衆議院

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第9号 令和元年11月19日(火曜日)

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令和元年十一月十九日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第八号

  令和元年十一月十九日

    午後一時開議

 第一 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件

 第三 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 第四 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

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本日の会議に付した案件

 日程第一 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件

 日程第三 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 日程第四 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) この際、御紹介申し上げます。

 ただいまアーティフ・アル・タラウネ・ヨルダン下院議長御一行が外交官傍聴席にお見えになっておりますので、諸君とともに心から歓迎申し上げます。

    〔起立、拍手〕

     ――――◇―――――

 日程第一 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第一、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長富田茂之君。

    ―――――――――――――

 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔富田茂之君登壇〕

富田茂之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、急速なデジタル技術の進展による社会経済情勢の変化を踏まえ、高度な情報化社会の実現を図るため、企業経営における戦略的な情報処理システムの利用のあり方を提示した指針を国が策定し、優良な取組を行う事業者を認定する制度を創設するとともに、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理システムを利用した事業者間連携、産業間連携の取組を支援する業務を追加する等の措置を講ずるものであります。

 本案は、去る十一月七日本委員会に付託され、翌八日梶山経済産業大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。十三日に質疑に入り、同日、参考人から意見を聴取した後、更に質疑を行い、質疑を終局いたしました。十五日、討論、採決を行った結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件

 日程第三 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件

議長(大島理森君) 日程第二、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件、日程第三、デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長松本剛明君。

    ―――――――――――――

 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔松本剛明君登壇〕

松本剛明君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 日米貿易協定は、我が国とアメリカ合衆国との間で、農産品及び工業品を対象とする物品の貿易を促進するための法的枠組みについて定めるものであり、日米デジタル貿易協定は、我が国とアメリカ合衆国との間で、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するための法的枠組みについて定めるものであります。

 両協定は、本年十月七日にワシントンにおいて署名されました。

 両件は、去る十月二十四日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、外務委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、同月三十日に茂木外務大臣から提案理由の説明を聴取し、十一月六日に質疑を行い、七日には農林水産委員会及び経済産業委員会との連合審査会を開会いたしました。八日及び十三日に更に質疑を行った後、質疑を終局し、十五日に討論の後、順次採決を行った結果、両件はいずれも賛成多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両件につき討論の通告があります。順次これを許します。後藤祐一君。

    〔後藤祐一君登壇〕

後藤祐一君 国民民主党の後藤祐一です。

 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表して、ただいま議題となりました日米貿易協定、デジタル貿易協定に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 冒頭、一言申し上げます。

 桜を見る会に八百人以上もの総理の関係者が出席していたことは、公的行事の私物化、税金の私物化そのものであります。

 その前夜祭に関し、安倍総理は、昨日、総額を示した明細書はないと発言されました。一体誰がどうやってホテルと交渉し、総額を確定したのでしょうか。旅行会社はホテルとの交渉は行っていないことが明らかになっています。明細書は過去にはあったが廃棄したということなのでしょうか。ホテル側には明細書が残っているのではないでしょうか。また、仮に赤字が出ていたとすれば公職選挙法違反の疑いがあり、黒字だとしても収支報告書に記載すべきであり、政治資金規正法違反の疑いがあります。

 あす予定されております内閣委員会において、安倍事務所の会計責任者とホテルの担当者の参考人招致を求めておりますが、自民党はこれを拒否しております。説明責任をどう考えておられるのでしょうか。

 安倍総理は、菅原大臣と河井大臣の辞任に関し、十一月六日の予算委員会でこう述べておられます。「政治活動については、内閣、あるいは与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家がみずから襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。」ぶら下がり会見などではなく、明細書など必要な文書を提出した上で、予算委員会の場において、一人の政治家として安倍総理には説明責任を果たしていただくよう強く求めます。

 本協定案の審議においても、説明責任はおよそ果たされておりません。

 以下、その反対の理由を順次申し上げます。

 まず第一に、自動車への二五%の追加関税が本当に回避できたかどうか不明な点であります。

 安倍総理とトランプ大統領の間、茂木大臣とライトハイザー代表の間のやりとりを示していただかないと、追加関税が回避できたかどうか確認できません。大統領選挙を来年に控え、焦っていたのはトランプ大統領であり、日本側が焦る必要はなかったはずであります。にもかかわらず、追加関税というおどしに屈してしまったというのがこの交渉の実態ではないでしょうか。

 第二に、アメリカの自動車関税の撤廃が獲得できなかった点であります。

 今後の交渉について、当初は、さらなる交渉による関税撤廃と意図的に誤訳し、その後、ホームページ上でこっそりと、関税の撤廃に関して更に交渉と修正しました。最初の和訳はうその説明だったんじゃないでしょうか。アメリカが関税撤廃を納得した上でいつ下げるのかがこれからの交渉ということなのか、それとも、関税撤廃自体アメリカはまだ納得していないのか、一体どちらなのかと何度茂木大臣に聞いても、すれ違い答弁を繰り返すばかり。説明責任の放棄であります。

 第三に、約九割を自由化しなければならないとするWTOルールに違反する疑いが強い点であります。

 アメリカの自由化率九二%から自動車関税撤廃分を除いたら何%になるのか、明確に答弁しません。世界の通商ルールは何でもありということになってしまいかねません。

 第四に、農林水産品の市場開放に対する不安であります。

 例えば、牛肉のセーフガードについては、基準数量自体も、セーフガードを打つたびに基準数量が上がっていくことも、TPP合意の範囲内とする当初の約束違反であります。また、日米貿易協定の附属書1には、「アメリカ合衆国は、将来の交渉において、農産品に関する特恵的な待遇を追求する。」と明記されています。今後の第二段階の交渉において、新たに農産品の市場開放をしなければ自動車関税の撤廃はかち取れない構図になってしまったのではないでしょうか。

 第五に、農林水産品への影響試算がいいかげんな点であります。

 農林水産品への影響額約六百億から千百億円という試算は、十分な対策を講じるので国内生産量は一切減らないということが前提になっています。いわば、そうあってほしいという、大本営発表ともいうべき数字であります。しかも、対策とは来年の国会に出てくるかもしれない予算案のことであって、この国会で前提とするのはおかしく、農家は心配になるだけであります。

 また、GDPへの影響は、輸出がプラス〇・二%、輸入がマイナス〇・二%で収支とんとん、ウイン・ウインだという説明ですが、輸出には将来の実現すら怪しい自動車関税撤廃が含まれ、輸入には農林水産品の生産量は一切減らないという希望的前提が含まれています。ウイン・ウインはフィクションではないでしょうか。

 第六に、日米貿易協定がFTAであるか不明な点であります。

 茂木大臣は、一年前の交渉入りの際、FTAではありません、TAGですと言っておりました。包括的なFTAではないという説明でございますが、包括的ではないFTAですかという質問に答えておりません。今回、物品とデジタルが別の協定となりましたが、今後、サービス、投資、著作権など個別に協定を結ぶのでしょうか。一年前にFTAではないと虚偽の説明をした茂木大臣の責任は重大だと考えます。

 第七に、日米デジタル協定に関し、国内法たるプロバイダー責任制限法との関係についても疑問がありましたが、わずか九時間二十一分という審議時間が不足していたのは明らかであります。

 この審議時間のほかにも、外務委員会における審議の仕方に問題がありました。合計九つの資料提出が理事会で求められたにもかかわらず、実質的な資料提供は一つもありませんでした。すれ違い答弁の繰り返しで質問時間を浪費する茂木大臣に対し、松本委員長は、聞かれたことに答弁するよう促すどころか、時計をとめずに時間稼ぎに加担、私の質問終了時には委員長として不適切な発言をなさいました。大変残念であります。

 桜を見る会も日米貿易協定も、政府が説明責任を果たさず、与党がこれに加担する、国民が知りたい事実は明らかにならず、国民の政治に対する期待は下がっていく。

 国会は何のためにあるんでしょうか。

 さて、本日で安倍政権は、第一次、第二次合わせて二千八百八十六日となり、歴代最長の桂太郎政権と並びます。そのこと自体には敬意を表しますが、桂政権の最後に何があったか、総理は御存じでしょうか。

 第三次桂内閣は長州藩出身の藩閥政治であるとして国民世論の批判が高まり、明治から大正にかわって半年後の大正二年二月五日、私の地元、相模原市緑区又野で生まれた尾崎行雄代議士が、桂太郎内閣弾劾決議案の趣旨説明を行っています。この桂太郎総理に対し、「常ニ玉座ノ蔭ニ隠レテ、政敵ヲ狙撃スルガ如キ挙動ヲ執ッテ居ルノデアル、」と批判。その十五日後に、桂太郎内閣は総辞職、いわゆる大正政変が起こり、時代は大正デモクラシーに向かっていくわけであります。

 玉座の陰に隠れているとは申し上げませんが、予算委員会を開きもせず、説明責任を逃れようとする安倍総理を強く弾劾するとともに、同じく説明責任を果たしていない日米貿易協定、日米デジタル貿易協定に反対を申し上げ、討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 鈴木憲和君。

    〔鈴木憲和君登壇〕

鈴木憲和君 自由民主党・無所属の会の鈴木憲和です。

 私は、与党を代表して、ただいま議題となっております日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 まず、日米貿易協定については、日米双方にとってウイン・ウインかつバランスのとれた協定になっていると考えます。

 日本の農林水産品については、全て過去の経済連携協定の範囲内となっており、これまでの貿易交渉でも常に焦点となってきた米は調整品も含め完全除外となったほか、林産品、水産品、さらにはTPPワイド関税割当て対象の三十三品目など、全く譲許していません。

 過去のさまざまな経済連携協定の交渉があるたびに、全国の農林水産業者の皆さんが心配の声を伝えるために農繁期にもかかわらず何度も上京され、現場の不安の声について意見交換をしてきました。そのたびに、もう二度と現場の皆さんにこのような思いをさせてはならないとの思いを強くし、議員活動に当たってきたところでありますが、今回の協定の交渉に当たっては、交渉開始前に生産現場の不安を解消するメッセージを出した上で交渉に当たり、結果を出したことについて、率直に評価をすべきだというふうに思います。

 本協定の署名以降、私の地元山形県の農業関係者の皆さんとも断続的に意見交換をしてきておりますが、その中では、特に心配をしていた米が除外となったことについて、米の主産地として一安心の声が多く聞かれ、その上で、これまでの経済連携協定への対策を更に前進させることにより、国内農林水産業の体質強化を図り、若い世代が安心して農林水産業に取り組める環境の整備をしっかりやるべきとの意見が多数あります。

 和牛や日本酒、焼酎等の対米輸出についても、また工業品についても、日本企業の輸出関心が高く貿易量も多い品目を中心に、早期の関税撤廃、削減が実現することとなります。

 特に、自動車及び自動車部品については、協定において、関税撤廃に関して更に交渉することで合意をしているほか、日米の首脳、閣僚間で、米国通商拡大法第二百三十二条に基づく追加関税を発動しないこととし、数量規制のような管理貿易的措置も排除されています。

 また、厳しい原産地規則など、保護主義的でグローバルサプライチェーンをゆがめるような措置を幅広く排除した点でも大きな意義があると考えます。

 今後、我が国の人口減少が進む中では、アメリカを含む世界の成長するマーケットをとっていくことが国内産業の発展には不可欠です。

 世界第三位のGDPを占める日本と世界第一位のGDPを占める米国、この二カ国で世界のGDPの約三割を占めておりますが、本協定が発効することで、これまでに発効したTPP11、日・EU・EPAを加えれば、世界経済の約六割をカバーする自由な経済圏が日本を中心として誕生することになります。

 現在、グローバル化の急速な進展による不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国との間に鋭い対立をも生み出している中で、我が国が引き続き自由貿易の旗手として自由で公正なルールに基づく貿易体制の強化を推進していくことは、極めて重要と考えます。

 次に、日米デジタル貿易協定は、日米間で、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するための法的基盤を確立することにより、両国間のデジタル貿易促進を目的としているものであります。

 本協定の締結により、今後、拡大が期待されるデジタル貿易が日米間で一層促進され、両国間の経済的な結びつきが強固になることを通じ、両国間の貿易が安定的に拡大し、ひいては自由で開かれた国際経済の発展につながることが期待をされています。

 本協定は、まさに、これからの時代の経済を牽引するデジタル貿易のルールづくりにおいて日米両国が主導的な役割を果たしていく基盤になるものでもあり、本年六月のG20大阪サミットにおいて立ち上げられた大阪トラックの推進を始め、デジタル貿易に関する国際的なルールづくりに向けて、我が国が引き続きしっかりと対応していく上でも意義があるものと考えます。

 最後に、アメリカを相手に、国益を最大化するために、守るべきは守り、攻めるべきは攻め、粘り強く交渉に当たられた茂木大臣を始めとする交渉担当者の皆さんに心から敬意を表するとともに、農林水産業の生産現場の気持ちに寄り添ったさらなる国内対策をお願いし、これらの協定の締結を速やかに承認することについて議員諸君の賛同を求め、賛成の討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 田村貴昭君。

    〔田村貴昭君登壇〕

田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定について、断固反対の立場から討論を行います。(拍手)

 まず、桜を見る会で問われているのは、安倍総理が、内閣の公的な行事を私物化し、八百五十名に上る地元後援会を招待し、まさに国民の税金を使って買収を行っていたという疑惑であります。しかも、安倍晋三後援会が主催した前夜祭の収支を政治資金収支報告書に一切記載していないことの違法性は明白です。

 これに対して、総理は、八日の参議院予算委員会で、招待者の取りまとめに関与していないなどと述べましたが、その後次々に発覚した事実と疑惑から逃げることはもう許されません。安倍総理が速やかに予算委員会に出席し、疑惑に対する説明責任を果たすことを強く求めるものであります。

 日米貿易協定は、五カ月という前代未聞のスピードで、交渉内容も経過も国会や国民に一切秘匿したまま合意されたものであり、既に発効しているTPP11、日欧EPAに加えて、日本側の関税、非関税措置を縮小させ、農産物の市場開放、自由化を一層もたらすものです。

 しかも、政府は、野党が求めた協定の審議の前提となる資料の提出を拒み続け、国会軽視、国民無視の姿勢を露骨に示しました。

 にもかかわらず、わずか十一時間の審議で採決を行うことなど、許されません。

 安倍首相は、本協定を日米双方にとってウイン・ウインの中身になったと誇示していますが、その実態は、日本が七十二億ドル分の米国産農産物の関税を撤廃、削減することを認める一方、米国は日本製自動車や同部品の関税撤廃を見送りました。日本の一方的な譲歩であることは明白です。特に、譲許表に自動車関連の関税撤廃を明記したとうその説明までして国民と国会を欺こうとしていたことは、極めて重大です。

 政府は、本協定がTPPの範囲におさまったと主張しています。しかし、TPPは、もともと、輸出大国や多国籍企業の利益を最優先し、際限のない市場開放を推進するもので、TPP水準でも大問題なんです。

 本協定は、米国産牛肉の関税率をすぐにTPP参加国と同じ税率まで引き下げます。加えて、その税率での輸入枠をTPPとは別に設けました。しかも、輸入量がそれを超えると、即座に低関税輸入枠自体を拡大するための協議をする規定まで盛り込んでいます。米国を特別扱いする、TPP超えは明らかです。

 政府は、本協定の発効で実質GDPを約〇・八%押し上げるとしています。しかし、この試算は、継続協議となった日本製自動車や同部品の対米輸出関税の撤廃を見込んだ架空の計算です。そうした試算でも、国内農産物の生産額が最大千百億円減少すると見込まれています。

 特に、大幅な関税削減で、熾烈な価格競争を強いられる畜産農家は大打撃です。九州のある肉牛農家は、将来が不安で後を継がせられない。北海道のある酪農家は、米国産チーズは日本よりずっと安く、やめざるを得ない農家が出てくる。養豚農家は今でも採算ぎりぎりだと。これが全国の農家の声です。本協定が離農を加速させ、食料自給率を更に低下させることは必至です。

 日米共同声明は、本協定の発効後、関税やほかの貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁などで交渉を開始するとしており、文字どおり、日米FTAにつながるものです。日米デジタル貿易協定は、まさにその先取りであり、独占的利益を追求する米国のIT企業を保護する協定にほかなりません。

 食料主権、経済主権を破壊する両協定の国会承認は、断じて認められません。日米FTA交渉は直ちに中止すべきであることを強調し、討論とします。(拍手)

議長(大島理森君) 杉本和巳君。

    〔杉本和巳君登壇〕

杉本和巳君 維新の杉本和巳です。

 私は、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定の承認の件について、賛成の立場から討論申し上げます。(拍手)

 貿易交渉では、現在及び将来の国益をど真ん中に据えて、過去の反省を生かして、最大限を獲得し、最小限を譲歩するという要請があると理解しています。

 もちろん、各国とも、地理的、歴史的背景がある中、交渉の分野ごとに事情があり、かつ政治的な事情を抱えていることは自明の理であります。外交は相手があることで、かつ相手側が強烈な個性を有する場合もある中で、交渉当事者への信頼と負託をして、冷静沈着でしたたかな国と国の交渉を委ねているわけで、単なる是か非かだけで評価することは難しいものであると理解しています。

 その上で、今次日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定交渉を鑑みると、日米安保を背景とする最大の同盟国の米国との交渉であることは大前提であります。一方、過去の日米自動車交渉や日米半導体協議などの教訓を踏まえているかを再点検してみると、十分に教訓と生かされていないと言わざるを得ない点も見受けられます。

 茂木大臣は、今次交渉後の状況を、試合は一度終わり、次なる試合となると表されました。すなわち、次なるステージは、発効後四カ月で開始されること、次回以降は、双方が話し合い、合意の上に分野が決まるとのことですが、今次交渉をした物品分野から、知財、サービスや金融などの分野へと交渉が広がることが予想されます。また、今次交渉で積み残しとなったと解される自動車及び自動車部品の関税削減の時期の明確化は必達で、宿題とも言えます。

 また、今後の交渉においては、過去や今次教訓が、行政当局自体、また、ポリティカルアポインティーである政治家の総理大臣を始め所管担当大臣に十分に周知徹底され、交渉相手に言質を与えないしたたかな交渉が必要であります。

 今次協定の交渉は、政府が表するようなウイン・ウインという高い評価はしがたいのですが、次なるステージ以降において、過去の、また今次交渉で共通する反省すべき点や教訓を生かしていくこと、また、宿題は完遂することを強く求め、あわせて、デジタル貿易協定においては、マルチのステージを展望することと国内法整備を早急に行うことを強く求めて、ひっきょう、賛成することといたします。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 両件を一括して採決いたします。

 両件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第四 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第四、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長橘慶一郎君。

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 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔橘慶一郎君登壇〕

橘慶一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年、我が国の教師の業務の長時間化が極めて深刻となる中、教師の働き方を見直し、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることが急務であることから、公立の義務教育諸学校等における働き方改革を推進するための所要の措置を講ずるものであり、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、教育職員について労働基準法第三十二条の四の規定による一年単位の変形労働時間制を条例により実施できるようにすること、

 第二に、文部科学大臣は、教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針を策定及び公表すること

などであります。

 本案は、去る十一月七日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、翌八日、萩生田文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りました。十二日には参考人から意見を聴取し、翌十三日、十五日と質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論、採決を行った結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し、三年後を目途に教育職員の勤務実態調査を行った上で、本法その他の関係法令の規定について検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講ずること等を内容とする附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

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議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。城井崇君。

    〔城井崇君登壇〕

城井崇君 国民民主党の城井崇です。

 私は、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表して、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 冒頭、一言申し上げます。

 大学入試改革をめぐる混乱が続いています。

 大学入試共通テストへの英語民間試験導入については、成績比較の仕組みの欠陥、経済的不公平、地理的不公平、運営上の利益相反など多くの問題を野党から指摘し、文部科学大臣がようやく延期を決断しました。遅きに失したとはいえ、受験生の大混乱を避けることができました。

 一方、国語や数学への記述式問題の導入については、全国の大学の八八%で二次試験での記述式問題を導入済みであり共通テストで使う妥当性がないこと、採点を請け負った業者が事前に問題や正答例、採点基準を知る、試験前に採点者に出題傾向が明らかになるという露骨な利益相反、情報漏えいの危険があること、採点未経験の短時間採点アルバイトがまじるなど五十万人規模の記述式答案を間違いなく採点するのは物理的に無理だということ、自己採点ができず志望校選びがままならないことなど、導入の問題点や弊害を野党からも指摘をしております。

 文部科学大臣、受験生のために記述式問題導入は中止すべきであります。

 共同会派、立国社と日本共産党から、記述式問題導入中止法案を過日衆議院に提出しました。業者ファーストではなく、受験生ファーストの大学入試にしていくため、この記述式問題導入中止法案の成立へ与野党各議員の御協力を強く求めます。

 さて、教員の勤務時間の長時間化が深刻となる中、教員が子供と向き合う時間を確保し、子供たちに対するきめ細やかな教育を学校の中で実現するため、学校における働き方改革を推進することが重要です。何としても長時間労働の是正を実現せねばなりません。

 この法律案の二つの柱は、業務時間削減のための上限ガイドラインの指針化、休日のまとめどりを実現するための一年単位の変形労働時間制の導入です。法案審議を通じて、これらの問題点、懸念点などを丁寧に確認をしました。

 客観的な勤務時間管理を徹底しながら在校等時間の縮減に努めていくとの決意が政府から述べられました。しかし、政府の政策では、施行期日の二〇二〇年四月一日に全国の公立学校でこの客観的な勤務時間管理が一〇〇%導入されるまでは道のりが遠いと言わざるを得ない状況でした。

 持ち帰り業務の削減に向けたその時間把握も課題ですが、外形的に把握することは困難で、これまでの調査では在校等時間に含まずとの答弁で、持ち帰り業務の常態化への懸念は払拭できていません。在校等時間の記録は行政文書である旨確認しましたが、地方公務員公務災害補償における障害補償及び遺族補償を受けるべき消滅時効が五年間であることを踏まえるなど、その記録と保存に万全を期すべきであります。

 長時間労働の是正に向けた学校における条件整備について、専門スタッフや外部人材の活用も議論となりました。部活動指導員、スクールサポートスタッフ、学校徴収金の徴収、管理の負担軽減、統合型校務支援システムの活用による負担軽減など、具体的な施策による業務時間削減を目指す旨政府から説明がありました。

 しかし、例えば、部活動指導員は全国に二割強の学校にしか配置をされず、国、都道府県、市町村でそれぞれ三分の一負担するという地方負担もハードルとなって配置が進まない現状も一方で明らかになりました。

 このように、業務時間削減を目指した政策も学校現場でまちまちの状況となり、業務時間が削減されない学校、業務時間を削減できない教員が出てきてしまいます。この法律ができても長時間労働が是正されない教員が残ることは、大きな問題です。指針の遵守に罰則が設けられていないこともあわせて考えれば、その実効性には疑問を呈せざるを得ません。

 一年単位の変形労働時間制の導入についてですが、休日のまとめどりに限定しての導入だ、その旨を省令に書く、まとめどりに使うこと以外は考えていないとの大臣答弁でしたが、本来は法律に明記すべきであります。

 また、繁忙期の勤務時間が延長されることで、現在の長時間勤務が追認、黙認されてしまうのではないかなど、関係者から不安の声が上がっております。過労死により御家族を亡くされた御遺族の方からも、過労死事案を増加させかねない、休日のまとめどりが予定されている夏休み等の長期休業期間まで心身ともにもたないといった強い懸念が示されました。大臣が言うような、教職の魅力向上に資するものであるとは断言できません。

 三六協定同様に学校ごとの労使協定締結、あるいは勤務条件条例主義を念頭に置きながら地公法五十五条による職員団体との交渉や書面協定が可能との認識から、教育委員会、校長と職場代表者の話合いの場が確保されるべきと私たちから訴えました。勤務時間の変更は勤務条件に当たり、交渉事項だとの政府答弁はありましたが、少なくとも、都道府県の条例ができた場合に、学校ごとに教育委員会、校長と職場代表者の話合いの場を確保するべく省令等で促すべきです。

 この法律案は教員の働き方改革の一里塚だという説明が政府・与党から繰り返し述べられました。私たちからすれば、一里塚で終わらせてはならない、教職調整額の見直しを含めて給特法の抜本的な見直しは必須である旨訴えてまいりました。

 質疑の中で、大臣からは、持ち帰り業務の把握等を含めた二〇二二年度の教員勤務実態調査を行い、それを踏まえて、給特法の見直しを行う旨、文部科学大臣として力強く答弁いただいたことは評価したいと思います。給特法の抜本的な見直しを行う際には、在校等時間を労働基準法上の労働時間としてしっかり把握し、時間外労働には労働基準法三十七条に基づく割増し賃金を支払うことで、教職調整額の仕組みに甘えて改善を怠ってきたサービス残業を撲滅し、労働の正当な対価を実現すべきであります。

 このように精力的に質疑を続け、野党からはさらなる法案質疑を求めましたが、結果として、委員長職権によって委員会採決が行われました。前向きな質疑が続いただけに、残念でなりません。

 以上、一里塚よりも懸念がまさる状況にあるとの判断から、共同会派として本法律案に反対することといたしました。

 なお、政府に、教育現場から指摘があった懸念事項等への対応を立法府の意思として促すべく、附帯決議を付させていただきました。

 以上の理由により、本法案に反対することを改めて申し上げ、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 森夏枝君。

    〔森夏枝君登壇〕

森夏枝君 日本維新の会の森夏枝です。

 私は、我が党を代表して、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 働き方改革として、労働基準法を改正して、多様な働き方が選択できる制度が導入されてきておりますが、労働基準法が適用されない公務員、特に学校現場の教職員の超過勤務についての改善が求められています。

 教育の質の向上のためには、教師みずからが授業の内容を磨くことや教師自身の人生を豊かにすることが大事な要素となりますが、今のように、働き過ぎているために教育の質を高めるための時間がとれない現状は、児童生徒たちのためにもなりません。

 部活動がある中学校の場合、月約八十一時間の時間外勤務をしているという推計もあり、超過勤務が多過ぎる大きな要因には部活動への指導があるにもかかわらず、政府の改正案には部活動の改善内容はありませんでした。

 そこで、日本維新の会として、附帯決議に、外部指導員の増員と学校外のスポーツクラブチームの活用を促進する施策を検討することという内容を入れることを提案しました。

 また、多様で複雑な対応が迫られる教育職員において、精神疾患による休職者数が全国で五千人を超えるという現状を踏まえて、公立学校の教職員への労働安全衛生法によるストレスチェックの完全実施に努める旨の内容を入れることを提案いたしました。

 本法施行による効果の確認について、施行後三年をめどに教員の勤務実態調査を行い、施策の効果を確認することについても提案をいたしました。

 以上、提案した三項目が盛り込まれたことにより、日本維新の会は、本法案に対して賛成することといたします。

 本法案が成立することにより、児童生徒たちと直接接する教職員に、みずからを向上させるだけの心の余裕を持ってもらうことにより、教育、そして生徒の指導という本来の職務について質的な向上が図られることを期待するということを表明いたしまして、私からの賛成討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 畑野君枝君。

    〔畑野君枝君登壇〕

畑野君枝君 私は、日本共産党を代表し、公立学校教員給与特別措置法改正案に断固反対の討論を行います。(拍手)

 先日の委員会で、委員長職権で質疑を打ち切り、採決を強行したことに強く抗議します。

 本法案は、教員の長時間労働の是正をいいながら、公立学校の教員に一年単位の変形労働時間制を導入し、残業代を支払うことなく、いわゆる繁忙期に一日八時間、週四十時間を超えて働かせることができるようにするものです。今でも深刻な長時間労働を一層助長するものにほかなりません。

 今回の変形労働時間制は、八時間労働制の原則を崩す、労働条件の重大な変更です。にもかかわらず、一般の労働者にある時間外労働の歯どめがないことは、極めて重大です。

 法案は、当事者である教員の意見を反映させる労使協定なしに、地方自治体の条例で導入できるとしています。条例で労働基準法上の原則を踏みにじることは断じて許されません。

 また、給特法第三条の時間外勤務手当、休日勤務手当を支給しないという規定はそのままで、労働基準法第三十七条の割増し賃金の支払いを適用除外し、時間外労働を規制する手段を奪っています。

 さらに、特別な事情がある場合の時間外勤務の上限である月百時間、年七百二十時間を超えた場合の使用者に対する罰則もありません。

 政府は、指針で超過勤務を月四十五時間以内に制限するといいますが、罰則のない指針では、到底歯どめになりません。

 政府は、夏休み期間中に休日をまとめどりするといいますが、夏休み中も教員には研修、補習、部活動指導等の業務があり、しかも、休日はまとめてとれさえすればいいものではありません。

 一方、繁忙期とされる授業期間中の労働時間は確実に増加します。政府は、所定勤務時間を延長する時期を、学校行事等で多忙となり、教員の過労死事案が多いと言われる四月、六月、十月と答弁しました。まさに教員の過労死促進法案ではありませんか。

 教員の長時間労働改善には、業務の抜本的縮減、教員の大幅増員とともに、四%の教職調整額の支給と引きかえに残業代を支給せず、際限のない長時間勤務の実態を引き起こしてきた給特法の抜本改正こそ必要です。

 以上のことを申し上げ、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       外務大臣    茂木 敏充君

       文部科学大臣  萩生田光一君

       経済産業大臣  梶山 弘志君


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