衆議院

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第13号 平成29年5月10日(水曜日)

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平成二十九年五月十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 三ッ矢憲生君

   理事 黄川田仁志君 理事 新藤 義孝君

   理事 土屋 品子君 理事 中山 泰秀君

   理事 長尾  敬君 理事 小熊 慎司君

   理事 寺田  学君 理事 岡本 三成君

      今津  寛君    岩田 和親君

      小田原 潔君    小渕 優子君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      神谷  昇君    熊田 裕通君

      佐々木 紀君    島田 佳和君

      新谷 正義君    菅原 一秀君

      鈴木 隼人君    辻  清人君

      中川 郁子君    福山  守君

      松島みどり君    宮川 典子君

      宮路 拓馬君    山田 美樹君

      若狭  勝君    阿部 知子君

      石関 貴史君    緒方林太郎君

      吉良 州司君    中川 正春君

      原口 一博君    渡辺  周君

      浜地 雅一君    笠井  亮君

      足立 康史君    玉城デニー君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   外務大臣政務官      小田原 潔君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  槌道 明宏君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  横田 真二君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  相馬 弘尚君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  小野 功雄君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君

   政府参考人

   (内閣府賞勲局長)    幸田 徳之君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   山崎 和之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 宇山 智哉君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三上 正裕君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 志水 史雄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 小野 啓一君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   相川 一俊君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局南部アジア部長)      梨田 和也君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 田中 琢二君

   政府参考人

   (文化庁長官官房審議官) 永山 裕二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中川  勉君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小林 一久君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           三田 紀之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           竹内 芳明君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       渡辺 哲也君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 土本 英樹君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 岡  真臣君

   参考人

   (株式会社国際協力銀行執行役員企画・管理部門長) 林 健一郎君

   外務委員会専門員     辻本 頼昭君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     宮川 典子君

  鈴木 隼人君     宮路 拓馬君

  武井 俊輔君     岩田 和親君

  辻  清人君     新谷 正義君

  松島みどり君     菅原 一秀君

  中川 正春君     阿部 知子君

  渡辺  周君     緒方林太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     福山  守君

  新谷 正義君     辻  清人君

  菅原 一秀君     松島みどり君

  宮川 典子君     大野敬太郎君

  宮路 拓馬君     神谷  昇君

  阿部 知子君     中川 正春君

  緒方林太郎君     渡辺  周君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  昇君     若狭  勝君

  福山  守君     大西 宏幸君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     中川 郁子君

  若狭  勝君     鈴木 隼人君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 郁子君     武井 俊輔君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)


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     ――――◇―――――

三ッ矢委員長 これより会議を開きます。

 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、参考人として株式会社国際協力銀行執行役員企画・管理部門長林健一郎君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として外務省大臣官房長山崎和之君、大臣官房審議官宇山智哉君、大臣官房審議官三上正裕君、大臣官房参事官飯島俊郎君、大臣官房参事官志水史雄君、大臣官房参事官小野啓一君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長相川一俊君、アジア大洋州局南部アジア部長梨田和也君、内閣官房内閣審議官槌道明宏君、内閣審議官横田真二君、内閣参事官相馬弘尚君、内閣参事官小野功雄君、内閣審議官三角育生君、内閣府賞勲局長幸田徳之君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、財務省大臣官房審議官田中琢二君、文化庁長官官房審議官永山裕二君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、大臣官房審議官中川勉君、大臣官房審議官小林一久君、大臣官房審議官三田紀之君、大臣官房審議官竹内芳明君、通商政策局通商機構部長渡辺哲也君、資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、電力・ガス事業部長村瀬佳史君、防衛省大臣官房審議官土本英樹君、防衛政策局次長岡真臣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三ッ矢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

三ッ矢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

原口委員 おはようございます。民進党の原口一博でございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 まず、日印の原子力協定に関連して、きょうは、核セキュリティー、そういうことから入っていきたいと思います。

 私は、基本的にインドというのは我が国にとって大変大事な国であり、特に日印の戦略的パートナーシップ、これは私が国務相のときもデリー・ムンバイの投資構想は前の政権から引き継いで私たちもやってきました、そういう中で、インドが大変大事であるということを踏まえた上で、ただ、核セキュリティーについて、核の不拡散を目指したんだけれども、話が違った、核実験をされた、あるいは政権がかわったということでは話にならないので、その辺のことが今回の日印の原子力協定でどのように担保されているかという観点から議論をしていきたいと思います。

 まず、その核セキュリティー。きょうもアメリカから衝撃的なニュースが入ってきました。ワシントン州の核施設でトンネルが崩壊したと。放射能漏れはないようですけれども、核を持っているということは、ただそれが強いというだけではなくて、脆弱性も抱えるんだ、あるいは保有や膨大なコストといったことも考えなきゃいけない、そういう前提で議論をしていきたいと思います。

 きょうは、後ろが限られているので幾つか質問をまとめてやります。ですから、政府参考人もまとめて聞きます。

 まず、北朝鮮のミサイル、これは核実験を行い、数次にわたって、ここのところもミサイルを発射しています。最近のは失敗しているみたいですけれども。

 政府に四つ続けて聞きます。

 先月ですか、核ミサイルというかそれに対する防護について、内閣府は国民に呼びかけられましたね。それがどういうものであったのか、それがなぜなのか。

 それから、二点目はEMP攻撃。防衛省、EMP攻撃、つまり核ミサイルの電磁パルスによる攻撃によって、これはアメリカでも今、全電源喪失する、そうすると長期にわたって多くの被害が出る。防衛省はこれに備えているというふうに思いますが、どのように備えているか。

 それから二点目は、では、国民保護法制下においてEMP攻撃が起きた場合。皆さんの手元の資料をごらんになってください。これは浜岡原発の事故のときの、破断事故の概要です。

 外務大臣、原子力発電所というのは、全電源喪失しても、蒸気が出ていますから、それが最後のバッファーで、それで冷やすことができる、こういう装置があるんですね。ところが、浜岡原発では、このときの事故、二〇〇一年の事故ではそこが壊れました。今回、東京電力福島第一原発も、全電源喪失したんだけれども、この機能が動いていれば、あそこまでメルトダウンにならなかったかと思います。

 そこで、経産省に聞きますけれども、国民保護法制下において、原発をとめることを命ずる権限というのは経産省にありますか。

 四番目。ないとすれば、原子力規制委員会だと思うんだけれども、規制委員会はEMP攻撃に対して想定していますか。

 この四つについて、簡単に答弁を求めます。

横田政府参考人 お答え申し上げます。

 第一点の、国民への呼びかけについてでございます。

 先月、内閣官房の方で「弾道ミサイル落下時の行動について」というものをまとめまして、公表をいたしました。

 政府としては、これまでも、内閣官房ホームページ内の国民保護ポータルサイトなどにおいて、武力攻撃やテロなどに際してどのように行動すべきか等について周知を図っているところでございますが、北朝鮮による核弾道ミサイルの開発や運用能力の向上が我が国を含みます地域及び国際社会に対する新たな段階の脅威になっている中で、国民の皆様のポータルサイトへのアクセス数が急増しているという状況などを踏まえまして、国民の皆様の関心が特に高く、問い合わせが多く寄せられております弾道ミサイル落下時の行動についてということについて、わかりやすく取りまとめてポータルサイトに掲載したものでございます。

土本政府参考人 自衛隊におけるEMP対策の関係でございますが、自衛隊施設につきましては、中期防衛力整備計画におきまして、各種事態に効果的に対応し得るよう運用基盤を維持する観点から、駐屯地、基地等の抗堪性を高めるということが規定されておりまして、先生御指摘のEMPに関するものも含めまして、さまざまな攻撃に対する抗堪性の強化というものが重要だと認識しております。

 具体的には、このため、一つ目といたしましては、陸上総隊司令部や海上作戦センター等の指揮中枢である施設につきましては、地下化を図っているという点が一点目でございます。

 二点目といたしまして、空自のレーダーサイトで収集した情報を空自全体で共有するために必要となる通信網につきましては、多重化を推進しているというのがございます。

 三点目といたしまして、電磁パルス攻撃に対する装備品の防護に関する研究というのも実施いたしました。

 このような形で抗堪性の強化に努めているところでございますが、EMPに関するものも含めまして、自衛隊施設の抗堪性の強化につきましては、さらに検討を進め、真摯に取り組んでまいる所存でございます。

村瀬政府参考人 国民保護法における原子炉の運転停止を命令する権限について、御質問にお答えさせていただきます。

 経済産業大臣は、国民保護法におきましては、原子炉の運転停止を命令する権限は有していないところでございます。

田中政府特別補佐人 EMP攻撃を含む電磁パルスが原子力施設にどのような影響を与えるかについては一概に答えることは難しいのですが、こういった攻撃、武力攻撃事態等であると認定された場合には、国民保護法に基づいて、原子力規制委員会は原子力施設の使用の停止を命ずるということにしてあります。

 なお、国民の保護に関する基本指針において、こういった突発的な武力攻撃が発生した場合には、事業者みずからの判断において原子炉を停止するというふうに認識しております。

原口委員 外務大臣、お聞きになりましたか。

 資料六をごらんになってください。

 今、内閣府が説明をした、つまり「弾道ミサイル落下時の行動について」、「できるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する。」、こういったことを出したわけです。

 その隣は、三月六日の北朝鮮による弾道ミサイル。何も原発を狙うとは限らないんです。空中高く核爆発をさせて、今防衛省が答えたようなEMP攻撃をする。ところが、経産省はその権限を持っていない。規制委員長、田中委員長が今お答えになりましたけれども、いわゆる突発的なところはどうとめるかというのは、原発事業者、いわゆる電力会社に任せられている。今回も、地下鉄がとまったりとまらなかったりしましたね。

 ところが、国民保護法制においては原子力委員会がその任にあるんだけれども、今田中委員長のお答えは、一概に答えられないと。想定していないんじゃないですか、EMP攻撃。想定しているんだったら、想定していると答えてください、田中委員長。

田中政府特別補佐人 私どもは原子炉規制法にのっとって規制をしております。それで、武力攻撃事態、EMP攻撃も、これは一種の戦時状態でありますので、そういったものについては想定しておりません。

原口委員 聞かれましたか。つまり、突発的な、今ミサイルが飛んできたとする、そうすると、まだ国民保護法制が発動していないときには、原子力事業者が判断によってとめるわけです。ところが、空で核爆発をした場合には全電源喪失をしている。つまり、東京電力福島第一原発で起きたことが今にも起きるかもわからない。

 不安をあおっているんじゃないですよ、単なるその危険性を言っているだけで。そうしたときには、今田中委員長がお話しになったように、想定をしていない。経産省も想定をしていない。これは責めているんじゃないんですよ。穴があいているから、穴があいているところについては、今すぐにでもそれをとめなきゃいかぬということを申し上げています。

 二〇〇六年に、私、「平和」という本を上梓しましたけれども、その中で河野太郎さんと議論したんですね。核燃サイクルがもう非常に厳しくなっている、東京電力福島第一原発を初めとする原発の脆弱性といったことについて議論をしていた。だけれども、やはりあの津波でああいう全電源喪失をした。だから、核についてはやはり、プラスの面もある、核爆弾を持っているということで強いということだけじゃなくて、保管やあるいは原子力施設を動かすことについても膨大なコストと責任が伴うんだということを申し上げたいというふうに思います。

 そこで、ちょっと外務大臣、国務大臣として、今の議論をぜひ内閣全体で共有してください。これは今にも起きるかもわからないことですね。それをお願いしたいんですが、いかがですか。

岸田国務大臣 政府として、国民の命や暮らしを守るというのは最も大切な役割であります。想定していないというようなことは許されないと考えます。委員の御指摘、大変重く受けとめさせていただきました。政府としても、こういった事態について、絶えず何が必要なのか検討を続けなければならないと認識をいたします。

原口委員 ありがとうございます。これは早急にやってください。

 それから、規制委員長も、EMPを想定していないというところはよく議論していただいて、そして前に進めてほしい、穴がないようにしてほしいということを踏まえた上で、本協定についての質問をします。これも四つ続けてします。

 あくまで私は、インドというのは大事な国だ、そして戦略的パートナーシップは極めて大事だという観点から、では本協定でどう担保されているかということを聞いていきます。四つ続けて聞きます。

 インドとの原子力協定は、いわゆるNSG、原子力供給国グループにおいて例外的に可能になったということであれば、日印原子力協定には厳格な規定を設ける必要がある。これは私たちがスタートアップさせたんですよ、民主党政権で。だから私たちにも責任がある。だから、この条約というか協定がどのような形で担保しているかというのは極めて慎重に議論しておかなきゃいけないので、聞きます。

 そういう認識はあるか。日印原子力協定には厳格な規定を設ける必要があると私は思うんですけれども、外務大臣の御認識を伺いたい。

 それから、インドが核実験を行わない、これがこの条約上どこで担保されているか。本規定上の規定はあるか。

 それから、インドが核実験を行った場合に我が国が協定を停止することについては、本協定上どこに担保されている、規定されているのか。

 それで、皆さんの資料、一枚目をごらんになってください。

 これが、国会審議の参考にしてくれということで私たちに渡してくださった、いわゆる「見解及び了解に関する公文」です。その裏のページに英文を載せています。時に、日本文と英文が私の乏しい英語力でもちょっと違うかなというときがあるので、念のため英文を載せておきました。

 この公文の法的性格はいかん、どういうものなのか、この「見解及び了解に関する公文」というのは協定不可分の一部をなすのか。

 この四つ、ちょっと続けて質問して申しわけないんですが、外務大臣、参議院に行かれなきゃいかぬということで、特段のスピードアップをしているので申しわけないですが、四つ続けてお答えできますか。

岸田国務大臣 まず一問目、今回のインドとの原子力協定ですが、NSG、原子力供給国グループの決定に基づいて例外的に認められたものであるからして、この日印原子力協定は厳格なものでなければならないのではないか、こういった質問につきましては、まずそのとおりであります。

 御指摘のように、二〇〇八年のNSG決定に基づいて、例外的にインドに対する原子力の平和利用の協力を認めるということになり、各国が協定を結び協力を行っているわけですが、その中にありましても、今回日本が結ぼうとしている協定は最も厳格なものであると考えております。そういった考えに基づいて取り組んでいるところであります。

 そして、この問題につきまして、核実験を行わないということが協定上規定されているのかということでありますが、そもそもNSG決定そのものが、インドの核実験モラトリアムそれからIAEAの保障措置の適用など、厳格な条件のもとに例外を認めるということであります。そこがスタートでありますし、その例外によって認められるインドの原子力の平和利用でありますが、その中にあって、我が国として最も厳格な規定を設け、その協定の中の十四条の中に、いかなる理由であってもこれは停止をすることができるということを定め、そしてさらに、資料として掲げていただきましたこの公文をインドとの間にさらに結ぶ、合意をする、こういったことで、核実験を行わない、こういったことを確認をしている次第であります。

 協定のどこに規定されているかという質問につきましては、協定の十四条1そして十四条2、ここに、理由のいかんにかかわらず終了をする、そして、協力の全部または一部を停止する、こういったことを定めている、こうしたことであります。

 そして、公文については協定の不可分の一部をなすのか。法的な性格等に対する質問に対しましては、協定の不可分の一部をなすものではありませんが、協定に関連して別途作成された法的約束であるというのがこの公文の性格であります。要は、法的拘束力を持つと考えております。

 以上四点だったと思いますが、以上です。

原口委員 日本語というのはきれいな言語だから、主語が誰かというところがやはり微妙に違うんですよ。

 一番目は、厳格な規定を設けるべきだ、これは外務大臣と私は同じです。

 本規定上は、ないんですよ。今、停止することができるとかなんとかの主語は日本でしょう。日本側は、インドが核実験をした場合には直ちに協力を停止する。インドを主語にした場合には、それはどこにあるかということを聞いているわけです。

 資料の一をごらんになってください。

 この一の、今おっしゃった公文の二というところでこう書いてありますね。「前記については、両国の見解の正確な反映であることが了解される。」と。つまり、これは何を言っているかというと、インドも日本もそれぞれ見解を言いましたね、それはあなたの、あなたのというのは、日本だったら日本の見解を正確に述べたものですね、インドだったらインドの見解を正確に述べたものですねと。インドの見解について理解を示したわけではないんですよ。

 そこで、ちょっと更問いをしますけれども、インドの核実験モラトリアムが本協定の不可欠の基礎をなすという点について、インド側は了解しているんですか。ここがポイントなんですよ。どうですか。

岸田国務大臣 前提であるということ、当然のことながら、インドは了解しております。

 この公文の読み方ですが、公文は、第一項において、二〇〇八年九月五日にインドが発表した声明に違反するインドの行動がある場合には我が国の協定第十四条に規定する権利を行使すること等を明記しているわけですが、これ自体は日本政府の立場の表明であります。その上で、二項を設けて、二項において、第一項の内容が両国の見解の正確な反映である、これを明記している、こういった構造になっています。

 ですから、一項におきまして我が国の、日本政府の立場を列記しておりますが、これが両国政府の立場であるということを確認する、これが公文の全体の構造になっています。そして、これを国際約束として作成した。これが公文の意味であると思います。

 先ほど申し上げました、NSGの決定がまず大前提であって、そして協定の中に、いかなる理由であっても協力を停止することができることが設けられ、そして公文においてさらに、二〇〇八年九月五日の声明、こういったものを確認し、これは両国の見解であるということを確認する。

 全体において、インドの核実験モラトリアム、これは確保されていると考えております。

原口委員 岸田外務大臣、私もそう期待するんですよ。しかし、条文はそうはなっていない。インド側からすると、核実験をとにかく縛られたくないから、だから協定本文には何にも入っていないんですよ。

 そこのところがポイントであって、では、伺いますが、皆さん、次の、この裏をごらんになってください。

 二、これは英文ですね。「見解及び了解に関する公文」の第一項で、「インド側代表団の代表は、九月五日の声明をインド共和国政府が再確認する旨述べた。」とあるが、この再確認は、この(5)のところをごらんになってください、リイトレートという言葉ですね。リイトレートは再確認という意味ですか。繰り返し述べたということにすぎないんじゃないんですか。少なくとも、ビューズ、つまり見解ではないと考えます。

 こうして見てみると、インド政府が九月五日の声明を再確認するというのは一体どういう意味だと聞き直さなきゃいけないんです。私も、今外務大臣がお話しになったように、この公文は二つのパラグラフというか二つの構造から成っている、だから、あえて先ほど、二について、両方が見解を述べ合った、あなたは正しくあなたの立場をしゃべっていますねということを確認したにすぎないんじゃないかというふうに思うわけです。

 もう一回御質問いたします。

岸田国務大臣 まず、二〇〇八年にインドが発表しました九月五日声明というもの、これは、インド政府が核実験モラトリアムの継続等の政策を示したものです。

 そして、御指摘の公文において、九月五日の声明をリイタレートと記載している。これは、本協定を作成するに当たり、この声明が本協定のもとで協力の不可欠の基礎をなす重要な声明であり、同声明がインド政府の立場であること、これを改めて確認したものであると考えます。全体の中で、この公文の意味、大変大きいものがあると考えています。

 こうした今申し上げたことを確認する、その際に、リイタレート、再確認と訳しておりますが、こういった言葉を使い、両国の間で確認を行った次第であります。

原口委員 やはりここは見解が分かれますね。

 そうすると、更問いしますが、「見解及び了解に関する公文」の二項で「了解される。」としているけれども、このアンダースタンドというのは、インドが単に、我が方の立場に理解、あなたの言っていることはこういうことですねということを理解しただけで、賛成したということまでは意味していないのではないか。つまり、了解されるというのはどういう意味なのか。

 何を言いたいかというと、外務大臣、この協定と公文によってインドが核実験をしないということの法的拘束力を持つか否か、そのことを言っているんです。

 いや、お互いこうやって協力し合うから、政治的には、こういう声明をし合いながら協力していきましょうよと。それは、今の政権同士だったらできるかもわからぬ。だけれども、次の政権になったら、こんな協定しているけれども私たちは何の法的拘束力もないと言って……。例えば、さきの外務委員会で私はトルコのことを出しました。トルコは非常にNATOの中でも大事な国なわけですけれども、アメリカが核を置いているかどうかわからぬけれども、今はロシアと急接近して、ロシアのS400を買うなんという話まで出てきている。

 政権というのはやはり常にかわる。かわることもある。だから、こういう協定というのは、どこまでが法的拘束力を持つかということをやはり確認しておかなきゃいけない。

 それで、伺いますが、インド側も本公文を法的拘束力があると認識していますか。

岸田国務大臣 当然のことながら、この公文につきまして、インド側も法的拘束力があると理解していると考えています。

 この用語の使い方も、法的拘束力を持つ、通常のこうした公式文書の例に倣って用語も使っております。インド側もこれは理解していると考えています。

原口委員 今、最後、インド側も理解していますとお答えになったでしょう。法的拘束力は、つまり、核実験をしないという法的拘束力は、この協定そのものが持つのか、あるいはこの公文もあわせて。これは一体のものじゃないんでしょう。

 事務方でいいですけれども、これは一体のものですか、協定と。そこをまず確認しますね。

梨田政府参考人 先ほども大臣から答弁したとおり、公文については、協定と一体をなすものではございませんが、法的拘束力を持つ国際約束でございます。

原口委員 法的拘束力は、それはこの協定の中に幾つかあるでしょう。

 私が聞いているのは、核実験をもう二度としない、今までやってきたわけですから、NPTにも入っていないわけですから、核実験をしないということがこの協定の中から導き出されるか。インドはこの協定を結んだら核実験はもう二度としちゃいけません、核実験したら協定違反であります、そうはなっていないでしょう。核実験をしたら、我が国はこの協定に基づく協力を停止しますよということは書いてある。だけれども、インドは核実験しませんというのはどこにもないでしょうということを聞いているんです。

 もう一回答えてください。

岸田国務大臣 まず、委員のおっしゃるとおりです、考え方は。

 インドは、そもそも、みずからの国の政策として、必要最小限の抑止力を持つという考え方を維持しています。その中にあって、NSGが核実験のモラトリアムを初めとする厳格な条件のもとで例外を認め、そして協定の中において、いかなる理由であっても停止をする権利を我が国にしっかりと認め、そして公文の中にあって、そのモラトリアムを決めた二〇〇八年九月五日の声明が基礎をなすということを確認した。

 この全体の中で、もし核実験が行われたならば、これはそもそもNSGの前提からして崩れるわけですから、日本のみならずほかの国の協力、アメリカを初めとするほかの国の協力の大前提も崩れるわけですから、平和利用に関する協力の前提が崩れてしまう。我が国として当然この協力を停止する、こういったことにつながっていく。こういった仕組みを定めた、これがまさに今回の全体像であるということであります。

原口委員 そうなんですよね。誠実に答えていただいて、ありがとうございます。

 だから、前と後ろの文脈を見ながら、この協定の中で、私たちとしたらやわらかく縛りたいと思っている、だけれども、核実験モラトリアムを停止させる権利までこの協定で縛ったものではない、そういう理解でよろしいでしょうか。

岸田国務大臣 先ほど申しましたように、インドとしては、国の政策として最小限の抑止力を維持するという政策は今も維持をしています。その中にあって、国際的な核の不拡散体制の中にどれだけ実質的にこのインドを取り込むのか、こういった観点から、NSGにおいてもさまざまな議論が行われ、核実験モラトリアムあるいはIAEAの保障措置のもとでの対応、こういったさまざまな厳格な条件のもとに例外を認めたということであります。

 そして、我が国としましても、各国の中で最も厳格な協定を結び、さらにその上乗せとして、公文によって九月五日の声明が基礎であるということを再確認する、こういった何重にもさまざまな手だてを行って、全体としてインドの原子力の平和利用における責任ある行動を確保するということになったわけであります。

 インドを国際的な不拡散体制の中にできるだけ実質的に取り込んでいかなければいけない、こういった基本的な考え方の中でこういった結果が得られたと考えております。

原口委員 これは今回の協定の本体なので、また同僚議員が質問してくれると思います。

 そこで、ちょっと視点を変えて。

 そうすると、原子力損害の補完的な補償に関する条約、CSCは、原子力賠償責任を事業者に集中させることを原則としています。

 私は、今回東京電力福島第一原発の事故を経験した日本としては、事業者のみに責任を集中させることは無理があるのではないか。原賠法の議論にきょうは立ち入りませんけれども、国全体で、国が責任を持っておくべきじゃないか。

 あるいは、これは日本由来の技術じゃないですから、あの東京電力福島第一原発の事故収束のときに一番思ったのは、ブラックボックスなんですよ、最後のところが。最後のところがブラックボックスなので、ある意味、メーカー、事業者へ供給したもの、今、三つの大きなグループがありますね、東芝・ウェスチングハウスだの、あるいはGEだのアレバだの、そういったもののところにも求償させる。

 インドは、原子力賠償法では、事業者の求償権についてどのように規定しているのか。供給者への求償は、契約書に規定があればできるという理解でいいですか。これは専門的なので、どうぞ。

梨田政府参考人 お答え申し上げます。

 インドは、事業者に賠償責任を集中させることを原則とした原子力賠償法を制定しております。また、インドは昨年、同じく事業者に賠償責任を集中させるCSC、原子力損害の補完的な補償に関する条約を締結しました。これによって、インドは、国内法令をCSCの附属書に適合させる義務を負っております。

 一方で、インドの原子力賠償法は、契約に明記される場合など一定の場合には供給者に対して求償権を行使できる旨の規定がございます。この点は、同じくCSCも、契約上明記される場合は求償することを認めております。

 いずれにしても、インドの原子力賠償法は、CSCに適合した形で、基本的には事業者に賠償責任を集中される形で運用されることになると理解しております。

原口委員 供給者への求償は契約書に規定があればできるというふうに答弁をしたと理解をいたします。

 そこで、この間、参考人が来られて、これは玉城デニー委員の質問に対してでしたけれども。

 では、私、外務大臣、KEDOのときのことを思い出すんですよ。北朝鮮に対して、彼らが核放棄をする見返りにいろいろなことを支援しました。あのとき、KEDOの事務局のカートマンさんだったかな、ニューヨークで議論しました。ほっておくと北朝鮮はバッドパスに行くから、できるだけグッドパスに行くためにKEDOというものをつくったと言っていました。しかし、現実にその中で原子炉が動き出し、そしてまた政権というかトップがかわってしまえば、今のようなことをやってしまっているわけですね。

 それで聞きますが、そうすると、万が一インドが、本協定十四条の四の規定に基づき、向こうが核実験か何かやって我が国から移転された資機材等の返還を要求する場合、そのときには、我が国政府が他方の締約国政府、インド政府に補償するとなっているが、つまり、この機材の返還をした場合、これは誰が払うんですか。国民の皆さん、済みません、こうやって原子力協定を結んだけれども、インドが約束を破りました、それで機材を返せと言ったと。そのお金は誰が払うんですか。我が国民、日本国民が払うんですか。

岸田国務大臣 まず、この十四条の規定に基づいて、いかなる理由があっても我が国は協力を停止する権利を持っています。

 委員御指摘のように、仮に核実験等が行われた場合に、協定の終了あるいは協力の停止を行い、そして資機材の返還を要求することになるわけですが、我が国として資機材を返還することは、これは我が国の有する権利であり、そしてこれは自主的に行えるものであるということであります。

 そして、その費用はどっちが持つのかということでありますが、これは協定上、この返還の対象となる核物質等に財産を有する者に対して対価を支払うという観点から、この補償に関する規定が設けられています。要は、我が国として資金を払うことになります。

 ただ、先ほど、この規定は、ほかの協定においても同様の規定が設けられています。我が国のみならず、米国もたしかこういった規定になっていると思います。

 要は、基本的な考え方として、協力を停止する、資機材を引き揚げる、これは我が国の権利であるからして、権利をスムーズに行使するためには資金は我が国として支払うという考え方、これはあり得る考え方だと考えています。そういった、権利を行使するという観点からのこの規定であると認識をしております。

原口委員 約束は破られたわ、国民は税金を払わなきゃいけないわというのは、本当にそれでいいのかということは、この場で、国民の皆さんにどう判断されるか問いたい。いや、それでもインドは大事だから、NPT体制の中に何とかとどまらせたいからと、これは論理としてありますよ。だから、私もそこは強弁する気はない。この中でさらに議論を深めたいです。

 もう時間がないので最後ですけれども、資料七の二と三をごらんになってください。

 ちょっと本協定から外れるんですが、これが「普天間移設問題に関する米側からの説明」というもので、鳩山元総理がレクチャーを受けたというものでありました。

 外務大臣、私は、この文書、本当にこの文書はあるんですかと。六十五海里以内にしか移設ができないというものだから、これによって私たちは普天間基地の最低でも県外というのを断念したわけです。ところが、外務省、防衛省は、こんな文書はありませんと。私は、特定秘密になっているとまずいからと思って、ずっと慎重にやってきたんですが、ない文書だと言うから、ない文書だったら出しても差し支えないだろうというので、きょう、委員長初め皆様の御理解をいただいて配らせていただいています。こういうものがある。

 きょうは、もう時間が来たので、三つの役所、つまり受け手、官邸側の文書管理責任者、外務省、防衛省側の文書管理責任者、このとき、つまり平成二十二年の四月の時点での文書管理者それぞれについて問うて、質問を終わります。簡単に答えてください。

小野(功)政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、個別の資料を離れまして、あくまでも一般論としてでございますけれども、担当事務の観点から申し上げれば、内閣官房副長官補室におきまして、沖縄との連絡調整、防衛関係の事務を担当していた内閣参事官が沖縄の基地に関する文書について文書管理者に該当することはあると考えております。

 それで、具体的に平成二十二年四月の鳩山内閣当時でございますけれども、内閣官房の副長官補室におきまして、沖縄との連絡調整、防衛関係の事務を担当していた内閣参事官は城戸謙憲参事官でございます。

小野(啓)政府参考人 お答え申し上げます。

 配付資料を離れまして、一般論として申し上げますが、平成二十二年四月当時、日米安全保障条約課が主管する普天間移設問題に係る行政文書の文書管理者は、同課、日米安全保障条約課の課長でございます。(原口委員「名前」と呼ぶ)氏名は船越健裕日米安全保障条約課長でございました。

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 配付資料を離れまして、あくまで一般論として申し上げますと、防衛省の行政文書の文書管理者につきましては、防衛省内部部局においては各部署の課長級が文書管理者として指定をされているところでございます。

 普天間移設についてということで一般的に申し上げるのは困難な面がございますけれども、あえて所掌事務の観点から申し上げますと、アメリカ本国との調整に関する内容であれば、日米防衛協力課長が文書管理者に該当することがあると考えております。

 具体的に、御指摘の当時の日米防衛協力課長につきましては、芹沢清課長でございました。

原口委員 終わります。

三ッ矢委員長 午前十時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時四十四分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時二十分開議

三ッ矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。鈴木隼人君。

鈴木(隼)委員 自由民主党の鈴木隼人です。本日は、質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 まず最初に、日・インド原子力協定について、その必要性に関する答弁をお願いします。

梨田政府参考人 お答えします。

 インドは我が国にとって戦略的に最も重要なパートナーの一つであり、インドとの関係強化は、二国間のみならず、インド・太平洋地域の未来にとって極めて重要であります。今般、そのインドと原子力協力協定を締結することにより、インドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させることにつながると考えております。

 具体的には、この協定はインドが表明した核実験モラトリアムの継続を前提にしていること、加えまして、本協定を締結することにより、インドは日本との間で核物質などの平和的目的に限った利用や不拡散の義務を負う、これによりインドが原子力の平和的利用について責任ある行動をとることが確保されると考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 それでは次に、外交、安保分野において重要性を増すサイバーセキュリティーについて質疑をさせていただきます。

 まず、人材育成についてです。

 事業者等の組織内においてサイバーセキュリティー対策をリードできる人材は、我が国では圧倒的に不足をしています。これから官民挙げて対策を講じていかなければならない中で、それを担える人材が現場に不足しているという現状は危機的と言わざるを得ません。

 このため、政府においては人材育成の施策を早急に推進していくべきではないかと考えております。政府の答弁をお願いいたします。

三角政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、事業者等におけるサイバーセキュリティーの人材の育成は極めて重要な課題でございます。

 政府といたしましては、例えば、本年四月に、独立行政法人情報処理推進機構におきまして産業サイバーセキュリティセンターを設立いたしまして、重要インフラ、産業基盤のサイバーセキュリティー対策の中核を担う人材育成を推進することとしております。

 また、同じく四月、国立研究開発法人情報通信研究機構、NICTに組織されましたナショナルサイバートレーニングセンターにおきまして、重要インフラ事業者などを対象といたしました実践的演習や、若手人材を対象とした高度なセキュリティー技術開発指導に取り組むこととしております。

 さらに、本年四月、サイバーセキュリティ戦略本部におきましてサイバーセキュリティ人材育成プログラムを策定いたしました。このプログラムに基づきまして、私どもNISC、内閣サイバーセキュリティセンターが中心となりまして各施策間の連携強化をすることとしておりまして、こうした取り組みを通じまして、サイバーセキュリティー人材育成の施策を強力に推進してまいりたいと考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。引き続き人材育成に取り組んでいっていただきたいと思います。

 次に、事業者等の体制整備について質疑をさせていただきます。

 サイバー攻撃には、ホームページの改ざんや、ロックしたデータの身の代金を要求するなどのように、被害が早期に発覚しやすいものもあれば、不正アクセスによる情報流出など、発覚がおくれたり、場合によっては被害に気づかなかったりするようなものもあります。

 このように被害の実態が見えにくいため、一般的に危機感が希薄となりがちですが、悪意ある者が不正アクセスで入手した情報をもとに競争条件を継続的にゆがめ続け、長い期間をかけて経営危機に陥っていくといったリスクも指摘をされているところです。

 このような被害を未然に防ぐためには、あらゆる組織においてサイバーセキュリティー対策を十分に講じる必要がありますが、現状は、それをリードできる人材がいない上、必ずしもサイバーセキュリティーを専門としないIT技術者にそうした役割を担わせている組織も多いです。その結果として、サイバー攻撃のリスクを適切に評価できている組織は極めて少なく、社会全体として十分な対策が講じられていません。

 政府においては、事業者等におけるサイバーセキュリティー対策の体制整備を促進すべく、政策的誘導を行うべきと考えております。政府の答弁をお願いいたします。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 事業者等におけるサイバーセキュリティー対策の体制整備につきましては、経営者のリーダーシップが大変重要でございます。

 このため、平成二十七年十二月に、経済産業省では、独立行政法人情報処理振興機構とともにサイバーセキュリティ経営ガイドラインを策定いたしまして、経営者のリーダーシップによって対策を推進するという観点から、経営者が認識すべき三つの原則と、経営者がセキュリティー対策の担当幹部に指示すべき十の重要項目を取りまとめ、公表したところでございます。

 具体的には、経営者が認識すべき三つの原則として、経営者は、IT活用を推進する中で、サイバーセキュリティーリスクを認識し、リーダーシップによって対策を進めることが必要であること、二点目として、自社はもちろんのこと、系列会社やサプライチェーンのビジネスパートナー、あるいはITシステム管理の委託先を含めたセキュリティー対策が必要であること、三点目として、平時及び緊急時のいずれにおいても、サイバーセキュリティーリスクや対策、対応に係る情報の開示など、関係者との適切なコミュニケーションが必要であることの三点をお示しいたしました。

 その上で、経営者がセキュリティー対策の担当幹部に指示すべき十の重要項目といたしまして、サイバーセキュリティーリスク管理体制の構築でございますとか、対策のための予算、人材等の資源の確保等を掲げまして、それぞれ項目ごとの具体的な対策例をお示ししたところでございます。

 さらに、中小企業向けといたしまして、昨年、平成二十八年十一月には、中小企業向けガイドラインを独立行政法人情報処理振興機構において公表をいたしました。サイバーセキュリティ経営ガイドライン、これは大変広範なものでございますので、中小企業がいきなりこれ全てを実施するというのはなかなか難しい面もございますので、これまでセキュリティー対策を十分実施してこなかった企業向けの対策でございますとか、ある程度対策の進んだ企業向けの対策といった、企業のレベルに合わせてステップアップできるような形で中小企業向けにお示しした、そういう構成になってございます。

 これらのガイドラインにつきましては、本年二月に独立行政法人情報処理振興機構が開催いたしました中小企業セキュリティー推進シンポジウム二〇一七等の対外発信の場を活用して普及に取り組んでおりまして、経営者のリーダーシップによって事業者等のサイバーセキュリティー対策の体制整備が進められるよう、促進してまいります。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 旗を振ったりですとか、それから、その手法を示していくというのは非常に重要な政策手段だと思っておりますので、引き続きそういった面では取り組みを続けていただきたいと思いますけれども、それがいかに現場に落とし込まれていくかということが最も重要な観点だと思いますので、そういったところにもぜひ力を入れていっていただければというふうに思います。

 次に、リバースエンジニアリングについてです。

 他人の製品を解析し、そこに用いられている技術を分析することを、一般的にリバースエンジニアリングと呼ばれております。

 このリバースエンジニアリングは、技術の進展等に有益であるため、産業財産権分野では一般的に認められているものであります。一方、従来の著作物については、作品を見る、もしくは聞くことでその表現を享受することが可能であったため、著作権法においてリバースエンジニアリングを明示的に認める規定は存在してきませんでした。

 これに対し、著作権法で保護されているソフトウエアプログラムについては、その技術を分析するに当たって解析行為が必要となります。しかし、法律上、リバースエンジニアリングの適法性が明確となっていないため、現状、プログラムに対する解析行為は行うことができません。他方で、欧米諸国等においては、適正利用目的でのリバースエンジニアリングは認められており、内外における制度調和が図られておりません。

 プログラムに対するリバースエンジニアリングは、脆弱性の早期発見を通じて情報セキュリティー対策にも大いに資するものであり、我が国においても適正利用目的でのリバースエンジニアリングの適法性を早期に明確化すべきではないかと考えております。

 政府の答弁をお願いいたします。

永山政府参考人 文化庁におきましては、デジタルネットワーク社会の進展に伴う新たな時代のニーズに対応するため、著作権法の権利制限規定のあり方につきまして、文化審議会著作権分科会での検討を進めてきたところでございます。そこでは、御指摘の情報セキュリティー対策目的のリバースエンジニアリングを含めましたさまざまなニーズへの対応について検討が行われまして、この四月に著作権分科会の最終報告がまとめられたところでございます。

 その報告書では、御指摘のリバースエンジニアリングのための著作物の利用は権利者の利益を通常害しないというふうに評価できるということから、新たに整備が提言されております柔軟性のある権利制限規定の対象として権利者の許諾なく行うことができるよう、そのことを明確にすべきというふうに報告書ではされているところでございます。

 文化庁といたしましては、この報告書の内容を踏まえまして、著作権法改正法案の取りまとめに向けて取り組んでいきたいと考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 次に、サイバーセキュリティーという観点でいうと、今後、これから三年後に我が国は東京オリンピック・パラリンピックの開催国となりますので、前々回のロンドン・オリンピック・パラリンピックのときには、その期間中二億件にわたるサイバー攻撃が記録をされたというふうにされています、そういう意味では、八年たてば、よりサイバー攻撃の技術も高度化していますし、その熾烈さも増しているということが考えられますので、三年後に向けた対策というのも非常に重要になってこようかと思います。

 この東京オリンピック・パラリンピックの開催に備えるため、これまで、東京二十三区内に所在する重要サービス事業者においては、政府のガイドラインに基づきまして、サイバー攻撃に対するリスク評価を行ってきております。今後は、各重要サービス事業者がリスク評価を踏まえて講じてきたサイバーセキュリティー対策が十分なものであるかどうかの検証も必要になってくるかと存じます。

 このため、政府においては、検証作業に必要な予算を十分に確保し、重要サービス事業者の安全性確保に万全を期するべきではないかと考えておりますが、政府からの答弁をお願いいたします。

三角政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、サイバーセキュリティー対策が適切に実施されていることを確認することは極めて重要でございます。

 したがいまして、政府におきましては、大会の重要サービス事業者等におけるリスク評価におきまして、手順書等を継続的に見直しながら繰り返し実施することにより、取り組みの深化、精緻化を図っているところでございます。

 また、サイバーセキュリティ戦略本部におきまして、二〇二〇年及びその後を見据えたサイバーセキュリティーのあり方について検討中でございますが、その中におきましても、重要サービス事業者等におけるリスクマネジメントの促進のための第三者による監査の支援等につきましても検討を進められているところでございます。

 今後とも、重要サービス事業者等の安全性確保のための取り組みについて、関係府省庁と緊密に連携いたしまして、着実に推進してまいりたいと存じます。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。引き続き、しっかりと安全性確保に向けて取り組んでいただきたいと思います。

 私からの質疑、以上で終わります。ありがとうございました。

三ッ矢委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 公明党の岡本三成です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 初めに、大臣に、昨日行われました韓国の大統領選挙につきまして一問だけ聞かせてください。

 大勝されました文在寅氏ですけれども、選挙公約の中には、北朝鮮に対する融和策であったり、日韓の慰安婦の合意について再交渉するであったり、さまざま今後の北朝鮮対応や日韓関係に影響を与えるような御発言もしていらっしゃいます。

 一方で、北朝鮮に関しましては、トランプ大統領も、適切な状況のもとであれば金正恩委員長と会うだろうというふうにおっしゃっていて、中国に対して、仮に北朝鮮が核開発やミサイルの実験を放棄すれば、四つのノー、いろいろなことを北朝鮮に認めるというような御発言もされていて、実際に、ノルウェーで高官同士が面談をしたような報道もされています。

 北朝鮮を見据えて韓国情勢でお伺いしたいことは、圧力と対話で、これは圧力も対話もどちらとも手段ですから、対話のための対話であってはいけないですし、圧力も、その結果暴発しては意味がないわけで、最終的に問題が平和裏に解決するために圧力と対話があるんだと思っていますけれども、仮に韓国が直接北朝鮮と交渉し、仮にアメリカが直接北朝鮮と交渉する中で、日本が固有に持っている拉致問題が置き去りにされて、それぞれ、韓国はそれで満足、アメリカはそれで満足ということで、北朝鮮のいろいろな包囲網が解き放たれるようなことがあってはいけないと思っているんですね。

 ただ一方で、北朝鮮は、はっきり言ってアメリカしか見ていません。韓国や日本が何と言おうと、その向こうにアメリカとどういうふうに対処をしていくかということしか考えていないので、お伺いをしたいのは、昨日の韓国の大統領選挙をどういうふうに受けとめられて、その結果、アメリカも個別で対応しようとする中で、アメリカに対して、日本は拉致問題ということを抱えているので、そのことも交渉の大きなポイントとしてやってもらえるように話をしているのか。もしその話が進んでいないとすれば、個別でどういうふうに対応していこうというふうにお考えになっているかということを御答弁いただければと思います。

岸田国務大臣 まず、昨日行われました韓国の大統領選挙において、文在寅氏が大統領に当選をされました。既に私の方から祝意のメッセージも発出させていただいております。

 そして、委員御指摘のように、文新大統領は、これまでに、大統領就任後の訪朝ですとか、金正恩との対話、開城工業団地の再開等の発言をしてきたことから、北朝鮮に融和的といった見方があるということ、これは承知をしております。

 ただ、韓国において新大統領が選出されたわけですが、今後、新首相の選出には議会の承認が必要となります。そして、閣僚の選任に当たっても、議会での証言が求められるということになると思います。よって、首相や閣僚の選任にはまだ時間がかかると思いますし、具体的な政策ということになりますと、その先ということになると思いますので、具体的な政策については、いましばらく時間がかかるとも認識をしています。

 ただ、いずれにしましても、韓国は、戦略的な利益を共有する大切な隣国であります。そして、日韓の連携協力、これは北朝鮮問題を初めとする地域の平和と安定にとっても不可欠であります。新政権との間においてもしっかりと協力を進めなければならない、このように基本的には考えています。

 そして、その中で、今御指摘がありました、米国においても対話等の動きがあるということですが、対話ということに関しては、我が国は従来から、対話と圧力、行動対行動の原則に基づいて諸懸案を包括的に解決するために努力をしていく、基本的な方針を申し上げているわけですが、米国においても、米国の報道官は、対話には環境が重要である、そして今現状は対話の環境にないというような発言も行っているわけですので、対話と圧力の基本的な方針をとっている我が国と米国との間において、基本的に政策の不一致はないと考えております。

 そして、その上で、拉致問題についてですが、三月に行われました日米外相会談においても、また、四月末に行われました日米韓三カ国の外相会合におきましても、拉致問題については、我が国にとって最重要課題であるということ、これは再三説明をしており、米国あるいは韓国の支持、理解を求めております。韓国、米国からもこうした考え方に理解を示す、こういった反応を得ているわけであります。

 引き続き、北朝鮮問題の先行きについては不透明であり、我が国として、しっかりと緊張感を持って対応しなければならないわけでありますが、その中にありまして、拉致問題というものが我が国、安倍政権にとりまして最重要課題であるということ、このことについては、引き続き、しっかり説明をし、協力を得るべく努力を続けていかなければならない、このように考えます。

岡本(三)委員 続きまして、日印原子力協定を質問させてください。

 私のこの協定に対する問題意識は、先ほど質問に立たれた民進党の原口委員と全く一緒でございまして、思っている問題意識も、考え方も一緒です。

 ちなみに、私、生まれ故郷は佐賀県でして、原口大先輩の地元の後輩になるんですけれども、質問にお立ちになるたびにお元気になられて、本当にうれしく思っております。

 ちょっと時間の関係で一問飛ばさせていただきまして、今回の協定では、仮にインドが核実験を行った場合の取り決めが条約本文には明記されておりません。先ほど御答弁で、公文も含めまして法的には拘束されていると認識しているという御答弁がありましたけれども、二〇〇八年九月に発表されました核実験モラトリアム、これはあくまでもインドの外相の声明でありまして、インドの国としての安全保障の政策を縛るものではないと私理解をしております。

 その上で、今回、仮に協定が結ばれて、その結果、将来のどこかでこのモラトリアムが破られるようなことがあったときに、日本が協定を破棄する、これは本文の中に、どんな理由であっても、やめると言ったら一年後にやめられるわけです。ただ、そのときに理由を説明しなければいけません。気に入らないからやめると言っても、やめる理由にはなりますけれども、ポイントは、そのやめる理由が、相手から見たときに、この理由だったらやめられてもしようがないなというふうに思っていただけるかどうかなんだと思うんです。

 この協定がもしどこかで破棄されるようなことがあったとしても、日印関係はずっと長く続けていかなければいけませんので、確認をしたいのは、今回の核実験モラトリアムが破られたときに、それを理由としてこの協定を破棄しますと言ったときに、インド側から見たら、サプライズでない、それであればこの協定が破棄される理由として当然だなと思っていただけるような事前の合意はできているんだということを確認させてください。

岸田国務大臣 まず、結論から申し上げると、合意はできていると考えております。

 そもそも、インドに対する原子力の平和利用の協力を行う大前提が、二〇〇八年の原子力供給国グループ、NSGの決定というものがあるわけです。このNSGの決定は、NSG自体そもそもNPTを大前提とした議論の枠組みですが、その中にあって、二〇〇八年九月五日のインドの声明、原子力モラトリアム、そしてIAEAの保障措置の適用など、こういった条件を前提とした上で、例外を認めているという形になっています。これが全ての基本にあるわけです。

 これに基づいて、日本以外の、米国を初めとする多くの国がインドの原子力の平和利用に対する協力を行っているという現実があるわけです。その上で、日本は、最も厳格な協定をつくり、そしてさらに、公文をもってその内容を確認する、こうした何重にも仕掛けをつくってこの全体像をつくり上げているわけです。

 これは、インドがこうした仕組みの中で核実験等を行った場合、当然のことながら、我が国は、いかなる理由であっても協力を停止する権利を有しているわけですから、これを行使いたします。こうした枠組みをつくる、今までずっとインドと協議しながらつくり上げてきたわけですので、その中で、当然のことながら、日本の今言った姿勢についてはインドが十分理解している、これは当然のことであると考えています。

岡本(三)委員 済みません、あと四分ぐらいで二問質問したいんですけれども、次、参考人の方、もう簡潔にお願いします。

 今回の協定は、私は基本的には国際貢献だと捉えています。インドは、物すごい勢いで人口が増加する中で、電力需要が満たされておりませんので、インドが二〇五〇年までに原子力を二五%に上げることを国の政策として決めた。

 一方で、日本からすれば、福島の経験もあるわけですから、万が一事故になってしまってはこれは大変なことになる。インドは、今、大気汚染が物すごいんですね。PM二・五は北京よりも高いと言われています。そうであれば、例えばクリーンエネルギー、太陽光、風力、地熱、こういう日本の技術もインドにもっと積極的に提供することによって国際貢献の役割を果たしていきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

梨田政府参考人 委員御指摘のとおり、昨年十一月の日本・インド首脳会議の際に発表した共同声明では、両国間の幅広いエネルギー協力をうたっております。

 その中には、再生可能エネルギー分野を含めて、クリーンエネルギーで両国間で一層協力の幅を広げていこうということを、今後可能性を検討していきたいと考えております。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 大臣、最後に質問させてください。

 NPTにも加盟しておりませんし、将来インドが、安全保障環境が変わったりして、国の政策を変えるような可能性は否定できないと思うんですね。そのときに、モラトリアムを破るようなことがあってと仮にしたときに、やはり大切なのは、核兵器がもたらす悲劇をインドのトップの方々に知っていただくことなんだと思うんです。

 ぜひ、これは御提案をしたいんですけれども、モディ首相は、首相となられてからは日本の被爆地には一回も訪問されていません。州知事の時代に一回広島に行かれています。外務大臣は、来日されても広島、長崎には訪問されていません。これは、次回、来日されたときにぜひ被爆地を一緒に訪問していただきたいんですね。

 そして、モディ首相がいらっしゃるときには安倍総理にぜひ御同行いただいて、日本の経験や思いを御説明いただき、外務大臣がいらっしゃるときにはぜひ岸田外務大臣に。これは、今まで世界各国の元首の方々が被災地を訪問されるときに、残念ながら、外務省の政務三役もアテンドしないようなケースがほとんどです。

 そんなことでは、日本のやはり決意が疑われてしまいますので、ぜひインドにこの思いを共有するような行動を外務大臣にとっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 おっしゃるように、モディ首相は、二〇〇七年、州知事時代に広島を訪問された後、首相になってからは広島、長崎訪問はされておられません。

 ただ、インド国会は、御案内のとおり、毎年八月六日、八月九日、ほぼ毎年、国会において追悼と黙祷を行っている、こうした取り組みを続けておられます。

 こうしたインドですが、インドに限らず、世界の指導者に広島、長崎、被爆地を訪問してもらい、被爆の実相に触れてもらうということ、これは核兵器のない世界を目指す上で大変重要な取り組みであると考えております。

 御指摘のように、こうした世界の指導者が広島、長崎を訪問する際には、やはりしかるべき政府の責任者、関係者が同行するよう取り組んでまいりたいと考えます。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 以上で終わります。

三ッ矢委員長 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。

 今国会、代打ちで三度目であります。よろしくお願い申し上げます。

 きょうは、日印原子力協定ということでありますが、冒頭、ちょっと外務省へのお小言的なところからスタートをさせていただきたいと思います。

 先般、春の叙勲が行われましたが、外務省OBの方で大使経験者の方とか、そういった方々が叙勲をされております。

 まず、内閣府賞勲局にお伺いをいたしたいと思います。

 こういった、外務省だけにとどまらず、省庁のOBというものについては、省庁から推薦があり、それを受けて内閣府として叙勲を検討していく、そういう理解でよろしいですか。内閣府。

幸田政府参考人 お答え申し上げます。

 春秋叙勲に関しましては、各省大臣から推薦をいただくことになっております。OB、元公務員も含めまして、各省大臣からの推薦を賞勲局において審査し、閣議に付していく、そういう手続でございます。

緒方委員 ことしの春の叙勲で、外務省で内規における訓戒を受けた元職員が叙勲をされております。その訓戒の原因というのが、かつての部下に対する私的な、不倫をうかがわせるメールを省内LANに、全省員に対して公開をしたということで訓戒を受けた方でありました。

 当時の川口大臣の記者会見を読んでおりますと、当時、外務省は不祥事で非常に揺れていた時期でありますが、特にこの時期に外務省の信頼を失墜させるような行動を、しかも大幹部が行ったということについては、自分は極めて遺憾だと思っていると、当時の川口外務大臣は言っておられます。

 そういう方をなぜ外務大臣は推薦をされたんでしょうか。外務大臣。

岸田国務大臣 外務省からの叙勲の推薦ですが、候補者推薦要綱というものに従って推薦を行っております。

 そして、一般に、さまざまな過去の例の中にも、懲戒処分あるいは内規上の処分を受けた者、これを推薦するということはあります。これは、対象者の公務における貢献も踏まえながら、叙勲にふさわしいかどうか、これは総合的に判断した結果として、推薦するかどうかを判断するということであります。

 そういった考え方に基づいて、外務省としても推薦を行っている次第であります。

緒方委員 名前は出しませんけれども、結構このメールは当時大問題になりまして、少しだけ読み上げますと、だけど君が僕のメールを楽しみにしてくれると思うと時間を忘れて張り切ってしまう、これも恋の病の一環かな、ではまたね、いつ着いたか教えてね、そういうようなメールが省内LANで、ばんと、全員が見られるような状態で流されて、当時、川口大臣は激怒したわけでありますが。

 ちょっと普通の企業では、こういう方を叙勲に推薦するというのは常識的には考えられないと思います。お小言として一言申し上げておきたいと思います。

 それでは、質疑を移したいと思います。

 先般の外務委員会でも、アメリカによる無方向性電磁鋼板に対するアンチダンピング課税の話をさせていただきました。いいやりとりをさせていただいたと自分で思っているんですが、そのとき答弁に立ちました経済産業大臣政務官は、その後、残念ながら、辞任をされてしまいまして、本当に残念でありますが。

 その後、アメリカから再度、最近、日本の炭素合金鋼に対するアンチダンピング課税が発動をされました。これはオバマ政権時代からスタートをしていたものでありますが、トランプ政権になってからは初めてであります。

 税率は、JFEスチールの製品が四八・六七%、東京製鉄などが一四・七九%と、アンチダンピングが打たれてきているということであります。

 これは経済産業省にお伺いをいたしたいと思いますが、このアンチダンピング課税はどのような問題があるのか、ないのか、いかがお考えでしょうか。経済産業省。

高木副大臣 お答え申し上げます。

 今委員御指摘がありましたように、米国の国際貿易委員会におきまして、五月の五日、日本など計八カ国・地域で生産されていた鉄鋼製品の輸入につきまして、アメリカの産業に損害を与えるとの最終決定を行いました。

 本件につきまして、今御指摘もありましたけれども、オバマ政権下の昨年の四月に調査が開始をされたものでございまして、今回、韓国、ドイツ、フランスも同様にアンチダンピング税が課せられることになりましたが、これらの国からの輸出は日本からの輸出よりも数倍多い状況でございまして、日本だけが対象になったものではない、このように認識をしております。

 一方で、日本鉄鋼連盟会長が今回の決定につきまして不当かつ極めて遺憾であるとのコメントを発出しておりまして、そのため、まずは今回の決定の詳細を精査した上で、鉄鋼業界の意見を十分に聞き取りながら対応を検討してまいりたいと思っておりますし、いずれにしましても、日本にとって主張すべきことは主張し、また、そういう基本姿勢の考えのもとでしっかりと対応してまいりたいと考えております。

緒方委員 よろしくお願いします。現在、鉄鋼連盟の会長のステートメントを受けた上で不当性があるのか等々について御検討されているということでありますので、決まったら教えてください。

 そもそもアメリカのアンチダンピングの課税の制度というのは、私は、いろいろな意味でWTO協定上の問題が、そもそも制度そのものとして問題が多いというふうに思っておりますが、現在、どのような問題があるとお考えでしょうか、経済産業省。

高木副大臣 委員御指摘がありましたように、さまざまな課題ということでございますが、まず、アメリカのアンチダンピングの措置につきまして、過去、WTO紛争解決手続への協議要請を五度にわたって行うなど、積極的に日本として対応してまいりました。その結果、例えばバード修正条項、またはアンチダンピング税率計算方法、いわゆるゼロイングについて日本の主張がWTOで認められ、アメリカの措置の撤廃を行いました。

 そういったことを踏まえまして、この課題につきましてはしっかりと対応してまいりたいと考えております。

緒方委員 これから、実はこのアンチダンピングは結構はやるんじゃないかというふうに思っております。特によく狙われるのが鉄鋼でありますけれども、これから日米の関係の中で使いやすいツールとしてばんばん打ってくる可能性が極めて高い。これは日本の産業にも大きな影響を及ぼすものでありまして、先ほどゼロイングの話をされました、これは本当にひどくて、必ず損害が算定されるように計算の仕組みを設けているとかいうこと、簡単に言うとそういうことなんですけれども、その他、ファクツアベーラブルの使い方とか、いろいろな問題があります。

 これは私は岸田外務大臣にもお願いをさせていただきたいわけでありますが、今後行われる日米の経済協議において本件を取り上げるべきだ、変な打ち方はだめだ、そしてルールを厳格に課そうじゃないかというようなことも取り上げるべきではないかというふうに思うんですね。

 なぜそう思うかというと、TPPではアジア太平洋の新しい通商ルールをつくったと言っておりますが、アンチダンピング章というのは極めて中身が薄いです。本当に何も書いていない。これまでの既存のルールをそのまま、しっかりやりますとだけ書いてあるわけでありまして、こんなものがアジア太平洋の新しいルールであっていいはずはない、私はそう思います。

 であるからこそ、これからの日米協議におきまして、アンチダンピングの制度の厳格化について取り上げていただきたいというふうに思いますが、岸田外務大臣、いかがですか。

岸田国務大臣 新しい日米の経済対話については、先月十八日に麻生副総理そしてペンス副大統領の間で行われました。そして、その際には、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略、そして経済及び構造政策分野での協力、そして分野別協力、この三本柱で議論を進めていくこと、ここについて一致をしたということでありました。

 そして、御指摘のアンチダンピングにつきましては、先ほど経産省から答弁がありましたように、過去においてWTOに提訴をし、そして我が国の主張が認められ運用が見直された、こういったこともあったわけでありますが、我が国としましては、問題があれば引き続きしっかり注視しながら、WTOの場を初めさまざまな機会を活用して、適切に対応したいと思っております。

緒方委員 この件はまた、先ほど高木副大臣の方からも、政府の立場を検討して、不当なところがあれば対応していきたいという話でありましたので、その結果を見た上で、またどこかの機会で、国会で聞かせていただきたいと思います。

 高木副大臣、ここまでで結構でございます。本当にありがとうございます。

 それでは、日印原子力協定に入っていきたいと思います。

 この条約についてですが、岸田大臣、国会の本会議でも、インドを「不拡散体制に実質的に参加させる」という表現を使っています。不拡散体制に参加させるではなくて、実質的にと。大体こういう言葉が来ると、何だろうなというふうに思うわけですが、実際には、日本との関係で、民生用の部分についてのみ極めて限られた範囲でいろいろなルールをかけるということでありますが、それがなぜ、軍事を含む幅広いインドの不拡散と密接に関連し、「不拡散体制に実質的に参加させる」とまで、そこまで大風呂敷を広げることができるんでしょうか。岸田外務大臣。

岸田国務大臣 今回のインドとの交渉においては、まず、二〇〇八年のNSGの決定、これが全ての国のインドに対する原子力の平和利用への協力の大前提であるとされています。核実験のモラトリアム、IAEAの保障措置の適用など、厳格な条件のもとにインドへの協力を例外的に認めるというものがまずあり、その上で、我が国としての協定を定め、いかなる理由でも我が国は協力を停止する権利を持つということを明確にし、そして、公文をもって、インドの二〇〇八年九月五日の声明、これが全ての基礎であるということを重ねて確認する、こういった仕掛けをつくったわけであります。

 このことによってインドを実質的に国際的な不拡散体制に取り込むことができると説明をしているわけですが、これは、インドに対して、従来全く不拡散体制の外側に存在したわけであります、今申し上げましたような仕掛けをもってインドを不拡散体制の中に少しでもしっかり取り込もう、そして、日本が最も厳格な協定をつくることによって、その取り組みの最前線に立ってしっかりと体制を確保していこう、こういったことを行った次第であります。

 こうした取り組みは、間違いなく、国際的な不拡散体制を充実させる上でプラスになると信じております。

 そういった考え方に基づいて、今回の取り組みを進め、インドとの協定等の結論に至った次第であります。

緒方委員 プラスの方向に向いているということについては否定をいたしません。けれども、民生、軍事、たくさんある中で、日本の協力のところというのは、そんなに大きなポーションじゃないはずだと思います。

 そう考えると、民生用で、日本との関係だけの部分の交渉のところで一定の規制がかかるということが、それがなぜ、インドを実質的に不拡散体制に参加させるとまで、何でそんなに大きくなるのかなというふうに思うんです。

 先ほど、岸田外務大臣は少しでもと言いました。多分、少しでもなんだと思います。それがいきなり、国会で答弁するときになると、実質的にインドを不拡散体制に参加させると言うのはちょっと言い過ぎだと思いますけれども、大臣、いかがですか。

岸田国務大臣 まず、インドへの原子力の平和利用に関する協力、これはNSGの決定が大前提でありますので、我が国のみならず、全ての国が協力するに当たって、インドの核実験モラトリアム、IAEA保障措置の適用、こうした厳格な条件が大前提になっています。

 そのインドに対して、我が国として最も厳しい規定等を設けることによって、しっかりと平和利用において責任を果たすように努める、これは大変重要な取り組みであると考えています。インドが、みずからの政策として最小限の核抑止を維持する、こういった政策を引き続き維持していること、これは承知をしておりますし、国際的にもそれは確認をされているところでありますが、そのインドを不拡散の体制に取り込むべく国際社会が協力をしていく、日本もその中で先頭に立つ、こういった態度は重要であるということを申し上げております。

緒方委員 ちょっと首をかしげてしまいますが、岸田外務大臣、国会の本会議での答弁でも、我が国は機会あるごとにインドへのNPTの加入を求めるという立場を伝えている、そしてインドもそのような我が国の立場を理解していると言っています。

 この理解という言葉ですが、単にそういう主張をしているということを知っているというだけであって、理解という言葉は多義的ですので、単に情報として知っているということと、あなたの言っていることに理解を示す、好意的な配慮を示す、そういう意味合い、この二つの意味があると思います。少なくともインドが示している理解というのは、単に我が国がそういうことを言っているということを知っているというだけであって、別に好意的な配慮を払っているわけではないというふうに思いますが、岸田外務大臣、いかがですか。

岸田国務大臣 まず、NSG自体、要するに原子力供給国グループ自体、NPTを前提とした枠組みであります。そのNPTを前提としているNSGが厳しい条件のもとに例外を認めている、これが全てのスタートであります。

 その上で、日本として厳しい協定をつくったわけですが、その際に、首脳会談、そして外相会談、あらゆる機会において、日本は、NPTの重要性について説明をし、NPTへの加盟を勧めているわけであります。インドとしてNPTの重要性については十分認識をしているというふうに理解をしております。インドが理解をしているという表現につきましては、今言ったことを説明させていただいている次第であります。

緒方委員 つまり、日本がそういうことを言っていることを知っているだけであって、誤解を招いてはいけないなというふうに思います。

 それでは、質問を移したいと思います。

 この協定に関する両国の認識でありますが、今回の協定に、日印の間で協定の解釈で同床異夢の部分というのはございますでしょうか。これは、では外務省。

梨田政府参考人 本協定の個々の規定について、日印間で解釈が異なることはないと考えております。

緒方委員 協定の第十四条なんというのは、多分、一から九までありますけれども、ほぼ同床異夢だけででき上がっているように見えるわけでありますが、ないということでありましたので、それに基づいて、さらに協定十四条を質問させていただきたいと思います。

 私はこの協定の陰の主役がいるといつも言っておりまして、陰の主役というのは誰かというとパキスタンであります。多分、インドは、二〇〇八年のムカジー外相のモラトリアム、守る気を持っていると思います、私もそう信じています。ただ、パキスタンが核実験をやったときについては、インドは必ずこれで対抗措置として核実験を行うことは、歴史的に見ても確実であります。

 そう考えるとき、実は、この日印原子力協定、特に第十四条のところに出てくるさまざまな、協力の停止とかいろいろなことが書いてありますけれども、これのトリガーを引くのは誰かといえば、これはパキスタンであります。パキスタンの核実験であります。

 そのときでも、日本は協力をとめるというふうに言っておりますが、私、インド側の理屈に立つわけではないんですけれども、インド側は絶対こういうふうに言うはずなんです、俺が悪いんじゃない、トリガーを引いたのは自分ではない。それは、パキスタンがやったから、自分は主権の問題として、安全保障の問題としてやらざるを得なかったわけであって、場合によっては、パキスタンが核実験をやり、その対抗措置としてインドが核実験をやったときは、インドは、いや、自分はモラトリアムを続ける気は今でも持っているし、今でもモラトリアムを続けているつもりなんだ、だけれども、仕方ないじゃないか、全然私には責任がない、こういうふうに言ってくると思うんです。

 これで質問させていただきたいと思うんですが、パキスタンが核実験を行い、その対抗措置としてインドが核実験を行う場合、両国は同様に非難されるべきだというふうに思われますか。これは外務省。

梨田政府参考人 我が国としては、いかなる理由であれ、いかなる国であれ、核実験を行うことには反対であるという立場ですので、実験を行った国に対しては断固とした対応をとるという考えでございます。

 そもそも、累次御説明しているとおり、協力の前提、NSGが例外化を決定した前提、それから、我が国が今回この協力協定を締結するに当たる協力の前提、実験を行うということはその前提が失われるということですので、理由のいかんであれ、我が国としては協定の終了及び協力の停止を行う考えであります。

緒方委員 その姿勢をぜひ貫いていただければと思います。

 ただ、第二項を見ておりますと、いろいろなことが書いてあります。「両締約国政府は、この協定の終了又はこの協定の下での協力の停止をもたらし得る状況について慎重な考慮を払う。」そして、「両締約国政府は、更に、この協定の終了又はこの協定の下での協力の停止をもたらし得る状況が、安全保障上の環境の変化についての一方の締約国政府の重大な懸念から、又は国家安全保障に影響を及ぼすおそれのある他の国による同様の行為への対応として、生じたものであるか否かについて考慮を払うことを合意する。」

 まさにこれは、パキスタンがどんとやらかしたときに、その対抗措置として核実験をしたことについて考慮を払うというふうに言っているのではないかというふうに思えるわけですね。

 そうすると、ここで書かれているのは、ケアフリー・コンシダーとか、テーク・イントゥー・アカウント、いずれも考慮というふうに訳していますが、考慮をする、こういった事情について。これは何をするんでしょうか。考慮をするということでありますが。これは外務省、お伺いしたいと思います。

梨田政府参考人 まさに協定の本文に書かれているとおりのことでございまして、協定の終了または協力の停止をもたらし得る状況について考慮するというそのものでございまして、今この時点であらかじめ特定のケース、状況を想定したものではございません。

 また、加えて申し上げれば、考慮を払うということが、我が国が有する協定の終了の権利というものに影響を与えるものとは考えておりません。

緒方委員 つまり、考慮をするんだけれども、お尻は決まっていて、お尻はばしんと、必ず協力をとめます。けれども、その前のところで、考慮を払うということが義務規定で書かれているわけですね。そうすると、意味がないんだと思うんですね。考慮した結果、何か結論が変わるのかというと、考慮しても、常に外でばしんと切るわけであって、実はここが同床異夢なんじゃないかと思うわけです。

 考慮した結果として、もしかしたら協力をとめない可能性があるとかいうふうにインドが思っているのではないか。逆に、日本は、考慮した結果として、お尻が必ず切れていますというふうに言っているということでありまして、ここは、実は、この考慮ということについて日本とインドの間で解釈が違うのではないかというふうに思いますが、外務省、いかがですか。

梨田政府参考人 先ほど答弁申し上げたとおり、解釈が異なるというふうには考えておりません。

緒方委員 それは、この考慮をした結果として、必ず協力がとまる、後ろは問答無用で必ず協力がとまるんだということは、インドもその認識を共有しているということでよろしいですか。

梨田政府参考人 いかなる理由であれ、核実験が行われた場合には、協力を停止する、協定を終了させるということは、交渉の中でも繰り返し述べてきたところでございまして、インド側も十分理解していると考えております。

緒方委員 まさに、さっき理解という言葉を聞きましたが、それは、日本がそう言っていることを理解しているということなのか、そういうことについて意が合っているということ、いずれでございますでしょうか。

梨田政府参考人 その旨は公文に明記されているところでございます。

緒方委員 公文に書かれているのは、九項のところで、再処理をしたところについての協力の停止ではなかったかと記憶をいたしておりますが、そうですね、再処理について停止をされるということでありますが、協力全体の中、協力が、全体があるとすると、九項で定められている分というのは、再処理の部分のところがとまるというふうに理解をしていますが、公文の……(発言する者あり)

 では、質問したいと思います。その書かれているという部分、どこでしょうか。

梨田政府参考人 「見解及び了解に関する公文」の(1)、(2)のところが協定の終了で、該当する部分でございます。再処理は(3)の部分でございます。

緒方委員 ここに書いてあるのは、日本が言ったということ、これは後で公文の性質についてお伺いをさせていただきますが、日本が言ったということが、先ほどの質疑でも何度かありましたけれども、それが両国の見解の正確な反映であるということだけであって、それについてインド側が、日本が(1)、(2)で言ったことに対して何らかの意見を表明しているわけでもなくて、単に、それが日本が言ったことであるということを書いているということだけだと思うんですね。

 そう考えると、必ずしも、考慮をした結果、必ずとめるということについて、インド側は、そういうことを言っていることを理解しているというのはあると思いますけれども、必ずそうなるんだということについて合意があるのかどうかということについては、必ずしも明確ではないと思うんですけれども、いかがですか。

梨田政府参考人 協定、まず本文の十四条では、理由のいかんを問わず協定の終了、協力の停止ということができることをうたった上で、特に、核実験を行った場合は、我が国としては極めて重要な事態ということで、公文というものを作成した経緯がございます。

 ですから、特段の理由として公文というものを作成したということでございますので、それは先ほどから御答弁申し上げているとおり、日本側は、核実験をした場合は十四条を行使するということは、インドは十分承知していると考えます。

緒方委員 それでは、今、公文の話が少し出てきましたので、公文について御質問させていただきます。

 法的拘束力を持つ国際約束だということで合意があるということでありますが、合意というのは、書いて字のごとく、意思が合っているというふうに書きます。この公文において、合っている意思は何でしょうか。

梨田政府参考人 公文の構成として、第一項において、インドが表明した九月五日の声明に違反する行動がある場合は、我が国として協定第十四条に規定する権利を行使することを明記しており、これを受けて、第二項において、第一項の内容が、「両国の見解の正確な反映であることが了解される。」と明記したことによって、我が国のこのような権利がいささかも誤解が生じることのないよう、両国間で重ねて確認されているという内容でございます。

緒方委員 済みません、意が合っているところというのは、二項で、これが、お互いが言ったことが正しいです、お互いがこのとおり言いましたということが正しく書かれていますというところにのみ実は意が合っているだけであって、実はその前の一項のところについては、日本が(1)、(2)、(3)、(4)と言って、インドがモラトリアムを守りますと言ったところについて、これらについて意が合っているということではないのではないかと思いますが、いかがですか。

梨田政府参考人 一の(1)から(4)までは日本の見解、(5)はインドの見解、これを受けて、第二項で、これは正確な反映をしているということを改めて確認したという構成でございます。

緒方委員 それはそのとおりでありまして、ただ、その中で、合意というからには意が合っていなきゃいけない。

 外務省で私、条約課にいたのでいつもやっていたんですけれども、単に意思が一致するだけじゃだめなんですね。偶然意が一致しているだけじゃなくて、お互い意が合わなきゃいけないわけです。それが合意であって、一致しているものだけであれば国際約束を構成しないというのは、外務省の国際法局でも厳しく、配属をされた次の日からそういうことを言われるわけであります。

 この公文の中で実は意が合っているというのは、こういうことをお互いが言いました、それが正しく反映されています、その正しく反映されているというところだけ意が合っているのであって、第一項のそれぞれ言ったことについて、そういうことを日本が言いましたねということについてはインドも理解をしていると思いますが、そういうふうに必ずなりますということについてはインドは合意をしていないのではないかというふうに思いますが、いかがですか。

梨田政府参考人 第二項で「両国の見解の正確な反映であることが了解される。」ということを明記したことによって、これを受けて、我が国が十四条に基づく協定の終了等に関する法的権利を行使することができることについて日印間で了解があるということを確認したものであります。

緒方委員 その了解という言葉ですが、単に日本がそういうことを言っていることを了解しただけであって、それでいいよ、そうなるんだということについてインド側が同意をした、合意を与えた、そういうことではないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

梨田政府参考人 協定の終了、協力の停止は、もともと第十四条で明文上規定されて、担保されております。それをさらに、公文を作成することにより、核実験を行った場合のことをここで明記いたしました。

 そういう意味では、もともと我が国として終了する権利というものは本体の協定上からも担保されているということで、インドは十分理解しているはずでございます。

緒方委員 ちょっと質問の仕方を変えたいと思いますが、日本が言っていること、第一項の(1)から(4)までいろいろなことを言っていますが、国際約束というのは何でも法的拘束力を持つということでありますけれども、日本が言っていることにインドは拘束をされるんでしょうか。

梨田政府参考人 日本が述べている立場を了解しているという趣旨です。

緒方委員 それだと、それが国際約束を構成するとすると、よく外務省が、国際約束を構成しない文書として合意議事録みたいなものをつくったりします。相手がこう言いました、お互いが、私もこう言いました、それが正確な反映です、こういう形式の外交文書というのは結構あるものでありまして、相手がそういうことを言っていることを自分としても理解しています、そういうふうに言ったことについて了解、言ったことがそうであるということについて了解を与えるもので、これで国際約束を構成するのであれば、実は、法的拘束力を持つ国際約束の範囲というのは物すごく広がると思うんですね。

 合意議事録、お互いがこう言いました、ああ言いました、これが正確な反映です、こういう文書というのは本当にたくさんあるんです。それだと国際約束の範囲を著しく広げることになるのではないかと思いますが、外務省、いかがですか。

三上政府参考人 お答えいたします。

 国際約束というのは、一般的に、国際法上の主体の間において締結され、国際法によって規律される国際的な合意をいいます。

 それに関連しまして、協定をつくる場合に、協定本文の実施に関する了解等を記録にとどめるために、協定本体には規定せず、別途の文書を作成するということは、委員御存じのとおり、一般的に行われていることでございます。その名称が、合意議事録というような名称がつくときもありますけれども、これも国際約束として合意議事録が作成されるということはございます。

 以上です。

緒方委員 それはそうでありまして、国際約束というのはその名称を問わないというのは、それはそのとおりであります。いろいろな名前の国際条約がございます。古いものになると、口頭了解ですら国際約束を構成するというものも昔あったわけでありまして、文書の形態を問わないというのはそのとおりであります。

 ただ、いろいろな、単にお互いが言ったことを、つまり、これは議事録のようなものですから、議事録が、それが正しく反映されているというのが国際約束というのは、ちょっと言い過ぎではないかなと。ちょっとどころじゃない、物すごく言い過ぎではないかなというふうに思うわけですが、いかがですか。

三上政府参考人 先ほど申し上げましたように、国際約束というのは、国際法上の主体、国家であるとか国際機関という場合もあると思いますけれども、その間に締結されて国際法によって規定される国際的な合意ということですから、相当広い範囲になっております。合意議事録のような形で、了解等を正確に記述するという形での国際約束というものもあるということでございます。

 それで、この場合には、いずれにいたしましても、十四条で、協力を終了あるいは停止する権利というのは日本側であるということはもう明確になっているわけですので、ここの公文で日本側の考え方をあらかじめしっかりと記録している、それをインドもきちんと了解しているということを記録にとどめているということが非常に重要だと考えております。

緒方委員 通常、この文書の形態を見ておりますと、よくできた合意議事録だなと思いますが、私、外務省の条約課にいたときに、この手の文書で、国際約束を構成するということで内閣法制局に持っていったことは一度もありません。これは純粋に議事録でありまして、今の御説明だと、合意議事録で、相手の言ったことと自分の言ったことを正確に書きとめました、それは正確な反映ですと言ってしまえば、それが全て国際約束を構成するかのような発言に聞こえたわけでありますが、いかがですか。

三上政府参考人 お答え申し上げます。

 一概に、全てそれが国際約束に必ずなるというものではないと思いますけれども、なる場合もある。この場合は国際約束として結ばれているということでございます。

緒方委員 実は、用意した質問の半分ぐらいしかいかなかったんですが、ここまで質問してみて、それでも何となくまだわかっていないのが、この日印原子力協定のノート・オン・ビューズ・アンド・アンダースタンディング。公文の中で、これを合意と呼ぶのであれば、何度も同じことを言いますけれども、意が合っていることが必要なんです。お互いの意思が、お互いが、こういうことだよねということで意ががちっと合うことが国際約束の条件でありまして、この公文の中で合っている意というのは何でしょうか。もう質問の最後でありますので、これは最後、岸田外務大臣にお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 先ほど来のやりとりでも明らかにされているように、この公文の構造、一において、日本側の考え方、インドの考え方が列挙されているわけです。それを二項目めにおいて、両国の見解の正確な反映であるということを了解しているということで結論づけているわけであります。

 ですから、要するに、一項で列挙されていること、これがまさに両国において、両国の見解として了解されているという部分、これがまさに両国の意が一致した部分であると考えます。

緒方委員 結構重要な答弁でして、正確な反映であるところについて意が合っているということでありますので……(岸田国務大臣「両国の見解である」と呼ぶ)今、そういうふうに言われましたよ、大臣。

岸田国務大臣 今、正確な見解であることが意が合っているとは申しておりません。両国の見解であるということについて意が合っているということを申し上げております。

緒方委員 では、最後にもう一個だけ。

 いずれにせよ、では、この公文の中での義務規定に当たる、国際約束で拘束力があるということなので義務規定だと思いますけれども、義務規定というのはこの第二項だけということでよろしいですか。

梨田政府参考人 おっしゃるとおりです。

緒方委員 終わります。ありがとうございました。

三ッ矢委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 本日は、外務委員会各理事並びに委員長の御配慮によって質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、先ほどの大変細かな、そして綿密な御質問と少し角度を変えまして、そもそも、今回の日印原子力協定が、我が国が長年歩んできた核軍縮並びに不拡散という基本的な枠組みから見てどうであるのかという点で質疑をさせていただきます。

 冒頭、岸田外務大臣にお伺いいたしますが、先ほど公明党の岡本委員もお取り上げでございましたが、けさ方、韓国で新たな文在寅大統領が誕生をされました。いろいろな難題、慰安婦問題等々もございますが、大臣としてこの新たな文在寅大統領の登場に最も期待すべきこと、また、どのように大臣自身が今後の日韓関係を考えておられるかについてお伺いをいたします。

岸田国務大臣 まず、文在寅大統領が選挙によって選ばれたことについては、外務大臣としても祝意のメッセージは発出させていただいています。

 どういったところに期待するのかという御質問でありますが、これにつきましては、文在寅大統領は選挙期間中からさまざまな発言をされていますが、政府としてどういった政策をとられるかということにつきましては、今後、首相あるいは閣僚等が確定した後に具体的なものが出てくると思いますので、今の段階で、こういったものを期待するとか、具体的なことを申し上げるのは、我が国の立場から、これは控えなければならないと考えています。

 ただ、いずれにしましても、韓国は戦略的利益を共有する大切な隣国であります。北朝鮮問題等を見ても、韓国と日本が連携協力するということは地域の平和と安定にとっても大変重要なことであると認識をしております。

 この新政権ともしっかり連携協力をしていかなければならない、これは当然のことであると思っておりますし、ぜひ、新政権とも未来志向で両国関係を前進できるようにしっかり我が国としても努力をしていきたい、このように考えます。

阿部委員 もちろん、内閣全体としてのさまざまな分野における日韓の協力等については、まだ論議のこれから始まるところとは了解をいたしております。

 私があえて岸田外務大臣にお伺いをいたしましたのは、きょうのお手元の資料の多分四ページ目に当たると思いますが、ここに世界終末時計というものがお示しをしてございます。

 これは、そもそも何を意味しておるかというと、第二次世界大戦、日本への原爆投下で日本が敗北を認めて終結していくわけですが、その直後にアメリカの科学誌に、日本の核戦争の悲惨も含めて世界が終末に近づかないように、核兵器の使用も含めて人類への大きな罪であるということで終末時計という考え方を発表いたしまして、これが一番時間的に短くなったのは、米ソが水爆実験を繰り返しました一九五三年から一九六〇年くらいはもうあと二分、終末まで二分と言われました。

 昨今、トランプ大統領が登場して、シリアの攻撃をなさったときに、この終末時計、実は、長いときは十七分まで、核軍縮が進んで、世界の流れが少しずつ前向きになっていったときは十七分まで延長したのですが、これがまた二分半に引き戻されている。

 国民の多くも、一触即発で、特に、核兵器の使用等々、絶対あってはならないことに向かいかねない危機を、私は今国民は抱いていると思うんです。

 この間のトランプ大統領の行動は、一面においては、シリア攻撃等々もあって、私どもも不安を覚えておりますが、例えば、先ほどお取り上げの北朝鮮との直接対話も、これは、主には弾道ミサイルとか核兵器の廃絶ということを一義的に考えた上での交渉事をノルウェーでも近々行うような報道もございます、実際はどうなるかわかりませんけれども。

 そうなりますと、私は、今、日本の外交、安全保障上、今度新たに文在寅大統領が誕生して、この東アジアにおける六カ国協議等々、これは、もともと北朝鮮の核武装について、これを行わせないための枠組みをつくってきた、それがある意味破綻して、二〇〇六年以降北朝鮮が核開発を進めているという中で、もう一度、韓国に新たに誕生した大統領のもと、また、ロシアのプーチン大統領も、せんだって安倍総理との会談で六カ国協議のことに言及をされておられますし、日本がリーダーシップをとって、ぜひ、東アジアの核をめぐる安全保障環境を韓国とともに話し合っていただきたい。私は、それは、恐らく岸田大臣だからできると信頼をしております。それは、大臣が広島の御出身であり、ずっと核軍縮についてもお取り組みであったからです。

 今私が申し上げました、大臣は何を望んでおられますかというのは私の読み込み過ぎかもしれませんが、しかし、国民の願いでもあると思いますので、具体的には六カ国協議等々、とにかく、北朝鮮の核武装をとめていく、なくしていく、東アジアの安全保障環境を高めるということについての大臣のお考えを伺います。

岸田国務大臣 御指摘の六カ国協議を振り返りましても、かつて発出されました六カ国協議の共同声明においても、共通の目的として、平和的な手法によって検証可能な朝鮮半島の非核化というものが掲げられていると承知をしております。

 これは、北朝鮮は現状、別格なのだと思っておりますが、それ以外の、六カ国協議に参加している、北朝鮮に大きな影響力を持っている国々は、この共通の目標を今でも共有していると考えています。平和的な手法によって、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を実現する、こうした目標に向けて引き続き努力をしていかなければならないと我が国も考えています。そして、韓国もその六カ国協議の一員でありますので、日本と韓国、こうした目標を共有しているということであります。

 こうした地域の平和と安定のために、こうした目標を共有しながら日本と韓国が努力を続けていく、これは当然重要なことであると思いますし、日本もしっかり貢献をしていきたいと思いますし、韓国にもぜひこの努力をお願いしなければならない、このように考えます。

阿部委員 ぜひ強力なリーダーシップをお願いしたいと思います。

 あわせて、けさのニュースで、大変我が国にとっては喜ばしい、国際社会の、特に軍縮に関する人事の発表があったと思います。質問通告していなくてごめんなさい。私もけさ知りましたが、国連の軍縮担当上級代表に日本の女性が任命をされました。中満泉さんとおっしゃいまして、緒方貞子さんのもとで国連の仕事をされてきた。特に軍縮関係に強い興味をお持ちで、今度は軍縮担当上級代表という極めて重要な役職につかれております。

 私は、この意味というのは、二重の意味で日本にとって国際社会に働きかけることができると思っております。

 実は、これは大臣ともやりとりしたことがございますが、昨年暮れの核兵器禁止条約には、我が国は十二月の交渉には参加はいたしませんでした。また、反対の意も表明しておりますが、この国連の軍縮担当上級代表、当時キム・ウォンスさんでしたが、そこに行かれて発言をされたりと、今度は中満さんがそうした役割を担うことになる。すなわち、政府と密に連携しながら、やはり本当の意味で核兵器廃絶、核軍縮そして核拡散防止、このいずれもやっていかなきゃいけないということになると思うのですが、岸田大臣に、今回のこの人事の発表について、これも印象で結構です、お考えと、また決意のほどを伺いたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘の中満軍縮担当上級代表ですが、私も国連の場でさまざまな形でお会いし、お話をしてきました。大変優秀な方でいらっしゃいますし、こうした国際的な軍縮の議論において大変重要なポストに日本から選出される、選ばれるということ、これは日本にとっても大変歓迎すべきことであると思っています。

 そして、ぜひ日本としても、今の国際状況を見るに当たっても、中満さんとしっかりと協力をしながら国際世論をリードしていかなければならない、これを強く感じています。

 この間、二〇二〇年のNPT運用検討会議の準備委員会がスタートしました。御案内のとおり、二〇一五年の会議、成果文書もまとめることができない、核兵器国と非核兵器国の深刻な対立を改めて感じたわけでありますし、一方で、北朝鮮の昨今の挑発行動は、まさに国際的な核軍縮・不拡散体制に対する挑戦であると受けとめています。こうした厳しい状況にあるからこそ、我が国は唯一の戦争被爆国として、中満さんとも協力をしながら議論をリードしていきたいと強く感じております。

阿部委員 繰り返しますが、非常に、今、日本の行動というのは重要な時期に来ておると思うのです。そういう中で、今回の日印原子力協定がどのように評価されるかということについての本題に入っていきたいと思います。

 今の岸田大臣の御答弁にもありましたが、我が国は、核軍縮、核不拡散において、NPT体制の堅持と、その中で、核兵器保有国と非保有国、二つを分けて、そしてこの橋渡しをしようということで努力をしてこられた。非核兵器国と核兵器国。

 さて、大臣、インドは核兵器国か非核兵器国か。これまでの我が国の定義にはないと思うのですが、いかがでしょう。

岸田国務大臣 NPT上、核兵器国は五カ国に限定されています。そもそもインドはNPTに加入しておりませんので、インドはNPT上の核兵器国ではないということになります。

 インドは、現実において、核ドクトリンというものを明らかにしていますが、その中で、信頼し得る最小限の抑止力の開発と維持、こうした政策を掲げている国であります。

阿部委員 米印原子力協定が結ばれたときの、当時ライス国務長官、その方も、当然ながらインドは核兵器国ではないというふうに言っておられて、そのとき同時に、NPT体制について、これを見直すものでもないし、インドの加入も行われないということを述べておられます。

 すなわち、ここが一番問題で、NPT体制というものが、そういうふうによくわけのわからないというか、もどきのようなものをつくってしまうと、次々とそれが行われかねない。非核兵器国というふうなものでもないですよね、大臣。だって核兵器を持っていますものね。

 そして、次の質問ですが、実は、日本は非核兵器国として、オーストラリアなどとともにリーダーシップをとって、核保有国に対して軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIを提案して、核弾頭の数とか運搬手段とか核物質のフォローとか、そういうものを透明化、明示化、見える化しなさいということを提案しておるわけです、核兵器保有国に対しては。

 インドは核兵器保有国ではないけれども、核兵器を持っているわけですね。このインドに対して、NPDIで当然核兵器保有国に求められるくらいの透明性すら求められていないということは、大臣はどうお考えですか。

岸田国務大臣 核軍縮・不拡散を考える中にあって、核兵器に対する透明性を向上させるということは、核軍縮を進める上での重要な基礎であると思っています。こうした取り組みを進める上において、核兵器国そして非核兵器国を問わず、信頼関係を醸成するということが重要でありますが、信頼の醸成という意味において透明性の向上は基礎であると考え、御指摘のように、NPDIにおいても、二〇一五年のNPT運用検討会議にさまざまな基本文書を提出しておりますし、二〇二〇年のNPT運用検討会議準備委員会にも既に六本基本文書を提出していますが、その中の一つに、透明性の向上を求める作業文書が含まれているわけです。

 二〇一六年の国連総会における核兵器廃絶決議についても、全ての国連加盟国に対して透明性の原則を適用するように求めている、これが我が国の立場であります。

 全ての国連加盟国、インドに対しても透明性を求めているわけですが、現実問題、インドは核弾頭数等に関して公表はしていないと承知をしております。引き続き、インドに対しても、こうした透明性の向上については、我が国の立場から、しっかり働きかけを続けなければならないと認識をしております。

阿部委員 私が懸念いたしますのは、こういう日印原子力協定を結ぼうとするときにも、そうした透明性を逆に担保にして、透明性をきちんと条件にして結んでいくということがなければ、実は、核兵器国でもない、非核兵器国でもない、中間的なところにいるのが一番、逆に、世界の監視の目を逃れられるというふうな誤解を生みやすいと思います。

 大臣は広島御出身なので御存じと思いますが、広島県発行で、公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センターというところが出しております資料によれば、例えば、二〇一〇年から二〇一五年までの間に、これは公にされているもの、いないものがありますので信頼度は少し確定はできないものもあろうかと思いますが、核弾頭数がふえている国は中国とインドとパキスタンであります。逆に、フランス、ロシア、アメリカ、イギリス、イスラエルは微減か同じくらい。

 核弾頭数のふえたのは、繰り返させていただきますが、中国、インド、パキスタンで、この広島県のひろしまレポートというものによれば、二〇一〇年は、インドは八十、パキスタンは九十。二〇一五年、インド百十、パキスタン百二十。すなわち、両方とも核弾頭数をふやしてきているという現状が、アメリカが米印原子力協定を結んですらあるわけです。

 私は、核不拡散ということはなぜ必要かというと、当然ながら核軍縮を行うために不拡散をさせるということで、こうやって実際にはインドもパキスタンも弾頭数をふやしていくということは、結局、NSG、原子力供給グループで決めたけれども、でも、それにのっとって結ばれたアメリカとインドの間の協定があってなお軍縮には向かっていないと言うべきだと思いますが、大臣の御所見を伺います。

岸田国務大臣 まず、我が国は、NPTの普遍化、これを重視しており、さまざまな形で働きかけを続けています。インドにも、首脳会談を初めさまざまな機会を通じてNPTへの加入の重要性について働きかけを続けているわけでありますが、残念ながら、NPTにはインドは加入をしておりません。

 その中にあって、インドが、原子力の平和利用を考える際にさまざまな取り組みを行っている。そして、原子力供給国グループ、NSGはNPTを前提とする枠組みですが、その中にあって、厳しい条件を突きつけた上で、例外的にインドの原子力の平和利用を認めたということを行ったわけです。

 これは、あくまでも、こうしたNPTを前提とするNSGが厳しい条件のもとで例外を認めた、これが議論のスタートであり、それに対して、NPTを重視する我が国として、厳しい規定を設けて、公文を設けて、そして実質的な不拡散体制にインドをできるだけ引き込もうという努力を続けてきたわけです。

 NPTをめぐるこうしたさまざまな取り組みを考えますときに、インドは残念ながら今現在NPTには入っていませんが、NPTがいかに原子力の平和利用を考える際にも重要であるということはこの取り組みの中で再三強調され、そしてインドもその重要性については理解をしていると考えます。こういった取り組みを通じまして、ぜひNPT体制の普遍化に向けて我が国は引き続き努力をしていきたい、このように考えます。

阿部委員 引き続き努力することはもう当然で、せねばならないと思いますが、私が指摘させていただいたのは、米印原子力協定、日本とほぼ同じです。お手元に米印原子力協定の資料をつけてございます。NSGグループの中で、まずインドを例外扱いにすることができる旨の規定をつくり、そしてIAEAの一部査察を受け入れ、包括的査察ではございません、そしてここまでやってきたけれども、何度も申しますが、核弾頭数はふえている、核軍拡である。パキスタンとの関係も、つい最近も緊張した場面がございましたし、そうしたことの中で、この体制では本当に核軍縮にならない。アメリカにおいてすらなんです。

 日本がこれから結ぼうとする、ほぼアメリカと同等のこの協定は、そういう意味では核軍縮をかなえることができないと私は思うわけです。

 その大きな理由は、次のページに、これはインドがみずから申請して、この原子炉はIAEAの検証下に置きますよ、これは軍事用ですよと、二極に分けてございますけれども、この図を見れば見るほど、どこで分けられているんだろうか。ずるずるとは申しませんが、監視下にあるものと下の軍事用とのところは密にネットワークしてございまして、大臣のお手元になかったらごめんなさい、こういう状態で実際の査察を受けていると言われても、やはり、核弾頭数はどんどんふえてきているというのが現状だと思います。

 大臣は、原子力委員長代理の阿部さんが、二〇一六年七月八日、「私の視点」というので出された投稿論文は御存じでしょうか。原子力委員会の委員長代理を今お務めでありますが、この委員長代理ですら、原子力委員会というのは日本の原子力政策を中心的にやってきたところでありますが、インドに対して、例えばCTBT加入、あるいはほかの核物質のいろいろな扱いの規制、プラス、やはり何らかの担保がなければ今回のことは認めるべきではないという御意見でしたが、意見交換されましたか。

岸田国務大臣 意見交換をしたかということでありますが、そういった意見交換は私は行ってはおりません。

阿部委員 大臣はすごく正直な方ですから、私は、ぜひ、これからでも遅くないです、インドとの原子力協力は軍事転用を確実に防げという文章で朝日新聞、総理は読売新聞を出しましたが、これは朝日新聞への投稿でしたので私は朝日新聞を使わせていただきますが、二〇一六年七月八日に投稿された非常に重要な言及だと思います。

 まず、NPTの各種義務、先ほど申しましたNPDIが求めているような義務を履行させるとか、核軍縮の追求、核技術の不拡散、そしてIAEAの保障措置のさらに拡大したカバーなどを条件として、プラスFMCTとCTBTの署名、批准を求めるべきだという御意見であります。

 大臣はぜひ、この原子力委員会の皆さんとも、日本の大事な政策の積み重ねですから、意見交換していただきたいが、いかがですか。

岸田国務大臣 そうした方々と意見交換をすること、これは意義あることであると思います。そういった機会を持てるかどうか、ぜひ検討したいと思います。

阿部委員 よろしくお願いいたしたいと思います。

 本来は、この場でも、ぜひ原子力委員会にもお越しいただきたいですが、きょう私は準備が間に合いませんでしたので、大臣にお願いして、また別途、意見交換の結果を聞かせていただきたいと思います。

 さて、インドへの原発輸出という問題は、実は福島事故を経験した我が国が、一体その悲惨はどこまで広がるものなのか。それは、金額的な問題のみならず、受ける精神的な、あるいは生活のダメージ、いろいろ大きなものがございますが、大臣は、昨年暮れの閣議決定に御参加でありますから、この被害の総額、賠償、除染あるいは汚染水処理など、そこで話されたことも御存じかと思いますが、この被害の大きさについての認識はいかに持っておいででしょうか。

岸田国務大臣 東日本大震災、発生してから六年の歳月がたったわけでありますが、御指摘のように、さまざまな方々がさまざまな形で、まだ引き続き大変な被害の影響を受け続けておられます。政府としては、そのことを深刻に受けとめなければならないと思います。

 私も、政府の復興推進会議あるいは原子力災害対策本部会議、こうした組織の一員でありますので、こうした被害の深刻さ、重みをしっかりとこれからも認識しながら努力を続けていきたい、このように考えます。

阿部委員 この被害額は、閣議決定の中では一応二十一・五兆円という数値が挙がってございますが、日経新聞のシンクタンクである日経の経済研究センターというところの試算では五十兆から七十兆という数値が挙がっております。

 これは経済産業省にお伺いしたいですが、私が比較すると、廃炉・汚染水対策、特にトリチウム対策などが、今、海に放出、どうするかということも懸念されておりますし、あと、取り出したデブリあるいは放射化したいろいろな物質をどこで保管し、どこで最終処分していくかなどにかかる膨大な費用を試算すると五十兆から七十兆、これは倍以上の数値が出ておるわけです。

 高木副大臣に伺いたいと思いますが、国民から見ると、ずっとこの被害額はどんどんウナギ登りでした。起きた年の暮れはたしか五・五兆、そして二〇一三年には十一・五兆、二〇一六年暮れには二十一・五兆、今回、あるシンクタンクが試算されると五十兆から七十兆。やはり国民もどれくらいかかるのか不安、恐らく世界もそうだと思うんです。この間、日本が原発輸出を試みた国、ベトナムなどもその懸念が大きかったと思います。インドとて同じだと思いますが、それが明確にされていない、検証もされていないことについて、副大臣の見解を伺いたいです。

 特に、エネルギー基本計画の中で、第三者機関を設けて原子力にかかわる情報は透明化、国民からアプローチしやすい、そしてデータが比較、検証し得るということを、つい三年前のエネルギー基本計画二〇一四年では述べておりますが、全く実施されていないと思います。いかがでしょう。

高木副大臣 今委員御指摘がありましたように、今回の福島第一原子力発電所の事故の損害また賠償を含めた費用について、御存じのように、原賠・廃炉機構法、今国会で二十一・五兆円という試算のもとで法案審議が行われておりました。

 まず、今回の事故、御存じのように、私たちも経験したことのない未曽有の原子力災害でございました。そういった中で、廃炉、賠償、除染などにつきまして、これまで、限られた知見の中で、現段階では十分に見通せない不確定要素、これはあると思います。その中で、所要資金を相当な確度で具体的かつ合理的に見積もること、これはなかなか困難であるとは考えておりますが、ただ、やはり被災者の皆様方に対するさまざまな支援、賠償、そして中間貯蔵の問題、廃炉の問題を解決しなければなりませんので、その所要の資金の見通しということ、復興加速化の観点から必要となる制度の整備または資金の確保に資するように、政府の取り組み方針も含めて、現時点で最新の情報に基づいて、一定の蓋然性を有するものとして今回提示をさせていただいております。

 そういった中で、御指摘がありましたシンクタンクの五十兆から七十兆、こういう試算でございますが、例えばトリチウムのことを言われました。これは、今の科学的技術におきましてトリチウムを分離することはほとんど不可能でございます。そういった中で、実は、この福島第一原発の事故以外でも、世界各国、原発を稼働しているところは、トリチウムをいわゆる海洋放水等しております。ただ、風評被害もございますので、科学的には安全であるけれども、なかなか海洋放出ができない、こういう実態のある中で、漁業者のお気持ち、またはそういう実態、それをしっかりと勘案した上で、これも今議論を進めさせていただいております。

 委員御指摘のあった、これは前、ほかの委員会でも御指摘があったと思いますが、そういうオープンな、透明性の必要、これは私もそのとおりに思います。そういった中で、今回の二十一・五兆円も、東電委員会と第三者委員会で提示をさせていただいて、それを国会の場でも開示をさせていただきながらやってきた事実もございますので、今後もそういう透明性の確保については、経済産業省、エネルギーを担当する分野としても、努力を進めてまいりたいと考えております。

阿部委員 二点指摘させていただきたいですが、今おっしゃったトリチウムの処理等々も含めてですが、この試算は、東電改革・一F問題委員会、この東電改革委員会はクローズドです、オープンではありません、国民は見えない、わからない。有識者会議は外部委員会ではありません、附属しています。そういう形でやればやるほど、国民は、どこかわからないところで計算したものを負担しなさいなと押しつけられる、そして、その全体像が見えないということでありますので、経済産業省として、ぜひこれはもっと透明性を高める取り組みをしていただきたい。

 私がそういうことを申し上げますのは、これは続けて高木副大臣にお伺いいたしますが、今回、もしインドに輸出したもので事故等々があった場合に、損害賠償の補完的、CSCという条約は、二〇一六年にインドは批准いたしておりますが、二〇一〇年に既にインドが国内法でつくっている原子力賠償責任法においてはメーカー責任ということも問われるわけであります。

 一つのメーカーで二十一兆、五十兆、七十兆、できないです。当然私は、そこまであることだから、今非常にこの問題は慎重であらねばならないと思いますが、そういう御認識はおありですか。

高木副大臣 今御指摘ありましたように、インド政府は、インド国内法令で、事業者への責任集中を原則とした、両国が加盟する原子力賠償に関するCSC条約に適合、運用するとの解釈を示しておりまして、このような点も踏まえつつ、具体的にどのような契約をいわゆる原発メーカーが締結していくかは、これは企業が判断していくものだと考えております。

 その上で、我が国といたしましては、核不拡散の枠組みを堅持しつつ、相手国の事情や意向を踏まえ、安全性の高い原子力技術を提供していくこととしておりまして、これはインドのみならず、原子力輸出に関する我が国の基本的な考え方でございます。

 これは、メーカーがそういうような状況の中で、これは輸出をしよう、出していこうと、最終的な判断は国がするのではなくて、最終的にメーカーがする、こういうことになると思います。一方で、こういうような国内法があるということもそれぞれのメーカーはしっかりと判断していく、このように考えております。

阿部委員 以前、原子力保安院があったときには、輸出に際してその安全性についても保安院で一応チェックしておりました。今の原子力規制庁になってその体制はなくなっております。メーカー責任と言われても、日本から輸出したもので膨大な被害が発生したならば、日本国として黙っているわけにはいかない。それこそ、インドとの国際的な信頼にもかかわってしまいます。

 私がこれだけ申し上げて、ここは今回は終わらせていただきますが、担保もないし、大体被害額が今確定できないのですから、そういう重大事故もあり得るという前提で臨まないと、安易な輸出はとてもできないということだと思います。

 最後に、JBICにお越しいただいていますので、お伺いいたしますが、原発等々あるいは鉄道等のインフラ整備にJBICがお金を融資していく場合に、特に原子力産業にあっては、原発建設は、世界各地で資金不足や住民の反対に遭っておりまして、遅延をいたしておるという現状がございます。

 その中で、JBICがそのリスクを評価する中に、住民に対する情報公開と住民協議が極めて重要であるというふうに、関連閣僚会議を経て、JBICの方でも検討しておられると思いますが、特に、住民にどういう情報を提示するのか、住民合意のとり方などについてお考えを伺います。

林参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘がありましたとおり、私どもJBICといたしましても、原子力関連プロジェクトにおいては、住民への情報公開や住民との協議が適切に実施されることはとても重要なポイントだというふうに考えております。したがいまして、私どもJBICとしましては、情報公開指針に基づいてこれを確認することを現在考えております。

 JBICとしましては、二〇一五年の十二月以降、原子力関連プロジェクトにかかる情報公開指針の作成について、これまで五回にわたりましてコンサルテーション会合を開催しまして、NGOの皆様とか産業界の皆様などから幅広い参加を得て協議を進めているところでございまして、今後も、より一層幅広く意見を得ながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

阿部委員 ぜひその姿勢を後退させることのないよう取り組んでいただきたいと思います。

 終わらせていただきます。

三ッ矢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

三ッ矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。吉良州司君。

吉良委員 民進党の吉良州司でございます。

 お決まりの冒頭発言でありますけれども、私の見解、質疑はあくまでも吉良州司個人の責任においてやらせてもらうものでありまして、特にきょうは民進党の正式見解を代弁するものではないということをお断りした上で、質問をさせていただきたいと思います。

 きょうは、午前中からもありますように、本当は北朝鮮の問題だとかフランス大統領選挙だとか韓国の大統領選挙だとか、そういうことをいろいろ聞きたいのでありますけれども、やはり日印原子力協定というのは極めて重要な法案でもあり、私には珍しく、この一本で、協定だけの質疑をやらせていただきたいと思います。

 まず、改めてでありますけれども、インドと原子力協定を締結する意義について、簡潔にお願いいたします。

岸田国務大臣 インドと原子力協定を結ぶ意義ですが、まず、インドは、十二億を超える人口を持つ、世界第二位の大きな人口を持つ国であり、アジア第三位の経済規模と年七%を超える高成長率を有し、さらにアジアとアフリカをつなぐインド洋に面し、我が国のシーレーンの中央にも位置する、自由で開かれたインド・太平洋戦略の鍵となる国であります。我が国にとって戦略的に最も重要なパートナーの一つであるインドとの関係強化、これは二国間のみならずインド・太平洋地域の将来にとって極めて重要である、まずインドそのものについてはそうした認識を持っています。

 その上で、今回、原子力協定を結ぶことによって、インドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させる、こうしたことにつながると考えています。

 具体的には、まず、本協定は、インドが表明した核実験モラトリアムの継続等を前提としています。加えて、本協定を締結することによって、インドは我が国との間で核物質等の平和的目的に限った利用あるいは不拡散の義務、こうしたものを負うことになります。これにより、インドが原子力の平和的利用について責任ある行動をとることが確保されると考えます。

 以上です。

吉良委員 ありがとうございます。極めて簡潔に、しかも網羅的にやっていただいたということで、答弁に感謝します。先ほど大臣がおっしゃった、地政学的な意味とか戦略的な意味とか、また経済的な意味とか、その辺についてはこの後おいおい私の方からもいろいろと指摘をさせていただきたいというふうに思っていますが。

 午前中の議論を聞いていて、再度確認したこと、自分で確認したこと、認識したことは、それぞれの質問者の指摘、全く間違っていない。と同時に、本当はもうちょっと言いたいことがあるけれどもこれしか言えないという外務省の、また大臣の、また政府委員の答弁も間違っていない。

 今回の日印原子力協定、最終的には政治判断、価値判断なんだと思います。反対する側も、理由を含めて間違っていないんです。だけれども、それでもやらざるを得ない。政府が出してきた、その背景にある、さっき言いました戦略的な意味合い、これも間違っていないというふうに思っています。

 先ほどNPT上の話もしていただきました。実質的にNPTの枠組みに組み入れることができるという考え方も正しいし、一方で、日印協定を結ぶことは実質的にNPTの例外を固定化してしまう、この考え方も間違っていないんだというふうに思います。

 さらに申し上げるならば、なぜ、核実験をやったときに停止をする、終了するということを盛り込まないんだ、これも間違っていない。けれども、同時に、盛り込まずに、十四条で、核実験も含めて、日本側がやめると言ったらやめるんだ、こういう規定を盛り込んだので、まさに、核実験を含めて、核実験をやったらやめますよという権利をこの協定の中できちっと確保した、これも間違っていないと思っています。

 では、なぜこういう議論が起こるのか。私は、力関係だと思っています。

 あえて言うならば、日本が少々、インドの言い分を聞き過ぎたとしても、それでもインドと、さっき大臣もおっしゃった、戦略的な関係を築いていきたい、これがあるからなんだと思います。

 例えて言うならば、たばこを吸う女性がいたら恐縮ですけれども、本当は喫煙をする女性は好きじゃないという男性がいて、それでも、たまたま、たばこを吸う女性が好きになって、結婚したくてしたくてしようがない。こうなったときに、結婚したいと言って、たばこをやめてくれ、たばこをやめるんだったら結婚するとまで言えればいいけれども、こっちの方が結婚したいので、いやあ、たばこは健康に悪いから少し本数を減らした方がいいんじゃないとか、結婚したら少しずつやめてもらえないかなとか。

 そういうことで、ある意味、少し妥協してでも、そして、最終的な核実験をやれば、こちらは停止しますよ、協力を終了しますよという権利を確保しようとしていたんだと思います。

 先ほど緒方委員の方から、陰の主役はパキスタンだという話がありました。私は、陰の主役は、パキスタンのみならず、実は、中国だ、そして米国だと思っています。

 インドからしてみれば、今、モラトリアム宣言をしていて、日本と協定を結ぶときには、自分は守るぞ、モラトリアムを守ってみせるぞという思いを今強く持っていることは間違いないです。それも交渉の中で確認をしてきたと思います。

 ただ一方で、インドからしてみたら、かつて、イン・パキ戦争があり、それから中印戦争があり、そういう中で、安全保障上、生き死にがかかったときに、そのときの選択肢まで全部奪われることは勘弁してくれと。そういう中で今回の協定ができ上がっているんだろう、私はこのように思っているところであります。

 そういう生き死にがかかった、インドにとって、パキスタンとの関係、そして中国との関係、この二国との関係についてお聞きしたいと思うんですね。

 というのは、将来的にインドが、今言ったように、生き死にがかかっているんだというような状況が起こらないとも限らない。その意味で、現在のインドとパキスタンの関係、そして、パキスタンが内外に抱える問題、パキスタン自身が何らかの形で周辺諸国に脅威をもたらす可能性がある課題があれば、その辺について答弁いただきたいと思います。

梨田政府参考人 パキスタンとインドの関係について申し上げますと、昨年来、両国の国境地帯でテロ事件が発生しております。その結果、両国の対話あるいは関係のさらなる構築というものが滞っている状況にございます。これはおのずと地域の不安定性に悪影響を及ぼしていることは言うまでもなく、我が国としては、両国が対話を通じて再び事態の改善に向けた状況を生み出すことを期待しております。

 具体的には、さきのゴールデンウイークに岸外務副大臣がパキスタンを訪れ、対話によるインドとの関係改善を促している、こういった働きかけを行っているところでございます。

吉良委員 もう少し突っ込みたいところもあるんですが、ちょっと全体として議論をしていきたいので。

 続いて、インドと中国の関係についてお聞きをしたいと思っています。

 もともと、なぜインドが核を保有するようになったか。この背景には、インドから見ての中国の脅威がある。さっき言った中印戦争があった。そこが引き金になっていると、私は了解しています。そして、パキスタンはパキスタンで、イン・パキ戦争が三回ですか、起こっている中で、インドの核保有に対して対抗措置をとる。そういうことでまた核保有をしている。こういうことだと思っていますので、インドと中国の関係がどうなのか。これも極めて重要だと思っています。

 現在のインドと中国の関係について、説明いただければと思います。

岸田国務大臣 インドと中国の関係についてお尋ねいただきましたが、まず、インドと中国、これはともにアジアの大国であります。そして、お互いにとって重要性を有している、こうした関係にあると考えます。両国間においては、両首脳の相互訪問を初め、要人往来、こうしたものが頻繁に行われていますし、中国はインドにとって最大の貿易相手国である、こういった関係にもあります。

 そして、一方ですが、詳細を見ていきますと、その貿易関係、中国からインドへの輸出、これは圧倒的に多いという実情があります。インドは大幅な対中貿易赤字を抱えている、こうした状況にあります。それに加えて、両国はカシミール地方などにおいて国境問題を抱えています。かかる中で、中国がインド洋あるいはパキスタンなどにおいてプレゼンスを拡大しているという動きに対しては、インドが強い関心を有していると承知をしております。

 こうした中で、中国とインドの関係の今後について答える立場にはありませんが、アジアの大国である両国が地域の平和と安定のために建設的な役割を担っていくことを我が国としては期待したいと考えています。

 両国の関係について、我が国として触れるとしたら、以上であると考えます。

吉良委員 確かに、アジアの二大人口大国であり、そして現在の成長一番と、これから成長が一番になるであろうインド、この両国の発展は、我が国にとっての国益でもありましょうし、今おっしゃった、中国とインドという大国同士が良好な関係を保つということも、一般論としてはいいんだろうと思います。

 あえて聞きます。これは質問通告していませんけれども。中印、中国とインドは、べたべたといってはなんですけれども、平和な関係の方が日本の国益なのか。ある程度緊張関係にある方が日本にとっての国益なのか。答えづらいとは思いますけれども、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 中印の関係が我が国の国益にどう影響するかという質問ですが、その中印の関係が我が国の国益に直接どう影響するのかということについては、これは簡単には申し上げられない話ではないかと思いますが、地域の平和と安定が我が国にとっても国益であるというふうに考えたならば、地域の平和と安定のためには、中印関係が安定していることは、これは好ましいことではないか、このように考えます。

 委員の質問の背景にはもっと深いものがあるのかもしれませんが、基本的には、日本の立場から日本の国益ということで申し上げるのならば、その程度のことしか公の場では申し上げられないのではないかと考えます。

吉良委員 ありがとうございます。

 公の場としてはおっしゃるとおりだと思いますし、確かに地域の平和と安定にとっていいことだと思いますが、実は、私は適度な緊張関係にあってもらいたいなと。これは、外務省とか政府の立場では絶対言えないことだと思いますけれども。

 その理由は、なぜ中国がここまで海洋進出してくるんだと。南シナ海であり、東シナ海であり、また、もちろん今、遠洋に出っ張っていくだけの実力を持って、海賊対処もやっております。これだけ海洋進出ができるようになった背景、もちろんそれは、経済の発展があり、技術の発展があり、そこで十分な軍事費用、防衛費を投入できる。そして、ある意味では国威の発揚、こういう要素もあると思っていますが。

 歴史を考えてみれば、かつて、ソ連が生きていた時代、中ソ紛争、中ソという長大な国境線があって、そこの緊張関係が非常に高かったがために、中国としては、陸軍を中心にあの長大な国境線に防衛線を張らざるを得なかった。とても海洋になんか出ていく余裕がなかった。もちろん、その当時は、さっきも言いましたように、経済力も技術力もそれほどのものではありませんでしたから、時代の流れはありますけれども、そういった要素があったというふうに思います。

 そういう意味で、私が聞いたのは、日本の国益という意味では、中国が内陸部にある国境に対してある程度関心を持ち続けなければならないということが日本にとっての国益だと、私自身は思っております。

 それに加えて、先ほど大臣の方も答弁いただきましたけれども、もともと中国はパキスタンに対して協力関係にあるし、そして、あれはグワダル港でしたか、イランに近い地域、バルティスタンだと思いますけれども、バルティスタンのところに港を、中国が八割のお金を出してしゅんせつし港を整備するということまでやって、本当に最新の状況は知りませんけれども、中国とパキスタンが了解すれば、常に中国の海軍が使えるようになる可能性もある。よく言われる中国の真珠の首飾り戦略ということで、パキスタンがあり、スリランカがあり、そしてミャンマーがあり、インドを取り囲むように中国が自由に寄港できる港を整備し、という戦略を中国が持っているというふうに思っているんですね。

 それがゆえに、私自身が危惧するのは、インドも中国の強い影響下に置かれるようになれば、先ほどおっしゃったインド洋という地域が、地政学的に、パキがあり、インドがあり、スリランカがあり、バングラそしてミャンマーがある、この地域が中国の影響下に置かれたならば、我が国の、ペルシャ湾からインド洋、マラッカ海峡におけるシーレーン防衛というのが非常に緊張感を増してくる、このように思っているところであります。

 だからこそ、先ほど言いました、我が国としてはインドに日本を向いていてほしい。日本としても、先ほど大臣もおっしゃった、人口大国であり、経済大国であり、地域の安定に資する、アジア全体の発展と平和に資する、そのインドを日本側に引き込んでおきたい。これがあるがために、協定自体は必ずしも十分なものではないと私は断定しますけれども、それでもこの協定を結ぼうとしているのではないでしょうか。

 大臣、いかがですか。

岸田国務大臣 まず、我が国にとりまして、インドは、経済成長という活力の観点から見ても、それから自由で開かれたインド・太平洋戦略という我が国の取り組みの観点から見ても、これは大変鍵になる重要な国であると認識をしております。このインドとの関係は重視していかなければならない、これは当然のことであると思っております。

 ただ、今御議論いただいているインドとの原子力協定、これは、まず基本として、インドの原子力の平和利用における責任ある行動を確保するためのものであります。さらに言うと、午前中も大分議論させていただきましたが、NPTに参加していないこのインドという国を国際的な不拡散体制に実質的に参加させるために意義ある協定でもある、このように認識をしています。

 今御議論いただいているのは、そうした日印原子力協定について御議論いただいているということであります。インドとの関係を考える上の一つの協定ではあると思いますが、あくまでも、今御議論いただいているのは、こうした原子力の平和的な利用におけるインドの責任ある行動を確保するための協定であるということは強調しておきたいと思います。

吉良委員 大臣のおっしゃる責任ある行動をとらせたいということと、繰り返しこの議論の中でなされています、NPTに実質的に組み入れる、これは間違っていないと思うんですが、でも、今おっしゃった二点について言うならば、世界で一番力の強い米国と米印原子力協定が結ばれている段階でインドとしては責任ある行動をとらなきゃいけないし、アメリカも、NPTに実質的に組み込もうと思ってやったんじゃないですか。残念ながら国力としては劣る日本がやる以前に米国がやっているわけですから、今言った二点については、既にある意味で目的を遂げているんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

岸田国務大臣 そもそも、米印原子力協定それから日印原子力協定ともに、基本は二〇〇八年のNSG決定、要は、インドの核実験のモラトリアム、そしてIAEA保障措置の適用、こうした厳格な条件のもとでの例外扱い、これが基本になっています。そして、米国も、そして日本も、ともに厳しい協定をつくることによって、先ほど申し上げました国際的な不拡散体制に実質的に参加させる、こうした結果を考えているということであります。

 米国のみならず我が国もこうした取り組みに参加するということ、これは、インドに、よりNPT体制あるいは不拡散体制、こういったものの重要性を認識させる上で大変重要な取り組みではないかと考えています。米印のみならず日印におきましてもこうした取り組みをやる意義は大きいと考えております。

吉良委員 大臣の答弁自体は理解しますけれども、私の認識で再度言いますと、責任ある行動をとらせるということと、NPTに実質的に組み入れようという意図については、世界で一番力のある米国とインドの原子力協定で十分だと私は思っています。それにもかかわらず、日本がなぜこれを結ばなければいけないのか。

 二つあって、一点目は後ほどもうちょっと深く議論したいと思いますけれども、二点目は、今言った米印原子力協定、これに基づいて米国が、今はいろいろ問題になっていますけれども、ウェスチングハウスがインドの原子力計画に基づいて受注をする、米国企業が原子力発電所の受注を請け負う。ただ、米国は、日本からの機器の供給がなければ、米国企業だけで完結する機器と技術を持っていない。ですから、アメリカのウェスチングハウスがインドに原子力発電所をつくらんとせば、今いろいろ問題になっていますけれども、東芝から機器を買わざるを得ない、室蘭にある日本製鋼所から圧力容器を買わざるを得ない。

 ですから、米印原子力協定があって、それに基づいてアメリカの企業がインドから原子力発電所の注文を得ようとする。では契約しましょうとなって、契約を仮にしたとしても、実際に機器を輸出してつくるとなると、日本からの供給もなければ実はできないというのがアメリカの現実であって、そういう意味では、原子力発電所の建設という意味では、日米というものが連携をしなければ、もうちょっと言えばフランスもそうでありますけれども、特に日米が連携をしなければ発電所の完成にまで至らない。

 そこで、繰り返しますけれども、先行したアメリカの会社が米印原子力協定に基づいて原子力発電所を請け負わんとすれば日本の協力が必要になる、そのときに日印原子力協定も必要になる、こういうことなのではないでしょうか。いかがですか。

梨田政府参考人 本協定は、今御指摘のあったような日米間の協力というものを念頭に置いたものではございません。あくまでも、インドの原子力平和利用というものについて法的な拘束をかける、不拡散体制に実質的に取り込むということを目的にしておりますので、特定のプロジェクトあるいは協力というものを念頭に置いて今回提起するものではございません。

吉良委員 外務省としてはそのように答弁せざるを得ないということは十分にわかっておりますけれども、私の理解は先ほど来申し上げているとおりであります。

 お手元に資料をお配りしています。一ページ目であります。

 これは、原子力機器・発電所をつくれるメーカーの再編がずっと進んできて、現在は、御承知のとおり、フランスにアレバという会社がある。そして、アレバと技術的な提携関係にあるのが三菱重工。一方、ウェスチングハウスという米国の原子力関連企業を東芝が買収したけれども、今は東芝も苦境にあり、ウェスチングハウスも苦境にあるという状況であります。そして、もう一つのグループとして日立とGEというグループがある。これに加えて、その間にあります韓国の斗山重工業、それから、下の方にあります中国の原子力企業二社、そして、ロシアのロスアトムという企業があります。

 私がさっき二点あると言った一点目は、後ほど深く説明しますということを申し上げました。これはどういうことかといいますと、仮に、今、日印原子力協定が結ばれないということになると、先ほど私が言いましたように、米印原子力協定に基づいてアメリカが幾ら原発を受注しようとしても、米国単独ではつくることができない、日本の協力がどうしても必要なんです。

 フランスについて言うならば、フランスのアレバが、フィンランドでの原発建設、大幅なおくれ、それからコストの増加があって赤字を計上しまして、財政的に非常に苦境にある。それがゆえに、フランス政府も、そして政府機関でありますアレバも、日本に対しての協力も要請してきている、これが現実であります。

 そうなってきますと、インドに対して日本が原子力発電所の建設に協力をしないということになれば、米国もできない、フランスもできないということになれば、あともう一点、韓国はできなくはないんですけれども、資金供与の面で韓国は体力的に問題があります。原子力発電所の莫大なコスト、インドがある程度自前で持つとしても、ある程度輸出する側の金融がないとなかなかできません。ということになると、インドの現在計画中の原発、これから莫大な人口増加と経済発展に伴って必要になる電力需要、それを賄わんとして原発計画をこれから立てていくときに、それらの原子力発電所は全てロシアと中国の建設になってしまう、こういうおそれがあるわけです。

 もう東西冷戦は終わりましたので、西側、東側というくくりではなくなったことは承知していますけれども、やはり潜在的に、旧西側はロシアと中国については警戒をしながら世界戦略を練るべきだというのが私自身の考え方でもあります。

 そういう意味で、日印原子力協定を結ばなければいけないのは、西側がやらなければ中国とロシアに席巻されてしまう、そういう中にあって、インドの日本の技術に対する期待、日本側から見れば、先ほどおっしゃった、世界一の人口大国になるインド、そのまた経済成長を我が国にも取り込みたい、そしてインド洋の安全保障もある、それらを総合して、我が国は、インドの期待に応えながら、さっき言った、世界じゅうの原発がロシアと中国で席巻されてしまうということを防ぐという、非常に大きな戦略的意義があるのではないでしょうか。いかがですか。

岸田国務大臣 まず、基本的には、先ほど梨田部長から答弁させていただきましたように、今回のこの協定は、インドに原子力の平和利用における責任ある行動をとることを確保するものであります。特定のプロジェクトあるいはビジネスを想定したものではありません。

 ただ、こうしたビジネス、プロジェクトも、この原子力協定がなければ全く議論の俎上にも上らないわけであります。この協定を結んだ後、ビジネス、プロジェクトについては、別の観点から、別の立場から議論があるのかもしれませんが、いずれにせよ、今御議論いただいているのは、インドを平和的な原子力利用における責任ある行動に導く、このための協定であります。

 さらに言うと、もし今のようなビジネスがあるとしたならば、もしインドが原子力の平和利用において責任ある行動をとらなかったならば、これを放棄したならば、失うものはまことに大きいということになるのではないかとも考えます。

 いずれにせよ、今ここで御議論いただいているのは、インドを原子力の平和利用において責任ある行動に導いていく、こうした責任ある行動を確保するための協定であるということを強調しておきたいと思います。

吉良委員 大臣として、外務省として、今言った答弁がベストであろうというふうに思っていますので、その点についてはこれ以上触れません。ただ、私自身が、今言ったような地政学的、戦略的な意味合いがある、だから政府がやろうとしているんだという認識を持っていることは、あえて再度強調しておきたいというふうに思います。

 今度は、一挙にぐっと、今大臣おっしゃったビジネスに、ミクロで見ていきたいと思いますが。

 この原子力協定締結に基づいて、日本企業が原子力関連機器、技術について輸出契約等々を結ぼうとするときに、日本企業がとらなければいけないというか、想定しておかなければいけないリスクというのはどういうものがあるでしょうか。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 インドに原発輸出等々をするに当たってのリスクというところについての御質問でございます。

 まずは、一般のビジネス全般に共通するリスクがあるのはもちろんでございますけれども、それに加えまして、インドの原発ということになりますと、この審議の中でのテーマの一つともなっているというふうに伺っておりますけれども、そうしたインドの核実験の実施ということに伴います不測の事態というのが発生した場合には、この協定に基づく協力が停止されるといったようなことで、日本企業とインド企業が結んだ契約の履行が困難になるということを考えねばいけないというところがあると思います。

 そうした万が一の場合のリスクを含めて、事業者としては、代金の支払い時期をいかなる時点に置くのか、協力の停止による責任分担をいかに明記するのかといったような、あらかじめ契約に盛り込むべき条件というのを考慮しながら、インドにおける事業実施の是非を判断していくというふうにしていくものだと考えております。

吉良委員 ありがとうございます。一般論ではありますけれども、簡潔に答えていただいたと思います。

 資料の三枚目をぜひごらんいただきたいと思っています。

 実はこれは、私が商社に勤めて、ニューヨークの駐在員をやっておりましたときに、パキスタンでの発電プロジェクトをやっていたそのときのプロジェクトスキーム図です。

 ちょっと複雑ではあるんですが、真ん中に大きな四角いところで書いたのは、これは事業会社、よくスペシャル・パーパス・カンパニーと言われるものでありますけれども、プロジェクト会社。その下にくっついて、B&Wと書いてありますけれども、これはトランプ大統領を誕生させた州だと言われているオハイオ州に本拠を置くエンジニアリングカンパニーであります。

 このB&Wの下に、全体を取りまとめる左側のB&Wと、私どもが今問題になっている東芝のタービンジェネレーターというものを輸出する。かつ、我々としては一〇%ながら出資をする。

 そして、右側にちょっと縦長の丸を書いているんですけれども、そこにUS―EXIMファシリティーエージェントと書いていますが、このUS―EXIMというのは米国輸出入銀行のことであります。機器が米国からも多く出ていきますので、米国の輸出入銀行の輸出金融というものをこのプロジェクトに供与してもらうことになっていました。

 ところが、このプロジェクトは、ある意味この計画どおりに資本を投下し、ファイナンスを集め、実は建設も始めたのでありますが、そこで大変な問題が起こります。

 それは、九八年、インドの核実験、それに対抗して、パキスタンが核実験を行いました。これによって米国政府がかんかんに怒って、政府の支援はやめるということになりました。米国輸出入銀行は政府機関でありますから、米国輸銀の融資をやめる、こういうふうになったわけです。

 我々も、米国のB&Wと一緒にワシントンのこの輸出入銀行に行きまして、何とか、これじゃもうプロジェクトの採算が合わないので見直してくれということになって、ぎりぎり、当時米国政府として、輸出入銀行として下した判断は、輸出入銀行の直ローンというんですか、直接ローンを貸与することはしない、そのかわりに保証はつけるから、保証のもとで民間銀行が融資をしてくれという話になりました。

 金利はぐっと上がりますから採算は悪化しますけれども、もうそれでもしようがないので、それでも結構だ、それでも輸出入銀行の保証があるというのはまだましだということで進めておりましたら、その後、ムシャラフ当時参謀総長がクーデターを起こして、政権を奪取いたしました。

 個人的には、ムシャラフ大統領というのは非常に立派な方だと思っていますけれども、アメリカは、軍事による、クーデターによる政権奪取は許さないということで、結局その輸出入銀行の保証も取りやめるということになりました。

 採算は極度に悪化しました。でも、もうつくっています。もう逃げようがないので、裸の民間銀行による融資だけで、金利はばか高くなりましたけれども、それでもプロジェクトは遂行いたしました。残念ながら、その金利がアップしたこの補償は誰もしてくれません。損失補填はどこもしてくれません。

 だんだん時間がなくなってきたので。

 きょういらっしゃいませんけれども、先ほど経産の高木副大臣が、民間企業が個別に判断していくことであるということを言っていました。今の平井さんも、当事者である民間企業が契約の中できちっとリスクに対するリスクヘッジ策を、私の言葉ですけれども、盛り込んでおくべきだという話がございました。けれども、私は、今回の原子力協定締結に基づく民間企業の参加というのは、ある意味、国策に民間企業が協力するという形態だと思っているんです。

 大臣と外務省の説明は私の説明とは違っておりましたけれども、私は、さっき言った、日本国家としての大局的な利益がある、だからこそやるんだというふうに思っておりますので、それにある意味では従って民間企業が協力する、この際に民間企業が負うリスクを、それは民間企業、あなたの責任でしょうというふうに持っていっていいのかという疑問があるんです。

 特に、先ほど平井審議官の方からあったように、そして、一番心配であります核実験を行う可能性は全くゼロじゃないんです。核実験を行ったならば、契約当事者は何の瑕疵もないんです。契約当事者は何の瑕疵もないんですよ、契約上。にもかかわらず、国が核実験を行ったら、はい、協力は終わりですということで、契約を事実上停止しなければいけない。これに伴うリスクを全部民間企業に負わせていいんでしょうか。いかがですか。簡潔にお答えください。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 インド向け原発輸出に対する日本企業のリスクに対する何らかの政府の措置という御質問だと思いますけれども、日本企業がインド向けに原子力資機材等を提供する場合には、日本貿易、株式会社NEXIの貿易保険制度を活用しまして、輸出代金の回収リスク等を軽減することが現行制度でも可能となっております。

 仮にインドが核実験を行った場合には、外為法による輸出許可の取り消し等によって輸出ができなくなることなどによりまして我が国企業が輸出代金を受け取れなくなるリスクが想定されますけれども、制度上、輸出契約後のこのような損失につきましては、貿易保険によるカバーは可能となってございます。

 また、今は輸出代金ですけれども、仮に融資があった場合、融資の場合には、償還不能となった場合の損失を補填する貸付保険、投資の場合には、海外子会社が戦争、テロ等によって事業継続できない場合の損失を補填する海外投資保険によるカバーが可能でございまして、このような措置によりまして、民間企業のリスクを一部このような形で貿易保険でカバーしているところでございます。

吉良委員 私が申し上げたいのは、先ほど言った、事実上国策で民間がついていくことになるプロジェクトだというふうに申し上げました。今答弁のあったNEXIの保険というのは、通常の保険であります。

 繰り返しますけれども、契約当事者には瑕疵がないんです。核実験をやったからやめなきゃいけないんです。

 例えば、通常こういう支払い条件というのは、最初に一五%なら一五%の前金があって、それから船積み後からは出来高払いというのがあるんです。

 ただ、実際は、受注した側は、一五%の前金はもらいますけれども、発電所が納期どおりにできるように発注をかけなきゃいけないんです。一五%でおさまらないような発注を事実上かけなきゃいけないんです。発注をかけたら最後、そこはもう、インドに対しては輸出者はリスクが生じるんです。仮に将来的にその輸出代金の保険が入ってきたとしても、一時的に立てかえている資金の金利とかについては、NEXIは面倒を見ないんです。

 先ほど、私の、自分自身の経験で言いました、パキスタンで、これも我々は、契約当事者としては何のチョンボがあったわけではないにもかかわらず、国家戦略として金利がばか高くなったんです。そのときの金利上昇分を保険でカバーできるかといったら、できないんです。

 それで、この資料の二ページ目を見ていただきたいと言っても、今答弁のあった、これは貿易保険から出された資料です。

 この中身には踏み込みませんけれども、ここに書いてあることは、インドもそうですし、中国もそうだし、一部ブラジルもそうですけれども、国は保証しないけれども、州政府が買いつけたい、州政府の、それをサブソブリンといいますけれども、サブソブリンのリスクをカバーしてもらえないかというような民間からのニーズがあって、これは、貿易保険としてはそれに応えるということを書いているわけです。

 インドという特殊なマーケット、そしてインドの特殊な事情を考慮し、また下の段は、安倍総理が現地に赴いて首脳会談の結果、日印関係をより協力しなければいけないということで、新たにつくったメニューであります。

 そういう意味で、国策で、かつ民間が大きな国益のためについていくというこのビジネスについて、インドに対して、このプロジェクトの契約についての民間がこうむるであろう損失については、国として特別なメニューを設けてでもカバーしなければいけないのではないかという問題意識を披露しまして、ちょうど時間が来てしまったので、終わります。

 ありがとうございました。

三ッ矢委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 冒頭に、昨日、五月九日に行われた韓国の大統領選挙についてでありますが、朴槿恵前大統領の罷免に伴う今回の大統領選挙の結果、野党「共に民主党」の文在寅前代表が、本日、第十九代の韓国大統領に就任をいたしました。

 岸田大臣に、改めてこのことについて、端的で結構ですが、所見をお願いしたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、昨日、韓国におきましては、文在寅氏が新大統領に選ばれました。

 新政権の政策については、具体化するにはまだ少し時間がかかるかと思いますが、韓国は、戦略的利益を共有する大切な隣国であります。また、日韓の協力連携は、地域の平和と安全においても大変重要であると認識をしております。新政権との間においても、未来志向で日韓関係、連携をしっかりと確保していきたい、このように考えます。

笠井委員 今大臣からありましたが、私は、政治経済の公正と、それから国民生活の向上、そして平和への強い願いを受けて、韓国で誕生した新大統領のもとで、北朝鮮の核・ミサイル開発の停止、そして朝鮮半島の非核化、さらには、東アジアの平和と安定を目指す対話と交渉の再開に向けた取り組みがぜひ強められることを期待いたしております。

 同時に、日韓関係についても言われましたが、日韓両国関係の正常な発展が必要だということのためには、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配への真摯な反省を土台に置くということがいよいよ大事になっているというふうに考えます。そのために、私自身も力を尽くしていきたいと思っております。

 そこで、本日から、日印原子力協定について、委員会における対政府の実質審議入りとなりました。

 今回の協定は、二つの点で、一つは、インドという、核保有国であり、かつNPT未加盟国、そしてCTBTの未署名国に対する初めての協定、こういう国と、唯一の戦争被爆国が原子力協定を結んでいいのかという新たな重大問題があります。もう一つは、東京電力の福島第一原発事故から六年余り、日本と世界の現実から、成長戦略、インフラ輸出の名のもとにこうした協定を進めていいのか、ここも鋭く問われていると思います。大きく二つの問題が根本から問われる重大な案件だと私は認識いたしております。

 我が党は、この協定の審議入りそのものに反対をいたしましたが、実際には、参考人質疑から始めるという異例の審議入りとなりました。しかし、その中でも、国会への期待、徹底審議についてどうお考えですかということで私も尋ねたところ、この協定への賛否を超えて、三人の参考人の方々、浅田参考人、鈴木参考人、福永参考人全てから、国会でしっかり審議を、それから、ぜひ慎重に審議、批准反対の方向で議論を、さらには、資料を公開して慎重な審議をという表明がなされました。この意見を委員会としても重く受けとめるべきだと思います。審議を行う以上、きちんとした審議、徹底審議を尽くすことは国会の責務だ、まずこのことを強く求めておきたいと思います。

 そこで、まず、本協定と緊迫する北朝鮮情勢との関係について幾つか伺います。

 核・ミサイル開発を進める北朝鮮の行為は、これまでも議論がありましたが、国際平和と安全に深刻な影響を及ぼす行為であり、国連安保理決議、そして六カ国協議の共同声明、さらには日朝平壌宣言に違反する暴挙であって、断じて許されないということであります。

 問題は、それをどうやってとめるか。軍事対軍事のエスカレーションは最悪の事態になりかねず、絶対にやってはならないということだと思うんです。

 そこで、岸田大臣に伺います。

 米朝の非公式協議が五月の八日、九日にノルウェーで行われて、以下のようなことがありました。韓国の統一部報道官によれば、八日、米朝の非公式協議はこれまでも行われてきたがこれだけ大きな規模の対話はトランプ政権発足後初めてとの認識を韓国の報道官が示しております。

 ティラーソン米国務長官はこの五月三日の演説で、北朝鮮問題については、はっきりさせておきたいのは、我々は北朝鮮の体制変更や崩壊、朝鮮半島の統一を加速させたいのではない、三十八度線を越える理由を探しているわけでもないと、四点を強調したということであって、その上で、ティラーソン長官は、状況が整えば対話する準備はできているというふうに表明をしております。

 そこで、大臣が今回の米朝の非公式協議の動きについて、そういう中でどう見ておられるか、伺いたいと思います。

岸田国務大臣 米朝の非公式協議について御質問いただきましたが、米朝においてさまざまな対話に向けての動きがあるという報道については承知をしています。ただ、第三国間のやりとりの報道の一々について、私の方から何かコメントするのは控えたいと思います。

 ティラソン長官の対話に対する考え方も紹介がありましたが、こうした米国の対話の取り組みについても、米国の報道官は、ティラソン長官のこうした発言に触れながら、対話の環境が大事であるということを指摘し、そして、今はまだその環境にないということも明らかにしているわけであります。

 我が国としましては、北朝鮮に対して、対話と圧力、行動対行動、この基本方針のもとに臨んできています。拉致問題等の解決を考えましたときに、対話という要素、これは欠くことができないとは考えていますが、対話のための対話では意味がないということで、対話のためには、北朝鮮に非核化に向けて真剣な意思、あるいは具体的な行動、これが求められると考えているところです。

 そういったことから、圧力をかけなければならないという方針を示しているわけですが、結果として、米国と日本の、こうした北朝鮮に対する対話の方針も基本的には一致をしていると認識をしています。

 引き続き、米国としっかりとした政策的なすり合わせを行いながら、北朝鮮に対して、意義ある対話を促すために、しっかりとした圧力をかけていかなければならないと思います。国連安保理での決議あるいは独自の措置の実行等を通じて、しっかりとした圧力をかけていく方針を追求していきたい、このように考えます。

笠井委員 トランプ政権は、四月二十六日に、経済制裁と外交的手段で北朝鮮に圧力をかけて対話を促す三長官の共同声明を出して、トランプ大統領自身も、五月一日に、金正恩党委員長と会うことが適切であるならば当然そうするだろうし光栄に思う、適切な状況下であれば会談するとの考えを明らかにしております。

 グテーレス国連事務総長、それからASEANの外相会議、ローマ法王など、国際社会がまさに自制と対話、外交解決を強く求めている状況にある。そういう中で、中国、ロシアは六カ国協議の再開を求めているわけですが、全体としてそういう国際的な流れの中で、日本政府にもそうした方向での努力を重ねて求めておきたいと思います。

 そこで、大臣に、やはり今求められているのは、国際社会が一致結束して経済制裁を厳格に実施して圧力をかける、その強めることと一体に、外交交渉を通じて北朝鮮に非核を迫って、核・ミサイル開発の手を縛って、その放棄に向かわせることだと思うんですけれども、では、そこで、本原子力協定の締結というのがそうした働きかけとの関係で即したものと言えるのかどうか、その点については、大臣、どのようにお考えでしょうか。

岸田国務大臣 我が国としまして、国際的な核軍縮・不拡散の課題に取り組むに当たって、NPT体制、これは基礎的な体制であると思っています。NPT体制を基礎としながら、CTBT、FMCTを初めとするさまざまな具体的な取り組みを積み重ねていくことが、核兵器のない世界に向けて最短の道であると信じて取り組みを続けていきたいと考えております。こうした軍縮・不拡散の取り組みに関係国もしっかりと巻き込んでいかなければなりません。

 北朝鮮に対しましても、朝鮮半島の非核化に向けて、真剣な意思や具体的な行動を求めていかなければならないと思いますし、今回の原子力協定も、NPTに参加していないインドという国に原子力の平和利用において責任ある行動を促していく、こういったことのために大変重要な協定であると思っています。

 引き続き、NPTの普遍化に向けて努力をする中にあって、個別の国々、個別の案件につきましては具体的に現実的に対応を続けていきたい、このように考えます。

笠井委員 そこで、インドのムカジー大統領は、昨年九月に、北朝鮮の建国記念日に金正恩党委員長に祝電を送って、その中で、両国関係は伝統的な友愛と友好で特徴づけられてきた、双務関係を各分野へと発展させるために協力していることをうれしく思うというふうに述べております。

 そこで、伺いたいんですが、北朝鮮と貿易関係にある国のうち、シェアがインドは何位を示しているか。これは大臣でなくても結構ですが、伺いたいと思うんです。いかがですか。

三ッ矢委員長 答えられますか。

 小田原政務官。

小田原大臣政務官 お答えいたします。

 第三位と承知しております。

笠井委員 そういう中で、ジェトロによりますと、韓国の大韓貿易投資振興公社、KOTRAが発表した二〇一五年の北朝鮮の対外貿易動向によれば、インドは、今話がありました三位でしたが、中国、ロシアに次いで第三位の貿易国だと。

 岸田大臣に伺いたいんですが、日本政府としては、そういうことを承知の上でこの協定交渉を行って署名をしたということでよろしいですか。

岸田国務大臣 御紹介がありました貿易統計については、しっかりと承知をしております。

 そして、インドに国際的な不拡散体制に実質的に参加することを促していくために、この協定は重要だと認識をしております。

 そして、北朝鮮の貿易ということを考えますと、もちろん、国際社会みんな協力していかなければならないわけですが、貿易額の中で、北朝鮮との貿易、順番からいいますと、中国、そしてロシア、インドの順番でありますが、中国が全体の九割を占めています。

 圧倒的に中国の割合が大きいわけでありますので、特に中国に対して、北朝鮮に対してしっかりとしたメッセージを発出し、圧力をかけていくために協力を求めていかなければならないということで、国連の場、あるいは、日中外相会談を初めとするバイの会談の場等を通じてしっかり働きかけを行っている、こういった取り組みを行っているわけであります。

 それぞれの課題について適切に対応していると考えています。

笠井委員 北朝鮮との貿易関係でいうと第三位というインドですけれども、インド政府は、この四月の末、三位だった北朝鮮貿易についてはほぼ全面的に停止をする、そして、北朝鮮は三番目の貿易相手国を失ったということが一斉に報じられているわけです。

 インド外務省の四月二十一日付の決定通知によりますと、食料品と医療品を除く全品目で即日禁輸措置を実施されたということであります。

 報道によれば、今回の禁輸措置によって、核開発を続ける北朝鮮は設備関連の調達ルートを断たれることになるというふうになっていて、ということは、これまでは核開発の調達ルートになってきたということではないかと思うんですけれども、この禁輸措置をとったのは、協定を交渉して締結した後のことです、この四月ですから。

 そういう問題を、この協定をインドと締結するに当たって確認してきたのかどうか、これはいかがですか。

岸田国務大臣 手元に二〇一六年十一月の日印共同声明の文書がありますが、その中で、五十二番、北朝鮮に対して非難するとともに、関連する国連安保理決議を含め全ての国際的な義務を完全に履行する、こういったことを確認しております。

 北朝鮮に対する累次の国連安保理決議の履行を通じて、北朝鮮の獲得する外貨をいかに減らしていくのか、これが重要だと認識をしております。

 インドのこの御指摘のような対応も、こうしたこの日印原子力協定における確認等に基づいて行われた行動であると認識をしております。

笠井委員 共同声明の五十二番を私も見た上で質問しているんですが。

 そういう中で、結局、核開発を続ける北朝鮮に対して、その設備関連の調達ルートがあって、それが断たれるということになったということが言われているわけですけれども、そういうことが具体的にあったかどうかについて、その交渉の中でインドに対して確認をしたかという問題だと思うんです。

 今回のインドの措置では、軍事、警察、科学、それから技術関連の訓練が全て禁止されることになりましたけれども、従来は、そういう訓練のために北朝鮮から訓練生も受け入れてきたんだろうということになります。

 そういうことを、では、承知していたのか、確認していたのか、交渉の問題で、そういうことについてきちっと詰めて聞いたのかどうかということについてはいかがでしょうか。

岸田国務大臣 インドの動向については、さまざまな情報収集、分析に努めてきている、これはほかの国と同様であります。

 そして、交渉の中でそれを知っていたのかということですが、交渉、インドとの間において何の交渉をしてきたのかということですが、これは、原子力の平和利用においてインドが責任ある行動をとることを確保する、こうした協定をインドのために結ぶために努力をしてきたわけであります。インドが国際的な不拡散体制において実質的な参加を行う、こうしたことのために意義ある協定を結ぶべく努力をしていく、これは核軍縮・不拡散において大変大きな意義を持っていると思います。

 インドの対応についてはさまざまな情報収集、分析に努めているわけでありますが、いずれにしましても、核軍縮・不拡散の見地から、インドとこうした協定を結ぶことは大きな前進であり、意義あることであると認識をしております。

笠井委員 核不拡散体制との関係で大きな意義があるというふうに言われるんですが、具体的に、では、そういうことがきちっと担保されるかどうかという問題。

 そして、結局、インドから北朝鮮に対して核関連の技術なんかが行っていないかということについては、やはりこれから日本とインドが結ぶに当たっては交渉の過程でも大事な問題になったはずであります。

 実際に、インド、北朝鮮、両国の報道では、二〇一五年四月の外相会談において、つまりインド、北朝鮮ですが、北朝鮮は核開発に関する最近の状況をインド側に説明したという話をしている。そういうことも含めて実際に動きがあるわけですから、そういうやりとりがあったのか、あるいはそういうルートがあるのかないかについて、実際にどういうやりとりが貿易関係でもあったのかということについては当然ただすべき問題だと思いますし、それを実際にはやられていないということだと思います。

 さらに確認をしたいと思うんですが、北朝鮮はCTBTの未署名国でありますが、北朝鮮とともにCTBTに署名をしていない未署名国というのは世界の国々の中でどこでしょうか。

岸田国務大臣 全部で八カ国あったと思います。アメリカ、中国、イスラエル、そしてインド、パキスタン、済みません、全部で八であります。そして、その中に今申し上げた国は入っております。

 ちょっと、詳細はもう一回確認して正確に報告いたします。

笠井委員 私の問いがちょっとあれだったので、未批准、未署名ということで、八ということで、大臣がおっしゃったとおりで、署名もしていないのは北朝鮮とインド、パキスタンということになります。これは一応、もう一回答弁してください。

岸田国務大臣 済みません、今資料が来ましたので、もう一回確認いたします。

 未批准が米、中、エジプト、イスラエル、イランであります。そして未署名がインド、パキスタン、北朝鮮であります。

笠井委員 つまり、北朝鮮以外はインド、パキスタンということであります。私の質問の仕方が明確でなかったとすれば、それは私の方からそういうことで申し上げておきたいと思います。

 つまり、北朝鮮以外はインド、パキスタンということでありますが、パキスタンは、一九九〇年代半ばに、北朝鮮が同国パキスタンから濃縮技術を取得して、かわりにパキスタンに弾道ミサイルを提供するという、核とミサイルの交換取引が行われたとされておりますが、岸田大臣はそうした指摘について御承知ですよね。指摘があることについて。

岸田国務大臣 指摘について承知をしているかという質問でありますが、指摘については承知をしております。

笠井委員 パキスタンの核開発を率いたカーン博士によると、核の闇取引だということで言われました。ムシャラフ元大統領は、自伝の中で、カーン博士が二十数基の遠心分離機を北朝鮮に提供してウラン濃縮を技術指導したと明かしております。北朝鮮のノドン一号はパキスタンにも輸出をされて、一九九八年に発射されたパキスタンのガウリのモデルになって、北朝鮮は、輸出の対価として、パキスタンからウラン濃縮設備等の核開発の装備や技術の提供を受けたとされております。

 先ほども確認をしましたが、インドは、北朝鮮の主要貿易国だった、そして同時に、北朝鮮やパキスタンと同じく、CTBTの未署名国であります。その北朝鮮とパキスタンの間で行われたとされる核物質の移転が、インドと北朝鮮の間で行われないという保証があるかということについてはどうお考えでしょうか。

岸田国務大臣 先ほど来答弁しておりますように、インドの原子力の平和利用における責任ある行動を確保するというこの協定の大前提として、NSG決定というものがあります。そして、このNSG決定は、インドの二〇〇八年九月五日の声明、そして約束と行動と言われているこの方針、これを前提とするものでありますが、その中に、輸出管理制度の制定及び同制度のNSGガイドライン等への調和という項目が含まれています。

 この約束と行動の内容に従ってインドは対応をする、これが全ての国のインドへの原子力平和利用における協力の大前提であると承知をしております。

笠井委員 大前提ということで言われましたが、核物質などの再移転が、かつてパキスタンがやられたと指摘されている核の闇取引として秘密裏に行われた場合についてはどのように規制するということになるんですか。

 全て大臣でなくても、私、政務官にもちゃんとお答えいただくようにしていますので。

岸田国務大臣 闇取引についてどう確認するかということであります。我が国として、表に出ている分も含めて、これは最大限、情報収集に努めたいと思います。

 闇取引について全部把握できるかという御質問であったならば、これは最大限、それも含めて、情報収集、分析に努めるということしか申し上げられないと考えます。

笠井委員 この第五条でいうと、インドが保障措置に関してIAEAに提供した情報を受け取ることができるということで、そういうことも書いてあるわけですけれども、しかし、そういう点でも、もし、インドがIAEAに提供した情報が事実と異なった場合にどうするかとなりますけれども、そうなった場合にどうしますか。(岸田国務大臣「ちょっと今、質問を聞き逃しました。済みません、もう一度お願いします」と呼ぶ)

三ッ矢委員長 笠井君、もう一度質問を繰り返していただけますか。

笠井委員 はい。

 この協定の第五条でいきますと、核物質等に関する情報の交換というのがあります。そこで、各締約国に対して、移転された全ての核物質等について計量管理制度を維持する旨を規定している。そして、インドが保障措置に関してIAEAに提供した情報を受け取ることができる、本協定のもとでインドに移転された核物質等が平和的目的に利用されているか否かを検証ができるというふうになっているけれども、もしもインドがIAEAに提供した情報が事実と異なるものであった場合についてはどうなるでしょうかということです。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 二〇〇八年九月五日のムカジー・インド外務大臣の声明の中にも、「インドは、IAEAの保障措置制度が果たす役割に大きな価値を置いている。我々は、IAEAと締結したインド特有の保障措置協定の実施においてIAEAと協力することを楽しみにしている。インドの民生用原子力施設に関する追加議定書の署名及び遵守という我々のコミットメントに沿って、我々は保障措置協定の追加議定書の早期締結を確保するためIAEAと緊密に協力している。」と述べています。

 したがいまして、この声明を信じているのが我々の立場と認識しております。

笠井委員 信じていて、事実と異なることになっていた、それで実際に移転されたということになるとどうなるんでしょうか。

岸田国務大臣 インドのさまざまな行動の実態を把握する、そしてそれをしっかり検証するということについては、我が国ももちろん最大限努力をしなければならないと思いますが、やはり、国際社会全体として、核軍縮・不拡散の見地からしっかりと見ていくことが重要であると認識をいたします。

 その中で、二〇一六年八月のIAEA事務局による保障措置実施報告において、インドについては、核物質、施設またはその他の保障措置が適用されるべき品目は平和的活動にある、こうした結論づけを行っております。

 引き続き、IAEAを初め、さまざまな国際機関とともに、核軍縮・不拡散の見地から、さまざまな実態の把握に努めていきたい、このように考えます。

笠井委員 ですから、二〇一六年のIAEAの話がありましたけれども、インドが提供した事実が異なっていたときには、もう既に移転されていて、では停止するんだといっても、もう再移転がされているということになってくるという問題が私はあるんだと思います。

 では、さらに伺いますが、日本政府は、従来、原子力の民生利用に関する協力では、NPTの加盟国、すなわち米ロ英仏中の五カ国以外は、核兵器の開発、保有は行わずに、IAEA保障措置の受け入れを約束した国との間で原子力協定を結んできたと思うんですけれども、それは間違いないでしょうか。小田原政務官、いかがですか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 間違いございません。

笠井委員 ところが、インドは、NPT未加盟のままに、一九七四年と九八年に核実験を行った核保有国であります。そういう国と初めて原子力協定を結ぶことは、NPT体制のもとで原子力の平和利用を推進するとしてきた従来の日本政府の立場をも逸脱したものではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 核実験モラトリアムの継続等は、本協定のもとでの協力の前提であります。万が一、インドが核実験を行った場合には、我が国は、協定の規定に基づき、協定の終了につき書面による通告をインドに対して行い、その上で、本協定のもとで協力を停止することになっております。

 具体的には、まず、本協定はインドが表明した核実験モラトリアムの継続等を前提にしておりますから、これにより、インドが原子力の平和利用について責任ある行動をとることが確保されると考えております。

笠井委員 私が伺ったのは、インドはNPT未加盟のままに実際に核実験をやってきた核保有国だ、そういう国と初めて原子力協定を結ぶというのは従来の日本政府の立場と違うんじゃないの、その立場から外れているんじゃないですかと。つまり、従来はNPT体制のもとで原子力の平和利用を推進すると言ってきたわけだから、それとは違いますよね、外れていますよねということを確認したかったんですが、どうですか。

岸田国務大臣 我が国として、NPT体制の普遍化を目指す、この方針は従来も大事にしてきましたし、これからも変わることはありません。

 このたび、インドとの間において原子力協定を結ぶということも、全て、二〇〇八年のNPT体制を前提とするNSG決定、これがあったからであります。これが大前提となって、インドとの原子力協定の議論が始まっていると思います。これは、日本のみならず、米国を初め、関係国全て同じであります。

 このNPT体制を前提とするNSGが、極めて厳しい条件のもとに例外をインドに対して認めた、そして、その例外も、厳しい協定によって、原子力の平和利用においてインドが責任ある行動をしっかり確保する、こういった内容のものになっているということであり、そして、こうした取り組みとあわせて、引き続きNPT体制へのインドの参加、これを働きかけ続けているわけであります。

 NPTの普遍化という基本的な方針は、こうした取り組みにおいても変わりませんし、これからも変わらないと考えております。

笠井委員 果たしてそうなるか。従来とは違う形で、NSGがあったのでやってきた、しかも、その中で厳しくやっているんだと言われますけれども、それが、では普遍化につながるのかという問題が大きな問題だと思います。

 本協定では、十一条で、インドにウラン濃縮を認めるとともに、インドに提供した核物質の再処理を認めております。再処理では、核兵器の原料となるプルトニウムが抽出される。これをインドが軍事転用しないという保証はあるんでしょうか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 インドは、二〇〇八年の九月、核実験モラトリアムの継続、軍民分離の実施、厳格な輸出管理措置等を含む、約束と行動と呼ばれる政策を表明しております。今日まで、それを着実に実施しているところであります。

 この約束と行動を前提とした原子力供給国グループ、NSGの決定を受けて、各国は原子力協力を行っているわけでありますが、インドが既に再処理能力を有し、使用済み燃料を再処理する方針をとっていることを踏まえ、インドによる再処理を明示的に認める協定を締結しているわけであります。

 本協定におきましても、インドにおける再処理を容認することにいたしましたが、これは、厳格な条件のもとでのみ認めたものであります。

 具体的には、本協定に基づいて、移転された核物質等の再処理は、新しく建設されるIAEAの保障措置下にある再処理施設のみで行われることとし、同施設に適用される厳格な保障措置の内容等を定めているところであります。また、再処理により分離されるプルトニウム等が、IAEAの保障措置のもとにあるインド国内施設においてのみ貯蔵、使用されること等について定めております。

 このように、本協定の適用を受ける核物質の再処理を、あくまでも厳格な条件のもとでのみ認められるというものであります。

笠井委員 今言われたIAEAの保障措置で、インドの民生用の施設は査察できると思うんですけれども、軍事用施設には査察ができるのか、そういう権利はあるんでしょうか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 そのような権利はありません。

笠井委員 しかも、その上に、インドは既に軍事利用をしている国であります。インドが、日本から新たに協力が得られる部分を民生用というふうにして、その分、独自に生産する核物質を軍事利用に回すことにすれば、日本による協力は結果としてインドの軍事利用に資することになりかねないのではないかと思いますけれども、そういうことにはならないと断言はできますか。

小田原大臣政務官 IAEAの保障措置というのは、民生分野のみであります。そういうことにはならないと確信しております。

笠井委員 ですから、私が質問をしたのは、民生用のみにということでありますけれども、既に軍事利用しているインドですから、日本から新たに協力が得られる部分を民生用として、その分独自に生産する核物質を軍事利用に回すということになると、日本による協力は結果としてインドの軍事利用に資するということになりかねないんじゃないか、そうはならないということが断言できますかということを聞いているんです。

岸田国務大臣 まず、インドは従来から再処理の能力を持っている国であります。その中にあって、日本としては、原子力の平和利用部分においてしっかりとした責任ある行動をインドに求める、こういった協定を結んでいます。

 日本が協力した部分についてはIAEA保障下に全部置かれるわけでありますから、これはしっかりとした透明性の中にあると考えています。

 それ以外の部分についての御指摘については、従来からインド自身が再処理の能力を持っていたということはそのとおりであると考えています。

笠井委員 ですから、結局、その分はインドが軍事利用に回すことだってあり得る。そうすると、結果としてはインドの軍事利用に資するという話になるじゃないかということだと思うんです。

 インドは、一九七四年の核実験の際に、軍事目的ではなく大規模土木工事などを目的にした平和的核爆発と主張した経過もあって、果たして協定がどこまで歯どめになるか、非常に大きな疑問があるということを言っておきたいと思います。

 インドは、一九七四年と九八年に核実験を行った際に、いずれも米国とカナダが民生用として輸出をした原子力資機材が使われました。そもそも、インドの核開発は民生用の目的のために提供した技術を独自に軍事転用したものであることを踏まえれば、インドとの原子力協力が核兵器増産などの軍事利用につながるおそれがあるのではないか、二重、三重にそういうふうにおそれがあるのではないかと思うんですけれども、そんなことはないと、その点でも言えるでしょうか。

岸田国務大臣 インドへの協力、原子力の平和利用におけるこの協力、これはNSG決定を大前提としています。要は、核実験のモラトリアム、これが大前提になっている協力であります。

 もしインドが核実験等を行ったならば、こうした前提のもとに行われている、日本のみならず米国を初めとする関係国全ての原子力平和利用における協力、これを全て失うことになる、これがNSG決定を前提とするさまざまな取り組みの基本であると思っています。

 インドに対して、こうした取り組み、仕掛け、これは大変大きなメッセージ、圧力になると考えています。

笠井委員 そのメッセージ、圧力と、私の質問した話はちょっと違う話なんじゃないかと思うんですよね。

 実際に、結局、インドの核開発が民生用の目的のために提供した技術を独自に軍事転用したという経過がある。ですから、そのインドと原子力協力すると核兵器増産などの軍事利用につながるおそれがあるじゃないかということを聞いたので、そのことについてお答えがないんですね。抜け穴があるんじゃないですか、ここは。

岸田国務大臣 だから、先ほどお答えしております。軍事転用して核実験等を行ったならば、平和利用における協力全てを失うことになってしまう、この仕掛けの重みについて申し上げているわけであります。

笠井委員 民生用の施設に査察、平和利用に限ると言っても、抜け穴があるという問題を一つはっきりさせておきたいと思います。

 同時に、結局全てを失ってしまうと言われたわけですけれども、果たしてそうなっているのかという問題を次に聞いていきたいと思います。

 この今回の協定について言うと、先ほど来の議論もありますが、インドの核実験との関係がいろいろ議論もされました。

 私、まず、その問題に入る前に前提として確認したいんですが、これは小田原政務官に答えていただければと思いますけれども、これまでベトナムやヨルダンと結んだ原子力協定では、協定本文に、核実験が行われた場合には協力を停止する旨の明文規定があったと思うんですけれども、それは間違いありませんか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 間違いございません。

笠井委員 本協定の場合どうかといえば、第三条で、平和的非爆発目的に限るというふうになっていますけれども、条文上、では、今度の協定でインドの核実験に対する明確な歯どめというのはあるんですか。

小田原大臣政務官 お答え申し上げます。

 協定の終了及び協力の停止に関しては、両国政府交渉の結果、第十四条1及び2のとおり、理由を問わず協定を終了し、協定を停止することが可能な規定ぶりとなっています。

 したがって、仮にインドが核実験を行った場合、我が国が協定の終了等の権利を行使できることは協定上明らかでありますが、これは本協定の実施において極めて重要な点でありますので、この点をより明確にするため、両国間で「見解及び了解に関する公文」を作成したものであります。

笠井委員 より明確にすると言われた今の「見解及び了解に関する公文」というのがあるんだと、そこを錦の御旗にされるわけですが、先ほど来の審議でも、法的拘束力をこれは持っているんだと言われますけれども、どうかという問題があります。

 インドが核実験モラトリアムの継続を表明した二〇〇八年九月五日の声明が本協定のもとでの協力の不可欠の基礎をなしていて、そして、インドがこの声明に反した場合には、日本が協定終了手続を開始できる旨の見解を表明している。そして、インドは、それに対して、声明を再確認する旨を述べたとされているだけだと思うんですけれども、これでインドの核実験をとめられるんですか。

岸田国務大臣 インドの核実験をとめられるかということについては、そもそもNSG決定のところから申し上げなければなりません。

 NSG決定は、核実験のモラトリアム、これがまず大前提になっています。それによって、米国を初め各国の協力が考えられたわけでありますし、そして、その上で、厳しい協定をそれぞれつくり、日本の場合は、いかなる理由であっても日本は協力の停止を行う権利を有する、こういった協定を明記し、その上で、今、公文というものも設けたわけであります。

 公文の中にあって、今御紹介がありました内容、これは、二項目めにおいて、両国においてこれを確認する、こういった内容になっています。

 このように、NSG決定があり、協定があり、公文があり、その全体の中で核実験のモラトリアムを確保する仕組みになっていると認識をしております。

笠井委員 NSG決定があると繰り返し言われるわけですが、ヨルダン、ベトナムには、協定本文に、はっきりと明文規定で、核実験が行われたときには協力を停止するというのがあったと、先ほど小田原政務官もはっきり言われました。なぜそういうふうにはっきり書かないのかということなんですよ。インドとの協定には、核実験の際の協力停止の明文規定がないのはなぜなのか。

 いろいろ言われますよ、NSGがあって、協定があって、この公文があるんだと言われるけれども、すっきり書けばいいじゃないかという話だと思うんだけれども、核実験あるいは核爆発装置を爆発させた場合の、停止するという文言がない。なぜ条文上明記せずに結んだのか。米国が結んだから、NSGがあるからということで、ともかく日本もということでやったのか。そういう問題なんですか。

岸田国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、協定の中には、いかなる理由であれ停止する権利を我が国は有する、これをまず確保しています。そして、その前提としてNSG決定があり、そして、それに上乗せする形で御指摘の公文があるわけです。この全体として核実験モラトリアムは確保されると我々は認識をしています。

笠井委員 ちょっと率直に伺いますけれども、この今回のインドとの協定の交渉で、日本側は条文に明文規定として盛り込むように提案はしたんですか、しなかったんですか。

岸田国務大臣 まず、協定は交渉の結果であります。交渉の経過については、当然のことながら、外交交渉の経過は明らかにしない、これは当然のことであると思っています。結果として、この十四条を初めとする協定の内容を合意した次第であります。

笠井委員 国会審議で、他国と原子力協定を結ぶということになれば、国会議員の中でもそうですし、国民の中でも、やはりこれまでどうだったか、今回どうなるかということをやりますよね。ベトナム、ヨルダンは、はっきり明文に、協定自身に書いたのに、今回は書かなかった。交渉過程のことは言えないと言われるけれども、日本側は、ベトナム、ヨルダンでやったから今回もそうしましょうねと言ったのかどうか、それに対してインドがノーと言ったのか。だって、結果として、そういうのが明文にないわけですから、それで公文という形で違うことになっているわけですから、そこは少なくとも説明があってしかるべきじゃないんですか、大臣。向こうが反対したんですか。

岸田国務大臣 やりとりについては、交渉の経過については申し上げられないということは、他の交渉においても同様であります。他の協定との比較について、委員は先ほど来御指摘をされておられますが、他国と締結している原子力協定を見ますと、協力の停止等が可能となる場合として、核爆発装置を爆発させる場合等の事由を限定列挙しているわけです。

 どうしてこのように具体的に書かなかったという話でありますが、日印協定においては、協定終了及び協定停止に関して、理由のいかんを問わず我が国として権利を行使するということであります。これは、権利という意味においてはこちらの方が強いという認識を持っております。

笠井委員 権利を行使するという部分があって、では、その後に今回の協定でほかの協定と違うところ、第十四条第二項ですよね。先ほども若干やりとりがありましたけれども、ここは明らかに違う。

 「両締約国政府は、」ということで四つのことが書いてありますが、とにかく、権利を有した上で、「この協定が1の規定に基づいて終了する前に、関連する状況に考慮を払い、かつ、終了を求める締約国政府が示した理由を取り扱うために速やかに協議する。」。協議すると。その中で二つ目に、「この協定の終了を求める締約国政府は、未解決の問題について相互に受け入れることができる解決が得られなかった旨又は協議により解決することができない旨を当該締約国政府が決定する場合には、この協定の下でのその後の協力の全部又は一部を停止する権利を有する。」。そして三つ目に、「両締約国政府は、この協定の終了又はこの協定の下での協力の停止をもたらし得る状況について慎重な考慮を払う。」。そして四つ目には、「両締約国政府は、更に、この協定の終了又はこの協定の下での協力の停止をもたらし得る状況が、安全保障上の環境の変化についての一方の締約国」「の重大な懸念から、又は国家安全保障に影響を及ぼすおそれのある他の国による同様の行為への対応として、生じたものであるか否かについて考慮を払う」というふうにまで書いてあるんですよね。

 つまり、日本は、停止する権利があると言った上に、そこは協議になって、相手国の関係で考慮するとかこういうことをやるというのが四項目にわたって書いてあって、最後のところでは、例えば、インドの側が安全保障上の理由があるということで、そのために、実は今回やった核実験は必要なものでありましたというふうに言ったら、権利があるからやめようと言った日本に対して向こう側はそういうことが言えて、そして、それを考慮する、協定上ですよ。両国はそれを考慮するということを合意しているわけですから。

 つまり、では、例えば聞きますけれども、今申し上げたように、インド側から、例えば隣国、ずっと印パ関係というのは緊張している、最近も悪化していると言われた、そして核兵器を双方持って、先ほど阿部さんも言われていました、ほぼ同じぐらいの数を持っていて、核実験をやったらこっちもやったりということがあったという関係の国について、相手の国がやったから、それに対する安全保障上の理由で、抑止のためには我々もということで今回の核実験をやったんですというふうにインド側が主張した場合については、それを考慮するというのが日本政府としてやるべきことなんですよね。

 権利を持っていても考慮する。何でこんなことまで書いたんですか。

岸田国務大臣 委員が御指摘のような、個別具体的な事例をあらかじめ想定したものではないということをまず申し上げた上で、考慮、協議、いろいろ書いてあります。しかし、結論として、我が国はいかなる理由であっても協力を停止する権利を有しているということになっています。

 こうした考慮、協議、書いてありますが、我が国の権利の行使には全く影響を与えないというのがこの協定の理解であります。(発言する者あり)

笠井委員 委員長、本当に、今ありましたけれども、質問に答えていないんですよ。

 大体、ちょっと冒頭に言ったように、私は非常に遺憾です。何のための審議なのか。

 つまり、あらかじめ個別具体的なケースを想定していないと言いますけれども、この協定がこの国会で批准、発効した場合には具体的な事態が起こるじゃないですか。そのときに、こういうことが起こったらどうするんですか、その担保はあるんですか、歯どめはあるんですか、権利はあるけれどもそれに対してちゃんと行使できるようになっているのか、相手の側が考慮してくれと言ったらそれを考慮しなきゃいけない、それができなくなることがあるんじゃないかと、具体的に聞いているんですよ。

 実際、この協定自身が発効したときには、そういう個別具体的なことが起こるじゃないか、その場合どうするんだということを聞いているんですよ。それを、個別具体的なことについてあらかじめケースを想定していなくて答えられないという話になったら、これは協定を審議できないじゃないですか。できないですよ。

岸田国務大臣 答えられないとは誰も言っておりません。もともと、この協議の中で具体的なものをあらかじめ想定したものではなく、協議を行って、結果として御指摘のような条文になったということを申し上げているわけであります。

 そして、協議、考慮、こういったことに御指摘がありましたが、結論として、あらゆる事由において我が国は協力を停止する権利をしっかり確保しているという、これが条文のありようであります。考慮、協議、これは我が国の権利に何ら影響を与えないということであります。

笠井委員 権利を確保したというのは十四条の一項ですよ。だけれども、二項に、何でこんな四つにわたっていろいろ書いて、考慮するみたいなことまで書いてあるんですかという問題ですよね。

 そういうことを書いたことによって、今後いろいろなことが起こり得る、なぜこんなことを入れたんですか、ほかのヨルダン、ベトナムのようにすっきりやったらいいじゃないですか、権利があったら、それを行使するんだったら、無条件に停止する、日本はやめますよと言ってやめるような協定にすればいいじゃないですか。相手の事情を聞いて、安全保障上特別な事情だから、安全保障上特別な理由があるから考慮してくれと言ったら、それを考慮してやらなきゃいけないと二項で合意しちゃったんだからという話ですよね。

 私が言っていることは間違っていますか。是非は別として、何でこんなふうにしたんだ。

岸田国務大臣 何でこういうことにしたか、これは交渉の結果であります。

 結果として、いかなる事由においても権利を行使できる、ほかの協定にない最も強い権利を確保したということであります。これがこの協定の中身であるということ、これを御説明させていただいております。

笠井委員 交渉の結果と言われるんだったら、どういう交渉だったかということがわからなかったら、我々だって審議しようがないですよ。

 だって、交渉の結果、権利は確保したというのは第一項ですよ。でも、第二項で、それに対して、留保条件じゃないけれども、いろいろな条件がついているわけですよ。考慮する、相手の事情を考慮すると書いてある。何でそんなことを入れたんですか、ほかの協定と違って。なくていいでしょう。核実験をやったらやめますとはっきり書けばいいじゃないですか。

 実際、二十八日、参考人質疑の中でも鈴木参考人が言われました。インドが核実験を行ったとき、協定を破棄するという明文化が必要だ、こう主張されたわけですが、私はまさにそのとおりだと思うんですよ。

 ベトナムやヨルダンとの協定のように、核実験をしたら協力を停止する旨、まさに権利を行使するんだと大臣は言われたけれども、そのものとして明文規定すればいいのであって、なぜそういうものになっていないのか。交渉の中でそういうことを言ったんですかということについてもお答えにならない、相手が反対したんですかということも言われない。

 結果としてこうなりましたというのは十四条の一項のことを言われるんですけれども、二項にこういうことがついていて、それで相手の事情を考慮すると書いてあるから、何でこんなことをしているんですかということを繰り返し私は伺っているんですよ。要らないでしょう、こんなこと。

岸田国務大臣 これは、協議の結果、こういった条文になったわけですが、我が国として、協議の結果、いかなる事由であっても権利を行使できる、他の協定と比較してもより強い権利をここに明記することができた、こういった説明をさせていただいています。このことは大変重要であると思っています。

笠井委員 やはりお答えになっていないんじゃないですか。

 では、なぜこういうふうになったんですか、こんなふうにしたんですか。第二項みたいなことが入ったんですか、これは。ほかと違うんだから。

岸田国務大臣 他の協定との比較ということで言うのであるならば、他の協定より、より強い権利を確保したということであります。この結論が大事だと思っています。

 そして、二項にいろいろ考慮、協議が書いてあるではないか、こういったことについては、これは交渉の結果であります。しかし、いずれにせよ、第一項のいかなる事由においても権利を行使できるということに影響を及ぼすことはない、こういった説明をさせていただいております。

笠井委員 結果としてという話だけをされたら、ここ、審議は必要ないですよね、こうなったんですと。

 より強いと言われるけれども、二項みたいなのが入ったら、より強いかどうかというのはまた別の要素ですよ、これは、だって、明らかに。それは交渉の結果なんですから、後はのんでくださいよと言われたら、国会審議、必要はないじゃないですか、これは。

岸田国務大臣 条約交渉の経緯について説明しろという質問、これは、TPPの議論を初め、さまざまな条約交渉の中で再三繰り返されている質問でありますが、そのたびに申し上げております。

 条約においては、結果は国会においてしっかり説明をする、これは大きな責任を政府として担っています。ただ、条約交渉の経緯、経過、やりとりについては明らかにしないというのが条約交渉の常識だということを再三繰り返して言っています。

 実際、交渉の中で日本が何を求めたのか、インドが何を求めたのかなど、こうした具体的なものが明らかになる、こういったことは、他の条約交渉において影響が出ることからして、お互いに信頼に基づいてこのやりとりは明らかにしない、これが条約交渉の常識であると考えています。

 これは、それぞれの国の関心事、あるいは手のうちが明らかになる、これを避けなければいけない、相手の国においても同じだということで、信頼に基づいて経緯、経過については明らかにしない、これはどんな条約においても同じスタンスで臨んでいます。

 ですから、インドが何を言ったのか、日本がどうしたのか、経緯については明らかにしない。これは、他の条約交渉においても同じでありますし、この協定においても同じだということを申し上げています。

 その上で、結果についてどういう意味があるのかということを説明させていただいている、こういったことであります。

笠井委員 経緯について事細かにやりとりということになると、条約交渉っていろいろ言ってきましたよ。それでも、TPPだって日本の政府は、私はあの対応というのは問題だと思うけれども、しかし、農業については、これは守らなきゃいけないとか、いろいろな言い方をしましたよね。それは主張したんだ、言うべきことは言ったんだということは言ったけれども、しかし、この問題でいうと、日本政府は、では、どういう点できちっと主張したのか。ほかと違うけれどもこれもほか並みにやりましょうねと言ったのかどうかということは、少なくとも、結果を見る上でも必要だと私は思います。

 それで、結果として、大臣は、ほかよりもより強いものになった、これまでの協定よりもと言われるけれども、私はこれを見る限りそう思わない。まさに、より緩くて、より甘いものになっている。核保有国に対して、そしてCTBTに署名すらしていない国に対してこういう協定を結ぶときに、ましてやより緩くなっているという問題があるというふうに思っています。

 私、もう質問時間が過ぎましたので、きょうはこれぐらいで終わりますけれども、引き続きこの問題は、本当にこの問題を一つとったって、徹底的にやらなかったら先に行けないというふうに思いますので、徹底審議を求めていきたいと思いますし、きょうの審議だけでも私はもう廃案にしなきゃいけないということを強く思っていますが、きょうはこれで終わります。

三ッ矢委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 大臣、お疲れさまでございます。本当に長い時間でありますし。ただ、今、最後の議論は、私は大臣を支持いたします。野党で支持しても仕方ありませんが。先ほど笠井委員が、いや、TPPのときはとおっしゃったけれども、TPPのときも今回も同じような言いがかりでありまして、それは交渉経緯は無理でしょう。そんなものを言い出したら交渉できません。だから、むしろ仕上がっている今の形をしっかり審議していく、そういうスタンスは私はそれで結構だ、こう思います。

 その上で、幾つか日印原子力協定について議論していきたいと思うんですが。

 大臣、入る前に、通告していませんが、ちょっと北朝鮮の話。細かいことは言いません、細かいことは言いませんが、まあどうかな、マスコミとかを見ていると、何か一息ついた感というのがあると言う人もいます。私は、違う、この高まった水位というのは、下がっているんじゃなくて、それは、非常に際どい、東アジアの、北朝鮮の弾道ミサイルあるいは核兵器の問題というのは極めて深刻なレベルのまま推移している、こう理解していますが、いかがですか。

岸田国務大臣 北朝鮮情勢については、おっしゃるように、引き続き緊張感を持って対応していかなければならない、こういった状況が続いていると思います。

 連休中を振り返りましても、四月二十九日にあの弾道ミサイルの発射が行われたわけですが、その後、五月一日にも、北朝鮮は、核武力の強化措置は最高首脳部が決心する任意の時刻、任意の場所で多発的かつ連発的に引き続き実施されるであろう、こうした挑発的な声明を発出しています。

 こういった状況ですので、引き続き北朝鮮がさらなる挑発行動を行う可能性は十分に考えられると認識をしております。引き続き高度な警戒監視体制を続けなければならないと思っていますし、国際社会とも連携しながら、北朝鮮に対してしっかりとしたメッセージを送り続けなければならない、このように思います。

足立委員 ありがとうございます。

 その上で、もう一つちょっと、これもふわっとした話ですから気楽にというか、気楽じゃ困るんですが、お答えをいただけたらありがたいんですが、きのう、きょうもどなたかの委員の質疑の中で、Jアラートの運用の見直しかな、いろいろ報道もあります。

 今大臣から御紹介をいただいたように、極めて深刻な事態が継続していると私は思っているし、きのうもそういう、これはほかの役所だと思いますが、Jアラートの話は大事な話だ、こう思います。

 ただ、これは、幾らここで議論していても、幾らここで大臣と私がそうだなと言っても、国民の皆さんはわかりません。テレビもまた森友学園に戻りつつありますので、大変危惧をしているんですね。

 そうした中で、国民の皆様と本当にこの深刻な事態というものを共有していただいて、ちょっと時間のスパンは違いますが、これから憲法の議論もあればいろいろな議論があるわけですから、国民の皆様と、北朝鮮あるいは中国、こういう東アジアの安全保障環境の厳しさについてはやはり一緒になって議論してもらう。

 特に憲法の問題は、安倍首相が五月三日にいろいろ総裁としておっしゃったということもありますが、あれは結局国民投票で決めていくわけでありますから、リアルな現実というものを国民の皆様にもしっかり認識をしていただくということが、私は本当に重要だと思っています。

 そういう意味でやるとまたよこしまですが、避難訓練をやらないですよね、日本は。ちょっと実験的にやりましたというのが一つ、二つあるようでありますが、Jアラート自体を知らない方が多いです。

 避難訓練みたいな形で、何か本当の意味で脅威に備える動きをした方がいいんじゃないかなと私は思っていますが、これはもう個人的な、国務大臣の一人として、もし私のそういう意見についてコメントをいただければと思います。

岸田国務大臣 避難訓練と言われるもの、内容についてはさまざまですが、地方自治体レベルではさまざまな取り組みが行われていると承知をしております。

 こうした取り組みは、意識を喚起するという意味においても、実際、北朝鮮情勢は緊迫した情勢にあると感じておりますし、具体的な対応を考えましても、これは大変重要な取り組みではないか、このようには考えます。

足立委員 ありがとうございます。また担当部局とこれは議論をしていきたいと思います。

 それから、この日印原子力協定については、もっともっと質疑の時間が要るとか要らぬとかそういう議論があるようですが、私は、できるだけ早く採決したらいいと思います。

 大体、きょうここに、私が外務省にお出しをした問い票、ちょっとメモがしてありますが、日付が四月二十六日なんですよ。多分、間違っていないですね。四月二十六日にこの議論をやろうと言っていたんですよ。ちゃんと役所に準備してもらっていたんです。きのう、私、秘書に電話して、あのままでいいよと、そのまま持ってきたんですけれども、もう忘れました、下の方。自分がどういう問いを用意していたか。いや、私も忙しいんですよ。日印原子力協定だけやっているんじゃないんですよ。森友もやらなあかんし、余りやりたくないんですけれども。豊洲もやらなあかんし。

 だから、ちょっと日程闘争はもうやめませんか、いいかげん。寺田筆頭いないけれども。大体、寺田筆頭は、何か理事会に、しようもないツイッターの写しを何かのせて、謝らないと審議しないぞとか、そういうことを言う方ですから、私は大変これは危惧をしております。あ、委員長、大丈夫です、もうやめますから。

 いずれにせよ、そういう議事の妨害、きのうの階さんもそうでしたけれども、議事妨害というのはもうやめた方がいい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

 加えて、あす、実は憲法審査会が予定されていますが、それも飛ばすという議論があります。まだわかりませんよ、わかりませんが、報道ではそう報道されています。国民の皆様に早くこの憲法議論をしていただく準備をしてきていますが、もしあした飛べば、これは三回目、三回飛ぶんですね。だから、もう本当に、あ、先生、発言ですね。私も発言をしますが、あした、どういう予定か聞いていらっしゃいますか。あ、ここで言っちゃいかぬな。

 とにかくだ、日程闘争は百害あって一利なしということを強く申し上げて、野党四党、特に野党筆頭の民進党に苦言を呈しておきたいと思います。

 さて、日印原子力協定であります。

 冒頭、原子力輸出の話をちょっとしようと思っていたんですけれども、これもちょっと通告から外れるかもしれませんが、四月二十六日から日がたっているので、ちょっと思いがまたシフトしています。だから、通告とちょっとずれるのは民進党のせいだということで御理解をいただきたいと思いますが。

 きょうもいろいろ議論していると、核不拡散の問題に当然光が当たるわけですが、僕、よくわからないのは、日本政府は、インドの核不拡散の取り組み、核実験の問題、モラトリアムの問題、そうしたものにたがをはめたくて協定を結んでいるんじゃないでしょう。原発輸出をしたくて結んでいるんじゃないんですか。

 ただ、結ぶときに、裸ではいといって結ぶと、いろいろな世論もあるし、国際的な核レジームの中での日本のこれまでの取り組みのポジショニングもあるし、いろいろあるので調整をした。要調整事項であって、この日印原子力協定の目的は原子力輸出だという理解でいいでしょうか。

岸田国務大臣 日印原子力協定については、原子力の平和利用においてインドが責任ある行動を行うことを確保する、このための協定であります。その後にさまざまなビジネス、プロジェクトがあるのかもしれませんが、今ここで協議をお願いしているのは、今申し上げた、インドが責任ある行動を行う、こういったことを確保するための協定であると認識をしています。

足立委員 平井審議官、お世話になっております。経産省は経産省の立場がありますから、ちょっとまた。

 私は、やはりこれは原発輸出のためにやっているんだと思っているんですね。経産省はそうですよね。一応、経産省はそうだと。何か発言を強要しているようですけれども、ちょっと。

平井政府参考人 政府の一員としては、外務大臣の御答弁のとおりだと思います。

足立委員 さすがでありますが。

 大臣、僕は、この内容を見ると、明らかに原子力輸出をしたいんだと。特に、後でちょっと時間があればやりますが、原発メーカーの体制もどんどん年々変わっています。日本だけで存立している原子力輸出ではありません。アメリカ・メーカー、日本メーカー、これはもう一緒にやっているわけです。だから、日米が、あるいはフランスも連携しながら、世界に原発を売っていく、これが目的で、したがって、あとはまさに交渉事として調整をしてきた、こう理解をしています。

 逆に言うと、では大臣、同じ問題を別の角度から伺うと、インドは、この日本から原発を輸入するために、彼らは彼らの核政策を変更しているんですか。わかりますか。もともとインドは核政策をやっているわけですね、民であれ軍であれ。そのインドの核政策というのは、日本と原子力協定を結ぶために彼らは原子力政策を変更したと言えますか。

岸田国務大臣 まず、インド自身は、今現在も必要最小限の抑止力を維持するという方針、これを維持していると承知をしております。その中にあって、二〇〇八年九月五日声明というものを明らかにし、核実験のモラトリアム、IAEAの保障措置の受け入れなど、こういったものを明らかにしたわけです。

 そして、同じ二〇〇八年に、それを前提として、NSG、原子力供給国グループが、例外としてインドへの原子力の平和利用における協力を認めるということになったわけであります。

 インドの政策については、先ほど申し上げました必要最小限の抑止力の維持、これは引き続き変わっていませんが、核実験のモラトリアムという政策を明らかにし、そのことがNSG決定にもつながり、そしてその後の、米国を初めとする各国の原子力協定の交渉につながったと承知をしています。

足立委員 すると、今般の日印原子力協定を通じては変更されていないですね。

岸田国務大臣 インドは、今申し上げた核実験モラトリアムなどの政策を明らかにすると同時に、各国と原子力の平和利用について協議する中にあって、例えば二〇〇九年にはIAEAとの協定をより強固なものに改定するなど、さまざまな努力を続けてきています。

 そうした努力の中にあって、我が国とも交渉を行って、協定について合意をしたということであります。

足立委員 私は、今御答弁いただいた内容も含めて、大国インドがその原子力政策を、日本のメーカーから原発を輸入するために変更したとは思っていないし、今後、するとも余り思っていないです。私個人はですよ。

 だから、一連の、きょう、ずっと議論になっている、核実験をしたら日本は手を引くということについても、核実験する必要があればすると思います。日本に手を引かれたら困るから、本当は核実験をしなければインドの核保有の体制というか、インドのそういう核の状況、体制を維持更新していけなくなったら、日本のメーカーからの原発を維持するためにそれを諦める、核政策の方を諦めるということは、私はないと思っている。要は、きょうの議論がインドの核政策に影響を与えていないと、実は私は思っているんです。

 大臣は影響を与えていると思っているんですね。

岸田国務大臣 我が国の協定も含めて、各国のインドに対する原子力の平和利用における協力は、全てNSG決定を基礎としています。要は、核実験モラトリアム、これを全ての前提にしているわけです。核実験を行ったならば、我が国のみならず、全てのNSG関係国の協力の前提が失われるということになります。これは、インドに対して大きな影響を及ぼすことになると考えます。

足立委員 ありがとうございます。

 さて、では、今、大臣がおっしゃった核実験モラトリアム、通告でいうと七番にちょっと飛ばしていただきます。

 私、実は核の問題は、一応私、理系なんですけれども、素人です。よくわからないんですね。核兵器を保有していますね、インドは。核兵器を保有していると、やはり実験というのはたまにせないかぬのじゃないですか。それがよくわからなくて。

 要すれば、核兵器の保有と核実験との関係というのは、私は、核実験をせずに核兵器を保有し維持し更新し続けるということはできないと理解しているんですが、どうですか。

相川政府参考人 一般論ということでございますけれども、二十一世紀に入りまして、核実験をやっているのは北朝鮮だけということなんです。それ以外のNPT上の核兵器国は、九〇年代後半以降は核実験をやっていないということでございます。

足立委員 まさに答えになっていなくて。

 では、アメリカは。アメリカは、一九九三年を最後に、いわゆる核爆発を伴う核実験はやっていません。そのかわりに何かやっているんじゃないですか。新型核実験はやっていないんですか。アメリカについては。

相川政府参考人 お答え申し上げます。

 かわりということかどうかわかりませんけれども、未臨界実験ということはアメリカはやったことがあると承知しております。

足立委員 まさに臨界前の核実験はやっているわけですよ。逆に言うと、アメリカはそれで核の体制を維持更新できるような体制を組んでいる。だから、別に、核兵器はもうどうでもいいから九三年で終わっているんじゃないんですよ。核爆発を伴うような核実験はしなくても、核兵器の維持更新ができるようになっているんでしょう、アメリカは。

 それで伺いますが、今回の、今回というか、いわゆるインドの核実験モラトリアムですね、これは何をやらないということなんですか。

 何をやらない、すなわち、今申し上げたので御理解いただけると思いますが、核爆発を伴う核実験は当然しないですね。では、アメリカがやっているような臨界前の核実験もしないということでいいですね。

相川政府参考人 核実験に関しまして国際的な定義というのはこれは存在してはいない、何をもって核実験とするかということでございますけれども、ただ、CTBT、これは発効しておりませんけれども、そこにおいては、核爆発を伴う実験、その他の核爆発、装置ということで定義がなされております。

足立委員 いやいや、だから、私が申し上げているのは、もう細かいのも忘れちゃったから、四月二十六日から日がたつ、当時は覚えていたんですよ、もう時間がたっちゃったから細かいことは忘れてしまいましたが、日印原子力協定で日本がインドに期待している、やらないことという範囲はどこなんですか。臨界前核実験も含めて、いかなるタイプの核実験もやらないということでいいんですね。

梨田政府参考人 今委員御指摘の、爆発を伴わない実験というものについては定義が定まっていないという部分もございます。

 また、現に、インドが今直ちに未臨界なる爆発を伴わない実験をやろうといった動きもあるわけではございませんので、現時点において今委員の御質問に答えることはなかなか難しいと考えます。

足立委員 いや、だから多分、私もちょっと驚いているわけですが。核爆発を伴う核実験はわかりやすいですよ。検証もしやすいしね。

 今お答えいただいたのが梨田部長。梨田部長は、臨界前核実験の準備がインドにはないんだとお答えになりましたけれども、そんなことを御存じなんですか。

梨田政府参考人 そうした情報を持っているわけではないという趣旨で申し上げた次第です。

足立委員 ちょっと何か雰囲気が暗くなってきて申しわけないんですけれども。雰囲気悪いですね。大丈夫ですか。もうやめようかな。(発言する者あり)大丈夫。

 私の問題意識は、大臣、繰り返しになりますが、インドが核政策をこの協定のために変えたとも思っていないし、変えるとも思っていない立場から質問しているわけです。そういう立場からすれば、この協定を結んでいるからといって、インドが本当はやらねばならないことをやめるということはないと思っているわけです。

 すると、普通に考えれば、インドは核保有国でありますから、インドの核保有の維持更新をしていくために必要なことはやりますよ。もう絶対やると思うんですよ。

 そう考えると、では、何をやらないと彼らは言っているんだというと、それは詳しくはちょっとわかりませんが、核爆発を伴う核実験はやらないと多分言っているんでしょう。しかし、先ほど答弁にあったように、ほかの最新の核実験、コンピューターを使ってやる、別の形で核爆発と同じような環境をつくって、そこで実験をするわけですよ。

 そういう、アメリカが既に何回もやっているような臨界前核実験のような核実験を、もし明確に定義し否定できていないとすれば、もうほとんど、余り意味がないんじゃないか、やはり私の仮説のとおりじゃないかと。こんなことで一々、核保有国たちは、核保有のあれを変更したり影響を受けたりすることはないと私は思います。

 どうしましょうか。まあ、ほかにもいろいろ質問があるんですけれども、いいところに来たので、このままどう展開しようか、ちょっと悩んでいるんですが。

 あえて言えば、例えば、日本がさまざまな原子力協定を結んでいます。通告の六番にちょっと戻りますが。今まで日本が締結した原子力協定には全て、全てかどうかわかりませんが、終了手続が規定されています。終了したケースはありますか。

相川政府参考人 現在、日本が結んでいる原子力協定において、終了したケースはございません。

足立委員 すると、例えば、相当協力が進んだ後に、いざ、では、何か協定に抵触する核実験が行われて手を引くとなったときの終了のさせ方、これは何か細則というか、いろいろな議論、こうやってこうやってこうやるんだよなというようなものは整備をされていると考えたらいいのか、やったことがないので、これはまたいざそういう事態になれば考えるということか、大体ざくっと言うとどっちなんですか。終了のさまざまなオペレーション、手続、段取りですね。

三ッ矢委員長 誰が答弁しますか。

 相川部長。

相川政府参考人 一般的に、日本が結んでいる原子力協定に関しましては、それぞれに定められている手続に従って、仮に終了するということであれば終了するということでございまして、これはインドも同様ということでございます。

足立委員 終了するは終了するだ、こういう御答弁であります。

 それから、さらに、終了するきっかけとなる、いわゆる外相声明とか公文とか、そういったものでの協定で固めている内容が、もし違反したら手を引くということですが、それは検証できるんですか。検証できるんですか。

相川政府参考人 これも一般論でございますけれども、核実験が行われた場合、核爆発を伴う核実験でございますけれども、CTBTOという機関のもとに国際モニタリングシステムというものがございまして、これは全世界的に展開されているものでございまして、核爆発が発生したときには検証ができる体制にはなっております。

足立委員 済みませんね、何か雰囲気が暗くて申しわけないんですが。

 今まさに、改めて、核爆発を伴うとおっしゃいました。だから、もう一回話が戻るけれども、インドが既に、アメリカのように、核爆発を伴う核実験でない形でインドの核体制の維持更新ができるようになっている可能性はないんですか。

梨田政府参考人 インドがそのような体制になっているかどうかということについては把握しておりません。

足立委員 この話はこれぐらいでやめますが。きょう伺ったら、どこから切ってもすかすかでありまして、僕は当たり前だと思う。全然僕は不思議じゃないんです、きっとそうだろうなと思っていますから。

 だから、これは、きょう平井審議官においでいただいていますが、いわゆる原発メーカーが、アメリカとかと連携しつつ、原発をやはり売らぬとあかんわけです。それが一番のモチベーションであって、いわゆるNPT体制、あるいはきょうずっとあるNSGの枠組み、そうしたものの中で、何といいますか、何かそこに関心がある、関心があるというか、そこが主たる争点ではなくて、それは、原発を輸出するに当たっては最低限必要なことは段取りをしておかないと、国民に説明がつかない、あるいは世界に説明がつかないというところで整理をされてきているので、さまざまな交渉事における最終的なさまざまな文書があって、加えて、インドの核兵器維持更新体制に変更を与えることは当然できないので、公文のような曖昧な形で、ある種の同床異夢のような形で取り繕っている、壮大なるフィクションだ、こう指摘をしておきたいと思います。

 きょう実は、質問をさせていただいて、持ち帰って、また党内で賛否を議論する予定にしていましたが、実は、党内で私、浮いていまして、私は賛成派なんですよ。我が党は結構、原子力については、橋下徹前代表以来、ちょっと厳し目のポジションがありまして。

 党の主流派、僕は傍流ですのであれですけれども、まあどうでもいいですね、主流派が言っているのは、やはり国内の、きょうはもう時間がないのでやりませんが、例えば損害賠償の問題、きょうも幾つか出ました、笠井委員だったかな、その前の吉良先生がおっしゃっていましたが、国を挙げてやっているんじゃないか、国を挙げてというか、官民の関係について質問されていましたが、大体、日本国内においても官民の関係というのは、大臣は余りお詳しくないかもしれませんね、平井審議官、適当ですよね。

 だって、平井審議官、いまだに無限責任でやっているんでしょう。無限責任で原発事業を民間がこれからも担っていけると思いますか。

平井政府参考人 原子力賠償制度についてのお尋ねかと思いますけれども、原子力賠償制度、現在、見直しの議論も進んでいるところでございますけれども、それ以前から、現行の制度のもとでも、我が国原子力メーカーがこれまでの開発を進めてきているのと、電力会社が原発の導入を進めていく意思があること、そこについての大きな変化があるとは私は思っておりません。

足立委員 ちょっと通告外ですが、御答弁をありがとうございます。

 結局、国内の原賠法の問題、あるいは我が党もこだわってきている最終処分の問題、あるいは福島第一原発の検証の問題、いろいろな問題をゆっくり処理しながら進めている中で、国内でさえ完了していない、完了というか、原子力産業を支えていく体制が十分できていない中で、こうして日印原子力協定を議論していく中において、やはり非常に不十分なところがあります。

 話を戻しますが、党内では、そういう中で売るのかという議論が根強くありまして、実は、きょう御答弁いただいて、それを持って帰って、私、何とか、傍流が主流派に向け説得して、この日印原子力協定については賛成に持ち込みたい、こう努力をしているわけですが、きょうの御答弁ではちょっと厳しいなと。あげくの果てに反対討論までやらされそうで、ちょっと僕はもう困っているんですけれども。

 きょう、結局、核心の部分は、核爆発を伴わない核実験についてはよくわからないということですね。もう一回、そこだけ確認。

梨田政府参考人 ちょっと長くなりますが、御了承ください。(足立委員「どうぞ」と呼ぶ)

 インドは、核実験モラトリアムを宣言するに当たって、CTBTの基本的な義務を受け入れると述べておりますけれども、CTBTが禁じているのは核兵器の実験的爆発または他の核爆発ということであって、いわゆる未臨界実験のような、爆発を伴わない実験まで禁止しているものではございません。これは別にインドに限ったことでなく、CTBTがそのように定義しているということでございます。

 したがって、未臨界実験というものが確立した定義があるということではなく、ただ、日本としては、仮に、核兵器の生産、開発を目的としたような行為を行ったことが明らかとなる場合には、NPTの普遍化を目指す日本として、我が国のこの基本的な立場に基づいて適切な行動をとるということになると考えます。

 ですので、一概に、ではインドが未臨界実験をやったかやっていないか、そもそもそれは検証できるのかという問題もございますので、この場で直ちにお答えできないと先ほど答弁した次第でございます。

足立委員 丁寧にありがとうございます。

 それと、もう一言いただきたいのは、仮にインドが未臨界核実験をやった場合は手を引くと。検証できた場合は。それでいいですか。

梨田政府参考人 今の御質問に対して、我が国がこの協定に基づいていかなる行動をとることになるかというのは、もう少し細かく詳しく見きわめた上で判断をするということなので、今の御質問だけで黒か白かとお答えするのはなかなか厳しいところです。(発言する者あり)

足立委員 いやいや、野党の皆さん、そんなに喜ばないで。

 僕は、これは別に政府をいじめるために言っているわけじゃなくて、だから、そんなものだと思います、繰り返しになりますけれども。そんなものですよ。だから、僕はそれでいいと思っていて、個人的にはこれを推進したらいいと思っているんです。

 ただ、だから、もともと核不拡散とか言っているのがうそなんですよ。大体、共産党が言っている核不拡散とかいうのもうそだからね。(発言する者あり)ああ、済みません、済みません。

 だって、政府もそうですよ、朝鮮半島の非核化なんてできるわけないじゃない、このままいったら。北朝鮮の非核化をやるんだったら、アメリカに先制攻撃してもらわなあかんわけでしょう。それで、してもらったら、ソウルも日本も火の海になるわけでしょう。できないですよね、なかなか。それ、共産党はやった方がいいということですか。ああ、やめておきましょう。

 そういうことで、もう時間が余りありませんが、実は、きょう用意していた質問は、あと、原発メーカーの現状がどうなっているかとか、あるいは世界の原発市場がどうなっているか。原発を含むインフラ輸出の動向がどうなっているか。これは日本の経済成長のために大変重要なので、そういう質問を用意しています。

 もう時間がないので、これは平井審議官の御担当かなと思うんですが、よくメーカーが、国内の原発がとまっているので、たくさんの陣容が仕事がないと。それでは日本が核技術を維持できないということでこういう動きになっていると私は勝手に思っているわけですが。やはり、日本の原発メーカーの人材ということを考えると、今、原発輸出はやはり必要だと、こういうことでよろしいですか。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 まずもって、世界の原発の市場の状況でございますけれども、世界各地における新設というところにつきましては、IAEAの予測を見てみましても、それなりの大きさでこれが拡大していくということが予想されているところの中で、現状でも、我が国の原子力技術に対する期待の声というのは各国から寄せられているところでございます。

 そうした現状で、我が国といたしましては、相手国の御意向、そうした地理的な状況も踏まえながら、さらには福島の知見という得がたい知見、教訓というのを生かしながら、安全最優先でこうした期待に応えていくことが我が国の責務であろうというふうな考えを持っているところでございます。まずこれが一つでございます。

 こうしたところについて、我が国の原発輸出が、我が国の技術者の人材の涵養というか、その能力のメンテナンスという意味につながっていくのではないかという先生の御質問については、まさに、一般論ではございますけれども、技術、人材の維持の観点からも、そうした原発輸出が寄与するであろうということについては、私どももそこは期待しているところでございます。

足立委員 最後の御答弁を含めて、党内調整に努力することを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございます。

三ッ矢委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 自由党の玉城デニーです。

 日印原子力協定締結について承認を求めるの件を質問させていただきますが、質問の前に、きょう、各外務委員の先生方のお手元に、衆議院調査局外務調査室からの「国際情勢の動き」ということで、韓国大統領選挙に関する本十日の朝刊の記事の写しが配られております。

 韓国の大統領に、九年ぶりに革新政権が誕生、文在寅氏が誕生したということで、朴槿恵前大統領の罷免に伴う大統領選挙が行われ、「共に民主党」の文在寅氏が当選したということでニュースが紹介されております。

 大臣、通告はしていないんですが、この結果を踏まえて、一言所感をいただきたいと思います。

 と申しますのは、各紙新聞の書き方にはそれぞれ、長短、表現の違いがあるんですが、例えば、北朝鮮包囲網のほころびも出るのではないかというのは、日経新聞の朝刊にあります。その中には、核、ミサイルの脅威を高める北朝鮮にトランプ米大統領が軍事措置も辞さない構えを示すと、新しい大統領は、朝鮮半島の軍事行動は断じて韓国の同意なしになされてはいけないと米国を牽制、選挙期間中には、核開発の凍結を条件にTHAAD配備の保留や撤回もあるとのメッセージを北朝鮮に送り米韓合同軍事演習を縮小できるとまで踏み込んだ、こういう記事などが紹介されています。

 ですから、文在寅氏が九年ぶりに革新政権として誕生したということは、やはり、朝鮮半島情勢に大きなまた波紋といいますか、どのような波紋になるかはこれからの新大統領の発言や動向次第ではあると思いますが、現段階で、日本とほとんど、いわゆる政治的な人脈がないのではないかということも新聞の朝刊でも記されているこの新大統領の誕生に対して、岸田外務大臣の所見をお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 昨日、文在寅氏が韓国の新大統領に選出をされました。御指摘のように、文新大統領は選挙期間中からさまざまな発言をされておられます。それに対してさまざまな意見があることも承知をしております。

 ただ、これは、どの国のどの政権においても同じでありますが、そうした、新大統領、新しいトップが就任した後、具体的な政策が打ち出されるまでは、しっかりとそれを注視していかなければならないと思っています。

 韓国におきましても、大統領が選出された後、首相が議会において承認を得なければなりません。文新大統領の政党は、議会におきまして少数で、要するに過半数は占めていなかったと思います。首相の承認についてどうなるのか、また、各閣僚も議会において証言をした上で就任するということになっています。こうした人事が固まるまで時間がかかるというのも事実なのではないかと思います。具体的な政策の打ち出しはその先ということになるわけですので、今の段階で我が国の立場から予断を持って何か申し上げるのは控えなければならないと思っています。

 ただ、どのような政策が打ち出されたとしても、日韓関係の重要性、これは変わらないと思います。戦略的に利益を共有する大切な隣国であります。北朝鮮問題を初めとする地域の平和と安全を考えましても、両国の協力、これは不可欠であると認識をしています。新政権との間においても、しっかりと意思疎通や協力を図るべく努力をしなければならない、これは当然のことであると認識をしています。

 いずれにしましても、具体的な政策について注視しながら、韓国との関係を安定させるべく努力を続けていきたい、このように考えます。

玉城委員 きのうきょうのことですので、まだ十分な、日本としての態度を表明するという段階ではないというのは、私も十分承知をしております。ただ、この資料の、例えば読売新聞の朝刊の中では、同じ弁護士事務所で活動したことのある鄭宰星弁護士は、韓国人は日本に二重の感情を持っている、植民地として支配されて被害を受けた一方で、最も近い先進国、そして、この新大統領もそうした感情を持っているということがあります。

 ですから、どこか、こうであろうという見方を持つ前に、やはりそこは日韓関係の重要性を、アメリカ、中国、ロシア、あるいは、当然ですが北朝鮮にもしっかりとメッセージを伝えるためには、ここから緻密な日韓外交がまさに始まっていくんだろうというふうに思います。そのことについては、しっかりと、あるべき朝鮮半島の将来、あるいは、そこからもたらされるアジアの平和などについて、大臣から、この新しい韓国の体制に対しても、しっかりと日本側のメッセージとして伝えられるよう努力をしていただくことをお願いしたいと思います。ありがとうございます。

 では、ここから質問に入ります。

 質問に入る前に、これも質問ですが、平成二十七年十二月九日、広島、長崎両市長から、インドとの原子力協定の交渉中止についての要請の声明、並びに、十二月十二日には広島市長の要請声明が発せられています。

 二〇一五年十二月九日の声明を紹介します。インドとの原子力協定交渉の中止についての要請。

 内閣総理大臣安倍晋三様並び外務大臣岸田文雄様。

 前略。

  経済分野や安全保障分野において、インドとの良好な関係を構築することは重要であることは言うまでもありません。しかし、この協定は、核物質や原子力関連技術・資機材の核兵器開発への転用の懸念を生じさせるものであり、広島・長崎の被爆者を始めとする多くの市民が核兵器を廃絶する上での障害となりかねないものと考えています。また、我が国は、NPT(核不拡散条約)非締約国に対して非核兵器国として早期かつ無条件での加入を要請している立場にありながら、この協定についての交渉を行うならば、自らがNPT体制の空洞化を招くことになりかねません。

  日本政府におかれては、これまでも被爆地から繰り返し行ってきた協定締結に向けた交渉中止の要請を今一度、想起していただき、ヒロシマ・ナガサキの思いを真摯に受け止め、交渉を中止するよう強く要請します。

ということで、松井広島市長、田上長崎市長、お二方からこのような要請が出されています。

 その要請について、外務大臣の所感をお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘の広島、長崎両市長からの要請については、重く受けとめなければならないと思っております。

 その上で、我が国としては、NPT体制の普遍化、そしてCTBTの早期発効など、こうした現実的、実践的な取り組みを重ねながら核兵器のない世界を目指す、この基本的な方針は全く変わらないということであります。

 我が国のNPTの普遍化等の取り組みについては、インドに対しても首脳会談等においてたびたび説明をしてきているところであります。そして、その中で、NPT体制に参加していないインドを何らかの形で国際的な不拡散の取り組みに参加させることは、大変重要な取り組みであると認識をしています。

 ぜひ、こうした取り組みを通じて、全くNPT体制の外側にいるこのインドを国際的な不拡散体制の中に少しでも参加させるべく努力を続けることの意義については説明を続けていきたい、このように考えます。

玉城委員 このNPT未加盟であるインド、あるいは、CTBT、包括的核実験禁止条約に署名せず、過去には二回の核実験を行い、およそ百二十の核兵器を保有していると推定されているのがインドです。

 大臣、これは通告していませんが、核兵器を保有しているということは日本国も認めるという立場でよろしいですか。

岸田国務大臣 先ほども少し答弁させていただきましたが、まず、インドはNPT体制における核兵器国ではありません。しかしながら、国の政策として最小限の抑止力を維持するということを明らかにしております。

 核兵器を保有しているということについては、認識をしております。

玉城委員 国としては認めていないが、認識はしているということでよろしいでしょうか。

岸田国務大臣 いや、インド自身、核ドクトリンという形で、最小限の核抑止力を維持するということを明らかにしています。

 ただ、一方で、NPT体制の普遍化を目指す我が国としては、NPT体制において核兵器国と認められているのは五カ国だけでありますので、この核兵器国ではないと認識をしております。

玉城委員 ありがとうございます。

 なぜそういう質問をするかというと、やはりインドとこの原子力協定を締結することにおける我が国の核不拡散外交方針との整合性、これはどこまでも平行線になるのではないかというふうに思うわけです。

 そこで、どう認めているかということではなく、世界の中でやはりインドが発言していること、発信していることについて真摯に向き合い、こういう協定を締結する場合には、さらにその方向性を日本としても見きわめていかなければならないのではないかと思います。

 日本の核不拡散外交方針との整合性について、大臣の見解を伺いたいと思います。

岸田国務大臣 我が国の基本的な方針は、先ほど申し上げましたように、NPTの普遍化を基盤としながら、現実的、実践的な取り組みを続けていくということであります。その政策との整合性ということを考えますと、NPT体制の全く外側に存在するこのインドという国を何らかの形で国際的な不拡散体制に参加させるという努力、これは重要であると考えています。

 そして、NPTとの関係でいうならば、インドへの原子力の平和利用における協力の大前提として、NPT体制を前提としているNSGの決定が前提として存在いたします。それに基づいて、各国が原子力の平和利用について協力をするべく協定をつくっているわけでありますが、それを通じて実質的に核兵器の不拡散体制に取り組むということは重要でありますし、あわせて、NPT本体にも入ることの重要性を各国で働きかけていく、こうした取り組みも重要であると考えます。

 我が国のNPT普遍化という政策との関係でいうならば、今申し上げた形でインドに対して国際的な不拡散の体制への参加を促し、そしてNPTへの参加を促していく、こういった取り組みは整合的であると考えております。

玉城委員 協定の前文で、インドが、NPTの当事国であることを考慮し、日印がIAEAの原加盟国を認識し、平和的目的のための原子力の開発及び協力におけるIAEA、機関の重要性を再認識すると書き込んでいます。

 しかし、やはりどうしても、今の大臣の答弁を聞いてみると、日本側から一生懸命働きかけるという姿勢は、それは当然必要であろうというふうに思います。しかし、他方で、日本側からNPT及びCTBTに加盟を促さずともこの協定が成立するということは、これからインド以外の国あるいはこの協定が成立することを認めるということになるのではないかと思うんですが、そのことについての答弁をお願いします。

梨田政府参考人 お答え申し上げます。

 この協定というより、インドとの協力はNSGが出発点であり、NSGの例外化決定を前提に、日本を含む各国がインドと原子力協力を行う、こういった積み重ねによって、インドの原子力平和利用に対して法的枠組みを確保する、実質的な不拡散体制に組み込む、加えて、NPT、CTBT締結は継続して働きかける、こういった形でインドの将来的なNPTへの加入、CTBTの締結というものを促していきたいという姿勢でございます。

玉城委員 では、済みません、ちょっと更問いになりますけれども。

 これは、NSG第二回臨時総会、我が国の対応、平成二十年九月九日、NSGインド例外化に当たり日本政府の決意声明という二〇〇八年の声明文ですが、我が国は、仮にインドにより核実験モラトリアムが維持されない場合にはNSGとしては例外化措置を失効ないし停止すべきであること、また、NSG参加各国は各国が行っている原子力協定を停止すべきであることを明確に表明したというふうに決意表明で述べられています。

 この明確に表明した決意はNSG参加各国と確認ができているのでしょうか。

三ッ矢委員長 答えられますか。

 相川部長。

相川政府参考人 失礼いたしました。

 結論から申しますと、現在においてもこの考え方は変わりはないということでございます。

玉城委員 通告していませんので、深く質問してもそれは少しせんないかなと思いますが。

 NSGのインド例外化に当たって、やはり日本政府は、こういうふうにNSG参加各国に対しては、もしこの核実験モラトリアムが維持されない場合にはそれ相応の対応をすべしということで決意を表明しているわけなんですね。そのことをやはり常に参加各国と確認をしつつ、日本が原子力協定の締結に進んでいるというふうなことを丁寧に国民に対しては説明する必要があるのではないかということで、今それを質問させていただいたわけです。

 では、中身についてお聞かせください。

 協定三条には、「平和的非爆発目的に限って行う。」とあり、二項には「平和的目的以外の目的で使用してはならず、」「いかなる核爆発装置のためにも」「使用してはならない。」と記述されています。

 本三条で、もし核実験を行った場合には協力を停止するとここでは記述されていないんですね。記述していないことについての説明をお願いしたいと思います。なぜここで、「使用してはならない。」と書いてあるんですが、もし行った場合には協力を停止すると連記していないということの内容を御説明ください。

梨田政府参考人 協定本体十四条1及び2のとおり、理由を問わず協定を終了し、協力を停止することが可能な規定ぶりとしたということが交渉の結果でございます。

 一方で、核実験を行った場合に協定の終了をするということについては、協定上も明らかではございますけれども、非常に重要な論点になったことから、別途、「見解及び了解に関する公文」を作成したという次第であります。

玉城委員 では、ちょっと質問の順番を飛ばします。今、十四条の項目が出てまいりましたので、十四条についてお伺いしたいと思いますが、今答弁にありました、質問の内容が重なるかもしれませんが、きょうも各委員からこの十四条については非常に踏み込んだ質問があったやに思います。

 十四条では、「協定を終了させる権利を有する。」とし、「書面による通告の日から一年で終了する。」と記されていますね。他方、「安全保障上の環境の変化」や「国家安全保障に影響を及ぼすおそれのある他の国による同様の行為」「として、生じたものであるか否かについて考慮を払うことを合意する。」とも書いてあります。ダブルスタンダードのような表記がここで行われているやに思うわけですね。

 他の国による核実験に対抗する措置、つまり、印パ関係に見るパキスタンがもし万が一核実験を行ったことに対して、報復の意味で核実験を行うということに対しては考慮するということに合意するということを含めた規定なのかについて、御説明ください。

岸田国務大臣 この規定につきましては、本協定の終了または協定の停止をもたらし得る状況について考慮を払う、こうしたことを定めたものにすぎません。

 そして、これは、我が国が本協定を終了させ、また協定の終了前に協力を停止する権利を行使し得る、このこと自体に対して何ら影響を与えるものではないというのがこの条文の解釈の仕方であります。

玉城委員 この考慮を払うという表現は、私は非常に個人的に嫌悪感を覚えるんですね。日米地位協定には米側に配慮的考慮を払うとか、配慮とか考慮とか、協定の中で、やはり協議の段階で十分話し合いの場をつくれるために、醸成できるために、お互いの立場を尊重するという意味での考慮という規定が入っているのではないかと思うんですが、きょうの委員会では、しかし、やはり権利を有するということで、権利を持っていることの方がより重要なんだということを大臣も重ねて答弁をしていらっしゃいます。

 ところが、インドがもし対抗措置として核実験を行うという姿勢を示す、あるいは核実験を行ったということについては、即座にそれは協定を終了するという権利を行使するということにつながるのかどうか、再度お尋ねしたいと思います。

岸田国務大臣 インドが核実験を行ったならば、協力の停止につながると考えています。

 これは、NSG決定から始まって、協定そのものの内容、加えて、お互い交わした公文、この全体から見て、これは明らかであると認識をしております。

玉城委員 非常に見解がいろいろと分かれるところではあると思いますが、協定で明記するということがやはり重要であるというふうに私は思料いたします。なぜなら、書かれてあることが全てであると相手国に言われたら、それまでだと思います。ですから、権利を有するとはいっても、それを行使するかどうかというふうなことまで踏み込んで、例えばこの協定の中で書き込んでおくべきではないかというふうに思うわけですね。

 ですから、他の国による同様の行為として生じたものであるか否かについて考慮を払うことに合意すると書いてありますが、これは、一旦そういうことが行われたら、お互いにこの行為を認めるか認めないかについて協議をしましょうということについて考慮するということの、つまり、その権利を行使する一段前の段階で、あえて踏み込まずに規定を置いているのではないかというふうに思うわけですね。そういうものではないということですか。

岸田国務大臣 先ほども申し上げましたが、我が国の権利の行使には何ら影響を与えるものではないと考えています。

玉城委員 はい、わかりました。

 では、次の質問を行います。

 十一条では、ウラン235の濃縮濃度について規定が置かれています。二〇%未満である濃縮濃度については認め、インド国内で再処理することができるとあります。さらに、二〇%以上になる高濃度濃縮を供給締約国政府、すなわち日本政府の書面による同意が得られた場合に限り行うことができると認めています。

 まず一点目は、十一条でこのような二段階の規定を並べて置いていることについて、どのような理由でしょうか。お聞かせください。

梨田政府参考人 これは、まず、インドが濃縮技術を既に有しているという事情、それに加えまして、二〇%未満の濃縮まで規制するという国際的に確立した統一的な慣行はないという事情、こういったことを考慮して交渉を行った結果、今御指摘のような規定ぶりになった次第です。

 なお、日本がこれまでに締結した原子力協定についても、二〇%未満の濃縮を規制していないものも、あるいはそもそも濃縮について一切規制していないものもあることを付言いたします。

玉城委員 では、このような濃縮されたウランが、例えば、インド国内では、IAEAの査察を受ける施設と軍事用で使っている施設、原子力施設をそれぞれ分けているわけですね。軍事用で持っている施設あるいはIAEAの査察を受ける施設がそれぞれ別にあるんですが、この濃縮ウランがインド国内での軍事利用にならないかという懸念についてはどのようにお考えですか。

梨田政府参考人 日本がインドに対して行う原子力協力は、濃縮も含めてすべからくIAEA保障措置の適用内でございますので、軍事転用されるというおそれはないと考えます。

玉城委員 このような二段階の規定を置いたことによって、では、さらに、核兵器を保有している国ではないけれども保有していると認められるインドにおいて、そのほかの国がこのインドとの協定と同じような協定を我々にも置きなさい、あるいは置いてくれ、変えてくれ、そういうふうな申し出、申し入れ、あるいは新規にこれから後、原子力協定を他国と結ぶ場合に、このことが前例になるという懸念はありませんか。

相川政府参考人 まさに、我々が濃縮、再処理に関する規定をどうするかということに関しましては、核不拡散の視点、それから相手国がまさにインドのように濃縮、再処理技術を既に有しているかどうかという相手国の事情、それから相手国の原子力政策、不拡散に関する取り組み、それから日本との間で想定される原子力協力の具体的な対応、それから国際的な議論、こういうさまざまな要素がございますので、そういうものを踏まえながら、これから締結され得る原子力協定においては、濃縮、再処理の部分に関する具体的な記述が決まっていくということだと思います。

玉城委員 四月二十八日に参考人をお三方お迎えいたしまして、参考人の意見陳述を行いました。浅田参考人、鈴木参考人、福永参考人、お三方ともこの日印原子力協定については非常にリスクが大きいということが、総じて、私が質問をさせていただいて受けとめた答えです。

 例えば、賠償関係についても、メーカーに巨額な賠償額の責任が負えるのか、どのように思いますかというふうに質問をしたら、それは最終的にはやはり国が賠償責任を負うでしょうということになります。国が賠償責任を負うということは、国民がそれを負担するということになるわけですね。

 さらに、核軍縮の義務を負わないインドに対してこの協定において濃縮、再処理を認めた場合、これまで厳しい制限を条約規定で置いている他の締約国から求められてきた場合、先ほどの私が質問したような状況だとどうなりますかというふうなことは、非常にそのことも懸念されるということを参考人の方々から意見がありました。

 さらには、これは鈴木参考人からは、資料の中で、モデルとすべきはヨルダンとの二カ国間の協力協定であるということで、日本からの濃縮及び再処理技術の移転は行わないこと、ヨルダン国内では濃縮及び再処理を行わない、この協定に基づいて移転された核物質及び回収されまたは副産物として生産された核物質は、ヨルダン・ハシェミット王国の管轄内において、濃縮されまたは再処理されないなどということで、しっかりこういう考えを示すべきであるという前例があるのではないかということが言われているわけです。

 つまり、NPTに未加盟、CTBT未署名のインドに対しては、より一段厳しい条件を付すような協定の内容こそが総じてリスクを軽減させるという方向になるのではないかというふうに私は受けとめていますが、最後に、大臣にその見解をお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 各国への対応については個別具体的に考えていかなければならないと思いますが、インド、NPT体制の外側に存在しているこのインドを何らかの形で国際的な不拡散体制の中に参加させる、こういった努力は大変重要であると考えます。

 少なくとも原子力の平和利用の部分において責任ある行動を確保する、こうしたことでNSG決定があり、各国の協定がつくられてきました。全くNPT体制の外側に存在していたインドを、少なくとも平和利用の部分においてしっかりと枠組みをかけて、責任ある行動に導いていく、こういった取り組みを国際社会とともに協力して進めていく、こういった努力は実質的なNPTの普遍化にもつながっていくものであると考えています。

 こうした取り組みは重要であると認識をいたします。

玉城委員 以上で終わります。ニフェーデービタン。

三ッ矢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時七分散会


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