衆議院

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第19号 令和元年5月24日(金曜日)

会議録本文へ
令和元年五月二十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 牧原 秀樹君

   理事 平  将明君 理事 谷川 弥一君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 剛明君 理事 山内 康一君

   理事 大島  敦君 理事 岡本 三成君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      泉田 裕彦君    上杉謙太郎君

      大西 宏幸君    門  博文君

      金子 俊平君    神谷  昇君

      木村 哲也君    小寺 裕雄君

      佐藤 明男君    笹川 博義君

      杉田 水脈君    田野瀬太道君

      中山 展宏君    長尾  敬君

      西田 昭二君    本田 太郎君

      松野 博一君    松本 洋平君

      三浦  靖君    三谷 英弘君

      宮路 拓馬君    村井 英樹君

      今井 雅人君    大河原雅子君

      岡本あき子君    近藤 昭一君

      篠原  豪君    初鹿 明博君

      山川百合子君    浅野  哲君

      森田 俊和君    山岡 達丸君

      太田 昌孝君    佐藤 茂樹君

      清水 忠史君    塩川 鉄也君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 山本 順三君

   内閣府大臣政務官     長尾  敬君

   内閣府大臣政務官     安藤  裕君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   井野 靖久君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    北村 博文君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     秋本 芳徳君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           上田 洋二君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     城福 健陽君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 榊  真一君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局次長)            島  雅之君

   内閣委員会専門員     長谷田晃二君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     笹川 博義君

  岡下 昌平君     門  博文君

  高木  啓君     三浦  靖君

  松本 洋平君     田野瀬太道君

  三谷 英弘君     木村 哲也君

  山尾志桜里君     山川百合子君

  森田 俊和君     浅野  哲君

  塩川 鉄也君     清水 忠史君

同日

 辞任         補欠選任

  門  博文君     上杉謙太郎君

  木村 哲也君     三谷 英弘君

  笹川 博義君     池田 佳隆君

  田野瀬太道君     宮路 拓馬君

  三浦  靖君     佐藤 明男君

  山川百合子君     山尾志桜里君

  浅野  哲君     森田 俊和君

  清水 忠史君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     岡下 昌平君

  佐藤 明男君     高木  啓君

  宮路 拓馬君     松本 洋平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

牧原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官三角育生君、内閣府大臣官房長井野靖久君、警察庁交通局長北村博文君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長秋本芳徳君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、国土交通省総合政策局公共交通政策部長城福健陽君、国土交通省道路局次長榊真一君、国土交通省自動車局次長島雅之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金子俊平君。

金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党の金子俊平でございます。

 第十三委員室で質問させていただくというのは実は久々でございまして、十三委員室のマイクというのは少し高くなるものですから、私にとっては非常にありがたい部屋でありまして、改めて、この部屋を選んでいただきました理事の皆様方、また委員長にもお礼を申し上げます。また、きょう質問の機会をいただきましたことに御礼を申し上げさせていただきます。

 道路交通法の一部を改正する法律案ということで、一部を改正する。今回、参議院先議で、ある程度議論はもう参議院の方でも出ておりましたけれども、来るべき自動運転に備えての法律改正、そして携帯電話などの使用に関する厳罰化、この二つが今回の骨子なんだろうというふうに理解をしております。

 ここ最近、交通事故に関するニュースが本当に多く報道をされております。横断歩道で、歩行者が青信号の横断中にもかかわらず事故に巻き込まれて、命を失ったり、また大けがをする。非常に痛ましいなと思いますし、また被害者の御家族、被害者御本人の心情を察すると、本当につらい思いに駆られるところでございます。幼い保育園の園児が命を失うという、社会的にも非常に衝撃を与えた事故もございました。

 法律を改正することによって、また一部を直すことによって、こういった事故がちょっとでもなくなるのであれば、やはり我々の責任としてしっかりと法律は改正をしなきゃいけない。私自身もそう思いますし、今回質問させていただくに当たって、その観点から質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、自動運転と高齢者運転の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。

 参議院の審議の中で、七十五歳以上での免許の返納率は五・四%という数字が出ておりました。高齢者が起こした事故が大々的にニュースでも報道され、ゴールデンウイーク以降、返納者がふえているというふうに報道がありましたけれども、これは都会なのか地方なのか、はたまた都会だけなのか、わかりかねますけれども、返納を促すために、どのような今施策や対策を行っているのか、教えていただきたいというように思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 運転に不安を覚えている高齢者の方が運転免許証を自主返納しやすい環境の整備を図ることは、重要な課題であると認識いたしております。

 このため、都道府県警察におきましては、運転適性相談窓口を設けまして、高齢運転者御本人やまたその御家族に対しまして、安全運転の継続に必要な助言指導を行っておりますほか、自主返納の制度、また、自主返納された方に対する各種の支援施策についてもお知らせをいたしております。

 さらに、自主返納された方の申請によりまして、運転経歴証明書を交付いたしております。この運転経歴証明書でございますが、犯罪収益移転防止法施行規則上、本人確認書類と認められておりまして、金融機関の口座開設でありますとか不動産取引などにおきまして、身分証明書として用いられてございます。

 このほか、警察では、自主返納された方への支援につきまして、自治体また民間事業者に働きかけを行っております。その御理解をいただきまして、バスやタクシーなどの公共交通機関の割引、宅配サービスの割引など、さまざまな支援が行われているところでございます。

 引き続きまして、運転免許証を自主返納しやすい環境の整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 なぜ返納が進まないのか、なぜ返納をしないのか。私自身は、大きく三つ理由があるんだろうというふうに思います。

 今、そのうちの一番目の理由として、そもそも身分証明をするものがない。

 これは、以前の問題だったというふうに思っております。今、警察庁の方で御説明をいただきました。運転経歴証明書というものが発行され、また認知がされるに従って、そこの部分は一つハードルが下がったんだろうなというふうに理解をしております。

 そして、肝心なのは二つ目であります。

 私自身の選挙区は、日本で四番目に大きい選挙区ですけれども、それだけ人口密度が少ない選挙区でありまして、交通の便もよろしくない。そういった中で、やはり都会と違って、我々地方というのは、実社会を生きていく上でどうしても車から切っても切り離せない。

 これは、年齢的なこと一切関係なくでありますし、また、車の持ち台数というのも、基本的には一家に一台あるかないかという状況ではなくて、やはり免許を取れる年齢になったら一人一台というのが当たり前なんだろうなというふうに思います。

 三つ目の理由というのは、免許証を返して一体どういうようなメリットがあるのか、果たしてメリットはあるんだろうか。

 この二つ目、三つ目というのが、多分一番皆さんが気にかかるところなんだろうなというふうに理解をしております。

 そこで、お聞きをさせていただきます。

 地方の、特に公共交通機関が十分じゃない地域、やはり車がなければ買物にも病院にもどこにも行きづらいというような地域の皆様方に対して、返納者の人たちはどのような足を今後確保していけばよろしいのか、お考えがあれば教えていただきたいというふうに思います。

城福政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、高齢化の進展を踏まえれば、運転免許を返納された方、あるいは運転に不安を感じる皆さんが、みずから車を運転しなくても日常生活を過ごせることが重要であると認識しております。

 特に地方部におきましては、公共交通機関が減り、自動車を運転しなければ生活できないとの声も強くあり、こうした地域においても適切に移動手段を確保できることが大変重要、このように考えております。

 このため、私ども国土交通省では、日常生活の基盤となるバスや乗り合いタクシーの運行、こういったものに対する支援を始めとして、地域公共交通活性化法というこの枠組みを活用しながら、地域に最適な生活交通の実現を目指して、さまざまに取り組んでおります。

 また、生活交通サービスの選択肢を広げるという観点から、中山間地域などにおけます自動運転の取組、あるいは交通空白地域における自家用有償旅客運送の実施の円滑化、こういったものに総合的な対策ということで推進しているところでございます。

 こうした施策を通じまして、引き続きしっかりと、地方部も含めまして地域の生活交通の維持、確保といったことに取り組んでまいりたいと考えております。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、警察の方とも連携をして、また、返納したい方がスムーズに返納できるような仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。

 交通安全サポート車、略してサポカーと呼ばれているようでありますけれども、特に高齢者の方々が操作ミスをしてしまう、自動運転でいえばレベル2に当たる自動ブレーキ等の補助装置がついた車のことを指すようでありますけれども、今、その普及率について、またどのような動きがあるのか、政府の目標があれば教えていただきたいというふうに思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、高齢運転者による痛ましい交通事故を防止するために、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載しました安全運転サポート車、サポカーSでございますが、の普及促進に取り組んでございます。

 具体的には、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術の国際基準化、これを主導しまして安全基準の策定を検討すること、また、国際基準の策定に先立ちまして、衝突被害軽減ブレーキの性能を国が確認をし、その結果を公表する制度を創設することなどにつきまして、取組を進めているところでございます。

 このような中、衝突被害軽減ブレーキの新車の乗用車搭載率につきましては、二〇一五年で四五・四%であったものが、二〇一七年では七七%まで上昇してございます。

 国土交通省としましては、二〇二〇年までに衝突被害軽減ブレーキの新車乗用車搭載率を九割以上とする政府目標の達成に向けまして、引き続き関係省庁と連携して普及啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 自動車メーカーは、新車に関しては、特にサポカーの比率を高く市場に投入しているようでございます。一方で、既存車の対策としては、買いかえの促進など、どのように政府として普及を図っていくのか、また、今、かつてエコカー減税というものがありましたけれども、サポカーに関してはどのような取組をしていくのか、もしお考えがあれば教えていただきたいというふうに思います。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 サポカーの普及は、高齢化が進む日本にとって重要な課題であります。

 経済産業省では、サポカーポータルサイトの充実など、官民連携でさまざまな普及啓発を行っているところであります。

 また、先ほど国土交通省よりお答えいただいたとおり、サポカーに対するユーザーニーズの高まりも相まって、新車乗用車の販売に占める被害軽減ブレーキ搭載率、これは大きく上昇しており、今後も順調に推移するものと見込んでいるところでございます。

 また、今回の税制改正において、自動車税の恒久減税に加え、取得時の負担を一%軽減するなど、自動車の取得及び保有時の税負担、これを大きく軽減することとしておりまして、新車への代替を通じたサポカーのさらなる普及が期待できると考えております。

 このため、例えば、自動車購入に関心のある方々が見るインターネットサイトを通じた広報でありますとか、販売店等で活用可能なポスターの作成など、今回の税制改正による負担軽減策がしっかりとユーザーに伝わるように、官民連携で効果的な周知、広報、これを行っていきたいというぐあいに考えております。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、エコという観点からではなくてサポという観点からも、また、国民の皆さんが手にとっていただけるような制度づくりをしていただきたいというふうに思います。

 私の選挙区であります美濃加茂市におきましては、二十九年の四月から、高齢者先進安全自動車購入費補助金というのを市独自の制度でつくりました。自動車、これはあくまで新車が限定でありますけれども、自動ブレーキのついた車に関して購入補助をしております。対象は六十五歳以上ということで、一人一台当たり二万円ということでありまして、本来であれば、既存の中古車自動車を購入しても、若しくは後づけで自動ブレーキをつけた場合も補助の対象にしたいようでありますけれども、なかなか予算の都合上、そういうわけにもいかない。

 そういった中で、非常に、でも、話を聞いている限りでは、地元の皆さんにも好評だし、一方で高齢者を中心にニーズもあるという中で、全国的に見てそういうような取組をしている行政というのはほかにあるのかどうか、御存じであれば教えていただきたいというふうに思います。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 サポカーへの購入補助を実施している自治体についてでございますが、今回調査をし、把握できた限りではございますけれども、例えば、委員御地元の岐阜県の美濃加茂市のほか、香川県など、十程度の自治体が高齢者に対するサポカーの購入補助を行っているということを確認をしております。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、どのような、それぞれ地域間の需要や、問題点や、また課題点等々あるでしょうから、またいろいろ情報収集をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、質問をかえさせていただきまして、今回の法案において、レベル3についての法案になっています。自動運転に関しては、国土交通委員会で並行審議をしている道路運送車両法、レベル3とレベル4まで対象になっております。レベル4の対象となっている地域限定での無人自動運転移動サービス、これは、先般の参議院の審議でも、現行法内の道路使用許可という形で対応できるというふうな答弁がございました。

 道路交通法の新たな法制化は必要なかったという議論で解釈をさせていただきましたけれども、そういう整理でまずよろしいかどうか、教えていただきたいというふうに思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の道路交通法の改正は、いわゆるレベル3の自動運転に関する法制度の整備を行うものでございます。

 いわゆるレベル4の自動運転のうち、限定地域での無人自動運転移動サービスにつきましては、これまで、一都四県におきまして、遠隔操作型の自動運転の実証実験について、道路交通法の道路使用許可の制度により対応してきております。

 政府におきましては、二〇二〇年までに実現が見込まれる限定地域での無人自動運転移動サービスにつきましては、現在の実証実験の枠組み、これを用いるということで検討が進んでございます。

 いわゆるレベル4の自動運転でございますが、使用条件が満たされる場合に自動運転システムが全ての運転操作を実施するという点ではレベル3と同じでございますけれども、走行環境条件外となる場合においても運転者に運転操作を引き継ぐ必要がないという点で、レベル3と異なっております。

 すなわち、レベル4の自動運転は運転者の存在が前提とされないというものでございますが、実際のところ、それではどのような運行形態となるのか、また、車両等の安全基準はどのように定められるのか、さらには、その安全性の確認方法がどのようになされるのかというようなことが具体的に定まっておりません。これらの点に関する国際基準策定の見通しも、現時点では立ってございません。

 このような状況でございますので、いわゆるレベル4の自動運転につきましては、どのようなものになるか必ずしも明らかではない、安全性確保の方法が確立したとは認められないということでございますので、現時点では、交通ルールを法律で一律に規定するということは適当ではないと考えてございまして、先ほど申し上げましたように、限定地域での無人自動運転移動サービス、こちらはレベル4でございますが、現在実証実験も行われておりますので、その実用化も同じ法的枠組みで行ってまいるという考え方でございます。

金子(俊)委員 ありがとうございました。

 一点、ちょっと想定する場合を教えていただきたいんですけれども、今の御説明を聞かせていただいていて、高速道路の渋滞時にということでよろしいのかどうか、そして、そういうことは具体的に明記するのかどうか、お考えがあれば教えていただきたいというふうに思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 お尋ねの趣旨は、今回の道路交通法改正案におきまして、いわゆるレベル3の自動運転を認める場合、それが許される場合というのが高速道路で渋滞時ということでよいかという点だと考えておりますが、その点につきましては、道路交通法改正案においては、自動運行装置と定義しておりますが、このシステムを使用することができる条件については、「道路運送車両法第四十一条第二項に規定する条件」と、道路運送車両法を引用いたしております。そちらにおきましては、高速道路で渋滞するときといったような具体的な場面でありますとか条件に限定した規定とはなってございません。

 この走行環境条件につきましては、先ほど申し上げました道路運送車両法に基づきまして、国土交通大臣が、自動運行装置の種類ごと、すなわち車種ごとでございますが、に付するということになってございますが、他方、実際の面におきましては、当面、先ほど委員御指摘のように、高速道路上での低速時がその走行環境条件になるだろうと見込まれているところではございます。

金子(俊)委員 よくわかりました。ありがとうございました。

 今の答弁で二〇二〇年というキーワードを一つ賜りましたけれども、自動運転実現に向けて、米中含めて、世界各国で熾烈な競争をしているというのが、日々ニュースで拝見をするところでございます。

 我が日本でも、各地の公道で実証実験を進めていただいておりますけれども、これまでの実験の成果を含めて、その二〇二〇年という目標に向けて、我が国は、各国におくれをとることなく政府の目標を果たして達成できるのか、政府のお考えを教えていただきたいというふうに思います。

三角政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点でございますが、現在、世界のどの国でも実質的な自動運転がなされていないというふうに認識しておりますが、我が国は、官民ITS構想・ロードマップにおきまして、二〇二〇年に、自家用車による高速道路での自動運転、限定地域での自動運転移動サービスの実現を目指すという高い目標を掲げているところでございます。

 この目標の達成のためには、実際に公道において自動運転の実証実験を行い、その安全性や信頼性について検証することが重要でございます。

 このため、国といたしましては、戦略的イノベーション創造プログラム、いわゆるSIPと申しますけれども、これにおきまして、自動運転の社会実装を目指して、官民が一体となって、協調領域の技術開発、実証実験等に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、高度な自動運転に必要不可欠な高精度三次元地図に交通規制などの情報をひもづけるダイナミックマップ技術の開発を行っております。そして、東名、常磐道等の高速道のダイナミックマップを試作いたしまして、国内外の自動車メーカーなどの参加を得まして実証実験を行うことで、民間企業における、より実践的かつ効率的な自動運転技術の研究開発を促すなどの取組を行っているところでございます。

 また、各地の多様なニーズに応じるため、国土交通省の、道の駅等を拠点とした自動運転サービスや、経済産業省と国土交通省のラストマイル自動運転など、全国各地で実証実験を進めているところでございます。

 これらの中には、公共交通機関が減少し、移動手段の確保が困難になってきている中山間地域での移動支援を目的とした実証実験、高齢化したニュータウンでの移動手段の確保など、我が国の抱えている課題の解決に向けた実証実験も数多くございます。

 さらに、実証実験を通じて各地の住民の皆様に体験していただいたり、シンポジウムを開催したりするなど、社会的受容性の確保に向けた取組も行っているところでございます。

 こうした取組を着実に行うことによりまして、二〇二〇年の自動運転の目標を実現すべく、官民一体となって進めているところでございます。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 二〇二〇年の目標に向かって、まずは実証実験だろうというふうに思いますけれども、その実証実験をする上で、やはり、何か規制があって、それでやりづらくなってほかの国におくれをとるということがないように、またしっかりとした枠組みをつくっていただきたいというふうに思います。

 何よりも、役所が、行政側だけが頑張っても、民間が頑張っていただけなければ先がない話でありますし、一方で、民間だけが頑張ってもだめな話ですし、またオール・ジャパンという枠組みの中で引き続き頑張っていただければというふうに思います。

 実証実験という言葉が出ましたけれども、実は、先般、私の地元、郡上という地域でありましたけれども、実証実験を国交省の差配でしていただきました。

 そのときに、私も参加させていただきましたけれども、一番やはり皆さんが疑問に思ったのが、事故が起きたときに責任の所在がどこにあるのか、事故が起きたら責任は誰にあるのか。一番皆さんが疑問を持っていたことでございます。

 今回の法案では、走行中の作動情報記録装置の設置を義務づけてあるようでありますけれども、この装置にはどういう情報が記録をされるのか、そして、事故が起きた場合に関しては、原因がシステムにあるのか、運転者に起因するのか、それをどうやって判断をするのか、お聞きをしたいというふうに思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 作動状態記録装置に記録される情報の内容、また、自動運転車の事故が起きたときに、その原因がシステムであるのか、運転者であるのか、どう判断するのかという御質問だと存じます。

 御指摘の作動状態記録装置でございますけれども、これは、このたび改正されました道路運送車両法におきまして、自動運行装置の一部を構成するものとされております。したがいまして、自動運転車には必ずこの記録装置が備わっているということになります。

 作動状態記録装置に記録される情報が何かという具体的内容につきましては、道路運送車両の保安基準等において具体的に定められるということになります。

 その一方、今回の、私どもの御提案しております道路交通法の改正案におきましては、自動運行装置を備えた自動車の使用者に対しまして、作動状態記録装置の記録を内閣府令で定めるところにより保存しなければならないということといたしておりますので、例えば、自動運行装置が作動し始めた時刻、それが停止した時刻などの情報が、一定期間保存されるということになると考えております。

 したがいまして、自動運行装置を備えた自動車による交通事故が発生しました場合には、その自動運行装置の記録を確認することによりまして、自動運行装置が作動中であったかどうかという事故原因の究明を行う考えでございます。

金子(俊)委員 ありがとうございました。

 特に、ハードやシステムの高度化というのは、不断の整備が必要なんだろうというふうに思います。

 きょうも、朝、路上で検問をしているのを拝見させていただきましたけれども、特に、警察の皆さんが整備不良車を見つけるというのは、だんだん、3、4とレベルが上がっていくに従って非常に難しくなってくるんだろうなというふうに思います。

 自動運転中なのか人が運転をしているのか外観から判断ができるようになるのか、また、車に搭載をされていますセンサー、カメラ、自動運行システムの整備不良車というのは、そもそもどうやって発見をするのか。もし何かおわかりになることがあれば、教えていただきたいと思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 ふぐあいのある自動運転車を早期に発見して交通の安全の確保を図るという観点からは、御指摘のように、自動運転中であることが外部から確認できるということが望ましいと考えてございます。

 その一方で、自動運転中であることを外部に表示するということになりますと、その表示する機能が車両に組み込まれるということが必要となりますので、まずは、道路運送車両法を所管いたします国土交通省におきまして、また、自動運転車の国際的な基準づくりの議論、これらを踏まえまして検討されていると承知しているところでございます。

 その一方で、実務上の取締りということでございますけれども、こちらは、警察官が、信号無視あるいは最高速度違反などの道路交通法令違反を発見した場合には、その指導取締りを行うことになるわけでございますが、その際に、これが自動運転中であったということが判明した場合には、自動運行装置の整備不良だということで取り扱うことになってまいります。

 このように、違反の現認などを通じまして整備不良車両を発見するという点におきましては、従来からの車両の場合と今回の自動運転車の場合とで大きく対応が異なるものではないと考えてございます。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 時間の関係上、多分、最後の質問になろうかというふうに思いますけれども、もう一方の法律の趣旨であります携帯電話等の厳罰化に関して質問させていただきたいというふうに思います。

 法律の中で、熟読してもよくわからないのが、画像の注視という部分であります。

 説明を受けて、注視というのは二秒という御説明をいただきましたけれども、時速四十キロなら二秒で二十二メーター、六十キロで三十三メーター進むことになりますけれども、二秒をそもそもどうやって、見たというふうに判断をするのか。

 これは参議院でも議論をされていましたけれども、正直、取締りが非常に難しいんだろうなというふうに思いますけれども、今、どういう取締りをしているのか、まず教えていただきたいというふうに思いますし、現実に、携帯電話等を使用したことによって、どのぐらいの違反者が出ているのか、もし数字があれば、教えていただきたいというふうに思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 道路交通法第七十一条第五号の五におきましては、自動車等の走行中に、携帯電話などの無線通話装置を通話のために使用し、又はカーナビやスマートフォンなどの画像表示用装置に表示された画像を注視するということが禁止されております。

 注視の判断が難しいというお話でございますが、他方、罰則につきましては、無線通話装置を手で保持して通話のために使用する、また、画像表示用装置を手で保持して注視するという、手で保持することというのが罰則の要件とされております。

 こうした違反行為につきましては、そうした、手で保持している状況というものをそれぞれ、現場で警察官が見て確認する、また、必要があれば、携帯電話などの装置の使用履歴も確認するということで取締りを行うことになります。

 昨年中でございますが、この規定によりまして、現に約八十四万件の交通指導取締りを行っているところでございます。

金子(俊)委員 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

牧原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 道路交通法改正案について、自動運転の部分について質問をいたします。

 警察庁の方に確認をいたしますが、自動運転に当たって運転者が遵守すべき事項というのがどういうふうになるのか、この点について御説明をください。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 現行の道路交通法上でございますが、運転者が遵守すべき事項、すなわち義務でございますが、大別いたしまして、次のような類型に分類できると考えております。

 三つございます。一つには、安全運転の義務、制限速度の遵守義務、信号等の遵守義務、車間距離保持義務など、これは運転操作に関する義務でございます。二つ目には、このような運転操作に関する義務、これを安定して履行するための義務でございまして、これには、携帯電話使用等の禁止、また飲酒運転の禁止といったようなものが含まれます。三つ目でございますが、その他の義務ということでございまして、交通事故が発生したときの救護義務でありますとか運転免許証の提示義務などがございます。

 ところで、今回の道路交通法改正案でございますが、現在の自動運転の技術開発の状況などを踏まえまして、また、先般成立いたしました道路運送車両法の改正を受けまして、いわゆるレベル3の自動運転に関しまして、法制度の整備を行うものでございます。

 まず、今回の道路交通法改正の前提となっております改正道路運送車両法におきましては、自動運転のシステムであります自動運行装置については、国土交通大臣が付する走行環境条件内において、運転者の操縦に係る能力を代替するものである旨の規定がございます。

 そこで、道路交通法の改正案におきましては、新たな義務になりますが、この走行環境条件外において自動運行装置の使用を禁止するという規定を設けてございます。

 次に、今回の改正案が対象といたしますいわゆるレベル3の自動運転におきましては、たとえ自動運転中でありましても、運転操作を行うことができる運転者が従来どおり常に存在する、先ほど申し上げました自動運行装置の走行環境条件外となる場合には、システムから運転操作をその運転者が引き継ぐということが予定されています。

 言いかえますと、運転者は、自動運転中でありましても、走行環境外となった場合には、運転操作を適切に引き継ぐことができる状態を維持しなければならないということでございますので、その内実を意味いたしますところの、現行道路交通法第七十条の安全運転の義務でありますとか、冒頭に申し上げましたような飲酒運転の義務、交通事故のときの救護の義務など、現在の道路交通法が運転者に課しております義務、これらについては引き続き課していくということが適切でございます。

 そこで、改正案におきましては、そのことが明確となりますよう、自動運行装置を使用することも道路交通法上の運転に含まれるということを条文上明らかにしているところでございます。

 このほかに、今回の改正案では、改正道路運送車両法におきまして自動運行装置の一部を構成するものとして位置づけられました作動状態記録装置による記録とその保存についても、運転者等に義務づけることといたしております。

 その一方ででございますが、自動運行装置が適切に作動しているという状態におきましては、運転者が常に前方あるいは周囲の状況を確認した上でハンドル等の操作を行うことは必要でないということになりますので、改正案におきましては、携帯電話の使用、またカーナビ等の画像の注視を一律に禁止しております規定を適用除外とするということにしております。

 なお、その場合におきましても、走行環境条件外となる場合には、運転者は、運転操作を適切に引き継ぐことができる状態でいなければならないということでございますので、その点を改正案におきまして明示しているところでございます。

塩川委員 これまでの安全運転義務をしっかりと果たしてもらう。同時に、自動運転にかかわっては、使用条件外になった場合に適切に引き継ぐようにしなければならないということであります。

 そういったことを踏まえて、では、自動運転中にはどのような行為が認められるのか、その判断基準は何か。この点について説明をしてもらえますか。

北村政府参考人 お答えをいたします。

 お尋ねは、自動運転中に、運転操作以外でどのような行為が認められるのかという趣旨であると存じますが、自動車の運転中におきまして、運転操作以外の行為につきましては、現在の自動車の運転におきましても、例えば、本や新聞を読むですとか、同乗者と会話をするですとか、たばこを吸う、時計を見て時間を確認する、音楽を聞く、食事をするなどなど、多種多様なものがございますが、全ての行為について網羅的に列挙して、現在の自動車の運転において、これは許される、これは許されないと規定することはできないところでございます。

 またさらに、それぞれの運転操作以外の行為が道路交通法上許されるかどうか、すなわち安全かどうかということになりますが、それは、道路の状況でありますとか、自動車の性能に左右されるという面もございます。例えば、パワーステアリングを備えた自動車とそうでない自動車とでは、運転者に求められる運転操作の程度にも差があるだろうということでございます。

 これらのことがございますので、現行の道路交通法におきましては、第七十条におきまして、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と規定して、安全運転の義務を運転者に課しているところでございます。

 翻りまして、自動運転車の場合でございます。運転操作以外のどのような行為が認められるかということでございますが、ただいま申し上げました従来の自動車における考え方と同様、道路の状況、また、自動車の性能によって異なるということになります。

 したがいまして、従来同様、本や新聞を読むなど、ある特定の行為を類型化しまして、これを一律に、許容される、あるいは許容されないという説明をすることは、誤解を招くことにもなりかねず、適当ではないと考えております。

 しからば、どのように許される行為と許されない行為を判断するのかというお尋ねになりますが、今回の道路交通法の改正の対象としておりますいわゆるレベル3の自動運転につきましては、繰り返しになりますが、走行環境条件外となる場合には運転操作をシステムから適切に引き継ぐということが求められるものでありますので、特定の行為が、道路交通法第七十条、先ほど申し上げました安全運転の義務との関係で自動運転中に許容されるかどうかということは、この運転操作の引継ぎが適切にできる状態であるかどうかということを基準に判断してまいることとなります。

塩川委員 特定の行為の類型化は困難だ、使用条件や自動運行装置の性能によって異なるということを踏まえての話ですけれども、実際、使用条件外になったような場合に運転操作の適切な引継ぎができるかどうか、その状態についての判断というのが判断基準だという説明であります。

 ただ、居眠りをしていたり読書やスマホ操作に熱中をしていたりすることで運転操作の引継ぎ要請に気づかない、適切な引継ぎがきちっと行われない、そういう場合というのも想定されるんですが、そういうときにはどうなるんでしょうか。

北村政府参考人 走行環境条件外となる場合にはシステムからの引継ぎの要請があると申しますが、これは具体的にどういう形かと申しますと、一定の猶予時間を持ちましての要請が行われる、その要請は具体的には音ですとか光ですとか振動等によってドライバーに伝えられるということでございます。

 したがいまして、ドライバーの、先ほど申し上げました適切に引継ぎができるような状態ということでございますけれども、今申し上げました自動運行装置から発せられる引継ぎ要請、光ですとか音とか振動に確実に気づくことができるかどうか、また、これに気づいたときには運転者がハンドル等を適切に操作することができるかどうかということが具体の判断基準になります。

 そこで、お尋ねの、例えば居眠りをしているとかスマートフォンに没頭しているというような場合でございますが、居眠りしている場合ももちろんでございますし、先ほど申し上げましたようなシステムからの引継ぎ要請に応えられないほど、読書でも構いません、スマホでも構いませんが、に没頭しているという場合には、適切に運転操作を引き継ぐことができないということがあり得ます。その場合には交通の危険が生じるということがあり得るわけでございまして、そうした場合には、先ほど申し上げました安全運転の義務に反するということにはなります。

 他方で、だから事故が起きていいということにはならないのでございまして、もちろん自動運行装置からの引継ぎ要請に運転者が適切に対応できるように、自動車の運行装置ごとの使用条件、性能や運転上の留意事項につきましてはきちんと教えていく、指導していくということではございますが、それでも、なおかつ居眠り等によりまして引継ぎ要請に応えなかったという場合を考えますと、こちらは、昨年九月に国土交通省自動車交通局が策定いたしました自動運転車の安全技術ガイドラインにおきましては、そうした場合におきましても安全性を確保するため、すなわち運転者に運転操作が引き継がれない場合におきましては、車両を自動で安全に停止させる装置、ミニマル・リスク・マヌーバーと呼んでおりますが、これを設定するということが自動運転システムの要件として記載されておりますので、今後、適切な引継ぎが行われないという場合には、その自動運転車は安全に停止するという形での車両性能が求められていくものと考えてございます。

塩川委員 自動運転中に運転者が居眠りをしたり、システムからの引継ぎ要請に応えられないほど読書やスマホに没頭している場合には、これはそもそも安全運転義務に違反をする、そのことにより、道路交通法上、禁止をされるということであります。

 大臣にお尋ねいたします。

 そうであれば、安全運転義務違反の典型であるながらスマホについて、今回の法改正で自動運転の場合は容認するというのは、これは不適当ではないのかと考えますが、大臣の御答弁をお願いいたします。

山本国務大臣 お答えいたします。

 近年、携帯電話使用等に起因する交通事故が大変増加傾向にございます。また、携帯電話使用等による交通事故が死亡事故となる割合は、交通事故全体に比べ約二倍高く、携帯電話使用等の危険性は高いものであるというふうに認識をいたしております。

 さらに、スマートフォン用ゲームアプリを使用しながら自動車を運転したことに起因する死亡事故が発生するなどしたことをきっかけにいたしまして、被害者の御遺族や各自治体から、携帯電話使用等に対する罰則の強化を求める要望を受けているところでもございます。

 このような点に照らしながら、携帯電話使用等は交通事故防止の観点から対処すべき重要な課題と認識をいたしておりまして、このたびの道路交通法改正でも罰則を強化することとしているところでございます。

 他方で、自動運行装置、これを適切に使用して自動車を運転する場合には、運転者が常に前方や周囲の状況を確認しハンドル等の操作を行うことが不要となるため、携帯電話の使用やカーナビ等の画像の注視を一律に禁止しなくとも安全上の問題はないものと考えております。

 したがいまして、同じ改正法案において、罰則を強化する一方で、携帯電話の使用等を許容することといたしました。それは、それぞれの根拠に基づくものでございまして、特段の問題はないというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、自動運転中の運転者も、先ほどあったように安全運転義務を負っておりまして、走行環境条件外となる場合には運転操作を適切に引き継ぐことができる状態でいなければ携帯電話の使用等はしてはならない、そういったことをよく理解していただくことが極めて重要であるというふうに思っております。

塩川委員 特段の問題はないという御指摘ですけれども、しかし、今回の法改正で罰則を強化するとしているながらスマホについては、今御答弁にありましたように、交通事故防止の観点から対処すべき重要な課題であります。そういうときに、他方で、自動運転という条件のもとではありますけれども、このながらスマホを容認する改正を行うというのは、ドライバー、国民の皆さんに誤った理解を生じさせることにつながるのではないのか。その点を懸念するわけですが、この点についてはいかがですか。

山本国務大臣 今ほど御指摘のとおり、二つの、いわば、罰則を強化するということと、それから、一方では、カーナビ等の注視を一律に禁止しなくとも安全上問題ない、一見、相反するというふうに見えますけれども、先ほど申し上げたとおり、それぞれのいわゆる根拠に基づいて今回法改正をするところでございまして、我々といたしましては、特段問題はないというふうに考えているところでございます。

塩川委員 ながらスマホについてというのはそもそも安全運転義務違反の典型であるわけで、その場合に、この場合とこの場合を使い分けるような対応というのは、国民に誤解を招くようなものとなる。ふさわしくやはり対処すべき、国民、ドライバーの理解を求めるという点でも、これについて容認するというわけにはいかないということを申し上げておきます。

 レベル3の自動運転の解禁となる本法案の背景には、安倍総理による二〇二〇年までの実用化発言があります。国際的にも結論が出ていない安全面での課題が残されております。安全性の確保が置き去りにされているのではないかと危惧するものであります。拙速な対応を改めるべきだということを申し上げたい。

 その上で、関連して、子供や高齢者など歩行者を守る交通安全対策を進めるための予算措置についてお尋ねをいたします。

 警察庁の方に確認ですが、生活道路や交差点での交通事故が相次いでおります。道路交通安全対策の予算措置はどうなっているのかを確認したいと思います。

 交通安全施設等整備事業、国庫補助事業と地方単独事業がありますけれども、これがどんな事業なのかについて簡単な御説明をしていただきたい。あわせて、その予算額の推移、五年刻みぐらいで結構ですから、お答えください。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、交通安全施設等整備事業の枠組みということでございますけれども、こちらは、交通安全施設等整備事業の推進に関する法律という法律におきまして、都道府県公安委員会が行う事業、それから道路管理者が行う事業が掲げられております。

 都道府県公安委員会が行う事業といたしましては、信号機、道路標識、道路標示、交通管制センターの設置が定められております。

 国家公安委員会及び国土交通大臣におきましては、道路における交通事故の発生状況、交通量等の事情を考慮して定める基準に従いまして、特に交通の安全を確保する必要があると認められる道路を指定いたしまして、その道路における交通安全施設等整備事業に要する費用を負担し、又は補助をするとされてございます。

 お尋ねの、この枠組みに従ったところの国の補助事業の推移を、五年置きということでございますので、平成十年以降で申し上げますと、平成十年度が約四百五億円、平成十五年度が約三百五十億円、平成二十年度が約四百六十七億円、平成二十五年度が約三百七十二億円、平成三十年度が約三百八十九億円という、これは事業費ベースでございますが、額となってございます。

塩川委員 地方単独事業の予算についても同様に説明いただけますか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 交通安全施設等整備事業の地方単独事業の予算でございますが、平成三十年度におきましては約五百四十億円となってございます。先ほど申し上げました、平成十年度が約九百七十億円でございましたので、この二十年間で見ますと約四四%の減少という金額になってございます。

塩川委員 資料を配付させていただきました。一枚目に、交通安全施設等整備事業費の推移ということで、補助事業と地方単独事業について分けてあります。今御答弁いただいた数字がここにも出てくるわけです。

 こういった数字を見ても、国庫補助事業は直近の十年間を見ると大きく減らしているんですけれども、これはどういう事情なんでしょうか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 都道府県公安委員会が行います交通安全施設等整備事業、これに対する国の補助の予算につきましては、十年前と比較いたしますと減少しているところでございますが、厳しい財政状況の中、さまざまな社会情勢の変化を踏まえつつ、必要な予算の確保に努めているところでございまして、この二年間では増加しているところでございます。

 中でも、平成二十七年度を初年度といたしております現在の社会資本整備重点計画におきましては、老朽化した信号機の更新につきましても重要施策とされまして、これに要する経費についても補助しているところでございます。

 交通の安全と円滑を図るために、警察庁といたしましては、都道府県公安委員会が交通安全施設等を適切に整備できるよう、必要な予算の確保に引き続き努めてまいります。

塩川委員 信号機の老朽更新は当然必要な措置であります。でも、それを除いた場合に、これは減っているんじゃないかという懸念があるわけですよね。新設の場合なんかはどうなのか、そこに本当に必要な予算の確保はされているのか、そういう懸念があるんですが、そこはどうですか。

北村政府参考人 私どもといたしましては、厳しい財政状況の中、さまざまな社会情勢の変化を踏まえつつ、必要な予算の確保に努めているところでございます。

 具体的な社会情勢といたしまして、例えば補助について定めております交通安全施設等整備事業の促進に関する法律、先ほど申し上げました法律の枠組みにおきましては、自動車等の一日当たりの交通量でありますとか、特定の地区の面積当たりの交通事故の件数でありますとか、小学校、保育所等の施設の設置状況などを勘案して補助をするという枠組みになってございます。

 また、交通違反をした場合の交通違反の反則金を原資といたします交通安全対策特別交付金等に関する政令におきましては、そのお金を都道府県、市町村の交通安全施設の整備に用いることとなっておるわけでございますが、その交付基準は、交通事故の件数でありますとか、人口集中地区の人口でありますとか、あるいは改良済みの道路の延長というようなものを根拠に、対象として配賦するという計算式がございますが、こうした交通量でありますとか、交通事故の状況でありますとか、道路延長でありますとかそういうものを勘案しながら、必要な予算の確保に努めているところでございます。

塩川委員 老朽更新は必要だ、その予算の確保、これはわかります。それを除いた場合に、新設などの対応がどうなっているのか、あるいは改修などの措置がどうなるかという説明がありませんでした。これは、きちっと分析する必要があると考えます。

 それで、地方単独事業についても、答弁で、平成十年と平成三十年を比較をすると四四%減少と、大きく減っているわけです。これはどういう理由なんでしょうか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 地方単独事業の予算が減少している要因につきましては、地方公共団体におけます財政状況でありますとか、先ほど例示させていただきましたような社会情勢の変化というものが挙げられると考えておりますけれども、こちらは、地方公共団体それぞれの個別の事情もあると考えておりまして、はっきりとその要因を申し上げることは困難でございます。

 いずれにいたしましても、各都道府県においては、交通安全施設等の整備に必要な予算の確保に努めているものと承知いたしております。

塩川委員 東京都の交通安全施設整備の予算、決算がどうなっているのかを、二枚目、三枚目につけました。

 二枚目には、平成二十九年度の主要施策の成果ということから出ているんですが、こういった交通信号機や道路標識、道路標示の整備についての予算現額と決算額を比較をしていますけれども、これは執行率が七〇%なんですよ、右上の方を見ていただくと数字がありますけれども。あるいは、交通信号機の新設、予算上は五十八カ所なのに、決算では三十九カ所と大きく少ないんですよね。それを経年で示したのが三枚目の資料で、東京都の交通安全施設整備に関する事業費の推移を見ていただくと、二〇〇九年度以降の数字で、交通安全施設整備費、執行率のところだけ見ていただくと、八割台、七割台なんですよ。

 何でこんなに、いつもいつも執行率を低いままにとどめているのか。信号機の新設の要望というのは、都道府県の議員をされている方なんか、一番の要望の眼目がこの信号機の新設でありますけれども、これは、予算上やっているものも、こなしていないんですよね。これが単年度じゃなくて、毎年のようにそうなっている。何でこうなっているのかについて、どういうふうに受けとめておられるんですか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 東京都、警視庁におきます交通安全施設予算の執行状況につきましては、先ほど委員お示しの資料のとおりでございまして、昨年、平成二十九年度について言いますと、百六十一億円の事業予算に対して約四十八億円の不用額が発生しているということでございます。

 このような不用額が発生いたしました理由といたしましては、入札を行ったものの不調となった、道路改良工事がおくれて入札できなかったなどの理由があるというふうに聞いております。具体的には、労務単価の上昇等による入札の不調がありましたほか、下半期に多くの発注を行ったということが不調の要因の一つにもなっているということでございまして、この状態を放置するということは許されないだろうと考えております。

 警視庁におきましては、先ほど申し上げましたように、下半期に多くの発注を行っているということが不調の要因の一つと考えておりますことから、債務負担行為の導入、すなわち、工事の完了、支払いが翌年度以降になるという枠組みの導入でありますとか、予算の早期執行、計画的な執行を行うことによりまして、不用額は改善される見込みであるというように聞いてございますが、いずれにいたしましても、引き続き不用額の削減に取り組んでいく必要があると考えてございます。

塩川委員 ですから、こういう状況がずっと十年も続くということは、このままでいいのかというのは、現場で事故もある、要望もある、それに応えられていないという状況が続いているということについて、やはり国としてもしっかりと見ておく必要があるんじゃないのかということを申し上げ、最後に大臣にお尋ねいたします。

 このように、国庫補助事業も減り、地方単独事業も減り、そしてその執行状況も必ずしも一〇〇%執行するような状況にない、七割、八割台という東京都の状況も紹介をいたしました。前回、音響式信号機の設置状況について、一割しかない、これについて、努力したいという大臣の答弁がありましたけれども、ぜひともこういった、しっかりと予算確保に努めて、その責務を果たせるように努力したいとお答えいただいた、そういうことを踏まえて、こういう状況についてどう受けとめておられるのか。その上で、生活道路の交通安全対策の予算措置を抜本的に拡充すべきではないのか。その二点について大臣からお答えをお願いしたい。

山本国務大臣 警察といたしましては、交通の安全と円滑を図るため、必要な信号機それから道路標識、道路標示等の交通安全施設等の整備を適切に推進する必要があるというふうに考えておりまして、近年の厳しい財政状況の中でございますけれども、必要な予算の確保に努めているところでございます。

 今ほど、議員の方から、東京都のこのような事業費、不用額がふえているというような資料をいただきました。これは、我々としても重く受けとめていかなければならないというふうに思っておりますけれども、いずれにいたしましても、今後とも交通安全施設等整備事業に必要な予算の確保に努めてまいりたいと思いますし、それが交通事故の撲滅につながるような努力をしてまいりたいというふうに思っております。

塩川委員 生活道路の交通安全対策を抜本的に強化する、そのことを求めて、質問を終わります。

牧原委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 本日は、道交法の改正に対する質疑ということでありますが、これまでも議論されておりますとおり、この法改正によりまして、今後、レベル3の自動運転が国内で可能になる、そんな内容になっております。

 私も、国会議員になる前は、民間企業の研究職として、車両にもかかわる技術開発を担当させていただいたことがあるんですけれども、本当に日本国内、海外もそうですけれども、国内の技術開発の現場では、海外に引けをとらないように懸命な技術開発が行われてまいりました。その現場も見てまいりまして、その現場の方々の熱意たるや、物すごいものがありました。

 ただ、最終的にはこの法案というものが最後のフェーズゲートになりまして、これがクリアできないと、技術者が開発した技術も市場に出ていかないということで、本日、この法案の中身、しっかりと議論をさせていただいてよりよいものにしていく、そんな決意のもと質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、最初の質問ですけれども、自動運転というのは、人の運転と比べて、より安全で円滑な運転を実現することができることと期待がされております。それによりまして、我が国で生じている道路交通に関するさまざまな課題を解決することが期待されるわけですけれども、先般、記憶にも新しいと思いますが、五月の上旬、路上を散歩中の幼稚園児の列に車両が突っ込んでたくさんの子供たちが犠牲になった、そして大人たちも犠牲になった、そんな痛ましい事案がございました。こういった交通事故を撲滅するためにも、より一層行政と産業界の連携というのが重要になっていくというふうに思っています。

 また、この自動運転は、事故の撲滅以外にもさまざまな効果を発揮するというふうに認識をしておるんですが、まず最初、この自動運転による効果にどのようなものがあるのか、その見通しについて、政府の見解をお伺いしたいと思います。

三角政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転の実現に向けましては、IT総合戦略本部におきまして官民ITS構想・ロードマップを取りまとめておりまして、自動運転の実現目標と、それに向けた取組を定めております。その中で、自動運転により実現する社会像としまして、主に四点を示しております。

 まず、事故の削減や渋滞緩和等により、より安全かつ円滑な道路交通社会の実現。二番目に、きめ細かな移動サービスを提供する、新たなモビリティーサービス産業の創出。三点目に、自動運転車を使用した移動サービスや物流サービスによる日本の地方再生。四点目に、世界的な自動運転の開発競争に勝ち、日本の自動車関連産業が引き続き世界一を維持する。

 このように、自動運転は、これからの日本における全ての人々にとって、新しい生活の足や新しい移動手段、物流手段を生み出す移動革命を起こし、多くの社会課題を解決して我々に豊かな暮らしをもたらすものとして、大きな期待が寄せられております。

浅野委員 どうもありがとうございます。

 自動運転が実現することによって、事故の撲滅や渋滞緩和、そして新たな産業の創出や物流の効率化、いろいろな効果があるということが今ありましたけれども、やはり、国民の視点からすれば、直近の、先ほど触れたような交通事故、これがどのくらい減るのか、その見通しについて興味を持っている方が多いと私は感じていますので、特に交通事故の削減に対して、もう少し具体的な効果の見通しといったものを御説明いただけますでしょうか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 交通死亡事故について見ますと、昨年も三千五百件ほど発生いたしておりますが、その中を見てまいりますと、自動車等の運転者に主たる原因があるというものが約九割を占めてございます。

 このように、交通死亡事故の多くが運転者によるヒューマンエラーというものに起因していることを踏まえますれば、安全で、かつ道路交通法を始めとする交通法規を確実に遵守する自動運転車が普及することによりまして、交通事故の減少が確実に期待できるものと考えてございます。

浅野委員 昨年発生した死亡事故の九割以上がヒューマンエラーによるものだということで、その一点を考えましても、この自動運転、本当にしっかりしたシステムであれば死亡事故のかなり大幅な減少につながるのではないかと、私も期待をしているところでございます。

 続きまして、この法案の具体的な中身に入ってまいりたいと思いますが、やはり、今議論させていただいたような将来の日本の社会、経済、こういったものを実現するためには、この自動運転がどのような環境で使用できるのか、これに関する理解を国民としても深めていかなければいけないというふうに思います。

 やはりこのテーマについては、四月十一日の参議院の内閣委員会でも同じような質問がやりとりされておりまして、その際、政府の答弁としては、自動運転がいつ使用できるのかという条件については、車種ごとに政府が定めるというような答弁がされたというふうに記憶をしてございます。

 ただ、車種ごとにばらばらな要件となりますと、大変国民としては理解しがたい、産業界としても大変理解が難しくなってくると思いますが、よくよく事務方の話を聞くと、車種ごとに異なるんだけれども、大もとの、全ての車が満たさなければいけない所定の安全基準というものがあるんですという話でございました。

 この所定の安全基準について、政府の説明を求めたいと思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 道路運送車両法におきまして、車両は、保安基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならないということとされてございます。

 具体的には、車両の安全性の確保及び環境の保全のために、その構造、装置、性能につきまして、国が定めます最低限度の技術基準として満たすべき要件を、ブレーキでございますとかハンドルでございますとかライトなどの装置ごとに規定してございます。

 今般の道路運送車両法改正におきましては、レベル3、4の自動運転車につきまして、自動運転の安全性を担保するために、保安基準対象装置に、運転者にかわり、自動車の運転操作、具体的には、認知をし、予測をし、判断、操作をする、こういった自動車の運転操作を実施する自動運行装置を追加するという措置をさせていただいてございます。

 自動運行装置に係ります道路運送車両法に基づく保安基準の具体的な内容は、今後、省令等で規定することになりますが、走行環境条件内におきまして、自車の搭乗者、歩行者や他車に危険を及ぼすおそれがないこと、走行環境条件で作動しないこと、走行環境条件を外れる場合には、運転者に運転引継ぎの警報を発しまして、引き継がれないときには安全に停止すること、といった規定を設けることを予定としてございます。

 また、この自動運行装置の基準につきましては、日本も加盟します、自動車の安全基準の国際調和を図ります場でございます、国連の自動車基準調和世界フォーラム、WP29と申しますが、におきまして、国際基準の議論も行われてございまして、国土交通省としましては、この場において積極的に提案を行うことによりまして、早期の国際基準の策定を働きかけているところでございます。

浅野委員 つまり、整理をいたしますと、これまで、従来、全ての車両に求められてきた装置ごとの基準というものの中に、自動運転装置というのも新たに追加されて、その装置に対する基準が今回追加されるということでよかったですね。

 最後、触れていただきましたけれども、WP29ですか、国際的な安全基準にもしっかりのっとる、これはもう大前提であろうかと思いますけれども、言うまでもなく、日本国内の自動車産業というのは、国内の経済を支える非常に根幹をなす重要な産業でございますので、今後、世界への展開あるいは世界水準との調和といった部分については、強い意識を持ってその整合を図っていただきたいというふうに思います。

 続いての質問に移りますが、こちらも四月十一日の参議院の方で議論をされた内容でございますが、自動運転をいつ、どのような環境で使用できるのか、これをドライバーの方にしっかり周知しなきゃいけない。その周知の方法について議論させていただきたいと思います。

 参議院での答弁の中を見ますと、メーカー等を通じて販売店などに働きかけをしますと。それによってドライバーの方々に周知徹底を図っていくという、かなりざっくりした答弁だったんですけれども、この内容を受けて、現場の販売店、販売店業界の方の声を聞けば、丸投げされても困る、店舗によって、どこまで説明するのか説明内容が異なれば、ドライバーごと、買った店舗によって理解度が変わることになりますし、そういうのはやはり望ましくないだろうと。

 そこで、やはり、より具体的なガイドライン、指標といったものを政府には期待しているということでありますが、その点を踏まえて、改めて、使用者に周知徹底する方法について伺いたいと思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転の安全性を確保するためには、先ほど申し上げました自動運行装置の安全基準の策定に加えまして、自動運転車のユーザー及び周囲の交通参加者への、その機能について正しく理解させることが必要だと考えてございます。

 レベル3及び4の自動運転車につきましては、今般の改正によりまして、自動運転の安全性を担保するために、その性能に応じまして、自動運行装置が使用可能となる速度、ルート、天候、時間などの走行環境条件を国土交通大臣が付すということとしてございます。

 加えまして、レベル3の自動運転車につきましては、システムによる運転の継続が困難になった場合に、運転者に運転の引継ぎが必要になってございます。国土交通省では、自動運転の早期実用化に向けまして、保安基準が策定されるまでの間においても安全な自動運転車の開発を進めるため、自動運転車の安全技術ガイドラインを昨年九月に策定しました。

 この自動運転車の安全技術ガイドラインにおきましては、自動車販売店などは、自動運転車の使用者に対しまして、平易な資料等を用いてこれらの作動条件を周知し、さらに、使用者が理解することができる措置を講じることとしてございます。

 私どもとしましては、関係省庁とも連携しまして、引き続き、自動車メーカーなどに対しまして、販売店を通じました周知徹底やオーナーズマニュアルへの記載等について働きかけてまいりたいと思っておりますし、さらに、関係省庁と連携をしまして、自動運転の技術に関しますシンポジウムの開催でございますとか、広報、PRや、試乗会の一層の展開、これらによりまして、国民の理解や社会受容性の向上に努める取組を着実に実施してまいりたいと考えてございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 答弁の中にありました、平易な文書を用いて説明をするということなんですが、前回の参議院よりも少し具体的な答弁をいただきましたけれども、現場の方々が、実際、販売店で既にやられている事例を一つ御紹介しますと、例えば、最近、カメラが車両に搭載されていまして、それが前方の障害物を探知して、いざというときに急ブレーキをかける、そんな新しい機能が搭載されている車も流通をしてございます。こうした車両の場合、あるメーカーでは、事前に点検記録簿、全ての車両に記録簿は載っているはずですけれども、この点検記録簿のところに、この車はこういうときにこういう動作をしますよというのが書いてありまして、そこを、納車するときに販売店の方と購入者の方で一緒に確認をする。一緒にチェックをして、最後、サインをもらって、そのサインの控えを両者保存する、そんな取組をしているそうであります。

 自動運転の車というと、今申し上げたようなカメラつき、急ブレーキ機能つきの車とは一段階も二段階も高度なシステムになりますので、当然ながら、一緒に確認をする、そして、確認したという事実をしっかり両者記録するということが大事になるんじゃないかなというふうに思います。

 したがいまして、これは大臣にも一言御見解を伺いたいんですが、既にこういう事例もありますので、確実に、ドライバーが知るべきことを知ったということを一緒に確認して記録を残す、こういったところまでしっかり、ガイドラインか何らかの指標で示していただきたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 自動運転車を使用する方に対して、自動運行装置を使用する場合の安全確保上の注意点を周知徹底すること、これはもう極めて重要でありますし、当然やらなければならないことであるというふうに認識をいたしております。

 先ほど、販売店の取組について国交省からも答弁がございましたけれども、警察におきましても、運転者に自動運行装置を適切に使用していただくため、国土交通省ともしっかり連携をしまして、自動運行装置の性能、それから運転上の留意事項などについて、販売店や自動車メーカーがしっかり説明するように求めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

浅野委員 ぜひ、その求めていく内容に、今のような要素を盛り込んでいただきたいと重ねてお願い申し上げます。

 では、次の質問に移ります。

 次の質問は、今回、レベル3の自動運転を想定した場合、ある特定環境下では携帯電話などの操作をしてもいいという条件の緩和がございますけれども、ここについて政府の見解を求めたいと思います。

 やはり、先ほど、政府の資料によれば、携帯電話などを使用していると、死亡事故につながる可能性が、使用していないときと比べて約二倍になるというデータもございますし、今回、そもそも、自動運転というのが初めて導入されるわけでして、先ほど答弁にもありましたが、いざとなったときにドライバーに運転が返ってくることも想定されるわけですね。ですから、携帯電話の使用などに対しては極めて抑制的であるべきだと私は思っております。

 そこで、なぜ今回、携帯電話などの使用を禁止しなかったのか、しなくてもいいと考える理由について答弁をいただきたいと思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 自動車の運転者には、道路交通法第七十条によりまして、安全運転の義務が課せられております。これは、常に前方や周囲の状況を確認し、ハンドル等の操作を確実に行うことによりまして、他人に危害を及ぼさないような方法で運転しなければならないということでございます。

 携帯電話とカーナビゲーションにつきましては、その普及によりまして事故が増加したということがございまして、平成十一年の道路交通法改正によりまして、運転中の携帯電話使用等を禁止する規定が設けられたところでございます。

 この規定でございますが、携帯電話を使用する、カーナビ等の画像を注視するというようなことが、先ほど御説明申し上げました安全運転の義務の履行を困難にするということで、安全運転の義務に上乗せして一律に禁止するとしたものでございます。

 他方、自動運転中、すなわち、自動運行装置を適切に使用して自動車を運転する場合でございますけれども、この場合には、自動運行装置が、道路交通法令に従って自動車を運行させることになります。

 自動運行装置が作動している状態におきましては、運転者が常に自動車の前方、周囲の状況を確認する、その上でハンドル等の操作を行うという必要はございません。そこで、このような場合には、安全運転の義務に上乗せして携帯電話使用等を一律に禁止する事由がないということになるものでございます。

 なお、いわゆるレベル3の自動運転では、国土交通大臣が付した走行環境条件の外に出る場合には、運転者がシステムから運転を確実に引き継ぐ必要がございます。そこで、先ほども大臣の御答弁にもございましたが、改正案におきましては、この走行環境条件外となる場合に、運転者が直ちに運転操作を引き継ぐことができる、そのような状態にいる場合に限りまして、携帯電話使用等の禁止の規定を適用しないということにしているところでございます。

浅野委員 要するに、いつでも自分の運転に切りかえられるように注意しておいてくれれば、あとは、基本的には自動運転装置が運転してくれるんだから、使ってもいいよということなんでしょうけれども。

 私が言いたいのは、やはり、そうはいっても、レベル4、レベル5であれば、特定の環境下では自分が運転することがないというふうにドライバーが認識をしますので、今のような考え方でもいいと思うんです。ただ、今回はレベル3なので、いつ自分のところに運転する必要が返ってくるか、ドライバー自身も予測ができないわけですよね。ですから、レベル4、レベル5であれば今の説明でも一定の納得ができるかもしれないんですが、やはり、レベル3においては極めて抑制的であるべきだと私は思うんですね。

 ですから、ちょっと今、ちまたの新聞などのメディアを見ても、この携帯電話の使用に対してはどうなんだろうかという意見も見受けられます。ということは、やはり多くの国民の皆様が、ああ、レベル3、自動運転をしたときには携帯を使ってもいいんだ、自由に使えるんだ、やった、そんなふうに思ってしまうことも想定されますから、極めて抑制的であるべきだというこの政府の姿勢は、ぜひとももっと強く出していただきたいと思います。その運用面については今後詳細を検討されていくんだと思いますが、ぜひこの観点、考慮していただきたいというふうに思っています。

 では、続いての質問に移りますが、今度は、ドライバーではなく、周囲にいる人たちの立場に立ったときの議論になります。今回、限定された環境ではありますけれども自動運転が可能になった場合、周囲の人に対してそのことをどうやって知らせるのかという議論であります。

 当然ながら、自動運転システム自体は安全が確認されたものが市場に出ますから、予測しない動作をするとか、そういったことは極めて抑制されるのではないかというふうには思うんですけれども、とはいえ、初めて自動運転車両が世に出るわけですから、周囲のドライバーに対して、あるいは周囲の歩行者等に対して、何らかの形で自動運転中である旨を通知する手段、これを設けるべきではないかというふうに思っておるんですが、この点について、政府の検討状況あるいは考え方等について答弁をいただきたいと思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 自動運転におきましては、運転者は前方あるいは周囲を見ていなくてもよいということ、極端なことを言いますと、脇見をしているということは問題にならないということになってまいりますと、他の交通主体の方々がそれを見たときに不安を覚えるということも考えられるわけでございまして、このような、他の交通主体に与える不安の解消という点からは、自動運転中であることが外部から確認できるようになることは望ましいと考えてございます。

 実際に自動運転中であることを外部に表示する場合には、その表示する機能が車両に組み込まれるということが必要になりますので、その場合には、道路運送車両法あるいはその下位法令であります保安基準等におきまして何らかの規定が必要になるということでございますから、その点につきましては、現在、国土交通省におきまして、又は自動運転車の国際的な基準づくりの議論も行われておりますので、そういう議論の場を通じまして、現在検討されているところと承知いたしております。

 私どもといたしましても、交通の安全や他の交通主体の安心の確保という観点から、国土交通省また自動車メーカーとも緊密に連携を図りながら検討してまいりたいと考えてございます。

浅野委員 今、国交省や、あとは国際的な議論もされているということなんですが、これは二〇二〇年度、ことし、来年にはマーケットに対象の車両が出てくるわけですよね。そう考えると、残された時間は極めて少ないと思いますが、これは間に合うようなペースで議論されていると認識されていますか。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 今ありました、自動運転中であることを外部に表示する表示の機能でございますが、今、日本も入ります、先ほどのWP29という国連の場で議論を進めているところでございまして、できるだけ早期に議論がなされるよう働きかけてまいりたいと思っておりますが、国際基準が策定されるまでの間におきましても、国内においては、例えばステッカーの表示等々について関係者と検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

浅野委員 どうもありがとうございました。

 今、ステッカーなどというふうにありました。車両に埋め込まれた装置以外の方法もあると思いますので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 続いての質問ですが、もし事故が起こった場合の責任の所在について、少し考え方を確認させていただきたいというふうに思います。

 きょう議論したいのは、今回レベル3の自動運転を対象にしていますが、将来的にレベル4、レベル5という、完全自動運転というものも念頭に置きながら議論したいと思っております。

 特に、ドライバー自身に問題のないケース、例えば自動運転装置自体が突発的に故障した場合、あるいは自動運転にかかわるネットワークが突然異常な状態に陥った場合など、突発的事態を想定しての質問になりますけれども、特に知りたいのは、こういうケースで事故が起こった場合に、民法上あるいは刑法上、運転手に責任が発生し得るのか、この点が非常に関心が強いというふうな声をいただいております。

 この点について、政府の考え方、御答弁をいただきたいと思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車による人身事故における民事上の責任につきましては、現在の自動車損害賠償保障法では、民法の特則としまして、所有者などの運行供用者に事実上の無過失責任を負わせまして、交通事故による被害者の迅速な救済を図ってございます。

 自動運行装置を用いました運転中の事故につきましては、国土交通省におきまして、民法、保険法の専門家などの有識者によって構成されます自動運転における損害賠償責任に関する研究会において検討を進め、昨年三月に報告書を取りまとめたところでございます。

 その結論としましては、被害者救済最優先の考え方のもと、レベル3、4の自動運転の段階では、現行の自賠法による運行供用者責任を、自動運行装置を用いた運転中の事故にも適用することが妥当とされたところでございます。

 これによりまして、自動運行装置を用いた運転中の事故について、保険会社は、従来の自動車事故と同様に損害調査や賠償金の算定を行った上で、運行供用者にかわりまして、事故の被害者に対して迅速に自賠責保険の保険金を支払うこととなります。

 その上で、事故が自動運行装置の欠陥等によって引き起こされたことが判明した場合につきましては、保険金を支払った運行会社によりまして、自動車メーカーに対しまして製造物責任法に基づき求償がなされることとなりますが、その実効性を担保するために、自動運行装置の一部として設置を義務づけることとしております、いわゆるデータ記録装置、自動運行装置の作動状態を記録する装置がございますが、その活用手法等について関係者による実務的な検討を進めているところでございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 まだ答弁ありますか。

保坂政府参考人 済みません、刑事責任についてもお尋ねがございましたので。

 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべきですので、一概にお答えは困難でございますが、一般論で申しますと、お尋ねのあったような自動運行装置を使用中の交通事故という場合には、運転者につきましては過失運転致死傷罪の成否が、そしてその運行装置の製造に関与した者については業務上過失致死傷罪の成否が問題となり得ます。

 いずれも過失犯でございまして、過失、すなわち注意義務違反が認められる場合に成立いたしますが、その判断に当たりましては、これはもう個別の事案ごとに、事故発生の具体的状況ですとか、当該自動運行装置の性能、状態等の事情が考慮され得るということになろうかと思います。

 お尋ねのように、事故の原因というのがその装置の異常であったといたしましても、そのこと自体から直ちに、製造に関与した者に過失が認められるということになりませんし、また一方で、そのこと自体から直ちに運転者の過失が否定されるということともならないのでございまして、先ほど申し上げたような事情を考慮して、個別に判断されることになると考えてございます。

浅野委員 どうもありがとうございます。

 ぜひ、今の議論の中で国民の皆様に知っていただきたいのは、民法上の責任でいえば、自動走行中にシステム原因で事故が起こった場合であっても、一旦は運転者が無過失責任のもと責任をとって、その後、製造者あるいは関係する方々の責任の議論に移っていくということで、一旦は自分が引き受けなければいけないということ、刑法上の話についても、直ちに製造者に責任が回るわけではなく、場合によってはドライバー自身の責任も発生し得るということ、この点はドライバーの方自身もしっかり意識していただかないといけないんですね。

 やはり、自動運転車両だから全部車に任せて自分には責任ないよ、そういう意識で運転されてもらっては困るんだということをしっかり周知していただかなければいけないと思いますので、ぜひ、その点は政府の方から周知をお願いしたいというふうに思います。

 続いての質問に移りますが、今度は、自動運転装置のソフトウエアをどうやって更新するのかという点の議論になります。

 私も昔、そういう仕事をしておりましたので、システムがどれだけ膨大で、どれだけ複雑なプログラム構成をしているかというのは何となく理解はしております。そして、全てがオープンではなく、当然ながらブラックボックスの部分もあるということでありまして、このソフトウエアをどうやって審査するのか、そしてどういう更新内容であれば許可を必要とするのか、あるいは片っ端から許可制にするのか、そういった点について、政府の今の考え方を求めたいと思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車の電子制御装置に組み込まれましたプログラムの改変による改造を電気通信回線の使用などによりまして行う特定改造等の適切性を確保するために、まずは、許可の申請者が、適切なプログラムの管理やセキュリティーの確保を始め、特定改造等を的確に実施するに足りる能力等を有していること、それから、許可の申請に係るプログラムの改変によりまして改造された自動車が保安基準に適合すること等を許可の要件とすることとしてございます。

 また、これらの要件への適合性に係る技術的な審査につきましては、独立行政法人自動車技術総合機構において行うこととしてございまして、具体的には、まず、申請者の能力につきまして、改造のためのプログラムを管理するサーバーと車両を接続する通信システムを含めまして、サーバーから車両までを対象とした一体的なサイバーセキュリティー対策を確実に実施する能力を有しているかどうかといった観点から、先ほどの国際的な動向も踏まえつつ、書面や実地検査等の技術的な審査により確認をしますほか、プログラムの改変により改造されました自動車の保安基準適合性につきましては、自動車の型式指定における通常の審査と同様に、電子制御装置に審査対象となるプログラムを組み込んだサンプル車を用いまして、走行試験などを行うことによりまして確認をすることとしておる予定でございます。

 この場合におきまして、委員の御指摘の、自動車の電子制御装置に組み込まれたプログラムの改変による改造につきましては、その目的に応じて内容は千差万別でございますが、その適切性が確保されるかどうかについては、原則としてプログラムごとに確認を行う必要があります。

 しかしながら、複数の特定改造を同一の組織、体制のもとで実施する場合にありましては、その許可に当たりまして、必ずしも改造のためのプログラムごとに申請者の能力及び体制の適切性を個別に確認する必要はないと考えられますことから、当該許可に係る確認の一部を簡略化するなどの運用を行うことによりまして、申請者の負担軽減に努める。

 一方、許可を受けた者に対する監査などの事後チェックを適正に実施することによりまして、自動車の特定改造を行う者の能力及び体制の維持に万全を期してまいりたいと考えてございます。

浅野委員 時間が参りましたので終わりますが、自動運転車両の安全かつ適切な利用により、日本国内の暮らし、経済がより発展することを願いながら、終わります。

 ありがとうございました。

牧原委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 立憲民主党の初鹿明博です。

 きょうは道路交通法の改正案の審議ということですが、ほかの話題も少し質問させていただきたいと思います。

 まず最初に、法案の方から入りますけれども、先ほど来から自動運転の話題と携帯電話の使用のことが続いておりますので、私からはちょっと違った観点で質問をさせていただきます。

 これは私も以前から非常に不思議に思っていたんですけれども、引っ越しをして住所が変わったり、あと、女性の場合、結婚されて姓が変わる、男性の場合もありますけれども、そういったときに、免許を新しいものにかえるのではなくて、裏に記載をするということで対応されていたわけですよね。

 私も去年引っ越して、裏に書かれたんですが、ちょっとした手間なんですけれども、例えば、家に不在通知があって郵便局にとりに行ったときに、免許証、身分証明書を出します。それで、住所を記載してもいいですかと言われたときに、裏に書いてありますからと言わないとなかなか書く人も気づかなかったりということで、前から、何でこれは新しいものにしないのかなと不思議に思っておりました。

 今回これが再交付できるようになるということで、これは非常にいいことであると思うんですよね。特に、名前が変わって、姓が変わったような方にしてみれば、前の姓のままずっと免許証が、裏に書いているとはいえ、持ち続けるということにすごい抵抗感のある人もいるんじゃないかと思いますので、これは非常に前進だと思います。

 そこで、もう一つ、私から提案をさせていただきたいんです。

 実は私、ことし、免許の更新だったんですよ。誕生日が四月十五日だったんですね。前回、更新のときに、ぎりぎりになるまで忘れていて、慌てて更新に行ったので、今回は早目に行こうということで、三月中に行きました。更新をしたところ、ことしから元号だけじゃなくて二〇二四年までという記載がついたんですが、その後ろに括弧して平成三十六年までと書かれているわけですよ。四月以降に更新していれば、これは多分、令和五年ということになっていたんだと思いますが、平成のままでした。

 恐らく、もっと前に更新されているような方とか、退位されるということが決まる前に更新しているような方などもいると思うので、そういう方は、平成三十二年とか三年とか、現実的には絶対ならない年号が免許に書かれている。

 気にならない人は気にならないのかもしれないけれども、やはり何となく持っているのは違和感があるなという人もいるんじゃないかと思いますし、せっかく令和に変わったから、令和と書いてある免許にしたいという人もいるんじゃないかと思うんですね。

 そこで提案なんですけれども、この際、元号を変えたいという方についても再交付を認めるようにしたらいかがかなと思いますが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 現行の道路交通法では、運転免許証の再交付申請は、運転免許証を亡失又は滅失した場合などに限られているところでございます。しかしながら、氏名、住所などの記載事項の変更があった場合にも運転免許証の再交付申請を認めてほしい旨の要望があることから、今回の道路交通法改正案においては、内閣府令で定める場合には運転免許証の再交付申請ができることといたしております。

 委員お尋ねの場合でございますけれども、実は私の免許証も平成で、去年更新したところでございますけれども、その再交付申請ができることとする方向で現在検討しているところでございますので、いましばらくその様子を見守っていただければと思います。

初鹿委員 検討しているということですので、内閣府令が決まれば令和にかえることができることになるということです。

 恐らく、先生方の中にも、平成三十三年とか二年とか、そういう更新期限になっている方もいると思いますので、もし変わればかえられるということですので、かえたい方はぜひかえていただきたいと思います。

 先ほど金子議員の質問でも出ていたと思うんですが、高齢のドライバーの方の免許の返納について少し伺いたいと思います。

 最近、いろいろな死亡事故などがあったりということで、返納が大分進んできているということだと思いますが、そうはいっても、まだ返納しないで、運転することはないんだけれども持っている人というのは、少なからずいるんだろうと思います。

 先ほど金子議員は、地方で、交通の手段が余りなくて運転をせざるを得ないというようなことをおっしゃっておりましたけれども、私は東京の二十三区で、地下鉄もバスも公共交通網は発達しているんですけれども、それでもやはり免許は持っておきたいという人は少なからずいますよね。

 それで、それにかわる、身分証明書がわりとして運転経歴証明書というものを発行するということが今行われているわけですが、まだまだ十分にそのことが周知されていないなということを感じるのと、自主返納だけだったら一銭もかからないんですよね。でも、運転経歴証明書を発行してもらうと手数料がかかるんですよね。

 それは、ちょっと事実確認ですけれども、手数料、かかるんですよね。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 運転免許証の自主返納そのものにつきまして手数料が必要ないという点、委員御指摘のとおりでございます。

 その一方で、自主返納された方の申請により交付されます運転経歴証明書の交付手数料でございますが、実は、運転免許証の交付手数料とは異なりまして、道路交通法及びその施行令には手数料の規定はございません。他方で、実際の事務を行うということでございまして、都道府県それぞれの条例において手数料が必要とされているという状況にございます。

初鹿委員 今答弁にあったとおり、各都道府県で若干違うそうなんですが、大体千円程度、千百円とかそれぐらいの金額で発行を受けることになるということなんですね。

 何人かの方とお話をしていて、お金を払うんだったらそのまま免許を、運転しなかったとしても、免許でもいいかな、万が一のときに運転することもあるかもしれないからということで、運転免許を持ったままにしちゃう方もいるんだろうなと想像するんですね。

 ここで、実は返納した方が得になるんだよということがわかったら、千百円払っても経歴証明書に切りかえようかなということが出るんじゃないかと思います。

 先ほど金子議員も、返納して何の得があるのかというようなお話がありましたが、実はこれは結構得をするんですよね。

 私も今回調べてみてびっくりしましたけれども、高齢者返納サポート協議会というんですか、そういう団体があって、そこに加盟しているところでさまざまな割引をしているんですよ。東京だと、各種のホテルで飲食や宿泊代が割引になったり、いろいろなお店で、例えばミズノも一〇%で買えるとか、いろいろな特典があるんですよね。

 でも、そのことが、恐らく多くの方に周知がされていない。タクシーの割引券ももらえたりするわけですから、そこをちゃんと伝えることが必要なのかなと思うんですよ。

 今、更新のお知らせは、はがきで来ますよね。はがきで、こうやって開いて。ですので、それだと多分書き切れないんだろうと思うので、該当するような高齢者の方については封書で送るとかして、返納したらこういう特典があるんですよということをお知らせするような方法をとったら、もっと返納して運転経歴証明書に切りかえるという人が出るんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 運転免許証の自主返納をしやすい環境の整備を図ることは重要な課題であるというふうに認識をいたしております。

 都道府県警察では、各自治体や民間事業者に対し、自主返納者への支援措置が充実したものとなるよう働きかけを行っているところでもございます。

 自主返納者への支援は、都道府県警察、都道府県や市町村等の自治体、交通安全協会、民間事業者、あるいはこれらが連携することにより、さまざまな形で行われているところでございまして、具体例を申し上げますと、バスやタクシー等の交通機関の割引、それから宅配サービスによる割引、商品購入時の割引、施設入場料の割引、廃車費用の優遇など、官民でさまざまな支援が行われているところでございます。

 委員御指摘のとおり、これらの支援内容について広報啓発を行うことも大変重要であるということから、警察におきましては、自治体、民間事業者等の支援内容をホームページに掲載しているほか、広報用パンフレット等を作成し、高齢者講習等のさまざまな機会を活用してその周知に努めているところでございまして、今後とも、自主返納者への支援の拡充、周知に積極的に取り組むよう、警察を指導してまいりたいと思っております。

初鹿委員 よく、周知をした方がいいということを言うと、ホームページに載せていますと、必ずそういう回答をほかのことでもするんですけれども、高齢の方ですから、なかなかホームページを見る方は少ないんじゃないか。むしろ見ない人の方が圧倒的に多い。見ないからこそ返納した方がいいような方なのではないかなと思いますので、ぜひ、やはり周知の方法というのを考えていただきたいと思います。

 先ほど浅野議員の質問の中で、交通事故の九割ぐらいがヒューマンエラーによる事故だというお話がありました。これが、自動運転がどんどん導入されていくとその部分は相当数減っていくんだろうということが想定されるんですけれども、そうはいっても、自動運転の車がこれから出てきたとしても、買いかえなければ自動運転の車にならないわけですから、今車を持っている人たちが全員買いかえるようになるには、それはもう十年では済まないぐらいな時間がかかると思いますので、やはりこのヒューマンエラーをいかに少なくしていくかというのは非常に重要なんだと思います。

 最近ちょっと気になっているのは、この数カ月の間にアクセルとブレーキの踏み間違いの事故でかなり深刻な事故が起こっていて、それが高齢の方が起こしているということで、このアクセルやブレーキの踏み間違えを高齢のドライバーが多くする、むしろ高齢のドライバーがアクセルやブレーキの踏み間違いをしているというような印象が少し強くなってしまっているような気がします。いろいろな人と話したり、横で話をしている会話とかを聞いていると、何となく、若い人からすると、自分はそんなことはしないよね、何で踏み間違えちゃうのかねみたいな、そういうことを言っている方が多いんですが。

 皆さんのところに資料をお配りをさせていただいております、三枚目を見ていただきたいんですが、p5と書いてあるところ、自動車の運転をしている人の事故の要因でブレーキとアクセルの踏み間違いの交通事故件数の推移という表をつけさせていただきました。

 済みません、ちょっと小さくて見づらいんですが、これを見ていただくとおわかりのとおり、七十歳以上も多いですが、それと同じ、まあ最近は若干七十歳以上よりも減っていますが、以前は十歳から二十九歳という若い人の方が多かったんですよね。確かに高齢の方の増加が、まあ多くなっているということはあるのかもしれませんが、必ずしも高齢の人がアクセルやブレーキを踏み間違えているわけではなくて、若い人も踏み間違えているということがあるわけです。

 この実態を免許取りたての人だとかまた最初に更新をする人だとかに改めて周知をして、高齢者だけの話じゃなくて、自分たちもそういうことがあるんだよということをやはり徹底をした方がいいんじゃないかと思います。そこで、免許の更新のときなどにこのデータの数字というのはやはりしっかり改めて周知をした方がいいと思います。高齢の人だけの話じゃないということをぜひ若い人たちにも理解をして気をつけてもらえるように、更新時に周知をするようお願いをしたいんですけれども、いかがでしょうか。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成三十年中の交通事故のうち、自動車の運転者がアクセルとブレーキを踏み間違えたことによりまして発生した死亡事故を見ますと五十三件、これは死亡事故全体の一・五四%になりますが、この中では七十五歳以上の高齢運転者によるものが全体の約半数を占めております。三十歳未満では五十三件中二件となってございます。

 その一方で、委員が先ほどの資料でお示しいただきました全体の事故を見ますと、足し上げますと四千四百三十一件かと存じますが、これは全体の人身事故の一・〇三%となっておりまして、お示しの資料のとおり、若者による踏み間違い事故千四十六件というのは全体の四分の一になってございます。

 交通の教則というのがありまして、その中では、発進時にブレーキペダルを踏んでいることを確認した上でエンジンを始動するとかチェンジレバーの操作をするというようなことをAT車の運転の方法に記載すること、また、それによりまして、免許を取るときに自動車教習所ではそういうことを教えまして、また急発進したときの対処方法も含めて教えているところでございますが、ただいま免許の更新時というお話もございましたので、そういう交通安全教育の場における踏み間違い事故発生状況あるいは防止のための啓発ということについても考えてまいりたいと存じます。

初鹿委員 ぜひお願いをいたします。

 まだ道交法の質問を用意していたんですが、若干時間が延びてしまったので、法案についてはここで切り上げさせていただいて、別の質問に移ります。

 皆さんのお手元に「桜を見る会」と書いた資料をつけさせていただきました。今回は、総理主催の桜を見る会の予算が三倍に膨らんでいる、そういう指摘がありますので、その点について取り上げさせていただきます。

 内閣府からいただいた資料をもとに、うちの事務所でまとめさせていただきました。二十六年から三十一年までは資料が残っている、五年保存ということで残っているんですが、それ以前はないということでありました。しかし、報道のニュース、過去のニュースなどを調べてみたら、二十五年度の参加者数は一万二千人だったというのが出てきましたので、ここは一万二千と仮置きでさせていただいております。それと、一番最後のページに、こちらは行政改革実行本部が出している資料なんですが、随意契約を行ったものの公表資料という中に平成二十五年度の桜を見る会における飲食物の提供業務というのが載っておりまして、これが九百七十二万二千円ということなので、それも二十五年度のところで記載をさせていただいているのがこの資料であります。

 これを見ていただくとおわかりのとおり、予算の額として計上しているのは一千七百六十六万六千円で、二十六年からずっと変わっていないんですよ。ところが、実際に支出した額というのは、二十六年が、この時点から予算額よりも多いんですよ、三千万なんですよ、約三千万。それで三十年度は五千二百万を超えているというように、一・五倍ぐらいに金額がなっていて、予算額からすると三倍になっている。

 この予算の計上の仕方というのは明らかにおかしいと思うんですよね。前年度、この予算の範囲で足りないんだったら、次の年は実際に使った金額に応じた予算計上をするべきだと思うんですよね。そもそも予算の範囲で事業は行うべきだと思います。これができないんだったら、やはりきちんと実際に合う予算額を出す必要があると思いますが、これは不適切だと思いませんか。それで、これは改善できませんか。

井野政府参考人 お答えいたします。

 桜を見る会につきましては、準備、設営に必要最低限となる経費を前提に予算を計上しているところでございます。

 他方、実際の開催に当たりましては、その時々の情勢を踏まえ必要な支出を行っており、結果的に予算額を上回る経費がかかっているところでございます。

 来年度以降につきましては、これまでの予算計上の考え方及び実際の支出状況などを踏まえつつ対応してまいりたいと考えております。

初鹿委員 何か、結果として多くかかったような言い方をしているんですが、それはうそでしょう。

 何でかといったら、会場設営業務、飲食物提供業務というように、二つの業務を企業に受注させているわけですよね、入札をして。もうこの時点で金額がオーバーしているわけですよ。つまり、結果としてふえているんじゃなくて、最初からこの予算よりも多く支出することを決めてやっているわけですよ。これはやはり不適切過ぎると指摘をさせていただきます。

 その上で、この会場等設営業務、見ていただきたいんですが、まず、飲食物提供業務もそうなんですが、ずっと同じ会社がとり続けているんですね。ずっと同じ会社なんですよ。

 それぞれいきますけれども、まず会場等設営業務なんですが、二十六年は七百四十四万六千六百円でした。それが、平成三十年になると一千六百万、三十一年は一千八百万と倍以上になるんですよね。設営ですから、人数が、参加者の数がふえれば、それなりに対応する人もふえるから多少ふえることはあり得るのかもしれませんけれども、それにしても、人数のふえ方に比べて金額のふえ方が大きい。

 一人当たりの金額というものを割り出してみました。そうしたら、二十六年は一人当たり五百四十四円だったのが、三十一年は九百九十七円と倍になっているわけですよね。つまり、一人当たりの経費も上がっている。こうやってウナギ登りになっているんですよ。

 また、私、非常に不可解だなと思ったのは、これは一般競争入札なんですが、実は、入札がきちんと行われたのは二十六年だけで、次のページに入札の情報を載せておりますが、二十六年は確かに三社応募していて、ムラヤマが落としているんですね。それ以降は一者応札なんですよね。ずっと一者なんです。

 私は何が一番不可解かというと、同じ業務を行うわけです、桜を見る会と。それで、きのう確認をしたら、参加者数は、入札を行う時点では前年よりふえるのかどうかわからないということなんですね。つまり前年と同じことをやるのに、このムラヤマという企業は前年よりも高い金額で入札しているんですよ。

 確認ですけれども、一般競争入札ですから、予定価格があって、予定価格をオーバーしたら落札できないですよね。

井野政府参考人 御指摘のとおりだと思っております。

初鹿委員 ここを皆さん考えてもらいたいんですよ。前年やったのと同じことをやる、入札で一番安い金額が落とされる、入札する時点では競争相手がいるかどうかわからない、その段階で前年よりも高い金額を毎年入れているんですよ。不自然だと思いませんか。入札の金額が前年よりも高い、そういう自信がなければ高い札は入れられませんよ。まあ、二十六年は入札をしたから、もしかしたら予定価格よりもかなり安くとったかもしれません。しかし、これを見てください。二十七年が一千万だったのが、二十八年は一千四百万。前年と同じことをやるのに四百万円も高い金額を入れる。結構な勇気ですよね。これは、どう考えても、この予定価格を知っていたんじゃないかと疑わざるを得ないような、そういう状況です。

 ただ、それはわかりません。仕様書を見て、それで、仕様書の中身が違うのかもしれないです、新たな何か対応しなきゃいけないものがふえているのかもしれませんけれども、それにしても、一人当たりの単価とかを考えても、これは尋常じゃないなというふうに思うんですが、不自然だと思いませんか。

井野政府参考人 お答え申し上げます。

 同一業者が続いているとの御指摘でございますけれども、一般競争入札への参加はそれぞれの企業の判断によるものでございまして、当該業務につきましては、公正な一般競争入札を経て、結果的に同一業者が落札しているというものでございます。

初鹿委員 私が問題にしているのは、同じ業者がずっと落札していることを問題にしているんじゃなくて、同じことをやっているのに次の年に高い金額を入札している、なぜ高い金額を入れられるのかということが不自然じゃないのかと言っているんですね。

 落札率を聞けというお話がありましたが、きのう、落札率をでは出してくれと言ったら、そうすると予定価格がわかるから公表できませんというお答えだったんですが、これはやはり不自然なので、落札率、予定価格が幾らだったのか、全て、もう済んだことですから、明らかにしてください。いかがですか。

井野政府参考人 終了した事業の落札率、予定価格につきましても、同種の契約の予定価格の類推が容易となりますので、非公表とさせていただいております。

初鹿委員 それだと不可解なことがわからないから、これは公表すべきだと思いますよ。

 では、何で、毎年同じことをやるのに高い金額を入れられるのか、その根拠を教えてください。仕様書が明らかに変わっているようなところがあるんですか。どこでこの予定価格が変わるのか。

 予定価格の決定は誰が行って、積算はどなたがやっているのか、どういう根拠があるのかということをまず教えてください。

井野政府参考人 予定価格の積算方法ですとかその決定過程の御質問でございますけれども、予定価格は、その内容を公表することにより、予定する価格が類推され、公正な競争が阻害されるおそれがございますので、積算方法を含め、非公表とさせていただいております。

初鹿委員 皆さん、これ、納得できますか。与党の皆さんも納得できますか。さすがに与党の皆さんだって、こんな、同じことを毎年やっているのに、どんどんどんどん予定価格が上がっていて、その予定価格に合うように同じ業者が金額を上げて入札し続けている、これを不自然だと思わないでいられるのか。本当に不思議ですよ。皆さん、多分、不自然だと思っていると思います。ぜひ、予定価格、済んだところでいいですから、公表することをお願いをいたします。答弁はもういいです。

 では、次、飲食物提供業務の方に入ります。

 ここも、ずっと同じ会社がやっているんです。ただ、こちらは、一般競争入札ではなくて、企画競争型の、企画提案型の、そういう入札になっております。二十七年と二十九年だけ別の会社が参加をしていますが、このジェーシー・コムサというところがずっと落札し続けているという構造なんですね。

 先ほど示した二十五年の数字ですと、九百七十二万二千円なので、一人当たりの単価は八百十円なんですよ。ところが、三十一年になると、二千二百万近くになっていて、参加者数で割ると千二百四円になるんですね。

 皆さん、与党の先生方も、パーティーをやられると思うので御理解していただけると思うんですが、立食ですよね、立食パーティーでしたら参加者数がふえればふえるほど一人当たりの単価は下がりますよね、これは当たり前ですよね。ところが、参加者が一・五倍まではいかないけれども、それぐらいふえているにもかかわらず、二十五年から三十一年までの間に一人当たりの単価が一・四倍になっている。やはりこれは不自然だと思うんですよ。不自然だと思いませんか。

井野政府参考人 お答えいたします。

 毎年の桜を見る会の開催に当たりましては、前年の実施状況などを踏まえつつ毎年見直しを行っておりまして、その時々の必要な経費を計上しているところでございます。飲食物提供業務につきましても、前年の状況などを踏まえながら、その年々の必要なものを提供するということでやっているところでございます。

初鹿委員 必要な経費を計上していると今言いましたけれども、誰が計上しているんですか。

井野政府参考人 我々内閣府の方で必要なものを検討いたしまして、それで契約する業者との間で決めているところでございます。

初鹿委員 企画競争入札ですが、これは企業の側が、どういうものを提供するかとか、内容とあわせて金額も提案をされているんじゃないんでしょうか。

井野政府参考人 御指摘のとおりでございます。

初鹿委員 皆さん、今聞きましたか。

 つまり、毎年金額がふえているのは、この受注している企業が提案をして毎年金額がふえているんです。その結果、二十五年は九百万だったものが、三十一年には二千百万になっているんですよ。これはさすがにちょっとやり過ぎだと思いませんか。これ、同じ予算なんですよ。予算はずっと千七百六十六万六千円なんですよ。これなのに、予算は変わっていないのに、九百七十万だったのが二千百万になる、これは不適切だと思いませんか。

井野政府参考人 お答えいたします。

 その時々の状況を踏まえまして支出を行っているところでございます。今後につきましても、予算の効率的な執行に向けて努力はさせていただきたいと思っております。

初鹿委員 どこが効率的なんですか。

 では、その時々の状況と言いましたけれども、二十五年の状況と三十一年の状況で何が違うのか、答えてください。

井野政府参考人 人数等が異なっているということがあると思います。

初鹿委員 では、二十五年、参加者が一万二千人で、三十一年は一万八千二百人になっているということですが、倍までふえていないですよね。となると、サーブする人も倍にはならないですよね。まあ一・五倍にもならないんじゃないかと思いますが、金額は倍になっていますよね。一人当たりの賃金も変わっているのかもしれませんけれども、それが、では、どの程度、一人当たりの働く人の賃金が変わっているのか、そして人数がどれぐらいふえたのかということはきちんと把握をしているんでしょうか。それで、それが妥当だという判断を誰がしているんでしょうか。

井野政府参考人 今御指摘いただきましたような分析につきましては、必ずしも十分できているわけではないかもしれませんけれども、前年の状況などを踏まえながら、必要な経費を計上しているということでございます。

初鹿委員 十分に分析できていないって、多分、全く分析なんかできていないんですよ。これはきちんと中身を精査した方がいいですよ。というか、精査してくださいよ。少なからず、これは国民の税金でやっているわけですからね。こんな、五年間で倍にも膨れ上がるような、予算が増大しているというのはやはり尋常じゃないと思います。ほかの予算でありますか、こんな倍になるような。これは、しかも、さっき言ったように企画提案型で、ずっとこの一社しか提案していない状況が続いているわけですよ。それでどんどん金額が上がっている。これはやはり不自然過ぎます。ぜひここはきちんと精査をしていただきたいと思います。

 そもそも、競争原理が働かないような状況で同じ一社に受注させ続けるというやり方で本当にいいんでしょうか。

井野政府参考人 お答えいたします。

 一般競争入札あるいは企画競争という制度を利用しておりますので、そこのところは適切にやらせていただいているものと考えております。

初鹿委員 飲食物提供業務を企画競争でやるのをやめたらどうですか。このやり方だと、業者の言いなりというか、業者が出してきた金額をそのまま追認するようになって、何社かあればいいんですが、一社でこのやり方というのは、やはり、予算の執行ということを考えると、ちょっと問題があるんじゃないかと思うんですね。

 やはり、上限金額がどれぐらいかというのはきちんと決めていかないと、どんどんどんどんこうやって上がっていってしまうということになると思うんですが、この入札の仕方を改めるということは検討できないでしょうか。

井野政府参考人 飲食物提供業務が企画競争になっているということでございますけれども、飲食物の調達に当たりましては、招待者へ提供する飲食物につきまして、例年と同等の品質が確保されたものを提供する必要があるといったような事情もございます。

 いずれにいたしましても、御指摘につきましては参考にさせていただきたいと考えております。

初鹿委員 皆さん、例年と同等の品質というお答えが来たんですが、平成二十六年から三十一年までのこの五年間の間に、こんなに、一・五倍も金額が上がるくらい物価が上昇していることはないですよね。つまり、同等以上のことをしているか、量をふやしているのか、どちらかなんだと思います。

 先ほども言いましたけれども、入札の段階では人数がふえるかどうかもわからないで入札している。一応、要項では一万人程度ということになっているわけですよね。それが同行者もいたりするからふえて、ことしは一万八千二百人にもなっているということでありました。

 そう考えると、同等以上になっているんじゃないか、若しくは量をふやしているんじゃないかと思いますが、そこはきちんと確認をした上で、この金額でお認めになっているんでしょうか。

井野政府参考人 お答えいたします。

 量でございますけれども、毎年、前年の状況を踏まえながら、前年の状況に応じて必要な対応を次の年には行っていく必要がございますので、例えば、前年に飲食物が少し不足ぎみだったというようなことがあれば、少しことしはふやそうかといったようなこともございます。

 量と価格につきまして厳密な分析は十分にできておりませんけれども、適切に今後検討してまいりたいと考えております。

初鹿委員 前年食事が少ないからふやすというお話が今ありましたが、それだったら、予算額をきちんとふやして計上すべきじゃないですか。前年よりもふえるということがもうわかっているというような答弁ですよね、足りないんだから。

 だったら、毎年一千七百六十六万六千円でずっとそろえてきて、この計上の仕方が明らかに誤っていたということになりませんか。このやり方は誤っていたとお認めになっていただけませんか。

井野政府参考人 最初にもお答え申し上げましたけれども、桜を見る会につきましては、準備、設営に必要最低限となる経費を前提に予算を計上してきたところでございます。

 来年度以降につきましては、これまでの予算計上の考え方及び実際の支出状況などを踏まえつつ対応してまいりたいと考えております。

初鹿委員 もう一回、ちゃんと答弁してもらいたいんですが、今までの実績から見ても、予算額よりもはるかに多くの支出をしているんですよ。必要な経費を計上していますということではないでしょう、明らかに。必要なものも載せずに予算額を少なく見積もっているというか、少なく見せかけるように毎年同じ金額を出して、実際には、わからないようにどんどんふやしていたということじゃないですか。

 これはやはり是正しないといけないと思いますが、今までのやり方は間違っていたということをここできちんと認めた上で、来年度からは前年度の実績に応じた予算を計上するということを約束してください。

井野政府参考人 来年度以降でございますけれども、予算額の計上につきましては、財政当局とも相談していく必要がありますので、しっかりと、そこのところは、先ほど申し上げましたように、これまでの予算計上の考え方及び実際の支出状況などを踏まえつつ対応してまいりたいと考えております。

初鹿委員 財政当局と何を相談するんですか。

井野政府参考人 もちろん、予算計上に当たりまして、実際にかかる経費を、できるだけ効率的に行うことも必要でございますので、それも含めまして、必要な相談をさせていただくということでございます。

初鹿委員 もう時間が来ましたので、最後に、もう一回、改めて聞きますが、今までの予算計上の仕方は間違いだった、認めてもらえませんか。

井野政府参考人 繰り返しになりますけれども、桜を見る会につきましては、準備、設営に最低限必要となる経費を前提に予算を計上しているところでございます。

 来年度につきましては、これまでの予算計上の考え方及び実際の支出状況などを踏まえつつ対応してまいりたいと考えております。

初鹿委員 では、これで終わりますけれども、最後に、一つ委員長にお願いなんですが、先ほど、この会場等設営業務の入札の金額が非常に不可解だということを指摘しました。この入札の情報について、きちんと、まず予定価格の積算根拠も含めて資料を提出するように求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

牧原委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

初鹿委員 では、よろしくお願いします。

 質問を終わります。

牧原委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野です。よろしくお願いをいたします。

 きょうは道交法の質疑ですけれども、まず一つ目の質疑に入りたいと思います。

 過去に、運転中のスマホゲームが原因で死亡事故が起きました。その後、ゲーム運営会社が自主規制をしているというふうに聞いております。その部分のちょっと確認をしたいのと、もう一点、私は、これは法律として制限する必要があるんじゃないかなというふうにも考えたんですけれども、その点の御意見を伺いたいと思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の、スマホゲームが原因で死亡事故が起きたということでございますが、愛知県におきまして、平成二十八年十月に、スマートフォン用ゲームアプリを操作しておりましたトラック運転手が、横断歩道を横断中の小学生を死亡させるという事故が発生いたしております。

 このことに関しましては、同年十一月、愛知県警察本部長が、このゲームアプリの運営事業者に対しまして、車両の運転中にこのゲームアプリが起動しない、又は操作できないよう、システム上の措置を講じることなどを文書により要請したところでございまして、同年十二月、警察庁におきまして、このゲームアプリの運営事業者から聞き取りをしましたところ、一定の速度を超える速度で移動している場合には、このゲームアプリを操作することができなくなるようにシステム改修を行ったということで報告を受けているところでございます。

浦野委員 法律としてこれを制限する必要はないかという部分の、政府でいろいろな検討があったのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。

秋本政府参考人 お答えいたします。

 運転中のスマホゲームの利用に関する法規制につきましては、道路交通法第七十一条第五号の五において、運転者の遵守事項として定められておりまして、一義的には道路交通法において措置されているものと認識をしております。

 携帯電話事業者における対応といたしましては、加速度センサーなどを備えたアプリケーションを開発いたしまして、移動中における端末の使用を抑制する機能を無償で提供しているものと承知をしております。ただし、このようなアプリケーションをお使いになる場合、例えば、電車やバスなど公共交通機関で移動されている場合、あるいはエスカレーターで移動中の場合にも、移動中であれば一律に携帯端末の使用が抑制されてしまうといったことや、消費電力が大きくて頻繁な充電が必要になるといった技術的な課題があるために、利用者サイドでなかなか十分に普及が進んでいないというふうに聞いております。

 突き詰めますと、本件は、個々のスマートフォン利用者におきまして、道路交通法第七十一条を遵守することが何よりも肝要と考えております。既に、大手携帯事業者におきましても、契約している利用者の方々に対しまして、自転車に乗ったり自動車を運転しながら操作をしない、歩きスマホをしないといった注意喚起を行っているところでございます。

 総務省といたしましても、警察庁、消費者庁等の関係省庁と連携をいたしまして、こうした利用者向けの注意喚起に継続して取り組むよう、携帯電話業界に促してまいりたいと考えております。

浦野委員 丁寧な答弁をありがとうございます。

 今の答弁のように、なかなか技術的なハードルもあって、どんどんスマホの性能が向上していくにつれて、複雑なそういったゲームというのはこれからもまだまだ出てくる可能性もあります。その中で、同じようなことが起きるんじゃないかという私は危惧をしておりまして、もちろん、ゲームをつくっている会社のそういう自主規制も必要だとは思いますけれども、そういうものをしっかりと縛れる仕組みが本来は必要になってくるんじゃないかということを思っていますので、これからまだまだいろいろと、技術的な課題とかそういったものも含めて、注視をしていただけたらと思っております。

 次に、高齢者の運転による死亡事故が最近立て続けに起こりました。非常に残念な死亡事例もありますし、本当に胸の締まる思いですけれども、この自動運転というのは、今回の法案の更に向こうには、そういう事故をなくしていこうという意図もあると私は思っています。

 今、免許制度、例えば、私も今眼鏡をかけていますけれども、視力が基準以下の人は眼鏡をかけなければ運転をしちゃいけないという制限が免許にはあります。免許は、そう思えばいろいろ制限があって、例えばオートマ限定であったりとか、もちろん、小型、中型、大型とか、そういう大きさによっても免許の制限はかけてあります。

 今、高齢者の認知度の違いによって、ブレーキ、アクセルの踏み間違いとかそういったことが問題になっている中で、この自動運転の話と免許制度の制限などの整合性に関する議論というのはどういったものがあったのかというのを、ちょっとお聞かせいただけたらと思います。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 高齢運転者による事故が多発しているということが問題となっております。先ほども答弁申し上げましたが、自動運転というものが普及することによりまして、現在、死亡事故の約九割を占めているヒューマンエラーによる事故というものは減少される、そういう中で、高齢者においても安全に移動手段を確保できるということになると考えております。

 当面の話を考えてまいりますと、より安全な車といたしまして、安全運転サポート車、衝突被害軽減ブレーキなどを搭載している自動車でございますが、こういう自動車に限って運転できるというような枠組みをつくるということも一つの方策として考えられているところでございまして、平成二十九年七月の政府の交通対策本部決定におきましては、こうした安全運転サポート車に限定した、それを条件とした免許の導入ということにつきましても検討するということとされてございまして、現在、警察庁では、有識者の検討会を開催して、実車試験、また限定条件付免許というようなものの導入の可否につきまして検討を進めているところでございます。

浦野委員 今乗っている車がそれに対応していなかったら、車を買いかえないといけないという話になりかねないので、それはちょっと経済的な負担が大き過ぎるんじゃないかなというふうに思いますし、今乗っている車に後づけで、アクセルに恐らくつける装置ですけれども、アクセルをそのまま踏んだだけでは踏み込めないような装置もありますよね、実際。一段階操作をしないとアクセルを踏み込めない。

 要は、アクセルの踏み間違いを防ぐ安全装置というのが今売られています、実際、今でも。そういったものをつけることもそういう免許制限をする中の対応に含まれるように私はちょっとしていった方がいいんじゃないかなと思っていますので、そこら辺はぜひまた、検討をする中で調べていただけたらと。

 我が党、そういった、免許を制限すべきじゃないかという議論が党内であります。そういう法案も提出すべきじゃないかという議論もありますので、そこら辺はまだこれから、議論がまだ煮詰まっていませんので、議論が煮詰まった段階でまた政府の方にもお願いをしに行きたいなと思っていますので、よろしくお願いをいたします。

 最後に、今回の法律、後段の部分で、後段というか、ほかにも道交法の関係でいろいろと細部にわたって改正されている部分があります。その中で、私、ああ、ちょっと質問時間が終わっちゃいましたね。

 最後に、自転車に傘をつける、傘を差すときに、アタッチメントがありますよね、あれを今つけたらあかんということで、よくとめられます。これから梅雨になる時期で、例えば保育園に子供を送るお母さんが、たまに鬼の形相で、子供を乗っけて、雨の中、チャリンコに乗ってくるわけですね。でも、あれをつけないと逆に危ないじゃないですか。でも、これをオーケーにするような議論というのはなかったんですかね。

北村政府参考人 お答えを申し上げます。

 自転車に傘を取り付ける装置、アタッチメントをつけてということでございます。

 自転車を運転する際に、片手で傘を差すことはもとよりでございますが、御指摘のようなアタッチメントをつけて傘を差して雨の中を走行するということ自体におきましても、自転車の走行が不安定となったり、視野が妨げられたり、傘が歩行者と接触したりということは、そういう危険が生ずるおそれはございます。

 手で持つことと比べて安全かどうかということではなくして、傘を取り付けて自転車で走るということが必ずしも安全とは言えないというように考えてございまして、実は現在、例えば大阪府警察におきましても、自転車向けのチラシをホームページに掲載し、その中で、傘スタンドを使用して傘を差して自転車を運転することが、直ちにではございませんが、場合によっては道路交通法違反になるということについての啓発をしているところでございまして、私どもとしては、できれば、傘を差した形での自転車の走行は御遠慮いただきたいと考えてございます。

浦野委員 もう時間がないんですけれども、皆さん興味のある話だと思いますので、最後に。

 これは、省庁の方に来ていただいたときに、できたら、じゃ、かっぱを着てもらいたいという話もあったんですけれども、梅雨の時期は、かっぱなんか着たら多分もうそれこそ地獄ですから、透明の傘だったらいいとか、そういう何か仕掛けが欲しいなと思います。

 アタッチメントを売っていますからね、普通に。そこまで言うんやったらアタッチメントを売ることを規制せなおかしいとは思いますけれども。そこら辺はしっかりと、より安全な方はどっちかというのをちょっと真剣に検討していただいて、保護者の皆さんの味方になっていただけたらと思います。

 以上で終わります。

牧原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。清水忠史君。

清水委員 私は、日本共産党を代表し、道路交通法改正案に対し、反対の討論を行います。

 本案は、レベル3の自動運転を解禁するものです。運転者が認知、予測、判断、操作に至る一切の動作を行わず、システムが運転する新たなステージに踏み込むには、交通の安全を目的としている道交法に自動運転の安全確保策を盛り込むことが不可欠です。

 ところが、本案に盛り込まれているのは、自動運転の運転者の遵守事項として、国土交通大臣が装置ごとに付する使用条件の外での自動運転を禁止することです。これでは、解禁する自動運転はレベル3であると規定しているだけで、安全確保策としては不十分です。

 安全面での重要な課題である、条件から外れたら直ちに運転者がシステムから運転を引き継ぐことができるのかという点について、警察庁は、運転者に適切に引き継げるシステムであることが前提と述べるだけで、運転の安全性を確保できるとは明確に答えていません。一方で、システムからの引継ぎ要請が何秒あれば十分な対応ができるかは、国際的にも議論がされているところと答弁しました。これでは、現状では安全な引継ぎは確立できないことを露呈したものです。

 ほかにも、自動運転装置ごとに異なる使用条件の十分な理解への対策、システムにトラブルが起こった際の対処など、国際的にも結論が出ていない安全面での課題が残されています。

 しかも、本案の大前提は、自動運転を適切に行う自動運行装置を備えた車両が存在することです。現在の段階では、各メーカーとも確実に安全な自動運転車の開発を見通せているとは言いがたく、このような開発状況、国際的議論の状況で、レベル3の自動運転を実用化するのは時期尚早と言わざるを得ません。

 そもそも、本案の提出の背景に、安倍総理による、二〇二〇年までの実用化発言があります。実用化は、何よりも安全確保が第一であるべきです。

 また、携帯電話使用などに起因する交通事故の増加対策としての、いわゆるながらスマホ運転の罰則強化は、社会的な批判を受けたもので、反対するものではありません。

 しかし、一方で、本案には、自動運転中のながらスマホ運転の禁止を要件つきで免除する規定を盛り込み、レベル3の自動運転のセールスポイントとしています。

 交通事故防止の観点から、ながらスマホ運転は対処すべき重要な課題であるにもかかわらず、これを容認する改正を行うことは、運転者や国民に誤った理解を生じさせることになり、認められません。

 以上、レベル3の自動運転の解禁となる本案は、安全確保策として不十分で、時期尚早であり、反対であると述べ、討論を終わります。

牧原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平将明君外四名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山内康一君。

山内委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。

 一 自動運行装置を使用して自動車を運転する場合には、運転者に課せられる義務が一部異なること等に鑑み、自動運転中であること等が外形的に判別可能となるような、自動運転車の外観表示の要否や在り方等について速やかに検討すること。

 二 自動運行装置を使用して自動車を運転する者が許容される運転操作以外の行為の判断の基準について、可能な限り明確化した上で周知徹底を図ること。

 三 自動運行装置から運転者本人による運転に移行する必要が生じた場合に、円滑に運転操作を引き継ぐため、自動運転車を運転する者に対し、自動運転車特有の操作や挙動における留意点等について事前に十分な説明がなされるよう万全の措置を講ずること。

 四 自動運転車に関する交通ルールについては、自動運転車の普及状況や交通事故・違反等の発生状況、技術開発の動向等を踏まえ、自動運転レベル4への対応を含め必要に応じて見直しを行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

牧原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。山本国家公安委員会委員長。

山本国務大臣 ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

牧原委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

牧原委員長 次回は、来る二十九日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十四分散会


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