衆議院

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第7号 平成29年3月31日(金曜日)

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平成二十九年三月三十一日(金曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 淳司君

   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君

   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君

   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君

   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    安藤  裕君

      井野 俊郎君    大見  正君

      奥野 信亮君    門  博文君

      菅家 一郎君    城内  実君

      鈴木 貴子君    辻  清人君

      野中  厚君    藤原  崇君

      古田 圭一君    宮川 典子君

      宮路 拓馬君    山田 賢司君

      吉野 正芳君    若狭  勝君

      枝野 幸男君    階   猛君

      升田世喜男君    山尾志桜里君

      大口 善徳君    吉田 宣弘君

      畑野 君枝君    藤野 保史君

      松浪 健太君    上西小百合君

    …………………………………

   法務大臣         金田 勝年君

   法務副大臣        盛山 正仁君

   法務大臣政務官      井野 俊郎君

   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君

   最高裁判所事務総局総務局長            中村  愼君

   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君

   最高裁判所事務総局経理局長            笠井 之彦君

   最高裁判所事務総局家庭局長            村田 斉志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房成年後見制度利用促進担当室長)  中島  誠君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           斉藤  実君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 高木 勇人君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 高嶋 智光君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          小山 太士君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  萩本  修君

   政府参考人

   (法務省訟務局長)    定塚  誠君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十一日

 辞任         補欠選任

  宮川 典子君     大見  正君

  階   猛君     升田世喜男君

同日

 辞任         補欠選任

  大見  正君     宮川 典子君

  升田世喜男君     階   猛君

    ―――――――――――――

三月三十日

 共謀罪創設に反対することに関する請願(畠山和也君紹介)(第六六四号)

 共謀罪の創設反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六六五号)

 同(池内さおり君紹介)(第六六六号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第六六七号)

 同(大平喜信君紹介)(第六六八号)

 同(笠井亮君紹介)(第六六九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六七〇号)

 同(斉藤和子君紹介)(第六七一号)

 同(志位和夫君紹介)(第六七二号)

 同(清水忠史君紹介)(第六七三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六七四号)

 同(島津幸広君紹介)(第六七五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び裁判所法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、内閣府大臣官房成年後見制度利用促進担当室長中島誠君、警察庁長官官房総括審議官斉藤実君、警察庁長官官房審議官高木勇人君、法務省大臣官房審議官高嶋智光君、法務省大臣官房司法法制部長小山太士君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省人権擁護局長萩本修君、法務省訟務局長定塚誠君及び文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局総務局長中村愼君、人事局長堀田眞哉君、経理局長笠井之彦君及び家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今野智博君。

今野委員 おはようございます。自民党の今野智博です。

 本日は、法務委員会での質疑の時間をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。

 また、本日議題となっております裁判所定員法また裁判所法の一部を改正する法律案ということで、今回、裁判所法の改正案において、修習給付金の創設ということがうたわれております。これに関しては、本当に多くの方々が長い年月待ち望んでいた制度ということで、私も、今回の給付金の創設については高く評価をしているところでございます。

 ただ、法曹養成制度全体を見ますと、従来の司法制度改革は、事前チェック型の行政国家から事後チェック型の司法国家への転換という大きな思想のもとで行われていたわけでございますけれども、現状を見ますと、結果として、法曹養成の分野に関しては特にうまくいっていない。それが法曹志願者の減少ということで如実に数字にあらわれてきている。このままでいくと、三権の一翼を担う司法権の分野、そこに有為な人材が集まらない。本当に国家としては大変ゆゆしき事態になってきているということを、我々、この委員会の場を通じて委員の皆さんとともに認識を深めているわけでございます。

 そうした中で、給付金が今回創設されるわけでございますけれども、法曹志願者の減少状況を打開するものとして、私のもとにも法曹志願の若手の学生あるいは司法修習生の方々から多くの感謝の声を寄せられているところでございます。これに関しては、私たちは、一刻も早く成立をさせて、一律月額十三万五千円という金額ではございますけれども、それを司法修習生のもとに届けるということが必要であると思っております。

 ただ、今回、この制度を創設するに当たって、従来の給費制とはまた違う制度として新たに創設したわけでございまして、その要件としまして、普通、大学の奨学金制度とかであれば資力要件が課されて、当然、裕福な方には支給されないということが制度設計としては考えられたところだと思います。ただ、そうした資力要件等を設けず一律に十三万五千円を支給するという今回の給付金制度、まずは創設される給付金制度の意義、そして一律支給とすることの理由について御見解をお伺いしたいと思います。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘ございました法曹志願者の減少、これは法科大学院の志願者数で見ますと、平成十六年当時は七万二千八百人でございましたのが平成二十八年には八千二百七十四人となります等、法曹志望者が大幅に減少している状況にあるわけでございます。新たな時代に対応しました質の高い法曹を多数輩出していくために、法曹志望者の確保が喫緊の課題となっております。

 そして、一昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、司法修習生に対する経済的支援のあり方について検討するとされましたほか、昨年六月の骨太の方針におきましても、法曹人材の充実強化を推進することがうたわれたものと承知をしております。これを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るため、本修習給付金制度を創設することとしたものでございます。

 また、一律支給についてお尋ねでございます。

 今回の修習給付金制度では、基本給付金として、全ての司法修習生に一律月額十三万五千円を支給することとしております。これは、全ての司法修習生につきまして、法令上、修習専念義務が課されまして、原則として兼業が規制されるなど、議員御指摘もございました給付型の奨学金が支給されるような学生とは立場が異なっております。こういうことを考慮したものでございます。こうした立場に鑑みまして、一律に、経済的な基盤を確保し修習に専念できる環境を整備することにより、司法修習の実効性を担保する必要があるということから、一律支給としたものでございます。

 以上でございます。

今野委員 ありがとうございます。

 実は、私ももともとは弁護士でございまして、私は、修習生のころ、旧来の給費制のもとで修習を受けさせていただきました。今から思うと本当にありがたい制度だったなという気がしております。

 その給費制が廃止されて、今回また給付金創設ということで十三万五千円の支給が開始されることになるわけでございますけれども、ただ、その間、はざまの世代といいますか、給費制が廃止されてから今回の給付金を創設するまでの間の世代は貸与制ということで修習を行っていたわけでありまして、もちろんその時代にも、修習専念義務ということで兼業の原則禁止ということがうたわれておりました。

 実は私のもとにも、その貸与制の間に修習をされていた方々、今若手の弁護士さんとか、法曹を担っておりますけれども、その方々がこれからその貸与していたお金を返還していかなければいけない、そういった状況にあって、なかなか今経済的にも苦しい、それを何とか救ってもらえないかと。もちろん、これは法のもとの平等といいますか、そうした観点からも、ある程度公平性を担保するという意味で何とか支援の方策を検討いただけないかということで、切実な声が寄せられているわけでございます。

 大変厳しい国家財政の中で、そうしたことを即座に、あるいは、その方法についてもいろいろ考えられるところでございますので、御検討していただくということが必要かなと思いますけれども、このはざま世代の貸与金の返還状況、あるいはその時々の収入状況等もこれから注視して、将来的な課題としてその世代に対する支援の方策をぜひ御検討いただきたいということで、この点についても法務省の見解をお伺いしたいと思います。

小山政府参考人 委員から御指摘がございました、修習給付金制度の創設に伴いまして、現行の貸与制下の司法修習生、これは新六十五期から第七十期まででございますけれども、これに対しましても何らかの救済措置を講ずべきとの御意見があることは我々としても承知しております。

 ただ、修習給付金制度の趣旨でございますが、これは、先ほど御答弁申し上げましたとおり、法曹志望者が大幅に減少している中で、昨年六月の骨太の方針で言及されました、法曹人材確保の充実強化の推進等を図る点にあるわけでございまして、この趣旨に鑑みますと、修習給付金につきましては、今後新たに司法修習生として採用される者を対象とすれば足りるのではないかと考えられたところでございます。

 それからまた、加えて、仮に既に貸与で修習を終えられたような方に何らかの措置を実施するといたしましても、現行貸与制下において貸与を受けていらっしゃらない方もいらっしゃいまして、この取り扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題がございます。また、そもそも、既に修習を終えている人に対して事後的な救済措置を実施することにつき、国民的な理解が得られないのではないかという懸念もあるところでございます。

 ということで、本制度につきましては、救済措置を設けることは予定していないわけでございます。

 本法案が可決、成立いたしますと、本年十一月に修習が開始される第七十一期の司法修習生から修習給付金を支給することになります。まずは新たな制度を導入していただきまして、その後はこの制度について継続的、安定的に運用していくことが重要であろうと考えております。御理解を賜りたいと考えております。

 以上でございます。

今野委員 将来の法曹人材の確保という、その今回の給付金の趣旨は私も重々承知をしております。ただ、先ほど申し上げたとおり、はざま期の世代に対しても、もちろん法曹として、例えば今回の給付金については、昨年の十二月、法曹三者の間で、この給付金に関して社会的に還元する動きを推進しようということで、いろいろ動きもあります。そういった動きと絡めて、支援の方策についてもう一度しっかり御検討いただきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきたので急ぎますが、今回こうして給付金の創設に至りました。ただ、これは、法曹養成制度の改革の大きな分野から見れば、まだまだほんの一里塚かなと私は思っております。

 やはり、法曹養成制度をしっかり実りあるものにして有為な人材を集めていくためには、どうしても法科大学院に我々は手をつけなければいけない。法務省が行った先日のアンケート結果を見ても、法科大学院の時代における経済的な負担あるいは時間的な負担が、やはりどうしても若い学生たちが法曹に向かっていく妨げとなっている、本当にこれは現実であると我々思います。

 今回、法科大学院改革についてはまだ法案として盛り込まれてはおりませんけれども、ただ、今後、平成三十年度という期限を一定の目途として、法科大学院改革、これに関して本質的な課題をしっかり見据えて取り組んでいかなければいけないということで、法曹志願者確保のために、しっかりと成果の見える形で法科大学院の抜本的な改革を進めていく必要があると私は強く感じておりまして、その抜本的な改革をいつまでにどのような形で実現されていくのか、それをお示しいただきたいと思います。

浅田政府参考人 文部科学省では、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定等に基づいて、公的支援見直し強化・加算プログラムなどを通じた法科大学院の組織見直しの促進、共通到達度確認試験の導入に向けた試行試験の実施や法学未修者教育の充実など教育の質の向上、早期卒業や飛び入学の積極的な活用や奨学金の充実を初めとした時間的、経済的負担の軽減等について、平成二十七年度から三十年度までを法科大学院集中改革期間として取り組みを行っているところです。

 また、中央教育審議会の法科大学院等特別委員会において、法学部と法科大学院の連携のあり方や法学未修者に対する教育の充実などについても審議を開始しているところでございます。

 文部科学省としては、中教審の審議も踏まえつつ、法科大学院教育の改善充実に向けた取り組みを進め、有為な法科大学院志願者の回復に努めていきたいと考えております。

今野委員 まさに中教審での審議が始まったところだと私も聞いております。本当にこれは、そこに大きなメスを入れなければ必ず将来にわたって司法の分野が衰退していってしまうということは明らかですので、我々委員も本当に注視しております。ぜひ、抜本改革を力強く、限られた時間の中で進めていただきたいと思います。

 最後に、今回の法曹養成制度、まず負担を減らすという観点から話をしてきましたけれども、もう一点、今、法曹になったとしても将来の展望がなかなか開けてこない、将来の明かりがなかなか兆してこないという問題もございます。これは、前から言われているように、法曹人材の活動領域の拡大ということで、政府を挙げてぜひまた再度取り組んでいただきたいと私も常々申し上げているところでございますけれども、今後、訴訟事件を扱うだけではなくて、社会のニーズに応じて、行政庁あるいは企業のさまざまな活動分野で法曹人材が活用される、また、あるいは企業が海外に進出する際に法曹人材が活用される、そうした、まだまだ分野を拡大していく余地というのは私は多分に残されていると思っております。

 ぜひ、法曹資格を持つ法曹人材がそうした活動領域を広げていける、今後それについて政府がしっかり後押しをするという取り組みについて、これはちょっと大臣に御決意をお聞かせいただきたいと思います。

金田国務大臣 ただいま今野委員から御指摘がございました。

 非常に私も同感でありまして、法曹有資格者がその法的素養を活用して、国の機関や地方自治体、企業といった社会のさまざまな分野で活躍することは、法曹という職業がより魅力的なものとなって、より多くの有為な人材がこの世界を目指すということになろうかと考えているわけであります。その意味におきまして、法曹志望者数を回復させ、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくという観点からも非常に重要な御指摘だ、このように考えております。

 これまでは、一昨年の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、法務省は引き続き、法曹有資格者の専門性の活用のあり方に関する有益な情報が、さまざまな場に、各分野における法曹有資格者の活用に向けた動きというものが定着するように、関係機関の協力を得てそのための環境を整備するということにされておるわけでありまして、私ども法務省といたしましても、推進会議決定のこの内容を踏まえて、将来の展望として、社会のさまざまな分野において法曹有資格者の専門性を活用する流れが加速されるように、関係機関の協力を得て引き続き必要な役割を果たしてまいりたい、このように考えております。

今野委員 引き続き力強く推進していただきたいと思います。

 時間が来ましたのでこれで質問を終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。

 修習給付金の創設を盛り込んだ今般の裁判所法の改正案、先日の質疑でも申し上げましたとおり、私は評価をしております。その上で、法曹志願者の激減している現状をいかに打開して改善していくのか、私は、この問題、非常に悩ましく思っております。

 法曹養成制度の改革によって、司法試験を受験するためには原則として法科大学院を修了しないといけなくなった、その時間的、経済的な負担が大きい、このような指摘が数多くなされております。私もそのとおりだと思います。ここを改善していかないといけない。

 その一方で、法科大学院開設当初は、その時間的、経済的負担を覚悟の上で法曹を志願する人が数多くいました。平成十六年の法科大学院の受験者の数は四万人以上です。また、旧司法試験制度のもとにおいてもリスクや負担というのはありました。合格率は二、三%、合格平均年齢はおよそ二十七、八歳、いつ受かるかわからない、そのリスクを覚悟の上で法曹を目指す多くの方がいました。それはなぜなんだろうか。法曹、なかんずく弁護士という職業がそのリスクに見合う魅力ある、また価値あるものだったからだと私は思います。

 今は、ではどうなのか。法曹養成制度の改革によって弁護士を激増させた、それに伴って、就職できない合格者がふえた、経済状況が不安定な弁護士がふえた。弁護士という職業について、仕事そのもののやりがい、魅力は変わらない、そのものはあったとしても、経済的な意味での魅力、安定性が全般的に低下した、こういうイメージが今広まりつつあるということは、これは事実だと思います。これが法科大学院の経済的、時間的負担に見合う価値あるものとは多くの方に映っていないのではないか、このようにも推察されます。

 この出口の問題を解決して、弁護士になれば、ある程度安定した経済環境のもとで社会に役立つさまざまな仕事ができる、将来にこの明るいビジョンを描けるようにすることが私は重要であると考えております。

 この点、当初は年間三千人の合格者を出すことが目標とされていたのが、平成二十七年六月三十日の法曹養成制度改革推進会議決定では、合格者を千五百人程度は輩出されるようにする、こういう表現ぶりに変わっております。合格者増員政策に歯どめをかけたこと、これについて私は評価をしております。

 ここで改めて法務省に、なぜ千五百人に減らしたのか、その理由について伺います。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘の、当初の司法試験の合格者数の目標でございますが、平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書では、国民生活のさまざまな場面における法曹需要が増大することが予想され、その対応のためにも法曹人口増大の必要性が指摘されまして、それで、平成十四年三月に閣議決定がございました司法制度改革推進決定でございますけれども、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とするということが目標とされたわけでございます。その後の事情といたしまして、司法試験の合格者数が平成二十二年以降も二千人から二千百人程度にとどまりまして、年間合格者数が三千人というこの目標が未達成でございました。これがまず一つ。

 それから、二番目でございまして、法曹有資格者の活動領域の拡大がまだ限定的でございまして、司法修習終了直後の弁護士未登録者数が増加傾向にあり、法律事務所への就職が困難な状況がうかがわれたことから、御指摘の平成二十五年七月、法曹養成制度改革閣僚会議決定におきまして、司法試験の年間合格者数を三千人程度とする目標は現実性を欠くものとして、事実上撤回されました。

 そして、平成二十七年六月、法曹養成制度改革推進会議決定では、法曹人口のあり方について、新たな法曹を年間千五百人程度輩出できるよう必要な取り組みを進め、さらには、これにとどまることなく、社会の法的需要に応えるため、より多くの質の高い法曹が輩出される状況を目指すべきとされたところでございます。

 以上でございます。

國重委員 要は、弁護士ニーズに対する甘い見通しがあったことは、これは事実だと思います。この点については、私は深く反省しないといけないところだと思っております。

 弁護士数をふやした結果、就職難がふえた、また経済的に不安定になった、このような事実がありますけれども、ただ、この就職難につきましては、厳しい現実がある一方で、ここ数年、就職難の状況というのがやや改善されつつあるとも聞いております。

 そこで、近年の弁護士未登録者数の推移について簡潔な答弁を求めます。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 今の、弁護士未登録者数の割合の推移でございます。

 六十六期、六十七期、六十八期でございますが、この未登録者の割合を調べておりまして、一括登録日、修習終了直後の未登録者の割合、六十六期につきましては二八%でございましたのが、六十七期は二七・九%、六十八期について二六・五%でございます。

 それから、しばらくおきまして、一括登録日から六カ月後時点での未登録者の割合が、六十六期について四・三%、六十七期について三・九%、六十八期については三・一%ということでございまして、弁護士未登録者の割合が統計上は減少しているところが見られるところでございます。

 以上でございます。

國重委員 今、改善傾向があるということを聞きました。私も日弁連の方とも少しやりとりさせていただいたところによりますと、今六十八期まで出ましたけれども、六十九期の未登録者数の割合、これについてはさらに改善傾向にあるということも聞いております。

 現実は現実として厳しく受けとめつつも、必要以上にネガティブなイメージというのをやはり増幅させていくべきではないと思っております。改善傾向にあることについてもしっかりと発信をしていく、このことが法曹志願者の激減を食いとめる、これも一つの対策になるとは思いますので、これについてもしっかりと発信していただきたいと思います。

 次に、弁護士の職域の拡大についてお伺いしたいと思いました。ただ、これにつきましては、先ほど今野委員の方が大臣に質問されましたので、私としては、質問としてはこれはもう省きますけれども、ただ、今現在、弁護士の職域は拡大されつつある一方で、でも、今、弁護士を増加した、その数に見合うだけの拡大はされていない現状もございます。弁護士会またそれぞれの弁護士のさらなる努力とともに、やはり、甘い見通しでこのように弁護士をふやしてしまったという政府にも責任はあるわけですから、しっかりとバックアップのフォロー、サポートをしていっていただきたいというふうに思います。

 では次に、法科大学院の経済的、時間的負担についてお伺いいたします。

 平成二十七年六月三十日の推進会議決定を受け、法科大学院の改革を今進めているさなかだというふうに思いますけれども、志願者数の減少に歯どめがかかっていない、これが現実です。法学部に在籍する学生に対する法曹志望アンケートによりますと、司法修習において給与を受けられないことよりも、大学卒業後法科大学院修了までの経済的負担の大きさに対する不安の方が大きい、このような調査結果が出ております。

 法科大学院の授業料は、国立で年間約八十万円、私立で約百十万円、先日の参考人質疑でお越しいただいた参考人のお二人も、法科大学院の経済的負担が大きいことを理由に、今の制度であれば自分は法曹を選択しない、法曹を選択できていないだろうという旨のお話をされました。また、現実に、経済的な負担ゆえに法科大学院を途中でやめていく人もいます。

 そこで、文科省として、法科大学院の経済的負担を軽減するために、現在どのようなことに取り組み、今後どうしていくのか、樋口尚也文科大臣政務官にお伺いいたします。

樋口大臣政務官 法科大学院生の経済的負担を軽減することについては、大変重要な課題だと認識をしております。

 現状ですけれども、日本学生支援機構において、大学院生については、在学中に特にすぐれた業績を上げた者に対し、無利子奨学金の全部または一部を免除する制度により、実質的な給付支援を行っているところであります。加えて、貸与基準を満たす希望者全員に無利子奨学金の貸与をしております。

 また、平成二十九年度進学者からは、卒業後の所得に連動して返還をする所得連動返還型奨学金制度を導入し、返還負担が大幅に軽減をされます。加えて、経済的理由により奨学金の返還が困難となった者に対する減額返還制度や返還期限猶予制度による負担軽減を図っているところでございます。

 また、文部科学省として、国立大学、私立大学、それぞれの授業料減免の充実を図っているほか、全ての法科大学院で大学独自の給付型奨学金も設けられております。

 経済的負担の軽減については、学生のニーズが非常に高いことを認識しておりまして、今後とも、意欲と能力がある学生が経済的理由により修学を断念することがないように、必要財源を確保しつつ、奨学金事業の充実、さらに授業料の減免の充実に最大限努力をしてまいりたいと思います。

國重委員 今でも相当な支援というのはしていただいているところだと思いますけれども、やはり学生が不安に思っている現状がございます。さらなる支援をどうかよろしくお願いいたします。

 今、経済的負担についての答弁をいただきましたけれども、時間的負担の大きさについても、これは指摘がされているところであります。時間的負担が短くなれば、それに伴って経済的負担も軽くなる、この二つには関連性があると思います。さまざま難しい問題がありますけれども、時間的負担についても、今後新たな切り口による改善が必要なのではないかと考えております。

 文科省として、法科大学院の時間的負担を軽減するための施策の現状と今後の取り組みについてどのように考えているのか、お伺いいたします。

樋口大臣政務官 現在でも、優秀な学生については、学部に三年在学した後に法科大学院の二年間の既修者コースに進学するなど、柔軟な対応をとることが可能であります。

 文部科学省では、この早期卒業や飛び入学を積極的に活用し、学部入学から五年間で法科大学院を修了する仕組みを導入している大学院に対して、公的支援見直し強化・加算プログラムにおいて財政的な支援を行っているところであります。この早期卒業や飛び入学を利用した大学院への入学者数は近年増加傾向にありますけれども、これをさらに拡大をしてまいりたいと思います。

 中教審の審議も始まりました。このような観点から、法科大学院と法学部等の一層の連携強化について審議をしていただいているところでございまして、今後とも拡大を図ってまいりたいと思います。

國重委員 またこの時間的負担の軽減については、我々としてもしっかりと考えてまいりたいと思います。

 最後の質問になります。

 法科大学院の入学者のうち、当初は既修者よりも未修者が多くいました。それが今や逆転をいたしまして、しかも未修者コースのうち法学部出身者が七割以上という現状がありまして、純粋な未修者は今激減をしております。これが法曹志願者激減の最大の理由であると捉えております。

 文科省として、この事実をどう捉え、今後どのように改善に取り組んでいくのか、お伺いいたします。

樋口大臣政務官 現状におきまして、法学既修者コース修了者は修了後三年目で司法試験累積合格率が約七割であるのに対しまして、法学未修コースは修了後五年目で累積合格率が約四割となっておりまして、法学未修者に対する教育の充実が大きな課題であるとまず認識をしております。

 文科省といたしまして、これまで、法学未修者に対する入門科目の設定や教育方法の工夫、法律基本科目の単位数の増加など教育の充実に努めてきたところでありますが、中教審でも法学未修者に対する教育のさらなる充実の方策について審議をしていただいているところでありまして、今後とも、この中教審での審議も踏まえつつ、國重議員御指摘のとおり、法学未修者教育の抜本的な改善、充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

國重委員 法科大学院制度のための法曹養成ではない、法曹養成のための法科大学院制度なんだ、このことを念頭に、今後しっかりとまた取り組んでいただきたい、また、我々も取り組んでいくということをお約束して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 おはようございます。民進党の山尾志桜里です。

 大事な給費制復活についての法案審査ということで、しっかりその中身を議論したいと思いますが、ちょっとその前に、大臣、私、手元に東京新聞三月二十八日の記事があるんですけれども、この記事によると、三月二十七日、金田法務大臣が都内のパーティーで、新共謀罪について「「四月から法案審議に入る」と明言した。」、こういう記事があります。

 大臣、都内のパーティーで、四月から法案審議に入るとおっしゃったんですか。

金田国務大臣 山尾委員のお尋ねにお答えをいたします。

 三月二十七日、御指摘の会合における発言の一つ一つについて具体的に記憶をしているものではありませんが、テロ等準備罪を含む法案につきまして、国会における速やかな御審議と御可決をお願いしたいという趣旨の発言をした記憶はございます。

山尾委員 そうすると、大臣がおっしゃっているのは、この法案審議に四月から入るというのは、共謀罪について特定して言ったものではない、こういう記憶ですか。

金田国務大臣 ただいま申し上げましたが、御指摘の会合におきます発言の一つ一つを具体的に記憶しているものではありませんが、テロ等準備罪を含む法案について、国会における速やかな御審議と御可決をお願いしたいという趣旨の発言をしたと申し上げました。

山尾委員 確認ですけれども、そうすると、大臣の言われるところのテロ等準備罪、四月から法案審議に入るというふうに明言したかどうかについては記憶が定かでない、こういうことですか。(発言する者あり)

金田国務大臣 私が先ほど申し上げましたとおりでありまして、法案審議の開始時期あるいは順序については、当然ながら国会においてお決めいただくことであります。したがいまして、いずれにせよ、私としては、ただ先ほど申し上げたとおりでありまして、その当然の前提のもとで、テロ等準備罪を含む法案につきまして、国会における速やかな御審議と御可決をお願いしたいという趣旨の発言をしたものと記憶をいたしております。

山尾委員 お答えいただいていないんですね。

 私は、ある特定の法案を指して、ある特定の法案審議の時期について、これには明言したとありますけれども、そういうふうにおっしゃったのなら大変問題だというふうに思います。

 そして、今の御発言を聞いていると、その記憶があるかどうかについては慎重に答弁を避けているということになります。記憶を喚起していただきたいというふうに思います。

 今、与党席から、そんなのどうでもいいじゃないかという発言がありました。どうでもいいというふうに私は思いません。なぜなら、大臣が実際にこのわずか三日前、三月二十四日の会見でも、共謀罪法案の成立時期の目標と見通しについて尋ねられたとき、法案審議の順序等、国会審議のあり方については、国会においてお決めいただく事柄であり、法務大臣の立場からコメント等すべきことではないと考えています、大臣自身がこうおっしゃっています。この言葉自体は正しいと思います。先ほど何かおっしゃった自民党の議員の考え方とは違うと思いますね。どうでもよくないということだと思います。

 そして、今まだ記憶が定かではないということですけれども、重ねて申し上げれば、もし本当に、特定の法案について四月からというように、一定の時期を指して審議に入るというようなことを言っていたということに仮にも、万が一にもなれば、あの衆議院予算委員会、忘れもしない驚愕の金田ペーパー、あのペーパー、まさに立法府がやることについて、行政府がその審議のあり方について口を出す、こういうペーパーを、金田大臣自身が何をもって謝罪し、撤回したのか、あの謝罪と撤回は何だったのか、もう一回あの時点に戻って、私たちはしっかりと議論しなければならないということになると思います。

 この点、私の方からはっきり申し上げさせていただいて、もう一点お聞きしたいんです。

 与党の方から、今後の共謀罪の法案について、刑事局長を呼ぶべきだ、こういう発言が出ているように聞いています。大臣、まさか大臣の立場で、刑事局長を呼ぶべきだ、こんなことは今も今後もおっしゃらないですよね。

金田国務大臣 先ほども申し上げましたが、山尾委員の御指摘に対しましては、国会における法案審議のあり方や開始時期や順序、そういうものにつきましては、当然のことながら、国会においてお決めいただくことであるということであります。私はそのように解しております。

山尾委員 そうすると、今後大臣として、こういった委員会等の場で、まさに国会審議のあり方の一つであります刑事局長を呼ぶとか呼ばないとか、こういうことについて一切コメントはされないということは確認できたというふうに、私は善意に理解をしたいというふうに思います。

 それで、今問題となっているのは法案審議の順序ですから、大臣には尋ねません、順序について大臣は何かおっしゃる立場にないということが確認できましたので。まあ、パーティーでおっしゃったかどうかは別ですよ、記憶が定かじゃないということなので。

 一つお聞きしたいんですけれども、きのう民進党の方で、法務部会で、これまでの審議の中で、新共謀罪について、成案ができたら説明しますという趣旨の答弁をされた約四十のテーマについてリストを法務省に提出させていただきまして、成案ができたんですから御回答くださいということをやらせていただきました。一時間十五分みっちりやりましたけれども、四十ありますから、三つまでしかたどり着きませんでした。それぞれの回答も、私たちからすれば納得のいくものとは言いがたかったということでありますが。

 その議論の中で、ちょっと大臣、確認をしたいんですけれども、三事例というのがありましたね、三事例。テロ対策、こういうところが穴になっているよという三事例。私、大臣と深く議論しまして、三事例が穴かどうかという話じゃありません、今。三事例は立法事実ですよねという確認をさせていただいたと思いますけれども、もう一回確認します。あの三事例は立法事実ですよね。

金田国務大臣 法務省からお示しをしました三事例というのは、テロ等準備罪についてその成案を得られていない段階で、条約を締結してテロを防ぐために現行法上のどこに不十分な点があるかについてわかりやすく御理解をいただくために例としてお示しをしたものであります。

山尾委員 質問にお答えいただけていないんですけれども、立法事実ですか、立法事実ではありませんか。

金田国務大臣 お答えします。

 三事例は、成案を得られていない段階で、条約を締結してテロを防ぐために現行法のどこに不十分な点があるのかについてわかりやすく御理解をいただくために例としてお示ししたものでありまして、お示ししたように、現行法に不十分な点があることは、立法の必要性を裏づける、いわゆる立法事実の一つであると考えております。

鈴木委員長 山尾君に申し上げます。

 本日は法案審査でありますので、その範囲内での質問をお願いします。

山尾委員 今、立法事実の一つであると明言をいただきました。

 きのう、法務省のお役所の方は、これは最初、立法事実ではないとおっしゃったんですね。私が大臣とのやりとりを引いてお話をしましたら、最終的には、私の理解だと、立法事実かどうかは答えられない、大臣の答弁したとおりである、こういうふうに変わったんですね。

 私が申し上げたいのは、今、新共謀罪の法案の審議をしているということよりも、法案審議の準備が全く整っていないのではないですかということをお話ししたいと思っているんです。

 成案が出れば説明するということで、少なくとも四十カ所そういう状況が続いていて、そのうちの一つである、立法事実かどうかということについても、役所が答えていることと大臣が答えていることが、今も、きのうときょうでギャップがある。さらに、そのほかにも行列が長く続いているわけですね、成案を得たら答えますと。私たちの考え方からすると、この土俵をしっかり整えていただかなければ、とてもとても法案審議になんか入れない、こういうことを申し上げているわけです。

 そして一方で、性犯罪厳罰化法案……(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか。性犯罪厳罰化法案について、公明党の皆さんが、当然のことながら、性犯罪厳罰化法案をこの共謀罪より先に審議すべきだというふうに強くおっしゃっていると記事ではお見受けをしております。

 私、改めてお聞きをしたいんですけれども、性犯罪厳罰化法案、大臣なりの言葉でその重要性を語っていただけませんか。

井野大臣政務官 性犯罪の刑法改正案、国会に提出をさせていただいておりますけれども、当然これは、今まで、女性被害者等の心情を鑑みますと、やはり法定刑が低かったということを我々も考えて、検討して今国会に提出させていただいておりますので、ぜひその点は、国会審議を早期に審議して御可決いただければというふうに思っております。

鈴木委員長 山尾委員に申し上げます。

 本日は裁判所定員法並びに裁判所法の審議でありますので、その範囲内での質問をお願いします。

山尾委員 今政務官が言っていただいたとおり、早期にこれは審議をし、そして結論を出すべき法案だと思います。

 一点言わせていただければ、これは客体、被害を受ける方が女性に限らない、男性あるいは性的マイノリティーの方も入ることになる、そういう点でも大変重要な法案ですし、大臣、これは聞いていただきたいんですけれども、私たちも早く審議入りしたいと思っている。順番からしても当たり前だと思っている。先入れ先出しの原則です。そして、これが一日でも成立が不合理な事案でおくれればおくれるほど……(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか。

鈴木委員長 静粛に願います。

山尾委員 今この時点で、いや、今言わなければ、どうやら共謀罪が先に審議に入ってしまうんじゃないかというぎりぎりの時点だから、当事者の皆さんの声を伝えているんですよ。それが、ちゃんと順番を守っていただいて、あるべき姿できちっと議論していただける、今そう言っていただければ全く問題がないことです。おかしいんじゃないですか、ちょっと。(発言する者あり)

鈴木委員長 静粛にお願いします。

山尾委員 いいですか、大臣。大臣は別に、この性犯罪厳罰化法案を後回しにすべきだということは現時点でおっしゃっていないというふうに受けとめていますから、何も批判はしていません。知っていただきたいんです。(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

山尾委員 一日、この法案が、成立がおくれればおくれるほど……(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。(発言する者あり)

 重ねて申し上げます。御静粛にお願いします。

 山尾委員、続けてください。

山尾委員 おくれればおくれるほど、今この時点では、親や監護者から性被害を受けている子供は、暴行、脅迫がない限り、まさに犯罪の被害者とは認められません。そして、まさに告訴権者から被害を受けていたり、あるいは父親から被害を受けていても、母親に告訴をしてもらえないような子供は、なかなか被害者としてしっかりとした捜査を受けることもできません。

 だけれども、それを変えようとしています。そして、百十年間、この国の刑法は、強盗の方が強姦よりも重い、物を奪う犯罪の方が、男女問わず、下限の点で、人の性的な魂を奪う犯罪よりも重い、そういうことが続いてきました。

 これは一日たりともおくらすことのできない法案だということをぜひ大臣に知っていただいて、いや、大臣がこの性犯罪厳罰化法案の重要性を語っていただければ、私から伝える必要までなかったかもしれないですけれども、残念ながら政務官だったので、そういうことを知っていただきたいというふうに思います。

 共謀罪の審議を後から無理やり前に持ってきて、そして、この性犯罪厳罰化法案を先送りするようなことがあってはならないということをこの場でお伝えしなければ、まさに与党の皆さんは共謀罪を先にやろうとしているから、私は申し上げております。何かありますか。

金田国務大臣 先ほどから私も申し上げたかもしれませんが、国会における法案審議の開始時期あるいは順序というものにつきましては、当然のことながら、国会においてお決めいただくものと受けとめております。

山尾委員 それでは、大臣からは、そういった審議のあり方については大臣の立場でコメントはしないという決意をお伺いしましたけれども、給費制の話をさせていただきたいと思います。

 大臣、いわゆる谷間の世代、貸与になってしまった六十五期から七十期までの司法修習生、この世代というのは全法曹人口の約何割を占めるボリュームがあるというふうに、御存じですか。

井野大臣政務官 数字的なものですので、私の方からお答えを申し上げます。

 新六十五期から、本年十一月に修習を開始しました七十期までの修習生の採用数は合計一万一千八十三人でございまして、平成二十八年四月一日現在、裁判官、検察官、弁護士を含む全法曹は四万二千五百八十五人でございまして、約四分の一になります。

山尾委員 そのとおりなんです。四分の一、全法曹人口のおよそ四分の一をこの谷間の世代が占めて、これからのリーガルな分野を担っていくということになるので、この谷間の世代の救済措置をどうするのか、是正措置をどうするのかというのは、大変私は司法の未来にとって大きなことだという問題意識を持っております。

 そして、その点なんですけれども、大臣、この谷間の世代について、今回の法案では特に措置は講じられておりませんですよね。私は、将来的な課題として、この措置については検討するべきだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

盛山副大臣 我々の方で、今回の貸与制をどのように変えていくのか、いろいろ検討させていただきました。

 今委員がおっしゃるとおり、今回の法案では、給付金制度の導入に伴って、現行貸与制下の司法修習生に対する救済措置を設けることは入れておらないわけでございますけれども、その理由といたしましては、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという今回の修習給付金制度の趣旨からすれば、今後新たに司法修習生として採用される方を対象としたいということでございまして、現行貸与制下の司法修習生を対象とするということはなかなか今回は入れにくいな、こういうことになりました。

 仮に何らかの措置を実施するとしても、現行貸与制下において貸与を受けていない方の取り扱いをどうするかといった、制度設計上の大変困難な課題もありました。また、既に修習を終えている方に対して事後的な救済措置を実施することについての理解を得ること、これも困難であろうか、そんなふうに考えた次第であります。

 今回、給付制というものを入れるというんでしょうか、復活するといったようなことをどのようにしてスタートできるかということを関係者といろいろ協議した結果でございます。前向きの措置を今回入れるということで、大変苦労したわけでございますが、そういったところをぜひ評価していただきたいと私たちは望んでおります。

山尾委員 私は、給費制を復活させるということで、一歩前進したということは評価しております。ただ、私は、この谷間の問題がほとんど、いろいろな検討会の議事録を見ても出てきていないことに、すごく不可思議な思いをしたんですね。

 今、副大臣の方からは、法務省なりの理由を言っていただきました。二つ言っていただいたと思いますよ。一つは、この立法目的が法曹人口の減少対策であるということを言っていただきました。でも、このことについて言わせていただければ、やはり、法曹人口減少の主たる原因は、修習時代の経済的負担よりも法科大学院の問題、あるいは、法科大学院が司法試験受験資格とリンクをしていることによる時間的、経済的負担の方が主な原因ではないかということは、政党を問わず共有の認識になっているところであります。

 一方で、やはり、全法曹人口の四分の一を占める当事者がこういった、上からの不安定な司法制度改革の谷間に落ち込んで、少しは回復をしようとしたけれども、四分の一の皆さんは公正な是正措置も受けられないまま法曹としての道を歩んでいくということは、私は、法曹人口減少にある意味悪い影響を与えるんじゃないかなというふうに思うんですね。

 これから、この法務委員会でも、法科大学院のあり方を含む司法試験についてはいい議論がされていくでしょう。過渡的措置も必要になっていくでしょう。そういう、これから先、みんなでやはり制度変更を考えていかなきゃいけないというこのテーマにおいて、制度変更による不利益を帰責性のない当事者が負ったまま是正措置を受けられない、こういう先例にしてはいけないというふうに思うんですね。

 だから、不安定な司法試験制度、これについての法曹志望者の不信感を払拭する、法曹人口減少に歯どめをかける、こういうふうに真剣に取り組むということなら、大臣、もう一回聞きたいんですけれども、制度変更の不利益は、当事者、志望者、挑戦者、こういう皆さんにリスク転嫁をしない。現段階では措置しないという状況になっているのは、そうなんですねというふうに私は受けとめていますけれども、必ずしも今後の検討を排除するものではないということぐらいは、大臣の立場であれば言えると思うんですね。大臣、いかがですか。

金田国務大臣 まずは、平成三十年度以降の貸与金の返還状況の推移など、そういった点を見守ってまいりたい、このように考えておる次第であります。

山尾委員 私の考えは全く違うんですね。

 平成三十年の七月から、この谷間の世代の最初の皆さんの返済がスタートするんですよ。谷間の世代の最初の方が、返済スタートが来年の七月ですよ。七月までに、私はやはり一回検討すべきだというふうに思うんです。

 なぜなら、もし一人でも返済がスタートをしてしまったら、やはり、今度は制度設計上の困難の理由が一個つけ加わるわけです。谷間の世代の中でも返済を開始した人と開始されていない人がいる、より是正措置が困難になる、制度設計上困難になるんですよ。

 だから、大臣、今の話は違う。検討するなら、まず一つの目安として、やはり最初の返済が始まる来年の七月というのは一つの目安です。そこまでにもう一回私は検討すべきだと思います。

 そして、もう一回、よく見ると、この谷間の問題というのは一体どこで検討されたんですか。私が見る限り、法曹養成制度改革推進会議、これでも特段の検討はされていない。この議長のもとに置かれた顧問会議、これでもどうやら検討されていない。もちろん、二〇一六年の閣議決定でも当然検討はされていないですし、唯一あるとしたら、一昨年の十二月から今、第六回まで協議会が続いている法曹養成制度連絡協議会ですか、これは議事概要しか出ていなくて、議事録がわからないんですよ。でも、どうやら、役所に聞くと、この協議会でもこの谷間の問題を特段議題に上げて検討はしていないというふうに聞いています。

 ちょっとこの点確認したいんですけれども、法曹養成制度連絡協議会で、この谷間の問題について議論を今までされているんですか。

盛山副大臣 委員御指摘の今回の問題につきましては、これまで、関係者、つまり法務省、最高裁そして日本弁護士連合会、この三者におきまして何度となく協議を重ねてまいりました。そして、どういうふうにしてこの貸与制を変えて給費制にするかということをかんかんがくがく検討した結果、今回の結論に立ち至ったものでございます。

 御指摘のとおり、その連絡協議会、こちらの方で検討したものではございませんが、その主要な関係者でございます、つまり文部科学省以外の三者が何度となく検討をいたしました。

 以上でございます。

山尾委員 なので、私たちが目にすることができる公的な検討会の中でこの谷間の問題というのは検討された形跡がないし、今、副大臣からも、この協議会では議題に上がっていないということを伺いました。そして、三者のもとでけんけんがくがくということをおっしゃっているんですけれども、一体どういった場で、どういった議題に従って、どういった議事進行をして、誰がどういう意見交換をしてこの谷間の問題が議論されたのかというのは、申しわけないけれども、私たちは全く見ることができない。

 これは別に、何か非公開にするような話では本来全くないと思うんですね。それを公開していただいて、私たち法務委員もどちらかというと後押しする立場でしっかり議論に参加をしていくということだと思うので、何かすごく不可思議な状況なんです。

 皆さんのお手元に、「司法修習生に対する経済的支援について」という紙を配っております。二の「主な確認事項」というところで、まさに法曹三者がこの経済的支援について確認したよということがあるんですね。この文字を幾ら目を血眼にして見ても、この谷間の問題について措置をするとかしないとか、こういうことは一切書いていないんです。

 でも、私、すごく不思議なのは、あえて、もう私、法務大臣に余り聞きたくないですけれども、法務省の役所に聞くと、文字にはないけれども、措置しないということも確認されたと法務省は解釈していると言うんですよ。これは本当ですか。

盛山副大臣 この法務省の報道にございますとおり、十二月の十九日だったと思いますけれども、三者、繰り返しますが、法務省と最高裁と日本弁護士連合会、ここでの確認をいたしました。そして、それまでの検討の結果ということでございまして、現行の貸与制下の司法修習生に対する救済措置、これに対しては含んでおりません、というか入れておりません。今回の前向きな部分、給費制をどのように、どういった形でやるのか、そういったところについての合意を得たものですから、それについての発表をいたしました。

 そして、ことしの二月八日の法曹養成制度改革連絡協議会、ここに、事後的な形で御報告、こういうことを合意しましたという報告をしてあります。その議事の概要その他については、ホームページをごらんいただければ、オープンな形にしております。

山尾委員 今、手元にありますけれども、ホームページをごらんいただければ、オープンな形とおっしゃっても、二行なんですね。「法務省から、資料四に基づき、司法修習生に対する新たな給付制度の概要について報告され、それについて意見交換が行われた。」、以上なんですよ。オープンじゃないんですよ。

 別に私、これは、議事を見て何か問題点をあぶり出そうとか、そんな思いじゃなくて、誰がどういう立場でどういう意見を言ったのかということをきちっと精査して、後押しするような質問をしたいと思っているんだけれども、オープンじゃないんですよ。クローズなんですよ。どういう意見交換が行われたんですかと聞いても、言葉も返ってこないんですね。

 今、副大臣の言葉を正確に言えば、この確認には谷間の措置については含まれていない、入れていない、これはわかりました。だから、今後、含むべきか、入れるべきか、検討の余地は私はあると思うんです。

 これは最高裁に聞きます。

 さっき、制度設計上の困難があるという話があったんですけれども、私は、多分、制度設計上困難じゃなくて、財源の問題だと思うんですね。制度設計としては、やはりとり得る現実的な措置として、ほかの先生方からも提案がありましたけれども、貸与を受けた人には月額十三万五千円分の返済を免除する、貸与を受けていない人にはその分を給付する、これが一番シンプルな考え方の一つかと思います。

 この考え方でいうと、最高裁にお伺いします、幾らそれぞれについて必要となりますか。

笠井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 新六十五期から七十期までの司法修習生の採用者数は約一万一千人余りでございます。このうち、貸与金を借り受けた修習生が約八千人、借り受けなかった修習生が約三千人となります。

 借り受けた修習生に対し月額十三万五千円を免除する場合の総額が約百四十三億円、借り受けなかった修習生に対して十三万五千円を支給する場合の総額は約五十一億円余り、合計でおおよそ二百億円という金額になります。

山尾委員 そういうことです。弁済免除分が百四十三億、給付分として五十一億。

 そして、弁済免除分、確かに、貸したお金が返ってこないという意味で、歳入に欠けることに今後なっていくということにはなるんでしょうけれども、これは裁判所関連予算の歳出とのひもづきは特にないんですよね。今貸している分が返済免除になったときに、その予算、百四十三億、これを見越して、裁判所として、これに使う、何らかのものに使うと、何か決まっているような使途とのひもづきはあるのか、ないのかということです。

笠井最高裁判所長官代理者 それは国の歳入ということになりますので、ひもづけということではございません。

山尾委員 そうすると、まさに新たな財源をこれから必要とするのは五十一億ということにも解せるかというふうに思います。だから、つまり、設計上の困難というよりは財源の問題だと思うんですね。

 今回、給費制が復活することによって、単年度で必要とされる分が三十億というふうに聞いています。それを考えたときに、今回、この過渡的措置としてのワンショットの五十億をどのように考えるかということは、私は考える価値のあることだというふうに思います。

 この点について、大臣、一言どうですか。今入っていないのはわかります。でも、今後どうするかということを検討する余地はあるんじゃないですか。これは大臣にしか言えないんです。紙じゃなくて大臣の言葉で、どうぞここは。言える範囲の中で、言えるところはあるでしょう。

金田国務大臣 ただいま山尾委員の御指摘がございました。今後の問題を検討するに当たっての財源の分析、あるいは最高裁の方からのお答えや見通しもございました。

 そういう中で、予算という面もあろうかと思います。でも、救済措置を今回設けていなかった理由は、先ほど副大臣から申し上げておるとおりであります。

 ですから、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るという修習給付金制度の趣旨からすれば、現行貸与制下の司法修習生をも対象とする必要性に欠けるという点は、先ほど申し上げたとおりであります。

 また、現行貸与制下において貸与を受けていない者、あるいは繰り上げ返済により既に返済を終えた者の取り扱いをどうするかといった、制度設計上の困難な問題もあるわけであります。ですから、そもそも、既に修習を終えている方に対して事後的な救済措置を実施することについては、国民的理解を得ることが困難ではないかという課題もあろう、このように思っている次第であります。

山尾委員 ちょっと、大臣に聞かずに終わらせた方が建設的だったなという思いですね、この点。何とも本当に、いやはやという感じです。これまではせっかくいい雰囲気で議論が前に進んでいるのに。

 最後に、ちょっと一個だけお伺いをします。もう時間になっていますので。

 この確認の資料の最後の丸なんですよ。「司法修習を終えた者による修習の成果の社会還元を推進するための手当てを行う。」というものなんです。

 大臣、一点だけ聞かせてください。

 社会還元とは何ぞやということなんですね。例えば、閣議決定された新共謀罪の問題点を法的な側面から調査分析して視点を提示してくれるような弁護士の活動は、この修習の成果の社会還元に入るんですか、入らないんですか。それとも大臣としてお答えはされないんですか。どうですか。

井野大臣政務官 社会還元については、基本的には弁護士による社会還元になるかと思います。そうしますと、弁護士自治との関係もございますので、どのような社会還元をするかということは基本的には弁護士会の方で御判断されることかと思いますけれども、これまでの日弁連が定めたモデルプラン等においては、経済的、社会的弱者に対する各種の法的支援であったり、司法過疎地域の法的サービスなどに従事することが社会還元の一つだというふうに規定されているということでございます。

山尾委員 社会還元というのは、国家が定義をし、これは社会還元に当たる、当たらないと分別するようなことはやるべきではない、そして、これをどう手当てするかは、あくまで弁護士自治に委ねることを貫徹すべきであって、政府が何か法律で義務づけるようなことではありませんよねというのが私の本意です。

 ちょっと質問するかためらうんですけれども、大臣、いかがですか。共有していただけますか。

金田国務大臣 ただいま井野政務官からお答え申し上げたとおりであります。

山尾委員 以上です。

鈴木委員長 次に、枝野幸男君。

枝野委員 まず、大臣にぜひ、質問で何を聞かれているのかをきちっと理解して、聞かれたことにお答えをいただきたいと思います。

 私、先週、森友学園の籠池さんという方の証人喚問をいたしました。あの方が言っていることが全て本当なのかどうか、私にはわかりません。あの方と、政治信条はどうも、百八十度とはいかないまでも、百二十度ぐらいは違っているようであります。

 ただ、あの方、間違いないのは、私が聞いたこと、何を聞かれているかきちっと理解をして、聞かれたことにお答えになりました。答えられませんという答えもありましたが、聞かれたことをちゃんと理解して、そのことに答えていただきました。

 まさか、大蔵省で主計官までされた方が、あの方よりも何を聞かれているのかの理解力が乏しいとは思いたくありませんので、あの方並みには正面からちゃんと答えていただきたい。まず申し上げたいと思います。

 その上で、特に今回の裁判所法、まだまだ不十分でありますけれども、やらないよりはましだというふうには思います。ただ、そもそもが、司法制度改革の中で法曹養成制度改革は間違えたという、この認識を共有しないと、抜本的な話にはならないと思います。

 ちょっと、言葉の揚げ足取りみたいなことは嫌なんですけれども、先ほどの与党の質問の中だったか答弁の中だったかで、法科大学院に行って、法科大学院を出て、そして司法試験に受かってというのが原則というようなお話がありましたが、私、ここの質疑の中で、必ずしもそうではないということは既に答弁いただいています。私が、これから大学に入って法曹を目指そうという人に、ロースクールに行くよりも予備試験を受けて予備試験に受かって、それで本試験を受けた方が、その方が早いですよということをお勧めしても問題ないですねと言うのに、問題ないというお答えをいただいております。もはや原則は予備試験である、その中でロースクールをどうやって敗戦処理していくのか、私はこれが一番重要なことだということを申し上げた上で、今回の法案に関連するお尋ねをしていきたいと思います。

 まず、今回のいわゆる事実上の給費制の部分復活に至った理由には、法曹に対する魅力が低下をしている、そこには、弁護士に対する信頼というものが弱まっているというところが私は背景にあると思います。後でやじられないように、どう関連しているか最初に言っておきます。

 まず、弁護士法は、二十三条で弁護士に守秘義務を課しています。弁護士の守秘義務というのは依頼者との間の委任関係が終了した後も継続する、つまり、依頼者から、委任関係にあって、そのときにその委任関係に基づき知った秘密については、委任関係が終了した後も口外してはいけない、こういう解釈でよろしいでしょうか。

井野大臣政務官 先生御指摘のとおり、二十三条は守秘義務を規定しているところでございます。

 同条の規定の義務、守秘義務自体は、もう当然、依頼者との委任関係が終了した後も続くものというふうに理解しております。

枝野委員 念のため伺いますが、二十三条の守秘義務には、「法律に別段の定めがある場合」を除きというただし書きがあります。

 この「法律に別段の定めがある場合」、つまり守秘義務が解除される法律上の根拠とはどういう場合ですか。

井野大臣政務官 「法律に別段の定めがある場合」ですが、例えば、例として幾つか申し上げますと、民事訴訟の証人尋問において黙秘の義務が解除された場合、これは民事訴訟法上、百九十七条二項になります。そのほか、刑事訴訟の証人尋問における本人の承諾などがある場合、これについても、刑事訴訟法百四十九条ただし書きなどがあるというふうに理解をしております。

枝野委員 本人の承諾がある場合とか、裁判などで事実解明のために特に法律で定められた場合に解除される。

 まさに大事な、守秘義務がないと、守られなければ、弁護士に相談できませんからね。当然のことだと思います。

 もし弁護士法二十三条に違反して守秘義務違反をした場合、どういった制裁を受けることになっていますか。

井野大臣政務官 二十三条違反の場合ですけれども、個別いろいろな具体的な事情によるかと思いますけれども、一つが、まず弁護士の懲戒によるものが考えられます。弁護士法に基づいて、懲戒処分、除名だとか戒告、いろいろな処分があるかと思います。そのほか、刑法上の秘密漏示罪、これは刑事罰になるかと思います。そのほか、これは間接的なのかもしれませんけれども、依頼者との関係では、委任契約違反に基づく損害賠償請求だとか、そういったさまざまなサンクションといいましょうか、制裁があるというふうに考えております。

枝野委員 この間、全国民注視の証人喚問で、おもしろい答弁があったんですよ。

 酒井康生さんという、籠池理事長の委任を受けていた弁護士が、その委任関係にあった間の秘密、役所との間、財務省との間でどういうやりとりをしていたのかということについて、自分が委任関係を解除して弁護人をやめる、代理人をやめるという発表をするときに、同時に外に向かって発表している。

 証人喚問で伺いましたら、籠池さんは、守秘義務を解除するようなことは言っていないと。

 これは、注目をされているああいう場で行われたので、弁護士に対する信頼を物すごく損なっているんですよね。本来、予算委員会でやってもらいたいというふうには思うんですが、これは弁護士の信頼回復のために必要なことですので、酒井康生弁護士を参考人としてお呼びいただきたい。理事会で協議していただきたいと思います。

鈴木委員長 後刻、理事会で協議します。

枝野委員 次に、犯罪捜査においては、被疑者を逮捕、勾留して取り調べる場合と、在宅のまま捜査をする場合があります。その逮捕、勾留するかどうかの最も重要な判断材料は、逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれでありますが、逮捕、勾留するか、それとも在宅のまま任意捜査で行うか、分かれる判断材料は、この逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれだけでありますか。

盛山副大臣 一般論でございますけれども、被疑者を逮捕するか否かは、罪を犯したことを疑うに足る相当な理由という逮捕の理由に加えまして、逮捕の必要性が重要であると考えております。

 逮捕の必要性は、逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれの有無のほか、被疑者の年齢、境遇、犯罪の軽重、態様その他諸般の事情を総合的に考慮して判断しているものと承知しております。

枝野委員 そう、犯罪の軽重ですね、重い罪であるのか軽い罪であるのか。微罪であって、例えば、起訴しても罰金で終わるとか執行猶予に終わるようなケースで、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが小さければ、それは逮捕するのはおかしいことになりますわね。

 補助金適正化法という法律がありますが、補助金適正化法の場合、受けた補助金を返還していたら罪状は軽くなりますね。

盛山副大臣 個別具体的な事項につきましては、御答弁を差し控えさせていただきます。

枝野委員 今の答弁、後ろ、違うと思いますよ、僕、個別具体的な案件について聞いていませんから。

 一般的に、補助金適正化法について、補助金を返還されていれば罪状は軽くなりますよね。

盛山副大臣 今、一般的にどうかということではありますが、具体的な案件を見てみないと何とも言えません。総合的な判断が必要かと思います。

枝野委員 最後の部分が正解だと思いますよ。総合的な判断ですとお答えになるしかないんだと思いますが。

 では、個別具体的な話を伺いましょう。

 きのう、大阪地検に、籠池理事長に対する告発が受理されたという報道が出ていますが、これは政府参考人で結構です、事実関係を説明してください。

林政府参考人 御指摘の事件について、大阪地検は、本年三月二十九日、告発を受理したということを承知しております。

枝野委員 罪名は。

林政府参考人 罪名といいますか、受理した事実につきましては、大阪地検が受理した告発は国土交通省所管の補助金の不正受給に係るものと承知しております。

枝野委員 補助金の不正受給で、その補助金は返還をされております。

 それから、三種類の請求書があったのは、私もこれは大問題だと思っているんですが、二十五億か何かで出していたんだけれども、これは国土交通省なのか大阪府なのか、ちゃんと精査をして、十五億円を前提にして補助金が出ているということになっていますので、その十五億という、そもそも国土交通省の査定が正しかったのかどうかを調べないと、これについては刑事立件できないということを国土交通省の方々はちゃんと把握をしておいた方がいいんじゃないかなというふうに思います。

 この案件絡みではネットに、虚偽、それぞれいろいろなことが出てきているので、ネットに出ていることが全部正しいとは思いませんし、特にネットに出ている伝聞の話は相当眉に唾をつけて考えなきゃいけないと思うんですが、検察庁の皆さんの先輩や同僚でもあった郷原弁護士によると、きのうのNHKの夜のニュースでこの告発受理という報道が流れた、その情報は、大阪地検やあるいは告発人ではなくて、東京からその情報が流れたというんですが、この告発を受理した事実を法務省や検察庁本庁がメディアに漏らしたという事実はありませんか。

林政府参考人 私どもが把握しておりますのは、三月二十九日に告発を受理したということでございます。それ以外のことを承知しておりません。

枝野委員 いや、だから、聞かれたことに答えてください。

 検察庁本庁や法務省、つまり、大阪地検、でも大阪地検だって、おかしいんですよね、大阪地検が漏らしたら。だって、本当に立件して犯罪になるのかどうか、受理してこれから捜査していくわけで、その場合には、被疑者、被告発人が防御をできるだけしないようにして捜査を積み重ねた方が犯罪捜査としては非常に正しいわけなので、何も、わざわざNHKに告発を受けましただなんということを言うのは、犯罪捜査のためだけだったら何の必要もないんですね。

 どこかからそんたくを受けて法務省本省や検察庁本庁が漏らしたのではないかと郷原弁護士は疑っているようなんですが、そんなことはないならないと、明確に言ってください。

林政府参考人 告発の受理に関しましては、告発人に対して受理したという旨を通知しております。また、その関連に関してさまざまな取材があった場合においては、先ほど申し上げました、三月二十九日に告発を受理したという旨を答えているということでございます。

枝野委員 伝聞ですから正しいかどうかわかりませんよ、だから明確に否定してくださいという問いかけをしているので、報道関係が、大阪地検とか告発人の側からではなくて東京から告発受理したという情報が入ったんだけれども間違いないかと告発人のところに確認が来たということが伝えられているので、繰り返しますが、ネットの情報で、伝聞情報ですから、私は正しいだなんと言うつもりはないんですよ。だから、ないならないと明確に否定してくださいと言っているんですよ。

林政府参考人 いずれにしても、これは大阪地検においてでありますので、東京の方から何か指示を出したとか、そういったことは全くございません。

枝野委員 これは今後もいろいろなところで議論をしていくことになるんだろうというふうに思います。

 もう一つ、広い意味での司法の信頼性にかかわる問題で、熊本県警で証拠の偽造事件があって、三月二十八日付で熊本県警の警部補が六カ月の停職、四名が戒告の処分を受けたという事件があるそうですが、この事件の概要、これは警察庁政府参考人からお答えください。

高木政府参考人 お尋ねの事案は、熊本県の警察署に勤務する鑑識係長及びその部下職員らが、指紋を電磁的に採取等するライブスキャナーという装置により、検挙された被疑者の指紋を正規に採取した後に、改めて同ライブスキャナーのガラス面に残された指紋を現場指紋採取用のシートで不正に採取し、これを、事件の被害品等から採取した現場指紋のように装って、警察本部鑑識課に対して、正規に採取して保管されている当該被疑者の指紋との照合を依頼する方法により、実在しない現場採取指紋を実在する証拠であるごとく作出したというものであります。

 熊本県警察においては、指紋の照合の依頼を受けた鑑識課において不審点を把握したため、捜査担当課等において調査、捜査した結果、約百二十件の資料に疑義があると認め、関係職員を懲戒処分すると共に、刑法百四条の証拠偽造の成立を確認できた事案について、今月二十九日、熊本地方検察庁に送致したものであります。

 鑑識係長らは、現場指紋と被疑者指紋の一致件数を水増しして警察内部において高い実績評価を受けようとして行ったものであり、現場指紋として作出された資料は鑑識係において保管されたまま捜査部門へは提供されず、証拠として立証には用いられていないものではありますが、現実に刑事手続に用いられていないとしても、証拠を偽造することがあってはならないことは当然であり、警察庁としても極めて遺憾でありまして、再発防止を徹底してまいる所存であります。

枝野委員 検察庁は事件送致を受けているんですね。事実関係。

林政府参考人 御指摘の事件につきましては、本年三月二十九日、熊本地検において、熊本県警から事件送致を受けたものと承知しております。

枝野委員 信じられない話ですよ。事件捜査に使われていなかった、それはまだ不幸中の幸いと言えるのかもしれませんが、警察が指紋の証拠、指紋の証拠というのは物すごく犯罪の立証の上では重要な意味を持つ、指紋が一致している、そういう指紋の残った遺留品が現場に残っている、これは、犯罪、有罪か無罪かを決める決定的な証拠になり得るものですよね。これを偽造していたということで間違いないんですね。

高木政府参考人 現場指紋として採取されていないものを現場指紋として警察本部に対して照会をしたというものであります。

枝野委員 それぞれの人たちがどういう役割を担ったのかということは、私は承知していませんから。ですが、一番重い人でも停職六カ月というのは本当ですか。

斉藤政府参考人 お答えいたします。

 熊本県警察におきまして、捜査等により明らかになった事実関係を踏まえまして、関係者それぞれの責任の程度に応じて、偽造を行った職員一人に停職六カ月、四人に戒告の懲戒処分を行ったものと承知をしております。

枝野委員 検察に送致されていますので、検察に送致をして起訴とか有罪とかになった場合は、これは追加の処分は可能なんですか。

斉藤政府参考人 お答えいたします。

 熊本県警察におきましては、捜査等を十分に尽くし、明らかとなった結果を踏まえて判断をしたものと承知をしておりますが、仮に今後新たな事実が判明をした場合には、それを踏まえて適切に対応していくものと承知をしております。

枝野委員 追加処分があり得るというところをどうしんしゃくするかですけれども、証拠を偽造していた人が、六カ月停職を受けて、また警察官として犯罪捜査にかかわる。そんな人が共謀罪を扱うんですか。法務大臣。

金田国務大臣 ただいま熊本県警のお話がございました。

 捜査のあり方につきましては、個別具体的な事案に応じてさまざまでありますので、一概にはお答えをしかねるわけでありますが、テロ等準備罪についても、現在行われている他の犯罪と同様の方法で、刑事訴訟法の規定に従って必要かつ適正な捜査を行うこととなる、このように考えております。捜査のあり方について、ただいまの刑事訴訟法の規定に従っての必要かつ適正な捜査を行うことになる、これは、テロ等準備罪を前提といたしますと、そういうふうに考えています。

枝野委員 共謀罪の話について、いろいろなところで、ちゃんと適正に絞り込んだ要件で適正に運用するから普通の人には心配ないんだと繰り返しておられるんですが、成績を上げるために証拠を偽造するという、こんなケースがこの平成の世になって今もあるということがこうやって証明されているんですよ。

 どうして、ちゃんと適切に運用して、普通の人たちが巻き込まれて冤罪などのおそれにならないのか、そういったことの担保になるのか。今のこの熊本県警の事件一つとったって、しかも、それで警察の内部処分は六カ月の停職で、またその人が捜査に戻ってくるかもしれないわけですよね、停職六カ月だから。その人がまた共謀罪を運用するんですか、犯罪捜査で。そんな状況の中で、対象範囲が曖昧で、内心を、自白をとらないと証明できないような犯罪類型をばあっとふやすだなんということではとても信頼できない。

 それから、その前の話でありますけれども、一部の人たちはどうもどこかの意向をそんたくした捜査やいろいろな動きがなされているんじゃないかという疑いが持たれています。これについては、今の段階で、そうだとかそう疑うと私が思うだけの材料はありませんので、そういう変なそんたくを受けてこの補助金適正化法違反等の捜査がなされるのではないか、非常に疑って見られる立場にあるんだということだけ指摘をしておきたいというふうに思います。

 その上で、裁判官定員にかかわるところに行きたいと思いますが、法務省に訟務局長というポジションがあります。訟務局そして訟務局長はどういう仕事をしているんですか。

盛山副大臣 訟務局は、国の利害に関係のある争訟に関する事務をつかさどるものとされております。もう少し詳しくお話をしますと、訟務局が担当する争訟は複雑困難なものが少なくありません。国の外交や政治行政、経済等、いろいろ重大な影響を及ぼしかねない、そういうようなことがございます。

 そしてまた、具体的な法的紛争が生じる前であっても、訟務局がこれまでの訴訟対応等によって得た知見を各府省庁に提供する予防司法業務によりまして、これらを開始した、訟務局が発足しましてからということですが、一昨年四月から約二年間で、関係府省庁から五百件以上の相談が寄せられるようになっております。

 さらに、国際的な紛争に対する法的な支援を強化することも求められているわけでございまして、訟務局の役割というのは、こうした争訟への対応、予防司法業務、国際的な紛争への法的な支援、これらを通して、我が国において法の支配を貫徹し、ひいては国民の権利利益を保護していくものとしたいと考えております。

枝野委員 個人の問題ではないので固有名詞は挙げませんが、現在の訟務局長、いつ、どこに採用されて、そして、訟務局長の職につくまでの間、裁判官以外の仕事をどれぐらいしていますか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 昭和六十年に裁判所に採用されました。その後、行政庁への出向その他さまざまな経験を積ませていただいて、裁判官として仕事をしてまいりました。そして、一昨年の四月に法務省の訟務局長に就任いたしました。

枝野委員 要するに、裁判所の仕事以外のことをやったのは平成四年から六年までの二年間、内閣事務官をやった。それ以外は裁判官で、平成二十七年までずっとやってきた。これで間違いないですよね。

定塚政府参考人 基本的に委員御指摘のとおりでございます。

枝野委員 次に、訟務局担当の大臣官房審議官、これは訟務局長より偉いんですか。それとも、訟務局のナンバーツーなんですか。どういうポジションですか。

定塚政府参考人 どういうポジションかという御質問ですか。

 訟務局長を補佐して、全体的な見地から訟務局の事務の十全な遂行を監督管理、あるいは具体的に職務を遂行しておる次第でございます。

枝野委員 現在の訟務局担当大臣官房審議官は、平成四年に判事補として採用されて、平成二十五年まで東京地裁判事や裁判所職員総合研修所の教官など、ずっと裁判官をしてこられた。その間、平成十三年から十六年の間だけ東京法務局の訟務部付をやったけれども、ずっと裁判官で、平成二十五年に法務省民事訟務課長、そして訟務企画課長、そして現在の職に至っている。これで間違いないですね。

定塚政府参考人 大臣官房審議官は二名おります。そのうちの一名、今御指摘のありました者につきましては、そのとおりでございます。

枝野委員 あと、まとめて聞いていきましょう。

 課長級、訟務企画課長、平成五年判事補採用、平成十九年まで裁判官をずっとやって、福岡法務局訟務部付で、以降は法務省の訟務局畑。さすがに、十年ずっと法務省にいますから、この人はちょっと別枠かなと思うんですが、この方はまさか裁判官に戻ったりしませんよね。

盛山副大臣 一般論でございますけれども、裁判官出身者が法務省の訟務局に勤務をしまして、その後裁判官に復帰することはあり得るものと考えております。

枝野委員 そこが問題だということを今からやっていこうと思うんですが。

 それにしても、この方の場合は法務省に来て十年やっているので、来たことが問題だということよりも、来て十年もやっているんだからもう本籍は法務省。

 理解するならば、弁護士でも、弁護士を長年やっている間に、やはり裁判官になりたいと任官する人もいるし、検事をやっている途中で、やはり裁判官の方がいいやといってかわる人もいるから、人生の途中で、法曹資格を持っていて、別のところに移る人がいてもそれはいいと思うんですよ。

 だけれども、訟務局で十年もやっていたら、この方を戻したら中立公平を疑われますよね。どうですか、大臣。

金田国務大臣 裁判官は、申し上げるまでもなく実際に裁判実務の経験がある、そして法律に精通しているというところで、裁判官の職にあった者が法務省に出向するということについては、このような裁判官としての知識経験を生かすということでありまして、今後も必要性に応じて適切に行っていきたい、このように考える次第であります。

 他方、委員が御指摘ございましたように、訟務局に出向した者を再び裁判官に任命されるべき者として指名することについては最高裁判所において判断される事柄であると承知をしておりますが、法曹は法という客観的な規律に従って活動するものである、そして、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においても、その立場に応じて職責を全うするところに特色があると考えております。

 したがいまして、法務省におった者が裁判官に復帰したとしましても、裁判の公正中立性を害するものではない、このように考える次第であります。

枝野委員 済みません、今、出向とおっしゃいましたか。出向なんですね。局長や審議官や今の課長、出向なんですね。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 出向というのは、幅広い一般用語としても転籍出向等々ございますので、具体的に法律的な意味で出向であるかどうかということについてはいろいろな考え方があると思いますが、裁判官から検察庁、法務省に来る者は、これは裁判官の職を解かれて、そして法務省の職員として仕事をするものでございます。

枝野委員 だとしたら、後で申し上げますが、出向という言葉を使うべきじゃないですよ。

 せっかく調べてきたので聞いておきますが、民事訟務課長とありますけれども、民事訟務だけれども民間人相手の裁判じゃないですよね。民事訴訟手続に基づいて国が被告となる事件を扱う、こういう理解でいいですね。

盛山副大臣 民事訟務課長の職務でございますけれども、国の利害に関係のある民事に関する争訟に関する事務をつかさどっておりまして、国家賠償請求訴訟、こういったものを担当しております。

枝野委員 この民事訟務課長も、平成六年判事補採用、平成十四年から十七年の間、札幌法務局訟務部付がありますが、また裁判官に戻って旭川地裁の判事などをやり、平成二十六年、大阪の法務局の訟務部長。以後、法務省で訟務局畑をやっている。

 行政訟務課長、平成六年判事補採用、平成八年から十一年の間、東京法務局の訟務部付でありましたが、また東京地裁の判事や最高裁の調査官、これは業界の皆さんおわかりのとおり、最高裁の調査官というのは裁判官としてはエリートですわな。などを経て、平成二十七年から現在の行政訟務課長。

 これは間違いないですね。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおりで間違いございません。

枝野委員 全体像、今申し上げた人以外にも、訟務支援管理官、それから二名の参事官、十七名の局付、これが裁判官採用、裁判官出身者であるということで間違いはないか。それは全体何人の中でこれぐらいの比、占めているんですか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 訟務検事の中で国の指定代理人として活動する者は、現在、裁判官出身者の中の四十二名でございます。全体像として、訟務検事は、裁判官出身者が五十三名、検察官出身者が六十二名、合計百十五名でございます。

枝野委員 約半分が裁判官出身者で、しかも、課長、そしてナンバーツーのうちの一人、局長、全部裁判官なんですよ。

 確かに、私も法律家の端くれですので、法律家は立場が変わればその立場で仕事する、ある場合には、極悪人の弁護を弁護士はしなきゃならない、極悪人だとわかっていても弁護しなきゃならないと思っていますし、それから、同じような事件について、直接の利害関係がなければ、ある場合には被害者側、ある場合には企業側、こういうこともやりましたよ、弁護士のときに。ですから、理屈として、裁判官を長くやっていた人でも、法務省に来たら法務省の立場でやる、またその人が裁判官に戻ったら裁判官の立場でやるというのは、プロは理解するかもしれません。

 しかし、普通の一般の国民の皆さんから見れば、判決を出す、ジャッジをする、中立公正であるはずの裁判所の人が国の裁判を担っているうちの半分を占めている、しかも、その部局のトップを占めている。こういう状況で国民の信頼を得られますか。これは、大臣、答弁に紙は要らないと思いますよ。普通の常識で考えて、これは信頼を得られると思いますか。

金田国務大臣 先ほども申し上げましたが、やはり、法曹は法という客観的な規律に従って活動するものである、このように受けとめておりまして、裁判官であろうと、検察官であろうと、弁護士であろうと、いずれの立場においてもその立場において職責を全うするところにその特色があるものである、このように考えておりますので、私はそういうふうに理解をしておるところであります。

枝野委員 私も法曹の一人として、そういうふうに国民の皆さんの信頼を、裁判官、弁護士、検察官、それぞれが信頼を受ける状況が望ましいと思いますし、多くの裁判官や検察官や弁護士はそういうことで仕事をしているんだろうというふうに思います。でも、実際に公正に仕事をしているのかどうかと、国民から公正に見えるかどうか、そして、これは公正に見えないと司法の信頼は得られないという話です。

 残念ながら、今、司法に対する信頼は、このいわゆる森友学園事件だけでも大きく揺らいでいます。先ほど申しました、一方当事者からですが、守秘義務違反の事実が出てきた酒井弁護士、そして、余りにも記憶力がなくて、記憶がいいかげんであるにもかかわらず思い込みで答弁をして、後で何度も訂正をしている、法曹資格を持っている防衛大臣。法律家に対する信頼は物すごく揺らいでいます。

 そうした構造の全体としての法曹への信頼が失われている中で、こうした人事は避けるべきである。法務省の中には、そういう人たちが来ないとできないぐらい法務省の検事は無能なんですか。有能なんじゃないですか、別にそんな人たちが来なくたってできるぐらい。

盛山副大臣 さっき訟務局の事務の話をいたしましたけれども、法務省の訟務の担当に求められているものというのはいろいろな要素が求められております。

 その中の一つには、やはり、裁判所で裁判官として経験をされた、そういう方のノウハウというか力、知見、そういうものも我々は生かしたいと考えております。いろいろな方、多様性というんでしょうか、バラエティーに富んでいる人が組織をつくるということが訟務局の仕事を遂行していくには必要ではないかと私たちは考えております。

枝野委員 僕も、先ほど来の話で、一切いちゃいけないなんて言うつもりはないんですよ。先ほど申しましたとおり、最初検事になったけれどもやはり裁判官の方がよさそうだとかわる人もいてもいいし、弁護士から裁判官になった、任官した人もいますよ。そういった形で、たまたま裁判官をやっていたけれども、むしろ法務省で仕事をしたいという方がたまにいて、そう言うからせっかくだから訟務局でやってもらおうというんだったらわかりますが、明らかに組織的に人事交流しているとしか思えない今の人事の構造です。

 せめて、来た人は戻らない、つまり、国の、一方当事者で仕事をして、また裁判所に戻って今度は判決を書く、少なくとも、国が一方当事者の事件についてはさわらない、それぐらいのことをやらないとやはり国民は信用しないですよ、だって一体化しているんですもの。違いますか。

盛山副大臣 我々行政の方が、司法でございます最高裁判所の人事のことをいろいろ申し上げる、そういう立場ではございませんが、枝野委員がおっしゃっておられるそういうような御懸念、こういったものがあるということは我々踏まえて、一番適切な方を適切なポジションにということで人事を行っているつもりでございます。

枝野委員 訟務局に来てもらっていた人、一方的に最高裁の事務総局の人事局が戻してもらってどうこうとか、戻ってどうこうとかでは、こんな人事できるわけないですよ、局長から課長から全部裁判官で、半分が裁判官で。一体となった人事交流をしているというのは客観的にはっきりしているわけですよ。

 しかも、多様な人がいてもらってというのは、それは一般論としては正しいですが、国を相手に裁判を起こす側は、限られた資力の中で、限られた弁護士で、その限られた弁護士の経験に基づいた支援しか受けられないんですよ。国の側は、この間までジャッジしていた人、またジャッジする側に回るかもしれない人、そういう人たちに半分ぐらい来てもらってやる、それは余りにもアンフェアじゃないですか、アンフェアに見られませんか。法務省の中に優秀な検察官はいるじゃないですか。その人たちでしっかりと回せばいいだけですよ。

 今来ている人は、いろいろな事情で、自分の希望ではなくいろいろな都合で、本当は裁判官をやっていたかったのに訟務局へ来ている人がいるかもしれないから、その人に一切戻るなとは言いませんけれども、もうこういう人事はやめましょうということを申し上げたいんですが、いかがでしょうか。

盛山副大臣 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、枝野委員が御指摘しておられるそういう御懸念が相当程度あるということは我々重々承知しております。

枝野委員 ありがとうございます。副大臣、前向きな御答弁をいただいたと思います。人事のことですので、今現に訟務局長、ここにおいでだけれども、そういう人たちの人事、人生にかかわることだから即答はできないと思いますが、一気にはもしかするとできないのかもしれない、でも、三年、五年ぐらいかけて、もうこういう人事はやめるべきですよ。

 もう一つ、実はまさに混然一体となって法務省・検察と最高裁が人事をやっているということの典型が会計課長ですよ。法務省の会計課長はどういう仕事をするんですか。

井野大臣政務官 法務省の大臣官房会計課長でございますけれども、法務省の所掌する予算、決算等に関する事務をつかさどる官房会計課の長になります。

枝野委員 この人、今現職の方は、平成元年判事補採用、平成十八年に法務省の民事局付になりました。一度、平成十九年から二十二年、東京高裁の判事をやりましたが、また法務省に来られました。この方、異例なんですよね、地裁判事の経験なく高裁判事をやっているんですよね。

 この方、本籍地はどっちなんでしょうというのはさすがに答えてくれないと思うんですが、会計課長をプロパーから出せないぐらい法務省は能力がないんですか。

盛山副大臣 法務省の中にほかに会計課長を務められる人間がいないかどうかということにつきましては、いないわけではないと私どもは思っておりますけれども、適材適所の人間ということで、裁判官出身者を含む適切な者を配置しているつもりでございます。

 そして、会計課長ということでは、検察で採用された者あるいは法務省の事務官として採用された者、そういう者もこれまでには会計課長についております。

枝野委員 また個人の人生、直接のことを細かく知らないのに、左右しちゃいけないと思いますから気をつけてしゃべりたいですが、百歩譲って、この人は裁判官の経験はあったけれども、法務省で、会計という、本当に法務省全体を見る仕事ですよね、会計課長というのは。法務省の場合はどうか知りませんけれども、どこの役所でも会計課長なんというのは将来の官房長とか次官候補ですよ。まさかこの人が裁判所に戻って、地裁判事もやっていないのにいきなり高裁判事をやってなんていう、また、高裁の所長とかになったりはしないだろうな、さすがにそのようなことになったら不思議だなと申し上げたいと思いますが。

 最高裁事務総局が来ているので、一問聞いておかないと申しわけないと思うので。

 最高裁事務総局にも各局があります。人事局、裁判官の人事が一番大事だからわからないではない、民事局、行政局、刑事局などは理解します。何で最高裁の経理局長が裁判官じゃないといけないんですか。

堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 裁判所の司法行政事務は、裁判所法上、裁判官会議で行うものとされているところでございますが、これらの事務の中には、委員御指摘の裁判官の人事のほかにも、裁判所の施設等、裁判事務と特に密接に関係を有するもののほか、最高裁判所規則の立案等、特に法律知識を必要とするものも少なくないということがございますので、裁判官会議を補佐する事務総局において、裁判官の資格、経験を有する者が企画立案等の事務に当たることによって司法行政の実を上げることができるというふうに考えているところでございます。

 お尋ねの経理の関係でございますが、裁判所の予算におきましては、裁判所の施設を初め、裁判の運営を行うための経費が含まれておりまして、こうした予算の編成、執行においては裁判事務処理に精通した者が求められるという事情がございます。また、裁判所の庁舎として法廷がどうあるべきかといった問題についても、やはり裁判官としての経験を持った者が行う方が適切という面もございます。

 こういった事情から、これらの事務をつかさどる経理局長の職には裁判官をこれまで充ててきているところでございます。

枝野委員 かなり無理があるなと思うんですけれども。

 だから、人事局長とか民事局長とかは裁判官の方がいいのかなとわかりますけれども、庁舎管理みたいな話、法廷がどうあった方がいいのかなんて、もし必要なら裁判官の意見を聞いてやればいいだけの話であって、経理局長は経理の専門知識がベースにならないと役に立たないじゃないですか。

 これは最高裁だけの話じゃないんですよ。最高裁も、ちゃんと、いわゆる行政庁における1種職、採用していますよね。うなずいていただきました。

 時間も少なくなってきたので、法務省も、検事のほかに、国家公務員1種試験、かつての上級職試験をちゃんと毎年二十人余りから三十人余りまで採用しておられますね。

 その中で、平成以降、局長になられたのは、矯正局長が二人、入国管理局長が七人、これで間違いないですね。

井野大臣政務官 法務省で採用した1種ないしは総合職の職員であって、かつ平成以降に局長になられた、登用された人数でございますけれども、矯正局長が一名、そして入国管理局長二名の合計三名でございます。

 なお、平成以降で見ると、その三名のほか、刑務官出身で矯正局長を務めた者が一名、外務省からの出向者であって入国管理局長を務めた者が五名いたというふうに把握しております。

枝野委員 念のため言いますけれども、ほかの役所、例えば、経産省のキャリアの人、財務省のキャリアの人、かつて大臣が大蔵省に入られたときの、そのときは上級職試験だったんでしょうね、同じ試験で合格した人たちを採っているんですよね、法務省は。二十名から三十名ぐらい。間違いないですね。

井野大臣政務官 そのとおりでございまして、なお、1種、総合職の採用数は、大体、年間三十名ぐらいは採用しております。

枝野委員 現在の保護局長は検事なんですが、局長就任まで保護行政には一切関与していない、経歴を見ると。

 入国管理局長も検事なんですけれども、ジュネーブ代表部に、これは若いときに外国を経験するというのは、検事であれ裁判官であれ、いいことだと思いますので、そのときに、例えば裁判官も法務省に本当にこれこそ出向して、大使館勤務するなんていいことだと思うんですが、それぐらいですよ。

 人権擁護局長は裁判官採用。平成六年から十年民事局付をやったけれども、平成十七年から民事局や司法法制部をやっているけれども、人権擁護行政の経験がないんですね。

 こうした人たちが、いわゆる1種職採用で法務省で保護行政や入国管理行政や人権擁護行政をしっかりと長年やってきた人たちよりも何で適任なんですか。

盛山副大臣 先ほど来委員がおっしゃっておられるように、人事に関することでございますので、一般論みたいな話になりますけれども、必ずしも検事、あるいは、先ほど来の御質問であれば裁判官、そういうような人でなければならないのか、あるいは1種、総合職の採用でいけないのか、こういったことではなかろうかと思います。

 委員も御案内のように、それぞれの職で採用されたからといって、それで一〇〇%間違いがないということには必ずしもなりません。やはりその分野にうまく向いているのか、それぞれの局長であり管理職その他の職にふさわしい人間であるかどうか、適材適所、そういったことを我々は勘案して人事を行っているつもりでございます。

枝野委員 苦しいと思うんですよね。保護局長も入国管理局長も、保護行政や入国管理行政の現場を法務省の職員という形でやっていないんですよ。

 もちろん、検察官の資格を持っているけれどもそういう行政が向いているだろうなという人がいるかもしれないけれども、せっかく1種職を採用しているんじゃないですか。

 検察官だけでは足りないので、訟務局に裁判官に来てもらって助けてもらっているじゃないですか。そんな、助けてもらうぐらいだったら、法務省で検察官の資格を持っている人は、民事局長や訟務局長や、そこの仕事をするのは法曹資格を持っている人たちが中心になる、これはわかりますよ。そういうところで、検察官出身の人はちゃんと、ただ、この人は検察官になったけれども実は民事の方が得意そうだから、だからこの人は民事局畑、訟務局畑でやってもらおうとか、そういうことをやっていけば、裁判所から人に来てもらう必要はないし、そして、その分、検察官の方が有利である仕事以外は1種職の人を使えばいいんですよ。

 残念ながら、これは法務省だけではなくて、もう一つ外務省という役所もあるんですが、何か特定試験合格者が上だという、上から目線というか、省内序列というか、これは僕はやはりおかしいと思います。自分は国家公務員試験を受けていません、司法試験だけ受かっていますが、司法試験も国家1種試験もどちらも難しい試験ですよ。

 それで、検察庁では司法試験組が幅をきかせる、裁判所でも司法試験組が幅をきかせる。司法試験組でないと適切でない職についてはわかりますが、それ以外の仕事は、1種試験でそれなりの人たちをちゃんと採っているんだから、その人たちに担ってもらう、その分、法曹資格を持っている人たちは法曹資格を持っていないとできない仕事に特化してもらう、そのことの方が効率的だと思います。

 一気にできないと思いますし、今、わかりましたと言えないでしょうが、前向きの御答弁をいただいて、少し努力されませんか。

盛山副大臣 私は司法試験を通っておりません、国家公務員試験は通りましたけれども。不十分かもしれませんが、今こうやって副大臣を務めておりますが、どこの職だからこれができる、できない、そういうことは決してないと思います。枝野委員おっしゃるように、例えばさっき最高裁の経理局長ということで御質問ありましたけれども、ここのこういうポストはこの職種の人でなければならない、私自身もそういうふうに決めつける必要はない、そういうふうに考えております。

 あとは、先ほど来申し上げておりますように、適材適所ということになりますので、採用後、その方がいかに御自身のトレーニングもされ、あるいはいろいろな経験も広く積まれて、そして、スペシャリストとしての養成をするような方針とゼネラリストとしての養成をするような方針、それぞれございますけれども、それぞれの役所で、あるいは我々の法務省の中のそれぞれのポストに誰がふさわしいのか、我々としては、トレーニングをしながらベストの人材をこれからも充てていきたい、そんなふうに考えております。

枝野委員 一気にはできない話だというのはよくわかっていますが、やはり不自然だと僕は思いますし、そうした状況でも、1種採用の法務省の方、頑張っていい仕事をされている方を少なからず知っていますので。ただ、やはり、何か局長はもう検事組が当たり前、時々例外的に一つぐらいみたいな話は、適材適所と言うしかないんでしょうが、余りにもバランスが悪いと私は思います。

 もう一つ、時間がなくなりましたので指摘だけしておきますが、歴代検事総長がみんな法務事務次官の経験者なんですよね。法務事務次官として求められる能力、見識と、検事総長として求められる能力、見識は、僕は全然違うし、法務省と検察庁、別々の役所にわざわざしているということの意味は、人事交流はやむを得ないと思うし、僕はいいことだと思いますが、このあしき慣習をやめるべきだと思いますが、最後に大臣、お願いいたします。

金田国務大臣 委員のただいまの御指摘に対しましては、人事配置という観点からいけば、ただいままで副大臣から申し上げてきたとおりであります。適材適所という観点でございます。

 法務省の所掌事務の中には、刑事の基本法令の立案や検察に関する事項といったような専門的な法律知識、経験を要する事務が多いわけであります。法務省の幹部職員として、法曹としての豊かな専門的知識と経験を備えた者を任用することにはやはり合理性があるのではないかな。

 他方で、検察庁の幹部には、検察官としての高い専門的な能力に加えて組織運営能力も求められるわけですが、こうした能力というのは、法務省の幹部としての能力とも共通する性質のものではないか。したがいまして、適材適所という観点を踏まえつつ、高い組織運営能力を初めとする行政能力を有しているという意味において、法務省の幹部を経験した者がその後検事総長につくことも合理性があるのではないか、このように考えております。

枝野委員 時間がなくなりましたので言いっ放しに申し上げますが、半分わからないじゃないです、私も与党をやらせていただくと、やはり役所で優秀な人というのは、この人は何をやらせても優秀だろうなという方は少なからずいるので、だから、法務事務次官としても優秀だし検事総長としても優秀だ、だから、結果的に法務事務次官経験者が検事総長になる。最高裁も人ごとじゃない、事務総長経験者が最高裁長官になるというあしき慣習があるんですよね。

 確かにその方は有能な方なんでしょう。でも、それしかいないんですか。例えば、ほぼ同期ぐらいのところで、一人は検事総長、一人は事務次官、最高裁だって、一人は最高裁判事、一人は事務総局の事務総長、それぐらい人材はいないんですか。どうしてもいないときは同じ人が両方やるということがたまにあってもいいと思いますが、人材豊富で立派な方がいらっしゃるんだったら、分けた方が変な勘ぐりをされないのでいいんじゃないですかと御指摘申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 次に、階猛君。

階委員 民進党の階猛です。

 前回に引き続き、裁判所法改正案について大臣にお伺いしたいと思います。前回以上に質問通告を丁寧に行っておりますので、ぜひ立派な答弁をお願いします。

 前回、この委員会で、私は、法案の目的が法曹志願者の増加にあるということを大臣に確認した上で、しからば、この給費制というものを今回導入したとして、その上で今の司法試験制度を維持したとして、司法試験の受験者数はふえるのだろうかという問題提起をしました。その問いに対して、前回の答弁を振り返ってみますと、法曹志願者の確保につながるのではないかなという半信半疑のようなお答えでございました。

 改めて伺いますけれども、給費制を導入した上で現行の司法試験制度を維持した場合、来年の司法試験の受験者数はふえるのかどうか、お答えください。

金田国務大臣 階委員の御質問にお答えをいたします。

 司法試験の受験のためには、法科大学院の修了または予備試験の合格ということが前提になります。したがいまして、今回の制度導入の効果が直ちに来年の司法試験の受験者数の増加につながるのかと言われると、その点は、そうだというふうに申し上げるのは非常に難しいかもしれません。

 ただ、修習給付金制度が創設されれば、法曹志望者の不安要因の一つを一定程度解消することはできる、法曹志望者の確保につながるということは言えるのではないか、このように考えておる次第であります。

階委員 事実に基づいて、証拠に基づいて、法務大臣ですから議論をしていただきたいと思うんですが。

 証拠という意味でいえば、今、大臣もおっしゃったように、司法試験を受けるためには、法科大学院を修了するか予備試験を受かるか、どちらかが必要です。しかるに、法科大学院の入学者数というのがどんどん減ってきておりまして、多分、来年受ける法科大学院の修了者の方は過去最低になるだろうと思います。他方で、予備試験の合格者数というのは、ここ数年、四百人前後で推移しておりますから、ここが大幅にふえるということはまずないのではないかということを考えると、来年もやはり減少するのだろうというふうに私は捉えています。

 ただ、この客観的な事実だけではなくて、本来であれば、実はもっと減少していてもおかしくないということを申し上げたいと思います。

 司法試験法第五条、きょうの資料の一番最後のページにつけさせていただいております。この中で四角で囲っている部分をごらんいただきたいんですが、「司法試験予備試験」という第五条の条文があります。「司法試験予備試験は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的」となっております。

 この中で、第一項第一号というのは、その前の四角で囲っておりますところをごらんになっていただけると、法科大学院を修了した者ということが読めるわけです。ということは、司法試験予備試験の合格者と法科大学院の修了者、これが大体同じレベルにあるということが法律で要求されていることです。

 しかしながら、今、法科大学院修了者と予備試験合格者との間で司法試験の合格率が著しく格差があるということは、前回指摘したとおりです。大体、予備試験合格者は六割、そして法科大学院修了者は二割ということで、三倍ぐらいの開きが合格率としてあるわけです。ということは、この第五条に違反して、本来、修了すべきでない者に法科大学院の修了資格を与えているというふうに言えるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。

盛山副大臣 階委員の御指摘、特に合格率の部分、先日来、御指摘していただいたそのとおりで、数字の差というんですか、こういうことを、我々も大変大きな関心をというんでしょうか、課題であると私たち自身も考えているところでございます。

 それで、先生の御指摘、あるいはもうこれまでにもこういった御指摘がいろいろあったわけでございますので、こういう指摘を踏まえまして、文部科学省において、法科大学院修了者の質の向上を図るため、法科大学院教育の質の向上を図るとともに、法科大学院修了認定の厳格化を進めるべく、法科大学院の認証評価などに関して必要な措置を講じ、今、一定の効果を上げる方向に進んでおる、そんなふうに思っております。

 御案内のとおり、推進会議の決定では、平成三十年度までが法科大学院の集中改革期間とされておりますので、我々法務省としましては、その改革の成果を注視しているところであります。

階委員 今の時点での現状認識を大臣にお尋ねしますけれども、先ほど私が読み上げました司法試験法第五条に照らして、本来同じレベルであるべき法科大学院修了者と予備試験合格者との間で著しくレベルの違いがあるということを、この合格率の格差というのは如実に物語っているわけです。

 つまり、五条に違反した状態にあるという認識は、大臣、ありますか。大臣にお尋ねします。

金田国務大臣 委員の御指摘は、そのデータからいきますと、第五条の、「前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし」、この予備試験を行うということなんですけれども、これが第四条の一項、二項と比較をしてというお話であれば、これは非常に御指摘のとおりだなというふうに思います。

 ただ、この法科大学院が、現在、ただいま副大臣から申し上げましたように、平成三十年度までを……(階委員「そこまでは聞いていません。繰り返しになりますので結構です」と呼ぶ)よろしいですか。(階委員「はい」と呼ぶ)

階委員 今、私の指摘はそのとおりだとおっしゃっていただきました。

 確認しますけれども、現在のこの状況は第五条に違反しているという認識だということで確認させていただいていいですか。

金田国務大臣 私が申し上げましたのは、先ほど、予備試験を経た方が司法試験で六割、そして法科大学院を経た方が二割という実態を、この趣旨からいくと、同程度に達していないのではないかという趣旨でおっしゃっている意味を、そのとおりと申し上げたつもりであります。

階委員 要するに、現状認識は、第五条にそぐわなくなっているということはお認めになったということでよろしいんですよね。大臣の現状認識、違いますか。

金田国務大臣 お答えをいたします。

 私の方からは、何度も繰り返しになって恐縮なんですが、五条に照らしてというよりも、ですから、その両方の試験で合格率が違うぞというところを、確かに委員がおっしゃるとおりであるんだなというようには、前回の審議の中からも御指摘があったと思うんですが、そういう傾向は自分もそのデータで見ておるわけですが、現時点でそれを、例えば五条に照らしてどうだという話については、私は評価することは困難である、このように思っております。

階委員 いや、評価できますよ。だって、「同等の」というふうに第五条に明文で書いているじゃないですか。同等だったら、合格率がこんなに違うはずがないんじゃないですか。第五条は「同等」という文言を使っていますよ。これとは反していませんか、今の合格率の水準からすれば。

 簡単に判断できる問題です。大臣、お答えください。

金田国務大臣 繰り返しになりますが、四条、五条の評価はそれのみをもってできるかということもありますし、三十年度までに、現在やっている検討というのもございます。

 したがって、現時点での評価をそのように申し上げることまでは、私は申し上げたいと思っておりません。

階委員 法律を文言どおり読んだら同等じゃないんじゃないですか、今。何でそんな、答弁逃げるんですか。事前に通告しているんですから、それぐらい、やはり、現状認識を正しくしないと対応策を間違えるんですよ。それは、前回指摘したアンケート調査結果についてもそうです。

 この第五条に照らして今の現状はそぐわないということは認められた方がいいんじゃないですか。第五条に反した状態にあるということは認めていただかないと、建設的な議論にならないと思いますよ。どうですか、大臣。

金田国務大臣 委員の御指摘、ただいまの部分につきましては、先ほども申し上げましたが、やはり、平成三十年度までを法科大学院の集中改革期間としておりますし、「修了者のうち相当程度が司法試験に合格できるよう充実した教育が行われることを目指す。」とされております。したがって、法務省といたしましては、その改革の成果を注視している部分というのはあろうと私は思うのであります。

 したがって、現時点でただいまの委員の御指摘のような評価をするという点については、留保させていただきたいと思います。

階委員 もう一回。これは現状認識を聞いています。これからどうしていくか、改革をどうするかということを聞いていません。現状認識として、五条に違反していないかどうか、これだけ端的にお答えください。

金田国務大臣 お答えをいたします。

 司法試験法の第五条は、予備試験の目的を定めた規定だと思います。現状がその目的に反しているというふうに認めることは現時点ではまだ困難である、このように思っております。

階委員 その理由は何ですか。お答えください。現状が反していないと考える理由をお答えください。

金田国務大臣 お答えします。

 先ほど申し上げたことにもなるんですが、平成三十年度まで、今二十九年度に入ろうとしております、三十年度までを法科大学院の集中改革期間といたしましてその改革が行われる、目指すものがある。そういう状況の中で、法務省としては、やはり、その改革、目指すものの成果を見た上で評価をするということが非常に重要かな、こういうふうに考えておるわけであります。(階委員「現状認識を聞いても答えていません」と呼ぶ)

鈴木委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鈴木委員長 速記を起こしてください。

 階猛君。

階委員 今、委員長にも御差配いただいたんですけれども、要は、今、改革期間中だから、法律違反があるとかそういうことを言うのはちょっと差し控えるということでよろしいですか。差し控えるという意味ですか、それとも、そもそも現状が五条違反とは認識していないということですか、どちらですか。

金田国務大臣 現時点でのといいますか、現時点のみの状況を取り上げて評価するのは相当でない、時期尚早というんでしょうか、若干尚早ということを含めて申し上げているつもりであります。

階委員 時期尚早という話が出ました。時期尚早ではありません。私は、ちゃんとデータに基づいて言っております。

 資料の三ページをごらんください。平成二十四年から予備試験の合格、始まっています。平成二十四年、予備試験合格者の司法試験合格率六八%、それに対する法科大学院修了者の合格率二四・六%。以下、順次申し上げます。七一%と二五%、六六%と二一%、六一%と二一%、六一%と二〇%、この数字を見て私は言っているんです。時期尚早と言えるんですか、これで。大臣、答えてください。

金田国務大臣 委員の御指摘で、この三ページ、ございます。私どもとしては、客観的結果は認識をいたしたいな、こういうふうに思っているわけであります。

 ただ、現時点で評価をするのはやや時期尚早ではないか、このように考えております。

階委員 信じがたい答弁ですよ。見たいものしか見ない、事実から目を背けている。だから、法案を、びほう策しかできない。私は、こういうやり方では法曹志願者は絶対ふえないと思いますよ。

 もし法律に忠実に法科大学院の修了者を決めて、そして、例えばですけれども、予備試験合格者と司法試験の合格率が同水準になるようにしたならば、実は、今よりもっと法科大学院の修了者は激減して、法曹志願者、司法試験の受験者はもっと減るんですよ。こうしたことも視野に置いて危機的状況だということを認識していただかないと、やはり適切な対応はできないと私は思いますよ。

 見たいものしか見ていないんじゃないですか、大臣。おかしいですよ、時期尚早というのは。本当に時期尚早という答弁でいいんですか、大臣、お答えください。

金田国務大臣 私が申し上げてまいりましたのは、先ほど副大臣からも現状については申し上げましたが、委員の御指摘の現状というのは、私もその資料の範囲内で認識をいたしております。

 そういう中で、現時点で評価をするとした場合に、推進会議決定におきまして、平成三十年度までを法科大学院の集中改革期間として、その中で努力を、相当程度が司法試験に合格できるように充実した教育が行われることを目指すんだ、努力をしたい、こういうふうになっておるわけでありますので、その改革の成果というものもやはりあわせて注視していく必要があるのではないか。

 だから、その評価を聞かれた場合には、現時点で、今この段階で評価をするということが妥当かどうかというふうに私は考えている、このようにお答えをいたします。

階委員 さっきと矛盾していますよね。差し控えるのか、違反していないと考えるのか、どっちかということに対して、違反していないと考えるという答弁だったと思います。しかし今は、現時点での評価は控えるかのような答弁でした。どっちなんですか。

金田国務大臣 何度もお答えして恐縮ですが、現状はしっかりと認識をしている、これはよろしいと思います。検討はしっかりしていく、これもあるのであります。そして、現時点で断定的な評価をすることが難しいということを申し上げている、このように考えております。

階委員 その文脈の中で、先ほど時期尚早と言われました。時期尚早というのは間違っていませんか。時期尚早ということは維持されますか。撤回しませんか。

金田国務大臣 時期はやや尚早ということを申し上げました、先ほどは。(発言する者あり)いやいや、お聞きになっていると思います。だから時期は、現時点では評価は難しいと申し上げたわけでありまして、時期はやや尚早と、ややというのをつけ加えて申し上げさせていただきましたが、三十年度までに検討していく一方での努力がありますから、それもあわせて判断をする、評価をするというのが私は妥当ではないか、このように申し上げているのであります。

階委員 現時点での評価を聞いているのに、平成三十年度まで評価しない、何を答えているんでしょうか。現時点での評価を聞いているんですよ。現時点での評価はどうなんですか。差し控えるということですか。

金田国務大臣 繰り返しになりますが、現状はしっかりと認識をしております。

 ただ、一方で検討をしっかりしていくという状況にありますから、断定的な評価を現時点ですることは難しい、このように申し上げているわけであります。

階委員 いや、全然話が進まないんですよね。

 何か別に、私はこれで責めようということを考えているわけじゃないんですよ。現状を正確に認識しないと判断を誤りますよ。つまり、違法状態ということを認めることによって、この合格率を両者近づけていかなくちゃいけないということに話はなってくるじゃないですか。そういうことを議論していきたいんですよ。

 にもかかわらず、現状は五条と違反しているかどうかについて明確な判断をせず、かつ、時期尚早だなんて、とんでもないことですよ。時期尚早どころか、もう時期を失していますね、まさに。時期を失しています。驚くべき問題意識の乏しさだと私は考えます。(金田国務大臣「やや尚早と申し上げた」と呼ぶ)やや尚早でも同じことです。

 そこで、私、もう時間が押し迫ってきたので多少はしょりながら行きますけれども、前回の質問のときに、私が法学部のアンケート結果を示しました。そのときに大臣は、「こういう精緻な資料を何枚かいただいてこの話に臨んだことは、私は残念ながら初めてだ」と答弁しました。これも驚くべきことでした。

 まさに肝心かなめの法科大学院に行くということが、法学部生にとっては経済的、時間的あるいは試験的な負担につながっていて、かつ、それまで負担を負ったとしても合格率が低いという、この見返りの乏しさ、これが、受験を諦めたり、あるいはそもそも受験を目指さなかったり、その大きな理由になるということは、あのアンケートからまず真っ先に出てくるべき帰結だと思うんですよ。

 こうした情報がなぜ大臣に上がらないのか。法務省の組織のあり方として極めて問題だと思いますが、大臣、いかがですか。

金田国務大臣 ただいま御指摘があった階委員の御質問にお答えしますが、私は、法務大臣になる前から、さまざまな若い人たちともおつき合いしていますし、いろいろな御意見は伺っております。また、そういう志のある方を子供に持っている親御さんとも多く接しますから、いろいろなお話は伺っております。

 したがって、今どういう問題が法科大学院にあるのかというのは、非常に、聞いて自分なりにそれを持っているものですから、この前は、階委員の非常に細かい数字ではあったんですが、でも、この資料はよく我々にお出しいただいたなという思いがあって、それでああいう発言をいたしました。

 法務省と言われましたので私が申し上げますと、委員が提示された資料自体は、あの場で初めて見ました。でも、アンケートによる調査結果については、担当部局がその段階でいろいろと、適宜の機会というんでしょうか、そういう説明をしておりますが、あの数字について一つ一つを丁寧に委員から御指摘いただいたことに、私は、今まではいろいろな人の意見を自分なりにまとめていた、そういう思いをあの場で整理されたような気がしまして、申し上げた次第であります。

階委員 苦しい弁解だと思いますけれども、要は、きょうもつけていますけれども、私のつけた資料の四ページから七ページぐらいにかけて、前回お出したものと同じものをつけております、このデータを見ないで今回の法案を国会に提出されていたということで、よろしいんですね。

金田国務大臣 アンケートによる調査結果に基づいて担当部局が分析、検討した内容については、今回の給費制の制度新設の努力をするに当たって非常に説明をしておったというのは、私はしっかりと覚えております。

 でも、そういうかねてからの適宜の機会を得ての説明よりも、この議論の中で、階委員の質問で非常に、先ほども言いましたが、何か、私がいろいろな親御さんや御本人たちの意見を聞いていて感じたことが、うまくその場でまとめてもらったという思いを持ったということでありまして、この法案のベースになる給費制度の新設についての努力のプロセスでは、その都度、その全貌をどんどん言われていたわけではないかもしれませんが、それはお聞きをしておりまして、組織のあり方としては私は問題ないものと考えております。

階委員 私の資料に対してお褒めいただいたということであればそれは感謝しますけれども、問題はそこじゃないんですよ。

 法案を作成する前に私のような説明を部下である官僚からもらっていないと、判断を誤るじゃないですか。どうですか。こういう部下の説明の仕方でいいんですか。先ほど申し上げましたように、都合のいいところしか見ない、大臣に伝えない、こういう組織のあり方でいいんですか。お答えください。

金田国務大臣 何度も申し上げておりますが、かねてから、司法修習生の皆さんに対する熱い思いを持った、法務省における担当部局の皆さんのいろいろなお話をしっかりと私は受けていたつもりであります。したがって、私は、組織のあり方としては問題はない、このように思っております。

階委員 大臣、よく法務大臣は、法と証拠に基づいて事実を見きわめる、物事を判断すると言われますよね。きょうの質疑で明らかになったのは、事実を見きわめていないし、証拠に基づいてもいないし、そして司法試験法第五条にも基づいていない。法と証拠に基づいてというのは全く絵に描いた餅になっているということが明らかになっていると思います。

 もう最後の方の時間になってきましたけれども、最高裁に端的にお伺いします。

 定員法も今実は審議になっているんですね。毎年この法案は審議になって、私も質問しています。昨年の附帯決議で、第六項で、平成二十五年三月二十六日の附帯決議を踏まえ、最高裁において判事補の定員の充足に努めるということも決議しています。

 努力をされたということは事前に伺っておりますけれども、努力の仕方については、もう時間がないので聞きません。努力したのになぜ欠員が、きょうの資料の十ページに出ていますけれども、新任の判事補が入った後の欠員というのがこの表の一番右側です。ごらんいただければわかるように、平成二十八年度百二十八人。今回減員で二十三減りますけれども、それを差し引いても百五で、むしろ昨年よりもふえるわけですよ。

 なぜ努力しても欠員の補充ができないのか。その前のページを見ますと、新任判事補の数もどんどん減ってきている。どんどん減ってきていて、今は、司法修習終了者が千七百人もいるのに、七十八人しか採れない。振り返ってみれば、平成六年あたり、五百九十四人しか終了者がいないのに、百二人も採れていた。

 なぜ、合格者がこれだけふえているのに、判事補の採用がこれだけ減るのか。これはひとえに、私が推測するに、司法試験合格者あるいは修習終了者、その質の低下ではないかと思うんですが、この点について明確な答弁をお願いします。

堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 裁判所といたしましては、判事補の充員のためにできる限りの努力に努めているところでございますが、裁判官にふさわしい資質、能力を備えているということが必須であるということがあります一方で、司法修習生の側におきましては、弁護士として活躍する分野が広がっているということに加えまして、優秀な修習生については渉外事務所等の法律事務所と競合するといった事情もございますので、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた者でありましても、裁判官への任官を希望する者が大きく増加している状況には必ずしもなってございません。

 また、こういった法律事務所との競合に当たりましては、裁判官の場合には、全国に均質な司法サービスを提供するなどのため全国的な異動が避けられないというところもあるところでございまして、そういった点も隘路となっている状況もあるのではないかと考えているところでございます。(階委員「時間がないから、もう終わりでいいですよ」と呼ぶ)

 以上でございます。

階委員 最後に、法曹志願者の質的、量的な危機、これを改めていくためには、給費制の復活だけでなくて、司法試験の受験資格の見直しが不可欠ではないかと私は考えます。

 大臣に、最後、その点についてだけ答弁をお願いします。

金田国務大臣 階委員からの御指摘は、前回と本日、非常に参考になる御意見をいただいたと思っております。

 そういう意味においては、前回も今回も申し上げておりますが、推進会議決定で、平成三十年度までを法科大学院の集中改革期間としている、そして、修了者のうちの相当程度が司法試験に合格できるように充実した教育が行われることを目指すとされておる中であります。

 したがって、そういう努力をしっかり注視しながら、御指摘の課題については今後もまた議論をさせていただきたい、このように思っております。

階委員 トゥーレートだと思います。

 終わります。

鈴木委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 裁判所職員定員法改正案について伺います。

 成年後見制度利用促進法に基づいて、二〇一七年一月十三日に成年後見制度利用促進委員会の意見書が提出され、「今後の成年後見制度の利用促進に当たっては、成年後見制度の趣旨でもある1ノーマライゼーション、2自己決定権の尊重の理念に立ち返り、改めてその運用の在り方が検討されるべきである。」という考え方に立って、「保佐・補助を含めた成年後見制度の利用の促進による事件数の増加に対応できるよう、裁判所の人的・物的体制の更なる充実強化が望まれる。」と述べられております。法律の条文よりも踏み込んで意見を言っているということだと思います。

 二〇一七年一月十九日の日本弁護士連合会の意見書で、成年後見制度利用促進基本計画の案に盛り込むべき事項に対してということを御紹介したいと思います。

 「成年後見制度の利用促進のためには、家庭裁判所の人的・物的体制の充実・強化を図ることも必要不可欠である」「そもそも、成年後見関係事件を適切かつ迅速に審理するためには、根本的に、家庭裁判所に配属される裁判官や調査官等の職員の人員体制を増強することが必要不可欠である。」というふうに述べられております。

 そこで伺いたいのですが、日弁連は、成年後見制度利用促進委員会の意見に加えてさらに強い意見を述べられていると思いますが、その点についてどのようにお考えですか。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 委員御指摘の、日本弁護士連合会が内閣府に提出した意見書に今御指摘の内容が記載されていることにつきましては、最高裁としても承知しているところでございます。

畑野委員 そこで、二〇一七年三月二十四日に成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されました。これまで紹介した意見書の文言、「人的・物的体制の更なる充実強化」が、この基本計画では表現が変更されて、「保佐・補助を含めた成年後見制度の利用の促進による事件数の増加に対応できるよう、裁判所の必要な体制整備が望まれる。」と書かれているんです。

 伺いますけれども、この基本計画は、成年後見制度利用促進委員会の意見と同趣旨と受けとめてよろしいのかどうか。

中島政府参考人 今委員御指摘の言いぶりの点につきましては、我々事務方としては文言の整理にとどまるものと考えてございまして、成年後見制度の利用促進委員会の御意見、さらには、今度閣議決定させていただいた基本計画の意味するところは、組織、定員面、それから予算面でしっかり手当てをしていくということを意味するものだと解しておるところでございます。

畑野委員 同じ趣旨だと確認をさせていただきました。さらに進めようということだと思います。

 日弁連の意見書で、家庭裁判所支部や出張所の新設についての意見というのも出されているんです。その中では、

 全国、どこに住んでいても成年後見制度を利用するためには、身近な場所で審理されなければならない。事件数の状況や地理的状況に鑑み必要性のある所には、新たに家庭裁判所支部や出張所の新設をすべきである。基本計画には、法第三条三号の基本理念に基づき、成年後見制度の利用の促進に対応するための家庭裁判所と関係行政機関の協力及び役割分担の体制の整備と、裁判所の人的・物的体制の更なる充実・強化についても、最高裁判所と関係行政機関が協議することを盛り込むべきである。

というふうに述べられております。

 そこで、全国では受け付けしか行わない家庭裁判所の出張所があるというふうに伺っておりますが、具体的に御説明いただけますでしょうか。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 いわゆる受け付け出張所、これは受け付けとそれから家事事件の出張審判、出張調停に限って取り扱っている出張所でございますが、これは全国の家庭裁判所の出張所七十七カ所のうち二十カ所がそういう受け付け出張所ということでございます。

 これらの二十カ所の受け付け出張所は、平成二年の四月に地家裁支部の適正配置を行った際に廃止された家裁支部の一部について、さまざまな要因を考慮してその所在地に新設したものでございまして、その後、数は変わっておりません。

 具体的な場所について申し上げましょうか。(畑野委員「お願いします」と呼ぶ)

 具体的な二十カ所について申し上げますが、前橋家裁中之条出張所、長野家裁飯山出張所、長野家裁木曾福島出張所、長野家裁大町出張所、新潟家裁村上出張所、新潟家裁柏崎出張所、新潟家裁南魚沼出張所、新潟家裁糸魚川出張所、和歌山家裁妙寺出張所、岐阜家裁郡上出張所、福井家裁小浜出張所、富山家裁砺波出張所、山口家裁柳井出張所、岡山家裁笠岡出張所、松江家裁雲南出張所、福岡家裁甘木出張所、大分家裁豊後高田出張所、熊本家裁御船出張所、宮崎家裁高千穂出張所、そして函館家裁寿都出張所の二十カ所でございます。

畑野委員 そこで、このような受け付けしかない家裁の出張所で成年後見制度を利用することはできるんでしょうか。管内在住者は、家裁を利用する上で不都合はないのでしょうか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 受け付けのみを取り扱う家庭裁判所出張所におきましても、成年後見関係事件の申し立てを受理することはできます。

 その後の審理につきましては、個別の事案に応じて裁判官が判断することにはなりますが、一般論として申し上げますと、家庭裁判所において成年後見関係事件を処理する際には、必ず当事者の方などに裁判所にお越しいただかなければならないというわけではございませんで、現に書面のみで審理している事件も少なくないというふうに認識をしております。

 なお、裁判官が、書面による審理のみでは十分ではないということで、直接当事者の方などからお話を伺う必要があると判断した事案におきましては、事件を取り扱う裁判所にお越しいただくということももちろんございますけれども、当事者の方に裁判所にお越しいただくことが困難な事情があるというような場合には、裁判官が出張してお話をお伺いするといった対応も可能でございますので、現在受け付けしか行わない家裁出張所の管内にお住まいの方の事件処理においても、不都合は生じていないというふうに認識をしております。

畑野委員 一層の充実、つまり増加していくわけですから、それは求めたいと思うんです。

 さらに、家裁の出張所の新設を求めている、地方議会も出されておりまして、地元の神奈川県でも、藤沢市議会、茅ケ崎市議会、厚木市議会、伊勢原市議会などで決議が上がっております。

 例えば厚木市ですけれども、「厚木市内にも厚木簡易裁判所があるが、当地の市民が家庭に関する問題を抱え、裁判所を利用しようとすると、小田原市まで出向く必要がある。しかし、厚木市の中心部から横浜家庭裁判所小田原支部までは徒歩も含めると約一時間を要し、自動車を利用しない高齢者にとっては気軽に利用できる距離ではない。」という実態が述べられておりますし、藤沢市では、「政府及び最高裁判所におかれては、身近な裁判所で家庭に関する問題を解決できるようにするため、藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設し、人的、物的体制の確保と予算措置を講じるよう当市議会は強く要望する。」という声も上がっております。

 このような地域の声を聞くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

中村最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、藤沢市議会など、簡易裁判所に家庭裁判所出張所の設置を求める意見が出されていることは最高裁としても承知しているところでございます。

 家裁の出張所というのは全国七十七カ所あるわけですけれども、一方、全国、簡易裁判所は四百三十八庁あります。この数が違うというところにつきましては、家裁の場合は、簡裁のように簡裁事件のみを行う権限を有する簡裁判事という職種がない関係で、判事、判事補が本庁または支部から出張して事件を処理するということになりますので、出張所の新設ということにつきましては、本庁または支部までのアクセスの困難性を中心に、事件数の動向等を考慮して慎重に検討していく必要があるんだろうというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、最高裁といたしましては、限られた人的、物的資源を有効に活用しつつ、利用者の利便を確保し、地方サービスを充実していくことが重要であるというふうに考えておりまして、全国各地域におきまして、人口動態、交通事情、事件数の動向等の観点を注視しつつ、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。

畑野委員 アクセスの困難を初め、本当に解決が求められていると思うんです。

 成年後見利用促進法に基づいて内閣府に成年後見制度利用促進委員会というのが設置されて、最高裁家庭局長もこのメンバーになっていると伺っております。最高裁として、地域の要望、日弁連、また成年後見制度利用促進基本計画を受けとめて、人的、物的体制の充実強化に努めていく必要があると思うんですね。

 それで、資料につけさせていただきましたけれども、成年後見制度利用促進基本計画に、「今回策定する基本計画は、平成二十九年度から平成三十三年度までのおおむね五年間を念頭に定めるものとする。」というふうにございます。

 最高裁として、この基本計画に基づいて具体的に、行程表というんですか、ロードマップ、どのような計画を策定していくおつもりでしょうか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 委員御指摘の成年後見制度利用促進基本計画は、成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づきまして、行政府省における成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるものというふうに承知をしておりまして、最高裁判所は、この基本計画に基づいた取り組みにつきまして具体的な計画の作成を求められているものではないというふうには理解をしております。

 もっとも、裁判所は成年後見制度の運用を担う立場にはございますので、最高裁判所といたしましては、この基本計画に沿って推進される政府の取り組み状況等を踏まえながら、今後も、この成年後見制度の趣旨に沿った制度の運用ということに向けた各家庭裁判所の取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。

畑野委員 家庭裁判所が発足した直後、一九五〇年、最高裁は、家庭裁判所をもっと国民の身近な存在にしてもらう必要があると考えて、三十四カ所の出張所を一気に新設したということを伺っております。今回、日本社会の高齢化に対応するために、当時に匹敵する家裁のさらなる充実強化をすべきだということで求めておきたいと思います。

 次に、裁判所職員定員法改正案には、国家公務員の女性活躍推進とワークバランス推進への協力の趣旨に鑑み、同様の取り組みを行うことから、定員上の措置を講じているというふうにあります。

 裁判所職員は、全体として女性の割合が高い、とりわけ三十代半ば以降の年齢層を見ると、男性よりも女性の比率の方が高くなっているということもある、男女とも、育児、介護などの家庭責任を果たしながら職務に取り組むことができる職場環境をつくっていくことが非常に大事だというふうに、この間の参考人質疑でも、全司法労働組合委員長の中矢正晴参考人からも伺ったところです。

 ただ、実際に配置される数としては、事務官が、最高裁に一人、全国八つの高裁管内に各一人ということで、まだまだ不十分だと思うんですね。事務官だけでなく、書記官、家裁調査官などの職種についても同様の定員上の措置が必要じゃないかと思うんです。

 それで、なかなか代替というのは、専門性のある仕事ですから、見つけるのが大変だ、退職者ぐらいしか考えられないというふうにも伺いましたし、それから、育児時間を取得するときには代替要員の制度がないということで、東京、大阪、横浜、名古屋、福岡といった大規模庁で、育児時間をとっている職員の取得時間をそれぞれ合計すると一日当たり八時間から十時間ということで、職員一人分の、それ以上のマンパワーが欠けているという指摘もありました。

 このマンパワーが不足しているという点の認識はどのように持たれているかということと、今後どう対応していくのか、伺います。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 裁判所において、平成二十七年度でございますが、育児時間を取得した職員は、最高裁で十人、下級裁判所で九百八十四人でございます。特に、東京地裁などの大規模庁におきましては、複数の部署においてそういう職員が配置されているということになりますので、合計いたしますと職員一人分以上のマンパワーが欠けている状況にあるということは認識しているところでございます。

 もっとも、こうした状況に対応するため、これまで、各庁の実情や必要に応じまして、担当事務の分担を工夫したり、業務の応援体制を構築するなどして、業務の円滑な運営を確保するということはもとより、育児等の事情を持つ職員が育児等のための制度を積極的に利用しながら活躍できるような取り組みを行ってきているところでございます。

 先ほど御指摘ありましたけれども、昨年、一昨年とこの定員法の審議で、国家公務員の女性活用とワーク・ライフ・バランス推進のための増員ということで認めていただいたところでございます。これも、今、育児と仕事の両立が実現し、職場のワーク・ライフ・バランスが推進するように活用しているところでございます。この平成二十九年度、今御審議いただいている法律案につきましても、事務官九人の増員をお願いしているところでございます。

 これまでの取り組みを踏まえまして、最高裁判所及び各高等裁判所管内でそのような取り組みを行うことが必要な部署にさらに配置していくことを考えておりまして、今後も、育児等の事情を持つ職員が育児等のための制度を積極的に活用しながら活躍できるような取り組み、これを行っていきたいというふうに考えております。

畑野委員 さらに進めていただきたいですし、大都市部の問題を言いましたけれども、全体が少ないので、地方からまた大都市部に職員をシフトして何とか賄っているという状況もこの間聞きましたから、全体をさらに増員していく必要があると思うんです。

 家裁の調査官について伺いたいと思います。

 まず、少年事件なんですが、未成年が引き起こした事件は、原則として全ての事件が家庭裁判所に送られて、最初に家裁調査官が少年と面接し、非行の原因や背景、少年の状況などの把握をして、調査をして、それを踏まえて処分に関する意見を述べるというふうに伺いました。調査官の取り組みというのは単なる事実の調査ではなくて、少年の立ち直りや再発防止に大きな役割を果たしていると思います。

 それで、現場の声としては、少年事件処理の複雑困難さを肌で感じている、子供の貧困に代表されるような、経済格差が大きくて、地域コミュニティーが脆弱となって、非行少年を丸ごと抱えて手を差し伸べてくれる篤志家や民間組織がふえないと、少年鑑別所などで反省しても、また地域に戻れば生活を崩して再非行に走る、こういう、本当に困難があるんだ、複雑化があるんだという声を聞きましたが、この点、少年事件についての家裁調査官の職務について複雑困難さがあるということへの御認識はいかがですか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 少子化等の影響もございまして少年事件の事件数は確かに減少傾向にございますけれども、一方で、再非行少年の割合が高い水準で推移しているという御指摘もございます。また、委員の御指摘にもございましたが、非行の内容も複雑多様化しており、中には、資質ですとか家庭等の環境に根深い問題を抱える少年も少なくないというふうに承知をしております。

 家庭裁判所におきましては、送致された事件につきまして、事件の内容に加えて、少年の性格、家庭や学校等の環境のほか、被害者を含む関係者の受けとめ等につきましても、委員御指摘のとおり、専門的な知見及び技法を有する家庭裁判所調査官が十分に調査を行いまして、その結果等を踏まえて、少年の再非行を防止するためにはどうしたらよいか、こういう視点から適切な処遇選択が行われているというふうに承知をしております。

畑野委員 大事な役割だという御答弁です。

 家事事件手続法によって、夫婦の問題について、子の意思の尊重が求められております。そこで、年齢などに応じて、当事者夫婦から子供の陳述書を提出してもらうこともあれば、家庭裁判所が書面照会をしたり、場合によっては、家裁調査官が子供に会って心情や気持ちなどを丁寧に酌み取る作業をする。いろいろな特性を有している子供も見られるので、必ずしも真意を最初から語るとは限らず、家裁調査官と子供との長い時間をかけての信頼関係をつくることが必要な場合もあって、これまで以上に丁寧な事務処理を行う必要があるということで、事務量がふえているというふうに伺っております。

 面会交流事件について、子供の意思確認など家裁調査官の果たすべき業務の増加、困難さの認識についてはいかがでしょうか。

村田最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、面会交流事件につきましては、家庭裁判所が子の意思を適切に把握するに当たって、家庭裁判所調査官が心理学、教育学等の行動科学の専門的知見及び技法を用いて行う事実の調査が活用されているものと承知をしております。

 このような事実の調査に当たって、家庭裁判所調査官は、子の意思を適切に把握するために、子供に対して面接する際には、単に子供から話を聞くというだけではなくて、子の表情やしぐさ等、言葉以外の情報も十分に観察しながら子供の意思を総合的に理解するように努めております。

 また、父母の紛争の内容ですとか子供の年齢、性格、子が紛争に巻き込まれている程度、親子関係、子の現状等を踏まえますと、子が初対面の家裁調査官と率直に話すことが困難であると予想される場面も確かにございまして、このような場合には、面接に先立って、子供との面接における良好な雰囲気を醸成するために顔合わせを先行させておくというようなことも、そういう場合もあると承知をしております。

 また、家庭裁判所の児童室におきまして親子が交流する機会を設けて、その場面を観察するとともに、交流後に子供の方から感想をお聞きしたり、実施後の様子を把握するために、保育所等を訪問して子の様子を見たり、その保育所等の職員から事情を聴取したりということも行っております。

 加えて、事案に応じては、子供のふだんの様子を見ている保育所や学校の職員あるいは親族の方の陳述を聴取したりといったことを通じまして、子を取り巻く事情等を十分に把握し、これらを踏まえて子の意思を適切に理解するように調査を行っているところでございます。

 このように、面会交流事件における家庭裁判所調査官の役割は極めて重要なものであるというふうに承知をしております。

畑野委員 資料の二枚目のところで、事件数がふえているということもいただいております。ですから、その家裁調査官がここ長きにわたってふえていないということをやはり改善していく必要があるということを私は申し上げたいと思います。

 速記官について伺います。

 弁護士会の声明が出されまして、二〇一六年五月二十日、埼玉弁護士会会長及び裁判所速記官制度を守り、司法の充実・強化を求める会の要請書の中で、速記官にとって、とりわけ電子速記タイプライターの官支給が喫緊の課題となっています、速記官の大多数は、高額な電子速記タイプライターを自費で購入し、裁判所の許可を得て公務である供述記録作成に使用していますが、こうした状況を放置することなく、早急に速記官に対し電子速記タイプライターを支給するなど、速記官の執務環境の整備を実現するよう強く求めますということでございます。

 前回、私の質問に、「速記官の執務環境の整備等に努めてまいりたい」という御答弁がございましたが、この電子タイプライターの整備についての御検討はいかがでしょうか。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 新たな速記官が採用されないという状況のもとに、速記官としてその職務を全うすることを希望する者につきましては、その能力を十分に発揮し、速記官としてやりがいを持って職務に臨んでもらうという必要がありますことから、そのために執務環境整備等に努めてまいるということを答弁させていただいたところでございます。

 速記官については、長年使用し、その性能が確認された速記タイプライターを整備してきたところでございますが、さきに述べました執務環境整備の一環として、その後継機種として電子速記タイプライターを整備することが可能かどうかについて検討してみたいというふうに考えているところでございます。

畑野委員 前向きな御答弁でした。

 岩手弁護士会、福島県弁護士会、群馬弁護士会の各声明は速記官の養成再開を求めているということも申し上げておきたいと思います。

 ぜひ電子速記タイプライターを進めていただきたいと私から重ねて申し上げておきたいと思います。

 ヘイトスピーチの根絶の問題について伺いたいと思うんです。

 ヘイトスピーチ解消法が昨年成立いたしました。しかし、これに基づいて、自治体で、どうしようかと。その対応でいいますと、公の施設の使用許可等とヘイトスピーチの問題について、判断で困っているという場合もあるかと思うんです。

 法務省としてどのような対応をされているのか、自治体がもし相談したいといろいろあれば、どこに問い合わせたらいいのでしょうか。

萩本政府参考人 昨年成立、施行されましたヘイトスピーチの解消に向けた法律において、国は、地方公共団体が実施する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有するとされております。

 法務省では、その一環としまして、昨年、関係省庁や関係地方公共団体の課長級職員の出席を得ましてヘイトスピーチ対策専門部会という会議を開催いたしましたが、地方公共団体の出席者からは、今委員御指摘の点も含めまして、施策の実施に当たって参考となる情報を提供してほしいという要望が出されました。

 こうした経緯も踏まえまして、法務省では、地方公共団体が地域の実情に応じてヘイトスピーチの解消に向けた施策を行うに当たって参考となる情報を希望する地方公共団体に対して提供しております。

 この参考情報は、国会における法案審議の際の発議者の答弁の中から、法の趣旨、目的の理解、法の解釈、適用等に資すると思われるものをわかりやすく整理して紹介するなどしたものでして、例えば、法律前文の趣旨、第二条の本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解釈、あるいは御指摘のありました公の施設の使用許可申請とヘイトスピーチの問題等々に関する情報を内容としております。

 この点につきまして、法務局あるいは地方法務局を通じて地方自治体に提供しておりますので、希望がありましたら、地元の法務局、地方法務局を通じて問い合わせていただきたいと思います。

 法務省としましては、地方公共団体におきまして、こうした参考情報を適宜活用するなどしまして、公の施設の使用許可申請とヘイトスピーチの問題も含め、適切な判断や施策が行われるものと考えております。

畑野委員 金田法務大臣に伺いたいと思います。

 ヘイトスピーチ根絶に向けて現場で頑張っている市民や自治体の皆さんへの決意を伺いたいと思います。

金田国務大臣 畑野委員の御質問にお答えします。

 特定の民族や国籍の人々を排斥する不当な差別的言動はあってはならないものであります。ただいま人権擁護局長も答弁をいたしましたとおり、法務省としては、ヘイトスピーチの解消に向けた法律の趣旨を踏まえまして、これまで、地方公共団体向けの参考情報を提供するといった取り組みを進めてきたところであります。

 今後も、地方公共団体等の関係機関とも連携をしながら、このような不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを適切に推進してまいりたい、このように考えておる次第であります。

畑野委員 ぜひ進めていただきたいと思います。

 時間が参りましたので、司法修習制度については伺えませんでしたけれども、前回の委員会で、角田正紀参考人、郷原信郎参考人からも御意見をいただきました。きょうは、ビギナーズ・ネットの皆さんも来られております。

 大臣、ぜひこういう皆さんの声を引き続き聞いていただきたいというふうに思いますが、そのことだけ聞かせていただいて、私の質問を終わります。

金田国務大臣 ただいまの委員の御指摘、私も、もう本当に、日本の将来の法曹界を支える皆さんのためにも、私ども法務省も一緒になって努力をしていきたい、このように考えております。

畑野委員 終わります。

鈴木委員長 次に、松浪健太君。

松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。

 大臣、お疲れではないですか。先ほど、階議員の質疑を聞いていて、言い方がきついなとも思いますけれども、やはり、与野党ともに危機感はコンセンサスがあるのではないかなというふうに思っております。大臣も、もっとしっかりと、階さんにちょっと満足していただけるようなおちゃめさも持ち合わせていただければありがたいなと思うわけであります。

 それはともかくといたしまして、質疑に入る前に、先ほど刑事局長の話がありました。きょうは裁判所法の質疑でありますので、これは必ず求めませんけれども、今後、テロ等準備罪、我が党ではまだ賛否も決めていませんので、組織犯罪防止法ぐらいがいいんじゃないかなというのが我が党のスタンスではありますけれども、こうしたときに、昔は政府委員制度があって、この問題は重要な答弁だから役人に任せますという大臣がいたのも事実であります。そうした状況で反省があって、今の政府参考人という形になったわけでありますけれども、私は、今も、これはちょっと極端になってきているなと。刑法の話をするときに刑事局長も呼ばない、これもやり過ぎであります。

 まさに、大臣というのはゼネラリストで、民訴からこうした制度から全てを包括的に統べるものでありまして、そうでなければ、細かい話をここでやっていただくのであれば、法務大臣は全部司法試験の資格を持つ人にやってもらえばいいわけでありまして、だからこそ、私は、ゼネラリストとして、ほかの、スペシャリストではない視点を持っている大臣の視点というのが必要だというふうに思うわけであります。

 私も、国民の一人として、こういう状況でこうなってという細かい議論を大臣にしていただくとは思いません。そんなことを望みません。そんな細かいものは大臣にやっていただかないで結構であります。そうした専門的なことは、やはりこれからは刑事局長にやっていただくということを、大臣も、そう言われたときには、いや、細かい話はやはり任せるよ、そこまでやってらんねえよ、あんたばかかというふうにちゃんと答弁をしていただければいいんじゃないかなというふうに思います。ちょっと今、ばかは言い過ぎましたね。それは心の中で思っていただければいいなと思いますけれども。

 そこで、この質疑、ずっと司法制度について話をしているわけでありますけれども、一方で、司法というのは大変な権威であります。裁判官のトップである最高裁の長官というものは、まさに三権の長に、国民から直接選ばれるのではなくて唯一なれるという大変重いポストだと思います。

 大変私は柄ではないんですけれども、きょうは最高裁判事の構成について伺おうと思います。

 これは裁判所法第四十一条で、四十歳以上の人間で、少なくとも十人は云々とありますけれども、二十年以上のその場の経験を持っていただいている方として、高等裁判所長官から弁護士、そして別に法律で定める大学の教授なんというのも、こういうふうにあるわけであります。

 しかしながら、きょうはちょっと表を、最高裁判事の構成というものを、私、最高裁なんかにも、いろいろなところに御協力をいただいてこれをつくってみたんですけれども、法律は先ほど申し上げた第四十一条に書かれています、法律違反だというわけではありませんけれども、一九七〇年代からこれは慣例として、だから私が生まれたころでしょうか、四十年は、裁判官の六人の構成、そして弁護士はこうした日弁連の構成、そしてあとは、検察官二名、それから行政、大学の教授等学識者という枠でありますけれども、この六、四、五の体制というのが持たれてきたわけであります。この四月十日、二人、林さんと山口さんという方は、発表されたのは一月の十三日ですか、ことしの一月十三日に両者が後継でこうなられるという人事が発表されているわけです。

 まずもって、この構成のバランスについての考え方を伺いたいと思います。

土生政府参考人 お答えいたします。

 最高裁判事の人選に当たりましては、人事の万全を尽くす観点から、これまでも最高裁長官の意見をお聞きいたしまして、それを踏まえて行っているところでございます。今般の人事におきましても、同様の手続を経て内閣として人選を行ったものでございます。

 その表中で御指摘いただいております山口氏につきましては、当時、第一東京弁護士会所属の弁護士で、かつ著名な刑法学者でもある方でございます。これらの経歴に加えまして、人格、識見ともにすぐれた方として最高裁判事に適任であると判断したものでございます。

 なお、最高裁判事の任命に関しまして、出身分野というお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、出身分野ごとの人数枠が明確に決まっているものとは認識しておりません。また、そもそも、お一人の判事が複数の分野の経験を持っておられることもあるものと承知をいたしております。

松浪委員 私は、この山口さんという方の人格それから経験に何を言うわけでもありませんで、こうしたものは、やはりバランスというものは抑制的に使われねばならないだろうという思いでおります。

 この表で見ますと、櫻井さんという方は女性局長で、この後を、林さんというイギリス大使、役人であります。本来であれば、この方の後に林さんが来て、大橋さんという弁護士会の後にこの山口さんが来るわけで、この山口さんというのは、実は弁護士登録をされたのも昨年の八月ということでありますので、明らかに経歴的には学識経験者ということであります。

 この弁護士四人、学識者五人という、いわゆるルールは正確にはないけれども、少なくとも四十年間持たれてきたこのバランスが崩れたということは言えるかと思うんですけれども、このバランスが変わったということについては、いかがですか。一言でいいです。

土生政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、山口氏につきましては、当時、弁護士会所属の弁護士でもいらっしゃいましたし、そもそも出身分野ごとの人数枠が明確に決まっているものとは承知いたしておりませんし、また……(松浪委員「一言でいいですよ」と呼ぶ)はい。繰り返して恐縮でございます。

松浪委員 という答弁が来るのは普通なんですけれども、僕もこれはがりがりやる気はありませんが、少なくとも法務委員会でこうした議論があったという足跡だけはこの場に残しておこうというふうに思います。

 次に、司法制度改革、もうこの間から続いている議論になります。

 これについて、きょうは主に役所とやりとりしようと思いますけれども、大臣にいつも質問をしてもなかなかお答えをいただけないわけですけれども、こう答えてくださいということで。弁護士の需要というものについて、年間三千人とかやっていたということについては、これは明らかに間違いだったということで、現在の、司法エリートというか、司法制度の魅力が減じているということには、大臣は素直に、まずもって、もうこの質疑も終局ですから、もう一度気持ちよくお認めをいただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

金田国務大臣 司法試験合格者数あるいは弁護士の活動の場の広がりといったものが、結果として、当初予想されていた状況と異なるものになったということは、残念に思っております。

松浪委員 実は私、前回も言いましたけれども、残念じゃなかったな。我が国が予想したほどの訴訟社会にならなかった、日本らしい国柄を持ち得たということは、私はこれは望ましいことであったので、あとは大臣にすばらしい仕組みをつくっていただきたいと思うんですが。

 法務省に伺います。

 需要、ニーズを見誤っていたわけでありますけれども、それでは逆に、二〇〇一年から現在までで大体二倍近くになっているわけでありますけれども、これから例えば二〇四〇年とか、伸びていくわけでありますけれども、このままでは弁護士の数というのはどれぐらいになると推計されておりますか。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 法曹の人口の将来像でございます。

 若干古いシミュレーションとなりますが、内閣官房法曹養成制度改革推進室が平成二十七年三月に開催されました法曹養成制度改革顧問会議におきまして将来の法曹人口のシミュレーションについて報告しておりますので、これを御紹介させていただきます。

 これによりますと、平成二十六年現在における法曹三者の総人口が三万九千八百九十二人でございましたが、平成二十七年以降の司法試験年間合格者数を千八百人と仮定した場合には、平成三十四年に五万人台、五万三百十六人、司法試験年間合格者数を千五百人と仮定した場合には平成三十六年に五万人台、五万二百七十八人となると試算されております。

 今、なぜ千八百人と千五百人を取り上げたかと申しますと、この報告後の実際の司法試験合格者数が、平成二十七年に千八百五十人、平成二十八年に千五百八十三人であったことによります。

 以上でございます。

松浪委員 近々でも、これだけ、五万人にふえるということがあって、きょうも若い弁護士さんの方が来られていますけれども、五万人もなったら食えないですよね、本当に。皆さん、こんなの、食えないよと思っていますよ。

 やはりここはしっかり抑制的にやらないと、まさに皆さんの声を、さっきの畑野先生じゃないですけれども、本当の声を受けとめないとこれはもう非常に厳しいことになると思いますけれども、五万人になったら弁護士さんはもっと食えなくなるんじゃないですか。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員の御関心、弁護士の収入をベースの御関心の御質問も前回もございましたので。

 実際上、最近、収入が低下しているような状況はあるわけでございます。日本弁護士連合会が平成十八年、二十年、二十二年、二十六年に実施されました調査結果によれば、平成十八年の収入の平均値が三千六百二十万円、平成二十年が三千三百八十九万円、平成二十二年が三千三百四万円、平成二十六年が二千四百二万円というような状況でございます。

 弁護士の収入低下の理由について、確かに弁護士の人口増の影響を指摘する声もあることも事実でございます。実際上、この調査によっても、弁護士の取扱事件の総数なども若干減少しているようなこともあると思います。

 ただ、これを、確定的にそれのみと言い切れるのかどうかというのはちょっとちゅうちょがございまして、経済情勢の変化など弁護士の業務をめぐるさまざまな環境の変化等も影響しているのではないかと考えておりまして、今後、現状のような司法試験合格者数が出た場合に、食えなくなるというような御指摘がございましたけれども、今後どうなるか、今後の法曹の活動領域の拡大などとも関係いたしますので、一概には言えないところもあるかと考えております。

松浪委員 いや、ちょっと眠いですね、正直言って。常識と離れ過ぎですよね。

 今でさえ、弁護士さん、これだけ厳しくなっているのに、思ったよりも領域もふえなかったわけです、司法書士なんかもこれからは少額の訴訟にはしっかり門戸を開こうと言っているわけで、今おっしゃっているのは、本当に、司法エリートの方が法務省から答弁するのは大変危機感が薄いなと私は思わざるを得ないし、役所としてそう答えなければならないのであれば、それは役所の体質がおかしいと言わざるを得ない。

 常識で考えて、今で食えないんだったら、数が今よりふえたら明らかに食えないんですよ。これは当たり前だと思うんですけれども、もう一回、端的に答えてください。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 重ねてのお答えになると思いますけれども、やはり弁護士の収入状況が下がっていることは事実としてありますし、その人口増が収入減に影響を与えているという御指摘があることは事実、そこは我々としても承知をしているところでございます。

松浪委員 収入が下がって、人数がふえて、ここにまだもう一つ必要なのは、質の確保というのがあるわけですね。

 先ほどから、もうけさから國重先生も弁護士としてもしっかりと追及なさっていました。まさに司法のエリート、昔は本当に苦しい、三%しかない時代でも、一%台というのもあったらしいですけれども、その時代でもみんなこの業界に夢を見たわけですよね。なぜ夢を見たか。尊敬される、そしてお金ももらえる、こうした夢があった。大体宝くじなんか六億なんか当たらないのに、みんな夢見てあんなのでも買うんですよ。自分らは宝くじじゃないですけれども、これよりしっかりした、努力が報われる夢というのは、本当にそこから見たら確率の高い夢なんですよ。宝くじと一緒にしちゃだめですけれども、人間というのは理不尽に夢を持てるというのもすばらしいところだと僕は思うんです。

 収入が下がって、人数がふえて、質の確保というのはできるんですか。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 収入が下がれば必ず質が下がるという関係にあるのかという問題があるかと思います。

 特に弁護士の能力及び資質の確保につきましては、各弁護士会の自主的な取り組み、あるいは、弁護士を指導監督する弁護士会等あるいは日本弁護士連合会において適切に対応されておりますし、今後も対応されるものと認識しております。

松浪委員 今の答弁は、弁護士会がそんな能力があれば私は今まで苦労はしていないのかなと思いまして、これはあくまで需給の問題、そしてまた客観的な収入等の問題であるということは、さまざまな審議会等でもこれからやっていただいたらいいと思うんですけれども、もうちょっと真っ当な方向に動かしていただくというのが、これは与野党問わずの、きょうは、与党の皆さんもうなずいていらっしゃいますけれども、コンセンサスだと思います。

 次の質問に移ります。

 給付金なしで修習した、先ほどからはざまの世代ということで不公平感をおっしゃっておられますけれども、これは僕はちょっと、多分きょう来ていらっしゃる皆さんには厳しい感覚を、先ほどの質問をした方とは僕は逆の考えを持っていると思います。

 給付金なしで修習した世代の不公平感についての考え方を、もう一度手短に確認します。

小山政府参考人 お答えを申し上げます。

 修習給付金制度の趣旨は、これまでありましたとおり、法曹人材確保の充実強化の推進等を図る点にございますので、この趣旨からすれば、今後新たに司法修習生として採用される者を対象とされれば足りるものと考えられるところでございます。

 以上でございます。

松浪委員 この司法の世界、皆さん、弁護士バッジにてんびんのあれがあって、つり合わなきゃいけないと思うんですけれども、この司法試験制度自体、もともと大変不公平なものでありまして、二〇〇三年ぐらいで終わりました丙案という、特別枠なんというのもありましたけれども、あの時代は、最初に受けてから三年間だけは優遇するということで、よく言われたのは、千五百番で新しい人は通るけれども、以前から勉強していた人は七百八十番でも落ちたとか、その数値はどの辺だったかは私もよく覚えていませんけれども、大変不公平なものであった。

 これが、不公平を是正するのであれば、特に、実力で自分より劣った者が通るという理不尽な司法試験だったので、それだったらかつての皆さんをもう一回入れかえますかというようなことはとてもできないわけでありまして、我々もローメーカーとして法をつくっているときに、大体遡及をするということは大変難しい、かなりの要件が必要となりますので、そのあたりは、大変申しわけないんですけれども、私は、ここは厳しく線引きを一度していただいた方がいいのではないかなというふうに思っております。

 時間もなくなってまいりました。今後の法科大学院のあり方について伺いたいというふうに思います。

 特に、きょうも話題になったと思いますけれども、法科大学院の質の向上と、そしてその割合というのが大変な問題になっているわけで、さきの質疑でも取り上げましたけれども、文科省さんも法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムということをなさっております。一旦この制度を入れて、今このような矛盾が噴出してきた中では、私は、正直言って、大学の教職員の方には申しわけないですけれども、これは大変すぐれた制度だというふうに思っております。

 この加算対象の取り組みについてなんですけれども、この制度が入って今に至るまでの加算対象の取り組み、どういう加算項目をふやしてきたのか、伺いたいと思います。

浅田政府参考人 法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムは、法科大学院における自主的な組織見直しの促進と先導的な取り組みの支援を進める上で非常に重要な取り組みですので、今後とも継続していきたいと思っています。

 このプログラムは平成二十七年度の予算から実施しているものですが、これまでも入試の競争倍率に係る指標を追加するなど、必要な指標の見直しを行ってきたところでございます。

松浪委員 このプログラム、例えば、大学連携にプラス加算をするとか、それから国際化の対応にプラス加算をする、女性法曹養成、ICTの活用、そして研究者の養成に至るまで、僕は、これは本当にインセンティブを与える上で大変すばらしいし、前回申し上げましたけれども、今、残酷なことに、第一、第二、第三の類型に分けて、基礎額の算定においても、競争率はどうなのか、そしてまた合格率はどうなのか、法科大学院に入る競争率とか、それから司法試験の合格率、こうしたものを加味する、非常に競争原理は、私はこれだけ働かせていくべきだと思いますけれども、きょうの議論でもありました、まだそのバランスがうまくいっていない。

 前回も申し上げましたけれども、やはり、法科大学院に行った人たちが青田刈りされる、現在の予備試験の人を青田刈りするんじゃなくて、法科大学院に行った人が青田刈りされるような状況を私はつくっていかなければならない。そのためには、これが七十四校あったのが、今、四十二まで減ってきたけれども、これでも私は足りないぐらいじゃないかな。

 先ほどの青田刈りがいい例かどうかわかりませんけれども、逆に、この第一類型もしくはそれより少ないぐらいのところまで絞って、本当の専門性とか実務とかさまざまな能力を、普通の司法試験をがりがりがりがり勉強しているだけでは得られない能力を、敬意を持って司法界が取り入れられるような、そういう試みが必要だと思いますけれども、弁護士出身の井野政務官、いかがですか。

井野大臣政務官 松浪先生がおっしゃるとおり、法科大学院の当初の目的は、いろいろな方が入ってきて、そして多様な法曹をつくるということだったと思います。

 ぜひ、これからもそういった方向で改革を進めていってもらいたいというふうに考えております。

松浪委員 まあいい答弁だったと思いますけれども、これから、なれてくれば、もっと突っ込んだいい意見が出ようかと思いますけれども。

 やはり、政務三役というのは大変力のあるものだと思います。私も政務官をさせていただきましたけれども、普通の政務官は、私もそうでしたけれども、最初、役所へ入ったことがないから役所を勉強するだけで精いっぱいだなというのが政務官という立場かと思いますけれども、せっかく資格がこれだけしっかりとおありになるわけですから、それなりのプロジェクトチームをつくったりとか、大臣を真の意味で補佐するお仕事、そしてまた、先ほどの答弁を聞いていらして、ああこれはと頭をひねることは多かったと思います。役所の方が言えないことを実現する活動をしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。畑野君枝君。

畑野委員 私は、日本共産党を代表して、裁判所職員定員法改正案に反対、裁判所法改正案に賛成の討論を行います。

 裁判所職員定員法改正案は、判事五十人、書記官二十四人、事務官を十七人増員するとしています。必要な定員を増員することは、国民の裁判を受ける権利保障と司法サービスのさらなる充実を図る上でも当然です。

 一方、法案は、技能労務職員等の定員を七十六人削減するものともなっており、全体では、増員数九十一人に対し、減員数九十九人、差し引き八人の純減となっています。

 最高裁は、政府の不当な定員合理化計画に一貫して協力し、結果として、裁判所の職員数は、二〇一三年は一人、一四年四人、一五年四人、一六年には四人と純減が続いています。概算要求では、書記官三十人、事務官十九人の増員を要求したにもかかわらず、減員に協力したことは、繁忙な職場の実態と要求に応えるものとなっていません。

 参考人質疑では、裁判官、裁判所書記官、事務官の増員とともに、とりわけ家庭裁判所における家裁調査官の増員の必要性が強調されました。家事審判事件、家事調停事件、成年後見関係事件の新受件数が急増する中で、少年保護事件の内容の複雑化、成年後見制度への対応、離婚に伴う親権の争い、また、児童福祉法第二十八条審判を初め虐待事案への関与など、事件が複雑困難化するもとで、専門的見地が求められる家裁調査官は、二〇〇九年に五人が増員されたのみであり、本法案でも増員の措置がありません。

 三権分立を規定した日本国憲法のもと、司法権を担う裁判所には、政府に拘束されることなく独立してその定員や人件費を定める権限が与えられています。政府による定員合理化計画の不当な要請に最高裁判所は協力するべきではありません。

 今、最高裁判所に求められるのは、裁判所が利用しやすく国民の期待に応えるために、予算の拡充とともに、裁判官を含めた裁判所職員などの人的体制、庁舎、設備などの物的な充実です。

 以上が裁判所職員定員法改正案に反対する理由です。

 なお、裁判所法改正案については、給費制の復活ではありませんが、司法修習生に基本給付金を一律支給するなど、一歩前進であり、賛成します。

 以上、討論を終わります。(拍手)

鈴木委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより採決に入ります。

 まず、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平口洋君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。井出庸生君。

井出委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

 一 民事訴訟事件の内容の複雑困難化及び専門化について、その実情を把握し、必要な対応を行うとともに、訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、審理の運用手法、制度の改善等を検討し、その上で、目標達成に必要な範囲で裁判官の定員管理を行うこと。

 二 裁判所職員定員法の改正を行う場合には、引き続き、判事補から判事に任命されることが見込まれる者の概数と判事の欠員見込みの概数を明らかにすること。

 三 平成二十五年三月二十六日の当委員会の附帯決議等を踏まえ、最高裁判所において、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、その削減等も含め検討していくこと。

 四 技能労務職員の定員削減に当たっては、業務の円滑、適切な運営に配慮しつつ、業務の外部委託等の代替措置の状況を踏まえて適切に行うこと。

 五 複雑・多様化している令状事件については、引き続き、実態を把握し、適切な処理が図れるよう体制整備に努めること。

 六 司法制度に対する信頼確保のため、訟務分野において国の指定代理人として活動する裁判官出身の検事の数の縮小に関する政府答弁を引き続き遵守すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。金田法務大臣。

金田国務大臣 ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対します附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

 また、最高裁判所に係ります附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次に、内閣提出、裁判所法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十九分散会


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