衆議院

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第1号 令和2年1月20日(月曜日)

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令和二年一月二十日(月曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第一号

  令和二年一月二十日

    正午開議

 第一 議席の指定

    …………………………………

  一 国務大臣の演説

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 議席の指定

 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会、沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会及び原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会を設置するの件(議長発議)

 地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)

 安倍内閣総理大臣の施政方針に関する演説

 茂木外務大臣の外交に関する演説

 麻生財務大臣の財政に関する演説

 西村国務大臣の経済に関する演説


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    午後零時二分開議

議長(大島理森君) 諸君、第二百一回国会は本日召集されました。

 これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 議席の指定

議長(大島理森君) 日程第一、議席の指定を行います。

 衆議院規則第十四条によりまして、諸君の議席は、議長において、ただいまの仮議席のとおりに指定いたします。

     ――――◇―――――

 特別委員会設置の件

議長(大島理森君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。

 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

 沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会

 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会

 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会

 東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会

及び

 原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会

を設置いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

 次に、地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 ただいま議決されました九特別委員会の委員は追って指名いたします。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) この際、暫時休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時二分開議

議長(大島理森君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

     ――――◇―――――

 国務大臣の演説

議長(大島理森君) 内閣総理大臣から施政方針に関する演説、外務大臣から外交に関する演説、財務大臣から財政に関する演説、西村国務大臣から経済に関する演説のため、発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣安倍晋三君。

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 五輪史上初の衛星生中継。世界が見守る中、聖火を手に、国立競技場に入ってきたのは、最終ランナーの坂井義則さんでした。

 八月六日広島生まれ。十九歳となった若者の堂々たる走りは、我が国が、戦後の焼け野原から復興を成し遂げ、自信と誇りを持って、高度成長の新しい時代へと踏み出していく、そのことを、世界に力強く発信するものでありました。

 日本オリンピック。坂井さんがこう表現した六四年大会は、まさに、国民が一丸となって成し遂げました。未来への躍動感あふれる日本の姿に、世界の目は釘付けとなった。

 半世紀ぶりに、あの感動が、再び、我が国にやってきます。

 本年のオリンピック、パラリンピックもまた、日本全体が力を合わせて、世界中に感動を与える最高の大会とする。そして、そこから、国民一丸となって、新しい時代へと、皆さん、共に、踏み出していこうではありませんか。

 日本はもう成長できない。七年前、この諦めの壁に対して、私たちはまず、三本の矢を力強く放ちました。その果実を活かし、子育て支援、教育無償化、更には働き方改革。一億総活躍社会を目指し、まっすぐに進んでまいりました。

 厳しさを増す安全保障環境を直視しながら、平和安全法制を整備し、防衛力を抜本的に強化しました。地球儀を俯瞰する視点で、世界を駆け回り、ダイナミックな日本外交を展開してきました。

 我が国は、もはや、かつての日本ではありません。諦めの壁は、完全に打ち破ることができた。その自信と誇りと共に、今、ここから、日本の令和の新しい時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

 二〇二〇年の聖火が走り出す、そのスタート地点は、福島のJヴィレッジです。かつて原発事故対応の拠点となったその場所は、今、我が国最大のサッカーの聖地に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。

 常磐自動車道に続き、本年三月、JR常磐線が全線開通します。これに合わせ、双葉町、大熊町、富岡町の帰還困難区域における避難指示の一部解除に向け、準備を進めます。

 浪江町では、世界最大級の、再生エネルギーによる水素製造施設が、本格稼働します。オリンピックでは、このクリーンな水素を燃料とする自動車が、大会関係者の足となります。そして、大会期間中、聖火を灯し続けます。リチウムイオン電池、AIロボット。未来を拓く産業が、今、福島から次々と生まれようとしています。

 津波で大きな被害を受けた宮城県を訪れる外国人観光客は、震災前の二倍を超えました。岩手県では三倍となっています。昨年九月に陸前高田市で開業したばかりの道の駅では、僅か一か月で十万人の観光客が訪れ、賑わいを見せています。

 来年度で復興・創生期間は終了いたしますが、次のステージに向け、復興庁を司令塔に、政治の責任とリーダーシップの下で、福島の本格的な復興再生、東北復興の総仕上げに、全力で取り組んでまいります。

 九年前、ファーディーさんは、ラグビーチームの一員として、釜石で、東日本大震災を経験しました。

 「ここで帰ったら後悔する」

 オーストラリア大使館から避難勧告を受け、家族から帰国を勧められても、ファーディーさんは、釜石に残り、救援物資の運搬、お年寄りや病人の搬送。困難に直面する被災者への支援を続けました。

 その感謝の気持ちと共に、本年、釜石は、オリンピック、パラリンピックに際し、オーストラリアのホストタウンとなります。岩手県野田村は台湾、福島県二本松市はクウェートなど、二十九の被災自治体が、支援を寄せてくれた人々との交流を深めます。

 心温まる支援のおかげで力強く復興しつつある被災地の姿を、その目で見て、そして、実感していただきたい。まさに復興五輪であります。

 東日本大震災では、百六十三の国と地域から支援が寄せられました。我々が困難の時にあって、温かい支援の手を差し伸べてくれた世界の方々に、改めて、今、この場から、皆さんと共に、感謝の気持ちを表したいと思います。

 全体で五百近い市町村が、今回、ホストタウンとなります。これは、全国津々浦々、地域の魅力を世界に発信する、絶好の機会です。

 北は北海道から、南は沖縄まで。アイヌの皆さんが受け継いできた伝統音楽や食文化、琉球舞踊など、我が国が誇る全国各地の地域文化に触れていただく日本博を、本年、開催いたします。

 国の文化財を積極的に活用できる制度を設け、地域のアイデアによる観光地づくりを後押しします。自家用車による有償の運送サービス制度について規制緩和を行い、外国人観光客の皆さんの地方での足もしっかりと確保いたします。

 首里城の一日も早い復元に向け、全力を尽くします。三月には、那覇空港第二滑走路の供用を開始します。発着枠を十万回以上拡大することにより、アジアのゲートウエーとして、沖縄の振興に取り組んでまいります。

 オリンピック、パラリンピックに向けて、サイバーセキュリティー対策、テロなど組織犯罪への対策に万全を期すことで、安全、安心をしっかり確保いたします。五年後の大阪・関西万博も視野に、多言語化、WiFi環境の整備など、観光立国の基盤づくりを一気に進めます。高い独立性を持った管理委員会の下、厳正かつ公平公正な審査を行いながら、複合観光施設の整備に取り組みます。

 更には、外国人観光客の多様なニーズに応える宿泊施設など世界に冠たる観光インフラを整え、二〇三〇年六千万人目標の実現を目指します。

 世界に目を向けることで、地方に新しいチャンスが広がります。

 昨年、EUへの牛肉やコメの輸出は、約三割増えました。TPP諸国への乳製品の輸出も、二割を大きく上回る伸びとなりました。甘い紅はるかは、シンガポールやタイで大人気です。さつまいもの輸出は、昨年、四割以上増加しました。

 先月、中国への牛肉輸出について、解禁令が発出されました。今月発効した日米貿易協定も活かし、おいしくて安全な日本の農林水産物の世界への挑戦を、力強く後押しいたします。

 農地の大規模化、牛の増産や、水産業の生産性向上など、三千億円を超える予算で、生産基盤の強化を進めます。販路開拓など海外への売り込みを支援します。

 神戸牛、ルビーロマン、ゆめぴりか。農家の皆さんの長年にわたる努力の結晶である日本ブランドを、海外流出のリスクからしっかりと守ります。

 CSF対策を一層強化します。野生動物の感染が発見された場合にも、家畜伝染病予防法に基づき、移動制限などのまん延防止措置を実施できるようにします。ASFについても、海外から持ち込まれる肉や肉製品の検疫を強化し、水際対策を徹底します。

 昨年の台風十九号では、八ツ場ダムが利根川の被害防止に役立ちました。水力発電や農業用水などを目的とするダムについても、緊急時には省庁の縦割りを打破し、一元的に活用するための対策を、全ての一級河川を対象に、この夏までに取りまとめます。

 相次ぐ自然災害の教訓を活かし、全国で、川底の掘削、堤防の整備、無電柱化を進めます。送電線の計画的な更新、電力会社、自衛隊、自治体の平時からの連携などにより、強靱な電力供給体制を構築します。防災・減災、国土強靱化を進め、災害に強い故郷を創り上げてまいります。

 東京から鉄道で七時間。島根県江津市は、東京から一番遠いまちとも呼ばれています。二十年以上、転出超過が続き、人口の一割に当たる二千八百人が減少した町です。

 しかし、若者の起業を積極的に促した結果、ついに、一昨年、転入が転出を上回り、人口の社会増が実現しました。

 原田真宜さんは、パクチー栽培を行うため、東京から移住してきました。農地を借りる交渉を行ったのは、市役所です。地方創生交付金を活用し、起業資金の支援を受けました。農業のやり方は地元の農家、販路開拓は地元の企業が手助けしてくれたそうです。

 「地域みんなで、手伝ってくれました」

 地域ぐるみで若者のチャレンジを後押しする環境が、原田さんの移住の決め手となりました。

 地方にこそ、チャンスがある。そう考え、地方に飛び込む若者を、力強く応援してまいります。東京から地方に移住して起業、就業する場合に最大三百万円支給する制度を、更に使いやすくします。移住支援センターを全国一千の市町村に設置し、移住へのニーズを実際の人の動きへとつなげてまいります。

 都市に住む皆さんの地方での兼業、副業を促すため、人材のマッチングや移動費の支援を行う新たな制度を創設します。関係人口を拡大することで、将来的な移住につなげ、転出入均衡目標の実現を目指します。

 企業版ふるさと納税を拡充し、地方における魅力ある仕事づくりを一層強化します。独占禁止法の特例を設け、まちづくりの基盤である地方の金融サービス、交通サービスをしっかりと維持、確保してまいります。地方の創意工夫を、一千億円の地方創生交付金で、引き続き応援します。

 若者が将来に夢や希望を持って飛び込んでいくことができる。地方創生の新しい時代を、皆さん、共に、創り上げようではありませんか。

 東洋の魔女が活躍したバレーボール。そのボールを生み出したのは、広島の小さな町工場です。その後、半世紀にわたり、その高い技術を代々受け継ぎ、今なお五輪の公式球に選ばれ続けています。

 全国各地の中小・小規模事業者の皆さんが、長年培ったオンリーワンの技術で、地域経済を支えています。しかし、経営者の多くが六十歳を超え、事業承継は待ったなしの課題であります。そして、若い世代の承継を阻む最大の壁が、個人保証の慣行です。

 この春から、先代の経営者と後継者から個人保証を取る、いわゆる二重取りを原則禁止いたします。商工中金では、今月から、年間三万件、二兆円の新規融資について、個人保証なしの融資を原則とする運用を開始しました。

 信用保証協会では、個人保証なしで後継者の皆さんの融資を保証する新制度を四月からスタートします。経営の磨き上げ支援も行い、専門家の確認を得た後継者には保証料をゼロとします。個人保証の慣行は新しい世代には引き継がないとの強い決意で、あらゆる施策を総動員してまいります。

 七年前、十年ぶりの大改正を行った下請振興基準を、更に改正し、対象を拡大します。大企業に対しても、新たに金属産業、化学産業で、自主行動計画の策定を求めます。業界ごとの取引慣行に詳しい専門人材を下請Gメンに採用し、下請取引の更なる適正化に取り組んでまいります。

 デジタル技術の進歩は、中小・小規模事業者にとって、販路拡大などの大きなチャンスです。デジタル取引透明化法を制定し、オンラインモールでの出店料の一方的引上げなど不透明な取引慣行を是正します。

 IoT、ビッグデータ、人工知能。第四次産業革命の大きな変化の中で、デジタル時代の規制改革を大胆に進めます。

 本年から、無人自動運転を解禁し、中山間地域の皆さんに、安全で便利な移動手段を提供します。自動制御ブレーキを備えたサポートカーに限定した新たな免許制度を設け、その普及を拡大します。

 AIが解析するデータのボリュームが、競争力を左右する時代です。個人情報を匿名化し、その詳細な分析を可能とすることで、ビッグデータの世界をリードしてまいります。

 フィンテックによる多様な決済サービスが登場する中、金融分野の業法による縦割り規制を抜本的に見直します。マイナンバーカードの取得を促し、来年度中に健康保険証としての利用を開始します。あらゆる行政手続の電子化を進め、対面での確認が必要なものなどを除き、二〇二四年度までに完了いたします。

 技術の進歩による急激な変化に対し、消費者の安全、安心を確保していきます。個人データの利用停止を可能とするなど、個人情報保護を強化します。あおり運転を刑罰の対象とし、道路へのカメラ設置などにより、悪質な運転者の取締りを徹底します。空港施設へのドローン飛行を禁止し、飛行経路の安全を確保してまいります。

 吉野彰先生のノーベル化学賞受賞を、心よりお慶び申し上げます。

 吉野先生に続く、未来を担う若手研究者に、大胆に投資します。自由な発想で挑戦的な研究に打ち込めるよう、資金配分を若手に思い切って重点化します。安定的なポストを確保し、海外留学を含めキャリアパスを確立する点で、若者が将来に夢や希望を持って研究の世界に飛び込める環境を整えます。

 変化のスピードを先取りし、これまでにない価値を生み出す鍵は、ベンチャー精神です。大企業などからベンチャー企業への投資を税制で支援し、いわゆる自前主義からの発想の転換を図ります。国の研究機関によるベンチャー企業への出資を促すことで、蓄積された研究成果や技術を新しい産業へと成長させてまいります。

 第四次産業革命がもたらすインパクトは、経済のみにとどまらず、安全保障をはじめ、社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼします。国家戦略としての取組が必要です。

 その基盤インフラは、通信です。5G、ポスト5G、更にその先を見据えながら、大胆な税制措置と予算により、イノベーションを力強く後押しします。安全で安心なインフラがこれからも安定的に供給されるよう、グローバルな連携の下、戦略的に取り組んでまいります。

 次世代暗号などの基盤となる量子技術について、国内外からトップクラスの研究者、企業を集める、イノベーション拠点の整備を進めます。

 月を周回する宇宙ステーションの整備、月面での有人探査などを目指す新たな国際プロジェクトに、我が国として、その持てる技術を駆使し、貢献いたします。将来的な火星探査なども視野に、人類の新たなフロンティアの拡大に挑戦します。

 ソサエティー五・〇の時代にあって、教育の在り方も変わらなければなりません。本年から小学校でプログラミング教育を開始します。四年以内に、全ての小学生、中学生に一人一台のIT端末を揃えます。企業エンジニアなど多様な外部人材を登用することで、新しい時代の教育改革を進めます。

 今般取りまとめた新しい経済対策は、まさに、安心と成長の未来を切り拓くものであります。事業規模二十六兆円に及ぶ対策を講じることで、自然災害からの復旧復興に加え、米中貿易摩擦、英国のEUからの離脱など海外発の下方リスクにも万全を期してまいります。

 日本経済は、この七年間で一三%成長し、来年度予算の税収は過去最高となりました。公債発行は八年連続での減額であります。経済再生なくして財政健全化なし。この基本方針を堅持し、引き続き、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化を目指します。

 この六年間、生産年齢人口が五百万人減少する一方で、雇用は三百八十万人増加しました。人手不足が続く中で、最低賃金も現行方式で過去最高の上げ幅となり、史上初めて全国平均九百円を超えました。足元では、九割近い中小企業で賃上げが実現しています。

 雇用環境が好転している今、就職氷河期世代の皆さんの就業を、三年間集中で一気に拡大します。この世代に対象を絞った求人を解禁するなど、あらゆる施策を講じ、意欲、経験、能力を活かせるチャンスを広げていきます。

 兼業や副業をやりやすくするため、労働時間に関するルールを明確化します。労働施策総合推進法を改正し、大企業に中途採用、経験者採用比率の開示を求め、多様で柔軟な働き方が可能となるよう、改革を進めます。

 経済社会が大きく変化する中、ライフスタイルの多様化は時代の必然であります。今こそ、日本の雇用慣行を大きく改め、働き方改革を、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。

 この春から、大企業では、同一労働同一賃金がスタートします。正規と非正規の壁がなくなる中で、パートの皆さんへの厚生年金の適用を更に広げてまいります。三千億円を上回る、ものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金により生産性向上への支援、社会保険手続の負担軽減を行いながら、従業員五十人を超える中小企業まで段階的に拡大します。

 高齢者のうち、八割の方が、六十五歳を超えても働きたいと願っておられます。人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。働く意欲のある皆さんに、七十歳までの就業機会を確保します。

 こうした働き方の変化を中心に据えながら、年金、医療、介護全般にわたる改革を進めます。

 年金受給開始の選択肢を、七十五歳まで広げます。在職老齢年金についても、働くインセンティブを失わせることのないよう、見直しを行います。

 二〇二二年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となる中で、現役世代の負担上昇に歯止めをかけることは待ったなしの課題です。

 年齢ではなく、能力に応じた負担へと見直しを進めます。七十五歳以上であっても一定以上の所得がある方には、窓口での二割負担を新たにお願いすることを検討します。併せて、かかりつけ医機能の強化を図るため、大病院の受診に定額負担を求めることで、現役世代の負担上昇を抑えます。

 医療や介護について、予防への取組を強化することで、いつまでも健康で、活躍できる社会づくりを行います。

 子どもたちから、子育て世代、現役世代、そしてお年寄りまで、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度を目指し、本年、改革を実行してまいります。

 子どもたちの未来に、引き続き、大胆に投資してまいります。

 昨年の幼児教育、保育の無償化のスタートに続き、この四月から、真に必要な子どもたちの高等教育の無償化が始まります。私立高校の実質無償化も実現し、子どもたちの誰もが、家庭の経済事情にかかわらず、夢に向かって頑張ることができる社会を創り上げてまいります。

 保育の受け皿整備を進め、待機児童ゼロを実現します。これまでの取組により、待機児童の数は、昨年、調査開始以来、最少となりました。いまだゼロが実現できていない自治体には、保育ニーズに応じた整備計画の策定を求め、取組を強化していきます。

 妊娠、出産、子育てへの切れ目ない支援を行います。来年春までに、子育て世代包括支援センターを全ての市町村に設置します。所得の低いひとり親世帯への支援を拡大し、子育てしやすい社会づくりを更に強化します。希望出生率一・八の実現を目指し、深刻さを増す少子化の問題に真正面から立ち向かってまいります。

 我が国には、意欲と能力あふれる女性たちがたくさんいます。全ての女性に活躍のチャンスを創り、その持てる可能性を十二分に開花することができれば、日本の経済社会は一変するはずです。

 この六年で、女性の就業者数は、新たに二百九十万人増加しました。就業率は、二十五歳以上の全ての世代で米国を上回っています。M字カーブは確実に解消に向かっています。引き続き、女性活躍の旗を高く掲げ、女性の皆さんが働きやすい環境づくり、女性リーダーの拡大に向けた取組を一層進めます。更に、民間シェルター支援によるDV対策などに取り組んでまいります。

 女性も男性も、若者もお年寄りも、障害や難病のある方も、更には一度失敗した方も、誰もが多様性を認め合いその個性を活かすことができる社会、思う存分その能力を発揮できる社会を創る。一億総活躍社会の実現こそが、まさに少子高齢化を克服する鍵であります。

 バリアフリー社会の実現に向けて、公共交通機関における取組を強化します。耳の聞こえない方に対する、無償で手話通訳を利用できる電話リレーサービスを整備します。重度障害者の皆さんの就労の意欲を後押しするための仕組みを強化します。

 「その能力は磨けば無限である。」

 中村裕医師は、長年、障害者雇用に熱心に取り組んでこられました。

 「身障者の社会進出のためにもスポーツを奨励しなければならない。」

 中村先生の情熱によって、一九六四年、東京パラリンピック大会が実現しました。その後、パラリンピックは四年おきに継続的に実施されるようになりました。中村先生の思いは受け継がれ、半世紀以上の時を経て、再び、日本へと帰ってきます。

 本年のパラリンピックを、世界中の人々に夢や感動を与える、素晴らしい大会とする。障害のある皆さんが、世界で最もいきいきと生活できる国日本を、皆さん、共に、創り上げようではありませんか。

 日本が初めてオリンピック精神と出会ったのは、明治の時代であります。その時の興奮を、嘉納治五郎はこう記しています。

 「世界各国民の思想感情を融和し以て世界の文明と平和とを助くる」

 オリンピック、パラリンピックが開催される本年、我が国は、積極的平和主義の旗の下、戦後外交を総決算し、新しい時代の日本外交を確立する。その正念場となる一年であります。

 日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮との諸問題を解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指します。何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、条件を付けずに、私自身が金正恩委員長と向き合う決意です。

 もとより、我が国の国民の生命と財産を守るため、毅然として行動していく。その方針はしっかりと貫いてまいります。米国、韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。

 北東アジアの安全保障環境が厳しさを増す中で、近隣諸国との外交は、極めて重要となっています。韓国は、元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国であります。であればこそ、国と国との約束を守り、未来志向の両国関係を築き上げることを、切に期待します。

 プーチン大統領と長門で合意した、元島民の方々の航空機によるお墓参り、そして四島での共同経済活動は、着実に前進しています。一九五六年宣言を基礎として交渉を加速させ、領土問題を解決して、平和条約を締結する。この方針に、全く揺らぎはありません。私と大統領の手で、成し遂げる決意です。

 日本と中国は、地域と世界の平和と繁栄に、共に大きな責任を有しています。その責任をしっかり果たすとの意志を明確に示していくことが、今現在の、アジアの状況において、国際社会から強く求められています。首脳間の往来に加え、あらゆる分野での交流を深め、広げることで、新時代の成熟した日中関係を構築してまいります。

 いかなる事態にあっても、我が国の領土、領海、領空は必ずや守り抜く。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。

 この春から、航空自衛隊に宇宙作戦隊を創設します。更には、サイバー、電磁波といった新領域における優位性を確保するため、その能力と体制を抜本的に強化してまいります。

 昨日、日米安全保障条約は、改定の署名から六十年を迎えました。日米同盟は、今、かつてなく強固なものとなっています。その深い信頼関係の下に、二〇二〇年代前半の海兵隊のグアム移転に向け、施設整備などの取組を進めます。抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に、一つひとつ結果を出してまいります。

 日米同盟の強固な基盤の上に、欧州、インド、豪州、ASEANなど、基本的価値を共有する国々と共に、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指します。

 この七年間、八十の国・地域を訪問し、八百回を超える会談を重ねてまいりました。各国首脳との信頼関係の上に、国際社会が直面する共通課題の解決に向け、世界の中で、主導的な役割を果たしていく覚悟です。

 中東地域における緊張の高まりを深く憂慮します。我が国は、全ての関係者に、対話による問題解決と自制的な対応を求めます。これまで培ってきた中東諸国との友好関係の上に、この地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、これからも、日本ならではの平和外交を粘り強く展開いたします。エネルギー資源の多くをこの地域に依存する我が国として、こうした外交努力と併せて、自衛隊による情報収集態勢を整え、日本関係船舶の安全を確保します。

 自由貿易の旗手として、二十一世紀の経済秩序を世界へと広げてまいります。EUから離脱する英国とも、速やかに通商交渉を開始します。TPPの更なる拡大や、インドを含めたRCEP交渉を主導します。データ流通の新たな国際ルールづくりを、大阪トラックでリードしていきます。

 G20で合意したブルー・オーシャン・ビジョンには、既に五十九の国から賛同を得ています。この流れを更に世界へと広げていくことで、二〇五〇年までの海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロの実現を目指します。

 我が国は、五年連続で温室効果ガスの削減を実現いたしました。二〇一三年度比で一一・八%の削減は、G7の中で英国に次ぐ削減量です。長期戦略に掲げた脱炭素社会を早期に達成するため、ゼロエミッション国際共同研究拠点を立ち上げます。米国、EUなどG20の研究機関の叡智を結集し、産業革命以来増加を続けてきたCO2を減少へと転じさせる、ビヨンドゼロを目指し、人工光合成をはじめ革新的イノベーションを牽引します。

 世界の平和と安定、自由で公正で開かれた国際ルールの構築、気候変動をはじめとした地球環境問題への挑戦。より良き世界の実現に向かって、新しい時代の日本外交の地平を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

 「人類は四年ごとに夢をみる」

 一九六四年の記録映画は、この言葉で締めくくられています。新しい時代をどのような時代としていくのか。その夢の実現は、今を生きる私たちの行動にかかっています。

 社会保障をはじめ、国のかたちに関わる大改革を進めていく。令和の新しい時代が始まり、オリンピック、パラリンピックを控え、未来への躍動感にあふれた今こそ、実行の時です。先送りでは、次の世代への責任を果たすことはできません。

 国のかたちを語るもの。それは憲法です。未来に向かってどのような国を目指すのか。その案を示すのは、私たち国会議員の責任ではないでしょうか。新たな時代を迎えた今こそ、未来を見つめ、歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場で、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。

 世界の真ん中で輝く日本、希望にあふれ誇りある日本を創り上げる。その大きな夢に向かって、この七年間、全力を尽くしてきました。夢を夢のままで終わらせてはならない。新しい時代の日本を創るため、今日、ここから、皆さん、共に、スタートを切ろうではありませんか。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 外務大臣茂木敏充君。

    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

国務大臣(茂木敏充君) 第二百一回国会に当たり、外交政策の所信を申し述べます。

 日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。国際社会におけるパワーバランスの変化が加速化、複雑化する中で、国境を越える脅威も増大し、もはやどの国も、一国のみで自国の平和と安全を守ることはできません。こうした中、日本は、積極的平和主義の立場から、法の支配に基づく国際秩序の強化を図り、地域と国際社会の平和と安定にこれまで以上に寄与していく必要があります。

 同時に、安全保障分野の裾野が急速に拡がっています。宇宙、サイバー空間、AI、デュアルユース技術。新たな脅威への対応や重要技術の流出への対処も含め、安全保障を考える上で外すことのできない、待ったなしの課題の拡大です。また、世界経済を見渡せば、グローバル化の反動として保護主義が台頭し、貿易摩擦などの対立が深まると同時に、国境を越えたデジタル経済が拡大して、世界経済はますますデータ駆動型へと移行しています。

 安全保障面でも経済面でも、急速に変化する国際環境を踏まえて、新たなルール作りや取組を先導し、国際秩序をより安定し持続可能なものへと再構築していくこと。これこそが日本外交の目指すべき方向だと考えます。

 以上を申し上げた上で、特に六つの分野に焦点を当て、これまでの安倍総理が展開してきた地球儀を俯瞰する外交を更に前に進めるため、包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開してまいります。

 第一に、日米同盟。我が国の外交、安全保障の基軸であり、地域の平和と安定に貢献する大きな役割を担っている日米同盟を、更に強化してまいります。トランプ大統領の令和初の国賓訪日は、日米の揺るぎない絆を世界に示しました。私自身も先週、訪米して、緊迫化する中東情勢や北朝鮮問題について、ポンペオ国務長官と膝をつき合わせたばかりです。

 米国とは、国際社会の諸課題への対応につき緊密に連携しており、日米同盟はかつてないほど盤石です。とりわけ、元旦の日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定の発効から始まった本年は、日米安全保障条約の署名及び発効から六十周年に当たる、節目の年でもあります。安全保障面では、これを契機に、日米同盟の対処力、抑止力を一層強化してまいります。また、在日米軍の安定的な駐留のためには、地元の御理解が不可欠であり、普天間飛行場の一日も早い辺野古移設を始め、引き続き、地元の負担の軽減に全力を尽くしてまいります。

 ここで、自由で開かれたインド太平洋構想について申し上げます。このビジョンは今や、米国から、豪州、インド、更にはASEAN、ヨーロッパまで広がりつつあります。法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序を、全ての国、人々に分け隔てなく平和と繁栄をもたらす公共財として守っていく。その使命を実現するために、志を同じくする国々と力を合わせて取り組み、地域の様々な枠組みの強化にも貢献していきます。

 第二に、北朝鮮をめぐる諸懸案への対応です。北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射といった挑発行為は、全く受け入れられるものではありません。先週も日米韓外相会談を行いました。日米、日米韓の結束の下、国際社会と連携しながら、安保理決議の完全な履行を確保し、北朝鮮の完全な非核化を目指します。また、政権の最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた主体的努力を続けます。引き続き、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指します。

 第三に、近隣諸国との外交に、積極的に取り組みます。

 日中両国は、今や、アジアそして世界の平和と繁栄に欠かせない大きな責任を共有しています。両国が共に、その責任をしっかり果たしていくことが、国際社会の期待に応えることになるのです。今春予定されている習近平国家主席の国賓訪日を見据え、ハイレベルの往来を積み重ね、懸案を適切に処理しながら、あらゆる分野で交流、協力を一層発展させます。他方、東シナ海における一方的な現状変更の試みは、断じて認められません。冷静に、かつ、毅然と対応してまいります。南シナ海をめぐる問題についても、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性を強調していきます。日本産食品に対する輸入規制問題や邦人拘束事案についても引き続き中国側に前向きな対応を強く求めていきます。

 韓国については、先月久々に日韓首脳会談が行われ、両首脳で北朝鮮問題に関する日韓、日米韓の連携を確認しました。また、日韓間の現下、最大の課題である旧朝鮮半島出身労働者問題については、安倍総理から文在寅大統領に対して明確に求めたとおり、韓国側の責任で解決策を示すよう引き続き強く要請するとともに、問題解決に向けた外交当局間の協議を継続していきます。さらに、竹島は、歴史的事実に照らしても、国際法上も日本固有の領土であり、この基本的な立場に基づき、冷静に、かつ、毅然と対応していきます。

 ロシアとは、最大の懸案である北方領土問題の解決のために、首脳間、外相間で緊密に対話を重ねることが必要です。私は昨年十二月に訪露し、ラブロフ外相と時間をかけて議論を行い、本格的な平和条約交渉の協議に入ることになりました。北方四島における共同経済活動の更なる具体化に向けた取組や元島民の方々のための人道的措置も着実に進展させていきます。引き続き、八項目の協力プランを含め、幅広い分野で日露協力を進めていく中で、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの両首脳間の合意を踏まえ、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、交渉責任者として粘り強く交渉に取り組んでまいります。

 第四に、緊迫化している中東情勢への取組です。中東地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄に不可欠です。また、日本は原油輸入の約九割をこの地域に依存しており、世界の主要なエネルギーの供給源である中東地域の海域において、航行の安全を確保することは極めて重要です。先般決定された政府方針の三つの柱として、情報収集態勢の強化のために自衛隊の艦艇及び航空機を活用するとともに、関係業界との密接な情報共有を始めとする航行安全対策の徹底、そして、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力を行うこととしました。我が国は米国とは日米同盟の関係にあり、イラン始め中東諸国とも伝統的な友好関係があります。外務省としては、今回決定された政府方針の三つの柱の一つである、更なる外交努力を継続し、中東地域の平和と安定に向け取り組んでまいります。

 第五に、新たな共通ルール作りを日本が主導する経済外交に一層邁進します。

 世界で保護主義的な動きが広がる今こそ、日本が自由貿易の推進のため、自由で公正な経済圏を広げていくことが重要です。TPP11、日EU・EPAを始めとする経済連携協定や、日米貿易協定を力強く推進してきました。RCEPについても、本年中の署名を目指します。また、EUを離脱する英国とも、速やかに通商交渉の開始を目指します。同時に、多角的貿易体制の礎たるWTOが、世界経済の新たな課題に十分対応できるよう、本年六月のWTO閣僚会議に向け、WTO改革に係る取組を主導します。さらに、日米デジタル貿易協定も基礎としつつ、昨年のG20サミットで議長国として立ち上げた大阪トラックの下で、データ流通やデジタル経済に関する国際的なルール作りを関係国やOECD等とも連携して推進します。

 G20大阪サミットに際して打ち出したイニシアティブを、着実に実施、普及していくことも重要な課題です。質の高いインフラ投資に関するG20原則、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、G20AI原則。まさに時代を先取りするこれらのビジョン、原則の定着、具体化に向けて、国際的な指導力を発揮してまいります。

 さらに、日本産食品に対する輸入規制措置について、最近、多くの国、地域で緩和、撤廃の動きがみられます。更なる働きかけをオール・ジャパンで進めます。また、知的財産保護を含め、日本企業の海外展開支援や対日直接投資の促進にも引き続き取り組む考えです。

 第六に、地球規模課題への対応です。

 本年は、SDGs、持続可能な開発目標の達成に向けた行動の十年、スタートの年です。教育、保健、人権、難民・避難民、女性、防災、気候変動、海洋プラスチックごみなど、求められる取組は多岐にわたります。昨年末に改定したSDGs実施指針の下、人間の安全保障の理念に基づき、具体的な取組を加速させます。また、資金ギャップを埋める方策を探求し、ODAの積極的かつ戦略的活用にも努めます。

 成長、開発を語る際に、アフリカの潜在性に触れないわけにはいきません。昨年のTICAD7の成果も踏まえ、アフリカ自身が主導する発展を力強く後押しし、成長著しいアフリカの活力を取り込むべく、我が国民間企業のアフリカ進出と投資を促進します。

 問題解決のための多国間枠組みの中心は、国連です。その国連が創設七十五周年を迎える本年、二十一世紀の国際社会の現実を反映すべく、日本の常任理事国入りを含む安保理改革を前進させる決意です。日本は、国際社会の平和と安全に一層貢献すべく、二〇二三年から任期の安保理非常任理事国に立候補しています。また、より多くの有能な日本人が国連など国際機関で活躍できるための取組も引き続き進めます。国連PKOやテロ対策といった分野も重要であり、とりわけ、四月に開催される第十四回国連犯罪防止刑事司法会議、通称京都コングレスの成功に向け、力を尽くします。

 さらに、本年は五年に一度の核兵器不拡散条約運用検討会議が開催される年でもあります。この会議で有意義な成果を挙げられるよう、国際的な議論に積極的に貢献していきます。

 ここまで六分野についての政策方針を申し上げてきましたが、外務大臣としての私の最も重要な責務に、在外邦人及び日本人旅行者の安全確保及び支援と、世界各地の日系人社会との連携強化が含まれることは申し上げるまでもありません。

 そして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会。この世界的イベント、平和の祭典に、多くの海外要人や外国人観光客の訪日が見込まれます。日本の豊かな文化や食、美しい自然、先進的技術、そして日本人のホスピタリティといった様々な魅力を世界に発信していく絶好の機会です。ホストタウンイニシアティブの下、参加国・地域と日本の自治体、地域住民との交流を推進し、被災地の見違える復興ぶりも国際社会に発信していきます。

 包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開し、それぞれの政策課題について着実な成果を挙げるために、外交実施体制の更なる強化は不可決です。このような観点から、人材、情報収集・分析能力始め総合的な外交力の強化に取り組みます。同時に、国際社会から日本の政策、取組に対する理解と支持を得るためのパブリックディプロマシーを、一層力強く展開していく考えです。

 外務大臣として各国のカウンターパートと話をする度、複雑化し、不確実性の高まる国際情勢の中で、安倍総理の下で一貫し、安定した外交を展開する日本への期待、日本の存在感が高まっていることを強く実感します。この日本の存在感を、国際舞台における調整力へと転換して、責任感と使命感を持って問題解決を主導していく決意です。

 議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 財務大臣麻生太郎君。

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 令和元年度補正予算及び令和二年度予算の御審議に当たり、財政政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明申し上げます。

 日本経済につきましては、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境の改善、高水準の企業収益等により、内需を中心に緩やかな回復を続けております。一方で、昨年は、自然災害が相次ぎ、広範囲にわたり甚大な被害が発生をしております。また、通商問題を巡る動向をはじめ、様々な不確実性が存在しており、海外発のリスクには留意をしておく必要があります。

 こうした経済認識の下、昨年十二月五日に安心と成長の未来を拓く総合経済対策を閣議決定し、十三兆円規模の財政支出を講じることといたしております。総合経済対策は、自然災害からの復旧復興を加速するとともに、経済の下振れリスクを確実に乗り越え、日本経済の生産性、成長力の強化を通じて民需中心の持続的な経済成長の実現につなげていくことを目指しておるということであります。

 また、急速な高齢化等を背景として、社会保障給付費が大きく増加している中、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすためにも、財政の持続可能性を今後とも維持することも極めて重要であります。引き続き、新経済・財政再生計画に基づき、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化と同時に、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。

 次に、総合経済対策の実行等のために今国会に提出をいたしました令和元年度補正予算の大要について申し述べます。

 一般会計につきましては、総額で約四兆四千七百億円の歳出追加を行うこととしております。その内容としては、総合経済対策に基づき、災害からの復旧復興と安全、安心の確保に係る経費に約二兆三千百億円、経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援に係る経費に約九千二百億円、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持向上に係る経費に約一兆八百億円を計上するとともに、国際分担金等の追加財政需要について、約一千七百億円を計上いたしております。

 その財源面につきましては、歳出において、既定経費を約一兆二千九百億円減額いたしております。また、歳入につきましては、前年度剰余金約八千億円を計上し、建設公債約二兆一千九百億円を発行することといたしております。

 なお、剰余金の処遇につきましては、別途、所要の法律案を提出し、御審議をお願いすることといたしております。

 他方、税収は、最近までの収入実績等を勘案して、約二兆三千二百億円の減収を見込んでおります。また、国税の減収に伴う地方交付税交付金原資の減額の補填のため、所要額を計上いたしております。これらにつきましては、特例公債を約二兆二千三百億円発行することで対応することとしております。

 この結果、令和元年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対して歳入歳出ともに約三兆一千九百億円増加し、約百四兆六千五百億円となります。

 また、特別会計予算等につきましても、所要の補正を行っております。

 財政投融資計画に関しましては、総合経済対策を踏まえ、現下の低金利状況を活かしたインフラ整備に対する超長期の資金供給や、日本企業の海外展開支援等を行うため、約一兆四千五百億円を追加いたしております。

 続いて、令和二年度予算及び税制改正の大要を御説明させていただきます。

 令和二年度の予算は、消費税増収分を活用した社会保障の充実、総合経済対策の着実な実行、歳出改革の取組の継続により、経済再生と財政健全化の両立を実現するものといたしております。

 具体的には、全世代型社会保障制度の構築に向け、消費税増収分を活用し、幼児教育、保育の無償化や高等教育の無償化を着実に実施するほか、勤務医の働き方改革の推進をはじめ、社会保障の充実のために約一兆六千七百億円を計上いたしております。

 また、総合経済対策を実行するため、臨時特別措置を講ずることとし、キャッシュレスポイント還元事業、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策等を実施するため、約一兆七千八百億円を計上いたしております。

 同時に、歳出全般にわたり見直しを行い、一般歳出等について、新経済・財政再生計画の目安を達成するなど、歳出改革の取組を継続いたしております。

 これにより、新規国債発行額を約一千億円減額いたしております。この結果、新規国債発行額は安倍内閣発足以来八年連続で縮減することとなり、平成二十四年度当初予算と比較して約十一兆六千九百億円の減額となっております。

 歳出につきましては、通常分の予算と臨時特別の措置との合計で、一般歳出が約六十三兆五千億円であり、これに地方交付税交付金等約十五兆八千百億円及び国債費約二十三兆三千五百億円を加えた一般会計総額は、約百二兆六千六百億円となっております。

 一方、歳入につきましては、租税等の収入は、過去最高となります六十三兆五千百億円、その他収入、約六兆五千九百億円を見込んでおります。また、公債金は、約三十二兆五千六百億円となっております。

 次に、主要な経費について申し述べます。

 社会保障関係費につきましては、新経済・財政再生計画に沿って、様々な歳出抑制努力を積み重ねた結果、実質的な伸びを高齢化による増加分におさめるという方針を達成するとともに、消費税増収分を活用した社会保障の充実を実施することといたしております。

 文教及び科学振興費につきましては、教職員定数について効率化と必要な分野の充実を図るため、私立高校授業料の実質無償化、大学改革、安全、安心な学校の施設整備等を推進することといたしております。また、科学技術基盤を充実するとともに、イノベーションを促進するということにいたしております。

 地方財政につきましては、地方の一般財源総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行を縮減するなど、地方財政の健全化に資する内容といたしております。

 防衛関係費につきましては、格段に速度を増す安全保障環境の変化に対応するため、中期防衛力整備計画に基づき、防衛力整備の一層の効率化、合理化を徹底しつつ、防衛力を強化することといたしております。

 公共事業関係費につきましては、一連の豪雨・台風災害等を踏まえ、治水対策を中心とした防災・減災対策等の強化を図るほか、中長期的な成長の基盤となるインフラの整備を推進することといたしております。

 経済協力費につきましては、戦略的外交を後押しする観点から、自由で開かれたインド太平洋の取組強化を進めつつ、ODAは予算、事業量ともに必要な額を確保することといたしております。

 中小企業対策費につきましては、経営者保証を不要とする新たな信用保証制度の創設など事業承継に対する支援を充実するほか、生産性向上や資金繰り対策にも万全を期すことといたしております。

 エネルギー対策費につきましては、再生可能エネルギーの主力電源化や脱炭素化に向けた取組を拡充するほか、国内資源の開発や海外資源の権益確保等を推進することといたしております。

 農林水産関係予算につきましては、農林水産物・食品の輸出環境整備、高収入作物の生産支援、新規就農者の確保を進めるほか、水産改革の推進等に取り組むことといたしております。

 東日本大震災からの復興につきましては、復興・創生期間の最終年度において必要な復興施策を確実に実施するため、令和二年度東日本大震災復興特別会計の総額を約二兆七百億円といたしております。

 令和二年度財政投融資計画につきましては、成長力強化のための重点投資として、現下の低金利状況を活かした高速道路の整備及び成田国際空港滑走路の新設、延伸や、日本企業の海外展開支援等、真に必要な資金需要に適切に対応するため、総額約十三兆二千二百億円といたしております。

 国債管理政策につきましては、借換債を含みます国債発行総額が約百五十三兆円と、極めて高い水準にある中で、引き続き市場との緊密な対話に基づき適切に運営してまいりたいと考えております。

 令和二年度税制改正につきましては、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進及び投資や賃金引上げを促すための税制上の措置を講ずるとともに、連結納税制度の抜本的な見直しを行うことといたしております。また、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制を実現するとともに、NISA制度の見直しを講ずることといたしております。このほか、円滑、適正な納税のための環境整備等を行うことといたしております。

 以上、財政政策の基本的な考え方と、令和元年度補正予算及び令和二年度予算の大要について御説明申し上げました。

 人口減少、少子高齢化の中で、経済再生と財政健全化の両立を図るとともに、総合経済対策の着実な実行により、経済の持続的な成長を実現していく必要があるということであります。そのため、これらの予算及び関連法案の一刻も早い成立が必要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただくとともに、財政政策につきまして、国民の皆様及び議員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 国務大臣西村康稔君。

    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

国務大臣(西村康稔君) 経済財政政策担当大臣として、我が国経済の現状と課題、政策運営の基本的考え方について所信を申し述べます。

 第二次安倍内閣が発足した二〇一二年の年の瀬、我が国は経済の低迷やデフレに苛まれ、厳しい環境の中での船出であったことを思い起こします。私自身、経済財政政策担当の内閣府副大臣として、経済再生こそが最優先の課題と強く心に刻み、アベノミクスの立ち上げとその推進に全力を尽くしておりました。

 その後、七年にわたるアベノミクスの推進を経て、我が国経済は、大きく改善しています。デフレでない状況を作り出す中で、GDPは名目、実質ともに過去最大規模に達しています。また、生産年齢人口が減少する中にあっても、就業者数は大きく増加し、過去最高となっております。

 昨年十月には、高齢化が進展する中で社会保障の充実、安定化と財政健全化を同時に実現するため、二〇一四年四月に続いて、消費税率の引上げを実施いたしました。軽減税率制度や臨時特別の措置など各種の対応策を講じたこともあって、引上げ前の駆け込み需要やその後の落ち込みは、現時点では前回引上げ時ほどではないと見ております。

 しかしながら、台風第十九号など相次ぐ自然災害からの復旧復興を加速するとともに、米中間の通商問題を巡る動向、中国経済の先行きや英国のEU離脱、中東地域を巡る情勢の影響等の海外発の経済の下方リスクに十分注意が必要な状況にあります。

 こうした状況を踏まえ、経済の下振れリスクを確実に乗り越え、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとするために、昨年十二月に、財政支出十三兆円規模の安心と成長の未来を拓く総合経済対策を閣議決定いたしました。

 本経済対策に基づき、十五か月予算の考え方の下、今年度補正予算や来年度臨時特別の措置等を適切に組み合わせ、切れ目のない、万全なマクロ経済運営を進めていく所存であります。

 本経済対策の効果もあいまって、来年度の日本経済は、実質で一・四%程度、名目で二・一%程度の内需を中心とした成長を見込んでいるところです。

 今、世界では、AI、IoT、ロボット、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの新たな技術が経済社会に第四次産業革命と呼ばれる大きな変革をもたらしています。これらの変革は、人々の生活の向上につながり、世界各国の政府や企業はこれらを、自らの競争力強化につなげるべく激しく競争しています。中長期の経済活力の維持向上のためには、我が国も新時代を拓くための投資の促進や制度の見直しを加速する必要があります。

 足元の景気への対応と新時代を拓くための構造改革の両立が求められる中、先般の経済対策においては、単に需要を追加するのではなく、ワイズスペンディングの考え方の下、IT・デジタル技術の実装、普及、ポスト5Gの開発、量子、AIといった新たなフロンティアのイノベーションなど、ソサエティー五・〇の実現につながる未来への投資の促進策を重点的に盛り込みました。今こそ、国家戦略として、デジタルニューディールを展開し、産業や国民生活のスマート化を推進してまいります。

 同時に、新たな時代の技術を使いこなし、更なるイノベーションを生む人材の育成も重要です。生徒一人一人がIT端末を持ち、十分に活用できる環境を実現するための支援などを強く推し進めてまいります。

 新時代を拓くための構造改革を進めるためには、第一に、新たな分野への投資の促進、第二に、デジタル社会の進展を踏まえたデジタル市場のルール整備やフィンテック、金融分野の法制の見直し、第三に、地域の社会構造の変化に対応し、地域インフラを維持できるような制度改正を特に進める必要があります。昨年十二月に、これらを盛り込んだ新たな成長戦略実行計画策定に関する中間報告を取りまとめました。

 これに基づき、今国会では、デジタルプラットフォーマー取引透明化法案や、金融サービスの決済法制の改正や業態別の壁を破る金融サービス仲介法制の整備に係る法案、乗り合いバスや地方銀行への独禁法の適用除外を行う法案を提出する予定です。加えて、成長戦略の具体的な検討を更に進め、本年夏には新たな成長戦略実行計画を策定し、我が国の成長力の更なる強化を図ってまいります。

 外需が弱い中で、内需を確固たるものとし、経済を成長軌道に乗せていくためには、生産性の向上の実現を通じ、中小企業も含め広く賃上げの流れが継続され、また一層力強いものとなることが必要です。

 これまで今世紀に入って最も高い水準の賃上げが六年連続で実現しました。この流れを継続し、成長と分配の好循環を継続、拡大させていくため、政府としても、先般の経済対策や成長戦略実行計画を通じて、生産性向上に資する取組への支援を更に加速してまいります。

 人口減少に直面する我が国が、今後も力強い成長を続けていくためには、海外の活力を積極的に取り込むことが不可欠です。

 こうした中、一月一日に日米貿易協定が発効しました。発効から約一年となるTPP11、日・EU・EPAも合わせれば、我が国を中心として、世界経済の六割を占める自由で公正なルールに基づくマーケットが誕生したことになり、高い技術を持つ中堅・中小企業の皆様や安全でおいしい食を支えてきた農林漁業者の皆様にとっても、大きなチャンスとなっています。この機を最大限に活かすべく、昨年十二月に改訂した総合的なTPP等関連政策大綱に基づく施策を着実に実施し、中堅・中小企業を含む日本企業、日本産品の海外市場における新しい市場の開拓、強い農林水産業、農山漁村の構築などに全力で取り組んでまいります。TPP11については、署名国の早期締結を促すとともに、参加国拡大に向け、引き続き我が国が主導的な役割を果たし、自由で公正なルールに基づく自由貿易の秩序の維持発展に取り組みます。

 我が国が新たなチャレンジを進めるには、まずは国民一人一人の皆様の先行きに対する安心感をより実感できるようにすることが重要です。

 安倍内閣にとって本年最大のチャレンジは、全世代型社会保障への改革です。この改革を成し遂げ、持続可能な社会保障制度を次世代に引き継いでいくという強い思いを持って、全世代型社会保障改革担当大臣として、引き続き全力で取り組んでまいります。

 昨年九月に全世代型社会保障検討会議を設置し、お年寄りだけではなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていくため、働き方も含めた社会保障全般にわたる改革を検討してきました。昨年末には、少しでも多くの方に支えられる側ではなく支える側として活躍いただくことで、支える側と支えられる側のバランスを見直し、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するという考え方の下、検討会議の中間報告を取りまとめました。本年夏の最終報告に向けて、与党や幅広い関係者の意見も聞きつつ、検討会議において、さらに議論を深めてまいります。

 本通常国会では、厚生年金の適用拡大等の年金改革、七十歳までの就業機会確保、中途採用、経験者採用の促進といった、中間報告において通常国会に必要な法案の提出を図るとされた項目について、法案が成立するよう万全を期してまいります。

 また、偶然にも就職活動の時期がバブル崩壊後の時期と重なってしまった就職氷河期世代の方々への支援については、お一人お一人の人生や我が国の将来に関わる重要な課題であり、その対策は待ったなしの状況です。このため、先般の経済対策において、三年間で安定的に取り組むために必要な財源を確保する方針を打ち出すとともに、相談支援機関の強化、連携や、本人に対する支援策の大幅な新設、拡充を図ることといたしました。併せて、地域の創意工夫を活かし、就労や社会参加の取組を支援する新たな交付金制度を創設いたしました。今後、昨年末に取りまとめた行動計画に基づき、就職氷河期世代に対象を絞った求人を解禁するなどの支援を着実に実施するとともに、この世代の方々の様々な事情やニーズに合ったものとなるよう、官民協働の会議体であるプラットフォームをはじめ、様々な機会を通じて当事者、支援団体、労使など関係者の声に真摯に耳を傾けながら、お一人お一人に寄り添った支援に取り組んでまいります。

 財政の状況については、引き続き厳しい状況にあるものの、この八年間で、当初予算ベースでは、国、地方合わせた税収は三十兆円以上増加し、新規国債発行額は約十二兆円減少する見込みとなるなど、改善しています。引き続き、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、新経済・財政再生計画に沿って着実に取組を進め、二〇二五年度の国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。このためにも、昨年末に、AIやクラウドなどデジタル技術を活用した行政の効率化や、行政手続のワンストップ化などによる住民サービスの質の向上を図る次世代型行政サービスの早期実現等を盛り込んだ改定改革工程表に基づき、引き続き、歳出改革を力強く推進してまいります。

 本年は、オリンピック・パラリンピック東京大会が開催されます。躍動感あふれる新しい時代の幕開けであり、日本の新たな時代を切り拓く重要な一年です。その主役は国民お一人お一人や事業者の皆様であり、大きな変化をチャンスと捉え、それぞれの立場で一歩踏み出す勇気こそが未来を切り拓く力となります。政府としても、予算、税制、規制改革などあらゆる手段を講じ、支援してまいります。ソサエティー五・〇が浸透した未来において、二〇二〇年が新時代の大きな変革点であったと振り返られるよう、閣僚としての責務に全力を尽くしてまいります。

 国民の皆様、議員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

福田達夫君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、本日はこれにて散会されることを望みます。

議長(大島理森君) 福田達夫君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    森 まさこ君

       外務大臣    茂木 敏充君

       文部科学大臣  萩生田光一君

       厚生労働大臣  加藤 勝信君

       農林水産大臣  江藤  拓君

       経済産業大臣  梶山 弘志君

       国土交通大臣  赤羽 一嘉君

       環境大臣    小泉進次郎君

       防衛大臣    河野 太郎君

       国務大臣    衛藤 晟一君

       国務大臣    北村 誠吾君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    田中 和徳君

       国務大臣    竹本 直一君

       国務大臣    武田 良太君

       国務大臣    西村 康稔君

       国務大臣    橋本 聖子君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官 西村 明宏君


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