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第1号 令和6年3月8日(金曜日)

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本国会召集日(令和六年一月二十六日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 武部  新君

   理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君

   理事 谷川 とむ君 理事 牧原 秀樹君

   理事 鎌田さゆり君 理事 寺田  学君

   理事 池下  卓君 理事 大口 善徳君

      東  国幹君    五十嵐 清君

      井出 庸生君    稲田 朋美君

      英利アルフィヤ君    奥野 信亮君

      斎藤 洋明君    高見 康裕君

      中曽根康隆君    中野 英幸君

      仁木 博文君    平口  洋君

      藤原  崇君    三ッ林裕巳君

      山田 美樹君    鈴木 庸介君

      中川 正春君    山田 勝彦君

      吉田はるみ君    米山 隆一君

      阿部 弘樹君  斎藤アレックス君

      美延 映夫君    日下 正喜君

      中川 宏昌君    本村 伸子君

令和六年三月八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武部  新君

   理事 熊田 裕通君 理事 笹川 博義君

   理事 谷川 とむ君 理事 仁木 博文君

   理事 牧原 秀樹君 理事 鎌田さゆり君

   理事 寺田  学君 理事 道下 大樹君

   理事 米山 隆一君 理事 池下  卓君

   理事 大口 善徳君

      五十嵐 清君    井出 庸生君

      稲田 朋美君  英利アルフィヤ君

      奥野 信亮君    斎藤 洋明君

      中曽根康隆君    中野 英幸君

      平口  洋君    藤原  崇君

      三ッ林裕巳君    保岡 宏武君

      山口  晋君    山田 美樹君

      おおつき紅葉君    鈴木 庸介君

      渡辺  創君    阿部 弘樹君

      斎藤アレックス君    美延 映夫君

      日下 正喜君    平林  晃君

      本村 伸子君

    …………………………………

   法務大臣         小泉 龍司君

   法務副大臣        門山 宏哲君

   法務大臣政務官      中野 英幸君

   最高裁判所事務総局経理局長            染谷 武宣君

   法務委員会専門員     三橋善一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  中川 正春君     道下 大樹君

  吉田はるみ君     おおつき紅葉君

二月八日

 辞任         補欠選任

  中川 宏昌君     平林  晃君

三月八日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     保岡 宏武君

  高見 康裕君     山口  晋君

  山田 勝彦君     渡辺  創君

同日

 辞任         補欠選任

  保岡 宏武君     東  国幹君

  山口  晋君     高見 康裕君

  渡辺  創君     山田 勝彦君

同日

 理事谷川とむ君、鎌田さゆり君及び寺田学君同日理事辞任につき、その補欠として仁木博文君、米山隆一君及び道下大樹君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十六日

 戦争等避難者に係る出入国管理及び難民認定法の特例等に関する法律案(鈴木庸介君外五名提出、第二百八回国会衆法第二二号)

 国家賠償法の一部を改正する法律案(階猛君外五名提出、第二百八回国会衆法第五二号)

 民法の一部を改正する法律案(枝野幸男君外十一名提出、第二百八回国会衆法第五三号)

 民法の一部を改正する法律案(大河原まさこ君外五名提出、第二百十一回国会衆法第三号)

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の一部を改正する法律案(堀場幸子君外三名提出、第二百十一回国会衆法第三六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

武部委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 この度の令和六年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

武部委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

武部委員長 理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事谷川とむ君、鎌田さゆり君及び寺田学君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      仁木 博文君    道下 大樹君

      米山 隆一君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

武部委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 裁判所の司法行政に関する事項

 法務行政及び検察行政に関する事項

 国内治安に関する事項

 人権擁護に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

武部委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。小泉法務大臣。

小泉国務大臣 武部委員長を始め理事及び委員の皆様方には、平素から法務行政の運営につき格別の御理解と御尽力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 最初に、令和六年能登半島地震により亡くなられた方々とその御遺族に対して深く哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 法務省としても、例えば、地方公共団体と連携の上、金沢地方法務局輪島支局が入居する輪島地方合同庁舎において、被災した方々の受入れに対応するなど、できる限りの支援を行ってまいりました。引き続き、被災した方々に対し、法テラスにおいて、適切な相談窓口等に関する情報提供や、資力の状況にかかわらない無料法律相談を実施するなど、被災者の方々に寄り添った支援に全力で取り組みます。また、災害発生時に避難所としての機能を果たし得る、矯正施設を始めとする法務省施設の耐震化、老朽化対策にも、国土強靱化の視点も取り入れ、取り組みます。

 内外諸情勢の変化が極めて激しい中、法規範に対する国民の信頼をいささかもゆるがせにすることなく、他方で、大きく変化する経済社会や国民意識に適切に寄り添っていかねばなりません。何が国民の幸せにつながるのか、常に考え抜いていく必要があります。

 それでは、法務行政において当面する具体的課題を述べます。

 再犯者数は減少しているものの、刑法犯で検挙された者の約半数は再犯者という状況は依然として続いています。再犯防止こそが新たな被害者を生まない安全、安心な社会実現の鍵を握っています。第二次再犯防止推進計画に基づき、国、地方公共団体、民間協力者の連携をこれまで以上に進めます。地方公共団体や保護司等の民間協力者への支援などの一層の充実強化に取り組むとともに、満期釈放者対策等を着実に進めます。

 令和七年六月に拘禁刑が導入されます。拘禁刑は、個々の受刑者の特性に応じたきめ細かな処遇の実施により、効果的な改善更生と円滑な社会復帰を図ることを目的としています。その導入に向けて、運用の検討を進めるとともに、刑務所等における適正な処遇の実施に努めます。

 性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく傷つけ、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けます。性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針等を踏まえ、昨年六月に成立した改正刑法等の趣旨、内容の周知、同法等による厳正な対処及び再犯防止施策の更なる充実強化等を図り、引き続き、性犯罪、性暴力対策を進めます。

 安全保障環境が一層厳しさを増す中、公安調査庁においては、人工知能等の新たな技術も活用しつつ、公共の安全を脅かし得る偽情報の拡散を含む影響工作や経済安全保障、サイバー空間上の脅威、国内外におけるテロ関連動向に関する情報の収集、分析等にも努め、政府の施策に更に積極的に貢献します。

 北朝鮮に関しては、核・ミサイル関連の動向、日本人拉致問題を含む対外動向や北朝鮮内部の状況等について、関連情報の収集、分析等を進めます。

 我が国の領土、領海、領空の警戒警備に関しても、関係機関と連携し、適時適切な情報提供を行います。

 いわゆるオウム真理教について、団体規制法に基づく観察処分の適正かつ厳格な実施やアレフに対する再発防止処分の実効性の確保等を通じた公共の安全の確保に努めます。

 犯罪被害者等の方々に対しては、第四次犯罪被害者等基本計画及び「犯罪被害者等施策の一層の推進について」に沿って、きめ細やかな支援を実施します。

 生命や心身に重大な被害を及ぼす一定の犯罪の被害に遭った方々が、被害直後から弁護士による包括的かつ継続的な支援を受けられるようにするため、犯罪被害者等支援弁護士制度を創設することを内容とする総合法律支援法の一部を改正する法律案の今国会での成立を目指します。

 また、昨年十二月から運用が開始された、いわゆる被害者等の心情等の聴取・伝達制度について、引き続き、犯罪被害者等の方々に寄り添った制度となるよう適切に運用します。犯罪被害者等の方々の思いに応える保護観察処遇等の充実にも取り組みます。

 父母の離婚等に直面する子供たちの利益を確保するため、父母の離婚等に伴う子の養育の在り方に関する制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律案について、今国会での成立を目指します。

 また、児童虐待については、政府で取りまとめた「児童虐待防止対策の更なる推進について」も踏まえ、関係機関と連携し、その根絶に取り組みます。

 いじめや虐待、マイノリティーの方々に対する偏見や差別、インターネット上の人権侵害など、様々な人権問題への対応については、一人一人がお互いを尊重し合える社会を目指し、関係省庁等と連携し、人権相談や調査救済活動を充実強化するとともに、人権啓発活動等の取組を推進します。

 様々な困難を抱える方々が、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるよう、多様化する法的ニーズを的確に把握し、法テラスによる支援やその体制の拡充を図るなどして、総合法律支援の一層の充実強化に取り組みます。

 旧統一教会問題については、関係省庁及び関係機関、団体等との緊密な連携の下、法テラスにおいて、必要な情報共有を図りつつ、総合的対応窓口による一元的な相談対応を行うとともに、先般の臨時国会において成立した特定不法行為等被害者特例法に基づく支援を着実に実施し、被害者の迅速かつ円滑な救済に万全を尽くします。

 昨年十月、最高裁判所において性同一性障害特例法に関する違憲決定がされたことについては、厳粛に受け止める必要があると認識しています。立法府の動向等を注視しつつ、関係省庁と連携して、引き続き所要の検討を進めます。

 外国人との共生社会を創造していくために、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れ、適切な支援等を行うとともに、ルールに反する者に対しては厳正に対応することを基本として取り組みます。

 引き続き、外国人支援コーディネーターの育成、認証制度の検討や外国人在留支援センター、FRESC等における支援等の取組を推進します。

 共生社会の実現を目指しつつ、我が国を魅力ある働き先として選ばれる国にするという視点に立って、現行の技能実習制度を発展的に解消して、外国人材を育成、確保するための制度を創設します。あわせて、我が国に適法に在留する外国人の利便性を一層向上させるとともに、行政運営の効率化を図るため、在留カード等とマイナンバーカードの一体化も実現します。

 これら外国人の権利の擁護と適正な出入国在留管理の実現を図る出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案等について、今国会での成立を目指します。

 さきの通常国会で成立した入管法等改正法による諸施策の実現を着実に図るため、改正法の全面施行に向け、その準備に万全を期します。

 この入管法等改正法により在留特別許可の申請手続が創設され、その考慮事情が法律上明示されることに併せ、在留特別許可に係るガイドラインを改定するなど、制度の運用の一層の適正化を図ります。

 また、補完的保護対象者の認定制度の創設に関する規定等については既に施行されていますが、この制度を適正に運用します。

 国際情勢が引き続き緊迫する中、法務省では、法の支配や基本的人権の尊重といった価値を国際社会に浸透させるべく、司法外交を一層強力に展開します。

 私自身、機会を捉えて各国の大使らと意見交換を重ねておりますが、とりわけ、昨年、我が国が主催した司法外交閣僚フォーラムにおいて合意された、ウクライナ汚職対策タスクフォースの設置、運営や、ネクスト・リーダーズ・フォーラムの創設等の成果を着実に実行に移すとともに、中央アジア諸国や太平洋島嶼国等との間で新たに戦略的司法対話を実施します。

 また、これまで法務省が長年にわたり続けてきた法制度整備支援や、国連アジア極東犯罪防止研修所、UNAFEIを通じた国際研修等については、人材育成支援を通じた底堅い信頼関係構築のために取組を一層推進します。我が国が誇る保護司制度を世界へ発信、普及させる取組も推進します。

 国際仲裁が紛争解決手続のグローバルスタンダードであることに鑑み、国際的な法の支配の促進に向け、我が国における環境整備を進めるとともに、東南アジア地域等における普及を図ります。国連国際商取引法委員会、UNCITRAL等の国際機関におけるルール形成を主導します。

 また、国際商取引を円滑化し、対日投資を促進するための基盤として、関係省庁等と緊密に連携し、AI翻訳を活用するなどして、我が国法令の外国語訳を整備して国際発信する取組を一層加速させます。

 刑事手続において情報通信技術の活用を図るため、取り扱う書類について電磁的記録として作成、管理、利用することに関する規定の整備などを内容とする情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(仮称)について検討を進めます。当該技術の活用に不可欠となるシステムの整備についても、関係機関と緊密に連携しながら、スピード感を持って進めます。

 また、司法試験等について、令和八年に実施する試験からCBT方式による試験の導入等を目指すなど、試験のデジタル化に向けた取組を進めます。さらに、デジタル技術を活用した裁判外紛争解決手続であるODRの推進、法テラスにおける各種業務や更生保護行政のデジタル化に取り組むとともに、デジタル技術等の活用による出入国審査業務の更なる高度化を進めます。

 所有者不明土地問題への対策は、将来を見据えて政府全体で取り組むべき課題です。この対策の中核を成す相続登記の申請義務化が本年四月から施行されます。国民各層に大きな影響を与えるため、関係機関と連携し、十分な周知、広報を実施するなど円滑な運用に向けた準備を着実に進めます。

 これと共通の課題があり、今後急増することが見込まれる老朽化マンション等についても、区分所有法制の見直しに向けて、しっかりと検討を進めます。

 土地に関する重要な情報基盤である登記所備付け地図の整備については、全国において法務局の地図作成事業を推進するとともに、令和七年度以降の次期地図整備計画の策定に向けた検討を進めます。

 自由で公正な社会を実現するには、社会を形作る一人一人が自らの考えをしっかりと持つこと、そして、互いの考え方を尊重して生きていく力を身につけることが重要です。その基礎となる諸原理や法の役割を理解し、法的な物の考え方を身につけられるよう、法教育を積極的に推進します。

 高度、複雑化する法的需要に的確に応えるため、関係機関等と連携し、より多くの人材が法曹を志望する環境整備を推進します。また、法務省における訟務機能の充実にも取り組みます。

 裁判所の事務を合理化、効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減ずることを内容とする裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につき、今国会での成立を目指します。

 今後とも、公正公平な社会を目指し、副大臣、政務官、そして全ての法務省職員と一丸となり、全力で職務を果たしてまいります。そして、職員らの能力が最大限発揮されるよう、ワーク・ライフ・バランスの実現にも引き続き取り組みます。

 武部委員長を始め理事、委員の皆様方には、一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

武部委員長 次に、令和六年度法務省関係予算の概要について説明を聴取いたします。門山法務副大臣。

門山副大臣 令和六年度法務省所管等予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 法務省の一般会計予算額の総額は八千百三十三億三千三百万円であり、前年度当初予算額と比較しますと、二百十六億二千三百万円の増額となっております。所管別に区分いたしますと、法務省所管分は七千四百四億七千九百万円、デジタル庁所管として計上されている法務省関係の政府情報システム経費の予算額は六百五十六億五千三百万円、国土交通省所管として計上されている法務省関係の国際観光旅客税財源充当事業の予算額は七十二億百万円となっております。

 また、復興庁所管として計上されている法務省関係の東日本大震災復興特別会計の予算額は五千四百万円となっております。

 次に、一般会計の予算額の内訳は、人件費五千三百四十九億八千三百万円、物件費二千七百八十三億五千百万円となっております。そのうち、主要施策の経費について御説明申し上げます。

 まず第一に、国民の安全、安心の確保につきましては、再犯防止対策の推進のための施設内、社会内処遇等の充実強化に必要な経費として百二十七億七千二百万円、良好な治安を確保するための検察活動の充実強化及び刑事手続のIT化、デジタル化に必要な経費として十億九千百万円、経済安全保障、偽情報等に対応するための公安調査庁の情報収集・分析能力の強化に必要な経費として三十一億三千五百万円、霊感商法等への対応、一人親支援等を含む法テラスによる総合法律支援体制の充実強化に必要な経費として三百二十五億三千六百万円、子供、若者を取り巻く人権問題等の解消に向けた人権擁護活動の強化に必要な経費として三十五億三千七百万円を計上しております。

 第二に、外国人材の受入れ、共生社会の実現等に必要な経費として二百八十三億九百万円を計上しております。

 第三に、国際化、国際貢献の推進につきましては、法令外国語訳整備の強化、国内外の予防司法支援機能の強化に必要な経費として二十一億五千五百万円、司法外交の戦略的推進に必要な経費として五億九千万円を計上しております。

 第四に、時代に即した法務行政に向けた取組につきましては、法務行政、司法分野におけるDXに向けた取組の推進に必要な経費として三百八十五億八千八百万円、所有者不明土地等問題への対応、登記所備付け地図整備の推進、民事基本法制の整備等の推進に必要な経費として七十四億八百万円、法務省施設の整備、維持運営の推進に必要な経費として百九十四億七千二百万円を計上しております。

 次に、定員の関係でございますが、令和六年度におきましては、相続登記申請義務化の施行への対応、経済安全保障関連調査等の情報収集・分析体制の強化など、政府の重要課題に対応するため、法務省全体では千百六十五人の増員が認められており、定員合理化による千七十四人の減員を差し引きますと、九十一人の純増となっております。

 以上、令和六年度法務省所管等予算の概要を御説明させていただきます。

    ―――――――――――――

武部委員長 この際、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局経理局長染谷武宣君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武部委員長 令和六年度裁判所関係予算の概要について説明を聴取いたします。染谷経理局長。

染谷最高裁判所長官代理者 令和六年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。

 令和六年度裁判所所管歳出予算の総額は三千三百九億七千九百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千二百二十二億一千七百万円と比較いたしますと、差引き八十七億六千二百万円の増加となっております。

 次に、令和六年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。

 まず、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。

 一つ目に、裁判事務処理態勢の充実を図るため、百八十二億一千三百万円を計上しております。

 その内容について申し上げますと、第一に、裁判手続等のデジタル化関係経費として五十五億八千百万円を計上しております。この中には、民事、刑事、家事の各デジタル化関連経費、情報基盤整備関連経費が含まれております。

 第二に、民事事件関係経費として二十六億三千百万円を計上しております。この中には、民事調停委員手当、専門委員手当、労働審判員関連経費等が含まれております。

 第三に、刑事事件関係経費として四十一億一千二百万円を計上しております。この中には、裁判員制度関連経費、心神喪失者等医療観察事件関連経費、法廷通訳関連経費等が含まれております。

 第四に、家庭事件関連経費として五十八億八千九百万円を計上しております。この中には、家事調停委員手当等が含まれております。

 二つ目に、庁舎の新営等のための経費として百四十六億三千九百万円を計上しております。

 次は、定員の関係であります。

 事件処理の支援のための体制強化及び国家公務員の子供の共育て推進等を図るため、事務官を四十四人増員することとしております。

 他方、政府の定員合理化計画への協力等として七十五人の減員をすることとしております。

 なお、この増員等の中には、速記官から事務官への振替五人が含まれております。

 したがいまして、裁判所全体で差引き三十一人の純減となります。

 以上が、令和六年度裁判所所管歳出予算の概要であります。

武部委員長 次回は、来る十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時二十五分散会


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