衆議院

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第17号 平成30年4月10日(火曜日)

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平成三十年四月十日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十四号

  平成三十年四月十日

    午後一時開議

 第一 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)

 第二 人事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)

 日程第二 人事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 気候変動適応法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)

議長(大島理森君) 日程第一、外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。

    ―――――――――――――

 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案の参議院回付案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、参議院の修正に同意することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第二 人事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第二、人事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長平口洋君。

    ―――――――――――――

 人事訴訟法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔平口洋君登壇〕

平口洋君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国際的な要素を有する人事に関する訴え及び家事事件の適正かつ迅速な解決を図るため、これらの訴え等に関して日本の裁判所が管轄権を有する場合等について定めようとするものであります。

 本案は、去る四月三日本委員会に付託され、翌四日上川法務大臣から提案理由の説明を聴取し、六日、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第三、株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長山際大志郎君。

    ―――――――――――――

 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山際大志郎君登壇〕

山際大志郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近の地域経済をめぐる状況に鑑み、地域における総合的な経済力の向上を通じた地域経済の活性化を引き続き図るため、株式会社地域経済活性化支援機構の業務の一部の期限を延長するものであります。

 本案は、去る四月三日本委員会に付託され、翌四日茂木国務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。六日に質疑を行い、質疑終局後、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第四、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長西村明宏君。

    ―――――――――――――

 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔西村明宏君登壇〕

西村明宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、低未利用土地の有効かつ適切な利用を促進するとともに地域の実情に応じた市街地の整備を一層推進することにより、都市の再生を図るための措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、低未利用土地の利用及び管理に関する指針を立地適正化計画の記載事項とすること、

 第二に、都市機能誘導区域に誘導施設の立地を誘導するための土地区画整理事業の特例を創設すること、

 第三に、都市計画協力団体制度の創設を行うこと

などであります。

 本案は、去る四月三日本委員会に付託され、四日石井国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、六日、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 気候変動適応法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、気候変動適応法案について、趣旨の説明を求めます。環境大臣中川雅治君。

    〔国務大臣中川雅治君登壇〕

国務大臣(中川雅治君) ただ今議題となりました気候変動適応法案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 近年、高温による米や果実の品質低下、魚種の変化、大雨の頻発化に伴う水害、土砂災害、山地災害の増加、熱中症搬送者数の増加や感染症拡大への懸念など、気候変動の影響が全国各地で起きており、さらに今後、長期にわたり拡大するおそれがあります。

 こうした気候変動に対処し、国民の生命財産を将来にわたって守り、経済、社会の持続可能な発展を図るためには、温室効果ガスの長期大幅削減に全力で取り組むことはもちろん、現在生じており、また将来予測される被害の防止、軽減等を図る気候変動適応に、多様な関係者の連携、協働の下、一丸となって取り組むことが一層重要となっております。

 本法律案は、こうした状況を踏まえ、気候変動適応を推進するための措置を講じようとするものであります。

 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。

 第一に、国、地方公共団体、事業者及び国民が気候変動適応の推進のために担うべき役割を明確にします。

 第二に、政府は、気候変動適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、気候変動適応に関する計画を定めなければならないこととします。

 第三に、環境大臣は、おおむね五年ごとに、中央環境審議会の意見を聴き、あらかじめ関係行政機関と協議し、気候変動による影響の評価を行わなければならないこととします。

 第四に、国立研究開発法人国立環境研究所は、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集及び提供や、地方公共団体等に対する技術的助言等の業務を行うこととします。

 第五に、都道府県及び市町村は、地域における気候変動適応に関する計画の策定に努めるとともに、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集及び提供等を行う拠点としての機能を担う地域気候変動適応センターの体制を確保するよう努めることとします。

 第六に、地方環境事務所その他国の地方行政機関、都道府県、市町村等は、広域的な連携による気候変動適応の推進のため、気候変動適応広域協議会を組織することができることとします。

 第七に、国及び地方公共団体は、気候変動適応に関する施策の推進に当たっては、防災や農業等の関連施策との連携を図るよう努めることとします。

 このほか、気候変動適応に関する国際協力の推進、事業者による気候変動適応に資する事業活動の促進、事業者及び国民の関心と理解の増進等に係る規定の整備を行います。

 以上が、気候変動適応法案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 気候変動適応法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。関芳弘君。

    〔関芳弘君登壇〕

関芳弘君 自由民主党の関芳弘です。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました気候変動適応法案について、中川環境大臣に質問をいたします。(拍手)

 地球温暖化を始めとする気候変動が、既に世界各地で起こっています。二年前の二〇一六年は、観測史上最も暑い年でした。毎年のように、大型の台風やハリケーンが甚大な被害をもたらしています。日本では、ゲリラ豪雨という言葉がすっかりと定着しました。

 このような気候変動により、我が国でも、高温による米や果物の品質低下、災害リスクの増加、熱中症の増加や感染症拡大への懸念など、影響が全国各地で顕在化してきています。我が国の国民の生命財産を将来にわたって守り、経済、社会の持続可能な発展を図るには、気候変動の影響を回避、軽減する適応策の充実強化が不可欠です。

 このような状況を踏まえ、昨年六月、我が党では、環境・温暖化対策調査会において、気候変動の影響への適応策の充実・強化に向けた提言を取りまとめ、当時の山本環境大臣を始めとする関係大臣へ申入れをしました。政府においては、この提言をしっかりと受けとめ、今般、法案の国会提出に至ったことを評価しますが、この法案により、適応策の充実強化に向けてどのように実効性を確保していくのか、環境大臣の見解を伺います。

 諸外国においては、現時点で適応策を法制化している国は必ずしも多くはないということですが、イギリスやフランスなど、既に法制化をして適応策を推進している国もあります。

 今般、政府においては、適応策の充実強化に向けた強い意気込みのもと、適応策に特化した法案の提出に至ったものと理解していますが、この法案が諸外国の法制度と比べて画期的なものとなっているのかどうか、環境大臣に伺います。

 適応策は、防災、農業、健康、生態系など、非常に多くの分野が関係しています。このため、防災や農業などの既存の施策の中に適応の観点を組み込んでいくことが極めて重要であり、これにより、将来の気候変動の予測情報に基づく着実な防災施設の整備、高温耐性の品種の開発や、熱中症対策の普及啓発など、個別分野の適応策を効果的に推進することが可能になります。防災対策の強化という観点から、適応策は国土強靱化にも貢献するものと考えます。

 このような多様な分野の適応策は、環境省だけでなく、国土交通省や農林水産省などの関係省庁が連携して進めていく必要があります。

 そこで、本法案において、関係省庁との連携をどのように確保し、国土強靱化などの重要課題に貢献していくこととしているのか、環境大臣の見解を伺います。

 気候変動の影響は、地域の気候や社会的、経済的状況の違いにより、全国各地で異なるものです。

 各地域において適応策を推進していくには地方公共団体が重要な役割を担いますが、地方公共団体における適応策の取組は始まったばかりであり、具体的な適応策が十分に実施されていると言えません。

 このため、地方公共団体が地域の実情に応じて適応策を実施できるよう、国によるさまざまな支援が必要だと考えますが、最後にこの点について環境大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣中川雅治君登壇〕

国務大臣(中川雅治君) 関議員から、四問御質問いただきました。

 まず、適応策の実効性の確保についてのお尋ねがありました。

 本法案において、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明確化したところであり、これを踏まえ、現行の適応計画の内容をしっかりと見直し、関係者が一丸となって適応策を強力に推進してまいります。

 また、本法案では、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備を位置づけたところであり、精度の高い気候変動影響の予測情報の提供により、適応策の質の向上を図ります。

 さらに、本法案に基づく地方公共団体による地域気候変動適応計画の策定や広域協議会による国と地方公共団体の連携の促進等を通じて、地域の実情に応じた適応策を推進します。

 これらの取組を通じて、きめ細かで実効性が高い適応策を推進していきます。

 次に、諸外国の法制度との比較についてのお尋ねがありました。

 諸外国においては、例えば、イギリスやフランス、韓国は、法律の中で適応策を位置づけており、定期的に気候変動影響の評価を行うこと、その科学的知見をもとに政府の適応計画を策定、実施することを規定しています。

 我が国の気候変動適応法案においても同様の仕組みを位置づけているところですが、これに加え、国立環境研究所を中核とした適応の情報基盤の整備や広域協議会を始めとした地域での適応の強化など、諸外国の法律にはない仕組みを盛り込んでいます。

 本法案は、このような規定を含む適応策に焦点を当てた法案となっており、画期的なものと言えるのではないかと考えております。

 次に、関係省庁との連携についてのお尋ねがありました。

 本法案においては、例えば、適応計画の案の策定に当たって関係省庁と協議することや、広域協議会を通じて地方公共団体や国の地方行政機関等との協力を進めることなど、関係省庁の連携協力を推進するための規定を随所に盛り込んでいます。

 また、本法案は、適応策の推進に当たって関連する行政施策との連携を図る規定や、関係機関と連携して適応の情報基盤を整備する規定を盛り込んでいます。

 これらの規定をもとに、科学的な情報を活用しつつ、防災、農業等の各分野の施策において気候変動適応の観点を組み込むことを推進し、国土強靱化等の重要課題にも貢献できるものと考えております。

 最後に、地方公共団体への支援についてのお尋ねがありました。

 地方公共団体は、本法案に基づき、地域気候変動適応計画を策定し、地域における適応策を推進していくことが求められます。

 環境省はこれまで、農林水産省、国土交通省と連携し、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査や科学的知見に基づく適応策の検討を進めることなどにより地方公共団体の取組を支援してきました。

 引き続きこのような支援を行っていくとともに、計画策定マニュアルの作成、提供や国立環境研究所による技術的サポートの充実等を通じて、地方公共団体が地域の実情に応じた適応策を推進できるよう支援してまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 堀越啓仁君。

    〔堀越啓仁君登壇〕

堀越啓仁君 立憲民主党・市民クラブの堀越啓仁でございます。(拍手)

 最初に、昨日未明に島根県西部で発生した地震で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、政府に迅速な初動対応を改めてお願いを申し上げます。

 さて、冒頭、一言申し上げなければなりません。

 安倍自公政権は、現在の政治状況をどのように考えているのでしょうか。目を疑いたくなるような惨状が、日々繰り返されております。

 あってはならない口裏合わせに、決裁文書の改ざん。繰り返される日報の隠蔽に、口先ばかりの大臣指示。労働局長の暴言、恫喝に、教育現場への圧力。さらに、けさの新聞において、加計学園の獣医学部新設は首相案件であると当時の首相秘書官が発言したとの報道がありました。これまでの首相の説明とは食い違う、新たな疑惑が発覚したわけです。

 政府を厳しくたださなければならない大問題がこれほど次から次に出てくる事態が、いまだかつてあったでしょうか。

 カジノや高プロ導入、放送法改正などには全力を注ぎ、改ざんや隠蔽問題に関してはその場しのぎの対応しかしていないと映るのは、私だけではないはずです。

 総理は先日、新人の公務員の皆さんを前に、高い倫理観のもと、細心の心で仕事に臨めと訓示されてきました。高い倫理観を持つべきなのは、安倍政権とその取り巻きの皆さんです。

 今回の惨状は、その場限りで終わらせていい話ではありません。大多数の一生懸命真っ当な仕事をしている公務員の皆さん、自衛隊員の皆さん、教育現場の皆さん、働く現場の皆さんのためにも、問題を根っこから正していかなければいけません。

 今のこの緩み切った安倍政権に、徹底調査だ、再発防止だなどと言う資格は全くありません。第三者機関を設け、これらの問題に対する原因究明と再発防止に、与野党を超えて、立法府を挙げて取り組んでいくことが何よりも大事です。冒頭、あえて指摘をさせていただきます。

 それでは、ただいま議題となりました気候変動適応法案について、会派を代表して質問いたします。

 去る三月二十二日、世界気象機関は、二〇一七年に世界各地でハリケーンや洪水などの気象災害が多発し、その経済損失が過去最高の三千二百億ドル、日本円にしておよそ三十四兆円に上ったという試算を公表しました。暑さによる疾病、死亡のリスクも、一九八〇年以降、増大傾向にあります。ソマリアでは、干ばつによる食料不足で八十九万人を超える国内の避難民が発生し、アジア諸国等では、洪水が農業に甚大な被害をもたらしています。また、二〇一六年には、気象災害により、世界で二千三百五十万人もの人々が避難民となっております。

 日本においても、影響は既にあらわれております。高温による米や果実の品質低下、大雨の頻発に伴う水害、土砂災害、山地災害の増加、熱中症搬送者の増加や感染症拡大への懸念などをニュースなどで目にする機会がふえております。

 このように、世界の各地で気候変動による悪影響が深刻化し、各国が、世界全体で必要とする温室効果ガス削減目標に基づいた政策を打ち出しています。特に先進国は野心的な省エネルギー目標と再生可能エネルギー導入目標を挙げ、世界はパリ協定に真摯に取り組んでいます。

 ところが、安倍政権の温暖化対策に後ろ向きの姿勢は、まず手続において、パリ協定の第一回会合に批准国として参加することが到底できないスケジュールで条約を国会に提出したところからも明らかであります。

 加えて、安倍政権は省エネも再エネ目標も中途半端で、対策強化をできない言いわけばかりを並べ、温暖化対策に極めて後ろ向きであります。また、国内対策では、原発と石炭火力発電に固執し過ぎています。

 原発ゼロでも、徹底した省エネルギーと再生エネルギーの最大限の導入で、現在の目標以上のCO2削減は可能です。

 そして、日本の対策のおくれによって、世界では罪のない人々が住む場所を奪われ、伝統や文化も奪われ、とうとい命をも奪われていくのです。それにもかかわらず、安倍政権は、成長戦略の柱として原発や高効率型の石炭火力発電所の輸出を推進するなど、世界の流れに完全に逆行し、世界の失笑を買っています。

 このままでは、日本の産業は温暖化対策がおくれ、国際的な競争力も失ってしまいます。気候変動の緩和策を講じ、その影響に適応していくことは、世界においても日本においても喫緊の課題です。

 このような状況で、本法案が今国会に提出されました。適応については、これまで委員会の質疑や附帯決議などにおいて何度も早期法制化が求められてきており、二〇一六年の地球温暖化対策推進法改正案の審査時には、適応の法制化を内容とする修正案を提出いたしましたが、与党の賛同はいただけませんでした。

 政府は、温室効果ガスの削減、つまり緩和策と気候変動の影響への適応策とを気候変動対策の車の両輪として取り組んでいくこととしておりますが、適応策の重要性を認識し、これを緩和策と両輪で進めていくという考えであれば、当初から適応の計画を法律に基づく法定計画として策定すべきであったと考えます。なぜ今までできなかったのか、中川環境大臣の御見解を伺いたいと思います。

 この適応策の重要性を踏まえた上で、本法案の審議に当たり、気候変動対策は、最大限の緩和策の実施が大前提であるということを申し上げたいと思います。

 適応策は、気候変動の影響に対応して実施されるものですが、温室効果ガスの削減を最大限行うことにより、その影響を極力抑えることが期待できます。つまり、予防にまさる治療なしということです。

 緩和策を強化することは、気候変動の影響と被害を未然に回避する最大の適応策であるとも言えますが、中川環境大臣の御所見を伺います。

 緩和策と適応策は車の両輪とされておりますが、その位置づけは本法案には規定されておらず、また、緩和策の強化が適応策に資するという視点のない本法案では、包括的な気候変動対策の方針を描くことができません。

 このため、本法案においては、緩和策を更に強化して影響を最小化させる必要があることを明示し、気候変動によるリスクを回避するためにとるべき緩和策についてフィードバックすることを法に明確に位置づける必要があると考えますが、中川環境大臣の御見解を伺います。

 次に、気候変動リスク評価情報の横断的な収集、把握について伺います。

 不確実性を伴う気候変動の影響について的確な評価を行っていくためには、気候変動リスクに関するデータが詳細かつ十分に収集されることが必要とされます。

 そのためには、まず、企業や自治体などが、それぞれの事業活動や事務における気候変動によるリスクを把握することが基本であり、企業などが把握したこれらの情報を、国が集約し、整理、分析していくことが必要だと考えております。

 そこで、企業にはリスク把握に伴って収集する情報の定期的な提出、国には提出情報を含む気候変動リスク評価情報の集約、整理、分析や企業への情報提供を義務づけるとともに、かかる情報に基づき、全省庁挙げての横断的な気候変動対策に関する施策の推進が行われるよう、その趣旨を本法案に明記するべきであると考えますが、中川環境大臣の御所見を伺います。

 また、適応策は、国民の生命や財産を将来にわたって守っていくために必要不可欠でありますが、他方で、気候変動の適応策という名のもとに無駄な公共事業が行われる事態を招いてはならないことは当然です。

 このため、適応策の実施に当たっては、必要性や緊急性に照らした上で、事前事後に厳しく事業の評価を行い、必要のない事業による予算の無駄遣いを防止するための仕組みを導入することが不可欠であると考えますが、中川環境大臣の御所見を伺います。

 次に、気候変動に係る途上国支援について伺いたいと思います。

 我々が日々享受しているこの豊かさは、誰かの犠牲の上に成り立つものであってはならないと考えております。国際NGOオックスファムの調査では、世界の中でも裕福な層の上位一〇%の人々は世界の温室効果ガス排出量の約半分を排出し、気候変動に対して脆弱な国や地域で暮らす世界の半数の人々は約一〇%しか排出していないと報告しています。

 たった一割しか排出していない世界の半数の人々の生計手段は、主に農業や漁業であります。自然に左右されるものが多いため、気候変動の影響を直接受けやすく、加えて、気候変動に適応する能力、資金、技術を十分には得られません。また、実際に被害を受けたとしても逃げるすべを持たない人々も多く、気候変動による難民、いわゆる気候難民は大変な困難に陥っております。

 こういった不公平性を正していこうとする考え方である気候正義に基づき、緊急かつ必要性の高い支援に優先度を置きながら、途上国支援や国際協力を進めていくべきだと考えておりますが、外務大臣の御見解を伺います。

 その上で、今後、本法案に基づき、途上国に対してどのような支援策を講じようと考えられているのか、重ねて伺いたいと思います。

 最後に、パリ協定に係る質問をいたします。

 パリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命以前より二度以下に抑えることを目標とし、さらには一・五度以下に抑えることを努力目標としています。各国の削減目標を積み上げても、パリ協定の目標と現実の間には大きなギャップがあることが確認されている中で、世界第五位の温室効果ガス排出国である日本の削減目標二六%は極めて不十分なものであります。緩和策の強化が最大の適応策であるという観点からも、これを引き上げる必要があると考えますが、中川環境大臣の見解を求めたいと思います。

 さらに、現在、日本では四十基以上の石炭火力発電の新増設計画があるとされていますが、石炭火力発電は、たとえ高効率なものであっても、従来型LNG火力のおよそ二倍のCO2を排出するため、これらの計画が全て実行されれば、削減目標二六%の達成は極めて困難となります。

 世界的に見ても、石炭火力発電については、投資撤退、いわゆるダイベストメントの動きが見られるように、抑制する流れとなっておりますが、日本は逆に、石炭火力発電をインフラ輸出戦略として推進してしまっています。

 立憲民主党は、パリ協定の目標の実現に向け、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの最大限の導入、化石燃料、特に石炭依存からの脱却などにより、二〇五〇年に八〇%以上の温室効果ガス削減を目指すことを党の基本施策として掲げています。

 石炭火力発電の輸出をやめ、国内における新増設を安易に認める政策を根本から見直し、石炭火力ではなく、経済活性化、未来への投資として、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めるための施策推進へ早急にシフトしていく必要があると考えております。経済産業大臣の御認識を伺いたいと思います。

 終わりに当たりまして、一言申し上げたいと思います。

 私は、小学校四年のときに得度式をし、二十八年間、天台宗の僧侶として生きてきました。仏教では、山川草木悉皆成仏という言葉がございます。この言葉は、山や川、草木、これら全て、自然環境そのものが、人間と同じく仏さんの性質を宿している、だからとうとい、だからこそ大事にしていかなければいけないという教えでございます。

 この言葉は、これからの日本が持続可能な社会を実現していくために、積極的な地球環境問題への取組は必然であるということを教えてくれていると思います。

 人類が今直面している危機的な気候変動問題については、与野党問わず、各省庁問わず、全力で取り組むことを心から切望し、自然系国会議員を目指す、私、堀越啓仁の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣中川雅治君登壇〕

国務大臣(中川雅治君) 堀越議員から、五問御質問をいただきました。

 まず、法制化の時期についてのお尋ねがありました。

 適応策については、以前は、知見の蓄積が不十分であり、また、推進すべき適応策の具体的内容が必ずしも明らかではありませんでした。このため、法制化の前に、まずは気候変動の影響評価を行った上で、政府としての計画を策定することとしたものであります。

 具体的には、平成二十七年に、気候変動影響評価の報告書を取りまとめた上で、政府の適応計画を閣議決定したところです。

 その後、適応計画のもと、適応策を展開していく中で、その充実強化を図るための法制度の必要性について関係者の間で認識が広がり、また、地方公共団体からも法制化を求める要望が提出されるなど機運が高まったことを受け、今般、本法案を国会に提出することとしたものであります。

 次に、緩和策の位置づけについてのお尋ねがありました。

 緩和策を強化することが最大の適応策であるとの御指摘、また、緩和策を本法案に位置づける必要があるとの御指摘をいただきました。

 気候変動の脅威に対応するためには、緩和策と適応策の二つを車の両輪として進める必要があります。

 世界各国が合意したパリ協定や気候変動の科学に関する国際的な組織であるIPCCも、緩和策と適応策の両方を推進することの重要性を強調しています。

 緩和策の重要性については、既に地球温暖化対策推進法に明記しております。本法案のもとで適応策を充実強化させるとともに、地球温暖化対策推進法のもとで緩和策に全力で取り組んでまいります。

 地球温暖化対策推進法と今回御審議いただく本法案の二つを礎に、緩和策と適応策をしっかりと推進してまいります。

 次に、企業の気候リスク情報の収集や情報提供等についてのお尋ねがありました。

 本法案では、国、地方公共団体、事業者等が科学的知見に基づき適応策を実施できるよう、国立環境研究所が関係研究機関と連携しつつ、気候変動影響に関する情報の収集、分析、提供等の業務を行うことを明記しております。

 また、本法案において、事業者は事業活動の内容に即した適応策に努めるとともに、国及び地方公共団体の施策に協力するよう努める旨規定しております。

 これらの規定に基づき、企業の協力も得ながら、気候変動によるリスク情報の収集に努めるとともに、企業への情報の提供等を行ってまいります。

 こうした取組を通じて、国立環境研究所を中核とする情報の収集、分析、提供体制の充実強化を図り、政府一体となって適応策を推進してまいります。

 次に、予算の無駄遣いを防止するための仕組みについてのお尋ねがありました。

 本法案では、科学的な情報基盤を構築し、将来の気候変動影響に関する精度の高い情報を提供していくこととしており、適応策の観点から、効果的かつ効率的な事業の推進を図ってまいります。

 また、本法案では、気候変動適応計画に基づく施策の進展の状況を的確に把握し、評価する手法の開発に努める旨規定するとともに、気候変動適応計画を必要に応じて見直すこととしております。

 これらの仕組みにより、適応策を具体的に実施するそれぞれの府省庁において、必要性や緊急性を踏まえ、適応策の効果的かつ効率的な実施が図られるものと考えております。

 最後に、削減目標の引上げについてのお尋ねがありました。

 パリ協定は、二度目標の達成のため、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指して各国の取組を前進させていく歴史的な枠組みであり、この趣旨を十分に考慮し、全ての国の取組を促進すべきと考えております。

 我が国においては、平成二十八年五月に閣議決定した地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まずは二〇三〇年度二六%削減目標を達成することが重要です。

 また、同計画では、対策、施策の進捗状況を毎年厳格に点検するとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すこととしております。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 堀越議員にお答えいたします。

 石炭火力から再生可能エネルギーへのシフトについてお尋ねがありました。

 国民負担を抑制しつつ、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていくことが政府の基本方針です。他方、全ての面において完璧なエネルギー源がない中で、スリーEプラスS、すなわち安全を大前提とした上での安定供給、環境適合、経済性のバランスが重要となります。

 石炭火力は、安定供給や経済性の面ですぐれ、一定の割合で活用を図ることが必要と考えますが、CO2という環境面での課題があることから、一定の制約も必要です。

 このため、環境省とも合意のもと、エネルギー供給構造高度化法と省エネ法による規制的措置を導入しております。これにより、二〇三〇年度のCO2削減目標を実現するための実効性が確保されます。また、より長期的な視点では、CCSの技術の実用化を目指した実証実験やコスト低減に向けた研究開発に取り組んでいるところです。

 なお、石炭火力の海外輸出については、途上国などで石炭火力を選択せざるを得ない国に対して、低炭素に資するあらゆる選択肢を提示した上で、それぞれの国のニーズに応じ高効率な石炭火力の導入を支援することは、実効的な世界のCO2削減への貢献となると考えております。(拍手)

    〔国務大臣河野太郎君登壇〕

国務大臣(河野太郎君) 気候変動に係る途上国支援や国際協力についてのお尋ねがありました。

 気候変動は、海面上昇や干ばつ、自然災害の激甚化等の問題を引き起こし、こうした問題による影響を受けやすい脆弱な国々だけでなく、地球規模の安全保障及び経済の繁栄に脅威をもたらすものとして国際社会が一致して対応すべき喫緊の課題です。

 我が国は、国際的な気候変動対策の強化を重視しています。二〇一五年のCOP21において、安倍総理から、世界の気候変動対策進展のための貢献となる「美しい星への行動二・〇」として発表した気候変動対策については、引き続き官民で連携し、地熱発電等の日本の得意とする分野において途上国で事業を着実に実施していきます。

 世界各地で起こっている気候変動による悪影響に対処する上でも、適応分野への対応は重要であり、我が国としても途上国支援と国際協力を積極的に進めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 下条みつ君。

    〔下条みつ君登壇〕

下条みつ君 希望の党、長野県第二区の下条みつでございます。

 本日は、初めに、気候変動適応法案並びに関連する件で、希望の党・無所属クラブを代表して御質問させていただきます。(拍手)

 私の地元長野県でも、高温と強い日射によるリンゴの日焼けや味の変化、昨年度は日照不足によるブドウの着色不良など、多く見られております。また、松くい虫による被害が、平成二十九年度は十二月末までに六万六千立米に及び、いまだに拡大が続いております。さらには、鹿などの野生鳥獣による農林業被害額は、平成二十八年度で年間九億三千万にも及んでおります。近年、局所的な豪雨、豪雪が多発しており、昨年の九州北部豪雨を始め、平成三十年豪雪など、多くの被害をもたらしています。

 このように、気候変動の影響は、中山間地の集落維持を始め、農業、生態系、自然被害、さらには私たちの生活に大きな影響を与えています。今後、地球温暖化が更に進行していくことで、その影響はどんどん拡大していくでしょう。これら気候変動の影響にどのように対処していくのか、環境大臣の見解をお伺いいたします。

 さて、長野県においては、既に県及び長野県環境保全研究所が中心となり、地元の信州大学、民間企業、業界団体等が協力し、信州・気候変動適応プラットフォームが始動しています。地球温暖化の進行に伴い、モウソウチクとマダケの生育に適した環境が拡大する予測と、研究成果などを残しております。つまり、温暖化は急に正常化するのが難しければ、各地方の気候変動の影響を正確に把握し、その対策を行っていかなければなりません。

 例えば、私たち地方に生きる者にとって、各地の特色ある気候に由来する特産物が星の数ほどあります。気候変動の結果、ある日を境に特産物がなくなるような事態は、回避しなければなりません。

 その意味において、本法案においては、都道府県及び市町村が地域気候変動適応計画を策定するとされている必要性は理解できます。ただ、地方分権、地方の自立の名のもと、一体どれだけの計画をつくらせるのか。特に市町村は、国からさまざまな計画をつくるよう要請されており、財政が厳しく職員数が限られている現状では、予算措置は言うに及ばず、計画策定の支援体制の構築など、必要な支援を行っていくべきと考えますが、本法案においては地方公共団体の計画策定が努力義務にとどまっていることを含め、環境大臣の御見解をお伺いいたします。

 本法案での気候変動の主因は地球温暖化であります。本法案が目標とするところは、病でいえば対症療法にすぎません。私たち人類が生きていくためには二酸化炭素を排出せざるを得ないのですが、いかに二酸化炭素の排出を最小限にとどめるか、また、いかに一度大気中に放出された二酸化炭素を再び大地に戻すことができるか。今求められているのは、地球温暖化という課題に対する根治療法とも言える二酸化炭素排出量の削減にあります。

 以下、地球温暖化に対する対処状況についてお伺いさせていただきます。

 先月、英国のスティーブン・ホーキング博士が亡くなられました。彼は、昨年、温暖化ガス削減を目指すパリ協定から米国のトランプ大統領が離脱を宣言した際に、酸性雨が降り注ぐ金星のような高温の惑星に地球を追いやると批判され、百年後、人類は宇宙コロニーにそのまま生きる地を求めざるを得ないとの指摘をされました。

 安倍総理は、以前行われた国際交流会議「アジアの未来」晩さん会にて、美しい星へのいざない、インビテーション・ツー・クールアース50と題し、地中の二酸化炭素を放出してきた人類の歴史、地球温暖化の影響が深刻であることを述べられた後、今こそ我々は行動しなければなりません、そうでなければ、将来の子孫に対してどんな顔を向けられるでしょうかと述べられています。これはいい発言です。ただ、問題はその実行にあります。

 例えば、現在、国内において四十基ほどの石炭火力発電所の新増設が計画されています。環境省の「電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価の結果について」によれば、最新型液化天然ガスに比して、石炭火力の二酸化炭素排出量は最新技術をもってしても二倍以上に上ります。なぜ、今四十基もの石炭火力発電所を新増設しようとしているのか。

 中川環境大臣は一月の記者会見において、日本には多数の石炭火力の新設計画があり、全て建設されると温暖化ガスの削減目標達成が困難になる旨の発言をされております。

 また、昨年十一月に開催された国連気候変動枠組み条約締結国会議での脱石炭火力発電連合においては、英国、カナダ始め、オランダ、ベルギーなど二十の国とアメリカ・オレゴン州やカナダ・ケベック州などの地方政府が石炭火力発電の迅速な段階的廃止を宣言しました。

 なぜ、二酸化炭素排出量を少しでも削減しようという国際的な状況の中、発電コストが安いという理由で石炭火力発電所の新増設を進めるのか、地球温暖化対策に逆行すると考えますが、経済産業大臣の見解をお伺いいたします。

 環境省により、平成二十六年度より三カ年にわたり、廃棄物埋立処分場等への太陽光発電導入促進事業が推進されました。平成二十八年度末時点で、件数にして八十件、出力規模にして二十万キロワットの太陽光発電所が稼働しています。最終処分場を全て太陽光発電に転換すれば七百万キロワットの電力を生み出すことができると環境省は試算しています。わざわざ山を削ったり畑を潰したりして発電所をつくるより、もともと使い道がない処分場跡地は太陽光発電には最適ではないでしょうか。まだまだ活用の拡大に向け、予算措置を含め対処していくべきだと思います。

 さて、私の地元松本市では、懇談会の初めの三十分は席を立たずに食事を味わい、最後の十分は席に戻り食事をとり、なるべく残さないという三〇一〇運動の発祥地であります。また、長野県は、ごみ排出量の少なさランキングで二年連続日本一に輝くなど、ごみ削減の先進県でもあります。このような長野県における取組が全国に広がってほしいと考えております。ごみ削減そのものが焼却時の二酸化炭素排出量削減につながるからであります。

 一方、ごみ焼却施設は焼却時に莫大な熱エネルギーを放出しますが、余熱利用を合わせても、燃焼によって発生する熱量の四分の一程度しか利用できていません。ごみ焼却施設千百四十一のうち、発電をしている施設が五百三十六、その発電量は、一般家庭二百五十五万世帯分の消費電力に相当する八十二億キロワットとのことです。まだまだ十分に活用ができているとは言えておりません。

 ごみを燃やすことにより、多くの二酸化炭素が放出され、焼却灰の処分も課題となっております。せめて、熱エネルギーは有効に利用していくべきだと考えます。

 国も、ごみ発電について、技術開発を含め、積極的に応援していくべきだと思いますが、その見通しについて、環境大臣の御見解をお伺いいたします。

 我が国においては、再生可能エネルギー比率は、二〇一六年度時点で一五・三%にとどまっている一方で、諸外国においては、二〇一五年の数字になりますが、ドイツ三〇・七%、英国二五・九%、イタリア三九・八%、カナダに至っては六三・八%に達しております。このように、再生可能エネルギーを重要な電力源として位置づけています。

 一方、我が国では、太陽光、風力などの自然エネルギーの活用が議論される際に一番大きく指摘されるのが、季節や天候によって発電量が大幅に変動し、不安定なものが多く、安定供給のためには火力発電などの出力調整が可能な電源をバックアップとして準備する必要がある等のマイナス点です。

 このような政府方針のもと、三〇年度の電源構成における再生可能エネルギー比率は、目標が二四%程度にとどまっています。現在は、太陽光発電、風力ともコストは下がってきており、固定価格買取り制度の買取り単価も低下してきています。せめて再生可能エネルギー比率を二五から三〇%に引き上げていくべきではないでしょうか。

 また、再生可能エネルギー比率の高い諸外国において、日本政府が言っている安定的な電力供給が行われなかったという事例があるんでしょうか。再生可能エネルギーを拡大できない理由を含め、経済産業大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

 現在、日本において、電力の安定供給といえば、原子力発電所について触れざるを得ません。

 二〇一一年三月十一日、私たちは未曽有の大災害に襲われ、その影響により、メルトダウンという人類史上まれな経験をしました。原発は、過去、原油資源を持たない日本人にとっては夢のような電力源でした。しかしながら、この日以降、私たちにとって、便利ではあるが、非常にコントロールすることが難しい電力であることを認識させられております。

 先月三十日午後七時ごろ、再稼働を目指し試運転していた玄海原発第三号機において、放射性物質を含まない二次系の配管から蒸気漏れが確認され、翌三十一日に発送電を停止しました。この配管の腐食の状況について、九州電力が公表した写真を見る限り、原子力発電所であるにもかかわらず、信じられないほどの腐食が進行しています。

 今回は、大事に至る前にふぐあいが明らかになり、原発を停止することができました。九州電力の社長は、その後の会見で、運転を七年間とめていたため、何が起こるかわからないと言っていたが、現実になってしまい、非常に残念だと述べられております。

 逆に、この七年間何をされていたのか、七年間という時間の間になぜこれほど腐食していることに気づかなかったのか、疑念を感じざるを得ません。

 安全に停止した、二次系配管だから影響は少ないという問題ではありません。今回の見逃しと同じようなことが原子炉周囲の配管で起こっていたらと思うとぞっとしております。九州電力のもとで、地域住民の不安をあおるような再稼働を進めるのはいかがなものか。

 復興庁によれば、平成三十年三月十五日現在でも、東日本大震災、原発事故の影響で、避難先などからふるさとに、自主避難者を含め七万人以上の方が帰ることのできない状況があります。このことを踏まえ、所管省庁として、このたびの玄海原発の事故についてどのように考えられるか、経済産業大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

 統計によると、二〇一四年度の日本の二酸化炭素排出量は世界の三・六%を占め、国別で世界第五位となっています。

 自国で削減するより、他国に技術を提供して全体の排出量削減に貢献した方が効果は大きいという意見もあります。それはそれでやっていただければいいと思います。日本も国内でできる限りのことをやり、世界じゅうに排出削減するための技術などを積極的に提供していってもらいたいと考えております。

 政府として、目先の金利、株価動向に政府の予算、知恵を投入することも必要です。ですが、私たちの生活、社会、環境に甚大な影響をこれから与える気候変動に、ぜひ、スピード感、危機感を持って取り組まれること、何より私たちの子供たちに負の遺産をできるだけ残さないということを切にお願い申し上げます。

 最後に一言申し上げます。

 モリカケ疑惑、そして自衛隊日報と、連日、新事実が発覚しています。財務省は、森友疑惑の真相を覆い隠すため、トラック何千台もと、森友学園に……

議長(大島理森君) 下条君、時間が来ております。

下条みつ君(続) 口裏合わせを要請した事実を認めました。加計学園をめぐっては、当時の総理秘書官が本件は首相案件と述べていたことをひた隠しにしていました。防衛省・自衛隊では、稲田防衛大臣が存在を否定した日報が次々と発見されています。

 隠蔽、改ざん、口裏合わせ。まさに安倍政権の腐敗は異常としか言いようがありません。政府の皆さんは、役人に責任を押しつけようと必死ですが、見苦しいとしか言いようがありません。全ての責任を負うのは、言うまでもなく安倍総理であります。総理の座にしがみつくことなく、誰のための政治かをよく考え、潔く退陣することを求め、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣中川雅治君登壇〕

国務大臣(中川雅治君) 下条議員から、三問御質問をいただきました。

 まず、気候変動の影響への対処についてのお尋ねがありました。

 気候変動による影響は既に顕在化しており、今後更に深刻化するおそれがあることから、本法案により、こうした影響を回避、軽減する適応策の充実強化を図ってまいります。

 具体的には、本法案により我が国における適応策を法的に位置づけ、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明確化し、新しい法定の気候変動適応計画のもとで関係者が一丸となって適応策を強力に推進します。

 また、本法律案に基づき国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備を図り、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づく適応策を展開してまいります。

 さらに、本法案に基づく広域協議会による国と地方公共団体の連携の促進等を通じて、地域レベルでの適応策についても強化してまいります。

 次に、地方公共団体への支援についてのお尋ねがありました。

 気候変動の影響は、地域の気候や社会経済状況により異なり、また、適応策は、地域の防災や農業等の施策と連携しながら進めていくことが重要です。本法案では、地方公共団体が計画策定に努める旨規定したところであり、地方公共団体は、地域における適応策を推進していくことが求められます。

 環境省はこれまで、農林水産省、国土交通省と連携し、地方公共団体と共同して、適応策の優良事例の共有や、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査等を進めてきました。

 引き続きこのような支援を行っていくとともに、国立環境研究所による技術的サポートの充実等を通じて地方公共団体の取組を後押しし、地域の実情に応じた適応策を推進してまいります。

 次に、最終処分場への太陽光発電の導入及び廃棄物発電の推進についてのお尋ねがありました。

 最終処分場への太陽光発電の導入については、導入を検討する際に必要な情報や知見をまとめたガイドライン等を作成し、普及に努めてきたところです。

 また、廃棄物発電の推進については、市町村等や民間企業が高効率な廃棄物発電を行う施設の整備や先進的な技術を実装していくためのモデル事業を行う際の財政的な支援を実施しております。

 今後とも、こうした取組を一層強化し、御指摘の最終処分場への太陽光発電の導入やごみ発電を含め、廃棄物処理システムにおける低炭素化を総合的に推進してまいります。(拍手)

    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

国務大臣(世耕弘成君) 下条議員にお答えいたします。

 石炭火力発電についてお尋ねがありました。

 石炭火力は、安定供給や経済性の面ですぐれており、一定程度の活用を図っていくことが適切ですが、CO2という環境面での課題があることから、一定の歯どめも必要と考えております。

 このため、経産省としましては、二〇一六年二月の環境省との大臣間合意に基づき、規制的措置を講じております。具体的には、二〇三〇年度を目標年度に、エネルギー供給構造高度化法において火力発電比率を五六%以下にすること、省エネ法において実質的に石炭火力を火力全体の半分未満に抑えることを定めております。

 環境面の課題については、こうした規制的措置により、エネルギーミックスにおける二〇三〇年度における石炭火力の電源構成比率二六%や、国のCO2削減目標を実現するための実効性は確保されていることから、今後もこの方針に基づき、着実に石炭火力の活用を図ってまいります。

 再生可能エネルギーに関してお尋ねがありました。

 再生可能エネルギーについては、最大限の導入に取り組むことが政府の一貫した方針です。二〇三〇年度のエネルギーミックスで示した再生可能エネルギー導入比率二二から二四%は、欧州と比べて再エネコストがいまだ高い中で、国民負担の抑制を図りつつ、水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするという野心的なものであり、決して低い水準ではないと考えています。

 再生可能エネルギーの導入拡大に当たっての最大の課題は、世界的に見て高いコストの低減による国民負担の抑制と系統制約の解消です。

 加えて、議員の御質問にあった世界の事例でいえば、太陽光と風力が約四割を占めるオーストラリアの南オーストラリア州においては、嵐の際に想定よりも風力の発電量が減少し、停電が発生した事例があったと承知しております。再生可能エネルギーの拡大に当たっては、出力の変動に応じた調整力の確保も課題です。

 こうした課題を克服しながら、二〇三〇年度の二二から二四%の水準をまずは確実に達成していきます。

 九州電力の玄海原子力発電所についてお尋ねがありました。

 九州電力玄海原発三号機については、使用前検査中、放射性物質を含まない冷却水の循環設備の配管から微小な蒸気漏れが確認されました。

 現在、発電を停止し、機器の状態の点検が行われているものと承知をしております。九州電力においては、原子力規制委員会の指導のもと、何よりも安全第一で対応してもらいたいと考えます。

 また、福島第一原発事故について、政府及び原子力事業者が、いわゆる安全神話に陥り、過酷事故への十分な対応ができず、福島第一原発事故を防ぐことができなかったことへの反省は、ひとときたりとも忘れてはならないと考えています。

 九州電力の原発も含め、原発の再稼働については、いかなる事情よりも安全性を最優先し、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 鰐淵洋子君。

    〔鰐淵洋子君登壇〕

鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子です。(拍手)

 質問に先立ちまして、昨日、島根県西部を震源とする地震の被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。いち早い回復をお祈り申し上げますとともに、政府・与党一丸となって、一刻も早い復旧に取り組んでまいります。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました気候変動適応法案について質問いたします。

 我が国は今、本格的な少子高齢化、人口減少社会を迎えようとしています。さらには、IoTやAIといった技術革新とも相まって、私たちが今まで経験したことがない規模とスピードで、経済、社会のありようが大きく変わりつつあります。

 この大きなパラダイムシフトの中で政治が果たすべき役割は、十年、二十年、さらにはその先も見据えて、今打つべき手を打つということです。その際には、国民の誰一人も取り残さないよう、経済、社会のさまざまな課題を同時に解決するという視点に立つことが重要です。

 こうした中で、気候変動は最大級のグローバルリスクの一つとなっています。政治のリーダーシップのもと、将来の影響を見据え、今手を打たなければなりません。今回の気候変動適応法案は、このために大変に重要な法案と言えます。

 公明党は、結党以来、国民の生命、健康、生活を守るのが政治の重要な責任という観点から、環境の党として、気候変動対策など環境問題に一貫して取り組んでまいりました。今般の気候変動適応法案についても、地球温暖化対策に資する、かつ実効性のあるものにすべきであると強く訴え、質問に入ります。

 初めに、適応策を法制化する意義について質問いたします。

 気候変動は、既に国民生活に広く影響を及ぼしています。

 この冬の大雪や昨年の九州北部豪雨などに見られるように、雨や雪の降り方が極端になりました。今後も、私たちが経験したことがないような災害の発生が懸念されています。

 また、熱中症により搬送される患者数の増加、温暖化による農産品の品質低下など、気候変動の影響は無視できないほどのレベルになっています。

 こうした看過できない事態を踏まえ、公明党は、昨年七月、自然災害に対する防災・減災対策の充実、農林水産業の被害の軽減という観点から、国と地方公共団体が連携し、気候変動の影響に対する適応の取組を強化するため、法整備を検討するよう環境大臣に要請いたしました。

 気候変動の脅威が顕在化している現在、国民の生活の安全、安心を守るために、適応策の充実強化は待ったなしの課題です。そこで、今回、新たに適応策を法制化する意義について、環境大臣に伺います。

 次に、関係機関の連携強化について質問いたします。

 本法では、適応の情報基盤の中核として国立環境研究所を位置づけ、専門性があるほかの省庁や研究機関と連携していくこととしています。

 同研究所は、温暖化の影響に関する情報を収集、分析し、地方公共団体や企業に提供する役割を担います。そして、その情報に基づいて、高い気温にも耐えられる農産物の品種開発や、治水のための施設の整備といった具体的な適応策は、農林水産省や国土交通省等、それぞれの担当省庁が実施していくものとなります。つまり、実効性のある適応策にするためには、関係機関の連携強化が極めて重要となります。

 今後、環境省が旗振り役となって、関係する組織が連携し、縦割りを排して、オール・ジャパンで適応策を推進していく必要があると考えますが、関係機関の連携強化をどのように図っていくのか、環境大臣に見解をお伺いします。

 次に、地域における適応策の推進について質問いたします。

 気候変動の影響は、日々の天候の変化や農林水産業の被害など、私たちの生活に既に影響を及ぼしており、地域住民の安全な暮らしが脅かされることがないよう、被害を回避、軽減していくことが必要です。特に、その影響は、各地域の地形や産業構造等によって異なります。したがって、地方公共団体が地域の実情に応じて適応策を推進することが不可欠です。

 本法において、地域気候変動適応計画の策定規定が設けられましたが、地域における適応の取組を後押しすることが、我が国全体としての適応能力の向上のために重要となります。しかし、我が国における適応の取組はまだ始まったばかりであり、地方公共団体に丸投げしてしまうと、適応策に関する知見を十分に有していない地方公共団体にとっては、過度な負担となるおそれがあります。このような中で、地域における適応策をどのように応援していくのか、環境大臣の見解を伺います。

 こうした気候変動の影響は、悪影響だけではなく、将来の気候に適した新しい農産品の生産、ブランド化など、地域おこしにつながるビジネスチャンスとして活用することもできます。例えば、ミカンの産地として知られている愛媛県は、近年の気温上昇を受け、夏場の高温にも強いブラッドオレンジを導入し、市場で高い評価を得ており、これも地域おこしの一環と言えます。そうした積極的支援について、環境大臣に伺います。

 次に、途上国に対する国際協力について質問いたします。

 近年、温暖化に伴う異常気象が世界各地で頻発しています。中でも、インフラや社会システムが脆弱な途上国は、長年にわたって気候変動の脅威にさらされてきました。例えば、フィリピンでは毎年のように大型台風による甚大な被害が生じており、ツバルやモルディブなど太平洋の島嶼国では、海面上昇によって住む場所がなくなるのではないかという恐怖と隣り合わせにいます。タイでは、二〇一一年に大洪水があり、日系企業の多くが被害を受けました。

 このように、気候変動の影響が眼前に迫る途上国においては、影響に適応する能力の向上が喫緊の課題となっています。しかしながら、多くの途上国は、気候変動のリスクに立ち向かうための技術やノウハウが不足しているのが実態です。

 途上国が気候変動に適応していけるよう、我が国が蓄積した災害対策等の適応に関する知見を活用し、国際協力を積極的に進めるべきと考えますが、環境大臣の見解をお伺いいたします。

 最後になりますが、忘れてならないのが、温室効果ガスの排出削減対策、いわゆる緩和策の強化です。

 気候変動の影響が顕在化し、今後拡大が予測される中、適応策の重要性は高まっており、今般の法制化は評価できます。

 しかしながら、地球温暖化の進行を食いとめることができず、平均気温が上昇し続ければ、適応策だけで国民の生活を守ることはできません。脱炭素社会に向けて世界全体を牽引していくべき我が国として、適応策と緩和策はまさに車の両輪として推進していかなければなりません。

 本法に基づき、適応策を着実に推進するとともに、地球温暖化の進行を食いとめるために、徹底した温室効果ガスの排出削減に国を挙げて取り組むべきです。この点につきまして環境大臣の決意を伺い、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣中川雅治君登壇〕

国務大臣(中川雅治君) 鰐淵議員から、六問御質問をいただきました。

 まず、適応策の法制化の意義についてのお尋ねがありました。

 気候変動対策のうち、温室効果ガスの排出削減対策については、地球温暖化対策推進法に基づき取り組んでいますが、適応策については、これまで法的位置づけがありませんでした。

 こうした中で、本法案により、我が国における適応策を法的に明確に位置づけることによって、国のみならず、地方公共団体、事業者、国民と連携協力して、適応策を強力に推進することが可能となります。

 また、本法案により、国立環境研究所を中核とした情報基盤を整備することによって、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づく実効性の高い適応策を展開することが可能となります。

 このように、関係者が一丸となって実効性の高い適応策を推進する仕組みを構築することが今回の法制化の意義であり、本法案のもとで、適応策の充実強化を図ってまいります。

 次に、関係機関との連携強化についてのお尋ねがありました。

 気候変動の影響は、自然災害、農業、生物多様性など、さまざまな分野に及ぶものであり、適応策を推進するに当たっては、関係省庁等との連携協力が不可欠であります。

 このため、本法案においては、例えば、適応計画の案の策定に当たって関係省庁と協議することや、広域協議会を通じて国の地方行政機関が協力を進めることなど、幅広い関係者の連携協力を推進するための規定を随所に盛り込んでいます。

 また、本法案は、適応の情報基盤の中核となる国立環境研究所が、国や地方の研究機関と連携していく旨の規定を盛り込んでいます。

 これらの規定をてこに、国や地域レベルで関係機関の連携協力を一層強化してまいります。

 次に、地域における適応策への応援についてのお尋ねがありました。

 気候変動の影響は、地域の気候や社会経済状況により異なり、また、適応策は、地域の防災や農業等の施策と連携しながら進めていくことが重要です。

 このため、地方公共団体は、本法案に基づき、地域気候変動適応計画を策定し、地域における適応策を推進していくことが求められます。

 環境省はこれまで、農林水産省、国土交通省と連携し、地方公共団体と共同して、適応策の優良事例の共有や、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査等を進めてきました。

 引き続きこのような支援を行っていくとともに、国立環境研究所による技術的サポートの充実等を通じて地方公共団体の取組を後押しし、地域の実情に応じた適応策を推進してまいります。

 次に、将来の気候に適した新しい農産品の生産、ブランド化などについてのお尋ねがありました。

 適応策としては、気候変動の影響に対処するだけでなく、さらに、新しい農産品の生産、ブランド化などに取り組んでいくことも重要と考えております。

 環境省としては、地方公共団体との共同による気候変動影響の将来予測に関する調査、広域協議会を通じた関係機関との連携の強化により、気候変動がもたらす影響に対応した地域おこしなどの適応策についても後押ししてまいります。

 次に、適応の国際協力についてのお尋ねがありました。

 開発途上国は気候変動に特に脆弱であり、我が国が有する科学的知見や技術を生かして、開発途上国の適応能力の向上のために国際協力を進めていくことが重要と認識しております。

 このため、環境省においては、インドネシア、フィリピン、島嶼国などで、各国のニーズに応じて気候変動影響の将来予測や適応計画の策定支援を行ってきました。

 今後は、開発途上国が科学的知見に基づき適応策を立案、実施できるよう、アジア太平洋地域の適応に関する情報を一元的に提供するための仕組みを構築するなど、引き続き適応策に関する国際協力を積極的に進めてまいります。

 最後に、温室効果ガスの排出削減についてのお尋ねがありました。

 気候変動対策に当たっては、車の両輪として、適応策と温室効果ガスの排出削減対策の両方を推進することが必要です。このため、本法案に基づく適応策の充実強化だけでなく、地球温暖化対策推進法等に基づく温室効果ガスの排出削減対策についても全力を尽くして取り組んでまいります。

 二〇三〇年度二六%削減の達成、二〇五〇年八〇%削減、そしてその先の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入等の対策を政府一丸となってしっかりと進めていきます。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       法務大臣     上川 陽子君

       外務大臣     河野 太郎君

       経済産業大臣   世耕 弘成君

       国土交通大臣   石井 啓一君

       環境大臣     中川 雅治君

       国務大臣     茂木 敏充君

 出席副大臣

       環境副大臣  とかしきなおみ君


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