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第8号 平成28年11月16日(水曜日)

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平成二十八年十一月十六日(水曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 淳司君

   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君

   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君

   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君

   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    井野 俊郎君

      奥野 信亮君    勝俣 孝明君

      門  博文君    菅家 一郎君

      鈴木 貴子君    瀬戸 隆一君

      田中 英之君    田畑  毅君

      辻  清人君    野中  厚君

      藤原  崇君    古田 圭一君

      宮川 典子君    宮路 拓馬君

      山下 貴司君    吉野 正芳君

      和田 義明君    小熊 慎司君

      階   猛君    山尾志桜里君

      中川 康洋君    真山 祐一君

      吉田 宣弘君    畑野 君枝君

      藤野 保史君    木下 智彦君

      上西小百合君

    …………………………………

   議員           二階 俊博君

   議員           山口  壯君

   議員           若狭  勝君

   議員           江田 康幸君

   法務大臣         金田 勝年君

   法務副大臣        盛山 正仁君

   法務大臣政務官      井野 俊郎君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 高嶋 智光君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    畝本 直美君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中井川 誠君

   法務委員会専門員     矢部 明宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十六日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     山下 貴司君

  安藤  裕君     田中 英之君

  城内  実君     勝俣 孝明君

  宮川 典子君     和田 義明君

  山田 賢司君     瀬戸 隆一君

  枝野 幸男君     小熊 慎司君

  大口 善徳君     真山 祐一君

  吉田 宣弘君     中川 康洋君

同日

 辞任         補欠選任

  勝俣 孝明君     城内  実君

  瀬戸 隆一君     山田 賢司君

  田中 英之君     安藤  裕君

  山下 貴司君     赤澤 亮正君

  和田 義明君     宮川 典子君

  小熊 慎司君     枝野 幸男君

  中川 康洋君     吉田 宣弘君

  真山 祐一君     大口 善徳君

    ―――――――――――――

十一月十四日

 複国籍の容認に関する請願(横路孝弘君紹介)(第三八九号)

 国籍選択制度の廃止に関する請願(西村智奈美君紹介)(第四六一号)

 同(横路孝弘君紹介)(第四七三号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第五一〇号)

 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(西村智奈美君紹介)(第四六二号)

 同(横路孝弘君紹介)(第四七四号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第五一一号)

 部落差別の解消の推進に関する法律案に断固反対し、成立させないことに関する請願(藤野保史君紹介)(第四七二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 部落差別の解消の推進に関する法律案(二階俊博君外八名提出、第百九十回国会衆法第四八号)

 民法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第六三号)

 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第六四号)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件

 再犯の防止等の推進に関する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 第百九十回国会、二階俊博君外八名提出、部落差別の解消の推進に関する法律案を議題といたします。

 他に質疑の申し出がありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。藤野保史君。

藤野委員 私は、日本共産党を代表して、自民、民進、公明提出の部落差別解消法案に断固反対の討論を行います。

 本法案は、部落差別の解消を目的とする恒久法をつくろうとするものです。

 しかし、何をもって部落差別というのか、法案には何の定義もありません。重大なことは、提案者が、部落差別とは部落の出身者に対する差別として明確に理解できると述べたことです。この説明は、部落解放同盟綱領に書かれている定義と同義です。かつて、解同を中心とした特定団体の圧力によって行政が主体性を失い、窓口一本化と不公正、乱脈な同和行政の横行を許した痛苦の歴史を思い起こすべきであり、解同綱領を法律に盛り込むなど断じて認められません。

 しかも、第六条で義務づけられる実態調査は、結局、旧対象地区を掘り起こし、対象住民を洗い出すことになります。混住と人口移動が進み、政府も、同和地区や関係者を特定できないと認めています。もはや部落出身者なるものを特定できない歴史的段階にあるにもかかわらず、提案者は、地域によって異なる実態をもう一度調査することが必要だと述べました。これは、かつて総務庁が行った調査、すなわち、当該地区の住民を同和関係者とそうでない者とに区分けする作業を行うことになりますが、こうした調査自体が許しがたい人権侵害にほかなりません。

 本法案は、恒久法であり、こうした調査を繰り返し行い、国や地方自治体に教育、啓発など必要な施策を行うことを求め続けるものです。部落差別の解消どころか、差別の固定化、永久化につながることは明白です。

 提案者は、インターネット上の書き込みを挙げ、部落差別が変化していると言います。しかし、自由同和会が指摘しているように、部落地名総鑑を発見しても、差別の助長になると大騒ぎするのではなく、淡々と処理すればいいことで、いまだに差別のある根拠にすることは、差別の現状を見誤るものです。インターネット上の書き込みにどう対処するかは本法案とは全く別の問題であり、本法案に立法事実はありません。部落差別の解消に逆行し、国民融合を妨げるだけであります。

 そもそも部落差別は封建的身分制に起因する問題であり、根源にある貧困の解決と国民融合を目指して、一九六九年以降、環境改善や教育、啓発、市民的自立、社会的交流の増大が図られてきました。関係者の粘り強い取り組みにより、基本的には社会問題としての部落差別は解決したと言える状態に到達し、政府も、二〇〇二年三月、これ以上の特別対策を行うことは問題の解決に有効とは言えないとして、同和対策事業を終結させたのです。これが関係者の血のにじむような闘いによる歴史の到達点です。

 ところが、部落民以外は差別者と主張する特定団体との関係を継続している一部の自治体等では、今なお、この歴史に逆行する特別対策が行政や教育で継続されており、本法案が成立すれば、さらなる逆行が進められかねません。

 ある四十代の男性は、こうおっしゃっています。

 解放教育で、おまえらは絶対に結婚できない、部落外の連中は顔でにこにこしていても心の底では差別していると教え込まれました、それは今でも心の傷として残っています、この法案は未来永劫私たちとその子孫に部落の烙印を押すことになります、これは到底容認できることではありません、いつまで私たちを部落に縛りつけるのですか、もう解放してください、お願いします。

 委員各位は、いま一度この声を真摯に受けとめていただきたい。

 関係団体や地方自治体などからの参考人質疑や公聴会も行わないまま、根本的に誤った法案をわずか二時間程度の質疑で採決するなど、到底許されません。

 断固廃案を求めて、反対討論を終わります。

鈴木委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより採決に入ります。

 第百九十回国会、二階俊博君外八名提出、部落差別の解消の推進に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平口洋君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。木下智彦君。

木下委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    部落差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法に基づく部落差別の解消に関する施策について、世代間の理解の差や地域社会の実情を広く踏まえたものとなるよう留意するとともに、本法の目的である部落差別の解消の推進による部落差別のない社会の実現に向けて、適正かつ丁寧な運用に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。金田法務大臣。

金田国務大臣 ただいま可決されました部落差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官高嶋智光君、法務省保護局長畝本直美君及び厚生労働省大臣官房審議官中井川誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 再犯の防止等の推進に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきまして、山下貴司君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおりの再犯の防止等の推進に関する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。井出庸生君。

井出委員 再犯の防止等の推進に関する法律案の起草案につきまして、提案者を代表して、その趣旨及び内容について御説明を申し上げます。

 まず、本起草案の趣旨について御説明いたします。

 我が国では、犯罪件数は減少傾向にあるものの、犯罪をした者等の円滑な社会復帰の促進等はいまだ十分とは言えず、検挙人員に占める再犯者の割合である再犯者率は、平成九年以降一貫して上昇し続けており、平成二十七年には約五割を占めるまでに至っております。このように、今日の我が国においては、犯罪や非行の繰り返しを防ぐ再犯防止が、犯罪を減らし、安全で安心して暮らせる社会を構築する上での大きな課題となっております。

 この問題については、政府において、平成二十四年に策定された再犯防止に向けた総合対策等の各種計画に基づき、犯罪や非行をした者の再犯防止対策が推進されてきたところですが、本委員会においても、再犯防止に関する先進的な取り組みを行っている海外の施設の視察などを通じて、再犯防止に関する基本的な法律を制定することの必要性が強く認識されております。

 このような状況及び経緯を踏まえ、安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与するため、再犯の防止等に関する施策を国を挙げて推進するための法律を制定する必要があると考えられることから、本起草案を提案することとした次第であります。

 次に、本起草案の主な内容について御説明いたします。

 第一に、この法律は、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、国民が犯罪による被害を受けることを防止して、安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とすることとし、犯罪をした者等及び再犯の防止等について定義を設け、基本理念、国等の責務などについて定めることとしております。

 第二に、再犯の防止等に関する施策の推進の仕組みとして、政府が再犯防止推進計画を定め、省庁横断的に施策を行うこととするとともに、地方公共団体においても地方再犯防止推進計画を定めるべき努力義務の規定を設けることとしております。

 第三に、国民の間に広く再犯の防止等についての関心と理解を深めるため、七月を再犯防止啓発月間とし、その趣旨にふさわしい事業を実施することとしております。

 第四に、再犯防止推進計画で定めることとされている項目に対応して、再犯の防止等に向けた教育及び職業訓練の充実、犯罪をした者等の社会における職業及び住居の確保等、再犯の防止等に関する施策の推進のための人的及び物的基盤の整備並びに再犯の防止等に関する施策の推進に関するその他の重要事項の四つの分野について、国が各種施策を行うべきことを定めるとともに、地方公共団体にも地方の実情に合わせて施策を行うべき努力義務の規定を設けることとしております。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。

    ―――――――――――――

 再犯の防止等の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 本件について発言を求められておりますので、これを許します。藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 今、提案者からありましたように、本法案は、犯罪をした者等の円滑な社会復帰を促進することを目的としておりまして、大変重要な中身だというふうに認識をしております。

 その上で、きょうは、とりわけ高齢者や精神障害、知的障害の皆さんの社会復帰をどう促進していくのかということについて幾つかお聞きをしたい、確認をしたいと思います。

 まず、法務省にお聞きしたいんですが、近時、高齢者は入所受刑者全体に比べて再入者の割合が高いと認識しているわけですが、二〇一五年のその再入者の割合、また、二〇一五年における入所受刑者のうち精神障害を有すると診断された者の割合、それぞれお答えください。

高嶋政府参考人 お答えいたします。

 平成二十七年におけます再入者のうち高齢者、これは統計上、六十五歳以上というふうに定義しておりますが、その割合は一二・六%でありました。これは、平成三年には一・八%でありましたものがこの一二・六%まで上昇したということでございます。(藤野委員「再入者率ですよ、再入者率」と呼ぶ)再入者、刑務所に再び入ってきた者のうち高齢者の割合が一二・六%でございました。

 ちなみに、全入所者のうち高齢者の割合となりますと、これは一〇・七%でございます。

 それからもう一つ、障害者、特に精神障害を有している者という御趣旨だと思いますが、平成二十七年度における入所受刑者のうち精神障害を有すると診断された者の割合は一三・一%であります。この一三・一%にはいわゆる人格障害の者も入っておりますが、これを除きますと一二・四%ということになります。

 以上でございます。

藤野委員 ちょっと私が事前に言っていたのと違うお答えだったので、時間の関係でこちらで言いますけれども、ことしの犯罪白書の百八十四ページで、高齢者は再入者率が高い、平成二十七年の再入者率は六九・六%、実に七割が再入しているということで、再犯を減らすということを考えた場合には、こうした高齢者あるいは精神障害者への対応というのは大きな課題になってくると思います。

 ただ、高齢者等の社会復帰を図るという点では、刑事施設等で自由刑を科すということでは、これはなかなか実態に合わないという認識が広がっていると思います。

 これも法務省にお聞きしたいんですが、犯罪対策閣僚会議において、ことし七月、高齢者等を含む緊急対策が決定されたと思うんですが、この該当部分を御答弁ください。

高嶋政府参考人 委員御指摘の、ことし七月、犯罪対策閣僚会議で決定されました薬物依存者・高齢犯罪者等の再犯防止緊急対策におきましては、

  犯罪をした高齢者・障害者等の再犯防止と社会復帰に向けて、福祉サービスや医療等の支援を必要とする者については、警察、検察、矯正、保護といった刑事司法の各段階において、適切にこれら支援を受けることができるよう福祉・医療機関等につなげる取組を推進する。

  さらに、より円滑な社会復帰のため、刑事司法関係機関が、地域の安全・安心を守る拠点であることへの地域社会の理解と協力を得ながら、地域社会とつながった指導・支援を充実させる。

  このような取組により、立ち直りに福祉サービスや医療等の支援を必要とする高齢者・障害者等が、刑事司法のあらゆる段階を通じ、適切な時期に必要な支援を受けられるようにする。

ということを記しておるところでございます。

藤野委員 ですから、こうした高齢者や障害者の更生には、自由刑よりも、適切な段階で適切な福祉的支援を行うことが重要だという指摘であります。

 このつなげる取り組みというのは一部で既に始まっておりまして、きょう資料でもお配りしているんですが、厚労省の事業である地域生活定着促進事業というのが二〇〇九年から始まっております。現在、全都道府県にこのセンターがありまして、帰住支援や相談などを行っているわけであります。

 配付資料を見ていただきますと、このセンターの全国組織である一般社団法人全国地域生活定着支援センター協議会が行った全国調査で、二〇〇九年七月から二〇一三年度末までに全国の同センターを介して福祉的支援を受けた対象者がどういう経過をたどったかという資料であります。

 強調しているところ、黄色のところで見ていただきますと、実に九一・七%が、このセンターの支援を受けることによって、再逮捕もなく、再入所もなく、地域で暮らしているという状況であります。九割を超える対象者がこのセンターの支援を受けて再び罪を犯すことなく地域で暮らしている、これは劇的と言ってもいい効果だと私は思うんですが、法務省と厚労省にそれぞれお聞きしたいんですけれども、これらのセンターあるいは事業の効果というのはどのように評価されていますか。

中井川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の地域生活定着支援センターは、長期間の矯正施設への収容で地域とのつながりを失った結果、例えば住民票がなくて、釈放後直ちに必要な支援が受けづらいような人について、矯正施設から出る前の段階から、必要な支援を地域で受けられるように全国的な調整を行う事業でございます。

 同センターの行う業務といたしまして、矯正施設に入所している人の出所後の居住先の確保でございますとか福祉サービスの利用などを、全国調整をする、いわゆるコーディネート業務と呼んでおりますが……(藤野委員「評価をお願いします。定義はわかっていますから」と呼ぶ)はい、わかりました。コーディネート業務で、平成二十七年度実績で七百五十名が受け入れ先に帰住しているなど、センターは一定の実績を上げているというふうに受けとめているところでございます。

 それで、御指摘のとおり、このセンターが支援にかかわった人について、再び犯罪をしにくくなっているということであれば、同センターの社会的意義は非常に高いものと考えております。

畝本政府参考人 適当な帰住先がなく、高齢や障害によって自立が困難な受刑者等に対しましては、出所後速やかに福祉施設への入所あるいは生活保護の受給などの福祉サービスを受けられるよう、生活環境を調整することが極めて重要でございます。

 このような方々が必要な福祉のサービスを受けることができるように、平成二十一年度から、特別調整という枠組みで、高齢者、障害者のうち、特に適当な住居がない方々につきまして、センターの方が障害者入所施設あるいは介護保険施設等の受け入れ先の確保等を行ってくださっております。

 二十七年度におきましては、こういう調整を行った結果、七百三十人のうち四百七十九人が福祉サービスの方につながっております。

 このように、センターは、出所者等の再犯防止あるいは改善更生のために大変に重要な役割を果たしているというふうに認識しておりまして、今後ともセンターとの連携を密にしてまいりたいと考えております。

藤野委員 提案者にお聞きしたいんですが、社会的意義が非常に高い、極めて重要ということなんですが、本法案でこの事業というのは対象に含まれると理解してよろしいですか。

井出委員 お答えをいたします。

 今委員の御指摘のとおり、この事業は本法案の対象に含まれると考えております。

 この法案は、基本理念の一つとして、犯罪をした者が、その特性に応じて、矯正施設に収容されている間のみならず社会に復帰した後も途切れることなく支援を受けられるとすることをうたっておりますので、センターの事業というものが対象になる。また、七条や十七条におきまして、保健医療サービス及び福祉サービスの利用に係る支援、その体制の整備充実を図るために必要な施策を国が講ずることとしておりまして、こうしたことを通じてセンターがこの法案の実施主体の一つとして、体制の強化になる。

 高齢であるとか障害のある方が、そうしたことが再犯につながる理由となってしまわないようにしていくということは、この法案の重要な趣旨の一つだと思います。

藤野委員 先日、この協議会の代表の田島良昭さんからお話を聞いたんですが、法的位置づけがないと。単なる事業なんですね、これ。極めて重要とおっしゃるんですが、これは事業にとどまっていて、法的位置づけがないために毎年毎年予算も要求しなきゃいけないし、来年続くのかどうかわからないということで、職員の方は不安に思っていらっしゃるという声をお聞きしました。

 ですから、この法案をきっかけに、ぜひ厚労省も、これを、事業ではなく法的にもしっかり位置づけていただいて、安定性を確保していただきたいと思います。

 そして、最後にもう一点だけお聞きしたいんですが、再犯を減らしていく上で、今のは出口支援なんです、施設から出た段階での支援なんですが、出口の方は大体数万というオーダーですけれども、やはり入り口の支援、入り口、いわゆる罪を犯してしまった、これから検察でという方は百万とかそういう単位でいらっしゃる。ですから、そこの段階で適切な福祉的支援につなげていくという入り口支援が大変大事だと思うんですが、この入り口支援も本法案には含まれるという理解でよろしいでしょうか。

山下委員 藤野委員、御質問ありがとうございます。

 先ほどおっしゃった刑事司法の手続のいわば入り口における支援の必要性、特に高齢者、障害者については福祉的支援、これは大変重要でございます。私も昔、検事をやっておりまして、その必要性は大変感じておったところですので、御質問は大変ありがたいと思っております。

 本法におきましては、対象者が「犯罪をした者等」ということで、刑事手続の段階のいかんを問わず、必要な方に必要な支援をしていくということが二条で内容となっておりますし、二十一条におきまして、「社会内における適切な指導及び支援」というところで、「矯正施設における処遇を経ないで、」「社会内において指導及び支援を早期かつ効果的に受けることができるよう、必要な施策を講ずるものとする。」というふうに記載しておりますのは、そういった入り口支援、これについてもしっかり取り組むよう期待してのことでございますので、当然含まれるということでございます。

藤野委員 もう終わりますけれども、今言った入り口支援そして出口支援、ともに重要なんですけれども、法的位置づけがされておりません。

 ですから、この法案をきっかけにしっかり法的にも位置づけて、関係者が安定して安心して支援をできるように、このことを強くお願いしまして質問を終わります。

鈴木委員長 これにて発言は終了いたしました。

 お諮りいたします。

 再犯の防止等の推進に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、第百八十九回国会、内閣提出、民法の一部を改正する法律案及び民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。金田法務大臣。

    ―――――――――――――

 民法の一部を改正する法律案

 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金田国務大臣 民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、制定以来、約百二十年間の社会、経済の変化への対応を図り、国民一般にわかりやすいものとする観点から、民法の一部を改正しようとするものであります。

 その要点は、次のとおりであります。

 第一に、消滅時効について、医師の診療に関する債権は三年、飲食店の飲食料に係る債権は一年などとされております短期消滅時効の特例をいずれも廃止して消滅時効の期間の統一化を図るなど、時効に関する規定の整備を行うこととしております。

 第二に、法定利率について、現行の年五%から年三%に引き下げた上で、市中の金利動向に合わせて変動する制度を導入することとしております。

 第三に、事業用融資の債務の保証契約は、保証人になろうとする者が個人である場合には、主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役等である場合などを除き、公証人が保証意思を確認しなければ効力を生じないものとするなど、保証債務に関する規定の整備を行うこととしております。

 第四に、不特定多数の者を相手方とする定型的な取引に使用される定型約款に関し、定型約款によって契約の内容が補充されるための要件を整備するとともに、定型約款を準備した者が取引の相手方の同意を得ることなく定型約款の内容を一方的に変更するための要件等を整備することとしております。

 第五に、意思能力を有しなかった当事者がした法律行為は無効とすることや、賃貸借契約の終了時に賃借人は賃借物の原状回復義務を負うものの、通常の使用収益によって生じた損耗等についてはその義務の範囲から除かれることなど、確立した判例法理等を明文化いたしております。

 続いて、民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、民法の一部を改正する法律の施行に伴い、商法ほか二百十五の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。

 以上が、これら法律案の趣旨でございます。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時一分散会


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