衆議院

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第6号 平成29年4月12日(水曜日)

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平成二十九年四月十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 秋元  司君

   理事 谷川 弥一君 理事 平井たくや君

   理事 ふくだ峰之君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 文明君 理事 緒方林太郎君

   理事 神山 洋介君 理事 佐藤 茂樹君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      大岡 敏孝君    大隈 和英君

      大西 宏幸君    岡下 昌平君

      神谷  昇君    木内  均君

      國場幸之助君    今野 智博君

      田畑  毅君    武部  新君

      武村 展英君    中谷 真一君

      中山 展宏君    長坂 康正君

      鳩山 二郎君    前田 一男君

      和田 義明君    井坂 信彦君

      井出 庸生君    泉  健太君

      大串 博志君    岡田 克也君

      金子 恵美君    北神 圭朗君

      高井 崇志君    辻元 清美君

      初鹿 明博君    角田 秀穂君

      濱村  進君    池内さおり君

      島津 幸広君    浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (経済再生担当)     石原 伸晃君

   内閣府副大臣       石原 宏高君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   外務大臣政務官      武井 俊輔君

   財務大臣政務官      三木  亨君

   衆議院庶務部長      岡田 憲治君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大島 一博君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤本 康二君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      宇野 雅夫君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          其田 真理君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           浜谷 浩樹君

   内閣委員会専門員     室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十二日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     中谷 真一君

  今野 智博君     前田 一男君

  井出 庸生君     井坂 信彦君

  大串 博志君     初鹿 明博君

  高井 崇志君     北神 圭朗君

同日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     岩田 和親君

  前田 一男君     今野 智博君

  井坂 信彦君     井出 庸生君

  北神 圭朗君     高井 崇志君

  初鹿 明博君     大串 博志君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案(内閣提出第五三号)


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     ――――◇―――――

秋元委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大島一博君、内閣官房内閣審議官藤本康二君、内閣官房日本経済再生総合事務局次長宇野雅夫君、個人情報保護委員会事務局長其田真理君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、厚生労働省大臣官房審議官椎葉茂樹君、厚生労働省大臣官房審議官浜谷浩樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋元委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋元委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田佳隆君。

池田(佳)委員 おはようございます。自由民主党の池田佳隆でございます。

 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案について、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。

 二〇一二年十二月に始まったアベノミクスも五年目を迎え、現在五十一カ月もの景気拡大を続けております。これは、バブル期の景気拡大に肩を並べ、間もなく戦後三番目の景気拡大になるわけでありますが、これも安倍政権下で行われた多くの経済政策の成果だと考えております。

 今回の法案も、昨年十二月の、日本再興戦略に盛り込まれた医療におけるビッグデータの活用を促す法案だと認識しております。世界に先駆けて超高齢社会を迎える我が国では、課題解決先進国として、世界最高水準の医療や介護を実現していく必要があるわけでありますが、それが同時に我が国経済の成長にも大いに寄与するものと考えております。

 こうした観点から、今回の医療情報の利活用に関する法案が、医療分野の研究開発を通じて、どのように健康長寿社会の実現や我が国経済の実質的な成長に資するのかといった点を中心に、質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、所管大臣であられます石原経済再生担当大臣にお尋ねをしたいと思います。

 安倍政権では、健康・医療分野を単なる社会保障政策としてではなく、成長戦略の一環として、医療分野の先端的研究開発や健康、医療に関する新産業創出を推奨してきたと承知しております。今から三年前の平成二十六年、健康・医療戦略推進法が成立し、安倍総理をトップとする健康・医療戦略推進本部が設置され、世界最高水準の医療を実現するための施策が進められてまいりました。

 そこで石原大臣に、安倍政権における健康・医療戦略の取り組みの状況、そして健康・医療戦略と今回の法案の関係について、具体的に御説明をお願いしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま池田委員が御指摘いただきましたとおり、安倍内閣といたしましては、成長戦略の柱の一つとして健康・医療戦略というものを位置づけさせていただいております。

 そんな中で、基礎から実用化までの一貫した研究開発や、そして何よりもやはり、委員御指摘のとおり、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えております。そんな中で、やはり健康寿命をどう延ばしていくのか、健康長寿社会の形成に資するための新産業の育成、こういうことにこれまで取り組んでまいったところでございます。

 健康・医療戦略の中では、この内閣委員会でも再三御議論をいただいておりますICT化の柱の一つとして、医療情報というものを広く収集し、安全管理、匿名化を行い、利用につなげる制度についての法制上の措置を講ずることと明記されておりますので、これを受けまして、今回の法案によって、匿名化された医療情報がAI技術などと組み合わされて活用されて、医療の質の向上や、やはり何といっても成長していくためには新産業の創出というものが肝要でございますので、こういうものを通じまして健康長寿社会の実現につなげてまいりたい、こんなふうに整理をさせていただいているところでございます。

池田(佳)委員 大臣、ありがとうございました。

 医療分野の研究開発を進めていく上では、特に医療情報の利活用が重要であるということでありますが、この点について、医療機関で得られた医療情報を利活用させていただく患者の皆様方、国民の皆様方の御理解を得ていくためにも、その医療情報によって一体どのような先端的研究開発が行われ、その成果としてどのようなことが患者の利益、国民の利益として期待されるのかを、もう少し具体的に、患者や国民に理解していただく必要があるのではないかと思います。

 そこで、政府参考人、大島内閣審議官にお尋ねをしたいと思います。

 安倍政権においては、基礎的な研究開発から実用化のための研究開発まで、一貫した研究開発を推進するための体制を整備されてきたところでございますが、医療分野の研究開発としてどのような取り組みを行っているのか、国民にとって関心の高い病気について、その取り組みを具体的に例示をいただきながら、ぜひともわかりやすい説明をお願いしたいと思います。

大島政府参考人 医療分野の研究開発についての御質問です。

 これまで日本では、基礎研究は日本発ということがありましても、最後まで行くのがちょっと出おくれまして、インフラの整った海外が追い越して実用化する、おくれて日本に導入されるといった事態もありまして、基礎研究から実用化という、ここの橋渡しといいますか、つなぎの部分が課題となっておりました。

 そういうこともありまして、平成二十七年四月に、日本医療研究開発機構、長いのでAMEDというふうに略称しておりますが、法人を新たに設立いたしまして、文部科学省、厚労省、経産省、三省庁ばらばらに支援していました医療分野の研究費を集約して助成をするという形にいたしまして、基礎から実用化まで切れ目のない研究支援を一体的に実施する体制が整いました。

 その中で重点九分野というのを設定しておりまして、基礎から実用化まで一貫してつなぐ重点九分野としまして、医薬品創出、医療機器、それから医療技術拠点、再生医療、オーダーメード・ゲノム医療、がん、精神疾患、新興感染症、難病といった分野の設定をしておりまして、合計で今約二千三百件の研究支援、研究助成を行っているところでございます。

 その中には、種々、研究成果があらわれているものもございますが、例えば、がんに関しましては、悪性脳腫瘍を、従来の外科的療法、化学的療法、放射線療法とは異なるウイルス療法という形で、ヘルペス性ウイルスを注入しまして、安全性と強力な抗腫瘍作用を有する画期的な治療法を今開発しているところでございます。

 あるいは、医療機器の方も支援を行っておりまして、IoTの活用で各種医療機器を連携、接続させまして、手術の精度と安全性を向上させるスマート治療室という名前のものを、今、広島大学等で臨床実証中になっているところでございます。

 こういう国民に直結した効果があるところでございますので、今後とも、このAMEDを中心といたしまして、大学それから国立の研究機関等々と連携しながら、我が国発の医薬品、医療機器の研究開発が進むべく、戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。

池田(佳)委員 ありがとうございました。

 医療分野の研究開発のために医療情報を利活用していくということで、それによって新たな治療法や画期的な新薬が開発され、患者や国民にその成果が還元されていくことが大いに期待されております。

 ただ、病歴などの医療情報は、患者や国民にとっては、やはり機微な、他人に容易に知られたくない情報であるということは言うまでもありません。他方、医療分野の研究開発を進めていくためには、製薬会社などの民間企業を含め、医療情報を大いに利活用できるように環境整備を進めていく必要があるのも事実であります。

 そこで、ポイントになりますのは、今回の法案名にもあります匿名加工医療情報ということであるかと思います。

 ここは武村大臣政務官にお尋ねをしたいと思います。この匿名加工医療情報とは一体どういうもので、どう使われるものなのか、そのあたりを具体的に御説明願いたいと思います。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 匿名加工医療情報は、特定の個人を識別すること及びその作成に用いる個人情報を復元することができないように、一定の基準に基づいて医療情報を加工したものでありまして、具体的には、例えば氏名等が削除されたものがございます。

 他方で、認定匿名加工医療情報作成事業者が提供をする匿名加工医療情報につきましては、単に特定の個人を識別できないこと等が確保されているだけではなくて、医療分野の研究開発に資する項目が適切に含まれていることが必要でございます。

 具体的には、医療行為と副作用等の発生の関係の研究に用いる匿名加工医療情報の加工に際しましては、投薬日と症状が出た日について、削除するのではなく、一律にずらすこととすることが考えられるところでございます。

 こうして作成された匿名加工医療情報は、個人を特定することなく、新薬の開発、未知の副作用の発見などさまざまな医療分野の研究開発の促進に寄与するものと考えています。

池田(佳)委員 ありがとうございました。

 利活用される際には、個人が特定されない形でというのが重要なポイントであると思います。

 今回の法案において、国の責務として、広報活動、啓発活動が定められております。この点については、患者や国民の皆様方に、ぜひともわかりやすい御説明をしっかりとお願いしたいと思います。

 次に、今回の法案の重要なポイントの一つと考える、データのセキュリティーについてお尋ねをしたいと思います。

 個人情報の流出事件がたびたび生じている中で、この法案の仕組みに対する国民の皆様の理解を確保していくためには、認定事業者がセキュリティー基準を守っているのか、国がしっかりと監査、監督していくことが重要であります。

 ICTに詳しい業界の知人から、パソコンで、ファイルを消去しますと出ていても、実際はデータの目次が消えただけでデータ自体は消えていないため、コンピューターに詳しい人であればデータを復元できてしまうというようなことを聞きました。そうであれば、認定事業者がサーバーから情報を消去しても、万一廃棄業者から横流しされ、中身を見られたら、個人病歴情報の漏えいという大問題になると考えます。

 こうしたことがないようにすることも含め、秘匿性を保つセキュリティーをどう担保していくのかについて、政府参考人、藤本内閣審議官にお尋ねをしたいと思います。

藤本政府参考人 事業者のセキュリティー確保に関する御質問でございます。

 セキュリティーに関しましては、極めて重要な課題であるため、健康・医療戦略本部のもとにございます次世代医療ICT協議会、ここのもとに、セキュリティーに関する有識者、専門家にお集まりいただきまして、専門的な見地から御検討いただいたところでございます。こうした議論を踏まえまして、情報漏えい対策、セキュリティー、安全管理措置を徹底してまいります。

 認定事業者の認定に際しましては、法案の第八条に基づきまして、安全管理のための措置を適確に実施する能力を有することを求めることとしております。具体的な認定基準に関しましては、こうした有識者の御指摘を踏まえ、省令に定めることとしております。

 具体的に申しますと、認定事業者に対しまして、まず一、組織、人的要因を徹底的に排除すること、それから二、医療情報を処理する基幹システムはインターネットなどのオープンなネットワークから分離をすること、さらに、想定外の手口にも対応するため、三番目でございますけれども、多層的に防御、安全策を講じることなどの安全管理措置を徹底することを求めることを考えております。

 委員御指摘の記録媒体を廃棄する際の情報の消去につきましても、情報が復元されないような磁気媒体の廃棄処理、例えば、ハードディスク内部の磁気ディスクを粉砕する処置、それから二番目でございますけれども、専用の機器を用いて意味のないデータを繰り返し上書きしていく、こういう処置が現在でも実施される手法と考えておりますけれども、今後、技術の進歩を踏まえまして、適切な手段によることによりまして、それを認定事業者に求めまして、適切にセキュリティー管理を行ってまいりたいと思います。

池田(佳)委員 ありがとうございました。

 ただ、こうしたセキュリティーの確保については、監督官庁が認定するときに一回だけ確認すればいいというものではなくて、三百六十五日二十四時間、確保してもらわねば、患者や国民は到底安心できないわけであります。一度認定を受けた事業者について、継続的にセキュリティーがきちんと確保されていくのか、どのように確認することとなっているのでしょうか。

 例えば、いつの間にか代表者や社長が交代していたり、認定を受ける際には申請書に書いていなかったサーバーで医療情報が保管されていたりすれば、これは問題であると思います。

 こうしたセキュリティーの継続的な確保について具体的にどのように取り組んでいくのか、引き続き、政府参考人、藤本内閣審議官にお尋ねしたいと思います。

藤本政府参考人 セキュリティーの継続的な確保に関しましては、一点目といたしまして、安全管理措置及びその能力に関する事項について主務大臣の関与なく変更されないこと、それから二番目といたしまして、法令違反に対する実効性のある是正措置、これが重要というふうに考えております。

 一つ目に関しましては、本法案の第九条第一項におきまして、医療情報等及び匿名加工医療情報の管理の方法を含め、認定事業者に対して、医療情報の整理の方法、加工の方法並びにその他主務省令で定める事項の変更については認定を受けなければならないということとしております。その上で、認定事業者が認定を受けずに医療情報等及び匿名加工医療情報の管理の方法を変更した場合には、第十五条の規定により、認定の取り消しの対象となり得ます。

 さらに、二点目でございますけれども、法令違反などの疑いがある場合には、第三十五条の規定に基づく立入検査、第三十七条の規定に基づきます是正命令、さらには罰則の対象になります。

 これらの制度をしっかりと運用していくことによりまして、認定事業者におけるセキュリティーの継続的な確保を、確保してまいりたいと思います。

池田(佳)委員 ありがとうございました。

 この法案は、健康長寿社会の実現と我が国経済の成長に大きく貢献するものだと思っておりますし、そうでなければならないと考えております。ぜひとも、この制度が我が国の医療関連企業や医療研究者に大いに活用され、患者や国民が待ち望むすばらしい新たな治療法や薬の開発の成果が早く仕上がるように、政府においてしっかりと取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

秋元委員長 次に、大西宏幸君。

大西(宏)委員 ただいま御質問をいただきました池田委員の質問を踏まえて、私、自由民主党・無所属の会、大西宏幸、質疑をさせていただきます。内容的には本当に重なることが多々あるかもわかりませんけれども、どうぞお許しください。

 医療は、皆様御存じのように、日進月歩、進化しております。そうした進化に資するためにも、今回の法案は、私自身、意義が大きいと、自身も期待しているところでございます。

 さて、この法案により匿名加工医療情報が提供されるようになると、さまざまな効果があると期待しています。具体的にどのような医療分野の研究開発で利活用が想定されているのか、また患者や国民の視点から見るとどのような効果が期待されているとお考えでしょうか、お聞かせください。

越智副大臣 匿名加工医療情報につきましては、行政機関、学術研究機関及び製薬企業を初めとする民間事業者において利活用されることを想定しております。

 具体的には、例えば、治療の評価等に関する大量の診療データを用いた大規模な研究の実施、また、糖尿病と歯周病のように異なる医療機関や診療領域の情報を統合した治療成績の評価、また、AIも活用して画像データを分析し、医師の診断から治療までを包括的に支援する最先端の診療支援ソフトの開発などが可能になると考えております。

 加えまして、医薬品等の副作用の発生頻度の把握や異なる医薬品の使用結果の比較を通じて、医薬品等の使用におけるさらなる安全性の向上が期待されるところでございます。

 このように、利活用の成果は、患者に対する最適な医療の提供に大きくつながっていくというふうに考えているところでございます。

大西(宏)委員 今副大臣よりおっしゃっていただきましたとおり、総合的にいろいろな治療が進むということと、薬の安全性ですよね。そのことも踏まえて、病気と闘っておられる患者さんや御家族の方、これは、その方々にとっても希望の一つとなると思います。

 では、医療分野の研究開発における医療情報の利活用について、我が国の今の現状はどうでしょうか。どのような課題があって、この法案がこの解決にどう役立つのか、お聞かせください。

大島政府参考人 我が国における医療情報の利活用の課題でございますが、特に匿名加工という点を見てみますと、実施した診療行為に基づく医療費の請求内容を記しましたいわゆるレセプト情報、これは匿名した活用が進んできております。一方、診療行為の結果に関する情報、いわゆるアウトカムに関する情報、問診内容ですとか検査結果、あるいは治療予後、こういった情報の利活用は進んでいないという状況にございます。

 また、我が国では、医療機関の多くが民間の担い手で運営されていまして、保険制度も分立していることもありまして、医療情報が分散して保有されているという状況にございます。IT技術が進展しデジタル化が普及してきております今日においては、こうした医療情報を活用するということは、患者、国民にとって大きな価値を生み出すことができるものと考えております。

 今回の仕組みの導入によりまして、認定事業者というものができます。この認定事業者が、多数の医療機関が保有する医療情報を集めまして、匿名加工をしまして、提供するということが可能になります。これによりまして、これまでになかった新しい手法での医療分野での研究開発を促進することができると考えておりまして、これによって、患者、国民にとって医療の向上につながる便益が出てくると考えております。

大西(宏)委員 今おっしゃいましたように、各病院が今まで、その情報を集積してその中で情報の活用をしていく、そういう状況の中で、いろいろな病院との協調、協力もしているところもあるでしょうけれども、民間間の内容であって、それが大きく寄与されていない状況であったということですよね。データを集積して利活用することが最大の重要性ということです。

 では、なぜ民間の事業者を認定する仕組みを導入するのでしょうか。医療分野の研究ニーズは多様性があり、質の高いデータを迅速、柔軟に提供しなければなりません。民間事業者を認定する意義についてお聞かせください。

大島政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。

 医療情報の利活用を推進するためには、多様な医療分野の研究開発に応じて、利活用者のニーズを的確に酌み取って必要な医療情報を集め、ニーズに応じて加工する、そして提供するということがポイントになります。このため、こういったことに知見を持つ専門人材を確保しまして、創意工夫を生かしながら機動的な対応が図られるように、民間の事業者を認定する仕組みを導入しようというふうにしているところでございます。

 事業者の認定に際しましては、高度なセキュリティーを確保しているということは当然の前提としまして、研究開発に必要でかつ利活用可能な質の高い医療情報をたくさん集める能力、それから個人が特定できないようにしつつも研究開発に役立つような匿名加工、これを確実に実施することができる能力、こういったことを求めていくこととしております。

大西(宏)委員 今おっしゃった中で、匿名加工等々の話も出てきておりまして、先ほど池田委員も質疑をメーンでされておられました。

 昨今では、個人情報の保護について国民の関心がすごく今高まっております。医療情報の利活用を図ることと個人情報の保護について、どのように原則、手当てをされておられるでしょうか。

大島政府参考人 今回の法案では、認定事業者に医療情報を医療機関から提供するということにつきまして、あらかじめ患者本人に通知をしまして、本人の求めがあるときは医療機関から認定事業者への情報提供を停止する、こういう扱いにしております。

 また、認定事業者に対しましては、医療情報の漏えい等を厳に防いでいくために安全管理措置というのを義務づけまして、こうした措置が適切に講じられない場合は認定を取り消すということにいたします。さらに、認定事業者の従事者につきましては守秘義務を課しまして、悪質な漏えい等につきましては刑事罰の対象という形にしております。

 利活用されるのは、個人を特定できないように匿名加工された情報でありますので、権利侵害のおそれは少ないわけでございますが、こうしたことを通じまして、一層安全と安心を確保する仕組みとしております。

大西(宏)委員 安全、安心確保ということで、いろいろレクで聞かせていただいたんですけれども、先ほど池田委員がおっしゃったように、データの復元も含めて、例えばログ管理をしています、ログを誰がいらったかというのはすぐわかるんですよと。ログは消せますから。そういうことも踏まえて、能力者同士の、こういう情報戦というのは戦いになっていきます。

 ここでやはり重要なポイントだと思うのですが、大量の医療情報を収集して管理する事業者の責任なんですよね。医療機関から届く加工前、個人情報が大量に含まれたデータを扱うことになります。

 認定事業者についてどのように指導監督するのか、具体的に仕組みをお教えください。

藤本政府参考人 認定事業者におきましては、医療情報の漏えいを厳に防ぐべく、事業者の認定に当たって適用する基準におきまして、医療情報を安全に管理するための措置を講じていることを条件といたします。この条件を満たしていることが確認された事業者のみを認定いたします。

 認定事業者に対しましては、委託先についても厳しい規制を課しており、国の認定を受けた受託事業者に対してのみ委託をできる、それから加えまして、受託者に対して監督を行わなければならない、受託者が再委託する場合には、認定事業者の許諾を必要といたしまして、かつ再委託先も認定を受けた事業者でなければならない。これらを守らないときには認定事業者や受託者への是正命令の対象となります。それに違反をすれば懲役や罰金刑の対象となります。

 さらに、認定事業者の役員や従業員に対しても守秘義務を課しまして、違反者は懲役や罰金刑の対象といたします。

 これらを通じまして、認定事業者による事業執行を適切かつセキュリティーが確実に確保されたものとなるよう努めてまいります。

大西(宏)委員 そういう状況の中でも、やはり不安は拭えません。情報漏えいや内部犯罪や不正アクセスですね、さっきから言っていますように。

 私たちの記憶に新しいのは、二〇一四年のベネッセの事柄ですね。ベネッセは、個人情報の取り扱いが厳重な企業だと今までは言われていました。事業委託の企業から漏れたわけですね。

 今回の仕組みではそういった事故は起きないということなんでしょうか。

藤本政府参考人 情報の漏えい対策につきましては、先ほど申し上げました次世代医療ICT協議会、そのもとに、有識者による専門的な見地から御検討いただきました。それを踏まえまして、具体的な対策を省令に定め、認定事業者に求めることといたしたいと考えております。

 お尋ねのございました医療機関からの認定事業者に対する情報提供の場面、それから収集した医療情報を匿名加工する場面、認定事業者が医療情報の取り扱いを他の事業者に委託する場面、この三つの場面における具体的な安全対策措置についてお答えいたします。

 まず、医療機関から認定事業者に対しまして情報を提供する場面におきましては、専用回線での通信、それから認定事業者によるデータ受信時のマルウエアの、これは悪意を持ったソフトウエアですね、これの検知、隔離等の実施を求めることを考えております。

 次に、収集いたしました医療情報を匿名加工する場面におきましては、医療情報を処理する基幹システムをオープンネットワークシステムから分離した環境に置いた上で、単独での作業、これは作業員ですね、単独での作業を行わせない。それから、データにアクセスした記録や操作記録のリアルタイムの監視、これは予定されていない作業が行われた場合はそこで作業をストップするような、そういうイメージでございます。それから、記録メディアの制限、これは私物の持ち込み等を厳に慎む。それから、監視カメラによる記録や入退室管理を適切に組み合わせることによりまして、多層的な防御、安全策を講じることを求めることとしております。

 さらに、認定事業者が医療情報の取り扱いを他の事業者に委託する場面におきましては、認定事業者は主務大臣の認定を受けた者に限り委託できるということを考えております。

 これらの情報漏えい対策の安全管理等につきまして、技術的な進展を踏まえ、適宜見直しながら、適切に認定事業者及び委託先事業者のセキュリティーを確保してまいりたいというふうに考えております。

大西(宏)委員 この事柄についてやはり最大の肝というのは、患者及び御家族の差別につながらないようにしていかなきゃいけないということですよね。そのことを基本的に考えながら、さりとて、昨年成立した官民データ活用推進基本法ですね、流れを一層加速させるために、何よりもこの匿名加工医療情報の活用により、新たな治療方法が見つかり、一人でも多くの人が救われるように、私も大きな期待をしております。

 そこで、最後に石原大臣、医療情報の推進とその成果の実現に向けた御決意を伺いたいと思いますけれども、どうでしょうか。

石原国務大臣 今委員がお話しになられました官民データの活用推進基本法ですが、当委員会でふくだ理事や平井理事や野党の皆様方と一緒になって基本法が作成され、今回この法案が出て、もちろん、委員が御指摘のとおり、個人情報が流出することによって情報を提供した方々が不利益を絶対こうむらないようにするということは当然でありますし、政府委員の方から、認定事業者のセキュリティーには万全を期すという話でございますが、池田委員との議論の中でも、完全はないということもありますので、さらに監視の目をしっかりと強めて、ビッグデータとして匿名加工されたものが、医療界で新しい新薬の開発につながる、新しい創造企業の創出につながる、前向きになるように、しっかり管理もしつつ、この匿名加工された情報を医療機関の方々がうまく使えるように、バランスを持って取り組んでまいりたい、こんなふうに考えております。

大西(宏)委員 ありがとうございました。

 今、石原大臣の力強いお言葉を聞かせていただきました。私も、この法案の成立に向けて力強く頑張ってまいりたいと思います。

 以上です。ありがとうございます。

秋元委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 おはようございます。公明党の濱村進でございます。

 きょうは、次世代医療ICT基盤法について質疑をさせていただきますが、次世代医療ICT基盤協議会というのがあって、ずっとそこで議論をされてきたわけでございますけれども、私、この法案はすごく期待をしております。必要な法案であろうというふうに思っておりますが、今、巷間、ちまたでも、随分医療情報に関しての議論が活発になりつつあるというふうに思っております。

 先日の大臣所信の私の質疑におきましても、さまざま、医療情報と一般的に言うとどういう情報があるのかというお話をさせていただきましたが、きょう、ちょっと改めてまた整理をしたいとは思っておるんですけれども、当法案において、医療情報というのは第二条に書かれてあるとおりなんだと思います、それは法案に書かれてありますので読み上げることはしませんけれども。

 一方で、広く論じたときに、医療情報というのは、いろいろなことを思い浮かべる方がおられるであろうと。御自身が従事されておられるようなところで、それぞれの思いをなして話をされることもあるだろうかと思いますので、こうした医療情報というものをなるべくわかりやすく類型化していくということも必要なんじゃないかというふうに思っております。

 実は、きょうは配付資料を用意させていただきました。医療情報の類型化ということで、これは私が勝手につくったものでございますし、縦軸、横軸、それが正しいかどうかというのは余り問うつもりはありません。ですが、こうした頭の整理をしないと、なかなかこういう医療情報についての議論の平仄が合わないんじゃないかというふうに思っておるところでございます。

 議論している方々がどういうデータ群について話をしているのかわかるためには、こうした平仄を合わせるということも取り組みとして必要なのではないかというふうに思うわけでございますが、大臣、いかがでございましょうか。

石原国務大臣 ただいま濱村委員が個人的に整理されたのは、これは大変よくできていると思います。

 広く医療情報といいましても、先ほど来議論になっているような、疾病がありまして、それに対してどういう治療をしたというような細かいものから、それが匿名化されて、先ほど決意という形で述べさせていただきましたけれども、どういう形でこれが利用されるのか、これもまた同じ医療情報であります。

 個人の医療情報を地域の医療関係者で共有して適切な診療を行う、あるいは、お医者さんの偏在がありますのでサポートを行う、医療情報連携ネットワークの構築というものも広い意味では医療情報だと思いますし、検診したデータですね、こうこうこういうことでこんな結果になった、こういう人がこれだけいるといったものや、先ほども議論になっていましたけれども、レセプトのデータ、こういうものが集まることによって、医療費の適正化、評価というものにもつながるわけですけれども、こういうもののナショナルデータベースへの整備というものもあると思います。

 また、本法案が目指すのは、委員がお示しいただいたこの左端にある部分でございますけれども、匿名加工した大規模なデータを用いて、臨床研究やAIを使って診断支援のソフトみたいなものを開発する、こういう局面も考えられると思います。

 やはり、一概に医療情報ということではなくて、委員の御指摘のとおり、マトリックス、こういうものを国民の皆さん方にお示しすれば、また、先ほど来、御不安がある、情報が漏えいするんじゃないかという御不満がその一方であるわけですけれども、こういうことに役に立つんだと、やはり丁寧に整理をした上で議論を進めていくということが肝要ではないか、こんなふうに考えております。

濱村委員 私、この資料で、縦軸に、悉皆的かどうか、対立には個別的・オーダーメード型のデータであるか。あるいは横軸には、確定的なのか非確定的なのか。つまり、それはデータの性質としてどうなのかということで分類をさせていただきました。

 医療情報連携ネットワーク、これは、地域の医師、あるいは介護をされている方々においても、既にこういうネットワークの中で仕事をされている。

 NDBとか介護保険総合DBとかは、もう既に国が管理していたりするもの。そういう意味では、悉皆的にデータを集めていたりするわけでございますし、データ項目についても確定的であろうかと。

 一方で、今回やるような匿名加工医療情報というのは、こうした既にある情報から匿名化を行うことによって、個別的・オーダーメードの項目についても、それはさまざまあるだろうということで、私の資料でいえば第三象限に置いている。

 もう一つ、これはこれからなんだろうというところで、健康づくりデータであったり、AIの診療データであったり、こうしたものもどんどんと蓄積していかなければいけない。非常にここはまだ未知のエリアなのかなと。

 ここを恐らく、悉皆的なデータにしていくというのも非常に大事なんだろうと思いますが、今、現状でいえば、医療情報連携ネットワークでいえば、医療等IDとかが発生すれば悉皆的なデータに引き上がっていくんだろうというふうにも思いますし、情報が標準化されていけば、情報項目についても確定的になっていくのであろうというふうなことで、私は整理をさせていただきました。

 これは、こういうことをやるに当たっては、恐らく、国民の皆様においてどういうメリットがあるのかということを問わなければいけません。臨床研究とかPHR、EHR、そういった事業においては、特定の個人である方に対して、患者さんに直接医療情報を提供できる、これは非常に大事なメリットであろうと思いますが、一方で、今回の次世代医療ICT基盤については、個人を特定しない匿名加工情報を利活用する、その上でメリットを国民の皆様にと還元していくわけでございますので、患者や国民の皆様に直接メリットが届かないんじゃないかというような、そういう疑念があるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

大島政府参考人 今、直接的な患者、国民へのメリットについてのお尋ねがございました。

 今回の法案の中では、医療分野の研究開発に資するという観点で認定事業者を設けまして、その認定事業者が医療機関から安心して医療情報を受け取るという形の仕組みといたします。

 それによりまして、分析されるデータの範囲とか量が拡大すること、あるいは、長期間にわたるデータ収集も可能になること、それから、高度な匿名加工を一元的に実施するということが可能になりまして、匿名加工した医療情報を本格的に利活用する基盤が整うということになります。

 この基盤の活用によりまして、一つには、治療の効果あるいは効率性といった、たくさんのデータを使った研究の実施が可能となりまして、より患者さんの状態に応じた適切な医療提供の提案を行うことができるようになります。それから医薬品等の副作用、これも大きな問題ですけれども、この早期発見ですとか安全性の比較などが容易になる、そういったことが期待されます。

 こういった成果は、委員御指摘のように、情報のもととなりました一対一の個人に還元されるものではございませんが、広く国民に、最適な医療の提供の実現につながるといったことでありまして、トータルとしてのメリットは小さくないのではないかというふうに考えております。

濱村委員 おっしゃるとおり、医療の質の向上や費用対効果の分析とかでいえば、非常に効果がある。例えば、費用対効果も、七十五歳以上の方に投薬してもなかなか効果が上がらない薬を投薬し続けているというようなこともありますので、そういうのがわかるのであれば非常に効果がありますよねということだと思いますし、新薬開発でも役立つ、そしてまた未知の副作用の発見もあり得るんじゃないか。

 そういう意味でいえば、まさにこれはメリットはあるじゃないかというふうに思うわけでございますし、また、ちょっと自分で申し上げておきながらあれなんですが、医療の現場では、実は患者さんとは向き合っているわけですよね。だから、患者さんと向き合った瞬間に、医師から、あるいは医療従事者から、メリットというのは直接的に還元されるというふうにも思いますので、そういう意味においても、この基盤において医療従事者の方々の積極的な参画が期待されるんじゃないかというふうに思うわけでございます。

 次に、匿名加工の事業者についてお伺いしますが、現行でも実は匿名加工事業者は存在しております。どういう業務を行ってきたのか、御確認いたします。

藤本政府参考人 現状へのお尋ねでございます。

 医療情報を匿名加工する民間の事業者は幾つか存在しております。主にレセプト情報を中心に、個別の医療機関から匿名加工した上で収集いたしまして、それを医療データとして、大学等の研究機関、医療機関、健康保険組合などの保険者に提供していく。それから、あるいは解析サービスを請け負ってそのデータを解析して、例えば統計的な情報にして渡す、そういうことをやっているというふうに承知しております。

濱村委員 では次に、重ねて、匿名加工事業者と、今度、新しい、当法案で発生する認定匿名加工事業者、これについては、どういった点が違って、認定事業者の方にはどういう能力が必要と考えますか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 現状におきまして、医療情報を匿名加工する民間の事業者におきましては、先ほど申し上げましたように、主に医療機関ごとにレセプト情報を匿名加工した情報を用いているところでございます。

 これに対しまして、新法における認定を受けた事業者は、現状において医療情報の利活用の中心でありますレセプトデータのみならず、診療行為の結果である検査の結果、例えば血液検査の結果ですとか画像診断の画像情報、診断病名等、こういうアウトカムデータも収集することが可能となります。

 それから、医療情報の利活用を推進するためには、多様な医療分野の研究開発に応じて、その研究をする利活用者のニーズを的確に酌み取りつつ、こんなデータが必要で、こんなデータセットをこんなふうにして使っていくということをきちっと議論できるということが重要でございます。こういう能力をまず認定事業者は持つということと、それから、必要な医療情報を収集し、必要に応じて突合していく。例えば病院間をまたがるデータ、糖尿病であれば、診療所と病院にまたがるようなデータ、こういうものもきちっと突合した上で、その利活用のニーズに応じて整理、加工して、さらに適切に匿名加工した上で提供できるようにする、そういう能力が重要だというふうに考えております。

 こうした業務に知見を有する専門人材を確保して、創意工夫を生かして機動的な対応が図られるよう、民間の事業者の認定の仕組みを導入するということにしております。

 事業者の認定に際しましては、研究開発に必要で、かつ利活用可能な質の高い医療情報を効果的に収集する能力、これは研究の内容もわからないといけませんし、医療機関の実情もわからないといけない。それから、個人が特定できないようにしつつも、研究開発に役立つような有用性を持った匿名加工データを確実につくっていく能力を求めたいというふうに考えております。

濱村委員 医療の知見があって医療データを扱える人、医療データサイエンティストみたいな人が必要なんだろうというふうに思うわけでございます。

 ちなみに、特定の個人を識別することができないという要件というのはどういうことなのかというと、個人情報保護法ガイドラインの匿名加工情報編にちゃんと書いてあるんですね。「あらゆる手法によって特定することができないよう技術的側面から全ての可能性を排除することまでを求めるものではなく、」ここからが大事です。「少なくとも、一般人及び一般的な事業者の能力、手法等を基準として当該情報を個人情報取扱事業者又は匿名加工情報取扱事業者が通常の方法により特定できないような状態にすることを求めるものである。」、一般的な能力のある方ができなければ、それは匿名加工情報ですよ、匿名加工されましたと。

 先ほど来というか、この委員会でも、ファイルの削除について、データの削除について、詳しい人であれば復元できるでしょうという話がございます。一般的な人にできますか。できないんですよね。必要な特別なツールとかを使ってデータを復元してまでも、その情報を出せというような話をするということはあり得る話だとは思いますが、それが一般的な話であるということとは全く筋が違うので、ここは、匿名加工においても同じように、一般的な能力の基準でしっかりと見ていくことが大事であろうというふうに思うわけでございます。

 次の質問に移りますけれども、そうはいいつつも、情報漏えいについてどう捉えていくべきなのか。

 被害の最小化であるとか、救済をしっかりと考えていかなければいけないんじゃないか。当然、認定事業者には、安全管理措置を実施するように八条の三項四号に規定されております。

 一方で、被害最小化、救済については、法案については書き込まれているわけでございますので、どのような措置がとられるべきと考えるのか、お答え願います。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 認定事業者に求めます安全管理措置に関しましては、先ほど御説明をさせていただきましたように、データベースの所在スペースにおける監視カメラの設置などの入退室管理、それから、組織、人的要因によるリスクの排除、基幹業務系のインターネットのオープン環境からの分離、アクセスログのリアルタイムの監視、こういうものを徹底しようというふうに考えておりますけれども、その際、仮にインシデントが発生した場合においても、被害を最小限にとどめる、もしくは実質的な被害をなくすということのために、一つ目は、一度に取り扱うデータや関与する人数を最小限にすることなど、手順の徹底ということでございます。

 それから、漏えいしたとしても、そのデータの断片、断片になりますけれども、その内容は解読できないようにする暗号化、それから緊急時の対応計画の策定、これらを求めることによりまして、インシデントが発生してしまった場合におきましても、状況の把握、関係者への指示、国民の周知等、監督官庁が前面に立ちまして事態の収拾に当たることというふうにいたします。

 また、こうした高いセキュリティーを確保できない事業者は認定しないということに加えまして、こうした安全管理措置を講じない認定事業者については、主務大臣による是正命令の対象となります。そして、それに従わない場合は認定の取り消しということになります。

 その上で、万が一、医療情報の漏えい等により何らかの被害が発生した場合につきましては、例えば損害賠償保険への加入などによる対応を含め、認定事業者から適切な補償を行うことになるというふうに考えております。

濱村委員 漏えいが起こるから、可能性がゼロじゃないからといって、この仕組みをやってはいけないということには全くならないと思うんですね。自動車運転とかでも、事故が起きるから自動車運転をやめようということにならないのと一緒で、何かしらの安全措置とかあるいは救済措置とか、そういうことを考えていくのが現実的な解なんじゃないかというふうに思いますので、先ほど損害賠償保険での被害救済もあるというような事例が出ましたけれども、そうしたことも積み重ねていくということが、社会における合意形成で非常に重要だと思っております。

 認定事業者の業務内容について伺いますが、認定事業者は、統計情報は有償で提供すること、これは業務として行うことは可能でしょうか。

大島政府参考人 統計情報のお尋ねでございます。

 個人情報保護法におきまして、統計情報は、特定の個人との対応関係が排斥されている限りにおいては、個人情報にも匿名加工情報にも該当しない、規制の対象外というふうにされております。今回の法案の中におきましても、同様の扱いとしております。

 このため、認定事業者は、今回の法案に基づいて提供を受けました医療情報から作成した統計情報を第三者に提供することは可能、これは有償であっても無償であっても可能というふうに考えております。

濱村委員 匿名加工情報と統計情報というのをどこでどう線引きできるかというのは、結構神学論争的なところはあるんですけれども、これはもう適切にやっていくしかないのかなというふうに思っております。

 一方で、昨年の十二月二十七日に発出されている、協議会のもとに設置された医療情報取扱制度調整ワーキンググループの取りまとめ資料において、本人同意に基づき、各個人に最適な医療や健康管理を実現するために医療等情報を個人別にまとめて提供できることとすると書いてあるんですね。

 この個人別に提供できるということはどういうことなのか。要は、匿名加工の業務をやりながらもEHRの業務をやれる、そういうこと両方を実施可能だという理解でよろしいんでしょうか。

大島政府参考人 認定事業者につきまして、今回の法案の中では、医療機関から提供を受けました医療情報につきまして、医療分野の研究開発に資するよう加工し提供するということで、この目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはならないというふうに規定を定めております。

 したがいまして、認定事業者がこの法案に基づく事業として、いわゆるEHR事業に、このスキーム、この仕組みで得た医療情報を用いることはできないという整理になります。

 なお、そうではありますが、認定を受けた法人が、この認定事業とは別にいわゆるEHR事業を行うということまでは禁止をされていないという整理になっております。

濱村委員 認定を受けた事業というものは匿名加工する事業でございますので、その事業と別建てであればやっても構いませんよということだと思います。

 これはすごく大事なことで、実は、これがそもそも事業部が混在、部署が接近していて、もう個人情報が、匿名加工しているような人たちと個人に情報を提供する人たちと同じ部隊ということになってしまうと、匿名加工されているのかどうかというところが非常に危うくなりますので、これは事業者における適切な運営が必要なのであろうというふうに思う次第でございます。

 最後の段階に入ってまいりますが、匿名加工の基準について伺いたいと思います。

 またこれは、個人情報保護法ガイドラインの匿名加工情報編についてちょっとさまざまお伺いしたいと思っておるんですが、これを見ますと、特異な記述等を削除する、つまり、匿名加工するに当たって特異な記述というものはどういうものなのかということで、ちょっと事例も挙げられていたりするんですね。希少疾病であったり年齢、こうしたものは特異な記述だということで削除しなければいけないというふうに書いてあるんです。

 希少疾病であれば、何か、そんなに患者数がいない、少ない、そういう病気であろうかと思いますが、年齢とかであると、百十六歳の人とかで出てきますと、それは個人が特定できてしまうんですね、日本国内だと。なので、それは九十歳以上ですというように丸めなければいけません、そういうことを匿名加工としてやってくださいねとガイドラインには書いてあるんですが、この基準については誰が判断するのか、確認したいと思います。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 匿名加工医療情報につきましては、個人情報保護法の匿名加工情報と同様に、新法におきましても、「特定の個人を識別することができないように医療情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該医療情報を復元することができないようにしたもの」と定義してございますことから、この加工基準につきましては、基本的に匿名加工情報と同様のものを主務省令において定めることを考えております。

 ただ、その上で、新法におきます医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報の作成につきましては、御指摘のような特異な記述を削除することの、医療分野へのより具体的な考え方が必要でございますので、主務省令において認定事業者に対して示していくこととしております。

濱村委員 これは、主務省庁において認定事業者に対して示していくということでありますが、恐らく、それはそうなんでしょうねというふうには思うんです。

 一方で、ガイドラインにはどう書いてあるかというと、実際にどのような記述等が特異であるかどうかは、情報の性質等を勘案して、個別の事案ごとに客観的に判断する必要があると書いてあるんですね。これは恐らく、個別の事例ごとにと言っているのは、医療なら医療の分野でどうなのかという話なんだと思うんです。こういう疾病であれば患者数はこれぐらいいますと。

 なので、具体的な数までは定めなくてもいいのかしらと私なんかは思いますけれども、こういう疾病について患者数がこれぐらいなので、ここまでは丸めてくださいよ、匿名加工してくださいよ、そういう具体的なレベルにまで落としたガイドラインなどが発出されるのであろうというふうに期待をしておりますので、これは今後議論をしていただく分野だと思いますので、取り組みをぜひよろしくお願いしたいと思います。

 最後の質問に行きたいと思いますが、これもまたガイドラインの話でございます。

 ガイドライン上に書いてある、九ページですか、三の二の一、「特定の個人を識別することができる記述等の削除」という記載があるんです。そこの中で、仮IDを付す場合の方法についてさまざま記載があります。「元の記述を復元することのできる規則性を有しない方法でなければならない。」とありますが、匿名加工情報を作成した個人情報取扱事業者ならば、ガイドラインに例示されているようなハッシュ関数の種類を知っていたら、復元はできてしまうんですよね。もとの記述を復元することのできる規則性を有しないことにはならないことになるんです。

 そうしたら、何のために仮IDがあるんですかというふうに思ったりもするので、この辺のちょっと整理をお答え願えますでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 仮IDとは、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(匿名加工情報編)、御指摘のものでございますけれども、におきまして、個人情報取扱事業者が匿名加工情報を作成する際に、氏名などの特定の個人を識別できる記述等を、もとの記述を復元することのできる規則性を有しない方法により置きかえたものとされていると認識しております。

 認定事業者が行う事業におきまして、こうした仮IDを利用するか否かは認定事業者が判断することになるというふうに考えておりますけれども、例えば、匿名加工情報を作成いたしました個人情報取扱事業者や、その提供を受けた事業者において、匿名加工情報を管理するための番号として用いられることが考えられます。新法における認定事業者等においても同様の用途で求められることが想定されます。

 また、こうした仮IDが付されました匿名加工医療情報につきましては、認定事業者から利活用に提供され、その内容についての問い合わせの際に用いられることも考えられますけれども、いずれにせよ、もとの記述を復元できるものではないため、個人の識別につながるものであると考えてはおりません。

濱村委員 今の藤本審議官のお話を聞くと、仮ID、まあ、仮IDという名称がよくなかったなというふうに私は思います。ただの通し番号みたいなものですね。

 認定事業者の中で、匿名加工をした後に、そうはいっても、ずらっと、疾病とかあるいは検診結果とか、そういうものがデータとして並んでいるんですけれども、何もIDあらへん、ありませんねということになりますと、多少やはり、システム屋さんの目線でいえば管理しにくいですよね。なので、ちょっとした通し番号ぐらいはつけておきましょうということなんだろうと理解いたしました。

 そういう通し番号をつけることが個人情報とひもづいていないわけでございます。つまり、匿名加工した後に、そういう通し番号みたいなものをつけているわけでございますので、これは個人情報とはひもづきません、匿名加工された後のデータですよと。

 そのデータについて、仮に、そういう業務が行われるかどうかわかりませんけれども、認定事業者から利活用者に情報が提供された後、このデータについて詳細をちょっと教えてほしいんだというようなことを利活用者から認定事業者に問い合わせをする、そういったときに、では、どのデータですかといったときに通し番号があった方が楽ですよねと。そういう程度のために使うためのものがこの仮IDであるということであろうかと思います。そういう意味においては、とりたてて、IDをつけちゃうと個人が特定されるじゃないかといったような代物ではないということが整理できたのかなと思います。

 こうした整理をさせていただきましたが、しっかりとこれはまだ詰めなきゃいけない部分もございますので、そうしたところも丁寧にやっていただきながら、国民のための医療基盤になるということを切に願って、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

秋元委員長 次に、神山洋介君。

神山(洋)委員 おはようございます。

 大臣、きょうはよろしくお願いします。神山でございます。

 私は、もともと会社員時代に保険会社に勤めておりまして、最初に会社に入ったときにいろいろ研修をやるわけですが、その中で一つ印象的な言葉が、大数の法則という言葉があって、まさに医療ビッグデータの話にも通ずるわけですけれども、分母の、母集団の数が多ければ多いほど、そこから導き出される法則というものはリライアビリティーが高いということになるわけです。そういう観点からしても、私はこの医療ビッグデータの発想そのものは、基本的には是とするところであります。

 ただ、前段、濱村委員を初めとして、きょうここまでの議論を伺っていても、個人の権利であるとかプライバシーというものに対しての保護の観点からの配慮という部分と、一方で、利活用者からしたときの利便性であるとかその効果の大小というところがぶつかっていくというのが、基本的なこの課題の整理しなきゃいけない大事な点なのかなというふうに思っておりまして、その点を根底に置きながら、きょうは大臣と三十分間、議論をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

 内容に入る前に、まず一点、大臣にちょっとこれは素朴な質問としてお伺いをさせていただきたいんですが、今回の話でいえば、例えば私が病院に行きました。風邪ですと診断が出ました。その病院が、認定事業者からオーダーがあって、私の生データが認定事業者に行きます。認定事業者が匿名加工処理を施して、それが利活用者に行きますというデータの流れになります。その最初の私の情報を、では、どうするかというときに、場合によっては拒否することもできますよという、オプトアウトという仕組みも設けられているということになるわけです。

 お伺いしたいのは、大臣も、例えば検査であるとか、風邪引いたも含めて、病院へ行かれることがあると思うんです。オプトアウトの仕組みがありますよというふうに言われて、大臣はどうされますか。

石原国務大臣 今の神山委員の議論は、やはり、利活用の利便性と保護がどうあるべきか。そして、基礎的なデータとなる個人情報を、その受検者たる患者さんがどのように対処するのかという観点からの御質問だと思いますが、私は、どちらかというと、広く情報を収集して、匿名加工の部分のセキュリティーを強化していけば、nをふやしていく、先ほど大数の法則のお話がございましたけれども、その方が、データの正確性の高まり、また、健康長寿社会等々の創出に役立つんじゃないか。

 その観点からいうと、私は、いいですと言うと思います。

神山(洋)委員 若干、奥歯に物が挟まった感を受けなくもありませんが、正直言うと、私も、すぱっとノータイムでオーケーですと言えるかどうかなというのは、内心、今ひっかかるものがないとは言えません。

 やはりそこは、ここまでもきょう議論が出てきているとおり、その効果はもちろんわかっています、わかっていますが、果たして大丈夫なのだろうかという、そこの一抹か二抹かわかりませんが不安感というものであると思っていますし、それが、恐らくこの後、この制度が仮に施行されて、世の中でオンビジネスの形でうまく回っていくときには、実は肝なんじゃないかと思うんです。

 このバランスの部分が少しでも崩れたときに、例えばそれは、医療を受けた患者さんからすれば、ことごとくみんな拒否をしました。とすると、nが集まらなくて、データとしては意味をなさないことになるわけですし、後ほどお話ししますけれども、認定事業者のミスがあり、仮に情報漏えいをしましたというのが多発なんかしたときには、今度は、医療機関からすると、そうそうやすやすとデータは出せないよという話になって、認定事業者のビジネスも回らない。この仕組みそのものが存続できない、回らないという形になるかと思いますので、ここは極めて大事な部分だと私は思っております。

 その意味で、幾つかきょう確認をさせていただきたい。

 まず冒頭になんですけれども、先ほど申し上げた、私が風邪を引きました、病院に行きました、お医者さんから風邪ですと言われて、薬をこれとこれとこれという形で例えば処方されました、検査の結果はこうこうこうですという、その情報は誰のものかという話です。

 医療情報、診療だったり検診だったり検査だったりということで、それは病院だったりお医者さんの頭の中も含めて、蓄積をされていくわけです。一体それは誰のものですかという、この所有権の話、大臣はどう整理されていますでしょうか。

石原国務大臣 やはり情報には所有権は存在しない。しかし、その一方で、何となく気持ち悪いなと思う方がいらっしゃるという委員の指摘ももっともであると思っております。

 そういう中で、やはり今回の法律の仕組みは、今、特定認定事業者のフォールトみたいな御言及がございましたけれども、こういうことを限りなく起こらないようにするということと、先ほど御同僚の濱村委員の御議論の中で損害保険の話も出ました。こういうものでしっかりとカバーをしていく、そして、nというものはやはりできる限り多くなければ価値のある情報にはならない、こんなふうに整理をさせていただいております。

神山(洋)委員 今大臣から、情報には所有権は存在しないというお話がありました。

 ここで学術的な意味も含めた神学論争をするつもりはないのですが、私が病院に行って風邪だと言われたというこの情報は、では、誰のものでもない、ある意味では、誰がどう使ってもいいものであるという考え方ではないのだと思うわけです。それはプライバシーの観点も含めてです。

 そうすると、これは事前に事務方の方からはコントロール権であるとか利活用権という言葉で説明をされましたけれども、いずれにしてもプライバシーを多分に含んだ個人情報であり、かつ、もっと言えば、これは要配慮情報でもあるわけです。それをどういう考え方の中で整理をするか。所有権でないというのであれば、それは、では、どういう観点で、どういう権利であって、誰がその権利を行使することができ、誰はそこに逆に触れてはならないのだというこの整理は、きちっとされるべきだと私は思うんです。

 事前に話を伺っていると、話としてはあったようではありますが、そこがどうもやはり緩いような気がしてなりません。それを突っ込んでいけば、最後は民法の規定にたどり着くのですというお話はありましたし、それはそれでそうなのかなと思いますが、であるのだとすれば、それはきちんと、この制度を施行していく段階において、国民に対してきちっとこういう整理の中でやっていくんですということを説明して理解を得るということを怠ってはならないと私は思うんです。

 それは、逆から言えば、先ほどバランスの話をしましたけれども、そこを怠ると、何か裏があるんじゃないか、何かたくらんでいるんじゃないかという、ある意味ではあらぬ懸念であるとか、そういうものを、不信感みたいな変なものを増幅させて、ついてはこの制度が初めからうまくオペレーションとして回らなくなる、そういう可能性すら秘めていると思いますので、そういうところをあらかじめ塞いでおくべきだと私は思うんです。

 そういう意味で、所有権であってもコントロール権であってもいいんですけれども、きちんとそれは、この制度を運用していく段階において、広く国民向けに、皆さんの病院で診療されたデータはこういう形で流通していくことになるけれども、先ほど来あるように、効果がこんなにいっぱいあります、ありますと言ったってだめなんですよ。こういうリスクはあるけれども、こうやって塞いでいるんだ、こういう御懸念はあるだろうけれども、こういうことがないようにこういう配慮をしているんだ、こういう整理をしたんだということをむしろきちっと説明をしていかないと、この制度は回らないと思うんです。

 大臣、姿勢としてという意味ですが、そういう方向をぜひこれから強化をしていただきたいと思うんですが、どうですか。

石原国務大臣 今、民法に御言及されましたけれども、私も民法のところのこの神学論争をするつもりはないんですけれども、整理とすれば、所有権を今回の法律は意図したものではなくて、医療情報の利活用を責任を持って実施する主体を明確化するということを認識して、こういう制度を仕組んでいった。

 やはり目的は何かといえば、医療分野の研究開発を促進して、バイで利益は個人には返ってこないけれども、広い意味では多くの利益が国民に返ってくるという議論がなされました。そのとおりだと私は思いますので、医療情報の収集そして匿名加工を責任を持って行う主体として認定事業者を認定する仕組みを法制度化するというのが、そもそものこの法律の根幹である。

 こういう整理のもとに、今委員がおっしゃられたバランスですね、回らないことには非常に意味がないわけでありますので、そこには十分配慮して、この法体系の中で回るように、そしてnをしっかりと確保できていくようにしていくということが肝要ではないか、こんなふうに考えております。

神山(洋)委員 あえてやはりこの場だから申し上げなきゃいけないと思いますが、今大臣のお話を伺っても、ここまで法案の内容の説明を伺ったときも、私はずっと実はそれを感じていたんです。

 当然ですが、この仕組みは、どこからこういうプラン、やり方がいいねという話が出てきたかといえば、当然それは、例えば製薬会社であったり研究機関であったりというところからそういう発想は出てくるものであって、逆に、一患者というか一国民から、こういう制度をやってくれというオーダーがあるものではないので、必然的に利活用者側の視点から入っていくということになるのは、これはやむを得ないと思うんです。

 ただ、冒頭、繰り返し申し上げたように、このバランスがやはり崩れた瞬間に、この制度は成り立ちません。だからこそなんですが、ユーザーフレンドリーという言葉がありますけれども、ユーザーは確かに、この制度でいえば利活用者かもしれません。しかし、ユーザーというより国民フレンドリーの感覚を私は少し強目に持っておかないと、どこかで一回袋の穴があいてミスがあったときに、一気に爆発をするという形になりかねないと思いますので、利活用者偏重にならないようにということだけは、ぜひこの場で強くお願いをしておきたいと思います。

 その意味で、先ほど来申し上げているような誤解とか不信が増幅をしたりとかということのないようにということであり、また、国民の理解があってこそ成り立つ仕組みであるとすると、冒頭大臣にお伺いをしたオプトアウトの仕組みというところがすごく大事ではないかなというふうにも思います。

 ここまで、法案の修正も含めた形も含めて、いろいろな議論をさせていただいてまいりました。だとすると、ここで一つ確認をさせていただきたいのは、このオプトアウトの仕組み、手続、どういうものかという話です。

 いろいろな考え方があると思うんです。個人単位、例えば石原大臣が完全に、どこの病院に行ってもオプトアウトします、拒否しますということも、これは制度としてはあり得るでしょうし、診療単位ですよね、一番ミニマムでいえば。きょう風邪を引いたから病院に行った、この情報は勘弁してくれというやり方もあるでしょうし、一回風邪を引いて治るまで三回病院に行きました、それをワンセットで拒否するのか、しないのかという考え方もあろうかと思います。

 これは、どういう仕組みでオプトアウトの仕組みを構築されようとしていますか。

大島政府参考人 オプトアウトの手続につきましては、基本的には、認定事業者それから医療機関がどこまで対応できるかという部分もございますが、基本線は、法令で定めることとしております。

 具体的には、医療機関が認定事業者に医療情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、患者さんがその医療機関に初めて受診した際などにおいて、医療機関の側から、今回の趣旨、医療分野の研究開発に資するため匿名加工情報を作成する認定事業に医療情報を提供しますという旨、提供する医療情報の項目、提供方法、それから本人または遺族からの求めに応じて提供をとめる、停止するということ、その求めを受け付ける方法等につきまして、書面により本人に対して通知をするということにしております。実際には、受付窓口や待ち時間の間に文書を配るなどして通知することになると考えられます。

 この通知を受けた患者は、いつでも医療機関等に対して、認定事業者への医療情報の停止を求めることができるということになっておりまして、また、患者の死後におきましては、その遺族が同様の求めを行うことができます。

 また、この法案に規定する手続を経ずに認定事業者に対して医療情報を提供した医療機関に対しましては、是正命令の対象になります。この手続を経ていない医療情報は、認定事業者は取得してはならないということになっております。

 また、診療科ごとに個別にどう対応するかというのは、医療機関の手間の話になりまして、やることは可能でありますが、現実には手間の観点から、そういう扱いをする医療機関は少ないのではないかなと予想しております。

神山(洋)委員 だから、さっき私は大臣にそう申し上げたんですよ。

 ユーザーフレンドリーであろうとして利用者側に立てば立つほど、そこを、まあ言葉として適切でないと私は思いますけれども、簡素化、医療機関の手間がかからないようにという発想になるでしょう。それは、ビジネスベースから考えればそうですよ。だけれども、それをやればやるほど、患者であり一般国民ですよね、一個人は、そのオプトアウトを知る、もしくはその意思表明をする機会がどんどんどんどん減っていくことになるわけですよ。

 冒頭申し上げたように、これは明らかにバランスの話でありますから、どっち側かに一辺倒に立てばいいという話ではありませんけれども、やはり、今の話だけ聞いていると、利用者側の、利活用者側のユーザーフレンドリーに立ち過ぎているんじゃないですか。もう少しそこは一個人のところにきちっと配慮する、またはその機会をつくるという形であるべきだと私は思いますよ。

 そうでないと、先ほどまさに医療機関の手間という言葉を使われましたけれども、医療機関に手間をかけないことが一番大事なのかといったら、違うんじゃないですか。診療を受けた個々人の意思であり、プライバシーであり、そこが一定のレベルで守られるということが優先をされ、その上で医療機関の手間もできるだけかからないような形にし、それが認定事業者のところで匿名加工情報化されるという、この流れをつくらない限り、回らなくなりますよ。

 今この段階で私があえて申し上げたのは、さっき、最初の段階で確認をするということをおっしゃいましたけれども、頭一発で一回やったら、その人がその後何回も何回も病院に来たときにずっとその意思が存続されるということで果たしていいのか。場合によっては、仮に毎回毎回はできないんだとすれば、では一年に一回はやりましょうとか、いろいろな考え方があると思うんですよね。そこは、いみじくもさっきおっしゃった医療機関の手間という観点だけで考えることは厳に慎んでいただきたい、このことだけは強く申し上げておきます。そこに穴があいた瞬間にこの制度は回らなくなりますよ、信頼性がなくなりますから。

 大臣、今のお話を聞いて、どうですか。細かいことをここで伺おうとは思いませんが、医療機関であるとか認定事業者のビジネス上の効用ばかりを考えていれば、結果的に、最終的にそれは、個人の不信感であるとか、場合によっては、本当に何か間違いが起きたときにそれが増幅をして、何だこれはという形の運動論にもなってしまうかもしれないという意味において、ここはやはり極めて慎重にやるべきだと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

石原国務大臣 そもそも論なんですけれども、データの集積がない限りは匿名加工したデータというものも存在しないわけであります。そこのところはやはり、多くの方々に疑念を抱かれないように、そしてまた、この法案を読んでいただければ明確に書いております、本人の意思をしっかりと確認すると。

 最近、銀行なんかに行っても、病院なんかに行っても、ビデオが流れていて、こうこうこうであります、こうこうこうでありますというようなことを言っていますけれども、あれを全ての方が見ているとは思えないですね。ですから、やはり、委員の御指摘のとおり、本人の意思というものをしっかりと確認する、そうしない限り制度が成り立たないということは肝に銘じていく必要はあるんだと思います。

 その一方で、冒頭答弁させていただきましたように、私は、私の全ての情報は提供していいと考えております。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 まだ幾つかちょっと論点がありますので、残り十分ですが、議論させていただきたいと思います。

 今回の法案の前段となった取りまとめのペーパーがありましたが、そこで専門家の方々がいろいろな議論をしていただいて、ここに一つ結実をしているという流れがあったかと思います。

 その取りまとめの段階にはあったんですが、今回の法案には盛り込まれていない一つの要素として、支援機関という言葉が出てきました。何だろうなと思って、読んでみて、なるほどなとも思いましたけれども、例えば認定事業者が複数あって、認定事業者がそれぞれの観点から幾つかのデータを持っていて、支援機関は、その認定機関、複数の上に一つだけあり、支援機関が知っていることは、認定事業者がどんなデータを持っているかということをわかっていて、それをひもづけることによって、そこから、新たなデータから価値を抽出しようとした、そういう構想だという話を実は聞いております。

 なぜ今回、その内容はこの法案には盛り込まなかったのかというその一点を、まずは事実関係として確認をさせていただきたいと思います。

大島政府参考人 御指摘のように、この法案のもととなりましたワーキンググループの中の議論では、複数の認定事業者が保有する医療情報の突合を可能とするために支援機関を設けることが検討されました。

 他方で、この支援機関の機能がいたずらに肥大することのないよう、そのあり方については、可能な限り、認定事業者自身の取り組みを促した上で、認定事業者の規模あるいは支援機関による統合に対するニーズ、こういったことを踏まえて検討すべきだともされました。

 こうした中、今回の法案では、認定事業者相互の医療情報の提供を可能とすることにしておりまして、医療情報の突合は、認定事業者間相互において可能という形にしております。

 こういった仕組みがいいのか、それとも支援機関というものを上に一つ用意した方がいいのかといったことにつきましては、施行後の認定事業者の事業運営状況等も踏まえながら、将来的には検討してまいりたいと考えております。

神山(洋)委員 この支援機関を将来つくるのか、今おっしゃったように認定事業者間での突合を可能とするのかという、やり方はいろいろあるんだと思います。ただ、やはりそのときに一つひっかかるのは、前段、濱村委員の議論の中でもあった、まさに匿名加工情報の復元可能性の話なんですね。

 きょう、個人情報保護委員会に来ていただいていますけれども、ちょっと時間の関係で御答弁いただけないかもしれない。申しわけないです。

 要は、匿名加工情報は何かというところで、これはいただいたペーパーをお配りしているので、そこは上の方を見ていただければいいと思うんですけれども、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であるということと、大事なことは、当該個人情報を復元することができないようにしたものであるということ、ただし、まさに前段、濱村委員の話でありましたけれども、一般人をもって具体的な人物と情報の間に同一性を認めるに至ることができるか否かによって判断されるということでもあるわけです。

 IDの話がありました。突合するということは、必ずしもIDでなくても、これは複数要件をかければ不可能ではありませんが、しかし、その突合の正確性を期するためには、恐らくIDがないと、突合が一〇〇%正確だとは言えなくなるんだと思います。データの信憑性が落ちると思います。

 その意味でいうと、IDを振るということは、少なくとも認定事業者において匿名加工化をする際に、私、神山洋介はID〇〇一ですという形で振るわけです。ということは、認定事業者のテーブルには、〇〇一は神山洋介というテーブルが残るわけです。それが結局、利活用者に、別のところに行ったとしても、戻ってくればそこで、突合というより、同一化できるわけですね。

 これは整理が必要という意味で、先ほど冒頭に申し上げた、医療情報の所有権なのかコントロール権なのかという、ここもきちっと整理して説明すべきという話をしましたし、今後もそういう構想があるのであれば、この復元可能性というものについても、私はもう一度整理をした方がいいと思うんです。

 結論からいえば、一般人をもってというところが一つキーなんでしょうけれども、一般人とはどのレベルなのだという話です。私は、恐らく、ハードディスクからその情報をもう一回復元させる技術は持っていませんけれども、でも、間に一人介せば、その技術を持っている人に頼むことは容易にできるという意味であれば、果たして一般人というのはどのレベルなのかということも含めて、少しここは整理をしていただきたいなというふうに思っております。

 ちょっと時間もないので、ここは答弁はいただかないで、済みません。

 今の観点を申し上げたのは、これは最後、非常に私は大事だと思っているんですが、大臣はまさにさっき、どうぞ、オプトアウトしませんという話だったわけですけれども、私が、例えば他国の情報機関の人間であったら、大臣の健康情報を欲しいと思うんですよ。安倍総理も含めてですね。国家のいろいろな枢要なポジションにいる方の健康情報というものは、ナショナルセキュリティーにおいても非常に大事な情報だと私は思うんです。

 そう考えると、今までの観点とは少し違いますが、そこの意味でのセキュリティーが大事だと思っています。

 ここまでの議論の中で、システム的なファイアウオールをつくるであるとか、幾つもの多重防御を施すという話はありましたけれども、もう一個大事な点は、私は、そこのヒューマンエラーというかヒューマンリスクを防ぐ観点じゃないかなというふうに思っています。保秘、秘密保護、要は秘密を漏らしちゃいけませんよということを従業員に言う、そんなのは当たり前の話でありますが、意図を持ってそこに入ってくる人間には、そんなものは意味をなさないわけですね。

 その意味で、私は、ストレートに言えば、クレディビリティーチェックというのをちゃんとやらなきゃいけないと思っています。これは前段、党の方で質問してお話を受けたときには、随分すぱっとだったんですが、クレディビリティーチェックもちゃんとやるんですというお話を聞いて、それはいいかなと思いました。

 問題は、やる内容だと思っています。どこまでやるかというところは非常にレベル感があると思いますが、これはかなり高いレベルでやっていいと思うんです。場合によっては、そこに、生データが医療機関から認定事業者に集まってきて、そこには安倍晋三さんの健康データが入っちゃっている可能性が、可能性ですよ、あるわけです。そこを目的に、どう意図を、悪意を持ってアクセスしてくるかわからない。いろいろなアクセスの仕方はあり得るでしょう。そこを防ぐときには、システム的な多重防御だけではやはり足りなくて、ヒューマンリスクを回避するような一定のクレディビリティーチェックを、これはかけなきゃいけないと思うんです。

 それは、ある意味では、この制度の問題とか、国民がこの制度をどう思うかではなくて、もう国家の安全保障的な意味も含めて、ちゃんとそこは相当な強い思いを持ってやらなきゃいけないと思うんですが、大臣、そこは後押しをしていただけませんか。ちゃんとやるというふうに言っていただければと思うんですが。

石原国務大臣 国の為政者の健康問題がその後の国際情勢、さらにはその国のマネジメントに影響を及ぼしたという例は過去にはあったと思います。第二次世界大戦時のルーズベルト大統領、アメリカ大統領の健康状態について、当時のスターリン、ソビエトが情報を把握していたという話はよく書物で拝見するんですけれども、やはり、今、ITの時代になりまして、匿名加工をするそのクオリティーというものも一方で上がっております。

 しかし、それをどう加工するかというのはヒューマン、すなわちクレディビリティーを持った人間が、信頼性を持った人間がどれだけそこに関与するのか、また、逆のことを言うならば、信頼に足らざる人間をどう排除していくのかということだと思います。

 ここは、法律的には厳正に罰則があるからという、そういう言葉で落ちておりますけれども、ここの部分は、きょうは委員会の審議でございます。この審議というものは、立法者であります、これは閣法でございますけれども、その中でこういう議論があったということはしっかりと残るわけでございますので、委員とのこの議論を基本に置いて、行政の側に、制度設計また認定事業者を決めるとき、こういう懸念にしっかりと応えられるような体制をつくっていくことは言うまでもなく大切なことではないかと認識しております。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 ぜひ、そこは大事な部分だと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 冒頭来申し上げてきたことは私は一つでありまして、こういう取り組みをやることによって、広く国民にマクロな意味でのプラスの効果、これは経済のマクロも含めてですし、個々人の健康についてもそうですが、を及ぼしていくということはすごく大事なことであると思います。

 であるがゆえに、制度そのものに対してあらぬ不信感とかあらぬ誤解とか、そういうようなものを呼び起こすような要素をできるだけ慎重に取り払っていくという真摯な態度が私は大事だと思っております。

 きょうの大臣の御答弁もそれを補足していただくような部分も多々あったかと思いますので、ぜひそれは施行に向けてきちんとやっていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

秋元委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。

 ふだんは厚生労働委員会に所属をしているんですが、きょうは医療ビッグデータ法案の審議ということで、厚生労働関係にも非常にかかわりがあるということで、こちらで質問をさせていただく機会をいただきました。まず、ありがとうございます。

 それでは質問に入らせていただきますが、今、神山議員からもかなり何度もお話がありましたが、やはり制度の信頼性をきちんと保っていくということが非常に求められているんだと思います。

 誰もが、医療機関に蓄積された多くのデータを新薬の創薬だとか治療効果の分析、また新たな治療の方法をつくっていくことに活用していくということに異議はないというふうに思うんですよ。ただ、それと比較して、ではプライバシーの問題や、その情報が漏えいをするのかしないのか、した場合にどうなるのか、そういう心配にどれだけ配慮がされるのかという、この両立をしていくということが非常に重要なんだと思います。そういう意味では、やはり、認定機関のあり方や認定機関にかかわる人がどういう人なのかということは、非常に重要なんだというふうに思うんですね。

 先ほども神山委員からも指摘がありましたが、やはり、この制度を導入するに当たって、なぜ導入しようということになったのかというと、一般の国民、普通の国民が、我々の情報を使ってもっといい治療方法をつくってほしい、いい薬をつくってほしいと望んだということではないですよね。むしろ、つくる側の製薬会社や治療方法を考えている研究者の側からの要望に応えるような形でこの制度設計というのはされているわけでありまして、ですから、どうしても利活用をしたい側の視点に立たざるを得ないというか、立ってしまいがちになるわけで、それに対して、やはり我々、国民の代表である国会は、国民の利益を最大限に考えてこのバランスをしっかりとっていくということが求められていくのだというふうに思います。

 この国会で、厚生労働委員会所管で臨床研究法案という法律が審議をされて、成立いたしました。御存じのとおり、高血圧のディオバンの臨床研究でデータの不正操作というものがあって、この法案が作成をされることになったわけであります。

 つまり、認定機関がいろいろな情報を集約して、匿名加工して集め、それを分析したりしていくときに、データのこういう不正な加工のようなことが仮に起こってしまったら、これはもう制度の信頼性は失墜してしまうわけですよね。

 また、きのう、御存じの方もいると思いますが、バイエルという会社の社員が無断で二百人のカルテを閲覧していたという事実が明らかになりました。厚生労働大臣も記者の前で、大変遺憾だというようなことを言っております。

 こういうように、製薬会社、薬をつくっている側からすれば、個人情報、患者さんの情報というのは非常に喉から手が出るぐらいに欲しい情報なんですよね。そういうものであるということを考えて、認定機関のあり方というのはまず考えていかなければいけないと思うんです。

 まず最初にお伺いいたしますが、認定匿名加工医療情報製作事業者、認定機関ですね、ここになるのに、製薬会社などが例えば出資をして別の一般社団法人をつくって認定を受けるということは、この法律では可能なんでしょうか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 情報の利活用者が出資をした団体も、法律上認定対象から除外はされませんが、認定事業者においてデータの不正な利活用は当然許されるものではありません。

 このため、この法案におきましては、第十七条第一項におきまして、認定事業者は、認定事業の目的の達成に必要な範囲を超えて医療情報を取り扱えないとするとともに、第二十二条におきまして、認定事業者の従業者等は、医療情報等を不当な目的に使用してはならないとしています。その実効性を、第三十七条の主務大臣による是正命令や第四十六条の罰則により担保することとしております。

初鹿委員 製薬会社等が出資をしている団体だからといって、直ちに不正があるというふうには申し上げませんが、やはり、国民の側からすると非常に疑義が生じる可能性があるので、私は、できれば、ある程度の制約はする必要があるのではないかというふうに指摘をさせていただきます。

 では次に、今度は、この認定業者の役員とか、実際に匿名加工や集計や分析をする、作業に当たるような職員が、過去に情報利活用をする製薬会社の社員であったとか、また、製薬会社から報酬を受けて特定の薬の研究をしていたとか、そういう利害関係にあったことがあるような場合に、匿名加工、集計したり分析したりする、そういう職につくことは可能なんでしょうか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 認定事業者の役員や従業員の欠格事由としましては、法律上、情報利活用者との利益相反の関係にある者は除外されておりませんが、先ほども触れましたが、目的外の情報の使用や不当な利用は認められないことでありまして、是正命令や罰則の対象となっているところでございます。

初鹿委員 利益相反にある場合でも除外していないというのは、私はちょっと、やはり問題ではないかなと思うんです。

 また、目的外のデータの使用とかについて罰則の規定があるということですが、データというのは、どういうふうに切り出すかによって全然見え方が変わってくるわけですよね。その提供の仕方に、利益相反があるような方がいる場合、利活用者にとって有利になるような、利活用者がこういうような結果を導き出せるデータが欲しいというようなデータに切り取って提供することだって可能なわけですから、私は、職員に対して、こういう利益相反があるような人は対象になれないような制約というのはやはり設ける必要があるんじゃないかというふうに思いますので、具体的な中身は政令や省令で落とし込んでいくということになると思いますので、ぜひそこで、ある程度歯どめがかけられるようにしていただきたいと思います。

 やはり、この辺が揺らいでしまうと、国民から疑問を呈されるようなことになってしまうと、制度全体の信頼性が損なわれると思いますので、ここは徹底していただきたいと思います。

 今回の法律だと、認定事業者が委託をすることができるようになっておりますよね。認定医療情報等取扱受託事業者、長ったらしいですけれども、という事業者は、委託を受けて匿名加工ができるということです。つまりは、医療機関などから入手をした生の情報が、認定事業者からさらに委託をした先に行くわけですよね、匿名加工される前に。私は、できるだけ生の情報というのは、いろいろな人、かかわる人が多くならない方がいいと思うんですよ。でも、それが今回の法律はできるようになっている。

 まずお伺いしますけれども、受託事業者についても、今まで言ったとおり、製薬会社等の情報利活用者と利益相反にあるような方でも、そこで従事をすることは可能なんですよね。

大島政府参考人 委託事業者のお尋ねでございますが、先ほど来と同じ構造になっておりまして、匿名加工の作業を行う認定事業者の従業員の欠格事由として利益相反の規定がないことと同様に、委託事業についても同様でございます。

初鹿委員 先ほども言いましたけれども、やはり、かかわる人の数が多くなればなるほど情報漏えいのリスクというのは高まると思うんですよ。先ほども神山議員から指摘がありましたけれども、どんなに万全なセキュリティーをとったとしても、内部に、悪意を持って情報を外部に持ち出そうという人がいる場合、なかなかこれは防げないですよ。やはり、そのリスクをどれだけ回避するかということを十分に考えなければいけない。その上で、やはり働く人がどういう人かということは非常に重要だというふうに思います。

 そこで、一つ提案ですけれども、情報漏えいの事件というとすぐに多分皆さんが思い浮かべるのは、ベネッセの情報漏えいの事件が思い浮かぶと思います、最近あったことでありますので。このベネッセの情報漏えいをした犯人の方は、借金があって、その借金を返済するために情報を売っていたということなんですね。その借金はどうしてできたか御存じですか、政務官。

武村大臣政務官 存じておりません。

初鹿委員 借金もいろいろな借金があるんですよ。住宅ローンが返せなくなったとか事業で失敗したとかいろいろあるんですが、この方は主にギャンブルなんですよね、ギャンブルなんですよ。内閣府は今、IRを進めると言っていて、ギャンブル依存症対策をやらなければいけない、そういうふうに言っていますよね。(発言する者あり)これは、でも笑い事じゃなくて、企業の横領事件だとかそういう経済事案の中で、その裏にギャンブル依存症、依存症かどうかはわかりませんが、ギャンブルによる借金を穴埋めするために起こっていることというのは物すごい数があるわけですよ。つまり、そういう人は情報漏えいをするリスクが普通の人よりも高いと言えると思います。

 ですので、少なくとも、認定機関で働く人についてはギャンブル依存症かどうかのスクリーニングテストを必ず受けさせる、これを必須にする必要があると思います。それと、やはり、管理をする役員なり労務管理をするような方に、ギャンブル依存症というのはどういうものなのか、そういう研修をしっかり受けて知識を持っておく必要があると思うんですよ。

 最近この社員は何か行動がおかしいなと思ったときに、早く気づけばそういうことまで行かないでとめられるかもしれないわけですから、まず、労務管理をするような人たちがきちんとした知識を持っている、そして、働く人も自分がそういうリスクがあるかどうかということを知っているということは私は非常に重要だと思うので、これは本当に笑い事じゃなくて、認定機関またこの委託を受け入れる取扱受託事業者ですか、このどちらもスクリーニングテストやギャンブル依存症に対する知識をきちんと持つような研修を義務づける必要があると思いますが、いかがですか。

石原国務大臣 やはり、大きな事件の裏にギャンブル依存というのは、一部上場企業の会社の社長の横領事件にもありました。そういうことは、これからビッグデータを扱う、信頼性の話がずっと御議論されてきておりますので、これからそういう指導というものを行政の側でそういう認定事業者に対して、また、秘密の漏えいの速度というものを考え合わせたときに、複数の機関を経れば情報の伝達が多くなりますので、委員の御指摘のとおりということもございますので、その委託業者まで含めて、やはりそういう厳しい、人員の採用に当たってのクオリティーの確保というものが求められるということは、私もそのとおりであると認識をしております。

初鹿委員 これはぜひ本当に、これから政令、省令でどういう要件をつくっていくのかということを検討すると思いますが、入れていただきたいと思います。

 これは別に認定事業者にかかわらず一般の会社もそうなんですけれども、企業のリスクを考えたときに、きちんとみんながギャンブル依存症に対する理解というのを持っておくということは企業防衛になると思うんですよ。

 やはり、今大臣言いましたけれども、大手企業で、某製薬会社で、カジノにお金を使って横領をしていたという事件がありましたよね。経営者ですよね、経営者。そういう方でもそういう事件を起こしてしまうのがギャンブル依存症ですので、私は、この認定機関でこれを入れることから、全ての日本の法人にこういう意識を持たせていくきっかけをつくってもらいたいというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 では次に、先ほど神山議員からも指摘がありました本人の意思の確認の仕方について、若干私が疑問というか心配に思うところを指摘させていただきます。

 先ほどのお話ですと、初めて受診をするときに確認をするということと、あと、余り煩雑にすると医療機関の手間がかかってしまうという答弁がありましたが、それで済ませて本当にいいのかというのは私は非常に疑問だと思います。

 それと、本人の意思はずっと永遠に同じじゃないと思うんですよね。変わることもあるんです。変わるきっかけもあったりするんですよ。

 例えば、医療機関に初診で行きます、体のぐあいが悪いということで。検査を何度も何度もやっても、その原因がわかりません。最初に、初診のときに情報を提供しますということを聞かれました。そのときはそれほど深く考えずに、いいですよという答えをしていました。一年ぐらいいろいろな検査をやったら、希少難病にかかっているということがわかりました。しかも遺伝性の病である。それを知ったときに、本人がその情報をやはり人に知られたくない、そういう意識になることはあると思うんですよね。そのときに確認をする機会がなかったためにそのままになって情報が提供され続ける、これはまさに患者の側からすれば不利益ですよね。この法案の仕立てだと、後から申し出があれば停止をすることはできるということになっておりますよね。いいんですよね、停止で。

 ところが、過去提供してしまった情報を、ではこれを引き戻すというか消去をするとか、そういうことができるようになっているのかどうかがこの法文だと読み取れないんですけれども、過去に提供してしまったデータを取り戻すというんでしょうかね、消去をするというんでしょうか、それはできるんでしょうか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 本法案では、患者が認定事業者に対する医療情報の提供の停止を求めることはいつでも可能でありますが、医療機関等から認定事業者に対して既に提供された医療情報の削除を求めることは規定しておりません。

 なお、認定事業者が本人の希望に応じて任意にこうした削除等の対応を行うことは可能だというふうに考えています。

初鹿委員 何か善意みたいな話ですよね。恐らく、患者さんは認定事業者に直接言うことにはならないと思いますよね、受診をしている医療機関に言うんですよ。そうすると、医療機関は板挟みになって非常に面倒くさいことになるんじゃないかと思います。

 こういう例えば遺伝の情報なんというのは、恐らく生命保険会社は物すごく欲しい情報じゃないかと思うんですよ。そういう情報がやはりどこかに残っている、患者さん本人はすごく嫌だと思いますよ。例えば、子供さんがそういう難病だというのがわかりました、兄弟がいる場合、将来その子供、兄弟の方の結婚にも影響があるんじゃないかとか、非常に不安になると思います。その情報がどこかに行っていて、しかも、先ほど言ったように、いろいろな方が介在をするようになって生データは渡っているわけですから、これはやはり私は消去できるようにする必要があると思います。

 消去ができるようにするのと同時に、特定の何らかの疾患で、その情報が知られたくないようなものの場合は、再度意思確認をする機会というのを徹底する必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

大島政府参考人 今後、基本方針あるいは認定基準を定めてまいりますが、きょう議員の御指摘も踏まえ、どうすべきか考えてまいりたいと考えます。

初鹿委員 何か随分生煮えのまま、この法案を出しているなという感じがしますよね。

 これは、本人だけじゃなくて遺族も同様なんですか。遺族も停止をしたりすることは求められるんですか。

大島政府参考人 遺族からの停止の求めの件でございますが、遺族も提供の停止を求めることができるとしております。

初鹿委員 遺族の場合、遠方に暮らしていたりすると、具体的な病名まで知らずに亡くなったりした場合に、亡くなってから知ることの方が多いと思いますよ。そのときに、遺族の側で、そういう情報は提供してもらったら困るし、今まで提供していたものもやはり消去してもらいたいという意向が出てきて、医療機関に求めていくことは、今後、多く生じるような気がするんですね。それを考えると、医療機関の負担は非常に過大になると思いますので、やはり何らかの一定のルールを決めておく必要が私はあると思います。

 このデータのやりとりは、専用回線をつくってやるということですよね。これは費用負担は誰がするんですか、医療機関がするんですか。

藤本政府参考人 専用回線の御質問でございますけれども、医療機関から認定事業者に情報を提供する際には専用回線を使用するということにしております。

 この費用負担に関しましては、情報提供を受ける認定事業者と情報提供を行う医療機関等の間で取り決めることになりますけれども、認定事業者への情報提供に伴い医療機関などに発生するコストにつきましては、認定事業者が当該コストの支払いを行うことは考えられると考えております。

初鹿委員 認定事業者がコストとして支払うことは可能だと。可能だというよりも、そうじゃないと医療機関側には何のメリットもないわけで、なかなか協力する機関が出てこないんじゃないかと思うんですよね。

 専用回線を入れるだけではなくて、やはり、作業をするということを考えてもこれは手間がかかるわけで、その作業コストについてはどちらが負担するんですか。

大島政府参考人 作業コスト、あるいはシステムの整備、あるいはセキュリティーの改善、こういったことも、今の回線と同様に、認定事業者がこうした費用負担をすることは考えられると今考えております。

初鹿委員 考えられるじゃなくて、認定事業者側が負担をすると明確にしないと、やはり、協力する医療機関は協力するメリットというのは何なのかな、時間も手間もかかるわけですから、と思いますよ。違いますか。

大島政府参考人 今回の認定事業者に対する提供に伴いかかります費用につきましては、認定事業者が負担することが基本と考えます。

初鹿委員 基本なわけですね。では、どこまでそれはコストと見るかということになってくると思います。そこはしっかりと、医療機関や情報提供者側に過度な負担にならないようなルールにしてもらいたいというふうに思います。

 認定事業者がその分のコストを支払うことになるということですよね。セキュリティーなんかにもかかわってくるようなコストになると、それなりの金額になってくると思います。

 では、認定事業者が収入として得るのは、情報利活用者に情報を出すのに対価としてもらうということだと思うんですね。法文の説明資料によると、認定事業者は過度な利潤を生じさせないこととなっているということなんですが、過度な利潤というのは具体的にどういう水準なんですか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 認定事業者の事業運営に要する経費は、基本的に、匿名加工医療情報の利活用者が負担することとなります。そのため、利活用者が負担する利用料の総額は、認定事業者が継続的な事業運営を確保できるように、情報の収集、加工、提供に要するコストを基本に、適度のマージンを上乗せしたものとなります。

 個々の利用料の設定は認定事業者の裁量によりますが、全体としての収支につきまして、認定申請時に事業計画の提出を求めるとともに、認定後も適宜に報告を求めて確認することとなります。

 こうした利用料の考え方につきましては、基本方針や認定基準の策定に際して示していく予定でございます。

初鹿委員 これはきちんとしないと、いろいろ混乱すると思いますよ。

 製薬会社がお金を払ってデータを活用するわけですよ。この金額が幾らになっているかによって、それによってつくられた薬の金額が変わってくるわけですよ。これは非常に重要なところなんですよ。

 では、認定事業者が幾らで情報を出すか。それは、認定事業者が幾らのマージンを取るかにかかってくるわけですよね。そのマージンを取るに当たっては、一体固定費が幾らになるかにかかってくるわけですよ。

 これは情報を扱うから、情報を扱うような仕事をする人は、やはり非常に高い報酬を与えるということになりかねないわけですよね。先ほどギャンブル依存症の話もしましたが、低賃金の重労働で、なかなか生活が苦しいみたいな働き方をしていたら、それは情報漏えいのリスクが高くなるわけだから。

 ただ、では、一定の所得水準、年収、報酬の水準というのはどう決めるのか、非常に難しいですよ。でも、そこが幾らになるかによって、利活用者に幾らで情報を出すかということもかかわってくるわけですから。民間事業ですから、こういう方針にしなさいということはなかなか言いづらいのかもしれませんが、私は、ここはきちんとしたルールづけをしておかないと、後々、疑問、疑念をもたらすことになると思いますので、よろしくお願いいたします。

 ちょっと先ほどの医療機関の方の問題になりますけれども、医療機関というのはメリットがないじゃないですか、そう考えると。全体として国民の医療や福祉に資するというメリットはあるかもしれないけれども、個々の医療機関で見たら、手間がかかるだけで、それほどメリットがないわけです。

 では、医療機関が協力に参加をしやすくなるように診療報酬で情報提供をすることになったら、幾らか診療報酬で点数をつけて収入になるようにするというような考えを持っているんでしょうか。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 診療報酬は、御案内のとおり、疾病の治療など、療養の給付に要する費用として支払われるものでございますので、第三者に対するデータ提供など、患者の治療と直接関係しないサービスを評価することにつきましては、慎重な検討が必要と考えております。

初鹿委員 慎重な検討じゃなくて、私は、絶対にこれはやるべきじゃないと思いますよ。

 大きな目で見れば、新しい治療法ができたりということで患者のメリットになる、だから診療報酬で見てもいいんだなんという議論になりかねないんですけれども、やはりこれは、結果として、製薬会社や情報を利活用する人に対してのメリットの方が圧倒的に多いわけですから、被保険者が負担をしている保険料を使うということは絶対にやめていただきたいと思いますので、そこは忠告をさせていただきます。

 では、ちょっと時間がなくなってきたので、最後に、今度は学校の問題に入ります。

 公立学校が集団健診をしている、その健診の情報も今回活用をするということになっていくんだと思います。恐らく、情報を利活用したい人たちは、非常に喉から本当に手が出るほど欲しい情報なんだというふうに思うんですね。では、この情報の提供をする学校側ですね、公立学校で限って聞いていきますが、これは教育委員会が責任の主体になるんでしょうか、それとも学校になるんでしょうか。

 認定事業者が話を持っていくときに、個々の学校に行くとは思えないんですよ。教育委員会に話をして、そこの自治体の首長さんが、これはいい話だ、協力しようみたいな意識になって、協力を決めたということになって、教育委員会から学校に落としていったときに、苦労するのは学校なんですよ。学校に拒めるかといったら、拒めないと思うんですよね。

 だから、この責任がどこにあるのかということははっきりしておいた方がいいし、教育委員会と認定事業者のかかわり方をどうするのかということも、きちんとしたルールはつくっておいた方がいいと思います。

 まず、文科省、来ていますよね。文科省に伺いますが、情報提供をする責任は個々の学校にあるんでしょうか、それとも教育委員会にあるんでしょうか。どちらになりますか。

瀧本政府参考人 公立学校におきます児童生徒の健康に関する情報については、教育委員会が責任を持って取り扱うべきものと認識しております。

 なお、本法案に基づく情報提供のあり方につきましては、児童生徒の健康診断票が学校ごとに作成、保存されなければならないとされていることも踏まえまして、学校の設置者たる教育委員会において適切に判断されるものと考えております。

初鹿委員 何だか、どっちだかよくわからないような説明なんですけれども、結局、現場で作業をするのは学校の先生たちになるわけですよ、恐らく養護の先生とかで。

 紙でとってあるところが多いから、では情報を利活用しようといったら、データに入力するような作業が突然現場に押しつけられたりということになるわけですから、その辺のルール化をきちんとやる必要があると思うので、最後、内閣府、きちんとやるということを答弁してください。

藤本政府参考人 医療情報取扱事業者であります市あるいは教育委員会が協力することを決めた場合でございましても、認定事業者が医療情報を取得しようとする際には、実際に健診結果を保有する学校現場の理解を得ることは非常に重要だというふうに考えております。そのように運用してまいりたいと思います。

初鹿委員 時間になったので、これで終わります。

秋元委員長 次に、北神圭朗君。

北神委員 皆さん、こんにちは。民進党の北神圭朗です。

 きょうは私、本委員会所属ではないんですけれども、党内でこの法案の担当ということで質問させていただいたことに、委員長を初め理事会の皆さんに御礼を申し上げたいと思います。

 それで、今回の法案は、非常に私は野心的な法案だというふうに思っていまして、それはいい意味で、研究開発というのは非常に大事で、今、日本の経済を考えると、もう毎年需要喚起政策ばかりやっていて、成長率がどんどん下がってきている。そういう意味では、こういう研究開発をどんどん推進して潜在成長率を上げるということは非常に重要だというふうに思います。

 野心的というのは、今まで研究開発といえば、税金をまけたり、割と小手先というか、既存の制度に乗っかったような優遇政策によってやってきたんですが、これは一つの世界をつくるということで非常に野心的であって、その分、非常に詰めないといけないところもあるし、実験的なところもありますから、そこを非常に慎重にかつ大胆に、矛盾するようですけれども、やっていかないといけないというふうに思っております。そういう意味では、ひとまず敬意を表したいというふうに思います。

 これは、全てビッグデータ関連の事柄はそうなんですが、個人の権利利益の保護、それから情報公開をすればするほどそれが研究開発に資するという、これが、どっちかを重視しちゃうとどっちかが余りうまくいかないという側面もあるというふうに思いますが、特に日本の場合は、グリーンカードとか、非常にプライバシーに対しては、多分ほかの国に比べて国民が敏感であるということで、やはり、まずその個人の権利利益の保護というものをどこまで確保できるかということが非常に重要な論点だというふうに思っています。

 そこで質問なんですが、さまざま、これも理事会の皆さんで努力をいただいて、与野党の皆さんが頑張って修正協議をしてきていただいているというふうに思いますけれども、いろいろな方面で権利保護というのは確保しようとされていると思いますが、私は、やはり大事なのは、匿名加工化技術というもの、これも最近出てきた新しい分野であるし、いわゆる認定事業者の中の情報管理を含めた安全管理技術、これは、ここの部分が、要するに、匿名性が高ければ高いほど、暗号というものが解読されにくければされにくいほど、安全というものが確保できるという意味で非常に重要だというふうに思っています。

 そういう意味で、匿名加工化技術、それから、認定事業者の中の安全管理技術、私も余りよくわかっていないんですけれども、暗号化技術に非常にかかわってくるものでありまして、ここが今、日進月歩の進展を見ている分野で、私もわからないし、よほど専門性の高い者しかなかなかわからないということでありますが、しかし、いわゆる匿名加工化を専門とする事業者を国としてお墨つきを与えないといけないということですので、国の方も、認定するからには、やはりこれをある程度理解していないといけないということです。

 そういう意味で、最初の質問は、匿名加工化技術それから安全管理技術について、認定を受けるところの事業者にどのような技術を要求するのか、お聞きしたいと思います。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 御指摘をいただきました安全管理技術それから匿名加工技術、これは、認定事業者の仕事の核となる部分だというふうに考えております。

 安全管理に関しましては、セキュリティーをきちっと設けていくことで、先ほど来御説明をさせていただきましたように、まず基幹システムはネットワークから分離をする、それから専用回線を利用する、データベースに関しましては暗号化をしておくということ。それから、人的な要素というのは非常に重要になりますので、人的な要素を徹底的に排除する上で、その人たちが、例えば作業を一人でしない、セキュリティーのカメラを設けておく、それから、ログをきちっととっておいて、予定されない作業に関してはすぐに遮断をする、こういうものは安全管理技術として要求されるというふうに考えております。

 その上で、匿名加工技術に関しましては、個人情報保護委員会が定めます基準、これをもちろんベースに置くことはもっともでございますけれども、医療分野における研究に必要な有用性とそれから匿名加工されるデータセット、これの再識別の低減という、しないということに関して、非常に重要なバランスがありますので、認定事業者がその分野の専門機関として機能していくことは非常に重要だというふうに考えております。

 その上で、日本の医療情報学会の会員数は、今、二〇一六年十一月二十一日時点で三千七百七十七名でございます。こうした先生方が、このような医療分野のビッグデータを集めて、匿名加工をして安全に利活用していくことについての研究についても非常に強い御関心を持たれております。医療情報学会の大会でも、そのようなセッションが設けられるというふうに聞いておりますので、そういう先生方のお力をおかりして、認定事業者がきちっとした仕事ができるようにしてまいりたいというふうに考えております。

北神委員 特に暗号化技術に特化したいんですが、まず匿名加工化技術について、ちょっとお聞きしたいんです。

 個人情報保護委員会の話も、私もちょっと勉強させてもらいましたけれども、これは単に名前を削るとか、例えば三十五歳を三十代にするとか丸めて、できるだけ匿名化していくという話なんですが、世の中一般で、世の中というか専門家の間でいう匿名化技術というのは、ただ消すだけじゃなくて、普通、符号とか記号に置きかえると。問題は、それが余りにも稚拙な技術であれば、割とすぐ解読できたり、あるいは、ほかのデータベースと照合して類推によって識別化できるというところが問題で、先ほどお医者さんの先生方が研究されているとおっしゃっているんですが、実際、もう既に、私もわからないんですけれども、準同型暗号とか差動型暗号化とか、そういういろいろな技術があって、細かい話のようですけれども、多分、匿名加工化事業者を認定する際に、もう余り古いような暗号化技術を使っているようなところを認定するわけにはいかないと思うんですね。

 ところが、それを役所の方でわかっていなかったら、何となく難しい言葉だし、何かこれはいけそうやなと思ってお墨つきをしちゃうと、これは問題なので、そこをもっと具体的な、次の質問に移りますけれども、認定基準のところに、今最先端のそういう暗号化技術というものを、ちゃんとそういう能力があるのかどうかというものを、私は入れないといけないと思うんですけれども、そこはいかがですか。

藤本政府参考人 匿名加工技術には、先生おっしゃるように日進月歩で、特にビッグデータの時代になりまして、そういうデータの匿名加工のあり方について、いろいろな技術が開発されつつあります。

 医療におきましても、その研究上の有用性と、それから匿名加工の程度というバランスが非常に重要であります。これは例えば、一般化ですとか、例えば診療を受けた日付、これがデータに含まれていますと、その日にその医療機関に行った人というデータがほかにあると特定できる可能性はありますけれども、例えば、その日を少し、月に一般化していく、それから、何日かにわたって来たときには、それを診療に当たった期間に置きかえていくとか、いろいろなそういう技術がございます。

 そういうものを、さらに全体的に、本当に匿名加工が十分にできているかどうかということをアセスするような、そういう技術的な手法が出てきております。これはコンピューターの能力の進歩の高まりによって、いろいろな計算ができるようになってきておりますので、そういうものを、日々最先端を取り入れるような仕組みを、この制度の運用において取り入れていきたいというふうに考えております。

北神委員 今おっしゃったのは、コンピューターによって、これは匿名加工化技術として万全なものであるということが確認できる、そういう話ですね。そういうことも役所も活用して、認定の際に使ってもらえるということですね。

 私も詳しくないので、そうですかとしか言いようがないんですけれども、ここは非常に肝の部分だというふうに思っております。それは匿名加工化技術のみならず安全管理技術においても、この記号化の話というのは非常に大事なので、ぜひそこを、これからも勉強していただきたいというふうに思います。

 例えば、単純に、ちょっとだけ例を申し上げますと、私も聞きかじりなんですが、静的匿名化と動的匿名化というのがあって、静的匿名化というのは、例えば北神圭朗だったら、WXY〇〇五一に置きかえる、それをずっと未来永劫その記号でいく。動的匿名化というのは、まず北神にはWXY、圭朗にはRSO二二五とか、名字と名前で別にして、しかも一週間ごとにこれがまた変わっていくとか、こういう手法が民間の方ではもう相当発達しているということですので、こういうことを役所の方も、まあ私がわからないから勝手に皆さんわかっていないというふうに思っているのかもしれないですけれども、多分、普通、役所で仕事をしているとゼネラリストになりがちですので、こういう分野にはなかなか、当たり前ですけれどもわからないという意味で、頑張っていただきたいというふうに思いますし、コンピューターでちゃんと保障するということも、その認定基準の中に政省令で書き込むべきだと私は思うんですけれども、その辺はお考え、どうでしょうか。

藤本政府参考人 先生御指摘の基準に関しましては、そのデータの利活用をどのような研究に使うかということと、もともとのデータ、この間をどういうふうにつなぐかということでございますので、先生御指摘の技術も含めて、認定基準の中で必要な方向性は定めるようにしてまいりたいというふうに考えております。

北神委員 よろしくお願いします。

 あと、今申し上げていたような話の中のこういう技術というものは、内閣府、認定される内閣府だと思いますけれども、専門家というのは何人ぐらいおられるんですか、こういう情報加工技術に通じているような専門家というのは。

藤本政府参考人 申しわけございません。今、正確な数字が手元にございませんけれども、IT戦略室ですとか、厚生労働省の中にもそういう専門はいますし、我々自身も、次世代医療ICT協議会の中に専用のワーキンググループを設けて、日々、そういう最先端の研究をしている先生方と議論をしながら業務をしてまいっておりますし、今後もそういうことをしていきたいというふうに考えております。

北神委員 そこはどんどん勉強していただきたいと思いますけれども、政府の中にCIOとかいるらしいですね、私もよくわかっていないんですけれども、そういうITに通じている人たち。

 私もざっと名前を見ると、肩書の立派な方はおられるんですが、やはり技術に通じている人というのは多分若い民間の人で、例えば任期つき採用とか、そういった手法でこういった人たちも役所の中に取り入れて、この法案だけだったらそこまで大げさにする必要はないと思いますけれども、これは石原大臣にもちょっとお聞きしたいんです。

 多分、大臣もそういうお考えであると思いますが、医療情報だけじゃなくて、やはりこれから人工知能、ディープラーニングとか、そういった意味で、データ処理というのは極めて重要な世界になってくると思いますし、この前、国会で通った官民データ関係の法律もありますし、そういった意味で、ぜひこういう情報通信に通じた若い人材を、任期つきなのかどういう形か、そこは問いませんけれども、やはりこういう人をどんどんふやすべきだと思いますし、我々野党もそういったところはやはり応援すべきだというふうに思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。

石原国務大臣 北神委員の御指摘は、本当に今政府委員とのやりとりを聞いていてごもっともだなと。実際に認定する側に知識がなければできるわけないし、また、ゼネラリストというお言葉を使われておりましたけれども、官の世界はどうしてもゼネラリストになってプロフェッショナルが育ちにくいということも、これまた委員の御経歴の中で体感されたことだと思います。

 そんな上でどうすればいいのかということですけれども、やはり、これまでの議論の中でも、個人の情報がどれだけ集まるのか、そして、匿名化されたものの秘密保持というものをどこまでしっかりと保つことを求めていくのか、情報セキュリティーの専門家、まだまだ役所の中には少ないと思いますので、こういう方々も育成していかなければならないと思います。

 さらに、医療情報の匿名加工をどういう形で、名寄せの話も先ほど来議論が、突合ですか、他の機関との突合の話も出てきましたけれども、突合をしていく上ではその匿名化されたものをどう突合するのかといったような専門家も実は必要になってくる。こういうことをやはりしっかりと政府も取り組んでいかなければならないですし、また、この問題だけに限ってではなくて、委員御指摘のとおり、これからAIの時代で、もう経済産業省では答弁の作成に当たってもAIを使っているわけでございますので、そういう本当のエキスパートというものを、行政においても、施策の進行に際して専門人材の確保に努めていかなければならない。

 きょうの御議論をしっかりと踏まえさせていただいて、これは野党の皆様にも応援していただいて、国会を挙げてやっていっていただく限り、私も先頭に立って頑張らせていただきたいと考えております。

北神委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それで、情報セキュリティーの話からちょっと離れまして、もう一つ大事なのは、漏えいがされないということだと思います。漏えいされちゃうと、加工化されていても、先ほどのお話、突合とか照合とかで識別化が可能になってしまうおそれがありますので、ここも非常に大事だというふうに思います。

 そこで、ちょっと順番を変えますけれども、この法律が施行されるとするならば違う世界にはなるんですが、今は個人情報保護法の世界で、実は今でも医療情報を匿名加工化して利活用することができる。これは、医療機関そのものが、例えば、病院が自分たちで匿名加工化して、それを製薬会社に提供するということができるわけですね。情報保護法の世界だったら、これは本人確認は要らない、普通にできる。

 ところが、今回の法律案は、そこはしっかりやはり拒否権を患者さんに与えて、そこは実は個人情報保護法の世界よりもより厳しくなっているという意味では、一つのこの法案のみそだと思うんですが、しかし、この法律の中を検討すると、この法律が施行されても、普通は、認定事業者、いわゆる匿名加工化の専門性を持つ事業者に任せるということになっているんですが、実はまだ、医療機関がそのまま自分たちで匿名加工化して、これを第三者に提供することになっているんですよ。

 これは、しかし、二重の基準になっちゃって、認定事業者に対しては厳し目の基準を設け、しかし、病院が自分たちで匿名加工化するんだったら、そこは何も本人確認も要らないし、いわゆる国のお墨つきも要らない、自分たちが適当だと思う匿名加工化技術で出すことができる。

 これはちょっとそごがあるんじゃないかというふうに思うんですが、そこをどういうふうにお考えか、お聞きしたいと思います。

大島政府参考人 今委員から御指摘がありました、医療機関自身が匿名加工するということでございますが、現行の個人情報保護法上可能でございまして、その場合には、本人の同意なく、第三者に匿名加工した情報を提供することは可能となっております。

 ただ、一方で、あくまで責任は医療機関に残りますので、万が一いろいろ事故なりがありましたときには、まさにその病院そのものが責任を全面に問われるということになります。

 それから、認定事業者は、複数の医療機関から集めた情報を全体一括して匿名加工いたしますけれども、病院の場合は、みずからが持っている情報の範囲の中だけで匿名加工するということになりますので、いわばn数が小さいものですから、若干、匿名加工しても価値が落ちるというところはございます。

 そういう意味で、全体として見ればそれなりのバランスかなという気もいたしますが、ただ、いずれにしましても、この法律が施行して、運用状況を見ながら、またそういった点につきましても検証していく必要があるとは考えております。

北神委員 ありがとうございます。

 大臣、一つ、この法案、私、多分これは制度的に整合性がとれていないと思うんですけれども、今ちょっとお話ししていたんですけれども、病院が匿名加工ができて出せるんですよね。ところが、多分この法律の趣旨は、プロフェッショナルである認定事業者に任せて、そこで国もちゃんとお墨つきをつけてやるというのが趣旨なんだけれども、抜け穴があって、ただ、現実的にどこまで病院がそういうことをやるかどうかというのはわかりませんが、制度設計上、ちょっと矛盾がある。

 今、審議官の答弁では、病院が責任を持つんだというんだけれども、病院がやる場合は自己責任で、認定事業者がやる場合は国もある一定の責任を負うという、その二つの基準があるので、ここはやはり、別に問題がなければいいけれども、おっしゃるように、実態を見て、今後また検討いただきたいというふうに思います。

 あともう一つ、これは今まで議論してきたことと矛盾するかもしれませんが、私は、やはり個人権利保護、これは絶対大事ですけれども、今後、この分野をどんどん発展させていくためには、より情報を公開していくべきだ、その方向性で頑張らないといけない、もちろん、プライバシーを守りながらですね。

 ただ、今回の法案はそこは慎重にやられていて、本当に認定事業者、そしてそこと契約を結んでいる利活用者の間で厳密に、そこだけの閉じられた世界で情報を流通させるという意味で、今回は私はそれで結構だと思いますけれども、今後、欧米なんかをちょっと研究すると、匿名加工化されたデータを例えばインターネットに載せて、誰でも見られるようにする、それを、いろいろな研究者が自由にそのデータを取り入れて、そこで自分たちの研究に貢献することができるというふうに聞いているんですけれども、これは本当かどうかわかりません。でも、その方が、非常に幅広くビッグデータの恩恵というものが行き渡る。そのかわり、今言ったような暗号化技術とか、めちゃくちゃ高度なものを使うし、法律も非常に罰則を厳しくする。

 これは質問ですけれども、識別しようとすること自体、その行為自体に罰則をかけるということも一つの考えだと思うんですよ。それ自体が悪意に満ちている行為だと、そういうことに罰則をかけるとか、あるいは、情報を提供し、あるいは受ける方の契約関係というものが第三者に転々流通した場合には、その契約がさらに川下まで適用されるとか、欧米ではいろいろなそういう取り組みがあるというふうに聞いております。

 この辺、時間がもう余りないので、大臣の今後、この法律はこれで結構だと思いますけれども、やはり多分、大臣ももっと野望が広がると思っていますので、その辺、お考えをちょっとお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 本当にこの問題は難しいと思うんですね。やはり基本になるのは個人の個人情報である、そして暗号化が信頼性を持って、また、そこに従事する人のクレディビリティーが高まれば、どれだけ、統計的な数字なものは多くの研究者が使えるようにするというのは、私は賛成であります。

 しかしその一方で、ちょっと気持ち悪いよねという方がいることも事実でありますので、今回の法律の仕立ては、今委員が御指摘のようになっております。

 将来的には、私も、技術の進歩というものもありますし、諸外国の、今ヨーロッパの例なんかも出されましたけれども、こういうものをよく見せていただいて、蓄積というものが日本の財産だと思いますので、その財産を全世界共通で分かち合える部分、また、自国のあるいはこれからの世界の医療に貢献するもの、幅広い視野を持って取り組んでいくことが肝要であると考えております。

北神委員 そのとおりで、この医療情報のビッグデータ利活用というのは、今回の法律案というのは、米国にもないし欧州にもない、そういった意味で、冒頭、私は非常に創造性に富んだ取り組みだというふうに思いますけれども、それは、背景は多分、非常に慎重にある程度閉鎖空間をつくっていってやろうという試みだ、そういう苦心のあらわれだというふうに思っております。

 しかし、オープンイノベーションという言葉もあるように、ただ狭い世界でやっていてもやはり限界がございますので、今後は、これは非常に難しい話、おっしゃるとおり難しい話で、一回何か大きな問題が出たら、全部ないがしろになってしまうということですので、私もせかすつもりはないんですけれども、そういったことをするときに、やはり個人の利益、情報保護というものをしっかりするためには、暗号化技術とかそういったものも非常に大事ですし、さっき申し上げた契約の形態とかそういったことも大事なので、そこをぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。

 あと一点、ちょっと今質問できなかったんですけれども、今回、匿名加工化された情報を使って本人を識別化しようとした場合に、この法律案ではいわゆる是正措置ということになると思うんですが、それでは私は軽いなと。というのは、是正措置ぐらいだったら、認定機関も、悪意に満ちている人がいたら、一回ちょっと情報を第三者に提供して、見つかったら是正措置が来て、済みませんでした、二度とやりませんという話で終わってしまうわけですよね。

 だから、先ほど申し上げたように、識別化しようとするその行為自体を罰則するという考えはないのか、お聞きしたいと思います。

大島政府参考人 識別しようとして照合する行為そのもの、その段階で直接罰とする考え方もあり得るかとは存じます。

 今回は、ただ、そういう行為をしようとした段階ではまず是正命令を速やかに出しまして、悪質なもののみを、いわゆる間接罰といいますか、刑事罰にするという仕組みにしているところでございます。

北神委員 今後、情報をどんどん公開するような動きがあれば、やはりそういったことも検討すべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後に、漏えい防止について、例外規定がこの法律案に設けられております。そこの解釈だけお聞きしたいと思います。

 第二十六条ですかね。普通は漏えいできないんだけれども、法令に基づく場合と、人命の救助、災害の支援その他非常の事態への対応のため緊急の必要がある場合は例外になる、情報を提供していいということになりますので、その場合をちょっと具体的に教えていただきたいと思います。

大島政府参考人 例外規定でございますので、限定的、抑制的に扱っていくべきと考えております。

 現時点で考えています例としましては、一号、二号と二つございまして、法令に基づく場合という一号の方は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者による児童相談所への通告。それから、二号は、人命の救助、災害の支援その他非常の事態への対応のために緊急の必要がある場合となっておりまして、こちらは、大災害で病院のカルテ等が全焼し、喪失し、人命にかかわる場合などを考えていますが、これは、いずれにしましても、こういった取り組みをしなければならないという規定ではなく、仮にこういった状況下で提供しても法令違反を問われない、そういう規定でございます。

北神委員 私、もう質問は終わりましたので、もうないので、これで終わりにしたいと思いますけれども、新しい取り組みですし、どこまで本当にこれが現実化するかというのは、非常に難しいと思いますけれども、ぜひ御健闘をお祈り申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

秋元委員長 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。

 きょう、医療ビッグデータ法、三十分よろしくお願いします。

 質問がどういうふうになるか、前の三人の方の話を聞いて、もし時間が余ったときということで、ちょっと法案と関係ないことも用意しておりますので、政務官にも来ていただいておりますが、急いで行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 今回の医療ビッグデータ法につきまして、党内の議論の中で挙がったこととして、例えば、学校保健安全法、学校における健康診断、そして、高齢者の医療の確保に関する法律、特定健診ですね、そして、労働安全衛生法、事業者健診、さらには、妊婦健診及び乳幼児健診、母子保健法といった法律で行われる健診、こういったものの情報の取り扱いがどうなるのかという議論がございました。

 事実上、この中には、例えば学校とか事業所というのは、ほぼ義務的に受けている健診というものがございます。そのデータが自分の知らないところで活用されていることを拒否したいと思われる方というのは、一定程度おられるのではないかというふうに思います。その観点から、オプトアウトの規定というのはとても重要だと思います。

 この件を抜きにしても、一般論として、やはりオプトアウトの規定を整えることはとても重要で、ただ、このオプトアウトの規定が非常に複雑なとき、例えば、何か難しく書いてある書類に長々と書かなきゃいけないとなると、本当は外してほしいと思っているんだけれども、とてもじゃないけれども、そこまでしようと思わないということが生じると思います。

 今の健診の問題、そして、特に高齢者の方々のオプトアウトの問題もございますので、一般論として、私は簡素にすべきだと思います。そして、今回、この質疑が終わりました後、修正案を提出させていただきますが、そこには主務省令での規定ということも盛り込ませていただきました。

 一般論として、オプトアウトの規定を簡素化すべきでないか。本当に一つ、例えばオプトアウトしますと言ったら、レ点をつければそれでオプトアウトできるという、それぐらいまで簡潔にすべきではないかというふうに思いますが、内閣府。

    〔委員長退席、松本(文)委員長代理着席〕

大島政府参考人 委員御指摘のとおり、本人や遺族が医療機関等に対しまして情報の停止の求めを行うに当たりましては、簡易な手続により行うことができるようにすることが望ましいと考えております。

 仮に主務省令ということ、これは仮定の話でございますが、例えば、今後検討いたしますが、口頭による停止の求めといったことも認めるといったことを検討したいと考えております。

緒方委員 今、口頭での停止ということも含まれるという話でありました。

 先ほどから審議を聞いておりまして、一つ、初鹿議員からも質問がありましたが、よくわからなかったものの中に、この法律で定義される医療情報取扱事業者というものがございます。これが、何が医療情報取扱事業者なのかということについてちょっとよくわからなかったところがありました。

 医療機関が含まれることは、そのとおりです。ただ、例えばそういう健診をやる事業所、そして学校健診をやるときの、特に学校健診、さっき話がありました。どうも、市とか教育委員会のレベルが医療情報取扱事業者ではないかと言っているように聞こえましたが、学校単位では医療情報取扱事業者には当てはまらないということでしょうか。いかがでございますでしょうか。

大島政府参考人 その点につきましては、文科省と、学校保健法の解釈等をもう少し詳細に聞いた上で、その取扱事業者が教育委員会なのか学校なのか、精査してまいりたいと考えます。

緒方委員 結構ここは重要なところでありまして、学校単位でそれぞれ健診を行うわけでありますから、それらの方々なのか。けれども、多分、ビッグデータとして使うときは教育委員会が取りまとめるということではあると思うんです。

 ただ、そこまで行ってしまうと、なかなか、教育委員会と個々の生徒さんとの関係というのは結構遠いんですよね、遠いんです。やはり、学校との関係でそういったオプトアウトの話とかがしっかりできるようにしていくためには、ここは学校ということもよく検討いただければというふうに思います。よろしくお願いを申し上げます。

 質問を移したいと思います。

 本法律の結果として、匿名加工情報ですので個人が特定されないということでございました。しかし、それらの集合体であるところのビッグデータ、例えば先ほど言いました学校とか事業所とか、もっと言うと地方自治体とか、そういった集合体であるところのビッグデータで特異値が出る可能性というのがありますね。例えば風土病があるとか、特定の自治体に特定の疾患が多いとかいうことが出てくるわけでありまして、これは、出方によっては、その集団、いろいろな集団に対する風評被害が生じる可能性というのがあります。

 そういった特定の自治体とか地域とかに対する不当な差別、そういったものが生じないようにすべきだ、そういうものを防止すべきだというふうに思いますが、内閣府、いかがですか。

大島政府参考人 認定事業者の事業運営に際しまして、その取り扱う医療情報について、規定上は、本人または子孫という形で、不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項を基本方針に明記することという規定がございます。

 一定の地域あるいは団体に属する個人の方が、そういう不利益についても同様、そういった不利益、偏見等が生じないようにする措置は必要、重要な点と考えています。

緒方委員 最後、どこまで行っても個人の話で言っているんですけれども、例えば自治体でいいでしょう、自治体として、あそこの自治体はこうだみたいな話が出てくること、それは、その風評被害というのは個人に帰結しない、自治体、集団として不当な差別の対象になるということについても私は十分な意を用いてやるべきではないかというふうに思いますが、もう一度。

大島政府参考人 その点につきましても、意を用いて対応していきたいと考えます。

緒方委員 質問を移したいと思います。

 医療情報取扱事業者から認定事業者に医療情報が提供され、認定事業者から利活用者に情報が提供されていくということですが、これは、一定のマーケットができることを想定しておられるのだと思います。

 しかしながら、先ほどからお金の話が何回か出てきておりますが、どの程度の金額でやりとりされるのかなというと、すごくざくっと書いてありまして、例えば、利活用者が払うのは、情報収集、加工コストを基本に適度のマージンを上乗せと書いてあります。そして、認定事業者が医療情報取扱事業者に支払うものというのがコストのみであるというふうに書いてあります。

 いろいろな各種規制がかかっているとはいいながら、まず、医療機関が認定事業者に生データで医療情報を出すということ、これは恐らく、出す側からすると、もし漏れたらどうしようとか、そういうリスクを考えると、そんなに安くは出せないよねというふうに思う可能性は極めて高いと思います。ましてや、先ほどから、回線の整備とか、いろいろなシステムの整備とかいうことがございました。

 どの程度の金額をそれぞれ想定しておられるのかなということ、もしお答えが、少しでも具体的な方向性が見える答弁がありましたら、よろしくお願いします、内閣府。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 認定事業者から医療機関等には、例えば、データを出すためのICT投資、こういうものに関しての支援というものは行われるのではないかというふうに考えておりますけれども、通常の医療機関ですと、全体的な利益の中で数%、三%ぐらいがICT投資に回っているというふうに理解をしております。これはいろいろな数字にバラエティーがあると思いますけれども。

 ですから、その数字の中で幾ばくかのICT投資の中の支援、こういうものが支援できると、例えば回線ですとか、それからデータを認定事業者に出していくためのインターフェースみたいなもの、こういうことが担保されていくんじゃないかというふうに考えております。

緒方委員 今答弁がありました、通常のこれまでやってきているICT関係の投資が三%であったと。けれども、多分その中にオントップで乗るはずなんですよね。既存のICT投資の中で専用回線を設けるとかいったら、まさにそれにオントップでコストが乗ってくるわけでありまして、その既存の中で消化できるという話にはならないのではないかというふうに思うわけであります。

 そう考えていくと、先ほど、出す側の医療機関の方が考えるリスク、仮にこれをコストと捉え、そして、やはりリスクというのはコストですから、リスク対応というのはコストですから、さらにICT回線を整えるということになると、これはコストのみというものが結構はね上がる可能性が高いと私は実は見るんですけれども、逆に、認定事業者が加工した後の匿名加工情報になった後、それを利活用者に出すときというのは、まさに大きなマスとしてどんと出すわけですから、逆にそれがそんなに値段が上がらなくて、場合によっては、利活用者が払う金額よりも認定事業者が医療機関に払うコストの方が実は高くなってしまって、そもそもマーケットが成立しないのではないかというような思いも持つわけですが、いかがですか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 現状でも、数社の民間事業者が医療機関の個々のレセプトデータを匿名加工して研究開発などに販売をしていくという事業を行っております。

 そういう意味では、そのバランスを見ますと、この認定事業者が出てくることによりまして、レセプトデータに加えて、アウトカムデータ、それから医療機関をまたがるもっと大きなデータが出てくる。こういうことに関しては研究上非常に有用性があるということですので、今の延長線上として、マーケットとしては成立するのではないかというふうに考えております。

 それから、専用回線ですとかそういう追加的なコストに関しては、認定事業者が全体的なマーケットの中で必要なコストを負担していくというふうに考えております。

緒方委員 そうなることを願っておりますが、結果として、まず、全てのコストは、恐らく利活用者が払うものが認定事業者に行き、その中から、もともと医療情報を入手するためのコストをさらに払うということなので、最終的に利活用者の人がどれぐらい払っていただけるかというところが、これがベースなわけですよね。そうですね。

 そこが結構はね上がるのではないか。先ほど、はね上がらないことを前提にお話ししましたが、むしろ、その理屈からいうと、利活用者が払う、最終的な利活用者が購入するときの価格がぼんとはね上がって、そしてそれが、先ほど初鹿議員からあったように、過大なコストになっていくんじゃないかということが懸念されるわけでありますが、この点、そうならないようによろしく対応をいただければと。ここはもう答弁を求めませんので、よろしくお願いを申し上げます。

 もう一つ気になるのが、認定事業者が匿名加工した後に、利活用者に最後、情報が行くわけですけれども、これが、ここでおかしな活用がされないように、目的外使用が絶対になされない、医療研究のために使われるのだということはしっかり担保していくべきだというふうに思いますが、これは内閣府、いかがですか。

    〔松本(文)委員長代理退席、委員長着席〕

大島政府参考人 認定事業者が作成いたします匿名加工医療情報の利活用の用途は、医療分野の研究開発に資する用途に限られるものと考えておりまして、この点は制度の根幹にかかわる重要な点と認識しております。

緒方委員 そうですね。目的外使用は絶対に生じないのだということを担保できるような仕組み、これは、この後、修正、附帯でもいろいろやらせていただきますけれども、よろしくお願い申し上げます。

 その中で、一つ気になるのが、利活用者の中に外国の事業者、例えば外国の巨大な製薬会社とかこういったところの事業者が含まれることはあり得るという理解でございますでしょうか、内閣府。

大島政府参考人 公益性の高い医療分野の研究開発に優先的に対応していくことを基本方針等で明確にしていきたいと考えておりまして、外国法人であれ国内法人であれ、日本にとって公益性の高い医療分野の研究開発というのを優先的な事項として考えたいと思っております。

緒方委員 そうすると、結構大きな金額でどんと、そのデータは結構重要だから買いますというようなこともあるわけでありまして、マーケットの成立の仕方にここは結構大きな影響を及ぼすものだと思いますので、この点も含めて、おかしなことにならないようにお願いをいたしたいと思います。

 この観点から、ちょっと話がかわるんですけれども、この医療ビッグデータ法というのは、ベースは何かというと、二年前にこの内閣委員会で審議をさせていただきました改正個人情報保護法がベースになっているわけでありますが、私、そのときも質疑に立ちまして、そのときのことをいろいろ思い出したりするんですが、済みません、医療ビッグデータから少し離れます。

 外国との個人情報のやりとりということについて、私は当時質問をさせていただきまして、特に大きなものとして、EUと今、交渉をいたしていると思います。これはEPAの枠組みの中で交渉していると聞いておりますが、EUからそういった個人情報をしっかりと入手できるためには、日本はしっかりと体制を整えている、その十分性の認定がなければこれは行えないということになっていて、実は、私が当時山口俊一大臣に質問をいたしましたときに、山口大臣は、この改正個人情報保護法が成立したことによって、それはまさにEUの十分性をとってくるような、そのためにやった法律なんだ、だからしっかりとってくる、そういう答弁がございました。現状はいかがでしょうか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御質問いただきましたEUとの対話でございますが、こちらはEPAとは別トラックで行っております。

 個人情報保護委員会と欧州委員会司法総局との間で、昨年来、累次にわたって相互の円滑な個人データの移転を図る枠組みの実現に向けて対話を行ってきております。

 これまで、相互の制度に関する理解は相当程度進んできておりまして、去る三月二十日には、当委員会の委員と欧州委員会の委員が対話を行いまして、これまでの対話の進展を評価するとともに、次回、委員レベルでの対話において具体的な方策について議論することで一致をしております。なお、当委員会と欧州委員会司法総局との対話において、我が国の制度については個人情報保護法が対象になるというふうに理解をされております。

 今後も、EU当局との対話を精力的に進めまして、できるだけ早く相互の円滑な個人データ移転を図る枠組みを構築できるように全力で取り組んでまいりたいと思います。

緒方委員 ありがとうございました。

 その中で、これは内閣府が言っていることではないですが、時々聞く話として、日本は個人情報保護の仕組みが、国とか独立行政法人とか民間事業者、さらには地方自治体ということで、個人情報保護、特に地方自治体に至っては地方自治体ごとに条例の数があるわけでありまして、個人情報保護のスタイルが違っていることによって、それが十分性の認定に少し差し支えているのではないかというような論考を見たことがございます。こういった事実はございますか。

其田政府参考人 現在、当委員会と欧州委員会とで進めております対話におきましては、我が国の制度については個人情報保護法が対象とする範囲で対話をしております。ですから、御指摘の地方自治体等を含む行政機関等につきましては議論となっておりません。

緒方委員 ありがとうございました。

 当時、二年前に審議をしたときに、私は幾つか質問をして、この件も今質問したんですけれども、幾つか答えが返ってこなかったものが当時ありまして、これから検討すると言われたものがございました、向井審議官から言われたんですが。

 識別符号の中に携帯電話はどうなっているのかと聞いたら、これから考えますという御答弁でありましたが、個人情報としての携帯電話番号の扱いについて御答弁いただければと思います。

其田政府参考人 改正個人情報保護法では、情報単体で特定の個人を識別できるものを個人識別符号として政令で定めることとしております。

 この政令につきましては、各方面から御意見を伺うとともに、パブリックコメントの手続を経まして、昨年十月五日に公布された政令におきまして明確に個別に列挙してございます。

 御質問いただきました携帯電話番号につきましては、さまざまな契約形態や運用実態がありますので、いかなる場合においても特定の個人を識別できるということには限らないということで、個人識別符号に位置づけてはおりません。

緒方委員 レクのときに、答弁は聞かせないでください、後でここの委員会で聞かせていただきますと言いましたので、今、ああ、なるほどそういうことなんだなということをよく理解いたしました。

 もう一つ、これも答えは委員会の場でお楽しみにしておきますと言ったものがありまして、個人情報の第三者提供についてですが、これは確認義務があるわけですけれども、インターネットのシステム上自動的に転送されるものとかそういったものがどう扱われるのか。

 例えばSNSとかで提供したら、もう自動的に第三者に行ってしまうという、仕組み上ですね。そういうものについて一個一個確認義務を設けると、ログをとったりいろいろ大変だなと思ったので、それはどうですかと当時質問をしました。事業者とよく相談をしてからお答えをいたしたいと思いますというのが当時の向井審議官の答弁でありました。

 どうなっていますでしょうか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 こちらも、改正個人情報保護法におきまして、違法に入手された個人データが流通することを抑止する観点から、第三者提供に係る記録義務が導入されたものでございますが、この確認、記録義務に関しましては、事業者に過度な負担が生じないようにという衆参両院の附帯決議も踏まえまして、関係者からの御意見も伺いながら、パブリックコメントを経まして、適切な運用を整理いたしまして、第三者提供の記録義務に関するガイドラインを昨年の十一月に公表しております。

 このガイドラインにおきまして、ソーシャルネットワーク等で本人が入力した内容が、自動的に個人データとして不特定多数の第三者が取得できるような状態に置かれている場合については、実質的に本人による提供がなされているものと解しまして、記録義務は対象とならないということを明示的に記述をしてございます。

緒方委員 ありがとうございました。

 その他当時の質疑で、私も議事録を読み直してみたら、例えば五千件要件を廃止したことに伴って小規模事業者に過度の負担が生じないようにということをお願いしたりとか、あとオプトアウトが障壁にならないようにと、きょうも医療ビッグデータで話をさせていただいたこの話とか、あと、トレーサビリティーを充実させることの捕捉だけで本当にアンダーグラウンドな事業者が防止できるのかというような話もさせていただきました。これは質問いたしませんけれども、こういった件も含めてよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、質問を移したいと思います。

 官民データ利活用法についてお伺いをさせていただきます。

 既に施行されておられます。平井筆頭そしてふくだ理事、野党も含めてみんなで成立をさせた非常にいい法案でありますが、これは都道府県に基本計画を作成する義務がございます。私は寡聞にして、まだ都道府県レベルで、すごく表に出てきている動きが余り目につかないわけであります。多分、単に法律をつくって終わりではなくて、そのフォローアップが必要だというふうに思っております。具体的な基本計画のあり方とかモデル事例とかをしっかり示した上で、地域ごとに物すごく特色のある基本計画をつくっていくべきだと思います。政府としてきちんとやっていただきたいと思いますが、石原副大臣、いかがですか。

石原副大臣 政府としては、昨年十二月に施行されました官民データ活用推進基本法に基づき、本年三月三十一日に総理を議長とする官民データ活用推進戦略会議を立ち上げ、体制整備を整えたところであります。

 今後、基本法に規定されている行政手続のオンラインの原則化、オープンデータの推進、分野横断的なデータ連携の促進、国、地方のシステム改革などを中心に、国の基本計画をこれから取りまとめる予定であります。

 委員御指摘のように、都道府県にも同様の計画の策定義務、市町村には努力義務が課せられており、基本法では、国に対し、国と地方の計画の整合性の確保とともに、自治体に対する協力も求められているところであります。

 このため、昨年末から、地方自治体に対して、さまざまなところで説明を行っておりますけれども、今後も、説明会などを通じ、地方からの相談に応じるほか、地方の計画のひな形を示す等、必要な協力に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

緒方委員 ありがとうございます。

 この件は、地方自治体で、法律で定められたからといって、なかなか何をやろうかというのがよくわからない。ただ、私は北九州市で、福岡県とか、いろいろそういうのはあるわけです。そういったところと話をしてみると、みんな何か気持ちの中で、すごくこれはフロンティアは広いんだろうなということについてはわかっているけれども、何をしたらいいんだろうというのがよくわからないという自治体は多いので、よろしくお願いを申し上げます。

 最後に、時間があればということで用意をしていたTPPの話とトランプ政権の話について、もう五分弱でありますが、させていただければと思っております。石原大臣と今国会で質疑をあと何回できるかわかりませんので、こういう機会を使ってやらせていただければと思います。

 トランプ政権が非常に強く言っていることの中に、国境税という話がございます。外国から輸入してきたものについては国境で税を課すんだという話をしておりますが、アメリカの共和党が出しているもの、その案を見ていると、これは結構よくできておりまして、単に何かむちゃくちゃなことを言っているわけではなくて、税理論的にもなかなか、決して悪いことを言っているわけじゃないなと思えるところも一部ございます。

 これは何かというと、輸出をするときの法人税については、それを減免するというような措置、まさに消費税でやっている、あの仕向け地主義と同じようなものを法人税でやるということを考えているようなんですね。税理論上も、こういったやり方はいいのではないかと言っている人もいます。

 そういった中で、これが何とひっかかるかというと、WTOの補助金協定における輸出補助金に当たるのではないかという指摘がございます。しかし、WTO補助金協定でどうなっているかというと、間接税、今、日本でも仕向け地主義で、日本の消費税というのは輸出するときは免除されています。それと同じことを法人税でやろうとしているというのがトランプ政権のやり方であります。

 これは交渉経緯についてお伺いをいたしたいと思いますが、なぜ、WTO補助金協定の交渉経緯として付加価値税だけが免除をされ、法人税とかそういったところでの仕向け地主義については輸出補助金の対象となったのか、外務政務官。

武井大臣政務官 お答えいたします。

 WTOの補助金協定によりまして、法令または事実上輸出が行われることに基づいて交付される補助金というのは禁止されているところでございます。

 WTOの補助金の協定附属書一は、同協定第三条一の(a)でございますが、これに基づきまして、禁止される輸出補助金を具体的に例示しているところでございます。この附属書一の(e)におきまして、直接税を輸出に関連させてその額の全部または一部の免除、軽減または繰り延べを認めることは、これは輸出補助金に該当するとされているところであります。

 他方、お話がございました間接税につきましては、附属書一の(g)におきまして、同種の産品が国内消費向けに販売される生産及び流通に関して課せられる額を超えない範囲での間接税の軽減、免除は輸出補助金とされないという規定になっているところでございます。

 このような規定となりました背景には、WTO発足以前のいわゆるガット、委員もいつも御質問いただきますが、ガットにおける交渉経緯があると承知しているところでございます。すなわち、一九六〇年のガット作業部会報告書において、廃止すべき輸出補助金の例示として直接税の軽減が含まれ、輸出品に対する、国内消費のために販売される際の額を超えない額の間接税の払い戻しは除外されたというふうにして承知しているところでございます。

緒方委員 間接税を免除するというのと、直接税を免除するというのは、税の理論上、余り合理的な理由がないのかなという気もするんですね。

 確かに、付加価値税は、全世界でみんな仕向け地主義をとっているので、みんなで合わせてみると、それを輸出補助金というのはまずいだろうということですが、ただ、アメリカみたいに国としての付加価値税を持っていない国もあるわけでありまして、何か、私はここを、税理論として、付加価値税と法人税、輸出するときにそれを減免するということ、なぜ片方がよくて片方が悪いかというのは、余り理屈が立たないような気がするんですけれども、財務省、何か言えることがありましたら、答弁いただければと思います。

三木大臣政務官 お答えいたします。

 直接の御質問については通告をいただいていませんので、財務省としての考え方をお話しさせていただきたいと思います。

 委員おっしゃいましたように、米国において、ただいま御指摘の国境調整措置を含めて、法人税について議論されていることは承知いたしております。しかしながら、具体的な税制改正案につきましては、他国、つまり米国政府及び議会の方で検討、調整中でありますし、また、その詳細の方がまだ明らかになっておりませんので、お答えの方は控えさせていただきますけれども、その上で、御質問の法人税に仕向け地主義を導入することについて、一般論として申し上げますと、理論的には、企業立地に対して中立的な税制になり得るとの指摘がある一方、輸出収入が課税対象でなくなることにより、輸出超過国においては、課税ベースが侵食されまして、税収が減少することや、輸入に係る課税により、国内消費者の購入する輸入品価格が上昇するなどし、国内消費者の実質所得が損なわれる可能性や、輸入企業の価格競争力に影響を与える可能性がある等々、さまざまな影響が考えられますので、現実の制度として導入するにはまだ多くの課題があるものというふうに承知しております。

緒方委員 この件は、別の委員会でまたしっかりとやらせていただきますので、よろしくお願いします。

 終わります。

秋元委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

秋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。島津幸広君。

島津委員 日本共産党の島津幸広です。

 午前中に随分議論がありましたので、私の質問は重複するところもあろうかと思いますけれども、確認の意味で、ぜひしっかりお答え願いたいと思います。

 最初に、今度の法案の目的に、「健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出を促進し、もって健康長寿社会の形成に資する」、こうあります。これは具体的にはどういうことでしょうか。

大島政府参考人 法案の目的についてお尋ねがございました。

 ここで書いてあります健康長寿社会とは、国民が健康な生活及び長寿を享受することのできる社会を指しております。

 今回の法案は、匿名加工医療情報を用いた、治療の効果や効率性等に関する先端的な研究や診断支援ソフトの開発などを通じまして、患者に最適な医療の提供を実現すること等によりまして、健康長寿社会の形成に資することを目的としております。

島津委員 具体的に、ここにある先端的研究開発及び新産業の創出を促進とは、これは具体的にどういうことなんでしょう。

大島政府参考人 先端的な研究開発につきましては、まさにビッグデータといいますか大規模データを用いた研究開発を想定しております。

 新産業創出という言葉は、これは、産業界の取り組みはさまざまでありますので、具体的に想定するのはなかなか難しいところではございますが、例えば、今申し上げましたような診断支援ソフトの開発といったような産業といいますか事業が想定されると考えます。

島津委員 いずれにしても、先進医療や革新的な医薬品の研究開発、こういうことで長寿社会に資するための産業の創出、活性化ということなわけですけれども、我が国は、一九九〇年代から、社会保障の削減に次ぐ削減が続いています。

 安倍政権でも、社会保障改革の名で大なたが振るわれているわけですけれども、この大きな特徴というのは、公的サービスを縮小し、同時に市場ビジネスに置きかえていく、こういうことにあります。

 二〇一六年六月に閣議決定された日本再興戦略二〇一六でも、レセプトやビッグデータなどの活用による診療支援、革新的創薬、医療機器開発を盛り込み、医療、介護を新たな成長市場として位置づけています。

 アベノミクスの第三の矢のかなめとして出された二〇一三年の日本再興戦略では、医療と介護にかかわる考え方、これを目指す社会が示されました。この内容を簡潔に御紹介ください。

宇野政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十五年六月の日本再興戦略では、国民の健康寿命の延伸という項目の中で、二〇三〇年のあるべき姿として、国民皆保険制度のもと、質の高いサービスを提供、維持するという大前提のもとで、一として、まず、効果的な予防サービスや健康管理の充実により、穏やかに生活し、老いることができる社会、二として、医療関連産業の活性化により、必要な世界最先端の医療等が受けられる社会、三として、病気やけがをしても、良質な医療、介護へのアクセスにより、早く社会に復帰できる社会の三つの社会像の実現を目指すとされております。

 また、これによりまして、「国民自身が疾病予防や健康維持に努めるとともに、必要な予防サービスを多様な選択肢の中で購入でき、必要な場合には、世界最先端の医療やリハビリが受けられる、適正なケアサイクルが確立された社会を目指す。」と記載されております。

 以上でございます。

島津委員 この日本再興戦略では、戦略的市場創造プランの一つに、国民の健康寿命の延伸を掲げています。

 その具体策を見てみると、健康関連商品、サービスの市場形成や、国際展開を視野に国を挙げての医薬品、医療機器等の開発促進など、市場拡大の内容がずらっとこう並んでいるわけです。そして、規制緩和をしてビジネス展開しやすいように、こう強調されています。

 二〇一四年に日本再興戦略が改定されました。その中で、医療、介護をどう成長市場に変えていくか、こういうことで具体策が挙げられています。この具体策の中に、公的保険外サービス産業の活性化、そして保険給付対象範囲の整理、検討、これが挙げられています。これは間違いありませんね。

宇野政府参考人 お答え申します。

 御指摘のとおり、平成二十六年六月の日本再興戦略では、国民の健康寿命の延伸の項目で、公的保険外のサービス産業の活性化、保険給付対象範囲の整理、検討について項目を立てて記載がされているところでございます。

島津委員 それから、同じく日本再興戦略の二〇一五年の改定では、医療、健康等の分野において、各機関等からの個人の情報を収集、管理する代理機関制度を創設し、民間事業者による新サービスの創出のためのインフラを活用する、こういうふうにしているわけです。

 そして、その上で、二〇一六年の改定では、医療等分野の情報を活用した創薬や治療の研究開発の促進に向けて、治療や検査データを広く収集し、匿名化を行い、利用につなげていくための新たな基盤として代理機関に係る制度を検討し、法制上の措置を講じる、こういうふうにしているわけです。この代理機関というのが本法案の認定事業者に当たるわけです。

 目指す社会が定められて、そしてその具体化が進んできているわけですけれども、出発となった二〇一三年の日本再興戦略には、先ほど紹介していただいたように、国民自身が疾病予防や健康維持に努めるとともに、必要な医療サービスを多様な選択肢の中で購入でき、必要な場合には、世界最先端の医療やリハビリを受けられる、適正なケアサイクルが確立された社会を目指す、こう明記されているわけです。

 大臣に聞きたいんですけれども、つまりこれは、健康は自己責任で、必要なサービスは購入しろ、こういう発想じゃないんですか。

石原国務大臣 先ほど政府委員の方からも再興戦略の内容について御説明させていただきましたが、やはり基本は国民皆保険制度のもとで質の高いサービス提供を維持するというものが私は大前提であると思っております。

 その上で、健康は全て自己責任というようなことをこの二〇一三年の再興戦略、私は当時は大臣ではございませんけれども、そういうことを言っているのではなくて、国民皆保険制度のもとで、国民がより質の高い医療・介護サービスを受けられる社会の実現を目指していくという趣旨であると承知をしているところでございます。

島津委員 具体的に、先ほど確認した公的保険外サービス産業の活性化、保険給付対象範囲の整理、検討、これが挙げられているわけですけれども、非常にこれに対して危惧の声が上がっています。ある研究者は、この二つはセットで保険の内と外を整理し、保険給付を狭めて民間サービスに置きかえていくというのが狙い、これは明らかだ、その第一歩が患者申し出療養制度、これを混合診療解禁の突破口にしていく、こういう警鐘を鳴らしています。

 二〇一四年に閣議決定され、二〇一七年に一部変更された健康・医療戦略、この中にも、医療、介護、健康分野のデジタル基盤の利活用として、既に分析、結果の利用が始まっているレセプトデータに係る事業の拡大に加え、まだ利活用が進んでいない検査データに関して大規模な収集、分析を行い、利活用を図る事業を創出することにより、ICT及びデジタル基盤の利活用による質の高い効率的な医療サービス及び公的保険外ヘルスケアサービスの創出を促進する、こう明記しているわけです。

 保険対象外の診療、これを解禁していけば、医療の安全性を揺るがし、所得の違いで受けられる医療の格差につながる、これは明確なわけです。今度の審議している法案というのは、こういう背景のもとで出されているわけです。

 それでは、具体的に法案に即して質問をしたいと思うんです。質問レクできのう通告しましたけれども、ちょっと順番を変えます。

 まず最初に確認したいのは、個人情報保護法が一昨年に改正されました。個人情報はそもそもなぜ保護されなきゃいけないのか、これをお答えください。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 個人情報保護法は、その第一条におきまして、目的規定の中で、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」という旨がうたわれております。

島津委員 つまり、本来、個人に関する情報は本人以外にむやみに知られることのないようにすべきものだと。

 プライバシーを守る権利は、憲法によって保障された人権の一つです。現代の高度に発達した情報社会の中では、国家や企業などに無数の情報が集積されていて、本人が知らないところでやりとりをされた個人情報が本人に不利益な扱い方をされるおそれがあるわけです。ですから保護されなきゃいけないというわけなんです。

 そうした中で、改正個人情報保護法で、個人の非識別化した匿名加工個人情報は第三者への提供が可能になりました。しかし、病歴など個人の医療情報は要配慮個人情報とされ、本人の同意がない限り第三者への提供はできないとされました。

 医療情報をなぜ、この要配慮個人情報とされたんでしょうか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 五月三十日に施行されます改正個人情報保護法第二条第三項におきまして、要配慮個人情報について、「本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するもの」と定義をされております。

 病歴等の医療情報につきましては、本人の意図しないところで当該情報が取得されることで、その情報に基づいて本人が不当な差別的扱いを受けるなどの不利益をこうむるおそれがあることから、要配慮個人情報として定められたものでございます。

島津委員 漏えいすれば、プライバシーの侵害のみならず、本人やその子孫にわたるまで不当な差別、偏見の不利益を与えるわけです。それほど大事な情報を扱うわけですから、万全に万全を期す必要があるわけです。

 今度の法案、まず、医療機関にかかる患者の皆さんの立場から見たらどうかということでお聞きしたいと思うんです。

 オプトアウトについて最初に聞くんですけれども、このオプトアウト、具体的に、国民の皆さんが患者となって医療機関などに行く、そのときにどのようなことが行われるんでしょうか。

大島政府参考人 オプトアウトの具体的な手続でございますが、医療機関等が認定事業者に医療情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、患者がその医療機関等において初めて受診した際などにおきまして、医療機関の側から、まずは医療分野の研究分野に資するため匿名加工情報を作成する認定事業者に提供する旨、それから、提供する情報の項目、提供方法、本人または遺族からの求めに応じて提供を停止すること、その求めを受け付ける方法等につきまして、書面により本人に対して通知するということにしております。

 実際には、受付窓口や待ち時間の間に文書を配るなどして通知をすることになるというふうに考えております。

島津委員 文書を配るというお話でしたけれども、文書を渡す以外にも何か方法はあるんですか。想定しているんですか。

大島政府参考人 これは施行に向けて基本方針あるいは省令を定める中で検討したいと思っておりますが、今のところ文書のみを考えておりますが、もう少し時代が進めばタブレットによる提示とかもあり得るかなという議論はしております。

島津委員 文書、いずれはタブレットという話でしたけれども、今最初に、どういう中身をということはお答えがありましたけれども、その文面ですよね。

 文面が、こっちの病院のときには非常にわかりやすく書いてあった、違う病院へ行ったら何かよくわからなかった。今でも約款で、長いものが出てきて、皆余り読まずに、どうしたってこうするような場合もあるんですけれども、そういう違いというのは出てくることがあるんですか。

大島政府参考人 ひな形的なものを示すことは考える予定にしております。

島津委員 ひな形ですので、必要な項目が入っていれば任せられるということだと思うんですけれども、これは本当に大事なことですので、やはりきちんと、ひな形のみならず、統一的な形式なりなんなり、そういう検討も必要があるんじゃないかと思うんです。

 それでは、急患で来た場合、これは当然、そんな書面なんか見られないわけですから、こういう場合はどうなるんでしょうか。

大島政府参考人 その場合は、また落ちついた段階で、来られた最初のときということを考えております。

島津委員 これは先ほど議論がありましたけれども、では、その後、停止、嫌だと言っても、そのときにかかった情報はどうなるかという話もありますけれども、多くの、多くのというか、ある方にとっては、医療情報というのは非常に複雑ですから、本人の情報が重要なのかどうかというのがわからない、よく理解できる人ばかりじゃないわけです。丁寧に説明するならともかく、書面を渡されるだけ。よく理解できない人も出てくることが予想されるわけです。

 そういう場合には申し出もなくそのまますっと素通りしちゃうわけですけれども、そういう場合でも、今回は同意ということになるわけですね。

大島政府参考人 書面を本人に確実にお渡しして、本人に認識をしていただき、その上で拒否するかどうかを判断していただくということを考えております。

島津委員 書面を渡されても認識できないという方がそのまま通っちゃった場合でも、同意になっちゃうわけですよね。

 次に、それでは、拒否した場合に患者の不利益が生まれないかどうかという話なんです。

 実は、これは私ごとになるんですけれども、私の母が、もう十五年ぐらい前になるんですけれども、がんで入院をしたんです、ある病院に。治療のかいなく死亡したんですけれども。私はその場に居合わせなかったんですけれども、母が死んだときに病院側から、研究のために遺体解剖をさせてもらいたい、こういう申し出があったそうです。妹が断ったんですけれども、そうしましたら、本当に手のひらを返すように態度が変わって、すぐに遺体を引き取って何時までに出ていってほしい、こう言われたと言うんですよ。妹は実は看護師をやっていまして、大きな病院の勤務経験もあります。その妹がそう感じ、憤っていたのを今でも覚えているんです。

 全部の病院がそうだとは思いませんけれども、情報の提供を拒否した場合の不利益、また、具体的な不利益じゃなくても、患者の方が拒否した、しかし、そのことによって自分が不利益に遭っていると感じるような、こういうことがあってはならないと思うんですけれども、そういうことは心配ないんでしょうか。

大島政府参考人 患者が医療情報の提供を拒否した場合でありましても、当該患者に不利益は定めておりませんし、そういうことにはならないように指導してまいります。

島津委員 定めていないのは当たり前のことで、指導していくということなんですけれども、どこまで徹底されるかというのは、これはちょっと非常に心配なことだと思うんです。

 国民は、どんな自己情報が集められているかを知って、不当に使われないように関与する権利、自己情報コントロール権、情報の自己決定権を持っているわけです。

 昨年、佐賀県玄海町で、一九七三年から二〇一〇年にかけて玄海原発から三キロ圏内で行われた住民検診、長い間やっているわけですけれども、この結果が住民には知らされなかった、こういう事件が発覚しました。

 玄海町の町長に言わせると、住民を対象に諸疾患の早期発見と事後指導を行い予防対策を図る、こういう目的だということで議会で答弁している。しかし、検診を実施した医師会の方は、検診の目的は、地区の住居者の健康状態の推移について、医師会の医学的研究のため、当該地区居住者集団を対象に血液を含む健康状態に関する医師会独自の長期調査研究を実施するもの、こういうふうに説明している。

 この調査、初年度は九州電力の委託で行われて、次の年から町の委託で行われるようになったんですけれども、調査資料、調査データ、住民には知らされない一方で、九州電力には渡っていた。このことが明らかになりました。結局、住民を対象に放射能の影響調査を長期に実施していたわけなんです。

 こんなことに医療情報が使われたわけですけれども、これは論外だと思うんですけれども、大臣、どうでしょう。

石原国務大臣 ただいま委員が御言及されました玄海町のケースにつきまして、資料をちょっと持ち合わせていませんので、その詳細についてはコメントを差し控えさせていただきますけれども、一般論を言わせていただくならば、個人の情報が個人の意図するものと違うように使われることはあってはならない。しかし、その一方で、ビッグデータの活用というものも、医療の進歩、また、一対一の関係ではありませんけれども、広い意味では、多くの患者さんの治療に役立つ、新しい創薬の創出に役立つ、こういうもののバランスに依存するのではないかと考えております。

島津委員 自分の情報がどこにどのように使われているか、これは知る権利があるわけですけれども、それでは、今回の法案で、渡した自分の情報がどう使われているか、知ることができるという仕組みはあるんでしょうか。

大島政府参考人 お答えいたします。

 今回の利用は、匿名加工医療情報という形で利用いたします。この匿名加工医療情報は、特定の個人を識別することができないように医療情報を加工して得られた情報でありまして、本人に提示先を明示することは、識別可能性等を高める可能性もあり、適切ではないと考えておりますし、条文には規定はございません。

島津委員 後で停止できるわけです。最初はいいよと思ったけれども、こんなことに使われるんだったらやめてもらいたいということも当然あると思うんですけれども、その判断基準というのが、これではわからないじゃないですか、知る仕組みがなければ。

大島政府参考人 それぞれ、御本人あるいは御遺族の都合によりまして、いろいろな場合が想定されると考えられますが、今回の制度の中では、いつでも医療機関等に対しまして医療情報の停止を求めることができる、また、患者本人の死後においては、その遺族が求めを行うことができると規定しております。

島津委員 ちょっと納得できないんですけれども。

 それでは、自分の情報を、ここまでなら利活用してもいい、しかしここからは嫌だ、こういう場合もあると思うんです。別々の受診機関にかかって、この病院はいいけれどもこの病院は嫌だということはあり得るんですけれども、同じ総合病院なんかでかかって、同じ場合でも、血液型はいいけれどもほかのことは嫌だ、こういう場合もあると思うんですよ。これは保障されるんですか。

大島政府参考人 御指摘いただきました条件づけは、一種の同意に基づく提供の一類型でございまして、今回の法案で規定する本人関与、いわゆるオプトアウト方式でございますが、この手続とは異なるものと考えております。

島津委員 今ずっと聞いていても、やはり、非常に重大な医療情報の扱いとしては、本当に問題が多いと言わざるを得ません。

 次に、それでは患者の皆さんの医療情報を認定機関に提供する医療機関のことについてお聞きします。

 今、電子カルテは、会社がたくさんあって標準化していません。医療情報として標準化したものはレセプトしかないわけです。医療機関がデータを提供する場合、どんな方法、どんなデータになるんでしょうか。

大島政府参考人 認定事業者が医療機関からデータを収集することになります。その際には、レセプトデータのみならず、診療行為の結果、アウトカムデータでありますところの問診内容ですとか検査結果等が、一定のフォーマットのもとに提供されるということを想定しております。

島津委員 この医療情報の提供というのは、個人の開業医も対象となるんでしょうか。

大島政府参考人 今回の法案では、医療情報データベースを事業の用に供している者であれば医療情報の提供主体になり得るとなっておりますので、個人開業医におかれましても、データベース化した医療情報をお持ちであれば、提供の対象となり得ます。

島津委員 これは、手挙げ方式で、私のところは提供しますよというふうに待つのか、それとも積極的に働きかけて提供してくださいとなるのか、それはどうでしょう。

大島政府参考人 認定事業者がどういう働きかけをしていくかというのは、また今後の認定事業者の活動方針いかんによると思いますが、いずれにしましても、医療機関自身が任意で提供するということにならなければ、提供が行われることはございません。

島津委員 働きかけはないと。任意でということでもないんですね。まあいいです。

 情報の提供を受けるに当たって、これも議論になりましたけれども、情報を受けた場合に、それに見合う対価の支払い、こういうものは想定しているんでしょうか。

大島政府参考人 医療情報の医療機関からの収集、医療機関から見れば提供になりますが、に際しましては、院内の情報システムの整備ですとかデータの標準化、品質の確保等、医療機関側に一定の費用負担が生ずることは考えられます。認定事業者がこういう費用負担をすることが基本と考えます。

島津委員 基本だということなんですけれども、きちんとしていただけるようにしないと、困るところは多いと思うんですよ。

 情報提供しない病院が、不当な取り扱いや不利益を受けることがあってはならない、これはもう当然のことなんですけれども、これは担保はあるんでしょうか。

大島政府参考人 おっしゃいますように、医療情報を提供しない病院について、提供しないと判断したことによる不利益は発生しないものと考えますが、法律上、特段の担保規定はないものと承知します。

島津委員 想定していないということでもあると思うし、考えられないということなんだけれども、安全神話みたいな話ですよね。想定外だってあり得るんじゃないんですか。これはやはり、ちゃんと担保する必要があると思うんですが。

大島政府参考人 今回、医療機関が情報を出すに際しましては、それなりの判断、理解のもとにこれをやっていただくわけでありますし、そういった取り組みを広げていくというのが基本でありまして、それに応じない病院に対しまして、一定程度何か具体的な不利益が生じるというのは、現実には、今のところ想定されないと考えております。

島津委員 だから、想定しないと言っていると、安全神話みたいな話になるんですよ。

 不利益を受けた場合には、では、医療機関から声を上げていくと思うんだけれども、どこを訴えればいいんですか。

大島政府参考人 それは、それに関する因果関係によると思いまして、原因がどこにあるかというのがはっきりわかれば、その原因元ということになると考えます。

島津委員 こういうことを聞き出すと切りがないんですけれども。

 次に、患者が情報の流出などで損害を受けた場合、その責任というのはどこになるんでしょう。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 医療機関から認定事業者に情報が渡って、情報が漏えいした場合、これは何らかのインシデントがあった場合ですけれども、これは認定事業者の責任ということでございます。

島津委員 患者の皆さんは、その病院を信頼して治療を受けているわけです。そして、その治療などのデータが認定事業者から漏れて損害を受けた場合に、その責任は認定事業者にあるわけなんですけれども、当然、患者と病院等との信頼関係に及ぶわけですよ。そうした場合の医療機関などへの補償というのはあるんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 基本的には、医療機関と認定事業者の契約に基づくものと思われますけれども、例えば認定事業者の方で損害賠償保険に入っているですとか、そういうことは考えられると思います。

島津委員 保険の話が出たんですけれども、そういう場合、患者の皆さんの損害でもそうなんだけれども、このところをちゃんとしておく必要があると思うんですよね。いや、出たときに考える、保険に入っているだろうということじゃ、やはり安心して医療機関の方も情報提供できないわけですから、これはきちんとやはりやるべきじゃないですか。どうですか、もう一回。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 医療機関のセキュリティーに関しましては、私ども、セキュリティーの準備の面と、それから実際に何かインシデントがあった場合と、これは車の両輪だというふうに考えております。

 特に、事前の防止の方に関しましては、もちろん、そういう事案が起こりませんように、例えば基幹業務系はオープンなネットワークから分離をしていく、それからデータベースにおきましても、一定以上の作業ができない、つまり、一定量以上のデータをいっときには扱えない、あるいはそれを扱える人を限るということで、万が一何かインシデントがあったとしても、すぐにそれが遮断できて、隔壁のようなものでそれを覆うことができる。

 そういうことでありますと、例えば、実際にそういう事案が、想定していない事案が出たとしても、実際のデータが流出するのは非常にごく限られている、それから、それも暗号化をされているということで、それを復号化することは非常に困難であるということをもって被害の最小限化を図るということと、車の両輪として、万が一何かの被害が生じた場合には損害的な保険も考えるということでございます。

 車の両輪として考えたいと思います。

島津委員 いずれにしても、今の答弁でも、流出は絶対ないということではないんですけれども、やはり安全神話だと思うんですよね。こういうことはほとんどあり得ないから大丈夫だ、こういうことではやはりだめだと思うんですよ。

 それでは次に、いわゆる認定事業者についてお聞きします。

 大事な医療情報、それを生情報で扱うわけですから、この責任というのは重大なわけです、責務。

 第八条三項で、認定についての基準要件、これが定められています。そして、日本再興戦略二〇一六において、医療データの収集、活用が掲げられて、そのもとで、医療情報取扱制度調整ワーキンググループ、これができて、そこにおいて新たな基盤のあり方が検討されてきたわけです。

 その取りまとめの中で、認定事業者の認定基準、これが示されています。このうち、「高い情報セキュリティが確保されている」、こうあります。これは具体的にどういうことなんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 高い情報セキュリティーに関しましては、データベースが所在するスペースにおける監視カメラの設置、インターネットなどオープン環境からの基幹のデータベースの分離など、それらの安全管理措置をいいます。

島津委員 そういう設備が整っていればいいということなんですか。

 では、その設備の整い方なんだけれども、ここまでならいいけれども、これ以下だったらだめよ、こんな基準というのはあるんですか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 設備の具体的内容につきましては、技術の進歩もありますけれども、例えば監視カメラであれば、その画素数は技術の進歩によって変わってくる可能性がありますけれども、基本的には、作業をしている人が見える、作業をしている人の手元がきちっと見えるですとか、そういう要件になるというふうに考えます。

 それから、オープンな環境から分離するということに関しては、これは事実上分離をするということでございます。

島津委員 そういうマニュアルみたいなのがあるわけですか、その基準が。

藤本政府参考人 これに関しては、認定基準を定める前段階といたしまして、基本方針それから省令について定めていきたいというふうに考えております。

島津委員 次に、この認定基準で、「十分な匿名加工技術を有している」、こうあるわけです。これは具体的にどういうことなんでしょうか。有していないと判断する基準というのもあるんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 匿名加工に関しましては、個人情報保護委員会の基準に従うということが基本でございます。その上で、従った上で、医療研究に見合った匿名加工が行われているかどうか、このあたりが非常に重要な部分でございます。

 つまり、全てを隠すわけではなくて、必要十分隠す。例えば、特異な記述を削除するというところがございますけれども、希少な疾患の研究をしたいという人たちにとって、その希少な疾患の情報が失われては意味がないわけです。ある地域において希少な疾患は一人、二人しかいないけれども、では、日本じゅうのデータということに拡充すれば、それは少し大きなデータになって、個人を特定することは非常に困難になってくる。

 これがいわゆる個人情報保護委員会の基準にも合致するということで、その辺のバランスをきちっととっていくということが基本的な技術だというふうに考えております。

島津委員 要するに、この情報は隠して、匿名化して、この情報は残す、そういうことができるかどうかということなんですか。

藤本政府参考人 個人情報保護委員会ガイドラインで示している基準は、基本的には個人識別符号は削除するとか、幾つかはきちっと削除することが決まっています。

 ただ、例えば置きかえれば十分なもの、例えば生年月日は、一般化をして、月日ではなくて年だけにするとか、置きかえられて、それが匿名化の一つの構成要件になっていく場合にはそれをやってくださいという基準になっておりますので、それを、いたずらにやるのではなくて、研究の内容を見てやっていくということでございます。

島津委員 わかりました。

 認定基準の中に、安定的な運営が可能というのもある。これは何となくわかるんですけれども、その次の、医療等情報の円滑な利活用のための標準や品質水準等に対応できること、これが今お答えになったことなんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 円滑な利活用のための標準や品質水準に対応というのは、これは、データの例えば検査結果の内容が、機械が違いますとその試薬が違うということで、数値がこちらの機械だとプラス一に必ずいつも出てくるということであれば、それをマイナス一にして全体をそろえていくという作業をしなければいけませんので、そういうものでできる限り標準化していこうということで、国際的な標準ですとか、いろいろなプロトコルが定められておりますので、そういうものを採用して、なるべく品質の高いデータを円滑に得ていこう、そのためには、自分のところはその標準に対応していないよという人たちがこの認定機関にならないようにするということでございます。

島津委員 それらの基準を満たしていると認定された事業者が当たるわけですけれども、しかし、その事業者が将来にわたってその基準を満たしていけるかどうか、こういう心配もあるわけです。

 匿名加工する際に、利用者の求めに応じたデータを提供するわけですけれども、データが足らずに水増しをする、こういうことなんかも考えられないわけではないわけです。データ操作。意図的につくられたデータで研究などすれば、とんでもない結果になるおそれもあるわけです。

 認定を受けた事業者が適正に事業を進めていけるかどうか、このチェックというのはどうなんでしょうか。

大島政府参考人 御指摘ありましたように、一定期間安定的に事業運営していくということは重要なポイントでございます。認定申請に際しまして、事業計画、事業運営に関する計画の提出を求めることとしておりまして、その中で、長期にわたる予定もチェックしていくことにしていきたいと考えております。

 認定後も、その進捗状況につきまして随時確認を怠りなくやっていく予定としております。

島津委員 計画をまずチェックして、途中でその認定の状況をということなんですけれども、どのぐらいの範囲、間隔というか、どんなことを、それで適正にやっているかどうか、記録上、計画上は幾らでも出せるわけですよ。その辺はちゃんと見きわめることができるんでしょうか。

大島政府参考人 認定事業者は非常に重要な役を担いますので、監督官庁としましては、常に頻繁にやりとりして状況を確認し、チェックというか、恒常的な動きをウオッチしていきたいと思っております。

島津委員 次に、その認定事業者のセキュリティーについてお聞きします。

 マイナンバーがスタートして一年余がたちました。マイナンバーは、個人情報よりも機密性が高い特定個人情報なので、個人情報の一部として個人情報保護法の適用も受けるとともに、万が一にも流出させてしまえば、個人の細かな情報や、それに伴う利益も損ねてしまう危険性が高いため、現行では、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法で、個人情報保護法よりも厳しい法律が定められています。それにもかかわらず、流出などのトラブルが発生しています。

 最近、ある自治体でふるさと納税を利用した人のマイナンバー、番号が流出していた、このことがわかりました。この事件、概要を簡潔に説明願えますか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が御指摘の事案は、ふるさと納税のワンストップ特例制度において寄附を受けました市が、寄附された方、千九百九十二人の情報を、その方の住所地の自治体に対して通知する際に、別の方のマイナンバーを誤って記載していた事案でございますけれども、外部への漏えいはないとの報告を受けております。

島津委員 いずれにしても、外部漏えいはないといっても、流出は流出なわけです。マイナンバー法で定められた重大な事態に当たるわけですよね。

 この事例を含めて、マイナンバーの流出というのはどれほど起きているんでしょうか。

其田政府参考人 平成二十七年度及び二十八年度上半期において、当委員会が報告を受けております特定個人情報の漏えい事案等、これは削除してしまったもの等も含まれておりますけれども、件数は合計で百四十九件でございます。

島津委員 この百四十九件というのは、その重大な事態に当たるというものの合計なんですか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 重大な事態に相当するものは四件でございます。

島津委員 件数はわかりました。

 では、人数はどうなっているんでしょうか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 この重大な事態、四件の人数の合計は約一千四百人でございます。いずれも、マイナンバーが悪用されたとの報告は受けておりません。

島津委員 一千四百人。これは、先ほどのある自治体の一千九百九十二人は、まだ報告の期間外ですので、入っていないわけですけれども、それ以外にも、重大事態以外にも数があるわけですよね。

 一般の個人情報よりも厳しく管理されているはずのマイナンバーでも、わずか一年余でこれだけの流出が起きるわけです。人間が扱うわけですから、絶対大丈夫だというのは、さっき言ったように安全神話に等しいわけです。

 大臣、この絶対というのはあり得ないと思うんですけれども、今回の医療情報の場合でも、万一の場合も想定しなきゃいけないと思うんですけれども、どうでしょうか。

石原国務大臣 もう島津委員が御指摘のとおり、絶対ということはないと思いますし、今委員が事例を出されましたマイナンバーでも、被害は出ていないにしても、実際にナンバーがヒューマンエラーによって伝播しているということも事実だと思っております。

 今回の認定事業者の情報セキュリティーにつきましてでございますが、従業者への罰則つきの守秘義務など人的リスクの排除、これはそこで働いている人のクレディビリティーの向上ということでございます。また、基幹システムのインターネット等のオープンネットワークからの分離、特別な回線を引くということでございます。こうした情報セキュリティーを確保できない事業者は認定しないという前提に立っております。

 加えまして、安全管理措置を講じない認定事業者については、主務大臣による是正命令の対象となり、これに従わない場合は認定を取り消すことができるとされております。ここの部分についても、きょうの午前中の委員会の中で議論がありまして、是正命令ではなくて、罰則をつけるべきではないかという御意見もいただいたところでございます。

 どんなものでも流出はあり得るとのことでございますが、万が一そうした事態が発生した場合には、事前に作成されております緊急時の対応計画に沿って対応することを求め、監督官庁でも適切な対応を図るなど万全を期してまいらなければならないということは、委員の御指摘のとおりではないかと考えております。

島津委員 万全というのはないわけです。しかも、人が扱うわけですから、本当に慎重に、きちんとやる必要があると思うんです。

 今もお話がありましたように、幾重ものセキュリティー対策がとられているわけですけれども、しかし、悪意があれば、その網の目をかいくぐって情報を盗み出すということはできるわけです。一旦流出すれば取り返しのつかないことになるソフトなわけですね。

 これは、万一、本当に万一ですけれども、そんなことがあっては困るんですけれども、流出したデータが悪用される、こういう場合もあると思うんですけれども、これが悪用されるというのは、どんなケースというふうに想定されているんでしょうか。どんな利用をされるのか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の悪用の方法といいますか、悪用の先ということでございますけれども、一概にお答えすることは非常に難しい面がございますけれども、一般的に、医療情報に限らず、ある情報が流出した場合の被害、影響ということに関しては、個人の情報の悪用、意図せざる悪用、それから誤情報の活用をしていく、わざと誤情報に書きかえてしまうようなことがあります。それから、それによる業務の停止、やっている人たちの信頼の喪失、こういうものが被害としては考えられます。

 今回の認定事業者に関しましては、御説明をさせていただいていますように、セキュリティーに関しましては、インシデントが発生した場合でも実質的に被害を最小限もしくは被害自体をなくすということを念頭に置きまして、一度に取り扱うデータや関与する人数を最小にするということと、例えば、作業する場合にはお互いに同僚の目といいますか、何人かで組みをしていく、それから、作業の手順を決めておいて、それ以外のことをやらないということ、それから、データが断片的に出てもそれが暗号化をされていくということで、インシデントが発生しましても最小限にしていく。

 あわせまして、状況の把握、関係者への指示、それから国民への周知など、監督官庁が前面に立って、そういう場合には事態の整理と収拾に当たるということを考えております。

島津委員 悪意で名簿会社などに情報を流す、ベネッセなんかもそうだったわけですけれども、医療情報の場合には、いろいろな使い方、悪用される危険性があるわけですよね。悪徳商法、例えば、健康不安につけ込んで洗脳して、高価なつぼを売りつけた、こういう事案、事件が社会問題になりました。また、がんに効くキノコ、こんなことなんかも記憶にあるところです。

 不正に手に入れた医療情報を手に、健康に問題を抱えている人を狙い撃ちにして、悪徳商法を勧める、また、それに近いやり方で大もうけする、こんなことも想定されるわけですよ。

 闇の世界で医療情報は相当な金額でやりとりされると予想をされるんですけれども、こういうことは想定しているんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 今回の認定事業者のセキュリティーに関しましては、医療機関と認定事業者の間を結んで、ここから情報が、セキュリティー的にはしっかりした枠の中で扱われるということを考えておりますので、そういうことでございます。

島津委員 悪意があれば持ち出せるんですよ。医療情報を悪用して、ぬれ手でアワの大もうけができるわけです。そうすると、個人情報の不正提供で、今回、二年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金、こういう罰則規定があるわけですけれども、罰金を払っても十分おつりが来る、こういうことにもなりかねない。

 さらに心配なのは、国内だけじゃなくて海外にも医療情報が流出する危険があると思うんですけれども、これはどうなんでしょうか。海外にも流出する危険があると想定できませんか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 海外に情報が流出するか。まず、先生御指摘の人的な要因に関しましては、我々、そのセキュリティーを考える上で非常に重要だと思っておりますので、機材だけ、システムだけではなくて、人的な要因を徹底的に排除していくということでございます。性悪説に立って人員を管理していく、それに関しては監督者責任、それから罰則規定もございます。

 海外に出ていくか出ていかないかに関しましては、我々は、国内と海外を問わず、そういう危険性については認知していないといけないというふうに考えております。

島津委員 なかなか納得できないですけれども、次の質問に移ります。

 次に、匿名加工医療情報の利活用についてお聞きします。

 まず、匿名加工、匿名加工と言いますけれども、どんな情報を集めて、どこをどう加工するのか、その結果どんな情報になるのか、これは国民の皆さんが非常に関心のあるところなわけです。わかるように説明してください。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 匿名加工医療情報として、医療分野の研究開発に資するよう、診療行為などの内容が示されたレセプトデータ、これは今でも匿名加工して使われているわけでございますけれども、それのみならず、実際の診療の結果である、血液検査の結果ですとか、それから画像情報、CTとかMRI、そういうものの画像、内視鏡の、大腸内視鏡をやったときの画像データ、こういうものを、アウトカムデータを収集することになります。

 こうした医療情報に関しましては、特定の個人を識別することができる記述を削除したり、それから特異な記述を削除したりすることにより、匿名加工を行うことになります。

 例えば、頭を撮ったCTの画像であれば、周辺部を再構成すれば顔がわかってしまいますので、その周辺も全部削ってしまうとか、当然、氏名などは排除していくということと、それから、例えば血液検査の結果を時系列的に並べたときに、診療日だけが書いてありますと、その日に行けた人というのがわかってしまいますので、むしろその期間だけを、日を書かずに、何日後に来たということだけに置きかえていくとか、そういうことをやりながら匿名加工して、医療情報を研究開発に使っていきたいというふうに考えております。

島津委員 国民の皆さん、患者の皆さんが、そういうことで情報が蓄積されているわけなんですけれども、こちらの医療機関、こちらの医療機関ということで、その特定の個人の方の情報というのは名寄せされるんですか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 医療の研究開発の中で、幾つかの情報を突合することが必要な場合がございます。例えば、糖尿病の研究開発をしている研究にとっては、糖尿病の患者さんはふだんは地域の診療所に通っておられて、時々大きな病院に行って検査を受ける、こういうことがあり得るかと思いますので、そういう場合は必要に応じて医療情報を突合していく、そういうデータセットをつくって、それを匿名加工した上で研究に使っていくということになると思います。

島津委員 匿名医療情報、これが認定事業者から利活用者に渡って、情報がどう利活用されたのか、結果ですよね。それから、それを、では誰がチェックできるのか、この辺はどうなんでしょう。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 新法第二十条の規定におきまして、認定事業に関しまして管理する匿名加工医療情報に関しましては、認定事業者がその安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずる義務を負っております。この義務につきましては、認定事業者が提供した匿名加工医療情報が提供を受けた利活用者において不適切に取り扱われないかについても認定事業者がチェックをしていく義務を有することを意味しております。

島津委員 認定事業者から医療情報を買った機関だとか団体、その利用目的を達した後のデータはどうなるのか。あるいは、その情報を提供した、渡した、売った、そこのところが解散だとか倒産した、こういう場合には医療データはどうなるんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 新法第二十条の規定におきまして、認定事業に関して管理する先ほど御説明いたしました匿名加工医療情報に関しましては、認定事業者がその安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずる義務を負っております。このため、利活用者に関しまして匿名加工医療情報を提供する際に、認定事業者は、当該匿名加工医療情報が不要となった際、確実に消去する旨の契約を締結するなど、匿名加工医療情報が不適切に取り扱われることを防ぐための措置を講ずることが必要であると認識しております。

 こうした点につきまして、事業者が認定をするに当たっての参照とすべき基準につきまして、認定事業者が講ずべき措置の一つとして規定していくことを考えております。

島津委員 なかなかそれがきちんとやれるかどうかというのは不安が残るところですけれども、時間がありませんので。

 二〇一七年二月に一部変更された健康・医療戦略の中で、達成すべき成果目標が示されています。医薬品の創出や医療機器の開発、革新的な医療技術など、世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発とともに、健康・医療に関する新産業の創出及び国際展開の促進等が挙げられて、健康増進、予防、生活支援関連産業の市場規模を四兆円から十兆円に拡大する目標が掲げられています。

 ここで言っている新産業、これは具体的にどういうものを想定しているんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 新産業の創出の新産業とは、例えば、AI技術を用いた診断支援、それから疾病予防に関して、新しい事実に基づく効果的な予防、これは生活習慣病が念頭にございますけれども、例えば、こんな食事とこんな運動をしていくことによってこういうのが防げるんだとか、そういうことをきちっとサービスとして提供していく、理屈としてわかっても、個々人が例えば職業を持っていたりしますとなかなかそれが実行できない、それをサポートしていく産業、そういうものを念頭に置いております。

島津委員 今、テレビでは、健康食品だとかダイエット機器だとか健康機器だとかを紹介する、販売する、いわゆるテレビショッピングが盛んにやられていますよね。こうした企業も含まれるんでしょうか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 新産業として我々が政府として支援をしてまいりたいのはエビデンスに基づくサービスでございますので、エビデンスに基づいて、かつ科学的にきちっとしたアプローチができるような、そういうサービスですとか技術、こういうものを念頭に置いております。

島津委員 支援していきたいのはそうでしょうけれども、今度の法律で情報提供が可能になるというのは、私が今言ったような、いわゆるヘルスケア産業、こういうところも可能になるんですか。

藤本政府参考人 基本方針で、私ども、今回の制度が医療の分野の研究開発に役立つことというのが一番のプライオリティーを置く目標でございます。そういうものを念頭に置きまして、認定事業者がどのような利活用者と契約を結んでいくかに関しましては、その枠の中で行われるというふうに考えています。

島津委員 では、テレビショッピングでやっているようなヘルスケア産業には情報は行かないということで理解していいんですね。

藤本政府参考人 私ども、念頭にございますのは、エビデンスでしっかりした健康管理に役立つ、あるいは医療の研究開発に役立つ、そういう利活用者を念頭に置いております。

島津委員 念頭ですから、行く可能性もあるというわけです。

 戦後の日本は、かつての侵略戦争の痛苦の反省から、再び戦争をしない、個人の尊厳を守る、これを誓ったわけです。そして、それを憲法に書き込みました。全ての国民は個人として尊重される、十三条。憲法、戦争放棄の九条なんです。戦後政治の原点がここにあるわけです。

 学術研究の分野では、今話題になっていますけれども、戦時中の武器開発に動員された反省から、戦後は軍事研究は行わない、こういう誓いを立てたわけです。医療の分野でも、こういう誓いというか、戦後の反省から医療倫理等をやったと思うんですけれども、医療の分野では戦後の反省というのはどういうふうになっているんでしょうか。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 戦後の反省ということで、一九四七年にニュルンベルク綱領というのが出されております。これはニュルンベルク裁判で、ドイツ軍の戦争犯罪を裁く国際軍事裁判の中で、結果として提示された、研究目的の医療行為を行うに当たって遵守すべき項目の基本原則がなされたところでございます。

 この中では、被験者の自発的な同意が絶対に必要であるだとか、それから、きちんと理解した上で意思決定を行うようにするだとか、実験の性質など、それから実験による不都合や危険性、実験に参加することによって生ずる健康や人格への影響を被験者に知らせる必要がある等、そういったことを定めた綱領がございます。

 その後、ヘルシンキ宣言ということで、世界医師会の方で、被験者保護の原則、インフォームド・コンセント取得の原則、それから倫理委員会への付議等が定められているところでございます。

 こうした指摘を受けまして、厚労省におきましても、臨床研究の実施に当たりましては研究対象者の尊厳と人権の保護を確保することが重要であると考えておりまして、これまで倫理指針等に基づいて対策を講じてきたところでございます。

島津委員 そうした反省から医療倫理の基準を定めて、学術分野、研究等をやっているわけですけれども、今回の法案で営利企業にもデータが行くということになると、医療倫理がしっかり守られるかという保証が怪しくなる。医療倫理の崩壊にもつながる心配があると思うんです。

 日本は、国民皆保険で、みんなが同じ治療をして同じ薬を使っています。こうした膨大な医療情報があるのが日本の特徴です。究極の個人情報とも言われる医療情報、これは、より厳格に、そしてより慎重に、医療倫理のもとで扱わなきゃならないわけです。本人の明確な同意なしに、オプトアウトということで、利用、活用できる医療データの規模、匿名化とはいえ、拡大すれば、万が一の場合には取り返しのつかない人権侵害になるおそれがあるわけです。医療データをビジネスとして営利のために利活用する、この道を開くことは、これはやはりまずいと思うんですよね。

 大臣、先ほど確認しましたけれども、このヘルスケア産業のような営利企業の活用、これはきっぱりと禁止するのを、きちんとすべきだと思うんですが、どうでしょう。

石原国務大臣 午前中の議論、また午後の島津委員の議論をずっと拝聴させていただいてまいりまして、やはり匿名化された情報であるということが大前提であると。しかし、その一方で、委員の御懸念の、個人の情報としての医療情報が第三者に渡るということは絶対に避けていかなければならない。

 そんな中で、やはり、もう一つ大きな意味は、この匿名化された情報を使って、多くの国民の方々が、新しい治療の方法あるいは創薬によって多くの病気から救われる可能性が出てくるし、またその一方で、この制度によりまして新たな知見も見出される。それが一義的に営利企業の利益につながるだけのことであってはならないというのが委員の御指摘ではないか。そんなふうに認識をさせていただいたところでございます。

島津委員 時間がありませんのでちょっともう議論できませんけれども、この法案をめぐっては、私もいろいろな医療団体やほかの皆さんからも御意見を伺っています。私は当委員会の理事会で参考人質疑を要求したんですけれども、かないませんでした。きょうの審議を通じても、生煮えのままだ、こういう指摘もありました。

 大臣、医療関係者はもとより、患者、国民などを含めて幅広い人から改めて意見を聞く必要があると思うんですけれども、最後にどうでしょう、これは。

石原国務大臣 委員会の運営につきましては委員会で御判断され、行政府としては丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

島津委員 最後に繰り返しますけれども、個人情報というのは一旦流出すれば取り返しのつかないことになります。医療情報の場合はなおさらです。これまでの議論でも、この法案はさまざまな懸念が拭い切れません。社会的な合意の形成は欠かせない、それも不十分。このことを指摘して、終わります。

秋元委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いをいたします。

 きょう最後の質問者になりますけれども、私からは、この法案について三点ほどお伺いをしたいと思います。

 まず一点目なんですけれども、匿名加工情報を利用しようとしている情報利用者の皆さんはどういった人たちかというと、大体研究機関とか大学とか製薬会社、代表的なものを事例に挙げていただいております。それ以外にもたくさん恐らくこれから、ではどこかと言われると今なかなか想定はできないですけれども、いろいろなところがこのデータを利用するということになっていくと思います。

 その中で、この利用できる団体というか企業であるなり研究機関であるなりが、そういったところを、ではこういうところじゃないとだめですよというふうな規制を設けるという予定はあるんですか。

藤本政府参考人 お答えいたします。

 新法におきましては、匿名加工医療情報を利用する者について、外形的な基準等による制限は特段設けておりません。他方、本法の規定により、収集された医療情報につきましては、医療分野の研究開発に資するよう、医療情報を整理し、及び加工して匿名加工医療情報を作成する事業の目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはならないこととされておりますため、医療分野の研究開発を行う者に対して提供されるということとなります。これは、基本方針等におきましても規定することといたしまして、政府としても、適切な利用者による利活用が推進されるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

浦野委員 要は、匿名加工する事業者がしっかりそういうところをやっていくということなんですが、きょう午前中からもずっとありましたように、匿名加工するこの部分のところをもっとしっかり、ここが一番しっかりやらないとだめだという懸念もたくさんあるということで質問もたくさんあったかと思います。ここ任せというのも私はちょっとどうかなと思う部分もあるんですけれども、そこは、これからしっかりと政府も、誰でも彼でもこのデータを利用できるというわけにはいかないと思いますので、事業者任せといって、完全な事業者任せというわけではないと思いますけれども、しっかりと国としても見ていっていただきたいと思います。

 このデータの部分なんですけれども、これからこの法案が通って、今この法案が通った後の方々のデータというのは、もちろんこれもオプトイン、オプトアウトの話も議論もありますけれども、同意を得て利用していくわけです。実際、もう今既に、こういう病気になりましたけれども治療もちゃんと終わって、これからは病院に行く必要もないという方々、患者さんもたくさんいると思うんですね。

 ただ、そういったデータも膨大に、もちろん医療機関には蓄積をされていますし、そういった今現在既にある医療データというのも利用するのが妥当だとは思うんですけれども、その患者さんたち、今病院に行っていらっしゃる方々は、これから治療するに当たって、そういう流れの中で同意しませんという話になればだめになりますし、いいのであればそのままいきますけれども、終わっている人たちで、もう病院に行く必要もなくなっている人たちのデータというのがあると思うんです。そういったデータは利用するのかしないのか、収集していくのかどうかというのも含めてお聞かせをいただきたいと思います。

石原国務大臣 委員の御指摘のとおり、治療が終わっている患者でも、医療機関にカルテ等々は保存されております、五年間ではございますけれども。そういう人たちが、ぜひ自分のデータもこの制度ができるのであるならば活用していただきたいという方が出ましたら、医療機関に申し出ていただいた場合には、委員の御指摘のとおり所要の手続を経て情報を収集側が収集するということは可能でございます。先ほどもその保存期間が五年と申しましたので、五年間の部分はあるということでございます。

 さらに、そういう動きが起こってくるということは何を意味するかというと、今後の医学の発展のために、より多くの国民の皆さんや医療機関の方々の理解を得て、この制度の枠組みを通じて、貴重な財産である医療情報というものを利活用していくということの重大さというものが広く伝播していくということもあるのではないかと思っております。

 そのためにも、きょう午前、午後と御議論されてまいりましたとおり、より多くの医療機関に、医療機関のメリット、デメリットみたいな話もずっと議論されてきましたけれども、本制度に参画していただいてnをふやしていく、こういうことが重要なのではないかと思っております。

 もちろん、制度の意義や趣旨、医療機関や国民の皆様方の理解を得るように幅広く周知、広報に努めますとともに、やはり制度の安心、これもずっと議論のあったところですけれども、安心性そして信頼に足る匿名情報であるということになるように、適切に運用を図っていくということが肝要ではないかと考えております。

浦野委員 大臣、ありがとうございます。

 これは、今大臣にお話をいただいたみたいに、もう今既に治療も完全に終わっていて、でも、よく、亡くなったときに今後の医療に役立てていただきたいということで献体をされたり、そういう方々もいらっしゃいます。

 データはそういう部類のものではないですけれども、特に治療の難しい、いまだに治療の完治する道筋が確立されていない病気なんかは、やはりかかっている皆さんは、自分のデータをちゃんと解析してもらって、もしちょっとでも自分たちの病気を治してもらえるためになるのであれば使っていただきたいという、特に難しい病気、治すのが難しい病気にかかっている皆さん方の中にはそういった方が多いんじゃないかというふうに私も思っています。

 そういった方々が自分から、私のデータを使ってくれ、そういうことに役立てるのであれば使っていただきたいという申し出が向こうからあった場合、やはり対応できるような部分というのが、この法案、皆さんに説明いただいたときも、そこまでの話は僕もそういえば余り記憶にないなと思ったので、ちょっとお聞かせをいただきたかったんですけれども、事務方の方、答弁ありますか。

大島政府参考人 先ほど大臣からお話ございましたとおり、所定の手続を経て、そういった方々の情報収集は可能ということで運用していきたいと思っております。法律的にも可能でございます。

浦野委員 その場合、何か、申し出を受ける医療機関がこの枠組みに参加をしていないとそれができないんだということをおっしゃっていたんですけれども、その点をちょっと説明いただけますか。

大島政府参考人 御指摘のように、今回の仕組みは、認定事業者に対しまして、任意で医療機関が医療情報を提供するという形になっておりますので、自分がかかっていらっしゃった病院がそこの対象になっていなければ、認定事業者に情報は届かないということになります。

浦野委員 ということは、やはり、ぜひ、この匿名加工をする事業者ももちろんですけれども、事業者が各病院とかそういう医療機関に対して、やってください、これに参加してくださいというふうに言っていくのか、それとも、国の方から医療機関にちゃんと、皆さん参加してくださいというふうに言うのかというのは、ちょっとそこはどうなんですか。

大島政府参考人 国におきましても、今回の制度の仕組みの趣旨を正しく広くお伝えする義務はあると思っておりまして、その取り組みは行いますが、個別の病院が認定事業者に提供するかどうかというのは、認定事業者が働きかけを行うということになります。

浦野委員 ここでも認定事業者が主体になるということなんですけれども、ちょっと余りにも認定事業者に任せっ切りじゃないかなという思いはないわけではないですけれども、そこら辺は、ぜひ、せっかく国の方でこういう、それは反対をする方もいらっしゃいますけれども、我々の、これからまだまだ人生、何歳まで生きられるかわからないですけれども、そういう医療のお世話になることがこれからまだまだ先ある我々の世代としては、こういった取り組みというのは非常に我々の世代にとってはありがたいですし、これはしっかりとやっていっていただきたいんですね。

 何か問題が起きたときというのにやはり国もしっかりとコミットしていただかないといけませんし、何でもかんでも認定事業者、別に丸投げというわけではないですけれども、この認定事業者がやることをちゃんとしっかりと国も見ていっていただけるようにしていただけたらなと思っております。

 我が党もこの法案、もちろん賛成ですし、これからまだまだ医療に関するデータのこういう収集というのは、本当に重要な、いわゆるこれはビッグデータの活用ですから、必ず国民の皆さんが享受できるさまざまな利益がこれから出てくるとやはり思いますので、ぜひ、これからまたきっちりと進めていっていただけたらと思います。

 きょうは法案の審議ですけれども、私、我が党はこの法案ももともと賛成ですし、聞きたいことというのは、恐らく私の前にかなりの皆さんが重複して指摘をされることですので、法案の審議はこれぐらいで。

 実は、決算の分科会で、内閣委員会の質問をさせていただこうと思っていた部分が、ちょっと時間が来てしまってできなかった部分を、一問だけやらせていただきたいと思います。ちょっとお時間をおかりして、よろしくお願いいたします。

 それは何かといいますと、国会でのペーパーレス化ということなんですね。

 今、医療分野の研究開発の今回の法案もそうですけれども、やはり、IT技術をフル活用してやっていくというもの、ペーパーレス化というのもまさにそういうことなんですけれども、IT技術の一つですけれども、我々日本維新の会は、もちろん議運でこれは再三提案をさせていただいて、議運委員長からも、検討を進めるという正式な回答をいただいておりますけれども、これから国会でこういうペーパーレス化を進めていこうとすると、どうしても、WiFi環境、WiFiで接続する環境をしっかりと整えていかなければなりません。

 ことし、今国会から、衆議院でもそうですし、一部WiFiがつなげるようになった、衆議院が用意をしたWiFi環境でつなげられるようになったんですけれども、それを活用している方がどれぐらいいらっしゃるのか、ちょっとそれはわからないですけれども、ちょっとずつちょっとずつ前には進んでいます。

 ただ、皆さんも経験があると思うんですけれども、町中で例えばWiFiを接続可能にしてあると、ありとあらゆる、今、無料のWiFi、各携帯電話会社がつけている無料WiFiだとか、企業がつけているWiFiだとか、あと、観光のために都道府県が、もともとは外国人向けに、観光客向けに設置しているWiFiだとか、さまざまなWiFiの回線が飛び交っています、実は。余りにもそれが多くて、結果的には全くWiFiにつながらないという状況が実は町中では起こっています。

 そういう中には、セキュリティーをしっかりしていないようなWiFi回線もありますから、私なんかは、町中に出るとWiFiの接続機能をオフにしておいたりとかするのが普通になっていますけれども。要は、WiFi環境をちゃんと整えたとしても、結局、多重接続という問題で、まともに接続できなくなるということが次は起こるんですね。

 そういったことにならないように、もし本当にペーパーレス化するのであれば、国会でもそういった問題を解決する必要があるんですけれども、何か衆議院の方でお考えになっていらっしゃいますか。

岡田参事 お答えいたします。

 先生御指摘のWiFiの多重接続につきましては、接続認証に時間を要したり、通信スピードなどに支障が生じる問題に対処する必要があるというふうに認識をしてございます。

 対処方法としましては、必要な接続端末台数に対応したアンテナの設置台数を確保するですとか、電波が干渉しないようなアンテナ間の距離の計算、あるいはアンテナそれぞれの出力の微調整、こういったことに対処していく必要があるというふうに認識をしてございます。

浦野委員 例えば、これはいつになるかわかりませんけれども、国会の本会議が全てペーパーレスで、タブレットになりましたとした場合に、四百何十人が同時にそういう環境に接続する可能性もあるわけですね。一カ所で四百何十人もWiFiへ接続すると、恐らく、今おっしゃったような計算で配置しても多分無理だと思いますね、すごい数のWiFi回線ですから。だからこそ、多重接続を回避できる、そういう技術も、恐らくこれはあると思うんですけれども、そういった部分をぜひちょっといろいろ調べていただいて、対応していただけたらと思います。

 あと、ペーパーレスで予算はどれぐらい削減できるかとか、そんな試算とかはしたことはありますか。

岡田参事 ペーパーレス化によって予算がどれだけ削減できるかにつきましては、まず、議案類の中で何を廃止するのか、あるいは印刷物の配付にかえてどういった電子媒体を導入するのか、そういったことによって環境整備の方法も変わってくると考えてございまして、現時点でこうした試算は行ってございません。

 ただ、一つの数字といたしましては、法律案等の議案、会議録、質問主意書、答弁書、公報、官報等の印刷物のうち、平成二十七年度のものを用いまして、衆議院議員の皆様に配付をいたしました印刷物に係る費用を計算いたしますと、およそ概算で約二億九千万という数字が出てございます。

浦野委員 約三億。やはり、ペーパーレスを本格的に導入すれば、この約三億のお金が浮くということですから、その部分をペーパーレス化できるということは、恐らくほかの、例えばこの委員会でもそうですし、ほかのところでもペーパーレス化が進むと思いますので、ぜひこれはしっかりと、もちろん議運マターの部分もありますけれども、対応していただけたらと思います。

 少し時間も早いですけれども、質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

秋元委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

秋元委員長 この際、本案に対し、平井たくや君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会の共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。緒方林太郎君。

    ―――――――――――――

 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

緒方委員 ただいま議題となりました医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、基本方針に定める事項として、本人またはその子孫以外の個人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置に関する事項を明記することとしております。

 第二に、匿名加工医療情報作成事業者の認定基準として、医療情報を取得するに足りる能力及び匿名加工医療情報を適確に提供するに足る能力を有することを明記することとしております。

 第三に、認定匿名加工医療情報作成事業者は、医療分野の研究開発に資するような医療情報を取り扱うべきことを明記することとしております。

 第四に、本人またはその遺族が、医療情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される医療情報の認定匿名加工医療情報作成事業者への提供を停止することの求めを容易に行うことができるよう、その手続等について主務省令を定めるものとすることとしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

秋元委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

秋元委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。池内さおり君。

池内委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案並びに修正案に反対の討論を行います。

 本法案は、医療機関が保有する患者の医療情報を、本人がみずから拒否を申し出ない限り、匿名加工事業を行う第三者へ提供できるようにする新たな仕組みをつくり、さらに、製薬メーカーや医療機器メーカーが匿名加工情報を購入、利活用できるようにするものです。

 これは、医療情報の取得や第三者への提供等の場合、本人の直接同意を原則とした改正個人情報保護法よりも後退するものであります。

 そもそも、個人の病歴や心身の状態に関する情報は極めて重大な個人情報であり、原則、本人の同意なく第三者へ提供されることは、深刻なプライバシーの侵害にほかなりません。

 第二に、認定匿名加工医療情報作成事業者が認定基準を守って運営しているのかの確認、情報利活用者が適正に情報を管理、使用しているかの確認体制が不明確な点です。

 本法案には、認定匿名加工事業者からの情報流出に罰則規定はあるものの、セキュリティー等の認定基準に違反していないかのチェック体制が不明確です。

 また、将来、匿名加工技術が進展することで、本人特定が可能になることは否定できません。情報利活用者が本人の再識別を行っていないか、目的外利用をしていないか等の確認についても法文上明らかではありません。これでは、国民の医療情報を厳正に守ることはできません。

 第三に、長年にわたって医療関係者が築き上げてきた医療倫理を崩壊させる懸念があります。

 戦時中の人体実験の反省から、戦後、我が国では、患者の人権を守るため、医療関係者への医療倫理を徹底し、臨床研究や治験に限り、厳しい倫理指針に基づく本人への十分な説明と同意を前提に医療情報の利活用を行ってきました。この医療倫理の崩壊は、患者の人権侵害につながりかねません。

 医療情報の蓄積や利活用が医療の進歩に寄与することは否定するものではありませんが、さきに挙げたさまざまな問題点や懸念が医療関係者からも指摘をされている中で、本法案を拙速に通過させることは、断じて容認できません。

 なお、修正案についても、以上述べた問題点を解決するものではなく、反対であることを表明して、討論を終わります。(拍手)

秋元委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

秋元委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、平井たくや君外四名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋元委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋元委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

秋元委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平井たくや君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。ふくだ峰之君。

ふくだ委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 医療情報取扱事業者に対して本人又はその遺族が医療情報の提供の停止の求めを行う際に、その手続を容易に行うことができるよう適切な措置を講ずること。

 二 匿名加工医療情報の利活用に際して、一定の地域や団体に属する者等の本人やその子孫以外の者にも不利益が生じ得る可能性があることを踏まえ、こうした不利益が生じないよう適切な措置を講ずること。

 三 認定匿名加工医療情報作成事業者に対する医療情報取扱事業者からの医療情報の提供や、認定匿名加工医療情報作成事業者が利活用者に対し匿名加工医療情報の適正な利活用を求めることを含め、認定匿名加工医療情報作成事業者から匿名加工医療情報の利活用者への提供が適正に行われるよう、認定匿名加工医療情報作成事業者に対して適切な措置を講ずること。

 四 認定匿名加工医療情報作成事業者が、学校、職場等における健康診断の結果等の医療情報の提供を受けようとする場合には、学校、事業者等の理解を丁寧に得るようにすること。また、これらの医療情報の提供に当たっては、本人の権利利益の保護が図られることに留意されなければならないこと。

 五 官民データ活用推進基本法の理念にのっとり、医療情報等及び匿名加工医療情報に係る個人の権利利益の保護に配慮しつつ、その適正かつ効果的な活用の推進を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

秋元委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋元委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。石原国務大臣。

石原国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

秋元委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋元委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

秋元委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十分散会


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