衆議院

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第18号 平成29年5月19日(金曜日)

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平成二十九年五月十九日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 淳司君

   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君

   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君

   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君

   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    安藤  裕君

      井野 俊郎君    奥野 信亮君

      門  博文君    菅家 一郎君

      城内  実君    國場幸之助君

      鈴木 貴子君    辻  清人君

      野中  厚君    藤原  崇君

      古田 圭一君    宮川 典子君

      宮路 拓馬君    山田 賢司君

      若狭  勝君    枝野 幸男君

      階   猛君    山尾志桜里君

      浜地 雅一君    吉田 宣弘君

      畑野 君枝君    藤野 保史君

      松浪 健太君    上西小百合君

    …………………………………

   議員           逢坂 誠二君

   議員           丸山 穂高君

   法務大臣         金田 勝年君

   法務副大臣        盛山 正仁君

   外務副大臣        岸  信夫君

   法務大臣政務官      井野 俊郎君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 白川 靖浩君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (公安調査庁次長)    杉山 治樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)

 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(階猛君外二名提出、衆法第一七号)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する平口洋君外四名提出の修正案並びに階猛君外二名提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の両案及び修正案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官白川靖浩君、公安調査庁次長杉山治樹君及び外務省大臣官房参事官飯島俊郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより両案及び修正案を一括して質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋正忠君。

土屋(正)委員 長い間議論をしてまいりましたが、議論が積み重ねられ、そして相当論点が集約してきたと存じます。その上で、私は、大臣に何点かお尋ねをいたしたいと存じます。

 第一の質問は、金田大臣の答弁すべき範囲と、刑事局長以下政府参考人の答弁の範囲についてであります。

 衆議院規則並びに各会派申し合わせ事項に基づいて、大臣が政策を語り、細目的、技術的なことは政府参考人が答弁をする、こういう配分になっております。

 しかし、この衆議院規則の背景にあるものは、日本の民主的な行政執行にかかわる根本的な課題があるだろうと思います。

 我が国においては、憲法、内閣法、国家行政組織法、法務省設置法並びに法務省設置令などなどの法体系によって、法務省の行政領域と、またそれぞれの役割が分任をされているわけであります。とりわけ、法務省組織令第五条は、「刑事局は、次に掲げる事務をつかさどる。」として、一に「刑事法制に関する企画及び立案に関すること。」となっているわけであります。

 こういった中において、改めて、私は、大臣の職責とその答弁に対する心構えをお聞きしたいわけであります。

 法務省全体として五万人を超える職員が一体となって法務行政を執行しているにもかかわらず、大臣一人に質問を集中させて、そして、あたかもそれが政策的な事項からはるかに外れている、こういったようなことがたびたび行われたわけでありまして、このことについて、例えば、具体的に言えば、保安林に入ってキノコをとるのはテロ等の準備罪に当たるかなどという珍問、奇問が出されているわけであります。そもそも、キノコといったって、いろいろ、マツタケもあるし、その辺の普通のキノコもあるわけですから、とりに入ったのが入会権を持っている里山の住人なのかどうかとか、こういうことがない限り、答えようがないわけであります。

 でありますからして、そのことをもって、答えられないからといって、大臣をあたかも窮地に立たせて一本とったなどと考えている者がいるとすれば、日本の民主的な行政執行、憲法を原点とする法の民主的な統制、こういったことに対する重大な誤認があると言わざるを得ないわけであります。

 私は、改めて、金田大臣の基本的な姿勢について、締めくくりが近いわけでありますから、基本的なことをお尋ねしたいわけであります。

金田国務大臣 ただいま土屋委員からの御質問がございました。

 法務省の任務それから所掌事務というものは非常に多様な、そして時代の情勢を踏まえた、そういう事務が多いということをおっしゃっておられるというふうに私は認識をいたしました。

 法務省の任務というのは、御承知のように、ただいまの御質問にもありましたが、法務省設置法第三条に規定されておるわけであります。お聞きでございますのでお答えしますが、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の利害に関係のある争訟の統一的かつ適正な処理、出入国の公正な管理を図ることであります。

 そして、この任務を達成するための所掌事務については、法務省設置法の第四条において、例えば、民事、刑事法制の企画立案に関すること、司法制度の企画立案に関すること、検察、刑など裁判の執行、保護観察、犯罪の予防に関すること、そして恩赦に関すること、戸籍、国籍、登記に関すること、人権侵犯事件、人権啓発に関すること、総合法律支援に関すること、国の利害に関係のある争訟に関すること、外国人の在留、難民認定に関することなど、多岐にわたる事務が規定されているわけであります。

 したがって、土屋委員のおっしゃることはまさにそのとおりでありまして、時代の状況を踏まえて、現在の法務行政というのは多くの使命を求められている、仕事が非常に多岐にわたるという点はそのとおりであろう、このように私も受けとめております。

 これらに関して、例えば、全国で五万三千人の職員が、非常に多い皆さんが力を一つにしてその遂行に当たっておられる、私はこのように認識をしております。

 申し上げるまでもなく、法務行政の最高責任者は私、法務大臣でありますことから、副大臣、大臣政務官の支えを得ながら、法務省の任務を果たすために、法務行政のあり方について、その基本的な方針を決して、責任を負う使命、役割を担っているものと受けとめております。

 しかしながら、とりわけ多くを求められる現在の法務行政においては、法務大臣が一つ一つ判断をしていくことは現実的ではないのではないかとの御指摘がある点につきましては、かえってそれが事務の停滞を招くようなことがあってはいけないわけでございますし、一つ一つ判断をすることにより、現実的ではないというケースも出てくる可能性はあります。

 そして、そのもとで、本省に大臣官房や七つの局といった組織、機関等を設けて、先ほど申し上げた多岐にわたる法務省の所掌事務を分掌させているというのは事実でありまして、その長がそれぞれの所掌事務における責任者となって、また、全国各地に法務局、あるいはそのほかの多くの地方組織、機関を設けて、現場での法執行に当たらせるなどしながら、全国五万三千人の職員それぞれが日々責任を持って職務に精励をし、法務行政を支えている、このように私も受けとめております。

 したがいまして、法務行政においては、その最高責任者である法務大臣、それを支える副大臣、大臣政務官、そして本省、全国各地の組織、機関の職員がそれぞれの役割に応じた職責を果たし、一丸となって多岐にわたる所掌事務に対処をしていく、国民の皆様の生活の安全、安心を守る基盤を支えるという重要な任務を担っているものである、このように私は認識をいたしております。

土屋(正)委員 ありがとうございました。

 巨大な組織の最高責任者でもあり、組織管理の立場からもさらに頑張って、大局的な立場で使命を果たされることを期待いたしております。

 先日、枝野先生が刑事局長と二時間にわたって大変濃密な議論をいたしました。私、さすがだなと思って感心して、その日のブログに枝野先生のことをお書きしたわけでありますが、こういう専門家同士のしっかりとした議論が積み重ねられてきたことも事実でありますし、それはそれ、プロフェッショナルとしての刑事局長の答弁だと思います。そういった意味で、我々は持ち場持ち場でしっかりとした仕事をしていくことを、しっかりしたことを積み上げていく必要があるということを申し上げておきたいと存じます。

 次に、二番目の質問として、自民、公明、維新三党が提出されました修正案の修正協議の経過と全体像についてお尋ねをいたしたいと存じます。

 これまで当委員会で議論を重ね、議論が煮詰まりつつあるわけでありますが、その中にあって、自民、公明、日本維新の会の三党による修正案が提出されました。なお、別案が民進党、自由党両党により提出されたわけでありますが。この三党が出された修正案について、これまでの審議過程で示された懸念等を踏まえて与党と日本維新の会との間で協議が行われたということですが、その経過について、また修正案の全体像について、法案提出者の平口委員にお尋ねを申し上げます。

平口委員 お答えいたします。

 まず、修正協議の経過について御説明をいたします。

 テロ等準備罪処罰法案に関して、衆議院法務委員会における審議が始まった後、日本維新の会から修正提案について示されました。それについて、自由民主党、公明党、日本維新の会の三党間で精力的に協議を進め、去る平成二十九年五月十一日に大筋合意に至り、翌五月十二日に三党共同で修正案を提出いたしました。

 次に、修正案の概要について御説明を申し上げます。

 第一に、テロ等準備罪に係る事件についての被疑者の取り調べその他の捜査を行うに当たって、その適正の確保に十分に配慮しなければならない旨の規定を追加することとしております。

 第二に、附則の検討事項として、一、テロ等準備罪に係る事件に関する取り調べの録音、録画等に関する制度のあり方、及び、二、全地球測位システム、いわゆるGPSに係る方法を用いた捜査を行うための制度のあり方という二つの事項について定めることとしております。

 第三に、テロ等準備罪の対象犯罪のうち告訴がなければ公訴を提起することができないもの、いわゆる親告罪に係るテロ等準備罪につきまして、告訴がなければ公訴を提起することができない旨を明記することといたしております。

 以上でございます。

土屋(正)委員 ありがとうございました。

 これについては、他の会派の皆さんも御質疑があることと存じますので、きょうはこの程度にいたしたいと存じます。

 次に、大臣にお尋ねをいたしますが……

鈴木委員長 ちょっと所用で。

土屋(正)委員 はい。

 通告をしてありますので申し上げますが、テロ等準備罪処罰法が成立を仮にしたとして、これだけでテロを未然に防ぐということができるかどうか。もちろん、テロは起こってはならないし、そのために全力を尽くすわけでありますが、しかし、これは相当思い切った覚悟が必要だろうと思います。

 とりわけ、二〇二〇に東京オリンピック・パラリンピックの開催を迎えるわけでありますから、これを狙ってさまざまな動きが出てくることは当然予想されるわけであります。また、予想しなければならないわけであります。

 また、過去には、予想もできないような思いがけない事態が幾つも起こってきているわけであります。我々は、過去に起こった思いがけない事態を参考にして、日本国民の安全と、そして生命を守っていかなければならないと改めて思うわけであります。

 その一つは、一九七〇年代に続発した北朝鮮の日本人拉致事件であります。当時は、まさか隣国が国家組織としてテロ行為をもって我が国の国民を拉致するなどとは全く考えが及ばなかったわけであります。しかし、たび重なる事象によって、そういった現象が、もしかしたらというところから、確信に変わっていったわけであります。恐らく、一九七〇年代では、今は北朝鮮の拉致事件というのは相手も認めたわけでありますが、しかし、当時としては、本当に予想もできない事態であったと思います。

 また、二点目として、一九九四年から一九九五年にかけてのオウム真理教事件であります。宗教団体と称していたカルト集団が、いつの間にか組織的犯罪集団に変身をしていたわけであります。

 また、最近では、利便性を求めてインターネットが世界じゅうに普及しているわけでありますが、これに対するサイバー攻撃も、この十年、極めて深刻な事態になりつつあるわけであります。

 今、誰も想定できない事態が起きたとき、どう国民の生命と財産を守るか、こういったことについては、このテロ等準備罪処罰法の制定だけではなくて、これから不断の努力をしていく必要があるんだろうと思います。

 二十二年前に起こったオウム真理教事件について少し申し上げたいと思いますが、このときは、本当に地域社会も騒然とした空気でありました。

 私は武蔵野市長を務めておりましたが、オウム真理教の犯人たちが浄水場に毒を入れるということが予想され、これに対して全国の水道管理者が、これは大変だ、とりわけ都会周辺の水道管理者は緊張が走ったわけであります。東京都水道局からも指示があり、私どもは、それまで必ずしも予想していなかった浄水場の警備を電光警備にしたり、あるいは夜間、警備会社に頼んでパトロールをしたり、宿直員に泊まり込みをさせたり、こういったことでもって対応をしたわけであります。

 このオウム真理教が示した事件というのは、国民に重大な心理的影響を与えたわけであります。とりわけ一九九五年、平成七年の一月十七日午前五時五十六分には阪神・淡路大震災が発災をして、あのしょうしゃな神戸の町が一瞬にして灰じんに帰したわけでありますから、そのことも含めて、あのときほど国民に心理的な動揺が走ったことはありません。

 一九九四年の六月二十七日、松本サリン事件が発生以来、さまざまな積み重ねを経て、地下鉄サリン事件が一九九五年三月二十日、霞ケ関地下鉄駅を初めとする複数の駅で起こったわけであります。このときなどは、武蔵野から都心に通学をしている子供たちを休学させる、何があるかわからないから休学をさせる、こういうことも起こったわけであります。まことに深刻な事態でありました。

 さらに、これはオウムの事件かどうかわかりませんが、一九九五年三月三十日には、オウム警備の最高司令官であった国松警察庁長官の狙撃事件が起こり、国松長官は瀕死の重傷を負ったわけであります。

 麻原彰晃逮捕の一九九五年五月十六日までの間、日本じゅうが震撼をして、さまざまな機関がこの対策に取り組んだわけであります。

 当時、自動車ナンバーの自動読み取り装置Nシステムは既にあったわけでありますが、鉄道の改札口にいわゆる監視カメラが設置をされたのはこのことがきっかけであります。それまでは、監視カメラをつけることについては、肖像権とかプライバシー権とかという議論があって、なかなかこれが進まなかったことがあります。

 武蔵野市で吉祥寺の駅前にピンクサロンというのがわっとできたときに、このために監視カメラを入れたのは今から四十年前の昭和五十二年でありますが、そのときは、公道上に監視カメラをつくるのは、プライバシーあるいは行動の自由、肖像権の侵害じゃないかという議論もなされました。その後、私は武蔵野市長になったわけでありますが、風俗環境から静穏な生活を守るためにといって日本弁護士連合会に調査を、いわゆる風俗営業から離れて静穏に暮らす権利というのはどういうことなんだろうかということを日弁連に調査研究を依頼いたしました。日弁連の人権小委員会がこれを受けていただいて、一定の報告を出されたわけでありますが、これなども行動の自由、肖像権などをめぐった議論でございました。

 しかし、それから十数年たった一九九五年には、今まで考えられないぐらいの監視カメラが鉄道駅の改札口に取りつけられたわけであります。それは、一連の事件の中から、国民が、これはしようがないんだ、こういうことによって犯罪を防ぐんだ、テロを防ぐんだということに納得したからにほかならないわけであります。監視カメラの効用が広く知れ渡ったのは、IRAの爆弾テロに対する監視カメラでの摘発が功を奏したからであります。

 でありますからして、私が言いたいのは、テロを未然に防ぐ、あるいはそのための対策をとる、あるいは刑事訴訟法のいろいろなことがあるかもわかりません、こういうことを含めて国民の理解と支援がなければならないし、そして、国民とともに歩む法制でなければならない、こんなふうに思っているわけであります。

 オウム事件の中でもいろいろなことがありました。例えば、オウム事件の捜査、検察、警察、一体となった捜査であったわけでありますが、当時は警察官は二十二万人でありました。そして、それを支えたのが国民の目でありました。オウム犯人の幹部を捕らえるきっかけになったのは、石川県の貸し別荘に怪しげな男女が泊まった、それを住民が通報した、そのことがきっかけになったわけであります。警察はありとあらゆる手段を尽くしました。この幹部職員が放置自転車に乗って逃走しようとしたとき、これを職務質問したのが警察官でありますが、その容疑は占有離脱物横領の容疑でありました。

 つまり、国民の声があり、その声に応えた現場の警察官の動きがあり、普通は、自転車泥棒なんて警察までしょっぴきませんよ、まず事情を聞いておしまいですよ。だけれども、そういうことがあったということが、やはり国民の危機管理、危機意識があったんではないでしょうか。

 テロの脅威を未然に防ぐために今やるべきことをやる、法制が必要なら法制をきちっとやる、人権や何かに配慮しながらもやるべきことをきちっとやる、その法制に従って、検察、警察また関係団体は全力を挙げて治安を守る、こういうことが必要なのではないかと思います。テロの脅威を未然に防ぐために、TOC条約を締結して、外国の治安、司法当局と情報を速やかに共有していく、こういうことが非常に大事なことではなかろうかと存じます。

 さまざまなことがありました。このオウム真理教で示した力というのは、検察、警察だけではなくて、自衛隊の化学防護隊も全面的にバックアップをしました。海上保安庁も、さっき言ったように水道管理者も鉄道管理者も道路管理者も、みんな総力を挙げて、これ以上のテロの拡散を防いだわけであります。

 そこで、大臣の決意をお尋ねしたいわけでありますが、法秩序の真ん中にあるのが法務省であり、そして、その法務省を統括し、組織管理し、他の官庁と十分連絡調整を図りながら、日本国民の安全と生命財産を守っていく使命は法務大臣にあるわけであります。今までの個別的な、極めて専門的な議論を重ねた上で今日ここに至った、その時点でもって、改めて法務大臣の御決意を承りたいと存じます。

金田国務大臣 ただいま、土屋委員がかつて武蔵野市長を務めておられたときの、さまざまな当時の状況に基づくお話をなされました。拝聴いたしておりまして、非常に、土屋委員の熱い思いというものはよく感じた次第であります。

 そこで、お答え申し上げるわけでありますが、私の方から、まず、テロ等準備罪の有効性についてお話をさせていただき、そしてまた、テロ対策についての状況と決意というものをお話しさせていただきたいと思います。

 テロ等準備罪を設けることによりまして、テロを含む組織犯罪につきまして、実行着手前の段階での検挙、処罰が可能となる。その重大な結果の発生を未然に防止することができるようになる。さらに、テロ等準備罪を整備してTOC条約を締結することによって、国際的な逃亡犯罪人引き渡しや捜査共助そして情報収集において国際社会と緊密に連携することが可能となる。

 このように、テロ等準備罪を含むTOC条約を締結するための国内法の整備というものはテロ対策として有効である、このように考えております。

 もとより、委員が御指摘のとおり、テロ対策、その状況を考えた場合に、テロ対策というものは今回の法整備を行って本条約を締結することにとどまるものではない、テロリズムの防止に向けてさまざまな対策を行うことは重要である、このように考えております。

 現在、政府におきましては、官邸直轄の国際テロ情報収集ユニットを設置いたしまして、国際社会と緊密に連携をして情報収集、分析を強化するとともに、水際対策の徹底、重要施設やソフトターゲット等に対する警戒警備の強化、そしてサイバーセキュリティー対策の強化といったような、総合的なテロ対策を強力に推進しているものと承知もしております。

 委員がおっしゃられたように、このような政府全体としての取り組みを推進することによって、その推進することの重要性について、また国民の御理解、御支持を得ていくことが極めて重要である、このように考えている次第であります。

 私ども法務省としては、その使命をしっかりと持って、テロ等準備罪を整備することの必要性については引き続き丁寧に説明をいたし、国民とともに歩むというお言葉を今委員は使われました、国民の皆様の御理解を得ていくように、関係省庁等とも連携をして、テロ対策、そうしたものにしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えておる次第であります。

土屋(正)委員 ありがとうございました。

 最後に、重ねての要望といたします。

 法務省を中心に、検察、警察が治安のかなめでありますが、同時に、水際作戦では海上保安庁、あるいは、ドローン等による犯罪が仮に予想される場合には国土交通省を初め関係局、また、入管と、税関の役割も極めて大きいわけでありますから財務省、そしてまたサイバーテロなどは、総務省のNICTを中心に、サイバー攻撃に対する専門的な知見を蓄積した、また民間の力もかりながら、どうぞひとつ、政府の中にあって総合的に対策をとることを要請し、また、その中心に金田法務大臣がいらっしゃることを大変うれしく思い、これからも引き続き職務を果たしていただきますようにお願いをして、私の質疑といたします。

 きょうは、どうもありがとうございました。

鈴木委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。

 本日も質問の機会を賜りましたことに心から感謝を申し上げて、限られた時間でございます、早速質問に入らせていただきます。

 私は、今回のテロ等準備罪のこの審議、これは、国内法整備が必要なのか、そうでないのかという議論がずっと継続をしてきているというふうに思います。私のこれからの質問は、これまでのこの委員会における質疑の流れを踏まえて、おさらいの意味も込めさせていただきますが、順次、通告に従い質問をさせていただきます。

 先日の法務委員会における参考人の質疑において、海渡参考人が、概要ですけれども、立法ガイド、パラグラフ四十三にある、国内法的原則と一致するようにするという旨の記載、及びUNODCの口上書にある、本条約の犯罪化の要求を満たすために本条約と同じ方法で規定をされる必要はないという旨の記載を理由として、国際組織犯罪防止条約、TOC条約の五条の義務を履行するための新規の立法措置は不要であるという御意見を表明されました。

 私はそのように理解をしておりますけれども、この海渡参考人の御意見に対する外務省の所見をまずお伺いしたいと思います。

飯島政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の立法ガイドの記載は、本条約第十一条6の趣旨、すなわち、本条約に従って定められる犯罪について国内法において具体的にどのように規定するかは、他の国内法の規定との整合性を考慮しながら、締約国の国内法により定められることを示したものであり、本条約第五条1(a)が犯罪化を求めている重大な犯罪の合意及び組織的な犯罪集団の活動への参加のいずれをも犯罪とする必要がないことを意味するものではございません。

 立法ガイドを作成しました国連薬物犯罪事務所、UNODCの口上書における御指摘の記載、すなわち、本条約と全く同じ方法で規定される必要はないとの記載につきましては、この趣旨をより明確に説明したものであり、本条約の犯罪化義務が履行できることを前提に、その立法化に当たっては、本条約と全く同一の文言等によって国内法を規定する必要はないということを示したものでございます。

 我が国におきましては、参加罪は存在せず、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎないことから、現行法では本条約の犯罪化義務は履行できないということでございまして、したがって、御指摘の立法ガイドの記載を根拠に、本条約第五条1(a)の義務を履行するための新規立法は不要であるとすることはできないものと考えております。

吉田(宣)委員 今御説明があったとおり、海渡参考人が根拠とされたこの二つの、立法ガイド、パラグラフ四十三及びUNODCの口上書というものは、あくまで、国内法整備で条約と全く同じような文言を使うところまでは必要ではありませんよというものを示したところであって、自国の都合での解釈というものを条約が許容しているということではないということだと私は理解をしておりますので、したがいまして、この二つの理由を根拠に国内法整備が不要であるということは、私は理由がないんだろうというふうに理解をしております。

 ここで、各党が条約の締結には賛成をしてくださっているということ、このことは、まず強く言っておきたいと思います。

 また、歴史的にも、本条約については、平成十五年の国会において条約締結について審議がなされて、皆さんも御承知のとおり、我が党や自民党、また、当時の民主党や共産党も賛成をしていただいております。

 一般に、条約の規定に基づかずに、留保を付して条約を締結しようとする場合は、政府は、条約締結の審議の際に、留保を付して条約を締結することについて国会の承認を求めるということを私は承知しております。他方、本条約については、そのような留保を付することなく条約を締結することについて国会の承認が求められた上で、今申し上げたように、各党各会派、これは賛成をしてくださっているということを、まず前提として強く申し上げておきたいと思います。

 したがって、このTOC条約五条の義務というものは、すなわち、合意罪もしくは参加罪の国内法整備が避けられないということは、そういう立法をしなければいけないということから出発しなければならなかったことは、これはもう条約の承認時から明らかであるというふうに私は承知をしております。

 この点、この委員会の議論で、共謀共同正犯という理論が日本には確立をしていて、この理論があるから特別な立法は要りませんねという御主張もありました。また、同じく、日本には予備罪という規定がある法律もありまして、予備罪について共謀共同正犯というものを適用すればそれで足りますねという御主張もありましたが、そもそも、この共謀共同正犯という考え方は、いわゆる共謀の部分、条約に直すと合意の部分、テロ等準備罪に直せば計画の部分、この部分を処罰するということではない理論です。処罰できないわけです。あくまで予備行為もしくは典型的な実行行為というところを処罰することのための理論であって、そのことが前提にあるならば、すなわち、今、二つの、共謀共同正犯の理論、予備の共謀共同正犯ということを根拠にこのTOC条約五条の義務を履行した、しているというふうな主張は成り立たないということになることがまずこの委員会で明らかになっております。

 次に、計画を処罰するけれども、だから合意は処罰するけれども、条約がオプションとして推進行為というものを挙げておりますから、この推進行為に予備を付加することによって何とかこの条約の履行をすることができるのではないかというお考えもあるようでございますが、この予備の成立要件というのは国内において極めて厳しい。したがって、結果、合意という部分を処罰するということを求めているTOC条約の趣旨を必要十分に満たすことができないわけです。このことによって、これも、残念ながら、TOC条約五条の義務を履行することができないということになりますので、このことも理由にならない。(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

吉田(宣)委員 以上がこれまでの法務委員会の審議で、これは我が党の浜地委員からの質疑であったところでございまして、明らかでございます。

 後ろから、意味がわからないと言っておりますが、わかろうとしていない主張であろうと私は思っております。

 時間が限りがございますので、次に質問いたしますけれども……(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

吉田(宣)委員 先日、民進党ほか、自由党さんから提出された法案では、組織的詐欺と組織的人身売買の罪について予備罪を設けるという修正案を出されたというふうに、修正案というか改正案ですね、理解しております。

 もちろん、民進党さんは本条約の締結のためには新たな国内法整備は必要でないという立場であるということも、一応承知はしております。

 その上で、まず、過去の経緯について質問させていただきます。恐縮ですが、お許しください。

 平成十八年当時、民主党時代、過去の政府案に対する修正案を提出しておられます。この修正案では、共謀した者が処罰されると規定をされていたとお聞きをいたしました。では、この修正案はTOC条約を担保するために提出をされたものではなかったのかどうか、端的にお教えいただければと思います。

逢坂議員 吉田委員の質問にお答えいたします。

 平成十八年、二〇〇六年当時の議論でありますけれども、我が党は、当時、閣法が提出された、そういうことを前提にして、その範囲の中で最大限、刑法の謙抑的な考え方、これに合致するような対応がとれないかということで修正案を提出させていただいたわけであります。

 しかしながら、その後、二〇〇七年以降でありますけれども、例えば国連の立法ガイドでありますとか、あるいはさまざまな識者の考え方、そういったものを我々もさまざま検討させていただく中で、これは必ずしも国内法の整備というものは新たには必要がない、包括的な共謀罪の創設をする必要はないのだという結論に至ったわけであります。

 その理由として、先ほど吉田委員もお話をいただきましたけれども、現行法体系の中で、予備、陰謀、そうしたものが含まれているということでありますので、その考えに立って、現在は国内法が必要ないというふうに考えているわけであります。

 これにつきましては、記憶をたどりますと多分二〇〇七年に参議院選挙があったかと思うんですけれども、二〇〇七年の参議院選挙の時点で既にマニフェストとして掲げさせていただいておりますので、もう十年間、この考え方を我々は保持しているということであります。

 以上でございます。

吉田(宣)委員 今、非常に丁寧な、また誠実な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、当時、共謀した者を処罰するという修正案をお出しになっていた姿勢、先ほど、条約承認時に留保を付さずに条約の承認に賛成した姿勢からすれば、これは非常に当然な姿勢だった、民主党さんの姿勢というのは当然のことだと思っております。もちろん政府案とは形は違いますけれども、TOC条約の趣旨に沿った姿勢であったというふうに私は思っています。

 今、逢坂先生から、二〇〇七年以降、参議院選のマニフェストにも記載をしてこれまでずっと継続をしているという御説明がございました。としますれば、何ゆえに民主党政権時代に何ら立法もせずにこの条約を締結しなかったのか、私はこのことが問われておかしくないんだろうというふうに思います。本委員会においてさまざま議論をされておりますけれども、今の民進党さんの姿勢というのは当時の姿勢から百八十度変わってしまったというふうに私は思えてなりません。理解に苦しむところでございます。

 限られた時間でございますので、次に質問を移らせていただきます。逢坂先生、ありがとうございました。

 次に、民進党さん、それから自由党さんが出された法案、これは、TOC条約とは切り離して、あくまで国内における組織犯罪対策上必要なものとして提出されたものであるというふうに私は理解をしております。

 これまでの国会の議論により、本条約の締結のためには合意罪もしくは参加罪の一方が創設されなければならないことは、繰り返しですけれども、明らかでございまして、先ほど申し上げたとおり、予備の共謀共同正犯の考え方ではこの条約の義務を履行できないということも、これも明らかです。したがって、組織的詐欺と組織的人身売買の罪に予備罪を設けても、確かに切り離されておりますので、そのことは十分承知はしておりますが、本条約の義務を履行することは私は到底できないというふうに思っております。

 議員提出のこの法案について政府が答弁するのはなかなか難しかろうと思われますので、その背景もおもんぱかって、次のように政府に問いたいと思います。

 例えば、重大な犯罪の合意罪について、組織犯罪対策上特に必要で対処すべき緊急の必要があるかなど、我が国独自の観点に立って対象犯罪を選別することができるのか。あるいは、このように線引きした罪に予備罪を設けることで、本条約第五条一項(a)の(1)の義務を履行することができるのか。外務省から説明を求めたいと思います。

飯島政府参考人 お答え申し上げます。

 本条約は、重大な犯罪、すなわち各国の法律において定められている刑期の長さを基準として、長期四年以上の自由を剥奪する刑、またはこれより重い刑を科することができる犯罪、これを重大な犯罪の合意罪の対象とすることを義務づけております。

 その上で、本条約五条1(a)(1)は、締約国に対し、重大な犯罪の合意の犯罪化に当たり、国内法上、組織的な犯罪集団が関与するものとの要件を付すことを認めております。この要件を付した場合には、犯罪化が義務づけられる合意の対象は組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪となりますことから、本条約の義務を履行するためには、組織的な犯罪集団が関与することが現実的に想定される罪を重大な犯罪の合意罪の対象犯罪とする必要があることになります。

 これに対し、御指摘のように、組織犯罪対策上特に必要で対処すべき緊急の必要がある犯罪に対象犯罪を限定するといった観点、基準は、本条約の規定に根拠を見出しがたいと言わざるを得ず、そのような、条約の規定に基づかない我が国独自の観点、基準によって対象犯罪を限定することは、本条約上許されていないと考えております。

 また、予備罪の予備行為につきましては、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられた場合といった考え方を前提とすれば、先ほど委員も御説明になられたとおり、そのような危険性の認められる程度の準備がなければ処罰ができないということとなり、重大な犯罪の合意そのものを処罰の対象とする本条約第五条の趣旨に反するおそれが高いものと考えております。

 したがいまして、御指摘のような観点、基準によって限定した対象犯罪に予備罪を設けたとしても、本条約の義務を履行することはできないと考えております。

吉田(宣)委員 野党提出の法案については、これは条約とは切り離されたところで考えなければいけないということはもちろんではございますけれども、その目的について、私は残念ながら十分理解することができません。あくまで条約との関係でやはり議論が進んでまいりましたので、その観点から今の質問をさせていただきました。

 次に、先日の法務委員会における参考人質疑において、木村参考人は、TOC条約には、捜査共助や情報交換、没収財産の被害者への返還の考慮等の規定等があり、犯罪被害の回復が図られることには大いな意味があるという貴重な御意見を述べておられました。

 我が党は、これまでも一貫して犯罪被害者に寄り添って、犯罪被害者保護の施策を提案し、さまざま実現してまいりました。最近では、被害実態に即してストーカー行為の厳罰化などを盛り込んだストーカー規制法の改正案が成立する、そういうところにも尽力もさせていただきました。

 テロ等準備罪の創設により、組織犯罪が未然に防止され得ること自体、新たな犯罪被害者を生まないという意味で大きな意義があることは言うまでもございませんが、木村参考人の御意見のように、犯罪被害者の被害回復という観点も私は大変に意義があるというふうに承知をしております。

 そこで、捜査共助等の国際協力の観点から見た場合、本条約を締結することは犯罪被害者の被害回復にどのように資すると言えるのか、外務省にお尋ねしたいと思います。

飯島政府参考人 お答え申し上げます。

 本条約を締結することにより、我が国との間で刑事共助条約を締結していない国との間で、捜査共助が法的義務に基づく共助として一層確実に実施されることが確保され、また、より迅速かつ効率的に実施されるようになることが期待されております。

 この点を犯罪被害者の被害回復の観点から見ますと、例えば、財産犯罪によって被害者から得られた犯罪収益が我が国から他の締約国に移転された場合、当該犯罪収益に関連する銀行記録の提供や犯罪収益の特定または追跡などを本条約を根拠として相手国に要請することが可能となります。これによって、他の締約国に移転された犯罪収益を追跡し確保することが一層期待されることになります。

 さらに、本条約におきまして、没収に関して、一定の条件を満たす犯罪収益について、他の締約国から没収の要請を受けたときはその協力を行うこととされておりますほか、締約国は、他の締約国の要請により、没収した犯罪収益について当該要請を行った他の締約国に返還するよう求められたときは、犯罪被害者に補償等ができるようにするために、当該犯罪収益を当該要請を行った他の締約国に返還することを優先的に考慮することとされております。

 したがいまして、例えば、犯罪収益が他の締約国に移転された場合には、我が国が本条約を根拠にして、当該犯罪収益を没収することの協力を要請したり、あるいは、没収に係る犯罪収益を我が国に移転するように求めることが可能となります。

 このように、本条約を締結し、捜査共助や没収等の国際協力に関する規定を活用することによって、犯罪被害者に対する被害回復の可能性が高まることが期待されます。

吉田(宣)委員 本条約を締結することによって、これまでなかなか困難であった被害回復という道が大きく前進をするものだというふうに私は強い期待を持っております。ぜひ早期に国内法整備を完了してこの条約を締結すること、これは一刻も急がれるというふうに私は認識をしておりまして、しっかりした議論を踏まえた上で、きちっと決めるべきときには決める、このことが私は大切であろうというふうに思います。

 次に、本法案の法務委員会の審議においては、実体法たる本法案に関連して、手続面、運用面における審議にも多くの時間が費やされてまいりました。

 そのような中、与党と日本維新の会が真摯に協議し、修正案が提示をされております。審議の経緯を踏まえた誠実な修正案であるというふうに私は評価をしたいところでございます。

 この修正案について、修正案の法六条の二第四項の趣旨について、修正案提出者から御説明を賜りたいと思います。

國重委員 吉田委員にお答えいたします。

 修正案、法六条の二第四項は、テロ等準備罪に係る事件についての捜査を行うに当たっては、全般的に、その適正の確保に十分な配慮をすべき義務を捜査機関に課すものでございます。

 テロ等準備罪の捜査については、国会審議において、証拠収集方法としての取り調べが重要な意義を有することとなり、自白偏重の捜査が行われる懸念があるとの指摘や、違法な捜査によって人権侵害が生じることを懸念する声があるとの指摘などがありました。

 このことを踏まえ、テロ等準備罪に係る被疑者の取り調べその他の捜査については、その適正の確保に十分に配慮することを求めるため、テロ等準備罪の捜査全般について特に適正の確保を図るべきである旨の配慮義務を盛り込むよう修正することとしたものでございます。

吉田(宣)委員 捜査の適正は、この委員会においてもさまざま広く議論をされてきたことでございます。改めて、このような条文ができたことを私は高く評価したいと思います。

 では、先ほどの提出者の説明を受けて、政府の受けとめについてお聞きをしておきたいと思います。

林政府参考人 修正案の中の適正の確保に十分配慮しなければならない旨の規定、この趣旨については、今、修正案提案者からの御説明にありましたように、テロ等準備罪の捜査における証拠収集方法として取り調べが重要な意義を有することとなり、自白偏重の捜査が行われる懸念がある、こういった指摘など国会における議論を踏まえて、テロ等準備罪の取り調べその他の捜査について、その適正の確保に十分に配慮することを求めるものである、このように理解しているところでございます。

 本規定が置かれた場合には、捜査機関におきまして、このテロ等準備罪に関する国会の議論の経過を踏まえまして、一層慎重な対応をすることになると考えられます。

 法務当局といたしましても、この規定の趣旨、内容について、関係機関に十分に周知してまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 この規定の重みというものをしっかり受けとめていただきたいと思います。

 時間が参りそうで、最後の質問にさせていただきますけれども、テロ等準備罪はTOC条約を締結するために必要不可欠な国内法整備であることがもう既にこの委員会で明白になっていると私は思っております。これにより、条約締結国家間における国際捜査共助及び犯罪人の引き渡しが促進をされ、テロを含む組織犯罪の早期摘発が可能となります。同時に、国内における、テロを含む組織的犯罪集団の早期摘発が可能となります。

 組織的犯罪集団が重大な犯罪を計画して、それが発覚して、既にこの計画が動き始めている段階であっても、予備行為に至らなければ摘発されないとすれば、国民に重大犯罪の結果が起きるかもしれない現実的危険の発生が迫っているにもかかわらずそれまで黙っておかなければならないとすれば、手をこまねいていなければならないということになってしまいます。

 このような動きの鈍いことを国民が望んでいるはずはないじゃないですか。早期に摘発してほしいというのが国民の願いであるはずです。そのことに応える法整備が今審議をされているテロ等準備罪法案でございます。

 組織的犯罪集団が引き起こすテロを含む重大犯罪を断じて起こさせない強い決意を、金田法務大臣の御決意を国民にお示しいただきたいと思います。

金田国務大臣 吉田委員の御質問にお答えをいたします。

 吉田委員がただいまおっしゃっておりました、まさにテロ等準備罪の新設の意義について語っておられたと思います。

 テロが世界各地で発生して日本人も犠牲になる中で、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を三年後に控え、テロ対策は喫緊の課題であることはこれまでも何度も申し上げてきたとおりであります。

 テロ等準備罪を設けることによって、テロを含む組織犯罪について、実行着手前の段階での検挙、処罰が可能となるんだ、その重大な結果の発生を未然に防止することができるようになる、早期に摘発してほしいという国民の思い、これを踏まえてというお話でございましたが、まさに未然に防止することができるようになる。

 また、テロを初めとする国内外の組織犯罪と闘うためには、犯罪人引き渡しや捜査共助、情報収集において、国際社会と緊密に連携することが必要不可欠である。既に百八十七の国と地域が締結をしております国際組織犯罪防止条約の締結は、そうした協力関係を構築し、我が国がテロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴となることを防ぐ上で極めて重要だと考えているわけであります。

 この法案は、テロを初めとする組織犯罪の未然防止に高い効果を有するものであるので、本法案の成立に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、このように決意をしておる次第であります。

吉田(宣)委員 以上で質問を終わります。

鈴木委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 民進党の山尾志桜里です。

 私たちも、国民の命に客観的な危険が生じて、早く摘発しなければいけないものを早く摘発することは大事だと思っているんですよ。だからこそ、今の現行法で摘発できるものをできないというふうに言わないでほしいんですね。できるものを、できないできないと言うと、かえって国民の命を危険にさらすことになるのでやめていただきたい。きのう本会議場で言わせていただいたことの一部であります。

 こういった認識に立って、金田大臣にお伺いをしたいと思います。聞いていてください。簡単な事案です。

 テロ組織が水道水に毒物を混入することを計画し、実際に毒物を準備した場合、現行法で処罰が可能ですか、不可能ですか。

金田国務大臣 準備しただけでは処罰はできない、このように考えております。

山尾委員 そうしますと、例えば、平野龍一先生が刑法の基本書でこのように書いておられます。殺人の予備行為としては、凶器や毒薬を準備したりするような物的、有形的なものだけでなく、無形的なものも含む、当然、殺人の予備行為として毒薬を準備したりするようなものも含む、こういうふうにおっしゃっています。

 平野龍一先生といえば刑法の大家ですけれども、この先生の解釈の方が間違っていて、金田大臣の解釈の方が正しい、そういうことであれば、合理的な理由をおっしゃってください。

金田国務大臣 山尾委員にお答えをいたします。

 殺人予備罪につきましては、混入しようとする毒物等に致死性がなければ成立をしないわけであります。また、混入しようとする毒物等が致死性を有するものであっても、裁判例によれば、客観的に相当の危険性を備えるに至らない段階では殺人予備罪は成立しない、このように申し上げることができると思います。

 それから、申しわけありませんが、こうした事例もお示しいただきました。事前の通告でその辺を、何についてというのを教えていただければもっとありがたい、こういうふうに山尾委員にはお願いをしたいと思います。

山尾委員 もう一度お伺いしますけれども、この間参考人で来られた京都大学刑法学の教授の高山佳奈子先生もこの事例を引いて、「実際には、殺人予備罪、毒物劇物取締法違反の罪、」「テロ資金提供処罰法違反の罪がそれぞれ成立するのであって、やはり正しい情報を広く共有して、社会の中で議論して初めてよい法律ができる」、こういうふうにおっしゃっておられます。

 改めてお尋ねをしたいと思いますけれども、金田大臣、今裁判例とおっしゃったのは恐らく昭和四十二年の高裁判例のことだと思いますが、テロ組織が水道水に致死性がある毒物を混入することを計画し、実際に致死性がある毒物を準備した場合、客観的に相当な危険が認められる場合は皆無だということですか。

金田国務大臣 皆無だとは申し上げておりません。そして、成立しない場合があるということを申し上げている、このように理解してもらえばよろしいのではないかと思います。

山尾委員 初めからそう言っていただければよかったですね。

 成立する場合もあれば成立しない場合もある、そういうお答えでよろしいですか。

金田国務大臣 お答えしますが、個別具体的な事案によるわけでありまして、そう申し上げておきます。

 そして、事前の通告はぜひともよろしくお願いをいたします。

山尾委員 皆無ではない、成立しない場合もあるというふうにおっしゃったのですから、成立しない場合も成立する場合もある、これでしか論理的には導けないので、私はこういうふうに理解をします。それ以上読みようがないんですね。解釈しようがありません。

 そこから考えていくと、ここに自民党の党内資料がございます。「一口メモ」、「例えばわが国の現行法では、テロ組織が水道水に毒物を混入することを計画し、実際に毒物を準備した場合であっても、この時点で処罰することができません。」と。何らの条件もなく、保留もなく、「処罰することができません。」と。これは余りにも不誠実な書き方だというふうに思います。(発言する者あり)

 事案によるんですよ。事案によるんですよ、事案によるにもかかわらず、あくまでも断定的に、処罰が不可能かのような書きぶりをしてこの共謀罪の必要性を語っていくというのは、私は、国民の皆さんに大きな誤解を与えるので、これは、自民党の皆さん、訂正をしていただく必要があると思います。

 これは、自民党の佐藤正久さんなどが桜井よしこさんとの対談の中でこの事例を挙げてお話をされています。「テロリストが水源に毒を入れて多くの人を殺害し、社会に混乱を起こそうと計画したと仮定します。現行法では計画を立てても、毒を購入しても逮捕できません。毒を持って水源地に行っても何もできません。現行法で逮捕できるのは、彼らが水源に毒を投げ入れた瞬間なのです」と。

 恐らく、この紙を見てそのまま信じて、それを民間の方にお話をされています。それを聞いた方も、そのまま信じて、それをさらに別の媒体でお話をされている。こういう印象操作は私は厳に慎んでいただきたいというふうに思います。(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

山尾委員 大臣に重ねてお伺いをいたします。(発言する者あり)ちょっと静かにしていただいていいですか。静かにしていただいていいですか。

鈴木委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。

 山尾君、続けてください。

山尾委員 よろしいですか。

鈴木委員長 山尾君、続けてください。

山尾委員 今の事案、これは今回の共謀罪の立法事実に当たりますか、当たりませんか。

金田国務大臣 立法事実と今おっしゃいましたが、それはあくまでも私は条約である、こういうふうに考えております。そういう意味でお答えをさせていただきます。

山尾委員 そうしますと、今のこの水道水に毒物を混入する事案は立法事実ではない、そういうことですか。

金田国務大臣 事案が立法事実ということではなくて、条約を締結してテロを防ぐために、現行法上どこに不十分な点があるのかということをわかりやすくお示ししていくこと、これが非常に重要であると私は考えております。

 したがって、今申し上げたように、条約が立法事実である。

山尾委員 そうしますと、私との議論の中で、これまで、法務省が出してきた三事案、これを、立法事実かどうかという議論をこれまで重ねてまいりました。そして、最終的に大臣は立法事実であるとお認めになりましたが、このことについても撤回される、変更されるということですか。

 安倍総理も、これまで予算委員会等の質疑の中で、今回のこの共謀罪の必要性、二つあると。一つはテロ対策を中心とした国内治安の問題である、そしてもう一つは条約批准の必要性であると二点おっしゃってまいりました。私もずっと議論をして、テロ対策としての国内治安の必要性、三事例が出てきました。立法事実だと最終的に大臣はお認めになりました。

 しかし、今の話でいくと、この国内治安、テロ対策は立法事実ということではなくなった、そういうことですか。撤回をされるんですか。

金田国務大臣 山尾委員の御質問にお答えをいたしますが、先ほども申し上げました、法務省からお示しをした三事例ございます。これは、テロ等準備罪について、その成案を得られていない段階で、条約を締結してテロを防ぐために、現行法上どこに不十分な点があるかについてわかりやすく御理解いただくための例としてお示しをしておるわけであります。これらの事例によって示される現行法に不十分な点があるということが、立法の必要性を裏づける、いわゆる立法事実の一つである、このように考えておる次第であります。

 すなわち、国際組織犯罪防止条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を、その未遂または既遂とは別に犯罪化することを義務づけております。

 しかし、現行法上、参加罪は存在しない一方、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎません。これに加えて、予備罪は予備行為を処罰するものであって合意を処罰するものではない上に、客観的に相当の危険性がなければ処罰の対象とはならないわけであります。

 このように、現行法が条約第五条が定める犯罪化義務を果たしておらず不十分であることは、制度の対比からして明らかであって、政府としては、十分に立法事実をお示ししていると考えているわけであります。(山尾委員「長い。関係ないです、質問と。これ以上」と呼ぶ)

鈴木委員長 続けてください。(山尾委員「これ以上、質問と関係ない」と呼ぶ)続けてください。

金田国務大臣 本法案整備の目的は、先ほども申し上げましたが、本条約の締結にあるわけでありまして、本条約を締結すれば、テロを含む組織犯罪の未然防止及びこれと闘うための国際協力が可能となるということであります。

山尾委員 立法事実からテロ対策が消えましたね、この段になって。私の質問に対して、ずっと条約批准の必要性を延々と述べられました。(金田国務大臣「テロを含む組織犯罪の未然防止」と呼ぶ)

 答弁席からやじらないでください。

 いいですか、自民党の皆さん……(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。(発言する者あり)御静粛に願います。

山尾委員 この「一口メモ」ですけれども、私が質問を始めてからたった十五分弱です。この中で、自民党の皆さんがよすがにしているこの事案、最初は、処罰が不可能だと言った。次の質問で、処罰が可能な場合もあれば不可能な場合もあるというふうに、あっという間に答弁が変わった。そして、この事案は立法事実ですか、どうですかと聞いたら、立法事実だとすら法務大臣でさえ言えない。こういう事案を皆さん自民党の中で共有して、外に発信して、国民を誤導しながら、まさかまさか、議論を終局させるなんということは私はあり得ないと思います。まず皆さんが、もし誤解されていたなら頭の中を切りかえていただきたいと思います。まず、これ、訂正をしていただきたいというふうに思います。

 その上で、私、ずっと大臣と、やはりネット上のコミュニケーションが監視網にさらされることになるのではないか、こういう話をさせていただきました。

 改めてお聞きをします。

 大臣の言葉によれば、共謀あるいは計画の証拠化するのに、メールやLINEの通信内容、こういうものも証拠として、限定をされないということでした。どうして、こういったLINEなどを証拠収集しても国民の人権侵害にならないというふうにお考えですか。

金田国務大臣 そもそも、テロ等準備罪というのは通信傍受の対象犯罪ではありません。そして、テロ等準備罪をその対象犯罪に追加する法改正も予定しておりません。テロ等準備罪の捜査として、LINEやメールの通信傍受を実施することはできません。リアルタイムで監視することもできないのであります。

 加えて、テロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の具体的な嫌疑がなければ捜査が行われることはありません。すなわち、テロ等準備罪に該当する行為が行われたという具体的な嫌疑がない段階からテロ等準備罪の捜査というものが行われることはないわけであります。

 まして、テロ等準備罪につきましては、対象となる団体をテロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など違法行為を目的とする団体に限定しているのであります。一般の方々や正当な活動を行っている団体がテロ等準備罪の適用対象となることはありません。したがって、一般の方々や正当な活動を行っている団体を監視するなどといったことはないのであります。

 なお、申し上げますが、やはり通告を丁寧にしていただくとありがたい、このように思っております。

山尾委員 きちっと、共謀罪の捜査手法について尋ねるというふうに通告をしております。

 そして、今、嫌疑があってからやるのだ、だから大丈夫なんだ、こういう答弁でありました。嫌疑があるというふうに考える捜査機関の判断、これが本当に正しかったのかどうか、それはどのようにして担保されるんですか。

井野大臣政務官 お答え申し上げます。

 やはり、メールであったりを見るということであれば、基本的には、それは確実に強制処分に当たるんだろうと思います。そうなりますと当然裁判所の令状が必要になってまいります。ですので、裁判官による適正な手続の保障のもとで行われるわけでございますので、裁判官によって適正に手続が担保されているというふうに考えております。

山尾委員 大臣も同じ考えですか。

金田国務大臣 お答えをいたします。

 同じ考えであります。メールやLINEの扱いということにつきましては、同じ考えであります。

山尾委員 同じということであれば、大臣にお伺いをいたします。

 私の手元に、これは立派なことだと思いますけれども、LINEが捜査機関からの情報開示請求レポートというものをしっかりと公開しております。これ自体は大変立派なことだというふうに思います。

 この二〇一六年、上半期、下半期、両方ともレポートがあります。これによりますと、LINEは、去年一年、二〇一六年、開示をしてほしいという要請が三千五百四件あって、そのうち対応したのは二千百三十五件、およそ六割であります。そのうち、令状なしで開示をしたものが二十二件あるんですけれども、こういったものについては今の説明は通らないと思いますが、いかがですか。

井野大臣政務官 申しわけございません、そういった資料だったり、そういう事実があったかどうかも、手元に私どもの資料、警察なんでしょうか、検察がやったことなのかすらちょっと私どもは把握しておりませんので、それについてはお答えしようがないということで御理解いただければと思います。

山尾委員 これは、個別のレポートを知らなくても、刑事訴訟法を知っていただければ当然のことなんです。

 ここに、LINEも本当に丁寧に書いてありますけれども、こういう通信機関への情報開示、主に捜査機関によるものですけれども、これは二通りあるわけです。一つが強制捜査です。刑事訴訟法二百十八条一項、令状によるものです。もう一つは任意捜査です。刑事訴訟法百九十七条二項、捜査機関は捜査については必要な事項の報告を求めることができる。なので、こういった開示請求は、刑事訴訟法を知っていれば、二通りあるんですよ、強制捜査と任意捜査。

 任意捜査においては、捜査機関が捜査上必要ですと捜査関係事項照会を出して、そして民間の、LINEも含むさまざまな機関が、ああ、そうですかというふうに応じれば、それは開示を受けることができるわけですね。私が申し上げたのは、だから、そういった形で応じている状況というのが実際にありますよと。

 大臣にもう一回伺います。

 嫌疑があるという捜査機関の判断が正しかったのかどうか。

 強制捜査においては、確かに令状審査があるでしょう。ちなみに、私、もう一つ申し上げますと、通信傍受、去年一年間で通信傍受は四十件請求をしております。強制捜査です、これは令状ですから。四十件請求していて、発付は四十件です。通信傍受に関して、去年一年、令状審査があるけれども、一〇〇%令状請求は通っている。こういう事実は御指摘をしたいと思います。

 その上で、私が申し上げているのは、令状審査がなくてメールやLINEが開示される場合が刑事訴訟法上認められているということです。この場合について、大臣、もう一回お伺いをします。裁判所による審査はないんです。捜査機関が嫌疑があるというふうに判断をしたことが正しいかどうか、それを判断する機関は捜査機関以外にないんですけれども、そこをどういうふうにして担保されると考えているんですか。

金田国務大臣 山尾委員の御質問に、捜査の実務にかかわることでございますから、刑事局長に答弁をさせます。

山尾委員 いえいえ、大臣自身が、令状があるから大丈夫なんだと繰り返し繰り返し私とのやりとりで言ってきたんです、でも、令状によらない場合があるので、その点については大臣はどうお考えですか、こういう基本的な質問です。

金田国務大臣 一般に、捜査は適正に行われているものと承知をしております。さらに、我が国におきましては、裁判所による審査が機能をしておって、捜査機関による恣意的な運用はできない仕組みとなっております。また、捜査機関内部における監督の仕組みや、民事上の国家賠償制度など、事後救済制度も充実しております。それが捜査機関の権限濫用を抑止する機能も果たしていると私は受けとめております。

 したがって、テロ等準備罪の適用について、捜査機関が権限の濫用をするといったようなことはできないものと私は考えております。

山尾委員 結局、今の話でいうと、捜査というのは適正なんだ、そして令状があるんだ、そして、そうじゃない場合は捜査機関内部の監査の仕組みがあるんだ、こういうお話でありました。

 私が問うていたのは、結局、令状がない場合はどうするんですかと。つまり、大臣のお答えは、それは捜査機関が自己チェックするんだと。自己チェックというのは審査にならないんですよ。

 私が申し上げたいのは、結局、やはりネットコミュニケーションがこれだけ実際には任意捜査でも開示をされているという中で、まさに話し合いの疑いがあるというふうに捜査機関が判断をすれば任意捜査として開示請求ができる、こういう状況をしっかりと認識した上で、二百七十七プラスアルファの罪について、捜査の開始時期が話し合いに前倒しされたら何が起きるかということなんですね。

 でも、大臣に聞いても、私は、令状の審査がない場合もあるということを当然御存じだと思っていましたから、ではその場合にはこういう担保の保障があるんだ、こういう答弁があると思っていましたから。でも実際は、内部のチェックだ、こういうことではとても国民の皆さんを納得させることはできないのではないかと思います。(金田国務大臣「委員長」と呼ぶ)

 時間ですので最後に。もしあれば、私は、最後、一回お話ししていただきますので、どうぞ。

 実は、一昨日の秋田魁新聞の「北斗星」という欄にこういう文章が載りました。秋田高校の校長を務めた鈴木健次郎氏が生徒に向けて繰り返し発した言葉、なんじ、何のためにそこにありや、当時の在校生にとって人生の指針となっている、この言葉を座右の銘としている教え子の一人が金田勝年法相である、国会審議で官僚の答弁をそっくり繰り返したり、資料を棒読みしたりでは、法案への理解も共感も得られない、何のためにそこにありやと問いたい。地元紙であります。

 これに対する御感想等ありましたら、先ほど手を挙げた御答弁とあわせてお伺いをしたいと思います。

金田国務大臣 山尾委員にお答えをいたします。

 私の地元の新聞のコラムをごらんいただいたというのは非常に光栄でございます。私の地元の新聞をごらんいただければ、地元の課題も伝わってくると思います。一緒に力を合わせて、私の地元のためにお力をかしていただければありがたい、これが私の思いであります。

 その上で、私は、この、なんじ、何のためにそこにありやというのは、私は公的なものへの献身の方が優先していましたから述べてきませんでしたが、私の最も好きな言葉の一つであることも申し添えさせていただきます。

 その上で、先ほどのお話に戻らせていただきます。

 任意捜査の適法性が問題となった場合には、最終的に裁判所で判断されるものであって、適法性は担保されている、このように考えている次第であります。

山尾委員 もう見られちゃった後に違法だと言われても、プライバシーは戻ってこないんですよ。

 今、この二十五分の質疑の中で、先ほどの秋田の魁新聞へのコメントを地元の方がどう受けとめるか、それは地元の方に委ねたいというふうに思いますが、この二十五分で今回出てきた論点は、私たちは百八十二以上の論点が残っているとお伝えしていますけれども、その外にある論点です。しかも、大事なのは、この共謀罪についての立法事実、テロ対策の必要性という立法事実を法務大臣が否定したということですね。

 そして、自民党のあの党内資料にある、こういう場合が必要なんだというものは、法務大臣すら立法事実だと言えない。そういうものを前提にとてもとてもこの議論は終えられないし、まさか、自民党の皆さん、誤解したまま賛成というような議決はできないと思いますので、しっかり皆さん自身が誤解を解いていただいて、皆さんの支援者にも誤解を解いていただいて、しっかりと充実した議論を続けさせていただいて、この共謀罪の問題点をより明らかにしていきたいと思います。

 以上です。

鈴木委員長 次に、階猛君。

階委員 民進党の階猛です。

 質問に入ります。

 大臣、テロ等準備罪は合意自体を犯罪とするものでしょうか、お答えください。

金田国務大臣 階委員の御質問にお答えをいたします。

 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が関与する別表第四に掲げられている犯罪の実行を計画し、その計画した犯罪を実行するための準備行為が行われたときに処罰の対象とするものでありまして、対象犯罪を行うことの合意が行われたとしても、それのみで処罰するものではない、このように申し上げることができると思います。

階委員 合意が行われても、それ自体を犯罪とするものではないという答弁でした。

 ところで、前回、岸副大臣は、合意自体を犯罪とするものでないと条約に加盟できないと言っておりました。

 ということは、今回のテロ等準備罪では条約に加盟できないということになるんでしょうか。大臣、どういうことですか。

岸副大臣 本条約第五条の1の(a)の(1)は、重大な犯罪の合意を処罰の対象とすることを義務づけた上で、国内法において合意の内容を推進するための行為を伴うとの要件を付すことを認めているところでございます。

 テロ等準備罪は、本条約の五条の1の(a)の(1)の義務を履行するために創設するというものでございますが、その犯罪化に当たりましては、条約上認められております合意の内容を推進するための行為を伴うとの要件を付すこととしているところでございます。

階委員 そうすると、合意のみで犯罪とするものではない、合意プラス推進行為で犯罪となるという立場だと理解しますけれども、それでいいですね、副大臣。

岸副大臣 今申しましたけれども、合意の内容を推進するための行為を伴うとの要件を付すというところでございます。

階委員 そこで、二つ目の質問に移ります。

 お手元に資料として条約の文言が配られておりますけれども、それを一枚めくっていただきますと、今申し上げたとおり、推進行為というものが、政府の立場であると実行準備行為という言い方にされていまして、我々は、推進行為というのは別に予備行為でもいいのではないかという問題提起をしております。

 そういう問いに対して政府の答弁は、予備行為自体が客観的に相当の危険性を備えたものでなければ処罰できないとされておりますので、重大な犯罪の合意を犯罪化することを求めるTOC条約第五条の趣旨に反するおそれが高いという答弁が繰り返されております。

 外務副大臣にお尋ねしますけれども、重大な犯罪の合意を犯罪化と言っておりますが、ここの、犯罪化するに当たって推進行為も加えることが許されるということを言われているわけですから、この犯罪化することを求める趣旨に反するおそれが高いというのは、私は意味がわからないんですね。趣旨に反するおそれが高いという理由をお答えいただけますか。

岸副大臣 ここで言います「合意の内容を推進するための行為」とは、合意の成立以降に行われる未遂に至らない何らかの行為を意味するものと解されておるところでございますが、この未遂に至らない何らかの行為の中には、文言上、予備罪の予備行為も含まれ得るわけですけれども、本条約の義務を履行できるか否かは、本条約の趣旨に鑑みて解釈をされなければいけないところでございます。

 その上で……(階委員「その趣旨は何ですか」と呼ぶ)はい。

 本条約の第五条1の(a)の(1)は、重大な犯罪の合意そのものを処罰の対象することを義務づけた上で、国内法において合意の内容を推進するための行為を伴うとの要件を認めているところでございますが、これは、重大な犯罪の合意そのものを処罰の対象とするとの条約の趣旨に反しない程度で許されるものということでございます。

 実際、この要件につきましては、いわゆる米国のオーバートアクトを念頭に置いたものでございますが、米国の判例におきましては、我が国における予備罪の予備行為には当たらないと考えられるような行為についてもオーバートアクトに当たるものとされている、このように承知をしているところでございます。

 このような理解からしますと、先ほどの繰り返しになりますけれども、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられた場合にしか成立しない予備罪の予備行為のみを推進行為とすることは本条約の趣旨に反するおそれが高いと言うべきでございます。

 したがいまして、政府としては、合意内容を推進するための行為に対応するものとしてそのような予備行為を規定して本条約を締結することは、憲法九十八条二項が規定する条約の誠実履行義務に反して許されない、このように考えているところでございます。

階委員 平成十七年の十月二十一日に衆議院の法務委員会で、外務省の政府参考人、神余さんという人は、今副大臣が言っておられたオーバートアクト、アメリカで言うところのオーバートアクト、これが推進行為とほぼ同じものだという前提に立って、「オーバートアクトのかわりに予備行為を要求することが条約の趣旨に反するか否かといったことにつきましては確たる定義はございません」というふうに外務省が答えているわけですよ。

 趣旨に反するか否かこの時点ではわからないと言っておったわけですが、この段階では変わったんですか。

岸副大臣 過去の法案審議におきます御指摘の答弁につきましては、オーバートアクトのかわりに予備行為を要求することが条約の趣旨に反するか否かといったことについては確たる定義はないが、これについて予備行為の概念をいかに解するかによると考えている旨の答弁を指すものと考えておりますが、この答弁では、確たる定義はないとしつつも、予備行為の概念をいかに解するかによるとしているところでございます。

 この答弁の前には、同じ日の法務委員会の中で、同じ委員からの質問に対しまして、オーバートアクトのかわりに予備行為を要求することが条約の趣旨に反するか否かについては予備行為の概念をいかに解するかによる、「予備行為について、実行行為着手前の行為が予備罪として処罰されるためには、当該構成要件の実現のための客観的な危険性という観点から見て」、「客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられた場合たることを要件とするものと考えるのであれば、合意そのものをもって犯罪化するという本条約の趣旨に合致しないことになるおそれがある」旨答弁をしております。

 その内容は本法案審議における答弁と同じでございまして、過去の答弁を変更したという御指摘は当たらないものと考えております。

階委員 では、もうそこは確定した考え方ということで、予備では絶対だめだというのが外務省の考え方だったということになるわけですね。

 ところで、そうはいいつつも、私ども、先ほど来指摘がありますとおり、予備行為でも大丈夫なのではないかということで、我々の政権のときに、平岡法務大臣のもとで、我が国の法制上のもとで共謀罪をつくらなくてもTOC条約は締結できるのではないかということで、法務省の中で検討してもらっていたと思うんですね。

 資料二の二をごらんになっていただきたいんですが、これは衆議院の予算委員会でのやりとりです。

 今言ったような平岡さんの見解に対して、当時、石破自民党の衆議院議員が、法務省の従来の立場は、これは共謀罪の導入が不可欠だという立場をとっていたはずだけれども、考え方は変わったんですかという問いに対して、検討していかなくてはならないという答えであるとか、ただいま大臣からも御答弁がございましたようなことも踏まえて今後やっていかなければならないということを言っていまして、必ずしも確定した考え方でないような、これは流動的であるかのような答えをしています。そして、石破大臣もそれを受けて、「立場が変わったということですね。あなた方は一体だれを見て仕事をしているんだ」という指摘をされております。

 そこで、刑事局長にお尋ねします。

 この平岡大臣のもとの刑事局長の答弁、これを受けて皆さんはどういう検討をされてきたのか、お答えください。

林政府参考人 これまで法務省において、この問題については、さまざまな御意見を踏まえて、国際組織犯罪防止条約を締結するためにどのような法整備が必要かという観点で検討を行ってきたわけでございます。

 その中で、平岡法務大臣のときに、平岡法務大臣から御指摘のような御指示があったことは承知しております。その際、御指示を受けて必要な調査等に着手した事実はあると思われますが、大臣の交代により、その結果、復命に至らなかったと認識しております。

 いずれにいたしましても、法務省といたしまして、この間、国際組織犯罪防止条約五条1を担保するためには新たな法整備を要しない、あるいは、担保するための法整備として、合意の内容を推進するための行為に相当するものを予備行為とする法整備で足りる、こういったような結論に達したことはないと承知しております。

階委員 大臣の指示に対して、復命、つまり回答する前に大臣がかわられたので何もしていませんということなんですが、復命するはずだった内容をここで教えていただけませんか。

林政府参考人 この際に、先ほど申し上げたように、大臣の御指示を受けて必要な調査に着手していたと承知しておるわけでございますが、その御指示というのは、基本的には、例えば予備行為というものでこの条約の義務を履行することができるのかどうか、こういったことについての検討であったと認識しております。

階委員 だから、検討したその結果はどうだったんですか、大臣がかわったので答えるには至らなかったと言っていますけれども、検討した結果はどうだったんですかと聞いているんですよ。

林政府参考人 平岡大臣のときに、このような検討の御指示があったということでございます。その上で、必要な調査には着手していたと承知しておるわけでございますが、検討の結果というものには至らずに終わっておりますので、大臣の交代により復命に至らなかったということでございます。

階委員 こういうことで、まさに石破さんの言葉をそっくりそのままお返ししますよ。立場が変わったということですよね、大臣がかわれば。どちらを向いて仕事をしているんですか。全く皆さんの仕事のやり方は信頼できません。これが絶対だと言うのであれば、その平岡大臣のときに言えばいいじゃないですか。検討すると言いながら、結局、検討も中途半端にして結論も出していない。それで、また大臣がかわったから、もとの共謀罪に戻ってくる。これで本当に役人としての矜持があるんでしょうか。国民のために仕事をしよう、そういう矜持がないと言わざるを得ない。

 大臣、石破先生もこの当時、全く同じようなことを言っていますね。こういう法務官僚でいいんですか、大臣。立場が変われば考え方も変わる、これはまさに、今後、共謀罪、法律が施行された後も、立場が変われば運用が変わる、こういうことも起こりかねないじゃないですか。我々は、こういう法務官僚、検察官僚のもとでこういう法律を安易に通すわけにはいかないと思っています。

 立場が変われば見解も変わるというのが今明らかになりましたけれども、これでいいんですか、大臣、見解をお尋ねします。

金田国務大臣 階委員が、平成二十三年の予算委員会の資料をお持ちになって、そしてただいまの考え方を展開されました。

 この中で、一般論として、立場が変わったらその内容、対応が違うとか、そういうふうなものは、私は長年この霞が関で仕事をしているものでもありましたし、永田町でも仕事をしておりますので、そういう意味においては、やはり、考え方を変えたとか、あるいは立場が変わったら考え方を変えるとかいうことを簡単に言うべきではないと私は思っております。

 そして、一貫しているというふうにしっかりと言えるような、そういう流れの中で国民の安心、安全につながるようにやっていくというのが本来ではないかなというふうに思っているところであります。

階委員 もう一度、先ほどの、当時の稲田刑事局長の答弁を読み上げますね。資料二の二ですけれども、「ただいま大臣からも御答弁がございましたようなことを踏まえて今後やっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。」というふうに明確に予算委員会で答弁しています。それに対して、石破さんは「立場が変わったということですね。」と言い切っております。にもかかわらず、検討は中途半端で、結論は出さず、また政権がかわればもとの考え方に簡単に戻る、こういう検察官僚のあり方では、この法案が成立したらどのように暴走するかわからないということだと思います。

 そこで、法案の問題点を指摘させていただきますけれども、私たちは、共謀プラス実行準備行為の方が共謀プラス予備行為よりも罪が重くなる場合があるということも、単に予備行為の方が濫用の危険が少ないというだけではなくて罪の不均衡があるということも、この共謀プラス実行準備行為を今回テロ等準備罪で犯罪化するということの問題点として挙げております。

 資料のページ三に挙げておりますけれども、例えば一番上の組織的身の代金目的略取等という組織犯罪においては、予備罪では二年以下なのに今回のテロ等準備罪では五年以下ということになっていまして、これは明らかに矛盾していませんか。より危険性が高い行為の方が刑が軽くなっている、これは矛盾ではないですか。大臣、お答えください。

井野大臣政務官 法定刑についての御質問でございます。

 御指摘は、例えば強盗予備罪の法定刑よりも強盗罪に係るテロ等準備罪の法定刑の方が重いことなどに関するものだというふうに……(階委員「いや、組織的身の代金の話をしています。組織犯罪を言っています」と呼ぶ)身の代金の。はい。

 ですから、いずれにしても、そういった、組織的犯罪集団による、指揮命令に基づいて、その構成員らが犯罪行為の役割分担をするという具体的な計画行為、現実的、具体的な計画行為が行われ、かつ、それが実行準備行為として出現してきたということになると、かなり犯罪行為が行われる可能性が高く、また、こういった組織的犯罪については重大な結果が生じるという点でも、単独で実行される犯罪の場合に比べて悪質であり、かつ違法性も高いというふうに考えて、法定刑が重いということには合理性があるというふうに考えております。

階委員 同じく組織で計画してやった場合、例えばこういうことですよ。組織で計画して大量殺人を犯すために毒入りカレーをつくろうといった場合に、毒入りカレーをつくれば、具体的な危険があるから予備罪ですよ。カレーだけをつくったら、まだ具体的な危険がないから実行準備行為だと思いますよ。

 ところが、カレーだけをつくれば五年以下の懲役、毒入りカレーをつくれば二年以下の懲役、これは矛盾じゃないですか。どうして毒入りカレーをつくった方が罪が軽くなるんですか。教えてください。

林政府参考人 委員御指摘の今の設例は組織性の有無とは全く関係がなく、毒入りカレーなのか、毒のないカレーなのか、組織性を……(階委員「いや、組織性があることを前提に聞いていますよ」と呼ぶ)ですから、組織性のある場合において法定刑が重いのは、先ほど来説明したとおりでございます。

 その上で、今御指摘のあった、組織的身の代金目的略取等について予備罪が二年以下というこの資料でございますが、現行法で組織的身の代金目的略取等というものについて予備罪は存在していないと私たちは認識しておりますけれども。

階委員 これは私どもの方で調べたものでございますけれども、組織的身の代金目的略取等という場合は予備罪だと二年以下というふうになっていますけれども、これは存在しないということで本当に間違いないですか。済みません、我々もちゃんと調べたつもりなんですけれども、本当にそうですか。

林政府参考人 現行法で組織的な身の代金目的略取等の予備というものは存在しないと認識しております。

階委員 では、これは我々の方もちゃんと精査してお尋ねしますけれども、ここに掲げている罪、つまり、共謀プラス準備行為をやった場合は予備罪ではなくて共謀、テロ等準備罪の量刑ですから、ここに掲げてある例だと五年以下ということになりますけれども、予備罪の方になりますと、共謀プラス予備行為だと二年以下ということにほぼなっておりますね、三年というのもありますけれども。こういう全体的なものを見た上で、この量刑に不均衡はあると思うんですけれども、これをもう一回大臣にお聞きします、もともと大臣に聞くつもりですから。

 本題に戻りますけれども、共謀プラス予備行為よりも罪が重くなる理由を、大臣、お答えください。

金田国務大臣 階委員にお答えをいたします。

 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団の指揮命令に基づいて、その構成員らが犯罪行為の役割分担をした上で犯罪を実行することなどから、実際に犯罪行為が行われる可能性が高い、そして一たび犯罪行為が行われた場合には重大な結果を生じるという点で、単独で実行される犯罪の場合と比べて特に悪質であって、違法性も高いと言える、したがって法定刑が重いことには合理性がある、このように私は考えます。

階委員 現実の運用の場合では、組織でやられる予備罪の場合もあるわけですね。そういった場合には不均衡が生じるのではないかということについてはお答えされていないと思います。

 これで質問を終わりますけれども、先ほど別の委員から指摘がありました。口上書に対するUNODCからの回答について言及されていましたけれども、この中で、私の、予備罪でも足りるのではないか、現行法の制度で足りるんじゃないかということに関して、一番最後に、「犯罪の規定ぶりは、締約国の国内法に委ねられている。本条約の犯罪化の要求を満たすために国が定める国内法上の犯罪は、必要な行為が犯罪化される限り、本条約と全く同じ方法で規定される必要はない」ということで、これは、立法ガイドの四十三パラグラフ、「起草者は、新しい規定が国内の法的伝統、原則及び基本的な法と適合したものになることを確保しなければならない。」、あるいは六十八のeパラグラフ、「犯罪の規定ぶりは、締約国の国内法に委ねられる。」、こういったものの解釈として今申し上げました回答が来ているということであります。

 すなわち、今回、皆さんは予備罪ではだめだと言っていますけれども、国内の法原則、これは、予備あるいは準備という段階で処罰する、それがどうしてもだめな場合にごくごく例外的に共謀罪というものを認めている、こういったことを踏まえれば、予備罪ということで我々の法案のように対応していくというのは、この立法ガイドの中身に照らしても、あるいは回答書に照らしても全く問題がないだろうということを指摘申し上げまして、またこの先も質問させていただくことを通告しまして、質問を終わります。

鈴木委員長 次に、枝野幸男君。

枝野委員 私は刑事局長に全て聞きますので、刑事局長、答えてください。

 まず、質問の前に、通告していませんので、今の階さんの質問に関連して指摘をしておきたいと思います。

 階さんとのやりとりの中でも、今の階さんの資料の一ページに条文が書いてありますが、条約では、本来、合意そのものを処罰する、これが原則である、ただし、五条の1(a)の(1)の後段で、ただ、例外的に推進行為を伴うという要件をつけることができる、これが条約に書いてあります。その前の段階、(a)の柱書きの括弧の中には、「犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。」とわざわざ書いています。

 合意することそのものは既遂や未遂に係る犯罪とは別個なのは明確です。この括弧書き、「未遂又は既遂に係る犯罪とは別個」とわざわざ括弧書きがあるのは、「推進するための行為を伴い」というこの例外の部分のところが、推進するための行為といったって未遂までいっちゃったらだめですよとわざわざ書いているんです。つまり、未遂に至らないものは推進するための行為として認められると条文上明確なんです。

 もし、いわゆるオーバートアクトのように、その具体的な危険性を要しない段階で推進行為はとどまるんだというんだったら、括弧の中に、犯罪による結果発生の具体的危険性が生じない段階にとどめるとか、そういう規定がなければ今のような解釈は全く三百代言だということ、まずこれは指摘だけしておきます、通告していないので。

 さて、通告した内容について行きます。

 前回までの刑事局長とのやりとりの中で、一つには、六条の二、組織的犯罪集団に当たるかどうかは、結合関係の基礎としての共同の目的、この共同の目的として別表第三の罪を実行することを共有していなきゃならない、この共同の目的が結合の基礎になる段階というのは、その目的がなくなったらもう俺は抜けるとか、その団体自体がやめるとか、そういったものである、つまり、別表三の罪を実行するということについての目的をみんなが共有していることだ、こういうふうにおっしゃいました。

 そうすると、二条の広い意味での「団体」に該当する、共同の目的を持ち、継続性を持ち、組織、指揮命令関係がある、その要件を満たしているけれども、その共同の目的は別表第三の罪を実行するというものではない、こういう団体はたくさんあるわけですが、そういう団体の中の一部の人たち、例えば会社組織であれば取締役会とか、労働組合であれば執行委員会とか、市民団体であれば何なんでしょう、その幹部の皆さんがその人たちだけで、別表第三の罪を実行する、もうこれでいくんだ、うちの組織はこれで進むんだということを合意して、結合関係の基礎としての共同の目的を共有した場合には、もともとの広い二条の団体全体が組織的犯罪集団になるわけではない、犯罪を犯すという共同の目的を持ったその中枢メンバー、取締役会とか執行委員会とか、そういうところだけが組織的犯罪集団になる、これでいいですね。確認ですから、イエス、ノーで答えてください。

林政府参考人 今言われた共同の目的で、犯罪の実行を共同の目的としているその人たち、その人たちで構成されるその集合体が実際に組織的犯罪処罰法における団体の要件を満たしていることが前提でございます。したがいまして、単に目的があるだけではなくて、その中に、その目的を実行して反復して行う組織というものがある、こういった組織実態があることを前提とすれば、そのとおりであります。

枝野委員 そしてもう一つ、前回、計画の主体についてやりとりをさせていただいたところで、組織的犯罪集団の構成員ではなくても、つまり別表第三の罪を実行することという共同の目的を共有していなくても、当該行為を実行するための組織の一員であれば計画の主体になる、こうお答えになりましたよね。それでいいんですか。

林政府参考人 組織的犯罪集団の構成員というものは共同の目的を認識しておるわけでございますが、構成員ではない者、そういう者については組織的犯罪集団の共同の目的をみずからは持っていない、こうなりますと、その組織的犯罪集団の構成員ではございません。

 そうした場合の構成員と非構成員との間での計画、どういう場合に成立するかということでございますが、非構成員についても、計画をすることは可能でございますが、その際には、今回の、その計画の対象である、組織的犯罪集団が関与する特定の犯罪を実行することについて計画するわけでございますので、組織的犯罪集団が関与しているという認識は必要でございます。その認識が必要なのを前提とした上で、そのような構成員と非構成員との間で計画が成立するということはございます。

枝野委員 組織的犯罪集団であるということの認識は必要である、これは条文上明らかなので、将来解釈は変わらない、間違いない、確認します。大事な答弁です。

林政府参考人 明確に、条文上、これはそのようなものが求められております。なぜならば、今回、組織的犯罪集団の団体の活動として当該実行を担う組織により行われるものの遂行について計画となっておりますので、そういった認識が必要であるということであります。

枝野委員 さて、それでも、問題は、先ほどケースを挙げました、例えば株式会社の場合、会社全体としては普通の事業を行っていたんだけれども、例えば取締役会のような中枢組織の中で、うちの会社潰れちゃいそうだから、オレオレ詐欺にうちの会社も走るんだということで、これは別表の三に入っていますね、取締役会では犯罪を犯すということが共同の目的化した。でも、そこで働いている従業員は、取締役の連中がそんなことを決めただなんて全然知らなかった。

 みんなで会社ぐるみでそんなことをやろうということは知らなかったけれども、上司から言われて、何かどうもオレオレ詐欺に当たってしまいそうだけれども、やばいけれども、まあ、上から言われたからしようがないな。これは普通の人でしょう。

 まさにそこでは組織的犯罪集団化していることを知らなかった。知っていたか知らなかったか、その故意が犯罪の成否を分ける、こういうことですよね。

林政府参考人 その組織的犯罪集団が存在していることを前提として、そのことについて知らない者、これについては、先ほど来のことでいえば、計画をするということにはならないということでございます。

枝野委員 ずっと一般の人が捜査の対象になるかどうかということが問われてきたんですが、ほかの条件を満たしている場合だと、今の、取締役会は組織的犯罪集団になったけれども、従業員はそこまで共同目的を有していない、でも取締役会で決めた犯罪に巻き込まれた、でも組織的犯罪集団になったとまでは知りませんでしたという、まさに認識の問題。捜査の対象になるのは当たり前じゃないですか。

 捜査の対象になるのは当たり前だし、なおかつ、刑罰法規ですから、立証責任は全面的に訴追側にある、検察側にある。それはよくわかっていますが、実態の問題としては、会社ぐるみで何とか詐欺をやっていました、あるいは組合とか市民運動とかで、何とか罪をみんなでやろうということを幹部の間でやっていました、そういうことの中の一員であった、でも共同目的まで至っていない、えっ、そんなことまでやるの、でもまあ、みんなから言われたからしようがない、これだけはつき合うか、こういう人たちが、いや、俺は知りませんでしたなんという抗弁が事実上通用するのか。

 あるいは、取締役とか組織的犯罪集団の構成員、どうせ捕まっちまったんだから、俺だけ罪になるのはなんだから、大体みんな知ってたんじゃないの、こういう自白が誘導されるのではないか。

 まさに、こういうところにこの共謀罪法案の危なさというものがあるということを指摘しておきたい。具体的にどういうふうに一般の人たちが巻き込まれるのか、まさにこういうケースなんですよ。

 そして次に、ずっと組織的業務妨害と信用毀損の話をじっくりやりたいと思ってきたんですが、組織的威力業務妨害、これは刑法上の威力業務妨害と組織的な要件以外は一緒だということでありますが、組織的威力妨害罪における威力というものの定義はどうなるのか。最高裁の昭和二十八年一月三十日の判例なども踏まえて、どういうことが威力と言われるのか、お答えください。

林政府参考人 私ども、今把握している大審院の判例によれば、威力の意義でございますが、人の意思を制圧するに足りる勢力というふうに理解されていると考えております。

枝野委員 この最高裁判例は示していると思うんだけれども、私、通告で。最高裁判例の昭和二十八年一月三十日、威力は、犯人の威勢、人数及び周囲の状況より見て、被害者の自由意思を制圧するに足る犯人側の勢力、こういうことですよね。

 いずれにしても、いろいろな総合的な状況で、被害者の自由意思を制圧するに足りるような勢力であるかというのを総合判断する、これが威力についての定義であり判断基準である、これでいいですよね。

林政府参考人 基本的に、先ほど大審院と言いましたが、最高裁でも、この二十八年一月三十日判決などで、このあたりの威力というものの認定、判断をしていると理解しております。

枝野委員 ここを取り上げるのは、これは共謀の段階では判断できないんですよ、威力業務妨害罪って。

 もちろん、共謀の段階から、あるいは組織の共同の目的の段階から確定的に業務妨害罪に当たるような、つまり、威勢、人数、さまざまなもので相手の自由意思を制圧するに足りるような勢力を示そうと確定的に決めて行う場合が皆無だとは言いません。でも、普通は、何とか新しいマンション建設とめよう、新しい基地とめよう、新しい原発の稼働をやめよう、さまざまな市民運動とか住民運動で、その目的のためにいろいろなことを頑張ってやってみよう、できれば違法なことはやらないでちゃんとやらなきゃね、だけれども未必の故意があるかもしれないというケースであって、実際にどこまでやったら威力妨害罪に当たるのか、それとも適正な行為なのか、まさに実際に行われた態様を総合判断するしかないんですよ。

 こんなものを共謀罪の対象にしたら、未必の故意はありました、多くの場合あるでしょう、逆に言うと。ちょっと行き過ぎちゃうかもしれないけれどもしようがないよね、それで、実際には行き過ぎる行為をするかしないかわからない、その段階で共謀罪でできちゃう。これは危なくて仕方がないじゃないですか。

 刑事局長、何か反論はありますか。

林政府参考人 今回の計画というものは、組織的な犯罪集団の構成員らが、指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って特定の犯罪を実行することについて具体的かつ現実的な合意をすること、こういうふうに定義しております。

 この場合に、具体的かつ現実的な合意という形で、その計画の内容、実際に行われる犯罪実行行為の具体的な内容、こういったものが特定されなければ具体的かつ現実的な合意と言われませんので、その中で、単に漠然と犯罪の実行を考えているだけでは、この計画というものを立証することはできないわけでございます。

 そういったことから、計画の段階でも具体的かつ現実的な合意と言えるかどうか、そこまで内容が高まっているものでなければ今回の計画とは言えないということでございます。

枝野委員 二つを混同させないでください。今のは、別表第四に当たっている組織的威力業務妨害。まずその前に、別表第三にもあるでしょう。だから、計画は必要ないんですよ、組織的犯罪集団かどうかに。

 では、ちょっと違う視点から聞きましょう。

 マンション建設の反対運動の人たちの共同の目的は何ですか。基地建設反対運動の共同の目的は何ですか。環境を破壊する何とか開発を阻止しようという市民運動の共同の目的は何ですか。

林政府参考人 まさしく委員が今御指摘、質問の中で言われたことが共同の目的であります。マンションの建設反対、あるいは環境保護とか、そういったものが共同の目的になろうかと思います。

枝野委員 これらは全部、相手方から見れば業務なんですよ。マンションを建設するのは、マンション業者にとっては業務なんです。基地を建設するのは、国土交通省、防衛省にとっては業務なんですよ。環境破壊になるかもしれないような開発をするのは、開発業者なのか国土交通省なのか農林水産省なのか、そこにとっては業務なんですよ。その業務をやめさせること自体が、これらの反対運動は共同の目的そのものなんですよ。

 そして、そのために、デモをやったり座り込みをやったり、いろいろなことをやったりします。多くの場合、ほとんどの人たちは、そのことが業務妨害罪に当たるかどうかなんということを意識してやったりはしていないと思いますが、まさに実際に行ってみないと、業務妨害罪が成立する線を越えるかどうかというのは、計画段階とか組織をつくった段階では誰もわからないんですよ。実際にやってみたら行き過ぎてしまった、だけれども、刑法的には未必の故意は認められると思います。だからこれは危ないんですよ。共同の目的自体が業務をとめることなんですから。業務を、あえて言えば妨害することなんですから。

 妨害という法的評価が入るのは適正な範囲を逸脱したときですけれども、適正な範囲を逸脱するかどうかというのは実際に実行してみなきゃわからない。行き過ぎちゃって業務妨害に当たるかもしれないし、行き過ぎないで、適正な、業務に反対する行動なのか、まさにそれはやってみないとわからないし、多くの場合は、故意があったとしても未必の故意なんですよ。でも、未必の故意であったとしても共同の目的は足り得るんじゃないですか。共同の目的としては、未必の故意では足りないんですか。そんな要件はないでしょう。

 計画は未必の故意程度ではだめで、より具体的な、未必の故意を否定はできないでしょうが、詳細な計画が要るかもしれないけれども、共同の目的たるためには、行き過ぎちゃったら業務妨害に当たる行為をすることになるかもしれないという未必の故意で足りるんじゃないですか。

林政府参考人 例えば、マンションの反対というものが共同の目的だという場合であっても、その共同の目的を達成するためにさまざまな手段があると思います。何も、業務妨害という形での構成要件に当たるような行為を、それを手段として、必ずその手段でなければマンション反対の運動をしない、活動をしない、そういうことでなければ、やはりそれは犯罪の実行が共同の目的になっているというわけではないわけでございます。

枝野委員 まさに本質が出てきました。

 いや、いろいろな運動の仕方はあります。マンション建設、一番いいでしょう。多くの普通の国民の皆さんが、基地反対だと、私は関係ないわとかとちょっと誤解するかもしれません。でも、近くに高層マンションが建って日陰になる、自治会でみんなで集まって、これは反対だ、そのときに、デモとか座り込みだと、もしかすると行き過ぎたら業務妨害に当たるかもしれない、だからそういうのは危ないからやめておこうね。そういう抑止的な効果、これをもたらすから問題だと言っているんですよ。

 だから、少なくともこんな業務妨害罪みたいなものは明確に外す、あるいは、未必の故意では足りない、明確に犯罪を犯すということについての共同の目的がなきゃならないとか、せめてそういう話にしていかなきゃならないのに、そういう段階に行く前に終局して採決しようとしているから怒っているんですよ。ようやく本質が出てきたんですよ。この間、二時間もやって。

 もう一つ言いましょう、労働運動。これは前回通告しているはずですけれども、労働組合法一条二項というのは、労働組合法は厚生労働省の所管ですが、当然、刑事局長は知っていますよね。

林政府参考人 労働組合法一条二項は、労働組合の団体交渉その他の行為であって、同条一項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて、刑法三十五条を適用することを明らかにした規定である、このように承知しております。

枝野委員 もういよいよ時間なので、なぜこんな規定が置いてあるか。まさに団体交渉その他は、威力業務妨害、偽計業務妨害、行き過ぎたらそういうのに触れかねない、あるいは外形上はそれとの区別がつきにくい、そういうものが必然的に伴うんですよ。あえて言えば、それは、先ほど申し上げたマンションの建設反対運動なんかでも一般的に言えることですよ。

 何かに反対する、あるいは力を持っている側とみんなでまとまって交渉する、こういうことをやろうとすれば、労働運動の場合は顕著ですけれども、それは一見、外見だけ見ると業務妨害と区別がつきにくいような行為が必然的に含まれる行為である。だから、刑法三十五条には正当行為は処罰されないと書いてあるけれども、わざわざ改めて労働組合法一条二項でそのことを確認しているんですよ。

 その趣旨を考えたら、まさに労働組合は明らかに二条の「団体」です、広い意味での団体です。その執行委員会とかそういうところは、それは一種の組織性を持っています。それで、一見すると、やり過ぎれば、会社との団体交渉その他、業務妨害に形式的に当たりかねないようなことがあるから、わざわざ条文を置いている。そういったことについて、未必の故意で団体としての共同目的が認定され、そして本罪による捜査の対象等にされかねない。

 労働組合は労働組合法で明確ですが、繰り返し申し上げますが、特別な人たちだけじゃありません。マンションの建設反対運動とか、近くに迷惑施設が建ちそうだ、そういうことで反対運動をする、今、自民党を応援しているような町内会の皆さんも、自分たちの町内会を挙げて反対しなきゃならないというときに、この法律によって手かせ足かせがかかる、こういう法律になっているんだということを明確にできたということを申し上げて、私の質疑、きょうは終わらせていただきます。

鈴木委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 民進党の逢坂誠二でございます。

 まず冒頭に、きょうの朝のこの法務委員会の理事会におきまして、与党筆頭から、きょうのこの委員会においてこの共謀罪法案の質疑を終局したい、そして、さらにその上で採決をしたいという提案がございました。もちろん、この提案は受け入れることはできない。そもそも、私たちは、採決をしないという確約がなければ、この委員会そのものの開催はできないんだということで主張してきたわけでありますけれども、それにもかかわらず、採決を明言してきたわけであります。

 けさの理事会の中では、この採決、委員長は決定を下さなかった。そして、今、筆頭間協議、そういう状況になっておりますけれども、きょうの質疑を聞いていても、論点がまだまだ山積しています。この生煮えの状態のままでこの法案の採決をするということは断じて認められない、そのことをはっきりと言わせていただきます。

 加えて、もし仮に強行的にきょう採決するということであるならば、質疑の終局には総理入りでしっかり議論する、刑法体系が大転換するようなことだから、そういう話を私たちはさせていただいていた。それもほごにするということになるわけでありまして、さまざまな意味で、きょうの採決については断固反対をさせていただきます。

 その上で、金田大臣、一月の時点から結果的にずっと解決しない問題がある。それは一般の方々問題であります。

 一般の方々が対象になるのかならないのかの問題でありますけれども、まず、一般の方々の金田大臣の定義では、組織的犯罪集団にかかわりのない方々が一般の方々だという前提でお話をさせていただくんですが、一般の方々は今回の共謀罪の捜査の対象にはならない、そして、仮に嫌疑が生じた段階であっても、嫌疑のありなしを調べる対象にもならない。それから、先日の山尾さんの議論で、嫌疑の嫌疑、嫌疑のありやなしやもはっきりしないけれども、例えば告発されるようなケースで、どなたかが被告発者になる、その段階でも、一般の方々は、この場合は捜査とは言わずに調査とか検討とかおっしゃっておられましたけれども、調査、検討の対象にもならない、これでよろしいですね。

金田国務大臣 逢坂委員の御質問にお答えをいたします。

 一般の方々がテロ等準備罪に関する捜査、調査あるいは検討の対象となることはない、このように考えております。

 一般の方々の意味は文脈によって異なります、そもそも、一般の方々という言葉は、使用される文脈によってその意味は異なると思いますけれども、我々は、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とならないという文脈においては、組織的犯罪集団とかかわりがない方々、言いかえれば、何らかの団体に属しない人はもちろんのこと、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方々という意味で用いております。

 その上で、テロ等準備罪は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定しております。組織的犯罪集団というのは、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られるわけでありまして、一般の方々がこれらとかかわり合いを持つことがないのはもちろん、かかわり合いを持っていると疑われることも考えられないわけであります。

 したがいまして、組織的犯罪集団とかかわりのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属しない人はもちろんのこと、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じる余地はない、被疑者として捜査の対象とならないことはもちろん、嫌疑があるかどうかを調べるために調査、検討の対象とすることもない、このように考えております。

逢坂委員 大臣、それは法令上明確に、調査、検討、捜査の対象にならないということは明らかになっていますか。

金田国務大臣 法令上、法律上、組織的犯罪集団の限定をきっちり置いております。

逢坂委員 今回の犯罪の主体になるのは組織的犯罪集団だというのは法文上書いてありますけれども、いわゆる大臣の言うところの一般の方々が捜査や調査や検討の対象にならないということは法令上明らかですかと聞いているんです。

金田国務大臣 一般の方々が捜査の対象とはならないということが法的にどうなっているかということで、先ほども申し上げましたが、テロ等準備罪は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定したことによりまして、一般の方々はその捜査の対象とはならないことが明らかであります。

逢坂委員 犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定したから一般の方々が捜査の対象にならない、その意味をもう少し詳しく教えてください。

金田国務大臣 具体的に申し上げますと最初に申し上げたことになるわけでありますが、一般の方々がテロ等準備罪に関する捜査、調査、検討、嫌疑の対象となることはない、このように考えているわけであります。

 そもそも我々は、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とならないという文脈においては、組織的犯罪集団とかかわりがない方々、言いかえれば、何らかの団体に属しない人はもちろんのこと、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方々という意味で用いております。

 その上で、テロ等準備罪は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定いたしております。したがって、組織的犯罪集団とは、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、先ほども申し上げましたが、テロリズム集団、暴力団そして薬物密売組織といったような違法行為を目的とする団体に限られまして、一般の方々がこれらとかかわり合いを持つことがないのはもちろんのこと、かかわり合いを持っていると疑われることも考えられない。

 したがいまして、組織的犯罪集団とかかわりのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属しない人はもちろんのこと、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じる余地はない。したがって、被疑者として捜査の対象とならないことはもちろん、嫌疑があるかどうかを調べるために調査、検討の対象とすることもありません。

逢坂委員 同じ答弁の繰り返しなので、納得はできないのでありますけれども。

 それじゃ、警察庁に来てもらっていますので、警察庁にお伺いしますが、今回のこの共謀罪に関して、今大臣が言うとおり、組織的犯罪集団にかかわりのない方々を、何らかの、例えば刑事訴訟法でもいいでしょう、あるいは警察法二条の規定でもいいでしょう、その規定によってその方々に対して情報収集をしたり、捜査という言葉でなくてもいいでしょう、その前段階の行為をすることは皆無であるという理解でよろしいですか、今の大臣の答弁からすれば。

白川政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げますと、警察は、テロ対策や犯罪、トラブルの防止など、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たす上で必要な情報収集を含む警察活動を行っているところでございます。

逢坂委員 警察庁は、警察法二条の規定に基づいて必要な情報収集を行うということでありますね。その際に、今の大臣の答弁と整合性はとれるんでしょうかね。大臣は、一般の方々は全く調査も検討も捜査の対象にもならないと言い切っているわけでありますけれども、それで警察の捜査あるいは日常活動の実務と整合性はとれますか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 警察が行う情報収集活動につきましては、先ほども申し上げましたとおり、公共の安全と秩序の維持という警察法二条に定められている警察の責務を達成するために行っているものでありまして、特定の犯罪の捜査を念頭に置いて行っているものではございません。

 また、いかなる場合に御審議いただいておりますテロ等準備罪が適用になるかどうかにつきましては、主務官庁であります法務省からの御答弁のとおりだと思います。

逢坂委員 それじゃ、白川さん、質問の仕方を変えましょう。警察法二条に言うところの責務を達成するために情報収集をしたりいろいろ調べたりする範囲には、対象になる方には法令上限定はありますか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 私ども、警察法二条に基づく活動でございまして、その活動につきましては、あくまでも任意的な手段でございまして、必要性や相当性や妥当性といったことを考慮しつつ、警察法二条の範囲内での適正な情報収集に努めているところでございます。

逢坂委員 ということは、白川審議官、この方は警察法二条の規定によっても調査やいろいろ情報収集の対象にはしないんだとかということは、警察法上は明確ではない、これは明文化されていないという理解になるわけですけれども、相当性、妥当性、それを考慮しながら二条の責務をどう果たすかということが判断基準であって、具体的にはこの人は除外するんだということはないということでよろしいですよね。

白川政府参考人 お答えいたします。

 私どもの行います情報収集活動につきましては、公共の安全と秩序の維持という警察法二条に定められている警察の責務を達成する観点から行っているものでございまして、特定の犯罪の捜査を念頭に置いたり、あるいは、今御審議いただいております組織的犯罪集団に当たるかどうかといった観点から情報収集を行っているものではございません。

逢坂委員 しつこいようですけれども、ここがこの共謀罪法案の入り口の最も大きな議論だったわけですが、その際に、警察法二条の責務を達成するためにいろいろな情報収集をする、その対象の中にいわゆるこの組織的犯罪にかかわりがあるかないか、疑義のある方が含まれないという保証はありますか。

白川政府参考人 失礼いたします。

 私ども、公共の安全と秩序の維持という観点から情報収集を行っているものでございまして、今委員お尋ねの組織的犯罪集団を構成する、あるいは構成するような人が当たるかどうかというのは全く観点が違いますので、お答え申し上げることは困難であります。

逢坂委員 それじゃ、刑事訴訟法の規定に基づいて、犯罪があると思料されるときは捜査をするということになっているわけですが、この中で、実際に組織的犯罪集団にかかわりがある、ない、それを前提にしてこれは捜査をするということになるわけでしょうか。金田大臣の答弁からすれば、組織的犯罪集団にかかわりのない方は捜査の対象にしないと言っているわけですから、組織的犯罪集団にかかわりのない方は、仮に刑事訴訟法の規定によっても絶対に捜査の対象にはならないというふうに言い切れますか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 私ども、平素の情報収集活動は行っておりますが、その結果、犯罪の具体的な嫌疑等がございますれば、刑事訴訟法に基づいて捜査を開始することになります。

 どのような場合に捜査が開始されるかというのは、刑事訴訟法の解釈でございますので、法務省からお答えがあるのがしかるべきかと思います。

逢坂委員 私が聞いているのは、どのような場合に捜査が開始されるのかと聞いているのではなくて、捜査の対象になる人のことを聞いているんですが、それも法務省の守備範囲ですか。それは警察庁じゃないんですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 捜査は刑事訴訟法に基づいて行われるものでございまして、刑訴法百九十七条に基づいて捜査は開始されるところでございます。

 また、どのような場合に捜査を開始するかというのは、法務当局と同じ考えでございます。

逢坂委員 それじゃ、金田大臣、大臣のおっしゃっていること、一般の方々は捜査や情報収集や検討の対象にもならないということでありますけれども、私は、先ほどの、今回の共謀罪法案の六条の二、この規定からはどう逆立ちしても読み取れないような気がするんですよ。まあ、ここはいろいろ議論が分かれるでしょう。

 でも、大臣、それじゃ、実際に捜査の現場に一般の方々が対象になりませんよということをどうやって周知されますか。この法文だけで一般の方々が捜査の対象にならないというのは、私は読み取るのはなかなか難しいとは思うんですが。犯罪の主体になるということは、これはよくわかりますよ。これは捜査の現場にどうやって、それは大臣が文書か何かでお知らせするんですか。

金田国務大臣 ただいまの御質問に対しましては、やはり国会での審議経過も含めてしっかりと周知を徹底していきたいと思いますが、あとは刑事局長の方からも答弁をさせます。

林政府参考人 今回のテロ等準備罪は、刑事の実体法で、犯罪類型を定めるものでございます。

 このことは捜査にどのように法規範として働くかといいますと、この犯罪はどの範囲で成立するものであるか、従来ここで十分に審議されておりますその経過、これがその捜査の範囲を定めることになります。

 ですから、今回、組織的犯罪集団というものを要件とした、その組織的犯罪集団の定義はこういうことである、こういったことを捜査機関、捜査の現場に伝えておきませんと、今回の実体法、これは、手続法であるところの捜査の規範にも、当然それを前提として捜査が行われるわけでございますので、十分にこの間の議論を周知、議論の中身それからこの組織的犯罪集団の定義の実質的な内容、こういったものを捜査機関に十分に伝える、このことによって捜査の適正を図ることができるようになると考えております。

逢坂委員 それじゃ、警察庁に改めて聞きます。

 今の大臣と刑事局長の答弁から、もし仮にこの共謀罪の法案が成立をする、そうした場合に、いわゆる大臣の言うところの一般の方々は捜査の対象にしない、あるいは捜査以前の情報収集、検討の対象にしない、そういうことでよろしいですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 捜査につきましては、ただいま法務省刑事局長から御答弁のあったとおり、慎重に運用されるべきことかというふうに思います。

 警察が行います情報収集活動につきましては、今申し上げましたとおり、公共の安全と秩序の維持の観点から、別の観点から行っておる情報収集活動でございます。また別のものであろうかと思います。

逢坂委員 それじゃ、警察法二条の規定によるさまざまな情報収集活動、これにはいわゆる今回のさまざま議論になっている一般の方々も含まれるということでよろしいですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 委員御質問の、一般の方々であるか、あるいは組織的犯罪集団の構成員であるかどうか、そういうことにつきましては、このたび御審議をお願いしているテロ等準備罪の運用にかかわることでございますので、警察の行う情報収集活動とはまた別のものであると思います。

逢坂委員 それじゃ、運用にかかわることなので、刑事局長に同じ質問をします。

 警察法二条に基づいてさまざまな情報収集をする対象に、いわゆる大臣の言うところの一般の方々は含まれないという理解でよろしいですか。

林政府参考人 この間のこの国会での審議あるいはそこで明らかになっている組織的犯罪集団の定義、こういったものの周知というものは捜査を行う現場に対して周知する必要があります。その中には当然警察が含まれます。その警察は捜査をする主体であるからでございます。

 そういったことにおいて警察に対しても同様でございますが、この間の組織的犯罪集団を要件とした趣旨及びその範囲というものは的確に周知していく必要があると考えております。

逢坂委員 的確に周知をして、刑事局長、どのような範囲を対象にして捜査するかは、的確に周知をしたその内容が守られていれば、それは法務省としては問わないということでよろしいですか。

林政府参考人 捜査は、実体法である犯罪を前提として行われるわけでございます。その犯罪において、例えば、犯罪主体を限定していない犯罪類型とそれから限定している犯罪類型、それぞれ犯罪類型の定め方で異なりますが、今回は、組織的犯罪集団というものを主体とするという形での限定が加わっておることでございます。

 したがいまして、その限定を無視して捜査を行うということは、これは捜査としては違法になるわけでございます。その意味で、捜査機関に対して今回の刑事実体法であるところのテロ等準備罪の要件というもの、またその理解というものを周知徹底することによって、その捜査の限定がかかるわけでございます。できる範囲とできない範囲ということが規範として示されるわけでございますので、これを正確に周知していくことになると思います。

逢坂委員 今の答弁で白川審議官もよろしいですか。これによっていわゆる犯罪の主体が組織的犯罪集団に限定されているから一般の方々は捜査の対象にしないというふうに言っているようにも聞こえるし、言っていないようにも聞こえるんですが、今の答弁でよろしいですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 警察が犯罪捜査に当たりますときには、刑事訴訟法に基づきまして、検察官と協力関係にございます。こういう国会の御議論を踏まえながら、検察官とともに非常に慎重な運用に努めていくべきであろうと思います。

逢坂委員 私は今百八十九条の話だけをしているのではなくて、警察法二条も含めて、情報収集の対象にはならないということでよろしいですか。

白川政府参考人 お答え申し上げます。

 警察の行います情報収集ということでございますれば、繰り返しで恐縮でございますが、特定の犯罪の捜査を念頭に置いているものでもなく、また、組織的犯罪集団に当たるかどうかという観点からの情報収集を行うものではございません。

逢坂委員 特定の犯罪の捜査を念頭に置いていないということであれば、広く多くの人が対象になり得るという理解でよろしいですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 公共の安全と秩序の維持の観点から必要な情報収集を行う、したがいまして、その対象も、公共の安全と秩序の維持という観点から必要な範囲に限られると考えます。

逢坂委員 大臣、これまで一般の方々問題をずっとやってきたんですけれども、やはり私は釈然としないんですよ。大臣は、対象にならない、対象にならないというふうにおっしゃるのでありますけれども、それは具体的にどういうことなのか、これはやはりもう少し、きょうの議事録も踏まえて私は精査させてもらいたいと思います。

 繰り返し申し述べますけれども、論点は満載です。私は六条の二第一項からまだなかなか抜け出られないような状態でありまして、これできょうの段階で採決をするなどということは絶対に認められないということを申し上げて、終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

鈴木委員長 次に、井出庸生君。

井出委員 よろしくお願いをいたします。

 林刑事局長や先ほどの警察庁の白川さんから運用だとか周知というような言葉が出ておりますが、まだその前に議論を続けていきたいと思いますので、お願いをいたします。

 先ほどの逢坂先生、それからこれまでの議論で、一般の方々の話がありました。つまるところは、組織的犯罪集団というものが限定されている、そういう観点で一般の方々は関係ないということをこれまで政府の方は話をされてきているわけですが、一つ例を聞きたいと思います。これは実際にあった事件であります。

 現行の組織犯罪処罰法の組織的詐欺の事例なんですが、Aという会社があって、そこの営業次長であった被告人が、同じ会社の代表取締役会長等の役職についていた共犯者八名と共謀の上、貴金属スポット保証金取引の保証金名目で現金をだまし取って利益を図ることを共同の目的とする、被告人らで構成される、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律上の団体であるAの活動として、上記犯罪を実行するための同法上の組織により、多数回にわたり上記保証金の名目で現金をだまし取ったとされるものです。

 これは、もう少しさらに縮めますと、被告人が会社の上司と共謀して、貴金属の保証金取引、保証金名目で現金をだまし取って利益を得ることを共同の目的として、被告人らで構成される法律上の団体であるA社の活動として、上記犯罪を実行するため、同法上の組織により多数回にわたって上記保証金の名目で現金をだまし取った。

 さらにポイントを絞りますと、これを読みますと、団体の目的それから団体性、犯罪の実行行為、そういう順番でこの事実が書かれているんですが、犯罪の実行行為はしょせん上記犯罪ですし、団体は法律の条文を引っ張っているだけで、端的に申しますと、結局のところ、組織的詐欺の犯罪があって、犯罪が先にあって、そのグループが挙がってきて、そこにそのグループは法律上の団体に該当するよと書いている。

 要は、犯罪を実行した人たちを共犯者でくくって、その団体に法律が当てはまるよ、それだけのことであって、何か、今までずっと組織的犯罪集団というものは物すごく限定されると言ってきたことは全く当てはまらないのではないか。むしろ、林刑事局長が再三お話しになっている、やはり個別の事象、事案、それによって決まる、そういうことではないかと思いますが、その件について見解をいただきたいと思います。

林政府参考人 委員御指摘の事例というものが十分に、私、共通のものとして理解されているかどうか定かでございませんが、恐らく今のは、組織的詐欺、詐欺罪の問題にされた事案だと思います。

 詐欺罪の場合、詐欺罪というものは当然刑法にございます。それから、その加重類型として組織的詐欺というものがございます。詐欺を行ったというものの嫌疑がある場合に、そのものについて捜査がなされて、そのものについて組織的詐欺の要件まで満たさなければ、加重されない通常の詐欺罪で処罰されるわけでございます。その場合に、加重されるような組織的な要件が認められる場合には、加重された法定刑の中で処断されるわけでございます。

 今回、テロ等準備罪について言いますれば、これは加重類型ではございません。組織的犯罪集団という要件、これがなければそもそも犯罪ではありません。前に申し上げたように、組織的犯罪集団という主体の問題と、計画という問題と、実行準備行為という問題、この三つがそろって初めて犯罪とされるわけでございますので、組織的犯罪集団というものについての嫌疑が全くないようなものについて犯罪の捜査は行われないわけでございます。

 そこが、詐欺罪のような場合であれば、刑法上の詐欺罪には主体の限定はございません。したがいまして、主体に関する嫌疑というものは必要でないわけでございますので、そういった場合で捜査が開始されることはありますけれども、その際に、加重がされるかされないかの違いと、そもそも犯罪が成立するかしないかというこのテロ等準備罪の構成要件の場合と、これは全く局面が異なると思います。

 そのことによって、今回、テロ等準備罪の要件に組織的犯罪集団というものを付加したということによって、捜査の手続法にもこれが規範として当然に及んでいるということを御理解いただければと思います。すなわち、組織的犯罪集団という要件がなければ犯罪が成立しないような場合においては、組織的犯罪集団に関する嫌疑がなければ捜査というものはできないということを御理解いただければと思います。

    〔委員長退席、土屋(正)委員長代理着席〕

井出委員 これは余り時間を使いたくないので確認をしたいんですが、組織的犯罪集団があって、計画があって、実行準備行為があって、その後、犯罪に進むまでまだしばらく時間があって、その間に取っ捕まえていくということになるかもしれないんですけれども、私が聞きたいのは、実行準備行為とか何らかの犯罪を疑わせるような行動をしている人間がいて、それをさかのぼって捜査したときに、その嫌疑から考えて団体を組み立てていったり、きちっと、テロ集団とか詐欺集団とか暴力団とか、暴力団だって全部が対象になるわけじゃないでしょう、テロ集団だって全てが対象になるわけではないでしょう、ですから、やはりそこは、その捜査側の組織的犯罪集団の認定という要素はあるんじゃないんですかね。そこの大ざっぱなところだけ、ちょっと確認しておきたいんですけれども。

    〔土屋(正)委員長代理退席、委員長着席〕

林政府参考人 犯罪主体を限定して組織的犯罪集団という要件を設けた以上、例えば実行準備行為という行為について何らかの情報があっても、それは、組織的犯罪集団による計画に基づく実行準備行為であるという嫌疑、そこまでの情報がなければ捜査というものはできないわけでございます。

 そういった意味で、やや、捜査というものが、常にリアルタイムで行われている犯罪事象を捜査するというふうなイメージで考えられている場合が時々あると思いますが、捜査というものは、基本的には過去に起きた犯罪事象について、事案を解明して証拠を集めて犯人を確保するという活動でございますので、必ずしも、現在進行中の犯罪事象をリアルタイムで捉えるのが捜査というわけではございません。

井出委員 その今までの捜査の考え方が変わるから、共謀罪という計画段階で、だってその犯罪の証拠とか情報だって私はかなり少なくなると思いますよ、実行着手前とかと比べたら。(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

井出委員 そういう点で伺っているんですが。

 きょう、本来聞こうと思っていたところを聞きたいと思います。

 犯行を思いとどまる、離脱する、やはりやめよう、やはりどう考えても悪いからやめよう、そういうことについて伺っていきたいんですが、四月の十九日、國重委員に対する答弁の中で、計画グループからの離脱について、「少なくとも、」「他の計画をした者に離脱の意思を伝えて、この了承を得て計画に係る合意を解消することが必要であろうか」と。

 「少なくともと、」、これを最低条件に、まず意思を伝えること、それから了承を得ること、計画の合意を解消すること、この三つを挙げられていますが、了承を得るというのは、グループの全員の了承を得ることが必要なんでしょうか。ちょっとそこを教えてください。

林政府参考人 計画がなされて計画に加わった者が、その後、実行準備行為が行われる前に離脱するという、これをどのように捉えるかということでございますが、これはやはり、計画に係る合意、自分がそこの合意に加わったということ、それに伴って、その後犯罪に向けて、さまざまな因果関係のもとで犯罪が準備から実行に向かっていくわけでございますので、こういった、合意にかかわったということの解消が認められなくてはいけません。

 どのような場合に解消が認められるかというのは、やはり個別具体的な事案においてさまざまなものがあると思います。そのときに、やはり、過去のこれまでの刑事法の中では、共同正犯からの離脱という問題がございます。そういった場合にも、同様の、離脱あるいは合意の解消というのを認めるか認めないかというものは、個々の事案に応じてこれまで判断されてきたと思います。

 その中で、ある程度類型的に申し上げれば、離脱の意思のある者が他の者に対してその意思を伝えてその了承を得るというところ、ここはやはり合意の解消として必要であろう、このように私どもは考えております。そういった意味では、他の合意した者たちについて、ほぼ全員に対してその離脱意思を伝えなければ、それは解消という事態は認められない場合が多いと考えております。

井出委員 通常の離脱というのは、犯罪が実行されないように、犯罪が実行されることとの因果関係を断ち切るように、きちっと仲間に意思を示して離脱をしなきゃいけない、そういうことだと思うんです。

 共謀罪、テロ等準備罪というものは、犯罪が実行される前に取っ捕まえるものでございます。少なくとも、実行準備行為を担当している人間は、それをやらないで離脱すれば実行準備行為がないわけですから、実行準備行為者は了承は要らないんじゃないかと思いますけれども、どうですか。

林政府参考人 今のような設例でいけば、実行準備者が実行準備行為を行っていないわけですから、テロ等準備罪そのものが成立していないと思います。

井出委員 では、今のケースは犯罪がそもそも成立しないと。

 もう一つ。

 何人かで計画をして、犯行を実行する人、運転手、見張り、いろいろあるでしょう。ただ、具体的に役割を与えられていない人間が一人、二人いたとします。そういう人間は、犯罪が行われてみないと何の役割を、おまえ、その場で臨機応変に対応しろ、そういう役回りになっていたとして、そういう人たちの離脱というのは実行準備行為のやはり前にしなきゃいけないんですか、後にしなきゃいけないんですか。

林政府参考人 離脱の問題としては、実行準備行為が行われる前に行われなければなりません。

 ただ、今の委員の御指摘の設例で、そういった者が計画者であるかどうかというものについては、設例の中では計画者とすら言えない場合があり得ると思います。

 なぜならば、組織的犯罪集団の団体の活動として、組織により行われるものの遂行について計画でございますので、その計画の中に加わるのは、例えば、組織の一員でなければ、組織というのは、犯罪実行部隊として、組織の一員でない者、さらに、その幹部であっていろいろな計画に対して因果関係を与え得る者がそういった場合にはございますが、そういったことでもない。あるいは、組織で自分がどのような役割を担うか、それまでも期待されていないという者については、果たしてそれを計画者と言えるかどうかという問題はございます。

 いずれにしても、仮に計画に加わっているという認定を前提とすれば、その場合に、離脱が認められるのは、何らかの誰かによる実行準備行為が行われる前に行われなければいけないことは、そのとおりでございます。

井出委員 計画を一緒に了承して、実行する犯罪のときに、おまえは補助要員だ、現場で臨機応変に対応しろ、そういう人たちは今回の罪の対象にならないということですか。

 それともう一つは、そういう役割の人たちだったら、別に、犯罪が行われるときにそこに行けばいいわけですから、いろいろな計画をほかの人に与えられて、実行準備行為というものに対する認識も、だって、計画するときに、おまえがやるこれが実行準備行為だよと計画する、そういう者だけを取り締まるというんだったら別なんですけれども、当日補佐しろぐらいの人たちが、何が実行準備行為で、何がもっと最終準備の準備なのか、要は、実行準備行為に対する認識というものに違いがあるんじゃないか。それでも、実行準備の後の離脱というものは絶対認められないのか。

林政府参考人 先ほど、現場で臨機応変に対応するというような設例について、場合によってはそれは計画者と言えないという場合もありますよということは申し上げましたが、もちろん、計画の中でそういった、現場の中で補助的に臨機応変に対応する者というものが犯罪計画の中で必要であればそういった計画がなされるわけでございますので、そういったことも一つの役割であるというふうに認定される場合がございますので、それは絶対に計画者にならないということまでを申し上げたつもりはございません。

 その上で、計画者については、やはり、実行準備行為については、今回これは故意の内容でございますので、実行準備行為があることについての認識というものは犯罪成立のために必要でございます。

井出委員 今までの共犯の離脱は、犯罪が行われるという危険性、それから、共謀罪、テロ等準備罪の離脱は、計画されて実行準備行為がされるという危険性に対して離脱をすると考えるかと思うんですけれども、要は、実行前の犯罪の計画と実行準備から離脱するということは、犯罪が実行される前の共犯の離脱より、私は、その離脱の要件を緩和すべきであると思います。これはケース・バイ・ケースなのかもしれませんが、離脱をする了承が要る、ほとんどの人間の了承が要るとおっしゃいましたけれども、了承は絶対条件なんですかね。

林政府参考人 これは、どういう場合に離脱を認めて犯罪成立がその者についてしないかというのは、やはり個別の事案での最終的な認定の問題でございます。したがいまして、これが絶対条件なのかということを言われたらば、必ずしもそうではないと考えます。

 同様なことは、例えば、中止犯、中止未遂というものがございますが、中止未遂で、どのような行為をすれば中止犯を認めるのかということについては、やはり、全ての結果を完全に防止する、全てを自分で防止しなくちゃいけないのか、それとも、その主要な部分について防止すればいいのかとか、その事実認定の中でのいろいろな判断がございます。

 やはり、この離脱の問題というのも、どういった場合に離脱を認められるのかというのは個別の判断になってこようかと思います。

井出委員 基本的には、犯罪が行われる実行からの離脱ではなくて、実行の前の計画と準備行為から離脱することでありますから、これを、要件を厳しくすれば厳しくするほど、離脱できないような条件を課せば、逆に考えれば、犯罪に突き進むということにもなりかねませんので、その離脱の要件というものはやはり緩和するべきであるということは申し上げておきたいと思います。

 それから、さきの参考人の質疑を踏まえて、少しお話をさせていただきたいんですが、きょうも監視社会という言葉がございました。監視社会になることはない、通信傍受捜査の予定はしていない、そういう話がありましたが、参考人の言葉をかりれば、大臣、そのときいらっしゃらなかったから、考えていただきたいんですが、大臣の公用車、私用車に、全くわからないように秘密裏にGPSが一カ月間つけられて、その行動を監視されていたら、それを違法とか憲法上の疑義があると思わないのか、そういう問いかけを、先日、日本維新の会がお呼びになった指宿先生がされました。

 それから、もっと言えば、今世界で使われている携帯電話の通信傍受をするための基地局、そういうものが、自宅、大臣の執務室、議員会館の部屋、そういうものに秘密裏に置かれているとしたときに、それにどう向き合うか。そのことについては、その捜査は予定していないと。監視社会はあり得ないとおっしゃったのは井野政務官ですけれども、松浪先生も、この間、大臣に、通信傍受用の携帯基地局も把握もしていないというその答弁は何なんだとおっしゃっていましたけれども、やはり私、余りにもそこに対する認識というものが甘いと思います。

 これは、一般、一般じゃない人になってきますけれども、GPSの最高裁判決は、前も申し上げましたが、十九台の車、交際相手、知人、家族、中には、容疑者がそんな犯罪に手を染めているなんということを全く知らない人もいるでしょう、そういう者が対象になったという事実があることを、よく踏まえておいていただきたい。

 このテロ等準備罪、共謀罪というものは、TOC条約に入る、ずっとそれが一番の目的とされてきた。前にお話をしましたが、TOC条約に深くかかわってきた、今国際的な裁判所の方で裁判官をされている尾崎久仁子さんという方は、捜査に与えられた力がいろいろな人権とかを損なわないように、きちっと人権保障しなければ、そういう立法をしなければいけないと。しかし、この法律は、過去の共謀罪の法律のように、その配慮規定すらない。

 二〇一三年の特定秘密保護法、あれは、懸念をされたのは、例えば政府内で何か悪いことを告発しよう、それを報道しようとする、そういう限られた人たちが懸念の対象にありましたけれども、配慮規定がついたし、それでも大議論になった。しかし、この特定秘密保護法ですら、今、国会の中にチェックする機関がある。それも全くない。

 通信傍受捜査の大幅拡大は、あれは大幅拡大をされたものの、まだ令状をとる仕組みというものは維持をされております。

 GPSは、十年間秘密裏に、任意捜査というもので少なくとも十年間は使われたことがわかっている。そういう中で、今回のテロ等準備罪、共謀罪で、任意捜査というものを果たして適正に、指宿さんがおっしゃったようなルール化もないままでできるのか。

 指宿さんは、この法案に賛成で、そのために歯どめが必要とおっしゃったわけではありません。そういうものに対する歯どめがない限り、この法案に反対だということをはっきりと申し上げられたと思います。

 きょう、これで採決をするというような提案がされて、その後、場内で協議をするということになっておりまして、古川筆頭はここにお座りになっておりますので、場内協議はまだされていない。ぜひ、思いとどまっていただきたいと思いますし、まさにその議論はこれからだ、そして、これだけの議論のある法律を簡単に通すということは決してあってはならない。

 法務省も、後ろでペーパーを出す方が今回いろいろテレビでもクローズアップされて、大変御迷惑をおかけしましたが、その中でも、法務省の皆さんは、一度、私の記憶に残っているのは、大臣が答弁を終わって戻ったときに、最後の一ページを読んでくださいと私は聞こえたんですね。その一ページは法務省にとっても重要な答弁でしたし、聞いている我々にとっても、ぜひ伝えていただきたい答弁だったと思います。

 私は、これまで大臣に辞職を求めてまいりましたから、この法律の将来的な責任は、やはり法務省全体、林さんもそうですし、皆さんもそうですし、しっかりと負っていかなければいけないと思いますし、まず、政治家同士の議論がここまで深まっていないのは大変残念でありますので、引き続き政治家同士が、まず、法務省にしっかりと仕事をしていただけるように、議論の続行を求めて、私の質疑を終わります。

鈴木委員長 次に、上西小百合君。

上西委員 前回、私が金田大臣に、共謀罪が成立するのであれば、公安委員会を警察から剥がした上で、その増大する警察権力を監視する必要があるのではないか、こういうふうな質問をしたところ、大臣は、権限の濫用につながるという理由は見出しがたい、要は、警察の監視強化は不要だ、このように御答弁されました。

 そこで、今配付をしてあります資料をごらんください。

 お配りした資料は本日発売の週刊誌の記事ですけれども、先日、JKビジネスで逮捕された容疑者が、私の名前を自分の会社のホームページ上で無断で、不正に使用していたということが報じられました。

 私の秘書が、あるルートから、その事件の関係者として万世橋警察内で事情聴取をされたX氏と本庁の刑事との会話を録音したテープを入手したところ、その内容は、その記事にあるよりも随分と生々しく、刑事が、上西さんがこの件にかかわっていないのはわかっているんだけれども、上が興味を持っちゃってさ、何か関係ありそうな話みたいなのってないかな、こういうふうにX氏に問いかけるものでした。X氏は、私には全くわかりません、こういうふうに答えていますが、そのとき警視庁は、私を絡ませることによってマスコミでの記事の扱いを大きくし、そして自分たちの手柄を喧伝しようとしたというふうに考えられます。

 現に、この容疑者が逮捕されたというわずか一時間後に、私の事務所には全てのメディアから問い合わせが殺到し、その中には、一部、警察からこういうことを聞いたんですが、そういうふうな記者もおりました。

 私は、具体的に、その会社と無関係であるということを丁寧に説明し、各メディアから容疑者の代理人弁護士に確認、問い合わせをしていただくことで、私は一切無関係である、こういうふうな公正な報道をしていただきましたが、私は立場上たまたまメディアで反論することができただけで、例えば一般の方が警察によって同様の手段で無関係の事件にこのように巻き込まれることを想像すると、はっきり言ってぞっとします。一般の方が仮に冤罪で逮捕された場合、警察のこのような対応そして権力の濫用で、マスコミに報道され、そしてそれがたとえ不起訴であっても、その方は社会的信用を全て失います。

 このような警察の現状を聞いても、大臣は、警察の監視強化は不要だと思われるんでしょうか。これを、この前の答弁を思い返して、よく考えていただきたい、しっかり考えていただきたいと思います。

 そして、次に移らせていただきます。

 与党は、共謀罪なくしてTOC条約に加盟できるのであれば、なぜ民主党時代に加盟しなかったのか、よくこういうふうに言われますけれども、昨日、民進党の小川敏夫議員はテレビのインタビューで、民主党政権下の法務大臣時代の話として、当時は政権が弱体化していたので、法務省に行けば外務省、外務省に行けば法務省、こういうふうな形でたらい回しになったので、結局加盟できなかった、こういうふうにおっしゃっていました。これは、省庁がTOC条約に加盟すること自体を重要視していなかった、こういうふうな証拠にほかなりません。

 その上で、大臣にお伺いをしたいと思います。もう正直、はっきり申し上げて、大臣に答弁の期待は何もしていないですけれども、最後に法務大臣にお伺いしたいと思います。

 法務大臣だって、本当は、本音で、TOC条約に加盟するのに共謀罪成立が必要だとよもや思っていないでしょうけれども、TOC条約加盟自体を重要視していない、そして、ただただ共謀罪を成立したいだけの法務省官僚に操られ、そして本日採決すれば歴史に名を残す悪大臣になる、こういうふうに思いますけれども、そのお気持ちをお伺いしたいと思います。

 答弁の苦手な大臣にはこれぐらいの質問で十分だと思いますが、お聞きいただけますでしょうか。(発言する者あり)

鈴木委員長 発言には御注意ください。

上西委員 今までもそういう答弁だったから、不信任案が出たんです。お答えください。

金田国務大臣 ただいまの御意見は承りましたが、私からの答弁は、共謀罪というふうにおっしゃいましたが、テロ等準備罪、この法案を提出する理由というのはもう何度も御説明を申し上げてきたところであります。

 そして、具体的になりますが、テロが世界各地で発生して、日本人も犠牲となっているという状況がございます。そして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックも予定されております。テロ対策というのは喫緊の課題だ、このように思っていますので、テロを初めとする国内外の組織犯罪と闘うためには、犯罪人引き渡し、捜査共助、情報収集において国際社会と緊密に連携することが必要不可欠である。既に百八十七の国と地域が締結をしておりますこのTOC条約の締結は、そうした協力関係を構築して、我が国がテロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴となることを防ぐ上で極めて重要だということであります。

 したがって、この法案を皆様に御審議いただいているわけでありますから、これをしっかりと国民の皆様に御理解いただくように私たちは努力をしていきたい、このように思っております。

鈴木委員長 上西君、時間が参っております。

上西委員 この法案がどういうものかというのは、私は全く理解されていないと思います。

 オリンピック・パラリンピック、国民はオリンピック・パラリンピックが開催されることは期待していますよ。それを口実に共謀罪、これを使うというのは、はっきり言って問題だと思います。

鈴木委員長 時間が参っております。

上西委員 きょう、自民党にぶら下がっている日本維新の会の丸山議員、わざわざ法務委員会にお見えになって質問されます。最後に強行採決を促されると思いますけれども、これははっきり言って、私にとっては屈辱的です。

鈴木委員長 時間が参っております。

上西委員 これは国民の皆様方にも考えていただきたいと思います。今回強行採決されるということは、それが国民の意思になってしまう、こういうことも考えていただきたいと思います。

 質問を終わります。

鈴木委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 今までの審議を聞いておりましても、審議が全く尽くされていない。論点が大臣の答弁のたびに新たに生まれてくる。きょうも、先ほど、威力業務妨害という国民の関心の非常に高い問題で大事なやりとりがありました。これで全く審議しないまま採決など絶対に許されない、きょうはこの立場で質問していきたいと思います。

 先日十六日の参考人質疑で、維新の党推薦の指宿参考人はこのように述べました。「我が国でこれまでもう既にテロ犯罪、テロ行為が行われてまいりました。どうしてそうしたテロ行為、テロ犯罪を防ぐことができなかったのか、そういった国を挙げての御議論あるいは研究調査というものを私は目にしたことがございません。」「そういった反省なしにこうしたテロを防ぐための法案を用意するということは、私は合理性を欠いていると思います。」、こういう指摘であります。

 そして、我が党の畑野議員の質問に対して、指宿参考人はこうもおっしゃいました。「これまでテロ行為を抑止できなかった、あるいは犯人を検挙できなかった理由が明らかにならないまま、立法事実が不確定なことについて立法を進めるのは時期尚早である」。立法事実が不確定なことについて立法を進めるのは時期尚早であるという指摘であります。

 先ほども、山尾委員の質問に対して、大臣の答弁、前と全然違ってきたわけですね。二月三日、逢坂議員の質問に対する答弁では、総理が、今回の法案の目的は二つであると。正確に言うと、こうおっしゃっているんですね。「目的は三つではなくて、目的は二つでありまして、」と前置きされて、条約の批准とテロ対策を挙げられた。しかし、きょう、先ほど大臣は条約のみを答弁されているということであります。立法事実そのもの、これについて不確定だということがきょうも浮き彫りになっているもとで、こうした立法を進めるというのは本当に許されない。

 私はこれから、じゃ事実は何なんだ、こうした問題をめぐって今何を警察は行っているのか、具体的な事例で見ていきたいと思います。

 先日の参考人質疑で、加藤参考人は、岐阜県の大垣市民事件の問題あるいは別府の盗撮事件と並んで、警察が行ったムスリムに対する監視事件というものを紹介していただきました。これは、ムスリムの、イスラム諸国会議機構に加盟している五十七カ国の出身者、これに対する身元把握を目標にした大規模調査であります。

 これは警察庁にお聞きしたいんですけれども、二〇一〇年の十月に、この問題について警察が収集、作成した捜査資料がインターネット上に流出をした、こういう事件がありました。これは間違いありませんね。

白川政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの事案は、平成二十二年十月、個人情報を含む国際テロに関連する記載のある文書が、ファイル共有ソフト、ウィニー等を用いてインターネット上に掲出されたものでございます。

 インターネット上に掲出された本件データにつきましては、これまでの捜査及び調査の結果、警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められるところでございますが、警察が保有するデータで本件データとファイル形式が同一のものは確認されていないところでございます。

藤野委員 今、蓋然性が高いとおっしゃいましたが、東京地裁は、これらの資料は警視庁公安部作成の資料であると認定しております。

 少し紹介したいんですが、例えば身上調書というものも流出しておりまして、対象になったムスリムの方の国籍、氏名、住所、勤務先、使用車両、容疑、家族、交友関係、パスポートの旅券番号、在留資格、本国の住所、モスクへの出入り状況、立ち寄り先、徘回先、行動パターン、身体特徴、髪の色、ひげの色、こうしたことまで調べ上げて、それを身上調書という形でまとめている。人との交友関係、誰と連絡をとったか、こういうことも書かれております。ある人の調書には、長女の誕生をきっかけにモスクに通い出したとか、そういうプライバシーも微に入り細に入り書き込まれている。

 この調書には、先ほど言った五十七カ国別の把握率、どこまで把握できているか、何人のうち何人まで把握しているか、例えばバングラデシュは、外国人登録者数が三千三百四十八人、うち把握件数が三千百二十三人、実に九三・三%、インドネシアは八二・八%、マレーシアは七七・七%、こういった数字まで出ております。

 警察庁にお聞きしたいんですが、こうした情報収集をやっている、こういうのは事実なんですね。(発言する者あり)

鈴木委員長 静粛に願います。

白川政府参考人 お答えいたします。

 インターネット上に掲出されました本件データに含まれる情報が警察の保有するデータに含まれているものか否かを明らかにすることは、個人または団体の権利利益を害するおそれがあります。また、関係国との信頼関係を損なうおそれがございます。また、今後の警察業務の遂行に支障を及ぼすおそれがありますことから、お答えは差し控えさせていただきます。

藤野委員 いやいや、まさにこれそのものが権利侵害なわけですよ。それを大規模にやっている。関係国とか言いますけれども、イラン大使館の大使以下八十名の大使館員含む銀行口座の情報、給与の振り込みから現金の出入りまで警察は調べ上げている。こんなことをやって、関係国との友好関係を自分で壊しているわけですよ。とんでもない調査が現実に行われている。

 この流出した文書を見ますと、日付がばらばらなんです。二〇〇四年のものもあれば、二〇〇七年のものもあれば、二〇〇八年のものもあります。

 警察庁、こうした情報収集は現在も行われているんですか。

白川政府参考人 お答えいたします。

 警察におきましては必要な情報収集を行っておりますが、警察が具体的にどのような情報を収集、分析しているかを明らかにすることにつきましては、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがありますことから、お答えは差し控えさせていただきます。

藤野委員 これは幾ら聞いても答えないんですね。

 しかし、私は、これは今もやっていると思います。なぜか。流出した資料の中にこういうものがあるんですね。関東地域国テロ担当補佐等会議概要、二〇〇九年一月十四日付、こういうものがあります。これは、警察庁国際テロリズム対策課の文書であります。ここに、ムスリム第二世代といって、子供たちまでも監視の対象にしているという実態が浮き彫りになっている。

 こう書いてあります。特に、今後は従来の実態把握に加えてOIC諸国以外のムスリムやムスリム第二世代の把握に力を入れていただきたい、ムスリムの過激化動向をいち早く察知するためにも、ムスリム第二世代の把握に特に力を入れる、十五歳以上のムスリムについては就職適齢年齢であり、ホームグローンテロリストの脅威になり得る存在でありますので、早期に把握していただきたい、こういう記述がある。

 つまり、これは二〇〇九年です、その後ずっと、この十五歳以上の若者たちが、ホームグローンテロリストの脅威になる者として監視の対象に置かれている。とんでもない話だと思うんですね。こういうことを今現に警察がやっているという実態であります。このもとで共謀罪ができたらどうなるのか。

 そして同時に、もう一つ確認したいのは、日本が今やっているこうした情報収集、捜査がいかに世界の流れから逆行するものかということであります。

 外務省にお聞きしたいんですが、二〇〇七年に国連人権理事会が出したテロ対策に関する捜査について、何と言っているか、八十三パラグラフについて紹介してください。

飯島政府参考人 お答えいたします。

 二〇〇七年の第四回国連人権理事会に提出されましたテロ対策と人権保護特別報告者による報告書におきましては、米国の同時多発テロ事件以降、各国の法執行機関が、そのテロ対策において、人種や出身国、宗教といった特徴等からテロリストのプロファイリングを行う慣行があることへの懸念や、推定される容疑者の特徴に応じ、収集した個人データに基づくテロリストのプロファイリングへの注意に言及しております。

 その上で、同報告書のパラグラフ八十三におきましては、人種に基づくテロリストのプロファイリングは人権と不適合であること、民族、出身国、宗教に基づくプロファイリングは特定の集団を差別的に扱うことにつながり、こうしたプロファイリングは均衡性の基準を逸脱していること、こうした手段は不適切かつ非効率的であるのみならず、テロ対策においても相当否定的な結果をもたらし得ることという点を述べております。

藤野委員 ですから、国連の人権理事会特別報告書二〇〇七年一月二十九日では、二〇〇一年から各国で行われたこうした人種等に基づくプロファイリング、つまり情報収集は、テロ対策としても不適切で非効率で、しかも逆効果になってくるということを言っているわけですね。

 実は、その翌年、二〇〇八年の国連人権理事会でも同趣旨の決議が上がっております。これについても紹介していただけますか。

飯島政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの報告書の趣旨を踏まえまして、翌年の二〇〇八年の第七回人権理事会で採択されたテロ対策と人権保護決議におきましては、各国に対し、人権諸条約を含む国際法を厳格に遵守の上、プロファイリングを行うことが求められていると承知しております。

藤野委員 ちょっと今お答えにならなかったんだけれども、こちらで紹介しますが、要するに、翌年でも同じことなんです、こうしたやり方は適切でも効果的でもないということが国連で確認されている。かえって逆効果だと。

 つまり、そういう無尽蔵の情報を集めていくと、そこに人手もとられ、予算もとられ、本来必要な、市民の暮らしを守っていく警察の活動が、人手も割かれてできなくなるというのが国際的な到達なんですね。逆効果になると言っている。これは、九・一一後の実際の経験に基づく重い指摘だと私は思います。

 大臣にお聞きしたいんですが、世界的に、こうしたプロファイリングや監視、情報収集というのはテロ防止に効果的でないだけでなくて逆効果である、大臣も同じ認識でしょうか。

盛山副大臣 今委員と外務省の間でやりとりがありました、御指摘の国連での特別報告者報告の内容について、我々も承知をしております。

 いずれにせよ、テロを未然に防止することは極めて重要である。その一方で、テロリストの特定を含むテロ対策において、人種等に基づく不当な差別的取り扱いがなされるようなことがあってはならない、これもまた当然のことであります。人権に十分配慮した適切な対応に努める必要があるものと承知しております。

藤野委員 それをやっていないから問題にしているわけです。むしろ、何の犯罪の嫌疑もない、何も犯罪の嫌疑すらない、単にムスリム、モスクに立ち寄ったとかそういう人であるだけで調査の対象にしている。ですから、今のは答弁になっていないというふうに思います。

 そして、もう一点御紹介したいのは、加藤参考人は、この日に堀越事件というものも紹介をしていただきました。配付資料もお配りしております。

 これは、国家公務員であった堀越さんが休日に、日曜日に赤旗号外を配布したことが政治的行為に当たるかどうか争われた事件で、九年にわたる裁判闘争を経て、二〇一二年十二月七日、最高裁が無罪判決を言い渡した事件であります。つまり、最高裁がそういう法益侵害の危険性がなかったと判断した事案。この事案で警察は何をやったか。

 これは、配付資料をお配りさせていただいております。これは行動確認実施結果一覧表といいまして、いわゆる尾行の記録であります。警視庁公安部が作成したもので、先日、加藤参考人が配付したものと同様のものであります。

 警察庁にお聞きします。これはそういう資料で間違いありませんね。

白川政府参考人 お答えいたします。

 まことに恐縮ですが、突然のお尋ねでございまして、警視庁公安部が裁判の過程で提出したものと同一か否か、確たることをこの場で申し上げることは困難でございますが、そのような表題の文書を警視庁公安部において作成し、裁判で提出はなされたものと聞いております。

藤野委員 通告もしておりますし、事実上お認めになりました。

 これは、実に二十九日間にわたって、自宅を出てから、いろいろやって夜帰るまで、びっちりと監視をしているもので、捜査員は延べ百七十一名、少なくとも四台の車両と六台のビデオが使用された。

 この資料からわかりますのは、いろいろわかるんですが、きょう強調したいのは、これは警察が一旦動き出すと、堀越さんという、ある意味捜査の対象者だけではなくて、その堀越さんが接触したあらゆる人が、その後、行動確認と言われる捜査の対象になっているということであります。

 例えば、十月十一日には、氏名不詳のひげの男、グリーンの帽子の男、こういう者がその後尾行を受けております。翌日、十二日には、氏名不詳の女(身長百五十センチぐらい、年齢三十五歳前後)、あるいは演劇を一緒に見た男女十名ぐらい、そして氏名不詳の男。十七日も、氏名不詳の男、ベージュのズボン。二十四日も、氏名不詳の男二人。三十一日、十一月一日、三日、四日、七日、八日、いずれも、堀越さんだけでなく、堀越さんが接触したいろいろな方々が警察にマークされ、行動確認、つまり尾行の対象になっていく。

 これは大臣にお聞きしたいんですが、警察が動き出すということは、これはターゲットになった方だけでなくて、それに接触した全ての人が対象になるということなんですか。一般の方々が対象にならないとおっしゃるんですけれども、普通の方は自分は関係ないと思っていても、警察が目をつけた人の知り合いだったら、あるいはその知り合いの知り合いだったりしたら、警察の監視の対象になっていく。大臣、この資料で明らかじゃないですか。

金田国務大臣 藤野委員の御質問にお答えをいたします。

 そもそも、一般の方々という言葉を私どもは使ってまいりましたが、使用される文脈によってその意味は異なるものとは思いますが、我々は、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とならないという文脈においては、組織的犯罪集団とかかわりがない方々、言いかえれば、何らかの団体に属しない人はもとより、通常の団体に属して通常の社会生活を送っている方々という意味で用いております。

 そして、捜査というのは犯罪の嫌疑がある場合に行われるものであって、特定の被疑者に嫌疑が認められる場合には、その捜査の一環として被疑者と一定の関係を有する人物から事情を聞くというような場合、その事案の解明に必要な限度で捜査が行われることはあり得るんですけれども、特段の必要がないのに被疑者でない人物の行動確認を行うことは想定しがたい、このように考える次第であります。いずれにしても、これはあくまで被疑者に対する嫌疑の解明のために行われるものであって、その人物を被疑者として捜査するものではありません。

 したがって、一般の方々がテロ等準備罪の被疑者として捜査の対象となることはないのであります。

藤野委員 大臣、私は、被疑者であるかどうかなんて聞いておりません。警察はそこで、加藤参考人もおっしゃっていましたが、シームレスにやっているわけですね、強制捜査、任意捜査、行政警察活動。境なく恣意的にやっている。ですから、もう被疑者になった場合は相当固まっているわけです。

 私が聞いたのは、この資料は、結局、大臣は今想定しがたいとおっしゃいましたが、実際にやっているんですよ。一定の関係者どころか、接触した人を全て、手当たり次第にやっているんです。それが実態なわけですね。

 最高裁が最終的に無罪だと確定した事案でこれですよ。法益侵害の危険は全くない。嫌疑どころか、被疑者になるわけがないじゃないですか。そういう事案でさえ警察はここまでやる。ここまでやるわけです。ですから、法律上与えられた権限というのを使うわけですね。抑制的どころか、真面目な警察官ほど使えるものを全て使うというのがここに、資料で浮き彫りになっていて、そのことが本当に多くの方の人権侵害、プライバシー侵害につながっているということであります。

 大臣にお聞きしたいのは、これは無罪が確定しているんですが、警察は、堀越さん初め関係者に一言も謝罪していないんです、反省もしておりません。私が取り上げてきた岐阜県大垣署による市民監視事件でも全く反省していない、謝罪もない。和歌山県の西警察署による、選挙に行こうというものをやめさせた事件でも全く反省していない。それどころか、通常業務の一環とか正当な職務執行と言って合理化している、正当化している。四月二十五日の参考人質疑で早川参考人が例に挙げた鹿児島の志布志事件、これも裁判で無罪が確定しているわけですが、この事件でも謝罪はないわけです。

 大臣にお聞きしたいんですが、プライバシーや冤罪などの人権侵害が発覚して最高裁初め裁判で違法捜査と断じられても、それでもなお謝罪もしない、反省もしない、こういう反省しない組織に共謀罪を与えたらどうなるのか。さらなる人権侵害につながるんじゃないですか、大臣。

金田国務大臣 ただいまの御質問にお答えをいたします。

 警察の活動につきましては、法務省としてお答えをする立場にはないわけであります。

 その上で、テロ等準備罪の捜査について申し上げますと、テロ等準備罪については、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の具体的な嫌疑がなければ捜査が行われることはありません。すなわち、テロ等準備罪に該当する行為が行われたという具体的な嫌疑がない段階からテロ等準備罪の捜査が行われることはありません。

 しかも、テロ等準備罪の対象となる団体については、国内外の……(藤野委員「言う立場にないならやめてください」と呼ぶ)

鈴木委員長 続けてください。

金田国務大臣 委員長からの指名でございます。

 しかも、テロ等準備罪の対象となる団体については、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、条文上例示しているテロリズム集団のほか、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られるのでありまして、一般の方々や正当な活動を行っている団体がテロ等準備罪の適用対象となることはありません。

 したがいまして、テロ等準備罪の新設により、捜査機関が常時国民の動静を監視するといったような監視社会にはなりようがないのであります。

藤野委員 今、大臣は冒頭に、警察の活動については言う立場にはないと言いながら、自分に都合のいいというか、言いたいことだけとうとうとしゃべるという、とんでもない話であります。

 本法案の最大の問題というのは、何をしたかではなくて、結局、何を相談したのか、何を合意したのか、これを突き詰めていきますと、人々の内心、ここに限りなく近づいていく。憲法十九条を侵害する危険がこの法案の最大の問題であります。

 ここについて、大臣は、かねて、いや、実行準備行為があるから内心を処罰するんじゃないんだと説明され、例えば花見なのか下見なのかとお聞きすると、目的をしっかり調べるから大丈夫だと。では、目的を調べるのなら内心の処分になるんじゃないのかと聞くと、いや、外形からもわかるとおっしゃって、ビールと弁当を持っていたら花見だ、地図と双眼鏡を持っていたら犯行の下見だと答弁しました。これ、四つ全部持っていったらどうなるのか。

 そして、私がきょう聞きたいのは、この答弁の中で、大臣はこうも述べているんですね。「要するに、計画に基づく行為と認められるかどうかの判断ということが重要になってくるわけであります。」、こういう答弁であります。大臣、間違いありませんか。

金田国務大臣 私の答弁についての言及がございました。

 計画に基づく行為かどうかで判断をするんだということについて関連した答弁を申し上げたことは記憶しております。

藤野委員 これは通告してあったんですけれども、こういう答弁なんですね。「要するに、計画に基づく行為と認められるかどうかの判断ということが重要になってくるわけであります。」ということで、これは大臣、実行準備行為に当たるかどうかということは、要するに、計画に基づく行為と認められるかどうかによって決まると。

 大臣、そうなりますと、外形で区別できると言いながら、結局、計画とセットじゃないと、それが準備行為に当たるかどうかはわからないという答弁になるわけです。大臣、そういうことですよね。大臣は外形でわかるとおっしゃったけれども、結局、要するに、計画に基づく行為かどうかだと、計画が問題になる。

 大臣にお聞きしたいのは、計画が問題になるということは、実行準備行為の相当前の段階で、計画の内容、人々の話し合いの内容、相談の内容、これをつかんでいないといけないということが前提になるんじゃないですか、大臣。

金田国務大臣 藤野委員にお答えをいたします。

 テロ等準備罪における実行準備行為を考えた場合に、計画をした者のいずれかにより計画に基づき行われる、計画をした犯罪を実行するための準備行為であります。したがいまして、ある行為が実行準備行為に該当するためには、当該行為を行う者が計画をしたことが前提となるわけであります。計画に加わっていない者の行為というものは、そもそも実行準備行為とは言えないわけであります。

 また、計画に基づく行為であるかどうかで判断をするわけでありますから、ある行為が実行準備行為に該当するかどうかは、計画に基づく行為であるかどうかにより判断されることになります。計画に基づかない行為は実行準備行為にはなりません。

 そして、指摘に対しましてお答えを申し上げますが、計画に基づく行為と認められるかの判断方法として、指摘に即して申し上げれば、テロ等準備罪で起訴されました被告人が、例えば公園等に赴いていたという例で考えた場合、例えば、当該被告人が共犯者らとともに組織的な殺人の計画を行った後、その計画において犯行場所や逃走経路と想定され、下見の必要性が認められる場所に、他に特段の理由もないのに赴いたのであれば下見行為である可能性が高いと言える一方、それが計画と無関係な場所なのであれば実行準備行為であるとは言えないことになるわけであります。

 これにもう一つ、先ほどおっしゃられたことを加えて答弁申し上げますが、その上で、ある行為が実行準備行為に当たるか否かの判断に当たりましては、行為の目的などの主観面についても捜査や認定の対象とはなりますが、その際には、一般的な犯罪における犯意、あるいはいわゆる目的犯の目的の認定などという場合と同様に、客観的証拠や供述の裏づけ証拠の有無、内容が重視されるものと考えられるわけであります。客観的証拠等による主観面の認定なくして実行準備行為とは認められないものであります。

藤野委員 長々とおっしゃいましたけれども、私の質問は、計画がわかっていないと実行準備行為が判断できない。結局、外形だけじゃなくて、計画をつかんでいないといけないわけです。そうなると、結局、話し合い、内心、コミュニケーション。内心を事前につかんでいるということになるわけです。そういうことになるわけです。

鈴木委員長 藤野君、時間が参っております。

藤野委員 そうしないと、外形準備行為も判断できない。まさに語るに落ちたという答弁なんですね。

 そういう点で、この法案は、改めて、内心の自由そのものを侵害しなければ実行準備行為すら判断できない、全く憲法違反の法律であり、さらなる徹底審議を強く求めて、質問を終わります。

鈴木委員長 この際、議員丸山穂高君から委員外の発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 丸山穂高君。

丸山議員 日本維新の会の丸山穂高でございます。発言の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 若干事情を説明しますと、委員外発言というのは珍しいと思いますけれども、我が会派はこの委員会は一人しか出せませんので、我が党は修正案を出させていただいて、その関係で提出者に松浪議員がなっている関係から、委員外から人を持ってこざるを得ないということで、私、させていただきますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 まず初めに、法務委員の皆様、大臣初め政府委員の皆様、長時間にわたる質疑、本当にお疲れさまでございます。

 また、実は、私が質疑をさせていただいているのは、提出させていただいた修正案の交渉でずっと私もこの法案にかかわらせていただきまして、まさに昼夜を問わず議論を重ねてつくり上げました修正案につきましても、受け入れていただいて、そして審議をいただいておりますことに、まずもって感謝申し上げたいというふうに思います。

 まず、大臣にお伺いしたいと思います。

 民進党の方も別案という形でお出しになっていると思いますし、我が党そして自公の方々と合意させていただいた修正案を出させていただいております。三者出てきまして、非常にいろいろな議論がよりできるようになっております。そして、問題点も明らかになったと十分思います。

 そういった部分において、大臣、この二つの、修正案と別案、どのように見られてお考えになっているのか、お答えいただけますでしょうか。

金田国務大臣 丸山委員の御質問にお答えをいたします。

 まず、民進党さんが提出した法案につきましてでございます。

 指摘申し上げるとすれば、一つには、重大な犯罪の合意の犯罪化という、国際組織犯罪防止条約が、TOC条約が明記をしております義務を履行できておらず、条約を締結できないという点が一点であります。もう一点は、テロ対策という観点から見て、組織的人身売買と組織的詐欺の予備罪を設けるだけでは対象犯罪が少なく、また、客観的に相当の危険性が認められて初めて検挙可能となるなどの点で不十分である。以上、この二点が指摘できるのではないか、このように考えておるところであります。

 それからもう一つ、日本維新の会、公明党、自民党三党で出した修正案については、テロ等準備罪処罰法案の必要性や内容について極めて真剣な検討をされたことをお聞きしておりますが、まずもって、これがまとまりましたことには敬意を表したいと思います。その上で、与党との間で合意に至り、修正案が三党共同で提出されたことについて、これまでの国会審議での御懸念といったものに対応するものであると承知しておるところから、貴重な提案である、このように受けとめております。

丸山議員 貴重な提案と言っていただきましたが、逆に、民進党の別案については一刀両断されたなというふうに思います。TOC条約の要件を満たしていないというのは、まさしく私もそうだと思うんですが。

 一方で、先ほど提出者の逢坂議員の方から説明がるるありまして、一つなるほどと思ったのは、二〇〇六年に民主党が出された法案があるんですね。共謀罪と、丸々ほとんど政府案と変わらない法案を二〇〇六年に出されている。しかし、民進党は今回全く違う主張をしていて、TOC条約はそれがなくても入れるんだというお話をされたと思うんですけれども、だったら、与党時代、この法案は別になかった、ないわけですよ、なくてもTOC条約は重要だとずっとおっしゃっています、でも、TOC条約を結べなかったじゃないですか、それに対してはどのようにお答えになるのか。きょうの質疑でも、ここはきちんとお答えになっていなかったので。

 どうして与党時代に入らなかったんですか。先ほどの話だと、役所のたらい回しになったと言って、またそんな言いわけで大事な条約に入らないというのはおかしな話だと思うんですけれども。論理的に答えてください。どうしてこれに入れなかったんでしょうか。

逢坂議員 この点について明確な通告はなかったわけでありますけれども、お答えさせていただきたいと思います。

 この件については、平岡法務大臣の折に、TOC条約に加入するために国内法の整備が必要か、ありやなしやということで、平岡法務大臣は当時、国内法の整備は不要であろうというふうに考えておりました。そこで、法務省の内部に対して、国内法を整備しないでも入るという際の課題について整理をせよと。そして、その課題が、多分、ここから先は私の推測でありますけれども、課題についてきちっと整理がつくということであるならば、国内法を整備せずにTOC条約を即締結しようじゃないかということだったかと思っております。

 したがいまして、よく巷間言われていますとおり、民主党政権のときにこのことについて何にもしていなかったわけではございません。要するに、我々の考えに沿ってその具体的な作業を進めようというふうにしていたわけであります。

 しかしながら、先ほど刑事局長からも答弁があったとおり、平岡大臣の任期が切れ、その段階でこの案件については棚上げになってしまったということだと理解をしております。

 そして、そのときの政治的な状況といいましょうか、あるいは行政的な状況と言ってよいのかもしれませんけれども、このTOC条約について、それを締結すべしという強い機運があったのかどうかということについては、もう少しよく振り返ってみるべきことかなというふうに思っております。

 以上です。

丸山議員 しっかり御答弁いただいたと。

 逢坂委員は、本当に誠実に法務委員会で御対応いただいております。それは本当に敬意を表したいと思いますし、別案か対案かという名前の問題はあるにしろ、きちんとアイデアを出されたということには評価をさせていただきたいし、きょうも、一応、民進党の議員さんは皆さん座ってくださっていますので、欠席せずにしっかり審議をしてくださるということは本当に重要なことだと思います。

 まず、申し上げたいんですけれども、通告がなかったというお話をされましたけれども、私、通告しています。法務委等における一連の民進党の国会対応と提出衆法に対する批判について見解いかんと。(発言する者あり)この程度の通告を、毎回民進党は与党に対してやっているわけですよ。それで、通告がない、通告があるというのでもめているわけで、やはり、自身が立たれたときにきっちりこういったものは丁寧に対応いただくんだったら、与党に対してもやっていただければと思います。

 説明責任を果たしているかどうかといつもおっしゃっていますね。(発言する者あり)

鈴木委員長 御静粛に願います。

丸山議員 与党に対しても、大臣の主張がころころ変わると今回もおっしゃいました。先ほどの法案についても民主党さんの時代の話と今の話が違うわけで、この説明責任もあるのに、ようやく今、私がここで聞いて正式な答弁が出ている、そういった状況で、どうして人の批判ばかりするのかというのは真摯に受けとめていただきたいというふうに思います。

 ただ、逢坂議員は誠実にお答えいただいているということを、それはフォローさせていただきたいというふうに思います。

 それでは、今回の修正案、いろいろ質疑いただきまして、ありがとうございます。本当に建設的な議論を修正案の修正協議でもできました。こちらにいらっしゃる担当者の皆さん方にも改めまして感謝申し上げたいと思いますが、一つ、まずお伺いしていきたいと思います。中身についてです。

 親告罪、これを明記するという形で入れさせていただきました。これは実は、私も一番こだわって、個人的にもこれをぜひ入れていただきたいということで、種々お願いに回った部分でございます。

 改めまして、この趣旨と、入ったことによる効果についてお答えいただけますでしょうか。

松浪委員 お答え申し上げます。

 特にこの問題は、丸山議員が最初に御指摘をなさった問題だと承知をいたしております。

 親告罪である犯罪を本犯とするテロ等準備罪が親告罪であることを明記させていただいたその意義でありますけれども、政府も従来から、これは当然に親告罪として解釈される旨を答弁されておりましたけれども、これだけ国民の皆さんの不安が指摘をされる中で、国民の予測可能性を確保するために今回明記させていただいたところであります。

丸山議員 これは本当に重要な話で、私、主意書でまず内閣の方にこの問題を問い合わせました。

 親告罪の罪がありますけれども、特に著作権法違反等、こういったものに対して、今回のテロ等準備罪での準備行為でこれが裁かれる場合にもこれは親告罪ということでいいのかという、今二次創作等で萎縮が懸念される中で、その論点は非常に大事だと思うんですが、それに対して、主意書では、きちんと内閣の閣議決定として、親告罪のものは親告罪だというふうに書かれたんです。

 ただ一方で、いろいろな批判をされる方は何を言っても批判されるんだと思うんですけれども、これは明記されていないので、政府が言うだけでは何もわからないじゃないか、政府がそうやって閣議決定で言ったとしても、警察の現場はそう動くかどうかわからないというような批判まで上がって、そうであるならば、しっかりこれは法にも明記をして修正が必要だということで、今回、修正協議の中の一つに入れさせていただきました。

 やはり、法案について何か問題があるのなら、しっかりその問題点を指摘した上で、ぎゃあぎゃあ騒ぐんじゃなくて、しっかり修正の部分を要請していく、その議論をしていく、そして結果を出していく、これが本当に今の国会に求められている姿だ、姿勢だというふうに思います。

 そういった意味で、残りの部分、修正で加えられました部分を伺っていきたいと思います。

 可視化とGPS、これも非常に大事な部分でございますが、この検討条項についても設けられていると思います。この趣旨についてしっかりと御説明をよろしくお願いします。

松浪委員 お答え申し上げます。

 まず、この修正案につきましては、当初日本維新の会から提示をされたものは、やはりこの法案をよりよいものにしようということで、捜査側の矛と、それから国民の皆さんを守るための盾をしっかりしようというところで、当然ながら盾の方が強力でなければならない。そこで、一番に挙がってきたのが可視化の問題であります。

 この可視化については、昨年の刑訴法改正で現在トライアルの段階であるということも踏まえまして、我々は、これを今回検討条項ということで入れさせていただいているわけであります。

 附則に検討条項が入っていることによって、これまでの検討をテロ等準備罪を適用するものにおいても確実に入れていく、そしてまた、改正刑訴法の中で示されている次の検討においても、これの優先順位をトッププライオリティーに置いていくというような意義があると考えております。

 また、GPSについてもお尋ねがありました。

 この委員会で、各国の捜査の方法、通信傍受とかGPSとか、こういうものに至っても各国との対照表をつくらせていただいた上で、このGPSについては、先般、ことし三月十五日の最高裁でも、GPSの捜査は強制処分であって、これを行うに当たっては立法措置が講ぜられることが望ましいということでありますので、我々は、これについても最速で立法されるようにということで、附則に盛り込んだ次第であります。

丸山議員 万々が一無実の方が捕まったときにその権利をどうやって守っていくのか、非常にこれは野党の指摘に多かったですし、何より国民の皆さんが一番懸念しているところだと思います。これに真摯に政府としても対応いただきたいというふうに思います。

 今、我々維新と与党とで修正協議に合意した中で、一つ、附帯決議でもしっかりこの部分を入れていってほしいというものがございます。

 具体的には、六条の二の第一項、第二項の今回追加されるテロ等準備罪の罪の立証において、取り調べの録音、録画をできる限り行うようにするという努力規定。重大犯罪の未然防止の必要性と真相解明のための影響等にはしっかり留意はしなきゃいけませんが、しかし、できる限り可視化について努力していくということをお願いしたいというのを入れていこうという話になっております、予定しておりますが、これについて、ぜひ大臣から真摯なお答えをいただきたいというふうに思います。よろしいですか。

金田国務大臣 私は、今委員のお話を伺って、改めて、本法案が施行されるか否かにかかわらず、取り調べの適正の確保というものは十分配慮していくべきであるということは当然である、こういうふうに考えておりまして、今後、この法案が成立し、施行した場合なんですけれども、そういう場合には、捜査当局においては、国会における審議あるいは附帯決議といったようなものがありました場合には、審議はもちろん今行われているわけでありますから、そうした内容も踏まえて、これまでに引き続いて適切な取り調べの実施に努めるものと考えております。

鈴木委員長 ちょっと待ってください。

 法務委員以外の委員は後方にお下がりください。傍聴人も同じです。(発言する者あり)お下がりください。(丸山議員「時間をとめてもらえますか」と呼ぶ)

 時計をとめてください。時間をとめてください。

    〔速記中止〕

鈴木委員長 速記を起こしてください。

 丸山穂高君。

丸山議員 委員長、御配慮いただき、ありがとうございます。非常に、今この委員会室、人があふれております。そうした中で、ぜひ静かに議論を見守っていただきたいと思いますし、まさかこの後、この後まさかですけれども、詰め寄ってプラカードを掲げたり、何かそんなことを考えているわけじゃないとは思いますが、しっかり静かに聞いていただきたいと思います。

 今回の修正案で、もう一つ大事な、適正確保の条項を設けられておりますが、ここは、今回委員会でも監視社会になるんじゃないかという懸念が強くありました。それを踏まえた上での修正も含まれているんだと私は理解してつくっているんですが、そういうことでよろしいですね。

松浪委員 今、組織犯罪処罰法六条の二の四項を新たに加えた趣旨を御質問いただきました。

 これについては、テロ等準備罪に係る事件についての捜査を行うに当たっては、全般的に、その適正の確保を十分に配慮すべき義務を捜査機関に課す。

 また、この配慮義務なんですけれども、これを説明するのに一番に挙がってくるのが、特に野党の皆さんも、内心の自由に踏み込むとか、そういった御指摘が多かったわけで、証拠収集の方法としましては取り調べが重要な意義を有することになり、自白偏重の捜査が行われる懸念があるという国会の指摘を踏まえるというのが一番の大きな役割であります。

 先ほど委員御指摘の可視化についても、本則でその意義をしっかりと担保し、今義務化のトライアルの状況ですけれども、これの検討でも可視化をトップに持ってくるということ、特にこのテロ等準備罪にかかわってです。そしてまた努力義務につきましては、先ほど御指摘のありましたように、この法が施行されて直後から捜査の可能性があるので、その実質的な意義を担保する。

 まさに、本則、附則そして努力義務において、三つの担保を置いて実質的に可視化を行っていこうというものであります。

丸山議員 この法が成った場合には、この点、しっかり留意いただきたいと思います。法案を提出した者の声がきちんと今議事録という形で残っておりますので。

 そういった意味で、非常にこの法案、るる議論してまいりました。残念ながら、ずっと同じような議論を繰り返すような方もいらっしゃいますが、しかし、それだけじゃなくて、建設的な議論が幾つか積み重なっていると思います。

 修正案の提出者の方に関しましては、質疑はここまでですので、どうぞ自席にお戻りいただいて構いません。ありがとうございました。

 そういった意味で、この法案、これまで三十時間以上議論してきていると思います。これまでの質疑、いろいろなことがございましたが、大臣、いろいろお聞きになって、この法が施行された場合、執行のあり方をすごく国民の皆さんが見ていらっしゃるんです。大分、反対派の方が不安をあおるようなことをやられています。そういった中で、本当に大丈夫かという声にどう応えていくのか。これは確かに重要な観点だと思いますので、そうした観点も含めまして、大臣、改めてお伺いできますでしょうか。

金田国務大臣 丸山委員の御質問にお答えをいたします。

 テロ等準備罪処罰法案を成立させて国際組織犯罪防止条約、TOC条約を早期に締結することは、テロを初めとする国内外の組織犯罪への対策として高い効果を期待できるものと考えており、極めて重要だと考えております。

 その上で、修正案を含む本法案が成立した場合のことを御質問でございます。

 改正法が適正に施行されるために、法の趣旨あるいは内容の周知といったものに努めていく、そういう所存であります。

丸山議員 ありがとうございます。

 しっかりとよろしくお願い申し上げたいと思います。

 委員長、土屋理事、もういいでしょう。これまでもう三十時間以上質疑してきました。また、修正案という形で、建設的な議論から生まれた法案が修正されました。

 これまでの議事録もしっかりと読ませていただきましたが、カレーだとかキノコだとか、そもそもの言葉の定義だとか、一般人が犯罪者などと、本当に、犯罪の構成要件すらわかっていない、TOC条約の条文すら理解していないんです。これ以上、ピント外れの質疑ばかり繰り返し、足を引っ張ることが目的の質疑はこれ以上は必要ない。

 論点も整理されて、時は来ました。この私の質疑の終了後直ちに採決に入っていただきますようお願い申し上げまして、私丸山穂高の質疑を終わります。

 ありがとうございました。(発言する者あり)

鈴木委員長 土屋正忠君。

土屋(正)委員 動議を提出いたします。

 内閣提出の法律案……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)修正案に対する質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決されることを望みます。

鈴木委員長 土屋君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。(聴取不能)

 まず、採決をいたします。

 まず、内閣提出の……(聴取不能)修正案を採決、採決いたします……(聴取不能)

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数……(聴取不能)原案賛成の、原案の賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、修正されました。

 平口洋君外二名から、決議案を求められましたので、決議案を、附帯決議案を、趣旨を求めます。國重徹君。

國重委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺漏なきを期するべきである。

 一 検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第六条の二第一項及び第二項の罪の立証において、計画に参加した者の供述が重要な証拠となり得ることに鑑み、当該罪については、取調べ等の録音・録画を、テロを含む組織的に行われる重大犯罪の未然防止の必要性、組織犯罪の背景を含む事案の真相解明への影響等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。

 二 本法の目的が、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施し、国際的協調の下にテロ行為を含む国際的な組織犯罪と戦うための協力を促進することにあることを踏まえ、国民が安全に安心して暮らせる社会の実現を図るため、国際的なテロリズム集団の活動状況等に関する情報交換の推進その他のテロ行為を防止するために必要な措置について引き続き検討すること。

 三 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第六条の二第一項及び第二項に規定する罪の捜査に当たっては、組織的犯罪集団の関与についての認定が適切になされることが極めて重要であることに鑑み、その点に関する十分な証拠収集に努め、万が一にも正当な目的で活動を行っている団体の活動を制限するようなことがないようにすること。

 四 本法が、これまでの国会審議等において示された様々な不安や懸念を踏まえて立案されたものであり、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第六条の二第一項及び第二項が厳格な構成要件を定めることとした経緯等を踏まえ、本法が成立するに至る経緯、本法の規定内容等について関係機関及び裁判所の職員等に対する周知徹底に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

鈴木委員長 採決に入ります。

 本案の賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 法務大臣から発言を求められております。法務大臣の発言を求めます。法務大臣金田勝年君。

金田国務大臣 ただいま可決されました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。

鈴木委員長 本会議の委員会報告書の……(聴取不能)委員長に御一任することを求めます。賛成の……(聴取不能)起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 それでは、これにて散会をいたします。

    午後一時十四分散会


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