衆議院

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第6号 平成30年2月15日(木曜日)

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平成三十年二月十五日(木曜日)

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  平成三十年二月十五日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 野田総務大臣の平成三十年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

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 国務大臣の発言(平成三十年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、平成三十年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣野田聖子君。

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 平成三十年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。

 まず、平成三十年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。

 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、子ども・子育て支援や地方創生、公共施設等の適正管理に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしています。

 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしています。

 なお、地方公共団体金融機構に係る地方債資金については、地方公共団体金融機構法附則に基づく同機構の業務の在り方全般に関する検討の結果を踏まえ、現行制度の枠組みの下で、引き続き所要額を確保することとしています。

 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしています。

 以上の方針の下に、平成三十年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ二千七百七十五億円増の八十六兆八千九百七十三億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ千七百六十三億円減の一兆一千七十九億円などとなっています。

 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 現下の経済情勢等を踏まえ、地方創生の推進の基盤となる地方の税財源を確保する等の観点から、個人住民税の基礎控除等の見直し、平成三十年度の評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の負担調整措置等の継続、地方のたばこ税の税率の引上げ等を行うこととしています。

 また、法人住民税、法人事業税等に係る電子情報処理組織による申告義務の創設、地方団体共通の電子納税に係る手続の整備等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしています。

 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 地方交付税の総額について、平成三十年度分の通常収支に係る地方交付税の総額を十六兆八十五億円確保するとともに、平成二十八年度における地方交付税の精算減額について後年度の地方交付税の総額から減額するほか、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしています。また、平成三十年度の震災復興特別交付税について、新たに三千二百五十七億円を確保し、総額四千二百二十七億円とすることとしています。

 以上が、平成三十年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)

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 国務大臣の発言(平成三十年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。金子万寿夫君。

    〔金子万寿夫君登壇〕

金子万寿夫君 自由民主党の金子万寿夫です。

 私は、自由民主党、公明党を代表し、ただいま議題となりました平成三十年度地方財政計画、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案について、野田総務大臣に質問をいたします。(拍手)

 我が国の名目GDPは過去最高を記録したほか、雇用の面でも全都道府県で有効求人倍率が史上初めて一倍を超えるなど、アベノミクスの効果があらわれています。

 今後とも持続的な経済成長を実現するためには、昨年決定されました新たな経済政策パッケージに盛り込まれました生産性革命、人づくり革命に迅速に取り組むことが求められております。

 一方、地方自治体には、人口減少対策や地域経済対策などの課題が山積をしています。

 これらの課題を解決するには、国、地方一体となって取組が必要であり、地方自治体がみずからの創意工夫により各般の施策に取り組めるよう、自由に使える一般財源総額を確保することが大切であります。

 平成三十年度の地方財政対策においては、前年度を上回る一般財源総額が確保されておりますが、野田総務大臣御自身は今回の地方財政対策をどのように評価されておられるのか、御所見をお伺いいたします。

 一方、地方の借入金残高は百九十二兆円に上り、赤字地方債である臨時財政対策債の累積残高は、平成三十年度末に五十四兆円と見込まれております。年々増加しております。

 地方財政の健全化も重要な課題であります。臨時財政対策債の縮減を始め、財政健全化に向けて着実に取り組んでいく必要があると考えますが、総務大臣に御見解をお伺いいたします。

 次に、地方税法の改正案についてお伺いをいたします。

 固定資産税については、土地に係る負担調整措置の取扱いが主要な論点の一つであります。

 固定資産税を考える際、デフレからの脱却を確実にすることとの関係をどう考えるのか、重要な視点であります。

 同時に、固定資産税は市町村の基幹税目であり、安定的な税収の確保は地方創生の推進のためにも不可欠であります。また、納税者間の公平性の確保も重要であります。

 今回の負担調整措置を三年延長するという案について、この措置を講ずることとした基本的な総務大臣の考え方をお示しいただきたいと思います。

 次に、個人所得税の見直しについてお伺いをいたします。

 この改正は働き方改革を後押しすると考えますが、個人住民税は基幹税として重要であり、地方税が減収とならない形で改正案がまとめられたことも評価すべきであります。

 今回の改正案について、個人住民税の性格や役割の関係も含め、どのような意義を有すると考えておられるのか、総務大臣の御所見をお伺いいたします。

 最後になりますが、今回提案されました地方税法の改正案は、全国の地方議会における条例の改正によって最終的に実施されることになります。地方税はその枠組みを定めるものであります。

 地方の団体意思決定の主役は議会であり、住民の多様な意見を幅広く吸い上げて地方行政に反映することができるのは地方議会であるというのが、鹿児島県議会議長を八年務めました、長くまた地方議員を務めてまいりました私の強い強い思いであります。

 それにもかかわらず、地方議会では議員のなり手不足が深刻な課題となっております。この課題を解消するためには、人口、地形、産業構造など、さまざまな条件が異なるそれぞれの地域の実情に応じて、議会が自主性、多様性を発揮できるような環境の整備が必要であります。

 さらに、ふるさとの将来を担う若者や子育て世代が志を持って、強い思いを持って地方議会議員を目指すことのできるような、人生設計の見通しがつくような仕組みが、まさしく今求められていると思います。

 私は、地方議会議員年金が廃止された当時、全国都道府県議会の議長会会長を務めました。議員年金制度は、市町村合併の急速な進展により議員数が減少したためなどで、同年金の財政が立ち行かなくなったことが原因で廃止をしました。これは、議員特権との批判を受け廃止となったものではありません。

 また、衆参両議院の総務委員会における委員会採決に際して、地方議会議員年金制度の廃止後、おおむね一年程度を目途として、地方公共団体の長の取扱い等を参考にして、国民の政治参加や地方議会における人材確保の観点を踏まえた新たな年金制度について検討を行う旨の附帯決議が全会一致で可決されているのであります。

 平成二十七年十月一日からは共済年金が厚生年金に統一され、首長さん、地方自治体職員は、一般の会社員と同じ厚生年金に加入することになりました。政府としても厚生年金の運用拡大を進めているところでありますが、私は、地方議会議員についても、一般の会社員と同じ厚生年金に加入できるようにすべきだと考えております。

 このような状況の中、議員のなり手不足を解消するための方策として、地方議会議員年金のあり方を含め、総務大臣はどのようなお考えをお持ちなのか、御所見を伺って、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 金子議員にお答えいたします。

 まず、平成三十年度地方財政対策の評価についてお尋ねがありました。

 平成三十年度の地方財政対策は、平成二十八年度の国税決算の減に伴い地方交付税の精算減が生じたことなどにより、概算要求時点で、地方交付税は〇・四兆円の減、臨時財政対策債は〇・五兆円の増となり、大変厳しい状況からのスタートとなりました。

 こうした中で、平成三十年度の一般財源総額は、地方団体が子ども・子育て支援や地方創生等の重要課題に取り組みつつ、安定的な財政運営を行うことができるよう、前年度を上回る六十二・一兆円を確保することができました。

 また、できる限り地方交付税を確保するとともに、臨時財政対策債を抑制するために、精算額の繰延べなど、さまざまな工夫を行うことにより、地方交付税を十六・〇兆円確保しつつ、臨時財政対策債については、前年度から〇・一兆円減の四・〇兆円に抑制いたしました。

 このように、平成三十年度の地方財政対策は、厳しい状況の中で最大限の対応ができたと考えています。

 なお、地方六団体からも、平成三十年度の一般財源総額の確保等について、評価するとの声明をいただいているところです。

 次に、地方財政の健全化についてのお尋ねがありました。

 平成三十年度の地方財政については、臨時財政対策債の発行額を前年度から〇・一兆円抑制するとともに、交付税特別会計借入金を償還計画どおり〇・四兆円償還すること等により、地方の借入金残高は、平成二十九年度末の百九十五兆円から、平成三十年度末に百九十二兆円と減少する見通しであり、健全化に努めています。

 一方、毎年度巨額の財源不足が生じていることから、臨時財政対策債の発行残高は増加し、平成三十年度末には五十四兆円程度となる見通しです。

 地方財政の健全な運営のためには、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要です。このためにも、今後とも、歳入面では、地域経済の好循環を一層拡大することなどにより地方税等の増収を図るとともに、歳出面では、国の取組と基調を合わせ、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、財務体質の強化を図ってまいります。

 次に、固定資産税の負担調整措置についてお尋ねがありました。

 今回、土地に係る負担調整措置の仕組みを三年間延長することとしました。これは、例えば商業地等について見ますと、平成三十年度評価がえにおいて、大都市を中心に、物価上昇の結果、評価額が上がり、負担水準が六〇%を下回る土地が生じる一方、地方では、地価下落の結果、評価額が下がり、負担水準が上昇して七〇%を超える土地が数多く生じると見込まれることから、まずは、これらの土地の負担水準を六〇%から七〇%までの据置きゾーン内に再び収れんさせることに優先的に取り組むべき状況であること、現下の最優先の政策課題はデフレからの脱却を確実なものとすることであり、納税者に対して一定の配慮を行うことが必要であること、固定資産税は市町村財政を支える基幹税であり、その税収の安定的な確保が必要であること等を総合的に勘案したものです。

 次に、今回の個人所得課税の見直しについてお尋ねがありました。

 個人住民税は、地域社会の会費的性格を有するとともに、地域の住民サービスを支える基幹税としての役割を果たしています。

 今回の見直しにおいては、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から、どのような所得にでも適用される基礎控除に控除額の一部を振りかえることなどとしています。これは、個人住民税においても、所得税と同様、働き方の多様化を踏まえた見直しとなっており、働き方に左右されない税制に向け、意義のある見直しだと考えています。

 また、今回の見直しに当たっては、個人住民税の役割等を踏まえ、減収が生じないようにしており、個人住民税の充実確保という地方団体からの要望にも応えるものになっていると考えています。

 最後に、地方議会議員のなり手不足を解消するための方策についてお尋ねがありました。

 地方議会議員のなり手不足については、総務省としても、これまで、通年会期制の創設など、より幅広い層が議員として参画しやすい環境の整備に努めてきました。現在、町村議会のあり方に関する研究会を設置し、更に議論を深めているところです。

 また、地方議会議員の年金については、地方議会議員の身分の根幹にかかわることであり、地方議会議員の声などもよく聞きながら、各党各会派において検討なされる必要があると考えています。

 引き続き、各地方議会における自主的な取組とあわせ、総務省としても議員のなり手の確保に努めてまいります。(拍手)

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議長(大島理森君) 武内則男君。

    〔武内則男君登壇〕

武内則男君 立憲民主党・市民クラブの武内則男です。

 冒頭、一言申し上げます。

 総理は、今国会は働き方改革だと豪語してまいりました。しかし、その法案の根底が崩れてしまったことが昨日の予算委員会で明らかになりました。希望の党の山井代議士が必死に訴えられています。人の命と、そして法案と、どちらが大事だ。明らかに人の命です。政府・与党は謝罪や答弁撤回で済まされるものではないことを、国民を代表して厳しく指摘をしておきます。

 それでは、議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)

 立憲民主党は、綱領で、地域の責任と創意工夫による自律を可能とする真の地方自治を目指すとした上で、具体的な政策として、国の動向に左右されず予見可能性がある、地方交付税の財源調整と、そして財源保障の機能を強化した持続可能性の高い地方財政制度を実現させ、地域独自の判断で投資事業の実施が可能な一括交付金を復活させることを掲げています。

 この政策の実現を目指す立場から、二〇一八年度の政府予算における地方財政対策について質問いたします。

 地方財政の見通しでは、一般財源総額は六十二兆円となり、前年を若干上回る水準を確保したことは、関係者の努力の成果として評価いたします。しかし、自治体が自由に使える一般財源総額として、地方の行政ニーズに十分応える総額が確保されているのかは検証が必要と考えます。

 全国知事会が昨年十月にまとめた平成三十年度税財政等に関する提案では、地方の歳出の大半は、法令等で義務づけられた経費や国の補助事業であることから、独自の削減が困難であり、社会保障関係費の増加分については給与関係経費や投資的経費などの地方の歳出削減努力によって吸収をしてきたと、地方自治体の厳しい財政運営について指摘をしています。

 また、自治体現場で働く職員からは、仕事はふえているが人員は不足しており、臨時、非常勤職員で対応しているのが実態だとの声が寄せられています。実際、総務省の調査でも、平成二十八年四月現在で約六十四万三千人であり、平成二十四年から約四万四千人もふえています。

 このため、地方財政計画などを作成する際には、地域における住民ニーズの実態を財源保障に的確に反映するための場を制度上保障する仕組みをつくるべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 現行では、国と地方の協議の場を通じて地方六団体などが意見を述べていますが、地方側の意見が反映される制度上の保障はありません。国と地方の協議の場を政策協議の場と位置づけ、地方税財政制度の改革や、あるいは地方財政計画などを具体的に協議そして決定する機能を持たせるべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 次に、地方交付税について質問いたします。

 平成三十年度における地方財政の財源不足は約六・二兆円とされており、臨時財政対策債は約四兆円を見込んでいます。

 関係者の努力により、地方交付税の総額を確保し、臨財債についても前年よりも抑制したことは評価しますが、本来は、地方交付税率の引上げによって財源不足額を補うのがあるべき政策と考えます。

 総務省としても、平成三十年度予算の概算要求として、「引き続き巨額の財源不足が生じ、平成八年度以来二十三年連続して地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当することが見込まれることから、同項に基づく交付税率の引上げについて事項要求する。」としています。

 地方団体からも、臨時財政対策債に頼らず、安定的に交付税総額の確保を図るべきであるとの意見があることを踏まえれば、地方交付税率の引上げを早期に実現すべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 また、地方交付税は地方固有の財源であることを踏まえれば、国と地方公共団体が地方交付税の制度設計や運用に関する協議あるいは決定する場をつくることが必要であります。

 現状では、総務省が地方自治体側の事情を酌み取り、地方交付税の運用を図っていますが、この手法では、地方自治体の主体性が育ちません。

 地方自治体自身が、地方財政が充足すべき住民ニーズとは何か、地方交付税で財源保障すべき部分は何かを問い直し、地方交付税の制度改善や毎年度の運用に反映させていく制度をつくるべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 また、国と地方の協議の場で、地方交付税の制度設計に関する分科会を設置し、地方と国が具体的な協議をすることも検討すべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 次に、地方税と国税のあり方について政府の見解を伺います。

 我が党は、地方自治体の歳入は、一般財源かつ自主財源である地方税で賄うことが原則であり、同時に、地方税にかわる良質な一般財源で自治体財源を確保し、地方税では避けがたい財源の偏在を直すために、地方交付税の役割が重要であると考えます。

 いわば、地方税と地方交付税は車の両輪であります。

 平成二十七年度の政府決定によると、租税総額約九十九兆円のうち、国税は約六〇%、地方税は約四〇%です。一方で、歳出の純計は、国が約七十・七兆円で四二%、地方は約九十七・七兆円で五八%となっています。実際に仕事をしている割合を見ると地方が約六割だが、税収は四割しかありません。

 地方が担う事務と責任に見合うように、国税と地方税の税源配分の見直しが必要と考えますが、大臣の御所見を伺います。

 次に、二〇一九年度以降の地方の一般財源確保について、考え方をお伺いいたします。

 二〇一九年度以降の地方一般財源総額については、六月に作成される予定の政府の経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、骨太方針で方向性が示されると承知をしています。

 我が党としては、持続可能な社会保障制度の確立や生涯を通じた学びの機会の保障など、人への投資によって、人々の能力の発揮を阻んでいる格差を是正し、一人一人の持つ力が発揮される、幸福を実感できる経済を実現することを目指しています。このためには、国民が安心して生活できるための社会保障費と、実際に生活に必要なサービスを実施するための地方財政はしっかりと確保すべきと考えます。

 骨太方針二〇一八においても、地方の一般財源総額と社会保障費については、必要なサービスに対応した予算を確保する方向で議論をし結論づけるべきと考えますが、大臣の決意と見解をお伺いいたします。

 最後に、いよいよあすから全国で確定申告が始まります。

 多くの国民が感じている、整合性が疑われる答弁について、十分な説明もせず、疑惑を残したままでは、これから確定申告をし、自発的な納税をする国民の納得感など到底得られるものではありません。

 佐川国税庁長官は、当時、財務省理財局長として、国会でどういうつもりで答弁したのか、自分の口でちゃんと説明をし、きちんとけじめをつけるべきです。このままでは、地方税の徴収にまで悪影響を及ぼしかねません。政府・与党は、野党の要求に応じ、国民が求める佐川氏の証人喚問にしっかりと応えるべきです。

 あわせて、国民の税金や国有財産が各事業において適正に執行されているかどうかをチェックする機関が会計検査院です。その会計検査院の調査に基づく指摘に対して、政府は、重く受けとめます、今後このようなことがないよう改善いたしますとこれまで答弁してきましたが、十分な検証もせず、事実を解明することから逃げることは許されません。

 地方自治体において同様のことが起これば、知事、市町村長始め、担当職員に至るまで、懲戒処分物です。今後、政府・与党の対応いかんによっては、国家みずからが何でもありの社会をつくり出し、まさに政治、行政への信頼は崩れ去ってしまいます。

 事実を解明し、次へ進むためにも、国会がその任を果たしていこうではありませんか。そのことを求め、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 武内議員にお答えいたします。

 まず、地域の住民ニーズの地方財政計画などへの反映についてお尋ねがありました。

 地方財政計画については、概算要求の段階で地方財政収支の仮試算等を公表しています。また、策定に当たっては、地方団体の決算の状況や行財政制度の改正等を踏まえるとともに、国と地方の協議の場、総務大臣・地方六団体会合等のさまざまな機会を通じて、地方団体と意見交換を行っています。

 次に、国と地方の協議の場についてお尋ねがありました。

 国と地方の協議の場においては、地方行財政に関する事項などについて協議を行うこととされており、今年度は、地方財政対策や地方創生、地方分権改革などを議題として協議を行ってきています。

 なお、平成三十年度地方財政対策については、国と地方の協議の場における議論等も踏まえて決定したものであり、その内容に関し、地方六団体からは、評価するとの声明をいただいているところです。

 次に、交付税の引上げについてお尋ねがありました。

 地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債による対応ではなく、交付税率の引上げ等により地方交付税を安定的に確保することが望ましいと考えています。

 しかしながら、国、地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていること、平成三十年度においては、国、地方の役割分担に係る大きな制度改正がなかったことなどから、平成三十年度地方財政対策においては、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処することといたしました。

 国、地方とも厳しい財政状況であることから、交付税率のさらなる引上げは容易ではありませんが、今後とも、交付税率の見直し等による交付税総額の安定的確保について粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。

 次に、地方交付税への地方団体の意見の反映についてお尋ねがありました。

 地方交付税法の規定により、地方団体は、地方交付税の額の算定方法に関し、意見を申し出ることができ、総務大臣は、これを誠実に処理しなければならないとされています。毎年、地方団体から多数の意見をいただき、地方交付税の算定に反映してきましたが、今後ともこの制度を適切に運用し、地方団体の意見を算定方法の改善につなげていきたいと考えています。

 次に、地方交付税制度に関する協議の場の創設についてのお尋ねがありました。

 地方交付税の制度設計については、地方団体の御意見を反映させることが重要であり、毎年、国と地方の協議の場、全国知事会議、総務大臣・地方六団体会合など、さまざまな場面において意見交換を行っています。

 今後とも、こうした会議の場などを効果的に活用しながら、地方団体としっかり協議をしてまいります。

 次に、国と地方の税源配分についてお尋ねがありました。

 地方税の充実に関しては、これまでも、個人住民税の一〇%比例税率化による三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充などに取り組んできたところです。

 国、地方の税源配分については、国と地方の財政健全化や地方団体間の財政力格差などへの配慮も必要と考えております。

 今後も、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組みつつ、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう、地方税の充実確保に努めてまいります。

 最後に、二〇一九年度以降の地方の一般財源総額についてお尋ねがありました。

 政府においては、これまで、経済・財政一体改革の取組を精査した上で、本年の骨太方針において、プライマリーバランスの黒字化達成時期及びその裏づけとなる具体的な計画を示すこととしており、二〇一九年度以降の地方の一般財源総額のあり方についても、この中で議論されるものと考えております。

 その際には、地方団体が、予見可能性を持ちながら、社会保障など必要な行政サービスを提供しつつ、安定的な財政運営を行っていけるよう、地方が自由に使える一般財源総額を確保すべく最大限の努力をしてまいります。(拍手)

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議長(大島理森君) 井上一徳君。

    〔井上一徳君登壇〕

井上一徳君 希望の党の井上一徳です。(拍手)

 まず冒頭、質問に入る前に、ここまでの予算委員会審議について一言申し上げます。

 森友学園の問題について、先週金曜日、数百ページにわたる文書が財務省理財局から国会に提出されました。遅きに失した対応に強く抗議します。

 麻生財務大臣が提出に向けて努力すると答弁された資料の全ての提出、そして佐川国税庁長官の証人喚問を強く求め、全容の徹底解明を果たしてまいります。

 また、昨日は、政府・与党が今国会の最重要テーマに掲げている働き方改革、裁量労働制について、総理から答弁の撤回とおわびがありました。

 精査が必要なデータをもとに、裁量労働者が一般労働者よりも労働時間が短いかのように長きにわたって主張してきたことは、長時間労働の拡大を懸念する方や、過労死によってとうとい命を失った方と御遺族の気持ちを踏みにじるもので、断じて認められません。法案提出の前に、これまでの議論における政府の認識を徹底的に検証することを強く求めます。

 それでは、希望の党・無所属クラブを代表しまして、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 私の地元である京都府北部には、綾部市、伊根町、京丹後市、福知山市、舞鶴市、宮津市、与謝野町の五市二町があります。どの地域も、自然の宝、文化の宝、人の宝に恵まれたすばらしいところです。私は、ふるさと京都北部の発展のため、全力を尽くしてまいります。

 地域に豊かさが行き渡らない国を、豊かな国だと言えるでしょうか。安心して子育てもできず、老後も迎えられない国を、希望のある国だと言えるでしょうか。普通の豊かさを、全ての人が実感できること。当たり前に安心して、平和なあしたを迎えられること。それは地味なようで、この国が見失ったもの。そう、今必要なのは、新しい日本の開拓です。そのために一つ一つの課題を地道に実現していく。それが、私たち希望の党の向かう未来です。これは、我が党の玉木代表の言葉です。日本各地に豊かさを実らせる、その思いで本日の質問をさせていただきます。

 安倍政権の看板政策である地方創生。地方に仕事をつくり、転出を抑え、地方の人口減少に歯どめをかける。出生率も上げていく。地方の視点から我が国の抱える課題を解決しようというすばらしい試みだとは思います。しかし、残念ながら道半ばと言わざるを得ません。

 二〇一四年につくられた、まち・ひと・しごと創生総合戦略では、二〇二〇年時点で東京圏から地方への転出、転入を均衡させ、東京一極集中の流れをとめると宣言しております。

 ところが、先日の総務省の発表では、東京圏の超過数は、転入超過が、前年比で千九百十一人増、十一万九千七百七十九人と、二十二年連続で転入超過となっています。その一方で、三大都市圏である名古屋圏と大阪圏はいずれも五年連続の転出超過となり、東京一極集中がより鮮明となってしまいました。

 まち・ひと・しごと創生法の第一条、つまり地方創生の目的には、「東京圏への人口の過度の集中を是正」と書かれております。にもかかわらず、この法律が制定されて以来、東京圏への入超はふえ続けています。地方創生の最大の指標である東京圏への人口流入がとまらない、つまりは地方創生が行き詰まっているということではないでしょうか。

 地方創生大臣に伺います。

 なぜ東京圏への入超がとまらないのでしょうか。これまでの手法を続けていても成果は出ないのではないでしょうか。成果が出ない原因をどのように分析されておりますか。

 また、総理の施政方針演説では、地方創生の新たな施策として、きらりと光る地方大学づくりを新たな交付金により応援すると述べられていました。これで具体的にどの程度、東京圏への入超を減らすことができるとお考えでしょうか。

 そして、二〇二〇年時点で東京圏から地方への転出、転入を均衡させるという総合戦略の目標は、達成できる見込みはあるのでしょうか。

 東京圏への入超がとまらないのは、法律に基づき、基本計画、総合戦略を国が定め、地方がそれに従えばお金を交付するというこれまでの手法、このような中央集権的な手法が失敗していることを意味しているのではないでしょうか。

 新たな交付金はやめて、具体的な施策は地方に任せるべきです。国は、不足する予算を地方交付税等の一般財源で保障する。こうした分権的な手法をとるべきです。

 我が党は、先週、補完性の原理、財政自主権を明記する、つまり地方分権や地方税、交付税などの一般財源の確保などを盛り込んだ憲法改正案を取りまとめました。まず国と地方のグランドデザインを描き、そこからスタートすべきだと考えております。

 総務大臣に伺います。

 地方所管の大臣として、これまでの地方創生の評価について伺います。

 また、地方創生交付金ではなく、ひもつきではない一括交付金を復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 地方の創意工夫に任せ、財源をしっかり保障するのが我が党の考えです。まち・ひと・しごと創生事業費などにより一般財源総額を確保しつつ、臨時財政対策債を抑制するなど、平成三十年度の地方財政計画は評価できる点もあります。地方税収が〇・四兆円増加し、その分、地方交付税及び臨時財政対策債が減額されています。地方税収が着実にふえ、臨時財政対策債の発行が行われなくなることは望ましい姿でもあります。しかし、今後もこうした姿を続けることができるのでしょうか。

 総務大臣に伺います。

 昨年七月に発表された二〇一六年度の決算では、地方税収は、前年度より〇・一兆円の減少となりました。しかし、今回の地方財政計画で地方税収が増加するとした要因は何なのでしょうか。また、こうした増収は今後とも続くと見込んでおられるのでしょうか。

 平成三十年度十月から、たばこ税が引き上げられますが、来年度の増収に含まれているのでしょうか。平年度ベースでどの程度の増収効果があるのでしょうか。

 骨太方針二〇一五において、地方の歳出水準については、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、二〇一八年度までにおいて、二〇一五年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされており、そのとおり予算措置が講じられてきました。二〇一九年度、つまり再来年度予算以降については、新たに方針を示す必要があります。

 麻生財務大臣は、先日の財政演説で、二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化目標の達成は困難となりますが、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかり堅持します、この目標達成に向け、ことしの経済財政運営と改革の基本方針、骨太において、具体的かつ実効性の高い計画を示すこととしますと述べられております。

 麻生財務大臣に伺います。

 平成三十年の骨太の方針において、一般財源総額の水準について具体的な方針を盛り込むつもりはあるのでしょうか。その際、一般財源総額の水準を維持するのか、削減するのか、現時点でのお考えをお聞かせください。

 その際、地方財政計画に計上されている、まち・ひと・しごと創生事業費一兆円枠について、平成三十一年度以降も継続させるべきだとお考えでしょうか。

 総務大臣に伺います。

 財源とされる地方法人課税の偏在是正措置については、消費税引上げの延期に伴い、平成三十一年十月まで延期されていますが、再来年度分の財源は確保できるのでしょうか。

 昨年来、財政制度審議会や経済財政諮問会議等において、直近十年間の地方の基金残高が一・六倍になっている点を捉え、これを取り崩し地方の財源とし、国の歳出を抑制しようとするかの議論が行われております。

 まず、総務大臣に、基金の現状及び必要性について伺います。

 株価が乱高下していますが、いつ景気が悪化し、地方税収が不足するかもしれません。また、公共施設等の老朽化対策なども必要です。こうした将来への備えとして基金が必要なのではないでしょうか。

 基金残高の増加を理由として地方交付税の削減を今後とも行うことがないか、財務大臣に確認いたします。

 地方のプライマリーバランスは黒字であり、国に比べてよいのだから、地方は国の財政再建に協力すべきとの議論も聞かれます。国のために地方財政を悪化させるというのは横暴な議論であり、地方創生に逆行するのではないでしょうか。もちろん、地方みずからが財源確保の努力をすべきことは言うまでもありません。

 税源の偏在性の是正については、地方法人税の創設などが行われてきましたが、一層の取組が必要です。基金の増加についても、平成十八年度末から平成二十八年度末にかけて、基金残高七・九兆円増加のうち、二・七兆円分が不交付団体における増加でした。不交付団体への税源の偏在がこうした結果を生んでいるとも言えます。基金の削減ではなく、こうした偏在性の是正こそが必要です。

 平成三十年度予算の不交付団体の水準超経費の増加額は、昨年度の三千六百億円を大きく下回って三百億円となっています。

 総務大臣に伺います。

 これは地方消費税の清算基準の見直しによるものでしょうか。偏在是正効果を含め、地方消費税の清算基準見直しについて、どのように評価しておられるのでしょうか。

 次に、固定資産税の特例について伺います。

 平成二十八年度に、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業者が一定の要件の新品の機械を新たに取得した場合、固定資産税の課税標準額を二分の一とする特例措置が設けられました。これに対しては、地方から、償却資産に対する固定資産税は市町村の安定的な自主財源として定着している、景気対策の一環としての特別措置は国税など国の施策として対応すべきである、産業振興や地域活性化に取り組む市町村の自主財源を奪うことは地方分権に逆行するなどの反対意見が出されていました。

 我々も、国主導のこうした特例は地方分権に逆行する制度であり、地方創生のため自治体がみずからの意思で行う場合のみ認められるべきだと考えます。

 経済産業大臣に伺います。

 これまでの制度の適用実績はどのくらいあるのでしょうか。中小企業の生産性上昇につながり、法人税などの増収につながったのでしょうか。今回、この特例措置を廃止し、新たな特例措置を設けるとのことですが、一定の効果があったとの評価なのでしょうか。

 総務大臣に伺います。

 新たな制度では、分権に逆行するとの反対意見にどのように応えているのでしょうか。新たな特例措置により生じた固定資産税の減収分については、地方交付税により補填されるのでしょうか。

 幼児教育の無償化については、我々も賛成の方向で、党内の検討を行っております。この財源に関して、政令指定都市市長会、中核市市長会その他の三市長会から、国が進める幼児教育、保育の無償化については、地方自治体に財政負担を生じさせることなく、国の責任で着実に推進すること等の要望が提出されています。

議長(大島理森君) 井上君、時間が来ております。

井上一徳君(続) 総務大臣に伺います。

 自治体の負担はあるのでしょうか。その場合の財源はどのように確保されているのでしょうか。

 今後、更に地方の負担が増加することも想定されます。今年度すら、交付税特別会計の剰余金や平成二十八年度国税決算による精算額の繰延べなどにより何とか交付税額を確保しているのが現状です。現時点でプライマリーバランスの黒字は維持しているものの、平成二十九年度末見込みで約百九十四・五兆円の長期債務残高を抱えており、さらなる財政の健全化が必要です。

 総務大臣に伺います。

 法定率の引上げや新たな財源の確保など、地方財政制度の抜本的な改革が必要ではないでしょうか。

 我々希望の党は、輝く地方をつくり上げるため、地方分権を進めるとともに、財源の偏在を抑えながら地方税の一層の充実を図り、地方財政の健全化を進める抜本的な改革を進めてまいります。

 以上、私の代表質問といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 井上議員にお答えします。

 まず、地方創生の評価についてお尋ねがありました。

 これまでの取組により、全ての都道府県で有効求人倍率は一を超え、各地の景況判断も回復基調にあります。一方、いまだに地方からの人口流出が続いているのも事実です。

 地方での多様な働き方を可能にし、移住、定住を更に進める観点から、テレワークを推進するなど、あらゆる施策を活用して、関係大臣とともに地方創生に取り組んでまいります。

 次に、一括交付金についてお尋ねがありました。

 御指摘のかつての一括交付金については、交付対象が各省庁の従来の事業に限定をされていたこと、事業を所管する省庁ごとに交付を申請しなければならず手続が煩雑であったことなどの問題点が指摘されたことから、平成二十五年度に廃止されました。

 こうした廃止の経緯も踏まえ、地方創生関係交付金は、各省縦割りではなく、地方公共団体が自主性、自立性を発揮できるような自由度の高い仕組みにしていると承知しています。

 次に、地方税収についてお尋ねがありました。

 今回の地方財政計画においては、個人住民税、地方消費税などにおいて、前年度の地方財政計画額を上回る税収を見込んでいます。これらは、政府経済見通しにおける雇用・所得環境の改善や民間消費の増加などを反映した国の税収見込み等を踏まえたものです。

 今後とも、地域経済の好循環の拡大に向けた諸施策をより一層推進することにより、地方税のさらなる増収が図られるよう取り組んでまいります。

 次に、たばこ税の増収額についてお尋ねがありました。

 たばこ税については、高齢化の進展による社会保障関係費の増加等もあり、国、地方で厳しい財政事情にあることを踏まえ、たばこ税の負担水準等を見直すこととしています。

 平成三十年度における地方のたばこ税収については、今回のたばこ税の見直しによる増収額二百十億円を含んでいますが、全体としては、販売本数の減少により減収となることが見込まれています。また、今回の見直しによる平年度の増収額は、千百八十二億円と見込んでいます。

 次に、まち・ひと・しごと創生事業費についてお尋ねがありました。

 地方創生は、実際に取組を始めてからその成果が出るまでに一定の期間がかかることから、少なくとも、まち・ひと・しごと創生総合戦略の期間である平成三十一年度までは継続し、一兆円程度の額を維持できるよう努めてまいります。

 また、平成三十一年度においても、まち・ひと・しごと創生事業費を含め、地方団体が安定的に財政運営を行うことができるよう、必要な一般財源総額を確保すべく努力してまいります。

 次に、地方公共団体の基金についてのお尋ねがありました。

 総務省が昨年実施した地方公共団体の基金の積立状況等に関する調査によると、地方公共団体の基金の残高は、平成十八年度末と平成二十八年度末の比較で七・九兆円増加しています。

 この調査により、各地方公共団体は、行革や経費節減に努めながら、法人関係税等の変動や公共施設等の老朽化対策、災害など、さまざまな将来への備えとして基金の積立てを行っていることが明らかとなっています。

 このように、地方公共団体が歳入歳出の変動に対応する手段として、基金は必要なものであると考えています。

 次に、不交付団体の水準超経費についてお尋ねがありました。

 不交付団体の水準超経費は、地方財政計画において、不交付団体の財源超過額に相当する額を歳出に計上しているものです。

 平成三十年度においては、平成二十九年度普通交付税算定における不交付団体の財源超過額や地方消費税の清算基準の見直しを含めた地方税収の動向などを踏まえ、対前年度三百億円の増加となる一兆八千四百億円を計上しています。

 次に、地方消費税の清算基準についてお尋ねがありました。

 地方消費税の清算基準については、平成九年度に導入されて以来二十年が経過しており、この間の社会経済情勢や統計制度の変化等を踏まえ、統計データの利用方法等を見直すとともに、統計カバー外の代替指標を全て人口とする抜本的な見直しを行うこととしています。

 この見直しによって、地方消費税の税収が最終消費地により適切に帰属することとなることに加え、結果として、税収の偏在性が更に小さくなるなど、あるべき地方税制の構築に資するものと考えています。

 次に、償却資産に係る固定資産税の特例についてお尋ねがありました。

 生産性革命の実現は政府の大きな政策課題であるとともに、地域経済の活性化は市町村にとっても大変重要な課題です。そのため、今回創設する特例は、現場の市町村が主体性を発揮することができる仕組みとしています。

 具体的には、市町村が主体的に作成した計画に基づく生産性向上に資する中小企業の設備投資について、固定資産税を最初の三年間減免する措置を創設することとしています。なお、減免の程度については、参酌基準を定めず、ゼロ以上二分の一以下の範囲内で条例で定めるものとし、市町村の主体性をより尊重する仕組みとしました。

 全国市長会等からは、今回創設する仕組みについて、全国一律の制度ではなく、市町村の主体性を尊重した仕組みであるとの評価をいただいております。

 次に、地方交付税による補填についてお尋ねがありました。

 今回創設する固定資産税の特例については、市町村が条例で定める減免の割合を用いて地方交付税の基準財政収入額を算定する予定です。このため、交付団体の場合、特例の適用によって減少した基準財政収入額は地方交付税で補填されることとなります。

 次に、幼児教育の無償化についてお尋ねがありました。

 昨年十二月に閣議決定した新しい経済政策パッケージにおいて、幼児教育の無償化を進めることとしました。その財源については、国、地方を通じて、消費税率一〇%への引上げによる増収分などを活用することとしています。

 国と地方の役割分担や負担のあり方の詳細については今後整理していくこととなりますが、地方が、幼児教育の無償化を着実に実施しつつ、安定的な財政運営を行えるよう、財源確保に努めてまいります。

 最後に、地方財政制度の改革についてお尋ねがありました。

 地方財政は、平成三十年度においても六・二兆円の財源不足が生じているとともに、平成三十年度末の借入金残高は百九十二兆円と巨額なものとなる見込みであり、財政の健全化を図っていくことが重要です。

 このため、今後とも、歳入面では、地域経済の好循環を一層拡大することなどにより地方税等の増収を図るとともに、地方交付税を安定的に確保することが重要です。あわせて、歳出面では、国の取組と基調を合わせ、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、財務体質の強化を図ってまいります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 井上議員から、三問お尋ねがあっております。

 まず、本年の骨太方針についてお答えをさせていただきます。

 政府としては、本年の骨太方針において、プライマリーバランス黒字化の達成に向けて、具体的かつ実効性の高い、国民の信頼を得られる計画をお示しすることといたしております。

 計画の立案に当たりましては、経済再生との両立を図りながら、歳出歳入両面からの改革に毎年度継続して取り組めるよう、改革の方針や具体的な中身、工程をしっかり定めることが重要と考えております。

 こうした考え方に基づいて、地方財政も含めて検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、まち・ひと・しごと創生事業費についてのお尋ねがあっております。

 平成三十一年度以降のまち・ひと・しごと創生事業費のあり方につきましては、その時点におきます、まち・ひと・しごと創生総合戦略の取扱いなどを踏まえて検討させていただきたいと考えております。

 最後に、基金についてのお尋ねがありました。

 近年、地方団体の基金残高の増加が続いておりますのは御存じのとおりです。政府としては、毎年度赤字公債を発行して地方交付税を手当てしている現状を踏まえれば、国、地方を通じて財政資金の効率的配分につなげていくことが重要と考えておるところです。

 こうした観点から、引き続き必要な取組を検討してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 固定資産税の特例措置についてお尋ねがありました。

 平成二十八年七月に施行した中小企業等経営強化法に基づき、経営力向上計画の認定を受けた中小企業に対しては、計画に基づく新規の設備投資を行う場合に、固定資産税を三年間、二分の一に軽減することとしております。

 平成二十九年十二月末時点で約四万五千者が経営力向上計画の認定を受けており、そのうち、認定計画に基づき新規の設備投資をした企業は三万一千者に上ると推定され、約一・六兆円の設備投資が対象となっております。その多くが固定資産税の特例も活用しているものと考えられます。

 個別の企業の納税額はそれぞれの収益状況によって左右されるため、法人税を始めとする税収への影響を正確にお答えすることは難しいですが、固定資産税の特例措置を活用した企業のうち約七五%が、固定資産税の軽減を受けることにより新たな設備投資を行うことができたと回答しているところであり、固定資産税の軽減は、生産性向上を通じて企業の収益向上等に貢献しているものと考えております。

 今国会に提出した新法においては、自治体の判断により、固定資産税をゼロにする新たな制度を導入することとしており、中小企業の生産性向上に向けた新たな設備投資をより強力に後押ししたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣梶山弘志君登壇〕

国務大臣(梶山弘志君) これまでの地方創生への取組にもかかわらず、東京一極集中がとまらない原因についてお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、東京圏への転入超過については近年約十二万人で推移しており、東京一極集中の傾向が続いております。

 これまでのまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく地方での仕事づくりにより、地方においては、新規の若者雇用が創出されるなど一定の成果が出ております。しかしながら、全国的な景気回復が進む中で、東京圏でも労働需要は高く、地方圏からの転入者によって労働供給が賄われる状況となっており、地方圏から東京圏への転入超過の改善にまでは結びついていないと考えております。

 また、こうした人口移動の要因についてはさまざまな理由があると考えられますが、東京圏への転入超過数の大半を十五歳から二十九歳が占めていることを見ますと、若い世代の大学への進学や就職が東京圏への移動の一つのきっかけとなっているものと認識しておりますので、政府としては、東京一極集中の是正に向けて、地方の魅力を生かした、きらりと光る大学づくりなど、若者の地方での修学、就業の促進、企業の地方拠点強化税制の拡充等による、地方における若者に魅力ある仕事づくりなどに取り組んでまいります。

 次に、新たな交付金がどの程度東京圏への転入超過を減らすことができるのかについてお尋ねがありました。

 新たな交付金は、首長のリーダーシップのもと、産官学連携により、地域の中核的産業の振興や専門人材育成などを行うすぐれた取組を重点的に支援するものであり、これにより、日本全国や世界じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを進めるものです。

 交付金の申請に当たり地方公共団体が策定する計画においては、当該計画の地域内における産業の雇用者数の増加数や、地元就職、起業数をKPIとして設定することを求める予定としております。

 こうした取組により、東京圏への転入超過数の大部分を占める十五歳から二十九歳の若者について、地方への修学、就業が促進され、東京圏への転入超過の緩和に寄与するものと考えております。

 具体的にどの程度寄与するかについては、今後、地方公共団体が申請する個々の産業振興や専門人材育成等に関する計画を採択した後、事業を実施していく過程において検証をしてまいります。

 次に、東京圏から地方への転出、転入の均衡という目標の達成の見込みについてお尋ねがありました。

 まち・ひと・しごと創生総合戦略の中間年に当たる今年度、地方創生の総点検を行った結果、二〇二〇年時点で地方と東京圏の転出入を均衡させるという目標については、地方創生の根幹的な目標であることから、見直しを行うべきではなく、一層の取組強化により達成を目指すべきとされたところであります。

 そのため、昨年末に閣議決定した、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、地方への新しい人の流れをつくるための施策の拡充に取り組んでまいります。

 具体的には、日本全国や世界じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを始めとする若者の修学、就業の促進、企業の地方拠点強化税制の拡充等による地方における仕事づくり、加えて、地方への大きな人の流れをつくる抜本的な対策として、若者を中心としたUIJターン対策の抜本的な強化、これまでにない地方生活の魅力の発信、子供の農山漁村体験の充実等に取り組んでまいります。

 地方が元気でなければ日本は元気にならないとの考え方のもと、各地方がみずからの魅力、価値を発信し、さまざまな世代の人々が生き生きと暮らせるような地方の姿を実現していくために、引き続き、意欲と熱意のある地方公共団体に対し、情報支援、人材支援、財政支援の地方創生版三本の矢により支援をしてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 黒岩宇洋君。

    〔黒岩宇洋君登壇〕

黒岩宇洋君 無所属の会の黒岩宇洋でございます。

 私は、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表いたしまして質問をいたします。(拍手)

 本題に入る前に、森友学園の国有地売却問題をめぐる佐川宣寿国税庁長官・前理財局長の国会招致について一言申し上げます。

 財務省の新たな公表文書により、財務省と学園の事前価格交渉の疑いが極めて濃厚になる中、国民の税務当局を見る目は極めて厳しくなっております。あすから所得税の確定申告が始まります。佐川国税庁長官は国民に対し説明責任を果たすべきであり、与党は佐川氏の国会招致を認めることを強く求めて、質問に移ります。

 本年は、年明けから大雪が続いており、多大なる被害が生じております。犠牲となられた方々に謹んで御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。

 地方自治体は、除雪費用について国から予算措置されるのかがわからない中、財政的な不安を抱えながら、必死に除雪作業に取り組んでいます。総務大臣には、特別交付税でしっかり予算措置を行うことをこの場で確約していただきたいと思います。また、今後はこうした不安を自治体に抱かせないような仕組みづくりを検討すべきと考えますが、総務大臣の答弁を求めます。

 安倍政権下の税制改正は、二十九年度改正の配偶者控除の引上げもそうでしたが、理念なき継ぎはぎ的な変更が目立ちます。給与所得控除を八百五十万円で頭打ちにするとのことですが、八百五十万円以上なら負担増に対して十分な担税力があると判断した根拠は何ですか。子育て世帯の負担増はなしとしていますが、妊娠中の世帯は負担増になるのではありませんか。総務大臣に伺います。

 森林環境税については、地球温暖化防止や災害防止のために森林整備を行うことを目的とし、また二十七年ぶりの新税導入ということで、山森林を有する地域や自治体にとっては大変期待がかかり、喜ばしいものであると私は深く認識をしております。

 そこで、重要な観点は、この目的を達成するために税が適正に執行され、山森林地域のみならず、国全体に利益がもたらされることです。山間部の市町村のうち、林業専従の職員は不在又は一人が四割に上るマンパワー不足をどのように補うのでしょうか。自治体には、使途が不要不急なものとならぬよう、そのような利用状況の公開が求められますが、その方策についても総務大臣に伺います。

 地方交付税について伺います。

 地方自治体が公共施設の老朽化対策など将来への備えとして努力して積み上げた基金を問題視し、地方交付税を減らそうとする動きが昨年あったと承知しております。また、先ほどの麻生財務大臣の答弁でも、財務省はその意向を崩してはいません。平成三十年度については、基金を理由に交付税を減らすといった措置は講じられませんでしたが、来年以降もそうした措置は行わないことを約束していただけませんか。総務大臣に伺います。

 最後に、税制は民主主義の根幹であり、ゆがんだ税制改正を繰り返せば、国民の不満は頂点に達し、やがては政治不信を招くであろうということを警告し、私からの代表質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 黒岩議員にお答えいたします。

 まず、除排雪経費への対応についてお尋ねがありました。

 地方団体の除排雪経費については、普通交付税の算定において標準的な所要額を措置するとともに、実際の所要見込み額が普通交付税の措置額を超える場合には、三月分の特別交付税により措置することとしています。

 総務省として、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、各団体の除排雪経費の実態を丁寧に把握し、しっかりと対応してまいります。

 次に、給与所得控除の見直しについてお尋ねがありました。

 給与所得控除については、給与所得者が勤務関連で要した支出や主要国の概算控除額と比べて過大となっていることを踏まえ、地方財政への影響等を勘案し、控除が頭打ちとなる給与収入を八百五十万円超に引き下げることとしています。

 今回の見直しにおいては、子育て世帯等に配慮することにより、九六%の給与所得者は負担増とならない見込みとなっていること、負担増になる者についても、給与収入八百五十万円超から急激に負担が増加するわけではなく、段階的にふえる仕組みになっていることから、負担のあり方についても配慮したものになっていると考えています。

 なお、妊娠中の女性がいる夫婦のみの世帯については、給与収入八百五十万円超の場合、出産前にあっては一時的に負担増が生じることもありますが、出産後において、子育て世帯等の負担増が生じないようにする措置の対象となります。

 次に、森林環境税、仮称についてお尋ねがありました。

 森林環境税は、パリ協定の枠組みのもとで我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成三十一年度税制改正において創設するものです。

 市町村による事業の実施体制は地域によってさまざまであると承知しており、森林整備を担う人材の育成や担い手の確保に関する費用を使途に含めるとともに、都道府県に市町村の体制整備等の支援を行っていただけるよう、都道府県にも税収の一部を譲与することとしています。

 具体的な使途については、各地方団体において適切に判断されるものと考えていますが、法律案に使途を規定するほか、毎年度、インターネット等による使途の公表を各地方団体に義務づけることにより、適正な使途に用いられることが担保されると考えられています。

 最後に、地方団体の基金についてお尋ねがありました。

 地方団体は、行革や経費節減に努めながら、さまざまな将来への備えのために基金を積み立てており、基金残高を理由として地方交付税等を削減することは妥当ではないと考えています。

 平成三十年度地方財政対策においては、基金残高の増加を理由として地方交付税等を削減するといったことは行っていません。その上で、前年度を上回る一般財源総額六十二・一兆円を確保したところです。

 今後とも、地方団体が安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税を始めとした一般財源総額の確保に努めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 本村伸子君。

    〔本村伸子君登壇〕

本村伸子君 私は、日本共産党を代表して、地方財政計画、地方税法、地方交付税法について関係大臣に質問いたします。(拍手)

 豪雪災害によって亡くなられた方々に心からの哀悼の意をささげます。被災されている皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 災害救助法を積極的に適用し、災害の拡大を未然に防止することを始め、市町村道の除雪費補助に臨時の特例措置を適用するなど、直ちに必要な措置をとるべきです。答弁を求めます。

 地方財源の確保について質問いたします。

 経済財政諮問会議では、自治体基金が増加しているとして、地方財源の削減が議論をされています。しかし、同会議でも、基金増加の原因は将来不安であると指摘をしています。地方財源の削減の理由にすることは許されません。答弁を求めます。

 地方の財源不足は二十三年連続です。地方交付税法にのっとって、法定率を抜本的に引き上げ、財源保障機能と財源調整機能を発揮させるべきではありませんか。

 次に、国保制度の都道府県単位化の問題です。

 国民皆保険制度の基盤は市町村国保です。市町村は、一般会計から繰入れを行い、国保税の高騰を抑える努力をしてきました。こうした自治体の取組を支援するべきではありませんか。保険者努力支援制度によって繰入れ削減の目標化を押しつけることはやめるべきです。国民健康保険に対する国庫負担率の引上げこそ必要です。答弁を求めます。

 ましてや、自治体に国保税の収納を競わせ、住民の生存権を脅かす差押えを広げることなど絶対にあってはなりません。

 さらに、地域経済牽引企業支援制度についてです。

 安倍内閣は、稼ぐ力があるという二千事業者を特定し、地域経済牽引企業として、あらゆる支援策を特化するとしています。しかし、愛知県でも、特定企業がゼロの自治体が半数以上です。わずか二千事業者に支援を特化して、どうして地域経済全体が発展するのですか。

 全国には三百八十万もの中小事業者があり、雇用の七割を担っています。この中小企業全体を丸ごと底上げ、下支えすることで地域経済の内発的な発展を図ることこそ求められているのではありませんか。

 重大なことは、地域経済牽引企業が事業を推進するために、自治体の条例規定の緩和や撤廃も提案できるとしていることです。これでは、特定企業のみを地域の主役とすることになるのではありませんか。

 最後に、PFI事業です。

 民間資金の活用で公共事業を行うとしてPFI事業を導入してから二十年。PFI事業を推進してきた自治体では、事故の危険、経営破綻のリスクが住民と自治体にしわ寄せされる事例が次々と出ています。

 愛知県西尾市では、市の施設の解体、新設、維持管理、運営を丸ごと二百十七億円で一社に請け負わせるPFI事業が、情報公開や住民参加もなく、市外の大手企業が利益を吸い上げることへの批判が高まり、計画は頓挫いたしました。

 今やるべきことは、PFIの検証です。事業の運営、下請を含めた働く人々の賃金、雇用形態、地元経済との関係、情報公開や住民参加など、その実態を調査し、結果を公表するべきです。

 安倍内閣は、地方自治体が公共施設等にPFIを優先採用することを打ち出し、活用には社会資本整備総合交付金を増額するなどしています。誘導策や積極的推進はやめるべきです。

 以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 本村議員にお答えいたします。

 まず、地方の基金の増加についてお尋ねがありました。

 地方団体は、行革や経費節減に努めながら、さまざまな将来への備えのために基金を積み立てており、基金残高を理由として地方交付税等を削減することは妥当でないと考えています。

 平成三十年度地方財政対策においては、基金残高の増加を理由として地方交付税等を削減するといったことは行っていません。その上で、前年度を上回る一般財源総額六十二・一兆円を確保したところです。

 今後とも、地方団体が安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税を始めとした一般財源総額の確保に努めてまいります。

 次に、法定率の引上げについてお尋ねがありました。

 地方財政は、平成三十年度においても六・二兆円の財源不足が生じており、地方財政の健全な運営のためには、本来的には、法定率の引上げにより地方交付税を安定的に確保することが望ましいと考えています。

 しかしながら、国、地方とも厳しい財政状況にあることなどから、法定率の引上げは容易ではありませんが、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保について粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。

 最後に、PPP、PFIについてお尋ねがありました。

 PPP、PFIは、公共施設等の整備、運営に当たり、民間の資金や創意工夫を活用することにより、公的負担の抑制を図りつつ、効率的かつ効果的な公共サービスの実現を目指すものです。

 公共施設等総合管理計画の策定指針においても、公共施設等の更新などに際しては、民間技術、ノウハウ、資金等を活用することが有効な場合もあることから、PPP、PFIの積極的な活用を検討するよう助言しているところです。

 PPP、PFIの導入は、各地方公共団体において、地域の実情等を踏まえて判断するものですが、その推進に当たっては、リスクの管理や行政によるモニタリングの徹底が重要であることから、ガイドラインの公表を行っている内閣府と連携して周知に努めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣小此木八郎君登壇〕

国務大臣(小此木八郎君) 本村議員より、今回の大雪について御質問いただきました。

 今回の大雪によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた方々に改めてお見舞い申し上げます。

 今回の大雪に関しましては、福井県が七市二町に、新潟県が四市一町に災害救助法を適用したところであります。

 内閣府としては、災害救助法の適用については、被災県からの相談に適宜応じるとともに、要望に応じて現地説明会を開催するなど、関係自治体に対する支援を実施しております。

 政府としては、災害の拡大を防止するため、関係省庁災害警戒会議を開催し、政府一丸となりまして、道路の除雪などの必要な対応をとっているところであります。(拍手)

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) 本村伸子議員より、国民健康保険制度についてのお尋ねがございました。

 御指摘の市町村国保は、他の公的医療保険に加入しない方が加入する、国民皆保険のとりでとして重要な制度であります。

 この制度において市町村が行っている一般会計からの法定外繰入れについては、国保の健全な財政運営のため、従来より、その計画的な削減をお願いしてきたところであります。保険者努力支援制度においても、このような趣旨から、市町村ごとの削減計画を作成している場合に評価を行うこととしております。

 また、今回の国保改革においては、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うとともに、総額二千億円規模の財政安定化基金を設置することとしており、これらにより国保の財政基盤が強化されるものと考えております。

 また、国保税を滞納した方であっても、差押えによって生活が極めて困難になることがないよう、各市町村の判断により差押えの対象としないことができることとなっており、そうした点も含めて、制度が適切に運用されるよう、今後とも各市町村に対し周知を図ってまいります。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 地域経済牽引企業や中小企業の支援についてお尋ねがありました。

 地域経済活性化のためには、全国津々浦々で、地域経済を牽引し、大きな波及効果をもたらす事業を数多く創出していくことが不可欠です。

 このため、昨年七月末に施行した地域未来投資促進法において、予算、税制、金融、規制緩和などの政策手段を総動員して、地域経済への波及効果が大きな事業を重点的に支援していくこととしています。

 また、地域経済への波及効果がわかるビッグデータの活用や自治体からの推薦などにより、地域未来牽引企業二千百四十八社を選定し、昨年十二月二十二日に公表いたしました。これらの企業が、地域経済を牽引し、波及効果をもたらす事業に積極的に取り組んでいただけることを期待しています。

 加えて、地域経済の発展のためには、全国三百八十万者を超え、三千三百万人を超える従業員を雇用する中小企業、小規模事業者の生産性の向上が必要不可欠です。その実現に向け、固定資産税をゼロにする新しい制度や、ものづくり補助金、持続化補助金などを活用しながら、生産性の向上を後押ししてまいります。

 また、地域未来投資促進法における事業環境整備に関する事業者からの提案制度は、事業者と地方自治体がコミュニケーションを図りながら、地域経済に対する波及効果を持つ事業を幅広く促進するためのものです。したがって、地方自治体は、他の事業者や住民に対する裨益も含め、地域経済に対する波及効果等を踏まえて、事業者からの提案に係る措置の実施について判断することになります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 串田誠一君。

    〔串田誠一君登壇〕

串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。

 私は、我が党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 我々日本維新の会は、東京一極集中の是正と、統治機構改革による完全な地方自治の実現、多極分散型の国家の実現を目指しています。地域の自立のためには、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠です。地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、消費税の全てを地方の財源として、各地方間の格差は水平的な財政調整で行うべきと考えております。

 以上のような考え方から、まず、地方交付税法等改正案につきお伺いします。

 今回、地方財政計画を議論する中で、自治体における基金残高を問題視する声があったものの、今回の見直しの中には、基金残高を理由とした交付税の削減は行われていないと理解しています。

 基金は、全国の自治体が、厳しい財政状況の中、景気の変動に備えて基金を積み立てているのであり、景気回復基調の中においては、基金がふえるのはむしろ当然のことです。基金残高の増加を理由に、国から自治体への地方交付税の配分を抑制すべきではありません。

 今回は、地方税収の伸びを受けて、基金残高を理由とした交付税削減が行われませんでしたが、今後、同様の指摘がされることについて懸念しております。政府の財政状況によって地方交付税の配分が影響を受けることがないよう、また、地方分権を進めるためにも、改めて権限と財源の移譲について前向きな議論が必要であると考えますが、総務大臣の御認識をお聞かせください。

 次に、地方税法等の改正法案についてお伺いいたします。

 今回、地方消費税の清算基準が提案されました。地方消費税の清算とは、最終消費地と税収の最終的な帰属地を一致させることが趣旨です。経済活動の実態を踏まえたものとするとともに、商業統計や経済センサス活動調査において正確に都道府県別の最終消費を把握し、その割合を七五%とし、人口は一七・五%に抑えてきました。しかし、今回の提案は、従業者数基準を廃止し、最終消費額に係る割合を五〇%、人口を五〇%とするものです。これは、清算制度に税収偏在の是正という別の目的を紛れ込ませているとしか思えません。清算の考え方から逸脱しているのではないでしょうか。

 まずは、最終消費地と最終帰属地を一致させる。その上で、税収偏在の是正策について国会で議論をする。それが正しい進め方ではないでしょうか。税は国民の皆さんに納めていただいたものです。その配分は、税の目的をゆがめることのないよう、適正に行われるべきではないでしょうか。総務大臣、どうお考えでしょうか。お答え願います。

 生産性革命の実現に向けた中小企業の設備投資の支援について質問します。

 平成二十八年度税制改正で始まった、中小企業の償却資産のうち、新規に取得する一定の機械と装置に対して固定資産税の課税基準を二分の一にする三年間の時限措置がとられました。

 企業にとって設備投資は重大事項であり、判断を誤ると、大企業ですら屋台骨を揺るがしかねず、中小企業なら、設備投資の判断の誤りでたちどころに倒産につながります。そのような重大な決断を、固定資産税を一時的に下げるという手法で中小企業に設備投資の判断を委ねるのは、適切な政策なのでしょうか。

 この政策を更に延長、拡大するに当たり、総務大臣に確認します。この三年間の支援実績についての政策効果、特に投資判断の失敗事例の有無を検証されているのでしょうか。お答えを願います。

 我が党は、各地域の自立を支える地方財政制度の確立とそのための政治機構改革、そして、国税と地方税を通じた合理的で抜本的な税制改革を今後も目指してまいります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野田聖子君登壇〕

国務大臣(野田聖子君) 串田議員にお答えいたします。

 まず、地方交付税制度についてお尋ねがありました。

 一般論で申し上げれば、地方の自立を促進するためには、補助金はもとより、地方交付税等の国から地方への財源移転にできる限り依存せず、みずからの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想であると考えています。

 他方、地方税の充実を図り、偏在性の小さい地方税体系を構築してもなお税源の偏在が残ることに加え、我が国においては、多くの行政分野において、国と地方の役割分担等を法令等により定めています。

 このため、地方団体間の財政力格差がある中で、どのような地域であっても、国が法令等で定める一定水準の行政サービスを提供できるように財源を保障することは国の責務であり、地方交付税が重要な役割を果たしていると考えています。

 地方団体が安定的に財政運営を行っていけるよう、引き続き、地方税の充実を図るとともに、地方交付税総額を適切に確保することなどにより、地方の一般財源総額をしっかりと確保してまいります。

 次に、地方消費税の清算基準についてお尋ねがありました。

 地方消費税の税負担は最終消費者に求めるものであることから、その税収も最終消費地の都道府県に帰属させる必要があり、そのために清算制度が導入されています。

 この清算基準については、平成九年度に導入されて以来二十年が経過しており、この間の社会経済情勢や統計制度の変化等を踏まえ、地方消費税の税収を最終消費地の都道府県により適切に帰属させるため、抜本的な見直しを行うこととしたものです。

 このような観点に立って、地方財政審議会のもとに学識経験者を交えた検討会を設け、議論を行い、統計データの利用方法等を見直すとともに、統計カバー外の代替指標を全て人口とすることとし、地方消費税の税収が最終消費地により適切に帰属することとなるよう見直しを行うこととしたものです。

 最後に、中小企業の設備投資に対する固定資産税の特例措置についてお尋ねがありました。

 平成二十八年度に創設した既存の償却資産の特例措置の適用対象となる設備投資は、経済産業省によれば、昨年末時点で約三万一千者、約一・六兆円となっています。

 主務大臣は、事業者の設備投資が適切かどうかを確認した上で、特例措置の適用の前提となる設備投資計画の認定を行うものと承知していますが、この特例措置の適用期限は平成三十年度までであることから、その政策効果については、今後、経済産業省において検証が進められるものと理解しています。

 一方、今回創設する特例措置は、既存の特例措置とは大きく異なるものです。

 具体的には、これまでのように全国一律の措置とするのではなく、市町村がそれぞれの地域の強みや課題を踏まえて主体的に作成した計画に基づき、その計画に合致し、生産性向上に資する中小企業の設備投資にターゲットを絞って支援することとしています。また、中小企業が設備投資計画を作成するに当たっては、商工会議所等の支援機関がサポートすることとしています。

 生産性革命集中投資期間中、市町村や事業者、経済界など、地域の関係者が一体となって、今回の新たな仕組みを有効に活用し、地域経済が活性化することを期待しています。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    野田 聖子君

       厚生労働大臣  加藤 勝信君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国務大臣    小此木八郎君

       国務大臣    梶山 弘志君

 出席副大臣

       総務副大臣   奥野 信亮君


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