衆議院

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第16号 平成30年5月25日(金曜日)

会議録本文へ
平成三十年五月二十五日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平口  洋君

   理事 大塚  拓君 理事 門  博文君

   理事 田所 嘉徳君 理事 藤原  崇君

   理事 古川 禎久君 理事 山尾志桜里君

   理事 源馬謙太郎君 理事 國重  徹君

      安藤  裕君    井野 俊郎君

      上野 宏史君    門山 宏哲君

      神山 佐市君    神田  裕君

      菅家 一郎君    城内  実君

      黄川田仁志君    小林 茂樹君

      谷川 とむ君    中曽根康隆君

      古川  康君    古田 圭一君

      務台 俊介君    八木 哲也君

      山下 貴司君    和田 義明君

      逢坂 誠二君    松田  功君

      松平 浩一君    階   猛君

      緑川 貴士君    柚木 道義君

      大口 善徳君    金子 恵美君

      藤野 保史君    串田 誠一君

      井出 庸生君    重徳 和彦君

    …………………………………

   法務大臣         上川 陽子君

   法務副大臣        葉梨 康弘君

   厚生労働副大臣      高木美智代君

   法務大臣政務官      山下 貴司君

   最高裁判所事務総局刑事局長            安東  章君

   最高裁判所事務総局家庭局長            村田 斉志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  徳永  崇君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            水口  純君

   政府参考人

   (消費者庁政策立案総括審議官)          井内 正敏君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    東出 浩一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 境   勉君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    辻  裕教君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           神山  修君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           下間 康行君

   政府参考人

   (スポーツ庁スポーツ総括官)           齋藤 福栄君

   政府参考人

   (農林水産省生産局畜産部長)           大野 高志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小瀬 達之君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十五日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     務台 俊介君

  門山 宏哲君     神山 佐市君

  城内  実君     八木 哲也君

  谷川 とむ君     古田 圭一君

  階   猛君     緑川 貴士君

  黒岩 宇洋君     金子 恵美君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     門山 宏哲君

  古田 圭一君     谷川 とむ君

  務台 俊介君     鬼木  誠君

  八木 哲也君     城内  実君

  緑川 貴士君     階   猛君

  金子 恵美君     黒岩 宇洋君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 民法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)


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     ――――◇―――――

平口委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、民法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官徳永崇君、金融庁総務企画局審議官水口純君、消費者庁政策立案総括審議官井内正敏君、消費者庁審議官東出浩一君、消費者庁審議官福岡徹君、総務省大臣官房審議官境勉君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長辻裕教君、文部科学省大臣官房審議官神山修君、文部科学省大臣官房審議官下間康行君、スポーツ庁スポーツ総括官齋藤福栄君、農林水産省生産局畜産部長大野高志君及び経済産業省大臣官房審議官小瀬達之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平口委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局刑事局長安東章君及び家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。松田功君。

松田委員 立憲民主党の松田功でございます。皆さん、おはようございます。

 きょうは、トップバッターということで、元気いっぱい頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、民法改正で成年年齢を引き下げることに関して、消費者教育をより幅広く、若者の社会における意識や自立を高める教育などを議論してまいりました。本日も引き続き議論をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、前回も取り上げました平成二十一年の法制審議会の答申について、時間が少し足りずにお聞きできなかったので、その点をお尋ねしたいと思います。

 法制審の答申では、消費者保護施策の充実を求めております。今国会に提出されている消費者契約法の改正案は、さまざまな議論でありましたが、一部修正の上、昨日の本会議で可決されました。

 政府は、法制審の答申が求めている消費者保護施策の充実は今回の消費者契約法改正で十分と考えられているのでしょうか。御見解をお聞かせいただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 今国会に提出されております消費者契約法改正法案におきましては、不安をあおる告知、それから恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用に関する取消権を創設することとされておりますが、これらは二十歳代の若年者に多く見られる相談の情報等を分析し、その結果等を踏まえて立案されたものでございます。

 成年年齢を十八歳に引き下げ、十八歳、十九歳の者が未成年者取消権を行使することができなくなりますと、現在の二十歳代の若年者と同様の消費者被害に遭う可能性は否定することができないと考えられますが、二十歳代に見られる消費者被害のうち不当性の高い勧誘類型について対策を講ずることで、十八歳、十九歳の者の消費者被害の拡大を防止することができると考えております。

 また、政府としましては、これまで、消費者被害の拡大を防止するため、消費者教育の充実等を始めとする各種の環境整備の施策に取り組んできたところでございます。今般の消費者契約法の改正は、消費者教育等のほかの施策と相まって、十分な消費者被害への対策となるものと考えております。

松田委員 消費者保護改正案については、消費者保護の施策としては一歩前進とは思っておりますが、未成年者取消権の対象から外れる十八歳、十九歳を消費者被害から守るという点では少し、まだ足りない部分が多いというふうに思っておるところでございます。

 それでは、引き続きまして、成年年齢を引き下げる場合に、現在の未成年者の取消権に相当する強い若年消費者保護策が必要であると思います。消費者契約法の改正以外にも幾つかの法改正が必要であると、各方面から指摘もされております。

 そこで、以下、三つの法律などについて、政府の見解をお尋ねしたいと思います。

 まず、特定商取引法の強化についてでございます。消費者庁の方にお尋ねします。

 キャッチセールスなどの特定商取引や通信販売について、個々の消費者の知識、経験、財産状況を確認することを事業者に義務づけてみてはいかがでしょうか。また、若年者が行った契約は、クーリングオフ期間にかかわらず原則として取り消せるようにしてはいかがでしょうか。一方、マルチ商法などの連鎖販売取引については、十八歳、十九歳の若者に対する勧誘を全面的に禁止し、若者の契約は取り消せるようにすればいかがでしょうか。

 以上、お答えをいただければと思います。

東出政府参考人 お尋ねの特定商取引法でございますけれども、まず、消費者の知識、経験、財産の状況に照らして不適切と認められる勧誘行為というのは既に禁止をされております。それは若年者も含めてでございます。

 これに加えまして、取引の都度、事業者の方に取引相手となるであろう消費者の知識、経験、財産の状況を確認せよという義務を課すということといたしますと、事業者の方に相当の負担が生じるということがあろうと思われます。

 他方、消費者の方も、自分の財産の状況を初めて会う事業者に簡単に話すかというような話もありますので、遵法意識の高い事業者でありますと、法律をきちんと守れない可能性がある、そうすると、通信販売ですとか訪問販売としての商売をやめてしまおうということが懸念されるというのがございます。仮にそうなったといたしますと、残るのは、法律をちゃんと守らなくてもいいやと思っているような悪質事業者ということになりかねないというような問題があろうかというふうに考えております。

 それから、十八歳、十九歳についてはおよそ、取消権を残すということにつきましては、現在、クーリングオフというのが可能になっておりますので、そちらの方の周知を努めまして、そちらの方で対応ということがよろしいのではないかというふうに考えております。

 それから、十八歳、十九歳の若者に対するマルチ商法、連鎖販売取引の勧誘の禁止ということでございますけれども、こちらの方は、違法な連鎖販売取引で被害を受けているというような消費者というのは、若者だけに限りませんで、高齢者の方も相当の割合を占めるというような現状でございます。その中で、若者だけ連鎖販売への勧誘をしてはいけないということの理由づけというのをどうしたらいいかというようなことですとか、勧誘を禁止ということにいたしますと、刑事罰で担保をするということになろうかと思いますけれども、そうしますと、構成要件につきまして非常に厳格に決めるというようなことを十分に検討する必要があろう、いろいろ難しい問題があろうかというふうに考えております。

松田委員 御答弁いただきまして、難しいことがあるので質問させていただいたというふうに御理解いただければと思いますけれども、そういった状況の中で、悪いことをする人たちはいろいろなことを考えて、また、今、高齢者の方たちのことも少し考えた御回答もいただいておりますので、いろいろな形で今後も研究を続けていっていただければと思っているところであります。

 時間も進みますので、次にどんどん行きます。

 次に、クレジット契約に関する対策強化についてですが、割賦販売法について資力要件とその確認方法を厳格化すべきかと思いますが、いかがでしょうか。経済産業省の方にお尋ねします。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 割賦販売法では、契約者が過大なクレジット債務を負担することを防止するため、クレジット事業者に対して、与信審査に際しまして申込者がクレジット債務の支払いに充てることが可能と見込まれる額を調査することを義務づけ、その額を超えるクレジット契約を締結することを禁止しているところでございます。

 また、学生など未成年者に対しましては、クレジット事業者の業界団体であります一般社団法人日本クレジット協会の調査によりますと、多くのクレジット事業者において、クレジットの限度額を少額に設定する取組を自主的に行っているところでございます。

 議員御指摘の審査の厳格化等につきましては、クレジット利用に対する消費者のニーズ、あるいは消費者保護の観点を総合的に勘案して検討することが必要だというふうに考えてございます。

 いずれにいたしましても、経産省といたしましては、引き続き、クレジット事業者が割賦販売法に基づく義務を着実に履行するよう監督するとともに、若年層のクレジット取引におけるトラブルの発生状況を注視しまして、事業者の取組について指導していきたいというふうに考えてございます。

松田委員 続きまして、キャッシングに関する強化策について金融庁の方にお尋ねをしたいと思います。

 貸金業法について、資力要件とその確認方法の厳格化を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 同じく、キャッシングについて、貸金業法の適用を受けない銀行系の消費者ローンにも総量規制を導入するとともに、若年者への貸出しの厳格化を進めるべきではないでしょうか。お尋ねします。

水口政府参考人 お答えいたします。

 今、二点、御質問を賜りました。

 まず、貸金業者におけるキャッシングに関しましてでございますけれども、貸金業者によるいわゆる消費者向けローンにつきましては、貸金業法におきまして、資金需要者に対する過度な貸付けを未然に防止するという観点から、いわゆる総量規制、さらに顧客の返済能力調査の義務づけですとか、あと、契約内容の書面の交付義務などが規定されてございます。

 貸金業者がこのような貸金業法上の規定を厳正に遵守するということが、若年者に対する過大な貸付けを未然に防止する上でまず重要だというふうに考えてございまして、金融庁では、検査監督を通じて、貸金業者における法令遵守を日ごろから確認しておるところでございます。

 また、自主規制機関でございます日本貸金業協会ですが、協会員に対する監査等を通じまして法令遵守の実効性確保というのに取り組むとともに、貸金業者の中には、例えば若年者に対する貸付上限額を一定額に抑えたりですとか、勤務先への在籍確認によりまして返済能力調査を実施するなどの取組を行っている業者もございます。

 こうした状況を踏まえまして、まずはその協会や貸金業者による取組状況等をしっかり把握しまして、より一層それらを推進していくということが重要だと考えております。

 金融庁といたしましては、若年者がいずれにしても過大な債務を負うような事態が生じることがないよう、若年者へのさらなる啓発活動も含めまして関係省庁や日本貸金業協会等と連携しまして、今後とも適切に対処してまいりたいと考えてございます。

 次に、銀行カードローンについてのお尋ねがございました。

 委員御指摘のとおり、貸金業法上のいわゆる総量規制というのは貸金業者のみが対象となってございますけれども、銀行に対しては、監督指針におきまして、過剰な貸付防止のための審査体制の構築について、着眼点というのを記載させていただいております。

 いわゆるこの銀行カードローンにつきましては、低金利環境を背景に、近年、残高が増加しておりまして、過剰な貸付けが行われているといういろいろ御批判もございましたので、全国銀行協会が、昨年三月ですが、いわゆる申合せというのを行っておりまして、銀行業界として、業務運営の適正に向けた自主的な取組というのを進めておるところでございます。

 金融庁といたしましても、昨年九月以降、融資残高の多い銀行を中心に立入検査というのを実施しておりまして、改善に向けた取組を促すとともに、結果を中間取りまとめという形で本年一月二十六日に公表いたしました。検査立入り先以外の全ての銀行に対しましても、現在、実態調査を実施しておりまして、業界全体の業務運営の水準引上げというのを図る取組を進めてございます。

 このような行政上の対応によりまして業界全体の適切な業務運営の確立を図りたいということで、現時点では銀行を総量規制の対象とすることは考えておりません。

 しかし、その上で、成年年齢の引下げに関しましては、若年者に対する与信の提供ということで、例えば対面の契約の説明時ですとか電話による在籍確認、若しくは、契約内容に、より丁寧に説明を行う、さらに極度額の上限を設定するといったようなことにより、過剰な借入れとならないように配慮するような対応を今業界に促しているところでございます。

 成年年齢の引下げに当たりましては、引き続き業界とよく議論してまいりたいと考えてございます。

松田委員 ぜひ、引き続きしっかりと、また協議をしていっていただければというふうに思っております。

 それで、ちょっと時間の方も押しているので、事前に言っている五番、六番、七番の方をちょっと飛ばさせていただいて、教育の方の浸透についてちょっとお伺いをしたいと思います。八番の方へ行きたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、教育でございます。

 前回も申し上げましたように、私自身は、義務教育を終える十五歳には自立できる教育が身につくようにしていかなければいけないというふうに思っております。その意味で、十八歳に引き下げるとするならば、もう十五歳の中ではそういったものを自立する形でいて、さまざまな失敗や成功を繰り返して、きちっと成人に結びついていくような施策がとられていないと、非常にこれは危険が伴っているように思いますので、そういった形で御理解をいただければというふうに思っております。

 前回、キャリア教育などの御説明をいただきました。若者の社会的自立を促すキャリア教育とは今後どのように進められていくのか、お尋ねをしたいと思います。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでの学校教育におきましては、現行の学習指導要領に基づきまして、児童生徒が早い段階から社会生活の中でのみずからの役割、働くことへの職業意識の醸成に向けまして、小中高等学校を通じて、学習指導要領に基づき、職場見学、職場体験及びインターンシップなど、体験的な学習を効果的に活用しながら、各教科、総合的な学習の時間などの学校教育活動全体を通じて職業意識等を醸成するキャリア教育を推進してきたところでございます。

 その上で、今後のキャリア教育につきましては、児童生徒が学ぶことと自己の将来のつながりを見通しながら、社会的、職業的自立に向けて重要な基盤となる資質や能力を身につけていくことができますように、新たな学習指導要領におきまして、特別活動をかなめとしつつ、各教科等の特性に応じまして、教育課程全体を通じてキャリア教育の充実を図ることについて明示したところでございます。

 文部科学省といたしましては、この学習指導要領に基づいて、児童生徒一人一人の社会的、職業的自立に向けた、必要な基盤となる能力や態度を育てるキャリア教育のさらなる充実にしっかりと努めてまいりたいというふうに考えております。

松田委員 力強くお答えをいただきました。

 そんな中で、キャリア教育の充実を進めていく新しい学習指導要領のスケジュールについて、文部科学省の資料を配らせていただきました。それによると、小学校で三十二年、中学校で三十三年、高校で平成三十四年から行うということなんですね。一方、民法の成年年齢引下げは、平成三十四年に施行されるというふうに書かれております。それに向けて若者の自立を高める点では、全く間に合わないように思われます。

 そういった意味で、質問に入ります。

 消費者教育や若者の社会における認識や自立を高める教育は、若者の身になって、実になるように進めておられると思いますが、どのように行われているのか、御説明をいただきたいと思います。

神山政府参考人 お答え申し上げます。

 成年年齢の引下げに向けた環境整備の一環といたしまして、特に実社会に生きる形で消費者教育や若者の社会に対する意識を高め、その自立を支援していくことは、大変重要な課題と認識しておるところでございます。

 文部科学省では、学校で学ぶ知識や技能が実社会において生きて働くものとなるよう、例えば、現実の社会的事象の中からみずから課題を見出し解決していく学習活動などを重視しているところでございます。

 御指摘のあった消費者教育につきましては、消費生活相談員や弁護士などの実務経験者を外部講師として活用していただくことにより具体的な実践事例を紹介してもらったり、消費者庁作成の教材「社会への扉」などを活用し、身近な暮らしの中に契約が存在することを気づかせることなどによりまして、習得した知識をみずから主体的に判断し、適切な行動に結びつけることができる実践的な能力を育むことが重要であると考えています。

 また、若者の自立支援等に関する取組といたしましては、先ほど答弁がございましたキャリア教育の推進に加え、総務省、法務省等と連携した副教材の作成、配付などによる主権者教育や法教育の充実などを行っているところでございまして、例えば主権者教育につきましては、選挙管理委員会などの関係諸機関などと連携、協働した出前授業や模擬選挙等の実施を促しているところです。

 文部科学省といたしましては、成年年齢の引下げも見据え、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、実社会に生きる形での消費者教育や若者の自立に向けた教育の推進に努めてまいります。

松田委員 御質問すれば、過去からやっている形のお答えをいただくとは思うんですね。

 消費者教育はもう既に行っている中であります。そんな中で、今度、自立や意識を高めていくとか、そういうことを始めていく、実はこれが一番重要なんですよね。消費者教育自体は、こういうことに対してこういう対処をしましょう、こうやっていきましょう、そういうことにはひっかからないようにしましょう。ただ、一番の問題は、そこの判断能力が重要なんですね。相談に行くのも判断ですから。ひっかかっていて、全然、相談に行けばよかったのにという、そのときには気づかないんですよ。そうすると、仲間が、おまえ、ひっかかっているんじゃないのとか、助け合ったりとか、そういったことも実は学ぶ。みんなで助け合うとか、そういったことを多分文科省も考えながらやられていくと思います。

 そういった意味では、残念ながら、学習指導要領の年月に合わせていると、この成人年齢とは合わないんですね、日程的に見ても。三十四年で始まっていく部分もありますから。

 私が言いたいのは、消費者教育だけでなくて、計画を立てたり、自分で自立をするとか、そういったことがあって消費者教育というふうな。逆になっちゃっているんだよね。そこをしっかりと御理解をいただいた中、そうでないと、この間のあのアメフトのことを言いました。選手が出たいから、監督が、もしそれをやったら出してもらえるぞという思いの中でやったのかどうかとか、今言っています。インタビューを受けてもどれが本当なのかわからない。間違いなく、子供がそう判断したことが事実出ている、当たりに行って。記者会見を見たりとかしていたときに、もう一番がっかりしているのはやられた子です。教育現場。そんな中の大会や何かでいろんなの。

 だから、そういったことで、本当に教育の重要性というのは、自主的判断をしっかりできるような、仮にコーチや監督が何か言っても、それは違うとか、あと仲間が助け合えるような、そんなことはするんじゃないと言うことも含めて助け合う。ですから、これは、そういったことも含めた中の教育を先にやらないと、本来のものにならないんです。ですから、この辺のことをしっかり御認識いただいた中で、ぜひまた議論をさせていただきたいと思っているところであります。

 次の質問に入ります。

 消費者教育と消費者被害についてお尋ねをします。

 前回詳しく御説明いただいたように、今までのさまざまな消費者教育を行ってきたことで、それはそうなんだろうと思います。でも、それにかかわらず、今の二十代前半の若者の消費者被害は減っておりません。二十を境目として、消費者被害が急増することは変わっていません。前回のグラフで見ますように、最近の変化を見ても、二十代の消費者被害は横ばいにとどまっています。消費者教育が進んでいるならば、少なくとも減少傾向になっていいのではないのかと思いますが、その点について改めてお尋ねをします。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 二十歳代の千人当たりの消費生活相談件数を見ますと、長期的に減少傾向にある中、ここ数年間は横ばいの傾向にありますが、全国の消費生活センターと国民生活センターに寄せられました相談の件数をあらわす消費生活相談件数の中には、適切な相談を経て被害の未然防止や回復が図られた案件も含まれてございます。

 また、消費者被害に遭った場合には、適切に救済を求め得る消費者を育成することも消費者教育の目標の一つでございまして、消費者庁が作成しました消費者教育教材「社会への扉」におきましても、学習の目標として、消費生活センターを活用できるようになることを挙げているところでございます。

 いずれにいたしましても、消費者教育の充実を図るため、消費者庁といたしましては、実践的な消費者教育の授業が全国都道府県の全高校等で実施されることを目指しまして、関係省庁で緊密に連携してまいります。

松田委員 相談センターの相談は、自分で自覚して行く人もいるから対策もできたというような話もあると思います。しかしながら、やはり犯罪の、事件的なものの数は、二十代は多いということは御認識されているとは思うんですよね。

 そういった中で、今の消費者教育に対するもの、いろいろなものに対してまだまだ足りない部分が非常に、消費者教育というか、きちっとして自立していく部分、先ほど言ったように後先が逆になっているという面もありますからね、そういったことで、そこら辺がまだ図られていないように思われますが、その辺について、政府としての御見解を、大臣の方にお尋ねしたいと思います。

上川国務大臣 委員から累次にわたりまして、子供たちの、十五歳という、一つの考え方ということで、自立をしていくための教育について充実すべきだというお考えのもとでの御質問がございました。

 一連の御質問に対して今まで答弁をしたとおりでございまして、政府といたしましては、消費者被害の拡大、これを防止するということは極めて大事だというふうに思っております。

 これまでの取組につきましては、学習指導要領の改訂による消費者教育の充実、また消費者相談窓口の充実、周知、また、そのことを推進していくための施策につきましても累次の整備をしてきたところでございます。

 先ほど、委員からの御質問の中で、消費生活相談件数が横ばいとなっていて、その効果がなかなか上がっていないのではないかという御指摘もございましたけれども、これにつきましては、相談件数、つまりアクセスポイントがあって相談をしてくるということ自体がふえているということも事実でございます。

 その中には、被害の未然防止、また回復、こうしたことが図られた案件もあるということでございまして、そうした数字につきましても十分に分析をしながら、施策のさらなる重みづけとか、あるいはその展開についても努力をしてまいりたいというふうに思っております。

 政府といたしましては、消費者の基本法、ここに定められたまさに消費者の権利ということにつきまして、特に消費者教育を受ける機会が広範に及ぶということが重要であるというふうに考えておりまして、年齢そのものにつきましても、小中高と段階を踏んでというところについては実施され、その効果は一定程度上がってきているというふうに認識をしております。

 さらに、今後三年間、集中強化期間といたしまして、消費者教育教材として「社会への扉」、この活用した実践型の授業、こうしたものの実施を、全都道府県の全高校に配付をしながら、さらに、消費者教育コーディネーター、こうしたことにつきましても全都道府県に配置するということを予定しておりまして、消費者教育の実践的な実施ということを目指すことによりまして大きな効果が上がっていくものと考えております。

 これらの施策によって消費者教育の効果を一層浸透させることによりまして、委員御指摘の懸念、消費者被害の拡大、こういったことについて防止すべく全力で努力をしてまいりたいというふうに思っております。

松田委員 済みません、最後に、まだまだ実は教育的には追いついていない部分が多くあることは御認識いただいていると思います。

 今回、成年年齢の引下げについて、十八歳、十九歳の被害が拡大すること自体は必至であります。それが問題となっていくことが見えてきますので、今回の引下げに当たり、そこまでしなければいけないプラスやまたメリット自体が、成年年齢の引下げの今回に対してのものは何があるのかということを、最後に大臣の方からお聞きしたいと思います。

平口委員長 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

上川国務大臣 大変重要な御指摘を随時いただきまして、それぞれの施策に反映していくべく最大限の努力をしていくことを改めて申し上げたいと思います。

 メリット、デメリットということでございますけれども、民法の成年年齢の引下げにつきましては、十八歳、十九歳の若者をいわば一人前の大人として扱うということを意味するものでございます。

 こうした取扱いにつきましては、若年者の自己決定権を尊重するというものでございまして、本人にとりまして大変大きなメリットになるというふうに考えられるわけでございます。さらに、若者たちの積極的な社会参加を促し、一人前の大人としての自覚を高めるという意義もあろうかと思います。

 しかし、同時に、成年年齢の引下げによりまして、御指摘のとおり、消費者被害が拡大するおそれがあるという御指摘がなされているということも事実でございます。そして、そのような事態になれば、これは成年年齢の引下げのデメリットということでございますので、まさにこのデメリットの防止ということについて、これからもまた更に充実強化を図るべく全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

松田委員 ありがとうございました。

 これで終わります。

平口委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 立憲民主党の山尾志桜里です。

 高木厚労副大臣にもお越しをいただきました。

 きょうは、高木厚労副大臣には、児童養護施設の入所年齢とこの成年、未成年の概念についてお伺いをしようと思っております。本当は先に質問しようと思ったんですけれども、ちょっと、この間のこの成年引下げをめぐる法務委員会の議論と単親、一人親家庭の養育費との論理的な関係を、少し法務省との質問を先行させていただいた上で、パラレルなところがあると思いますので、副大臣にはお伺いしたいと思います。

 法務大臣に、この間の法務委員会の議論や参考人の質疑を通じて私が感じていることを少し申し上げたいと思うんですね。

 ちょっと、今のメリット、デメリットは、少し教科書的なお話かなというふうに思いました。

 今回、この成年年齢の引下げに当たって、私の個人的な感想で言うと、与党の皆さんも、もろ手を挙げて賛成して、積極的にやろうという感じでもない、野党の我々も、最初から何が何でも反対という向きでもなかった。

 そこにやはりギャップがあったのは、多分、この委員会や多くの世論も、大人としてのスタートラインを二十から十八に引き下げようという意味では、まあいいかなと賛成の気持ちがありながら、それを実現する今の手段として、取消権をなくすとか、あるいは包括的に親権から引き離すとか、そういう手段については必ずしも今適切だというふうに思っていないのかなと。

 成年年齢の引下げという今回の閣法の題名と、それを実現するための中身の内容とのこのギャップが、この法務委員会のこの間の質疑の温度というか、そしてまた国民世論もなかなかついてきていないということになるんだろうというふうに感じたんですね。

 私、この前、参考人で実践女子大の広井先生という方に来ていただきました。この方がおっしゃったのは、成年、未成年というのを二元論で捉えるべきではないと。

 未成年から成年のいわゆる端境期、今回でいえば十八歳、十九歳がそこに当たるのかもしれませんけれども、そういった若者については、今大臣は一人前の大人として扱うとおっしゃいましたけれども、それをあえて共通項を見出すために引くなら、一人前の大人のスタートラインに立たせるのであって、完成された一人前の大人として権利を与え義務を奪う、そういうものではないんだろうと。

 そういう端境期の若者に対しては、むしろ、権利を与え、そしてきちっと社会が支えながら、自覚を促し、段階的に義務や責任というものを認識していただく。こういう、二元論ではなくて、多元的な、すごく段階的なグラデーションの社会の支えが必要なのではないかと。

 この問題提起は、私は、非常に大事な問題提起で、もし安倍政権が根本的にこういう考えに立って、この成年年齢やそれに伴うさまざまな問題の解決を実現していただくなら、スタートラインを下げること自体は、私は必ずしも反対ではないんです。

 そういう考え方を先に申し上げて、少し個別の質問でまた問うていきたいと思います。

 まず、私は、今回の引下げに当たって三点申し上げてまいりました。

 片親家庭、単親家庭の養育費の支払いが十八に事実上早まることで、そういった子供たちに不利益を与えてはならない。あるいは、児童養護施設で暮らす子供たちが事実上その施設にいられる期間が短くなるような不利益を与えてはならない、この点でございます。

 まず、前半のことについてお伺いをします。民事局長に伺いましょうか、先に。

 ずっと課題になっていた、既に、成年に達するまで支払うようという合意がなされている家庭の養育費について、例えば、意地悪な弁護人にもし自分が、私がなってみるとすると、支払いを中止する側の代理人であれば、こういうふうに言うこともあると思うんですよ。当事者の当時の合意の趣旨は、社会的に成年として、一人前の大人として扱われる年齢まで、こういう趣旨であったからこそ二十までとは書かずに成年までというふうに書いたんですよと。こういう主張というのはあり得ると思うんですね。もし年齢や大学進学とか、そういう子供の実態的なことで考えるのであれば年齢で書いたんです、そうじゃなくて、社会的に一人前の大人として扱われる年までは養育費を支払おう、こういうお互いの趣旨だったじゃないですかと。

 ある意味、こういう主張を完全に排斥するということは可能なんでしょうか。民事局長に伺います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 例えば、子が成年に達する日が属する月まで毎月幾らを支払う、こういったような合意や審判が存在する場合に、この法律案の施行後に、これらの合意の、あるいは審判の効力について当事者間で争いが生じたとき、こういった場合には、最終的には裁判所の判断に委ねられるようなことになるわけでございますが、一般的には、成年年齢の引下げが、既にされている養育費に関する合意や審判に影響を及ぼすことはないと考えております。

 もちろん、そういう御主張といいますものがあり得るとは思いますけれども、当時の合意の解釈ということになりますと、やはり当時の合意の状況、合意がされたときの状況などを総合的に考慮して判断されるべきものだと思います。

 そうしますと、やはり、そのときの成年というのは二十であったという事実ですとか、そのときにおける子供の状況あるいは今後の子供の将来がどうなるかといったような状況、そういうことを踏まえて合意をしたものであるということになりますれば、やはり、合意の解釈におきましても、そういったことをベースに一般的には判断されるのではないかと思われますので、従来から申し上げておりますとおり、そういった合意が既にされている場合には、やはりその当時の成年年齢というものを前提に合意したというふうに通常は考えられるのではないかというふうに思っております。

山尾委員 最低限その答弁を維持していただくことは大事なんですけれども、私が危惧するのは、結局、最終的には、法務省は裁判所の判断に委ねる、そして裁判所の判断というのは常に個々の裁判官の判断に委ねられるという点なんですね。

 一般的には今おっしゃったような解釈がされるかもしれないけれども、結局は、個々の裁判官の判断によっては、一般的でない判断がなされるリスクがある。そのリスクをそういった子供に転嫁をしていいのだろうか、こういう問題意識であります。

 例えば、平均的な一人親家庭の十八歳の子供が、十八、十九と二年間、養育費の支払いを受けられるかどうかということについて、大体この二年間で幾らぐらい、平均的な家庭というのはすごく難しいですけれども、例えば、平均的な一人親家庭で、二年間でどれぐらいのお金がストップされたりあるいは支払われたりというような、何か推計はされましたか、法務省が今回この閣法を提案するに当たって。

小野瀬政府参考人 具体的な養育費の支払い状況、支払い額の平均額等のデータにつきましては、申しわけございませんが、ただいまちょっと手元にはございません。

山尾委員 それは検討はされましたか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたとおり、過去の養育費の合意についてどのような問題が生じ得るか、あるいは養育費が今後どういったような定めになっていくのか、こういったような養育費の定めにつきましては検討しております。

 ただ、それは、ある意味では、養育費の額いかんにかかわらず出てくる問題でございまして、成年年齢の引下げに当たりまして出てくる問題といたしましては、そういったような、先ほど申し上げましたような論点について検討をしたということでございます。

山尾委員 恐らく、平均的な一人親家庭というのは想定自体が必ずしも容易でないのはわかるんですけれども、やはり少し具体的に、十八で支払う側からストップされたときに、その子は何を考えるのか、どういう金額を頭に浮かべるのか、それによって専門学校や大学の進学をどのように断念したり、あるいはそれでも行きたいと思ったりするのかということを考えていただきたいんですね。

 私自身は、東京家裁とか大阪家裁で使われている、いわゆる月額養育費の算定表というものを取り寄せまして、例えばなんです、支払う側の年収が三百五十万円ぐらい、支払いを受ける側の年収が百万円ぐらいという場合に、十八歳、十九歳の子供一人当たりの月額養育費というのが大体、縦軸、横軸で算出をされます。こういう場合では、大体月に四万円から六万円。なので、専門学校とか大学進学の節目の時期の十八歳、十九歳という二年間で仮にストップしたというときに、この二年で九十六万円から百四十四万円ぐらいの養育費がストップするのか、あるいは予定どおり払われるのか、こういう課題に直面をするわけですね。

 そして、前回の参考人の、前々回かな、お話では、これは、支払いを受ける側が弁護士費用を場合によっては負担をし、調停を申し立てたり、それでだめなら裁判を申し立てたり、そして名義をいただいた強制執行をかけたりということで負担をするわけですよね。

 そう考えていくと、本当に、十八歳の、例えば高校三年生の立場に立って、一旦ストップしたというときに、まず、そういった弁護士費用なんかを自分の持ち出しで調停や裁判をやらなければならない、場合によっては一年ぐらいかかる、そして、その間に必ずしも支払われるわけではもちろんない。そうすると、では、その間に生活費あるいは入学費、その間の大学の学費、専門学校の学費、こういったものが払えない、しかも、あえて言えば、裁判で勝てるかどうかは現時点ではわからないという状況のときに、その子はどうするんだろうかということなんですね。

 泣き寝入りをすることもある、泣き寝入りというか、もうそこまでしてはいいや、二年間だけだと思うかもしれないし、歯を食いしばって、何とかそういった手段に出て頑張るということもあるかもしれない。ですけれども、そういう手段に出ても、もしかしたら裁判官によっては必ずしも支払われないかもわからない。これだけのリスクを一人親家庭の子供に負わせる具体的な危険が数々指摘されている、この成年年齢の引下げだということなんですね。

 裁判所にお伺いをいたします。

 前回、本来であれば、養育費の支払いというのは、成年になったかどうかではなくて子供が成熟したかどうか、これを物差しに考えられるべきなのに、裁判所の養育費の申立ての書式には未成年と書いてあるので、それを改めていただきたいというお願いをしました。検討状況はいかになっていますか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘ございましたとおり、最高裁判所が作成、用意しております養育費等請求の申立ての定型書式には、「申立人」及び「相手方」のほか「未成年者」の記載欄を設けておりまして、これは前回も申し上げたところですが、一般的には、未成年者であれば未成熟で経済的に自立することを期待することができないことが多いと思われることによるものではございます。

 前回の御指摘もいただきましたところでありまして、養育費請求等の申立書の定型書式に「未成年者」という記載欄がある部分を改訂する必要があるかにつきましては、先日の御指摘いただいた点、あるいは本改正法案についての国会でのこの御議論、また、先日の御指摘にも含まれていたかと思いますけれども、実務上の御指摘等があるかと思いますので、これらを踏まえまして、必要な検討をしてまいりたいというふうに思っております。

 先日御指摘を受けたばかりというところでもございますので、これから検討してまいるというところでございます。

山尾委員 一般的には、未成年者であれば未成熟であってというのは一つの理なんですけれども、わかっていらっしゃると思いますが、では成年者であれば成熟者かというと、そうではないということを裏返してはおっしゃったんだというふうに私は受けとめます。

 その上で、前回は、書式を改訂する必要があるかどうかを注視してまいりたいというお話だったんですけれども、一週間たって、必要な検討をしてまいりたいというふうに一歩前進をしていただいたのは、私は、裁判所という大変きちっとかたい答弁をする役所ですから、一歩前進、大きな前進だと思います。

 ただ、今ここで申し上げたいのは、今現時点でも、そういう離婚を前提に養育費の話合いをしている家庭というのはたくさんあるわけですね。このときに、私たちは必ずしも賛成をしませんけれども、この成人年齢が成立したときまでに、私は、ぜひ政治の側、そして裁判所の側から、成年年齢は必ずしも養育費の支払いに直結しないよ、養育費の問題というのは成熟かどうかなんですよということをしっかり世に伝える必要があると思うんです。

 そうでないと、世の中の人は、あ、成人年齢引き下がったんだなということだけ受け取るわけですね。そうすると、今話合いをしている夫婦間でも、十八に引き下がるんだから十八までだよねと支払う側は言うかもしれないし、いや、それでは困るな、大学に行かせたいんだし、やはり二十、できれば二十二までと思っている人も、不都合にその根拠を失うというようなね。その一回の決め事というのは、やはりその家庭の子供の人生を左右するんですね、十八までなのか、あるいは二十や二十二までなのかと。

 なので、私は、この法律が成立するときまでに、裁判所には、ここは頑張りどころだということで、ぜひこの書式の改訂というのをやっていただきたいということを改めてお伺いをしたいと思います。どうでしょうか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 いつまでに検討を終えて所要の措置ができるかということにつきましては、まだどのような点を検討すべきかというところも検討の緒につくという段階ですので、いつまでというのを確定的に申し上げることは難しいかというふうに思いますけれども、仮に本法案が成立した後も施行までの期間というのもございますし、必要な検討はしてまいりたいというふうに思っております。

山尾委員 ぜひ、一つの大事な期限だという認識をこの機会に持っていただければと切にお願いをしたいと思います。

 そして、改めて高木厚労副大臣に、今の議論とパラレルなところがあるんですけれども、先日、児童養護施設の入所上限年齢が延長しても二十となっている根拠について、役所にお伺いをしました。そうしましたら、答弁としては、成年年齢も根拠としては考慮されている、こういう御答弁がございました。

 私の問題意識は、私は、この養護施設の入所という問題も、成年だから出ていく、未成年までは預かる、そういうことではなくて、実際に成熟して自立できる域に達したかどうか、これが本来あるべき根拠だと思うし、ましてや、やはり、そういった施設に育まれている子供たちは、そうでない子供たちよりも厳しい状況に置かれがちなわけですよね、自立に関して。

 そうであれば、私はやはり、入所上限年齢の根拠について成年年齢を入れるという方向性を改めていただきたいと思いますし、そしてまた、今回成年年齢が下がっても、この上限年齢は変わらないということを明確にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

高木副大臣 お答えいたします。

 先日の審議におきまして、当省の政府参考人から答弁申し上げましたとおり、児童養護施設につきまして、児童福祉法に定められた入所できる年齢や、また、予算事業におきまして、退所後も引き続き自立支援のため児童養護施設に居住できることとする年齢につきましては、今回の成年年齢見直しに際しても、対象となる方々への支援の必要性を考慮し、いずれも現行の要件を維持することとしております。

 今般の法案が成立した場合には、現場の懸念が生じないように、こうした取扱いについての周知を図りまして、今後とも、社会的養護を必要とする全ての方が支援を受けられるよう、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

 先ほど委員から、成年年齢を根拠としてというその根拠を変えてはいかがかという御提案かと思いますが、こうしたことを一つの節目といたしまして、ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、引き続き自立支援のために必要な支援があれば児童養護施設に居住できることとするという、そのような幅を持った形で、それぞれの状況に応じて対応するという柔軟性を持たせているものと考えております。

山尾委員 せっかくいただいた答弁ですので。

 そうしますと、入所上限年齢の根拠について成年という根拠を外すことについては、これを機会に検討いただけると伺ってよろしいですか。

高木副大臣 恐れ入ります。

 まず最初の、児童養護施設に入所できる年齢につきましては、児童福祉法におきまして、原則十八歳というふうに既にしております。

 また、申し上げました、退所後も引き続き自立支援のため児童養護施設に居住できることとする年齢につきましては、これは既に、予算事業として平成二十九年度からスタートをしているものでございます。

山尾委員 その、入所が解除された後の自立支援事業については二十二歳まで、あるいは更に幅を持ってということを変えないという御答弁は、前回も伺いましたし、今副大臣にも御答弁をいただきました。それはそれで大事なことだと思います。

 私が今聞いているのは、そうではなくて、いわゆる施設に入れる年齢について、原則十八、でも延長して二十と今なっております。その二十という上限年齢について、成年年齢が根拠になっているという御答弁があったものですから、そうではなくて、これを機に、二十まで延期できるというその二十の数字の根拠から成年という根拠を外すことを検討していただきたい、そしてまた、成年年齢が引き下がっても、二十というこの延長可能な上限年齢については動かさないという御答弁をはっきりいただきたいということであります。

高木副大臣 先ほど来申し上げておりますように、既に児童福祉法では原則十八歳としております。その意味では、今、予算事業におきまして昨年度からスタートしておりますので、その実情をよく勘案をしながら考えていきたいと思っております。

 ただ、今の段階では、そうした必要性というのは認識はしておりません。

山尾委員 ごめんなさい、その必要性というのは何の必要性ですか。

高木副大臣 今、柔軟に、成年年齢二十、これが一つ根拠というお話でございますけれども、これを改めて、今すぐに見直す必要があるのかどうか、今実態上できることにしておりますので。

 今、反対に、十八歳というところが児童福祉法に明記されております。したがいまして、予算事業におきまして、居住できることとする年齢、これがどのぐらいの幅が必要なのか、そうしたことも含めて、先ほど来委員がおっしゃっているように、本人の状況に応じて考えていくべきではないか、まさにその実態に応じて考えたいと思っております。

山尾委員 実態に応じてというところをいただきましたので、きょうの議論はここまでにしたいというふうに思います。

 残り時間あとわずかになりましたので、もう一つ、消費者契約法について伺います。

 これはちょっと法務大臣に伺いたいと思いますが、消費者契約改正法が特別委員会を衆議院では通りました。このときに、若年消費者保護に向けた附帯決議がついたんですね。附帯決議、お手元にお持ちでしょうか。持っておられますか。(上川国務大臣「読みました」と呼ぶ)読みました、はい。

 その附帯決議なんですけれども、私の質問は、この附帯決議、もし見ていただければ、とりわけ二と三と四なんですけれども、ごめんなさいね、資料で配付するべきでした、二と三と四なんですけれども、この二と三と四、今説明しますが、これについては、やはり若年消費者保護のために、成年年齢が引き下がる施行日までに実現すべき課題だとお考えでしょうかという質問です。

 ごめんなさい、副大臣、退席していただいて結構です。失礼しました。

 二については、例えば取り消せなくなって、解除に伴うキャンセル料についての立証責任の負担軽減。三番のところは、これは、今回、デート商法とか、かなり絞られてしまいましたが、より多様なつけ込み型商法についても取り消せるようにすること。四番目は、事業者側の情報提供の内容に、例えば消費者の生活とかあるいは経済的な状況とか、こういうものも含めるようにしなさいということ。

 これが特別委員会の附帯決議で、与党、野党ともにつけた課題なんですけれども、私は、この三点は、実際十八に引き下がる前までに、やはり若年消費者保護のために実現すべき課題だと思っているのですが、その認識について伺います。

上川国務大臣 消費者契約法の一部を改正する法律案に対する附帯決議、二、三、四、いずれも大変重要な御指摘であるというふうに思っております。

 これは、消費者庁におきまして法制化へ向けた検討が続けられるものというふうに承知をしておりますけれども、法務省といたしましても、こうした検討にしっかりと協力してまいりたいというふうに思っております。

山尾委員 特に四については年限がついておりませんが、二、三、四ともに、実際に引下げが仮に施行されるとしたら、せめてそのときまでに実現するということが不可欠だと思いますので、しっかりとお願いしたいと思います。

 以上です。

平口委員長 次に、階猛君。

階委員 この成年年齢の引下げについて、きょう、私、三回目、質問させていただくことになりました。

 前回の政府参考人の答弁におきまして、私は、これまで消費者被害の拡大を防止するための取組や若年者の自立支援のための取組は相応の効果を上げてきたということの根拠を尋ねたわけですけれども、環境整備のための施策を実施しているので相応の効果が上がってきたと判断するというような答弁でした。私は、それは納得できないと。インプットとアウトカムというのは、これは別物だというのが政策評価する上での常識中の常識です。

 改めて法務大臣に聞きますけれども、一般論として、成年年齢引下げの環境整備のための施策を実施したからといって、その効果が上がるということは必ずしも言えないのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

上川国務大臣 環境整備の重要性につきましては、この成年年齢引下げの大変重要な要素ということでございまして、その実現のために、自立のための施策あるいは消費者教育のための施策、これを総合的に取り組んでいく、こうしたことについてこの間努力をしてきたところでございます。

 代表的なものといたしまして、学習指導要領の改訂及びこれに基づく教育の実施が挙げられます。消費者教育を受ける機会が与えられること、これは消費者基本法にも定められた消費者の権利でございます。そして、そうした教育を受ける機会が与えられることにつきましては、その結果として消費者被害に遭わないということにとって極めて重要であるというふうに考えております。

 今、改訂後の学習指導要領に基づく教育が、既に全国の、教育機関でいきますと小、中、高等学校、その段階に応じてさまざまな施策をとってきたわけでございますが、その意味で、一定の効果が上がってきているというふうに考えております。

 これらの施策の中には、若年者に対して直接的な働きかけを行うというものが多く含まれていること等も考えれば、環境整備の施策につきましては着実に効果を上げてきたと判断することができるのではないかというふうに考えております。

階委員 ちゃんといい施策を実施しているから効果が上がっているというふうにおっしゃるわけですけれども、それはあくまで推認しているにすぎないわけでありまして、それがちゃんと証拠としてあらわれているかどうかということで、私は、例えば、消費者被害の拡大を防止するための施策の効果を定量的に検証する手段として、十八歳から二十二歳の消費者相談の件数を見るべきではないかと考えております。

 きょうお配りしている資料にはそのことも加えておりますけれども、この点について、参考人、私の一回目の質疑のときでもこのような数字に触れたかと思うんですが、いかがでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、民法の成年年齢を十八歳に引き下げた場合に、消費者被害の拡大を防止するための施策の効果があらわれているかどうかを判断する指標として、十八歳から二十二歳までの若年者の消費者相談の件数を分析することは一つの指標であるというふうに思っております。

 もっとも、消費生活センター等に寄せられた消費生活相談件数の中には、適切な相談を経て被害の未然防止や回復が図られた案件も含まれておりまして、むしろ、相談件数がふえることは、消費者教育が浸透したことによって消費者意識が高まった結果である、こういったような側面もあるのではないかというふうに考えられます。

階委員 問題は、きょう配らせていただいている資料でもおわかりのとおり、傾向的に見て、二〇一七年は八月末までの数字なので、これはちょっと参考にはできないんですけれども、二〇一六年まで見ますと、十八から十九歳がグレーの部分、そしてぽつぽつになっているのが二十歳から二十二歳ということで、そんなに傾向として減っているようには見えません。そして、未成年者取消権がなくなった二十歳になるとこれが激増しているということでありまして、これを見ますと、まだ効果が十分に発揮されているとは言えないのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

上川国務大臣 ただいま民事局長からの答弁にありましたように、この国民生活センター等に寄せられる消費生活に関する相談件数を一つの指標にしていくということについては、そのことについては一つの見識だというふうに思います。こうしたものからどういうものを読み込むかということだというふうに思います。

 先ほども答弁の中でもあったわけでございますが、この相談件数につきましては、全国の消費生活センターまた国民生活センターに寄せられるわけでございます。アクセスするポイントをこれからも全国に更に細かく展開することによって、被害に遭わないような未然の防止のためにも、できるだけ、疑問があったり困ったことがあったらすぐに相談ができるような、こうした身近感の中で取り組んでいく必要があるというふうに思っているところでもございまして、そうなりますと相談件数が上がるということにもなるわけでございます。

 そして、その意味で、今、ポイントとしては、十八歳―二十二歳という、いわゆる一人前の大人というような幅があるわけでありますが、そこのところが狙い撃ちされるというケースがあるということでありまして、まさにそこのところに更に大きな課題があるということでございますので、そのための施策については、今のような傾向も踏まえてしっかりと対応をしていく必要があろうかというふうに思っております。

 これからの施策、重点的な施策の取組におきましても、消費者教育のより一層の充実、制度の整備、また消費生活相談窓口の充実、周知を徹底して、そのことによりまして被害拡大の未然防止、これは全般的なものと同時に、この年齢層に特に狙い撃ちをされた消費者問題があるわけでございますので、そこについては、今まで取り組んできたことをしっかりと評価しながら、成果をしっかり出していきたいというふうに思います。

階委員 二十になった瞬間に件数が激増しているということは、これはもう自明だと思いますね。

 アクセスポイントがふえたから相談の絶対件数がふえる、そのことは確かにあると思うんですが、一方で、アクセス件数がいかなるものであるにせよ、この二十歳未満と二十歳以降のところで激増している部分というのは、やはりいかに未成年者取消権が寄与しているかということは明らかだと思うんです。この未成年者取消権を十八歳、十九歳から奪ってしまうことによってやはり大きな弊害があるということは、今の施策の効果をもってしても言えるということはしっかり認識していただく必要があると思います。

 一方で、施策の効果が上がっているとおっしゃいますけれども、それは、実施しているということをもって効果が上がっているとさっきから言っているわけでありまして、これでは論証が不十分ではないかと思っています。

 私の申し上げていることは御理解いただけると思いますけれども、もし効果が上がっているとするのであれば、アクセスポイントがどうこうとかじゃなくて、ちゃんと二十になったときの相談件数がそれまでとは変わらなくなっていますよ、そんなことを言っていただけると説得力が増すのではないかと思いますけれども、もしこの点についてコメントがあればお願いします。

上川国務大臣 お出しいただきましたこのデータにつきましては、十八歳―十九歳と、二十―二十二歳の平均値ということでございますけれども、ここに大きな差があるということは、そこに、今委員御指摘のような未成年者の取消権が認められているという要素もあろうかというふうに思います。いろいろな分析があろうかと思いますが、明らかにここのところについては大きく、しっかりとここのところに着目をするということが必要である、私も同じ問題意識を持っているところでございます。

階委員 そういう意味では、まだまだ効果は不十分だと私は考えます。

 それから、黒岩さんの質疑の中で、私は、大臣の答弁で、十分な判断力が十八歳でもある、消費者被害に遭わないだけの判断力はあるといったようなことをおっしゃっていたのが気になりました。

 五点目の、大臣に対する質問に移りますけれども、消費者被害に遭わないだけの判断能力を有するのであれば、飲酒や喫煙で自分の健康あるいは素行を害さないぐらいの判断力は当然有しているのではないか。

 十八歳、十九歳に飲酒、喫煙は認めないということなんですけれども、私は、むしろ、消費者被害に遭わない判断力を持っているぐらいだったら、飲酒、喫煙で健康や素行を害さない判断力は当然持っているべきだと思って、そこは何かつじつまが合わないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

上川国務大臣 まさに、この成年年齢の引下げ、二十から十八歳に引き下げるということ、そして、引下げに伴って若者の自己決定権を尊重するということ、このことにつきましては大変重要なことであるというふうに思っております。

 特に、十八歳という年齢につきましては、進学また就職、人生の節目に直面するということでございますので、みずからの意思で人生の方向性を選択することができる、また、しっかりとした支援をしながらその環境を整えていくということに大きな意義があるというふうに思っております。

 これに対しまして、御質問がかねてよりございました、未成年者の飲酒禁止法及び未成年者の喫煙禁止法、これにおきまして、二十未満の者に対して飲酒及び喫煙を禁止している趣旨につきましては、健康被害防止そして非行防止ということの二点にあると承知をしているわけでありますが、飲酒、喫煙の開始年齢を引き下げることにつきましては、成年年齢の引下げのような積極的な意義は特段論じられていないように思われるところでございます。

 引下げに伴いまして、飲酒、喫煙の開始年齢をこれに連動させるという必要はないのではないかというふうに考えているところでございます。

階委員 先ほどの施策の、もう一方で若年者の自立を促すような施策も実施することとなっているわけですけれども、むしろこの点では、飲酒や喫煙は認めないということで、自立とは逆行しているような気もします。

 そういったことなども踏まえてのことでしょうか、先般、参考人の意見の中で、若者にとって直接のメリットが何なのかわからず、むしろ、未成年者の取消権がなくなるというのは、多くの若者にとってデメリットになる可能性があるのではないかというような意見がありました。

 私も、今回の法案というのは、若者が未成年者取消権をなくしたり、あるいは親権の保護がなくなったりというリスクを負う一方で、それに見合うリターンというかメリットというか、そういったものはないような気がするんですが、この点について大臣の見解をお聞かせください。

上川国務大臣 民法の成年年齢の引下げ、二十から十八歳に引き下げるということにつきましては、十八歳、十九歳の若者を一人前の大人として扱うということを意味するわけでございまして、若年者の自己決定権を尊重するものであるということでございます。これは大きなメリットになるというふうに考えておりますし、また、若年者の積極的な社会参加を促し、一人前の大人としての自覚を高めるという意味もあろうかというふうに思っております。

 一連のさまざまな御指摘がございますけれども、総合的に考えると、やはり、成年年齢の引下げにつきましては、若年者の自己決定権を尊重し、そして自立をし社会の中で御参加、御活躍をいただく、そうした中のさまざまな課題については、支援の施策についてはしっかりと取り組んでいくということが前提でございますが、ある意味でそのスタートを切るという必要があろうかというふうに考えております。

階委員 自立を促して社会で活躍してもらうというのは、若者にとってのメリットというよりは、権力者側のメリットというか社会の側のメリットというか、若者のメリットとはちょっと違うと思うんですね。

 若者の当事者のニーズとしてそれがあるかどうかということについて、同じ参考人が言っていたんですけれども、未成年を含む大学生に個別に意見を聞いたところ、八十人程度に聞いたところ、賛成は一人もいなかったというようなことなんですね。そういう、若者がメリットを感じられないということからすると、余計これは急ぐ必要がないのではないかというふうに思います。

 五月十一日の松田委員への答弁では、成年年齢の引下げについても国民の理解は進んでいるのではないかということを参考人は言われていました。その具体的根拠は何なのかお答えいただけますか。

小野瀬政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、五月十一日の法務委員会におきまして、実際に十八歳、十九歳の者による選挙が実施されたことにより、若年者の社会参加を促すことの流れが国民に定着しているものと考えられることから、そのような流れの中に位置づけられる成年年齢の引下げについても、国民の理解は進んでいるものと考えられるとの答弁をしたところでございます。

 この裏づけの根拠でございますけれども、二十八年七月の参議院議員通常選挙の前後で、当事者である十八歳、十九歳の者が選挙権年齢を十八歳とすることをよいことだと評価する割合が六八%から七九%に増加したという調査結果がございます。また、選挙後に、政治に対する意識を調査したところ、「多くの若者の声が集まれば若者の望む政治が行われると思うようになった」といったような回答が上位を占めるという結果が出ております。

 このことは、選挙権の行使を通じて、若年者の間に、社会に積極的に参加することを肯定的に捉える機運が生じていることのあらわれであって、若年者の大人としての自覚を促す効果が発揮されたことを示すものと言うことができると考えております。

 また、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策など、成年年齢の引下げの環境整備のための施策の充実に努めてきたところでございまして、これによりまして、環境整備の施策について着実に効果が上がっているものと考えております。

 法務省といたしましては、以上のとおり、選挙権年齢の引下げにより、十八歳以上の者に大人としての自覚を促す効果が発揮されたと考えられることや、各種の環境整備施策について相応の効果が上がっていると考えられることを踏まえて、成年年齢の引下げについても国民の理解が進んでいるものと考えているというところでございます。

階委員 何か、選挙権年齢の引下げについて理解が進んでいるから成年年齢の引下げについても理解が進んでいると考えるというのも、私は根拠薄弱だと思いますね。制度趣旨は違うわけですし、必ずしも直接成年年齢の引下げの理解を聞いているわけでもありませんし、私はちょっとそれは違うと思いますよ。むしろ、先ほどの参考人の陳述の方が重みはあると思いますね。

 こういうことからすると、国民、とりわけ法案のターゲットである若者には、今回の成年年齢引下げというのは全く理解が得られていないのではないかというふうに考えますが、大臣、いかがですか。

上川国務大臣 世論調査、また参考人の皆様からの意見陳述ということで、大変貴重な御示唆をいただいたものというふうに考えております。そうした御指摘、さまざまな御指摘がございましたので、そうしたことも踏まえて、この問題につきましても更に取り組んでまいりたいということを冒頭申し上げたいというふうに思います。

 現時点におきまして、世論調査でございますが、無条件で成年年齢の引下げに賛成するという意見の割合は反対意見の割合を下回っているものと認識をしております。

 もっとも、二十五年に内閣府実施の世論調査におきましては、消極的な意見の中にも、このような選択肢を順番に聞いているわけではございますが、法的な物の考え方を身につけるための教育の充実、消費者保護の施策の充実、消費者問題そして自立のための支援、こういうことの前提が整えば成年年齢を引き下げてもよいという意見が多数含まれておりました。こうした意見の方々と賛成の意見の方を合わせると、その数は、推定ではございますが、六割に達しているところでございます。

 また同時に、この調査におきましては、十代そして二十代の者が回答をしているわけでございますが、その成年年齢の引下げに賛成する割合、これは他の年代と比較しても高いという状況がございまして、さらに、過去の世論調査、これは二十年に世論調査をしておりますが、そのときよりもその割合が増加をしている、こうしたデータもございます。

 法務省といたしましては、成年年齢の引下げの意義、またその環境整備に向けた取組を積極的に周知をすることによりまして、また、国民の皆様の十分な理解を得て、そして若年者の方々に一人前の大人としての自覚を持っていただきながら、成年年齢の引下げが若年者の皆様方の積極的な社会参加につながっていくことができるように、そして、若年者がその意義というものにつきまして実感をしていただけるように努めてまいりたいというふうに考えております。

階委員 実感がない中で今引下げをしようということは問題だと思いますし、きょう資料一ページ目につけておりますけれども、これは法制審議会の意見でして、施策が実現されることが必要条件だと言っていまして、施策の効果が十分に発揮され、国民の意識としてあらわれた段階において、法整備を速やかに行うべしと書いているわけですね。

 今まだ、必要条件の一部をやられたのかもしれませんけれども、必要十分な条件にはなっていないということだと思います。この段階で成年年齢の引下げを行うというのは時期尚早だということで、この段階で賛成することは我々としては厳しいということを申し上げ、私からの質問を終わります。

 以上です。

平口委員長 次に、源馬謙太郎君。

源馬委員 国民民主党の源馬謙太郎です。

 きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今回の民法における成年年齢の引下げということですけれども、改めていろいろなことをお伺いしていきたいと思いますが、今の現行の民法において、成年年齢を二十として、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」あるいは、「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。」このように定められていると承知をしています。また、二十未満の未成年者が、行為能力が制限されることによって取引の保護を受けることができることをあらわしているということでございます。また同時に、「成年に達しない子は、父母の親権に服する。」ということも定められているというふうに理解をしています。

 そもそも、本当に根本的な質問なんですけれども、民法において成年年齢というのが定められているそもそもの理由、そして、成年と未成年をこの法律によって区別をしているという根本的な意義や理由をまずお伺いをしたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員の方からも御指摘がございましたとおり、民法上、未成年者は原則として単独で法律行為をすることができず、親権者の同意を得ないでされた法律行為は事後的に取り消すことができるということとされておるのに対して、成年年齢に達した者は、単独で確定的に有効な法律行為をすることができることとされております。

 また、成年年齢には、親権者の親権に服さなくなる年齢という意味もございます。親権は、未成年の子の監護、教育をし、その財産を管理するため、その父母に与えられた身上及び財産上の権利義務の総称でございまして、未成年者を対象として行使されるものでございます。

 このように、民法上、成年年齢は、法律行為を単独ですることができる者の範囲や親権者の親権に服さなくなる者の範囲を定めるものでございまして、判断能力等が未熟であるために一定の保護が図られている未成年者と、経済取引等の場面でも一人前の大人として取り扱われる成年者とを区別し、民法上の取扱いを変えることとしている、そういうものでございます。

源馬委員 ありがとうございます。

 その御趣旨でいうと、大人として、判断能力もあって、経済的な契約を結ぶこともできるということであれば、やはり、今この未成年者取消権によって守られている二十未満の子たちというのも、成年の年齢が十八に下がれば、これは守る必要はないもの、そういう理解でよろしいんでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 民法で定める成年は単独で取引等ができるわけでございますけれども、その成年に達したからといって、完全に成熟した大人になるのかというと、そういうことではないというふうに思っております。

 そういう意味では、例えば成年年齢が引き下げられた場合でありましても、若年者に対する保護といいますものは、やはり一定のものは必要かというふうに考えております。

 そういった意味で、成年年齢の引下げに伴いまして、消費者被害を防止するような施策あるいは自立を支援する施策というもの、そういった環境整備というものはしっかりしていかなければいけないというふうに考えております。

源馬委員 成年になると、そうした判断能力を持って、親権からも離れて、社会参加もして、先ほども御答弁ありましたけれども、自立を促して社会参加をしてもらう、また自己決定権も持ってもらう、こういったお話もありました。

 やはり、それを考えると、十八歳や十九歳の若者が例えば選挙に行って、これからその子たちが大きくなっていく、社会のあり方を決めていく、その社会参加をしていく、しっかり自分で判断してもらう、そういった趣旨は私はもっともだなというふうに思いますが、それなら、この委員会でも再三出ておりますが、例えば喫煙の年齢ですとか飲酒の年齢、先ほど階委員からも御質問もありましたけれども、あとは例えば帰化の要件や十年用の一般旅券については成年年齢と一緒に十八に引き下げられるんだけれども、喫煙の年齢や自分で判断するべき体の管理も、自己判断ですから、こういったこともあるにもかかわらず、これは二十に維持される。

 やはりどうしてもちぐはぐな感じがしますけれども、責任を持つ、自分の決定に責任を持つ、あるいは社会に大人として参加させるということであれば、繰り返しになりますが、こうした飲酒や喫煙、それから養子の受入れ、こういったことも成年年齢と区別するのではなくて同じにするというのが合理的なんじゃないかなとやはり今でも思うんですが、そのあたりについての御見解をもう一回お聞かせいただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、成年年齢の引下げには、十八歳、十九歳の若年者に責任ある主体として社会に積極的に参加してもらうという意義があるものと考えられます。

 成年年齢の引下げを行った場合にそのほかの法律の年齢要件をどうするのかという点につきましては、それぞれの法律の趣旨に基づいて、それぞれの所管官庁において個別に引下げの要否を検討したものでございまして、必ずしも一律の基準があるわけではございませんが、各種の国家資格に関する年齢要件など、民法を前提に二十歳と定められている年齢要件につきましては、民法の成年年齢の引下げに合わせて基本的に十八歳に引き下げることとしております。

 他方で、御指摘の飲酒、喫煙に関する年齢要件につきましては、所管省庁における検討の結果に基づいて、健康面への影響や非行防止の観点から二十歳を維持することとしたものと承知しております。また、民法における養親年齢については、養親は他人の子を法律上自分の子として育てるという重い責任が伴う、こういうことを考慮して二十歳を維持することとしております。

 このように、成年年齢の引下げにより、十八歳、十九歳の者を大人として取り扱うこととしたといたしましても、なお一部の法律につきましては、それぞれの趣旨に基づき個別に二十歳を維持することには合理性があるものと考えております。

源馬委員 済みません、この委員会で長く審議をしてきた中で、一周回ってちょっとまた単純な話に戻っちゃうかもしれませんが、二十になると、例えば養子を受け入れる、社会的な重い責任を担うことはできるけれども、社会参加して、自立を促して、経済的な契約もできるようになる十八歳ではまだできない、そこがやはりまだまだ理解ができないなというふうに思うんですが、その辺、ちょっともう一回教えていただけますか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたとおり、それぞれの法律の趣旨から、どの程度の成熟度といいますか、そういったものが求められるのかというところがあろうかと思います。

 民法の成年年齢につきましては、基本的に、みずから当事者となって契約をすることができるということでございますので、当然、有効な契約ということになりますと、その契約の効力がみずからに及んでくるということになります。そういった意味で、自己決定といいますか、そういった範囲に効果がなるわけでございますが、やはり養親ということになりますと、自分の子供ではない、他人の子供というものをしっかりと育てていかなければいけない、そういったような、子供の利益というものも考えなければいけませんので、そういったところから成年年齢の引下げとは別個の観点というものがある、そういうことでございます。

源馬委員 ありがとうございます。

 もちろん、養子をとるということは、その養子になる子供のこともありますから、おっしゃることはわかるんですが、みずからの責任の及ぶ範囲ではないということで。そう考えると、今度は、何かみずからの行為によって罪を犯した場合、少年法なんですが、これはもうみずからの責任がまさに及ぶ範囲であって、他人は関係ないことというふうになります。

 そう考えると、二〇一五年の公選法の改正が成立して、附則において、民法、少年法その他の法令の規定についても検討の上、必要な法制上の措置を講ずることというふうになっているうちの、やはり当然この少年法にもかかわってくるというふうに思います。

 先ほどの御答弁では、やはりみずからの責任の及ぶ範囲についてはということでしたので、まさしくこの少年法も適用年齢の引下げにつながっていくのではないかというふうに、もちろん、これまで当委員会でも直接的に連動するものではないという御答弁は何度もありましたけれども、それでも、やはり普通に考えたら、少年法の適用年齢の引下げも伴ってくるのではないかというふうに思います。

 これは、今さら私が申し上げるまでもありませんが、賛否両論ありまして、民法や少年法のような主要な法律は統一した方がいい、そういった意見もあります。又は、満十八歳以上の少年、若者に選挙権が与えられているんだから、それに伴う義務や責任もしっかり引き受けるべきだ、こういった賛成の意見も、この少年法の適用年齢引下げの後押しをするのではないかなというふうに思います。同時に、これまでの御答弁もあるとおり、統一の必要は必ずしもないんだという御意見であったりとか、再犯防止の観点から適用年齢引下げは問題があるのではないかというような反対の御意見もあるというふうに承知をしております。

 そうした中で、五月十一日の階委員の質疑に対しまして、「民法の成年年齢が引き下げられた場合であっても、論理必然的に少年法における少年の上限年齢を引き下げなければならないということになるものではない」という御答弁がありました。

 繰り返しになりますけれども、これこそ責任と社会参加の最たるものでありまして、みずからの責任が及ぶ範囲のこの少年法についてどう扱っていくか。この民法の成年年齢の引下げの意義と目的から考えると、少年法が適用される上限年齢の引下げがある意味自然ではないかなと私には思えてしまいますが、この点どう整理されているのか、もう一回お伺いをしたいと思います。(発言する者あり)

平口委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

平口委員長 速記を起こしてください。

 辻刑事局長。

辻政府参考人 少年法における少年の上限年齢についてでございますけれども、ただいま委員の方からも御紹介いただいたところでございますけれども、この問題は、刑事司法全般において、成長過程における若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題でございますので、民法の成年年齢が引き下げられた場合でも、論理必然的に少年の上限年齢を引き下げなければならないこととなるものではないというふうに考えてございます。

 その上で、またこれもただいま委員から御紹介いただいたとおり、この点に関して、その前提として、さまざまな御意見があるところであるというふうに承知してございます。

 いずれにいたしましても、平成二十九年の二月、法務大臣から法制審議会に対して、この少年の上限年齢の問題、それとあわせまして、若年者を含みます犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑事法の整備のあり方について諮問をして、現在、調査審議をしていただいているところでございます。お尋ねあるいは御指摘いただきました民法の成年年齢との関係も含めまして調査審議していただけるものと承知しておりますので、現段階では、その調査審議を法務省としては見守ってまいりたいというふうに考えております。

平口委員長 この際、源馬君の残余の質疑時間につきましては後刻許可することとし、安藤裕君の質疑を許します。安藤裕君。

安藤(裕)委員 自民党の安藤裕でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 この民法改正、成年年齢の引下げについての質疑は本日で最後ということでございます。今もさまざまな質疑がされておりました。

 しかし、今回のこの成年年齢の引下げについては、もともとは、平成十二年以降の当時の野党からも提案のあった事項であります。

 そして、国民投票法も、御存じのとおり、十八歳から国民投票ができるということになっております。そして、この十八歳以上の者を一人前の大人と見て、十八歳、十九歳の者に憲法改正の国民投票の投票権を与えることについては、与野党で幅広い合意のもとに法律が成立をしたものでありますし、この国民投票法の中には、附則においても、後には公職選挙法も改正するべきである、そして民法においても改正を検討するべきである、こういった附則が設けられていたわけであります。その流れの中で、公職選挙法においても十八歳から選挙権が与えられるということになりました。

 このような議論は、ずっと幅広く与野党の合意のもとに実施をされてきたものであるというふうに承知をしております。

 きょうの質疑を聞いていても、十八歳ではまだ判断ができないというようなことが言われ、そして消費者被害が拡大をするという批判もされておりますけれども、判断能力がないということであれば、投票権を与えるということ自体も、これは批判をされるべきことであります。

 こういったことに対する判断力があるという合意のもとに、投票権も十八歳から与えられるということになったわけでございますから、やはりここはしっかり、この民法においても成年年齢は十八歳ということで、これは、この長い長い間の国会での議論のもとに今こういった民法改正についての議論がされているものと承知をしております。

 もとより、消費者被害の拡大防止をすることは、当然ながら重要なことであります。政府ももちろん、今までさまざまな施策を実施しております。

 そして、今国会においても、若年層に発生する被害事例を念頭に置いた取消権を追加すること等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出をされており、既に衆議院においても全会一致で可決をされております。

 そして、こうした環境整備の施策については、本法律案の成立後も、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議における議論を通じて、さらなる充実を図るべきである、これは当然だというふうに思います。より一層、十八歳、十九歳の若年者保護がされるような、そういった施策が充実をされることを望んでおります。

 そして、きょう用意をしておいた質疑に入らせていただきますけれども、ちょっと時間がなくて全部はできないかもしれませんけれども、御容赦をいただきたいと思います。

 まず、裁判員裁判についてですけれども、この概要は皆さんよく御存じだと思いますので、この質問は割愛をさせていただきますが、裁判員になる年齢について、今どのように規定をされているか、お答えをいただきたいと思います。

辻政府参考人 裁判員の資格でございますけれども、本則といたしましての裁判員法におきましては、二十歳以上で衆議院議員の選挙権を有する者ということになってございますけれども、公職選挙法等の一部を改正する法律におきまして、十八歳以上二十歳未満の者は、当分の間、裁判員の職務につくことができないというふうな特例が規定されたということでございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 ちょっと確認ですけれども、今回の民法を改正するに当たって、これは十八歳に下げるというようなことは検討はされたんでしょうか。

辻政府参考人 ただいま申し上げました公職選挙法等の一部改正法の特例の趣旨についてでございますが、国会における御審議におきまして、提案者の方からの御説明によりますと、十八歳、十九歳の者は少年法の適用を受けていることから、そのような者が人を裁くという立場に立つことが適当かという観点から検討がなされ、十八歳、十九歳の者については公職選挙法の選挙年齢を下げても裁判員にはなれないこととされたというような御説明がなされたものと承知しております。

 このような趣旨を踏まえますと、この公職選挙法の特例は、御説明からすると、民法の成年年齢の引下げに影響されるものではないというふうに考えられますことから、今般の民法を改正する法律案におきまして、その特例を廃止するというような規定は盛り込んでいないということでございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 十八歳、十九歳の方々は裁判員にはならないということで今規定をされていると御説明をいただきました。

 先日ニュースにもなりましたけれども、裁判員裁判の辞退状況あるいは出席率について先日報道がされましたけれども、この辞退状況、出席率の状況、それから辞退理由について御説明をいただけますでしょうか。

安東最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 まず、辞退率について御説明させていただきます。

 個別事件において選定された裁判員候補者のうち辞退が認められた者の割合でございますが、制度施行当初の平成二十一年は五三・一%でございましたが、直近三年で申しますと、平成二十七年が六四・九%、平成二十八年が六四・七%、平成二十九年が六六・〇%となってございます。

 次に、出席率についてでございます。

 個別事件において選定された裁判員候補者の数から事前に辞退等が認められた者を除いた人数、すなわち選任手続期日に出席を求められた裁判員候補者の数、こちらを分母としますと、実際に同期日に出席した者の割合は、平成二十一年は八三・九%でございましたが、直近三年では、平成二十七年が六七・五%、平成二十八年が六四・八%、平成二十九年が六三・九%となってございます。

 少し分母を変えまして、出席率ですが、事前に辞退等が認められた者を含めまして、個別の事件において選定された裁判員の候補者全てを分母といたしますと、出席者の割合は、平成二十一年が四〇・三%でございますが、平成二十七年以降ですと、二十七年が二四・五%、二十八年が二三・七%、平成二十九年が二二・六%となってございます。

 それで、こうした状況の原因をどう分析しているかということでございますが、最高裁では、平成二十七年の本委員会における附帯決議も踏まえまして、こうした状況の原因につきまして、統計資料等に基づく分析業務を外部業者に委託して実施しまして、昨年三月、結果を取りまとめたところでございます。

 これによりますと、次の五点が辞退率上昇あるいは出席率低下に寄与している可能性があるという結果になってございます。

 五点を順に申しますと、一点目が、裁判員裁判の審理予定日数、これが増加する傾向にあること。二つ目が、人手不足や非正規雇用者の増加といった近年の雇用情勢の変化でございます。三つ目が、高齢化の進展。四点目が、裁判員裁判に対する国民の関心の低下。五点目が、裁判員候補者として名簿に記載される方の人数を制度施行当初よりも縮小していることでございます。

 なお、この分析におきましては、選任手続に出席された裁判員候補者の職業別、年代別、性別の構成割合、これが国勢調査における各構成割合とは大きく異なっておらず、選任手続の出席者はおおむね国民の縮図と言える構成になっていることも確認されているところでございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 ちなみに、裁判員裁判、適正な理由がなくて辞退をすると罰則の適用が規定をされておると思いますが、今まで罰則の適用はされたことはあるんでしょうか。

安東最高裁判所長官代理者 裁判員法によりますと、呼出しを受けました裁判員候補者が正当な理由なく出頭しない場合、これについては過料の制裁を科すことができるとなってございますが、過料の制裁を科した例については、現時点までには報告されてございません。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 これだけ辞退とか出席率が余りよくない状況というのは、やはり裁判員裁判というものについては余りよろしくない状況だと思いますけれども、そのあたりについての御所見を政務官の方からお伺いをしたいと思います。

山下(貴)大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 まず大前提として、裁判員制度につきましては、平成二十一年五月から開始されまして九年が経過しております。この間、多くの国民の皆様に裁判員等をお務めいただきました。そして、最高裁が実施したアンケートによれば、裁判員経験者の九六%が、裁判員として裁判に参加したことにつき、よい経験をしたということを回答して、充実感を持って審理に取り組んでいるということがうかがわれているわけでございます。

 このように、前提として、裁判員制度は国民の間に定着してきているものと我々は認識しているところでございます。

 ただ、委員御指摘のとおり、最高裁が公表した資料によれば、裁判員の候補者の辞退率が上昇して、出席率が低下している。その原因については最高裁において分析を今しているところでございますし、今、裁判員候補者の辞退率や出席率の改善のための運用上の措置を講じているものと承知しております。

 我々法務省が所管している検察におきましては、引き続き、裁判員の皆様の負担が過剰なものとならないように、これまで以上にわかりやすく的確な主張、立証を行うよう努力していく、そういったことを承知しております。

 法務省としても、引き続き、裁判所など関係機関とも協力して、国民の皆様に、経験者の九割をはるかに超える方々が充実したよい経験だったと考えておられる裁判員制度の意義を御理解いただいて、そのための広報啓発活動に努めてまいりたいと思っております。

安藤(裕)委員 ありがとうございました。

 それから、検察審査会についてもお伺いしたいと思っていたんですが、ちょっと飛ばしまして、検察審査員になる年齢の規定についてお答えをいただきたいと思います。

辻政府参考人 検察審査員につきましても、先ほどの裁判員と同様でございまして、本来的には衆議院議員の選挙権を有する者ということから選ばれるということになってございますけれども、先ほど申し上げました公職選挙法の一部改正法におきまして、同様に、十八歳以上二十歳未満の者は、当分の間、検察審査員の職務につくことができないという旨の特例が規定されたということでございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 それで、きょうは文科省にもお越しをいただいておりますが、裁判員制度とか、またあるいは検察審査会の制度、これについて学校でどのような教育が行われているか、そのことについて御答弁をいただきたいと思います。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 子供たちが、裁判員制度などの司法参加の制度や、司法に国民の感覚などを反映させるといった司法参加の意義等を理解していくことは重要であるというふうに考えております。

 現行の学習指導要領では、中学校社会科や高等学校公民科において裁判員制度を学ぶこととしておりまして、その過程で国民の司法参加の意義等を考えさせる指導が行われております。

 他方、検察審査会制度につきましては、学習指導要領や解説においては明記されておりませんが、ほぼ全ての教科書において取り上げられておりまして、それにより指導が行われているものと考えております。

 また、本年三月に改訂した高等学校の新たな学習指導要領では、公民科の必履修科目「公共」におきまして、自立した主体としてよりよい社会の形成に参画することに向けて、現実の具体的な社会的事象等を扱ったり、模擬裁判等の模擬的な活動を行ったりしながら、司法参加の意義や裁判員制度について学ぶこととしております。

 加えて、法務省が実施いたします裁判員制度等に関する出前授業の周知につきましても協力を行っておりまして、文部科学省といたしましては、引き続き、法務省と連携協力しながら、各学校において充実した指導が行われるよう促してまいります。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 私もこれはきのうちょっとレクを受けていてびっくりしたんですけれども、検察審査会については学習指導要領にも載っていないということで、ほとんどこの制度の仕組みというのは実は余り知られていないんじゃないかと思うんですね。

 裁判員制度についてはある程度周知がされていると思いますけれども、検察審査会というのも、やはりこれも同じように、国民の中から幅広く選ばれるわけです。そして、検察官の判断が正しいかどうかということを検察審査会で判断をするわけですけれども、今私がすごく危惧をするのは、例えば、新聞とかテレビとかで報道された大きな事件については、これは裁判で決着をつけたらいいんじゃないかというふうな判断を、何の知識もないとそういう判断を国民の人はしてしまうのではないか。

 検察審査会というのは、決してそうではなくて、刑事裁判にこの事件はやるべきなのか、それともやらないのがふさわしいのか。やはり、刑事裁判にかけるということは、その人は刑事被告人になるわけですから、相当その人の人生に対しても大きな影響を与えるわけですね。

 この制度に対する正しい理解というものは、やはりしっかりとしてもらわなきゃいけないと思いますし、学校教育や、またあるいはいろいろな場面で、これも法務省にもお願いをしたいと思いますけれども、やはり、いろいろな場面で、これはどうあるべきかというのは、もっともっと国民に広く周知をされるべき内容だというふうに思っております。

 今回、十八歳、十九歳の方には、裁判員にも検察審査員にもならないということでありますけれども、消費者保護という面にあわせまして、法律的な教育というものもより一層充実させていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

平口委員長 午前十一時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時五十三分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時十五分開議

平口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一です。

 我が党は成人年齢の引下げに関しては賛成の立場でございますけれども、いろいろこれから検討していただきたいこととか、また、施行までの間、周知徹底についてこういう工夫をしていただきたいというようなこともございますので、質疑をさせていただきたいと思います。

 今回、成人年齢が十八歳に引き下げられるということではありますが、いわゆる公営ギャンブルに関しては二十歳以上ということでございます。

 そこで、お尋ねいたしますが、賭博というのはどういう要件でしょうか。

辻政府参考人 刑法第百八十五条の賭博でございますが、偶然の勝負に関し財物の得喪を争うことをいうものと解されてございます。

串田委員 今、偶然の勝負、輸贏とかいろいろ言い方はありますが、勝負というお話でありましたが、競馬はなぜ賭博罪になるんでしょうか。法律的には認められているという中で、これは法律で違法性が阻却されているんでしょうけれども、競馬は賭博なんでしょうか。

辻政府参考人 ただいま委員から御指摘ございましたが、刑法上は、刑法第三十五条によりまして、法令による行為は罰しないとされてございますので、競馬法に基づいて行われる賭博については刑法上の罪は成立しないものと承知してございます。

串田委員 それでは、いわゆるFX、仮想通貨、これらは賭博に当たらないのはなぜなんでしょうか。

辻政府参考人 お尋ねのいわゆるFX取引でございますけれども、さまざまな態様があり得るものと承知してございますので、賭博罪に該当するか否かにつきまして一概にお答えすることは困難であるというふうに考えております。

 その上で、あくまで一般論で申し上げますと、金融商品取引法に規定されるデリバティブ取引に該当するFX取引につきましては、同法におきまして、当該取引の公正の確保等に係る規定が整備されておりまして、正当に行われる当該取引に係る行為について刑法の賭博罪等が成立するとの懸念を解消しているというふうに承知しているところでございます。

串田委員 その整備というのが全く意味がよくわからないんですが、偶然の勝負、例えばデートレーダーであれば、もう数分のうちに上がるか下がるかで、交互に一日じゅうそれを繰り返しているわけですよね。これは偶然の勝負じゃないんですか。

辻政府参考人 申しわけございませんが、金融商品取引法自体は所管外でございますので、詳細についてお答えする立場にはございませんけれども、ただいま申し上げましたとおり、金融商品取引法等におきまして、業者のリスク管理体制の整備でありますとか、不適正な勧誘の禁止でありますとか、先ほど申し上げましたような取引の公正の確保等に係る規定が整備されているというところから、賭博罪が成立する等の危険を解消している、そういう趣旨の規定が置かれていると理解してございます。

串田委員 一応通告はしているんですが。FXがいろいろ整備されたとしても、刑法上の要件として、偶然の勝負という意味では偶然ですよね、上がるか下がるかというのは。一日じゅう上がったり下がったり、すごく細かくやっている中で、それを小まめに取引をしているのがデートレーダーですから、偶然の勝負というこの要件を整備するとどうして違法性が阻却されるのか、そういうものを説明しているかというと、私は今の段階では説明に十分なっていないのかなというふうに思うんです。

 ところで、宝くじは賭博でしょうか。

辻政府参考人 宝くじについてでございますけれども、先ほど同様、刑法第三十五条に、法令による行為は罰しないという規定がございますので、当せん金付証票法に基づいて実施されているいわゆる宝くじについては、刑法上の罪は成立しないものと承知しております。

串田委員 その宝くじは二十五歳未満でも買うことができるんでしょうか。それともやはり、競馬とか競輪と同じように、同じ賭博で、法律上正当行為になっているから違法性は阻却されるというのはわかりましたけれども、やはり同じように扱われるんでしょうか。

境政府参考人 お答えいたします。

 宝くじは、法律上、くじ引きにより当せん金品を支払う証票と定義されておりまして、偶然性のみにより当せんが決定されるものでありますことから、法律上は、未成年者の購入について年齢制限が設けられておりません。

 しかしながら、発売団体である都道府県及び指定都市並びに宝くじの発売等の委託を受けた金融機関では、未成年者への販売の自粛を行っているところでございます。

串田委員 今説明がちょっとよくわからなかったのは、一応、宝くじというのは偶然の勝負だから賭博ということでよろしいんですよね。だけれども、法律上認められているから販売はしていい、しかし年齢制限はないという。

 なぜ、競馬、競輪と宝くじは別個に扱っているんでしょうか。

境政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、法律上、くじ引きによって当せん金品を支払う証票というのが宝くじでございまして、完全に偶然性に基づいて当せんが決定されるということなので、未成年者の購入について法律上の規制までは行っていない。

 ただし、未成年者が親の了解を得ずに多額の宝くじを購入すること等によってトラブルが発生するのを未然に防止するという観点から、発売団体、それから受託の金融機関で未成年者への販売の自粛を行っているという実態にあるということでございます。

串田委員 私の理解力というか読解力がないのかどうかわかりませんが、偶然の勝負である、だから未成年者で制限をしていないというのが、そこのつながりがちょっと、僕がちょっと理解不足なのかどうか。これをずっと言っているつもりはないんですけれども。

 何を言いたいかといいますと、FXも偶然の勝負ではあると思うんですよ。これを、刑法で偶然の勝負は賭博といっているわけで、FXは偶然の勝負だと私は思うんですよ。

 宝くじも同じように偶然の勝負だと思うわけで、今回、成人年齢を十八歳に引き下げた中で、公営の競馬とか競輪は二十歳以上、これは、そういう政策をしたというのはわからなくはないんだけれども、ほかの部分のFXだとかそういったようなものがなぜ許されるのかというところ、要は、何で公営競馬や競輪はだめなのかというところを、本質をもうちょっと明確にしていく必要があるのかなと思っています。

 きょう、内閣委員会でギャンブル等依存症対策基本法というのが成立をいたしました。私もちょっと代理で質問させていただいているんですけれども、その中で、今回自公維案が成立したわけですけれども、他の野党提案との間のどこが違うかというと、一番大きいのはやはり定義なんですね。

 自公維というのは、ギャンブルに対する依存をしていて、なおかつ、日常生活や社会生活に支障を来している状態をギャンブル依存症と定義しています。他の野党提案の定義というのは、ギャンブルに依存しているということなんですね。

 私は、この点については自公維の方が正しいと思っている。

 なぜかといいますと、ギャンブル依存というのは好きでずっとやり続けたいということなんですが、昨日の参考人の質問の中で、西村先生という精神科医の方が来られまして、その方に聞いたんですけれども、朝から晩まで、ギャンブルが大好きで、だけれども資産がいっぱいあるから日常生活や社会生活には何ら問題がない、ただ、相続人としてはやきもきするわけですよ、残ったお金がなくなっていくから。ただ、自分の老後に関しては全く心配がなくて、それがすごく楽しみで、依存症ではある。これを精神科医として治療する必要があるかといったら、精神科医の立場からは、治療する必要はありませんと。

 その先生が言うのは、そういう依存するというのは、例えば骨とう品も依存する人は多いでしょう、これは先生は骨とう品だけ言われましたけれども、ほかには、タレントの追っかけとかで海外にも行ったりしている人もいれば、車やオートバイに非常にのめり込んですごいお金を費やしている人もいる。

 お金を費やしたからといって、依存症として患者扱いして、治療が必要だということを国家が決めつけるということは、憲法第十三条の生命、自由、幸福追求権の、必要のない国民に対して制限を加えていくことになるのではないかということで、そういう意味では、日常生活や社会生活に支障を来すということがあるから国家が対策に乗り出すのであって、のめり込んでいる状況で国家がそれに対策をし始めるということは、憲法十三条にも反するんじゃないか、私はそう思っているんですが。

 それと同じようなことの中で、今回、成人という、十八歳にした中で、アルコールやたばこというのは、これは体に悪いですから二十歳以上というのはわかるんだけれども、ギャンブルというもので、公営ギャンブルだけを二十にするというのは、何かやはりしっかりした理由がないと、これはちょっと、そういう意味では、幸福追求権を侵害することにならないのかな。

 FXはいい。FXは、すごいお金がどんどんかかるし、二十四時間投資ができるわけですから、お金はどんどん散財するわけで、散財するという意味では余り変わりがないわけですよね。

 だから、競馬場に行っているというその姿を、十八歳、十九歳の人たちが、あることに対して、社会的な道徳観念から、倫理観念からよくないということなのか、あるいはお金を費やすことがいけないのかという、その核心部分というものをもっと柱として明確にしていかないと、そこら辺の部分が曖昧なままでいいのかなというのは、私自身としては思っているんですよ。

 だから、ギャンブルが二十歳以上というのは、それは一つの政策としていいと思うんだけれども、他のそういう、偶然の勝負であることに変わりがないものは構わないということ自体は、じゃ、何が本質で禁止しているのかということを明確にしていく必要があるのかな。

 特に、競馬にしても、今ネットで取引ができるわけですよね。ネットで勝ち負けをやっている場合もこれは賭博なわけだけれども、ネットでFXをやってお金を損したりしても構わないという、この違いというのは究極的にどこなのかというのをちょっと明確にしていかないと、私は今後の法規制に関してちょっと疑義を感じているので。そこはもう、ただ提案なんですけれども、検討をしていただければいいかなと思います。

 次に、高校生の婚姻についてお聞きをいたしたいと思うんですが、今回、同意が要らなくなるわけですね、十八歳の高校生に関しては。そうすると、若い気持ちで、勢いで結婚するという人もいるでしょうし、場合によっては妊娠ということもあるでしょうし、そういったような、学校での対策。例えば妊娠したら、学校としては、退学とか停学とかそういうペナルティーになってしまうのか。婚姻はしてよいといいながら妊娠しちゃいけないというようなことは、学校教育としてそういうこともあるのかどうかというのも、これは検討していかなきゃいけないし、場合によっては保育所の整備なんかもしていかなきゃいけない。

 逆に言えば、両親が親権者じゃなくなるわけですから、そういう意味で両親の居所指定権というのもなくなるわけで、そこら辺、教育現場というのはどのように考えているんでしょうか。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、高校生で妊娠した場合の学校の対応ということでございますけれども、文部科学省では本年三月、妊娠した生徒への対応等に係る留意事項を示した通知を発出をしてございます。

 その通知におきましては、生徒が妊娠した場合には、関係者間で十分に話し合い、母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものであること、その際、生徒に学業継続の意思がある場合は、教育的な指導を行いつつ、安易に退学処分や事実上の退学勧告等の対処は行わないという対応も十分考えられることなどを示しているところでございます。

 また、通知におきましては、妊娠した生徒が引き続き学業を継続できるよう、学校として養護教諭やスクールカウンセラー等も含めた十分な支援を行う必要があること、体育実技等の活動におきまして、当該生徒の安全確保の観点から工夫を図った教育活動を行ったり、課題レポート等の提出や見学で代替するなど、母体に影響を与えないような対応を行う必要があることなど、妊娠をした生徒に対する具体的な支援のあり方を示したところでございます。

 また、保育施設などについての言及もございましたけれども、高校生で保育をする場合に、学業についての学校の対応がどうかということにつきましては、文部科学省として、そういう保育を必要とする子供を育てる生徒のニーズとか実情というものは学校や地域によって異なりますことから、個別の状況に応じまして、一人一人の生徒に合った指導方法や対応、あるいは関係機関との連携など、効果的な指導が各学校において適切に行われているものと考えておりますが、なお、こうした生徒の学業継続の支援として、事例を網羅的には把握しておりませんけれども、一部の高等学校においては、生徒のニーズや実情に応じて託児施設を設置している例も現在あるというふうに承知をしているところでございます。

串田委員 前向きないろいろなことも考えていただいているということで、安心をいたしました。

 高校のときに結婚して、そして、結婚はいいとしても妊娠というのは何事だという声ももしかしたら一般的にあるのかもしれないんですが、高校時代に結婚ができるということを法律で定める以上は、そういうようなことで、しっかりと自覚を持って結婚し、また、そういう子供ができるということも判断したというふうに社会としてやはり受けとめなければいけないのかなと思いますので、そういうことが起きたときには、やはり、しっかりした整備というか、慌てずに対応するということも学校教育としては必要なのかなと思っています。

 残りの時間、ずっと質問させていただいた離婚の調停の、成人についてお聞きをしたいんですけれども、これは法律ができ上がりましたので、今後の周知徹底に関してぜひ取り組んでいただきたいということがあるんです。

 十何年前に離婚の調停が起きて、そして養育費が粛々と払われている中で、今回、成人年齢が十八歳になるということで、いろいろ今法律の周知徹底というのも十分なされていない中で、成人は十八歳になるんだよ、競馬とか競輪は二十歳以上じゃなきゃできないんだよ、たばこやアルコールも一緒だよ、だけれども公認会計士だとか資格試験は下がるよとか、いろいろな意味で難しいことを周知徹底させていかなきゃいけない中で、十何年前に離婚調停で成人に達するまでと書いてある中で、世の中では成人は十八歳になるんだよ、十八歳になるんだよと言っている。そういう周知徹底をされている中で、この二人が、しかしその当時は二十歳までだと、まあ、ずっと前からそういう回答をしていただいたんですけれども、その当時は二十歳までなんだから二十歳というふうになるんだよというのは、どういうふうに周知徹底していくんですか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 前回も申し上げましたとおり、法務省としましては、基本的には成年年齢の引下げが、既にされている養育費に関する合意や審判に影響を及ぼすことはないものと考えておりますが、成年年齢が引き下げられたことをきっかけとして養育費の支払い期間の終期をめぐる紛争が生ずることがないように、本法律案が成立した場合には、その内容を周知する際に、あわせて今申し上げましたような解釈についても周知を努めてまいる所存でございます。

 具体的には、例えば、パンフレットの配布ですとか、あるいは幅広い説明会の開催、各種メディアの活用などといった形で、国民一般に対する周知活動を進めていきたいと考えております。

串田委員 よく考えてみていただければ、お金を、わざと払わない人というわけじゃなくて、十八歳になったんだから払わなくなる人はいると思うので、そうなったときに、払われなかったもとの、お子さんを引き取るのは女性が多いと思うんですけれども、どうやって連絡するのか。まず電話番号もわからないかもしれないし、わかったとしても、何を言うのかという話ですよね。あれは二十歳だったんじゃないの、いや、政府は十八歳と言っているよ。そういうようなことを、もうずっと前に清算した人にやらせるのかという話なので、ぜひその周知徹底。

 最後に、大臣、この周知徹底を徹底していただきたいこと、意見として、所感として言っていただければと思います。

上川国務大臣 この成年年齢の引下げに該当する方たち、また同時に社会全体に、この制度の改正が徹底することができるように、しっかりと取り組んでまいります。

串田委員 ぜひお願いします。

 ありがとうございました。

平口委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。

 これまでの当委員会での各委員の真摯な質疑、また審議に、改めて心より敬意を表する次第でございます。

 本法案は、約百四十年ぶりの歴史的な法改正ということで、若年者を始め多くの方々に影響を及ぼす法案であります。そういったことで、私は、これは与野党を超えて多くの政党の賛成を得て成立することが望ましいというふうに考えております。

 もっとも、これまでの審議を聞いておりますと、法案の賛否について反対のニュアンスを出されている野党の方々がいらっしゃること、それはそれで尊重をいたしますが、やはり私は、多くの政党の合意でこの法案を成立させたいと思っているというこの思いは、変わることはございません。

 一応、今回、歴史的な法改正でございますので、前回も少し触れましたけれども、改めて、これまでこの法案が提出されるに至った歴史的な経緯をいま一度確認をさせていただきたいと思います。

 まず、平成十二年の五月二十三日、これは当時の民主党のホームページのニュースにおいて、民主党ネクストキャビネットが、十八歳以上に大人としての権利と責任をということで出されております。

 どのようなことが書いているか。抜粋しますけれども、民主党は、十八歳は経済的自立が可能な年齢であり、既に、結婚や深夜労働、危険有害業務への従事、普通免許の取得、働いている場合は納税者であること等、社会生活の重要な場面で成人としての扱いを受けており、世界の趨勢も十八歳以上を成人としていることから、以下のとおり成人年齢を十八歳に引き下げることを提案しますと言われております。

 これを受けて、平成十二年十月、現在の立憲民主党の党首であられる枝野幸男議員が筆頭提出者となって、民主党・無所属クラブが、成年年齢の引下げ等に関する法律案を衆議院に提出をしております。

 そして、平成十八年五月、日本国憲法の改正手続に関する法律案の自公案、民主案がそれぞれ提出されております。

 そして、その後、この審議の中で、平成十八年十二月七日、これは衆議院の日本国憲法に関する調査特別委員会の枝野幸男議員の発言でございますけれども、このようなものがございました。「さらに言えば、少なくとも、十八歳成人のためのほかの関連法令の法律案は、恐らく本国民投票法が成立したらその数カ月後には必ず国会に提出をされる、もし政府がされなければ民主党が提出をすることになると思います。」このように言われております。

 そして、平成十九年五月、先ほどの両案の併合修正案が成立をしております。

 また、その後、平成二十一年十月二十八日に、これは当委員会でもさまざま出てまいりました、法制審より民法の成年年齢の引下げについての意見が答申をされました。

 さらに、これを受けまして、平成二十六年四月、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案が、七党、自民、民主、維新、公明、みんな、結い、生活から提出をされております。そして、その附則に、「民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるもの」とされております。

 そして、これを受けて、平成二十六年五月二十一日、憲法審査会におきまして、枝野幸男議員がこのようなことを言われております。「私あるいは私どもは、今回の機会に選挙権年齢も投票権年齢も成人年齢も一気に十八歳にしてしまうことの方が望ましいと今も思っています」というようなことで言われております。

 さらに、ほかの野党の方もいろいろ言われておりますけれども、日本共産党の笠井亮議員、現在、政策委員会の責任者ということで聞いておりますが、平成二十六年四月二十四日の衆議院の憲法審査会におきまして、「改憲手続法の附則三条というのは、改憲手続法施行までの三年間で、すなわち二〇一〇年の五月十八日までの間に、選挙権年齢、成年年齢等を十八歳に引き下げること、それができること等になるようということで、その引き下げをある意味義務づけたわけですね。」このようにおっしゃられております。

 そして、こういった経緯があって出されたということを改めて確認をさせていただきたいと思います。

 ちょっと冒頭時間をとりましたので、手短に、簡潔に入ってまいりたいと思います。そういったものを含めて、ただ、環境整備はしっかりやらないといけないということで、伺ってまいります。

 成年年齢の引下げは、多くの国民に影響を及ぼすものであって、民法だけではなくて、広くさまざまな分野に波及するものであります。だからこそ、政府一体となって環境整備に取り組んでいく必要がございます。

 そのためには、省庁をまたぐ分野横断型の課題については、横連携を図っていく必要がございますが、これまでの連携は、私は、必ずしも十分に図られていなかった面もあると感じております。だからこそ、我が党は、成年年齢を引き下げるのであれば、関係府省庁がしっかりと連携を図るべく、関係府省庁横断型の会議をつくるよう、強く要望、主張いたしました。

 これを受けて、今般、法務大臣を議長とする、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議が立ち上がり、その第一回会議が先月十六日に開催されたところであります。

 改めて確認しますが、この連絡会議はどのようなものなのか、法務大臣、よろしくお願いします。

上川国務大臣 民法が定める成年年齢を十八歳に引き下げる上では、消費者被害の拡大の防止などのための環境整備の充実、これにつきましては極めて重要であると考えております。

 こうした環境整備につきましては、ただいま委員から御指摘のとおり、関係府省がばらばらで対応しているとするならば、その整備の成果が上がらないということでございまして、公明党、御党からの御提案を踏まえて、今般、法務大臣を議長とする、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催したところでございます。まさに、関係府省庁相互の密接な連携協力を確保し、総合的かつ効果的な取組を推進することを目的とするものであり、今後も継続的に開催することを予定しております。

 この連絡会議におきましては、若年者の消費者教育、消費者保護、与信審査、若年者自立支援など、成年年齢引下げを見据え、対応が必要とされる課題をテーマとして取り上げることとしております。

 また、これらの課題に関し、個別の施策ごとに工程表を作成した上で、その実施状況を連絡会議の構成員である関係府省庁が相互に確認をし、施策の進捗状況を管理をするということを予定しております。

國重委員 我が党の要望を受けて連絡会議を設置したこと、これについては評価をいたします。

 その上で、成年年齢の引下げに向けた環境整備について、政府としてはこれまでも取り組んできたという答弁が当委員会でされましたが、これに対して、消費者問題等の最前線で奮闘されている参考人の方や委員各位から、これまでの政府の取組ではまだ心もとないというような指摘もされたところであります。

 政治は結果ということからすると、本委員会の審議で指摘されたさまざまな意見を踏まえて、環境整備により一層取り組んでいくことが必要である、これは当然のことであると思っております。

 そして、大臣、当委員会で参考人の方々の意見にもあったとおり、十八歳で成年になったとしても、それでいきなり大人として完成するわけではない、十八歳は大人への入り口であって未成熟な面もあるんだ、だからこそ必要に応じた支援や保護をしっかりと講じていかなければならない、こういった考え方を、各府省庁が今後施策に取り組む際の共通認識にしていただく必要がある。

 そして、ぜひ、今後の府省庁連絡会議を通じて、国会審議でこのような指摘があったことを、議長である法務大臣が明確に打ち出していただいて、議長の方針として表明していただきたいと思います。これに関する見解を伺います。

上川国務大臣 今回の法案におきましては、成年年齢の引下げをすることによって十八歳で一人前の大人として扱うこととしておりますが、これは、十八歳、十九歳の若年者が大人として完成されたことを意味するのではなく、いまだ成長の過程にあるものと考えております。

 このような意味で、委員の御指摘はまことにごもっともなものであると思っております。

 そして、連絡会議におきましては、成年年齢の引下げを見据えて、対応が必要とされる課題をテーマとして取り上げることとしておりますが、その検討を行うに当たりましては、十八歳、十九歳の若年者は引き続き支援が必要な存在であり、社会全体として支えていかなければならないという視点が重要であると考えております。

 政府としては、この連絡会議における進捗管理等を通じまして、関係施策の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますが、その際、ただいま述べたような視点につきましては、しっかりと打ち出し、構成員におきまして認識を共有することができるよう、しっかりと諮ってまいりたいと思っております。

國重委員 成年年齢である十八歳になるまでやるべきこと、これも当然大事でありますが、それだけではなくて、十八歳を含めた若年者全般に対する取組もまた重要でありますので、ぜひ大臣の答弁にありますように、よろしくお願いいたします。

 次に、府省庁横断検討会議の具体論を伺ってまいります。

 配付しました資料一、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議のポンチ絵をごらんいただければと思います。

 これを見ますと、連絡会議の趣旨として、成年年齢引下げを見据え、環境整備が必要な個別施策の報告、所要の措置、進捗管理を行うとされております。

 この報告や進捗管理は具体的にどのように行っていくのか、連絡会議を開いて管理をするのか、そうであれば、この会議はどの程度の頻度で開催するのか、お伺いいたします。

上川国務大臣 成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議でございますが、工程表を作成した上で、平成三十四年四月一日までの施行日までの間、継続的に進捗管理を行っていくこととしております。連絡会議は、年に数回程度開催することを予定しております。また、そのもとで幹事会を開催し、実務的な協議を行っていく予定でございます。

國重委員 ぜひよろしくお願いします。

 時間の関係で、一問飛ばさせていただきます。

 今後、連絡会議を通じて、さまざまなテーマに関する進捗状況が管理されることになりますが、私は、この会議の議事録の公開をすべきだと思っております。

 今般の新たな連絡会議が立ち上がる以前、憲法改正国民投票法の附則第三条を受けて、平成十九年五月十四日に、年齢条項の見直しに関する検討委員会が設置されました。しかし、この検討委員会は、七回会議が開催されたと伺っておりますが、その詳細は不明で、議事録はアップされておりません。その議論の形跡が見えるのは、会議の取りまとめ役であった内閣官房が衆議院の憲法審査会で報告するために作成した文書のみであります。

 今回新たに設置をした連絡会議については、そうであってはならない。その進捗状況について、議長たる法務大臣がしっかりと管理していくことはもちろん、我々立法府も責任を持ってチェックしていくために、会議の議事録を公開して透明化して、会議の内容、進捗状況を外部的に明らかにすべきであると考えます。議長たる法務大臣の答弁を求めます。

上川国務大臣 連絡会議の議事概要につきましては、法務省で作成をし、関係府省庁の確認を得た上で、法務省のホームページで公開することを予定しております。

 なお、第一回の連絡会議の議事概要につきましては、今、確認作業を進めているところでございまして、できるだけ速やかに公開をしていきたいと考えております。

國重委員 我々としてもしっかり進捗を注視してまいりたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 最後の質問でございます。

 成年年齢の引下げに向けた環境整備は、これは法務省の所管事項だけではなくて、幅広い分野にまたがった課題でありまして、横串の連携が肝になります。だからこそ、我が党は、内閣府、内閣官房をかませることも要望いたしました。こういった中、今般の連絡会議の議長は法務大臣となっております。法務大臣は、連絡会議の議長として、関係府省庁全体の幅広い施策の進捗管理をしっかりと行っていけるのか、今後の意気込みを含めて伺います。

上川国務大臣 この連絡会議でございますが、法務大臣を議長とした上で、成年年齢の引下げの環境整備に向けた施策を所管する各府省庁の局長級職員を構成員とするとともに、その調整役として、内閣官房も参加し、関係府省庁の横串の連携体制を整えることとしております。このような体制によりまして、関係府省庁が足並みをそろえて必要な施策を効果的に実施していくことができると考えております。

 国のあり方に関するテーマでございます。当然のことながら、政府全体として取り組んでいきたいと考えております。法務大臣として、その意味での覚悟を持って、あらゆる力を総動員して環境整備の施策に全力で取り組んでまいることを、改めてここでお約束申し上げます。

國重委員 今後、民法改正案の施行予定である二〇二二年四月一日に向けて、関係府省庁は一層の取組を行っていくことになります。大臣が二〇二二年まで大臣をしていればいいですけれども、大臣がかわることがあれば、しっかりと引継ぎを行っていただきたいと思います。

 やはり、何事も初代が肝心であると思います。トップの意識、責任感に応じて、やはり組織も変わってまいります。上川大臣のリーダーシップを信じ、また期待して、またさらには、私もしっかりこの進捗状況を責任を持って注視していくことを述べまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平口委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 先日の参考人質疑、与党推薦の参考人も含めまして、私も大変参考になりました。やはり国民的議論がまだまだ必要だということを改めて強く感じております。

 きょうは、その上でですが、成年年齢引下げの環境整備の一つとして、消費者相談体制の充実強化についてお聞きをしたいと思っております。

 二十二日の参考人では、弁護士の伊藤参考人から、こういう御指摘がありました。消費者被害というと単にちょっとお金を損する被害というようなイメージがあるかもしれない、しかし消費者被害は財産的な損害にとどまらず、その人の人生にとって回復しがたい深刻なダメージを与えてしまうことがある、特に若年者の場合はその精神的な未熟さ、知識経験の乏しさから被害に遭いやすいというだけではなく、その脆弱さゆえに被害はより深刻なものとなる危険性があるという指摘でありました。

 私も、本当にそうだなと思ってお聞きをしました。要するに、経済面だけにとどまらない深刻な、人生のスタートに当たっての被害だ、深い傷を負う可能性があるということであります。だからこそ、そうした消費者被害に遭ったときの相談、あるいは相談を通じた救済、支援というものがとても大事だというふうに思うんです。

 大臣、ちょっと御認識を確認したいんですが、そういう意味での消費生活相談、これは質、量ともに充実していくというのは大事な課題だと思うんですが、大臣も同じお考えでしょうか。

    〔委員長退席、田所委員長代理着席〕

上川国務大臣 成年年齢を引き下げた場合の課題として、消費者の被害の拡大防止ということが極めて重要である。そのための政策として、消費生活相談の体制の充実ということについては、委員御指摘のとおり、極めて大事だというふうに考えております。

藤野委員 では、その実態はどうかということを、以下見ていきたいと思うんです。

 まず、前提として、消費生活相談員というのはよく聞くのですが、その法的位置づけというものをちょっと確認したいと思うんです。

 消費者安全法の一部改正を含む法改正が二〇一四年に成立して、同年六月に公布されております。

 消費者庁に確認したいんですが、このときに、二〇一四年に、いわゆる消費生活相談員の職というものが法律で明確に位置づけられ、任用要件も定められたと思うんですが、その趣旨は何なのか、お答えください。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費生活相談員には、消費者問題の複雑化に加えまして、高齢化社会の進展によりまして、高い専門性が求められているというふうに考えております。

 このような中で、消費者の安全、安心を確保するためには、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制の整備が重要でございます。そのためには、情報や交渉力等において事業者との間に構造的格差のある消費者を支える、消費生活相談員の量と質の両面の確保が必要でございます。

 このため、平成二十八年四月から施行されております改正消費者安全法におきましては、消費生活相談員の質を確保し、さらに、消費者、事業者のみならず、行政内でもその専門性が適切に評価されるよう、消費生活相談員という職を法律上に位置づけまして、内閣総理大臣が登録した試験機関が消費生活相談員資格試験を実施するという登録試験機関制度を導入したところでございます。

藤野委員 今御答弁いただいたとおりでありまして、やはり、複雑化、高度化している事件に対して、高い専門性と情報力、交渉力を持って当たる、そうした相談にどこに住んでいてもしっかり乗っていただけるように、こうした法改正を行ったということであります。

 この法改正の際に、衆参両院の消費者特別委員会で附帯決議が上がっております。配付資料の一に紹介させていただいておりますが、そこに、そうした位置づけをされた「消費生活相談員の待遇改善が促進されるような対策を講ずる」というふうにあるわけであります。

 消費者庁にこれもお聞きしたいんですけれども、なぜこの待遇改善が強調されているんでしょうか。

    〔田所委員長代理退席、委員長着席〕

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費生活相談員には、先ほど申しましたように、消費者問題の複雑化に加えまして高齢化社会の進展により、高い専門性が求められておりまして、消費生活相談員の量と質の両面、人材の確保でございます、これが必要というふうに考えております。

 それで、消費生活相談員の処遇改善というのは、まさに今申しました人材の質と量の確保、言いかえますと裾野の拡大と優秀な人材確保につながり、ひいては、消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制、このことに直接につながるものというふうに考えております。

藤野委員 今答弁いただいたように、やはり、ひいては消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる体制をつくろうじゃないかということであります。

 配付資料の二を見ていただきますと、これは、二〇一四年六月、施行に当たりまして、当時の森まさこ内閣府特命大臣が出されたメッセージであります。実際は六ページほどあるんですが、できれば六ページ紹介したかったんですけれども、非常に熱意あふれるメッセージといいますか、紹介している配付資料であるものだけでも、処遇改善がなされるよう強くお願いしたい、処遇改善を行っていただくことを強く期待していますという形で、強くという言葉が二回も出てくる。非常に、大臣の構えといいますか、そういうものを感じる異例のメッセージだと思っております。

 そういう意味で、立法の趣旨としても、あるいは審議を受けた立法府の意思としても、そうした消費生活相談員の位置づけ、待遇の改善ということは明確だと思うんですが、ところが、その実態がどうかということなんですね。

 消費者庁にお聞きしたいんですが、この間の相談の中であっせん件数というのがふえていると思うんですが、どのような割合になっているでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 あっせんというのは、単なる事業者への連絡や取次ぎではなくて、事業者との間に立って解決策を提示する、そういうものでございますけれども、平成二十九年度地方消費者行政の現況調査によりますと、あっせん件数につきましては、例えば平成二十四年度は七万一千七百九十件でありましたけれども、平成二十八年度には八万六千六百三十三件となり、この間、一万四千八百四十三件増加しておりまして、あっせんを行う割合というのを見ますと、五年連続増加しているということでございます。

藤野委員 今答弁いただいたように、あっせんといいますのは、今まさにおっしゃられたとおりで、単なる事業者への連絡や取次ぎではなくて、まさに解決策を提示していろいろあっせんしていくという活動なわけですが、その割合がこの五年間で一万五千件近くふえてきているということで、やはり、高度化、複雑化というものがこういう点でも証明されているというふうに思うんです。

 他方で、こういう複雑化というか、いろいろふえているので、事務職員の配置というのはどうなっているかということであります。

 消費者庁にお聞きしたいんですが、消費者行政を担当する事務職員のうち、専任職員と兼務職員、この数字はそれぞれどのようになっているでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十九年度地方消費者行政の現況調査によりますと、専任職員と兼務職員の割合は、平成二十五年四月一日時点において、専任が千五百二十八人、兼務三千六百三十人であり、割合は、専任二九・六%、兼務は七〇・四%でございましたが、平成二十九年四月一日時点におきましては、専任千四百七十八人、兼務三千七百七十七人であり、割合は、専任二八・一%、兼務七一・九%となっております。

藤野委員 要するに、事案はいろいろ複雑化しているけれども、専任で消費者相談に当たる方というのはこの間減ってきているわけですね。割合でいえば、二九・六%が二八・一%、兼務されている職員の方が七〇・四%から七一・九%にふえていると。

 消費者庁にもう一点お聞きしたいんですが、市町村等で兼務されていらっしゃる職員のうち、消費者行政に関する業務ウエート、消費者行政もやっていますよ、兼務していますよというその業務のウエートが一〇%程度、こういう職員はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 これも平成二十九年度地方消費者行政の現況調査によりますと、消費者行政職員の業務ウエートということで、二十九年四月一日時点ですけれども、政令市を除く市区町村ということでのお答えになりますけれども、その兼務職員のうち、業務ウエートが一〇%という者は四八・八%ということでございます。

藤野委員 事案が複雑化、高度化しているにもかかわらず、専任職員がまず減っている、兼務職員の方がふえていらっしゃるんですが、しかし、その兼務している方が消費者行政をやっている、消費者相談等をやっているというウエートがその方の仕事の一割しか満たないという方が四八・八%、つまり半分いらっしゃるということで、これはやはり本当に深刻な状況だと言わざるを得ないと思うんです。

 もう一点、消費生活相談員の採用形態についても伺っておきたいんですが、これは消費生活相談員の中で、常勤の方と非常勤の方の割合、これはどのようになっていますでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどと同じ調査でございますけれども、消費生活相談員の常勤、非常勤の割合は、平成二十五年四月一日時点において、常勤百三十四人、非常勤二千五百五十四人、その他委託六百八十三人であり、割合は、常勤が四・〇%、非常勤が七五・八%、その他委託二〇・三%となっておりました。これを最新の数字にしますと、平成二十九年四月一日時点において、常勤七十三人、非常勤二千七百三十八人、その他委託六百二十一人でありまして、割合は、常勤二・一%、非常勤七九・八%、その他委託一八・一%というふうになっております。

藤野委員 そういう意味では、雇用形態としましても非常勤の方が非常に多くなってきている、ふえているということであります。

 非常勤の方の契約期間はとお聞きしますと、一年間という方が大体九割を占めていらっしゃいます。このもとで、ごく少数なんですけれども、その一年という期間で雇いどめをするという自治体もまだ残っているというふうに認識しております。

 これは、どれぐらい残っているか、あと、どういう自治体かというのも答弁いただけますか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十九年度地方消費者行政の現況調査に回答していただいた時点のとき、雇いどめを行っているというふうにお答えになった、平成二十九年四月一日時点の自治体でございますけれども、十三自治体ございまして、大船渡市、塩竈市、東松島市、金沢市、飯山市、多治見市、北方町、焼津市、江田島市、直方市、豊後大野市、那覇市、うるま市の十三自治体でございますが、これは、お時間がなかったもので、この調査時点でということで御容赦いただければと思います。

藤野委員 これは後で見ますけれども、自治体は大変財政的に苦しい状況がありまして、そこに追い込まれているといいますか、そういう面もあるということは指摘をさせていただきたいと思うんです。

 その上で、大臣、今までいろいろ現状を見てきたわけですけれども、そうした実態なんですね。消費相談の中身というのは複雑化し、高度化してきている。あっせんが必要だという事案がどんどんふえてきている。しかし、にもかかわらず、現場の職員の方は、専任でやられている方はどんどん減ってきていて、兼務の方もなかなか消費者行政に関与することができない、ほかの仕事もたくさんあるものですから。という状況が現状としてやはりあるということであります。

 やはり、こうした現状を変えていく、改善していくということが、消費者が質の高い相談、救済を受けられることにつながりますし、ひいては、若者が、成年年齢を引き下げられても、しっかりやはり相談して救済されていくという環境整備にもつながっていくというふうに思います。

 その点で、大臣にお聞きしたいんですが、もちろん、直接的には消費者庁の仕事だということは十分認識しております。しかし、先ほど来話があるように、大臣は関係府省庁連絡会議の議長でもいらっしゃるわけで、今ずっと見てきました消費生活相談員の処遇改善、これを進めることがやはり成年年齢引下げという今回の法案の環境整備にとっても重要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

上川国務大臣 消費者相談の件数等につきましては増加をしている中で、今回、民法の成年年齢が引き下げられるとともに、消費者被害の拡大につきましては、防止する施策が周知されることによりまして、十八歳、十九歳の若年者の消費者相談の件数が増加するということも見込まれるものでございます。

 委員御指摘のとおり、消費生活相談員の皆さんには、消費者問題の複雑化等によりまして、高い専門性が求められているというものと認識をしております。

 このような中にあって、成年年齢の引下げによる若年者への消費者相談に対応するためにも、消費生活相談員の質そして量ともに確保が重要であるというふうに考えております。

 政府といたしましても、消費生活の現場を支える消費生活相談員の皆さんの処遇改善につきましては、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

藤野委員 今、そういう御答弁の上でなんですが、ところが、安倍政権は、そうした待遇改善とは逆のことをやっているのではないか。

 配付資料の六を見ていただきますと、消費者行政予算の推移であります。第二次安倍政権が発足して以降、直近の二〇一六年度は若干ふえていますが、トレンドとしては減少傾向なんですね。消費者行政予算がそもそもないという市町村数も百四十八、これは逆にふえてきているんです、この間ずっと。消費者行政予算がないというところがですね。

 消費者行政のための国の予算というのは、消費者庁が発足してからですから、まだやはり試行錯誤がいろいろあって、初めは基金とかという形できて、次に当初予算化され、単年度交付金化という形でいろいろ変化されていると思うんですが、しかし、やはり、そういう意味での減少傾向というのが大きな流れになっている。

 消費者庁にお聞きしたいんですが、現状ですけれども、現状は地方消費者行政推進交付金と地方消費者行政強化交付金という二つあると思うんですが、これはどういう関係なんでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 地方消費者行政推進交付金、これは平成二十年度補正予算から平成二十九年度補正予算の間、累次にわたり獲得してきたものですけれども、これは、消費生活センターの設立や消費生活相談員資格の取得促進などの、地方消費者行政のまさに基盤となる体制整備の立ち上げ支援を行ってきたものでございます。

 これに対しまして、地方消費者行政強化交付金、これは、平成三十年度当初予算ということで、本年度のものでございますが、主として若年者への消費者教育や訪日・在日外国人向け相談窓口の整備などの、国として取り組むべき重要消費者政策の推進に資する取組を国として支援するというものでございます。

藤野委員 今答弁いただいたように、国の予算としては二つ交付金がありまして、一つは推進交付金というもので、これは基盤整備なんです。

 冒頭、消費生活相談員が位置づけられ、内閣総理大臣が決めた試験を受からないといけないというのは、そういうことを促進していく基盤整備、あるいは消費生活センターですね、こういう大事な予算なんです、ある意味。

 もう一つの強化交付金というのは、その時々の、国が、今はちょうど来日外国人や在日外国人の周知とかあるいは教育とかいう、時々のトピックについての予算ということで、補助率も、古い交付金の方は全部なんですが、新しい交付金は二分の一というふうになっております。

 そうなりますと、基盤整備と言われる消費生活センターの設置や、あるいは資格の取得、ちゃんとした高い専門性を有しているか、そういう相談員かどうかを、ふやしていくというところの予算が減ってくるということになるんですね。実際、この間、減ってきているんです。

 ちょっと一言だけ確認したいんですけれども、その方向で、最終的には、そういうことをやりながら、そういう基盤整備、資格をちゃんと取得させるとかセンターを全国津々浦々につくるとか、そういうのは自主財源、地方自治体の自主財源でやれというのが今の国のトレンドだということでよろしいですね。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、本年度から発足いたしました地方消費者行政強化事業、この中でも、消費生活センターの機能維持、充実ということで、こちらは……(藤野委員「トレンド、要するに大きな流れ」と呼ぶ)大きな流れとしては、もともと、消費者行政というのは自治事務でございますので、自主財源でしっかりとというのが基本にはございます。

 一方で、消費者庁といたしましては、国として、やはり、支援を最大限できるようにということで工夫をしているということでございます。

藤野委員 福井消費者担当大臣は、要するに、そうした交付金もあるけれども、センターの設置や、あるいは相談主任の資格取得といった基盤整備は、自主財源でやっていくというのが今後の方向だというふうに国会で答弁しております。余り役人の方が、ちょっとはっきりおっしゃらないので。大臣はそういう答弁をされているんですね。

 しかし、実際はどうかといいますと、消費生活センターというのは、今、全国八百二十九カ所あるんです。努力はされていると思うんですが、しかし、人口五万人以下の市町村については、非常にまだ整備がおくれているんですね。設置率が二〇%を下回っている県というのも十四ある状況です。

 ですから、先ほど来、消費者庁の方がおっしゃっている、どこに住んでいても質の高い相談、救済が受けられる体制というのはまだ整っていないという状況であるわけであります。この状況で自主財源でというのは、これはやはり実態に合わない。

 配付資料の八を見ていただきますと、これは全国消費者団体連絡会がことしの一月二十九日に発表された、まさに、地方消費者行政にかかわる交付金についてのアンケートなんですね。

 これを見ますと、交付金が減らされるもとでどうなっていくか。消費者行政が、縮小、削減、中止が想定されるというのが二十七県です。交付金の減額により市町村に何らかの影響が出るというのは三十六県です。自主財源でやれと言われるけれども、自主財源の確保が困難だというのが四十三県なんですね、四十三県に上っている。この自主財源が困難という理由は、いわゆる県の予算の確保の優先順位は医療、福祉、社会資本等が高く消費者行政は低いので自主財源確保は困難だとか、いろいろ挙げられております。

 まさに、国の交付金はどんどん減らしていって、あとは地方自治体の自主財源で消費者行政をやってくれというこの今のスタンス、路線は、私はもう破綻しているというふうに思うんです、こういうアンケートを見ましても。

 配付資料の九は、これはある県のリアルな回答なんですけれども、交付金がなくなれば消費生活相談員の雇用を続けられなくなる市町も出るのではないかという声も出ているんですね。

 ですから、大臣、ちょっとお聞きしたいんですが、これはやはり、今、安倍政権が進めている、一方での消費者行政関連の予算をどんどん削っていこう、あとはもう自治体で自主財源でやってくれ、こういうやり方というのはやはり現場と非常に矛盾を生んでいますし、このまま進めば相談員の雇用を削らなければならない、こういうリアルな声も出てきている。これは大臣、やはり問題なんじゃないでしょうか。

上川国務大臣 今回、成年年齢を引き下げるという形に伴いまして、消費者被害の拡大の防止、極めて重要なことであり、そのために、若年者がどこに住んでいても質の高い相談また救済を受けられるように、また、気兼ねなく、身近であったところで相談できるようにしていく、そのためには、消費生活センター等を全国に整備することや、また、消費者被害に遭った際の相談先、先ほど来のお話のとおり、消費者相談員の皆さん、こうした整備につきましては極めて重要な基盤であるというふうに考えております。

 そうしたことについて、適切にその措置がとられることができるようにしていくために、これからも消費生活センターの整備や相談体制の充実、法執行体制の強化により、適切な消費者被害の防止、救済が図れるように全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 消費者庁から先ほど答弁がございました、地方消費者行政につきましては自治事務ということでされているところでございます。その意味で、地方公共団体に対しましては、自主財源に裏づけられた消費者行政予算の確保、これにつきましては、しっかりと働きかけることによりまして、引き続き地方消費者行政の充実強化が図られることが重要であるというふうにも考えております。

藤野委員 いや、私が聞きましたのは、今そうやっておっしゃられるのは結構なんですけれども、実際に予算として、実際に安倍政権がこの間行ってきたものは、そういう交付金事業を減らしているわけですね、交付金を。そのもとで、実態的には、交付金というのは多くは人件費の財源になっている。相談員の方々の、今の相談体制を維持する大事な財源になっているわけですね。それが、去年、二十九年から三十年でいえば六億円も減らされているという実態のもとで、大変な不安が現場に広がっております。

 ですから、先ほど大臣はこうおっしゃったんです、関係府省がばらばらなら効果が上がらないと、先ほど國重委員に答弁されております。そのとおりだと思って聞いたんです。しかし、今ばらばらだと思うんですね。ですから、やはりこれはしっかりと同じ方向を向いていく必要があるんじゃないかと。

 関係府省庁連絡会議の、これから取り組むという施策も私も詳しく読ませていただきました。率直に感じましたのは、教育は高校も大学もかなり詳細あります、与信審査もあります、自立支援もあります、しかし、消費者行政、とりわけ消費相談の現場の実情について、少なくとも表に出ているものでは、率直に、ちょっと問題意識が弱いのではないかと懸念を抱いております。

 ぜひ、議長として、この連絡会議でも消費者相談の現場の実情をしっかり議論していただいて、財源も含めて、改善の具体的な手だてをとっていただきたいと思うんですが、そのことが若者の消費者被害の相談を通じて救済していくことにつながりますし、成年年齢引下げに関する国民の意識、世論を変えていく上でも大きな意義があると思うんですが、大臣、議長として、いかがでしょう。

上川国務大臣 まさに、成年年齢の引下げに伴う消費者被害の拡大を防止する、これは極めて重要な施策でございまして、その意味では、現場、地方消費者行政の充実強化は、そのための基盤として極めて大事であるというふうに思っております。

 連絡会議におきまして、各省庁の縦割りをなくし、横串型の連携強化を図るためにも、こうした視点につきましても、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

藤野委員 とにかく、現場の皆さんは、もし引き下げられたら若者が本当に大変なことになると、参考人の方も、相談員協会の方もいらっしゃって、懸念は持っているし、何とかしたいと思っているわけですね。そういうことですから、ぜひ、そうした立場で取り組んでいただきたいというふうに思います。

 最後に、一言だけですが、やはり、この百四十年ぶりの成年年齢引下げの議論、国民的な議論というものが本当にまだ足りないというふうに実感しておりまして、こうした議論を本当に、この国会が率先してやりますけれども、国民的にやる必要があるということを強く主張しまして、質問を終わります。

平口委員長 この際、源馬謙太郎君の残余の質疑を許可します。源馬謙太郎君。

源馬委員 先ほども成年年齢の引下げと少年法のかかわりについてお聞きをしてまいりました。

 現行の少年法は、昭和二十三年に改正されてから、その適用対象年齢は二十未満ということになっておりますけれども、この現行法の前、旧の少年法では、大正十二年に施行されておりますけれども、適用対象年齢が十八歳未満であったということです。

 いろいろな社会情勢はあったと思いますが、この対象年齢、適用年齢が十八歳未満から、いろいろな時代の情勢、それから当時の世論なども受けて二十に引き上げられたというふうに理解をしておりますが、いま一度、この少年法が適用される年齢の引上げ、どういった経緯で、どのような情勢のもとで引上げに至ったのかをちょっとお伺いをしたいと思います。

辻政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、旧少年法におきましては十八歳未満の者が少年とされていましたのが、昭和二十三年制定の現行少年法におきまして、これが二十歳未満とされたわけであります。

 その理由についてですけれども、当時の政府の提案理由説明によりますと、当時の犯罪傾向によると、二十歳くらいまでの者に特に増加と悪質化が顕著であったところ、この程度の年齢の者は、いまだ心身の発育が十分でなく、環境その他外部的条件の影響を受けやすく、これらの者の犯罪が深い悪性に根差したものではなく、その者に刑罰を科すよりは、保護処分によってその教化を図る方が適切である場合が極めて多いというような説明がされていたものと承知してございます。

源馬委員 心身の発育とか、そういった責任を持てるかどうかということは、今回の成年年齢を引き下げるということにもやはり関係してくると思うんですけれども、一旦はそうした、まだまだ未発育というか、まだ未熟であるというふうに判断したものが、この期間、この長い歴史の中で、今はそうした状況ではなくなったということでいいんでしょうか。

辻政府参考人 ただいま申し上げましたのは少年法の分野での考え方でございまして、この少年法、先ほど申し上げましたような、二十歳未満というふうに年齢を引き上げた考え方が現在でも妥当するのかどうかというようなところにつきましても、先ほど申し上げましたように、ただいま法制審議会におきまして年齢の上限の点も含めて御検討いただいているところでございますので、そういう当時の考え方が今も妥当するのかどうかというところも含めて、更に法制審議会で御検討いただくものというふうに考えております。

源馬委員 その辺のところ、今法制審議会でどういった議論があって、また、大臣御自身も、法律は違うといっても、やはり根底にある基本的な考え方というのは共通するところがあると思いますが、この少年法の適用年齢、十八歳未満とすることについて当時の金田法務大臣は諮問をしましたけれども、現在どのような検討状況になっているのか、改めて。大臣にも所感を伺いたいなと思います。

辻政府参考人 先ほども申し上げましたとおりでございますけれども、少年法におきます少年の上限年齢の検討は、刑事司法全般において、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題にかかわるものというふうに考えております。

 したがいまして、昨年二月、法制審議会に対して諮問をしているところでございますが、少年の上限年齢のあり方とともに、若年者を含む犯罪者に対する処遇を充実させるための刑事法の整備のあり方についてもあわせて諮問をし、現在、調査審議していただいているというところでございまして、当面、まずは法制審議会の部会における議論の推移を見守りたいというふうに考えているところでございます。

源馬委員 済みません、ちょっと時間がなくなっちゃったものですからあれですが、それでは、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども。

 少年犯罪の今の増加の傾向あるいは少年法の適用年齢の引下げに関する世論の傾向、これは、例えば、適用年齢を引き下げることに賛成というのは八〇%以上ある調査もあったり、朝日新聞の調査でも七一%が賛成、こういった調査もございます。こういった、やはりメディアで取り上げられることも多くなって、凶悪化しているのではないかという印象も受けますし、そうした少年犯罪の増加やその凶悪化についてどのような御見解をお持ちか、伺いたいと思います。

上川国務大臣 少年による刑法犯の検挙人員につきましては、平成十六年から毎年減少をしております。少年人口当たりの検挙人員割合も低下傾向が続いている。

 そのうち、重大犯罪における少年の検挙人員について見ますと、殺人については顕著な増減の傾向は見られないわけでございまして、強盗につきましてはおおむね減少傾向にあると言うことができます。

 このように、近年、少年犯罪につきましては、全体としては減少傾向にあるものの、少年による凶悪重大事件はなお散見されるところでございまして、少年犯罪の動向につきましては、今後とも注視を要する状況にあるというふうに考えております。

源馬委員 済みません。ちょっと時間がなくなりまして、幾つかできない質問が出てきてしまいましたが、ドイツでは、成年年齢が二十一歳である一方で、日本で言う少年法が適用される年齢というのを二十一に合わせて、そして、ただ、十八歳から二十一歳未満を青年というふうに区分をして、この少年法の適用年齢を工夫しているという制度があるというふうに聞きました。

 こういったことも、これは少年法に限らずに、例えば、未成年者取消権がこれからなくなってしまうこの段階において、未成年ではなくなるけれども何らかの措置をとるとか、やはりそういった柔軟な考え方がこれからまた必要になってくるのではないかなと思います。

 いずれにしても、そうした環境整備がまだまだ整っていないなという状況がある中で、さらに、きょうも何度か申し上げましたが、例えば喫煙の問題、たばこの問題、こういったものとのちぐはぐ感もちょっと残っているという状況であるということを申し上げさせていただきまして、終了とさせていただきます。

 ありがとうございました。

平口委員長 この際、一言申し上げます。

 本日の委員会において、理事会で確認した質疑時間帯と実際の進行が乖離したことにより一部委員に御迷惑をおかけしたことについては、私としても遺憾に思います。今後、このようなことがないよう、円滑な委員会運営に努めてまいります。

 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平口委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。山尾志桜里君。

山尾委員 立憲民主党を代表して、民法の一部改正案に対し、反対の立場から意見を申し上げます。

 反対の理由その一です。

 取消権を失う若年消費者保護施策が現時点で極めて脆弱、学校における消費者教育も軌道に乗ったとは到底言いがたいことです。

 この点、消費者契約法改正案の現状を見ると、改正前より一歩前進ではあっても、現代の多様なつけ込み型商法についての取消権の創設や、キャンセル料についての立証責任の軽減、要らないのに買わせる、払えないのに買わせる、そういったことを防ぐための事業者の情報提供義務の拡大など、まさに若年消費者保護の核心部分は附帯決議にとどまっています。

 また、消費者教育に関して、直近の文科省の調査によれば、成年年齢の引下げを踏まえて消費者教育を新規、拡充したと答えた学校は一割足らずです。

 このように、引下げの大前提となる施策を施行までに実現させ、効果を上げ、国民の意識に浸透させる道筋が全く描けていません。このまま引下げの決断だけ先行させることは、みすみす十八歳、十九歳の消費者を、未熟であるが取り消せない若者消費者として悪徳業者に引き渡すような結果をもたらしかねず、強く警鐘を鳴らします。

 反対の理由その二です。

 成年年齢の引下げが単親家庭あるいは児童養護施設で育つ子供などに与える負の影響を払拭できていません。

 養育費の支払い問題について、成年に達するまでとの合意に基づいて十八歳で支払いがとめられてしまったケースにおいて、受け取る側が裁判などを起こす負担を放置することは、高校卒業時点の子供の人生設計を直撃する大問題です。また、養育費の支払いを終える基準は成年ではなく成熟なのだという考え方が裁判所や当事者、社会に浸透していないまま、成年年齢引下げ法の成立だけが周知されれば、事実上支払いを終える時期のスタンダードが十八歳となりかねません。法案を提出する以上、政府はこの問題についての具体的解決策を提示すべきです。

 また、児童養護施設に入所していられる年齢も引き下げられてしまう懸念が示されました。この点、本日、私から、二十という入所上限年齢の根拠から成年という要素を外し、入所上限年齢は下がらないと明言すべきだと厚労副大臣に尋ねましたが、残念ながら、この問題意識を深いところで共有するに至りませんでした。

 あわせて、本改正が少年法の対象年齢引下げへとつながる懸念も示されました。この点、参考人の質疑では、十八歳を完成された大人ではなく大人の始まりと位置づけ、保護と責任と権利の主体として育てていくべき、少年法対象年齢を引き下げて罰すればいいというような論調は若者を育てるという意味で問題があると、識見が示されました。

 これを機に、ぜひ、子供と大人、権利と義務といった平板な二元論に立つのではなく、若者を保護しつつ権利を与え、自立を支えていく中で責任の認識を促していくという、多元的で段階的な考え方を根づかせていきたいと思います。しかし、安易な権利と義務の二元論に立つ言説も少なくない現状においては、いまだ、民法上の引下げが少年法対象年齢の引下げへとつながる、あるいは利用される危険性を払拭できておりません。

 以上、こうした現状において、今回の成年年齢引下げは必要な議論や施策が余りに未熟、この見切り発車を見過ごすことは、若者の人生の選択肢を広げるどころか、狭める危険性が極めて高いことから、私たちは反対いたします。

 以上です。(拍手)

平口委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 私は、日本共産党を代表して、民法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 本法案は、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げるものです。未成年者であっても、人として成年と同様の基本的人権を有しており、その自己決定権は十分に尊重されるべきです。本法案が成年年齢を十八歳に引き下げることは、十八歳、十九歳の若者の自己決定権を拡大するという積極的な意義を持つものです。

 国際的にも、欧米諸国等多くの国が十八歳を成年としており、成年年齢の引下げは、こうした国際社会の趨勢にも合致するものです。

 また、女性の婚姻開始年齢を十八歳に引き上げることは、両性の平等の観点から当然です。

 しかしながら、現時点においては、成年年齢引下げに伴う問題が存在しており、それに対する対策は十分とは言えません。

 とりわけ、本法案により、十八歳、十九歳の若者が未成年者取消権の保護を外される点は問題です。未成年者取消権は、未成年であることを証明するだけで、だまされたとかおどされたと立証するまでもなく契約を取り消すことができるものであり、被害を抑止する防波堤とも言われています。日弁連や消費者団体からは、十八歳、十九歳の若者が未成年者取消権の保護から外されれば、若者の消費者被害が増加するとの強い懸念が示されています。

 安倍総理は、ことしの施政方針演説で、「成人年齢を十八歳に引き下げる中で、消費者契約法を改正し、若者などを狙った悪質商法の被害を防ぎます。」と述べました。しかし、改正消費者契約法が定める取消権は、幾つかの類型に限定されており、しかも、過大な不安など厳しい要件の立証が必要になります。若者が失う未成年者取消権と新たに与えられる取消権には、いまだ大きなギャップがあります。

 二〇〇九年の法制審の最終報告書では、若者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれを解決する施策が実現されること、これら施策の効果が十分に発揮されること、施策の効果が国民の意識としてあらわれることを条件としています。

 当委員会の二回の参考人質疑では、十人の参考人のほとんどが、この三つのハードルについて、道半ばあるいはクリアできていないと述べています。

 現時点で、成年年齢を十八歳とすることは、積極的な意義がありながらも、想定される問題の解決に至っていないと言わざるを得ません。

 成年年齢をどうするかは、若者のみならず、日本社会のありようにかかわる大問題です。国民的な議論が必要であることを指摘して、反対討論を終わります。(拍手)

平口委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平口委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、民法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

平口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十八分散会


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