旗を翻す候補者までいました。

 党利党略でさえなく、自分の議席を守るため混乱を続ける野党議員の姿に、戸惑う国民も多かったのではないでしょうか。

 結果として、選挙における政策、公約がないがしろにされたと感じています。

 総理も、私も、初当選は平成五年の第四十回衆議院選挙でありました。当時は、衆議院選挙は中選挙区制度でした。その後、政治改革の激しい議論の結果、平成八年から小選挙区比例代表並立制が導入されました。この制度のメリットとして強調されたのは、政策を通じて政権を選択するというものでありました。

 こうした選挙制度の趣旨を考えるとき、政策がないがしろにされてしまった今回の選挙のありようは、まことに残念でありました。

 こうした中だからこそ、責任政党として、政策、公約を明らかにしなければならないと考え、我々自民党としても、短期間でありましたが、公約をまとめ、総理も、各候補者も、選挙を通じて最後まで政策、公約を訴え続けたのでありました。

 総理は、この選挙と政策、公約とのありようについてどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

 その上で、我々自民党が掲げた公約について触れます。

 この五年間で、日本の経済も大きく変化をしました。

 我々が政権に復帰して間もなく五年、アベノミクスの三本の矢によって、日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換してきました。

 名目GDPは五年間で五十兆円増加、本年七―九月期で過去最高の五百四十六兆円を記録しております。企業収益は七十五兆円で過去最高水準。雇用は約百八十五万人増加し、有効求人倍率は史上初めて全都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率も初めて一倍を超えました。賃金についても、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施しています。経済成長が雇用の拡大や賃金の上昇につながりつつあります。

 この成長の果実を国民一人一人のもとに届け、実感してもらうためには、あと何をしなければならないのか。これを今回の公約の中に盛り込みました。

 社会や企業の生産性を画期的に高めることによって、その果実を設備投資や賃金にしっかりと振り向けてもらい、その賃金で力強い消費を実現してもらう。そのことによって、成長、所得、消費の好循環を実現する。力強い消費を実現するためには、将来への不安を払拭しなければならない。よって、最大の不安である少子高齢化に対応するため、子育て、介護に政策手段を投入する。そのためには財源が必要となるから、消費税の増税分の使い道を変える。

 こうした考えに基づいて、経済政策、生産性革命、人づくり革命を公約の中に掲げました。

 生産性革命とは、ロボット、IoT、人工知能といった最先端のイノベーション等によって生産性を劇的に押し上げ、アベノミクスの成果である賃金上昇の流れを、さらに力強く持続的なものとするものであります。

 二〇二〇年までの三年間を生産性革命の集中投資期間として、税制、予算、規制改革など、あらゆる施策を総動員して、企業の収益を設備投資や賃金引き上げに振り向けようとするものであります。

 一方、人づくり革命は、やがて来る人生百年時代に向け、国民の多くが不安を感じている子育て、介護の問題を解決する必要があるとの見地から、幼児教育の無償化、待機児童解消、高等教育の負担軽減、リカレント教育、介護人材の確保などにあらゆる政策資源を大胆かつ集中的に投入し、お年寄りも若者も安心して暮らし、活躍できる社会を築こうとするものです。

 政府は、十二月初旬に、これらの公約を実現するべく、生産性革命、人づくり革命の政策パッケージを取りまとめるとしています。

 我々自民党も、この政策パッケージの重要性を十分認識して、具体的な制度設計について党としての考え方を提言としてまとめ、政府に提出したいと考えております。

 政府と与党とは車の両輪です。総理に、ぜひ、党の提言をしっかり受けとめていただき、政府の政策パッケージにしっかりと反映することを明言していただきたいと存じます。

 今回の公約において、人づくり革命を力強く進めていくための安定財源として、消費税率一〇%への引き上げによる増収分を活用することを明らかにしました。これに伴って、社会保障の安定化に振り向けられる分が少なくなることから、財政健全化の手が緩むのではないかという懸念が生じているのも事実です。

 確かに、消費税の使い道を見直すことに伴って、二〇二〇年度にプライマリーバランスを黒字化する目標の達成は困難になります。

 しかしながら、我々自民党は、今般の総選挙において、人づくり革命の断行と同時に、財政健全化の旗を明確に掲げつつ、不断の歳入歳出改革を徹底することを国民の皆様に約束しました。

 そもそも、人づくり革命は、少子高齢化に立ち向かうとともに、人生百年時代を見据えて行うものであります。そのためには、ことし生まれた子供が百歳を超えても、そしてその先も、国家を支えるための人材投資を続けられる安定した財政基盤を維持しなければなりません。未来を担う子供たちに財政赤字という形で負担を押しつけている状況は、一刻も早く改善するべきです。

 また、持続的な経済成長のためにも財政再建は不可欠であります。個人の消費や企業の投資が思うようにふえない理由の一つは、将来への不安であります。この不安を払拭し、国民がこの国の将来、自分たちの未来を見通せるようになれば、おのずと個人の消費も企業の投資もふえていきます。そのための基盤が財政の健全化であると考えます。

 総理は、消費税の使い道を見直しても、財政再建の旗をおろすことはない、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持すると表明されています。

 五年後には団塊の世代が七十五歳の節目を迎えるなど、社会環境が大きく変化していく中にあって、財政健全化は、まさに焦眉の急であります。

 真に安心できる人生百年時代を実現するため、その基盤となる財政再建に向けた総理の決意をお伺いいたします。

 アベノミクスの成果について、地方ではまだ実感がないという指摘がありますが、地方の元気なくして日本の再生はありません。

 このような見地から、本年四月に自民党が取りまとめた経済構造改革戦略では、地域経済を牽引する企業、全国約二千社を軸に、地域への波及効果の高い事業を優先的に支援するよう提言をいたしました。また、今回の総選挙における公約では、地元特産品の開発、販路拡大への支援、観光客を呼び込む観光地域づくり等によるローカル・アベノミクスの実現等を国民の皆様に約束いたしました。

 もう一つ、地方創生の起爆剤になると考えているのは、地方大学の振興です。

 地方から都市部へ若者の流出が続く中、地方大学をより魅力的なものにすることにより、地方の若者が地元で学び、地元で就職し、ふるさとの振興のために活躍をする。私の地元でも、大学と地元企業とが連携して新しい製品を開発し、地元の新たな魅力をつくり、発信するといった事業が成功裏に進んでいますが、このような産学の連携を全国に広げていくことにより、地方がより元気になり、日本経済全体を押し上げてくれるものと考えております。

 地方大学の振興を通じた地方創生、地域経済活性化について、総理の御所見をお伺いいたします。

 東日本大震災から六年八カ月が経過しました。この間、地震、津波被災地域において住宅やインフラの整備、産業、生業の再生などが進んでおり、福島においても徐々に避難指示が解除されるなどの進展もありますが、同時に、今なお八万人もの方々が長い長い避難生活を余儀なくされているのも事実です。私たちは、今後も、被災者の方々の心と暮らしに寄り添い、復興に向けた取り組みをさらに加速していかなければなりません。

 総理は、第四次内閣発足に際しても、閣僚全員が復興大臣であるとの認識を共有するよう指示されました。一部、震災の記憶の風化が指摘される中、改めて、復興に向けた総理の御決意をお示しください。

 東日本大震災のみならず、昨年の熊本地震や毎年の台風、豪雨災害など、我が国を襲う災害は後を絶ちません。そして、大規模災害のたびに必ず課題として浮上するのが、激甚災害指定の迅速化であります。

 財政状況の厳しい中、生活に密着したインフラの復旧にさえ二の足を踏む自治体も散見されます。被災後のまちづくりそのものには自治体、地域によってさまざまな判断があろうかと思いますが、少なくとも、世界第三位の経済大国と言われる我が国にあって、お金の見通しがつかないから復興を諦めるというようなことはあってはなりません。

 自然災害に見舞われることは避けられませんが、被害を最小限に食いとめ、復興を迅速に行うことは、我々の備えと努力によって可能です。国民一人一人の力でどうにもならないところに安心をもたらしてこその政治であり、防災と災害復興はその最たるものであると考えます。

 総理は、既に所信表明の中で、激甚災害指定の迅速化に向けてその運用を見直すことを表明されておられますが、全国で災害が頻発する中、改めて、防災、災害復興に関する総理のお考えをお聞かせください。

 私は、外務大臣の任を担っていた際、日本外交の第一の柱として日米同盟の強化を挙げ、日米関係の一層の深化に尽力してまいりました。現下の厳しい安全保障環境や世界じゅうのさまざまな脅威に対処するためには、我が国の外交、安全保障の基軸たる日米同盟の強化が不可欠です。

 今月、トランプ大統領が、就任後初のアジア歴訪の最初の訪問国として日本を訪問されました。安倍総理は、来日したトランプ大統領との間で、ワーキングランチ、首脳会談に加え、ゴルフや夫婦のみでの夕食などを通じて個人的な関係を深められたと承知をしております。

 北朝鮮情勢が緊迫化する中、今回のトランプ大統領の訪日は、日米の連携、特に日米トップの意思疎通を確認する極めて重要な機会であったと思います。

 トランプ大統領は、その後、韓国、中国を訪問し、ベトナムではAPEC首脳会談に出席、フィリピンではASEAN関連首脳会談に臨みました。安倍総理も、ベトナム、フィリピンを訪問され、中国、ロシアとの首脳会談も行いました。この一連の首脳会談の成果、特に北朝鮮を初めとするアジアの安全保障に関する成果をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

 また、北朝鮮への圧力を考えた場合に、鍵となるのは中国の対応です。国際社会と協力して北朝鮮への圧力を強化していくためにも、朝鮮半島の検証可能な形での非核化に向けて建設的な対応を中国から引き出すためにも、日中関係の安定も考えていかなければなりません。

 五年に一度の中国共産党大会が終わり、ことしは日中国交正常化四十五周年、来年は日中平和友好条約締結四十周年です。

 今回の一連の首脳会談の中で、ベトナムでは習近平国家主席と、フィリピンでは李克強首相と総理が相次いで会談されたことは、近年にない、特筆すべき動きです。両国首脳の相互訪問の可能性、日中韓サミットの開催も注目されます。日中関係安定に向けた総理の思いをお伺いいたします。

 北朝鮮問題に関しては、総理のもとに我が国が得られる最新でそして最高の情報が集められ、国家安全保障会議を中心に厳しい検討が続けられていると存じます。もちろん、その中身を明らかにすることは手のうちを明かすことになるため、公の場で示せない事情は理解いたします。しかし、結果として、多くの国民は、総理を信頼して、重大な判断、みずからの命や生活を総理に委ねることになります。総理の責任の大きさを改めて感じると同時に、そうした国民にとって総理の言葉はまことに重たいものがあると考えます。

 この際、ぜひ、北朝鮮問題に関する見通し、覚悟に関して、総理の国民に対する力強いメッセージをいただきたいと存じます。

 トランプ大統領が訪日した際、拉致被害者の御家族と面会されたことは、拉致問題に関する日米の連携を強化していく上で非常に重要な意義があったと考えます。トランプ大統領が、拉致被害者家族の話に熱心に耳を傾け、拉致被害者の方々が愛する人たちのもとに戻れるよう安倍総理と力を合わせていきたい旨言及されたことは、早期解決に向けた重要な一歩だと考えます。拉致問題の早期解決に向けた総理の御決意を改めてお伺いいたします。

 また、先月、選挙中でありましたが、沖縄県国頭郡東村において、米海兵隊のCH53Eヘリ一機が飛行中の火災により緊急着陸するという事故が発生しました。私も、翌日に事故現場を視察し、現地で被害状況の確認を行いました。同型ヘリの飛行再開に当たっては十分な安全性の確認が重要であり、事前に米側から安全性に関する説明があってしかるべきです。

 しかしながら、米軍は、事故六日後の十七日には、日本側への十分な説明がないまま同型機の飛行再開を一方的に発表し、翌十八日、飛行を再開しました。米軍のたび重なる事故及び事故後の不信を招く対応は極めて遺憾であります。

 そもそも、在日米軍の活動における地域住民の安全、安心の確保は、米軍が我が国に安定的に駐留し、日米安保体制を維持するために必要不可欠であり、引き続き、米側に対し、安全性に最大限配慮するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくべきであると考えます。総理の御見解をお伺いいたします。

 先日行われた米国を除くTPPの閣僚会合で、十一カ国によるTPPが大筋合意に至りました。米国のTPP離脱の動揺を乗り越えて、アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏を構築するという、経済的、戦略的意義を持つ協定の発効の道筋がついたことは極めて大きな進展です。

 また、私自身が外務大臣時代に直接交渉した日・EU・EPAは、四年三カ月の交渉の結果、本年七月、大枠合意を実現いたしました。この成果を確固たるものとするため、できるだけ早期にこの協定に署名をして、発効へのプロセスを引き続き強く進めることが必要です。

 トランプ大統領訪日の際の日米首脳会談では、日米経済対話第二回会合において、麻生副総理とペンス副大統領が二国間の経済、貿易及び投資関係強化の重要性を確認したことを歓迎しました。また、日米間の対話をさらに深化させ、二国間の貿易・投資をより活性化し、法執行やエネルギー、インフラなどの分野で協力を強化していくため、引き続き議論を重ねることで一致をいたしました。

 このように、今後、我が国は自由貿易を守るため、TPP、日・EU・EPA、日米経済対話、そしてRCEPを加えた四方面作戦が求められます。我が国の今後の経済連携戦略について、総理の御所見をお伺いいたします。

 また、TPPや日・EU・EPAについては、農林漁業者の不安払拭にも努めなければなりません。農林漁業者の経営安定、発展を後押しするための覚悟について、あわせてお聞かせください。

 憲法は国民のものであり、憲法について国民の皆さんにしっかり関心を持っていただく、そういった趣旨で、今回の選挙の公約において、自民党は初めて憲法改正を特記し、六公約の一つとして扱いました。

 具体的には、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原則は堅持し、国民の幅広い理解を得つつ、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など四項目を中心に、党内外の十分な議論を行い、国民投票を経て憲法改正を目指すというものであります。

 憲法のありようについては、時代の変化の中で、常にどうあるべきか考えていかなければならないものです。

 同時に、憲法論議は改正のための改正であってはなりません。国会や各党の会議などさまざまな場を通じて、開かれた議論を丁寧に積み重ね、その様子を国民にしっかりと見聞きしてもらうことが国民の理解や改正への機運の高まりにつながると考えます。総理のお考えをお聞かせください。

 そして、最後に一つ、総理にお伺いしたいことがあります。

 本日取り上げた、政府・与党として取り組もうとしている政策、課題、どれもしっかりと結果を出していかなければなりません。

 そこで、ぜひ総理にお伺いしたいのは、これらの政策の先にどんな社会や目標を総理は見ておられるのかということであります。

 例えば、私は、さまざまな政策を積み重ねた上で、日本の社会にしっかりと持続可能性を持たせ、誇り高く豊かな社会を次世代に引き継いでいくことを考えていきたいと常々思っています。

 単に目先の政策の実施を訴えるだけでは、当然のことながら、国民の皆さんは、負担が少ない、利益が大きい方がいいと考えます。

 その政策の先に何を考えているのか、何を見ているのか、それを政治が示すことによって、若い世代には理解を、働き盛りの世代には協力を、また、高齢の世代には富裕層を中心に負担もお願いすることができる、政治の説得力を増すことができるのではないかと考えます。

 不透明な、困難な時代だからこそ、政治の取り組みに国民の参加を呼びかける政治の説得力が求められます。

 そのために、総理は、アベノミクスを初めとする政策の先にどんな日本の姿を見ておられるのか、国民にお示しいただきたいと存じます。

 昭和三十五年、岸信介総理から政権を引き継いだ池田勇人総理が、みずからの政治姿勢として寛容と忍耐という内閣のスローガンを提唱した際、それが低姿勢と受け取られ、責任ある政権の姿として疑問が指摘された、こういったことがありました。

 これについて、陽明学者であり、池田総理の心の師であった安岡正篤氏は、低姿勢、高姿勢、いずれも間違いである、自分の政治哲学をはっきり持っていれば、おのずから正姿勢、正しい姿勢になると助言したと言われています。

 相手の顔色を見て右顧左べんするようでは、国民への責任を果たすことはできません。同時に、野党や国民に上から目線で臨むようでは、国民の信を失い、真っ当な政治を行うことはできません。総選挙において多くの議席をいただいた今こそ、正姿勢、三文字を胸に、公約実現のため、日々前進してまいりたいと存じます。

 結びに当たり、思いの一端を申し上げ、私の質問といたします。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 岸田文雄議員にお答えをいたします。

 さきの通常国会での議論を踏まえた安倍内閣の基本姿勢についてお尋ねがありました。

 森友学園や加計学園に関する問題については、私自身、閉会中審査に出席するなど、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。今回の衆議院選挙における各種の討論会でも質問が多くあり、その都度、丁寧に説明をさせていただいたところであり、今後もその考え方に変わりはありません。

 その上で、岩盤規制改革は成長戦略の根幹をなすものであり、今後とも力強く前に進めてまいります。

 あわせて、各行政機関における公文書管理の質を高めるため、公文書の作成、保存等の管理に係るガイドラインを年内に見直すなど、不断の取り組みを進めてまいります。

 今回の選挙と政策、公約のありようについてのお尋ねがありました。

 あの三年三カ月、私たちはなぜ政権を失ったのか、痛切に反省をいたしました。政党の看板をかえればいいとは、我々は誰も考えませんでした。私たちは、あの野党時代、国民の皆様の声に耳を傾けるところからスタートし、厳しい声を糧に政策を鍛え上げてまいりました。政権交代を果たし、その政策の実行に、この五年間、全力を尽くしてまいりました。

 今回の総選挙でも、私たちはその初心を忘れることなく、街頭で、あぜ道で、ひたすらに、誠実に私たちの政策を訴えてまいりました。そして、国民の皆様から与党で三分の二を上回る力強い負託をいただくことができました。

 自民党、公明党の強固な連立のもと、この選挙でお約束をした政策の実行に邁進することで、その国民の皆様の負託にしっかりと応えていく決意であります。

 新しい経済政策パッケージについてお尋ねがありました。

 御指摘の新しい経済政策パッケージについては、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命と人づくり革命を断行するためのものであります。

 二〇二〇年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。

 人づくり革命については、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充します。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率一〇%の引き上げに伴う増収分などを活用した二兆円規模の政策を取りまとめます。

 現在、自由民主党では、岸田政務調査会長のもとで、人生百年時代戦略本部、経済構造改革に関する特命委員会において議論が行われていると承知をしておりますが、早急に取りまとめていただき、提言をいただいたものを十二月上旬に策定する新しい経済政策パッケージに反映いたします。

 財政再建についてお尋ねがありました。

 人生百年時代を見据え、人づくり革命を断行しなければなりません。幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じ、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換する。真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充する。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率一〇%の引き上げに伴う増収分などを活用し、二兆円規模の政策を取りまとめます。

 このように、消費税率引き上げ分の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資するとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することで、財政健全化も確実に実現してまいります。

 財政健全化の旗は決しておろさず、国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。

 地方大学の振興を通じた地方創生、地域経済活性化についてのお尋ねがありました。

 この十五年間で地方の若者が五百万人減少しました。若者こそが地方の活力の源泉です。若者が将来に夢や希望を持つことができる元気な地方の創生に、国を挙げて取り組んでまいります。

 先端科学や観光、農業といったそれぞれの分野で、日本全国からだけでなく、世界じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを進めます。

 そうした地方大学を核に、地場の中小・小規模事業者の皆さんの知恵を生かしながら、産学の連携により、地方経済を活性化してまいります。

 若者ならではの斬新なアイデアで、地方の魅力を生かした新しいビジネスへの挑戦を支援し、学びにおいても、働く場としても、地方にこそチャンスがあると若者たちが感じられるような地方創生を力強く進めてまいります。

 東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。

 被災から六年以上が経過し、復興の総仕上げ、福島の本格的な復興に向けて、確固たる道筋をつける重要な局面を迎えています。

 復興は着実に進展しておりますが、今後とも、避難生活の長期化に伴う心身のケアなど、切れ目のない被災者支援や、住まいと町のさらなる復興、なりわいの再生を進めてまいります。

 福島では、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格的に始まっております。

 今後とも、帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備や、福島イノベーション・コースト構想の推進、風評の払拭等、復興再生に向けて国が前面に立って全力で取り組んでまいります。

 東北の復興なくして日本の再生なし。この内閣においても、東日本大震災からの復興は最重要課題です。あの大震災、困難の日々を胸に刻みながら、被災地の皆さんと力を合わせて新しい東北の未来を切り開いてまいります。

 防災、災害復興についてお尋ねがありました。

 政府としては、全国各地で頻発する自然災害に対し、被災者の救命救助に万全を尽くすとともに、インフラの復旧や被災者の生活、なりわいの再建などに政府一丸となって取り組んでまいりました。

 引き続き、被災地の復旧復興に全力を尽くすとともに、国民の生命と財産を守るため、激甚災害の速やかな指定に向けた運用の見直しを含め、ハード、ソフト一体となった総合的な防災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進めてまいります。

 APECや東アジア・サミット等、一連の首脳会談の安全保障に関する成果についてお尋ねがありました。

 トランプ大統領とは、訪日の際に十分な時間をかけて北朝鮮の最新の情勢を分析し、今後の方策について完全に意見の一致を見ました。

 その成果を踏まえ、習近平主席、プーチン大統領を初め各国首脳と率直に議論を行い、国際社会が一体となって、北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていかなければならないことを強く訴え、一層緊密に連携していくことで一致しました。

 また、我が国が推進する、自由で開かれたインド太平洋戦略の考え方を丁寧に説明しました。こうした考え方に賛同してもらえるのであれば、中国を含め、いずれの国とも協力していけると考えています。

 日中関係についてお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、本年は日中国交正常化四十五周年、来年は日中平和友好条約締結四十周年という節目の年であり、戦略的互恵関係の考えのもと、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていく好機であると考えます。

 今回、習近平国家主席及び李克強首相とそれぞれ日中首脳会談を行い、その際、特に、習主席から、今回の会談は日中関係の新たなスタートとなる会談であったとの発言があり、私も全く同感であります。

 今後、日中韓サミットを早期に開催して李克強首相の訪日を実現し、その後、私が訪中し、その後には習主席に訪日いただきたいと考えています。

 このような日中首脳の相互往来を通じて、日中関係を安定的に発展させていきたいと考えています。

 北朝鮮問題についてお尋ねがありました。

 北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、私も、世界じゅうの誰一人として紛争など望んでいません。

 しかし、北朝鮮が、一九九四年の枠組み合意、二〇〇五年の六者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは、対話のための対話では意味がありません。

 御指摘のとおり、外交上の手のうちを明らかにすることはできませんが、北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。

 同時に、政府として、危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜いてまいります。

 拉致問題についてお尋ねがありました。

 トランプ大統領が、全世界が注目する国連総会の演説で横田めぐみさんに言及したことに加え、訪日の際に、拉致被害者の御家族の皆様と面会し、御家族の方々の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けていただいたことは、拉致問題の早期解決の重要性を世界に訴える上で非常に大きな力となりました。

 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題です。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日まで、私の使命は終わりません。

 私が司令塔となって、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。

 沖縄における米海兵隊ヘリの事故と住民の安全確保についてお尋ねがありました。

 安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力は極めて重要ですが、もとより、米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提です。また、米軍の安定的な駐留のためには、地元の理解を得ることが必要不可欠です。

 政府として、米軍の運用に際して安全確保に万全を期していくことは一貫した基本方針です。

 先般のトランプ大統領訪日の際にも、私から大統領に対して、米海兵隊のCH53Eヘリコプターの事故を含め、米軍の事件、事故等に関する地元の懸念に真摯に対応することが重要である旨述べたところです。また、在日米軍の運用に際しては安全の確保が大前提であるとの我が国の立場をしっかりと伝えました。その上で、トランプ大統領との間で、安全に対する地元の懸念を軽減する重要性を再確認しました。

 政府としては、引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、地元住民への影響を最小限にとどめるよう強く求めてまいります。

 今後の経済連携戦略及び農林漁業者の経営安定策等についてお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、我が国は、自由貿易の旗手として、TPPの合意により得られたハイスタンダードの基準を踏まえて、あらゆる手段を尽くして、二十一世紀型の質の高い自由で公正なルールに基づく経済圏を世界へ広げていく取り組みを主導してまいります。

 TPPや日・EU・EPA交渉においては、農林水産分野について、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得しました。

 それでもなお残る農林漁業者の方々の不安や懸念にもしっかり向き合い、安心して再生産に取り組むことができるよう、十分な対策を講じてまいります。

 このため、これまでも、TPP対策として、産地の国際競争力の強化や農林水産物の輸出拡大などの体質強化対策を実施してまいりました。さらに、今月下旬に改定する総合的なTPP関連対策大綱に基づき、平成二十九年度補正予算も含め、農林水産業の強化策等の措置を講じてまいります。

 意欲ある農林漁業者が将来に夢や希望を持てるよう、政府一体となって、強い農林水産業の構築に全力で取り組んでまいります。

 憲法改正についてお尋ねがありました。

 言うまでもなく、憲法改正は国会が発議し、最終的には国民投票により国民の皆様が決めるものであります。国会の憲法調査会において各党による建設的な議論が行われ、国会における議論が深まる中で国民的な理解も深まっていく、そのことが極めて重要であると考えております。

 アベノミクスを初めとする政策の先に見ている日本の姿についてお尋ねがありました。

 私が目指すのは、自立の精神を大切にしながら、活力とチャンスと優しさに満ちあふれた国、そして世界に開かれた国であります。

 成長と分配の好循環により国民全体が成長を享受できる、若い人たちに働く場所があり、未来をつかみ取ることができる、全世代型の社会保障制度により、子育てや介護に対する不安なしに、お年寄りも若者も安心して暮らすことができる、そのような社会を実現するため、生産性革命と人づくり革命を断行します。

 障害や難病のある方も、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持ってその能力を存分に発揮できる社会、日本のあらゆる可能性をオープンな世界で開花させることができれば、そのような社会が待っているはずであります。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 玉木雄一郎君。

    〔玉木雄一郎君登壇〕

玉木雄一郎君 希望の党代表、玉木雄一郎です。(拍手)

 四国のうどん県、香川県の出身です。香川県といっても、うちは相当田舎の方で、家の裏山からイノシシが出てきます。小さいころは、校庭や広場で野球やサッカーをしていると、早く帰りなさいと近所のおばさんが注意してくれる、そんな全国のどこにでもあるような田園風景の中で育ちました。

 しかし、そんな私の小学校も来年度廃校になります。地方の衰退は驚くべきスピードで進んでいます。

 地方だけではありません。今、普通に一生懸命働いて生活している人たちと一部の富裕層との間で格差が広がっています。豊かな人をより豊かにすればそのうちお金がみんなに回ってくる、そんな政策を続けた結果、日本の相対的貧困率は、OECD加盟国の平均値を上回るほど深刻な事態になってしまいました。

 日本全体に広がるこうした閉塞感を打ち破りたい、私はそんな思いで政治の世界に飛び込みましたが、我が党に集う仲間は、皆同じような問題意識、危機感を共有しています。

 今、日本に必要なのは、電車に例えれば、さびたレールを磨き直すことではありません。未開の荒野に新たなレールを敷き、新しい日本を開拓することです。これこそ、私自身の初心であり、私たち希望の党の使命だと考えます。

 何かがおかしい、何とかしてほしい、そう思っている方々の気持ちに寄り添い、質問をしたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 私たち希望の党は、綱領の中に、寛容な改革保守を掲げています。これは、我が国の地域社会に脈々と受け継がれてきた伝統や文化を守りながら、時代の変化をしなやかに受け入れる、そんな精神をあらわしたものです。

 尊敬する郷土の先輩、大平正芳元総理の有名な理念に、楕円の哲学というものがあります。楕円に二つの中心があるように、政治も世の中も、二つの相対立するものが適度な緊張と調和の中に共存している、そんな状態が望ましいという、まさに穏健保守の政治哲学です。この道しかないと決めつけ、異なる意見を聞き入れず、力の支配を信奉する、世界的に見られる近年の政治風潮とは正反対の考えと言っていいかもしれません。

 私たちは、地域の共同体におけるこうした良質な保守層の中に育まれてきた、寛容の精神やバランス、調和を重視する、いわば土のにおいのする政党を目指してまいります。そして、日本の政治の中で、自民党にかわる楕円のもう一つの中心となり、政権を担う核となることを目指してまいります。

 そのために、次の三つの基本方針を党の中心的考えとして推し進めてまいります。

 第一に、現実的な外交・安全保障政策。第二に、弱肉強食ではない、働く人や中間層が豊かさを実感できる福祉国家の実現。そして第三に、未来を先取りする改革と情報公開の徹底。この三つです。

 まず、現実的な外交、安全保障を進める立場から、日米関係について質問します。

 さきの日米首脳会談で、インドまで含めた、自由で開かれたインド太平洋戦略で日米の首脳が合意したこと、また北朝鮮への圧力強化で合意したことは、積極的に評価をいたします。同時に、トランプ大統領との会談では、日米両国が北朝鮮問題に関し、一〇〇%ともにあると確認されました。トランプ大統領はかねてより、軍事行動を含め、全ての選択肢がテーブルの上にあると言っています。

 日米同盟の重要性は言うまでもありません。しかし、一〇〇%ともにあるとまで明言したのは、軍事行動も含めて行動をともにすると理解してよいのでしょうか。総理、ここは国民が一番聞きたいところでもあるので、明確にお答えください。

 私は、北朝鮮への融和政策には反対です。北朝鮮の核、ミサイル保有が固定化されてしまうような、最悪の融和政策に引き込まれる事態は断じて避けなければなりません。しかし、制裁や圧力、過激な言葉の応酬は、必然的にエスカレーションをもたらします。総理は、こうした圧力の先の着地点をどうお考えなのでしょうか。

 万が一にも軍事衝突が起きた場合、朝鮮半島にいる日本人の退避策をどう考えていますか。また、北朝鮮のミサイルの射程にすっぽりと入る日本の国土と国民の安全を確保するために、どのような具体策を考えていますか。総理みずからの言葉で国民に御説明ください。

 次に、拉致問題に関して伺います。

 拉致被害者家族とトランプ大統領との面談が実現し、深い理解と協力を引き出せたことは率直に評価をします。しかし、問われるのは、総理がよくおっしゃる、結果です。北朝鮮を協議に引きずり出すには、いやが応でも対話が必要となります。拉致被害者全員の帰国実現に向けた総理の具体的な方針を示してください。

 総理は、我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいと言って過言ではないと述べられました。だからこそ、私たちは、我が国を取り巻く近くの防衛に、限られた予算、定員、装備を集中すべきだと考えます。そもそも、限られた国力や人員、装備のもとで、アメリカの要求に基づきあれもこれも引き受けることは、国益に反することにもなりかねません。

 我が党は、近くの防衛は同盟国とも協力しつつ万全を期すとともに、遠くは抑制的にという限定を明確に具体化していきます。そのため、存立危機事態の新三要件の厳格化など、現行の安保関連法の改正案の提出を目指します。同時に、島嶼地域における領域警備やミサイル防衛に万全を期すための立法も検討していきます。ぜひ、与野党を超えて建設的な議論をしようではありませんか。

 憲法については、国民の知る権利、地方自治の本旨、衆議院解散権の制限など、幅広い論点について議論をしてまいります。しかし、総理が突然提案した自衛隊を九条に明記するだけの改憲提案には違和感を禁じ得ません。我が国が行使できる自衛権の範囲やその行使の要件などの議論もせずに、単に自衛隊を位置づけるとの議論は極めて不誠実です。私たちは、立憲主義にのっとった丁寧な議論で、憲法議論を正しくリードしていきます。

 経済、財政についても伺います。

 総理、そろそろアベノミクスの負の側面にも真摯に向き合うべきです。二〇二〇年のプライマリーバランスの黒字化は、もはや不可能です。そもそも、新三本の矢と言って掲げた二〇二〇年GDP六百兆円は本当に達成できますか。

 内閣府が出している中長期試算では、生産性上昇率、TFPといいます、これが二〇二〇年に向けてあり得ないペースではね上がる前提になっています。総理、御存じでしょうか。生産性革命と幾ら叫んでも、さすがに非現実的な数字です。結論ありきの恣意的な数字いじりは即刻やめるべきではないですか。総理の所見を伺います。

 確かに株価は上がっています。しかし、日銀が、上場投資信託、ETFの購入で大量の株式保有者となっていることを問題だとは思いませんか。総理の基本認識を伺います。

 ブルームバーグの試算では、日経平均構成銘柄二百二十五の約九割で日銀が大株主になっています。これは異常です。日銀がもしETFの購入をやめたら日経平均が数千円下がるとの試算もあります。ETF購入の出口をどう考えているんでしょうか。

 また、株式市場の世界的な高騰をバブルと警戒する声も出てきている中、仮に株価が急落すれば日銀のバランスシートは傷みます。そのとき、日銀は最後の貸し手としての機能を果たせるのでしょうか。危機への備えは万全と言えるのか、総理の認識を伺います。

 株価を人為的に上げるような政策が行われ、その受益者がいる一方で、持てる者と持たざる者との格差は確実に広がっています。

 アメリカでは、低所得白人の絶望死が増加していると言われています。人生がうまくいかず、生きる意味を失い、働く意思も喪失してしまう。結果、アルコールやドラッグ、自殺へと向かっていく。ノーベル経済学賞のディートン・プリンストン大学教授は、格差拡大と社会からの疎外が絶望死を生み出す要因と指摘をしています。

 そして、OECDのデータを見ると、日本の再配分機能は、このアメリカ並みに低いものになっています。

 私たちは、ベーシックインカム的な考えを取り入れた、全ての人が人間としての尊厳を持って生活することのできる、そんな社会保障制度のグランドデザインを提案してまいります。

 総理は、格差是正のための抜本的な給付と税負担の見直しの必要性についてどのように考えているのか、見解を伺います。

 総理は、所信表明で、幼稚園と保育園の無償化を実現すると高らかにうたい上げました。しかし、無償化はうそではないですか。幼稚園には巨額の資金を投じて無償化を進める一方、保育園、特に認可外は本当に無償になるんでしょうか。保育園に子供を預けているママ、パパで一番困っているのは、認可園に入れず、認可外に預けておられる方々です。都内だと五万円から八万円ぐらいの保育料がかかります。これを本当に無償化しますか。明言してください。

 そもそも、預けたくても預けられない待機児童が深刻な問題なのに、保育園に入れた人たちを無償化するのが優先順位が高いんでしょうか。優先順位が間違っていませんか。

 ある方が、ツイッターのハッシュタグで、子育て政策おかしくないですかと呼びかけたところ、瞬く間に二万人以上のネット署名が集まったと聞いています。無償化するお金があるなら、保活に苦しむ人がいなくなるよう保育園をふやしてほしい、無償化するお金があるなら保育士さんたちに回してほしいなど、数々の声が寄せられています。

 財源があるなら、無償化より全入化に使うべきだと考えますが、総理の所見を伺います。

 総理は、二〇二〇年までに三十二万人の保育の受け皿をつくる、そのために企業の拠出金三千億円を確保したと胸を張りますが、それで待機児童ゼロ、保育園全入化になるのでしょうか。計算しても、計算が合いません。

 例えば、野村総研の試算では、二〇二〇年までに新たに整備が必要な保育の受け皿は八十八万六千人とされています。どういう計算で政府は三十二万人と言っているのか、算定の根拠、計算式を示してください。見積もり違いで、差し引き五十六万六千人の子供たちが保育園に入れなくなる事態を総理は想定しておられますか。

 しかも、確保された三千億円には保育士の待遇改善は含まれていないようです。全産業平均よりも月九万円も低いとされる保育士の待遇改善をしないで、ただでさえ保育士不足なのに、どうするんでしょうか。待機児童の解消を目指す決意は揺るぎませんという所信表明での言葉も、これではかけ声倒れに終わってしまうと心配します。保育士の待遇改善の財源確保について、総理の考えを伺います。

 二〇二〇年代には、現役世代二人で一人のお年寄りを支える高齢社会になります。そして、認知症を患う方は七百万人となり、しかも人生百年時代を迎えます。我が党は、代表直属の機関として、認知症対策推進本部を設置し、党を挙げて認知症の問題に取り組んでまいります。

 そんな中、介護報酬の来年度改定に向けて、訪問介護の生活援助サービスの報酬引き下げが検討されています。認知症の方々や御家族の生活に一番大きな影響を及ぼすことが懸念されます。介護離職ゼロにも反すると思いますが、総理の考えを伺います。

 認知症は、高齢者だけの問題ではありません。若年性の認知症は平均五十一歳で発症。男性が多く、働き盛りでの発症は、家計にも、子育てにも、そして親世代の介護にも影響を及ぼします。この若年性認知症の問題の深刻さを総理はどう認識されていますか。考えを伺います。

 佐藤雅彦さんが書いた「認知症になった私が伝えたいこと」という本が反響を呼んでいます。まさに平均発症年齢の五十一歳で若年性認知症と診断された佐藤さんは、システムエンジニアだった経験を生かして、パソコンで日記をつけるなどの工夫をし、医師から困難と言われたひとり暮らしを続け、共感の輪が広がっています。

 最新のICTやSNSを活用すれば、認知症になっても自立した生き方を続けられる可能性が出てきました。政府もこうしたモデルを積極的に支援すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。

 農政について伺います。

 希望の党は、安全保障、社会保障、そして食料安全保障という三つの保障を重視する政党です。食料自給率五〇%を堅持し、国民の食べる食料の一定割合は自国内で自国民による生産によって確保する方針を貫きます。その際、鍵となるのが食の安全です。

 まず、単刀直入に伺います。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、選手村を初めとする施設で国産の食材をどれだけ出せる見通しでしょうか。

 農業生産の国際規格であるグッド・アグリカルチュラル・プラクティス、通称GAPや、GAPに相当する認証を受けているのは、現在、農家全体の数%のみです。このままだと基準を満たせず、日本のオリンピック・パラリンピックで日本の食材がほとんど出せないという事態になりかねません。

 一方で、中国ではこのGAP対応を早急に進めているとも聞いています。ロンドン大会では農家の八割が英国版GAPであるレッドトラクター認証を得ていたとされ、日本のおくれは明らかです。どう対応するつもりですか。国産の食材をぜひ多く使っていただきたいと思います。総理の具体的な見通しをお示しください。

 希望の党は、国内農家のGAP認証を推進するためにも、また、食の安全や環境配慮型の農法を支援するためにも、GAP支払いのような新たな直接支払いの制度の導入を目指します。これにより、再生産可能な所得を補償し、農家が安心して営農継続できる環境をしっかりと整備してまいります。

 米政策について伺います。

 ここ数年、安倍政権は補助金を使った飼料用米への誘導を強化してきましたが、これは形を変えた減反政策の維持にほかなりません。しかも、家畜の食べる餌米の生産に十アール当たり最大十万五千円もの巨額の税金を投じる政策に持続可能性があるのでしょうか。こんな飼料用米の予算をこれからずっと続けることができますか。総理の考えを伺います。

 補助金目当てで餌米の生産に回った結果、食品メーカー向けの業務用米の流通量が足りなくなるといった市場のゆがみまで生じています。また、こうしたゆがんだ政策誘導にJAを行政の手足のように協力させるのは、JAの自主性を尊重するとした改革の趣旨に反するのではないですか。JA改革に逆行していませんか。あわせて総理の見解を伺います。

 TPP11ですが、まだ調印もできていないのに、早くも補正予算での対策の話が出ていました。アメリカ入りの十二カ国のTPPで一兆円以上もの対策を打ったはずなのに、アメリカが離脱したら、なぜもっとお金が必要になるんですか。補正予算をぶち上げる前に、国内農家にどういう影響が出るのか、影響試算を出すのが先ではないでしょうか。試算なき対策は、TPP11を口実にした単なるばらまきだと断ぜざるを得ません。

 また、アメリカのハガティ駐日大使は、日米首脳会談で日米FTAが話し合われた、日米FTAは実現可能性が高いと語っています。政府は否定しておりますが、どちらが本当のことを言っているんでしょうか。お答えください。

 今後のアジアの成長の可能性を踏まえれば、アメリカとの関係とともに、アジアとの関係をもう一つの中心として、戦略的外交を展開していくことが必要だと思います。その意味で、最近、日中関係が改善の兆しを見せていることは評価していますが、さらに戦略的互恵関係を深めるべきと考えます。

 しかし、さきの米中首脳会談を見ても、アメリカと中国両国はもっと強固な経済関係を深めようとしているようにも感じます。

 私は、八月、一帯一路の起点都市である重慶市を訪問しました。正直、その発展ぶりと欧米との強固なつながりの深さに驚きました。もっと日本の政治家が中国の内陸部を訪問し、現在のリアルな中国の姿を直接知る必要があると実感をいたしました。

 そこで、総理に伺います。

 かつて、一帯一路構想やアジアインフラ投資銀行、AIIB構想については、どちらかというと慎重な姿勢を示しておられたと思いますが、現在、これらの構想をどう評価していますか。考えを伺います。

 私たちは、原発ゼロと自然エネルギー立国を目指してまいります。地産地消の自然エネルギーが中心となれば、農村地域に産業と雇用が生まれ、エネルギー自給率の向上、ひいてはエネルギー安全保障にもつながります。それに向けた工程表を作成し、関連法案を通常国会に提出してまいります。

 原発の廃炉は、世界的に見ても、需要の大きいビジネスとなっていきます。技術や人材をレベルアップしていくためにも、国が前面に出て、時代を先取りしていくべきだと考えます。

 そこで、伺います。

 原発事故を経験した地元の方々も強く望み、福島県議会では党派を超えて決議もされている東京電力福島第二原発の廃炉について、事業者任せにせず、国が前面に出て判断すべきではないですか。総理の見解を求めます。

 森友学園、加計学園について伺います。

 これらの問題について国民がいまだに疑問を持っている最大の原因は、情報公開が恣意的に行われてきたからです。都合の悪い文書は怪文書と断じ、あるはずの資料がないとか、捨ててしまって残っていないとか、わずか一年前の記憶がなくなるとか、相手方が証言しているのに自分にはわからないとか、誰もが信じがたい話をして、説明責任の放棄と受けとめられたことが問題です。南スーダンPKOの日報問題も、本質は同じです。

 そもそも、省庁の文書は、原則として全てパソコンで作成されています。ならば、業務上作成した文書データは全て保存しておくことも可能です。わざわざ削除、破棄する方が不自然なんです。私たちは、電子データは原則保存すべきとの法案の提出を検討していますけれども、業務上つくられた文書データは原則保存すべきではないでしょうか。総理の考えを伺います。

 地方の企業を回ると、深刻な人口減少と働き手不足に直面していることを肌で感じます。経済成長の三要素は、資本、労働投入、イノベーションです。労働力不足は、成長の最も大きな制約要因となるでしょう。

 そこで、今までの技能実習のような形ではなく、外国人労働力の導入の問題を真正面から議論すべきではないでしょうか。特に、地方では問題は深刻です。外国人労働者の活用について、総理の見解を伺います。

 中小・小規模事業者の事業承継問題も深刻な課題です。

 昨年一年間に休廃業や解散した企業は三万社近くとなり、過去最高です。もったいないことに、その約半数は黒字での休廃業。経営者の六割が二〇二〇年代半ばにリタイアの年齢を迎え、その半数の方が、後継者は未定と答えています。放置すれば、我が国GDPが二十二兆円も減るとの試算もあります。この際、中小・小規模事業者の事業承継税制について、納税猶予ではなく、思い切って免除すべきと考えますが、総理の見解を伺います。

 後継者を育てたいのに、社会保険料の重さから、正社員の採用をちゅうちょする中小・小規模事業者も少なくありません。希望の党は、中小・小規模事業者が正社員を雇った際には、社会保険料の事業主負担分を軽減する法案を提出する方針です。政府としても、ぜひ私たちの政策を採用していただきたいと思います。

 最近話題となっている質問時間の配分について質問します。

 与党の期数の少ない議員が中心に、質問時間が足りないので与党の時間をふやせと言っておられるようですが、例えば、政府・与党は、内閣提出法案、閣法が審議されているときは毎日でも委員会を開こうと言いますが、閣法が成立してしまうと、定例日さえ国会を開こうとしません。定例日には必ず国会を開く、こうした運用に改めるべきではないですか。また、野党からの修正協議には必ず応じるというルールを定めるなど、国会審議を活性化させる方策は幾らでもあります。

 国会のことは国会でお決めいただきたいなどお決まりの答弁ではなく、ぜひ私たちのこうした提案を検討していただけるよう与党に指示をしてください。総理の答弁を求めます。

 フェイスブックの生みの親、ザッカーバーグ氏は、母校であるハーバード大学の卒業生を前に、あるエピソードを紹介しました。ケネディ大統領がNASAの宇宙センターを訪れたとき、ほうきを持った用務員の男性を見かけ、何をしているのかねと尋ねました。男性は答えました。大統領、私は人類を月に送るためのお手伝いをしているのですと。このような、生きる目的をみんなが持てる世界をつくること、それが僕らの世代がやるべきことだとザッカーバーグ氏は語りました。

 ザッカーバーグ氏の言う目的とは、私から言えば希望そのものです。何でもあるはずの日本から、今、希望だけが失われています。頑張れば不可能なことは何もない、チャンスはいつでも誰にでも開かれている、世界をもっとよくできる、そう感じられる、希望あふれる日本にしていきたいと思います。特に、子供たちが、この国に生まれてよかったと心から思える国にしていきたいと思います。その道筋を示す政党が希望の党です。

 私たちは未来先取り政党です。仲間とともに政策に磨きをかけ、積極果敢に議論を巻き起こしてまいります。私は、田舎出身の政治家として、土のにおいのする政党を仲間とともに育て上げてまいります。泥臭く、謙虚に、そして爽やかに、日本のために働きます。その決意を最後に申し上げ、私、希望の党代表、玉木雄一郎の代表質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 玉木雄一郎議員にお答えをいたします。

 北朝鮮問題への日米の連携及び圧力の先の着地点についてお尋ねがありました。

 トランプ大統領とは、訪日の際に、十分な時間をかけて北朝鮮の最新の情勢を分析し、日米が北朝鮮問題に関し、一〇〇%ともにあることを確認しました。

 米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、私も、また世界じゅうの誰一人紛争など望んではおりません。

 しかし、北朝鮮が、一九九四年の枠組み合意、二〇〇五年の六者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは、対話のための対話では意味がありません。

 北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要であります。

 朝鮮半島からの邦人退避やミサイルからの国民の安全確保についてお尋ねがありました。

 海外で邦人が危機にさらされたとき、邦人の保護、救出に全力で当たることは国としての当然の責務であります。

 政府としては、平素から、在韓邦人の保護や退避が必要となるさまざまな状況を想定し、情報提供、安否確認、輸送手段の確保などについて、必要な準備、検討を行っています。

 北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威です。北朝鮮の脅威を抑止するため、強固な日米同盟のもと、日米で協力し、防衛体制と能力の向上を図るべく、具体的行動をとっていきます。

 また、我が国として、陸上配備型イージスシステムを中心として弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図るなど、防衛力の強化を図ってまいります。

 国民の命と平和な暮らしを守るという政府の最も重要な責務を全うするため、必要な対応に万全を期していく考えであります。

 拉致問題についてお尋ねがありました。

 トランプ大統領が、全世界が注目する国連総会の演説で横田めぐみさんに言及したことに加え、訪日の際に、拉致被害者の御家族の皆様と面会し、御家族の方々の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けていただいたことは、拉致問題の早期解決の重要性を世界に訴える上で非常に大きな力となりました。

 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題です。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日まで、私の使命は終わりません。

 私が司令塔となって、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。

 中長期の経済財政についてお尋ねがありました。

 政権交代後、アベノミクス三本の矢によってデフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは一〇・八%、五十三兆円増加するなど、経済の好循環が生まれております。この流れをより確かなものとするため、引き続き、生産性革命、人づくり革命など、あらゆる政策を総動員し、名目GDP六百兆円経済の実現を目指してまいります。

 なお、中長期の経済財政に関する試算の経済再生ケースでは、安倍内閣の経済財政政策の効果が着実に発現し、日本経済がデフレ前のパフォーマンスを取り戻すという想定で試算しており、結論ありきで操作しているという御指摘は当たりません。

 日本銀行の金融政策についてお尋ねがありました。

 日本銀行によるETFの買い入れは、物価安定目標を実現するための金融政策の一環として行われているものと承知しております。その上で、日本銀行は、資産価格の動向を含むさまざまなリスク要因も十分に点検し、経済、物価、金融情勢等を踏まえながら、適切に金融政策運営を行っていると理解しています。

 金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきであると考えており、私は、黒田総裁の手腕を信頼しております。

 格差に対する認識と是正のための取り組みについてお尋ねがありました。

 安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げていくというものです。成長し富を生み出し、それが国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現していきます。

 安倍内閣発足後の所得格差を示す指標の動きを見ると、所得再配分後のジニ係数は、近年の雇用・所得環境の改善や、社会保障、税による所得再分配が機能した結果、おおむね横ばいで推移しており、OECDの各国比較で見ても中位水準であると承知をしております。

 また、相対的貧困率は、これまで長期的に上昇傾向となっていましたが、政権交代後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、改善に転じ、特に子供の貧困率は大きく改善しました。

 なお、自殺者数は、安倍政権発足後、減少傾向にあるものと承知をしております。

 御指摘の格差是正の取り組みについては、医療、介護における低所得者の保険料負担の軽減や高額療養費制度の見直しなど、改革を進めてきております。

 また、税制についても、再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率引き上げ等を講じ、随時実施しているところであります。

 認可外保育施設の無償化等についてお尋ねがありました。

 幼児教育の無償化については、先般の総選挙でもお約束したとおり、二〇二〇年度までに、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところであります。政府として、認可外保育施設を無償化の対象外とする方針を決めた事実は全くありません。

 待機児童解消を目指す安倍内閣の決意は揺らぎません。本年六月に策定した子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受け皿整備を進め、待機児童の解消に最優先で取り組んでまいります。

 認可外保育施設の取り扱いを含め、現在、与党においても議論が行われていると承知しており、政府としては、与党の提言をいただいた上で、十二月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめてまいります。子育て安心プランの前倒しについても、パッケージにおいて明確に位置づけた上で、必要な財源を確保してまいります。

 子育て安心プランの整備量についてのお尋ねがありました。

 本年六月に公表した子育て安心プランで示した約三十二万人分の受け皿は、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率を二〇二二年度末には八〇%まで上昇すると想定し、その就業率と相関して、保育の利用申し込み率も五割を超える水準まで伸びると想定して算出したものであります。

 この三十二万人分の考え方については、これまでも機会を捉えて説明しているところでありますが、引き続き丁寧に説明を行ってまいります。

 また、保育人材の処遇改善については、平成二十九年度予算で全職員の処遇を二%改善し、政権交代後合計一〇%の改善を実現するとともに、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を行ったところであり、引き続き保育人材の処遇改善に努めてまいります。

 訪問介護と認知症対策についてお尋ねがありました。

 訪問介護の報酬については、自立支援、重度化防止、適切なサービス提供確保の観点から、平成三十年度介護報酬改定に向けて検討を進めているところです。

 認知症は誰もがかかわる可能性のある身近な病気です。認知症の方ができる限り住みなれた地域で暮らすことができる取り組みを進めていくことが必要です。

 このため、一昨年、我が国の認知症国家戦略として、新オレンジプランを策定しました。その中で、若年認知症の方、私も何人かの若年認知症の方からお話を伺ったことがございますが、特に就労や経済的な問題、社会参加など、さまざまな課題を抱えることから、施策強化を大きな柱として位置づけました。

 この新オレンジプランに基づき、相談窓口を設置し、医療、福祉、就労に関する相談や就労継続へ向けた企業との調整など、総合的な支援を行ってまいります。

 認知症の方の生活を支える上でICTの活用もその一つの手段になり得るものであり、認知症の人がそれぞれ自分らしい生活を営めるよう支援してまいります。

 GAPの推進、飼料用米政策、農協改革についてのお尋ねがありました。

 東京オリンピック・パラリンピック大会の農産物の調達基準においては、GAPの認証取得が要件となっています。現在のところ、必要な食材の量や品目が決まっていないため、正確な見通しをお示しすることはできませんが、GAPの認証取得の支援等により、国産農産物の供給を可能な限り進めていきたいと考えております。

 政府としては、御指摘のようなGAPの直接支払制度ではなく、農業者の認証取得の支援等を通じて、今後ともGAPの取得を推進してまいります。

 我が国においては、主食用米の需要が年々減少している中で、食料自給率等の向上を図るため、主食用米から飼料用米などへの転換により、水田のフル活用を進めています。

 こうした中、水田活用の直接支払交付金において飼料用米などに対する支援を実施しているところですが、これについては、農業者による生産コストの低減等の取り組みを促しながら、引き続き、不断に施策の点検を行いつつ、必要な支援を行ってまいります。

 農協については、農業者が自主的に設立した民間組織であることを踏まえ、行政は、単位農協を安易に行政のツールとして使わないことを徹底する考えのもとに農協改革を進めているところです。

 TPP11の対策と影響試算についてお尋ねがありました。

 二年前に決定した総合的なTPP関連政策大綱については、現在、大枠合意に達した日・EU・EPAを見据えた施策を新たに盛り込むための改定作業を進めております。その際、二年前にTPPの発効を見据えて盛り込んだ施策のうち、引き続き必要となる施策については、実績の検証を踏まえ、必要な見直しを行った上で実施することを検討しております。

 これらの施策はいずれも、中堅・中小企業の海外展開や農林水産業の体質強化などに資するものであります。世界の自由貿易の推進に主導的な役割を果たしていく我が国として、TPPや日・EU・EPAなどの経済連携協定の発効にかかわらず、経済再生、地方創生の観点から速やかに実施していく必要があります。

 TPP及び日・EU・EPAの影響は、協定自体の発効による効果だけでなく、当然これに対する対策の効果もあわせて考える必要があります。そのため、TPP協定等とその対策を盛り込んだ政策大綱は不可分一体であり、影響の試算については、今回の政策大綱の改定を踏まえた上で、国民の皆様にわかりやすく提示したいと考えております。

 日米FTAについてお尋ねがありました。

 トランプ大統領との会談では、日米FTAに関するやりとりはありませんでした。トランプ大統領とは、日米経済関係をさらに強化するために、自動車、ライフサイエンスイノベーション等の分野での取り組みを確認したほか、法執行やエネルギー、インフラなどで協力も強化していくことで一致いたしました。さらに、二国間の貿易だけでなく、アジア太平洋地域に広がる貿易・投資における高い基準づくりを主導していくことで一致しました。

 日中関係並びに一帯一路及びAIIBについてお尋ねがありました。

 今回、習近平国家主席及び李克強首相とそれぞれ日中首脳会談を行い、戦略的互恵関係の考えのもと、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていくことで一致しました。

 一帯一路構想については、インフラの開放性、透明性、経済性、対象国の財政の健全性といった国際社会の共通の考え方を十分に取り入れることで、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待しており、政府としては、こうした観点から協力していきたいと考えています。

 AIIBについては、公正なガバナンスを確立できるのか、借入国の債務の持続可能性や、環境、社会に対する影響への配慮が確保されているかについて、引き続き運用を注視していきたいと考えています。

 福島第二原発の廃炉についてお尋ねがありました。

 福島第二原発については、福島県の皆様の心情を察すると、これまでに新規制基準への適合性審査を申請している他の原発と同列に取り扱うことは難しいと認識しています。

 ただし、同原発の扱いについては、まずは東京電力が地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えています。

 行政文書の保存についてお尋ねがありました。

 公文書管理は、国民への説明責任を全うする上で極めて重要な制度です。

 公文書管理については、紙文書、電子文書にかかわらず、行政文書の保存に関する基準の明確化等を内容とするガイドラインの改正を年内に行うこととしており、その後も、公文書管理の質を高めるための不断の取り組みを進めてまいります。

 国会改革についてのお尋ねがありました。

 国会の運営については、各党各会派について御議論いただき、国会においてお決めいただくものと考えております。

 外国人労働者の活用についてお尋ねがありました。

 我が国の活力を維持するためには、あらゆる場で誰もが活躍できる全員参加型の社会を構築することが必要と考えています。

 その上で、今後の外国人材受け入れのあり方について申し上げれば、経済社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ内容の具体化を検討していく考えであります。

 なお、安倍政権として、いわゆる移民政策をとる考えはありません。

 事業承継税制についてお尋ねがありました。

 中小企業の経営者の高齢化が進む中で、早期の事業承継を促す観点から、税制や予算措置を含め、承継の準備段階から承継後まで総合的な支援が必要と考えております。

 今後、承継制度については、平成二十一年度の創設以降、これまで累次の見直しを行ってまいりましたが、来年度の税制改正において、とりわけ御指摘の点については一般の納税者との公平性等といった観点も考慮しつつ、事業承継税制全般について拡充を検討してまいります。

 社会保険料の事業主負担は、年金や医療の給付を保障することで働く人が安心して就労できる基盤を整備することが、事業主の責任であるとともに、働く人の健康の保持及び労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するという観点から、事業主に求められているものであります。

 御党で検討中の法案の具体的な内容を承知しておりませんが、社会保険料の事業主負担を長期にわたり公費で肩がわりすることは適当ではないと考えております。(拍手)

     ――――◇―――――

田野瀬太道君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明二十一日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。

副議長(赤松広隆君) 田野瀬太道君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

副議長(赤松広隆君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣     麻生 太郎君

       総務大臣     野田 聖子君

       法務大臣     上川 陽子君

       外務大臣     河野 太郎君

       文部科学大臣   林  芳正君

       厚生労働大臣   加藤 勝信君

       農林水産大臣   齋藤  健君

       経済産業大臣   世耕 弘成君

       国土交通大臣   石井 啓一君

       環境大臣     中川 雅治君

       防衛大臣     小野寺五典君

       国務大臣     江崎 鐵磨君

       国務大臣     小此木八郎君

       国務大臣     梶山 弘志君

       国務大臣     菅  義偉君

       国務大臣     鈴木 俊一君

       国務大臣     松山 政司君

       国務大臣     茂木 敏充君

       国務大臣     吉野 正芳君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官  西村 康稔君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  横畠 裕介君


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