衆議院

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第3号 平成30年11月16日(金曜日)

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平成三十年十一月十六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 岸  信夫君

   理事 大岡 敏孝君 理事 武田 良太君

   理事 中谷 真一君 理事 宮澤 博行君

   理事 山本ともひろ君 理事 本多 平直君

   理事 渡辺  周君 理事 浜地 雅一君

      江渡 聡徳君    小田原 潔君

      小野寺五典君    大西 宏幸君

      大野敬太郎君    北村 誠吾君

      熊田 裕通君    高村 正大君

      鈴木 貴子君    中谷  元君

      浜田 靖一君    和田 義明君

      青柳陽一郎君    篠原  豪君

      前原 誠司君    佐藤 茂樹君

      広田  一君    赤嶺 政賢君

      下地 幹郎君    照屋 寛徳君

      長島 昭久君

    …………………………………

   防衛大臣         岩屋  毅君

   防衛副大臣        原田 憲治君

   防衛大臣政務官      鈴木 貴子君

   防衛大臣政務官      山田  宏君

   会計検査院事務総局第二局長            宮内 和洋君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  増田 和夫君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  菅原 隆拓君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局次長)           佐々木雅之君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小島 裕史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 川崎 方啓君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 宇山 秀樹君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    鈴木 量博君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   富山 一成君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  神谷  崇君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術参事官)         浅輪 宇充君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            星  澄男君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   武田 博史君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 深澤 雅貴君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  西田 安範君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君

   政府参考人

   (防衛装備庁長官)    深山 延暁君

   安全保障委員会専門員   林山 泰彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)

 国の安全保障に関する件(砲弾の着弾事故について)


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     ――――◇―――――

岸委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件について調査を進めます。

 この際、砲弾の着弾事故について、防衛大臣から報告を聴取いたします。岩屋防衛大臣。

岩屋国務大臣 今般、十一月十四日十三時二十分ごろ、滋賀県の饗庭野演習場において射撃訓練を実施中、八十一ミリ迫撃砲弾により、演習場外の一般車両の窓ガラスを割るなどの被害を及ぼす事故がありました。

 被害に遭われた方に心よりおわびを申し上げますとともに、演習場周辺地域の高島市や滋賀県の皆様には大変申しわけなく思っております。

 防衛省としては、事故当日に山田防衛大臣政務官を現地に派遣し、昨日までに、事故現場を確認するとともに、被害に遭われた方、高島市長や市議会副議長、滋賀県副知事などに対しておわびと事故に関する御説明、御報告を行ったところでございます。

 事故原因につきましては現在調査中ですが、その原因が明らかになるまで、全国の八十一ミリ迫撃砲の射撃を中止するとともに、高島市長からの申入れを受けて、当面の間、演習場における実弾を使用した射撃を中止することといたしました。

 今月に入り、航空自衛隊において、十一月二日にはF2戦闘機の空中接触事故、十一月七日には航空自衛隊車両による民家への衝突事故が相次いで起きました。

 これらの事故は、民間の方の生命を危険にさらし、また、隊員の生命にもかかわりかねない重大な事故でありまして、極めて深刻に受けとめております。

 こうした事故を受けまして、私からは昨日、今回の事故についての原因の究明とそれを踏まえた再発防止策を確実に講じることを指示し、あわせて、各種事故の根絶のため、安全管理の徹底に必要な措置を講じること、適時適切な報告及び情報提供を実施することを指示したところであります。

 国民の生命財産を守るべき任務を担う防衛省・自衛隊がこのような事故を起こすことはあってはならないことでありまして、このような事故が自衛隊の運用、訓練等に関して国民の皆様に不安を与え、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を損なわしめるものであることを隊員一人一人が重く受けとめるべきであると考えております。

 今後、各種事故の防止に全力で取り組み、防衛省・自衛隊に対する国民の皆様の信頼回復に努めてまいる所存であります。

岸委員長 以上で報告は終わりました。

     ――――◇―――――

岸委員長 次に、内閣提出、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田和夫君、内閣官房内閣審議官菅原隆拓君、人事院事務総局給与局次長佐々木雅之君、警察庁長官官房審議官小島裕史君、外務省大臣官房審議官川崎方啓君、外務省大臣官房参事官宇山秀樹君、外務省北米局長鈴木量博君、財務省理財局次長富山一成君、水産庁資源管理部長神谷崇君、国土交通省大臣官房技術参事官浅輪宇充君、海上保安庁警備救難部長星澄男君、防衛省大臣官房長武田博史君、防衛省大臣官房審議官深澤雅貴君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君、防衛省整備計画局長西田安範君、防衛省人事教育局長岡真臣君、防衛省地方協力局長中村吉利君、防衛装備庁長官深山延暁君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第二局長宮内和洋君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大岡敏孝君。

大岡委員 自民党の大岡敏孝でございます。

 きょうは、もともとは給与法に対する質疑でございましたけれども、一昨日、私の地元の饗庭野演習場におきまして、部隊が訓練中に誤って、敷地内ではありますけれども、国道三〇三号線に、極めて隣接した土地に炸薬を装填した迫撃砲弾を着弾させ、この爆発に伴う破片によって、道路に停車中の自動車を損傷する事故が発生をいたしました。

 したがいまして、このことをまずお尋ねをしたいと思います。

 先ほど大臣から御説明をいただきましたので、私も、大臣からの御説明があると想定していなかったので、こうしたことも含めた通告をいたしましたけれども、御説明があったことにつきましては割愛をさせていただいて、質問を続けたいと思います。

 先ほど、大臣からの御説明では、事故原因については調査中ということでございましたけれども、やはり、速やかにこの事故原因を確定していただきたいと思うんです。

 事故原因として考えられるのは主に三つだと思います。一つは天候の問題、そしてもう一つは兵器そのもののふぐあいの問題、そしてもう一つは隊員の練度の不足、この三つで分析をして考えると現時点でどの程度までわかっているのか、御説明いただければありがたいと思います。

岩屋国務大臣 事故の原因については、あくまでもまだ調査中で確定的なことは申し上げられませんが、万が一、装備そのものにふぐあいがあるということであってはいけないということで、全国的に八十一ミリ迫撃砲の演習を中止をしたところでございます。

 あとは、委員おっしゃったように天候とか人的要因というのがありますが、これも、おっしゃるとおり、一日も早く原因を究明して、きちんと御報告をさせていただきたいと思っております。

 なお、お地元の先生には大変御迷惑をおかけをしました。また、関係自治体との連絡において大変御尽力をいただきましたこと、厚く御礼を申し上げたいと思います。

大岡委員 ありがとうございます。

 今回の事故で、私は、現時点では極めて迅速に対応をしていただいていると思います。当日に山田政務官、もう既に被害を受けられた方の御自宅にも行っていただきましたし、該当の市、それから県とも協議をしていただきました。

 ただ、やはりここから先、どのように進めていくかというのが一番大切だというふうに思っております。

 そこでなんですけれども、私は、どのように信頼を回復するかについてお尋ねをしたいと思っています。

 現在、訓練を中止していますよね。しかし、私は、自衛隊というのは、こういった事件があったときに、訓練を中止したからといって信頼が回復されるものではないと思っています。むしろ、訓練をやり続けることで、訓練によって信頼を回復する以外に方法はないと。

 したがいまして、まずは早期に原因を解明していただきまして、できる訓練から直ちに再開をする。そして、同時に、何が悪かったのかということに関しては直ちに改善をしていく。そして、一刻も早く訓練に戻って、そして、訓練をし続けて、訓練をして訓練をして練度を上げ続けることでしか私は国民の信頼を回復できないというふうに考えておりますが、この点につきまして大臣のお考えを教えていただきたいと思います。

岩屋国務大臣 饗庭野演習場は、防衛省・自衛隊にとっても極めて重要な演習場でございまして、長らく、滋賀県、高島市を始め、関係自治体の皆さんにお世話になってまいりました。

 それだけに、委員おっしゃるとおり、一日も早く信頼を回復して演習も再開をさせていただきたいと思っておりますが、それがためには、まさに原因をしっかり究明して、改善すべき点を正し、信頼をいただくということが何より大事だと思っておりますので、そのために全力を挙げていきたいというふうに思っております。

大岡委員 ありがとうございます。

 私自身も、私の選挙区、地元でもございますので、責任を持って地域の皆様に御説明をしていきたいと思いますし、今後、一刻も早く訓練の回復に向けて取り組んでいくことをお約束を申し上げまして、この質問は終了させていただきたいと思います。

 さて、給与法についてでございますけれども、ちょっと時間の関係で当初予定をしておりました質問が十分できないということになってしまいますが、この給与法の内容につきましては、人事院勧告に基づいたものであり、妥当でございますので賛成をさせていただきたいと思います。

 二番目、三番目、用意した質問がございます。自衛隊員の給与や手当、それから、外交で活躍していただいている駐在武官に関する質問でございましたけれども、これはちょっと時間の関係で割愛をさせていただきますが、意見だけ申し上げておきますと、現在、自衛隊の給与でありましても、警察の公安職に準じて決められておりますことから、諸外国と比較をしますと、本当に防衛機関の職員としてふさわしいかどうかということに関しましては、これからしっかりと議論していかないといけないというふうに問題意識を持っております。

 それから駐在武官に関しましても、現在は防衛省から外務省に出向をして外務省の職員として大使館に勤務をしているわけでございますが、しかし、諸外国は全てそれぞれの防衛機関から直接大使館に勤務をしているという形態をとっておりまして、こうしたことも、私たち自民党は自衛隊を憲法に明記するという一つの方針を出しておりますので、こうしたことと時宜を合わせて、防衛機関としてふさわしい待遇のあり方につきましてこれからも引き続き議論を進めてまいりたいというふうに考えております。

 そして、四番目、質問をさせていただきます。本日は財務省からお運びをいただきました。

 現在、サイバー領域の防衛というのが新しい課題として我が国の非常に重要なテーマになっておりますが、このためには高度なIT人材が必要不可欠です。

 それではまず、この高度なIT人材、どの程度防衛省内で充足されているのか、この点について教えていただきたいと思います。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 サイバー攻撃の脅威が高度化、巧妙する中、高度IT人材が不足をしているということは私どもも認識をしてございます。

 このような状況の中、安全保障の観点からも、防衛省・自衛隊としてサイバー人材の育成、確保が喫緊の課題であると認識をしてございます。

 現在、自衛隊におけるサイバー防護部隊につきましては、必要な要員の増強に連年努めてございます。

 平成三十一年度概算要求においては、サイバー防衛に関する部隊の人員を、約四百三十名から五百四十名の規模まで整備をするという要求をしてございます。

 日々高度化する脅威に対処するためにさらなる増員が必要と考えてございますけれども、防衛省の担うサイバー防衛につきましては、任務の性質上、確たる具体的な不足人数が何人ですということも、なかなか、申し上げるということは困難でございます。

 一方、サイバー人材の育成、確保については、国内外の教育機関への留学あるいは民間企業における研修など人材育成に努めているほか、キャリアパスの設定、教育の充実、高度化に努めております。

 また、今後、部外力の活用あるいは官民人事交流制度を活用したサイバー人材の確保等も努力していきたいと考えてございます。

大岡委員 ありがとうございます。

 添付資料四枚目をごらんいただければと思うんですけれども、先ほどの答弁もありましたけれども、今後も不足し続けることがこの領域は予想されているんです。今後の不足数はどんどん拡大するということが予想されています。一方で、このサイバー領域の防衛の必要性はどんどん高まっていくということが予想されます。

 そこで、まず、人をしっかりと自前でも育成をしていくということのために、これまで幹部を養成するということが一つの大きなテーマであった防衛大学に、ITの幹部というよりは、専門家を養成する、一刻も早い段階から、幹部ではなくてITの本当のプロフェッショナルを養成するというそうした学部を置いて、ある程度自分たちでも養成できる体制を組むべきだと思いますが、この点についてはどうでしょうか。

岩屋国務大臣 そういう人材の養成が極めて重要だと我々も思っておりまして、現在、防大では、理工学専攻の学科のうち情報工学科において、サイバーセキュリティーについて学ぶための講座を提供しておりますが、引き続きそういうカリキュラムを充実させていきたいと思っておりますし、将来像がどうあるべきかということも不断に検討をしてまいりたいと思っております。

岸委員長 大岡君、時間ですのでまとめてください。

大岡委員 終わりましたので質問は以上とさせていただきますが、IT人材に関しては、きょうは財務省、残念ながら答弁の時間がなくて申しわけなかったんですが、国家的な課題でもありますので、これはもう人が採れないのであれば、既存の企業を政府で買収をしてでも、これは国家インフラであり社会インフラの整備のために必要なことでございますので、かつて鉄の事業だとか鉄道の事業をやったのと同じように、今後の社会インフラを実装していくという意味で、こうしたことも含めて迅速に対応していただきますことをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸委員長 次に、佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 まず、岩屋大臣、防衛大臣御就任おめでとうございます。

 長年さまざまな分野で一緒に活動をさせてきていただいておりまして、この通常国会も、まず公職選挙法の福島特例法案も議員立法で一緒に答弁をさせていただきましたし、また、ギャンブル等依存症対策基本法案も一緒に衆参の委員会で答弁をさせていただきました。

 ただ、大臣の政治活動を見ておりますと、やはり本来は国防の分野というのが政治家としてのライフワークの一つであろう、そのように見ておりまして、今、国際環境が非常に厳しい中で、しっかりとやはり本来の国防分野に邁進していただきますように、心から期待をするものでございます。

 私の方からは、きょうはお時間をいただきましたので、昨年もこの給与法に関連いたしまして、防衛を支える人的基盤をどう充実強化させていくのかという観点で、昨年度の法案改正のときにも質問をさせていただきました。

 昨年は、自衛官の充足率の状況あるいは優秀な人材を確保するためにどうしていくのか、さらには、女性自衛官活躍推進イニシアティブ等について質問をさせていただきました。

 今、ある雑誌にもこの募集状況の厳しさを、静かなる危機だ、そういうように表現している雑誌も先日拝見いたしましたけれども、自衛官の募集状況が年々厳しくなってきている中でどう工夫していくのかということが、もう待ったなしで問われているわけでございます。

 去年も言わせてもらったんですけれども、今は募集状況が厳しくなっている要因というのは幾つかあると思うんですが、一つはやはり、少子化、高学歴化がどんどん進んでいるというこういう問題がございますし、二つ目には、近年の好調な景気と雇用状況などによりまして民間企業が求人をふやして待遇をよくしてきておりまして、人材の獲得競争が非常に厳しくなってきているというこういう問題もございます。三つ目は、今の気風といいますか、時代がそういう時代なのかもわかりませんが、労働環境が過酷という、そういうイメージが今の若者に敬遠されがちであるということなどが挙げられております。

 こうした自衛官の厳しい募集環境の中で防衛省は、十月から二十八年ぶりに自衛官の採用年齢の上限を引き上げられまして、一般曹候補生と任期つきの自衛官候補生の採用上限年齢を、現行の二十七歳未満から三十三歳未満に年齢で六歳引き上げる、そういう改正を行われました。

 私は、これによって、民間企業等での勤務経験を有する者等が、そういう方々を含め多様な人材を更に幅広い層から確保する道を開いたものであると思っているわけでございます。この対策は実施済みです。

 もう一つの採用基準の要件緩和として、身体的要件で、先ほどの一般曹候補生と自衛官候補生の二枠について体重制限を緩和する方針を固めたと報道されております。

 具体的には、現在、身長と体重から肥満度を算出するBMI、体格指数で二八程度を上限としているのを、三〇程度まで入隊を認めるということをこの夏から試行されていると言われております。この、採用時の体重制限が緩和されるというのは初めてである、そういうふうに言われているんです。

 まずお尋ねしたいことは、今申し上げましたこの自衛官の年齢や体重の採用基準の緩和の狙いと、そして緩和の内容を明確に御説明いただきたいということが一点でございます。

 さらに、大事なことは、採用基準が緩和されたことが、我々のような専門家が知っているだけではなくて、広く社会に、また、対象者に知られていくということが極めて大切だと思うんですけれども、広報宣伝活動を含め、どのようにしてこの自衛官の採用基準の緩和を広め、認識していってもらう取組をされているのか。

 この二点について防衛省に伺いたいと思います。

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先ほど委員から御指摘のありました措置についての狙い、そしてその内容ということでございますが、まず、その募集環境の厳しさ、この点につきましては、委員から先ほど御指摘があったとおりでございまして、そのような厳しい状況の中で自衛隊に求められる多様な活動を適時適切に行っていくために、自衛隊の活動を支える人的基盤を一層強化していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。

 そのために、先ほど御指摘のありましたような措置でございますけれども、より幅広い層から多様な人材を確保するために、本年十月に、一般曹候補生及び自衛官候補生の採用上限年齢を現行の二十六歳から三十二歳に引上げを行うとともに、採用時における身体検査基準に関しまして、本年六月に、肥満に関する基準緩和の、これは試行という形で行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、非常に厳しい募集環境の中で人材確保は重要な課題でございまして、さまざまな施策を検討し、防衛力を支える人的基盤の強化について総合的な取組を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 二点目に、広報の面について御指摘がございましたが、このような施策につきまして、採用対象者に加えまして、その御家族、友人、教員などを含めた幅広い層への情報発信が重要というふうに認識をしているところでございまして、具体的には、高校、大学等における学校説明会や企業説明会、あるいは、艦艇を派遣した広報であるとか体験搭乗などのイベントを活用した広報でありますとか、採用パンフレット等による広報、それから、自衛官募集ホームページなどを活用しまして、より多くの方々に周知することとしております。

 こうしたことに加えまして、地域社会と密接なつながりを有する地方公共団体とも連携することが重要であると考えておりまして、地方公共団体の担当者に対しても丁寧に説明を行うこととしているところでございます。

 御案内のとおり、全国五十カ所に自衛隊地方協力本部がございますが、都道府県や市町村、学校などの協力をいただきながら、きめ細やかに、粘り強く周知、説明をしてまいりたいと考えているところでございます。

佐藤(茂)委員 それで、今回のこの給与法案は、八月十日の人事院勧告に基づく一般職の国家公務員の給与改定に準じて行われるものでございますが、その人事院勧告の際に人事院の方は、さらに、定年を段階的に六十五歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出というものが出されまして、今、それに基づいて政府の方は、一般職の定年延長については、この人事院の意見の申出を踏まえて検討されているというように伺っております。

 最後に大臣にお伺いしたいのは、一般職とは異なりまして、自衛官というのは過酷な任務を伴う特別職国家公務員でございまして、自衛隊の任務の性格上、組織を常に精強な状態に維持する必要があるために、若年定年制をとっているんです。階級ごとに、職務に必要とされる知識、体験、体力等を考慮して定年が定められております。

 例えば、将と将補の将官は六十歳、二曹と三曹は五十三歳、この間で階級ごとに定年の年齢が変わってくるというそういう定年制をとっているわけでございますが、先ほど、募集状況は厳しい、それにかわって今度既存の人材をどう有効活用していくのかという、こういう考えも確かに大事だと思うんですが、自衛官の場合には、仮に定年を延長すれば、平均年齢が上昇することによりまして自衛官の精強性という質の低下につながらないのかという、そういう懸念があります。

 自衛隊の精強性の低下を防いで、どのように精強性を維持していくのか。また、現在の若年定年退職者給付金制度の制度修正というようなことも必要になってきたりという、自衛官のこの特殊性を考慮して検討しなければならないことも多々あるかと思うんですが、自衛官の定年延長について検討が進められているのかどうかを含めてどのように取り組まれていくのか、防衛大臣の御答弁をいただきたいと思います。

岩屋国務大臣 佐藤先生とは、安全保障の分野でもこれまで長らく一緒に議論をさせていただいてまいりました。これからも御指導よろしくお願いいたします。

 少子化それから人口減少の中でいかに自衛隊の人的基盤を維持していくかというのは、極めて重要な課題であると我々も思っております。

 今先生から御指摘があったように、自衛隊の場合は、階級によっては五十三歳で定年になるという若年定年制を採用しているわけですが、これから自衛隊に求められる多様な活動を適切に行っていくために、自衛隊の活動を支える人的基盤を一層強化しなければいけないというふうに思っておりまして、最近の装備品の高度化、それから、任務の国際化などに対応できる知見を備えた人材の有効活用を図る必要があると思っております。

 そうした観点から、若年定年制をとる自衛官の特殊性も踏まえながら、定年引上げの対象とすべき階級、年齢幅や引上げペースなど、具体的な内容も含めて精力的に検討を進めていきたいというふうに思っております。

岸委員長 佐藤君、時間であります。

佐藤(茂)委員 時間が参りましたので質問を終わります。ありがとうございました。

岸委員長 次に、青柳陽一郎君。

青柳委員 おはようございます。立憲民主党の青柳陽一郎でございます。本日は三十二分の質問の時間をいただきました。ありがとうございます。

 本日は給与法の法案審査でございますけれども、私も、その法案審査の前に、まずは、饗庭野演習場迫撃砲実弾の事故について数点伺ってまいりたいと思います。

 冒頭、大臣からも説明がありました、謝罪もありましたけれども、私は、この饗庭野演習場の事案、少し根が深いんじゃないかなというふうに思っております。

 といいますのも、饗庭野演習場の事故は、つい三年前にも実弾の誤射があったばかりです。それから、今回のこの迫撃砲の誤射も、実は、一発が敷地内でしたけれども、その破片が敷地外に飛び出したというだけではなくて、ほかにも二発、不明弾になっていたというのが後からわかったわけでございます。

 誤射したものの三発が確認されないまま、その後、約一時間半にわたってこの訓練が続けられているんですよ。一発撃って、どこに着弾したか確認がされないまま、誤射かどうかもわからないまま、事故が起こっているかどうかもわからないまま訓練が続けられているということそのものが、この訓練のあり方とか、それから訓練の管理、こういうもの自体に問題があるんじゃないかなというふうに思っております。

 加えて、冒頭申し上げましたように、三年前にも誤射があったということなので、こういうことを踏まえて大臣には再発防止を求めたいと思いますが、この訓練の方法とか管理について、大臣、どのようにお考えになっていますか。まずはお答えいただきたいと思います。

岩屋国務大臣 改めて、今般の事案について深くおわびを申し上げたいというふうに思います。

 原因については、現在、中部方面総監部に設置された事故調査委員会で調査中でありまして、しっかりとしたことを早く報告にまとめて公表したいというふうに思っておりますが、委員御指摘のように、本来ですと、一発ずつ着弾地点を確認をして次の作業に進むというのが本来あるべき姿だと思います。そういう意味でいうと、訓練のあり方に極めて問題があったというふうに私も思っておりまして、そういう原因をしっかりと究明して改善を図ってまいりたいというふうに思っております。

青柳委員 ありがとうございます。

 今の答弁のとおりに、事故原因の究明と再発防止策についてしっかりお示しいただきたいと思いますが、もう一点は、そもそも、この饗庭野演習場の事故が発生した場所の航空写真を確認したんですけれども、基地と基地の外の境界線に何もないわけで、誰でも入れちゃうわけです、基地の中に。それで今回のこういう誤射があったわけですから、これもとても危険だと言わざるを得ないんです。

 基地と基地の外の境界線とか、ここでは実弾の訓練をやるんですよという看板の一つもないわけでございまして、こうした点については大臣はどうお考えになりますか。

岩屋国務大臣 饗庭野演習場全部がそうなっているわけではありませんけれども、委員御指摘のように、今回砲弾が着弾した付近には、外柵や立入禁止の看板等は設置をしておりませんでした。今回被害に遭った車両は、演習場外の国道の路肩に駐車をされていたと承知をしております。

 しかし、今般の事案を受けて、そういった外柵あるいは看板等の措置もしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っております。

青柳委員 きょうは饗庭野演習場の事案について取り上げましたけれども、冒頭、大臣から説明あったとおり、今月に入って三件の事故が発生しているわけでございます。

 これらの事故の原因と再発防止策については、まとまり次第、本委員会にも御提出をいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

岩屋国務大臣 冒頭に申し上げましたように、私も、ここのところ続いた事故、極めて深刻なことだというふうに思っておりまして、昨日、私から正確な報告を指示したところでございますので、原因究明とそれを踏まえた再発防止策を確実に講じるためにも、その作業を急がせたいというふうに思っておりまして、必要に応じて……(青柳委員「必要に応じて」と呼ぶ)いや、委員会から御指示があれば報告をさせていただきたいと思っております。

青柳委員 今、自民党の筆頭の理事、いなくなっちゃいましたけれども、両理事と委員長にもお取り計らいをお願いしたいと思います。

岸委員長 後刻、理事会で協議いたします。(発言する者あり)

 では、筆記をとめてください。

    〔速記中止〕

岸委員長 速記を起こしてください。

青柳委員 では、今武田理事いらっしゃらなかったんですけれども、事故原因と再発防止策がまとまったら委員会に出してくださいということをお願いしておきましたので、理事にも御承知おきをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)委員長には先ほど確認しましたので。

岸委員長 先ほど確認いただきました。

青柳委員 武田理事に知っておいていただかないといけませんから、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは質問を続行させていただきたいと思いますが、次に、先日、我が党の篠原委員からも質問ありましたけれども、神奈川県内の在日米軍施設の返還について少しお伺いしたいと思うんです。

 神奈川県は国内で第二位の基地を抱える県でございますので非常に関心が高いものですから伺いたいんですが、その前に、十二日、今週月曜日に米国のペンス副大統領が来日しましたけれども、どのようなルートで入国したのか、また、事前通告がいつあったのかについてまずはお伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今般のペンス副大統領の訪日に際しては、諸般の事情を総合的に勘案し、日米で協議の上、関係省庁間で必要な調整を行い、横田飛行場を利用することとしたものでございます。

 事前の連絡等調整の詳細につきましては、外交上のやりとりであり、その過程について答えることは差し控えたいと考えております。

 以上でございます。

青柳委員 諸般の事情とは、例えば何でしょうか。

鈴木政府参考人 米側との間でさまざまな、在日米国大使館、それから在日米軍、それから国務省、外務省、防衛省、そういう関係省庁間でいろいろと調整を行っておりますが、いろいろな調整の過程は、対外的には、外交上の交渉といったこともございますので、明らかにしていないところがあるという意味でございます。

青柳委員 これまでにそういう事例はあったんでしょうか。

 ペンスさんは今回三回目の来日で、三回いずれも、二〇一七年四月は厚木、二〇一八年二月は横田、そして今週がまた横田、三回。トランプ大統領も二〇一七年十一月は横田から入国している。トランプ政権になってからそういうことがふえていると思うんですけれども、以前に大統領や副大統領がこういうルートで入国したことがあるのか。

 そしてもう一点は、ほかの国、例えば韓国にも米軍基地はあると思うんですけれども……(岩屋国務大臣「いいですか」と呼ぶ)大丈夫かな、次の答弁の長さによると思うんですけれども、でも、トイレをとめるのは申しわけないですから、どうぞ。(発言する者あり)それは、一回トイレをとめて怒られたことがありますので、紳士的に質問を行いたいと思います。

 ただ、この後、大臣にも感想を聞こうと思っているんですが、他国の事例はあるのかどうかの二点についてお伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 他国の例を網羅的に承知しているわけではございませんが、例を挙げますと、今御指摘いただきました二〇一七年十一月のトランプ大統領の訪日に際しては、同大統領は同様に韓国も訪問しておりまして、その韓国を訪問した際には烏山空軍基地を使用しております。

 また、本年二月にペンス副大統領、日本にも来ましたけれども、その際に同様に韓国にも訪問しておりますが、その際にも同様に烏山空軍基地を使用しているものと承知しております。

 したがいまして、アメリカは、日本のみで首脳訪問の際に米軍施設・区域を使用しているわけではないというふうに認識しております。

 以上でございます。

青柳委員 他国の例はありましたけれども、今あれですか、これまでの米政権で同様の入国ルートで入ってきた例はあるんですか。

鈴木政府参考人 これまでも、詳細はまた、今の時点でちょっと手元に資料はございませんが、過去にも米軍基地を利用して入国した例はあるというふうに承知しております。

青柳委員 きのうの役所からのヒアリングですと、これまでの政権でこのように基地に直接入国するという事例は余り承知していないということでした。

 今度は大臣に感想をお伺いしますから大臣に聞いていただきたいんですが、いずれにしても、トランプ政権になってから、ペンス副大統領、三回来日して、来日時は全部基地に直接入る。トランプ大統領も基地に直接ぼんと入ってくる。こういうことは、主権国家同士の関係でどう感想を持ちますか。

 これまでの政権では普通に成田とかそういう国際空港に入ってきていたわけですけれども、今、トランプ政権になってから急激にこういう事例がふえているというか、一〇〇%基地に入るんですけれども、こういうことについてどう御感想を持ちますか。

岩屋国務大臣 外務省からるる答弁があったというふうに思いますが、地位協定の第五条では、米国によって、米国のために又は米国の管理のもとに公の目的で運航される航空機について、米軍が使用している施設及び区域に出入りすることを認めているということでございますので、そのこと自体がよろしくないことだということではないんだと思いますが、あとは、日米間の、その都度調整に基づいて決められているということではないかなと思います。

青柳委員 地位協定上はそういうことだと思いますけれども、毎回こうやって基地に直接入るというのも余り気持ちのいいものじゃないと思いますし、諸般の事情が何なのかよくわかりませんけれども、そういうことだけは指摘をしておきたいと思います。

 それでは次に、米軍根岸住宅地区、池子住宅地区の返還について伺いたいと思います。

 先ほど申し上げましたように、神奈川県、私も地元ですけれども、国内第二の基地県なんですけれども、今回の返還合意というのはとても地元にとって大きなインパクトのあるニュースでございまして、連日、地元紙では大きく取り扱ってくれています。

 この根岸住宅と池子住宅の返還については、それこそ、その時々の事情によって計画がいろいろ変わってきた。二転三転してきているわけですけれども、地元は、その都度、この交渉といいますか、発表をいろいろな思いで見ていたわけです。それだけに、今後しっかりとした情報提供を、合意されたわけですから、これからもしっかりとした情報提供。

 そして跡地の利用について、さらに、今回の合意、米側からいろいろな、まあ条件じゃないのかもしれませんが、一般的に言ったら、返還するに当たっての条件が提示されているわけです。

 この条件も、例えばけさの新聞では、一万千六百平米に新施設をつくるとか、どんと出たりしているわけで、今回の返還に当たっての条件、合意事項について、主なものを改めて御説明いただきたいと思います。

 それと、スケジュールについてもです。主な合意内容とスケジュールについて御説明いただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、一昨日、十一月十四日になりますが、日米合同委員会におきましては、神奈川県内の米軍施設・区域の整理等といたしまして、一点目が、米軍の施設所要を満たすため、独身下士官宿舎ですとか桟橋などの施設整備を日本側が行うこと。二点目といたしまして、根岸住宅地区につきましては、土地所有者の方々に当該土地を早期に引き渡し、跡地が利用できるようにするための原状回復作業を速やかに実施するため、当該地区の共同使用について日米間で協議を開始することとし、具体的な返還時期については、これらの作業の進捗に応じ、日米間で協議をすること。三点目といたしまして、池子住宅地区及び海軍補助施設の横浜市域における家族住宅等の建設は取りやめること。以上三点について米側と合意をしたところでございます。

 今後でございますが、根岸住宅地区の返還に向けた手続と建物の撤去等の原状回復作業を並行して進めます。現時点においてはおおむね三年程度でこれらの作業を完了したいと考えておりまして、合意した内容の着実な実施に向けて、鋭意、引き続き努力をしてまいります。

 また、委員御指摘のとおり、今回の合意内容につきましては既に関係自治体に御説明をしているところでございますが、本件事業につきましては、地元の御理解を得ながら進めることが非常に重要であると考えておりますので、今後とも丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。

青柳委員 ありがとうございます。

 今のとおり、地元に対して丁寧に、適時適切に情報提供をお願いしたいと思いますが、三年をめどに引渡ししていただけるということで進めていくという答弁もいただきました。

 ただ、例えば、桟橋の整備とか、一万千六百平米の新施設をつくるとかというのは、これは新たな条件でございまして、こうしたことには大きな予算措置を伴うことですから、何というか、なし崩し的に、又は住民の理解のないままどんどん合意の条件だけ整っていって、予算がつけられて整備が始まっていくということのないように、丁寧に進めていただきたいと思います。

 一方、土地の原状回復とか、土壌調査とか残存工作物の対応とか、こうしたものが引渡しには必要になってくるわけで、これは早期に着工していただきたいと思うんですけれども、三十一年の防衛省の概算要求に、こうした予算がこの間概算要求の資料をいただいたときに入っていなかったんですけれども、土地の原状回復の予算上の措置についてどうなっているか、御説明いただきたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、駐留軍用地が返還される場合、借り主であります防衛省が、当該土地の上にあります建物ですとか地下の埋設物を撤去するとともに、土壌汚染調査などを実施をいたしまして、汚染等があった場合には、それらを除去した上で土地所有者の方々に引き渡すことになっております。

 通常、返還後にこうした作業を行っているところでございますけれども、今回の合意では、根岸住宅地区の返還時期については、今後日米間で協議をするということになっております。

 一方で、一日も早くお借りをしている土地を所有者の方々に引き渡せるように共同使用の手続をとって、返還前から原状回復作業を実施をすることとしているところでございます。

 予算でございますけれども、我々といたしましては、こうした作業に必要な経費を平成三十一年度予算に計上することができるように、財政当局と今後しっかりと調整をしてまいりたいと考えているところでございます。

青柳委員 そうすると、今から概算に入れていただけるということですね。

 この点は重要なので大臣からも御答弁いただきたいと思いますが、どのぐらい入れていただけるんですか。

岩屋国務大臣 どのぐらいということは現段階では申し上げられませんが、今、事務方から答弁いたさせましたように、当該作業に必要な経費を三十一年度予算に計上できるように、財政当局としっかり調整してまいります。

青柳委員 ありがとうございます。今、額は言えないということでしたので、しっかりという御答弁ありましたので、お願いしたいと思います。

 そして、もう一つは地元自治体とか地権者への負担軽減策なんですけれども、例えば自治体には、引き渡された後の国有地の無償の利用ですとか、これは防衛省さんじゃなくて財務省さんになるかもしれませんけれども、必要な道路や公園の整備とか、それから、例えば沖縄なんかではあるそうなんですけれども、地権者は、引き渡されてから使えるまでの期間というのは、相当程度の期間がありまして、神奈川県内の別の場所でも起こっているんですけれども、引き渡されてどうぞと言われても、使えないんですよ、地目変更とかできていないので。

 そういうことに時間がかかる間は、例えば給付金などをいただいて、跡地利用の特措法なんかで支援していただいている事例もあるということを聞いておりますので、こういうことについても大臣から御支援をいただきたいと思いますが、御検討いただけますでしょうか。

岩屋国務大臣 委員御指摘のように、沖縄県では、跡地利用特措法に基づいて、引き渡されてから使用収益するまでの間に給付金などが支払われるという仕組みになっておりますけれども、この跡地利用特措法に基づく措置は、駐留軍用地及び駐留軍用地跡地が広範囲かつ大規模に存在しているという沖縄県の特殊事情に鑑みて、国会におけるさまざまな議論の末に制度化されたというふうに承知しておりまして、今回、同様の措置を講ずることはなかなか難しいというふうに思っております。

 いずれにしても、防衛省としては、関係機関に対しまして返還前から可能な情報提供を行うとともに、地元自治体による具体的な利用計画の策定、跡地の利用が円滑かつ効果的に行われるように、関係各機関としっかり連携し、必要な協力を行ってまいりたいと思っております。

青柳委員 そういう声が多かったということで受けとめていただきたいと思います。

 一方、ちょっと防衛省の予算の方に移りたいと思いますけれども、我が国の周辺の安全保障環境が厳しさを増しているということは論をまちません。そして、自衛隊の皆様には、我が国の防衛に日々緊張感を持って任務に当たってくださっているということについても、当たり前ですけれども、敬意を表したいと思いますが、それだけに、防衛予算は伸びているわけですから、これはきちんと国民の皆様にも理解をいただかないといけないと思います、非常に三十一年度予算は伸びていますので。

 そういう状況の中で幾つか伺いたいんですけれども、先般、会計検査院が、憲法の定めにあるとおり、内閣に対して平成二十九年度決算検査報告を提出をいたしましたが、大臣、これをごらんになりましたでしょうか。

岩屋国務大臣 詳細まで拝見したということではありませんが、防衛省該当部分についてはしっかり報告を受けております。

青柳委員 今、国の借金一千兆円以上、そしてGDPの二倍あって、来年、消費税を増税するということまで法律では決まっているんです。今申し上げたように、隊員はそういう中でも厳しい環境で頑張っている。

 この平成二十九年度決算、不適切とされる支出の指摘が全体で一千百五十六億九千八百万円ありました。これは全体です。今回、防衛省の関連の指摘が半分以上を占めているんです。問題のある支出とされているのが、全体の中で防衛省の支出が半分以上あったわけです。

 ちょっと会計検査院に説明を求めますけれども、平成二十九年度決算で防衛省関連で指摘したもの、主なものだけで結構ですが、簡潔に説明していただきたいのが、それが一点と、もう一点は、FMS調達、これはるるこの委員会でも議論がなされていますけれども、このFMS調達予算も、安倍政権になって、平成二十七年度以降急増しているわけです。このFMS調達については、参議院の決算委員会から検査要請もなされているわけです。

 このFMS調達の検査の状況とあわせて、いつごろ出せるかということもあわせてお答えいただきたいと思います。

宮内会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 まず、二十九年度決算検査報告におきます防衛省関係の報告事項のうち、特徴的なものとして、四件御説明させていただければと存じます。

 まず一つ目でございますが、防衛装備庁におきまして二億三千万余円で整備し試験運用を開始している、防衛装備品等に係る製造原価等のコストデータの分析等を行うシステム、これにつきまして、入力したコストデータの分析等を行うことができるシステムの仕様となっていないなどしておりまして、整備目的が十分に達成されていない事態が見受けられたことから、改善の意見を表示したものがございます。

 二つ目でございますが、防衛施設周辺地域における騒音障害の防止等のために保有している国有地につきまして、無断で使用されているなどの事態が見受けられたことから、無断使用の状況を定期的に把握して改善に向けた指示を行う仕組みを整備したり、公募の上で有償による使用許可を与えることにより有効活用等を図ることを検討したりするなどにより、適切に管理するよう改善させたものがございます。

 三つ目でございますが、航空機、艦船等に搭載する物品につきまして、重要物品であると認められるのに、六百十六億余円の物品が物品増減及び現在額報告書に計上されておらず、同報告書が適正なものとなっていなかった事態が見受けられたことから、明確な計上基準を制定し内容を周知するなどして、同報告書への計上を適切に行うよう改善させたものがございます。

 最後、四つ目でございますが、陸上自衛隊におきまして、戦車等の用途廃止に伴う部品採取の前提となる特別技術検査というものがございますが、これにおける部品等ごとの交換等の要否の判定が適切に行われていなかったなどの事態が見受けられたことから、特別技術検査が適切に行われ、使用可能な部品等の採取に資するものとなるよう、実施に当たっての留意点を明確にするなど改善させたもの。

 このようなものが特徴的なものとしてございます。

 次いでFMSでございます。

 FMS等につきまして、検査院、従来から重点を置いて検査してございまして、装備品等の納入が大幅に遅延している事態、未精算額が多額に上っているなどの事態につきまして、過去、平成九年度、十四年度、十五年度、二十四年度、二十五年度、二十八年度のそれぞれの決算検査報告に掲記してございます。

 そして、先ほど委員から御指摘ございましたように、本年六月十八日に参議院決算委員会から、国会法の規定によりまして、有償援助、FMSによる防衛装備品等の調達の状況について検査の要請をいただいたところでございます。

 これにつきましては、現在、防衛省に対して検査を実施しているところでございまして、検査及びその結果の取りまとめができ次第、速やかに御報告したいと考えておるところでございます。

青柳委員 今、大臣も聞いていただいたとおり、それはごく一部です。全体では六百四十億円無駄の指摘があるわけですよ。

 例えば、今説明していただいた一番最初は、コスト管理をするためにシステムを入れます。そしたら、入れたシステムが最初の段階から動かないんですよ。パイロット版すらパイロットしないんですよ。それで二億以上無駄になっている。

 それから、防衛省が持っている基地周辺の施設がたくさんあるわけです。それをほったらかしていて、草ぼうぼうになっていて、無断駐車もされている。これで十五億円指摘されているんです。

 我が党の本多委員が、自衛隊の厳しい環境でトイレットペーパーも自腹で買っているんですよという状況の中、一方ではこういう無駄遣いが指摘されていることについて、防衛予算、環境が厳しいからふやす、FMSも必要だからふやすというのは、まあわからなくはないですけれども、一方ではこういうことをきちんと指導していただきたいと思いますが、大臣、最後に、ちょっと時間が来てしまいましたので、感想をいただきたいと思います。

岸委員長 岩屋大臣、簡潔にお願いします。

岩屋国務大臣 委員の御指摘を重たく受けとめなければいけないと思っております。

 先ほど説明もありました。今般、会計検査院から八件の指摘を受けたことはまことに遺憾でありまして、今後このような指摘を受けることがないよう、再発防止に全力を尽くしてまいりたいと思います。

青柳委員 終わります。どうもありがとうございました。

岸委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 国民民主党の渡辺でございます。

 限られた時間ですので、早速質問に入ります。

 冒頭に岩屋大臣が、饗庭野演習場での今回の事案につきまして謝罪と報告がございました。この点につきましては、他会派の委員からも質問がございましたので、この点について私も質問通告はしておりましたけれども、先ほど来の質問と答弁と重複してもいけませんので、時間節約のために割愛をいたします。

 先ほどの大臣の話の中にこうありました。今月に入り、航空自衛隊において、十一月二日にF2戦闘機の空中接触事故が、十一月七日に航空自衛隊車両による民家への衝突事故が相次いで起きましたという中で、その後に、こうした事故を受けて、今回の事故について事故の原因の究明とそれを踏まえた再発防止策を確実に講じることを指示したとあります。

 そこで、一つ忘れてはいけないのは、ことしの二月に佐賀県の神埼市でヘリコプターの墜落事故がございました。これは、御案内のとおりですけれども、陸上自衛隊の目達原駐屯地所属のヘリが墜落をして民家に影響を及ぼした。そして、乗っていた自衛官が二人亡くなっているということでございます。

 実は、これは五月二十八日に事故の調査状況についてという形で中間報告が出ているんですが、その後は一体どのような調査が進んで、一体最終報告がいつ出るのかということについて、大臣、現状について教えていただきたいと思います。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の事故につきましては、本年五月に調査状況について公表を行っておるところでございますが、事故原因は、アウトボードボルト、これは羽根を……(渡辺(周)委員「それはもう書いてあるからいいです。今どうなっているか」と呼ぶ)はい。

 その部品について、今、AH64D、事故を起こしたヘリの製造企業ボーイング社、SUBARU社、そして、あと金属に関する知識を有する国内企業にも協力をいただいて、その破断した部品がなぜ壊れたかに至る細かい調査分析を行っているところでございます。

 これはまだ作業中でありますので、現時点では、いつ終わるかというのを直ちに申し上げる状況にございません。

渡辺(周)委員 いつもこういう事故が起きると、早急に原因究明をして再発防止に努めると言うんですけれども、一体いつをめどに最終報告が出るんですか。そこだけ、一言、端的にお答えください。

深山政府参考人 最終報告を出すためには、この部品が何で壊れたかをやらなきゃいけませんので、この分析がまだいつ終わるかということを今申し上げられませんので、それが終わりまして、まとまった時点でお出しできると考えております。

渡辺(周)委員 いや、だから、中間報告が出た後、最終報告が一体いつ出るのか。必ず、こういうことが起きると、原因究明を直ちに行って再発防止と言うんだけれども、今の話を聞いていると、一体いつその調査が終わるかわからない。何かその調査といっても、年がかわったら一年たちますよ。

 その点について大臣、どうなんですか。こういうことが起きて本当に調査に時間がかかっちゃって、結局、原因究明が何かわからないまま、また結果的には同じ機種のものがそれで稼働するようになる。ぜひこれは急がせてくださいよ。そして、やはり人が二人も亡くなっている話です。これは深刻な事故だったので。

 もっと言えば、あわせて、もしメーカー側に責任があるんだったら損害賠償を求めるぐらいの考えはありますか。いかがですか。

岩屋国務大臣 私、技術的なことは余りよくわかりませんが、原因となったアウトボードボルトというもののどこに脆弱性があったかというのを調べるために、何かスライスをずっとして今調べているというふうに報告を受けております。それでちょっと時間がかかっているんだと思いますが、できるだけ作業を急がせて、報告をさせていただきたいというふうに思っております。

渡辺(周)委員 それでは、よろしくそれはお願いいたします。

 次に、外務省に伺いたいんですけれども、さきの日ロ平和条約に向けての安倍総理とプーチン大統領が合意をしたということについてお尋ねをしたいんです。

 けさの報道によりますと、読売新聞ですけれども、十五日、プーチン大統領は記者会見をして、そもそも、この日ソ共同宣言を基礎に平和条約の交渉を加速させるんだということについて、プーチン大統領は十五日の記者会見で、どのような条件で、どこが主権を有するかが言及されていないと。あわせて、不明確な部分が多いと、この日ソ共同宣言について。

 つまり、宣言内容の解釈に言及をしているんですが、この点について、どのように今現状、今回の、基礎に交渉を加速させるということを受けとめているのかということをお尋ねをしたいと思います。

宇山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、シンガポールの首脳会談におきまして、安倍総理は、プーチン大統領との一対一の会談の結果としまして、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる、そのことをプーチン大統領と合意したということを発表されております。

 プーチン大統領が委員御指摘のような発言をしたということは承知しておりますけれども、これは今後の交渉内容にかかわることでございますので、コメントすることは差し控えさせていただきます。

渡辺(周)委員 では、主権の帰属までは今後の解釈だということであるならば、日本側として、主権のない返還などということはあり得るんでしょうか。

宇山政府参考人 日本政府としましては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本的な立場をとっておりまして、この点には何ら変更はございません。

渡辺(周)委員 いずれこの問題は集中審議なりも、たしか外務委員会の集中審議を求めていて、あるいは、今後予算委員会の集中審議等で、やはりこれだけの大きな問題でありますから、ぜひ深掘りをして議論をしたいというふうに思います。

 時間がありませんので、この問題については、ぜひ、したたかなロシアのプーチン大統領の戦術にまんまと乗らないように、我が国の基本姿勢をしっかりと堅持した上で、やはり日ロ平和条約については着実に進めていただきたいと思うわけであります。

 いずれにしましても、これまで米ソ対立の中で、戦後、我が国はアメリカの対ソ戦略の中で安全保障政策を積み重ねてきた。その上に立って、今日、中国の台頭であるとか北朝鮮の近代化であるとか、予期せぬことが起きてきています。安全保障の政策が変わってきたことは否めないわけでありますが、やはり、旧ソ連、ロシアとの平和条約、これは求められるところではありますけれども、だからといって、成果を急ぐ余りに、従来の日本が堅持していた立場がぜひ変わらないように、そのことを重ねてここで申し上げておきたいと思います。

 それともう一点、ちょっと外務省に伺いたいんですが、最近、キノコ雲をデザインしたTシャツを着て、韓国のKポップグループが非難を浴びました。そしてまた、最近、日米野球で来日したアメリカのメジャーリーグの、国籍はアメリカでないのかもしれませんが、いわゆるMLBの選手が、原爆ドームに爆弾が落ちるような何か不適切な動画をインスタグラムに上げて謝罪をするというようなことが起きました。

 時代とともに、この無慈悲な原子爆弾の投下という人類の恐るべき過ちに対して、やはり認識が大分薄れていっているのではないかと危惧をするわけなんです。唯一の被爆国として我々は、この深刻な人類の過ち、これをおもしろ半分に、あるいは無神経に取り上げるべき問題ではないということをやはり日本は改めてこの際発信をすべきだ、そして啓蒙をしていくべきだと思いますけれども、今回の、昨今のいろいろなこうした出来事を受けて、唯一の被爆国である日本として世界に対してどのようにまた改めて発信していくのか。何かお考えはありますでしょうか。

川崎政府参考人 お答えをいたします。

 政府といたしましては、国際的な軍縮の促進を主要な外交と捉え、被爆の実相を伝える取組について積極的に推進をしてまいりました。

 具体的には、本年八月にはグテーレス国連事務総長に長崎を訪問していただいたように、世界の指導者や若者による被爆地訪問の促進、あるいは、被爆者の方々や高校生等の若い方々を非核特使などに委嘱をさせていただき、被爆体験を発信していただく、こういった取組を行ってきております。

 本日の委員の御指摘を踏まえまして、こういった取組に引き続き積極的に取り組んでまいります。

渡辺(周)委員 我が国もそうかもしれません。やはり、原子爆弾が投下されたときのまさに戦中若しくは戦後を経験する方がいなくなって、だんだん語り継ぐ人もいなくなってくる。そしてまた、世界の中でも、もう時間がたって、こうした歴史の過ちというものを知らぬままに非常に軽く扱うような、やはり、世代の中で認識をされていない方もふえてくるのかなというふうに思います。それが、今回やはりあらわれた一つの現象ではないのかなとも思います。

 それだけに、我が国として、唯一の被爆国として、やはり、過ちは繰り返しませんという発信をぜひしていくべきだろう、本腰でもう一回考えるべきだろうというふうに思います。

 この後にちょっと別の質問もさせていただきます。またこの点については、核軍縮等については改めての機会に質問をさせていただきたいと思います。

 きょうは、海上保安庁や警察、水産庁にもお越しをいただいています。

 何をもってしても今そこにある危機として、またことしも昨年に続いて北朝鮮の木造船が日本海側、特にことしは北海道が多いようですが、漂着船がまた相次いでいる。報道等によりますと、もう既に昨年の今月の数字を超えて相当の数が、特にことしは北海道の方に漂着をしているということなんですが、昨年の十一月ごろに、もう既に由利本荘市であるとか北海道の松前小島に上陸をしていたというようなことも報道されて、我々は、わかって震撼をしたわけでございます。

 そこでお尋ねしますが、今、日本のEEZ内で北朝鮮のイカ釣り漁船はどれぐらい操業しているのかということです。それで実際に、日本海側の新聞を読みますと、怖くて日本漁船が近くで操業できない。イカ釣り漁船の漁獲高も物すごく減っているというような報道がされておりますけれども、今現状はどのようになっていますでしょうか。お答えいただきたいと思います。

神谷政府参考人 お答えいたします。

 水産庁では、日本海の我が国EEZ内に侵犯操業した北朝鮮漁船などに対しましては、漁業取締り船により退去警告を行っております。

 その隻数でございますが、本年におきましては、十月二十五日時点で延べ四千八百九十五隻となっております。

渡辺(周)委員 確認ですが、十月二十五日の時点で、EEZ内で違法操業している船が四千八百九十五隻ということですね。ほぼ五千という数でございまして、大変驚くべき数字であります。

 それで海上保安庁に伺いたいのですけれども、今のパトロール体制、どのような体制で今臨んでいるのかということが一点。まずそこについてお伺いをしたいと思います。

星政府参考人 お答えをいたします。

 海上保安庁におきましては、昨年より一カ月以上早い五月下旬から、大型巡視船を含む複数の巡視船を大和堆周辺の現場に配備をいたしまして、水産庁と連携をして外国船への対応を強化しているところでございます。

 本日までの時点で延べ千五百五十八隻に退去警告を行い、そのうち延べ四百九十六隻に対し放水を実施し、我が国EEZの外側に向け退去をさせており、大和堆周辺海域への接近を防いでいるところでございます。

 海上保安庁におきましては、これからも日本漁船の安全確保、これを最優先に、水産庁と緊密に連携しつつ、外国船の対処に厳正を期してまいります。

 以上でございます。

渡辺(周)委員 ぜひ、日本の漁業者、漁船を守るために、水産庁と海上保安庁とで徹底して、違法な北朝鮮の船に対して取締りを強化していただきたいと切にお願いをします。

 そしてそれで、先ほどもちょっと触れましたけれども、既にもう昨年上陸をした。無防備な日本海側のある地域に漂着したのか、あえてそこに着岸できたのかわかりませんけれども、既にもう上陸をしていたということでございます。

 かつて日本人を拉致したような、国交のない、かの国が、我が国にさまざまな警備をかいくぐってでももう上陸できてしまったというこの現実の中で、警察庁に伺いたいのですけれども、来年度から、不審船を検知する陸上の監視システムを日本海沿岸に導入する方針を固めたと。これは、ことしの八月三十日の読売新聞の記事でございます。ということなんですけれども、そういう方針で臨むのかどうか。

 そして、ことしは、北海道の利尻島から、昨年の例でいいますと北陸の方まで、非常に長い日本海の沿岸に木造船が漂着するわけでありまして、当然そこには北朝鮮の人間が乗っているということを考えたら、当然、これは住民の監視協力も必要ではあるけれども、それだけでは足りない。しかし、この広い日本海側のエリアを、もしこうした監視システムを導入するにしても、相当な数がなければ網羅できないと思うんですが、警察としての取組はいかがか。その点を伺いたいと思います。

小島政府参考人 お答えをいたします。

 平成三十一年度予算概算要求におきまして、沿岸警戒活動の強化に取り組むために、監視カメラシステム、暗視機能つき単眼鏡に要する経費につきまして、合わせて約二億六千九百万円を計上しているところでございますけれども、設置場所等の詳細につきましては、今後の警察活動に支障が生じるおそれがございますので、お答えを差し控えたいと存じます。

 一方で、委員御指摘のとおり、住民の皆様からの協力というものは大変重要であるというふうに認識をしておりまして、警察におきましては、漁協また自治体関係者等で組織をされます、いわゆる沿岸警備協力会というものを通じまして、合同沿岸パトロールや、不審者、不審物等を発見した際の通報の呼びかけ等を行っているところでございます。

 このような住民の協力を得るというような仕組みも活用いたしまして、今後とも沿岸警備に万全を期してまいりたいというふうに存じます。

渡辺(周)委員 私も、ことし、能登半島に、特定失踪者問題調査会の荒木さんや、あるいは地元の近藤和也議員とともに行きました。もう本当に驚くような木造船がそのままむき出しで残っている。しかも、寂しいところですから、住民の監視パトロールも全てができるとは限らないです。ですから、そこは効率的に、この監視装置をつけるのであれば、住民協力の薄いところにどう効率的にやるかということで、ぜひ効率的な運用をお願いしたいと思います。

 残り五分となりました。防衛大臣に伺いますが、大臣、今回、ことしの末に防衛大綱と中期防の見直しがされますけれども、あわせて、国家安全保障戦略、これはかつて国防の基本方針と言われた国の防衛の考え方でございます。この国家安全保障戦略を見直すという予定はございませんか。

岩屋国務大臣 国家安全保障戦略は、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障に関する基本方針を示したものでございます。

 この見直しについては現時点で何も決まってはおりませんけれども、同戦略が今申し上げたような性質の文書であるということも踏まえつつ、慎重に検討していくことになろうかと思っております。

渡辺(周)委員 かつて岩屋大臣はNHKの「クローズアップ現代」という番組の中で、防衛予算は少なければ少ないにこしたことはないということがあって、非常にすばらしい御意見をおっしゃったなというような、私も共鳴をしたことがあります。

 防衛費は少なければ少ないにこしたことはない、党の中には違うことを言う人もいますが、私はいつもそう思っています。できれば、国と国のいがみ合いをやめてみんなが少しずつ幸せになるように云々とあるんですが、こうした大臣のお考え方というのは防衛大綱や中期防の中に盛り込まれるんでしょうか。

岩屋国務大臣 そのときの発言の真意は、もう委員御案内のとおり、特にアジアは軍事費がどんどんと増加しているという傾向にあるわけでございまして、大局的に見れば、そういうことがどんどん続いていくということではなくて、緊張が緩和されて、できるだけ各国ともに軍事費に割くその予算をどんどんとふやしていくということではないようになることが望ましいという意味で申し上げたわけでございますが、ただ、現状、我が国を取り巻く安全保障環境、何度も申し上げておりますように、非常に厳しいものがありますので、そこはやはり、それにきっちりと対応できる、質、量ともに充実した防衛力、並びにその予算が必要だというふうに考えているところでございます。

渡辺(周)委員 必要最小限のものは国民の理解を得ていく必要があると思いますけれども、できるだけ大きく膨らまないように政権与党は努力をしていかなければいけない、こうもおっしゃっているんです。これは別に昔々の話じゃなくて、昨年の番組の中での話でございます。

 この岩屋イズムが防衛大綱や中期防に反映されるようにぜひ願うばかりなんです。なぜなら、先般、麻生財務大臣は防衛費がふえていくのはやむを得ないと言い、そして、アメリカからはすごい量の兵器を買うだろうと言われて、先ほどもFMSの話がありましたけれども、かつて委員会の中で、FMSは、よその国がつくったものを言い値で買う、ブラックボックスつきで買う、いつできるかわからない、価格がどうなるかもわからないという調達の仕方で、やはり将来に向けては考え直すべきではないかと思っております。このように、平成二十四年六月十五日の安保委員会で岩屋委員がおっしゃっているわけです。

 そのときに、政府の防衛副大臣が、コスト意識というものをしっかり持って納得いく説明ができるものを交渉してくれということをFMSの交渉者に言っている。これは私なんですけれども、この答弁しているのが。やはりこういう意識を持って今後も、お互いなんだよ、国民の血税を使って高い買物をするという、この問題意識はやはり当時も共有しているというやりとりをしています。

 ぜひ、防衛大綱、あるいは中期防、そして安全保障戦略の中に、岩屋大臣のそうした、やはり国民の血税を使ってアメリカの、決してトランプの言い放つようなバイ・アメリカンには、やはりある程度、一定の我々としての信念を持って向かうという思いは、最後、一言決意を聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。これで終わります。

岩屋国務大臣 防衛装備の調達に際しては、一層の合理化、効率化を果たしていきたいというふうに決意をしております。

渡辺(周)委員 終わります。

岸委員長 次に、広田一君。

広田委員 無所属の会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。

 私の方からも、饗庭野演習場における迫撃砲弾の着弾による事故について、これは徹底した原因究明と再発防止策を講じるよう強く求めるところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは質問に入ります。

 本来でございましたら、先般の大臣所信に対する質疑の続きをしたいところでございますが、本日は給与法案でございますので、人事に関連をした質問をしていきたいというふうに思います。

 我々無所属の会は、いわゆる給与法案については賛成の立場であります。その上でまず、自衛官の特殊勤務手当に関連してお伺いをいたします。

 この問題につきましては、平成二十九年の十二月五日、平成三十年の三月二十二日の当委員会でも取り上げさせてもらいました。その問題意識は、この当委員会でも何度も申し上げておりましたけれども、我が身の危険を顧みず職務に精励される自衛官にふさわしい手当のあり方については、不断の改善が必要と考えるからであります。

 まず、人事院の方にお伺いをいたします。

 人事院は、いわば一般職につきまして、東日本大震災に対処するための業務に係る特殊勤務手当について規定をしているところでございます。この規定は現在も継続をしているというふうにお聞きをしておりますけれども、その理由についてお伺いをすると同時に、その内容を踏まえて、これは首都直下型地震とか南海トラフ巨大地震、これを想定をしていると思われますけれども、東日本大震災以外の特定大規模災害などが発生した場合においても東日本大震災と同等の手当を整備していると承知をしているところでもございます。

 こういった新しい規定は、平成二十八年三月十一日でございますけれども、原子力関係閣僚会議で決定された原子力災害対策充実に向けた考え方、これを踏まえた対応だというふうに理解をしているところでございますが、この新しい規定がされました経緯と理由、そして内容についてお伺いをいたします。

    〔委員長退席、武田委員長代理着席〕

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、東日本大震災に対処するための特殊勤務手当の特例でございますけれども、これは、東日本大震災の発生に伴いまして一般職の国家公務員が著しく特殊な災害応急作業等の業務に従事することになったことから、当該業務に対して特殊勤務手当の特例を措置するために制定したものでございます。

 具体的には、福島第一原子力発電所の敷地内及びその周辺区域等で業務を行う職員に対する災害応急作業等手当の特例、遺体の収容等の業務に従事する職員に対します死体処理手当の特例等を設けております。この特例につきましては、現在も対象業務があるということで、引き続き存置しているところでございます。

 さらに、平成二十九年の改正でございますけれども、今委員御指摘のとおりの状況等を踏まえまして、特定大規模災害等が発生した際に、災害の状況等に応じまして、東日本大震災の場合と同様の特殊勤務手当を速やかに措置できるようにするために行ったものでございます。

 この改正におきましては、新たに東日本大震災以外の特定大規模災害等が発生した場合におきます特殊勤務手当の特例につきまして、対象業務や手当額の上限等をあらかじめ定めているところでございます。

 以上でございます。

広田委員 御答弁にあったように、人事院の方は、東日本大震災に係る特殊勤務手当は継続をするとともに、一般職の原子力災害における特殊勤務手当について、あらかじめ定めることができる事項については早急に定めておこう、こういった観点から、御紹介があったように、昨年の五月十六日に新たな規定を整備しているところでございます。

 一方、防衛省はどうなのかというふうに申し上げれば、東日本大震災を受けて規定した特殊勤務手当については、災害派遣が終了したということで、平成二十六年の四月一日に廃止をいたしております。それに伴い、例えば原子力災害派遣手当は、一日最高四万二千円だったものが三千二百四十円に戻ってしまいまして、実に十三分の一に減ったわけであります。

 ことしは全国で、大臣も御承知のとおり、災害が多発し、そして甚大な被害が発生し、自衛隊の皆さんも出動しているわけでございます。私は、こういうときだからこそ、危機感を持って、必要な対策はあらかじめ講じておくべきだ、そういう問題意識から質問をしてまいりました。

 これに対しまして小野寺前防衛大臣始め皆さんは、今後甚大な被害が出た場合は、東日本大震災に倣い、同様の措置を講ずる旨の答弁を基本としてまいりました。つまり、これは、大災害が発生をしてから対応するということであります。

 その一方で、慎重なという言葉を使われてはおりましたけれども、私は、この間も前向きに不断の検討をしていただいたものだというふうに理解をいたしております。

 繰り返しになりますけれども、首都直下型地震とか南海トラフ地震の切迫性が高まる中、日ごろから備えるべきは適切に備えることが求められているというふうに思います。実際、大震災等が発生してから対応すると、私も東日本大震災のときに携わらせてもらいましたけれども、関係省庁とのいろいろな協議、調整などで多くの時間を費やします。

 そういったことを考えたとき、また、一般職については既に新しい規定が整備されてからもう一年半たつわけでございます。もちろん、自衛隊の場合は、災害派遣などについては事態の態様についてさまざまな強度があって、一般職とは違う、隊員の皆さんの特殊性があることは十分に理解をした上で、今回の給与法案も一般職に準じて、参考にして変更するわけでございますので、この災害派遣の特殊手当について、東日本大震災等の教訓また一般職の取組を参考にしながら、来年度予算に向けてどういった対応をしていくのか。この点について岩屋大臣にお伺いをいたします。

    〔武田委員長代理退席、山本(と)委員長代理着席〕

岩屋国務大臣 まず、広田委員におかれましては、東日本大震災時に防衛大臣政務官として被災者の救出等に御尽力をいただいたこと、また、隊員に対する手当の見直しなどの対応をしていただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。

 また、ただいまの御意見も、災害派遣に当たる隊員のことを思っていただいての御意見だと思って、感謝を申し上げたいと思います。

 今委員御指摘いただいたように、災害派遣等手当及び死体処理手当について申し上げれば、昨年十二月五日の安全保障委員会における広田先生の御指摘も踏まえて、小野寺前大臣から、今後甚大な被害を伴う災害が起きた場合には、東日本大震災の特例に倣って同様の措置を講じてまいりたいと答弁をさせていただいたと承知をしております。

 こうした経緯も踏まえまして、防衛省といたしましては、原子力災害派遣に係る手当として日額四万二千円を上限とする災害派遣等手当の見直し及び大規模災害における御遺体の収容作業に係る手当として最大日額四千円とする死体処理手当の見直しについて、概算要求をし、現在関係省庁と協議を進めているところでございます。

広田委員 今、大臣から、概算要求をしているというふうな御答弁がございました。

 この点について私も二度これまで、きょうで三度目なんですけれども、まさしく三度目の正直ということで、本当に適切な、そして対応をしていただいたということは、現場の隊員にとっても本当に士気が上がることではないかなというふうに思いますので、ぜひとも、この概算要求を実現するよう更に財務省との協議についても精力的に取り組まれるように強く要請をするところでございます。

 続きまして、自衛官の定年についてお伺いをいたします。

 自衛隊法の第四十五条第一項によって、「自衛官は、定年に達したときは、定年に達した日の翌日に退職する。」つまり、誕生日に退職をすることになっております。特殊な感じもするわけですけれども、これは自衛隊の精強性の確保、再就職への迅速な対応などが理由として考えられるわけでございますけれども、この制度は、当時そもそもどのような理由で制定されたのか。まずお伺いしたいと思います。

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛官が誕生日に退職する制度についての御質問でございますけれども、これは、旧陸海軍の軍人も同様に誕生日を基準に現役を退く制度をとっておったわけでございますが、自衛隊におきましても発足当初から誕生日に退職するという制度になっておりまして、そういう意味で、慣行としても定着したものになっているというふうに考えております。

 これにつきましては、自衛官は一般の公務員とは違い、任務の特殊性あるいは専門性のために、一定期間の教育訓練を経て実任務につく必要がある中で、例えば、練度の高い隊員を事務官等のように年度末に一斉に定年退職させるということになりますと、年度の当初での部隊等の練度が急激に低下するなど戦力の急激な低下を招くおそれがある。こうした状況を避けるために、退職時期を分散させて誕生日退職にしているということであろうと考えられるところでございます。

広田委員 御答弁をいただきました。

 陸軍時代から続いているということについては、まあそうなのかなというふうに思ったところでございます。

 理由といたしましては、練度のことについて強調されているわけでございますが、この点も含めてちょっと若干、それこそまた、一般職の方との比較で議論を進めていきたいと思いますけれども。

 一方、一般職の場合は、国家公務員法第八十一条の二第一項で、定年に達した日以後の最初の三月三十一日と規定をいたしております。つまり、年度末まで在職することができます。これが一般的でありまして、自衛官以外の隊員も同じような対応をしているところでございます。

 逆に、自衛官が定年に達した翌日に退職するとどういった問題が生じるのか。確かに、今、練度の話もありますけれども、年度途中で主要なポストに空席が生じることによってその補充をしなければならないということ、また、それに伴って組織運営にも支障が生じる懸念があるわけでございます。いわゆる玉突き人事といったものが余儀なくされて、人事管理上も多くの労力を要するなどなど、いわゆる不定期異動の弊害といったものが挙げられるのではないかなというふうに思います。

 無論、現行制度においても、先ほど御答弁があったように、練度の問題等々があるというふうなことでございますけれども、年度年度で、しかも定年を迎えられる方が抜けるということで、練度が下がるのを分散するということは一定は理解をするところはあろうかと思いますけれども、しかしながら、今後、自衛官の皆さんの定年延長が不可避なわけでございますし、現実味を帯びている中で、私はこの際、民間とか地方自治体を始め多くの職種と同じように、年度末に定年退職するよう法改正を検討すべき時期にもう来ているのではないかなというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いをいたします。

    〔山本(と)委員長代理退席、委員長着席〕

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員の方からも、こういった制度についてのメリット、デメリットについてのお話がございましたが、誕生日に退職をすることによって、いろいろ年間を通じて退職者が分散して発生するというようなところ、あるいは、それに伴って就職援護のところでも事務の平準化が行われているという面もございます。また、自衛官の退職に係る業務について、さまざまな業務がございまして、一斉退職の場合の業務の一定の期間への集中といったようなこともございます。

 そういったメリット、デメリットもある中で、年度末に一斉に退職させるというのは、確かに、人材活用の点で、能力のある者を可能な限り長く公務内で活用できるという利点はあろうかと思いますけれども、さまざまなメリット、デメリット、そういった点を考えますと、自衛官の定年退職日については、現時点においては、現行の制度を維持することが適当なのではないかというのが現在の考えでございます。

 なお、この点につきましては、従来も、平成十八年から二十年ごろでございますけれども、自衛官の定年退職日のあり方についても検討が行われたことはございますけれども、なかなかこれにかわるいい案、代替案というのが見出せない中で、現行制度を維持するといった結論になったというところもございます。

広田委員 現状の防衛省の立場というのは理解をできましたが、ぜひとも、先ほど、繰り返しになりますけれども、自衛官の皆さんの定年延長というのがもう不可避、現実味を帯びている中でございますので、これはやはり検討の俎上に上げていただきたい。このことについては強く要請をしておきたいと思います。

 それでは次に、即応予備自衛官の確保についてお伺いいたします。

 これにつきましては、本年三月二十二日の当委員会において、各地本からの声といたしまして、即応予備自衛官の確保が困難になり、充足率が低下する中で、予備自衛官補から即応予備自衛官への間口、門戸を広げることについて提案をさせていただいたところでございます。

 これに対しまして当時の武田人事教育局長からは、引き続き検討を進めて、具体的な施策として実施すべく取り組みたいとの御答弁がございました。

 あの質問からはや八カ月が過ぎたわけでございますけれども、その後の検討結果についてお伺いをいたします。

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点につきましては、この検討状況ということでございますけれども、より多様な人材を確保し有効に活用するという観点から、自衛官の経験のない、予備自衛官補から予備自衛官に任用されたいわゆる公募予備自衛官が、一定の教育訓練を受けた上で即応予備自衛官に任用できるように、即応予備自衛官制度見直しのための取組を進めているところでございます。

 具体的な点を申し上げますと、一般の公募予備自衛官、これは普通科職種でございますが、即応予備自衛官に任用するために、小銃等の教育訓練を約四十日間行うことを念頭に置きまして、所要の経費を平成三十一年度概算要求に計上いたしたところでございます。

 防衛省といたしましては、さまざまな観点から即応予備自衛官に係る制度や施策について検討いたしまして、施策化できるものから実施していくことにより、予備自衛官等の充足率の向上に努めてまいりたいと考えております。

広田委員 時間が参りました。

 この点についても、間口、門戸を広げるべく取り組まれていることについて高く評価をしたいと思います。

 即応予備自衛官の充足率の向上に向けて不断の努力をしてくださっていることに心から感謝と敬意を申し上げまして、質問を終了します。

 どうもありがとうございました。

岸委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 赤嶺政賢です。

 法案については、人事院勧告に基づく国家公務員全体の給与引上げの一環であり、賛成です。

 きょうは、まず、辺野古の基地建設にかかわる国土交通省から防衛省への出向状況について質問をいたします。

 防衛大臣に伺いますが、二〇一六年一月以降、辺野古の基地建設にかかわり、国土交通省の職員が防衛省に出向していることが報じられています。そもそも防衛省が国土交通省に職員の出向を求めた経過と理由、これまでの出向した職員の延べ人数と現在の人数、出向者の選定基準と出向後の具体的な職務の内容を明らかにしていただけますか。

岩屋国務大臣 普天間飛行場の一日も早い返還を実現するために、防衛省としては、普天間飛行場代替施設建設事業を着実に進めていきたいと考えております。その際、環境や住民への影響にも配慮しながら進めていくとともに、工事の安全な実施に努めていくことが重要だと考えております。

 したがいまして、こうした点を踏まえて、国土交通省から海洋土木工事に関する経験、知見などを有する職員が出向し、担当部局において防衛省職員として業務に従事をしております。

 これまで出向した延べ人数は、平成二十七年四月に普天間飛行場代替施設建設事業推進チームが設置されましてから同チームへの国土交通省からの出向者数は、延べで十八名、平成三十年十月現在での出向者数は十名でございます。

 そして、普天間飛行場代替施設建設事業を進めていくために、国交省から海洋土木工事に関する経験、知見などを有する職員が防衛省に出向して、担当部局において防衛省の職員として業務に従事をいたしております。

 さらに、本省内部部局に出向している職員は、このFRFチームにおいて、工事計画に係る事務の総括に関すること、法令及び制度上の検討に関することの業務に従事をいたしております。

 沖縄防衛局に出向している職員は、防衛施設の建設工事に係る業務に従事をいたしております。

赤嶺委員 防衛省はこれまで岩国飛行場の沖合移設事業、埋立工事を行った実績もあるはずだと思いますが、出向をなぜ求める必要があったのか。具体的にどういう点で国交省の持つ専門的な知見が必要であったということでしょうか。先ほどもちょっと述べておられましたが、岩国の経験を持つ防衛省がなぜあえて出向を求める必要があったのか。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど大臣も申し上げましたように、普天間飛行場の一日も早い返還を実現していくこと、これは極めて重要だと考えております。

 そのために、普天間飛行場代替施設の建設事業を着実に進めていくことは非常に重要だと考えておりまして、その際に、環境、住民への配慮、あるいは工事の安全な実施ということを確保しながら、しっかりと行っていくということが極めて大切だと考えております。

 こうした観点から、国土交通省から必要な経験、知見を有する職員の方に出向してもらい、防衛省職員として仕事をしていただいている、そういうことでございます。

赤嶺委員 まあ、全く同じ答弁なんですけれども。

 沖縄防衛局は、当初は大浦湾側のK9護岸から工事を進めていました。その後、K9護岸の工事は中断をしまして、辺野古側の工事に移行をいたしました。大浦湾の方では、当初想定されていなかった軟弱な地盤も確認をされています。

 国交省に出向を求めた背景には、そうしたことへの対応もあったという理解でよろしいでしょうか。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま委員御指摘のございました大浦湾側の地盤についての御指摘でございますけれども、こうした地盤の強度等につきましては、適切にボーリング調査を実施し、現在実施中のものも含めましたボーリング調査の結果等を踏まえまして、地盤の評価を総合的に判断をすることとしてございます。

 他方、防衛省といたしましては、代替施設の建設事業を着実に進めていくためには、国土交通省から経験、知見を有する職員に出向してもらい、担当部局において防衛省職員として業務に従事をしてもらうことが必要と考えて出向をしてもらっているということでございますので、御指摘は当たらないものと考えてございます。

赤嶺委員 防衛省が国交省からの出向者を受け入れるために、防衛省の組織令も改定をしているんです。本省で大臣官房審議官、大臣官房参事官、これを一人ずつ、沖縄防衛局でも次長を一人増員する、こういうことを閣議決定し、そこに国交省からの出向者をつけております。

 専門的な知見を有する一般職員だけでなく、幹部ポストもふやして、そこに出向者を充てた。本省にもいるということを、大臣、御答弁になりましたが、それはどのような理由からですか。

西田政府参考人 委員御指摘のように、大臣官房審議官、大臣官房参事官、沖縄防衛局次長、この三名につきましては、組織令の改正をポスト上する必要がございますので、御指摘のように、改正を行って出向をしているということでございます。

 これは、先ほど来申し上げておりますように、海洋土木工事に関する必要な経験、知見を有するこうした職員が事業を進めていく上で必要だということで行っているところでございます。

 なお、この大臣官房審議官等の出向につきましては、これは防衛省全体の定員の増減を伴うものではなく、また、経費面でも、防衛省内で既存のポストの見直し等を行った上で行っているところでございまして、本件によって人件費の増等を伴うものではございません。

赤嶺委員 国土交通省にも伺いたいんですが、防衛省からの依頼があったとき、どのような判断で応じることを決めたんですか。

浅輪政府参考人 お答えいたします。

 防衛省から国土交通省に対して、海洋土木工事の経験の豊富な者を出向させてほしいという協力依頼があり、人数、ポスト等、防衛省と調整の上、国土交通省から防衛省に職員を出向させることといたしました。

赤嶺委員 事前にいただいた資料を見ますと、先ほどから説明があるように、港湾局を中心に十名を出向させているわけです。

 国交省は、これだけの職員を出向させることを決めた。これだけの出向者を出して体制的に大丈夫なんですか。

浅輪政府参考人 他省庁への出向により欠員が生じた際には、順次、人事異動で補充をいたしてございます。

赤嶺委員 幹部職員も含めてこれだけの人を異動させてやっている。国交省というのは、そんな簡単に人を出せる、そういう役所なんですか。

浅輪政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の人事異動につきましては、二十八年一月二十九日に発令してございます。当該異動で出向した職員の欠員につきましては、幹部職員も含めて、平成二十八年四月一日までの人事異動で順次補充をいたしました。

赤嶺委員 いろいろ私が求める説明にはなかなかたどり着かないんですけれども、防衛大臣に確認したいと思いますが、今防衛省が進めている辺野古の建設工事というのは、今までの説明にもあったように、国交省の協力を得ながら進めている、そういう理解でいいわけですよね。

岩屋国務大臣 国交省からの出向者は、先ほど来御説明しておりますように、その専門的な知見のゆえに出向してもらい、防衛省の職員として働いてもらっているわけでございますから、防衛省としてこの事業に当たっているということであって、国交省と連帯、もちろん関連する事柄はたくさんございますけれども、何というか……(赤嶺委員「連帯でいいんですよ」と呼ぶ)連帯してやっているということではないと御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 もう少し具体的に伺います。

 防衛省は、辺野古の基地建設を推進するためのチーム、普天間チームを省内に設けております。現在、国交省から出向している宮崎大臣官房審議官は、そのチームの副チーム長についています。西尾大臣官房参事官は、工事計画を総括する事業班の班長であります。沖縄防衛局でも遠藤次長がその職についています。

 国交省から出向した幹部職員は、防衛省、沖縄防衛局の意思決定に直接かかわって事業を推進している、そういうことですね。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のありました三名につきましては、それぞれの立場で、この代替施設建設事業につきまして、防衛省職員として業務に従事をしているということでございます。

赤嶺委員 国交省の職員が重要なポストにいるということであります。

 防衛大臣に伺いますが、政府は、今回の沖縄防衛局による審査請求と執行停止申立て、そして、国土交通大臣による執行停止決定は法律に基づいた手続だ、このように繰り返し説明してまいりました。

 しかし、私が予算委員会でも申し上げましたが、そもそも辺野古の基地建設は、二〇〇六年の閣議決定に基づく国の事業であります。内閣の一員である国土交通大臣に公正中立な判断などできるはずがありません。しかも、辺野古の基地建設は、実態として、防衛省が国交省からの協力を得て進めている事業であります。

 こうした実態があるにもかかわらず、行政不服審査法に基づく手続だけは別だ、こんな説明、およそ通らないのではありませんか。

岩屋国務大臣 行政不服審査法は、私人だけではなくて、国あるいは地方自治体も審査請求ができる仕組みだと私ども考えておりますので、その法令にのっとって審査請求をし、国土交通大臣は、まさにその法令に基づいて審査庁としての御判断をいただいたというふうに思っております。

赤嶺委員 まあ、形はそう整えたわけですよ。

 私は、きょうは、今回の防衛局における審査請求と執行停止申立ての決裁文書、これを取り寄せて見てみました。中嶋局長の横に印鑑を押しているのは、遠藤次長の印鑑がきちんと押してあるんです。国交省の出向者もかかわって出された執行停止申立てに国交省が応じるというのは、到底納得できるものではありません。辺野古の基地建設は、辺野古が唯一の選択という安倍政権の統一した方針のもとで、防衛省と国交省が一体となって進めているのが実態です。その両者の間で行政不服審査制度を使うということは、これは到底、法律の制度の濫用以外の何物でもないということを厳しくして、質問を終わりたいと思います。

岸委員長 次に、下地幹郎君。

下地委員 日本維新の会の下地幹郎です。

 防衛省の職員の給与法の改正案について我が党は反対、その反対の理由を述べながら、大臣に答弁をいただきたいと思います。

 まず一点目は、人事院勧告は、民間の給与と国家公務員の給与を比較して、その差額から公務員の給与やボーナス等を決めていますが、その民間の給与は、企業の経済活動や景気、株価などに左右されます。他方、自衛隊の活動は、経済活動とは全く関係なく、我が国を取り巻く安全保障の環境に大きく依存しており、こういうふうな自衛隊を人事院勧告で給与を決めるというのはいかがなものかというのが一点あります。

 それで二つ目ですけれども、給与体系が警察予備隊創設時に警察に準じた給与体制を導入し、現在までこの制度を維持しているということ、これも少しおかしくないでしょうかということが二点目にあります。

 三番目ですが、自衛隊の俸給が、行政職の俸給表、公安職の俸給表、指定職の俸給表に準じて、給与改定も基本的には一般職に準じているというような意味においても問題がある。

 このような状況が三十年以上続いているということについて、ここは、年末までに防衛大綱をやられるということでありますけれども、自衛隊の自衛官の処遇についても議論をされていると思いますが、大臣の方で、この給与のあり方、こういうところまで、自衛官の給与のあり方まで、今回の防衛大綱の中で、処遇改善の中で検討して新たな給与体制をつくるというお気持ちがあるかどうかをお聞きをさせていただきたいと思います。

岩屋国務大臣 ただいまの下地先生の御意見は、崇高な使命に当たる自衛隊、自衛官を思っていただいての御意見だと思って、それはありがたく受けとめたいと思いますが、しかし、自衛官の俸給につきましては、今委員からもお話しいただいたように、職務の類似する一般職の国家公務員の警察官等に適用される公安職俸給表等の俸給を基準としておりまして、官民比較に基づく人事院勧告を尊重した一般職の国家公務員の給与改定に準ずることで、給与制度の信頼性、公正性を確保しているところでございます。

 しかし、自衛隊は特殊な任務に当たりますので、そういう特殊な任務に従事する自衛官については独自の手当を設けておるところでございまして、これは、さらに充実をさせていかなければいけないというふうに思っております。

 目下のところ、大綱、中期防に向けて給与体系全般の見直しというところまで含めていくという考えはございませんが、処遇改善については不断に検討を重ねて、成果を出していきたいと思っております。

下地委員 大臣、一般的な会社でも、定期昇給というか、これが非常に大事なんです。利益が出た、そのときに一時手当を出すということはありますけれども、定期昇給でどんどんふやしていくということが非常に大事。

 そういう意味では、非常に厳しい任務をやったら手当を上げるというだけではなくて、自衛隊そのものの給与を上げていくというのは非常に大事なことでないかと思います。

 また、安倍総理が、憲法九条の改正について、自衛隊を明確に明記した方がいい。全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできるよう環境を整えることは、今を生きる政治家の責任であります。こういうふうに言っていますので、誇りと自信とかというのを、責任とかという意味においても、やはり評価は給与でしかできませんから。愛情では高評価になりません。

 そういう意味でも、しっかりと給与体系をやってもらいたいというのが一点あります。

 それともう一つですけれども、人事院勧告、出ますよね。人事院勧告が出たら、給与関係閣僚会議で協議されて決まるんですよ。だけれども、国家公務員の四割以上がいる防衛大臣、この正規メンバーじゃないんですよ。

 そういう意味でも、今言った特殊なお仕事もしているし、国家公務員の四割も大臣の配下にいるということなのであれば、この給与関係閣僚会議という正式なメンバーに大臣がなるべきだと私は思うんですけれども、それについて大臣、私がなるべきだという思いはありませんか。

岩屋国務大臣 せっかくの先生の御指摘、御意見ですから、検討させていただきたいと思います。

下地委員 自衛隊の役割、物すごく大きな役割になってきていますので、給与体系の中における多くの役割の部分をぜひ果たしていただきたいというふうに思います。

 最後になりますけれども、一問ですけれども、一個だけ定義をいただきたいんです。普天間基地が危険だという定義、これをちょっとお教えいただきたいんです。

 私がこの前も質問しましたが、嘉手納飛行場が離発着が五万八千回、岩国が四万八千回、三沢が二万三千回、厚木が二万回、普天間が一万三千回、横田が一万回というこの飛行回数なんですよ。だけれども、世界一危険だとよく言われますよね、二十二年前から言っていますけれども。危険だという基地というものの基準みたいなものは何でしょうかというのをちょっと。

 飛行回数が多ければ嘉手納が一番危険に決まっていますよね。そうじゃなくて、一万三千回の普天間がどうしても危険だという何か基準みたいなもの、大臣、お持ちですか。

岩屋国務大臣 基地が危険であるということのその基準とか定義というものがしっかりあるとは思っておりませんが、先般、先週末、私も沖縄にお邪魔して、宜野湾の市役所の上から改めて普天間基地を拝見させていただきました。

 そこに地図がございまして、周りにある学校に赤い印がついておりましたが、もうほぼ基地を取り巻くような感じで、ああ、これだけたくさんの学校が近くにあるんだなと。市長さんは、いや、もうそのほかにも、保育園とか、子供のいる施設もいっぱい更にこの周りにあるんですよという説明をしておられましたが、この一点だけとっても、やはり、普天間の危険性は一刻も早く除去をしなければいけないなという思いを新たにしたところでございます。

下地委員 時間がないのでもう終わりますが、横田基地とか嘉手納基地とか岩国基地とか、その地域における保育園とか学校の数はお調べになってもいいのではないかなと思う。

 特に、那覇飛行場が大体十七万回飛んでいまして、福岡空港、これが大体十六万回ぐらい飛んでいます。伊丹空港が、これも十七万回ぐらい飛んでいますけれども、病院、保育所、小学校、中学校、高校が一番多いのが伊丹、その次が福岡、その次が那覇空港、その次が普天間、そういうふうな、数的にも相当低いんですよ。

 そろそろ、二十二年間たって、政府が一生懸命やって、いろいろな訓練の移設とかいうのが成功してきましたから、本当に普天間がどこが危険なんだというのをはっきりと示さなければいけない時期が来ているのではないかな、そういうようなことだけ私の方から述べさせていただいて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

岸委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 防衛大臣に尋ねます。

 防衛省が沖縄県石垣市にミサイル部隊の配備を計画する陸上自衛隊駐屯地の建設予定地で、防衛省から測量を委託された業者が、移設に反対する地権者の農園に無断で立ち入って、木を伐採したり栽培作物を切り落とすなどしていたことが判明しました。

 この件で沖縄防衛局管理部長が文書で謝罪をしておりますが、謝罪だけではなく、私は十分な補償をすべきだと思いますが、大臣の見解を尋ねます。

岩屋国務大臣 本件は、石垣市に建設予定の陸上自衛隊駐屯地の用地取得のために測量業務を実施しておりましたところ、先生御指摘のように、委託業者が用地の境界を誤認して、測量範囲外の土地の地権者の方に無断で土地に入って、くいの設置及び枝打ちを行ったものでございます。

 委託業者による測量事業において、委託業者が用地の境界を誤認したとはいえ、結果的に、地権者の方の同意なしに立ち入って、くいの設置等を行ってしまったことはまことに遺憾でありますし、私どもも大変申しわけないというふうに思っております。

 今月九日に、沖縄防衛局が当該地権者の方に対して謝罪の上、文書を手交しましたけれども、補償につきましては、地権者の方の御意向を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。

照屋委員 防衛省は本年度内に駐屯地の建設に着手する方針を固めたようです。着工が来年度以降になると、改正施行された沖縄県環境アセス条例の適用を受けるため、アセス逃れの駆け込み着工だと市民、県民から強い批判がありますが、大臣はどのように受けとめておりますでしょうか。

 また、石垣市では、陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例制定の直接請求に向け、去る十月三十一日から、石垣市住民投票を求める会が署名集めを開始しております。

 このような動きもある中で拙速な着工は避けるべきだと考えますが、大臣の見解を伺います。

岩屋国務大臣 石垣島への陸自部隊の配備に向けまして、今月の二日に造成工事の入札公告を行いました。

 これは、今年度に計上されている予算を執行する上で必要な契約に向けた手続を進めていたところ、その準備が整いましたので入札公告を行ったものでございまして、御指摘のように、沖縄県の条例の適用を除外することを念頭に置いたものではございません。

 この入札公告において着工予定を来年二月ごろというふうにしておりますけれども、現時点では契約相手が未定でございまして、実際の着工時期は確定しておりません。あくまでも、入札公告時における見込みの着工時期を記載をしているものでございます。

 また、先生御指摘の石垣の住民投票のお話ですが、地方自治に関することでございますので、防衛大臣としての立場からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 いずれにしても、私どもとしては、南西地域における自衛隊の配置の空白状況を早期に解消する必要がある、これが喫緊の課題であるというふうに思っておりまして、引き続いて地元の皆さんへの丁寧な説明に努めつつ、石垣島における陸自部隊の配備を進めてまいりたいと考えております。

照屋委員 岩屋大臣は、去る十一月十日、沖縄に初来県した際の記者会見で、移設作業が残念ながらおくれてきたので、当初の約束だった五年以内の運用停止は難しいと語っております。

 大臣は、来年二月までの普天間飛行場の運用停止は実現できず、二〇一三年十二月に当時の仲井真知事と安倍総理の間で約束された運用停止はほごになったという認識でしょうか。

岩屋国務大臣 そういう認識ではございません。

 私どもとしては、五年以内の運用停止、当時の仲井真知事さんと共有した認識、これを果たすべく懸命に努力してきたわけでございますけれども、もう多くは申し上げませんが、その後、さまざまな紆余曲折がございまして、辺野古への移設作業もおくれてきております。そういうさまざまな状況を勘案すれば、なかなか、あの当時の、五年以内の運用停止ということを達成することは厳しい状況になってきている。

 しかし、沖縄の負担軽減については、できることは目に見える形でしっかりやっていこうということでこれまでも取り組んでまいりましたし、これからもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

照屋委員 大臣、復習のために申し上げますが、仲井真元知事は、工事の進展とは切り離しての運用停止を安倍総理に求めたんです。それに対して安倍総理が、できることは何でもやるという約束を。工事の進展ぐあいと五年以内の運用停止は最初から切り離されている。再三、仲井真知事も県議会で答弁をしている。そのことをぜひ忘れないでいただきたい。

 そして、大臣は沖縄での記者会見で、普天間飛行場の五年以内の運用停止について、新たな目標を国と沖縄がともに設置できるような環境をつくっていかなければならないとも語っておる。大臣の言う新たな目標とは、普天間飛行場の運用停止の期限設定を新たに設けるということか、それとも、運用停止の状態や危険性除去のあり方そのものを見直して新たに定義するという意味でしょうか。具体的にわかりやすく説明してください。

岸委員長 岩屋防衛大臣、時間が来ておりますので簡潔にお願いします。

岩屋国務大臣 十日の現地での記者会見における私の、先生が今挙げられた発言は、国と沖縄県の双方が、移設が完了するまでの間における普天間飛行場の危険性の除去について認識を共有し得るような環境をつくっていくことが大事だという趣旨を申し上げたものでございます。

岸委員長 照屋君、時間です。

照屋委員 時間がありませんので端的に聞きます。

 五年以内の運用停止をほごにして、新たな期限設定という大臣の考えではないですね。

岸委員長 新たな質問にはもう入れませんので、これで終わりたいと思います。時間であります。

 次に、長島昭久君。

長島委員 新会派、未来日本の長島昭久です。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず最初に、提案されている給与法の改正につきましては、特段の問題点はないと存じますので、賛成をいたします。

 以下、質問させていただきます。

 現在、大臣、年末に向けて、防衛計画の大綱、次期中期防の作業が進められている、このように承知をしております。

 安倍政権になって、二〇一三年、大綱の上位に位置をする戦略文書である国家安全保障戦略というものを策定をいたしました。私は、これは画期的なことだというふうに評価をしております。

 しかし、五年たって、後でちょっと質問させていただきますけれども、さまざまな日本を取り巻く環境変化があったにもかかわらず、今回は、国家安全保障戦略の見直しをしないで、いきなり防衛計画の大綱の改定を行うことにした。この政府方針に間違いありませんか。

岩屋国務大臣 この段階では、国家安全保障戦略を見直すという判断には至っていないと承知しています。

長島委員 確かに安保戦略については、防衛大臣というよりは、総理、官邸が主導して判断をしているということでございます。

 ですから、今細かく防衛大臣を詰めても仕方がないかもしれませんが、せっかくの安保委員会でもあり、防衛大臣の御所見は伺っておきたいというふうに思っています。

 まず、大綱の位置づけなんですけれども、私の理解するところによると、例えばアメリカだったら、国家安全保障戦略があって、そして国家防衛戦略があって、そしてそれを国家軍事戦略に落とし込んでいく、こういう三段階になっています。

 日本も、これまでは防衛計画の大綱、そして中期防、こういうことを言われて、買物リストかとよくやゆされてきたわけですけれども、その上位概念として国家安全保障戦略というものをつくって、それに基づいて大綱を整備する、こういう考え方になったものというふうに理解しているんですが、この点の理解に間違いありませんか。

岩屋国務大臣 そのとおりであると思います。

長島委員 そこでなんですが、この五年間をちょっと振り返ってみたいというふうに思うんですが、相当変化が激しいというふうに思っているんです。しかも、これは、装備品の更新とか、あるいは今の装備体系を前提にした量的な拡大だけではとても対応し切れないような、実は質的な変化というものが顕著であると私は認識をしております。

 大臣なりに、これまでの五年間、二〇一三年から一八年に至るこの五年間、我が国を取り巻く安全保障環境、どんな変化があったというふうに認識をされていますか。

岩屋国務大臣 もうこれは専門家である長島委員に一々申し上げる必要もないことだと思いますが、私も、五年前に大綱をつくった段階の想定よりもはるかに速いスピードで安全保障環境は変わってきていると思います。

 北朝鮮の核、ミサイルの問題もありますし、中国の不透明な形での軍事の増強、さらには東シナ海、南シナ海での活動の活発化、さらにはテロの脅威、あるいは、サイバー空間あるいは宇宙空間における脅威等々、これまでの防衛力というものをまた乗り越えた、さまざまな領域に対応できる防衛力を構築しないことには対応できないという状況に一気に変わってきたというふうに感じております。

長島委員 私も同様の認識を持っているんですが、最大の変化は、やはりアメリカのトランプ大統領の誕生だというふうに思うんです。

 昨年の十二月にアメリカの国家安全保障戦略が大幅に修正をいたしました。これも別にトランプ大統領だけが言っているだけではなくて、この国家安全保障戦略というのは、当時、大統領補佐官をやっていたマクマスターさんが中心となって、国防長官のマティスさんを始めとして、政府全体としてこの戦略を見直そうということで、二つの特徴的な言葉を使っています。

 一つは、現下の国際情勢を、大国間の競争、グレート・パワー・コンペティションというこういう言葉を使っていますが、大国間の競争になっていて、しかも、中国とロシアという国を名指しで、既存の国際秩序に対し挑戦を試みる修正国家である、リビジョニストカントリーでありステートであるというふうに明言をしているんです。これは、今までのオバマ政権とも前のブッシュ政権とも大きく違う点なんです。

 この国際秩序観を防衛大臣として共有されますか。

岩屋国務大臣 それはなかなかに難しい御質問であろうかというふうに思います。

 どの国を特定するということではなくて、五年前の段階に比べて我が国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しさを増してきている。だから、それに対応できる防衛力をこれからつくっていかなきゃいけないと思いますし、五年前のあの安全保障戦略のキーワードは積極的平和主義だったと思うんです。その考え方は今なお有効であって、その考え方のもとに平和を積極的につくり出していく役割を日本の防衛力も果たさなければいけないという考え方で、なおかつ、厳しい安全保障環境にしっかりと対応できる、そういうものをこれからつくり上げていきたいというふうに考えているところでございます。

長島委員 アメリカの政策も戦略も大きく転換したと同時に、ここへ来て、米中新冷戦かというような状況になっている。火曜日に前原さんが質疑をされていましたけれども、まさにあの十月四日のペンスの演説というのは、一九四六年のチャーチルの鉄のカーテン演説の再来とも言われている。あるいは、レーガンの悪の帝国演説の再来とも言われている。

 つまりこれは、軍事だけじゃなくて、経済も、文化も、それから統治体制も、全面的な米中の激突になる可能性がある。

 こういう意味では非常に深刻な状況だし、前の米ソ冷戦というのは、正面はヨーロッパだったんです。今回の米中新冷戦がもし起こったとすれば、これはもう正面は日本であり、台湾であり、アジア太平洋地域の国々になるわけです。ですから、深刻度がもう完全に違うということ。

 それから、この間に安倍政権は自由で開かれたインド太平洋戦略というものも打ち出している。だから、そういうものも取り入れた、私は、新しい国家安全保障戦略というものが策定されてしかるべきだというふうに思うんです。

 もう少し実例を挙げたいと思うんですが、直近の課題でいうと尖閣周辺、これもかなり質的に変化していると思うんです。

 相変わらず公船が入ってきている。これはもう二〇一二年からずっと続いている現象ですけれども、入ってきている公船の海警、この海警の所属が、これまでは国務院だった。それがことしの三月になって、人民武装警察部隊、武警と言われているもの、これは人民解放軍につながっていくわけです。つまり、今までは、日本の海保と同じように、自衛隊という組織とは違うそういう系列だったものが、人民解放軍、軍に系列を変えてきた。

 私はこれは大きな質的な変化だと思いますし、南シナ海の人工島も五年前にはなかったんです。全くなかった。これが、一四年から一五年にかけて広大な人工島がつくられ、しかも、軍事化はしないと言いながら、もう三千メートルの滑走路もつけられて、しかも対空火器もつけられている。こういう状況ですよ。

 それから、もう一つつけ加えて申し上げたいのは、今は太平洋にどんどん航空機も、それから中国の軍艦も出てくるようになりました。まさに常続的に、北方艦隊から東海艦隊、それから南海艦隊まで出てくるようになった。これは、私は大変な変化だと思っているんです。

 先日、台湾に行っていろいろな人と話をして、我々は今まで西側だけ、つまり、中国大陸の方だけ気にしていればよかったんですが、太平洋に出るということは、バックをとられるというか、東側の海域まできちっと対応しなきゃならない。つまり、三百六十度これから対応していかなきゃならないということで、単純に考えても二倍の装備がかかるわけですよ。予算もかかるわけです。

 こういう状況を目の前にしてなお大綱だけの変更で済ませるということは、私は少し無責任な気がするんです。

岸委員長 時間が経過しておりますので簡潔にまとめてください。

長島委員 そういう意味では、国家安全保障戦略の見直しにぜひ着手するように、大臣の方からもそういうふうに働きかけていただきたい。このことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

岸委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

岸委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決をいたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

岸委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

岸委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十二分散会


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