衆議院

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第4号 平成30年1月30日(火曜日)

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平成三十年一月三十日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第四号

  平成三十年一月三十日

    午後四時開議

 第一 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案(東日本大震災復興特別委員長提出)

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本日の会議に付した案件

 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)

 日程第一 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案(東日本大震災復興特別委員長提出)


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    午後四時二十二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員渡部一郎君は、昨年十二月一日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 渡部一郎君に対する弔詞は、議長において去る二十六日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに科学技術振興対策特別委員長の要職にあたられた渡部一郎君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

田野瀬太道君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 田野瀬太道君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。

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 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)

議長(大島理森君) 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長河村建夫君。

    ―――――――――――――

 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書

 平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔河村建夫君登壇〕

河村建夫君 ただいま議題となりました平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)外一案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、補正予算二案の概要について申し上げます。

 一般会計補正予算については、歳出において、生産性革命・人づくり革命、災害復旧等・防災・減災事業、総合的なTPP等関連政策大綱実現に向けた施策を実施するために必要な経費等を計上する一方、既定経費の減額を行うこととしております。

 また、歳入において、前年度剰余金の受入れ、公債金の増額などを行うこととしております。

 これらの結果、平成二十九年度一般会計予算の総額は、歳入歳出ともに当初予算から一兆六千五百四十八億円増加し、九十九兆一千九十五億円となります。

 特別会計予算については、国債整理基金特別会計、エネルギー対策特別会計など八特別会計において、所要の補正を行うこととしております。

 この補正予算二案は、去る一月二十二日本委員会に付託され、二十六日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、二十九日から質疑に入ったものであります。質疑の詳細は、会議録により御承知願いたいと存じます。

 本日、質疑を終局し、討論、採決を行いました結果、平成二十九年度補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。亀井亜紀子君。

    〔亀井亜紀子君登壇〕

亀井亜紀子君 立憲民主党・市民クラブの亀井亜紀子でございます。

 私は、ただいま議題となりました平成二十九年度補正予算案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 まず初めに、政府・与党の極めて横暴な国会運営に抗議します。

 今さら言うまでもありませんが、国会は国権の最高機関、唯一の立法機関であり、行政の責任を受けとめる機関です。そして、その国会は、憲法四十三条にあるとおり、全国民の代表によって構成されています。当然、そこには多様な価値観があります。

 本来、国会とは、政府が反対者を含む全国民の代表に向き合い、野党の厳しい質問に耐えることによってその正統性を確保する場であります。ところが、政府・与党は、さきの特別国会から慣例を破り、野党の質問時間の削減を執拗に求めているのです。

 予算案も法案も、国会に提出された時点で与党による事前審査は終わっているはずです。言いかえれば、政府・与党が一体となって提出しているのに、なぜそんなに質問時間が必要ですか。正当な理由なく与党の質問時間をふやすということは、与党に対してさえ、この政府の正統性は疑わしいという意味を持つことにお気づきですか。

 若手議員に質問の機会をつくりたいというのは党内の話であって、憲法によって政治権力を縛るという立憲主義とは次元の違う話です。官邸が国会運営に口を挟んでいるのか、与党が官邸にそんたくしているのか、内情はわかりませんが、国会は政府の下請機関ではありません。国会を軽視する安倍政権に重ねて抗議するとともに、与党に対して、立法府の役割を果たすように強く求めます。

 さて、間もなく確定申告の時期がやってきます。昨年は、約二千百七十万人もの方々が確定申告書を提出しました。領収書の保存や帳簿の記載について厳しい指摘を受ける時期であり、最も税への認識が高まる時期と言ってよいでしょう。徴税現場の税務署職員も多忙をきわめ、そうした方々の御苦労、日々の業務の積み重ねの上に、こうして平成二十九年度補正予算は編成されています。

 ところが、時を同じくして、その徴税制度への信頼が著しく損なわれる事態に直面しています。森友学園の問題です。

 昨年、国有地が不当に安く売却されたのではないかと国会で追及した際、当時の佐川理財局長は、交渉記録はないと繰り返していました。ところが、近畿財務局が交渉経緯を記した文書を保有していたことが最近明らかになりました。

 また、森友学園と価格調整はしていないと答弁したにもかかわらず、売買金額の事前調整に努めるとの方針が財務局の内部文書に記載されていることも明らかになっています。つまり、国会答弁はうそだったのです。

 そのうそを積み重ねた人物が、あろうことか、徴税の責任者である国税庁長官に栄転しています。これでは国民が税金を納めようという気になりません。

 国の財布に八億円の穴をあけ、国会で堂々とうそをつき、そのことが判明しながら記者会見もしない。責任もとらない。この人事について、総理の御見解は適材適所とのことですが、うその答弁をする人物が適材で、その適所が国税庁長官とは、国民をばかにしているとしか思えません。

 そもそも、税の責任者として予算委員会に出席できないような人物をなぜ任命したのですか。ほかに幾らでも優秀な人材はいるはずです。

 総理、佐川国税庁長官は一刻も早く更迭すべきです。そうしない限り、この問題は延々と続き、税への信頼、政府への信頼がますます失われていくでしょう。時間がたてば興味が薄れるだろうとお考えなら甘いです。ひど過ぎます。

 次に、補正予算案へ計上されているTPP対策予算について申し上げます。

 TPP対策費については、平成二十七年十月の大筋合意以来、数次にわたる補正予算で、これまで約六千億円を超える対策費が投じられてきました。

 農業の体質強化の必要性は当然理解します。経済連携によらずとも、農産物の輸出入は増加を続け、近隣諸国も含め、広い商圏をターゲットにした農業を実現する動きが始まっています。生産技術強化、輸送技術の向上、品質向上に向けた支援の強化は現場から強く求められており、そのため、一定の国費を投じることを否定はいたしません。

 しかし、平成二十七年十月の大筋合意のときに試算された農林水産物の生産額への影響は、最大二千百億円程度と試算されていたはずです。ところが、その三倍にも及ぶ対策費が既に投じられております。さらに、今次の補正予算案では三千億円近い額が投じられ、これまでの対策費は総額一兆円に迫る勢いです。一体、これまで投じられた六千億円の効果はどのようになっているのですか。

 農業の体質強化が必要であれば、堂々と本予算に計上し、議論すべきです。補正予算を抜け穴に農林水産関係予算が膨張を続けることについて、説明が足りません。

 例えば、農地のさらなる大区画化とありますが、農地の集約は相当進んでおり、これ以上広げても受け手が足りないという状況が発生しています。集約に適さない中山間地の農業はどう守るのでしょうか。

 米政策については、政府は、ことしから生産調整、いわゆる減反政策をやめるという大転換に踏み切りました。

 自由貿易を推進する先進諸国は、関税を下げるかわりに、生産者に対して所得補償をしています。輸出補助金まで支給し、実質的な価格のダンピングによって輸出強化している国もあります。

 かつての民主党政権は戸別所得補償を導入しましたが、自公政権になって廃止されました。では、ことしから、価格調整もせず、所得補償もしないのですか。

 政府は去年、主要農作物の種子法を廃止しましたが、先祖伝来の種子を守る予算は削減するのですか。

 このように、幾らでも論点があり、本質的な議論が必要です。

 さて、補正予算について自治体の陳情が重なる時期ですが、地方交付税を削減し、自治体の基金を使わせようという動きに警戒感が広がっています。当然、財政状況は各自治体で異なり、裕福なところばかりではありません。特に地方においては、急激な人口減少に直面し、何とか踏みとどまっている状況です。

 基金をターゲットにするということは、節約に励む自治体の自助努力を減退させることにもつながりかねません。霞が関にありがちな全国一律の対応はしないように強く求めます。

 防衛予算についても一言申し上げます。

 北朝鮮の挑発行為に緊張が高まっていますが、どこまで装備すれば万全と言えるのかという問いに答えはないでしょう。それは多分に心理的なものであり、核のボタンを実際には押せないように、壊滅的な武器は国を滅ぼします。

 北朝鮮は弾道ミサイルの開発に取り組んでいますが、そのターゲットはアメリカであり、少なくとも安保法制が成立するまで、そして昨年、原子力空母カール・ビンソンと自衛隊が共同訓練するまでは、日本がターゲットにはなっていなかったはずです。

 ところが、今、日本は北朝鮮に対して、アメリカとともに作戦に参加するぞというメッセージを発してしまっています。そんなことはないと総理はおっしゃるでしょうが、あくまでも相手の国にとって日本がどう見えるかという問題です。当然、どの国も最悪の事態に備えます。

 最近、私は、交流のあったトルコの外交官を思い出します。イラク戦争のとき、トルコは基地の提供をアメリカに求められましたが、断りました。そのことについてトルコの外交官は、イラクは隣国だからずっとつき合わなければならない、戦争が終わったら立ち去るアメリカとは違うのだから、基地の提供はできないのだと言いました。

 これを日本に置きかえたとき、米軍基地は既に存在しているので、いかにして北朝鮮とアメリカの戦争に巻き込まれないようにするか、日本が戦場にならないようにするかという視点が必要です。それが国を守るということだと私は思います。

 そうした観点で考えたとき、今回の補正予算がふさわしいものであるのか、専守防衛の枠を超えていないか、議論が尽くされたとはとても思えません。

 間もなく本予算の審議が始まります。補正予算からも安倍政権の方向性は見えますが、本予算は、それこそ野党に時間が必要です。

 安倍総理の悲願である憲法改正、外交、安全保障、原子力政策、TPP、農業政策、働き方改革等のテーマに加えて、森友、加計問題、スパコン、リニアに関する疑惑、さらには茂木大臣の公職選挙法に関する問題など、追及したいことは山ほどあります。

 与党の質問は、沖縄に対する冒涜発言など、政府の失言に対する言及はありますが、本質的な議論からはほど遠いものです。そもそも、賛成予定の予算案や法案に厳しい質問はできないのです。

 補正予算の審議においては、分刻みの交渉の末、私たちは時間を譲歩しました。時間を余らせるのであれば、野党に返してください。

 国会における議論の活性化を期待し、私の反対討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) あべ俊子君。

    〔あべ俊子君登壇〕

あべ俊子君 自由民主党のあべ俊子でございます。

 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)及び平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案に対しまして、賛成の討論を行います。(拍手)

 我が国の経済の成長軌道を確かなものにし、持続的な経済成長をなし遂げるための鍵は、少子高齢化への対応でございます。

 昨年秋に施行されました第四十八回衆議院選挙におきまして、自由民主党は、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、生産性革命、人づくり革命を選挙公約に掲げまして、国民の皆様に信任をいただきまして、二百八十四の議席を獲得いたしました。

 今回の補正予算、この生産性革命・人づくり革命に加え、災害復旧等・防災・減災事業、総合的なTPP等関連政策大綱実現に向けた施策において措置を講じるものでございまして、適切な補正予算であると評価することができます。

 以下、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べます。

 まず、生産性革命、この取組の一弾として、特に生産性の向上が急務である業種、中堅また中小企業、小規模事業者に対して集中的な支援を図ることとしております。例えば、物づくり、商業、サービス経営力の向上に資する設備投資の支援、ソフト面でのITツールの導入の支援を行うとともに、イノベーションを促進するための措置が盛り込まれております。

 また、人づくり革命、これを進めるための第一歩といたしまして、子育て安心プランの二年前倒しの実現に加えまして、保育所や認定こども園の整備費が盛り込まれているところでございます。

 次に、近年の災害の頻発化、激甚化を踏まえまして、災害復旧に万全を期すこととしておりまして、昨年七月の九州北部の豪雨、また十月の台風二十一号により被災した公共土木施設などの災害復旧などを実施することとしております。

 また、九州北部の豪雨による災害を受けた中小河川の緊急点検などに基づく対策を緊急措置として強力に推進するなど、自然災害リスク回避のための防災・減災対策を行うほか、学校施設などの防災・減災対策も推進することとしております。

 日本の農業、これから米の生産調整が廃止されるという大きな転換期を迎えております。ITやドローンなども駆使しながら大規模化や効率化を進める最先端の農業を支援しつつ、同時に、中山間地域の元気を取り戻し、未来の農林水産業を担う若者たちに魅力を感じてもらうように、確かな将来像を描く必要があります。

 この点、TPPや日・EU・EPAに備えた農林水産業の強化などのため、農地の大区画化を推進する農業農村整備事業、生産コストの低減や高付加価値の作物へ転換を促進する産地パワーアップ事業、地域にとって重要な畜産、酪農の収益力の強化につながる畜産クラスター事業なども盛り込まれているところでございます。

 このほか、新たな段階の脅威となった北朝鮮の核・ミサイル開発などに対応するための自衛隊の総合力を高める運用体制の確保といった喫緊の課題に対しましても、しっかりと対応することとしております。

 最後に、これらの歳出の追加に関しましては、赤字国債に頼ることなく、既定経費の減額一兆二千四百十六億円や、税外収入九百五十六億円、建設国債により対応することとしており、財政健全化にも一定の配慮をしているものでございます。

 以上、本補正予算に賛成する理由を申し述べました。

 議員各位の御賛同を賜りますよう強くお願いを申し上げます。(拍手)

議長(大島理森君) 井出庸生君。

    〔井出庸生君登壇〕

井出庸生君 希望の党、信州長野の井出庸生です。

 討論に先立ちまして、一言、先ほど、午後の予算委員会で、我が党の柚木道義議員が性暴力被害について取り上げました。伊藤詩織さんの訴えであります。総理からは、被害者に対応するワンストップセンターを都道府県に一つ以上整備する等の答弁がございましたが、性暴力被害者への理解を深め、被害者に寄り添う社会の実現に努めていただくようお願いを申し上げます。

 さて、議題となりました政府提出の平成二十九年度第一次補正予算二案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 財政法二十九条は、補正予算の趣旨を、国の経費の不足を補う、当初予算作成後に発生した緊急を要する経費の支出に限ると規定しています。補正予算は平成に入ってから四十六回編成されていますが、本当に、国の経費の不足を補い、かつ、当初予算後に発生した緊急を要する経費の支出に限定されているかどうか、多くの政党から強い疑念が呈され続けています。

 また、前年の夏から時間をかけて編成が行われる当初予算と比べると、補正予算の編成作業の時間は短く、査定役の財務省のチェックが甘い。また、国会での審議時間も短い。補正予算は規模ありきになっているという、一月十九日に日本経済新聞に掲載された記事の指摘は重く受けとめなければなりません。

 今般の補正予算案を見ますと、平成二十四年から、毎年、補正予算で六年間計上されてきた中小企業向けの補助金、ものづくり補助金が今回も一千億円計上されています。

 昨年十月、財務省が財政制度等審議会の分科会に提出した資料によりますと、平成二十四年から二十六年の三年の間に、毎年一万件前後の事業がものづくり補助金を受けて実施されていますが、製品が一つ以上販売された事業は半数前後にとどまり、さらに、補助金を受けた事業者が行った設備投資のうち、補助金を除く三分の一の自己負担分を回収できた事業者は〇・一%にも満たない状態が続いています。

 政府は、人手不足の中、生産性を上げる緊急の目的があると言いますが、目的が果たされているのかどうか、大いなる検証と改善の余地があると言わざるを得ません。

 また、TPP対策は、平成二十七年度補正予算で三千百二十二億円、二十八年度補正予算で三千四百五十三億円を計上し、既に執行段階に入っています。本二十九年度補正予算案でも、二十七、二十八年度同様、補正予算としては過去最大の三千四百六十五億円を計上しています。

 TPPが重要施策であれば、三年にもわたって補正予算として計上するのではなく、当初予算に計上し、さまざまある対策について、本当にTPP対策に資するものか、それとも、TPPによらず、根本的な農業施策なのか、当初予算の審議で時間をかけて議論を尽くさなければなりません。

 災害対応については、昨年の九州北部豪雨災害を受けた災害復旧費など、妥当なものもある一方で、耐震化など、学校施設等への防災・減災対策への八百六十二億円などは、補正予算ではなく当初予算で計画的に実現するべきではないかと考えます。

 また、予算委員会で我が党の後藤祐一議員が問題提起をしました、本白根山の噴火災害への対応に係る必要なものを、この補正予算案でなくても構いませんので、平成三十年度当初予算に盛り込むよう、既に提出されている当初予算案の修正の検討を求めます。

 次に、防衛予算は、第二次安倍内閣が編成した平成二十五年度以降、六年連続で上昇傾向が続き、二十九年度補正予算案にも、一回の補正予算としては過去最大の二千三百四十五億円を計上しています。

 本補正予算案には、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を踏まえた、陸上イージスシステムの導入費を計上しています。防衛省は、当初、来年度に改定される中期防衛力整備計画に盛り込む方向であったものを、あえて前倒しして計上したと言われています。

 アメリカが価格や納期に主導権を持ち、アメリカの言い値で購入することが多い予算額が更にふえる懸念について、本会議での小野寺防衛大臣の答弁は、甚だ心もとないものであったと言わざるを得ません。また、最新鋭の兵器は、維持費や修理費のみならず、こうした大型の防衛装備品の支払いは複数年にわたるため、後年度負担額が防衛予算を圧迫する問題も大きくなっております。

 先週の本会議では、日本の専守防衛や、日米安保条約のもとでの矛と盾の日米の役割分担という極めて重大な論点が与党からも提起されました。査定や審議時間の短い補正予算ではなく、当初予算に盛り込んで議論するべきです。

 その一方で、北朝鮮漁船への対応、あるいは尖閣周辺の領海に侵入する多数の中国公船や漁船への対応等に当たる海上保安庁への予算措置は十分と言えるのでしょうか。

 財政再建について申し上げます。

 安倍総理は、昨年の総選挙以来、将来の消費増税分の使途を変更するから二〇二〇年度プライマリーバランスの黒字化が困難になった旨、繰り返し発言されていますが、もともと、現状であっても二〇二〇年度末に八・二兆円の赤字が見込まれており、厳しい財政についての認識に大きな誤りがあると言わざるを得ません。財政状況を改善するには、毎年の予算編成で歳出を厳しくチェックする不断の取組が欠かせません。

 政府は、来年度当初予算では、歳出をふやしつつも、新規国債発行額は前年度よりわずかに減らすとして、国の財政再建計画を守っているかのようにおっしゃっていますが、足りない歳出分を、同時編成された補正予算で手当てする手法が常態化しています。

 本来は当初予算に計画的に計上すべきものを補正予算に盛り込んだ結果、例えば、農林水産予算総額は、平成三十年度当初予算案では前年度比〇・二%の減少ですが、二十九年度補正予算案を合わせると、二〇%の増加となっています。また、公共事業費は、来年度当初予算案では前年度から微増の約六兆円とされながら、本補正予算案に約一兆円が計上されているのであります。

 さらに、昨年度、税収が当初の見込みを大幅に下回り、不足分を補うため、七年ぶりに、年度途中に新たに一・七兆円の国債を追加発行する事態に陥ったばかりですが、本補正予算案では、二十八年度決算の余剰金では足りず、新たな借金となる一兆一千億円規模の国債を追加発行する事態になっています。

 日本銀行の大量の国債買入れによる超低金利で、発行済み国債の元利払いに充てる国債費の減少が見込まれ、また、政府が税収増を見込んでいるというのであれば、今こそ歳出を見直す好機であるにもかかわらず、大胆な歳出改革が先送りされる状況が安倍内閣のもとで続いています。

 以上、当初予算作成後に発生した緊急を要する経費の支出に限るという補正予算本来の趣旨から外れ、歳出の十分な検討がされていない本補正予算案を看過することはできず、断固反対と申し上げます。

 最後に、きのう、きょうの予算委員会では、沖縄、米軍ヘリの事故が相次いでいる問題が取り上げられました。副大臣の許しがたい発言と辞任。この問題は、地位協定の見直しのみならず、与党の議員からも、沖縄の戦後を終わらせ、日本の真の主権回復を図るという決意が述べられました。こうした事故が繰り返されることのないよう、政府に毅然とした対応を強く求めます。

 また、安倍総理や麻生大臣から適材適所と高く評価をされ、御栄転されました佐川国税庁長官におかれましては、補正予算審議に御出席いただけませんでした。多額の税収を見込んだ当初予算審議にはぜひ常時予算委員会に御出席をいただき、これまで国会で繰り返してきた虚偽答弁について説明をし、総理や財務大臣の人事評価が間違っているという国民の思いに応え、出処進退を明確にしていただくよう求めます。

 今国会で引き続き、政府行政のチェックを徹底する決意を申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 浦野靖人君。

    〔浦野靖人君登壇〕

浦野靖人君 日本維新の会の浦野靖人です。

 我が党を代表し、平成二十九年度一般会計補正予算案に賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 今回の補正予算は、台風二十一号や九州北部豪雨などの災害復旧費が計上されているほか、生産性革命、人づくり革命、TPP関連予算、国民の安全確保に向けた自衛隊の運用体制の確保等の事項について措置を講ずるものと理解しています。

 激甚災害にも指定された台風二十一号では、復旧復興が進むことを期待し、今回の補正予算については、これらを大義とし、賛成をするものであります。

 消費増税分の使途変更を受け、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難となり、達成年度の見通しも現時点では不透明、目標達成は先送りされる一方です。

 財政健全化の旗は決しておろさないとは裏腹に、財政法六条の規定にもかかわらず、剰余金は償還財源に充てられることなく、歳出増加分の財源として充当されています。

 政府においては、財政規律を欠いたままの放漫な財政運営の結果、国際公約にもなっている二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化目標の達成が困難な状況を重く受けとめるべきであり、国際的な信用低下を招くことのないよう、財政悪化に歯どめをかける努力を改めて強く求めます。

 補正予算案について、四点指摘いたします。

 まず、財政法二十九条において、国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限り増額補正ができるものと規定されていますが、その趣旨から外れている上、大半は、一月以降に補正予算案が成立することから繰越しを見込んでいるかのような内容も目立ちます。昨年の補正予算の議論においても指摘しましたが、このような補正予算が常態化していることは目に余るものがあります。

 二点目として、公債残高が増加の一途をたどっているにもかかわらず、建設国債の追加発行は、財政健全化に逆行しているのではないでしょうか。

 三点目として、TPP関連予算については、先日、ダボス会議においてトランプ大統領がTPPへ復帰の可能性について言及しましたが、アメリカの参加は依然として不透明であるにもかかわらず、アメリカの加盟を前提にしたアメリカ産農産物の輸入増対策を中心に三千四百六十五億円が計上されています。

 アメリカ産農産物の輸入増に対抗できるよう、農地の大区画化、水田の畑地化といった公共事業が盛り込まれていますが、TPP対策に名をかりた単なるばらまき予算となる懸念があります。

 TPPや日欧EPA対策にこじつけ、農業予算の膨張につながらないよう、真に必要な事業を選定することが必要と考えます。

 四点目は、当初予算で厳しいシーリングを決めても、国民の目が届きにくい補正予算案で事実上骨抜きになっていることは、ばらまき施策を盛り込んだり、当初予算案に盛り込む事業をつけかえたりして、当初予算案の規模を小さく見せ、財政再建を演出しているのではないでしょうか。

 徹底した歳入出改革、身を切る改革なしに、財政再建の道は開かれません。財政規律を欠いたままの放漫な財政運営の結果、公債残高は増加の一途をたどり、財政赤字は極めて深刻な状況です。

 以上、我々が指摘した問題点につきまして、今後、迅速なる誠実な対応をとることを条件に、苦渋の決断ではありますが、賛成をし、被災地における早期の復興に向けた国の具体的な支援を要望し、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 福田昭夫君。

    〔福田昭夫君登壇〕

福田昭夫君 無所属の会の福田昭夫です。

 私は、民進党と無所属の衆議院議員十四名から成る会派、無所属の会を代表し、ただいま議題となりました政府提出の平成二十九年度補正予算二案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 昨年の夏から秋にかけて、九州北部豪雨災害や台風により大きな被害がもたらされました。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。こうした災害に際し、被災者の方々が以前のように生活していくことができるよう、速やかに、しっかりと予算を措置していくべきであります。

 一方、安倍政権下では、こうした災害対応を口実に、族議員、省庁が一体となって、不要不急の事業を山盛りにした補正予算が組まれることが多いと言わざるを得ません。財政健全化に後ろ向きという批判を少しでも避けるため、当初予算の編成時には多くの事業の予算を減額したかのように取り繕い、後で補正予算を組んで大幅に増額する。批判を避けるため、人目を避けるように、こうした問題の多い補正予算をわずか一日半ちょっとの委員会審議で押し通してしまう。

 こうした手法は、国会だけでなく、国民を愚弄するものだと言わざるを得ません。森友、加計問題への極めて不誠実な対応だけでなく、数で何でも押し通す政治姿勢が、国民の安倍総理本人への信頼を失わせているのです。

 アベノミクスは失敗です。最近の安倍総理は、民進党の政策、特に、子育てや介護、最低賃金の引上げ、同一労働同一賃金などに抱きついたり、昨年の総選挙では、民進党の経済政策、人への投資、教育の無償化を丸ごとかすめ取っています。この際、副作用の大きい異次元の金融緩和はやめさせるべきであります。

 本来、補正予算における経費追加については、財政法において狭い範囲に限定されております。財政法第二十九条には、補正予算における経費追加について、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出といったものに限ると明記されています。

 しかし、今回補正予算も、安倍政権における先例同様、義務でもなく、緊急性にも該当しないと思われる経費が多く入り込んでおります。

 防災・減災、生産性革命や人づくり革命の名のもと、二十九年度も終わりが近づいているのに、具体的な計画もなく、緊要性が認めがたい事業が多数計上されております。

 また、概算段階で要求されたものの、予算編成過程で三十年度予算から落とされた事業が、本補正予算でゾンビのように復活しているケースも見受けられます。

 我が国経済財政が危機的状況にある中、このような予算に対し、一・二兆円もの建設国債を発行し、将来世代にツケ回しを行うことは認められません。

 最後に、このように国民の将来に対して無責任で不誠実な安倍政権に対抗していくため、心ある人たちと手をとり合い、信頼ある政治を取り戻していくことを国民の皆様にお約束し、私からの反対討論といたします。(拍手)

議長(大島理森君) 藤野保史君。

    〔藤野保史君登壇〕

藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度補正予算案に反対の討論を行います。(拍手)

 初めに、草津白根山噴火で犠牲になった方への哀悼とともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。政府に、万全の対応とともに、全国百十一の活火山の警戒監視体制の総点検を求めるものです。

 本補正予算案の災害対策費は、九州北部の豪雨被害対策、熊本地震復旧など緊急かつ必要な支出です。

 しかし、最大の問題は巨額の軍事費です。

 そもそも、財政法上、補正予算が認められるのは、予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限られています。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させています。これは、補正予算の趣旨を歪曲するものにほかなりません。

 本補正予算案でも、その傾向は顕著です。本案に計上された軍事費は二千三百四十五億円に上りますが、その八割を占めるのが、オスプレイ、潜水艦、護衛艦などを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性がないことは明白です。

 さらに、本案は、イージス・アショア導入経費、能力向上型迎撃ミサイル、弾道ミサイル防衛システム関連経費などの新規調達経費をも盛り込んでおり、新たな後年度負担を生み出します。新規後年度負担額は、本年度補正後予算で二兆三千二百六十七億円に達しております。

 安倍政権は、この間、北朝鮮問題への対処のためとして軍拡を進めてまいりました。現行中期防計画にもないイージス・アショアの導入は、昨年夏、突如決定されましたが、その総額は二基で二千億円にとどまらないと言われております。

 さらに、一八年度予算案は、長距離巡航ミサイル導入経費を計上しています。これらは、敵基地攻撃能力の保有、ひいては、さらなる大軍拡に道を開くものであり、断じて認められません。

 北朝鮮問題への対応は、軍事対軍事の悪循環ではなく、経済制裁の強化と一体にした対話による解決を目指すべきです。

 最後に、二十五日の本議場で、我が党の志位委員長が沖縄で相次ぐ米軍ヘリの事故について質問した際、松本内閣府副大臣が、それで何人死んだんだというやじを飛ばしました。翌日辞任しましたが、問われているのは安倍政権の姿勢そのものです。

 県民が今一番恐れているのは、今このときも重大な事故が起こりかねない、それなのに、口先だけで何ら実効性ある対応をとろうとしない政府の姿勢そのものであります。地元新聞も、にじむ国の本音、人の命を何だと思っているのかという県民の怒りの声を紹介しています。

 きょうの補正予算審議で、我が党の赤嶺政賢議員の質問に対して、安倍総理は、口では県民の気持ちに寄り添うと繰り返しましたが、実際にやっていることは、県民の安全よりも米軍の都合を優先し、やるべき事故調査もせず、米軍言いなりで訓練を再開させ、辺野古の新基地を押しつけるなど、県民の気持ちを踏みにじることばかりではありませんか。

 事故原因の徹底究明と全機飛行停止、普天間基地の即時閉鎖、撤去、辺野古新基地建設の建設断念を強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第一 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案(東日本大震災復興特別委員長提出)

議長(大島理森君) 日程第一、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。東日本大震災復興特別委員長谷公一君。

    ―――――――――――――

 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔谷公一君登壇〕

谷公一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。

 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法は、東日本大震災によって被害を受けたことにより過大な債務となっている事業者であって、被災地域においてその事業の再生を図ろうとするものに対し、金融機関等が有する債権の買取り等を通じて債務の負担を軽減し、その再生を支援することを目的として、平成二十三年、議員立法により制定されました。

 本法律に基づき、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が設立され、今日まで被災地域の経済活動、雇用の維持に大きく貢献してきたところであります。

 本機構が支援決定を行うことができる期間は、ことしの二月二十二日までとなっておりますが、今後とも、インフラ整備の完了に伴い、仮設から本設へ移転する際の新規借入れにより債務負担が過大となる事業者などからの機構活用ニーズが相当数見込まれております。被災地の自治体、商工団体からも支援決定期間の延長を求める強い要望があります。

 本案は、こうした被災地域の復興の現状に鑑み、本機構が支援決定を行うことができる期間を、平成三十三年三月三十一日まで延長しようとするものであります。

 本案は、昨二十九日、東日本大震災復興特別委員会において、全会一致をもって成案と決定し、これを委員会提出法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    野田 聖子君

       法務大臣    上川 陽子君

       外務大臣    河野 太郎君

       文部科学大臣  林  芳正君

       厚生労働大臣  加藤 勝信君

       農林水産大臣  齋藤  健君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国土交通大臣  石井 啓一君

       環境大臣    中川 雅治君

       防衛大臣    小野寺五典君

       国務大臣    江崎 鐵磨君

       国務大臣    小此木八郎君

       国務大臣    梶山 弘志君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    鈴木 俊一君

       国務大臣    松山 政司君

       国務大臣    茂木 敏充君

       国務大臣    吉野 正芳君


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