衆議院

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第15号 平成31年4月26日(金曜日)

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平成三十一年四月二十六日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 牧原 秀樹君

   理事 平  将明君 理事 谷川 弥一君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 剛明君 理事 山内 康一君

   理事 大島  敦君 理事 岡本 三成君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      泉田 裕彦君    上杉謙太郎君

      大西 宏幸君    岡下 昌平君

      金子 俊平君    神谷  昇君

      小寺 裕雄君    杉田 水脈君

      高木  啓君    中曽根康隆君

      中山 展宏君    長尾  敬君

      西田 昭二君    本田 太郎君

      松野 博一君    松本 洋平君

      三谷 英弘君    村井 英樹君

      和田 義明君    今井 雅人君

      大河原雅子君    岡本あき子君

      近藤 昭一君    篠原  豪君

      初鹿 明博君    山尾志桜里君

      山崎  誠君    浅野  哲君

      後藤 祐一君    森田 俊和君

      山岡 達丸君    太田 昌孝君

      佐藤 茂樹君    塩川 鉄也君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (情報通信技術(IT)政策担当)         平井 卓也君

   内閣府副大臣       左藤  章君

   内閣府副大臣       佐藤ゆかり君

   内閣府大臣政務官     長尾  敬君

   内閣府大臣政務官     安藤  裕君

   総務大臣政務官      國重  徹君

   総務大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    古賀友一郎君

   法務大臣政務官      門山 宏哲君

   国土交通大臣政務官    工藤 彰三君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  二宮 清治君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       植田  浩君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           西  浩明君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 佐藤 文一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 米澤  健君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        川又 竹男君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      菅久 修一君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          其田 真理君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            中村  修君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           宮地  毅君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        佐々木 浩君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 泉  宏哉君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 赤澤 公省君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  北崎 秀一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           岡田 健一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 小野平八郎君

   政府参考人

   (国税庁長官官房審議官) 吉井  浩君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    重藤 哲郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本 麻里君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    前田 泰宏君

   内閣委員会専門員     長谷田晃二君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十六日

 辞任         補欠選任

  金子 俊平君     上杉謙太郎君

  松野 博一君     和田 義明君

  今井 雅人君     山崎  誠君

  山岡 達丸君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     中曽根康隆君

  和田 義明君     松野 博一君

  山崎  誠君     今井 雅人君

  浅野  哲君     後藤 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     金子 俊平君

  後藤 祐一君     山岡 達丸君

    ―――――――――――――

四月二十六日

 学童保育(放課後児童健全育成事業)の「従うべき基準」を堅持することが実現できる財政措置に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第九一一号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第九一八号)

 同(近藤昭一君紹介)(第九一九号)

 同(中川正春君紹介)(第九二〇号)

 同(長尾秀樹君紹介)(第九二一号)

 同(柚木道義君紹介)(第九二二号)

 同(吉川元君紹介)(第九二三号)

 同(石崎徹君紹介)(第九四〇号)

 同(尾辻かな子君紹介)(第九四一号)

 同(山花郁夫君紹介)(第九四二号)

 同(金子恵美君紹介)(第九五一号)

 同(岡島一正君紹介)(第九五四号)

 同(中谷一馬君紹介)(第九六三号)

 同(白石洋一君紹介)(第九七七号)

 同(山井和則君紹介)(第九七八号)

 同(小林鷹之君紹介)(第一〇〇九号)

 幼児教育・保育の無償化に関する請願(浅野哲君紹介)(第九二四号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第九五五号)

 公務・公共サービス拡充に関する請願(池田真紀君紹介)(第一〇〇〇号)

 同(石川香織君紹介)(第一〇一一号)

 同(神谷裕君紹介)(第一〇一二号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一〇一三号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第一〇一四号)

 同(寺田学君紹介)(第一〇一五号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一〇三五号)

 マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の撤回と対象拡大の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇〇八号)

 マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)


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     ――――◇―――――

牧原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣審議官時澤忠君、内閣官房内閣審議官二宮清治君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君、人事院事務総局総括審議官西浩明君、人事院事務総局給与局長松尾恵美子君、内閣府大臣官房審議官佐藤文一君、内閣府大臣官房審議官米澤健君、内閣府子ども・子育て本部審議官川又竹男君、公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君、個人情報保護委員会事務局長其田真理君、金融庁総合政策局参事官中村修君、総務省大臣官房総括審議官宮地毅君、総務省大臣官房地域力創造審議官佐々木浩君、総務省大臣官房審議官稲岡伸哉君、総務省大臣官房審議官泉宏哉君、総務省大臣官房審議官赤澤公省君、総務省自治行政局長北崎秀一君、外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官岡田健一君、財務省大臣官房審議官小野平八郎君、国税庁長官官房審議官吉井浩君、国税庁課税部長重藤哲郎君、厚生労働省大臣官房審議官迫井正深君、厚生労働省大臣官房審議官山本麻里君、中小企業庁次長前田泰宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。牧島かれん君。

牧島委員 皆様、おはようございます。

 本日は、デジタル手続法案について質問いたします。自民党の牧島かれんです。

 平成最後の質問日となりました。デジタル手続法の審議ということで、ただいま委員長もタブレットでの読み上げをしていただきました。質疑者もタブレットで質問させていただき、きょうは大臣も御答弁をタブレットで行っていただくという、大変画期的な審議を行うことができるようになりました。皆様の御理解に感謝申し上げます。

 この法律案、正式名称は大変長くて、法案の関係資料というのは、このように電話帳のような分厚さでございます。平成のうちに国会改革をということで提言してまいりましたけれども、まだまだスタート地点に立ったばかりかなというふうにも思っております。この法律案がしっかりと成立をすれば、国会改革も進む、行政運営も効率化が進んでいくというふうに期待をしております。

 このデジタル手続法で、オンラインでもいいですよというオンライン可能から、オンラインが原則になりますよというオンライン原則へと転換する、大変大きな一歩を踏み出そうとしていると受けとめております。

 まず、大臣にお伺いをいたします。この法案の意義、そして基本的な原則、考え方について、まずは御答弁、タブレットでよろしくお願いします。

平井国務大臣 質問、ありがとうございます。

 牧島先生とは党のIT戦略特命委員会でも、もう四年間ですね、ペーパーレスで会議を続けてきたので、その場がここに移ってきたのかなというふうに思うと、何か感慨深いものがあります。皆様方の御支持で、今回このようにタブレットで答弁させていただきます。

 まず、IT基本法が制定された二〇〇〇年と比較しても、近年の世界的なデジタル化の進展というのは驚くべきものだと思います。これから先の時代は、恐らく我々が想像する以上に大きな変化を遂げていく、そのことは間違いないと思います。

 一方で、我が国が置かれている状況は、少子高齢化、人口減少が深刻化しておりまして、生産性の低下とか地方消滅というようなことが危惧されるなど、日本はこのままの延長線上では立ち行かなくなってしまうのではないかと多くの方々が感じています。

 そうした中、政府でも、ソサエティー五・〇を掲げて、経済発展と社会的課題の解決を両立する次の新たな社会を目指しておりますが、本法案は、行政のあり方の原則を紙からデジタルに転換することにより、単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化するのではなくて、デジタルのよさを十分考えて、対する考え方を導入して、デジタルを前提とした次の時代のための新たな社会基盤を構築するということが大きいことだと思います。このチャレンジは、世界で高齢化の先頭にいる我が国が世界から注目される先行事例として、歴史的にも大きな意義があると考えています。

 本法案によって、次の時代に進化、発展させていけるような基盤を次の世代に残し、デジタル技術の恩恵により、次の時代の日本がすばらしい時代を迎えられるように、取り組んでまいります。

牧島委員 大臣、ありがとうございます。

 未来志向でということでしたので、この紙もいずれはなくなっていくのかなというふうに、大臣のお話を伺いながら、今感じたところでございます。

 これから何問かテクニカルな質問をさせていただき、また後ほど大臣には御答弁をお願いしたいと思います。

 一方で、紙や対面も残した方がいいのではないかという御意見もあります。ただ、アナログの世界とデジタルでの手続、併存していくとどうなるのか、国民にとって最終的に利便性や使い勝手がかえって低下してしまうことになるのではないかという御意見も出ています。政府でも、また事業者でも、双方の手続ができるようにするためには、過重に投資をしなければならない場面が今後考えられるといった指摘も出ていまして、新経済連盟の試算では、帳簿などを電子保存で完結するなどバックオフィスの一部に限っただけでも、約二兆円規模の生産性向上が見込めるというふうな期待の声も上がっています。

 一方で、幾つか添付書類を出さなければならない手続がある中、添付書類の撤廃も進められるというふうに理解しておりますが、反対に、添付をしなければならない例外というケースも残るのでしょうか。その点、お聞かせください。

時澤政府参考人 お答え申し上げます。

 添付書類につきましては、複数の署名がなされました原本を提出する必要がある場合、あるいは変更の届出の際に既存の登録書を添える必要がある場合など、申請に係る書面のうちにその原本を確認する必要がある例外的なケースを除きまして、撤廃に向けた取組を進めてまいりたいと思います。

 具体的には、まず、添付書類の必要性そのものの精査を行います。そして、可能な限り提出を不要とすることといたしたいと思います。

 その上で、なお提出を求める必要がある場合でございますが、行政機関が作成している添付書類につきましては、行政機関間の情報連携を推進して、また、行政機関以外の事業者が作成している添付書類につきましても、添付書類のデジタル化や官民による情報連携を事業者等に協力を求める、こういったことの取組を進めることによりまして、添付書類を削減してワンスオンリーの実現を図ってまいりたいと考えております。

牧島委員 原則は、撤廃する、そして提出をしなくてもいいようにする、ワンスオンリーでいくという原則について御答弁いただきました。

 手数料の納付についてもオンラインで実施できるというふうにあります。その方法はどのようなものになるのかお尋ねをしたいのですが、大臣も御答弁の中で、高速道路を使うときのETCカードについて例示として挙げていらっしゃいました。このような、デジタル化することによって割引になっていくといったようなインセンティブは考えていらっしゃるのでしょうか。

時澤政府参考人 本法案では、国の行政手続をオンラインで行う際に、手数料の納付につきましてもオンラインで実施することとしております。

 具体的には、現時点におきましても、既にインターネットバンキング等を利用することによりまして、登記や自動車関係手続をオンラインで申請する際に、手数料の電子納付が可能となっているところでございます。このような取組を広げていきたいと思っております。

 また、手数料の減免につきましては、現時点におきましても既に、登記事項証明書の交付請求や自動車の継続検査手続などをオンラインで行う場合には実施をされております。

 手続のオンライン化によりまして、窓口対応や行政内部の事務処理の効率化などによります行政コストの低減も期待されますので、こうしたことを踏まえた手数料の引下げについても各府省に検討を促してまいりたいと考えております。

牧島委員 既に実施されている減免の手続についてなど、また今後の方向性についても、皆様に周知徹底をお願いしてまいりたいと思います。

 また、署名や委任状の出し方も変わってくるのではないか、電子署名や電子委任状というものも使われるようになるのかどうかお伺いしたいと思います。まだなじみの薄い方もいらっしゃると思いますので、御説明をお願いいたします。

時澤政府参考人 電子署名や電子委任状の仕組みでございますが、これは、デジタル社会における本人確認の基盤でございます。二十四時間三百六十五日、いつでもどこでも行政手続や民間取引を安全、安心に行うための環境を整えるというものでございます。

 まず、電子署名でございますが、これは電子化された文書に対して行われる電子的な署名でございます。紙の世界におけます押印に当たるもので、これを印鑑証明に当たる電子証明書とともに送付することで、その電子文書が本人により作成されたものか、真正なものかを確認できる仕組みとなっております。

 電子署名を行うための主な手段といたしましては、マイナンバーカードに搭載されております電子証明書を利用する方法がございます。ほかにも、電子署名法に基づく認定認証事業者が発行する電子証明書を用いる方法、商業登記制度に基づいて法務省が発行する電子証明書を用いる方法がございます。

 次に、電子委任状でございますが、例えば企業が契約や証明書を発行する場合、普通の紙の文書でありますと、社員が代表者の印鑑を押すことで、その文書が代表者の委任を受けて作成された正式なものということが証明できるわけでございますが、電子化された文書の場合には、社員が自分で電子署名をしただけでは、その電子文書が本当に代表者の委任を受けて発行されたものかどうかというのがわからないという課題がございます。

 電子委任状は、こうした事態に対応する、紙の世界における委任状に当たるものでございまして、社員が代表者から文書の作成に必要な権限を委任されていることを電子的に証明をするものであります。これによりまして、社員の電子署名に加えまして電子委任状を添付することで、会社として正式な電子文書を発行できる仕組みとなっております。

 このように、電子署名や電子委任状はデジタル社会におけます安心、安全の基盤でございますので、今後、総務省とともに一層の普及に努めてまいりたいと考えております。

牧島委員 安心、安全な基盤である正式な文書であることを証明する手段として、皆様に御理解いただけるよう努力をしていく必要があると思いました。

 次に、クラウドの活用について数点お伺いをいたします。

 情報システムの整備や、またデータの標準化といったものも、デジタル手続を進める上で必要なことだと考えております。古いシステム、レガシーの更新、改修は重要な点です。さらに、セキュリティーレベルを上げるためや効率性を上げるためのクラウドの活用というものにも注目が集まっています。

 署名を単に電子申請するというだけではなくて、必要なデータに着目すれば、書式をそろえて送りますということをしなくても、クラウドを活用して、そのクラウド上でデータを参照する、共有できるはずです。そうすると、データを送信する手間も省けるのではないかと思います。

 既に、企業や、その企業の税理士さん、社労士さん、取引先の金融機関との間ではこうした仕組みが使われておりまして、企業が契約している民間クラウドを活用したデータ共有が行われています。

 行政機関に対する従来の申請にかえて、企業が行政機関とクラウド上で必要なデータを共有できれば、企業側にとっては、負担が軽減される、生産性向上できる、大きく寄与するものと考えます。また、行政機関側にとっても、データを保有するためのサーバーの容量を見直していくことにもなるでしょう。

 ですから、政府が、クラウドを活用した、企業の社会保険手続とか税手続のワンストップ化、ワンスオンリー化を目指していると承知していますけれども、幾つか法的に整理しておく点があると思います。

 まず、企業が契約している民間クラウドサービスを活用した申請が進められる場合、例えば、申請日時、時間などの記録は、ファイルをアップロードした時点なのか、行政機関の方でファイルが記録された旨通知を受けた時点かなど、法的な整理をこの後どのように行っていくつもりか、御答弁をお願いいたします。

向井政府参考人 お答えいたします。

 本法案による改正後の行政手続オンライン化法第六条第一項に定める申請等につきましては、同法第六条第三項におきまして、「申請等を受ける行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該行政機関等に到達したものとみなす。」と規定しておるところでございます。

 現在検討を進めております社会保険・税ワンストップサービスに係るクラウドを活用した申請等におきましては、企業は事前にクラウドを用いて提出を行う旨の申請を行政機関等に対して行い、行政機関等がこれを承認した後に、クラウドへのアクセス権限を当該行政機関等に対して付与する、そういうふうな仕組みになるというふうに考えてございますが、当該事前の申請、承認を経たクラウドへのアクセス権限が行政機関等に付与されたことをもちまして、このクラウドが、第六条第三項に規定いたします「行政機関等の使用に係る電子計算機」というふうになると考えております。

 その上で、このクラウドに提出データが記録された時点で、同法第六条第三項に規定いたします「行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた」こととなるために、当該記録された時点が申請等の到達時点になると法的に整理しているところでございます。また、その際には、当該クラウドに提出データが記録された旨を直ちに行政機関等に通知する仕組みを設けることとしております。

 なお、企業がまずこの事前の申請、承認を経たクラウドに提出データを記録し、その後、当該クラウドへのアクセス権限を行政機関に対して付与した場合は、当該アクセス権限を付与された時点で、「行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた」ということになりますので、当該アクセス権限が付与された時点が申請等の到達時点になると整理しているところでございます。

 上記の法的整理を踏まえながら、今後、クラウドを活用した申請に係る具体的な要件等を検討してまいりたいと考えております。

牧島委員 ありがとうございます。

 また、申請を行う企業が契約した民間クラウドサービスを活用して、企業と行政機関、それぞれがデータを共有するわけですが、契約主体はあくまで行政機関ではないにせよ、そこで共有するデータは行政機関のものでもありますので、利用できるクラウドには一定の要件をかけるべきですし、データの保全やセキュリティーに関する官民の責任分界についてもしっかりと整理していただく必要があると思います。

 このような懸念について、政府としてはどのように対処するつもりでしょうか。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 行政機関が、企業と契約をしたクラウドを用いて申請等の受取を行う場合には、このクラウドを行政機関も使用することとなるために、今後整備される予定の政府のクラウドの調達基準なども踏まえながら、当該クラウドの要件を整備する必要があるものと考えております。

 その上で、企業がクラウドを利用して申請等を行う際の行政機関の承認に当たっては、アクセスコントロールの実施や安全な通信方法の採用、それからデータの必要期間の保存や適切な履歴管理など、情報セキュリティーやデータ保全等についても一定の要件を満たしていることを確認する必要があるものと考えております。

 また、情報セキュリティーに関する官民の責任分界については、クラウドからの通知やデータ送信について、行政機関のシステムに到達する前の処理過程、伝送過程で誤りや改ざんがあった場合には民間側の責任、行政機関のシステムに到達した後の処理過程での誤りや改ざんがあった場合は行政側の責任とする一方、行政機関からクラウドへの処分通知等につきましては、クラウドに到達する前の処理過程や伝送過程での誤りや改ざんがあった場合は行政側の責任、クラウドに到達した後の処理過程で誤りや改ざんがあった場合は民間側の責任になるものと考えているところでございます。

牧島委員 今御説明がありましたようなクラウドを利用した申請について、いつから、どのような手続で実現していく見込みなのかも教えてください。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 改正後の行政手続オンライン化法の規定により、オンライン手続が可能な全ての申請等及び処分通知等において、法的にはクラウドを活用した方法により行うことが可能となっております。

 一方で、このような新しい方法により申請等及び処分通知等を行うためには、利用する官民双方での業務フローへの見直し、システム整備が必要となることから、まずは、企業の負担軽減効果が高いなどニーズが高いと考えられるもの、行政機関等に申請、届けを行ったものについて提出者に一定期間保存義務が課されていると解されるもの、提出者や国民の権利義務に直接的な影響が少ないものにつきまして、利用者である企業あるいは民間のソフトベンダー、クラウド事業者等の意見を踏まえながら、二〇二一年度から順次実現できるよう、関係省庁と連携協力し、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

牧島委員 しっかり取り組んでいくという御答弁をいただきました。

 申請だけではなく、住民税の特別徴収税額決定通知など、行政機関から企業への処分通知についても企業のクラウドで受け取れるようにしたい。企業側のニーズは高いと思いますので、このあたりも取り組んでいただくことを政府に要望いたします。

 それでは、IT調達の一元化について、大臣に何点かお伺いをしてまいります。

 平成三十年十二月、IT戦略本部において、デジタル時代の新たなIT政策の方向性として、これまでの検討を進めつつ、調達手続の見直し、調達を行うIT専門人材の確保、政府全体のスケールメリットを生かすためのIT調達、予算の一元化などについて、早急に検討を開始するよう総理から指示が出ているかと思います。

 内閣官房IT室において、予算の要求から執行までを一元的に管理することの意義について、大臣にお伺いしたいと思います。

 まずは、予算について、改革の効果としてどのようなものが挙げられますか。

平井国務大臣 今回、この法案に、予算、調達に関して一元化ということを明記していただいたのは大変大きな効果があるというふうに思っています。

 これまで、政府の情報システムについては、システムの共通化、統一化、廃止、サーバー稼働率の適正化、運用管理者の削減等を一体的に進めてまいりました。この結果、年間運用コストについては、二〇二一年度に二〇一三年度比で三割削減の一千百十八億円の効果を見込んでいます。

 こうした維持管理コストの削減には引き続き取り組んでまいりますが、今後のデジタル社会では、政府情報システムについて、データが標準化され、情報システム間での情報連携が図られるとともに、法律や制度の改正といった変化に柔軟かつ簡単に対応できるよう再構築していかなければなりません。

 現在の政府情報システムの予算、調達のあり方は、府省縦割りとなっておりまして、こうした今後の情報システムのあり方を実現するために必要不可欠な政府横断的視点で取組を進めるということが今までは困難となっていました。

 このため、内閣官房IT室のリーダーシップのもと、予算、調達の一元化を含め、予算の要求から執行までを通した一元的なプロジェクト管理の強化に向けて検討を進めているところです。

 この具体的な効果のうち、予算面については、各府省が縦割りで行っていた予算要求と予算措置が一括要求、一括計上に変わることにより、重複要求、重複投資の回避、そして、情報システムの共用、集約化の進展による効率化、新技術の活用など、経済成長につながる分野への投資が図られると考えています。

 なお、これらの取組は、一時的な投資額はふえるということが必要かと思いますが、長期的には、システムの運用経費や定期的な改修経費等の削減につながり、投資対効果を十分に高めることになると考えております。

牧島委員 大臣から、予算面での効果は大変大きいということで御説明がございました。

 調達についても一部触れていただきましたが、その効果、更に私たちとしては期待したいところですけれども、大臣、調達面の効果はいかがでしょうか。

平井国務大臣 政府情報システムの予算、調達の一元化を含めた一元的なプロジェクト管理の強化によって、従来各府省単位だった調達に対し、内閣官房による政府横断的な視点での審査が入ることになります。

 これによりまして、政府横断的なクラウドサービス等の活用によるスケールメリットの享受、統一的なセキュリティー水準の確保、情報システムの構成やデータの標準化の進展、一者応札の要因でもある複雑、硬直的なシステム構成の解消、最新の動向を踏まえた新技術の導入や、機動的かつ柔軟な開発手法の活用といった効果が得られるものと考えています。

 デジタル社会における政府の情報システムのあるべき姿を実現するためには、こうした効果を早期かつ着実に得られるようにすることが必要であるため、私自身も参画して、新たな取組、仕組みを構築してまいります。

牧島委員 プロジェクト管理を行っていく、そして、大臣みずから参画していただけるということでございます。

 さらに、人材や体制面での効果についてもお伺いをしたいと思います。

平井国務大臣 政府情報システムにおける人材面、体制面については、情報システムに知見を有する職員が不足している、業務経験から得られたノウハウ等について政府として継続的に蓄積して横展開する仕組みがない、最先端の知識、技術を習得する機会が少ないといった課題が挙げられます。

 こうした課題を踏まえ、現在、政府情報システムの一元的なプロジェクト管理を強化するための取組として、情報システム単位で、内閣官房と各府省が一体となって予算、調達に係る業務に取り組む仕組みを検討しているところです。

 この仕組みができれば、各府省の担当者にとって、情報システムの予算、調達に係る業務機会がふえるとともに、IT室に在籍する、情報システムの開発や整備を現場で行ってきたエキスパートから知見やノウハウを得ることができます。政府全体の人材の裾野の拡大につながると考えています。

 こうした効果を着実に得て、今後のデジタル化の進展に着実に対応できるよう、しっかりと進めてまいりたいと思います。

牧島委員 ありがとうございます。

 今、大臣が御答弁いただいたとおり、各府省、業務ごとに縦割りだった時代には、やはり調達コスト、値段も高どまりしていた、それが、横断的な改革が行われるようになれば全体最適が見られるようになる、そのようなことだと理解いたしました。

 PDCAサイクルはその際どのように回していくのか、大臣、お願いいたします。

平井国務大臣 現状では、毎年の情報システム予算に関して、各府省が予算要求を行う八月末にIT室に対して登録が行われ、その後、IT室において検証することが通例となっています。このため、重複投資の排除等の抜本的な軌道修正を行うには遅過ぎる、妥当性の精査等の詳細な検討を行うには早過ぎるという問題を抱えています。

 こうした情報を改善するために、IT室が財務省等と連携しつつ、予算、調達サイクルを、まず、プロジェクトの計画段階である予算要求前、プロジェクトの具体化段階である予算要求時、そして、詳細仕様の検討段階である予算執行前の三段階に分けて、各段階に応じた検証を行う、年間を通じた管理の仕組みに変更することを検討しています。

 各段階での検証を適切に行い、PDCAサイクルを短いタームで着実に回すことにより、政府情報システムの一元的なプロジェクト管理の対応を実効性のあるものとし、デジタル化の進展に適切に対応してまいりたいと思います。

 PDCAを速く回して、いわばアジャイルに近い形でやっていこうということであります。

牧島委員 今、大臣が強調していただいたとおり、PDCAサイクルが速く回るということの効果、期待をしていきたいと思います。

 現時点では、人事給与関係業務システム、会計システム、旅費の計算、そうしたものが各府省でばらばらだったりしたということがそれぞれのヒアリングによってわかってきておりまして、そうしたパンチング業務に限っただけでも削減効果は大きいのではないかと思います。

 これによって削減された予算は、今度は、今、大臣おっしゃったとおり、アジャイル開発ですとか、大変速くスピードが進んでいるデジタル化に対応するために、質の向上に振り分けていっていただきたいと思うのですけれども、大臣、どうでしょうか。

平井国務大臣 お答えします。

 これまで政府情報システム予算の運用コストの削減に取り組んできたように、引き続き、経費の抑制には取り組んでいかなければならないと考えています。

 他方、社会全体のデジタル化が今後更に進展することを踏まえますと、行政のデジタル化に向けた要請は一層高まると考えられ、セキュリティーの確保、データやシステム構成の標準化といった政府横断的な事項、インシデント対応のような緊急的な事項といった、従来各府省縦割りの予算、調達では十分に対応できない部分にも、適切に措置していくことが必要となります。

 このため、予算の要求から執行まで通した一元的なプロジェクト管理の強化においては、IT総合戦略室と各府省が一体となって情報システム予算、調達の適正化を図り、経費を可能な限り抑制するとともに、削減分については、生産性、付加価値が高くセキュリティーインシデントへの適切な対応が図られる、デジタル時代にふさわしい政府情報システムを構築するための経費として活用できるよう、検討を進めているところであります。

牧島委員 セキュリティーインシデントへの対応ということで、予算が有効活用されることをお願いしていきたいと思います。

 一方で、政府情報システムの更新スケジュールは、それぞれ違った年度が設定されています。これからシステムを更新していく、改修していく、最終的に全体でどれぐらいの年数がかかりそうでしょうか。

平井国務大臣 個別の政府情報システムについては、システム更改時期を目安に、一元的なプロジェクト管理の対象に組み込む方向で検討しているところです。

 一般的に、情報システムの更改のサイクルについては、機器等のリース期間も踏まえて五年程度となっていますが、各情報システムの状況に応じてリース期間が延長されることもあります。

 議員御指摘のとおり、政府情報システムの更改のタイミングはさまざまではありますが、可能なものからすぐに着手をする、そして、情報システムの一般的なサイクルを踏まえて、できる限り早く取組を進めて、その方向が変わらないようにしたいと考えております。

牧島委員 早期の取組をお願いいたします。

 また、内閣官房においては、行政機関などに予算を配分するということは今まで行われてきませんでした。将来的にはデジタル調達庁なども視野に入れて検討することになるかと思いますが、調整権限を持っている内閣官房が予算を一括計上し、配分することが不可欠だと考えます。大臣のお考えをお伺いします。

平井国務大臣 今後のデジタル化の進展に適切に対応するためには強力な司令塔機能が必要になることから、昨年の十二月のIT総合戦略本部での総理、本年二月のデジタル・ガバメント閣僚会議での官房長官からの御指示を踏まえて、内閣官房のリーダーシップのもと、政府情報システムの予算、調達について、その一元化を含め、要求から執行までを一元的に管理する仕組みを検討せよと言われました。議員御指摘のとおり、デジタル調達の組織のあり方の検討は、今後非常に重要な課題であると認識しております。

 いずれにいたしましても、まずは、現在進めている政府情報システムの予算、調達の一元化に向けた取組を着実に進めてデジタルガバメントを実現するということが最優先で、その中でおのずと次の組織が見えてくるのではないかと考えております。

牧島委員 ありがとうございました。

 次は、本人確認についてです。関係府省、政府参考人の方々にお伺いをしていきます。

 マイナンバーカードは、国が無料で発行している最高位の本人確認のツールのはずです。ただ、お財布の中に入っているものはと問われると、健康保険証というふうに答えられる方が多いのではないかと思います。医療機関などで提示を求められるものです。

 自分であることを証明する大事なものとして扱ってはおりますが、一方で、保険証には顔写真は入っていません。他人に成り済まして保険証を悪用するケースもあるのだというふうに聞いています。こうしたことを防ぐためには、マイナンバーカードのような顔写真のついた証明書を使うことが安全性の確保の上でも重要だと考えます。

 今国会には、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする健康保険法等の改正法案が提出されていますが、医療分野でのマイナンバーカードを活用していくことで医療の質の向上にも寄与していくものと期待しつつ、政府として、具体的にどのような医療分野でのマイナンバーカードの活用を検討されているのか、実現の見通しも含めて御答弁をお願いいたします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在国会で御審議いただいている健康保険法等の一部改正法案では、医療保険の分野でマイナンバーカードの公的個人認証の仕組みを活用したオンライン資格確認の仕組みを二〇二一年三月から導入することを目指しております。

 オンライン資格確認の導入により、健康保険証にかえて、マイナンバーカードでも被保険者の資格情報が病院の窓口などでリアルタイムに確認できるようになります。

 このことにより、転職などで保険者がかわっても、新たな保険証の発行を待たずに医療機関で受診できることとなりますし、失効した保険証による過誤請求の減少も期待できると考えております。

牧島委員 さらに、マイナンバーカードを健康保険証として利用する際には、マイナンバーカードと生体認証としての顔認証とを組み合わせて本人確認を行うということを念頭に、本法案で公的個人認証の手当てをすることとされています。

 実際に、私たちは、自分で設定したはずのパスワードでも忘れてしまうということがありますので、パスワードのかわりにマイナンバーカードの顔写真と生体認証を使えるようになれば、高齢者の方にとっても安心、安全なデジタル社会をより実感できるようになる、こうした重要な改正だと私は考えております。

 今後、健康保険証として利用する場面だけではなく、パスワードがわりに顔認証を利用する場面もふやしていくことがあると思っていますが、マイナンバーカードの公的個人認証の電子証明書を使えば、民間の団体や企業でも厳格な本人確認や資格確認も行うことができるはずです。

 現時点では、相変わらず、免許証や保険証のコピーなどで本人確認が行われることも珍しくありません。紙のコピーでは本人確認の成り済ましは防ぐことはできませんし、手続の完全オンライン化、デジタル化の阻害要因にもなります。

 政府は、昨年のIT戦略で、銀行での本人確認に公的個人認証の活用を推進していく方針をいち早く示しています。金融庁に、この方針を受けての現状認識をお伺いいたします。

中村政府参考人 お答えいたします。

 平成二十九年五月に閣議決定されましたいわゆるIT戦略におきまして、「住宅ローン契約等における利用者の利便性向上及び銀行等の事務効率化の観点からは、マイナンバーカード(公的個人認証サービス)の活用促進を図ることが重要。」というふうにされております。

 現状の取組状況でございますけれども、マイナンバーカードの普及がまだ途上にあるということですとか、銀行におきましてシステム開発等のコスト負担が必要となることから、現時点で、実際にマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービスを活用し本人確認を行っているという銀行は限定的であるというのが実情でございます。

牧島委員 ぜひ、コピーでいいということはないようにしていただきたいと思っております。マイナンバーカードがなかった時代の本人確認、資格確認の手法を改めて、デジタル社会にふさわしい本人確認、資格確認の手法として、対面であっても、さらには電子的であっても、公的個人認証の活用を広く標準化すべきと考えますが、政府の見解をください。

向井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、これまで、対面という場合でも、例えば免許証とか、マイナンバーカードでもよろしいんですが、持ってきたもののコピーをとって保存する、あるいは、遠隔地の場合ですと、コピーを送るというふうなことがよく行われております。

 特に、先生御指摘のとおり、コピーを送るというのは、コピーというのは複製可能であります。一方で、免許証とかマイナンバーカードは複製可能でないので、やはり安全性は相当異なってくると思っております。

 そういう意味で、マイナンバーカードの電子認証、公的個人認証は極めて安全性が高く、かつ、全てデジタルで完結するという意味で、非常に便利なものと思っております。

 さらに、通常、対面か電子か、そういう対比をされますけれども、むしろ、対面であっても電子というのが十分可能になってくると思っておりまして、対面で、例えばマイナンバーカードで電子証明でピッとやれば、例えば銀行の方ですと、その画面に全部、どこの誰それが出るわけですし、そのままファイルに取り込めますので、パンチや、そこで打ち込む必要がなくなるということは多数起こると思っております。

 それは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせるというのも同様でして、例えば、病院で保険証を出しますと職員がパンチングするわけですけれども、それの打ちミスというのが起こりますが、マイナンバーカードをピッとやれば、どこの誰それの保険番号は何番というのはそのまま出ますし、そのままファイルに取り込まれる、そういうことでございます。

 したがいまして、実際に民間でも、一部の格安SIM会社で本人確認をする際の対面で使っている例もございます。

 こういったものをできるだけ普及できるように、私どももいろいろな面で努力してまいりたいというふうに思っております。

牧島委員 打ちミスがなくなるというのは重要なポイントかなというふうに、今お話を伺いながら感じました。

 確定申告の煩わしさも、マイナンバーカードがあることによって変化をしていくのではないかという声も出ています。また、マイナンバーカードの取得促進の取組の中で、私の地元は市役所の支所が閉鎖されていくという現状にありまして、市役所に行くのが大変な方は、郵便局に行ってマイナンバーカードで住民票などの交付を受けるというところも今進んでいるところでございます。コンサートなどでは、チケットの不正転売防止で使われていたり、また、社員証などで使われていたり、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアの管理にも活用されるべく実証中というふうに聞いています。

 マイナンバーカードへ移行されていく中で、通知カードが廃止されるということを周知徹底していただきたいと思います。総務省、いかがでしょうか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正法の施行後は、通知カードの新規発行は行わなくなります。また、既に交付された通知カードも、その券面に記載されている住所等の事項に変更があった場合に、市町村で通知カードの記載変更を行う手続は廃止することとしておりまして、早期にマイナンバーカードを取得していただくよう国民の皆様に周知していくことが必要でございます。

 総務省では、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や健康保険証との一体化などを見据えて、政府広報などを通じ、関係省庁と協力してマイナンバーカードの利便性を積極的に広報していくこととしており、この中で、通知カードの取扱いについてもあわせて周知することとしたいと思っております。

 また、現に通知カードを利用する場面で注意喚起をすることも効果的だと考えておりまして、マイナンバーを利用する事務を行う機関や市町村とも連携して、幅広く周知に取り組んでいきたいと考えております。

牧島委員 広報の方もどうぞよろしくお願いいたします。

 一点、振り仮名問題についてここで触れさせていただきたいと思います。

 子供が生まれたときに住民票の登録をするとき、振り仮名を振って役所で手続をしているので、姓名の振り仮名が公的に登録をされていると私たちは思い込んできました。しかし、実際には、この振り仮名には公的位置づけがなかったために、役所の中で、手続上、その担当の方が便宜的に振り仮名を振ってしまっていたといったケースもあったそうです。それがマイナンバーカードの通知カードのときにわかって、間違った振り仮名が振られて、手紙が通知カードとして届いたといったようなことも実際に問題として指摘をされました。

 この振り仮名問題、私一人に複数の振り仮名があると、別人格をつくることもできてしまうのではないかといったことも懸念します。一人に一つの振り仮名で固定した方がよいと思うのですけれども、どうでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、振り仮名は、実は住基台帳にも、それから戸籍にも、法的な記載事項としては載ってございません。

 それで、実際に、例えばそれらの氏名というのは、実は漢字のことを指しているということでございます。

 したがいまして、読み方については、基本的には公的に証明するものは何もないという現状でございます。

 一方で、電子化が進んでまいりますと、漢字で名寄せとかというのはなかなか難しいと思います。欧米ですと、全部アルファベットですので、これは割と、電子的に名寄せも簡単にできますけれども。したがって、銀行なんかは振り仮名で一応やっている。

 ただ、今御指摘のとおり、漢字でも、例えば、山崎の崎という字をザキと読むのかサキと読むのかとか、そういうものは、私も聞いた例ですけれども、実は家族によって読み方を変えているという場合もあるそうでして、そういうのを、やはり今後のデジタル社会を見通せば、統一していく必要は十分にあるというふうに考えております。

 ただし、難しいのは、最近の、例えばいわゆるきらきら読みといいますか、漢字では読めない、例えば月と書いてルナと読むとか、そういうようなものもございますが、それが読める読めない問題というのをやり出すと切りがないのかなというのもあります。

 したがいまして、そういう戸籍とか住基とは別のフェーズの、ITを進める上での標準的な読み方という形で公証というふうなことができないかということも検討してまいりたいというふうに考えております。

牧島委員 御検討をお願いいたします。

 次は、大臣に、デジタルデバイド対策についてお伺いします。

 こうしたデバイド対策をしていかなければならない。デバイスを使うのが得意な方と、そうでない方がいらっしゃる。特に、高齢者の方にとっては、使いこなす自信はないという方もいらっしゃるかと思いますので、周りで、自治会とか民生委員さんとか社会福祉協議会さん、それぞれ、地元の身近な方たちがデジタル活用の支援ができる体制をとっていただければなというふうに思っているんですけれども、どのような方が、高齢者の方の利用に当たって支援をしていただけそうなのか、大臣の御答弁をお願いいたします。

平井国務大臣 まず、この十二条の問題に答える前に、先ほどの振り仮名の話について、私も、今聞いておりまして、このことにはずっと気づいていたんですけれども、なかなか改めることができなかった。これは、ぜひ委員会の皆様方にも問題意識を持っていただくいい機会だと思うので、少し答弁させていただきます。

 つまり、日本の国では、名前の振り仮名は確定していません。それで決まっていないので、実は、選挙のたびに、自分の名前の読み方を変えて堂々と立候補される方が出てきたわけでございます。

 これはもう、私から見ると、社会通念上、限度を超えたことだと思いますし、どんどん成り済ましができてしまうし、さっき言ったきらきらネームは、月でルナ、海でマリン、希望と書いてホープ、こんなような名前は、もうたくさん、今、ざらにあるわけです。そのきらきらの読み方でもいいですけれども、一度決めたらもう変えないという制度をつくっておかないと、これはいつまでたっても、最終的な本人確認の基盤というものは、この国は脆弱性を排除できないというふうに思います。

 ですから、これはまた、ぜひ、この法案が成立することを機会に、来るべきデジタル社会のやはりセキュリティーというようなものも踏まえて御検討をいただければと思います。

 そこで、今度はデジタルデバイドの話でございますが、この法案においては、デジタル化の恩恵を、高齢者なども含む全ての国民に届けるべく、国の行政機関等に対し、デジタルデバイドの是正を図るための施策を講ずる義務を課しています。この条文は、非常に重要だと思います。

 具体的な支援体制は手続や業務の性質に応じて講ずることとなりますが、例えば、雇用保険の電子申請については、デジタル技術の利活用に精通した社会保険労務士がアドバイザーとしてオンライン申請を支援する取組が既に行われています。

 また、行政手続のオンライン申請に限らず、日常生活も含めたさまざまな場面で高齢者や障害者の方々がIT機器を利活用できるよう、ITリテラシーのあるNPO団体やIT企業の退職者等がデジタル活用支援員、これは仮称ですが、として地域の自治会や社会福祉協議会、地域運営組織等とも連携して支援する仕組みが現在総務省で検討されております。

 これらの取組も含めて、全ての国民にデジタルの恩恵を届けるということが一番重要なことだと考えております。

牧島委員 デジタル活用支援員、仮称ということでしたけれども、お進めいただきたいと思います。

 次に、マイナポータルと子ども・子育てに関してでございます。

 マイナポータルを活用すれば、少なくとも電子申請を受け付けることができるようになるはずなんですけれども、まだまだ自治体においては進んでいないという点、子ども・子育て本部にその意気込みをお伺いしたいと思います。

川又政府参考人 お答えいたします。

 オンラインを通じて子育て支援に関する必要な情報を提供するとともに、利用者の利用のための手続の煩雑さを軽減することは重要であると考えております。

 マイナポータルを活用した市区町村の子育て関連の検索、申請サービス、いわゆる子育てワンストップサービスにつきましては、そういった観点から有効な取組であるというふうに考えておりまして、運用開始に際しまして、自治体に対し、保育所の入所手続あるいは児童手当の事務における活用について周知をしております。

 ただ、活用状況を申し上げますと、本年一月時点で、マイナポータルに保育関係のサービス登録を行っている自治体が千五百四団体、人口カバー率九四・七%であるのに対しまして、保育所の入所申請がオンラインで可能な自治体は五百五十七団体、人口カバー率三八・三%にとどまっているというふうに承知をいたしております。

 今後、関係府省と連携し、今回の改正法案も踏まえまして、改めて、関連通知あるいは説明会など、あらゆる機会を通じて活用を促してまいりたいというふうに考えております。

牧島委員 通知や説明会という御答弁をいただきましたので、何とぞお願い申し上げます。

 国と連携して行う情報システムの標準化、クラウド化、共同利用化を行った場合、それを基準に国から必要な財政的援助を行って、それに応じない自治体には国からの補助は行わないといったような、めり張りをつけて地方自治体のデジタル化を一気に進めていくという考え方もあると思いますが、どうでしょうか。

時澤政府参考人 御指摘のありましたように、今後の地方公共団体のシステムにつきましては、クラウドを利用した共同利用、マイナポータルの活用など国が整備したシステムの利用、こういったことを中心に進めていくというのは方向性としてはあると思います。国としても、こういうシステムの整備を支援したいと思います。

 現在、自治体クラウド、共同でクラウドをやる場合には、総務省の方で地方財政措置を講じていただいておりますので、そうした例も参考にしながら、積極的にデジタル化に取り組む地方公共団体を応援していきたいと思っています。

牧島委員 ありがとうございます。

 時間が限られてくる中で、質問ではなく要望にさせていただきますが、ぜひ、自治体や民間の手続におけるデジタル化、例えば、手続で多くの方が苦労されている介護とか相続のところ、国への申請というより地方自治体、公共団体への申請も多いので、その点のデジタル化を進めていただきたいと思います。

 一点、内閣府防災、来ていただいております。

 防災のときには、罹災証明書の情報連携、これから早期に進めていただきたいと思っています。

 また、避難をされている先で、オンラインで仮設住宅の申請などもできるようにしていただきたいのですけれども、取組は進んでいるでしょうか。

米澤政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案におきまして、罹災証明書の交付事務を個人番号利用事務に新たに位置づけることといたしたところでございます。

 これによりまして、市町村は、罹災証明書の交付申請の受理、申請内容の審査及び応答に関する事務につきまして個人番号を利用することができるようになりまして、罹災証明書の情報を迅速かつ正確に検索し、管理することが可能となります。

 さらに、庁内連携条例を定めた場合でございますが、市町村内で個人番号を用いた罹災証明書の情報と税、社会保障の情報の連携により、減免申請等の罹災証明書の添付が不要となってまいります。

 また、仮設住宅等の被災者支援策のオンライン申請につきましては、先般ガイドラインを作成をいたしまして、市町村がマイナポータルのぴったりサービスが有する電子申請機能を活用し、被災者支援策のオンライン申請を可能とするために、あらかじめ準備をしておくべき事項をお示しをしたところでございます。

 これらの新たな取組につきましては、今後の災害の発生に備えまして平時からの準備を適切に進めますよう、市町村に周知を図ってまいりたいと考えてございます。

牧島委員 被災をされた方たちがストレスなくスムーズに手続が行えるようなプラットフォームというものを、整備をしていただきたいと思います。

 地方公共団体のデジタル化は依然として努力義務にとどまっているというのは、今後の大きな課題と受けとめております。

 また、オンライン利用促進対象手続、このオンライン化の現状はどのようになっているでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 総務省では、平成十八年度に、地方公共団体が電子申請等のオンライン化に取り組むための指針として、地方公共団体におけるオンライン利用促進指針を策定し、地方公共団体の取組を促してきたところでございます。

 この指針においては、特に重点的にオンライン化に取り組むオンライン利用促進対象手続を定めた上で、総務省において、毎年度これらの手続に関するオンライン利用率を調査の上、公表しているところでございます。

 平成二十九年度における率は五二・四%となっており、前年度比で一・〇ポイントの増、五年前と比べると一〇ポイント程度の増となっているところでございます。

牧島委員 図書館の貸出予約とか施設の予約などにはオンライン手続が使われることも多いようなんですけれども、まだそれはスタートラインかなというふうに思いますので、地方公共団体、更に進めていただきたいと思います。

 また、官民データ推進基本計画に関連しても、現時点で推進計画を策定している市町村は、努力義務とはいえ七十四団体にとどまっています。財政措置を考えてもいいと思っておりますので、しっかりと官民データ推進計画策定が進んでいただきたい。質問ではなく、要望とさせていただきます。

 また、民民手続についてですが、こちらもデジタル化を進めていかなければならないところだと受けとめています。例えば、株主総会の事業報告など、ウエブ開示制度があるんですが、その対象は限定されている状態です。こうした民民手続に関する法令改正はどのように進められる方針でしょうか。

時澤政府参考人 社会全体のデジタル化の実現のためには、やはり民間手続のオンライン化というのが必要だと思います。

 このデジタル法案におきまして、まず、国に対しまして、民間事業者による情報提供が適切になされるよう指導すること、あるいは啓発、そういったことで、民間手続におけますオンライン化の促進のための環境整備を義務づけております。その上で、情報通信技術の安全かつ適正な利用に支障がないと認める場合には、民間手続をオンラインで行うことが可能となるような法制上の措置を講じております。

 この法案の中でも、この規定を踏まえまして、LPガス法を改正いたしまして、販売事業者から一般消費者等に対する書面交付等につきまして、当事者双方が承諾する場合には電子メール等のオンラインで行うことを可能にするというような規定を整備しているところでございます。

 そのほか、各省におきまして、例えば株主総会の事業報告書のウエブ公開につきましても、これは検討がなされているところでございまして、民間手続のオンライン化の取組、政府全体として推進されるように、内閣官房としてもフォローしていきたいと思っています。

牧島委員 大臣に、最後、感想だけお伺いしたいと思います。

 この質疑で初めて、大臣答弁、委員長、そして質疑者、タブレットということで行わせていただきましたが、感想をどうぞお願い申し上げます。

平井国務大臣 紙のペーパーを持つのと一緒ですね、基本的に。基本的には一緒なんですが、ただ、事務方のコピーの枚数が相当減ったのかなというふうに思います。

 平成最後の委員会でこのようなタブレットで質疑をするという機会をつくっていただけましたことに、感謝申し上げたいと思います。

牧島委員 ありがとうございます。

 平成最後の、まずは一歩ということでございました。

 本法案の早期成立を願って、質問を終わります。ありがとうございました。

牧原委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党、岡本三成です。

 平成最後の委員会に立たせていただくこと、感謝申し上げます。

 きょう、大臣もタブレットをお使いで、質疑者は今までもこの委員会ではタブレットを使うことを許されていたわけで、最後の記念に私もと思いまして、昨日、イメージトレーニングをしたんですが、この質問の紙をPDFにしまして、タブレットに入れました。練習したんですが、視野角が狭過ぎて質問しにくいんですね。さすがに二十インチぐらいあればいいと思うんですが、ちょっと小さ過ぎると思って、余り意味がないなと率直に思いました。

 では、ノートブックでやってみようかなと思って、ノートブックに入れたんですが、重いんですよ。確かに、いろいろな情報をその場で見られることのメリットはあるし、法案に関しても、あの巨大なものをここで使うよりは意味があるんですけれども、実際、質問者は前日までにいろいろなことをインプットしてくるわけで、ここに山積みの紙をするわけではないですから、率直、質問者に関しては、余りメリットは現時点ではないなと思って、紙で質問することに決めました。

 ただ、一方で、大臣は意味があると思うんですね。この委員会では、きょうを除いて大臣はタブレットで答弁することは求められておりませんけれども、先ほど大臣の感想にありましたように、さまざまなデータを事務官の方も秘書官の方も御準備いただけるので、どういうことに対しても効果的に、効率的に質疑が成り立ちますし、私は、その意味では、実は、大臣にも通信機能があって、何かクイズ質問みたいなのが出たときとか、急に世の中が変わって、質疑通告がされていないようなときでも、後ろの秘書官の方がローデータを渡すことによって、そのローデータをもとに、事実をもとに大臣が思っていらっしゃることを答えるというのは意義があると思っておりますので、選択制にすればいいと思うんです。

 質問者も、選択をする中でどっちを使ってもいいし、この数枚の紙が無駄かと言われれば、資源的には無駄ですけれども、効率化等を考えたときに、私はきょうは紙を使った方が効果的だというふうに思っている一方で、大臣には、いつでも必要なときに通信機能までついたタブレットを使っていただくようなことの選択肢を与えることが、委員会としてすごく価値のある議論ができるというスタート地点に立てるのではないかなというふうに思いまして、そのことを申し上げた上で、紙で質問させていただきたいと思います。

 まず初めに、デジタル手続法案についてお話を伺いたいと思いますけれども、このメリットは、オンライン処理原則化によって行政手続の効率化、煩雑になりがちな、さまざまな行政手続を全てデジタル化できれば、国民の皆さんや事業者の皆さんのサービス、利用者側にとって利便性が上がるということだけではなくて、そのサービスを提供する行政側も大幅に効率が上がるということだというふうに理解しています。

 しかしながら、デジタル化をするためのシステム開発には、膨大な時間とコストがかかります。国がデジタル化にかける予算はどれぐらいなのか、まずそれをお伺いしたいと思います。

 加えまして、システムの質を確保しつつ、コストをできるだけ小さく抑える努力をしていただきたいというふうに思っているんですけれども、例えば、各役所、国交省は国交省でやり、経産省は経産省でやるというふうな、部分最適を求めた結果、全体最適にはなっていないというような結果になってもいけないですし、国交省の中でも、航空局と住宅局と道路局、別々、部分最適になって、全体としてはコスト的に全体最適になっていないということがあってはいけないと思います。

 また、地方自治体に関しては、これは努力義務ですけれども、地方自治体も、各自治体ごとにやるようなことになってはかなりコストもかさみますので、あくまでも努力義務ですけれども、内閣府からさまざまな情報の共有等をしながら、質の担保とコストの最小化ということを図っていただくような努力をしていただきたいと思っています。

 加えまして、SIベンダーを選定する際に、世の中には、最先端の技術は持っているけれども企業規模は大きくないようなSEの会社とか、又は実績はないけれども大手の企業をスピンアウトして超一流の方がいらっしゃるようなところもあるんですけれども、自治体や公的機関は、こういう比較的ベンチャーな人たちを活用することに二の足を踏むんですね。いつもこうおっしゃるんです、何か今まで実績はありますかと。実績はないからベンチャーなんですね。

 私は、公的機関がいろいろなベンチャー企業を支援するに当たって補助金を出したりするのは悪いとは言いませんけれども、多くのいけているベンチャーに聞きますと、公的機関から一番期待するのは、実績をつくってほしいんだと。このことを国交省にサービス提供しました、このことを埼玉県にサービス提供しましたという実績があれば、その方々の実力に合ったような将来のビジネスの機会が広がっていくわけです。

 ですから、どういうふうに全体を、部分最適、加えて全体最適をするようなコスト運営にしていくか。加えて、ベンダーを選定する際に、全部が大手のベンダーに行ってしまいますとベンダーもパンクしてしまいますので、分散も必要ですけれども、とりわけ未来に向かって拡大をする資質を含んだベンチャーのベンダーを育成をするという意味からも、どういうふうに活用していくかということをお答えください。

平井国務大臣 オンライン化のための今後新たに必要となるシステムの整備費用については、今後、法案に基づく情報システム整備計画の策定等を通じて精査をしていくということになっています。

 整備計画の作成に当たっては、クラウド・バイ・デフォルトを始めとする情報システムの共有化を進めることによって、効率的な整備を図っていく方針としています。

 そして、今後、オンライン化に必要なシステムの調達について、現行においても一般競争に技術力にすぐれたベンチャーが入札できるよう弾力的な運用が認められてはいますが、その実施が限定的なので、実は、三月二十九日に私が策定して公表した、世界に伍するスタートアップエコシステムの拠点形成戦略、ビヨンド・リミッツ、アンロック・アワ・ポテンシャル、これを発表させていただきました。この中に、公共調達ガイドラインを実践して、行政がスタートアップの顧客となってチャレンジすることを推進するということを盛り込みました。

 今後、本法案に基づいて行うシステム整備については、費用対効果の精査等を通じて効率的なシステム整備を図ることはもとより、ベンチャー企業の新しいアイデアや技術も取り入れながら、デジタル時代にふさわしい、付加価値が高く効率的なシステムの構築を実現してまいります。

 実は、地方自治体においてもトライアル発注という制度がもう既にあって、こういうことに取り組む地方自治体に更に支援策を広げていくということが必要かなと考えております。

岡本(三)委員 大臣、ありがとうございます。

 スタートアップの企業に対して優先的に発注をして実績をつくるというのを国でも自治体でも取り組もうというのは、すばらしいと思います。

 もともと、公的機関が発注するときには仕様書が決まっておりまして、スペック、クオリティー、これ以上でお願いしますということを言っているわけですから、大企業に比べてスタートアップの企業のクオリティーが低いというのは発注の時点でないわけですから、そうであれば、さまざまな機会を提供していくようなところに視点を置いていただくというのが非常に重要だと思います。

 ちなみに、今、年間、中央政府が使っているシステム開発、メンテナンスコストは、ざっくり七、八千億ぐらいだと私は認識しているんですけれども、地方自治体には努力義務ですけれども、努力していただくことで、自治体も開発、メンテナンス、今後幾らぐらいかけてやっていくのかということを推しはかるために、昨日、総務省に、今、年間、自治体がそれぞれ使っている開発、メンテナンスコスト、全部足すと幾らですかと伺ったんですね。把握していませんと言われました。

 要は、自治体には自由な運用を任せるということは当然必要ですけれども、全体としてコストの最適化を図る意味で、常にモニタリングをしながらアドバイスをしていくという姿勢は大切だと思いますので、結果的にクオリティーに見合わないぐらいの莫大な費用が自治体でかかってしまったということがないように、内閣府の方には目くばせをしていただきたいというふうに思いますし、各役所ごとの横軸の役割をしっかりとこのデジタル化の波においても果たしていただきたいと思います。

 続きまして、よく話題になりますデジタルデバイドの対策についてお伺いをしたいんです。

 私、非常に問題意識を高く持っていますのは、国の行政機関に対してさまざまな手続をする方というのは、多くは団体なんですね。企業であったり、法人、NPO、いろいろなところ、ありますけれども、要は、ある程度の人員も抱えていらっしゃるし、ある程度の業務の歴史もあるところが多いですから、デジタルデバイドでITリテラシーの低い方ばかりではなくて、中にはちゃんと高い方もいらっしゃって、このデバイドが問題になることはないと思っているんですが、地方自治体でさまざまな手続をされる方の多くは個人でいらっしゃって、個人の場合はこのデバイドの差が非常に大きいというようなところに問題意識を持っています。

 しかも、ここは地方に努力義務を課しているわけで、国が全部まとめて責任をとっていこうということではないわけですから、さまざまな方々にしっかりと機会の提供をしていくことは重要だというふうに思っています。

 この法案自体は、国、地方公共団体、民間事業者、国民その他の者があらゆる活動において情報通信技術の便益を享受できる社会が実現されるようにというふうにうたってあるんですけれども、そのことを実現するために政府としての最大の努力をお願いしたいんですが、デジタル機器を持たない方とか、又はITリテラシーが低い方に関して、具体的にぜひ対策を講じながら、地方自治体の方ともコミュニケーションをとっていただきたいと思います。

 また、オンライン手続を行う際に、国にとっては義務ですから、不明な点を持っていらっしゃるような方々がその都度問合せをするようなときには、利用者側にとっても行政側にとっても無理なく効率的に対応すべきだと思うんですが、大手のIT企業は、いっぱい質問が来ちゃったら困るので、電話番号をホームページに載せていないような会社はたくさんあるんですね。何かあったらメールで質問してくださいというふうになっているんですが、メールで質問もできないから、デジタルデバイドの中で分断されちゃっているわけです。

 そうすると、現実的には電話サポートデスクみたいなものをつくっていくのかなとも思いますけれども、それも大変な労力になってしまって、効率化を目指した結果、一番ITリテラシーの低い方々を助けるために、全体としては非効率になってしまったみたいなことがあってもいけないと思います。

 現状、政府で考えていらっしゃるデジタルデバイド対策、どういうものがあって、どのように国民の皆さんに一様にサービスの質を担保しながら提供するという方向性を持っていらっしゃるかということを伺えればと思います。

平井国務大臣 今後、政府においては、幅広くデジタルデバイド対策を講じていくということになっています。

 これには、まず、年齢、身体的条件に基づく格差や地理的な制約に基づく格差だけではなく、経済的な理由によりスマートフォンやパソコンなどを購入することができない方に対する施策なども含まれます。現時点においても、例えば電話や窓口で職員に相談しながらオンライン申請を行えるようにするといったような施策もあります。デジタル技術に触れる機会が少ない方のデジタルリテラシーの向上を図るための施策も検討、これは先ほども答弁しましたが、NPO団体やIT企業の退職者の皆さんが助けるということです。

 この法案の一番重要なところは、全ての国民にデジタル化の恩恵を要するに届ける、はっきり言って、これで格差が開いたり誰かを取り残していくということでは困ると思っています。ですから、このデジタルデバイド対策というのも、デジタル化の進展に伴って新たな問題が出てきたときには柔軟に対応しながら、全てのデバイドを解消する方向で検討すべきだと考えております。

岡本(三)委員 大臣、私は、あくまでもユーザーの側にとっては選択肢であるという立場が大事だと思うんですね。

 もちろん、ユーザーの側もデジタル申請をすることによって大幅な効率化が図れますし、サービスの提供側である行政にとってもいいわけですけれども、例えば、すごく高齢な方が、携帯もお持ちでない、役所の窓口に行きました、役所の窓口には、そういうサービスを提供しなければいけないということで、市役所の窓口にタブレットが置いてあります、その高齢な方が、いや、私は紙でやろうと思っているんですがというふうに言ったときに、役所の方が、いやいや、一回やってみてください、デジタル、次からはもっと簡単ですからと言って物すごく無理強いするようなことがあっては、これは国民の義務ではなくて行政の義務、努力義務アンド中央政府は義務なわけですから、あくまでも利用者にとっては選択肢なんだと。その上で、両側がともに利益を得られるような運用を図っていこうという姿勢を堅持していただきたいと思います。

 次に、外国人申請者への対応についてお伺いをしたいと思います。

 とりわけ、中央政府は義務ですから、この義務というのは、日本人に対するサービスのみ義務化しているわけではなくて、外国人に対するサービスであっても、日本居住者であれば政府にとっては義務化になっているんですね。そうしますと、在留外国人、日本語に不安がある方、デジタル手続を行う際、不自由なく手続を行えるように外国語対応の準備もどこまで進めるのか。英語、中国語、韓国語以外のところまで、日本にはいろいろな言語、それこそ英語も中国語も韓国語もしゃべれない方も住んでいらっしゃいます。このような方々に対してどういうふうな対策をとりながら国としての義務を果たしていくのかということをお伺いしたいと思います。

平井国務大臣 今後、我が国における深刻な人手不足の状況を踏まえれば、即戦力となる外国人材との共生社会の実現を図っていくことが必要になると思います。そのため、行政手続においても外国人申請者のための外国語対応は重要と考えています。

 例えば、既にオンライン化されている入国管理局電子申請届出システムなど、英語を始めとした複数の外国語対応を開始しているシステムもあります。一方で、今後オンライン化を進める手続については、情報システム整備計画の中で、費用対効果を踏まえながら外国語対応を推進する方法を検討していくこととしています。また、デジタル機器になれていない外国人などに対するデジタルデバイド対策も取り組んでいます。

 そして、NICTの方で主導したボイストラ等々、日本の翻訳エンジンというのは世界の中でもトップクラスになっています。特にアジア圏の言語に関して言えば、これはもう日本独自であのレベルにしたというのはすごいことだと思っていて、いわば翻訳AIみたいなものを社会実装する中で、当然外国人に対するインターフェースもよくなっていくだろうというふうに考えています。

 ですから、ありとあらゆる方法を考えながら、外国人に負荷がかからないようにしていくということは必要だと思っています。

岡本(三)委員 デジタル手続法についての最後の質問なんですけれども、これまでの大臣の御答弁を聞いておりまして、更にこのことをお願い、質問する必要はないと思っていますけれども、念のため確認で質問させていただきたい、申し上げたいことがあります。

 今回のオンライン行政サービスの質の確保、当然、サービスの提供者である行政側にも、利用者である国民一人一人、あと事業者にもメリットがあるわけですけれども、これはどちらのメリットが優先されるかということをあえて問えば、圧倒的に利用者側のメリットを最大化することを目的として、そのために、万々が一利用者側のメリットを最大化するために行政側に若干煩雑な手続が起こるようになっても、それはどちらが重要かということを考えれば、選択肢というのはおのずと決まってくるというスタンスをとられる御予定だという答弁を今までしてくださったと思っていますし、それをお願いしたいと思っているんですね。

 それはどうしてかというと、大臣の御答弁は一貫していますけれども、実際にそれを具体的に運用していこうと思って、国のいろいろな機関又は地方自治体の窓口に行ってしまいますと、やはり煩雑な手続も多くなりますし、今までやっていなかったことを新たにやるので、説明等々、少なくともイニシャルコスト、初めの段階では行政には物すごい膨大な仕事量が降りかかってくるわけです。そのときに、いやいや、この目的というのはサービスを提供する私たちが短期的に恩恵を受けることではなくて、長期的にはきっと恩恵が来ますけれども、利用者側の方々の利便性を最大化することが目的であるので、行政がちょっと仕事が楽になるとかということじゃないんだよということを、現場の一人の行政マンに対してもしっかりと共有をしていただきたいというふうに思っているんですね。

 大臣の今までの御答弁、その趣旨に沿っているというふうに理解していますけれども、実際に、今後、運用を始めるに当たってそのような指導をしていくということを御答弁いただきたいと思います。

平井国務大臣 先生のおっしゃるとおりで、デジタルガバメント、今回の社会全体のデジタル化というのは、シチズンセントリックで考えていくのは当然です。ただし、行政の現場の皆さんも本当にデジタルのメリットを感じているか、まず、そこに納得してもらうところが必要だと思います。

 あくまでも、我々、行政サービスですから、シチズンセントリックに考えた上で、そこは、現場も、市民の皆さんも国民の皆さんも、両方が、やはりウイン・ウインといいますか、両方ともデジタル化のメリットを享受できるようなことにしていかなきゃいけないというふうに思います。

 ただ、私が今感じているのは、まだ本当の意味でのデジタル化のメリットを感じていない方々が非常に多いので、それはわかっていただけるように、私たちも丁寧に今後説明していきたい、そのように考えております。

岡本(三)委員 続きまして、個人情報保護法の改正につきまして質問させてください。

 世の中がデジタル化になってまいりますと、そのデータの取扱い、また、そのデータの保護をどうするかということが大きな問題となってまいります。

 近年、国際的なデジタル化の急速な進展に伴いまして、個人のデジタル情報の流出問題が頻繁に起きてしまっています。我が国におきましても、二〇一七年に個人情報保護法の抜本改正が行われまして、個人情報保護の一層の強化が行われている最中です。

 法律で定められた三年の見直しが来年ありまして、この改正に向けまして、ことし一月から本格的な検討が行われてまいりました。昨日、その中間取りまとめが公表されましたけれども、報道等いろいろなされていますが、役所の方に聞きますと必ずしも正しく報道されていないという側面もあるようですので、まず初めに、個人情報保護委員会の方に、その概要、今後の法改正に向けた基本的な方針についてお伺いしたいと思います。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御紹介いただきましたように、個人情報保護法の見直しにつきましては、三年ごとに改正法の施行状況について検討を行うとの個人情報保護法附則第十二条の規定がございます。

 当委員会におきましては、本年一月以降、各方面の御意見を踏まえながら検討を進めてまいりました。現状を把握し、課題を整理した結果につきまして、見直しの結論を得るための中間的な段階のものとして、昨日、中間整理を公表し、パブリックコメントを開始したところでございます。

 この中間整理におきましては、次の四つの視点を軸に取りまとめを行いました。

 第一に、個人の権利利益を保護するために必要十分な措置を整備すること。第二に、技術革新の成果が経済成長等と個人の権利利益の保護との両面に行き渡ること。第三に、国際的な制度調和や連携に配意すること。海外事業者によるサービスの利用、個人情報を扱うビジネスの複雑化などによりまして個人が直面するリスクも変化してきておりますので、これに対応していくことでございます。

 個別の検討事項といたしましては、個人情報に関する個人の権利のあり方、ペナルティーのあり方など、幅広い論点を取り上げております。

 今後、パブリックコメントに寄せられた御意見も踏まえつつ、また、関係する学識経験者などからも御意見を聞くなど、更に課題の整理、審議を深めてまいりたいと思います。

岡本(三)委員 その中で、ちょっと具体的なことをお伺いしたいんですが、さまざまな検討項目があると思うんですが、忘れられる権利と利用停止権、この二つの法制化についていろいろ報道がなされていますけれども、国会でしっかりと事実をお伺いしたいので、法定化の方向性をまず聞かせてください。

 加えまして、先ほど御答弁いただいたように、どうやって人権を守るかということと技術革新の波をとめないということのバランスはすごく大事だと思っているんです。

 ただ一方で、人権はやはり何よりも尊重されるべきなので、情報が漏えいしたときの報告は、今の法律では努力義務になっていまして、義務ではありません。私は、個人的に、これは義務化すべきだと思っています。

 また、この漏えいの罰則規定が、個人情報保護法の、委員会の指導、命令に従わなかった場合には六カ月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金、意図的にデータを持ち出した場合は一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金、大変低いんですね。EUは大変厳しいんですけれども、EUですと、罰金は売上げの二パーから四パー、一兆円企業だと罰金は数百億円です。日本は最大五十万円なんですね。

 もちろん事業者からは抵抗はあると思うんですけれども、罰則についても、やはり、事業者の適切な運用を促すという意味からも、きつくしていくような方向性を検討すべきだと思うんですが、御答弁をお願いします。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の中間整理におきまして、お尋ねの利用停止のあり方、漏えい報告のあり方、ペナルティーのあり方なども個別検討項目として取り上げております。

 まず、忘れられる権利や利用停止権についてでございます。

 現行の個人情報保護法上、利用停止や消去の請求ができるのは、不正取得など一定の場合に限定をされております。しかしながら、消費者の声といたしましては対象の拡大についての要望が強いことも踏まえまして、今後、企業実務の観点も考慮しながら、具体的に検討してまいりたいと思います。

 次に、漏えい報告につきましては、御紹介をいただきましたように、現行法上は努力義務となっておりますけれども、法執行の安定性、国際的な議論の潮流等も踏まえまして、企業実務の観点も考慮しながら、一定の場合について義務づけをすることも含めて検討してまいりたいと思います。

 最後に、罰則についてでございます。

 こちらも、御紹介をいただきましたように、現行の個人情報保護法の罰則規定は最高でも一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金となっておりまして、国際的な罰則強化の状況も踏まえて、ペナルティーの強化が必要であるという御議論がございます。一方で、ペナルティーの強化は、事業者の過度な萎縮を招く可能性や中小企業への影響等を懸念する意見もございますので、引き続き、各方面の御意見を踏まえながら検討してまいりたいと思います。

岡本(三)委員 続きまして、巨大IT企業に対する規制強化についてお伺いをいたします。

 経産省、総務省、公正取引委員会も、四月二十四日、デジタル個人情報の取扱いに関して、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業に対する独禁法の適用や新たなルールを取りまとめました。

 今回取りまとめたこの規制案について、その概要及び今後の法規制のスケジュールを含めまして、公正取引委員会の方にお考えを伺いたいと思います。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 今週二十四日に開催されましたデジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会におきまして、透明性・公正性確保等に向けたワーキング・グループ、そして、データの移転・開放等の在り方に関するワーキング・グループでの整理事項について報告がなされました。

 この検討会に報告された内容といたしましては、透明性と公正性確保の観点からの規律の導入、また、データの移転、開放ルールの検討を進めていくに当たっての視点、方向性や選択肢の案、これを整理したものでございます。

 デジタルプラットフォーマーに関するルールの整備につきましては、この夏に取りまとめる成長戦略の実行計画の策定に向けまして、過剰な規制によって未知の新たなイノベーションに対する抑止となることのないよう、公正な取引慣行の実現とイノベーションの維持促進とのバランスのとれたルール整備を進めていくために、政府におきまして必要な検討を更に進めてまいります。

岡本(三)委員 きのうの発表は、私はある意味バランスがいいというふうに思っていまして、この議論をされるときに、ヨーロッパのGDPRは大変厳しいんですね、巨大IT企業に対しては大変厳しい姿勢をとっている一方で、アメリカは巨大IT企業の発祥地なので、どちらかというとすごく弱い。

 個人の権利を守ることと、さまざまなイノベーションが起こるような今後の可能性のバランスを、いいところでバランスしなければいけなくて、その意味で、私は、今、公正取引委員会が議論している方向性、ポジショニングというのはすごくバランスがいいというふうに思っていますけれども、一方で、もしどちらかを最優先にすべきだとなったら、それはやはり個人の基本的な人権だというふうに思っていますので、そのあたりのバランス感覚もぜひ考えながら、今後の議論を進めていただきたいと思います。

 ちなみに、昨日、フェイスブックがことしの一―三の業績を発表しておりまして、昨年同月比で純利益マイナス五一%。売上げも伸びています、広告も伸びています、売上げ二六%も伸びているのに純利益がこんなに下がっているのは、連邦取引委員会の調査対応に三十億ドル使っていまして、これで利益が半減になっているんですけれども、これが必要なイニシャルコストで、今後しっかりと個人の権利も守られながら企業の成長も行われていくと期待されていますけれども、ぜひ公取の皆さんにはバランスのとれた政策をしていただきたいと思います。

 最後に、きょう、左藤副大臣に来ていただいておりますけれども、G20における国際ルールの制定について、ちょっとお話を伺いたいことがあります。

 巨大IT企業が議論されるときに、普通、三つ議論されるんですね。一つは、公正な競争をちゃんと市場にもたらす。つまり、大きな企業が取引先をいじめたりしない。情報も共有する。二つ目に、個人情報をしっかりと保護することによって基本的人権を守る。最後に、デジタル課税で、いろいろなIT企業が、ある国で大きな利益を上げていても、拠点がないので税金を払わないようなことを国際的に議論していきましょうということなんです。

 二つの、個人情報の保護に関しては、G20にそぐうかそぐわないかという議論があります。デジタル課税であれば全ての国が同様に問題意識を持っているわけですけれども、個人の権利となったときに、それぞれの国の文化も歴史も、また人権に対する考え方も違うので、日本は人権先進国だと私は信じていますけれども、人権先進国である日本が人権後進国のG20のほかのメンバーに何か問題提起をしても話がかみ合わないということがあるかもしれませんけれども、私は、あえてG20の中でこのことを問題提起してはどうかというふうにお伺いをしたいんですね。

 それぞれの国で人権に対する考え方が違っても、その基礎的なベースラインというのは、人権後進国と言われているところであっても、私は日本と共有できるスタート地点、基礎的なところはあるんだと思っているんです。そして、議長国である日本が、個人情報の保護に関しても同様にG20の中で最低限度のルールを決めていきましょう、方向性を示していきましょうという問題提起をすること自体が、日本の価値観であったり戦略を世界に示すいい機会になるというふうに思っているんですが、G20の中でそのようなことを問題提起をし、議論をしていくということについて、どのようにお考えかということを御答弁いただければと思います。

左藤副大臣 お答え申し上げたいと思います。

 デジタルデータが今後更にグローバルに流通され、活用され、処理されていくようになります。個人情報を保護する上で、海外も含めた適切な枠組み構築が課題でございます。

 個人データの保護に関しては、先生御指摘のとおり、各国が歴史や文化に根差した固有の仕組みを整備しておりますけれども、従来より、OECDの場などを活用しつつ、国際的な制度調和に取り組んできたところでございます。この取組を今後ますます幅広い国と地域において進めていくことが重要と考えております。

 現在、政府全体では、デジタルデータを国際的に自由に流通できるようにするための枠組みづくりを重要な課題に掲げて取り組んでおりまして、先ほどおっしゃったG20のサミットにおいても、デジタル経済を一つの重要なテーマとして取り上げる方向で検討をされております。

 個人情報についても、このような動きの中で、これまで取り組んできたことを土台に、日本としてあるべき枠組みづくりの実現に向けて、まずは日米欧での対話を深めることから取り組んでいく考えでございます。

 よろしくお願いします。

岡本(三)委員 副大臣、ありがとうございます。

 OECDのガイドラインをもとにいろいろな議論、大切だと思いますけれども、私、若干方向修正していただきたいなと期待しているのは、今の議論というのは、データの取扱いをどうするかということなんですね。世界的に、データは受け入れるけれども出さないという国もG20の中にあります。それをどういうふうに公正な状況として公正に競争させるかということなんですが、私は、その根底にある、データの一つ一つを持っている、属している個人の人権を守るというところに光を当てて議論することによって、日本の立場、世界における役割がより大きなものになっていくと期待していますので、今の方向性に加えまして、一つ一つのデータの帰属先である個人の人権を守るということもG20の中でぜひ議論いただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧原委員長 次に、山岡達丸君。

山岡委員 山岡達丸と申します。

 連日の質疑の機会をいただきまして、感謝申し上げます。

 きょうは、大臣がモバイルを持ち込んでいると。今、紙に戻られているという状況でありまして、やはり、国会でどう審議していくかに当たって使いやすい方法を考えていけばいいと思いまして、いろいろやってみるということはすばらしい機会だと思っております。紙は紙でまた、多分、モバイルを使ってみた後の大臣の御感想があろうかとは思うんですけれども、私も本当に質疑者として思いますのは、先ほど岡本委員もおっしゃっていましたが、やりとりの中で、どうしても大臣の発言をメモって、記録して、その中身を覚えながらお返ししたりすることもあるものですから、やはりメリットもあればデメリットもあるのかなと。

 そういうモバイルにしますと、やはり記録、速記して、それで頭に入れて何か言うということが難しいなということもあったりとか、いろいろな課題はあったりもするかと思うんですけれども、とにかく、試行錯誤しながらよりよい形にした方がいいのかなという中で、きょうは非常に意味のある、意義のある第一歩なのかなという思いも感じさせていただいたところでございました。

 きょうはモバイル手続法案の審議をさせていただくわけでありますが、前回私は、こういうデジタル化に、一般質疑という全体の中で、いわゆる国家公務員の方々の勤務、出退勤等の管理において、いまだ印を使って、いろいろ手書きで届出で印を押して、判こを押して、そしてやっているという実態についてどうなんだというお話をさせていただいたわけであります。

 あの後、私も、さまざまほかの委員会でも質疑があり、国家公務員の方ともいろいろお話しする機会も多く、結構な反響がやはりありまして、やはり問題として感じておられる方は相当数いるということも感じましたし、とある民間企業の方と、この話もさせていただいたときに、うちの会社も休暇は手書きで書いて社長に見せて判こをもらうんですみたいな話をしていて、えっ、民間企業でそんなことを、でも、今もあるんですねと聞いたら、そこの社長は財務省のOBさんだったと。財務省のOBさんは、その方は、パソコンの電子データをもらってもいいんだけれども、やはり紙で見た方が確実だから、だからそういうことをやってほしいと。

 これからデジタル化をしていく、民間はやっていく中で、官からアナログを輸出しているかのようなこういう実態も非常に問題だと感じるわけでありまして、いわゆるデジタルデバイドというお話があります。いわゆる格差ですね、使える人と使えない人の。官民のデジタルデバイドを何とかしていきたいなということは、いろいろ、あの質問の後もいろいろな方のお話を伺う中で感じさせていただいたところでありました。きょうは、後段でその話も触れさせていただきたいと思います。

 法案のことで、まず大きく伺いたいと思うんですけれども、今回の法案で、行政のデジタル化等も含めて、少なくとも住民、国民が接する部分については一括で手続したり、そうしたことを大きく推進していくという考え方を書いているわけでありますけれども、まず伺いますが、この推進について、政府として、いつまでに完結する、期限というか目標ですね、これはどのように考えてどこに設定されるのか、まずそのことを伺いたいと思います。

平井国務大臣 この行政手続のオンライン化というのは、やはり利用者から見て最大限に利便性を感じるところを一気に先に進めたいという思いがあります。

 それと、先ほどの質疑の中でも、これを無理やりにやってしまうと現場にストレスがかかるし、多分、ストレスのかかるものというのは、そんなに利便性が向上しないということだと思います。

 今、全体の工程を見きわめるべくやっているんですけれども、やはり一番重要なのは、優先順位を決めて、スピード感を持ってやっていくこと。どこまでをいつまでに完結するというのは、やっている中で見えてくるというふうに思います。

 ですから、逆に、変に、いつまでに全部やれといって、本来やらなくてもいいものまでやってしまうというのが今までよくあるんですよ。そういうことを考えると、今回、最大限の効果を発揮できるようなものに関しては、もうできるだけ早く、それ以外に関しては、その状況を見ながらという、めり張りをつけさせていただきたいというふうに思います。

 それと、私はやはり思うんですけれども、いきなり、こうしろと言う前にBPRもやらずにやられると、かえって複雑になってややこしくなるので、ですから、今、BPRを徹底できるということが一つと、もう一つは、今、情報システムのライフサイクル、更新時期に当たるときには、もう徹底的にそこはやりたい、そのように思っております。

山岡委員 今、情報システムの更新時期が一つの大きなめどになるだろうというお話がありました。それ以外のお話については、優先順位を決めながら、やるべきことはやって、そこを見きわめながらやっていきたいというお話で、私は、大臣は極めてそこの中で忠実にやっていただけるというふうには信じるところなのでありますけれども。

 私が、こうした、いつまでにやるのだということをやはり明確に言ってほしいということを何で最初に申し上げさせていただきたいのかというと、いろいろ、やはり政府のデジタル化という歴史を振り返りますと、最初、二〇〇〇年のIT革命なんて言葉が流行語になり、国会では、二〇〇二年には行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律、行政手続オンライン化法という略称ですね、行政手続をオンライン化するという法律がもう二〇〇二年のときには成立して、二〇〇三年から施行ということになりましょうか。このとき目玉になったのは、大体、手続のオンライン化とか、後に触れますが、国家公務員の方の人事給与システムとか、さまざま、電磁化といいますか、そうした議論がもう十六年ぐらい前にあった。

 その経過もいろいろあったと思いますが、わかりやすく結論からいえば、二〇一九年になっても、この間取り上げましたように、紙と押印による出勤簿と休暇届というこの状況。行政は、やろうというかけ声はもう十数年前からあるにもかかわらず、やはり遅々として進まないという実態があったという中で、今回、本当にやるということを進めるのであれば、お答えの中ではいつまでというのは現状ではお答えしにくいのかもしれませんが、しかし、やはり一定の、優先できるものであるということを認定するのであれば、それなりのスピード感を持ってやっていかないと。

 もちろん、システム更新時期のお話もありましょうが、やはり世の中のスピードは非常に速く展開されているという中で、さっき、出勤の話が、判こだという話を取り上げましたけれども、私がもといた会社では、当初はタイムカード、まあ今も使っていますけれども、タイムカードでありましたが、今はもう出先でスマホ打刻だと。要は、スマートフォンのアプリで打刻をして、それで、例えば外で勤務を始める場合は出勤扱いになる。

 さまざま、本当に民間企業以外も、団体も含めて取組をやっている中で、やはりそうした時代の中でおくれてほしくないという思いから、そうした思いをお伝えさせていただきます。

 幾つか質問はあるんですが、優先的に、ちょっと前回の話のことも含めてお伺いをしたいと思うんです。

 この間、出勤簿の押印のところについてお話がありました。その後、いろいろな方とお話しした中で、こんな話を聞かされました。きょうは人事院の方、お越しいただいていると思いますけれども、そもそも印を押す形式になっているのは人事院規則に押印せよとあるから、だから、そういう制度が残っているんですというお話がありました。

 これは人事院に伺いますが、それは事実なんでしょうか。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 出勤簿への押印の取扱いにつきましては、これまでも、「出勤簿には、職員が定時までに出勤したことを証するために押印等を行い、」ということで人事院の通知に規定しておりまして、押印を必須とはしておりませんでした。

 さらに、本年二月には、府省から出勤簿への押印要件を撤廃してほしいとの要望があったことを踏まえまして、業務効率化、ペーパーレス化の観点から、押印を必須としない取扱いが可能であることを制度上、より明らかにするため、押印という例示を削除する通知の改正を行ったところでございます。

山岡委員 行政の皆様は文書の世界に生きているわけであって、「押印等」とすべきという通知であって、「等」が入っているから別に押印にはこだわっていなかったというお話がありましたけれども、正式にその押印という例示をなくしたのはことし二月だということなんですね。やはり、そうした、もともとも違ったんですといっても、これは大きな影響があったと思うわけであります。

 では、人事院として、もう一回伺いますけれども、タイムカードを含むデジタル等の措置の中で出勤等が行われる記録がされたとしても、人事院としてはそれは認めるという認識でよろしいんですか。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 出勤簿というのは、各職員ごとに作成して、職員に支払われる給与を適切に管理するために作成するものでございます。

 職員が定時までに出勤したこと等を適切に記録して、勤務時間管理員が適切に管理できるものであれば、押印にかわる方法でも差し支えないものと考えております。

山岡委員 そのお話は、ぜひきちんと認識を広めていただきたいと思うんですよね。

 この二月まで「押印等」という人事院規則があった中で、きのう、人事院の方とお話しした中で、人事院の方もいろいろな職場に行かれるわけでありますが、実際問題として、「押印等」という表現で、ほかの自由も実はきいたんですという話をされても、押印以外でやっている職場を見たことがないということは人事院の職員の方がはっきりおっしゃっていまして、現実問題として、その人事院規則の中で例示されている方法どおりやっている。

 これから時代が変わっていく中で、今のお話、それを問わない、デジタル化も含めてやっていくんだという認識は、ぜひ人事院の皆様からもこれは広めていただきたい。そのことはぜひお願いさせていただきたいと思います。

 いろいろお話を聞きますと、国家公務員の中にも、先ほど申し上げました人事給与等の管理のシステムについては、二〇〇〇年、二〇〇二年のそうした法案の成立から、さまざまな過程の中で、一応の、パソコン等の、そういうデジタルによる人事給与等の仕組みができ上がっているというお話を聞きました。

 給与というのは、まさに勤務時間によって決まるものでありますから、そんな仕組みがあるのであれば、そこに個人の出勤と、あるいは休暇と全部やっていけば、給与システムに連動して、全部一元して管理できるじゃないかということを思うわけでありますけれども、この人事給与システム、いろいろ課題もあるというのはいろいろ出ておりますけれども、少なくとも、管理の共通システムを今お持ちであるという状況の中で、ここに、いわゆる出勤とか休暇のことを連動してやっていくというシステム、今つくっておられないという状況だというふうに伺っておりますが、これはつくるべきじゃないですか。いかがでしょうか。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 人事・給与関係業務情報システムは、平成十六年二月二十七日に決定されました人事・給与業務・システム最適化計画に基づき、人事給与等業務の簡素化、合理化等を目的として掲げ、人事管理、給与管理等の諸機能を一体化した標準的なシステムとして開発したものでございます。

 委員御指摘の職員の出退勤を管理する機能につきましては、人事給与等業務と人事・給与関係業務情報システムに実装する機能の整理が十分でなかったことから、平成二十七年三月二十七日に決定されました人事給与業務効率化に向けた改善計画におきまして、業務効率の観点からシステム機能の再編を実施した結果、出退勤管理機能を含む勤務時間管理の機能を廃止することとしたものでございます。

山岡委員 これは平成二十七年に廃止しているというんですね、実際やってみたけれども。

 ですから、今、お話を聞きますと、給与を決めるシステムそのものはあっても、そこに対しての入力は、職員の皆様がそれぞれ判こを押したり、あるいは休暇届を出した、そういう時間を差し引いたのをそういう管理する担当の方が入力されるというお話でありました。やってみたけれども、もうやめてしまいましたというお話をされました。

 ところが、一方で、お話を聞きますと、内閣人事局の方は内閣人事局の方で、この給与、人事システムというんですか、と全く違う形で今研究を進めておられるということをお話を聞きましたけれども、それはどういう状況になっているでしょうか。内閣人事局の方にお伺いします。

植田政府参考人 お答えいたします。

 内閣人事局では、これまで紙と押印で行っておりました出勤、休暇の申請、フレックスタイムの申告などにつきまして、業務の効率化や職員の負担軽減などを図るために、これらの手続を電子的に行う勤務時間管理システムを開発、試行してきているところでございます。

 今般、その一環として、本年五月より、内閣人事局の一部部局において、実際に紙の出勤簿、休暇簿、フレックスタイム割り振り簿にかえて、このシステムによる管理を行うこととしたところでございます。

山岡委員 これから内閣人事局は、今のお話、試行的に五月からやってみるという話ですけれども、これはまさに、休暇とかのこの仕組みを電磁化して、最後は、いわゆる人事給与システムというんでしょうか、に誰かがもう一回入力して、そして給与を算出しなきゃいけないという実態だということなんです。

 もう一回聞きますけれども、これこそまさに、今ある人事給与システムという給与を計算するシステムと、今の試験的にやっておられるという仕組みを連動させるべきじゃないかと思うんですけれども、これは連動する予定はないんですか。

植田政府参考人 お答えいたします。

 現段階では、先ほど申しましたように、内閣人事局においてこの管理システムというものを開発、試行しているところでございまして、具体的に人給システムと接続の議論は、今後の議論になるというふうに思っておるところでございます。

山岡委員 質疑の場なので端的に申し上げますけれども、人事院と内閣人事局、全く別にこれをやっているんですね。そして、この人事給与システムについては、きのうのお話の中では、今連動する予定はありませんよと。今のお話では、今後の課題ですというお話があって、組織も別々にやって、そして恐らくは、こういうシステムをつくったところで、間に人が入って、もう一回人事給与システムに入力しなければならないような仕組みをやる。

 目の前で今、現に二〇一九年のこの現場で起こっていることが、まさに縦割りの中で、デジタルファーストでも何でもない、一気通貫でも何でもないこうした状況が起こっているというこの状況は、私は、よくすり合わせて正してほしいと思うんです。

 もっと申し上げれば、勤務時間の、いつ出勤した、そして休暇はどれぐらいとった、そして最終的に給与が計算されるという仕組みというのは、十五年前、私が就職したときには、そこの職場には既にありました。

 この議論を今やっていて、かつ、しかも一度は入れたけれどもやめたというところと、全く連動しない形で別のところが研究を始めて、そして、それがまさに、まだこれからそういうところと連動を念頭に置いたものじゃないというようなお話というのは非常に残念だという思いでありますので、ぜひ、そういう今目の前で起こっているこの状況について、大臣、今お話を伺っていたと思うんですけれども、こういう縦割りの中で別々にやって、しかも大きなビジョンがなくやっているという中で、これこそまさに横断的なリーダーシップをとって、大臣にこういう状況を正していただきたい。

 そして、最初にも申し上げましたけれども、こういう状況を続けているから、年次も決まらないままだらだらだらだら長くなってしまって、何も解決していかないという状況が生まれてしまっているんだと思います。

 大臣、所感と、そして決意も伺いたいと思います。

平井国務大臣 この出退勤管理については所管でないので、ここは要するに現場でちゃんと検討していただければということなんですが。

 先ほどお話を聞いていて、人事給与システムに長い開発期間がかかったという。私は、もうずっとそれを見てまいりましたので、そのいきさつも全部わかっています。つくったものも、各省庁がなかなかそれを受け入れなかったということがあって、やっと最後になって、使う省庁がだんだんふえてきた。そういう意味で、いかに省庁横断で何か統一的なものをつくるというのが難しいかということを経験した一つの事例だと思います。

 そういう過去のいろいろないきさつも踏まえて、今回、内閣官房に予算の一元化、要求の段階からというのは、そういうふうにでもしないとそういう状況は打破できないと考えたからだと思います。

 そういう意味で、今後、要するに、一つのセクションに閉じずに、サイロ型になっているいろいろなシステムを横断的に、もう最大限そのベストプラクティスを生かしながら全体最適化を図れるように取り組んでまいりたいと思います。

山岡委員 出退勤の話は所管外だというお話がありましたけれども、私は事例として出勤と休暇の話を取り上げさせていただいて、これがまさに国家公務員の働き方のデジタル化にかかわる事例として取り上げさせていただきましたので、そこの部分の議論というよりも、まさにそうした横断的な機能をつくって、本当に、デジタルデバイド、官民の、こうした差をなくしてほしい、そういう思いで質疑をさせていただきました。

 横断的な状況は難しいという中で、最後にちょっと、話は法案の話に戻って恐縮なんですけれども、私はこの間、IT戦略室の話を取り上げさせていただきました。IT総合戦略室、IT戦略室が旧態的な話であれば、ほかの省庁も、だって、やっているところがもともとそんな場所なんでしょうというような思いをどこか心の中で持つんじゃないかという気持ちがあります。やはりモデルのような、ここはもう本当にすごいぞという場所は、このデジタル部門でもつくっていただきたいという思いであります。

 その中で、この法案の趣旨を推進していくに当たって、地方自治体というのがまたどうやってその環境をつくっていくかというのは、大きな課題であります。過去、いろいろな、どうやって進めていくのかという議論は出ているわけでありますが、私は、地方自治体においても、やはりモデル自治体を政府として呼びかけてつくっていくということを、ぜひ、そういう手法のアプローチもあるんじゃないかということを考えていただきたいなと思っています。

 エストニアの話をこの間されました。寒い地域で国土が広く、少子高齢化、こうした人口減少の打破をするためにやったのがエストニアなんだという中で、例えば北海道はまさにそういう地域に当たるということを私はお伝えさせていただいたわけでありますけれども、こうしたデジタル化の恩恵を受けるのはまさにそういう地帯であるのであれば、まず、そういうやる気のある自治体に、大きくモデル的な自治体をつくり、そして全国のほかの自治体がそれをまねしていく、そういうアプローチもぜひ検討いただきたいと思うんですが、その一つの手法として、大臣のお考えを伺います。

平井国務大臣 私もそのように思います。

 今でも、先進的な取組をしている自治体は結構あるんですよね。例えば、千葉市、室蘭市、花巻市などが参画するマイシティーレポートというプロジェクトにおいては、公用車に搭載したスマートフォンで路面を撮影した画像をAIに読み込ませて分析することで、効率的な道路整備を実現するというような効果を上げています。

 他方、地方自治体の中にはデジタル化の取組が進んでいないところもたくさんあって、我が国全体の地方自治体のデジタル化を効果的かつ効率的に進めるためには、まずは、こうした先進的な取組を積極的に横展開できるような環境をつくるべきだというふうに思います。

 私の地元の高松市も、スマートシティーを目指して、これこそEUで開発したオープンソースのファイウエアをデータ連携として実装して、その上で、今いろいろなアプリを動かしていこうということになっています。

 幾つかの自治体でファイウエアを採用して情報連携をやっていくということなんですが、そういうものは、今後、要するに、ほかの地域でも容易に使えるようにするというのが重要だというふうに思っていて、やはり、そこに人がいないと、なかなかこういうものは進まないんです。ですから、先行自治体がそうじゃないところに協力できるような体制も今後検討する必要があるというふうに思っておりまして、きょうの委員の御提案は非常に重要だと思っております。

山岡委員 繰り返しになりますけれども、今、北海道の町の事例もいただきましたが、北海道がそういう地域であってほしいと思うし、そして、デジタル化の恩恵はあまねく、住民、国民とあわせて、国家公務員を含む、そうした全ての方々の恩恵の中で、働き方も含めて変わっていくということのリーダーシップを大臣にとっていただきたい、その思いをお伝えさせていただきまして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

牧原委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 国民民主党の森田俊和でございます。三十分間のお時間をいただいておりますので、よろしくお願いをいたします。

 平井大臣と、それから内閣府の佐藤副大臣にも御出席をいただいております。よろしくお願いいたします。

 私、タブレットはお恥ずかしながら持っておりませんので、紙でやらせていただきたいと思います。娘のはありますけれども、きょうは借りてこなかったものですから。スマホとパソコンは使いますけれども、タブレットは使っていないもので、紙でやらせていただきます。

 まず、健康保険の関連で、医療機関等々含めてのことでお伺いをさせていただきたいと思っております。

 きょうの私の三十分は、便利さと危険性との隣り合わせの、表裏一体のものを扱っていきたいなと思っておりますが、どうバランスをとりながらやっていくかということが非常に大事なことじゃないかなと思っておりまして、今回、マイナンバーとそれから健康保険をひもづけしていくというようなお話も出ておりますので、このあたりのところをお伺いさせていただきます。

 前回の委員会の中で医療機関のレセプトのオンライン請求のお話もさせていただきましたけれども、今の数字でいきますと、病院が九七%、非常に高い数値で、診療所は六五%、歯医者さん、歯科になりますと一七%、薬局はまた高くて九七%、こういうところで電子的に今、レセプトのやりとりがされているというようなお話がございました。

 保険者というところについてまずお伺いしたいと思うんですが、保険者のところには、保険証を発行している主体でございますので、大きい小さいはありますけれども、国保、国民健康保険のところから始まって、それぞれの企業等の組合があったり、あるいは協会けんぽというものがあったりということで、いずれにしても、私たちの名前であったり、住所であったり、生年月日であったり、あるいはそこにレセプトで入ってくるような情報が追加で入ってきているということは、どこの病院にいつかかっているとか、どういう内容、例えば検査をしたとか、初診だったとか、診察をしたとか、そういうものがいろいろと盛り込まれているデータを保険者は管理をしているということでございまして、万が一、そこに不正なアクセスがあったりとか、そういうものがあった場合には、非常に私たちの個人情報に対するリスクというものが大きいというふうになっているんだろうなと思います。

 先ほど申し上げたように、いろいろな健康保険の組合があると思いますので、どういうふうにセキュリティーをかけているかというのが、かけられる費用でありますとか、その能力というか、いろいろ、それぞれ限界があり、取組は違うんではないかなと思います。

 このあたりについて、まず、健康保険の保険者ということについて、情報の不正取得に対する取組というものを国としてはどのように進めているか、お聞かせください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 医療保険者が保有する個人情報データは、各医療保険者の基幹システムにおいて管理されているところでございます。外部からのサイバー攻撃等へのセキュリティー対策については、基幹システムがインターネット環境から分離されていることが必要であると考えております。

 このため、厚生労働省におきましては、個人情報の適切な取扱いを図るため、医療保険者の基幹システムにおけるセキュリティー対策として、基幹システムとインターネットに接続されたシステムを物理的又は論理的に分離すること、それから、基幹システムの個人情報を取り扱う作業はインターネットに接続された端末では行わないことなどの対策を講じるように、医療保険者に対して要請を行っているところでございます。

 これらの要請に対して、平成二十九年五月に実施状況を調査したところ、基幹システムとインターネットに接続されたシステムとの分離については、約九九%の医療保険者において対策を講じていることがわかりました。

 なお、調査時点で対策が講じられていなかった医療保険者に対して個別に要請を行いまして、現時点では全ての医療保険者において対策が講じられているところでございます。

 医療保険者における個人情報の適正管理については、引き続き、セキュリティー対策等に万全を期すように取り組んでまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 全ての保険者で、インターネットの環境とは分離をされているということでございます。

 続けて、医療機関の方のことについてお伺いをさせていただきたいなというふうに思っております。

 保険者と違って非常に数が多いということになってくるんだろうなと思いますけれども、これは、病院とか医院、それから、医療のやりとりですから薬局だとかも含めてになると思いますけれども、この前、水曜日の委員会のときにこれも議論になったところなんですけれども、電子カルテの普及率ということで見てみますと、病院で四六・七%、それから診療所で四一・六%ということでお話がございました。

 ということは、半数のところで電子化がされて、電子カルテ化が進んでいるということは、これからまだまだ電子的に患者さんの情報を扱うという病院だとか診療所がふえてくる、そういう予想が出ております。電子カルテの標準化をするなんというお話もありました。

 そういう状態から、これからまだまだ電子的に処理をしていくところがふえていくと考えると、これからどういうところが出てくるかというと、例えば、今、電子カルテを入れているところというのは、恐らく、大病院とか、ある程度体力的に余裕のあるところが電子カルテを入れているんだろうなと思います。

 これから先というのは、中小の病院ですとかあるいは一般の診療所ですとか、なかなか、そういった意味では、システムに強い方がいなかったりだとか、あるいは専門家を雇うような余裕がなかったりだとかというふうになってくるんだろうなというふうに思っております。

 電子カルテを使っていれば、一つのひもづけをされた情報の中には、どういう病気をしたとか、もちろんそういうことは入っているでしょうし、どういう検査をした、どういう手術をした、あるいは、その画像データであったり、MRIだとかCTだとかそういうものも含めて、とろうと思えばとれるような環境になってしまうんではないかなというふうに思っております。

 こういった電子化が進んでいくような病院とか、医療機関の電子化が進んでいく中で、こういった情報をどのように管理しているか、不正なアクセス、不正な情報取得に対してどのように取り組んでいくか、このあたりをお聞かせいただければと思います。

迫井政府参考人 御答弁申し上げます。

 医療機関におけるサイバーセキュリティー対策に関しまして、厚生労働省では、医療機関に求められるサイバーセキュリティー対策等を含む、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを策定いたしまして、医療機関に対し周知を行っております。

 万一、医療機関がサイバー攻撃を受け、医療提供体制に支障が生じるなどの非常時と判断をされた場合には厚生労働省へ連絡をとっていただくこととしておりまして、事案の内容によっては、医療法第二十五条及び第二十六条に基づきまして都道府県等が医療機関に立入検査を行い、厚生労働省は、必要に応じて技術的事項に関する助言を行うということにしております。

 それから、議員御指摘の医療機関におけるサイバーセキュリティーに関する人材育成につきましては、非常に重要な課題であると認識をいたしております。

 厚生労働省では、先ほど御紹介しましたガイドラインにおいて、情報システムの基本的な安全管理といたしまして、従業員に対する人的安全管理措置として、定期的な、従業員に対して個人情報の安全管理に関する教育訓練を行うといったことを明記いたしております。それから、サイバーセキュリティー対策を含む、医療と情報技術の双方に通じた人材を育成するための研修を実施いたしております。

 こうした取組を通じまして、医療機関のサイバーセキュリティー対策の推進に努めてまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げたように、今取り組んでいるのは大体大きな病院だと思うんですけれども、これから先、体力的になかなか難しいところの中小の病院が入ってくる、あるいは診療所が入ってくるということで、もちろん指導監督をしていただくというのも大事ですけれども、その前の段階として、先ほどお話にあったような人材育成、支援をするというところをまずやっていただいて、それから指導とか監督だとかということで、その二段階で取り組んでいただけると大変ありがたいなというふうに思っております。

 それから、税務申告に関連してお尋ねをさせていただければなというふうに思っております。

 これは韓国の例を調べてみたんですけれども、韓国では一九六〇年代から番号の仕組みが取り入れられている、住民登録番号というのが入っているということでございまして、もともとは、日本の経緯とは違って、スパイを見分けるための、北朝鮮から侵入した招かれざる客を見分けるために番号制度を導入して、その番号のカードも配付していったりということで、非常に日本とは成り立ちも違いますし、古くからやっているものですので、システム的にも非常に、不正な取得だとかにも脆弱だということもあろうかなと思います。

 その韓国で、情報にひもづけられていることが何かといったら、給料とか税金とか、金融、年金、保険、医療、教育、通信。教育が入っていますから、成績だとかそういうところまで出てくる。通信ですから、携帯電話とかインターネットのやりとりだとか、福祉とか出入国のところまでこの情報にひもづけをされているということで、ということは、不動産取引だとかクレジットカードの決済、車の所有、こういったところにも全部番号で管理をされているので、いわば管理をされているということは、国民の側からすれば隠しようもないわけなんですけれども。ということで、今度は、富裕層は海外に資産を移して番号の管理から抜け出ようとする、そういう動きもあるわけですけれども、更にそれを追う形で、EUとかアメリカなんかと情報のやりとりをするようになっている、そういうこともあるらしいです。

 年度末になりますと、三月十五日が確定申告の期限ということで、私も一生懸命、e―Taxを打ち込んでやるわけなんですけれども、非常にそういう意味では煩雑ですね、一枚一枚給与のあれが来て、それを入力したりだとか。それでも、前は手書きをやらなくちゃいけなかったり、税務署に持ち込んでやらなくちゃいけなかったりというのはありますけれども、非常にそういう意味では便利になったとはいいながらも、生命保険の控除の証明書だとか、いろいろ種類もあるし、あるいは、住宅のローンの減税なんかというと、そういうものも含めて、いろいろと、面積を書き込んだりだとか、どのくらいローン残高があるとか、そういうことをやっていかなくちゃいけないわけなんですけれども。

 この韓国の例ですと、年末調整だとか確定申告が非常に簡単だということなんですね。ウエブ上で確認してオーケーを出せば、ほぼそれで、一分とか二分とかでもう手続は済んでしまって、一カ月後には還付金が口座に振り込まれる、そういうことでありまして、また、相続の関係も、そうやって全部資産額を把握をされておりますので、それを一気に申告というか、手続だけすれば、もうそれでほぼ申告が済んでしまうというような状況だというふうに伺っております。

 まず、日本の今のところの立ち位置として、これはどの程度、税務の申告ということにおいてはやっていくお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

重藤政府参考人 お答え申し上げます。

 経済社会のICT化が目覚ましく進展していく中で、所得税の年末調整あるいは確定申告の手続におきましても、手続に必要な情報が電子化され、また、マイナンバー制度などの各種インフラを通じてそのデータ活用が進めば、納税者が金融機関などさまざまな機関から手続に必要な書類を収集する手間がなくなる、さらに、計算誤りなどの不安がなく、簡便に手続を行えるようになるといった効果が期待できると考えてございます。

 こうした観点から、国税庁では、昨年六月の規制改革実施計画も踏まえまして、納税者がマイナポータルを通じて年末調整や確定申告に必要な情報を電子的に取得し、それを簡便に申告書などを作成、送信できる仕組みを実現したいという方向で検討を進めているところでございます。

 もとより、こうした仕組みを実現するためには他の行政機関などとの連携が不可欠でございますので、国税庁としても、そうした連携の強化も含めて着実に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 申告そのものの煩雑さをぜひ軽減できるような形で、かつ、これからもまたちょっとお話を進めていきますけれども、やはりセキュリティー上もしっかりとその個人情報が保護される形で、かつ、利便性を上げていくというような形でぜひ検討を進めていっていただければなというふうに思っております。

 それから、次の、マイナンバーの、成り済ましの利用防止ということについてお伺いさせていただきたいなと思っております。

 今のマイナンバーカードを見ますと、番号がそのままカードの中に印字をされているという状況でございまして、その番号はもちろんそれを見ればもうわかるという状況にありまして、そこに写真も入っているということなんですけれども、今はプリンターの性能も上がっておりますし、マイナンバーカードを偽造して、それを窓口に持っていって、本人、その人に成り済ましていろいろな手続を進めていくということも、場合によっては考えられるんじゃないかなと思いますけれども、本人確認とか成り済ましを防ぐということについてはどのような対策をとられているか、お聞かせください。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 まずは、マイナンバーそのものにつきましては、マイナンバー法では、マイナンバーの利用に当たりまして成り済まし被害が発生しないように、マイナンバーの利用事務を法律で限定的に規定した上で、本人からマイナンバーの提供を受けるときには、必ずマイナンバーカードなどで確実な本人確認を行うなどの措置を講ずるというふうになってございまして、これは、実はアメリカのソーシャル・セキュリティー・ナンバー、これが結構、あれは番号そのもので本人を確認したりする場合もあるようでして、それで年金の不正受給とかあるいは税の不正還付が多数行われたということを聞いております。そういうことを防ぐために、まずしっかりと番号と本人確認をするというのはマイナンバーの利用上に必要だということで法定しているところでございます。

 その上で、マイナンバーカードによります本人確認は、対面の場合は、カードの券面情報と顔写真ということになろうかと思います。それから、オンライン上では、個人認証の電子証明書とパスワード、そういう形になってございまして、これらが基本となってございます。

 仮に、マイナンバーカードの紛失、盗難等によりまして他人の手に渡ったとしても、直ちに本人が成り済ますことは困難な仕組みとしているところでございまして、まず、マイナンバーカードの券面につきましては、特殊な印刷技術で、例えば、典型的には、コピーすれば別のが浮き上がるとか、それから、写真にシェーディング加工というのが、ぼかし加工がされておりまして、写真の偽造も難しくなってございまして、その他、結構、公表しているものと公表していないものがございますけれども、各種のそういう偽造防止措置を講じているのが一つございます。

 それから、ICチップの方でございますけれども、まず、ICチップでよく利用が進められております公的個人認証、電子的に本人を確認する手段につきましては、まず、割と誤解があると思うんですけれども、この本人確認手段には、実はマイナンバーは使われておりません。別のシリアル番号、五年で更新するシリアル番号を使っておりまして、マイナンバーとまず分けてある。

 その上で、ICチップにつきましては、内部情報を読み取ろうとすると消去される、要するに自動的に壊れる機能がありまして、これは耐タンパー性と申しますが、極めて高い精度で、国際的に見ても最高水準の耐タンパー性を有するチップを使ってございまして、そういうことから、チップをいじって中身をとろうとしたらすぐ壊れるようになっております。そういうふうなさまざまなセキュリティー対策をとっております。

 加えまして、マイナンバーカードを紛失した際には、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターに連絡していただきますと、速やかにカード機能の一時停止の措置が行われる。これはキャッシュカードとかクレジットカードと同様のことでございますけれども、そういうふうな措置がございまして、こういうふうな対策を講じておりまして、成り済まし被害がまず生じないというふうに考えてございます。

森田委員 わかりました。

 かかわる方が多いと、その確認も、人手だけに頼ると手落ちの部分があってはいけないなと思いますので、ぜひ間違いのないように、運用する隅々の方まで徹底できるようにお願いできればと思います。

 また、マイナンバー、これが非常に便利になっていくという一方で、それをどこまで使っていくのかという問題もあるんだろうなと思っております。

 私のやっている事業所の中でも、例えば、番号そのものを社員から預かって、それをコピーをとらずに労務士さんに渡して、それを控えたら、そのコピーそのものは破棄してもらうというふうに、労務士さんの方とそういうことでやりましょうということで、私の妻が大体その辺の労務管理のところをやっております。

 そういうことで、善意を持ってやる事業所であれば、そういうふうに適切に管理をするということもあり得るし、いろいろと報道されておりますのは、途中で、どこかでパソコン上で見られるようになっていたとか、あるいは、番号そのものがどこかに、コピーそのものを紛失してしまったとか、原本がどこかに行ってしまったみたいなものもあるということなんですけれども、やはり、利便性と危険性というバランスをどこまでとっていくかというのは、非常にこのバランスが難しいなと思うんですけれども、ちょっと抽象的な話なんですが、全体的なこの利便性と危険性のバランスについて、政府としてどのようにこれから取り組んでいくお考えか、お聞かせいただければと思います。

佐藤(ゆ)副大臣 お答えいたします。

 委員御承知のとおり、マイナンバー制度は、より公平で公正な社会保障制度や税制の基盤でありますとともに、デジタル社会のインフラとして、国民の利便性の向上や行政の効率化に資するものとして導入されたものでございます。

 この制度の導入に当たりましては、個人情報保護のため、漏えい防止などの安全管理措置の義務づけや刑事罰の強化などの制度面の対策に加えまして、情報の分散管理などによるシステム面での各種の対策を講じているところでございます。

 一方で、いわゆる個人番号の、十二桁のマイナンバーの利用範囲でございますけれども、これについては、幅広く利用できるようにすることが国民の利便性に資するという御意見があります一方で、委員御指摘のとおり、プライバシー保護等の面から幅広く利用することを懸念する御意見も当然あるということでございまして、まずは、そうしたことから、社会保障、税、災害対策の三つの分野において制度を開始したという経緯がございます。

 その上で、現在でございますけれども、先ほど述べましたとおり、制度面やシステム面での各種安全対策などが講じられているということのもとで、これら三つの分野におけるマイナンバーの利用の拡充に現在取り組んでいるところでございますが、利用分野そのものの、新規分野への拡充につきましては、現在、プライバシー侵害の危険性を理由として違憲訴訟が係争中であることなども考慮しながら、今後、社会一般におけるマイナンバーに対する理解の進展等も踏まえて検討していく必要があるものと考えているところでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 これ、先ほどの韓国の例なんかですと、一回、そこまでずっと使っちゃったんだけれども、より戻しというか、そこまでやるとちょっと情報が見え過ぎだというところでまた後退してきているというような話もありますので、始める前からそういうことを言うのもあれなんですけれども、やはり他国の状況なんかも見ながら、そのさじかげんというものを調節していただければなというふうに思っております。

 これは、どこまでやれば百点というのがある答えではありませんので、ぜひこれはいろいろな議論を重ねながら進めていければと思います。

 それから、ICカードそのものの調達のことでお伺いしたいと思いますが、これは全国一律で、一括で調達をしているということで聞いておりますけれども、実績ベースでいきますと三社ぐらいが、その年だとか、あるいはそのときの発注のことで入札をかけているらしいですけれども、実績でいうと三社ぐらいが、今のところ、ICカード、チップを含めて、調達先として指名がされてきたらしいですけれども、例えば、一社でふぐあいがあったときに、その社のカードはだめでしたとなったときには、例えば、今までの三社であれば、三分の一、ちょっと簡単に計算をすると三分の一ぐらいがだめで、交換ですみたいな話になると思うんですけれども、リスクの分散という意味で調達のところをどのようにお考えか、お聞かせください。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカード用のICカードについては、セキュリティーの観点から、「国際標準化機構及び国際電気標準会議の規格第一五四〇八の認証を受けたカードを用いること。」を個人番号カードに関する技術的基準において定めてございます。

 地方公共団体情報システム機構においては、この技術的基準を満たしますICカードを製造することができる事業者を対象に、事業年度ごとに調達枚数を複数に分割して入札を実施することで、御指摘のようなリスク分散を図ってきているところでございます。

 入札の結果、実績としましては、これまで二社の事業者から調達が行われている現状でございます。

森田委員 ありがとうございました。

 それから、システムが万が一ダウンした、何かのトラブルだとかあるいは不正アクセス、ハッキング等で一時的に使えなくなった、一時的というのが数時間の範囲なのか数日かわかりませんけれども、いずれにしても、運用する関係先が広がれば広がるほど、万が一、あってはいけないことですけれども、ダウンしたときの影響というのはかなり広くなるんだろうなと思っております。

 万が一そういうことが起こったときに、そのバックアップというか代替手段をどのようにお考えか、お聞かせください。

宮地政府参考人 お答え申し上げます。

 仮に災害の発生などによりまして情報連携に用います情報提供ネットワークシステムを稼働させていますデータセンターが使用できなくなった場合にありましても、直ちにバックアップのセンターを活用することなどにより、業務の継続のために必要な対策を講じているところでございます。

 また、情報提供ネットワークシステムに接続する各機関のシステムの障害が起きた場合でも、他に波及しないよう、それらのシステムと情報提供ネットワークシステムの間に中間サーバーを設置しておりまして、仮にいずれかの機関のシステムにふぐあいが生じたとしても、情報連携に支障が生じないような構成をとっているところでございます。

 その上で、万が一システム上のふぐあいによって情報連携を行うことができない場合においては、関係する機関の間で情報を共有いたしますとともに、まずは、当該システムを管理する者にふぐあいの解消を求め、その後に再度情報照会を行うという対応を想定しております。

 なお、システムのふぐあい発生時におきまして個別の事務手続において即時に情報が必要となるような場合には、その事務手続の性格に応じて情報照会先に直接問合せを行うなどの方法もあり得るものと考えております。

 いずれにいたしましても、システム上のふぐあいが生じることにより円滑に情報連携が行われなくなることがないように、関係機関とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 自治体の職員さんにそういうところまで、万が一のところまで徹底するというのは非常に困難が伴うと思っておりますので、丁寧の上にも丁寧なことを重ねて運用をぜひ行っていただきたい。もちろん、そのシステムがダウンしないことが前提でありますけれども、そういうことで取組をお願いできればと思っております。

 最後に、大臣に伺いたいと思いますが、きょうは利便性と危険性の表裏一体の関係をどの辺で扱っていくのかというようなことについていろいろと質問させていただきましたけれども、先ほどの韓国の例でいきますと、個人情報、クレジットカード会社が持っているものを、カードの変造、偽造を検知するようなシステムを委託していた会社の社員さんが情報を抜き取って、一億件ぐらいの個人情報の流出があったような、売ってしまって流出があったみたいな話もありますし、先ほどアメリカのお話も出てきましたけれども、社会保障番号で一億四千三百万人分の個人情報が不正アクセスにより抜き取られたというような事例もあるということで伺っております。

 便利になるということは、その分、その番号がさらされることによって、ありとあらゆる情報が世の中にさらされてしまうというリスクもあるわけでございまして、個人情報の不正取得だとか不正な利用を厳しく追及していったりとかということも含めて、あるいは制限することも含めて対応をとっていくことが必要かなと思いますけれども、ぜひ、国としての方針あるいは御決意というものを、最後、お聞かせいただければと思います。

平井国務大臣 御指摘のとおり、デジタル化に当たっては、個人情報の保護、そしてセキュリティーとトラストというものの確保が大前提になります。このため、個人情報の扱いについては、行政機関等個人情報保護法等の個人情報保護法制の規律に基づいて必要な処置を講じていくことになります。

 そして、この法案においても、情報セキュリティーの確保のため、情報システムの整備に当たっては、情報セキュリティー対策を講ずる義務を国の行政機関等に課しています。

 具体的には、内閣官房サイバーセキュリティセンター、NISCが定める情報セキュリティー対策のための基準に基づいて、各府省において、アクセス制御、ログ管理等を行うことになっています。

 そのため、それ以外にも、通信回線の暗号化とか、ソフトウエアを使うとか、いろいろあるんですが、個人情報の保護を始めとした安全性や信頼性を確保するのは大前提で、その上で国民にデジタル化の恩恵を届けられるように全力を尽くしたいと思います。

森田委員 どうもありがとうございました。

 ぜひ、安全だけれども利便性を高めるという難しい課題でございますので、これからも議論を重ねていきたいというふうに考えております。

 質問を終わります。

牧原委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 私、この内閣委員会では初めて質疑に立たせていただくんですが、きょうは皆さんタブレットを御利用ということで、私も初めてタブレットを使わせていただきました。

 先ほど岡本委員も、前日に練習をされたというふうにおっしゃっておりましたけれども、私も実はきのう練習をしたときに、あることに気づきまして、複数の資料をこの中に入れて、それを素早く切りかえようとすると、なかなかこれはなれが必要なんですね。

 やはり、こういうのを使ってみないとわからないニーズ、課題というのは出てくるものだなというふうに思ったんですけれども、やはりそのニーズがあるからこそ、我々の社会、産業は進化をしていけるものだとも思いますので、今回このような、これまでと変わった手法で委員会を行う、そして社会も変えていくというのは、非常に将来に向けた成長のきっかけになるというふうに思っておりますので、そういった思いを胸にきょうは質問させていただきたいというふうに思います。

 まず最初なんですが、全体的な話をさせていただきたいと思います。

 まず、今現在、国際的なIT国家としての日本の位置づけなんですけれども、OECDデジタルエコノミーアウトルック二〇一七によれば、モバイルブロードバンド普及率では、日本は現在世界第一位、そしてインターネット速度では第六位という位置づけだそうであります。二〇一七年の段階ですが。

 インターネットが社会の隅々にまで普及しつつある中で、インターネットを通じたデータの利活用推進が、我々の日々の生活、活動における利便性や生産性の向上、そして新たな産業の創出や就業機会の増大につながることが期待されるわけであります。

 平成三十年六月には、政府は、国の行政部門のデジタル化を起点として、民間部門や地方の取組の広がりへとつなげていくための戦略として、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を策定したということであります。

 こうした計画が実行されることにより、国民の皆さんに多くのメリットが行き渡ることが期待されるわけでありますけれども、まず一問目は、日本が目指す世界最先端デジタル国家というのはどういった国家像なのか、その全体像、そしてその中における本法案の位置づけを教えていただきたいと思います。

平井国務大臣 質問ありがとうございます。

 IT戦略で掲げた世界最先端デジタル国家は、デジタル技術を徹底的に活用した行政サービス改革の断行を起点として、地方や民間部門のデジタル化を推進することにより、さまざまな社会問題を解決して、安全で安心な暮らしや豊かさを実感できる社会の実現を目指すものです。

 その端緒として、本法案は、行政のあり方の原則を紙からデジタルに転換する、ここが一番大きいところだと思います。単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化するのではなくて、デジタルに対する考え方を変えて、次の、デジタルを前提とした時代の新たな社会基盤をつくっていこうとするものです。

 本法案によって、我が国が抱える少子高齢化、人口減少を始めとする社会課題にデジタル技術を最大限に活用して、チャレンジして、次の時代に承継できる社会基盤を築けるようにしようというふうに考えています。

 経団連が言うソサエティー五・〇とかそういうものも、サイバーとフィジカルがうまく、いいところを組み合わせて、過ごしやすい幸せな環境をつくろうということだと思います。

 委員もきょうはタブレットをお使いですけれども、紙もタブレットも両方、いい面とそうじゃない面もあるので、使い勝手のいいようにいろいろ組み合わせるということが必要だと思っています。

 その意味で、日本流の、日本の高齢社会においても、皆さんが安心して生活できるような、要するに、世界最先端のデジタル国家というのは今どこにも存在しませんので、そういうものを目指していきたい、そのように思っています。

浅野委員 ありがとうございます。

 今、大臣がおっしゃっていたように、デジタルと紙の両方、いいところがあると。

 私も、ちょっと蛇足なんですが、今、タブレットを使って質問をしながら、答弁のメモは自分で紙に書いていたという、なかなかやはりこれは両方ないといけないのかなというのを、今ちょっと感じたわけでありますが。

 デジタルはデジタルのいいところがあるということで、そこを最大限発揮していく環境をつくるというのがこの法案の趣旨であろうかというふうに思います。

 続いて質問なんですが、では、この法案というのは、一定のデジタル化による効率化、生産性の向上というのも趣旨、主眼に置いているわけでありますが、その効果について、見通しをお伺いしたいと思います。

 行政手続部会が平成三十年の三月に行った集中点検の結果、税や社会保障や補助金申請、各種許認可申請などの手続に要する事業者の時間のコストが、年間三億四千七百二十七万時間、金額換算で八千八百三十一億円相当に上るという試算が出ております。

 行政サービスをデジタル化することで、コスト削減効果は、毎年七千七百万時間、金額換算で一千九百五十八億円、削減率二二・二%程度あるだろうというふうに試算されておりますけれども、時間を削減する効果というのは当然予想されるわけですが、それ以外にもやはりメリットがあるのではないかというふうに感じます。

 更に言えば、企業規模、大企業、中小企業、小規模事業者の方々、こうした方々に広くメリットがなければいけないと思っているんですけれども、そのあたりの効果の見通しについて御答弁を求めます。

平井国務大臣 本法案は、国、地方、民間を含めた社会全体のデジタル化を目指すものでありまして、長期的には、社会全体の生産性向上に大きな効果があるものと考えています。

 特に、行政手続のオンライン化に関して、効果を現時点で正確に算出することは難しいんですが、今後、情報システム整備計画の策定を通して明らかにしていきたいと考えています。

 想定される効果としては、例えば、利用者には、行政機関への往復交通費、窓口への移動時間、行政機関での滞在時間の削減などの効果が見込まれます。加えて、行政手続に係る負担が軽減されることで民間事業活動における生産性向上による経済効果も期待できますし、行政手続のオンライン化を機に民間部門のオンライン化も進展するものと期待をしています。

 以上のことは、一つ一つの行政手続において必要であった負担を軽減するものであるので、基本的に、企業の規模によって異なることなく、全ての企業において生じるものだと考えます。

 本法案により国民があまねくデジタル化の恩恵をこうむることができたら、相当の効果を発揮することができると思います。

浅野委員 やはり、あまねく効果を受けていただくということが非常に重要かと思いますので、ぜひ、今後、具体的な計画策定に当たっては、企業規模あるいはさまざまな社会的立場の方々にあまねく利益が及ぶような、そういう配慮をしていただきたいというふうに思います。

 では、次の質問に移らせていただきますが、本当に、大臣おっしゃるように、交通費が削減できる、移動時間、滞在時間が削減できる、その削減した時間を使って本来やるべき仕事をやって、経済活動がこれまで以上に生産性が上がる、そういう効果はあると期待したいと思います。

 という観点からいえば、どういう行政サービスのどの分野、どの範囲をこのデジタル化によって効率化していくべきなのかという観点をしっかり考えておかなければいけないというふうに思いますけれども、政府の資料によれば、行政サービスの一〇〇%デジタル化というのを掲げていらっしゃるわけでありますが、この一〇〇%の範囲、対象となるデジタル化の範囲、どのように現在検討がされているのか、この点について御答弁を求めます。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案に基づきましてデジタル化を進めるに当たりましては、国民と行政機関のインターフェースとなる行政手続のオンライン化のみならず、行政の内部の業務処理のデジタル化までを含めまして、エンド・ツー・エンドで行政サービスをデジタル化していくこととなりますけれども、その具体的な範囲につきましては、今後策定いたします情報システム整備計画において明らかにすることとしているところでございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 今後策定する整備計画の中で具体的に検討していくということなんですけれども、これは私、実際にこういう情報システムをつくったり、政府やさまざまな主体に納入をしている事業者の方から聞いたんですが、やはりこういう情報システム、多くの方々の目に触れる、利用がされる、そういう普遍性の高いものになることが予想されますので、しっかりと、どの範囲をデジタル化してほしいのかというニーズ調査もきちんとやるべきだというふうに思っております。

 そういう観点でいえば、情報システム仕様を具体化する、策定する過程において、パブリックコメントといったものを、民間、社会の声をちゃんと集めるという作業をしっかり組み込んでいただきたいというふうに思うんですけれども、この点について御答弁をいただけますでしょうか。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 政府情報システムの整備、管理に関します手続、手順等を定めました政府共通のルールといたしまして、デジタル・ガバメント推進標準ガイドラインというものを私ども策定をしているところでございます。各府省は、このガイドラインに基づきまして情報システムの整備を進めていくということとなっているところでございます。

 このガイドラインにおきまして、個々の仕様の策定等の情報システムの整備過程におきましてパブリックコメントを行うことは明確には定めていないところではありますが、利用者中心の行政サービスを提供するために必要となる心構えと視点ということで、「サービス設計十二箇条」というものを設けておりまして、これに基づきまして取組をすることを定めているところでございます。

 この定めに基づきまして、各府省において、各情報システムが取り扱う手続等の利用者の要望、意見等を踏まえながら整備を進めているものと認識をしているところでございます。

 また、特に国民、企業とのインターフェースとなります情報システムにつきましては、利用者目線に立って、開発段階に限らず、今後も日常的に、利用者の声を踏まえながら、操作性の改善など断続的に取り組んでいくものと認識をしているところでございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 ぜひ、そういったつくる側の声、そして使う側の声、これをしっかりとシステムの形に反映をしていただくというのは大変重要になってまいりますし、これが、これまで議論されておりますデジタルデバイドの克服あるいは普及率の向上にも必ずつながっていくというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 もう一つ伺いたいんですが、今、いろいろな声を聞きますということだったんですけれども、システムをつくる側の方々のちょっと気にしている点としては、今回、これまではマニュアルで、手作業でやっていた手続をデジタル化するということなので、そこには現行システムがあるわけですけれども、これをデジタル化に対応した新しいシステムに移行させる必要があるわけです。

 やはり、システムが変わるときによくある、どの段階でトラブルが起きるかというと、データの移行といいましょうか、システムの移行時にさまざまなトラブルが発生するということが間々あるということであります。

 したがって、情報システムが現行システムから新しいシステムに円滑に移行ができるような配慮もすべきだと思っているんですけれども、その点に関して、先ほどガイドラインを整備したとおっしゃっていましたが、この整備したガイドラインにそういった点も含まれているのか、また、この円滑な移行に対してしっかりと配慮すべきだという部分について、政府側の見解をお伺いしたいと思います。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、先ほど申し上げましたデジタル・ガバメント推進標準ガイドラインの中で、移行に関する節を設けまして記述をしているところでございます。

 こうした情報システムを移行するに当たりましては、現行の情報システムが管理をしております各種データの新たな情報システムへの円滑な移行でございますとか、現行の情報システムで利用していたアプリケーションの新たな情報システムでの動作互換性の確保といったようなことも留意すべき点がございます。

 こういったことも含めまして、先ほど申し上げましたガイドラインの中で、手引という形でお示しをしているところでございます。

浅野委員 どうもありがとうございます。

 ぜひ、トラブルを未然にしっかりと防止できるように、そのガイドラインの確実な実施をお願いしたいというふうに思います。

 続いて、次の質問なんですけれども、今回、情報システムデジタル化というのは、国のシステムについては義務化をされるけれども、地方自治体のシステムについては義務化まではいかないというものであります。

 また、そこからちょっと懸念されるのは、自治体によって、うちは入れる、うちは入れないというのが各自治体の判断にはなるわけですけれども、そうすると、自治体単位でシステムの中身に差異が生じてくるのではないかというところであります。

 違いがあるのは当然なんですけれども、その違いによって、本来提供されるべきワンストップサービスといいますか、それが阻害されるようなことになってはこの法案の趣旨自体に反するものになってしまいますので、これをしっかりと未然に防ぐということが大事になろうかと思います。

 そこで、質問させていただきますけれども、情報システム仕様を、国のシステムあるいは自治体で使う際のシステム、このあたりに、ある一定の普遍性、一定の共通仕様、これを設けるべきではないかという声もあるんですけれども、これに対して、政府として今どのような考え、どのような取組を行っているのか、御答弁をいただきたいと思います。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来から言及させていただいておりますデジタル・ガバメント推進標準ガイドライン、こちらにおきまして、調達の予定価格が一定規模以上の案件につきましては、調達仕様書を確定する前に民間事業者から意見招請を行うというふうに規定がされているところでございまして、政府機関の考えだけではなく、民間事業者の声も踏まえつつ、より的確な情報システムの要件等を決定していくことになっているものでございます。

 今後は、政府内はもとより、御指摘の国、地方も含めたシームレスな情報連携、情報システムの共用化等が大変重要になってくるというふうに考えておりますので、その推進に当たりましては、情報システムの構築を担う民間事業者のわかりやすさという観点も踏まえつつ、政府ルールにのっとって適切に進めていただきたいというふうに考えているところでございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 ここまでの二、三問で提起させていただいた課題については、いずれも、デジタル・ガバメント推進標準ガイドラインでしょうか、このガイドラインに、ある程度その課題というのは盛り込まれているということなんですけれども、であるからこそ、このガイドラインの周知、浸透、そして着実な実行というのがこれから非常に大事になっていくと思います。

 このガイドラインの影響、対象となる主体というのは、今の話を伺う限り、情報システムをつくる側、そして使う側である自治体、そして民間事業者、かなり幅広い方たちがこのガイドラインを意識しながらこれからの大がかりなシステムの移行に携わっていかなければいけないということですので、このガイドラインの周知徹底という部分については、こうした今御指摘させていただいた部分、幅広い対象に浸透させなければいけないという部分について、ぜひ御配慮、実行をしていただきたいというふうに思います。

 では、次の質問なんですが、ここからちょっとセキュリティー関係の質問をさせていただきたいというふうに思います。

 ことしの一月のダボス会議で、安倍総理は、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストという言葉をお使いになって、これからは信頼性のあるデータが信頼性のある環境で流通して、それが社会を豊かにしていく、そんなイメージなのかなというふうに私は理解をしているんですけれども、やはりウイズ・トラストというところが非常に大事だと思っていまして、いかに信頼、トラストを担保するのか、それをシステム的あるいは運用面で担保するのかという部分についてお伺いさせていただきたいと思います。

 まず伺いたいのは、ちょっと先ほど、森田委員の方からは成り済ましの防止策については質問させていただきましたので、私はそれを除いて、情報システム自体のサイバーセキュリティー対策と、そして、今回の法改正によって、戸籍の除票等が、保存期間が五年から百五十年に延長されるという改正がなされましたが、これだけ長期間の保存を、しかも大変個人的な情報も含まれるわけなんですけれども、長期間にわたって保存しなければいけないということで、このシステムのサイバーセキュリティー対策、そして、長期間に及ぶ、そういった重要情報を保管するに当たってのセキュリティー対策、この二点についてどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの情報セキュリティーの問題でございますけれども、本法案におきましては、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター、いわゆるNISCが定めます情報セキュリティー対策のための基準に基づきまして、各府省において、行政手続のオンライン化に当たり、適切なアクセス制御やログ管理などを行うことによりましてセキュリティー対策を講じていくこととしているところでございます。

 また、長期保存の観点でのお尋ねがございましたけれども、デジタルデータの性質を踏まえまして、定期的なバックアップを行ったり、保存性が向上した新しい記録媒体へのデータの移行、災害時に備えた遠隔地での保存、バックアップセンターの活用など、デジタルデータが確実に長期保存されるようにしっかりと対応してまいりたいと存じます。

北崎政府参考人 住民票の除票につきまして、私の方から御答弁申し上げます。

 今回、デジタル手続法案におきまして、住民票を消除した後も除票として保存をしつつ、安全管理等の措置を講ずることを法文上明確化させていただいております。具体的には、市町村長は、住民票の除票等に記載されている事項の漏えい、滅失及び毀損の防止等、適切な管理のために必要な措置を講じなければならないとさせていただきました。

 また、仮に、住民票の除票の写し等を不正に取得した場合や、市町村職員が不正な利益を図る目的で職務上知り得た情報を提供、盗用した場合には、罰則を科することとさせていただいております。

 現在、住民票の磁気ディスクでの保存に当たりましては、既に、技術的基準を定め、その管理方法について規定しているところでありますが、住民票の除票につきましても同様に、技術的基準に明確に位置づけて、アクセス権限を限定し、ファイルの不当な使用の防止等の措置を講ずる等、適切に管理してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

浅野委員 ぜひよろしくお願いします。

 続いて、今は保存されているデータ自体あるいはシステム自体のセキュリティー対策だったわけですけれども、今回の法案が実現されると、ワンストップサービスになりますので、一回政府に提供した情報あるいは民間事業者に提供した情報が政府あるいは異なる民間事業者にも行くということで、データが流れるわけでございますが、このデータフロー自体もしっかりと保護していく必要があるのではないかというふうに考えております。

 後から振り返ったときに、データがどこに行ったのか、どういう経路で流れたのかというところをしっかりとさかのぼっていける、これが一つ、このデータ流通の信頼性を担保するために必要な条件ではないかなというふうに思うんですが、データフローに関する記録を行うべきだと私は思うんですけれども、この記録の必要性に対して政府が今どのような見解をお持ちか、御答弁をいただけますでしょうか。

平井国務大臣 まず、トレーサビリティーの話ということ。紙というのは基本的にトレースできないんですね。ですから、今回、電子化することによって一定のトレーサビリティーは担保できるということは間違いありません。

 一方で、やはり、これからタイムスタンプであるとかそういうものを厳格に運用することによって、情報のインテグリティーも一定担保できると思います。

 これから官民のデータフローということもあるので、民間にも当然、データフローに対してのセキュリティーの意識を持ってもらわなきゃいけないということで、そういうことをトータルでやるのが要するにウイズ・トラストという考え方で、社会全体のトラストを上げていくということがデータフローの基本になると思います。

浅野委員 大臣みずから、データのトレーサビリティーの必要性について言及をしていただきまして、本当に、ぜひ、私もそれは大変重要だと思います。

 しかも、これから、恐らくなんですが、ビッグデータの時代ですから、対象となるデータの数はどんどんふえていく、それをいかにトレースしていくのかというところにもまた、技術的な課題もありますし、運用面での課題もあると思いますので、政府には、ぜひそのあたりをしっかりと検討していただいて、国民が安心して国に情報を委ねられる、そんな環境をつくっていかなければいけないと思います。

 最後になりますけれども、これを最後の質問にしますが、行政機関と、今回、民間事業者も連携をすることになるわけですけれども、民間事業者が参入するインセンティブ、あるいは民間事業者に対する支援、これがどうあるべきなのか、政府の見解をお伺いしたいというふうに思います。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 ワンストップサービスへの民間事業者の参画に対するインセンティブというお問合せをいただいたと思います。

 それに関しましては、引っ越しワンストップサービスを例にとりましてお話をさせていただきたいと思いますけれども、引っ越しワンストップサービスでは、引っ越しをする利用者が引っ越しポータルサイトにアクセスをした上で行政や民間の手続をオンラインで行うことを想定をしており、手続先の民間事業者は引っ越しポータルサイトと情報連携を行うという必要があるところでございます。

 引っ越しをされる利用者の方々は、この引っ越しポータルサイトにおいて必要となる各手続を案内されるため手続の申請漏れが減るというようなことが期待される一方、手続先の民間事業者におきましては、顧客の住所情報等の把握に係るコストを軽減できるというようなメリットがあるところでございます。

 私どもIT総合戦略室におきましても、引っ越しワンストップサービスについて、一部の民間事業者の方々の協力を得ながら実証実験を予定をしているところでございまして、その結果をガイドラインとしてまとめることで、民間事業者のワンストップサービスの参画を促す、検討に資するというようなことで支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

浅野委員 時間が参りましたので終わりたいと思います。

 ほかの委員会でもこのようにタブレットの利用が普及することを願って、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

牧原委員長 午後零時五十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時五十六分開議

牧原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山尾志桜里君。

山尾委員 立憲民主党の山尾志桜里です。

 まず、このデジタル手続法案なんですけれども、大体どれぐらいのボリュームのものをどれぐらいの期間でやり遂げようとしているのかということを知りたいと思います。

 このデジタル手続法案、今はオンラインしてもよいと許容しているルールを、改正によってオンラインをすべしと要求するルールに変えるというのが骨子だと思うんですけれども、対象を確認したいと思います。

 法令に基づく行政手続の全てが対象になって、国の手続は義務化、国以外の自治体などの手続は努力義務化、こういう整理でよいでしょうか。事務方で結構です。お答えください。

時澤政府参考人 お答えいたします。

 このデジタル手続法案の対象となりますのは、法令に基づく行政手続のうち、国に対する申請及び当該申請に基づく処分の通知でございます。

 これは、国をというふうに今申し上げました。地方公共団体については努力義務ということでございます。

山尾委員 再度確認です。国以外に対しては努力義務ということですけれども、そうすると、法令ではなくて、条例や規則に基づく自治体なんかの手続はどうなるんですか。

時澤政府参考人 地方公共団体の条例、規則に基づく手続でございますけれども、これについては、やはり必要な措置を講ずるよう努めなければならないということでございます。

山尾委員 条例、規則の手続も努力義務の対象になっているということがこの法案の全体像であります。

 では、この法案の整理を前提に、少し数でボリュームを聞きたいんですけれども、この法案の対象となる法令に基づく行政手続というのは、国、自治体合わせて、オンライン化が既にされているものとされていないもの、合わせて何種類ぐらいあるのか、概数で結構ですのでお答えください。

時澤政府参考人 現在、各府省からの回答を集計しております行政手続等の棚卸し調査というのがございます。今後の精査によって変わる可能性もある暫定的な数値でございますが、法令に基づく行政手続は約六万種類でございます。

山尾委員 六万種類と私も聞きました。

 それでは、この六万種類の中で、義務化の対象とされる国の手続というのは、およそ何種類になるんですか。

時澤政府参考人 同じく暫定的な数値でございますが、法令に基づく行政手続のうち、オンライン化義務の対象となります国に対する申請及び当該申請に基づく処分通知の行政手続、約三万種類弱という感じでございます。

山尾委員 半分弱が国ということで、では、この三万弱の手続のうち、オンライン整備が既にされているものはどれぐらいで、されていないものはどれぐらいあるんですか。

時澤政府参考人 これも暫定的な数値でございますが、オンライン化義務の対象となる行政手続のうち、まず、オンラインで行うことができる国の行政手続は、約五千種類でございます。オンラインで行うことができない国の行政手続は、二万件超という感じでございます。

山尾委員 そうすると、既にオンライン整備ができているものが五千ぐらい、この法案が成立後、オンライン整備が義務化される国の手続というのは二万超という整理でありました。

 それでは、この二万超の国の手続、そしてその外にある、さらに自治体などの手続、これをどういう順番で、どれぐらいの期間を区切って進めていくのかということは、これまでもこの質疑の中で聞かれていたと思いますし、なかなか具体的な話になっていっていないなというふうに思うんですけれども、例えば、一年間に一万件以上ぐらい利用される手続に絞った場合は、この数字というのはどうなるんでしょう。

 要するに、本当に一年に数十件とか、あるいは数年に一件のレアケースみたいな手続なものは後に回すという考えに立つならば、例えばそういった、一年に一万件以上は利用されている、一定の頻度があるというふうに思われる手続で少しスクリーニングをすると、その場合、オンラインできているものとできていないものはどれぐらいの数になるんでしょうか。

時澤政府参考人 これも暫定的な数値でございますが、オンライン化義務の対象となる国の行政手続のうち、今申されました一年間に一万件以上利用されている国の行政手続、約千三百種類ございます。

 このうち、オンラインで行うことができる手続は、千三百種類の半分程度でございます。オンラインで行うことができないのは、同じく半分程度ということで、半々となっております。

山尾委員 ここで大臣にお伺いをしたいんですけれども、優先順位のつけ方とか期限の区切り方なんですけれども、幾つか考えがあると思うんです。

 ただ、私自身は、この内閣府とのレクチャーのやりとりを通じていて、例えば一つの考え方としては、そういった一定程度の頻度があるものを浮かび上がらせて、それを一定程度の、二年とか三年とか少し工程を区切ってやっていく。一年に一万件以上の頻度というものが、スクリーニングをすると、三万弱の対象がおよそ千三百にぎゅっと集約されて、それで半分が済んでいるということは、約半分ですので六百五十ぐらい。これが、かなり頻繁に使われるもののうち、国の関与する手続であってこの法案で義務化されるものということなので、少しそういう対象をピックアップして、そしてきちっと年限を区切って日程管理をしていくというようなことも一つの考え方でありましょう。

 あえてもう一つ言えば、例えば、専門職の方が関与されることが予測されるような事務からスタートする。例えば、税理士の関与するe―Taxとか、社労士さんの関与する雇用保険関係とか、宅建業者さんの関与する登記オンラインとか、そういう士業じゃなくても、ディーラーさんの関与する自動車関係の手続とか、そういった一定の専門家同士のやりとりが予測できて割と円滑に始められるような事務からスタートをして、課題を見きわめて、一般国民に本当に広く利用される事務に広げていくとか、何か少しその基準を決めて期限を区切るという日程管理を考えるべきだと思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。

平井国務大臣 委員のおっしゃるとおり、やはり国民が利便性を特に感じるものから優先して、期限をある程度明示しながら進めていくというのはいい考え方だと思います。

 今オンライン化できるものも、果たして今のやり方でいいかという見直しも必要ですし、本当に国民の利便性を上げようと思ったら、業務のやり方を見直した上で、そして新たなシステム化をする必要があるし、システムの更新時がちょうど重なったときには、思い切ってそのことをやり直すことができるんです。

 ですから、手続とかシステムによってそれぞれ工程表ができると思うので、メリットの一番大きいものから具体的な計画をつくって、それを出していきたいと思っております。

山尾委員 そのメリットが大きいもの、そして国民生活に利便性が高いものということで、この法案が決定されて記事に載ったときによく出てきたのが、パスポートの手続と引っ越しの手続ということなんですけれども、この二つを例に挙げて、この法案でどこまでが義務づけられて、それ以上は努力義務で、どういった連携が必要なのか、ちょっと具体的に考えてみたいと思います。

 これも、ちょっとパスポートについて事務的なことを聞きますので、事務方で結構です。

 パスポートなんですけれども、現在、申請は基本的に全て紙の申請で、原則として、申請する人は、申し出るときと交付を受けるときと二回出頭が必要だと。ただ、申請のときは代理も可能だということになっています。

 実は、皆さん御案内のとおり、パスポートの手続というのは、国の手続と都道府県、市町村の手続が混在しております。あえて言うと、国の手続というのは、手続の中の発行決定の部分だけでありまして、申請の受理だとか、決定された後の作成だとか、作成された後の交付だとか、こういうものは都道府県ないし自治体、市町村が担っています。

 そうすると、事務方にお伺いしますけれども、この法案でいくと、実は、義務化されるところというのは、自治体が担っている、それこそパスポートセンターから外務省に対して、こういう申請がありましたので決定をしてください、この部分のルートはオンライン申請が義務化されるんだけれども、最も核となる、国民が申請するときあるいは交付を受けるとき、ここら辺のところは必ずしも義務化の対象となっていない。

 よく考えていくと、パスポートセンターとかから国に対する、この申請がありましたという流れについては、既にオンライン化されていると思いますので、この法案によって義務化されて何か変わる部分というのが、実は、本来、そうないんじゃないかという疑問が湧いているんですけれども、この点はいかがですか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 行政手続のオンライン化や添付書類の撤廃などのデジタル手続法案の趣旨を踏まえまして、申請者の利便性の向上及び旅券事務の効率化のため、旅券発給申請手続におきまして、パソコンやスマートフォンを使用して旅券の発給申請が申請者の方ができるように、電子申請を導入させていただきます。

 したがいまして、ここの部分は義務化の部分ではないのでございますけれども、努力目標ではございますけれども、外務省といたしましては、電子申請を導入し、申請者の方の利便性を図るということを考えております。

 また、それ以外にも、現在、申請者の方は、委員御指摘のとおり、旅券の申請時と交付時の二回、旅券事務所に出頭していただく必要がございますけれども、この出頭回数も削減するため、例えば旅券を宅配で交付することも検討をしております。

 さらに、現在は収入印紙で納付していただいております手数料をクレジットカードで納付できるようにして利便性を図る、こういったことについても検討いたしております。

 さらに、今国会で戸籍法が改正されまして、戸籍電子証明書を発行する制度が創設される場合、旅券発給審査に必要な戸籍情報の入手がもし可能となるということでございますれば、原則として旅券発給申請時における戸籍謄抄本の提出を省略ということも検討すべく、現在、関係府省庁と協議をしておるところでございます。

山尾委員 ちょっとまず素朴な疑問として、多分、今回、これは、やはり暮らしに密着するのは自治体絡みなので、自治体は努力義務で国が義務だとちょっと足りないんじゃないかという指摘がさんざんなされているわけなんですけれども、これに対する政府の答弁というのは、自治体というのはやはりそれぞれの自治があるし、それぞれデジタル化への準備状況というのもなかなか難しい部分もあるので、義務化は難しいというたてつけだったと思うんですね。

 そういう中で、今、外務省の方の答弁では、努力義務でありますけれども電子申請を導入させていただきますというのを聞いて、少し違和感を感じているんです。もうちょっと丁寧に言うと、努力義務だけれども、外務省なり国ができるだけ、そういうフォーマットの旗振りも含めて、自治体が導入できるような状況を整えた上で、自治体の皆さんの協力や合意を得て達成するようにしていきたい、そういうふうに受けとめるのが正しいのかなというふうに思いますけれども、今答弁された方、もし何か一言あれば、どうぞ。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 まさしく委員御指摘のとおり、各自治体におかれても、さまざまな御事情等、またまた違ったところもございますので、よく自治体の方々とも相談をし、自治体の特殊な事情も踏まえて協力を得つつ、この問題を進めていきたいというふうに考えております。

山尾委員 もう一つ、さっきの答弁の中の実務的なところをお伺いしたいんですけれども、出頭回数が今は二回だけれども、交付を郵送にすることによって申請時だけの出頭にとどめられるようにしたいというような方向性だと思うんですけれども、確かに、外務省のデジタル・ガバメント中長期計画というのを見ても、申請時に原則一回は出頭を求めて本人確認を行う必要があると考えるというようなことを書いてあるんですね。

 そうだとすると、逆に、今は代理も可能な申請について、代理が不可能になって本人出頭が要求され、逆に、交付のときは宅配を受けられるので行かなくて済むという便利性はあるというふうな整理で正しいのか、方向性としてですね。だとすると、これは、オンライン化によって便利になるというところはほぼなくて、ただ、交付のときに宅配にしますよというところが中心になるんじゃないかという疑問があります。だって、申請を電子申請にしても、行かなきゃいけないんでしょう。そこら辺のところをもうちょっと説明していただけますか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、旅券、パスポートというものは、国際的に日本人であることを証明する大変重要な文書ということでございますので、外務省といたしましても、国際的な信頼を損なわないようにするため、又は、実際の旅行者の方に御不便がかからないようにするため、旅券の信頼性を上げるべく、そのためには、やはりどうしても、発行する前のどこかの段階で、御本人に間違いなく発行しているか、成り済まし等によって不正な形で取得されていないかということを担保するために、どうしても一回は確認をする必要があるのではないかというふうに考えております。

 現在、その点におきましても各国の状況も調査をいたしまして、妥当な方法を見つけていきたいと思っておりますけれども、確かに、御指摘のとおり、出頭の回数につきましては、一が一のまま残りますので、減らないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、現在大変御不便をかけております戸籍謄抄本の取り寄せといったような問題につきましては、電子申請を行うことによって省略することができる可能性が生まれておりますので、こちらについて検討を進めていきたいというふうに思っております。

山尾委員 戸籍について電子申請できるとしても、申請時に本人出頭が要請されるとするならば、ちょっと利便性という意味ではどうなのかなというような気もいたしますし、何もけちをつけているわけじゃないんですけれども、そうやってデジタル化されるからすごく便利になりますという事例として挙がっている二つのうちの一つにしては、余りそれほどでもない、少なくとも現段階ではそういう状況かなというふうに思っています。でも、頑張っていただきたいというふうには思います。

 もう一点、もう一個言われているのが、いっぱい事例を探したんですけれども、なかなか密着して便利になると言っているものが余りなくて、引っ越しについて伺いたいんです。

 引っ越しの起点というのは、御存じのとおり、転入、転出届なんですけれども、これはこの法案化によって、自治体なので義務化ではないと。努力義務の対象になるんでしょうか。それとも、その届出の性質からいって努力義務の範疇外だ、やりたいという自治体があってもこれはやるのはちょっと難しい、こういうものなんでしょうか。どういう整理なんでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、転入、転出の手続そのものは自治体の手続でございますし、引っ越しに伴いましてさまざまな手続が必要となってまいりますが、その大半についてはやはり自治体のものが多いということも事実でございますので、したがいまして、そういう意味では努力義務という形になろうかとは思います。

山尾委員 もう一回確認なんですけれども、転入や転出の届けというのは、自治体がうちの市はもうこれは電子申請でやりますというふうにやろうとしたらやれるものなんですか。現在、やっていいという整理になっているんですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 担当の総務省がおりませんが、知っている範囲でお答えさせていただきますが、原則として、引っ越すときは転出するところの自治体にまず転出届を出し、それを転入先に持っていく、マイナンバーカードがあった場合はその転出のところが要らなくて、いきなり転入に行ってもそれで受け付けるということになってございますが、現状、一応本人が出ることを要件としているようでございます。

山尾委員 つまり、私が事前に聞いたところによると、やはり住民票の移転手続というのはどうしても対面確認が必要なので、ここの部分はいかに努力義務とはいってもなかなか、現状況の中ではそれを電子申請可能にするというのは想定していない、ちょっと難しいと考えているということだったんですね。

 そうすると、では、引っ越しで何が便利になるのか。例えば日経はこういうふうに書いていました。ネットで住民票の移転手続の準備をすると、電気やガス、水道の契約変更も一度にできるようにする。これは、そうすると、ネットで住民票の移転手続の準備をするということは、ちょっと事実と違うということになるんでしょうか。

時澤政府参考人 今考えております引っ越しのワンストップでございますが、これは民間の手続と市町村への住民票の手続というのがあります。

 まず、民間事業者に引っ越しポータルサイトというのをつくっていただきます。そこで、例えばポータルサイトに登録した人は、ポータルサイトから適当なタイミングで必要な手続、こういうふうになるというような案内、誘導が来る。それに基づいて、今言いました住民票につきましては、これはそのポータルを通じて、マイナポータルというものがありますので、そこに行くようにします。

 先ほど向井審議官から話がありました特例転入届というのがあります。特例転入届は郵送でもいいですし、今、電子申請で転入届を受け入れている団体もあります。それをマイナポータルでやりましょうということです。したがって、先ほど言いましたように、転出先には行く必要がなくなります。

 あわせて、引っ越し先の自治体に、要するに台帳予約、いついつ行きますという予約も含めて登録できるようにする。そうしますと、転出先には行く必要がありませんけれども、転入先に行く、なおかつ予約ができますということで、利便性が向上するということであります。必ず行かないといけませんので、その特例を使って一回に行く、それをマイナポータルを使ってやる、そのマイナポータルには、先ほど言いました引っ越しポータルサイトと連携をしています。

 もう一つ、民間の手続。

 ライフライン、いろいろありますけれども、今までは、それぞれについて住所変更の手続が要りました。今回、先ほど言いました引っ越しポータルサイトで、ポータルサイトに入力した氏名、住所があります、それを一回入力すれば複数の手続のところに自動的に行く、そういったものをまとめて一括してできるというようなものを考えております。

 ただ、これは実現のためにはいろいろな人に参加していただかないといけませんので、今参加を呼びかけておりますし、実証実験等もことし行う予定です、その結果でいろいろとサービスを充実していくんですけれども。

 基本的には、市町村への手続は、必ずやらないといけないんですが利便性を向上させる、民間については、一度入力すればそれが必要なところに行く、そういうイメージで捉えていただければと思います。

山尾委員 そうだとすると、つまり、行政手続については、マイナポータルというのは随分この委員会でもいろいろ課題も指摘されているんですけれども、マイナポータルを通じれば、市町村の住民票移転手続については少し利便性が高まるよ、それを利用する限りにおいてと。

 あと、よく報道されていた、引っ越しにまつわる電気、水道、ガス、引っ越し業者を含めた、そういうものが大変便利になるということについては、これは何か住民票移転のことと連動するのではなくて、あくまで民間のポータル会社さんに、そういった引っ越しにまつわるさまざまな民間業者さんをぶら下げてというか、連携をしていただいて、一回でさまざまな手続ができるようにしてほしいなという、国としての応援というか推進というか旗振りというかということであって、何か聞いていると、もし住民票移転と民間の手続が連携して一度でできていくということであれば、この法案にずっと出ているようにコネクテッド・ワンストップというふうに思うんですけれども、今の説明を聞いていると、コネクテッド・ワンストップというよりは、行政は、やれる範囲でちょっと利便性を高めます、民間は民間で、ちょっと民間で連携していただいてぜひ頑張ってくださいと。行政と民間の連携というところは余りコネクテッドされるような絵図にはなっていないのかなというような気がいたしました。

 別にこれは責めているわけじゃなくて、ただ、私が申し上げたいのは、やはりこういうデジタル手続法案というのを、多分、閣議決定をされて、できるだけ、役所の皆さんや政府の皆さんも、これがどういうふうに国民に便利になるのかということを伝えて、ぜひ賛同をもらいたいという気持ちがあると思うんですけれども、何か、往々にしてあるんですが、やはりそうやって具体例がちょっと大ざっぱで、とりようによってはちょっと大風呂敷になるということがよく法案審議の前に起きますので、ぜひそこは誠実に説明をしていただいて、なかなかデジタル化というのは、このデジタル法案を成立させれば何か劇的に暮らしがよくなるということではなくて、そうやって一つ一つ課題をクリアしながら浸透させていくというものだと思いますので、そこは私、指摘したいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 逆に言うと、行政と民間の連携が個人データの連携につながって、個人情報の守りがある意味緩くなるのではないかというような部分もしっかり考えていただきながら、できる連携というのは進めていくべきだというふうにお伝えをしたいと思います。

 次に、ちょっと話題がかわるんですけれども、この内閣委員会でずっと私が質問しておりました、スマホゲーム事業者が持っているユーザー位置情報の捜査上取得に当たっての原則と例外の話をしたいと思います。

 ちょっと委員長にお伺いしたいんですけれども、まあ、聞いてもいいです、もう一回両政務官に。法務の政務官、そして総務の政務官に来ていただいております。伺ってもいいんですけれども、私の認識としては、先回までの委員会で、この今の課題について原則令状が必要であるという立場に立っているのが総務省の見解、一方で、法務省は、個別具体事案に応じて判断するので、その見解とは異にしていると。

 したがって、私は、何度も議事録を読み返したんですけれども、どうしても、この点、閣内が一致していないというふうにしか読めないので、ぜひこれは理事会協議事項にしていただきたいんですけれども、いかがですか。

牧原委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

山尾委員 では、そうであれば、もう、両政務官、来ていただいたんですけれども、もう一回だけ聞きましょうか、確認のために。では、確認のために聞きます。

 では、まず、やはり総務の政務官にお伺いをいたします。

 スマホゲーム事業者が持っている位置情報、これを捜査上取得するに当たっての原則と例外についての理解をお答えください。

國重大臣政務官 お答えいたします。

 全てのスマホゲームアプリ事業者が、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの適用対象になるわけではありませんが、スマホゲームアプリ事業者が電気通信事業者や電気通信事業を営む者に該当する場合は、同事業者にはガイドラインに従った取扱いが求められることになります。

 同ガイドラインにおいて、通信の秘密に該当する位置情報については、電気通信事業者又は電気通信事業を営む者は、あらかじめ利用者の同意を得ている場合や裁判官の発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合に限り、第三者に提供できる旨を定めております。

 したがいまして、原則として裁判官が発付した令状を必要としているものと考えます。

 また、通信の秘密に該当しない位置情報につきましても、一般論として申し上げれば、電気通信事業者又は電気通信事業を営む者がこれを捜査当局に提供することができるのは、同ガイドラインに照らして、先ほどと同様、原則として裁判官が発付した令状に従う場合に限られるものと考えます。

山尾委員 答弁してもらってやはりよかったなと思います。明確でした。

 それでは、法務の政務官にお伺いをいたします。

 今の見解、要するに、通信の秘密に当たる位置情報であっても、当たらない位置情報であっても、原則令状を必要とするという理解でありました。法務省の見解はいかがですか。

門山大臣政務官 スマホゲーム事業者が位置情報という、具体的な特定の事業下で、まず、いかなる捜査手法がとられるかについてお答えすることは、一般的には差し控えさせていただいているところでございますが、繰り返しになりますけれども、ゆっくり読ませていただきますけれども、その上で、強制処分の意義、令状が必要とする強制処分の意義というのは、これは例えば五十一年の最高裁決定において、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加え、強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味すると判示されております。

 また、そして、これは一般論ですけれども、位置情報を取得する捜査が強制処分に該当し、令状に基づいて実施すべきものであるか否かにつきましては、今申し上げた判例のほか、あるいは車両GPS捜査における最高裁判決を含む一連の最高裁判例の内容を踏まえつつ、当該情報の性質や情報を入手する態様、事業者の対応など、個別具体的な事案に応じて判断されるべき事柄であるというふうに考えております。

 そして、御指摘のガイドライン、総務省のガイドラインですけれども、これは、これも前回お答えさせていただきましたけれども、電気通信事業者等に対して告示の形式で個人情報の取扱いの具体的な指針を示すものでありますけれども、刑事訴訟法に基づく捜査の適法性、要するに強制処分性については、ガイドラインにではなく、あくまでも刑事訴訟法の規定の解釈によって定まるものでございまして、強制処分の意義につきましては先ほど述べたとおりでございますけれども、この位置情報を取得する捜査が強制処分に該当するかどうかという場合には、これはいろいろな事情を踏まえた上での個別具体的な事情によって判断すべき事柄と考えている次第です。

 ただ、その上で、山尾先生も先ほど明確に区別されて質問されておりましたけれども、捜査機関において、通信の秘密に該当する、そういう構成に該当する情報を取得するに当たっては、これは、原則として、百九十七条二項の捜査関係事項照会ではなく、令状による運用が行われているというのが今の法務省の見解でございます。

山尾委員 ということで、整理をしますと、通信の秘密に必ずしも該当しない位置情報について、事業者から見ると、総務省のガイドラインで、照会ではその情報を原則出しちゃだめですよ、令状を出して、出してくださいねというふうになるわけです。一方で、じゃ、それに対して、求める側の捜査機関は、個別具体的事案によっては我々は照会で要求することもありますよと言っているわけです。

 そのやはり不一致というのは、国民の側に立ったときに、大変大きな不一致だと思うんですね。捜査機関は照会をかけてもいい、でも国民の側は照会で出しちゃだめ。この不一致は解消していただきたい。理事会で協議をいただきたいと思います。

牧原委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

山尾委員 それでは、次、もう一点、このやはりデジタル化の問題で、位置情報の扱いというのも大変な大きな問題なんですけれども、もう一つ、個人データ、自分のデータを勝手に取得されず、分析されず、勝手に何かをお勧めされない権利というのも出てきていると思うんですね。

 それに関連して、ジャパンタクシー社が展開する広告配信用のタブレットの問題。これは、タクシーに乗ったら、知らないうちにその目の前のタブレットの目のところから撮影をされていて、性別を分析されていて、それによって、男性ならこういう広告、女性ならこういう広告というふうに広告が選別されて、自分の目の前で展開されていた。このことについて、やはりユーザーの側から不安の声があって、個人情報保護委員会が行政指導をしたということがありました。

 そこで、個人情報保護委員会にお伺いをいたします。

 このタブレットについては行政指導をされたと思いますが、その行政指導以降、いかなる対応が行われ、その対応については行政指導の趣旨にかなうものと判断をされているのか、それともまだなのか、その判断についてお伺いいたします。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 ジャパンタクシー社がタクシー車内に設置しておりました広告配信用のタブレットのカメラを用いて乗客の顔画像を取得していることについて、同社に対し、昨年十一月末、個人情報保護法第四十一条に基づき二点の指導を行いました。

 一点目は、カメラの存在及びこれにより個人情報を取得することについて、わかりやすい説明を徹底し、適正に個人情報を取得するとともに、利用の目的や通知、公表を適切に行うこと。

 二点目が、社内での部署間の連携を見直すなど取扱体制を抜本的に見直すとともに、取扱状況を委託先等関連事業者も含め正確に把握し、タクシー利用者等へ取得に係る説明を正しく行う体制を構築するということでございます。

 同社からは、当委員会からの指導に対しまして、乗客への顔画像の取得の事実や適切な利用目的の通知のために広告配信用タブレットの画面にメッセージを表示させるなど、乗客への適切な説明を行えるよう改善を行う、人材確保も含め社内体制を整えるとの報告を受けました。

 しかしながら、本年三月下旬のジャパンタクシーに対する報道を受けて、広告配信用タブレットのカメラの存在及びこれにより個人情報を取得することについて適切な対応がなされていないことを把握いたしましたので、同社に対して、委員会の指導に対する適切かつ迅速な対応を求めました。

 同社によりますと、顔画像を取得する際の最適な説明方法の検討に時間を要したとのことでございましたが、四月十日から、顔画像を撮影すること及びその画像データにより性別を推定し広告の配信に利用することについて車載タブレット上で明示する対応を行うということ、それから社内体制の整備も行ったということについて報告を受けております。

 今般、同社において、当委員会の指導が速やかに実施に移されなかったことにつきましては、不適切な事態と考えておりまして、委員会として、しっかり監視、監督に努めてまいりたいと思います。

山尾委員 前回の質問のときに、行政指導しても、その対応がなされるまでの間、やはり同様の不適切な撮影が行われ続けていることについてはやはり責任があるんじゃないですかと、やはり対応できるのが委員会なら、委員会がしっかりやってほしいというような思いで質問いたしまして、今、状況の説明を明確にしていただきました。

 このことはちょっと私、引き続き話はしていきたいんですけれども、きょうのところは、このジャパンタクシーについては、あと一点だけ。

 これは国交省にもあわせてお伺いした方がいいかと思うんですが、こういった問題について、ジャパンタクシー社以外に同様の業態があるのかどうかとか、ある場合には、同様の問題が他の社でも起きていないかどうか、こういうことについての把握状況を教えてください。

工藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 タクシー業界に対しては、四月十一日に、全国ハイヤー・タクシー連合会を通じて、個人情報の適切な取扱いについて注意喚起を行うとともに、配車アプリ、車載用タブレット等個人情報を取得する機能を有する技術の導入や個人情報の取扱い等について、五月中旬をめどに実態の把握を求めているところであります。

 国土交通省といたしましては、現在までのところ、ジャパンタクシー社と同様の事例は承知しておりませんが、同社の対応状況について引き続き注視しながら、個人情報保護委員会とともに連携し、適切に対応してまいります。

山尾委員 名前を挙げて、ジャパンタクシーということを言っていますけれども、同社だけが悪いわけではなくて、やはりこれだけ技術が進んで、いろいろなことができるようになっているのに、やはりルールメーキングが追いついていないから、そのはざまの中で、それはビジネスモデルを追い求めて、さまざま不都合な事案も生じ始めているということだと思いますので、しっかり国交省も、その五月中旬というところをめどに、状況をより的確に把握をしてほしいと思います。

 そして、委員会にも聞いていただきたいんですけれども、あれ以降、私、タクシーに乗っては、そのタブレットの操作ばかりしているんですけれども、四月十日以降も、例えば、確かに表示されるんですよ。されるものはあるんです、これは撮影していますとか、広告の最適化に使っていますとかいって。場合によっては、それは消せますとかいうのもあって、消せるときもあったんです。だけれども、そのまま時間がたってみると、もう消せなくなっているというか、操作が、できるのかもしれないけれども、私は少なくとも、時間がたっちゃうと、消せる操作のアイコンがわからなくなって消せないとか、そういうこともあるんですね。場合によっては、やりますと書いてあるだけで、では、それは嫌だという人がどうやって拒否したらいいのかというのは、少なくともその場ではわからないということもあります。

 やはりそういう、ちょっとユーザー目線で、それをしっかり、拒否する人は拒否できる。それは、でも、個人にとって、そういう広告を受けられるなら便利だなと思って使いたいという人もいるわけですから、使いたい人は使える。やはりその個人の選択をしっかり保障していくことが、企業にとってもユーザーにとっても、デジタルの進んでいく社会の中で幸せな関係ということだと思いますので、ぜひ、このことをきっかけに、何か個別の社による個別のことということにとどまらず、対応をしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 以上で、きょう、ジャパンタクシーのことはこのぐらいにいたします。

 それで、次に、最後になります。ありがとうございます。法務と総務の政務官、済みません。御退席ください。

牧原委員長 國重政務官、門山政務官は御退席ください。工藤政務官も御退室ください。

山尾委員 それでは、残りの時間で、昨日発表された個人情報保護委員会の個人情報保護法の中間整理というものについてお聞きをしたいと思います。

 まず、利用停止権という論点についてお伺いをしたいんですけれども、これまでは、利用停止を求めることができるのは、不正取得とか目的外使用の場合に限定されていた。でも、この報告書を見ますと、「利用停止等に関して、個人の権利の範囲を広げる方法について検討する必要がある。」というふうに書いてありました。

 つまり、事務局長にお伺いをいたしますが、私の購買履歴や私の位置情報は利用しないでほしいというふうに言われれば停止が認められる、こういう方向で議論を進めると考えてよろしいんですか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日公表いたしました、個人情報保護法のいわゆる三年ごとの見直しに係る検討の中間整理におきましては、お尋ねの利用停止も含む個人情報に関する個人の権利のあり方についても検討項目として取り上げております。

 御紹介いただきましたように、現行の個人情報保護法上は、利用停止の請求ができるのが、不正取得等、一定の場合に限定されております。しかしながら、消費者の声として、対象の拡大について要望が強いことも踏まえまして、今後、企業実務の観点も考慮しながら、具体的に検討してまいりたいと思います。

山尾委員 ここから先はちょっと平井大臣にお伺いをしていきたいんですけれども、利用停止が前向きに認められるようになっていくなら喜ばしいことだと思うんですが、二つお伺いします。

 一つは、停止される前にさかのぼる自分のデータの消去、削除についていかがお考えか。私はやはり認めていくべきだと思っております。

 もう一つが、データポータビリティーのことなんです。

 データポータビリティーについては、何か競争政策の一環として限定的な導入というような報道もあるんですけれども、本格的な導入に踏み込むべきじゃないかというふうに思います。

 個人の権利ということもあるんですけれども、結局、自分のデータを、今使っている社から別の社に移転していくことを認めないと、ユーザーというのは、結局、今使っている社の特定のサービスに囲い込まれることになります。IoTというのが広がって、結局、家電でも車でも、あらゆるものにデータを利用した製品に囲まれて暮らしていく中で、結局、競争政策に委ねると、企業とすれば、目先のことを考えていたら、データポータビリティーは認めない方がいいわけですよね、次の社に乗りかえやすくするわけですから。

 でも、逆に、巨大な、大きな企業がデータを独占して集約しつつある今、そういうポータビリティーを認めて新規参入を促す方が、やはり、公正で健全で元気なイノベーションを起こす、そういう力にもなると思いますし、当然、ユーザーの選択権を実質保障するということにもつながると思うんです。

 なので、一つ、そのデータ消去についてもやはり検討を進めてほしいと思います。もう一つ、データポータビリティーも、競争政策というならば、むしろどんどん認める方向で検討を進めてほしいと思います。抽象的なことになりますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。

平井国務大臣 今、委員の問題意識を私も当初から持っておりまして、個人情報を扱うときには、個人の自己情報のコントロール権というものをやはり確保すべきだろうというふうに常々思っています。

 一方で、今、ヨーロッパでのGDPR、アメリカ、プライバシーシールド、アジアではCBPRとかいろいろやっていますけれども、結局、最後のところの新しい考え方というのがまだ固まっていません。

 ところが、一方で、日本では、情報銀行、情報信託ですね、そういうビジネスモデルがあらわれてきたり、情報の取引所、エブリセンスという会社ですけれども、この二つのビジネスモデルは、今、日本にしかないんです。それは両方とも個人の情報を、要するに、ちゃんと信頼できるところで扱って自分でコントロールをするというような形で、今、大きな、GAFAと言われるプラットフォームに対する規制等々を議論いただいておりますけれども、日本は日本で、そういうモデルもこれから世界に広げていけるような、そこは日本流のイノベーションではないかなと思います。

 ただ、個人情報保護法の改正に関しては、私は今所管しておりませんので、全体としてはそんなふうに今考えているという答弁にとどめさせていただきたいと思います。

山尾委員 最後にお伺いをいたします。

 これはやはり個人情報保護委員会になるのかなと思いますけれども、今回の、さまざま改正に向けた論点を出していただいてきましたけれども、そういった形で権利の保障がなされていったときに、今お話に出たGAFAに象徴される、海外に本社がある企業をも対象としていく方向なのかどうかということであります。もちろん、私としては、しっかり対象にしていただきたいというふうに思います。

 フェイスブックのザッカーバーグが、この間、ワシントン・ポストで、かなり自分のフェイスブックが批判を受けているさまざまな論点について、データポータビリティーも含めてですね、ぜひ各国政府がより積極的な役割を担ってほしいということを寄稿したということにも象徴されるように、かなりやはり自主規制というものについては難しいところに来ているということだというふうに思いますので、そこを踏まえて、やはり、この個人情報保護法について、さまざまな統制をかけていくに当たっては、国内企業に公正な競争の中で伸びていってもらうためにも、海外の企業にもしっかりと対象としていただきたいと思いますが、いかがですか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 国際的な観点でございますが、前回の改正個人情報保護法の際に、おおむね、ほとんどの規定については域外適用が既に導入をされております。ですから、今後検討してまいります諸点についても同様に考えてまいりたいと思います。

 それから、既に適用されております域外適用につきましても、私ども委員会で海外の事業者に対しても執行を行っております。お話のありましたフェイスブック社に対しましても、昨年の十月に指導を行っております。

 それから、海外とのルールの整合性につきましても、いろいろな国際機関の場でありますとか、あるいは先進国との会合などで、どのようにハーモナイズしていくかということについても日本がリーダーシップをとって議論していきたいというふうに思っております。

山尾委員 きょうはここで終わりたいと思います。ありがとうございました。

牧原委員長 次に、岡本あき子君。

岡本(あ)委員 立憲民主党の岡本あき子でございます。よろしくお願いいたします。

 きょう、けさほどは、大臣、タブレットを持っての答弁、それから委員長の運営もお疲れさまです。私もタブレットと思ったんですが、参照しなきゃいけないものはタブレットには十分入るんですが、質問のやりとりとかをすると、やはり紙も必要だなと改めて実感をしているところでございます。

 今回のデジタル手続法案について伺ってまいりたいと思います。

 方針として、行政サービスの一〇〇%デジタル化を目指していく、社会全体をデジタル化を進めていくんだ、その思いは十分理解をいたしますし、私も共感をさせていただきます。そして、その方針の柱として、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップは理解をしております。

 この目的というのは、あくまでも、やはり、国民にとって利益をこうむる、それから国民にとっての利便性向上が第一になければならないと思います。その先に、経済成長と社会課題の解決を図るソサエティー五・〇というのを実現をしていくんだということは共感をさせていただきます。

 一方で、光と影、当然ございます。大量データや高速処理を可能にすることだからこそ、あえて人間中心の社会ということを忘れてはいけないということを指摘させていただきたいと思います。

 特に、個人情報の取扱いの結果、悪意のある行為や犯罪に巻き込まれるようなことはあってはならないと思いますし、プライバシーの侵害だけでなく、個人の財産にも影響を及ぼすこと、そして、特に大量のデータを取り扱うということでいきますと、一度トラブルを起こすと膨大な規模でリスクが起き得るということ、当然、サイバーテロの的にもなり得ます。

 改めて、デジタル社会だからこそのリスク管理、対応も含めて、この法案を進めていくという意義について大臣に伺いたいと思います。

平井国務大臣 御指摘のとおり、本法案によるデジタル化三原則を実現するためには、国民にとって安全で便利なものとなるよう、安全性及び信頼性を確保しつつ、利便性の向上を図ることが非常に重要であると考えています。

 このため、本法案においては、国の行政機関等が情報システムの整備を行うに当たり、セキュリティー対策等を講ずる義務を課しています。ですから、セキュリティーは大前提にさせていただいている。

 具体的には、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCが定める情報セキュリティー対策のための基準に基づいて、各府省において、行政手続のオンライン化に当たり、適切なアクセス制御やログ管理等を行うことにより、リスク管理や安全性を確保しなければならないわけであります。

 また、オンラインで申請を行う際に、手続に応じて申請データに電子署名等を付与することなどによって、成り済ましや改ざんの対策を講じなければならないと思います。

 そのように、個人情報の扱いに関して十分に配慮して、安全性及び信頼性を確保して、そして、なおかつ行政の手続の利便性を向上させる。難しそうに見えますが、これはセットだと思っています。

 私は、この法案を進める立場でありますが、常々心がけているのは、デジタル化自体が自己目的化しないように、つまり、そこの先にいる、使う国民の皆さんが本当に利便性を感じ、しかも、それは安全、安心に感じられるという状況をつくることが一番重要だと思っています。

岡本(あ)委員 ありがとうございます。まさにそのとおりだと思っております。

 そして、この法案を拝見させていただいて、安全性、信頼性という言葉は条文にも入っておりまして、今御答弁いただいたとおり、そこに全てを網羅しているんだという思いは受けとめますけれども、改めて、デジタル化という言葉から国民の皆さんが受ける印象で、リスクと捉えがちになっているところは、やはり個人情報の取扱いなんだと思います。

 どうしても、安全性を担保してくださっているのは重々わかっていつつも、それでもやはり、もしかしたら意図的な行為があるんじゃないか、あるいは不可抗力でそれが表に出ることがあるんじゃないか、あるいは知られたくない情報も対象に入っているんじゃないか、そういう不安があるという中では、あえて、やはり今回の法律だからこそ、個人情報の保護という言葉ということを明記するべきではないかと思いますけれども、この点に関しては、これは当局の方でお願いします。

時澤政府参考人 お答えいたします。

 行政機関が保有する個人情報の扱いにつきましては、既に、行政機関等個人情報保護法等の個人情報保護法制に基づきまして、個人情報の保護に関する規律が課せられているところでございまして、本法案に基づくデジタル化の取組も、このような規律を前提としているものでございます。

 加えて、本法案におきましても、システムの整備に当たりまして、情報システムの安全性及び信頼性を確保するために必要な措置を講ずるという義務を国の行政機関に課しております。

 こうした、このような規定に基づきまして、個人情報の保護に配慮しつつ、デジタル化の取組を進めることとしているものでございます。

岡本(あ)委員 今までの私以外の方々のやりとりの中でも、十分個人情報保護法に基づいているんだとか、あと、行政が持っている情報に個人情報が含まれる場合の制度についてもやっているんだという御答弁、何回もいただいているんですけれども、やはり私は、デジタルガバメントを進める上で、あえて、この法律を進めるという意味で、個人情報というところはしっかりと明記をするべきなんだと思っておりますので、その点をお伝えさせていただきます。

 後に大臣には、先ほどGDPRのお話もございましたので、そこも含めて、大きな意味での個人情報の取扱いというところは確認させていただきたいと思います。

 次に、地方自治体の情報システム計画について伺ってまいりたいと思います。

 地方自治体においては努力義務となっております。国の情報システムの計画は義務化、都道府県も義務化ですけれども、市町村については努力義務で進めていくという説明をいただいております。

 これまでもずっと、ほかの委員の皆さんからも質疑がありましたとおり、一番国民にとって頻度多く使うのが、やはり市町村の行政サービスなんだと思います。パスポートも確かに申請、更新ありますけれども、五年に一回、十年に一回、引っ越しも一生のうちに何回、そういうライフイベントのところは確かにありますけれども、最も頻繁に使う業務については、ほとんどが市町村の行政サービスなんだと思います。

 なので、なおさら、やはり、本気でデジタル化一〇〇%を目指すということであれば、市町村、自治体の行政サービス、この情報システム計画も義務化とするべきではないかと思いますが、お答えいただけますか。

時澤政府参考人 手続のオンライン化につきましては、地方自治体の組織や運営にかかわることでありますので、地方分権の観点から、義務づけというのは困難でございます。これは、都道府県も市町村も同じでございます。この法案においては、努力義務というふうになっております。

 ただ、自治体に対する手続、自治体の行う手続は非常に大事でございますので、私どもといたしましては、自治体が、それぞれの事情を踏まえつつ、スピード感を持ってオンライン化を進めていただけるよう、国としても、地方公共団体のデジタル化の取組を支援していきたいと考えております。

岡本(あ)委員 法律上厳しいという話もありますけれども、でも、一定程度本気でデジタルガバメントを目指すということであれば、やはり、国民の皆さんが身近なところで恩恵を実感してこそのデジタル化で、それが、いいことなんだという評価にもつながると思います。制度上努力義務ということはわかりますけれども、ぜひ、国で音頭をとって、財政支援ということも含めていただきたいと思います。

 残念ながら、先日の統一自治体選挙の後半戦で、青森県の六戸町というところが、唯一電子投票をやっていたところですが、やめました。電子投票をやっている自治体はゼロになりました。大きい自治体では、過去、京都市さんでも幾つかの区でやった実例がありますが。なぜかというと、システムにお金がかかり過ぎる。確かに、効率にはなりました。投票の精度も上がりました。でも、要は、システムの更新時期になったときに、とても更新の費用を単独の自治体で払える状況ではないということが、結果としては諦めることになりました。本来であれば、こういうときこそ国がバックアップをするということが、つながるべきなのではないのかなと思っています。

 先ほどの質疑の中で、省庁の中の出勤管理もシステムでトライをしたけれども、結果としては諦めて、六戸町もそうですが、もとに戻る、アナログに戻るという話なんですね。せっかくデジタル化にトライをして、でも、お金の面で厳しい、あるいは、今、デジタルの進化も物すごく激しいので、もう十年前のシステムなんかとても使えないということも重々あります。初期投資は多少国が支援してくれる場合も、継続をする中では、なかなか単独の自治体では厳しいという実態がここにはあるのではないかと思います。

 せっかくデジタル化に挑戦をしたら、それに課題があったら、更に前へ進めるための支援こそするべきで、アナログに戻るということを、全体としてしようがないよね、残念だけれどもしようがないよねと認めていくことが今の時代の流れではないと思いますし、今回、法律をつくった意味からしても、この流れということを、しようがないから前に戻っていいよ、しかもアナログに戻っていいよ、結局、選挙は紙に記名をしていただく、ほかの自治体でやっている従来の方法に戻ってしまったというところも報道で受けております。

 できるのであれば、国で一定程度共通の行政サービスについては、標準のシステムを構築して、地方自治体が特徴に応じてアレンジできる仕組みを広めていく、そういうやり方の方が効率的で効果的ではないかと思います。ぜひこの点もお答えいただきたいと思います。

時澤政府参考人 地方公共団体のデジタル化を支えるシステムにつきましては、やはり、ばらばらに構築するということは非効率でございまして、今後の方針、方向といたしましては、地方公共団体がシステムを共同で使うということが望ましいことだというふうに考えております。

 これまでも、自治体クラウド、共通で使うクラウドにつきましては、かなり進んできているところでございます。

 今後、先ほど議員もお話がありましたように、さらなる共同利用の方策としましては、例えば国がプラットフォームをつくって地方公共団体が利用する方法があると思います。さらに、地方公共団体が共同利用することを前提に開発した優良なアプリケーション、これを地方公共団体がつくります、それを横展開していくという方法も考えられると思います。

 ただ、システムの共同利用を実現していく上では、業務の標準化でありますとか、既存システムの整合性のとり方でありますとか、合意形成とか、課題もございますので、そうした課題等も踏まえながら、最新の技術の動向も研究して、実現可能なところから着実に推進していきたいと考えております。

岡本(あ)委員 ぜひ、国でのプラットフォーム化というところはやっていただきたいですし、市町村に財政的な負担を、要は、継続して、あるいはアップグレードしていく、そういうようなときの負担というところもしっかり見ていただきたいなと思っています。

 それから、国の法律に基づいて各市町村等でシステムを組まなきゃいけない場合もございます。過去には、私が所属した政党ですけれども、民主党で子ども手当というのをつくったときに、全国の自治体でシステムをつくらなければいけないというので、非常に地方自治体からすると大変な思いをしました。今は、ずっと恒久的に使われるシステムなので、最初の期間にできれば後は安定ですけれども、どうしても、短期間で実現をしろというのが、それも、その当時も含めてですけれども、昨今多い。政治判断があって、結果として市町村でシステムを短期間でつくらなければいけないような事例もふえてきております。

 ぜひ、一定の余裕ある期間を保障した上でのシステム構築をしてもらうよう努力するべきですし、それが大変な場合は、やはり国が全面的にバックアップをする、それとセットでやるべきだと思います。ぜひその点も御考慮いただきたいと思います。

時澤政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、システムの整備には時間がかかります。法令によりまして地方公共団体が新たに事務を行う際に、地方公共団体のシステムに影響を与える、こういう場合には、やはり、国はあらかじめ地方公共団体から十分に意見を聞いて、システム整備が可能となるような対応をしていくのが当然だと思っております。

 私どもといたしましては、地方公共団体が着実にシステムを整備できるように、関係省庁と協力して適切な対応をしていきたいと考えております。

岡本(あ)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、マイナンバーそれからマイナンバーカードについて伺いたいと思います。

 マイナンバーカードの交付、三年余り過ぎておりますけれども、普及率一三・一%。実際に電子申請実施数、おとといの中谷議員の資料によりますと、月平均が六百二十四件と、ほとんど伸びていない状況だと思われます。この状況をどのように受けとめていますか。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードにつきましては、一昨日、二十四日の時点でございますけれども、約一千六百七十七万枚、人口の約一三・一%の方に交付されておりまして、コンビニ交付サービスを始めとした公的分野のほか、オンラインでの新規証券口座の開設や住宅ローン契約締結など、民間分野でも利用がふえてきているという状況でございます。

 去る二月十五日に開催されましたデジタル・ガバメント閣僚会議での官房長官指示を受けまして、現在、石田大臣のもとで、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や、健康保険証との一体化を含め、マイナンバーカードの普及策やマイナンバーの利活用促進策を取りまとめるべく検討を行っているところでございます。

 これからのデジタル社会の必須ツールとなるマイナンバーカードにつきまして、引き続き、利便性の向上に取り組み、普及促進を図ってまいりたい、このように考えております。

 また、マイナポータルでございますけれども、これは個々人のポータルサイトであるという特色を生かしまして、国民の利便性の向上を図る観点から、官民の各種手続に係るサービスを提供することといたしておりまして、平成二十九年十一月からは、子育てを初めとする手続の検索、電子申請ができる機能の本格運用を開始したところでございます。

 マイナポータルを通じて電子申請ができる市区町村は現在九百団体、人口カバー率七〇%となってはおりますけれども、いまだ十分に御利用いただいているとは言えないもの、このように認識をいたしております。

 今後、国民に、より利用していただき、その利便性を享受していただきますよう、市区町村と連携した周知でありますとか、あるいはスマートフォンによるアクセス手段の拡大、さらには電子申請が可能な分野や手続そのものを拡大することなどに取り組んでいきたい、こういうふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 私も、自分の地元のマイナポータルを見てみたんですが、残念ながら、やはりメニューがまだまだ少ない状況です。まあ子育ての関係は幾つかありますけれども、それ以外も含めると、メニュー自体が少ない状況です。これはやはり、各自治体が自分でやってくださいという制度に制度上なっているために、なかなか実現が図られていないものなんだと思います。当然、自治体の予算も限られておりますので国の財政支援も必要ですし、メニューを拡大をしていくんだという点について、もう一度御答弁をいただければと思います。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 御指摘は、マイナポータルを通じた手続検索、電子申請のことであろう、こういうふうに思いますが、これにつきましては、現在、子育て分野におけます児童手当や保育所の入所申請などの手続、あるいは介護分野の認定手続などの手続につきまして、市町村に対して、ガイドラインの作成や必要経費に対する財政支援措置を講じるなどして、その対応を働きかけているところでございます。

 また、これ以外の分野の手続につきましても、各市町村の判断で追加することが可能でございまして、実際にも、独自に追加して御利用いただいている団体もあるという状況でございます。

 今回のデジタル手続法案は、地方公共団体の行政手続のオンライン化をより具体的に後押しをしていこうということでございまして、この趣旨も踏まえながら、国民が、お住まいの市町村にかかわらず、マイナポータルを通じた手続検索、電子申請のメリットを享受できるよう、きめ細かく市町村に対する支援を行って取組を進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 ここでちょっと提言なんですが、カードではなくてマイナンバー制度自体で、もともとでいきますと、本来、社会保障、税、災害対策の三分野で、税金をきちっと公正にいただいて、それを社会保障それから災害対策等で対象となる方々にきちんと手当てをしていくこととセットなんだと私は思っております。

 ところが、税金を取る方は、確かに、アルバイトをしていようが副業を持っていようが、全てで、ある意味、把握されるようになりました。ところが、社会保障の還元という意味でいきますと、これはあくまでも申請主義なんですね。

 例えば、先ほど、子供の分野は非常にメニューがふえてきたとおっしゃっておりますけれども、児童手当ですと、本来だと、住民票と世帯の所得、世帯構成がわかれば、この方は児童手当の対象になる、あるいは就学援助等も対象になるというのがわかり得ますよね。ところが、こういう制度がありますよというメニューがありますけれども、ぜひ、本来であれば、もう自動的に給付になります、対象になった月から給付になります、例えば、嫌な方は申し出てくださいならいいですけれども、今は、現行制度は、御本人が申し出て、申し出た月から対象なので、後で気がついても遡及適用にはならないんです。

 税金をしっかり納めるかわりに、対象になる給付については、本来、対象者にきちんと還元をされることがあって初めて、マイナンバーの信頼度というか、ああ、マイナンバー制度、あって、すごく公平だよね、公正だよねという評価にもつながると思うんですけれども。

 例えば、こういう児童手当とか就学援助等、気づいたら申請してくださいということではなく、マイナポータルだったら、あなた、申請できますよという、そういうような形での誘導というのもするべきなんじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 マイナンバー制度は、より公平公正な社会保障制度や税制の基盤となるものであるとともに、データ社会のインフラとして、国民の利便性の向上や行政の効率化に資するものでございまして、本制度により、所得把握の正確性向上を通じまして、社会保障の充実あるいは負担の公平性につなげていくことによりまして、国民の皆様に本制度の恩恵を実感していただくということは重要なこと、このように認識はいたしております。

 そうした観点からも、各種手当の受給資格のある方が制度を知らないことにより受給できないなどの不利益をこうむることのないように、関係省庁や地方公共団体とも連携をいたしまして、マイナポータルのお知らせ機能を活用した受給勧奨に取り組んでまいりたいと考えてはおります。

 他方、行政が把握している情報のみに基づきまして、申請がなくともということでございましたが、確定的に給付がなされることをお知らせすることが適当かどうかということにつきましては、当該給付制度を所管する省庁や地方公共団体において、それぞれの給付の目的や内容に応じて判断されるべきもの、こういうふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 マイナンバー制度については、やはり、税金をしっかり納めるかわりに、きちんと社会保障、災害対策、要は、給付の分もしっかり公平になるんだよという意味でいくと、私は、これをきっかけとして、しかも、これからデジタル社会で、手続等もオンラインで、それであれば、なるべく申請しなくてもいい行政手続になるんであれば、それはそれで望ましいのがあるんじゃないかと思います。

 プライバシーにかかわる部分とか、選択をするべきものであれば、それは制度として尊重するべきものですけれども、逆に、子ども手当とか、嫌な人というのはいないと思うんですよね。逆に、給付になります、もらいたくない方はどうぞ拒否してくださいと。税金として、取られるところはしっかり取られるけれども、給付される部分については、本人が気がついて、本人が申請をしない限り対象にならないという制度というところも時代的にどうなんだろうという思いを持っております。

 それぞれの制度ごとになるという御答弁もありましたけれども、やはりマイナンバーを活用する、マイナンバーの制度としての、制度の中身、どうあるべきかというのは、今後、検討の課題としては持っていていただければなと思います。

 では次に、民間事業者との連携について伺います。

 マイナンバーに限った話ではないですけれども、今回の法案の提案の中にも、民間事業者と行政機関との連携、それから官民データの活用が盛り込まれております。強化されることになります。

 これは民間のデータですけれども、資料の一番に、中国で信用格付システムが動いているという報道がございました。中国では、これに中国政府が深くかかわっているということで、民間といいますか、政府の下にある業界の中の信用調査機構が、個人を一人一人特定をして、後半の方にありますが、個人の信用度を三百五十点から九百五十点の得点化をして、本人にフィードバックをしているという報道がございました。

 デジタル化が進んで官民含めたデータが集まると、個人の行動の仕方、お金の払い方、どんな趣味、どんな買物をしているか、やろうと思えば、全部把握できることになります。間違っても、政府がみずから個人情報を評価づけたり、民間の利益のみのために政府で保有するデータを外部に提供したり、権力で個人を管理するようなことがないように、ここは改めて平井大臣に宣言をしていただきたいと思います。

 先ほど、御答弁の中にGDPRの話がございました。民間企業の持ち得るデータという部分が、個人情報を集める場合に、GDPRでは、ユーザーの皆さんが明確な同意を与えなければいけないという原則に基づいて規制をしていくという中身も入っていると思います。

 日本版のGDPRも検討されていますけれども、民間企業で持ち得るデータ、それから官民連携で行うデータの扱いについて、行政機関の保有する個人情報の保護のあり方も含めて、私、先ほど山尾議員もおっしゃったとおり、個人情報保護法案自体も時代に合わせて見直しをするべきだと思っておりますけれども、デジタル化が進む社会においての個人情報のあり方、決して政府がデータをコントロールするということはあり得ないという前提の御答弁と、今後の個人情報保護のあり方ということについて、IT担当大臣として、お考えがあれば御披瀝ください。

平井国務大臣 先ほども、個人情報の取扱いに関する法制度について御質問がありましたが、これは、個人情報保護法を私が所管しているわけではないので、ここには直接触れては答弁はいたしません。

 ただ、GDPRと個人情報保護法は、要するに、十分性の認定ということで、今、相互に認証しているということを考えると、今後とも、GDPRと個人情報保護法というものは、それなりに平仄の合った形で進んでいくのではないかと予想はしておりますが、私の所管ではございません。

 その上で申し上げますと、やはり、個人情報の保護というものとデータの利活用、特にデータを使ってのイノベーションを促進というのは、常にバランスのとれた仕組みやルールを考えなきゃいけないと思います。

 これも、柔軟に対応しないと、一度そのように決めても、要するに、そこにあらわれてくるプレーヤーというのは、どういう形のプレーヤーがあらわれるかわからないし、先ほども紹介した日本の情報信託銀行、情報銀行やデータ取引市場などというのは、今後どういうビジネスモデルとして発展していくかもわからない。ですから、こういうのは不断の見直しというのは、私は個人的には必要だろうというふうに思います。

 ですから、個人情報の保護やデータの安全、安心を適切に図りながら、国民やビジネスがデータを活用できる環境の整備のために常に注意を払いながら、柔軟に対応するというのが基本方針だと思います。

    〔委員長退席、松本(剛)委員長代理着席〕

岡本(あ)委員 やはり、デジタル社会になっていくからこそ、冒頭にも申し上げたとおり、取り扱うデータも大量になっていく、それから関連づけるデータも、一人に関連づくデータも広がっていく、それから国境も越えていく、そういう可能性がある中で、ぜひ、専門の担当大臣としての御助言、直接的な担当ではないにしろ、担当大臣として御助言できるところ、知見を披露できるところ、十分あると思いますので、ぜひその点を持って執行していただければありがたいなと思います。

 実際に担当する所管は別だということは重々承知をしておりますので、これからも、やはり、デジタル化が進んで、より利便性が向上する、それから社会が活気づく、経済が回る、それも非常に大切ですし、結果として、あくまでも国民が利益を得るんだというところを踏まえていただければと思います。

 個人情報の関連で、少し、お話を更にさせていただきたいと思います。

 資料、飛びますけれども、先ほど山尾議員がやりとりをされていた個人情報の取扱いで、資料三、資料四がございます。資料三は、図書館が警察の捜査事項照会に応じて、任意の協力の情報提供をされたという報道です。それから、資料四については、カード会社が会員情報を提供していたというニュースです。

 これに加えて、先ほどは、通信事業の通信の秘密に入らない分野、スマホのゲームですとかアプリですとか、そういうところも情報がとれる時代になっている中で、改めてやはり、私は、図書館の情報というのは、極めて個人の思想、信条に直接影響を及ぼすものだと思いますし、民間事業者にとりましては、やはり、会員情報の取扱い、世論としては大きく批判をされている状況です。

 デジタル化が進むと、やはり、この関連される情報の範囲も広がっているのではないかと考えます。世論が納得するのかどうかという点が、法制度上も非常に注視をしなければいけないポイントなんだと思います。

 一つは、民間では、逆に、約款にきちんと明記をして、カード会社によりけりですけれども、どこに照会があって、情報ではないですけれども、そこに応えたのかどうかというところもオープンにしていくという方針を発表されたところもございます。

 行政が持っている情報に対して、先ほどのような、警察の捜査令状がなくても、任意の照会あるいは照会事項、照会書が来たときに、私はやはり、ハイレベルの個人情報を持っている行政とすると、原則はやはり、令状がなければ応じないという毅然とした対応をとっていただきたいと思いますけれども、この点、行政が保有する情報に対してということについてはお答えいただけますでしょうか。

時澤政府参考人 行政のデジタル化を推進するに当たりましては、業務の安全性及び信頼性を確保しつつ、個人情報の厳格な取扱いということが重要であります。

 この法案によりまして、行政機関の情報連携が図られることになるわけでございますが、その際は、原則として、「利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」こういうのが個人情報保護法制にありますので、その規則にのっとり、情報連携の対象となるデータは真に業務に必要なものに限ることはもちろんでございますが、情報セキュリティーの確保のための必要な措置を各省において講じることになるものでございます。

 このような取組も含めまして、個人情報の保護に十分配慮しつつ、デジタル化による国民の利便性の向上というものに努めてまいりたいと思います。

岡本(あ)委員 先ほどちょっと、図書館の報道を載せましたけれども、日本図書館協会では、やはり、原則、捜査令状がなければ応じないと。照会があった場合も、一日、二日で捜査令状というのはとれるものだという前提で、それを待つには余裕がなく、生命財産等の危険が明白であって、ほかに代替措置がない場合にしか応じてはならないという方針を出していらっしゃいます。

 原則、やはり行政も同じなんだと思います。個人情報をこれだけひもづいてとることができる時代になってきているので、改めてこの点は強調させていただきたいと思います。

 マイナンバーカードについて、数点、変更になる点を伺わせていただきます。

 今回の法律で、通知カードが廃止になるとなっております。これにかわってどういう形でお知らせをされるつもりか、お聞かせください。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 この改正案が施行されますと、通知カードは新たに発行されないこととなります。ただ、施行後にマイナンバーが新たに付番された方々についてもマイナンバーを連絡する必要がありますので、通知カードによらずに、例えば、マイナンバーと氏名が記載された書面によりましてマイナンバーを通知することを予定しております。

 また、マイナンバーカードにはマイナンバーが記載されておりまして、御自身のマイナンバーを確認していただく形になろうかと思っております。

岡本(あ)委員 午前中の質疑でもございましたけれども、今まで通知カードには振り仮名が振られておりました。マイナンバーカードにはないと思いますけれども、通知カードには振り仮名もついて、カード自体じゃなくて下の方でしたけれども、振り仮名がついておりました。

 お知らせはどういうふうになりますか。そこまで決まっていますか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 今、現時点で、まだ具体にいわゆる振り仮名をつけるかどうかは決まっておりません。

 以上であります。

岡本(あ)委員 先ほど問題提起もございましたけれども、私はやはり、振り仮名、読み仮名も含めて個人のアイデンティティーだと思っております。ぜひこの点、ここで今、マイナンバーの担当が所管をすることではないかもしれませんけれども、やはり振り仮名、読み仮名のあり方というのはぜひ議論をしていただきたいなと思っています。

 何点か、この通知カードを受け取った方から当時御意見をいただいたのが、やはり振り仮名が間違っていると。例えば、つに点々と、すに点々。やはり親御さんは、特に自分のお子さんに対しては、読み仮名、振り仮名も含めて、思い入れをつけて名前を命名をしているということを考えると、確かに行政制度上は、つに点々でも、すに点々でも行政上は何の問題もないんですという説明になっちゃうんですね。丁寧に意を酌んで改めていただける自治体もあれば、いや、制度上何の問題もないので、そのまま持っていていただいて結構ですという自治体も実際あります。でも、それは一人一人のアイデンティティーにかかわる問題ですし、そこをないがしろにする行政であってはならないと思っています。

 今回、もし、新たに誕生される方に、あるいは外国から帰ってこられた方にお知らせを発行する際には、ぜひそこの点、配慮を忘れずに、それからその先には、しっかり、振り仮名のあり方、読み方のあり方も含めたアイデンティティーというところはぜひ国としても議論していただきたいし、国会としても議論する機会があればありがたいなと思います。

 あともう一つ、マイナンバーカードでは個人認証が五年で更新になります。早い方ですと、制度上、来年からもう更新が始まりますが、更新の際の手数料はかかるのか、無料でもらえるのか、何も決まっていないと伺っておりますが、これはどのようになるんでしょうか。

    〔松本(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

北崎政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードに搭載されております電子証明書の有効期間は発行から五回目の誕生日となっておりますので、来年一月以降、順次、有効期間満了を迎える方が出てまいります。このため、有効期間満了に伴う事例はまだ発生してはおりませんけれども、天災その他の本人の責めによらない理由等により再発行する場合を除き、一枚当たり通常二百円の手数料がかかっているところでございます。

 先般、二月十五日に開催をされましたデジタル・ガバメント閣僚会議での官房長官指示を受けまして、現在、石田大臣のもとで、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や健康保険証との一体化などを含めたマイナンバーカードの普及策やマイナンバーの利活用促進策について取りまとめるべく検討しておる状態でございまして、マイナンバーカードの普及を図る観点から、電子証明書の更新の手数料のあり方についても、あわせ検討をしてまいりたいと考えているところであります。

岡本(あ)委員 私は、やはり無料じゃなければ普及が広まらないと思います。しかも、一年後とはいえ、いまだにそれが決まっていないということが、非常にそういう意味ではスピード感に欠けるんじゃないかと思っております。ぜひ検討を早めていただき、やはり、私からすれば、負担なく誰でもカードを所持できるんだよという形にしていただければありがたいと思います。

 時間がないので、最後、ちょっと印紙税の関係を伺わせていただきます。

 今回、この法案を見せていただいたんですけれども、私は、収入印紙、もう時代的に要らないんじゃないかと思っております。なぜかというと、課税文書につけるためにまず収入印紙が必要です。あとは、手数料を負担いただくために収入印紙というのが必要です。収入印紙をつける文書が存在するということ自体が基本的にはペーパーレス化には全くつながらないですし、今、電子契約書は収入印紙が要らないけれども、紙の契約書は収入印紙が要る、不公平感が非常に高いです。

 そういう意味でいくと、この収入印紙という考え、印紙の役割自体、終わっているんではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

小野政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、現在、紙の契約書には印紙税がかかりますけれども、電子契約書等には課税されないという仕組みになっております。

 近年、売買代金決済の多様化、あるいは文書自体の電子化は進展しておりますけれども、例えば、現状におきましても、手形などを見ますと、紙による手形の交換高が二百六十兆円程度に上る一方で、電子記録債権については十八兆円程度にとどまっているということで、依然としてペーパーによる手形取引が非常に多いという状況もございます。

 こうした状況について、引き続き、その進展を注視していく必要があると考えておりますけれども、印紙税そのものにつきましては、各種経済取引に伴い作成される文書の背後にある経済的利益、これに担税力を見出しまして負担を求めるという趣旨であるということ、さらに、税収も三十一年度におきまして約三千五百億円ということで、非常に重要な財源となっているということも踏まえつつ、今後のあり方を検討していく必要があるのではないかと考えております。

岡本(あ)委員 今御答弁いただいた中で、文書の裏にある経済的利益があるから課税文書なんだということであれば、本来であれば電子取引、電子契約でも同じ経済利益を見ている中では、でも、紙で出せば収入印紙税を払わなきゃいけないという状況です。

 それから、先ほど手形の話もございましたけれども、よりデジタル化それからデジタルガバメントを目指していくという意味でいくと、これは民間になりますけれども、やはり取引のあり方、それからキャッシュレスを進めていく中では、逆にこういう制度が残っているからこの制度にとどまる方々もいらっしゃるんじゃないかと思います。できれば税金も払わずに、負担も軽くなって、より便利になるという意味でいくと、電子取引を促進できるような支援と一緒にそのキャッシュレス化、手形も電子化、それから電子契約書化、そういうのを進めていくべきではないかと思います。

 中小企業の皆さんが一番これに苦慮をしています。大手の方々は、契約も電子契約でオーケーですし、支払いも基本、振り込みでオーケーで、振り込みがあれば五万円以上の領収書にも収入印紙は要らなくなります。そういう意味でいくと、支払われた側の負担軽減も、電子化それからキャッシュレス化を進めることによって、お互いウイン・ウインになっていくんだと思います。

 一つは、やはりこういうキャッシュレス化を進めていく、そういう取組の思いを、それからもう一つ、中小企業がこういう意味でいくと少し置き去りにされているところがあるという意味でいきますと、中小企業も電子取引、電子化を促進できるように徹底支援が必要だと思いますので、この二点、お答えいただきたいと思います。

牧原委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、中小企業が電子化していくことは非常に重要ではあると思っております。

 IT導入補助金というのがございまして、そちらで、今、過去二年間で約八万社の利用がありますけれども、ユーザーである中小企業の方から見て、どういうベンダーがあって、どういうツールがあって、その実績がどうなるんだというところまでを公表して、ユーザーフレンドリーな制度をつくっております。

 このようなことを通じまして、より中小企業が電子化を進めるように強力に支援をしてまいりたいと思っております。

岡本(あ)委員 済みません、最後に大臣、一言いただければと思いますが、冒頭から申し上げました、個人情報の安全性とセットで進めるということと、今申し上げたとおり、特に中小企業等を含めてデジタル化にうまくまだまだ進めていない方々が多くいらっしゃる中で、力強く進めるという意欲を最後にお聞きして、終わりたいと思います。

平井国務大臣 一言で。

 全力で頑張ります。そして、誰も置いていくようなことがないようにしたいと考えます。

岡本(あ)委員 ありがとうございました。

牧原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 デジタル手続法案について質問をいたします。

 まず大臣に伺いますけれども、この法案は、行政手続に関する事務に用いる情報を書面からデジタルデータに転換をするものです。平井大臣も答弁の中で、紙からデジタルに移行するというふうに述べておられました。そうしますと、今後は、この行政手続に関する事務、業務においては紙は使わないということになるんでしょうか。

平井国務大臣 本法案は、行政手続の利便性の向上を図り国民の負担を軽減するために国の行政機関に対してオンライン化の義務を課すものであり、紙による手続を否定し、申請者に対してオンライン申請を義務づけるものではありません。

 他方で、私はIT政策担当大臣として、全ての国民の皆さんにデジタルの利便性を実感していただき、将来的には行政サービスを全てデジタルで完結させる方向に向かわせたいとは考えております。

 このために、本法案においては、申請等に係る添付書類の省略やオンラインによる手数料の納付を可能とすることによりオンライン申請の利便性を向上させるとともに、高齢者等もデジタル技術を活用し、その恩恵を受けることができるようにするためのデジタルデバイド対策を講ずることとしています。

 このような取組を通じて、全ての利用者にとって利便性の高い行政サービスを実現しつつ、紙からデジタルへの転換を図っていくということであって、その場で全ての紙をなくすということを目的にしているわけではございません。

塩川委員 紙を否定し、オンライン申請を義務づけるものではない、同時に、デジタルで手続が完結する、そういうものに向かっていきたいというお話です。

 それで、デジタルについては、やはり利便性の向上の面は当然あるわけですし、同時に、デジタルをめぐっては、セキュリティーの問題、あるいは議論にもなっているような個人情報保護の問題、またデジタルデバイドの問題も問われているわけです。ここに対しての対応策が実際どうなのかということが問われてくるわけであります。

 そういったときに、利便性の向上ということであれば、申請者、利用者にとって、デジタルも紙も両方使えるという状態が望ましいんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

平井国務大臣 ですから、国民との接点のところのインターフェースは、要するに、いきなりデジタルに全部踏み込んで、それにストレスを感じるような方々がたくさんいるようでは困るわけですね。ですから、そこらあたりを本当にうまく考えていかなきゃいけないし、デジタルにする場合には、そこにサポートする人たちがやはりいること。本来はデジタルも紙も一緒なんですけれども、結局デジタルの方が便利なのに、デジタルを便利だと感じない方々もいらっしゃると思うんです。そこのところをどのようにサポートすれば、一度やってしまえば必ずデジタルの方が便利だと感じていただける方がふえると思いますので、そこらあたりを社会全体で進めていくような、サポートする体制を総務省の方で御検討いただいているというふうに承知しております。

塩川委員 ですから、サポートする人がいてデジタルの利用が進むようにするというのはわかるんですけれども、紙の利用も残すといったことは、それはもうなくなっちゃうということなんですか。

平井国務大臣 紙を一気になくすというようなことは現実には非常に難しいと思います。

 今、例えば、ETCで高速道路を乗っていますけれども、どうしてもキャッシュで払いたいという人がいれば、払えるわけですよね。そのかわり、それは非常に不便だというふうに私は思います。

 ですから、これも、要するに、手続の種類にもよるんですが、必ず電子化で完結できるものを全てすぐにやるということではございません。

塩川委員 でも、紙を残すということはないわけですね。

向井政府参考人 この法律は、原則、オンラインを義務づけてはおりますけれども、紙をなくせということは一言も書いていないということでございまして、この法律上、紙の扱いについては触れられておりません。現状、今、手続自体は、オンラインは一部入っているにしても、紙のない手続というのはほぼないはずですが、その状態がどういうふうになっていくかというのは今後の社会の流れによって変わっていくものだと思いますけれども、今大臣の答弁にもありましたように、いきなりすぐに紙の手続がなくなるなんということはおよそ考えられないということでございますし、そんなことをすれば、恐らく、私どもとしても、やはりそういういろいろな批判が、耐えられないものだというふうに思います。

 こういうのは、やはり基本的には、国民の利便性の感覚というのが時代とともに変わっていくのに合わせてデジタルと紙というのを変えていく。現状は、私どもは、国民の感覚に比べてデジタルが余りにも進んでいない、政府部門は、というふうに考えております。

塩川委員 すぐに紙をなくすということではない、将来的にはその方向に行くわけですけれども。そういう点でも、デジタルの活用も紙の活用も両方できるというのが、選択肢としても利用者の利便性にとっては望ましいのではないのか。

 そういうことを踏まえた上で、では、実際、政府はデジタルデバイド対策を行うということですが、先ほど大臣はサポートする人が必要というふうに言いましたけれども、デジタルがふえて、利用者に対してどういう取組を行うということなんでしょうか。

向井政府参考人 いろいろな取組があろうかと思いますが、大臣が例示として挙げられましたのは、いわゆるデジタルサポーターと申しますか、以前はデジタル民生委員という言い方をしておりましたけれども、今、民生委員がいろいろな高齢者のサポートをしているようなこともございますけれども、そういうふうなまさにイメージだと考えていただきたいんですけれども、例えば、地域地域で、そういう中で、デジタルの能力にすぐれた方が、高齢者で疎い方にサポートしていくとかいうのもありますし、実は、マイナンバー制度で、マイナンバーの関係ではございますけれども、自治体にそういうタブレットを配りまして、それで、自治体の方で、例えば窓口でそういうデジタルデバイドの方の支援ということも考えられると思いますし、これらにつきましてはやはりいろいろな創意工夫をもってできるだけ支援していく。

 その上で、手続だけではなくて、やはりいろいろなデジタルのデバイスがございますので、スマホとか、そういうふうなものについてもなれ親しんでいっていただくと、そういうデジタルの恩恵というものが国民にできるだけ広く広がっていくというふうな、そういうふうなことにつながればいいなというふうに考えております。

塩川委員 地域地域でサポートするということについて、国が何かやるというんじゃなくて、自治体とか、あるいは市民団体の方、そういった方にお願いするということなんでしょうかね。

向井政府参考人 今の総務省の事業は国の予算で地域に支援をするということでございまして、実際にやるのは地域でございますけれども、国の予算でやるというふうなことであります。また、私どもがやっております、先ほどのタブレットの配付というのは国の予算でやっております。

塩川委員 そうすると、経済的事情でIT機器が持てないという方に対しては、そのIT機器を配るという政策になるんですか。

向井政府参考人 IT機器を配置しているのは自治体に配置しているので、個人に配置することにはなかなかならないと思います。ただ、いろいろな施策の中で、いろいろなケース・バイ・ケースにおいて考えられるというふうには思います。

 それが、デジタルデバイドというのが例えば公的な事業にかかわるような人だったら、それは例えばそういう人に対してもそういうふうな支援をするということも、個人とは言えませんけれども、そういうシステムに対する支援ということもあろうかとは思いますけれども、それらについてやはりケース・バイ・ケースで考えるべきものだと思います。

塩川委員 ですから、経済的事情でIT機器を取得できないような人について、デジタルで手続してくださいというのは困難だと思うんですが、そういったデジタル機器の入手が経済的事情で困難な人に対してはIT機器を配るということはあるんですか。そういった方々はどうするんですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 基本的には、やはり自治体の窓口とか、そういうところに置くというのが基本になろうかと思います。それを更に超えてどういうふうにやっていくかというのはやはりケース・バイ・ケースで考えますけれども、一律にそういうのを配るというふうなことにはなかなかならないのではないかと思います。

塩川委員 そうすると、いずれにしても、自治体の窓口に行くという手続でいえば紙の手続と基本は同じになってくる話で、それはそういうことですよね。

向井政府参考人 一般的には、デジタルと対面というふうな対比で物がしゃべられますけれども、実は、対面でもデジタルと紙がありますし、遠隔でもデジタルと紙があります。遠隔の場合の紙というのは郵送です。

 それで、対面は、基本的には、今、ほとんどの場合、紙で行われていますけれども、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、例えば、マイナンバーカードでピッとやることによりまして、住所、氏名とかが全部相手先のファイルに入りますので、したがって、そういう、紙で一々書いて出す、窓口に行って出すというのではなくて、窓口のところでデジタルということも十分にあり得るということは考えられます。

 そういう意味でのデジタルに、来ていただくというのが便利なのかどうかという問題はとりあえずはおいておいて、まず、考え方としては、対面か、来るか来ないかがデジタル、書面ではなくて、それぞれに書面とデジタルがあって、それをデジタル化していくことも大事だというふうに思います。

 その上で、そういうデジタルデバイドについては、今おっしゃったような、例えば低所得で買えないというふうな方に関してどうするかについては、むしろ、デジタルの問題として捉えるのか、それとも低所得者に何をするかという問題として捉えるか、両方あろうかと思いますけれども、必ずしも、デジタルの方から捉えた場合に、じゃ、一律に全部配れというふうにはなかなかならないのではないかと思います。

塩川委員 まあ、そういうことなんでしょう。

 ですから、基本は、デジタルに習熟していただきたいということでの働きかけをしようというのが今の政府のデジタルデバイドの対策ということになるわけです。ですから、私の方は紙も残した方がいいんじゃないかと思うわけですけれども、今の政府の施策的には、デジタルデバイドに、習熟してください、国民にデジタルを使いこなしてくださいということを求めるということです。

 ですから、今、遠隔と対面の話がありましたけれども、郵送はわかるんですけれども、遠隔という点ではね。でも、対面の場合というのの重要性というのは、この間強調されているというのは、要は、単なる手続だけじゃなくて、それそのものが、相談もしたいということも含まれているわけですよね、行政手続そのものを全部習熟しているわけではないので。それをデジタルでやるかどうか以前に、その手続そのものについてどうなっているのかといったことについて、やはり相談もしたいということも含めての窓口の意味合いがあるといった際に、デジタルの場合でそれがどういうふうに対応できるのかという問題というのは出てくるだろうと思います。

 ですから、デジタル対応が困難な人にとっては、従来の書面、あるいは窓口での対面による事務手続が今後はずっとなくなっていくということによる利便性の後退が懸念をされるということで、窓口の話でいったときにも、この間、自治体の窓口がどんどん減らされているという問題もあるんですよね。それが、コンビニ等でマイナンバーカード利用による住民票の写しの交付が可能となったといったことを理由にというか口実にというか、自治体の窓口が減らされている例というのが出てくるわけです。

 例えば、東京都の北区は、マイナンバー制度の導入による各種証明書のコンビニ交付サービスの開始を理由に、二〇一八年九月末に七つの区民事務所分室の全廃を行いました。戸籍や住民票、印鑑証明などの発行や各種収納事務を取り扱い、年間事務処理件数は十万件に及ぶというこの分室の廃止は、区民サービスの重大な後退ということで批判が寄せられております。

 我が党の区議会議員の八巻区議などが紹介していますが、王子の区民事務所は、年度がわりの繁忙期、この時期というのは五時間待ちとかになる、そのために、近くにある滝西分室が廃止となるとさらなる混雑が予想される、そういう事態になるということで、北区はマイナンバーカードを使えばコンビニで住民票などを取得できると宣伝していますが、高齢者や障害者などがコンビニでマイナンバーカードを使いこなすのは大変だということも批判が出ています。

 総務省として、こういった批判をどう受けとめておられますか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 コンビニ交付は、全国のコンビニで、平日、休日を問わず早朝から深夜まで、住民票の写しなど各種証明書を手軽に取得することができるサービスでありまして、住民の利便性の向上のみならず、行政コストの削減にも資するツールとして、平成二十二年二月からサービスを開始したものでございます。今日まで、当該サービスの導入団体及び証明書の交付の枚数は年々増加しておりまして、交付する証明書の範囲についても徐々に拡大してきているところでございます。

 コンビニ交付の導入に当たって、従来の窓口事務との役割分担をどのように考えるかは、当該市区町村において適切に判断されているものと考えておりますが、総務省としては、コンビニ交付サービスの利便性等のさらなる向上を図りつつ、一層の普及を推進してまいりたいと考えております。

塩川委員 コンビニと役所の窓口の役割分担という話じゃなくて、やはり窓口が減っているということが住民サービスの後退になっているといったところが問われているわけで、その点については、今のお答えでは説明になっていないわけです。

 同じように練馬区でも、二〇一七年三月から、十一カ所あった区の出張所が廃止をされました。出張所に続いて、いろいろな手続の文書の自動交付機も廃止ということで、我が党の区議団によりますと、区は、郵便局での証明書の交付やマイナンバーカードを使ったコンビニ交付で利便性が向上したと正当化をしていますが、区議団が実施をしました区民アンケートでは、約四割の区民の方から、出張所の廃止で不便になったという声が上がっているわけです。

 自治体では、行政手続のデジタル化を理由に、行政サービス、窓口サービスなどの利便性が後退する事態が起きていることで、こういったことが国で起きないということが言えるんでしょうか。

平井国務大臣 このデジタルガバメントの推進というのは、要するに、利用者中心の行政サービスを実現するためであって、効率化による人員削減を目的としたものではありません。

 委員のお話を聞いておりますと、委員は、デジタル化のメリットということを認めた上で、その使い方に問題があるというふうにお話しになっているんだと思います。ですから、デジタルがだめだとはおっしゃっていない。そうであれば、そこのところは一緒なんですが、それから先のアプローチのやり方だと思います。

 逆に言うと、デジタルの恩恵を本当に全ての人に届けられない、つまり、デジタルにアクセスできないというようなハンディが、逆にそれが問題だと私は思うんです。

 結局、そういうケースの場合、私、地元の自治会で、スマートフォンを持っていない方々にその場で頼まれて、何人か、スマートフォンでマイナンバーカードの申請を私がその場でやってあげました。そうしたら、それは便利。彼らは所有していたわけではありません。たまたま私がそこにスマホを持っていて、彼らが通知カードを持っていたという状況の中で、そういうことも実現すると。

 つまりは、そういうものを所有するということではなくて、デジタルサービスの入り口にアクセスするということだと思うんです。その機会をできるだけふやしていくために、社会全体で協力していきましょうというのが、基本的なデジタルデバイド解消のための方向だと思いまして、平たく言えば、助け合っていこうねということ、それを基本にしたいというふうに考えているわけでございます。

塩川委員 そうはいっても、このデジタル手続法を通じて行政の効率化を図るという面があるわけですよね。そういう点がこういった形であらわれているんだといった点を指摘しているわけです。利便性の向上といった点が、実際には行政の効率化ということが前面に出ることによって、結果とすれば利便性の後退になっているんじゃないのか、こういうことが国でも同様に起きる懸念はないのかといった問題というのは、これは論点として重要な問題だと考えています。

 ですから、デジタルは、基本は、習熟してくださいと求めるという点でいえば、自己責任を求めるような形であるわけで、窓口における対面業務の重要性を改めて認識すべきだということを申し上げたいと思います。

 それで、今回の法案では、デジタルを活用した行政の推進のため、情報システム整備計画を作成するとしています。これのポイントは何でしょうか。これまでのデジタル・ガバメント実行計画や各府省デジタル・ガバメント中長期計画とどこが違うんでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 今回の、まさに情報システム整備計画は、より具体的に、こういう事務のこういう手続について、情報システムをこういうふうな感じで整備して、いついつまでにするというふうなものでございまして、より細かく、しかも、BPRとかあるいは手法とかを細かく定めたようなものになるというふうに想定してございます。

塩川委員 オンライン整備の義務や添付書類撤廃などを法定化をする、そういう中身を盛り込んでいくということですかね。同時に、府省別の計画とは違って、内閣総理大臣が作成する、実際にはIT室が担当するということで、府省縦割りを排すといった趣旨があると承知しているんですが、よろしいですか。

向井政府参考人 縦割りを排すという意味で、御指摘のとおりでございます。

塩川委員 内閣官房のIT室が全体を統括をするということで、政府全体の総合調整機能を持つ内閣官房、政府CIOを中心とするIT室において、政府における情報システム調達に係る予算の要求から執行までを一元的に管理するといったことも、ことしの二月のデジタル・ガバメント閣僚会議でも出されているところです。ですから、予算についての要求、執行までを一元的に管理をする、そういう仕組みになっていくということでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 現在まさに、官房長官をヘッドに、官房長官の指示を受けて、内閣官房を中心に、各府省集まって検討しているところでございますけれども、方向性といたしましては、先生の御指摘のとおり、これまでばらばらに予算に計上し、ばらばらに予算を執行していたというところが、やはり、これまでのシステム構築でいろいろなものが標準化できなかった理由の一つではないか、大きな原因ではないかというふうに考えております。

 もちろん、どこまで計上し、どこまで執行していく、執行というのも、具体的な執行までやるのかというのはさすがに難しいとは思っておりますけれども、ほとんど、例えば仕様書を作成するところまでは少なくとも内閣官房で相当のコントロールをきかせる必要があると思っておりまして、そうすることによりまして、調達が一元化して効率化するというのは、費用を削減する、安く、いいものを調達できるとともに、システムの標準化とかそういうものも進めていけるのではないかというふうに考えております。

塩川委員 附則の第九条の検討条項にそういう中身が入っているということですので、そういう趣旨として承知をしているところです。IT室が予算の要求から配分まで一元的に管理することになります。

 そこで、大臣に伺いたいんですが、おとといの質疑で指摘をしましたように、IT室には営利企業から給与補填を受けている出向者が多数在籍をしておられるわけです。私、そういう点でも官民癒着の批判は免れないわけで、この公務の公正性の確保に疑念のあるIT室で予算の要求から執行まで一元的に管理することには重大な懸念を覚えるんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

平井国務大臣 前回も答弁をさせていただいておりますが、公務の公正性に疑念を抱かれることがないように十分に留意する必要があって、今回、新しい取組ですし、それぞれ職員が入りますと調達制限にも入りますし、企業も必ずしもハッピーではないんですね。

 それでも、今、全体のシステムを変えていかなきゃいけないということなので、このような形で我々が一元化を受けて、もともと各省庁がちゃんとした調達をできているんだったら、こんなことはしていないわけです。ですから、このサイロに陥った調達というものが国民にとって大きなマイナスなので、ここは、初めてのやり方ですけれども一元化して、そして、新しい知見を持った人たちにも協力してもらって、この窮地を乗り切りたいというような取組だと考えていただければと思います。

塩川委員 公務の公正性の確保に疑念が生じないようにというんですが、今私が指摘しているように、給与補填というやり方そのものが疑念を生じているわけで、そういった問題をおいたまま、じゃ、信頼してくださいというふうにならないということであります。実際、この間、情報システム予算が増額の一途をたどっているわけで、IT室が司令塔となって、情報システム整備の計画や予算要求、執行の一元的な管理が行われることで、この官民癒着の疑念が一層深まるということを指摘せざるを得ません。

 そこで、次に自治体の関係なんですが、今回の法案は、地方自治体にも紙からデジタルへの転換を求めるというものになるということでよろしいでしょうか。

向井政府参考人 これまでの答弁でもございましたように、国は義務、自治体につきましては努力義務というふうになってございます。

塩川委員 努力義務ということです。

 法文の第五条第一項には、「国の行政機関等は、情報システム整備計画に従って情報システムを整備しなければならない。」とあります。自治体は、この規定に基づき講ずる措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと第五条第四項でなっています。

 そうしますと、自治体に対して、国の情報システム整備計画に準じるような計画の作成を求めていくということになるんでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 官民データ活用計画と似たような構造になっておりますけれども、いずれにしても、自治体には努力義務というのがかかっておりますので、それについては自治体が努力していただくということになりますけれども、当然のことながら、国はサポートする必要があると思っておりまして、私どもとしては、各自治体にそういう計画をつくっていただけるような環境をつくるとともに、助言等のお手伝いをさせていただきたいというふうに思っています。

平井国務大臣 このデジタル手続法案においては、地方公共団体については、先ほど話がありましたとおり、オンライン化を義務化せず、それぞれの事情や能力を踏まえてオンライン化を進めていけるように努力義務というふうにしているんですが、地方公共団体に対する支援策については、現在でも、例えば自治体クラウド導入に対する交付税措置、自治体のシステムの共同利用化を前提とした業務改革に対する補助金の交付等を実施しているところであります。

 また、デジタル技術を積極的に活用して先進的な取組を行っている地方自治体の取組を積極的に横展開し、全国的に広げていくことも、我が国全体の、地方自治全体のデジタル化を効率かつ効果的に進めるためには、有効な手段の一つというふうに考えています。

 このような事例も参考にしながら、今後、政府として積極的に取り組む地方自治体を厚く支援することにより、地方のデジタル化を進めてまいりたいと考えております。

塩川委員 私が聞いているのは、国の情報システム整備計画に準じて、自治体にも計画の作成というのをつくってくださいよと求めるんでしょうかということなんです。

向井政府参考人 法律上、努力義務はございますので、私どもとしては、そういう法律上、努力義務があることを示した上で、自治体に、つくっていく、そういう努力をしていただけるようにお願いしていくということだと思います。

塩川委員 総務省でもいいんですけれども、では、どういう計画をつくってくださいというふうになるんでしょうかね。

向井政府参考人 国に準じてということでございますので、まず、国の計画をつくった上で、何らかのひな形を示すような形で、こういうふうなものというのは一応お示しした上でつくっていただくというふうな、そういうふうな手続になるのではないかと想定されます。

塩川委員 先ほど大臣の答弁の中にも自治体クラウドの話がありました。いろいろな共同利用についての補助金というのがあるんですが、複数の自治体でシステムを統合して使用するといった事例なんかが既に進んでいるわけです。

 この自治体クラウドの導入についてお聞きしますが、国は、自治体のデジタル化を進めるために、複数の自治体で情報システムを共有し、標準化する自治体クラウドの導入を推進しています。

 骨太方針二〇一八には、「自治体クラウドの一層の推進に向け、各団体はクラウド導入等の計画を策定し、国は進捗を管理する。」とあります。ですから、国の情報システム整備計画に準じて各自治体はクラウド導入計画の策定ということを、国として促していくということになるんですか。

佐々木政府参考人 地方自治体において情報化、デジタル化を進めるためには、クラウドは極めて有効な手法だと考えております。また、クラウドをすることによって共同化も非常に容易に取り組むことができるということで、これまでも自治体においてクラウド化、特に共同の自治体クラウド化をお願いする、そういうことを財政的な支援も含めて行ってきたところでございます。

塩川委員 ですから、骨太方針に、クラウド導入計画の策定を自治体に求め、国が進捗を管理するとあるものだから、今回の法案に言う国の計画に準じて自治体によろしくというのは、このクラウドの導入計画も含むんですか。

佐々木政府参考人 法案自体の中身についてはIT室に確認していただきたいとは思うんですが、今回の計画というのは、これまでのクラウド計画とは違うものでございます。今回、国が制定するやり方、国が取り組むやり方に準じてということですので、その準じるという側面において違ってくるということだろうと考えております。

塩川委員 内閣官房にお聞きしますが、要するに、クラウドが自治体にお願いするという計画の中に入らないということですか。

向井政府参考人 現状、それは未定でございます。

塩川委員 未定ということですから、骨太方針では、そういう形で計画をつくってくださいよ、国が進捗状況をきちっと管理するというふうになっているわけです。そういった点でも、自治体に自治体クラウドの導入計画をどんどん進めようという姿勢がここにあらわれています。

 それで、政府のIT戦略では、クラウド導入市区町村が平成二十九年度末で一千団体を達成したので、平成三十五年度末までにクラウド導入団体数について約千六百団体となるよう取り組むとしています。国が音頭をとって自治体のクラウド導入を促進してきました。

 そこでお尋ねしますが、自治体クラウドについてはさまざまな批判があります。例えば、富山県上市町の場合ですけれども、我が党の町会議員さんが三人目の子供の国保税の均等割の免除、また六十五歳以上の重度障害者の医療費窓口負担の償還払いを現物給付にと具体的な提案を議会で行ったところ、町長が、自治体クラウドを採用しており町独自のシステムのカスタマイズはできないということで、できませんという答弁を行ったということなんです。

 ですから、自治体クラウドによって、行政の仕事内容をシステムに合わせることとなり、自治体独自の行政サービスの提供が阻害されているんじゃないでしょうか。

佐々木政府参考人 御指摘された富山県上市町における議会でのやりとりということは、同町のホームページにおいて確認したところでございます。

 同町長の議会答弁そのものについての個別のコメントは差し控えさせていただきたいのですが、総務省としては、クラウドについても、パッケージソフトに対するカスタマイズは行わないことを原則とすべきという基本方針を、助言という形で示しております。

 ただ、その方針の中では、住民サービスの維持向上等の観点からパッケージ機能による対応では不十分である場合であって、カスタマイズ以外の代替措置で対応することが困難であるなどの事由がある場合には、カスタマイズを行うこともやむを得ないという助言をさせていただいているところでございます。

 カスタマイズそのものにつきましては、むしろ、効率化の原則とか共同処理のメリットを出す意味でできるだけ控えた方がいいというのは当然ですが、個々の具体的なケースにおいて、どうしてもカスタマイズしないとそういう住民サービスの向上ができない、いけないという場合には当然許容されているというふうに総務省としては助言しているところでございます。

塩川委員 ですから、今言ったのも、カスタマイズ以外の代替措置がない場合にはカスタマイズ、これを変更するということがあるという話なんですけれども、でも、それは、今言ったような、三人目の子供さんが生まれたときに、均等割がかかるわけですよ、人頭税みたいなものですから、あれは。家族がふえたら、均等割、一人何万円を払うというのは、家族が生まれて、お祝いじゃなくて、ペナルティーをかけるような制度ですから、これはおかしいという話になるわけで、そういった措置がとれないんですかというものについて、いや、カスタマイズを抑制していますからという話というのはおかしい。

 かわりの措置をとるというんだけれども、そもそもそういう減免の措置をとればいいわけで、それが妨げられるということ自身が、自治体のまさに住民自治を発揮をする、住民の福祉の増進を図るという自治体の本来の業務に大きな障害をもたらすものと言わざるを得ません。

 今の答弁にもありましたけれども、総務省は、自治体に対して、地方公共団体の自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針という通知を発出しています。ですから、そこの中で、地方公共団体の情報システムについては、現在、複数団体で共同利用する自治体クラウドの取組を推進しているが、情報システムにカスタマイズを加えようとすれば、団体間の調整が必要となり、その結果、自治体クラウドの導入を阻害する要因となるほか、追加的な情報システム経費の発生や情報システムの稼働の不安定化というリスクにもつながるとして、パッケージソフトに対するカスタマイズは行わないことを原則とすべきと求めているわけです。

 地方クラウドを推進する国がカスタマイズを抑制することを求めていることは、私は地方自治の侵害だと言わざるを得ません。この自治体クラウドによって、業務の効率化を優先して、システムに業務を合わせるようになっているわけです。ですから、住民の多様なニーズに応えることを棚上げをして、住民サービス拡充の障害になっている。そういった点でも、本来、多様な地域に多様な自治体が存在しているわけで、この自治体クラウドはその自治体の多様性を損なうものとなっているという点は極めて重大だと言わざるを得ません。

 この点について、総務省、どうですか。

佐々木政府参考人 委員御指摘の論点については、カスタマイズの中身の定義の問題だと思います。

 我々として、地方自治体が、議会、首長が同意して、住民サービスの向上をしたいという判断をした場合に、そのカスタマイズ、それに伴うシステムの改修を行ってはいけないという助言はしていないところでございます。

塩川委員 複数の自治体で自治体クラウドをつくってくださいと促して、地方財政措置も行っているわけです。その結果として、多様な自治体の多様性が損なわれるような事態になっていること自身が大問題だと言わざるを得ません。

 市区町村における情報システム経費というのは、今どのぐらいになるんでしょうか。

佐々木政府参考人 総務省において実施した調査では、平成二十九年度当初予算における全市区町村の情報システムの経費は四千七百八十六億円となっております。

 今後、こうした調査を継続し、その推移を把握してまいりたいと考えております。

塩川委員 平成二十九年度当初予算における市区町村の情報システム経費は四千七百八十六億円と。これは、把握したのはこれが初めてということで、今後把握していくと。

 今後ふえる見込みということでしょうかね。

佐々木政府参考人 現時点で、ふえるか減るかということは、私は答えることができませんが、IT化を進めるということについては、ITの設備投資を行うということでもございますので、その経費の中身を分析してみて、維持管理に要するコストを効率化する。ただし、IT化の推進に要する経費はどんどん進めていくということもあろうかと思っております。

 ただ、今後どうなるかは、この時点で私がどうだということは、今、言える状況にはございません。

塩川委員 国の場合、この四年間は、整備も運用もどんどんどんどん、ずっとふえているわけですよね。ですから、そういった点で、この先どうなるのかといったときに、自治体においても、国が自治体クラウド導入の計画を各団体に策定することを求め、その進捗を管理するということが骨太方針に出ているわけですから、こういった方針を徹底する上で、こういった自治体クラウドを促進する、結果とすると情報システム経費が膨らんでいくという点でも、IT室の批判も行いましたが、新たなIT公共事業といったことも問われてくるのではないのかということを指摘しておくものです。

 それで、続いて、AIに係る諸課題についてお尋ねをいたします。

 大臣にお聞きしますが、IT戦略の文書の中に、AI技術の研究開発と社会実装の項があります。そこでは、AIが生み出す成果の品質基準を設けるか否か、AIが現在の労働産業構造にどのような影響を与えるか、AIの下す判断の倫理上の扱い、そして、AIの判断結果に対する責任の所在など、今後、AIの社会実装が進むに伴い生じると思われるさまざまな課題についても、今後、検討していくことが必要であるとしています。

 このようなAIに係るさまざまな課題について、大臣、どのように認識しておられるかもぜひお聞きしたいし、どこでどのような検討を行っているのかについて教えていただけますか。

平井国務大臣 今、まさにAIは、世界各国が投資をして、競争状態、開発イノベーションで競争状態にあるんですが、我々日本の立ち位置は、やはり倫理とか基本原則をちゃんと踏まえた上で、今回のAIというのは社会実装を伴うものなので、そこは日本流にきっちりやりたいというのが基本スタンスです。

 その上で、AIの社会実装の重要性に鑑みて、昨年策定されたIT戦略において、AI活用の重要性と今後必要となる検討課題を提示しています。

 具体的には、AIがもたらす倫理上の課題については、人間中心のAI社会原則会議において、AIの品質基準や高付加価値サービスへの構造転換などに関する社会実装に向けたさまざまな課題については、AI戦略に関する有識者会議において、AI判断結果に対する責任の所在については、例えば自動運転における事故時の責任に関しては、IT総合戦略本部のもとの道路交通ワーキンググループなど、各分野において検討が進められています。

 引き続きこれらの会議等で議論を進めまして、高齢化社会が進む我が国において、国民が安心して生活できるよう、AIの社会実装をしていきたい、そのように考えています。

塩川委員 それぞれの分野で検討が進んでいるというお話です。自動運転の話ですとか倫理上の扱いなど、人間中心のAI原則のその場での議論の話にもありました。

 やはりAIをめぐっては、この間、報道も随分ふえていますし、最近の日経を見ると、その記事がずっと続いているものですから、おもしろく読んでいるところです。

 アリペイの話なんかもありましたが、アリペイAIによる信用力スコアというのが、融資ですとか与信ですとか、住居の賃貸とか、裁判などにも、さまざまな場面で使われているなんということも言われているところです。日本でも、ソフトバンクが新卒採用のエントリーシートの評価にAIのプロファイリングを用いるということなんかもされておりました。

 そこでお尋ねしたいんですが、大臣も紹介されました統合イノベーション戦略推進会議決定の人間中心のAI原則では、

 AIは、社会を良くするために使うことも可能であれば、望ましくない目的達成のために使われたり、無自覚に不適切に使われたりすることもありうる。

と指摘をしています。

 人間に期待される能力、役割について記述をしているわけですが、

 AIの長所・短所をよく理解しており、とりわけAIの情報リソースとなるデータ、アルゴリズム、又はその双方にはバイアスが含まれること及びそれらを望ましくない目的のために利用する者がいることを認識する能力を人々が持つことが重要である。なお、データのバイアスには、主として統計的バイアス、社会の様態によって生じるバイアス及びAI利用者の悪意によるバイアスの三種類があることを認識していることが望まれる。

 こういった、AIに係る、人間にそれをどう理解をするのかといったことが問われているという課題があるんですが、このことについて大臣はどのようにお考えかというのと、こういったバイアスが問題となるような事例というのは、どんなものが具体的に挙げればあるのか、その点を御紹介いただけますか。

平井国務大臣 データのバイアスによって人々の差別につながる事例については、人間中心のAI社会原則の検討会議においても、人種や肌の色によって、年齢等の認識率、精度に大きな開き、誤差があったという事例が紹介されていると承知しています。

 また、ある企業の人材採用システムの学習データが、男性中心の応募者や合格者のデータにより学習されたものであったことから、男性の方が採用に適した人材であると判断したという例が報道されていると承知しています。

 まず、人々の差別や不利益をこうむらないようにするための最も基本的かつ重要な打ち手は教育ではないかと我々考えておりまして、人間中心のAI社会原則において、教育、リテラシーの法則、データにバイアスが含まれることや使い方によってはバイアスを生じさせる可能性があるということなどを理解することの必要性があるというふうに思います。

 それを受けて、現在検討中のAI戦略では、全ての国民が、デジタル社会の読み書きそろばんとして、数理、データサイエンス、AIに関するリテラシーを身につけるための教育改革について検討しています。

 加えて、技術的な対策として、AI戦略では、収集するビッグデータの偏りや誤りなどを検知して品質保証に資する基盤技術の確立や、データ品質を担保するための指標や測定方法等に関する国際基準の提案について取り組む方向で検討しています。

 日本は、AI倫理原則というものを今まで主導してきたし、これからも、その価値観を共有する国々と一緒になって進めていきたいというふうに考えます。

 AIをこれから実装するときに、今後、AIに振り回されたり、こんなはずじゃなかったというような社会にならないように、そこは原則をきっちりつくってから社会実装を進めるべきだと考えています。

塩川委員 今大臣が紹介されたのはきょうの日経新聞でちょうど出ていましたけれども、みずほ銀行がソフトバンクと共同出資をしたジェイスコアの記事が出ていたわけですけれども、個人向けの融資の判断にAIを用いる業務を開始したところ、年収や職業など他の条件が同じでも、性別を男性から女性にするだけでスコアが下がるという指摘があった。結果として、いろいろ悩んだんだけれども、性別の影響を弱める修正に踏み切ったと。

 要するに、AIの側には、では本当に因果関係があるのかというのはわからないわけですよね。そこのところが今言ったバイアスの問題として出てくるというのは、これは、そういったバイアスがあるよという認識を我々がしっかり身につけるということはもちろん重要だと思います、教育の話、リテラシーの話なんですけれども、いや、そもそもそれだけでいいのかという問題も問われてくるんだと思うんですよね。

 そういった影響についてどうしていくのか。この点は、もう既にアメリカの問題なんかも紹介されていましたけれども、どうするんですか。

平井国務大臣 AIが社会の大きな話題になるというのは、これで三回目なんですね。第三次AIブームと言っていいのかと思います。ただ、前回の二回と違うのは、相当いろいろなものが進んだ、AIに関して。ディープラーニングであったり、テキストでもそうです。

 そういう状況の中で、一方で、社会実装しているところはもうしているんですね。AIというものの定義の範囲が、例えば、出店するときの最適化とか売上予測とか、要するに、今言っているAIという言葉の範囲が物すごく広くなっているんです。そういうことを考えると、社会実装というのは、もうとめられる状態では全くありません。

 ですから、日本は、人間生活に大きく影響する使い方のものに関して誤らないように、社会原則そして倫理の問題を、リーダーシップをとりながら取りまとめていきたい。これは、世界的に、日本が問題提起して取りまとめていきたいと考えています。

塩川委員 やはりディープラーニングは転機だと思いますけれども、ビッグデータそしてAIという形で、それが、日本の場合にはIoTも含めてこれを活用しようということを戦略としているわけですけれども、やはり問われているのは、AIによって、さまざまな差別、不利益が生じ得るといった問題が出てくるわけです。

 これも、だから、つい最近の日経の報道で、アメリカのロサンゼルス市警は、二〇一一年から使用している犯罪予測システムについて、データの使い方を見直すということを明らかにしたということでした。AIが過去の捜査情報を分析し、犯罪を起こしやすい人物や地域を示した。犯罪は一部で減ったけれども、黒人などへの過剰な取締りにつながったと指摘をされた。過去の捜査に人種差別の影響があり、差別を再生産したと批判を呼んだわけです。ですから、アメリカでは、ビッグデータに基づくAIプロファイリングが、マイノリティーに対する差別や排除を助長するという認識も広がっているところです。

 ですから、その点で、今大臣がお話しになったのが、人間中心のAI原則の話をされました。企業や民間などについても、そういった見地でしっかり取り組んでくださいよという働きかけをする、G20もありますから、これも国際的にも示していきたいということなんですけれども、要は、そういうレベルでいいのかというところが問われているんじゃないでしょうか。

 実際、そういったバイアスによって、不当な差別や不利益をこうむることがないような取組をどうしていくのか、これは真剣に考える必要があると思うんですが、どうでしょうか。

平井国務大臣 その問題には、十分に我々は問題意識を持っておりまして、有識者の皆さんと議論しながら、また各国の方々も、こちらに来られると私も面談しますけれども、やはり、AIの社会実装とその影の部分、データのバイアスの話というのは共通の問題意識です。

 ですから、これはやはり、話し合いながらルールを決めていくというのが望ましい方向だと私は思っております。

塩川委員 その点では、やはり、プライバシー確保をどう図るかというところでのルールづくりが問われているんだと思うんです。

 統合イノベーション戦略推進会議決定の人間中心のAI原則でも、原則を幾つか並べて、そのうちの一つの「プライバシー確保の原則」では、「AIを前提とした社会においては、個人の行動などに関するデータから、政治的立場、経済状況、趣味・嗜好等が高精度で推定できることがある。これは、重要性・要配慮性に応じて、単なる個人情報を扱う以上の慎重さが求められる場合があることを意味する。パーソナルデータが本人の望まない形で流通したり、利用されたりすることによって、個人が不利益を受けることのないよう、」「パーソナルデータを扱わなければならない。」とあります。

 その方策の一つとして、「本人が実質的な関与ができる仕組みを持つべきである。」という指摘をしているんですが、これはやはり、個人情報保護法の改正を含めてしっかりとした対応をとる必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣、もしお考えあれば。

平井国務大臣 個人情報保護法の改正は私の所管ではありませんが、人間中心のAI社会原則においては、プライバシーの確保のために必要な関係者間の基本的な共通認識として、「パーソナルデータを利用するAIは、当該データのプライバシーにかかわる部分については、正確性・正当性の確保及び本人が実質的な関与ができる仕組みを持つべきである。」とされています。「実質的な関与」とは、例えば、パーソナルデータを保有する者が、個人からの請求に応じてその利用を停止したり、媒体から消去することなどが考えられます。

 パーソナルデータは、その重要性、要配慮性に応じて適切な保護をされる必要がありますが、具体的な関与の方法については、今後、企業実務の観点も考慮しつつ、利活用と保護のバランスを図りながら、政府と産業界が一体となって、各利用分野の個別事情に応じてきめ細やかに検討される必要があると考えているところでございます。

塩川委員 個人情報保護法所管の個人情報保護委員会にお尋ねしますが、今、三年ごとの見直しの検討を行って、つい先日、昨日ですか、中間整理を出したところです。その議論の中でも、こういった個人情報保護をめぐる国内外の動向でEUのGDPRの例を紹介して、忘れられる権利、また、プロファイリングに関する規定などを紹介していたところです。

 ぜひ、こういった忘れられる権利などをしっかりと規定することが必要だと思うんですが、この点でGDPRはどう対応しているのか、日本の個人情報保護法、今、この中間整理ではどうしようと思っているのか、それを教えてもらえますか。

其田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのありましたEUのGDPRにおきましては、消去権について第十七条で規定しているというふうに承知をしております。具体的には、個人データが収集された目的等との関係で必要がなくなった場合、データ主体が同意を撤回し、かつ、その取扱いのための法的根拠がほかに存在しない場合など一定の場合には、データ主体が自己に関する個人データを消去させる権利を持ち、また、データの管理者が個人データを消去すべき義務を負うものと承知をしております。

 一方で、我が国の個人情報保護法でも、個人データの取扱いに係る本人の関与等について一定の規定が設けられております。

 具体的には、第二十九条において、保有個人データの内容が事実でないときは、本人は、個人情報取扱事業者に対し、内容の訂正、追加又は削除を求めることができる。

 また、三十条一項におきまして、第十六条の利用目的に関する規定に違反しているとき、又は、十七条の規定に違反して不正に取得されている場合には、本人は、個人情報取扱事業者に対し、利用停止等を求めることができるとされております。

 さらに、第十九条において、個人情報取扱事業者は、個人データを利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならないとされております。

 先ほど御指摘をいただきました、昨日公表いたしました個人情報保護法のいわゆる三年ごと見直しに係る検討の中間整理におきまして、利用停止等を含む個人情報に関する個人の権利のあり方についても個別検討項目として取り上げております。

 忘れられる権利や利用停止権につきましては、現行の個人情報保護法上、利用停止や消去の請求ができる場合が、不正取得等、一定の場合に限定されておりますけれども、消費者の声として対象の拡大について要望が強いということも踏まえまして、今後、実務の観点も考慮しながら検討してまいりたいと思います。

塩川委員 時間が参りましたので終わりますが、委員会の議論でも、今回の見直しの中で個人の権利のあり方についての重要課題は削除、利用停止だと思う、消費者側からは自分の個人情報を事業者が削除、利用停止しないことへの強い不満があると。今も紹介がありましたけれども、そういった点で、忘れられる権利の拡大を図るべきだと指摘をしているわけです。しかし、四月二十五日付の日経報道では、企業にデータの完全削除を強いる忘れられる権利などは導入を先送りした、これは、背景にあるのは、経団連が一連の規制強化には慎重な検討が必要だとする声明を発表した、こういうことも例示をしています。

 プライバシーの権利保障などの個人情報保護よりも企業利益を優先する、こういうことがあってはならないということを申し上げて、質問を終わります。

牧原委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。

 早速お昼のニュースで平井大臣がタブレットを持って答弁をされているのが、僕はツイッターで見たんですけれども、ツイッターでも記事になっていて、新しい時代の扉が、平成最後、ぎりぎりにあいたなというふうに思ったわけです。

 これは、国会内、各政党でもタブレットを使ってペーパーレスをしていくというのを一生懸命試行錯誤しながらやられて、自民党でもちょっと前に、全部ではないけれども、どこかの場所でタブレットだけで会議をするというのがニュースにもなっていました。

 我々の党に議員立法とかそういう説明に来られた、政調に来られた方がもしいらっしゃったら御存じだと思うんですけれども、私の党はもう既に完全にペーパーレスになっていて、政調は、全員がタブレットで議案から、閣法も全部そうですけれども、ちゃんと省庁からPDFで送られてきた資料を見て審議をしています。もう完全にペーパーレスになっています。

 ますますどんどんペーパーレス化が進んでいけば、こういう委員会とかそういうところでもそれが当たり前になっていくんじゃないかなと思っていますので、これからも皆さんで努力をしていっていただけたらなと思っております。ありがとうございます。

 私もきょうはタブレットで質疑をさせていただきますけれども、今までタブレットで質疑を余りしてこなかったんですけれども、きょうはせっかくですからタブレットを使います。(発言する者あり)そうですね、残念ですね。カメラ、誰もいてないね。

 始めたいと思いますけれども、インターネットエクスプローラーの脆弱性について何度か質問してきたんですけれども、内閣官房情報通信技術総合戦略室、IT総合戦略室だと思うんですけれども、二〇一九年の三月二十八日に「政府情報システムにおいてサービス提供の対象とすべき端末環境及びWebブラウザの選定に関する技術レポート」というのを出していますね。その「はじめに」という中の部分にも書いてあるんですけれども、開発企業がサポートを終了させつつある技術の利用を前提に構築されているということについてレポートを書かれている。それはどうかなということ、推奨環境もちょっとこっちに変えなさいよ、これを使わずにこっちにしてくださいねというようなことをレポートで書いているわけですけれども、書かれてはいるんですけれども、では、それをいついつまでに対応するかということについては、レポートですから書かれていないんですね。

 その点について、このレポートを受けて政府として、それぞれいつまでに対応するのかというのを答弁をいただきたいと思います。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、内閣官房IT室では、政府情報システムにおきますウエブブラウザーにつきまして、技術のライフサイクルが終了している又は終了を予定している技術からは脱却を図る必要があるということを記述しているところでございます。

 これを踏まえまして、各府省におきまして、委員御指摘のインターネットエクスプローラーを始めといたしました終了又は終了予定の技術からの脱却の検討が進められているところ、取り組むべき優先順位が各省において、各システムにおいて異なるということなど、情報システムの置かれた状況はさまざまでございますので、必ずしも政府として足並みがそろっていないのが現状でございます。

 現在、政府の情報システムの要求から執行までを一元的に管理する仕組みを検討しているところでございますけれども、その仕組みにおきましては、IT室と各府省が一体となって各情報システムのあるべき姿をつくり上げていくということとしているところでございます。

 一元的なプロジェクト管理の強化を通じまして、IT室として状況を把握いたしまして、可能な限り早期に政府横断的な対応を進めてまいりたいと考えてございます。

浦野委員 例えばe―Tax、eLTAX、マイキープラットフォーム、これは四月の十六日時点なんですけれども、推奨環境を見させていただくと、いまだにインターネットエクスプローラー11という推奨環境なんですね。

 例えば、そうであったとしたら、我々ユーザー側は、今、恐らくほとんどウィンドウズ10に移行していると思うんですけれども、ウィンドウズ10なんかだと、IEの11はわざわざインターネットから拾ってきてインストールをしないといけないんですね。標準はエッジになっていますので、標準ではないので、自分でわざわざインストールしないといけない。インストールしようと思ったらできますけれども、やはり一ユーザーからしたら、脆弱性があると開発企業が、マイクロソフト自身が認めているソフトをわざわざ自分のパソコンにインストールしないといけないというのはやはり抵抗感があると思うんですね。だから、できればインストールしたくないと思うんです。

 恐らく、サポートがまだ正式に終了していないから推奨環境をそのままにしてあると思うんですけれども、それはわかるんですけれども、それであれば、いつまでに対応するとか、対応する計画があるとかないとか、そういうことをちょっとお聞かせをいただきたいと思うんですね。何個もブラウザーというのはあるので、例えば、主要な、マイクロソフトのエッジとかグーグルのクロームだけでも答えていただけるならありがたいですけれども。

吉井政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのありましたe―Taxの推奨環境でございますが、御指摘のとおり、現在、インターネットエクスプローラー及びサファリを推奨環境としているところでございます。

 国税庁といたしましては、先生の御指摘の問題意識も踏まえまして、御指摘のマイクロソフトエッジについては本年の五月七日に対応する予定としております。

 それから、グーグルクロームへの対応につきましては、現在、開発内容等につきまして鋭意検討を行っているところでありまして、平成三十二年度から、納税者のニーズに応じまして順次対応してまいりたいと考えております。

稲岡政府参考人 eLTAXについてお答えを申し上げます。

 マイクロソフト社のエッジにつきましては、年内に対応可能とするよう、必要なシステム改修を行う予定でございます。

 それから、グーグル社のクロームについてでございますが、本年九月にeLTAXの大幅なシステム更改を行うこととしておりまして、これに合わせて対応する予定でございます。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 マイキープラットフォームの推奨環境として利用可能なブラウザーについては、今年度予算を活用し、マイクロソフト社のエッジ等についても対応する予定でございます。

 その他のブラウザーにつきましても、利用者のニーズを踏まえて対応していく必要があると考えており、御指摘のグーグル社のクロームについても、今後対応を検討してまいりたいと考えております。

浦野委員 ありがとうございます。

 エッジについてはまず対応していただいて、その後クロームということなんですけれども、これは何で一つ一つ時間がかかってしまうのかというのをちょっとお聞きすると、予算がかかると。それはそうですよね、改修には予算がかかるので。その予算をなかなか認めてもらえないと言うんですよね、各省。こんな二つ三つ、たくさんブラウザーは種類がありますから、何で一つに絞って対応せえへんねんというふうに言われて、何か予算をつけてもらえなかったと言うんですね。

 その人、多分、恐らく財務省のどなたかだとは思うんですけれども、全然わかっていないですよね、ブラウザーのことを。だからそういう議論になっちゃうんやと思うんですけれども、いやいや、そうじゃなくて、やはりユーザーが何を使うかは自由であって、ブラウザーをね。それに対して、やはり、ある以上全て対応しないといけないのがこういうものなので、もうちょっとしっかりと予算をつけて、大臣の方からもちょっと助け船を出していただいて、つけていただけたらなと思っています。これは質問ではありませんので、そういうふうな主張ですので、またよろしくお願いいたします。

 今挙げたのは、ぱっと探して、前から言われていることもあってわかっていたことなんですけれども、前々回、前々々回かな、委員会の指摘でも、大阪市議会でも総務省の調達システムについて、今、IEに依存しているシステムだから何とかしてほしいということを全会一致で意見書が出されているわけですね。ほかにも、政府機関とは違うんですけれども、日銀のシステムも何かIEに依存しているというシステムがあるということなんですね。

 同じように、e―TaxとかeLTAXとか以外に、政府でこういうインターネットエクスプローラーに依存してしか使えないものがあるんじゃないかと思っているんですけれども、そういうのをやはりIT室でしっかりとまとめるべきだと思っているんですけれども、いかがでしょう。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、そういった実態を全省的にしっかりと把握をしていくということは大変重要だというふうに認識をしておりますけれども、現状におきましては、各省の置かれた状況等、さまざまでありまして、そこまで統一的に把握ができていないということでございます。

 今後の調達、予算一元化の取組の中で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

浦野委員 よろしくお願いいたします。

 質問がかわりますけれども、先日の選挙で、もちろん、個人演説会とか、そういうのがありました。その中で、ちょうどいい機会だったので、いろいろ、もちろん演説会に来られる方は高齢の方が多いので、スマホを持っている方はどれぐらいいらっしゃいますかということを聞いたんですね。大体、スマホを持ってはる人は二割から三割、多くても三割は行かなかったかなという感じで、延べで四百人ぐらいに聞けたんですけれども、それぐらいの割合でした。

 その中で、スマホもガラケーも、決済機能を持っているガラケーもありますので、両方含めて、スマホで電子決済を行ったことがある人を聞きました。そうしたら、僕は少しぐらいいてるかなと思ったんですけれども、見事にゼロだったんですね。たまたまかもしれないですけれども、延べ四百人に聞いてゼロだったのはちょっとびっくりしたんです。これはデジタルデバイドの問題になるんだとは思うんですけれども、要は、便利な世界をこうやってつくり上げていっていても、その環境に追いついてなくて置いていかれている人がたくさんいてる。

 これは、何が言いたいかというと、政府が、今、秋から進めようとしているキャッシュレスのポイント還元は、それはスマホの電子決済に限らず、クレジットカードとかいろいろなポイント還元がありますから一概には言えないかもしれないですけれども、少なくとも、携帯を使ったキャッシュレス決済でポイント還元を、その人たちは、やり方も知らない、やったこともないということで受けられない。これは結構重要な問題だと思っているんですけれども、大臣としてはその点についてどういう見識を持っていらっしゃいますか。

平井国務大臣 スマートフォンを持っている高齢者の割合が現時点では高くないと。私もたまに、演説会とか、いるところで、こう手を挙げて、いろいろなことを聞いてみるんですけれども、まあ、少ないですよね。しかし一方で、七五%の世帯がスマートフォンを所有しているんですね。ですから、これから国民のライフスタイル、そしてスマートフォンとのかかわりというのはまた急激に変わっていくのではないだろうかというふうに思います。

 今の高齢者のスマートフォンの利用率は必ずしも高くないと言われることですけれども、これは誰かが使い始めると、結構、またそういうのを使っていくと思うんですね。それこそ、シェアリングエコノミーじゃないですけれども、そういう、デバイスをシェアして、みんなで使うみたいなことも今後考えていかなきゃいけないというふうに思っていて、今、総務省で制度設計をしていただいていますが、高齢者等のデジタル技術に触れる機会が少ない方々が日常生活も含めたさまざまな場面でIT機器を利活用できるよう、身近な場所で身近な人に相談できる、そしてデジタルリテラシーの向上を図っていくということだと思うんです。

 そのために、我々、いろいろな新しいアイデアをここには使わなきゃいけないというふうに思っているし、ITの企業に勤めているOBの方々が一気にふえてくるということもあって、そういう皆さん方に社会貢献という意味も含めて御協力をお願いするということを、今、国の方で検討していただいているということです。

 そういうことで、一九九八年生まれ以降、Z世代というふうに言うらしいですね、そこが完全にデジタルネーティブということに言われています。

 私は、どう考えても、いろいろな人に言われるんですが、昭和のにおいがするIT担当大臣だというふうに言われるんですが、アナログの時代に育ち、デジタル機器を使っているということですが、これから世の中に出てくる人、これからの高齢者というのは、デジタル機器に精通した人、またそういうものがあることが前提の人が出てくるので、そういう人たちのことも考えて今進めていくというのが非常に重要なことではないかと思っております。

浦野委員 私も大臣と同じく昭和のにおいがぷんぷんする世代ですので、ぜひ、ここら辺は本当にいろいろ対策をしていただかないといけないかなと思っております。

 次の質問は、前回の質問でもちょっとシステムの調達についていろいろと質問しましたけれども、今後、政府調達の一元化が行われるということで、システム調達に当たっては、初期の費用だけではなくて維持管理コストも含めて、ライフサイクルという形で評価をしていくことが非常に重要だと考えています。

 大臣も、前回の答弁で維持管理にかかるコスト負担についても触れられていたと思いますけれども、ライフサイクル、システムだったら大体五年以上ぐらいですかね、で評価をしていくことについて、政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

平井国務大臣 議員の御指摘のとおり、情報システムの投資の是非を判断するに当たっては、単年度の初期費用ではなくて、ライフサイクルの総コストをベースにした費用対効果を検証しなければならないと考えています。

 政府情報システムの予算の要求から執行まで通した一元的なプロジェクト管理の強化に向けても同様の考え方で今進めておりまして、運用等の経費を可能な限り抑制し、削減分を、生産性、付加価値が高く、セキュリティーインシデントへの適切な対応が図られる、デジタル時代にふさわしい政府情報システムを構築するための経費として活用できるようにしたいと考えています。

 具体的には、情報システム予算の検証について、予算要求後に来年度予算をどうするかという短期的な視点ではなく、プロジェクトの計画段階である予算要求前、プロジェクトの具体化段階である予算要求時、詳細仕様の検討段階である予算執行前の三段階に分けて管理する、年間を通したライフサイクルコストを考慮した仕組みに変更することにより、IT室、各府省ともに長期的視点で取り組むようにしていきたいというふうに考えています。

 なお、この予算の、調達の一元化の取組は、一時的な投資額がふえることもありますが、長期的には運営経費や定期的な修繕経費等の削減につながります。

 今、一番莫大な要するに費用がかかっているときは、法改正に伴うシステム改修というのは、これは、はっきり言って、法律が通る前に先行して手をつけてやらなきゃいけないというようなことで、これはもう非常に短期間で人手のかかることになっています。そういう制度変更に多くの人手とお金が伴うというのは、やはりシステムがレガシーなので、ここから早く脱却しておかないと、次の時代は大変だと思います。

 また、一元化することによって、さっき委員が御指摘になったブラウザーの問題等々も、これも統一してそういうものを進めていくということもできるし、一元化と一言で言いますけれども、いろいろなことに取り組まなきゃいけないと考えております。

浦野委員 ありがとうございます。

 あと、スマホのJPKIについてお聞かせいただきたいと思うんですけれども、これも、マイナンバーカードの普及率については従前から低いという指摘をさせていただいていますけれども、数字的にはやはり、二十代から四十代というのが特に低い。スマートフォンは、その世代、二十代から四十代というのは逆にすごく普及率が高いということからも、やはりスマートフォンの利用を前提にした環境づくりというのは必要だと思うんです。

 要は、スマホ向けにJPKIを制度的にも位置づけていくということが必要だと思うんですけれども、それはいかが考えているかということと、特に、iOS、いわゆるアップルのiOSがちょっと対応が難しいという現状があるということをお聞きしているんですけれども、今後の進め方についてもお聞かせをいただけたらと思います。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 スマートフォンを使った公的個人認証サービスでございますが、これにつきましては、平成二十八年の七月以降、携帯電話事業者及び製造業者に対しまして、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンの製造、販売についてお願いをしてきておりまして、現在、マイナンバーカードの読み取り対応スマートフォンは六十三機種まで拡大をいたしております。

 今後も、読み取り対応スマートフォンの拡大に向けまして、御指摘のアイフォンも含めて、未対応のスマートフォン製造業者に対しましても、総務省、内閣府、連携をして粘り強く働きかけてまいりたい、このように考えております。

 以上でございます。

浦野委員 特に、日本はアイフォンの普及率が高いという国ですので、ぜひしっかりと進めていただけたらと思います。

 最後に、大臣に、これはちょっと答えにくいかもしれないんですけれども、科学技術特別委員会と内閣委員会のあり方についてです。

 従前から、この委員会でいろいろ私が質問をする中で、セキュリティーに関しては、担当大臣がこの委員会で答弁できます。では、そのセキュリティーに対する技術的な質問をするとなると、今度は、いや、それは平井大臣が担当です、この委員会では平井大臣にその部分は質問ができませんと言われるんですね。科技特でやってくださいという整理になります。ところが、科技特は、御存じの方もいらっしゃいますけれども、余り開かれません、最近は。閉中審査とかそういうのはやっていますけれども。

 きょうみたいに、先ほどの塩川さんのAIの質問なんかでも、この法案があって、法案審議の中で平井大臣がいらっしゃるから質問できますけれども、本来なら科技特でそういう質問をしてくださいということになるんですね。ところが、科技特は法案審議はしないというふうに決まっていますので、わざわざ科技特をやらないと、そういう質問ができない。

 ふだんから、やはり内閣委員会でこういう質問ができないと、僕は意味がないと思っているんですけれども、大臣、その点についてどうですか。

平井国務大臣 まことに答えにくい質問をしていただきまして、委員会のあり方については国会でお決めいただくということで、担当大臣としてのコメントは差し控えますが、私は、どちらにお呼びいただいても、真摯に答弁をさせていただきたい。

 以上でございます。

浦野委員 なかなか前向きな答弁をいただけたと思いますので、これで質疑を終わります。

牧原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 この際、本案に対し、山内康一君外二名から、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブの共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。

    ―――――――――――――

 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

後藤(祐)委員 ただいま議題となりました情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 政府原案の方向性には賛成をしておりますが、社会課題の迅速かつ柔軟な解決、持続的な経済成長の実現のためには、個人情報の保護やデジタルデバイドに配慮しながら、より一層のデジタル化を進めることが必要であると考え、本修正案を提出した次第であります。

 以下、本修正案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、基本原則として、「情報通信技術を活用した行政の推進は、個人情報の保護に十分配慮するとともに、個人の権利利益が害されることのないように配慮して行われなければならない。」との規定を追加しております。

 第二に、法令に基づく申請に際し省略できる添付書面等に、マイナンバー法別表第二の第四欄に掲げる特定個人情報が記載された書面等が含まれることを明記するとともに、地方公共団体が条例等に基づく手続をオンラインで行う場合においては、法令に基づく申請の場合と同様に、特別な事由がない限り、添付書面等を省略するとの規定を設けました。これに伴い、行政機関等又は地方公共団体が添付書面等の省略のために特定個人情報を入手し、又は参照することができるよう、特定個人情報の提供の制限に係るマイナンバー法の規定を改正しております。

 第三に、地方公共団体が行うデジタルデバイドへの対応に関する施策の例示として、「情報通信技術の利用のための能力又は知識経験が十分でない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができる機会の確保、当該援助を行うために必要な資質を有する者の確保及び配置」を明記することとしております。

 第四に、地方公共団体がオンライン化施策を講ずるよう努めるべき手続について、条例又は規則に基づく手続のほか、地方公共団体が行う施策の実施に関する指針、基準その他これらに類するものに基づく手続が含まれることを明記するとともに、地方公共団体によるオンライン化施策に対する国の支援措置について、これを努力義務から明確に義務づけ規定とし、その支援措置に技術的及び財政的援助が含まれることを明記しております。

 第五に、政府は、国民によるオンライン手続を促進するため、オンライン手続に係る手数料の費用効果分析の結果を踏まえた減額又は免除、オンライン手続の処理に際しての優先的取扱いその他の優遇措置を講ずるものとすることとしております。

 以上が、本修正案の趣旨であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

牧原委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。

塩川委員 私は、日本共産党を代表して、デジタル手続法案に反対の討論を行います。

 本案は、行政の手続や業務に用いる情報を紙からデジタルデータへと転換し、オンライン化を原則として、利便性の向上、行政の効率化を図るというものです。

 しかし、利便性向上というものの、障害者や高齢者などデジタルを使いこなすことが困難な条件や環境にある人、経済的事情でIT機器が利用できない人などへの具体的な対策は、デジタルに習熟せよと求めるものです。従来の書面、窓口での対面による手続がなくなっていくことによる利便性後退の懸念は拭えません。

 実際、マイナンバーカードの利用拡大を理由に窓口を廃止する自治体の事例もあります。住民にとって行政サービスが後退する事態が生じており、デジタル転換による行政の効率化を口実に、同じようなことが更に広がることになりかねません。

 今回の法案は、地方自治体に対して努力義務を課しています。この間、政府は、一番身近な行政サービスの窓口である自治体に対して、マイナンバーカード導入に伴うデジタル化や複数の自治体でシステムを共有し標準化する自治体クラウドの導入を推進してきました。

 自治体クラウドによって、システムに行政の仕事内容を合わせることが目的となり、自治体独自のサービスが抑制されている事態があることも明らかとなりました。地方自治体の多様性をなくし、自治体の自立性を失わせることは、住民の福祉の増進を図ることを基本とした地方自治体の住民自治、団体自治を侵害するものと言わなければなりません。

 さらに、行政手続オンライン化に必要となるマイナンバーカードについて、政府は、マイナンバーカードのICチップを使うときは暗証番号が必要になるから、ほかの人には使えないと宣伝しておきながら、暗証番号入力を要しない方式で利用できる方法を入れ込み、更に通知カードを廃止して、マイナンバーカードへの移行を促進しています。

 政府が幾ら宣伝しても、国民の不安は拭えず、利便性もないことから、普及率がいまだ一割という状況で、マイナンバーカード制度は失敗しているのは明らかです。

 マイナンバーそのものの問題点もさることながら、このようにして、国民にマイナンバーカードを押しつけるやり方はやめるべきです。

 以上、申し述べ、反対討論を終わります。

牧原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、山内康一君外二名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平将明君外四名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山内康一君。

山内委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を説明します。

 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。

    情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法による行政のデジタル化の推進に当たり、次の諸点について万全を期すべきである。

 一 情報の改ざん、漏えい、不正使用等が行われないよう、技術革新に対応したセキュリティー対策及び個人情報の保護その他の個人の権利利益の保護のための措置を講じ、業務の信頼性・安全性の確保を図ること。

 二 経済的事情によりパソコン・スマートフォン等の情報通信機器を所有していない者も、情報通信技術の便益を享受できるよう、必要な施策を講ずること。

 三 地方公共団体が、情報通信技術の利用のための能力等における格差の是正を図るため、当該能力等が十分でない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができる機会の確保、当該援助を行うために必要な資質を有する者の確保及び配置等の施策を講ずることができるよう、必要な支援を行うこと。

 四 地方公共団体が、行政のデジタル化の推進を図るため、条例又は規則に基づく手続のほか、当該地方公共団体が行う施策の実施に関する指針、基準その他これらに類するものに基づく手続についても情報通信技術を利用する方法により行うことができるようにするための施策を講ずるに当たり、必要な情報の提供その他の援助を行うこと。

 五 マイナポータルを使用する際に必要な個人番号カードの読み取りに対応したICカードリーダライタ又はスマートフォン等の普及に努めるとともに、多くの国民がその利便性を享受できるよう、制度の周知徹底を図ること。

 六 地方公共団体の業務において窓口における対面業務が市民と接する上で重要な機能を有していることに鑑み、このような機能が損なわれることがないよう配慮すること。

 七 行政運営の簡素化及び効率化により、行政機関等の職員の事務の負担が軽減されるよう配慮するとともに、行政のデジタル化の推進は、真に必要な行政分野にリソースを配分することにより、行政サービスの質の向上を図るものとなるよう十分留意すること。

 八 情報システム整備計画の作成に当たり、国民が情報通信技術を利用する方法により申請、届出その他の手続を行うことを促進するため、当該方法による手続に係る手数料の費用効果分析の結果を踏まえた減額、当該方法による手続の処理に際しての優先的取扱いその他の優遇措置を講ずるよう必要な検討を行うこと。

 九 国外に転出した者が、円滑に個人番号カード及び電子証明書を取得し、及び利用し続けることができるよう、在外公館において個人番号カード及び電子証明書の交付及び更新の事務を行うことについて検討を行い、関係府省が連携して体制の整備に取り組むこと。

以上です。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

牧原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。平井国務大臣。

平井国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

牧原委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

牧原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十八分散会


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